JP2018012685A - 組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子を有する組成物であって、
前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンであり、
前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、
前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、
前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
前記結晶性粒子が、ペロブスカイト構造を有する、組成物。
[2]
前記対カチオンの3モル%以上45モル%以下が、炭素数2の分子カチオンである、[1]に記載の組成物。
[3]
前記対カチオンの60モル%以上99モル%以下が、炭素数2の分子カチオンである、[1]に記載の組成物。
[4]
前記炭素数2の分子カチオンが炭素−炭素結合を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]
前記炭素数2の分子カチオンがエチルアンモニウムカチオンである、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]
前記対カチオンが第一族元素カチオンを含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]
前記対カチオンの1モル%以上40モル%以下が、第一族元素カチオンである、[6]に記載の組成物。
[8]
前記対カチオンの前記対カチオンの1モル%以上45モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、前記対カチオンの55モル%以上99モル%以下が、第一族元素カチオンである、[6]に記載の組成物。
[9]
前記結晶性粒子に含まれる、炭素数2の分子カチオンと無機物カチオンのモル比が、炭素数2の分子カチオン/無機物カチオンとして、0.01以上0.95以下である、[6]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10]
前記第一族元素カチオンがセシウムカチオンである、[7]〜[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]
前記対カチオンが、エチルアンモニウムカチオン及び第一族元素カチオンを含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]
前記カチオンの15モル%以上80モル%以下が、前記第14族元素カチオンである、[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]
前記アニオンの60モル%以上100モル%以下が前記第17族元素アニオンである、[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]
前記第14族元素カチオンが、鉛カチオン又は錫カチオンである、[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]
前記ペロブスカイト構造が、正方晶である、[1]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[16]
前記ペロブスカイト構造が、立方晶である、[1]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[17]
バンドギャップが1.60eV以上1.80eV以下である、[1]〜[16]のいずれかに記載の組成物。
[18]
薄膜形態である、[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物。
[19]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の製造方法であって、
前記カチオンと前記アニオンとを含む組成物前駆体を調製する工程と、
前記組成物前駆体を310℃以下で加熱する工程と、
を含み、
前記組成物前駆体において、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が前記第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が前記対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が前記炭素数2の分子カチオンであり、前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、組成物の製造方法。
[20]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、半導体材料としての使用。
[21]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、太陽電池材料としての使用。
[22]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、太陽電池の光吸収層としての使用。
[23]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、光センサーとしての使用。
[24]
[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物の、発光材料としての使用。
本実施形態の組成物は、カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子を有する組成物であって、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、前記結晶性粒子が、ペロブスカイト構造を有する。
このように構成されているため、本実施形態の組成物は、電荷の移動に優れる。なお、本明細書において、「電荷の移動に優れる」とは、ペロブスカイト構造を有し、かつペロブスカイト構造のAサイトに双極子モーメントが大きいカチオンが含まれることを意味する。
本実施形態の組成物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する原料を用い、所定の工程を経るものとすることができる。特に、低温相の組成物を得ることができる観点から、前記カチオンと前記アニオンとを含む組成物前駆体を調製する工程と、前記組成物前駆体を310℃以下で加熱する工程と、を含み、前記組成物前駆体において、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が前記第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が前記対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が前記炭素数2の分子カチオンであり、前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、方法により製造することが好ましい。310℃以下で低温相の組成物を得ることができるものの、組成物にペロブスカイト構造の結晶を含ませるためには、所定のカチオン及びアニオンを含むことが重要となる。
本実施形態の組成物は、半導体材料として利用することができる。本実施形態における半導体材料とは、価電子帯上端と伝導帯下端とのエネルギー差を有する材料などが挙げられる。
本実施形態の組成物は、キャリア移動の異方性に優れる観点から、電子輸送材と接触していることが好ましい。ここでいう電子輸送材とは、電子の有効質量の方が、正孔のものよりも小さい半導体などであり、電子の輸送に有利な材料などである。該組成物が薄膜のとき、接触面積を大きくすることで電子の移動に有利となる観点から、接触している電子輸送材も薄膜であることが好ましい。電子輸送材には、有機物や無機物を含む態様が挙げられるが、強度が高いことで、該組成物と合わせた強度が高くなる観点から、電子輸送材は無機物を含むことが好ましく、物性の調整が比較的容易である観点から、金属化合物であることがより好ましい。大気中で比較的容易に製造、及び保存できる観点から、電子輸送材は金属酸化物であることが、さらに好ましい。金属酸化物の具体例としては、以下に限定されないが、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどを挙げることができ、電子の有効質量が小さい観点から、酸化チタン及び酸化ニオブが好ましく、材料が豊富で安価である観点から、酸化チタンがとりわけ好ましい。電子輸送材のピンホールなどの欠陥を少なくする観点から、電子輸送材に、前駆体材料を吸着、反応させる処理を施すことが好ましい。具体的には、塩化チタン種を電子輸送材に吸着後、加水分解させ酸化チタンを結着させる処理(以降、TiCl4処理と記す。)を施すことが好ましい。
薄膜に含まれる第14族カチオン量、炭素数2の分子アニオン量、その他の対カチオン量、ハロゲンアニオン量は、調製した薄膜をSEM−EDX(SEM:SU−70,日立製作所社製、EDX:EMAX X−max,堀場製作所社製)により評価することによって求めた。
薄膜を構成する結晶性粒子の結晶構造は、X線回折装置(D8・ブルカー社製)を用いて測定したCuα線によるX線回折(XRD)パターンから評価した。特に、ペロブスカイト構造であるかは、(110)面の回折に由来する、2θ=14〜15°の回折ピークから判定した。さらに、ペロブスカイト構造が正方晶であるか、立方晶であるかは、(004)面に由来する2θ=29°の回折ピーク、又は(211)面に由来する2θ=21°の回折ピークを有する場合は正方晶と判定し、(004)面と(211)面に由来する回折ピークを共に有さない場合は立方晶であると判定した。
