JP2018009824A - 試料分析方法及び試料分析装置 - Google Patents

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【課題】液体や細胞などの試料を、テラヘルツ波を用いて簡便に分析することができる試料分析方法を提供すること。
【解決手段】テラヘルツ波3に対して吸収性を有する試料17を分析するための試料分析方法であって、テラヘルツ波3を透過可能な試料保持部材16の、試料17を配置するための試料配置面に試料17が当接するように配置し、試料保持部材16の試料17を配置した側の反対側から試料17に向けてテラヘルツ波光源からテラヘルツパルスを照射し、試料保持部材16から反射してくる反射パルスから、試料17と試料載置面との界面で反射された反射パルスを抽出し、反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトルを求め、その位相スペクトル、および、位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分に基づいて試料17を分析する試料分析方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、テラヘルツ波を用いて試料の分析を行う技術に関する。本発明におけるテラヘルツ波とは、20GHzから120THzの周波数を有する電磁波をいう。分析の一例としては、試料自体の物性、寸法の測定や、試料に付着した生体高分子の量の測定などが挙げられる。
現在、実用レベルでの生体関連物質などの測定対象の検出には、蛍光や酵素による発色反応などの標識を用いた検出方法が主に用いられている。しかし、これらの検出方法は、一次抗体を反応させるだけでなく、さらに二次抗体や標識物質を反応させ、発色や蛍光などで測定対象を検出する必要があるため、手間がかかり、数時間以上の検出時間を要する場合がある。また、標識分子の立体障害による反応影響などの問題も存在する。さらに、標識化が困難な、または非常に高価な測定対象も存在する。従って、標識化を行うことなく生体関連物質などの測定対象を検出可能なラベルフリー検出法が望まれている。
テラヘルツ波は、20GHz以上120THz以下のうち少なくとも一部の周波数帯域を有する電磁波である。被測定物である試料にテラヘルツ波を照射すると、その試料の物性に応じた測定結果が得られる。例えば、試料に対して波長の異なるテラヘルツ波を照射すると、試料の電磁波吸収により特定波長のテラヘルツ波が吸収され、テラヘルツ波の透過率の周波数特性は、試料の物性に応じた固有の波形となって現れる。
テラヘルツ波を用いた分光法として、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:THz−Time Domain Spectroscopy)が知られている。これは、超短パルスが検出器に到達するタイミングを変化させながらテラヘルツ波を検出することにより、テラヘルツ波の時間波形を取得する方法である。
このようなTHz−TDS法を応用して、検体の情報の取得や、取得した検体の情報を用いてイメージングを行う装置等が開発されている。イメージング装置としては、検体の表面や内部の界面からの反射波を検出する反射型のTHz−TDS装置がある。
反射型のTHz−TDS装置としては、特許文献1に記載されているような、検体を板状部材と接触させ、その板状部材を介してテラヘルツ波を検体に照射する方法がある。この方法において、検体の情報を取得するために、板状部材と検体との界面で反射したテラヘルツ波の位相の変化量を用いている。
特許文献2には、測定対象への標識化を必要とせず、テラヘルツ波の測定を高感度に行うことができ、水溶液にも適用させるテラヘルツ波測定装置が記載されている。
また近年、テラヘルツ波を利用した分光測定技術が開発されている。テラヘルツ波は、半導体やアミノ酸結晶などの固体試料の評価のみならず、水溶液のイオン濃度や水の温度変化に対しても感度を有することから、水溶液や水を多く含む生体試料の測定技術としても注目されている。テラヘルツ波の測定では、テラヘルツ波を試料に透過させて試料の測定を行うことが多く行われている。
ここで、試料として水溶液や水を多く含む生体材料を用いた場合のテラヘルツ波の透過測定では、試料の厚さが厚いと水によってテラヘルツ波が吸収されるため測定を行うことが難しい。これに関して、流体流路や専用容器を用いて水の厚さを限定し、テラヘルツ波による透過測定を行う方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。特許文献5には、電気光学結晶上で細胞を培養させた状態で、培養した細胞を測定することができるとともに、測定の際に培養液を循環させて細胞の生存を助けることができる技術が開示されている。
従来技術のテラヘルツ波を用いたラベルフリー検出は、乾燥させた試料を測定対象としている。測定対象の試料を水溶液とした場合には、テラヘルツ波が水溶液中を透過できない、という問題がある。これは、テラヘルツ波が水に対する吸収が大きいためである。
また、全反射(ATR)法を用いた手法では、測定対象の試料を水溶液とした場合にも適用可能であるが、測定されるテラヘルツ波のスペクトルは、特徴的なピークが表れない平坦なものとなり、高感度なテラヘルツ波の測定を行うことができない、という問題がある。
