JP2018008938A - バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液を含有する抗腫瘍剤 - Google Patents

バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液を含有する抗腫瘍剤 Download PDF

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Abstract

【課題】有効成分を効率的に抽出して得られたバラ科サクラ属に属する植物の抽出液を提供すること。【解決手段】本発明の抗腫瘍剤はバラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液を有効成分として含有することを特徴とする。上記バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液は、該バラ科サクラ属に属する植物の葉を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出される抽出液であることが好ましい。また、上記バラ科サクラ属に属する植物が、サクラ、ウメ、ビワ、アーモンド、モモ、スモモ、プルーン及びネクタリンからなる群から選ばれる1種以上の植物である。【選択図】図8

Description

本発明は、バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液を含有する抗腫瘍剤に関する。
サクラ、ウメ等のバラ科サクラ属に属する植物からの抽出物が、抗酸化作用(特許文献1)、抗炎症作用(非特許文献1)、一酸化窒素産生抑制作用(特許文献2)、メラニン産生抑制作用(特許文献3)、美白作用(非特許文献2)、保湿作用(特許文献4)等を有することは既に知られている。
また、特許文献5や非特許文献3には、バラ科サクラ属に属する植物からの抽出物には、ベンズアルデヒドが含まれていることが開示されており、ベンズアルデヒドには、抗腫瘍作用(非特許文献4)、血流促進作用(特許文献6)等があることは既に知られている。
しかしながら、上記のように有効な作用を有する成分をバラ科サクラ属に属する植物からより多く抽出するための抽出方法や、該植物からベンズアルデヒドやベンズアルデヒド以外の微量成分をより多く含有する抽出物の製造方法についてはこれまでに知られていない。
一方、植物から該植物に含まれる成分を抽出し分離する方法としては、水蒸気蒸留法を用いて抽出して2層に分かれた上層(油相)を分離する方法;水に直接浸漬させて加熱しその2層に分かれたものから上層(油相)を分離する直接抽出法;有機溶媒を用いて抽出する溶媒抽出法;油性成分を加えて圧搾することにより抽出する圧搾法;超臨界流体を用いて抽出する超臨界抽出法;等、種々の方法が知られている。
また、有機溶媒、水、水蒸気等の抽出溶媒を使用せず、低温で減圧して直接抽出する低温真空抽出法も知られている。
特許文献7には、植物を破砕及び撹拌しながら加熱及び減圧して植物由来の蒸気を生成させる香気成分の抽出方法が記載されている。そして、この方法を用いれば、ハーブ、果物、花又は野菜から香気成分を抽出できるとされている。
しかしながら、上記した通り、これまでにバラ科サクラ属に属する植物に含まれる成分を、該植物からより多く又は効率よく抽出する抽出方法については開示されていない。
更に、バラ科サクラ属に属する植物を原料とし、未同定分子を含む複数の有効成分を効率的に水相として抽出する抽出方法についても開示されていない。
特開2006−166726号公報 特開2012−229170号公報 特開2011−016727号公報 特開2002−020225号公報 特開2001−252053号公報 特開2000−169326号公報 特開2012−062374号公報
Lee J.,BMC Complement Altern Med.,2013 Apr;13:92 Murata K.,Nat Prod Commun.,2014 Feb;9(2):185-8 Ulker Z.,Hum Exp Toxicol.,2013 Aug;32(8):858-64 Kochi M.,Cancer Treat Rep.,1980 Jan;64(1):21-3
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、上記問題点を解決し、有効成分を効率的に抽出して得られたバラ科サクラ属に属する植物の抽出液等を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の抽出方法を用いることによって得られた「バラ科サクラ属に属する葉の抽出液」は、ベンズアルデヒドの腫瘍細胞増殖抑制効果に比べて、著しく強い増殖抑制効果を有することを見出して、本発明を完成するに至った。
また、本発明は、バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液を有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤を提供するものである。
本発明によれば、上記問題点や課題を解決し、従来の他の抽出方法では得ることが困難であった「成分」又は「成分比率」を多く含有するバラ科サクラ属に属する葉由来の抽出液を得ることが可能である。
また、本発明の抗腫瘍剤の有効成分であるバラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液は、水又は有機溶媒と言った抽出溶媒を使用する必要がないので、植物由来の成分を、水溶液として高濃度で含有している。また、該抽出液は、抽出溶媒由来の物質を含有させないことが可能であるため、水を含め天然由来の成分だけで構成させることができ、極めて安全であり、また安心して提供ができ、また抽出溶媒臭がない。
また、本発明の抗腫瘍剤の有効成分であるバラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液は、従来のバラ科サクラ属に属する植物の抽出物にはなかった「成分」又は「成分比率」を有することにより、バラ科サクラ属に属する植物由来の、高品質及び新規性のある抽出液である。
従来のバラ科サクラ属に属する葉由来の抽出液、並びにそこに含まれることが知られているベンズアルデヒド、クマリン、及びベンジルアルコールは、本発明における有効成分に比べ抗腫瘍効果が低い又はない。このことは、本発明の抗腫瘍剤に含有される有効成分又は成分組成が、従来の他の抽出方法では得ることが困難であった(得られていなかった)ことを示している。
また、本発明の抗腫瘍剤は、腫瘍細胞増殖抑制効果を有することが知られているベンズアルデヒドやクマリンに比べて優れた抗腫瘍効果を有する。