各例で調製された薄膜に対して下記のように測定された吸光度を縦軸とし、横軸を波長としたグラフのベースラインと減衰曲線の接線の交点をこの材料の吸収端とし、この吸収端の波長から、下記の式からバンドギャップエネルギーを算出した。
(バンドギャップエネルギー)=1240/(吸収端の波長)
なお、薄膜の吸光度は、スペクトロフォトメーター U4100(日立製作所社製)を用いて、スキャン速度300nm/分で測定を行った。
ペロブスカイト構造を有する材料について、ペロブスカイトのAサイトカチオンの双極子モーメントは、Material StudioのDmol3により算出し、メチルアンモニウム(CH3NH3 +)の値以下は×、メチルアンモニウム(CH3NH3 +)の値(2.29D)より大きいものは○とした。なお、この判定は、含まれるAサイトカチオンのうち一番大きなものの双極子モーメントの値を用いて行った。
組成物を構成するカチオンの有効イオン半径は、質量中心と分子中の質量中心から最も離れた原子との距離と、この最も離れた原子のイオン半径との和から算出した。
溶剤としてDMSOを用い、これに0.1Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.9Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた(溶液1)。基板を石英板とし、窒素雰囲気中で溶液1を基板に滴下した。その際、3000rpmで30秒間スピンコート(スロープ時間:5秒)することとし、その後、100℃で30分加熱して、薄膜サンプルを得た。サンプルの結晶構造、及びバンドギャップを評価した。評価した結果を表1に示す。
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.25Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.75Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液2を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.5Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.5Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液3を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.75Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.25Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液4を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.1Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.9Mのメチルアミン・ヨウ化水素塩と、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液5を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに0.25Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、0.75Mのメチルアミン・ヨウ化水素塩と、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液6を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに1.0Mのエチルアミン・ヨウ化水素塩と、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液7を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
溶液1の代わりに、溶剤としてDMSOを用い、これに1.0Mのヨウ化セシウムと、1.0Mのヨウ化鉛となるように溶解させた、溶液8を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
比較例2と同様の操作で得た100℃加熱後のサンプルを350℃で30分加熱した以外は、比較例2と同様に操作を行った。評価した結果を表1に示す。
Claims (24)
- カチオンとアニオンとを含む結晶性粒子を有する組成物であって、
前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が第14族元素カチオンであり、
前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、
前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、
前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンであり、
前記結晶性粒子が、ペロブスカイト構造を有する、組成物。 - 前記対カチオンの3モル%以上45モル%以下が、炭素数2の分子カチオンである、請求項1に記載の組成物。
- 前記対カチオンの60モル%以上99モル%以下が、炭素数2の分子カチオンである、請求項1に記載の組成物。
- 前記炭素数2の分子カチオンが炭素−炭素結合を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記炭素数2の分子カチオンがエチルアンモニウムカチオンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記対カチオンが第一族元素カチオンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記対カチオンの1モル%以上40モル%以下が、第一族元素カチオンである、請求項6に記載の組成物。
- 前記対カチオンの前記対カチオンの1モル%以上45モル%以下が炭素数2の分子カチオンであり、前記対カチオンの55モル%以上99モル%以下が、第一族元素カチオンである、請求項6に記載の組成物。
- 前記結晶性粒子に含まれる、炭素数2の分子カチオンと無機物カチオンのモル比が、炭素数2の分子カチオン/無機物カチオンとして、0.01以上0.95以下である、請求項6〜8のいずれかに記載の組成物。
- 前記第一族元素カチオンがセシウムカチオンである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記対カチオンが、エチルアンモニウムカチオン及び第一族元素カチオンを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記カチオンの15モル%以上80モル%以下が、前記第14族元素カチオンである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記アニオンの60モル%以上100モル%以下が前記第17族元素アニオンである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記第14族元素カチオンが、鉛カチオン又は錫カチオンである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ペロブスカイト構造が、正方晶である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ペロブスカイト構造が、立方晶である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
- バンドギャップが1.60eV以上1.80eV以下である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
- 薄膜形態である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の製造方法であって、
前記カチオンと前記アニオンとを含む組成物前駆体を調製する工程と、
前記組成物前駆体を310℃以下で加熱する工程と、
を含み、
前記組成物前駆体において、前記カチオンの10モル%以上95モル%以下が前記第14族元素カチオンであり、前記カチオンの5モル%以上90モル%以下が前記対カチオンであり、ここで、当該対カチオンが、2種類以上のカチオンを含み、前記対カチオンの1モル%以上99モル%以下が前記炭素数2の分子カチオンであり、前記アニオンの10モル%以上100モル%以下が第17族元素のアニオンである、組成物の製造方法。 - 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、半導体材料としての使用。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、太陽電池材料としての使用。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、太陽電池の光吸収層としての使用。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、光センサーとしての使用。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物の、発光材料としての使用。
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