特許文献1に示された従来例では、検体の情報を取得するために、板状部材と検体との界面で反射したテラヘルツ波の位相の変化量を用いている。この位相の変化量は、テラヘルツ波が板状部材の内部を伝搬することによって生じる位相差に比べて非常に小さいことがある。従って、検体の情報の取得の精度を向上するためには、位相差の補正のための各照射位置の板状部材の厚みを高精度に把握することや、測定に公差1μm以内の平行度の高い板状部材を使用して測定する等の条件がある。これらの条件を満たしたとしても、テラヘルツ波が板状部材を伝搬することによって生じる位相差を完全に取り除くことは容易ではない。
特許文献2で示された従来例では、試料が配置される基板の下方に、テラヘルツ波を透過する透過部(開口)が周期的に配列された導電性周期構造体及びテラヘルツ波を導電性周期構造体との界面で全反射させるための高抵抗Siダブプリズム等のプリズムからなる導波体をそれぞれ配置する必要があり、装置としての簡便さに欠ける。
特許文献3、4では、流路や専用容器を用いて液体試料の厚さを限定し、テラヘルツ波による透過測定を行う方法が提案されているが、液体試料を専用の流路に流入させる必要があるため、測定系が複雑になるという不都合がある。また、試料として、水溶液だけではなく、例えば培養生細胞などの生体材料を用いる場合、ディッシュ等で培養された細胞を流路や専用容器に移す必要があり、細胞を生きた状態で測定することが困難となる。
特許文献5では、電気光学結晶上で細胞を培養させた状態で、培養した細胞を測定することができるとともに、測定の際に培養液を循環させて細胞の生存を助けることができる技術が開示されている。この測定方法では、通常の細胞培養と異なり、電気光学結晶上に細胞を培養する必要があり、細胞の取り扱い等が難しく、また、培養時毎に電気光学結晶を用意する必要があるため、培養コストが高くなるという問題がある。
さらに、従来のTHz−TDSにおいては、測定するサンプルが微小な場合、あるいは、厚みが薄い場合、テラヘルツ波の伝送経路自体が短くなり、電磁波吸収が十分に行われないため、測定が不可能であった。
かかる観点に鑑みてなされた本発明の目的は、液体や細胞などの試料を、テラヘルツ波を用いて簡便に分析することができる試料分析方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は下記(1)に記載する通りの試料分析方法にかかるものである。
(1)テラヘルツ波に対して吸収性を有する試料を分析するための試料分析方法であって、
テラヘルツ波を透過可能な試料保持部材の、試料を配置するための試料配置面に前記試料が当接するように配置し、
前記試料保持部材の試料を配置した側の反対側から前記試料に向けてテラヘルツ波光源からテラヘルツパルスを照射し、
前記試料保持部材から反射してくる反射パルスから、前記試料と前記試料載置面との界面で反射された反射パルスを抽出し、
前記反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトルを求め、
その位相スペクトル、および、位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分に基づいて前記試料を分析する試料分析方法。
本発明のテラヘルツ波を用いる試料分析方法は、測定対象への標識化を必要とせず、液体や細胞などテラヘルツ波の吸収の大きい試料も感度良く簡便に測定することが可能となる。
図1は、本発明の第一の実施形態における試料分析装置全体を示した図である。 図2は、本発明の第二の実施形態における試料分析装置全体を示した図である。 図3は、本発明の実施形態における試料保持部材および試料保持部材におけるテラヘルツ波伝搬経路を示した図である。 図4−1は、繊維芽細胞サンプルのテラヘルツ波の反射パルスの時間波形の測定例を示した図である。 図4−2は、図4−1で示したテラヘルツ波の反射パルスの時間波形の測定結果をフーリエ変換することで求めた反射パルスの振幅スペクトルを示す図である。 図5は、各種試料について得られたテラヘルツ波の反射パルスの時間波形の測定結果をフーリエ変換することで求めた反射パルスの振幅スペクトルを示す図である。 図6(a)は試料保持部材のみを測定したときの時間波形を示す図であり、図6(b)は試料保持部材に繊維芽細胞サンプルを配置して測定したときの時間波形を示す図であり、図6(c)は試料を測定したときのテラヘルツ波の反射の様子を示す図である。 図7は、各種試料についての第一界面からの反射パルスの時間波形を示した図である。 図8は、図7に示した時間波形から求めた位相スペクトルとその傾きを示した図である。 図9は、試料として水、PBS,各種培地を用いた時の反射パルスの時間波形を示す図である。 図10(a)は図9に示した時間波形をフーリエ変換して得た位相スペクトルを示す図であり、図10(b)は図9に示した時間波形をフーリエ変換して得た振幅スペクトルを示す図である。 図11は図9に示した時間波形から求めた位相スペクトルの傾きを示した図である。
なお、本発明は下記(1)に記載の試料分析方法に係るものであるが、下記(2)〜(10)を発明の実施形態として含むのでこれらの実施形態についても合わせて説明する。
(1)テラヘルツ波に対して吸収性を有する試料を分析するための試料分析方法であって、
テラヘルツ波を透過可能な試料保持部材の、試料を配置するための試料配置面に前記試料が当接するように配置し、
前記試料保持部材の試料を配置した側の反対側から前記試料に向けてテラヘルツ波光源からテラヘルツパルスを照射し、
前記試料保持部材から反射してくる反射パルスから、前記試料と前記試料載置面との界面で反射された反射パルスを抽出し、
前記反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトルを求め、
