JP2018012685A - 組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料中での電荷移動に優れる組成物、その製造方法、及びその利用方法の提供。【解決手段】カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子を有する組成物であって、前記カチオンの10〜95モル%が第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5〜90モル%が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、前記対カチオンの1〜99モル%好ましくは、3〜45モル%又は60〜99モル%がC2の分子カチオンであり、前記アニオンの10〜100モル%が第17族元素のアニオンであり、前記結晶性粒子が、ペロブスカイト構造を有する、組成物。好ましくは前記C2の分子カチオンがエチルアンモニウムカチオンである、組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、その製造方法、及びその使用に関する。
ペロブスカイト構造を有する化合物は、一般式としてABX3等で表され、Aサイト及びBサイトのカチオンと、Xサイトのアニオンとから構成される。そのような化合物の例としては、CH3NH3PbI3を挙げることができ、この例において、AサイトのカチオンはCH3NH3 +に、BサイトのカチオンはPb2+に、XサイトのアニオンはI-に、それぞれ対応する。Bサイトのカチオンは、Xサイトのアニオンに6配位で結合しており、対称又は非対称な8面体を形成している。
近年、金属ハロゲン化物が、ペロブスカイト構造を有することで材料中での電荷の移動に優れるために、太陽電池などの様々な用途で注目されている。例えば、非特許文献1では、セシウムカチオン(Cs+)、鉛カチオン(Pb2+)、ヨウ素アニオンからなる化合物に340℃以上の加熱を施すことで、ペロブスカイト構造を有する化合物であるCsPbI3が製造できることが記載されている。
非特許文献2には、ホルムアミジウムとセシウムカチオンとを85:15で含む、立方晶の鉛ヨウ化物(CH(NH22)Cs(1-x)PbI3(x=0.15、0.30、0.45、0.70)を製造できることが開示されており、x=0.15は125℃、x=0.7は160℃の加熱が立方晶の形成に必要であることが記されている。
非特許文献3では、有効イオン半径が2.74Åのエチルアンモニウムカチオン(CH3CH2NH3 +)を含む、エチルアンモニウムカチオン、鉛カチオン(Pb2+)及びヨウ素アニオンからなる化合物は、バンドギャップが2.2eVの六方晶構造を有するCH3CH2NH3PbI3を形成することが知られている。
非特許文献4では、ペロブスカイト構造を有するハロゲン化物について、ペロブスカイト構造のAサイトカチオンの双極子モーメントが大きくなるほど、カチオンの回転が容易になり、材料中での電荷の移動に有利となることが開示されている。
非特許文献5では、ペロブスカイト構造を有するハロゲン化物CH3NH3PbI3について、正方晶の方が、立方晶よりも結晶単位格子での分極が小さいことが記載されている。結晶単位格子での分極が小さくなると、デバイスとしての使用時の残留磁化が少なくなるために、動作安定性に優れることが知られている。
Nat. Chemm. 2014, 5, 5757. Chem. Mater. 2016, 28, 284. Nanoscale Res. Lett. 2012, 7, 353. J. Phys. Chem. C 2015, 119, 1253. J. Phys. Chem. Lett. 2015, 6, 2223.
しかしながら、非特許文献1に記載のCsPbI3や、非特許文献3に記載の(CHNHNH3xCs(1-x)PbI3は、Aサイトカチオンの双極子モーメントが小さく、材料中での電荷の移動に優れる材料の開発が望まれている。
非特許文献3の化合物であるCH3CH2NH3PbI3の結晶構造は六方晶であるため、ペロブスカイト構造を有する、電荷の移動がより優れた材料の開発が望まれている。
また、非特許文献1や非特許文献2の化合物は、ペロブスカイト構造を形成するために高温を必要とする、高温安定相である材料のために、室温での使用時(電圧を印加された際、光励起キャリアを生成した際、など)に、相転移などを生じる可能性がある。動作安定性の観点から、より低温でペロブスカイト構造を形成できる材料の開発が求められている。
例えば、非特許文献2に記載の(CH(NH22)Cs(1-x)PbI3は立方晶であり、より動作安定性に優れる、正方晶を有する材料の開発が望まれている。
本発明は、上記の従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、材料中での電荷移動に優れる組成物、その製造方法、及びその利用方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、所定の方法で製造した、所定のカチオンと所定のアニオンを含む組成物、とすることで上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は下記のとおりのものである。
[1]
カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子を有する組成物であって、
前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンであり、
前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、
前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、
前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
前記結晶性粒子が、ペロブスカイト構造を有する、組成物。
[2]
前記対カチオンの3モル%以上45モル%以下が、炭素数2の分子カチオンである、[1]に記載の組成物。
[3]
前記対カチオンの60モル%以上99モル%以下が、炭素数2の分子カチオンである、[1]に記載の組成物。
[4]
前記炭素数2の分子カチオンが炭素−炭素結合を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記炭素数2の分子カチオンがエチルアンモニウムカチオンである、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記対カチオンが第一族元素カチオンを含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記対カチオンの1モル%以上40モル%以下が、第一族元素カチオンである、[6]に記載の組成物。