低温真空抽出法で用いられる装置の一形態を示す概略図である。 低温真空抽出法で用いられる装置の容器の一形態を示す拡大断面図である。 低温真空抽出法で用いられる装置の容器内の撹拌羽根の構成の一形態を示す斜視図である。 評価例1でのA549細胞に対する増殖抑制効果を測定した結果を示すグラフである。 評価例1でのHeLa細胞に対する増殖抑制効果を測定した結果を示すグラフである。 評価例1でのA431細胞に対する増殖抑制効果を測定した結果を示すグラフである。 評価例3でのA549細胞に対する増殖抑制効果を測定した結果を示すグラフである。 評価例3でのA431細胞に対する増殖抑制効果を測定した結果を示すグラフである。 15種の腫瘍細胞に対する増殖抑制効果を測定した結果を示すグラフである 正常細胞又は腫瘍細胞でのサクラ葉抽出液の暴露時間に伴う増殖抑制効果の変化を測定した結果を示すグラフである。 評価例5でのHeLa細胞に対する増殖抑制効果を測定した結果を示すグラフである。 評価例6でのサクラ葉抽出液処理による細胞周期の変化に測定した結果を示すグラフである。 評価例7でのサクラ葉抽出液処理によるアポトーシスの誘導の有無について測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明は、バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液を有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤である。
上記バラ科サクラ属に属する植物(以下、単に「サクラ属植物」と略記する場合がある)は、特に限定はないが、サクラ、ウメ、ビワ、アーモンド、モモ、スモモ、プルーン及びネクタリンからなる群から選ばれる1種以上の植物であることが、優れた抗腫瘍活性等の点から好ましく、サクラであることが、上記点からより好ましく、例えば、ソメイヨシノ(Prunus yedoensis)、関山(Prunus yedoensis cv. Sekiyama)等が挙げられる。
抽出に用いられるバラ科サクラ属に属する植物の葉は、乾燥をしないもの(生のままのもの)、ある程度乾燥したものの何れでもよいが、好ましくは、乾燥をしないもの(実質的に生のままのもの)が、葉由来の抽出液を高収率で回収できることから好ましい。
本発明の抗腫瘍剤の有効成分であるバラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液は、公知の抽出法を用いて調製することができる。抽出法の例として、水蒸気蒸留法、直接抽出法、溶媒抽出法、圧搾法、超臨界抽出法、低温真空抽出法等が挙げられる。
本発明の抗腫瘍剤の有効成分であるバラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液は、サクラ属植物の葉から低温真空抽出法を用いて抽出した抽出液であることが好ましい。すなわち、サクラ属植物の葉を、「撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する抽出法」(低温真空抽出法)により抽出されたサクラ属植物の葉の抽出液であることが好ましい。
ここで、低温真空抽出法に供するサクラ属植物の形態、すなわち、サクラ属植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌する前の形態については、低温真空抽出法に用いる装置に投入し易く、該装置に適応する形態であれば特に限定はないが、適度に切断されていることも好ましい。
切断後の葉の面積として、0.2cm〜50cmが好ましく、1cm〜40cmがより好ましく、2cm〜30cmが特に好ましい。
低温真空抽出法では、有機溶媒、水、水蒸気、液体二酸化炭素等の抽出媒体を実質的に使用せず、低温で減圧して直接抽出することが、溶媒が残留し得ないので天然成分だけの抽出液が製造できる、溶媒の臭いが残らない、含有成分が熱分解しない、含有成分が散逸しないので高濃度の抽出液が得られる、葉に含まれる細胞水が散逸しないので大量の抽出液が得られる点等から好ましい。
ここで「低温」とは、減圧しないで溶媒抽出するときの一般的温度より低い温度のことを言い、本発明の場合は、具体的には、(抽出容器の温度でも抽出器内の気体の温度でもなく)、サクラ属植物自体の温度が90℃以下の温度であることが好ましい。抽出温度については後で詳述する。
<破砕、撹拌、外部から熱を加えつつ減圧して抽出>
低温真空抽出法では、サクラ属植物を、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する工程を有する。
<<抽出装置>>
図1は、低温真空抽出法において、抽出工程に用いられる装置の一形態を示す概略図である。
容器1は、サクラ属植物を収容し、撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ減圧して抽出する容器であり、冷却槽2は、容器1から出る蒸気を冷却する装置である。
容器1は、撹拌羽根6を収容した下部半円筒部7と、その上に形成された上部角形部8とからなる。下部半円筒部7の周囲には、容器1の内部に熱を加える蒸気室9がある。
下部半円筒部7の最下部の中央には、抽出後のサクラ属植物の破砕物を取り出す排出口10が設けられている。
上記上部角形部8の上部には、吸引される蒸気の排気口14が設けられ、この排気口14には、上記冷却槽2につながる配管16が接続されている。
上記上部角形部8の上部には、サクラ属植物の投入口17を設けると共に、その投入口17を塞ぐ蓋18を設けている。
低温真空抽出法を用いる場合、サクラ属植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に抽出を行うことが必須である。このようにしながら、抽出することで、新鮮な破砕面ができたらそこから直ぐに抽出が可能になるので、有効成分の熱分解、酸化等による変性を防ぐことができ、本発明における抽出装置に投入する前に破砕してしまった場合の破砕面からの、有効成分の蒸発等による散逸を防ぐことができる。
上記破砕・撹拌は、可動刃及び/又は固定刃を備えた抽出装置内で行うことが、上記効果を得るために特に好ましい。
例えば、図3は、上記撹拌羽根6の構成を示す斜視図であり、撹拌羽根6は、容器1の外部に設けられたモータにより回転されるものであり、容器1の端壁20、21に回転可能に支持される左右の端板22、23と、その先端間に両端が固定された、ほぼ「く」の字形をなす羽根体24、25とによって構成することにより、中心軸を有しない構造に構成されている。
26は下部半円筒部7の内面に固着された複数の固定刃であり、羽根体24、25における固定刃26に対応する箇所には、羽根体24、25における固定刃26の部分を通過するための溝24a、25aが形成され、その溝の両側に、固定刃26との間でバラ科サクラ属に属する植物31(サクラ属植物31)を切断するための可動刃24b、25bが形成されている。