その位相スペクトル、および、位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分に基づいて前記試料を分析する試料分析方法。
(2)テラヘルツ波に対して吸収性を有する試料を分析するための試料分析方法であって、
テラヘルツ波を透過可能な試料保持部材の試料を配置するための試料配置面に前記試料が当接するように配置し、
前記試料保持部材の試料を配置した側の反対側から前記試料に向けてテラヘルツ波光源からテラヘルツパルスを照射し、
前記試料保持部材から反射してくる反射パルスから、前記試料と前記試料配置面との界面で反射された反射パルスを抽出し、
前記反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトル及び振幅スペクトルを求め、
その位相スペクトル、位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分、および、振幅スペクトルに基づいて前記試料を分析する試料分析方法。
(3)前記テラヘルツ波を透過可能な試料保持部材の素材が、ガラス、プラスチック、高抵抗シリコン(Si)又は透光性セラミックである、上記(1)又は(2)に記載の試料分析方法。
(4)前記試料保持部材の上面が細胞培養に適した材料であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の試料分析方法。
(5)前記テラヘルツ光源が、リッジ導波路形状のMgOドープニオブ酸リチウム(MgO:LiNbO)結晶を用いてチェレンコフ型位相整合方式によりテラヘルツ波を発生させるテラヘルツ光源である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の試料分析方法。
(6)各種試料についてのテラヘルツ波の位相スペクトル及び位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分を測定したデータをデータベース化し、測定対象である試料のテラヘルツ波の位相スペクトルおよび、該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分についてのデータと、前記データベースのデータとを比較対照することで、前記試料の種類を同定することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の試料分析方法。
(7)各種試料についてのテラヘルツ波の位相スペクトル、該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分、及び振幅スペクトルを測定したデータをデータベース化し、測定対象である試料のテラヘルツ波の位相スペクトル、該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分、及び振幅スペクトルについてのデータと、前記データベースのデータとを比較対照することで、前記試料の種類を同定することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の試料分析方法。
(8)テラヘルツ波を透過可能で、かつ試料を配置するための試料配置面を有する試料保持部材と、
前記試料保持部材の試料を配置した側の反対側から前記試料に向けてテラヘルツパルスを照射するためのテラヘルツ波光源と、
前記試料保持部材から反射してくる反射パルスから、前記試料と前記試料保持部材との界面で反射された反射パルスを抽出して、反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトルのデータを取得する手段と、
前記位相スペクトルに基づいて該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分についてのデータを取得する手段と、
を有する試料分析装置。
(9)テラヘルツ波を透過可能で、かつ試料を配置するための試料配置面を有する試料保持部材と、
前記試料保持部材の試料を配置した側の反対側から前記試料に向けてテラヘルツパルスを照射するためのテラヘルツ波光源と、
前記試料保持部材から反射してくる反射パルスから、前記試料と前記試料配置面との界面で反射された反射パルスを抽出して、反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトルについてのデータ及び振幅スペクトルについてのデータを入手する手段と、
前記位相スペクトルに基づいて該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分についてのデータを取得する手段と、
を有する試料分析装置。
(10)前記試料配置面は平坦面である上記(8)又は(9)に記載の試料分析装置。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。以下の説明はこの発明における実施の形態の例を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る試料分析方法を実施する装置の全体の概略構成図である。
図1において、レーザー光源11は、フェムト秒パルスレーザーで光パルスを射出する。
レーザー光源11から射出されたフェムト秒パルスレーザーは、ビームスプリッター12によってポンプ光1とプローブ光2とに分岐される。ポンプ光1は、ポンプ光調整光学系13を経てテラヘルツ波発生素子14に入射される。これにより、テラヘルツ波発生素子14からテラヘルツ波が放射される。ここで、テラヘルツ波発生素子14は、非線形光学結晶や光伝導アンテナ(PCA:photoconductive antenna)などが利用可能である。