[8]
前記対カチオンの前記対カチオンの1モル%以上45モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、前記対カチオンの55モル%以上99モル%以下が、第一族元素カチオンである、[6]に記載の組成物。
[9]
前記結晶性粒子に含まれる、炭素数2の分子カチオンと無機物カチオンのモル比が、炭素数2の分子カチオン/無機物カチオンとして、0.01以上0.95以下である、[6]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
前記第一族元素カチオンがセシウムカチオンである、[7]〜[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]
前記対カチオンが、エチルアンモニウムカチオン及び第一族元素カチオンを含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]
前記カチオンの15モル%以上80モル%以下が、前記第14族元素カチオンである、[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]
前記アニオンの60モル%以上100モル%以下が前記第17族元素アニオンである、[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]
前記第14族元素カチオンが、鉛カチオン又は錫カチオンである、[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]
前記ペロブスカイト構造が、正方晶である、[1]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[16]
前記ペロブスカイト構造が、立方晶である、[1]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[17]
バンドギャップが1.60eV以上1.80eV以下である、[1]〜[16]のいずれかに記載の組成物。
[18]
薄膜形態である、[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物。
[19]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の製造方法であって、
前記カチオンと前記アニオンとを含む組成物前駆体を調製する工程と、
前記組成物前駆体を310℃以下で加熱する工程と、
を含み、
前記組成物前駆体において、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が前記第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が前記対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が前記炭素数2の分子カチオンであり、前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、組成物の製造方法。
[20]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、半導体材料としての使用。
[21]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、太陽電池材料としての使用。
[22]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、太陽電池の光吸収層としての使用。
[23]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、光センサーとしての使用。
[24]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、発光材料としての使用。
本発明に係る組成物は、材料中での電荷移動に優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
(組成物)
本実施形態の組成物は、カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子を有する組成物であって、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、前記結晶性粒子が、ペロブスカイト構造を有する。
このように構成されているため、本実施形態の組成物は、電荷の移動に優れる。なお、本明細書において、「電荷の移動に優れる」とは、ペロブスカイト構造を有し、かつペロブスカイト構造のAサイトに双極子モーメントが大きいカチオンが含まれることを意味する。
本実施形態において、光吸収特性に有利となる、及び/又は価電子帯や伝導帯を形成する状態密度がより大きくなる観点から、カチオンの10モル%以上95モル%以下を第14族元素カチオンとする。同様の観点から、前記14族元素カチオンの含有量は15モル%以上が好ましく、30モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。吸光係数が大きくなることは、組成物が効率良く照射された光を吸収するために有利であり、状態密度が高くなると、吸光係数の増大などに有利となる。また、対カチオンを多く含むことができる観点から、第14族元素カチオンの含有量は80モル%以下が好ましく、75%以下がより好ましく、65モル%以下がさらに好ましい。
前記14族元素カチオンは、特に限定されないが、例えば、Si4+、Ge2+、Ge4+、Sn2+、Sn4+、Pb2+が挙げられる。前記第14族元素カチオンと前記第17族元素アニオンとの八面体構造の形成に有利である観点、及び前記第14族元素カチオンとアニオンとの共有結合性を大きくすることで、それぞれの状態密度を広げることなどに有利である観点から、2価のカチオンであることが好ましく、具体的には、Ge2+、Sn2+、Pb2+などが好ましい。また、酸化に対して比較的安定である観点から、Sn2+、Pb2+がより好ましく、Pb2+がさらに好ましい。
