JP2018009819A - コンクリート構造物の腐食センサ及び腐食検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明に係る腐食センサの第一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。なお、本実施形態においては、鋼材として鉄筋を有するコンクリート構造物の腐食を検出する例を示す。
腐食センサ10は、センサ本体部30と、電圧検出部60とを備え、鉄筋2を有するコンクリート構造物1の腐食状態を検出する。本実施形態では、図1に示すように、複数の腐食センサ10が、コンクリート構造物1の表面1aであるトンネルの内壁表面の各領域に対応して設けられる。
各腐食センサ10は、複数のセンサ本体部30を有する。
本実施形態では、少なくとも各センサ本体部30がトンネルに設置され、トンネルの内壁表面の腐食を検出する。
本来、コンクリート構造物1の表面1aの腐食を検出する場合、その検出箇所の直下の鉄筋2に電線3aを接続する必要があるが、複数の鉄筋2は互いに電気的に接続されている場合、電線3aは、複数の鉄筋2のうち、いずれかの鉄筋2に対して接続させればよい。もし、番線の結束だけでは各鉄筋2同士の電気的接続が不十分な場合は、電線3aを複数設けて、各センサ本体部30に対応する鉄筋2に電線3aを接続してもよい。
したがって、腐食センサ10は、後で詳しく示す電圧検出部60において、コンクリート構造物1の表面1aにおけるセンサ本体部30が設置された各点についての電圧を検出する。
電圧検出部60から送られてきた各点の電圧に基づく情報は、処理部90において表示、印刷等によって出力され、作業者に提示される。処理部90は、各点の電圧をそのまま出力してもよいが、電線3aに対する照合電極40の板面40bの電位として出力すれば、自然電位として腐食の検出が可能となる。さらに、処理部90は、次に示すようにマップデータで出力するものであってもよい。
また、自然電位と腐食レベルとを関連づけることによって、自然電位に代えて腐食レベルをマップデータで出力することも可能である。
したがって、処理部90は、検出された各点の電圧に基づく情報とコンクリート構造物1の表面1aの位置とを関連付けることによって、コンクリート構造物1の表面1aの自然電位や腐食レベルのマップデータを作成することができる。
作成されたマップデータは、処理部90において表示、印刷等によって出力され、作業者に提示される。作業者に提示されるマップデータは、自然電位と位置との関係又は腐食レベルと位置との関係を等高線やカラーマップで示すものである。
自然電位と位置との関係又は腐食レベルと位置との関係を等高線やカラーマップで示すことで、作業者は、コンクリート構造物1の表面1aに沿った自然電位又は腐食レベルの二次元分布を評価することができる。
本実施形態では、作業者は、当該マップデータから鉄筋2の腐食箇所を判断し、腐食状況の報告又は腐食箇所の補修や保守を行う。
本実施形態に用いる処理部90は、CPU、記憶部、I/O部等を有するコンピュータシステムであればどのようなものを用いてもよいが、電気回路や電子回路で構成してもよい。また、任意の場所で検出された電圧に基づく情報を確認できるように、処理部90としてノートパソコン、PDA、タブレット等の携帯端末を用いてもよい。
図2は、コンクリート構造物1の表面1aに垂直であって鉄筋2に沿った断面からみた各センサ本体部30を示す。
各センサ本体部30は、照合電極40及びイオン液体51を含む接触部材50を備える。
本実施形態では、接点20を介して鉄筋2に接続された電線3aは、電圧検出部60に電気的に接続されている。
センサ本体部30の接触部材50は、コンクリート構造物1の表面1aに対し対向するように配置され、コンクリート構造物1の表面1aに接触されている。
照合電極40は、一対の板面40a及び40bを備える板形状となっている。
照合電極40は、板面40aがコンクリート構造物1の表面1aに対し対向するように設置されている。照合電極40の板面40bは、検出パターン3bによって、電圧検出部60に電気的に接続されている。
照合電極40は、自然電位測定法で用いられる照合電極40であればどのようなものでもよいが、本実施形態では、銀・塩化銀電極を用いている。さらに、より安価な材料として、カーボンフレークを含ませた銀・塩化銀を用いてもよい。
イオン液体は、一般に100℃以下の融点を有する塩であって、蒸気圧が低い液体である。よって、電気伝導率の高い液体でありながら、ほとんど蒸発することはないという特性を有する。