なお、図3では、固定刃26と可動刃24b、25bとは、噛み合いが時間をずらして順次行なわれるように、周方向に位置をずらして配設し、これにより撹拌羽根6の駆動モータの動力の瞬間的増大が起こらないようにしている。
図2に示すように、下部半円筒部7の片側上部には、この上に載るバラ科サクラ属に属する植物31が円滑に落ちるように、傾斜面30がある。
32は上記容器1内の真空度を計測する真空計、33、34は温度計であり、これらは抽出工程における容器内の圧力(減圧度)と温度を測定し、抽出時のサクラ属植物31の温度も間接的に測定するために設けられたものであり、また、抽出の開始と終了を判定するために設けられたものである。
<<抽出工程>>
この真空乾燥装置の操作・動作は、例えば、下記のように行なわれる。
まず、作業開始に当り、冷却槽2に冷却水が充填される。次いで、サクラ属植物31を投入口17から容器1内に投入して蓋18を閉じる。そして、撹拌羽根6は、図1〜図3の矢印Rの方向に回転させ、容器1内のサクラ属植物を撹拌しながら、可動刃24b、25bと固定刃26との間でサクラ属植物31を小さく破砕する。
サクラ属植物を破砕しながら抽出することで、新鮮な破砕面からの抽出が可能になり、抽出液中の成分の「変性」や「散逸による減量」を防ぐことができる。
上記撹拌・破砕と同時に、蒸気室9内に加熱用蒸気を供給することにより、外部から熱を加える。容器1に加えられた熱は、サクラ属植物31に伝達され、サクラ属植物31が撹拌羽根6によって撹拌されることにより、抽出が促進される。この抽出は、サクラ属植物31が、可動刃24b、25bと固定刃26とによって破砕されて小さくなることによって更に促進される。
その際、蒸気室9内に送り込む加熱用蒸気の温度や量を調節して、サクラ属植物31自体の温度を、後記する好ましい範囲にする。
エゼクタ、真空ポンプ等の減圧装置46で吸引することにより、容器1内の気体、すなわち、抽出液の蒸気及び空気は、配管16を通じて吸引され、容器1内のサクラ属植物31に含まれている成分や細胞水の蒸発が始まる。
その際、減圧装置46で吸引する量や吸引力を調節して、抽出時の圧力(減圧度)を、後記する好ましい範囲にする。
容器1内の「サクラ属植物に含まれている成分の蒸気」及び「細胞水の主成分である水の蒸気」(水蒸気)は、配管16を通して吸引され、冷却槽2に導入・液化されて、回収液となって回収槽41内に溜まる。
回収槽41内に、回収液(油層50及び水層51)が所定量まで貯まったら、減圧装置46での吸引を停止し、バルブ45を閉じ、弁49を開いて、回収液を回収する。
回収液は、要すれば静置して分液をして油層50を取り除き、水層51を抽出液として回収する。
天然物である細胞水を含有すること、複数の薬効成分を含有すること、該成分が細胞水に均一に溶解すること、抗腫瘍剤の有効成分が含有されていること、水系の用途に幅広く使用できること、経鼻投与の用途において好適な装置であるディフューザー(芳香拡散器)を用いて霧化させるために好適であること(ディフューザー適合性が高いこと)、等より、水層(水相、水性画分)を使用することが特に好ましい。
<<抽出条件>>
低温真空抽出法を用いる場合、上記抽出の温度は特に限定されないが、サクラ属植物自体が90℃以下であることが好ましく、55℃以下の温度を維持するように行うことがより好ましい。特に好ましくは、上記抽出をサクラ属植物自体が20℃以上50℃以下の温度を維持するように行うことであり、更に好ましくは、25℃以上45℃以下であり、最も好ましくは、30℃以上40℃以下である。
下限が上記範囲の値であると、熱分解が起こらず、また抽出時間を短くできるので、有効成分の分解・逸失が抑制され、また、不必要な時間のロスがなく経済的である。また、有効成分を十分に抽出可能である。
低温真空抽出法は、サクラ属植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に抽出を行うので、新鮮な破砕面ができた時点で早く抽出してしまうことができるが、温度の下限が上記範囲の値であると抽出時間を短くできることと相まって効果がより相乗される。
一方、上限が上記範囲の値であると、有効成分の熱による変性・分解を防止しつつ有効成分を抽出できる。また、不必要な成分を抽出することがない。
低温真空抽出法を用いる場合、上記抽出の減圧度は特に限定されないが、101.3kPa(1気圧)に対し、80kPa以上低い圧力を維持しつつ行うことが好ましい。より好ましくは、101.3kPa(1気圧)に対し、85kPa以上低い圧力を維持しつつ行うことであり、特に好ましくは、90kPa以上低い圧力であり、更に好ましくは、95kPa以上低い圧力である。
または、1kPa(1気圧(101.3kPa)に対して、−100.3kPa)以上10kPa(1気圧(101.3kPa)に対して、−91.3kPa)以下に維持ししつつ行うことが好ましい。より好ましくは2kPa(1気圧に対して、−99.3kPa)以上9kPa(1気圧に対して、−92.3kPa)以下であり、特に好ましくは3kPa(1気圧に対して、−98.3kPa)以上8kPa(1気圧に対して、−93.3kPa)以下である。
圧力が上記値であると(減圧度が上記であると)、低い温度での有効成分の抽出が可能になるので、有効成分の熱による変性・分解が防止でき、十分に有効成分を抽出できる。また、抽出時間を短くできるので、有効成分の分解・逸失が抑制され、また、不必要な時間のロスがなく経済的である。また、有効成分や細胞水を十分に抽出可能となる。
低温真空抽出法では、サクラ属植物を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に抽出を行うので、新鮮な破砕面ができた時点で早く抽出してしまうことができるが、減圧度が上記値のように低いと、抽出速度が速いという点で、有効成分の分解・逸失が抑制される効果がより相乗される。
<抽出後の操作>
低温真空抽出法を用いる場合、水性画分(水層、水相)からは均一な水性抽出液、油性画分(油層、油相)からは精油が得られる。
同時に回収される不要成分は分離して除去することが好ましい。分離には、比重の違い等を利用した、デカンテーション、分液操作等が用いられる。
低温真空抽出法を用いた場合、抽出物が、植物由来ではない成分を含有しない抽出液であるという特長がある。
低温真空抽出法を用いて得られた抽出液であれば、汎用の噴霧器(例えば、加湿器等)を利用して室内等に容易に噴霧させることができ、フィルター等が汚れないため、フィルター交換等のメンテナンスを頻繁にする必要がないという効果を有する。また、有効成分を多く含有する、と言った効果が得られる。
また、水溶性の抽出液は、油溶性の抽出液に比べて、1回の抽出工程でより多くの量を回収することができる。また、油溶性の抽出液に比べて匂いが薄いが、比較的心地よく感じるレベルの匂いの強度であり、医療現場や家庭で使い易い。更に、容器や部品等の洗浄が容易である点で、油溶性の抽出液より優れている。