本実施形態の組成物には、含まれるカチオンうち、5モル%以上90モル%以下の、前記第14族元素カチオン以外のカチオン(本明細書中、「対カチオン」とも表記する)が少なくとも2種類含まれる。対カチオンを含むことで、前記第14族元素カチオンの配列を制御できる。第14族元素カチオンの配列を制御することで、光励起キャリアの熱緩和がより抑制され、発光や光起電力の生成に有利となる傾向にある。前記第14族元素カチオンの配列に有利である観点から、組成物に含まれる対カチオンは、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましい。また、前記第14族元素カチオンを多く含むことができる観点から、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。
本実施形態において、対カチオンは2種類以上含まれる。2種類以上含むことで、電荷移動特性、及び/又は動作安定性を向上させることができる。本実施形態における、「動作安定性に優れる」とは、ペロブスカイト構造が低温相であること、及び/又はペロブスカイト構造が正方晶であることを意味する。前記「動作安定性に優れる」効果は、ペロブスカイト構造が低温相であること、かつペロブスカイト構造が正方晶であることによって、いずれかのみの要件を満たす場合に比べ、動作安定性により優れるようになる。2種類以上の対カチオンのうち、少なくとも1種類は、炭素数2の分子カチオンである。前記炭素数2の分子カチオンを含むことで、電荷移動特性、及び/又は動作安定性に優れる。特に、2種類の対カチオンを含み、そのうちに含まれる対カチオンの一つが炭素数2の分子カチオンであることにより、炭素数が1の分子カチオン、例えば、メチルアンモニウムカチオンの場合とを比較すると、電荷移動と動作安定性の双方について大幅に有利となる。前記炭素数2の分子カチオンと異なる種類のカチオンには、それぞれが、単一元素カチオン、他の分子カチオンなどのいずれかでよく、前記炭素数2の分子カチオンと異なる種類の炭素数2の分子カチオンでもよい。
本実施形態において、対カチオンのうち炭素数2の分子カチオンは、1モル%以上99モル%以下含まれる。電荷移動特性に優れるために1モル%以上含まれることが重要であり、99モル%以下であることは、低温相となるペロブスカイト構造の形成や、正方晶の形成に重要である。正方晶の形成に有利であり、動作安定性に優れる観点から、対カチオンの1モル%以上45モル%以下が炭素数2の分子カチオンであることが好ましく、3モル%以上45モル%以下がより好ましく、6モル%以上40モル%以下がさらに好ましく、10モル%以上35モル%以下がよりさらに好ましい。また、低温でペロブスカイト構造を形成でき、動作安定性に優れる観点、電荷移動に優れる観点から、60モル%以上99モル%以下が好ましく、65モル%以上90モル%以下がより好ましく、70モル%以上85モル%以下がさらに好ましい。前記対カチオンに含まれる前記炭素数2のカチオンは、組成物に含まれる結晶中での電荷移動に有利となる観点から、ペロブスカイト構造のAサイトに含まれることが好ましい。なお、前記炭素数2のカチオンがペロブスカイト構造のAサイトに含まれることは、種々公知の手法、例えばXRDの回折ピークのシフトや、バンドギャップの変化により評価することができる。
本実施形態において、対カチオンのうち炭素数2の分子カチオンの具体例としては、以下に限定されないが、エチルアンモニウムカチオン、ジメチルアンモニウムカチオン、アセトアミジニウムカチオンが挙げられ、双極子モーメントが大きくなる観点から、炭素−炭素結合を有するものであることが好ましく、エチルアンモニウムカチオンがより好ましい。
本実施形態においては、熱的安定性や原料の製造が容易である観点から、無機物カチオンが、組成物を構成する対カチオンに含まれることが好ましい。無機物カチオンには、金属クラスターカチオンや、単一元素カチオンが挙げられる。また、熱安定性や原料の製造が容易である観点から、単一元素カチオンが、組成物を構成する対カチオンに含まれることがより好ましい。前記対カチオンに含まれる単一元素カチオンは、前記観点から、組成物を構成するカチオンのうち、1モル%以上含むことが好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上がさらに好ましい。炭素数2の分子カチオンを多く含むことができる観点から、40モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましく、20モル%以下がさらに好ましい。
電気陰性度が小さくカチオン性が強いこと、及び/又はイオン半径が結晶構造形成に有利である観点から、第1族元素〜第3族元素からなる群より選択される単一元素カチオンを対カチオンとして含むことが好ましい。第1族元素〜第3族元素からなる群より選択される単一元素カチオンは、低温でペロブスカイト構造を形成でき、動作安定性に優れる観点、電荷移動に優れる観点から、1モル%以上40モル%以下が好ましく、3モル%以上35モル%以下がより好ましく、5モル%以上30モル%以下がさらに好ましい。また、正方晶の形成に有利であり、動作安定性に優れる観点から、55モル%以上99モル%以下が好ましく、60モル%以上90モル%以下がより好ましく、65モル%以上85モル%以下がさらに好ましい。
対カチオンが単一元素カチオンの場合、s0の電子配置となることで、対カチオンの価電子帯や伝導帯への混成を少なくし、第14族元素カチオンの配列を制御できる観点から、第1族元素〜第3族元素からなる群より選択されるいずれかの元素のカチオンが好ましく、s0の電子配置となったときのイオン半径が大きくなることで、配列する第14族元素カチオンの電子状態を非局在化できる観点から、第1族元素及び第2族元素からなる群より選択されるいずれかの元素のカチオンがより好ましく、第1族元素からなる群より選択されるいずれかの元素のカチオンがさらに好ましい。具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、スカンジウムなどのカチオンが挙げられ、1価のカチオンであることが、結晶形成に有利である観点から、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムなどのカチオンが好ましく、イオン半径が大きいほど光吸収特性に有利である観点から、ルビジウムカチオン、セシウムカチオンがさらに好ましく、正方晶ペロブスカイト構造の形成に特に有利であり動作安定性に優れる観点から、セシウムカチオンがよりさらに好ましい。
本実施形態では、電荷移動特性や、特に動作安定性に優れる観点から、該結晶性粒子のAサイトに含まれる、炭素数2の分子カチオンと無機物カチオンのモル比(炭素数2の分子カチオン/無機物カチオン)が、0.01以上0.95以下であることが好ましく、0.03以上0.7以下であることがより好ましく、0.05以上0.4以下がさらに好ましく、0.1以上0.3以下がよりさらに好ましい。結晶性粒子のAサイトに含まれる無機物カチオンは、正方晶の形成に有利であり動作安定性に優れる観点から、第一元素カチオンであることが好ましい。