イオン液体51は、検出環境において液体で存在(溶融)している塩であればどのようなものでもよい。本実施形態では、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(EMIM TFSI)をイオン液体51として用いている。1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドは、少なくとも室温において液体で存在している。
変形例としてスポンジや多孔質体や布にイオン液体51を吸収させて接触部材50として用いてもよい。
本実施形態では、照合電極40及びゲル部材の接触部材50は、基板70にスクリーン印刷といった安価な方法によって成膜された印刷電極であるが、マスク印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等によって成膜された印刷電極であってもよい。さらに印刷に限らず、基板70の表面に成膜できるならどのような方法によって成膜してもよい。
照合電極40の板面40bと検出パターン3bとは、基板70のスルーホールを介して電気的に接続されている。
本実施形態では、ゲル化されたイオン液体51を接触部材50として用いているため、コンクリート構造物1の表面1aに凹凸があったとしても、接触部材50は、凹凸に沿って変形し、コンクリート構造物1の表面1aに対し、電気的接触を良好に維持している。
本実施形態では、イオン液体51を使ったゲルを用いるため、溶媒が蒸発してしまうゲルに比べて、経時劣化しにくく、ゲル状態を長期間維持できる。よって、長期にわたって導電性の高い電気的接触を維持することが可能となり、検出の度に検出現場に赴く必要がない。
よって、常時遠隔での検出も可能となる。
本実施形態の各センサ本体部30は、常にコンクリート構造物1の表面1aと導電性の高い電気的接触を維持しているので、電位が落ち着くまで待つ必要がなく、再測定のための時間を軽減できるで、測定時間の短縮が可能となる。
以下、本発明に係る腐食センサの第二実施形態について、図4を参照して説明する。
本実施形態の腐食センサ110は、基板170を備える。
図4に示すように、基板170の一方の表面170aには、センサ本体部30が複数配列されている。各センサ本体部30は、積層された照合電極40及び接触部材50の対を備える。
本実施形態では、基板170に可撓性を持たせるため、基板170にポリイミドによって形成したシートを用いている。変形例として、基板170にPETやPENといった樹脂によって形成したシートを用いることによっても、可撓性を持たすことができる。
具体的には、配列されたセンサ本体部30の間において、基板170をコンクリート構造物1の表面1aに接着剤で接着する。
変形例として基板170を薄いシートで構成し、配列された各センサ本体部30の間において、基板170をコンクリート構造物1の表面1aにピンやステープル等で固定することによって、各センサ本体部30をコンクリート構造物1に固定してもよい。
本実施形態では、基板170に可撓性を持たせているため、例えばトンネルの内壁表面に腐食センサ110を設置する場合、トンネルの内壁に基板170を固定するとトンネルの内壁の曲表面や凹凸表面に沿って基板170が変形する。したがって、トンネルの内壁の曲表面や凹凸表面に沿って複数のセンサ本体部30を設置することができる。
以下、本発明に係る腐食センサの第三実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。
腐食センサ210は、電線203aと、照合電極40及びイオン液体51を含む接触部材50を備えた複数のセンサ本体部30と、複数の電圧検出ユニット80と、を備える。本実施形態では、図5に示すように、各センサ本体部30の隣に対応する電圧検出ユニット80が配置されている。
本実施形態では、基板270は可撓性を有するシートで構成されている。
図6に示すように、1つのセンサ本体部30及び1つの電圧検出ユニット80の複数の対は、基板270全体にわたって格子状に並ぶように、基板270の表面270aに設けられている。
変形例として、基板270を薄いシートで構成し、センサ本体部30及び電圧検出ユニット80を避けた位置において、基板270をコンクリート構造物1の表面1aにピンやステープル等で固定することによって、腐食センサ210をコンクリート構造物1に固定してもよい。
本実施形態では、主パターン203Dは、基板270の中間層として設けられているが、基板270の表面270a上に設けてもよいし、基板の裏面270bに設けてもよい。