ポンプ光調整光学系13は、使用されるテラヘルツ波発生素子14に応じて適切に構成される。例えば、テラヘルツ波発生素子14が光伝導アンテナで構成される場合、ポンプ光調整光学系13は図1に示すようにレンズを用いて構成される。また、テラヘルツ波発生素子14が高強度テラヘルツ波を発生させる非線形光学結晶であるLiNbO結晶で構成される場合、ポンプ光調整光学系13は回折格子などの光学素子を用いて構成されることが望ましい(H. Hirori, A. Doi, F. Blanchard, and K. Tanaka, “Single-cycle terahertz pulses with amplitudes exceeding 1 MV/cm generated by optical rectification in LiNbO3”, Applied Physics Letters, vol. 98, 091106 (2011).参照)
例えば、テラヘルツ波は、バイアス電圧を印加した光伝導アンテナ(テラヘルツ波発生素子)14にフェムト秒パルスレーザーを当てた際に生じるキャリアによって瞬時電流を生じさせ、この時間微分に比例したテラヘルツパルス波を発生させることにより出力される。
一方、テラヘルツ波を検出する光伝導アンテナ(テラヘルツ波検出素子)24はこの反対の構成をとっており、電圧を印加する代わりに電流計を取り付けている。
テラヘルツ波発生時と同様にフェムト秒レーザー11からのポンプ光2をテラヘルツ波検出素子24のギャップに照射して光励起キャリアを生成させると、ギャップ領域の電気伝導度が増加して一時的にアンテナ回路が閉じた状態になる。この時、テラヘルツ波がテラヘルツ波検出素子24に到着していると、テラヘルツ波検出素子24にテラヘルツ波の電場による電界が加わることによってアンテナ回路にテラヘルツ波の振幅に比例した電流が流れ、その電流値が検出される。
また、ポンプ光1とプローブ光2との間に光学遅延を与えることにより、その光学遅延に応じた時刻のテラヘルツ波の電場強度を検出することができる。THz−TDSではこの光学遅延により生じた僅かに異なる時間の電場強度を測定し、ひとつの時間波形とするサンプリング法を用いる。プローブ光2の光路上には、光パルスがテラヘルツ波検出素子24に到達する時間を遅らせるための可動鏡22が置かれている。この可動鏡22を移動させることで光路長を変え、光学遅延を与えることになる。このようにして得られた時間波形をフーリエ変換し、位相と振幅(強度)両方の周波数スペクトルに変換することがTHz−TDSの大きな特長である。
サンプルを保持する試料駆動用のXYステージを配置することで、試料17をラスタスキャンすることにより画像を取得できるように構成されており、各周波数での反射率画像や、吸光度画像、位相画像を得ることができる。
フェムト秒レーザー11は、波長840nm、出力650mW、パルス幅100fs以下、繰り返し周波数80MHzを使用し、テラヘルツ波発生素子14、テラヘルツ波検出素子24には低温成長型GaAs膜(Low−temperature grown GaAs、LT−GaAs)を用いた。
(第二の実施形態)
図2は、本発明の第二の実施形態に係る試料分析方法を実施する装置の全体の概略構成図である。
本実施形態では、テラヘルツ波発生素子33としてリッジ導波路形状の非線形光学結晶を用いてチェレンコフ位相整合方式によりテラヘルツ波(以下では「THz波」と記載することがある)を発生させている。
チェレンコフ位相整合方式では励起光の強度を増加させることや伝搬する結晶の幅を細くすることにより、発生するTHz波強度を増加させることができる。結晶の厚さ、幅が数μmのリッジ導波路形状の非線形光学結晶を導入し、リッジ導波路33内に励起光を閉じ込めることで、位相不整合の解消、結晶内での吸収の軽減、励起光のパワー密度の向上することができ、高出力かつ広帯域にTHz波を発生させることができる。
励起光源として、平均パワー230mW、パルス幅48fs、繰り返し周波数70MHz、中心波長1.56mmのファイバーレーザー11を用い、この励起光を厚さ3μm、幅7μmのリッジ導波路形状のMgO:LiNbO結晶からなるリッジ導波路33へ集光し、リッジ導波路33内を伝搬させ、THz波を発生させる。結晶外部にTHz波を取り出すため、結晶に半円錐型Siレンズ34をカップリングし、リッジ導波路33内に入った励起光がSi側へ漏れるのを防ぐため、結晶とSiレンズの間に3.5μm厚のPETフィルムを圧着させた。テラヘルツ波検出素子24として、光伝導アンテナを使用した。ファイバーレーザー11から出力された励起光を、ダイクロイックミラー31により分岐させ、片方をポンプ光1としてリッジ導波路33に入射させ、他方をプローブ光2として、光伝導アンテナ24に入射させた。テラヘルツ波は30度の角度で上方に打ち上げられ、試料保持部材16と試料17との界面で反射して、テラヘルツ波検出素子24に入射するように調整されている。
装置の条件の一例を示すと次の通りである。
・ポンプ光(1):1.560nm,230mW,48fs,70MHz
・プローブ光(2):805nm,10mW,93fs,70MHz
・チョッパー(15):2kHz
・非球面レンズ(13):焦点距離 4.5mm
・放物面鏡(18a):焦点距離 50.8mm、サイズ 50.8mm
・放物面鏡(18b):焦点距離 76.2mm、サイズ 50.8mm
・放物面鏡(18c):焦点距離 76.2mm、サイズ 50.8mm