対カチオンが前記炭素数2の分子カチオン以外の分子カチオンを含むとき、該分子カチオンは金属クラスターや、有機分子由来のカチオン(有機分子カチオン)であることが好ましい。分子を構成する元素が豊富である観点や、分子自体が安定である観点から、有機分子カチオンであることが好ましい。また、アンモニウムイオンやアミンカチオンが、構成する窒素元素が豊富である、比較的小さなカチオンである観点から好ましい。特に、アンモニウムカチオンを含む有機分子カチオン群に属するカチオン(有機アンモニウムカチオン)であることが好ましい。有機分子カチオンを対カチオンに含むことは、組成物をより柔軟とするとことができる観点、結晶化が容易となる観点から、好ましい。本明細書中、有機分子カチオンとは、構成元素に炭素を含む分子カチオンを指す。ここで、有機分子カチオンを構成する炭素数は、組成物の形成がより容易である観点から、1以上10以下が好ましい。また、有機分子カチオンを構成する窒素数は、多すぎると組成物中での有機分子カチオンの自由度が小さくなる観点から、1以上3以下が好ましい。対カチオンに含まれる有機分子カチオンは、バンドギャップを大きくするために有利である観点、耐熱性、耐酸化性に有利である観点から、一つの分子を構成する炭素と窒素の和が2以上であることがより好ましい。組成物内でのキャリアの移動や、第14族元素カチオンの電子状態をより非局在化させるために有利である観点から、一つの有機分子を構成する炭素と窒素の和が11以下であることが好ましく、8以下がより好ましい。結晶性粒子の結晶構造をひずませないために有利である観点から、対称性の高い有機分子が好ましい。本実施形態において、結晶内での移動に有利である、結晶に柔軟性を付与できる観点から、対カチオンの1モル%以上が有機分子カチオンであることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、26モル%以上であることがさらに好ましい。また、第一族元素カチオンを十分に含むことができる観点から、対カチオンの99モル%以下が有機分子カチオンであることが好ましく、85モル%以下がより好ましく、70モル%以下がさらに好ましい。
前記有機分子カチオンの具体例としては、以下に限定されないが、アンモニウムカチオン、メチルアンモニウムカチオン、プロピルアンモニウムカチオン、ブチルアンモニウムカチオン、ペンタアンモニウムカチオン、ヘキサアンモニウムカチオン、ジエチルアンモニウムカチオン、ジプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジンカチオン、グアニジンカチオン、イミダゾールカチオン、アニリンカチオン、及びこれらの異性体などが挙げられ、イオン半径が小さいほど第14族元素カチオンを緻密に配列できる観点から、アンモニウムカチオン、メチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジンカチオンがより好ましく、組成物が光吸収特性に有利である観点から、有機分子カチオンが特に好ましく、具体的には、メチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジンカチオンが好ましく、メチルアンモニウムカチオンがさらに好ましい。
対カチオンは、材料中、特に結晶中での電荷の移動や、動作安定性に有利である観点から、前記炭素数2のカチオンと、第一族元素カチオンとを共に含むことが好ましい。特に、第一元素カチオンを対カチオンとして含む場合、ペロブスカイト構造のAサイトに炭素数2の分子カチオンを多く含むことにより有利となる傾向にある。具体的には、エチルアンモニウムカチオンとセシウムカチオンを共に含むことがとりわけ好ましい。
対カチオンの双極子モーメントは、大きいほどペロブスカイト結晶中でのAサイトカチオンの回転が容易になるために、電荷の移動に優れる。組成物の対カチオンのうち、1モル%以上の双極子モーメントが大きいAサイトカチオン導入されることで、該双極子モーメントが大きいカチオンを起点として、電荷の移動が促進されるようになる。そのため、組成物に1モル%以上含まれる対カチオンのうち、一番大きな双極子モーメント値が十分に大きいことが好ましい。特に、組成物の対カチオンのうち、炭素数2の分子カチオンを1モル%以上含むことが電荷の移動促進に重要である。具体的には、組成物に含まれる双極子モーメントが一番大きな対カチオンの双極子モーメントは、2.29Dより大きいことが好ましい。
組成物を構成するアニオンは、含まれるアニオンの総量(100モル%)に対して、第17族元素のアニオンを10モル%以上100モル%以下含む。第17族元素のアニオンをより多く含むことで、組成物に含まれるカチオンとアニオンのイオン結合性が増し、結晶の形成に有利になる観点から、20モル%以上含むことが重要である。結晶のイオン結合性が増す観点から、第17族元素を60モル%以上含むことが好ましく、80%以上含むことがより好ましい。具体的な第17族元素としては、特に限定されないが、例えば、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素等が挙げられ、結晶かに有利である観点から、ヨウ素、臭素、塩素が好ましく、組成物の光吸収特性を有利にする観点から、ヨウ素、臭素がより好ましく、ヨウ素がさらに好ましい。第17族元素のアニオン以外のアニオンを含むことで、ペロブスカイト構造のXサイトを不均化し、格子ひずみを緩和できる。第17族元素のアニオン以外のアニオンとは、酸素アニオン、硫黄アニオン、セレンアニオン、テルルアニオン、分子アニオンなどが挙げられ、分子アニオンの具体例には、シアン化物アニオン、シアン酸アニオン、チオシアン酸アニオン、セレノシアン酸アニオン、CH3COO-アニオンン、CF3COO-アニオンなどが挙げられる。
本実施形態において、組成物は前述したカチオンとアニオンとを含む結晶性粒子を含み、当該結晶性粒子の少なくとも一部はペロブスカイト構造を含む。本実施形態におけるペロブスカイト構造の化合物とは、組成の一般式はABX3等で表され、Aサイト及びBサイトのカチオンと、Xサイトのアニオンとから構成される。そのような化合物の例としては、CH3NH3PbI3を挙げることができ、この例において、AサイトのカチオンはCH3NH3 +に、BサイトのカチオンはPb2+に、XサイトのカチオンはI-に、それぞれ対応する。Bサイトのカチオンは、Xサイトのアニオンに6配位で結合しており、対称又は非対称な8面体を形成している。本実施形態におけるペロブスカイト構造は、前記BサイトカチオンとXサイトカチオンから構成される8面体構造が3次元に連なったペロブスカイト構造などを意味し、より具体的には立方晶又は正方晶である。動作安定性に優れる観点から、正方晶であることが好ましい。この結晶構造は、X線結晶構造解析や透過型電子顕微鏡像の格子像などにより評価することができる。特に、正方晶と立方晶の判定は、Cuα線によるX線回折パターンの(004)面や(211)面の回折ピークを有する場合は正方晶、いずれも有さない場合は立方晶などとして判定できる。