鉄筋2に電気的に接続された電線203aは、主パターン203Dに電気的に接続されている。
主パターン203Dは、面パターンでも、線パターンでもよく、電線203aの電位を基板270全体に分布させることができるものであれば、どのようなものであってもよい。
各電圧検出ユニット80は、電圧検出部260と、無線送信部81と、バッテリ82と、を備える。
本実施形態では、検出パターン203bの一部を、基板270内部に設けているが、変形例として、基板270の表面270a上だけに設けてもよい。さらに、本実施形態では、副パターン203dの一部を、基板270内部に設けているが、変形例として主パターン203Dを基板270の表面270a上に設けて、副パターン203dを主パターン203Dとともに、基板270の表面270a上だけに設けてもよい。この場合、基板270内部にパターンを設ける必要がないので、パターンの加工工程が簡略化される。
このとき、検出された電圧に基づく情報がどの電圧検出ユニット80からの情報かを識別できるように、各無線送信部81は、自身が設けられている電圧検出ユニット80の識別情報を、検出された電圧に基づく情報と併せて処理部290に送る。
本実施形態では各電圧検出ユニット80がバッテリ82を備えているが、変形例として各電圧検出ユニット80にバッテリ82を設けずに、いくつかの電圧検出ユニット80毎にバッテリを設け、一つのバッテリからいくつかの電圧検出ユニット80に電力を供給してもよい。
電力の供給配線の敷設に困難がない場合は、バッテリではなく電力の供給配線によって、複数の電圧検出ユニット80に電力を供給してもよい。
本実施形態では、処理部290には、電圧検出ユニット80の識別情報と各電圧検出ユニット80が設置された位置との関係が予め記憶されている。処理部290は、当該記憶された関係から、電圧検出ユニット80の識別情報を用いて、検出された電圧に基づく情報とコンクリート構造物1の表面1aの位置とを関連付けることができる。
したがって、検出された電圧に基づく情報とコンクリート構造物1の表面1aの位置とを関連付けることによって、処理部290は、各電圧検出ユニット80から送られてきた情報から、コンクリート構造物1の表面1aの自然電位又は腐食レベルのマップデータを作成することができる。
作成されたマップデータは、処理部290によって、表示、印刷等によって出力され、作業者に提示される。作業者に提示されるマップデータは、自然電位と位置との関係又は腐食レベルと位置との関係を示した等高線やカラーマップによって提示される。
本実施形態では、作業者は、当該マップデータから鉄筋2の腐食箇所を判断し、腐食状況の報告又は腐食箇所の補修や保守を行う。
本実施形態において、任意の場所で検出された電圧に基づく情報を確認できるように、処理部290としてノートパソコン、PDA、タブレット等の携帯端末を用いている。
まず、本実施形態では、1つのセンサ本体部30及び1つの電圧検出ユニット80の複数の対を基板270全体にわたって格子状に並べているので、腐食センサ210は、コンクリート構造物1の表面1aにおける格子状の各点についての腐食状態を検出することができる。したがって、コンクリート構造物1の表面1aに沿って、腐食状態の二次元分布を測定することができる。
また、本実施形態では、イオン液体51を使ったことにより、コンクリート構造物1の表面1aの腐食状態を短時間で測定できると共に、長期的な監視が可能である。加えて、無線による腐食状態の情報取得が可能であるため、処理部290さえ身近にあれば、作業者は、長期にわたって検出現場に赴くことなく、コンクリート構造物1の表面1aの任意の場所の自然電位又は腐食レベルを、任意の場所で監視したり、当該自然電位又は腐食レベルのマップデータを、任意の場所で監視したりすることができる。
また、処理部290を携帯端末で構成すれば、処理部290で腐食箇所を確認しながら、腐食箇所と判断された検出現場へ向かうことができるため、腐食箇所の補修や保守の作業効率が高まる。
したがって、例えばトンネルの内壁表面に腐食センサ210を設置する場合、トンネル内に図6のような腐食センサ210だけを持っていき、トンネル内壁に接着剤、ピン、ステープルで貼り付けるだけで、腐食センサ210の設置が完了するため、腐食センサ210の設置が簡単である。
以下、本発明の腐食検出方法の実施形態について、図8を参照して説明する。
本実施形態は、図8に示す各工程が実施される。本実施形態は、腐食センサ10、110又は210のいずれかを、鉄筋2を有するコンクリート構造物1に適用することによって、実施される。