・放物面鏡(18d):焦点距離 101.6mm、サイズ 50.8mm
・非球面レンズ(23):焦点距離 18.4mm
テラヘルツ時間領域分光システムでは、テラヘルツ波の波形を直接的に計測できる。
例えば、初めに試料がない状態でテラヘルツパルス波の時間波形Eref(t)を測定し、これをフーリエ変換することで参照用の振幅|Eref(ω)|と位相θref(ω)を得る。次に光路中に試料を挿入した状態でテラヘルツパルス波の時間波形Esam(t)を測定し、これをフーリエ変換することで、試料を通過してきたテラヘルツパルス波の振幅|Esam(ω)|と位相θsam(ω)が得られる。サンプルがある場合は、サンプルの吸収によるパルスの振幅減少、サンプルの持つ屈折率による時間遅れ、波形の鈍りといった現象がおきる。
物質の複素誘電率は、ε=Re[ε]-iIm[ε]で表すが、サンプルによる時間遅れ、波形の鈍り、Δtは、THz波による分極に由来し、複素誘電率の実部Re[ε]にかかわる特性パラメータであり、振幅減少、ΔAは、THz波による吸収に由来し、複素誘電率の虚部Im[ε]にかかわる特性パラメータである。参照用のテラヘルツパルス波の時間波形Eref(t)、サンプル挿入時のテラヘルツパルス波の時間波形Esam(t)から、複素振幅透過係数t(ω)=Esam(t)/Eref(t)が求められる。透過率は、T(ω)=t(ω)t*(ω)、吸光度は、A(ω)=−log(T(ω)として求めることができる。光波領域では位相の直接計測はできないが、THz波では、振幅と位相を同時に直接計測可能である。
すなわちTHz波の時間波形から、サンプルの振幅スペクトルと、位相スペクトルを求めることができ、その振幅スペクトル及び位相スペクトルはサンプルの材料により特徴的な形状を有していることから、サンプルを構成する物質を特定することが可能である。試料を入れる試料室およびレーザー光路は、水蒸気の影響を取り除くために、窒素パージを行ってから測定を行う。被測定対象となる試料はXYステージに載置することで、二次元的に移動してポイント毎に分光測定を行いながら、順次XYステージを動かして2次元イメージングを行うことができる。
テラヘルツ波を透過するサンプルについては、透過率を測定することでさまざまな特性を計測することが可能である。しかしながら、テラヘルツ波は水に吸収されるため、水分を多く含むサンプル、例えば、生体材料、バイオ材料などは、透過測定を行うことが困難である。反射測定に関しても、透過測定同様に計測可能であるが、反射の場合は後述するようにサンプルと参照用鏡を入れ替えて測定した場合、位相に誤差が生じるため、位置あわせを精密におかなわなければならないなどの困難がある。
この課題を解決するため、全反射減衰分光法が提案されている。この方法は、プリズム面において光が全反射するように斜入射させたとき、サンプルに吸収があると、その吸収に応じて全反射光の強度が減少することで吸収率を測定する方法である。全反射は、屈折率の大きい媒質から小さい媒質に光が入射した時にすべての光が反射される現象である。このとき、プリズム面からサンプル側にエバネッセント光が、波長程度の深さまで染み出している。基本的にはテラヘルツ時間領域分光システムの透過光学系と同等であり、実際にはテラヘルツ時間領域分光システムのサンプルの位置に全反射プリズムを挿入して測定を行う。全反射プリズムとしてダブプリズムなどが用いられている。テラヘルツ波の吸収の大きいサンプルも測定可能であり、プリズム上にサンプルを配置して測定を行う。
全反射減衰分光法は赤外光を用いた赤外分光分析法である。測定したい試料と、それより屈折率の大きいSi(シリコン)プリズムとを接触させ、赤外光である照射波の入射角を調整し、プリズム内部で全反射が起こるようにして出射波の強度を測定する方法である。このとき赤外光は試料にわずかに、所定の深さだけ入り込んでから反射するので、試料表面の赤外吸収スペクトルが得られる。このスペクトルを解析することにより試料の構造解析や定性定量分析を行うことができる。
本発明は次に示す点で全反射減衰分光法と異なる。
本発明と全反射減衰分光法ではテラヘルツ波の反射を用いる点で同じであるが、全反射減衰分光法は試料の外表面で全反射を起こさせプリズム内で起きた多重反射を利用しているのに対し、本発明は試料と試料を保持する試料保持部材で起きた反射も利用している点で原理が異なる。本発明では、必ずしも全反射条件でなくても試料の特性を測定することができる。試料表面による全反射時のテラヘルツ波の吸収を利用する全反射減衰分光法では、全反射条件を利用するため、試料を保持する試料保持部材はより屈折率の大きいSi(シリコン)プリズムなどに限定されるが、試料と試料保持部材の試料配置面との界面におけるテラヘルツパルスの反射を利用する本発明は、試料を保持する試料保持部材の素材に制限はなく、バイオ試料等で用いられているプラスチック、ガラスなど培養に適した素材を用いることができ、生きたままバイオ試料の測定や、微小微量の試料分析に最適である。
また、通常、試料に関する情報を得るためには、これら試料からの時系列波形に加えて、参照用の時系列波形が必要となる。参照用波形としては、反射型の場合には反射率が100%とみなせる鏡を試料の代わりに配設して、そのときに検出される波形を用いる。そして、参照用波形もフーリエ変換し、各波長に対する電場の振幅強度と位相情報を得る。