組成物に含まれる結晶性粒子のバンドギャップは、特に、太陽光の利用のためには、長波長の光を利用できることが好ましく、組成物のバンドギャップは、1.80eV以下が好ましく、1.75eV以下がより好ましく、1.71eV以下がさらに好ましい。一方、光起電力を大きくできる、透過した光を有効に利用できる観点から、組成物のバンドギャップは、1.55eV以上が好ましく、1.60eV以上がより好ましく、1.65eV以上がさらに好ましく、1.67eV以上がよりさらに好ましい。本実施形態における組成物のバンドギャップとは、組成物に含まれる材料のうち一番小さなバンドギャップを有する結晶性粒子のバンドギャップを指す。
本実施形態の組成物は、様々な形態をとりうるが、取り扱いが容易である観点から、粒子や薄膜の形態であることが好ましく、積層構造に有利である観点から、薄膜の形態であることがより好ましい。
(組成物の製造方法)
本実施形態の組成物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する原料を用い、所定の工程を経るものとすることができる。特に、低温相の組成物を得ることができる観点から、前記カチオンと前記アニオンとを含む組成物前駆体を調製する工程と、前記組成物前駆体を310℃以下で加熱する工程と、を含み、前記組成物前駆体において、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が前記第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が前記対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が前記炭素数2の分子カチオンであり、前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、方法により製造することが好ましい。310℃以下で低温相の組成物を得ることができるものの、組成物にペロブスカイト構造の結晶を含ませるためには、所定のカチオン及びアニオンを含むことが重要となる。
本実施形態の組成物の原料としては、該組成物を構成するカチオン元素を含む物質、及び構成するアニオン元素を含む物質が好ましい。特に、非プロトン性極性溶剤と、前記対カチオンと、第14族元素カチオンと、前記第17族元素アニオンとを含む溶液であって、前記第17族元素アニオンと前記第14族元素カチオンのモル比(第17族元素アニオン/第14族元素カチオン)が0.1以上5以下であり、かつ、前記分子アニオンと前記第14族元素カチオンのモル比(分子アニオン/第14族元素カチオン)が0.1以上5以下である溶液を調製する工程と、前記溶液から溶剤を除去する工程と、を含むことが好ましい。
上記組成物について、具体的には、ハロゲン化金属、擬ハロゲン化物、アンモニア化合物、塩基とハロゲン化水素との塩などを原料とすることが好ましい。前記ハロゲン化金属を構成するハロゲン種は、新IPACの周期表における第17族元素が好ましく、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが好ましい。イオン結合性が小さいほど、結合解離に有利である観点から、ヨウ素、臭素、塩素が好ましく、ヨウ素、臭素がより好ましく、ヨウ素がさらに好ましい。前記擬ハロゲン化金属を構成するアニオンは、シアン化物アニオン、シアン酸アニオン、チオシアン酸アニオン、セレノシアン酸アニオン、CH3COO-アニオン、CF3COO-アニオンなどが挙げられる。
上記塩基とハロゲン化水素との塩の具体例としては、以下に限定されないが、メチルアミン・ヨウ化水素塩、メチルアミン・臭化水素塩、メチルアミン・塩化水素塩、エチルアミン・ヨウ化水素塩、エチルアミン・臭化水素塩、エチルアミン・塩化水素塩、プロピルアミン・ヨウ化水素塩、プロピルアミン・臭化水素塩、プロピルアミン・塩化水素塩、ブチルアミン・ヨウ化水素塩、ブチルアミン・臭化水素塩、ブチルアミン・塩化水素塩、ペンタアミン・ヨウ化水素塩、ペンタアミン・臭化水素塩、ペンタアミン・塩化水素塩、ヘキサアミン・ヨウ化水素塩、ヘキサアミン・臭化水素塩、ヘキサアミン・塩化水素塩、アンモニア・ヨウ化水素塩、ジメチルアミン・ヨウ化水素塩、ジメチルアミン・臭化水素塩、ジメチルアミン・塩化水素塩、ジエチルアミン・ヨウ化水素塩、ジエチルアミン・臭化水素塩、ジエチルアミン・塩化水素塩、ジプロピルアミン・ヨウ化水素塩、ジプロピルアミン・臭化水素塩、ジプロピルアミン・塩化水素塩、トリメチルアミン・ヨウ化水素塩、トリメチルアミン・臭化水素塩、トリメチルアミン・塩化水素塩、トリエチルアミン・ヨウ化水素塩、トリエチルアミン・臭化水素塩、トリエチルアミン・塩化水素塩、ホルムアミジン・塩化水素塩、ホルムアミジン・ヨウ化水素塩、ホルムアミジン・臭化水素塩、アセトアミジン・塩化水素塩、アセトアミジン・ヨウ化水素塩、アセトアミジン・臭化水素塩、グアニジン・塩化水素塩、グアニジン・ヨウ化水素塩、グアニジン・臭化水素塩、イミダゾール・塩化水素塩、イミダゾール・ヨウ化水素塩、イミダゾール・臭化水素塩、アニリン・臭化水素塩、アニリン・塩化水素塩、などが挙げられ、より具体的には、ホルムアミジン・塩化水素塩、ホルムアミジン・ヨウ化水素塩、ホルムアミジン・臭化水素塩、アセトアミジン・塩化水素塩、アセトアミジン・ヨウ化水素塩、アセトアミジン・臭化水素塩、グアニジン・塩化水素塩、グアニジン・ヨウ化水素塩、グアニジン・臭化水素塩、イミダゾール・塩化水素塩、イミダゾール・ヨウ化水素塩、イミダゾール・臭化水素塩などが挙げられ、ジメチルアミン・ヨウ化水素塩、ジメチルアミン・臭化水素塩、ジメチルアミン・塩化水素塩、エチルアミン・ヨウ化水素塩、エチルアミン・臭化水素塩、エチルアミン・塩化水素塩を含むことがより好ましく、エチルアミン・ヨウ化水素塩、エチルアミン・臭化水素塩、エチルアミン・塩化水素塩を含むことがさらに好ましい。
本実施形態の組成物は、溶剤を用いない方法、又は溶剤を用いる方法により製造することもできる。溶剤を用いない方法として、以下に限定されないが、例えば、蒸着法、固相法などが挙げられる。組成が均一な化合物を製造する観点から、本実施形態の組成物は、溶剤を用いる方法、すなわち、前記原料を溶剤に溶解させた溶液から、溶剤を除去することで結晶化させる方法で製造することが好ましい。すなわち、本実施形態に係る組成物の製造方法は、上述した所定のカチオンとアニオンとを含む物質を、非プロトン性有機溶剤に溶解させて溶液を得る工程と、当該溶液から溶剤を除去する工程と、を含むことが好ましい。上記において、原料となる第14族元素ハロゲン化物の溶解に有利である観点から、溶剤として非プロトン性有機溶剤を用いる。具体的には、ジメチルホルムアミド(以降、DMFと記す。)、ジメチルスルホキシド(以降、DMSOと記す。)、γブチロラクトンなどが好ましく、第14族元素ハロゲン化物の溶解に優れる観点から、DMF、DMSOがより好ましい。