本発明の抗腫瘍剤は、植物由来であり、抽出工程において抽出溶媒を使用する必要がないので、安全性が極めて高く、安心して使用できる。
また、本発明の抗腫瘍剤は、医薬品、医薬部外品、気化吸引用剤、外用組成物、調合香料、飲食品、サプリメント、健康食品、化粧品、浴剤、繊維等に利用できる。これらの用途に使用するときには、そこに、要すれば種々の添加剤を配合して用いることができる。
また、本発明の抗腫瘍剤は、有効成分である、バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液に加えて、「その他の成分」を含有することができる。
上記抗腫瘍剤における、上記「その他の成分」としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薬学的に許容され得る担体等が挙げられる。
かかる担体としては、特に制限はなく、例えば、後述する剤型等に応じて適宜選択することができる。また、上記抗腫瘍剤中の上記「その他の成分」の含有量としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の抗腫瘍剤の剤型としては、特に制限はなく、例えば、後述するような所望の投与方法に応じて適宜選択することができる。
具体的には、例えば、経口固形剤(錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等)、経口液剤(内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等)、注射剤(溶剤、懸濁剤等)、軟膏剤、貼付剤、ゲル剤、クリーム剤、外用散剤、スプレー剤、吸入散布剤等が挙げられる。
上記経口固形剤としては、例えば、上記有効成分に、賦形剤、更には必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
上記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等が挙げられる。
上記結合剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
上記崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。
上記滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。
上記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
上記経口液剤としては、例えば、上記有効成分に、矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤等の添加剤を加え、常法により製造することができる。
上記矯味・矯臭剤としては、例えば、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。上記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。上記安定化剤としては、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
上記注射剤としては、例えば、上記有効成分に、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下用、筋肉内用、静脈内用等の注射剤を製造することができる。
上記pH調節剤及び上記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。上記安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。上記等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が挙げられる。上記局所麻酔剤としては、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。
上記軟膏剤としては、例えば、上記有効成分に、公知の基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等を配合し、常法により混合し、製造することができる。
上記基剤としては、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。上記保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
上記貼付剤としては、例えば、公知の支持体に上記軟膏剤としてのクリーム剤、ゲル剤、ペースト剤等を、常法により塗布し、製造することができる。上記支持体としては、例えば、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルム、発泡体シート等が挙げられる。
本発明の抗腫瘍剤中の有効成分である、バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液の、抗腫瘍剤全体に対する含有量は、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択することができるが、抗腫瘍剤全体を100質量部としたときに、バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液の合計量として、0.001〜100質量部の含量で配合することが好ましく、より好ましくは0.01〜99質量部、特に好ましくは0.1〜95質量部、更に好ましくは1〜90質量部の含量で配合することができる。
本発明の抗腫瘍剤の投与対象動物としては、特に制限はないが、例えば、ヒト;マウス;ラット;サル;ウマ;ウシ、ブタ、ヤギ、ニワトリ等の家畜;ネコ、イヌ等のペット;等が挙げられる。
また、上記抗腫瘍剤の投与方法としては、特に制限はなく、例えば、上記抗腫瘍剤の剤型等に応じ、適宜選択することができ、経口投与、腹腔内投与、呼吸器への吸入、血液中への注射、腸内への注入等が挙げられる。
また、上記抗腫瘍剤の投与量としては、特に制限はなく、投与対象である個体の年齢、体重、所望の効果の程度等に応じて適宜選択することができるが、例えば、成人への1日の投与量は、有効成分の量として、1mg〜30gが好ましく、10mg〜10gがより好ましく、100mg〜3gが特に好ましい。
また、上記抗腫瘍剤の投与時期としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、予防的に投与されてもよいし、治療的に投与されてもよい。