そこで、従来は、試料17と参照用鏡とを入れ替えて反射光振幅スペクトル測定を行い、試料17の反射光振幅スペクトルと参照用鏡の反射光振幅スペクトルとの比較を行うことで誘電率などの試料の特性パラメーラを算出していた。この場合は、参照用鏡で測定した位相に誤差が生じるため、位置合わせを精密に行わなければならないなど測定が困難である。実際には、テラヘルツ光源のスペクトル変動がなければ、図5に示すように、繊維芽細胞、血管内皮細胞、Hela細胞の特徴的なパラメータを定量化することが可能である。しかしながら、図5に示した測定例にあるように、サンプルのばらつきを考慮すると、細胞種の違いを同定するには、測定精度に問題がある。
これに対し、本発明では、参照用鏡を用いる必要がないので位相情報を容易にかつ正確に測定することができる。
図3を用いて本実施形態の試料保持部材16および試料保持部材16内でのテラヘルツ波伝搬経路の説明をする。試料17は試料保持部材16の試料を配置するための試料配置面に当接するように保持される。試料保持部材16からの反射波を測定して面方向にスキャンする際、試料面は平滑で傾きを持たないことが望ましい。前記試料保持部材16はテラヘルツ波の吸収の少ないことからプラスチック製とすることが好ましい。前記試料17は、細胞を含んでもよい。前記細胞は、培養液またはバッファ中の培養細胞であってもよい。細胞を分析する場合は、試料保持部材16の上面が細胞培養に適した材料(例えば、SiO)であることが望ましい。
試料保持部材16は試料17と屈折率が異なり、かつ、大気よりも屈折率が大きい材料からなる。より好ましくは、試料保持部材16の屈折率は試料17の屈折率より大きいほうがよく、例えば、試料保持部材16の材料としてはガラスやプラスチック、高抵抗シリコン(Si)や透光性セラミックが用いられる。試料保持部材16はテラヘルツ波に対し、透過性を有する素材である。試料17はテラヘルツ波に対し、透過性、吸収性を有する素材である。特に、生体材料やバイオ材料などは、水分を多く含んでいるため、テラヘルツ波を非常によく吸収、あるいは反射する性質を持っている。試料保持部材16は、水を多く含んだ液体試料もしくは、液体を多く含んだ試料を保持するため、カップ形状を有している。
ここで、試料17と試料保持部材16の間の境界を第一界面S1と呼び、試料保持部材16と大気との間の境界を第二界面S2と呼ぶ。
まず、試料保持部材16の外側(大気側)から試料保持部材16に向けてテラヘルツ波が照射される。この照射波Iの一部は第二界面S2を通過し試料保持部材16内を伝搬する透過波(入射部材内伝搬波)T2となる。このとき大気と試料保持部材16との誘電率の違いによりテラヘルツ波に屈折が起きる。また、大気と試料保持部材16との誘電率の違いにより一部のテラヘルツ波が反射され、第二反射パルスR2となる。入射部材内に伝搬した透過波T2は試料保持部材16中を伝搬し、試料保持部材16と試料17との第一界面S1において一部が反射され透過波(入射部材内伝搬波)T1となる。ここで、試料17がテラヘルツ波に強い吸収を有している場合、その吸収スペクトルに応じた形でテラヘルツ波が反射される。
第一界面S1にて反射された透過波T1はさらに、試料保持部材16を伝搬し、第二界面S2を通過して第一反射パルスR1として大気に出射される。透過波T1の一部は、第一界面S1を通過し、試料17に一部吸収され、試料17を減衰しながら通過する。試料17がテラヘルツ波に強い吸収がある場合には、テラヘルツ波はすべて試料17に吸収される。
このときの反射パルスR1、R2の振幅、位相の大きさを時間軸で求め、その時間波形をフーリエ変換することで周波数ごとの位相を求め、その位相スペクトルおよび、位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分(位相の変化量)から、試料17の特性を求めることができ、各種試料を同定することができる。
図4−1に繊維芽細胞サンプルのTHz波の反射パルスの時間波形の測定例を示す。
横軸が測定開始からの時間経過、縦軸が反射して検出器に戻ってきたTHz波の振幅を示している。まず、4〜5psに試料保持部材16の底面(第二界面S2)からの第二反射パルスR2、次に、15〜16psに試料保持部材16と試料17の界面(第一界面S1)からの第一反射パルスR1の時間波形が測定される。
図4−2に図4−1で示したTHz波の反射パルスの時間波形の測定結果をフーリエ変換することで求めた反射光振幅スペクトルを示す。図4−1で示した時間波形全体のデータを利用して求めたスペクトル波には干渉の影響による周期的なノイズが載っている。この干渉効果を低減するため、図4−1で第一界面S1からの第一反射パルスR1のみを抽出し、フーリエ変換した。
また、今回の第一反射パルスR1の抽出の際、第一界面S1からの第一反射パルスR1と第二界面S2からの第二反射パルスR2とを判別することが可能であることから、周波数分解能を保つために、ゼロフィル処理と呼ばれる、第二界面S2からの第二反射パルスR2を示す強度変化(数値)をゼロと置き換える方法を用いた。ただし、この方法においては、処理を行うポジション設定によって処理後のデータが大きく変わる可能性がある。そのため、ゼロフィル処理のポジションを決めるため、図4−2で10psまで処理したものと、12psまで処理したものを比較した。10psまで処理したものと、12psまで処理したものでは、ほぼ同じスペクトル形状が得られる。
図5に試料として繊維芽細胞、Hela細胞及び血管内皮細胞を用いて得られたTHz波の反射パルスの時間波形の測定結果をフーリエ変換することで求めた反射光振幅スペクトルを示す。試料17は、試料保持部材16(プラスチックディッシュ、直径55mm、厚み1mm)の底面全体に播種、培養したものである。試料に照射しているTHzのビーム径は1mm程度である。測定として、試料保持部材16の底面から、THz波を30度の角度で入射し、反射してくるTHz波を検出した。