前記溶液には、組成物に含まれる対カチオンと、第14族元素カチオンと、第17族元素アニオンとが含まれることが好ましい。第17族元素アニオンと、第14族元素カチオンとのモル比(第17族元素カチオン/第14族元素カチオン)は、0.1以上5以下が好ましく、0.5以上4以下がより好ましく、1以上3以下がさらに好ましい。上記のように調製された溶液から溶剤を除く工程をさらに実施することで組成物を製造する方法がとりわけ好ましい。前記溶液から溶剤を除く工程としては、特に限定されないが、例えば、加熱により溶剤を蒸発除去する工程、貧溶媒と接触や混合することで、良溶媒である溶剤を除去する工程が挙げられる。
該組成物を製造するための原料の固定化、例えば薄膜形態の組成物の製造方法としては、以下に限定されないが、溶液を用いた、スピンコート法、スプレー法、液相反応法などが挙げられる。溶液の引火などの危険性が少ない、及び/又は調製方法の調整が容易である観点から、スピンコート法が好ましい。また、過剰な溶媒の除去や、核生成を促進する観点から、貧溶媒を用いて結晶生成をすることが好ましい。貧溶媒は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、クロロベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
該組成物を製造する雰囲気は、特に限定されず、例えば、大気中や不活性雰囲気中で調製できるが、より簡便に調製できる観点から、大気中で調製することが好ましい。また、組成物の不純物を少なくできる観点から、不活性雰囲気中で調製することが好ましい。
(用途)
本実施形態の組成物は、半導体材料として利用することができる。本実施形態における半導体材料とは、価電子帯上端と伝導帯下端とのエネルギー差を有する材料などが挙げられる。
該組成物は、他の用途に用いることもできる。具体的には、電子又は正孔又はイオンを伝導する材料や、光吸収による光励起キャリアの生成を利用する材料、及びその再結合による発光を利用する材料などであり、より具体的には、太陽電池材料用、太陽電池の光吸収層用、光センサー用、光触媒用、発光材料、イオン伝導材料、導電性材料、圧電素子、パワーデバイスなどである。本実施形態でのイオンとは、該材料を構成するカチオン又はアニオンのことを指す。太陽光に含まれる光子のエネルギーを利用できる観点から、太陽電池の光吸収層用の化合物であることが好ましい。また、希土類元素由来の蛍光を利用することができる観点から、発光材料としての利用が好ましい。さらに、特定波長の光を利用できる観点から、光センサーとして利用することが好ましい。
本実施形態の組成物は、優れた光吸収特性を有するため、該組成物を含む太陽電池セル、特光吸収層に該組成物を含む太陽電池セルとして適用することが好ましく、さらに、光電流密度、開放電圧、フィルファクターの少なくとも一つを向上させることで、当該組成物が有する光吸収特性と相俟って太陽光変換効率を向上させることができる。
(構成)
本実施形態の組成物は、キャリア移動の異方性に優れる観点から、電子輸送材と接触していることが好ましい。ここでいう電子輸送材とは、電子の有効質量の方が、正孔のものよりも小さい半導体などであり、電子の輸送に有利な材料などである。該組成物が薄膜のとき、接触面積を大きくすることで電子の移動に有利となる観点から、接触している電子輸送材も薄膜であることが好ましい。電子輸送材には、有機物や無機物を含む態様が挙げられるが、強度が高いことで、該組成物と合わせた強度が高くなる観点から、電子輸送材は無機物を含むことが好ましく、物性の調整が比較的容易である観点から、金属化合物であることがより好ましい。大気中で比較的容易に製造、及び保存できる観点から、電子輸送材は金属酸化物であることが、さらに好ましい。金属酸化物の具体例としては、以下に限定されないが、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどを挙げることができ、電子の有効質量が小さい観点から、酸化チタン及び酸化ニオブが好ましく、材料が豊富で安価である観点から、酸化チタンがとりわけ好ましい。電子輸送材のピンホールなどの欠陥を少なくする観点から、電子輸送材に、前駆体材料を吸着、反応させる処理を施すことが好ましい。具体的には、塩化チタン種を電子輸送材に吸着後、加水分解させ酸化チタンを結着させる処理(以降、TiCl4処理と記す。)を施すことが好ましい。
本実施形態の組成物は、キャリア移動の異方性を有することができる観点から、正孔輸送材と接触していることが好ましい。ここでいう正孔輸送材とは、正孔の有効質量の方が電子のものよりも小さい半導体などであり、正孔の輸送に有利な材料などである。該組成物が薄膜のとき、接触面積を大きくすることで電子の移動に有利となる観点から、接触している正孔輸送材も薄膜であることが好ましい。正孔輸送材は、有機物や無機物を含むことが挙げられるが、材料が柔らかいことで、曲りによる膜の欠陥を形成しにくくなる観点から、正孔輸送材は有機物を含むことが好ましく、有機物の具体例としては、有機分子の集合体や、有機高分子が挙げられる。より具体的には、Spiro−OMeTAD、P3HT、PTAA、TPD、NPD、TCTAなどが挙げられ、HOMOの準位が比較的深く、p型材料とオーミックコンタクトを形成することに有利であることや、キャリア密度を高くでき、正孔の輸送に有利とできることや、起電圧を大きくできる観点から、Spiro−OMeTADが好ましい。Spiro−OMeTADはLiTFSIや酸化材を混合するなどして、ドープ処理を施したものが、導電性に優れる観点から好ましい。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、これらの実施例と比較例によって何ら限定されるものではない。後述する実施例及び比較例における物性、反応条件、及び生成物の同定は、以下に示す方法により、測定及び設定した。
(含カチオン量と含アニオン量)
薄膜に含まれる第14族カチオン量、炭素数2の分子アニオン量、その他の対カチオン量、ハロゲンアニオン量は、調製した薄膜をSEM−EDX(SEM:SU−70,日立製作所社製、EDX:EMAX X−max,堀場製作所社製)により評価することによって求めた。
(結晶構造)