検出した電圧は、電圧検出部においてそのまま表示、印刷等によって出力され、作業者に提示されてもよいが、本実施形態では、さらに、検出された電圧に基づく情報を処理部に無線送信する工程を設けている(S4:無線送信工程)。検出された電圧に基づく情報は、処理部において表示、印刷等によって出力され、作業者に提示される。
すなわち、コンクリート構造物1の表面1aにイオン液体51を塗布又は散布し、照合電極40の板面40aを、イオン液体51を介してコンクリート構造物1の表面1aに電気的に接触させてもよい。さらにコンクリート構造物1の表面1aにイオン液体51と共に粘着材を塗布又は散布して照合電極40の板面40aを固定してもよい。
また、イオン液体51を設けていない腐食センサ10、110又は210に対して、照合電極40の板面40aに、イオン液体51を塗布又は散布し、照合電極40の板面40aを、イオン液体51を介してコンクリート構造物1の表面1aに電気的に接触させてもよい。
図9に本実施形態によって検出された腐食の検出結果を示す。
左の表は、直下の鉄筋2に腐食がない状態で測定したコンクリート構造物1の表面1aの3点(A、B、C)における自然電位の検出値を示す。
右の表は同じ3点(A、B、C)直下の鉄筋2が腐食したときの自然電位の検出値を示す。表中の検出値[mV]は、A、B、Cの各点の検出時間60秒間における平均値±標準偏差である。各点2回ずつ測定し再現性についても確認した。
この結果から、腐食のないときの検出値と、腐食のあるときに検出値とに顕著な差がみられる。したがって、本実施形態によって、鉄筋2の腐食の有無を判断できることがわかる。
なお、図9の各表中の検出値の全平均は、平均値±標準偏差を示す。また、検出時間は各回の各点で60秒、検出順は、A(1回目)→B(1回目)→C(1回目)→A(2回目)→B(2回目)→C(2回目)となっている。
また、接触部材50のコンクリート構造物1の表面1aとの接触面に凹凸や溝を設けて、凹凸や溝の凹部にイオン液体51を含浸させることによって、イオン液体51を含む接触部材50を構成してもよい。
1a:表面
2:鉄筋
3a:電線
3b:検出パターン
5:腐食検出システム
10:腐食センサ
20:接点
30:センサ本体部
40:照合電極
40a:板面
40b:板面
50:接触部材
51:イオン液体
60:電圧検出部
70:基板
80:電圧検出ユニット
81:無線送信部
82:バッテリ
90:処理部
105:腐食検出システム
110:腐食センサ
170:基板
170a:表面
203a:電線
203b:検出パターン
203d:副パターン
203D:主パターン
205:腐食検出システム
210:腐食センサ
260:電圧検出部
270:基板
270a:表面
270b:裏面
290:処理部
Sd:信号
Claims (9)
- コンクリート構造物中の鋼材の腐食状態を検出する腐食センサであって、
前記鋼材に電気的に接続される電線と、
前記コンクリート構造物の表面に配置され、イオン液体を含む接触部材と、
前記接触部材を介して前記コンクリート構造物の表面に配置され、前記接触部材と電気的に接続された照合電極と、
前記照合電極と電線との間の電圧を検出する電圧検出部と、を備える腐食センサ。 - 前記イオン液体がゲル状である請求項1に記載の腐食センサ。
- 前記腐食センサは、基板をさらに備え、
前記接触部材及び前記照合電極が、前記基板に配置された印刷電極である請求項1又は2に記載の腐食センサ。 - 前記検出された電圧に基づく情報の無線送信を行う無線送信部をさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載の腐食センサ。
- 少なくとも前記無線送信部に、電力を供給するバッテリをさらに備える請求項4に記載の腐食センサ。
- 少なくとも前記照合電極及び前記接触部材の複数の対が配列されたシートをさらに備える請求項1から5のいずれか一項に記載の腐食センサ。
- 前記シートが可撓性を有する請求項6に記載の腐食センサ。
- コンクリート構造物中の鋼材の腐食状態を検出する腐食検出方法であって、
前記鋼材に電線を電気的に接続する電線接続工程と、
イオン液体を含む接触部材を介して、照合電極を前記コンクリート構造物の表面に配置し、前記照合電極と前記接触部材と電気的に接続させる接触工程と、
前記電線と、前記照合電極との間の電圧を検出する電圧検出工程と、を実施する腐食検出方法。 - 前記検出された電圧に基づく情報の無線送信を行う無線送信工程をさらに実施する請求項8に記載の腐食検出方法。
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