図5に示されるように細胞種毎に、異なったスペクトル形状を有していることがわかる。
THz波の時間波形測定では、振幅スペクトルと同時に、位相スペクトルも取得できる。反射パルスの位相は、屈折率の小さいところから大きいところに入射すると、位相がπずれ、山が谷になる。逆に屈折率の大きいところから小さいところに入射すると、位相は変わらない。
図6(a)は試料保持部材のみを測定したときの時間波形を示し、図6(b)は試料保持部材に繊維芽細胞を配置して測定したときの時間波形を示す。また、図6(c)は試料を測定したときの第一界面からの反射パルスの位相情報の変化を示す図である。
試料保持部材16のみを測定した図6(a)に示すように、試料保持部材16のみでの測定では、試料保持部材16の表面では、屈折率の低いところから高いところに入射するため、まずパルスの波形が正から負に変化するが、試料保持部材16裏面では、屈折率の高いところから低いところに入射するため、まずパルスの波形が負から正に変化する。試料保持部材16の上面に細胞などの試料17が存在する場合は、図6(b)に示すようにある誘電率を有する物体が界面に存在するため、第一界面からの反射波形は、若干正に振れた後、負に変化している。これは、反射パルスの位相が、試料保持部材16のみと比較して試料17があることにより、反射時の位相が変化するため波形が変わっている。
図6(c)に示すように、THzパルスは試料17と試料保持部材17の界面から反射するが(X)、THzパルスの一部は界面から試料側にしみこんで反射する(Y)。このしみこんだ部分の反射パルスも試料を分析する際の有用な情報である。
図7に、試料保持部材(Case)16のみ、試料17として、それぞれ、Hela細胞、繊維芽細胞、血管内皮細胞を用いた場合の反射パルスの時間波形を示す。各サンプル場所を変えて3点ずつ測定を行った。リファレンス波形(試料保持部材16のみ)に比べ、試料17が存在する場合は、THzパルス波形の位相が反転することがわかる。また、試料17として用いた細胞の種類が変わると、ピーク部分の位置や強度が変わる。これは、細胞サンプル部分からの反射パルスには、細胞部分での屈折率、吸収係数に対応した、パルス波形の振幅減少、位相遅れが生じているためである。
図8に、図7で示した時間波形から求めた位相スペクトルと其の傾きを示す。図8の位相スペクトルは180度で折りたたまずに加算して示した。各細胞での位相スペクトルの傾きも示した。測定点数として、3種類のサンプルの場所を変えた3点のばらつきも含め示した。細胞サンプル部分からの反射パルスには、細胞部分での屈折率、吸収係数に対応した、パルス波形の振幅減少、位相遅れが生じており、反射パルス波の位相変化の傾きを、Caseのみ、繊維芽細胞、Hela細胞で比較すると有意な差がある。図8で示した波形の変化を数値化することで、この差異から細胞種の判別や、細胞の状態の変化をモニターすることが可能である。あらかじめ、各種試料に対する位相スペクトル及び該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分を測定したデータをデータベース化し、未知の試料を測定した結果と、比較対照することで、本発明により、試料17の種類を同定することができる。
試料の種類のみならず、同一試料を時間ごとに測定し、位相スペクトルおよび、該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分を比較することで、例えば、細胞の培養の状態や、活性度などを、細胞が生きたままモニタリングすることが可能である。
図9に、水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、各種培地の反射パルスの時間波形を示す。また前記時間波形をフーリエ変換して得た位相スペクトル及び振幅スペクトルをそれぞれ図10(a)及び図10(b)に示す。更に図11に前記時間波形から求めた位相スペクトルの傾きを示す。
図9によると、リファレンス波形(試料保持部材16のみ)に比べ、培地等が存在する場合は、THzパルス波形の位相が反転すること、また、培地毎のピーク部分の位置は、あまり変化していないが、ピーク強度は若干変化していることがわかる。
図10(b)によると、主に水の吸収によるピークが複数検知されている。また、THz波帯においては、水の吸収が強いため、第一界面においてインピーダンスマッチングが取れないため、比較的大きな反射が生じている。
図11に示すように、培地によって位相スペクトルの傾きに差が見られることから、培地など液体の微量な成分の違いに関しても検出することが可能である。
1 ポンプ光
2 プローブ光
3 テラヘルツ波
11 フェムト秒レーザー、ファイバーレーザー
12 ビームスプリッター
13 ポンプ光調整光学系(レンズ)
14 光伝導アンテナ(PCA)、テラヘルツ波発生素子
15 チョッパー
16 試料保持部材
17 試料
18a、18b、18c、18d 放物面鏡
21 時間遅延ステージ
22 可動鏡
23 非球面レンズ
24 光導電アンテナ、テラヘルツ波検出素子
25 ロックインアンプ
26 コンピュータ
31 ダイクロイックミラー
32 λ/2板
33 テラヘルツ波発生素子、リッジ導波路(MgO:LiNbO結晶)
34 半円錐型Siレンズ
I 照射波
R1 第一反射パルス
R2 第二反射パルス
S1 第一界面
S2 第二界面
T1 透過波
T2 透過波
特開2011−112548号公報 特開2014−77672号公報 特開2010−71660号公報 特開2012−185151号公報 特開2014−190967号公報