上記バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液又は上記抗腫瘍剤を含有する飲食品(以下、「本発明の飲食品」と略記する場合がある)中の、バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液又は抗腫瘍剤の含有量は、特に制限がなく、目的や飲食品の態様(種類)に応じて、適宜選択することができるが、飲食品全体を100質量部としたときに、上記バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液の合計量で、0.001〜100質量部で含有することが好ましく、より好ましくは0.01〜100質量部、特に好ましくは0.1〜100質量部の含量である。
本発明の飲食品の種類は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、本発明の飲食品の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、通常の各種飲食品の製造方法に応じて、適宜製造することができる。
また、本発明の飲食品は、バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液又は抗腫瘍剤に加えて「その他の成分」を含有することができる。「その他の成分」としては、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種食品原料等が挙げられる。また、「その他の成分」の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、本発明の飲食品は、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口固形剤や、内服液剤、シロップ剤等の経口液剤として製造されたものであってもよい。前記経口固形剤、経口液剤の製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述の薬剤の経口固形剤、経口液剤の製造方法にならい、製造することができる。
上記飲食品は、抗腫瘍効果を有する機能性食品、健康食品等として、特に有用であると考えられる。
<作用・原理>
本発明において、サクラ属植物の葉の抽出液が、優れた抗腫瘍効果を有する作用・原理は明らかではなく、また、本発明は、かかる作用・原理の範囲に限定されるわけではないが、以下のことが考えられる。
実施例1のバラ科サクラ属に属する葉の抽出液の成分分析の結果、主要成分がクマリンとベンジルアルコールであった(評価例2)。一方、下記評価例3より、実施例1のサクラ葉抽出液における腫瘍細胞抑制効果を有する成分は一般的に知られているベンズアルデヒドやクマリン単独によるものでないことが明らかになった。
以上の結果から、サクラ属植物の葉の抽出液による腫瘍細胞抑制効果はベンズアルデヒドでもクマリンでもない他の微量成分によるもの、又はクマリンとベンジルアルコール等の他成分との相乗効果による可能性が考えられる。
また、評価例5より、サクラ属植物の葉の抽出液における腫瘍細胞抑制効果を有する成分は、クマリン、ベンジルアルコール又はベンズアルデヒド以外の成分であることが分かった。
また、評価例6より、サクラ属植物の葉の抽出液による腫瘍細胞増殖抑制効果はDNA合成の過程にあることが分かった。更に、評価例7より、サクラ属植物の葉の抽出液による腫瘍細胞抑制効果は、細胞のアポトーシス誘導が生じることに起因していることが分かった。
以下に、実施例、比較例及び評価例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。以下の「%」は、質量に関するものは「質量%」である。
実施例1
<バラ科サクラ属に属する葉の抽出液の製造>
収穫したサクラの葉を各々、図1〜3に示した容器に入れて抽出を行った。
抽出条件は以下であった。
(1)葉の温度:30〜40℃
(2)容器内の設定温度:30〜40℃
(3)圧力:101.3kPa(1気圧)に対し、93〜97kPa低い圧力
(4)撹拌羽根(可動刃)の回転数:4rpm(回転/分)
回収槽41に溜まった回収液のうち、水層(水相)51の液を「バラ科サクラ属に属する葉の抽出液」(以下、「サクラ葉抽出液」と略記する場合がある)とした。
収穫したサクラの葉10kgからは、抽出液を8kg回収した。
比較例1
<バラ科サクラ属に属する花の抽出液>
収穫したサクラの花弁を各々、図1〜3に示した容器に入れて抽出を行った。抽出条件は実施例1と同様にした。
回収槽41に溜まった回収液のうち、水層(水相)51の液を「バラ科サクラ属に属する花の抽出液」(以下、「サクラ花抽出液」と略記する場合がある)とした。
収穫したサクラの花弁10kgからは、抽出液を8kg回収した。
評価例1
<抗腫瘍効果の測定>
実施例1及び比較例1で得られた抽出液の抗腫瘍活性について、MTTアッセイを用いて検証した。
MTTアッセイは、黄色のテトラゾリウム塩であるMTTが代謝活性のある生細胞に取り込まれることにより紫色のホルマザン結晶に切断されることに基づいた生細胞数の測定法である。
MTTアッセイに使用したヒト腫瘍細胞株と培養条件等は表1に示す。細胞培養の際はコンタミネーションを避けるため無菌操作で行った。細胞密度が高くなりすぎると、形質変化や細胞死を起こすことがあることから、コンフルエントの状態をなるべく避けるようにした。
<<細胞の培養及び維持>>
MEMは以下のように調製した。
Eagle MEM “Nissui”(3)(日水製薬(株)製)9.4g、フェノールレッド6mgを蒸留水で1000mLとし、約30分間スターラーで撹拌した後、オートクレーブで120℃、20分間滅菌した。室温まで冷やした培地にオートクレーブにかけた10%炭酸水素ナトリウム水溶液20mL/1000mLを加え、更に0.22μmのフィルターで濾過滅菌したグルタミン(3g/100mL)を10mL/1000mL加えた。この混合培地3mLを0.3mLのFBS(ウシ胎児血清)の入った滅菌チューブに移し滅菌チェックを行った。
DMEMは以下のように調製した。
Dulbecco's Modifide Eagle's Medium “Nissui”(2)(日水製薬(株)製)9.5gを蒸留水で1000mLとし、約30分間スターラーで撹拌した後オートクレーブで120℃、20分間滅菌した。室温まで冷やした培地にオートクレーブにかけた10%炭酸水素ナトリウム水溶液20mL/1000mLを加え、更に0.22μmのフィルターで濾過滅菌したグルタミン(3g/100mL)を20ml/1000mL加えた。この混合培地3mLを0.3mLのFBSの入った滅菌チューブに移し滅菌チェックを行った。
細胞培養は、37℃の5%COインキュベーターで維持培養した。