薄膜を構成する結晶性粒子の結晶構造は、X線回折装置(D8・ブルカー社製)を用いて測定したCuα線によるX線回折(XRD)パターンから評価した。特に、ペロブスカイト構造であるかは、(110)面の回折に由来する、2θ=14〜15°の回折ピークから判定した。さらに、ペロブスカイト構造が正方晶であるか、立方晶であるかは、(004)面に由来する2θ=29°の回折ピーク、又は(211)面に由来する2θ=21°の回折ピークを有する場合は正方晶と判定し、(004)面と(211)面に由来する回折ピークを共に有さない場合は立方晶であると判定した。
(バンドギャップ)
各例で調製された薄膜に対して下記のように測定された吸光度を縦軸とし、横軸を波長としたグラフのベースラインと減衰曲線の接線の交点をこの材料の吸収端とし、この吸収端の波長から、下記の式からバンドギャップエネルギーを算出した。
(バンドギャップエネルギー)=1240/(吸収端の波長)
なお、薄膜の吸光度は、スペクトロフォトメーター U4100(日立製作所社製)を用いて、スキャン速度300nm/分で測定を行った。
(双極子モーメント)
ペロブスカイト構造を有する材料について、ペロブスカイトのAサイトカチオンの双極子モーメントは、Material StudioのDmol3により算出し、メチルアンモニウム(CH3NH3 +)の値以下は×、メチルアンモニウム(CH3NH3 +)の値(2.29D)より大きいものは○とした。なお、この判定は、含まれるAサイトカチオンのうち一番大きなものの双極子モーメントの値を用いて行った。
(有効イオン半径)
組成物を構成するカチオンの有効イオン半径は、質量中心と分子中の質量中心から最も離れた原子との距離と、この最も離れた原子のイオン半径との和から算出した。
下記に示すとおり、実施例1〜5及び比較例1〜4に係る薄膜を調製し、その物性の評価を行った。
(実施例1)
溶剤としてDMSOを用い、これに0.1Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.9Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた(溶液1)。基板を石英板とし、窒素雰囲気中で溶液1を基板に滴下した。その際、3000rpmで30秒間スピンコート(スロープ時間:5秒)することとし、その後、100℃で30分加熱して、薄膜サンプルを得た。サンプルの結晶構造、及びバンドギャップを評価した。評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.25Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.75Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液2を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.5Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.5Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液3を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.75Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.25Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液4を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
(実施例5)
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.1Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.9Mのメチルアミン・ヨウ化水素塩と、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液5を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
(実施例6)
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.25Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.75Mのメチルアミン・ヨウ化水素塩と、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液6を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに1.0Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液7を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに1.0Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液8を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例2と同様の操作で得た100℃加熱後のサンプルを350℃で30分加熱した以外は、比較例2と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
実施例1〜6と比較例1、2を比較すると、本実施形態の所定の要件を満たすことで、いずれもペロブスカイト構造を有することが示され、電荷の移動に優れることが示された。また、実施例1〜6はペロブスカイト構造を有することで、バンドギャップは比較例1、2のものよりも大幅に小さくなり、光吸収にも有利になることが示された。
実施例1〜6、比較例3とを比較すると、本実施形態の所定の要件を満たすこと、特に炭素数2の分子カチオンを含むことで、双極子モーメントが大きくなり、電荷移動に優れることが示された。
実施例1〜6と、比較例1〜2を比較すると、本実施形態を満たすこと、特に複数種の対カチオンを含み、かつ炭素数2の分子カチオンを含むことで、低温相としてペロブスカイト構造を有する組成物を得ることができ、動作安定性に優れることがわかった。
実施例1〜6と、比較例3を比較すると、炭素数2の分子カチオンを含むことで、バンドギャップが小さくなり、例えば、太陽光の吸収に有利となることがわかった。
炭素数2の分子カチオン以外の対カチオンを第一元素カチオンとした実施例1〜4と、第一元素カチオンを含まない実施例5、6を比較すると、実施例1〜4では、炭素数2の分子カチオンを多くすることでバンドギャップは小さくなったが、実施例5、6ではバンドギャプの変化はなかった。このことから、炭素数2の分子カチオン以外の対カチオンを第一元素カチオンとすることで、組成物中のペロブスカイト構造のAサイト中に多く炭素数2の分子カチオンが含まれ、電荷移動に有利となったことがわかる。