Claims (10)

  1. テラヘルツ波に対して吸収性を有する試料を分析するための試料分析方法であって、
    テラヘルツ波を透過可能な試料保持部材の、試料を配置するための試料配置面に前記試料が当接するように配置し、
    前記試料保持部材の試料を配置した側の反対側から前記試料に向けてテラヘルツ波光源からテラヘルツパルスを照射し、
    前記試料保持部材から反射してくる反射パルスから、前記試料と前記試料載置面との界面で反射された反射パルスを抽出し、
    前記反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトルを求め、
    その位相スペクトル、および、位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分に基づいて前記試料を分析する試料分析方法。
  2. テラヘルツ波に対して吸収性を有する試料を分析するための試料分析方法であって、
    テラヘルツ波を透過可能な試料保持部材の試料を配置するための試料配置面に前記試料が当接するように配置し、
    前記試料保持部材の試料を配置した側の反対側から前記試料に向けてテラヘルツ波光源からテラヘルツパルスを照射し、
    前記試料保持部材から反射してくる反射パルスから、前記試料と前記試料配置面との界面で反射された反射パルスを抽出し、
    前記反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトル及び振幅スペクトルを求め、
    その位相スペクトル、位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分、および、振幅スペクトルに基づいて前記試料を分析する試料分析方法。
  3. 前記テラヘルツ波を透過可能な試料保持部材の素材が、ガラス、プラスチック、高抵抗シリコン(Si)又は透光性セラミックである、請求項1又は2に記載の試料分析方法。
  4. 前記試料保持部材の上面が細胞培養に適した材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の試料分析方法。
  5. 前記テラヘルツ光源が、リッジ導波路形状のMgOドープニオブ酸リチウム(MgO:LiNbO)結晶を用いてチェレンコフ型位相整合方式によりテラヘルツ波を発生させるテラヘルツ光源である、請求項1〜4のいずれかに記載の試料分析方法。
  6. 各種試料についてのテラヘルツ波の位相スペクトル及び位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分を測定したデータをデータベース化し、測定対象である試料のテラヘルツ波の位相スペクトルおよび、該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分についてのデータと、前記データベースのデータとを比較対照することで、前記試料の種類を同定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の試料分析方法。
  7. 各種試料についてのテラヘルツ波の位相スペクトル、該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分、及び振幅スペクトルを測定したデータをデータベース化し、測定対象である試料のテラヘルツ波の位相スペクトル、該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分、及び振幅スペクトルについてのデータと、前記データベースのデータとを比較対照することで、前記試料の種類を同定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の試料分析方法。
  8. テラヘルツ波を透過可能で、かつ試料を配置するための試料配置面を有する試料保持部材と、
    前記試料保持部材の試料を配置した側の反対側から前記試料に向けてテラヘルツパルスを照射するためのテラヘルツ波光源と、
    前記試料保持部材から反射してくる反射パルスから、前記試料と前記試料保持部材との界面で反射された反射パルスを抽出して、反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトルのデータを取得する手段と、
    前記位相スペクトルに基づいて該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分についてのデータを取得する手段と、
    を有する試料分析装置。
  9. テラヘルツ波を透過可能で、かつ試料を配置するための試料配置面を有する試料保持部材と、
    前記試料保持部材の試料を配置した側の反対側から前記試料に向けてテラヘルツパルスを照射するためのテラヘルツ波光源と、
    前記試料保持部材から反射してくる反射パルスから、前記試料と前記試料配置面との界面で反射された反射パルスを抽出して、反射パルスの時間波形をフーリエ変換して位相スペクトルについてのデータ及び振幅スペクトルについてのデータを入手する手段と、
    前記位相スペクトルに基づいて該位相スペクトルの周波数に対する位相量の変分についてのデータを取得する手段と、
    を有する試料分析装置。
  10. 前記試料配置面は平坦面である請求項8又は9に記載の試料分析装置。
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