継代の際には、トリプシン処理により接着した細胞を剥がす作業を行った。まず培養ディッシュ又はフラスコをCOインキュベーターから取り出し、PBS(−)(Ca2+/Mg2+不含PBS(1x))で洗浄を2回行った。その後、0.25%トリプシン−EDTA(ハンクス緩衝液)を60mmディッシュあたり約1mL添加し細胞全体に行き渡らせ、COインキュベーターに戻して約2分間静置させた。A431以外は約2分間で細胞が剥がれるが、必要な場合は細胞が剥がれるまで約5分間静置させた。
細胞が剥がれたら、新しい培地を60mmディッシュあたり3mL添加してトリプシン反応を止め、遠心管に移して1500rpmで2分間の遠心分離を行った。遠心分離後、上清の培地を注意しながら取り除き、新しい培地を添加し、緩やかに混合してからTC20全自動セルカウンター(バイオラッド)にて細胞数カウントを行った。
生細胞数を測定する場合にはトリパンブルー染色を行った。細胞数が明確になったら、培地10mL/100mmディッシュあたり1.0×10細胞となるように細胞を添加し、37℃の5%COインキュベーターで維持培養した。
<<MTTアッセイ>>
96ウェル培養プレートに細胞が3×10個/100μL/ウェルとなるように播種し、37℃、5%COの条件で24時間の前培養を行った。前培養後、試験用の培地に交換し、37℃、5%COの条件で48時間の培養を行った。試験用培地には最終濃度0.0〜5.0%(v/v)になるように実施例1及び比較例1で得られた抽出液をそれぞれ添加したものを使用した。
対照としてはPBS(−)(Ca2+/Mg2+不含PBS(1x))が0.0〜5.0%(v/v)になるように培地に添加したものを用いた。
上記48時間のインキュベート後、細胞増殖キットI(ロシュ・ライフサイエンス)のMTT(3-[4,5-dimethylthiazol-2-yl]-2,5-diphenyl tetrazolium bromide)標識試薬(1×)を10μL/ウェル加え、37℃、5%COの条件で4時間インキュベートした。インキュベーション後、可溶化溶液(0.01MHCl、10%SDS)を100μL/ウェル添加し、37℃、5%COの条件で17時間インキュベートした。
インキュベート後、iMarkマイクロプレートリーダー(バイオラッド)を用いて、リファレンス波長650nmとして570nmの吸光度を測定した。実施例1又は比較例1で得られた抽出液を添加しない場合の生細胞数を100として、実施例1又は比較例1で得られた抽出液を添加した場合の細胞生存率(%)を求めた。測定はそれぞれ3回繰り返し、平均値を算出した。
MTTアッセイの結果を表2、図4〜6に示す。それぞれの細胞に対する強い増殖抑制効果があったものを◎、抑制効果はあったが◎よりは弱いものを○とした。増殖抑制効果が認められなったものは×とした。
表2の結果、ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞A549、ヒト子宮頸癌細胞HeLa、ヒト上皮様細胞癌A431の何れの細胞においても、比較例1のサクラ花抽出液では殆ど抑制効果はなかったため、×だった。
実施例1のサクラ葉抽出液の場合は、HeLaとA431細胞が◎だった。A549はHeLaとA431細胞ほどではないものの感受性が確認できたので○だった。
細胞株ごとのMTTアッセイの結果を、A549細胞は図4、HeLa細胞は図5、A431細胞は図6に示した。各グラフの横軸は各試料の添加量(%)、縦軸は細胞の生存率(%)とした。
図4〜6に示した結果より、比較例1のサクラ花抽出液では若干抑制効果がみられるものの殆ど腫瘍細胞抑制効果は確認できなかったのに対して、実施例1のサクラ葉抽出液においては腫瘍細胞の増殖抑制効果が何れのA549細胞、HeLa細胞、A431細胞でも確認できた。特にHeLa細胞、A431細胞は実施例1のサクラ葉抽出液に対する感受性が高く、HeLa細胞の場合は3%の添加量、A431細胞の場合は2%の添加量で腫瘍細胞の増殖を約40%にまで抑制することが確認できた(図5、6)。
評価例2
<抽出液の成分分析>
GCMS−QP2010 SE GC/MS分析機((株)島津製作所製)を用いた成分分析を行った。カラムオーブン初期温度は60℃とし、12分間保持後、3℃/分で90℃まで昇温、その後5℃/分で155℃まで昇温させた。カラムはThermoTR−5MS(30m×0.25mm、ID×0.25μm)を使用した。実施例1及び比較例1で得られた抽出液は、標準的には1.0μL添加とし、スプリットレスモードで測定し、トータルイオンカウントで定量した。化合物の同定は、標品のGC/MSスペクトルの保持時間(RT)と化合物の沸点、MSのデータベースを用いて決めた。
成分分析の結果、比較例1のサクラ花抽出液の主要成分はベンズアルデヒドであり、主要成分の90%を占めていた。実施例1のサクラ葉抽出液の場合は主要成分としてクマリンとベンジルアルコールが検出され、クマリンは70%以上でベンジルアルコールが20%を占めることが確認された。
更に、それぞれの主要成分であるベンズアルデヒドとクマリンの2つの成分の定量分析を行った。クマリンとベンズアルデヒドをヘキサンに溶解して濃度を変えて検量線を作成することで濃度を計算した。その結果、比較例1のサクラ花抽出液中のベンズアルデヒドは5μL/1000mL(モル濃度47nM)、実施例1のサクラ葉抽出液中のクマリンは75μg/1000mL(モル濃度500nM)となった。
評価例3
<ベンズアルデヒド又はクマリン単体との抗腫瘍活性の比較>
評価例2の結果から、比較例1のサクラ花抽出液の主要成分はベンズアルデヒド、実施例1のサクラ葉抽出液はクマリンであることが解った。特に腫瘍細胞増殖抑制効果があった実施例1のサクラ葉抽出液においては、その抑制効果は主にクマリンによるものなのかを確認するため、評価例1の方法に従って検討した。A549細胞とA431細胞を用いて、ベンズアルデヒド及びクマリンをそれぞれ単独で添加したMTTアッセイを行った。
結果を図7及び8に示す。ベンズアルデヒド(和光純薬工業(株)製)は5μL/1000mL(モル濃度47nM)、クマリン(和光純薬工業(株)製)は75μg/1000mL(モル濃度500nM)に希釈し、それぞれ試料の培地への添加量は横軸、縦軸は細胞生存率を示した。
ベンズアルデヒド及びクマリンを実施例1又は比較例1の抽出液に含まれる濃度と同等になるように滅菌水で調整し、それを試料として培地に添加して使用した。クマリンの場合は不溶性であるため、少量のエタノールで溶解させた後、滅菌水で希釈していった。エタノールの細胞への影響は希釈率が10万倍ほどであるので殆どないものと判断した。
図7及び8の結果、ベンズアルデヒド及びクマリンの単体での腫瘍細胞増殖抑制効果はA549細胞とA431細胞に対しても弱く、実施例1のサクラ葉抽出液ほどの強い増殖抑制効果はなかった。また、上記で使用した濃度のベンズアルデヒド溶液及びクマリン溶液の10倍の濃度のものを5%添加したMTTアッセイを行っても強い抑制効果は確認できなかった(図示せず)。