また、対カチオンの1モル%以上45モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、前記対カチオンの55モル%以上99モル%以下が、第一族元素カチオンである、および/または、炭素数2の分子カチオンと第一元素カチオンのモル比が0.01以上0.95以下を満たす実施例1〜2と、かかる範囲を満たさない実施例3〜4を比較すると、実施例1〜2は正方晶となり、実施例3〜4は立方晶であるため、実施例1〜2の方が、動作安定性に優れる観点から好ましいといえる。

Claims (24)

  1. カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子を有する組成物であって、
    前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンであり、
    前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、
    前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、
    前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
    前記結晶性粒子が、ペロブスカイト構造を有する、組成物。
  2. 前記対カチオンの3モル%以上45モル%以下が、炭素数2の分子カチオンである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記対カチオンの60モル%以上99モル%以下が、炭素数2の分子カチオンである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記炭素数2の分子カチオンが炭素−炭素結合を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記炭素数2の分子カチオンがエチルアンモニウムカチオンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記対カチオンが第一族元素カチオンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記対カチオンの1モル%以上40モル%以下が、第一族元素カチオンである、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記対カチオンの前記対カチオンの1モル%以上45モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、前記対カチオンの55モル%以上99モル%以下が、第一族元素カチオンである、請求項6に記載の組成物。
  9. 前記結晶性粒子に含まれる、炭素数2の分子カチオンと無機物カチオンのモル比が、炭素数2の分子カチオン/無機物カチオンとして、0.01以上0.95以下である、請求項6〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記第一族元素カチオンがセシウムカチオンである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記対カチオンが、エチルアンモニウムカチオン及び第一族元素カチオンを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記カチオンの15モル%以上80モル%以下が、前記第14族元素カチオンである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 前記アニオンの60モル%以上100モル%以下が前記第17族元素アニオンである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記第14族元素カチオンが、鉛カチオン又は錫カチオンである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記ペロブスカイト構造が、正方晶である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 前記ペロブスカイト構造が、立方晶である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  17. バンドギャップが1.60eV以上1.80eV以下である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 薄膜形態である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の製造方法であって、
    前記カチオンと前記アニオンとを含む組成物前駆体を調製する工程と、
    前記組成物前駆体を310℃以下で加熱する工程と、
    を含み、
    前記組成物前駆体において、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が前記第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が前記対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が前記炭素数2の分子カチオンであり、前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、組成物の製造方法。
  20. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、半導体材料としての使用。
  21. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、太陽電池材料としての使用。
  22. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、太陽電池の光吸収層としての使用。
  23. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、光センサーとしての使用。
  24. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、発光材料としての使用。
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