以上の結果から実施例1のサクラ葉抽出液による腫瘍細胞抑制効果は、ベンズアルデヒドでもクマリンでもない他の微量成分によるものである可能性が考えられた。又は、クマリンとベンジルアルコール等の他成分との相乗効果による可能性も示唆された。
評価例4
<ヒト腫瘍細胞株に対する増殖抑制効果の比較>
次に、実施例1のサクラ葉抽出液の抗腫瘍活性について、評価例1と同様に、MTTアッセイを用いて、評価例1の3種を含む15種の腫瘍細胞について検証した。
細胞を継代する際には浮遊細胞以外は、評価例1と同様にトリプシン処理により接着した細胞を剥がす作業を行った。
以下に、評価例1で用いた腫瘍細胞以外の12種の腫瘍細胞株の詳細について表3に示す。
表3の「NEAA」は非必須アミノ酸(Non-Essential Amino Acids)のことである。



表3中のRPMI1640は以下のように調製した。
RPMI 1640 Medium “Nissui”(2)(日水製薬(株)製)10.2gを蒸留水で1000mLとし、約30分間スターラーで撹拌した後、120℃、20分間のオートクレーブにて滅菌した。室温まで冷やした培地にオートクレーブにかけた10%炭酸水素ナトリウム水溶液20mL/1000mLを加え、更に0.22μmのフィルターで濾過滅菌したグルタミン(3g/100mL)を10mL/1000mL加えた。この混合培地3mLを0.3mLのFBSの入った滅菌チューブに移し滅菌チェックを行った。
表3中のHamF12は以下のように調製した。
Ham’s F12 Medium(日水製薬(株)製)10.6g、約2.0gのNaHCOを蒸留水で1000mLとし、30分間スターラーで撹拌し、0.22μmのフィルターで濾過滅菌した。この混合培地3mLを0.3mLのFBSの入った滅菌チューブに加え、滅菌チェックを行った。
腫瘍細胞15株についてのMTTアッセイの結果を図9に示す。図9の各グラフの縦軸は細胞生存率(%)を示し、横軸は試料添加量(%)を示す。
ヒト腫瘍細胞15株のうち実施例1のサクラ葉抽出液に対する感受性が特に高いものはHeLa細胞、A431細胞、HL60細胞、U−937 DE−4細胞、HGC−27細胞、Hep G2細胞の6種の細胞株で、実施例1のサクラ葉抽出液を5%添加した際に、それぞれ細胞生存率が20%以下に抑制された。
次に感受性が高かった株はHSC−3細胞、EC−GI−10細胞の2種の細胞株でサクラ葉抽出液5%添加の条件で細胞生存率が20%〜30%にまで抑制されることが確認できた。A549細胞、CACO−2細胞、HEK293細胞、LNCap.FGC細胞、MCF7細胞、OCUB−F細胞、8305C細胞の7種の細胞株については、増殖抑制効果が認められたものの上記の9つの細胞株と比較すると感受性が低い結果となった。
更に正常細胞であるMRC−5細胞(ヒト胎児肺由来正常線維芽細胞)及びHFSKF−II細胞(胎児皮膚由来正常線維芽細胞)に対する実施例1のサクラ葉抽出液の増殖抑制効果を検討した。正常細胞を用いたMTTアッセイでは、実施例1のサクラ葉抽出液の処理時間を6時間、18時間又は24時間とした。
結果を図10に示す。図10の各グラフの縦軸は細胞生存率(%)を示し、横軸は試料添加量(%)を示す。
図10の結果から、サクラ葉抽出液の処理時間については、腫瘍細胞(HeLa細胞及びA549細胞)、正常細胞(MRC−5細胞及びHFSKF−II細胞)の何れの細胞株に対しても、処理時間が長くなる程増殖抑制効果は高くなることが確認できた。特に、処理時間が24時間の場合は、正常細胞であるMRC−5でもHeLa細胞やA549細胞と同様の増殖抑制効果が確認された。一方、HFSKF−II細胞に関しては、処理時間が24時間の場合でも、感受性は他の株と比較して低いことが分かった。
この実験結果から実施例1のサクラ葉抽出液の暴露(処理)時間によって感受性が変わってくることが示唆された。一方、正常細胞については、細胞株によってサクラ葉抽出液に対する感受性が低く増殖抑制効果に大きく影響しない可能性があることが示唆された。
評価例5
<増殖抑制効果に関与する成分の検討>
評価例3において、クマリン及びベンズアルデヒドの単体での腫瘍細胞増殖抑制効果は、実施例1のサクラ葉抽出液より弱かったことから、次に、該サクラ葉抽出液の主要成分であるベンジルアルコール単体、及びベンジルアルコールとクマリンの組み合わせでのHeLa細胞株に対する腫瘍効果について確認した。
また、実施例1での抽出工程で得られる抽出残渣について、抗腫瘍効果があるか否かを検証した。抽出残渣を乾燥後、該抽出残渣1gに滅菌水10mLを加えて混合後、40℃で30分間の抽出処理を行った上清液をMTTアッセイの試料として用いた。
図11の上の図は、比較例1のサクラ花抽出液とベンズアルデヒドの抗腫瘍効果の検討結果であり、共に腫瘍増殖抑制効果は確認されなかった。
図11の左下の図は、実施例1のサクラ葉抽出液(図中、●)、クマリン単体(図中、■)、ベンジルアルコール単体(図中、▲)、ベンジルアルコールとクマリンの組み合わせ(図中、×)の抗腫瘍効果の検討結果である。
実施例1のサクラ葉抽出液の主要成分であるクマリン及びベンジルアルコールについて、それぞれ単体では抑制効果はほとんど確認できなかったが、ベンジルアルコールとクマリンを混合した場合での結果では増殖抑制効果が認められた。しかし、5%添加の条件においても細胞生存率は60%以下にならなかったことから、実施例1のサクラ葉抽出液に含まれる抗腫瘍効果がある成分は、クマリン及びベンジルアルコール以外の成分であることが示唆された。
評価例6
<細胞周期に関する実験>
次に、実施例1のサクラ葉抽出液処理によって、細胞周期に変化が見られるか否かを検証した。
細胞周期のモニタリングはCell-Clock Cell Cycle Assay Kit(biocolor社)を使用した。A549細胞又はHeLa細胞を播種し、約50%コンフルエントになるまで培養後新しい培地と交換し、実施例1のサクラ葉抽出液を0〜7%になるように添加した。コントロールにはそれぞれPBS(−)を0〜7%になるように添加した。該サクラ葉抽出液を添加してから24、48、72時間後にCell-Clock dye reagentを添加し,37℃で1時間インキュベートした。インキュベート終了後にCell-Clock dye reagentを除去し,Cell dye wash reagentで2回洗浄し、Cell dye wash reagentを加えて15分以内に顕微鏡(KEYENCEオールインワン蛍光顕微鏡BZ-X700)で観察し、画像を撮影した。ImageJソフトウェアを用いて、各色調(黄色(G期/G期)、緑色(S期/G初期)、濃青色(G後期/M期))でピクセルデータを取得し、総ピクセル値に占める各色調の割合から、細胞周期ごとの細胞数を比率として算出した。
実施例1のサクラ葉抽出液で48時間又は72時間処理した際の結果を図12に示す。図12の縦軸は各細胞周期の比率(%)、横軸は実施例1のサクラ葉抽出液の添加量(%)を示す。
HeLa細胞については、48時間処理ではG期、72時間処理ではS期が増加することが確認された(図12上)。A549細胞については、48時間処理及び72時間処理共にG期が増加する傾向が確認された(図12下)。
この結果から実施例1のサクラ葉抽出液処理により、G期やS期で停滞することでG期及びS期を示す細胞の割合が増加することがわかった。G期及びS期はDNA合成への準備やDNA複製(DNA合成)の期間であるため、該サクラ葉抽出液による腫瘍細胞増殖抑制作用はDNA合成の過程にあることが示唆された。更に、DNA修復機構でも完全なDNA修復ができない場合にアポトーシスを起こして細胞が死滅することが明らかになっていることから、該サクラ葉抽出液処理によりアポトーシスが引き起こされている可能性が示唆された。
評価例7
<アポトーシスに関する実験>
次に、サクラ葉抽出液処理によりアポトーシスが引き起こされているか否かを、APOPercentage Apoptosis Assay Kit(biocolor社)を用いて検証した。
37℃、5%COの条件で前培養を行った細胞を、24ウェル細胞培養プレートに5x10個/500μL/ウェルになるように細胞を播種した。37℃、5%COの条件で24時間培養後に実施例1のサクラ葉抽出液を0〜7%になるように添加し、ネガティブコントロールとしてPBS(−)を添加した。その後、37℃、5%COの条件で培養を6、18、24時間行った。アポトーシスのポジティブコントロールとしてHを500μL/ウェル当たり1μL添加し、37℃、5%COの条件で2時間培養した。培養後、各ウェルから培養液を抜き500μLの5%APOPercentage Dyeを含む培地を添加し、37℃、5%COの条件で30分間インキュベートした。インキュベート後、各ウェルから溶液を抜き、1000μLのPBS(−)で緩やかに洗浄を2回行い、APOPercentage Dyeを取り除く作業を行った。その後500μLのPBSを添加し、顕微鏡(KEYENCEオールインワン蛍光顕微鏡BZ-X700)で観察し、画像を撮影した。
また、DAPI(4’,6−ジアミノ−2−フェニルインドール)染色により、サクラ葉抽出液処理によりアポトーシスが引き起こされているか否かを検証した。
37℃、5%COの条件で前培養を行った細胞を、24ウェル細胞培養プレートに5x10個/500μL/ウェルになるように細胞を播種した。37℃、5%COの条件で24時間培養後に実施例1のサクラ葉抽出液を0〜7%になるように添加し、ネガティブコントロールとしてPBS(−)を添加した。その後、37℃、5%COの条件で培養を18、24時間行った。アポトーシスのポジティブコントロールとしてHを1000μL/ウェル当たり2μL添加し、37℃、5%COの条件で2時間培養した。培養後、PBS(−)で洗浄し、冷却しておいたアセトンを500μL添加して、−20℃で10分間放置した。その後、PBS(−)で洗浄を3回行い、0.1%DAPI(Life Technologies、D1306)を含むPBS(−)を1000μL添加し、37℃、5%COの条件で20分間インキュベートした。その後、PBS(−)で洗浄を3回行い、顕微鏡(KEYENCEオールインワン蛍光顕微鏡BZ-X700)で観察し、OP-87762 BZXフィルター DAPI(励起波長360/40、 吸収波長460/50)を使用して撮影した。
APOPercentage Apoptosis Assay Kitによる細胞染色及びDAPI染色による結果を図13に示す。図13中、上から1段目と3段目がAPOPercentage Apoptosis Assay Kitによる染色画像、上から2段目と4段目がDAPIによる染色画像である。
各段の一番左の画像は、ポジティブコントロールとしてH(過酸化水素)処理した細胞の染色画像である。左から2番目の画像はネガティブコントロールとしてPBS(−)(サクラ葉抽出液0%)処理した細胞の染色画像である。左から3番目の画像は、3%サクラ葉抽出液で処理した細胞の染色画像、一番右の画像は、7%サクラ葉抽出液で処理した細胞の染色画像である。
サクラ葉抽出液の量が増えるにつれて染色される細胞、つまりアポトーシスが引き起こされた細胞が、Hela細胞、A549細胞共に増えていることが確認できた。特に7%サクラ葉抽出液で18時間処理したHela細胞のほぼ全てがアポトーシスとして検出された(図13、1段目右)。またDAPI染色画像からもサクラ葉抽出液の添加量が増加するにつれて、細胞の核の形状が小さく凝縮されているものが多くなっていることが確認できた(図13、2段目)。この核の凝集現象はアポトーシス特有の形態変化であることが知られていることからもサクラ葉抽出液により細胞のアポトーシス誘導が生じていることが示唆された。
本発明の抗腫瘍剤は、優れた抗腫瘍効果を有し、医薬業界等での分野において広く利用されるものである。
1 容器
2 冷却槽
6 撹拌羽根
7 下部半円筒部
8 上部角形部
9 蒸気室
10 排出口
14 排気口
16 配管
17 投入口
18 蓋
20 端壁
21 端壁
22 端板
23 端板
24 羽根体
24a 溝
24b 可動刃
25 羽根板
25a 溝
25b 可動刃
26 固定刃
30 傾斜面
31 バラ科サクラ属に属する植物(サクラ属植物)
32 真空計
33 温度計
34 温度計
41 回収槽
45 バルブ
46 減圧装置
49 弁
50 油層
51 水層
R 回転方向

Claims (5)

  1. バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液を有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
  2. 前記バラ科サクラ属に属する植物の葉の抽出液は、該バラ科サクラ属に属する植物の葉を撹拌羽根で破砕しながら撹拌し、該破砕・撹拌下に外部から熱を加えつつ該バラ科サクラ属に属する植物の葉を25℃以上50℃以下の温度範囲で維持しながら減圧して抽出される抽出液である請求項1に記載の抗腫瘍剤。
  3. 前記抽出が、101.3kPa(1気圧)に対し、80kPa以上低い圧力を維持しつつなされた請求項2に記載の抗腫瘍剤。
  4. 前記有効成分が、クマリン、ベンジルアルコール又はベンズアルデヒドではない、請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の抗腫瘍剤。
  5. 前記バラ科サクラ属に属する植物が、サクラ、ウメ、ビワ、アーモンド、モモ、スモモ、プルーン及びネクタリンからなる群から選ばれる1種以上の植物である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の抗腫瘍剤。
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