JP2018007706A - 生理用吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】中高部に起因する着用時の違和感が少なく、防漏効果に優れる生理用吸収性物品を提供すること。
【解決手段】生理用吸収性物品1は、着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有し、繊維材料を含む積繊層41,42と高吸収性ポリマー43とを含んで構成される吸収体4を具備する。吸収体4は、排泄部対向部の肌対向面に、横方向Yの中央部がその周辺部よりも着用者の肌側に突出した中高部45を有している。中高部45は、重ね合わされた複数の積繊層41,42の積層部分からなり、該積層部分における積繊層41,42どうしの境界に、血球凝集剤10が存在している。
【選択図】図2

Description

本発明は、経血の吸収に用いられる生理用吸収性物品に関する。
生理用ナプキンなどの月経時に使用される生理用吸収性物品として、従来、着用者の肌側に向けられる面即ち肌対向面における着用者の排泄部に配される部分に突出部を有するものが知られている。この突出部は通常、吸収性物品の前後方向と直交する方向(横方向)の中央部に配されており、中高部などとも呼ばれている。この中高部の存在により、吸収性物品のスポット吸収性が高められ、吸収体に一旦吸収保持された経血などの排泄液が表面シート側に逆戻りする、いわゆる液戻りの防止、肌への密着性や防漏効果の向上などの諸効果が期待できる。例えば特許文献1には、吸収体が、上層吸収体と、該上層吸収体より小型に形成され該上層吸収体の非肌対向面側に積層された下層吸収体とからなり、該上層吸収体における該下層吸収体上に位置する部分が着用者の肌側に向けて突出することで、中高部を形成しているものが記載されている。また特許文献1記載の吸収性物品においては、肌対向面における中高部の横方向外方に、防漏溝が縦方向に沿って配されている。
また、生理用吸収性物品には経血の吸収性能が高く、表面シート上に排泄された経血を速やかに物品内部の吸収体に吸収することが望まれる。しかしながら月経時の経血は、子宮内膜等の成分が含まれることもあって、使い捨ておむつの主たる吸収対象である尿などに比して高粘度であるため吸収され難く、特に粘度の高い経血は吸収されずに表面シート上に残存し、着用者にべたつき感を与えることがある。
経血の吸収性能に関する技術に関し、カチオン性の高分子材料を吸収性物品に適用して、該吸収性物品の経血の吸収性能を向上させる技術が知られている。例えば特許文献2には、血液中の赤血球を塊状にするか、又は溶解する処理剤で処理された多孔性不織ウエブ材料を含む、ナプキンやタンポンなどのパーソナルケア吸収性物品が記載されている。同文献においては、この処理剤として、強く正帯電したポリマーであるポリカチオン材料を用いている。この処理剤は、血液が吸収性物品に入り込むときや通過するときに、血液中の赤血球を凝集又は溶解させる。また特許文献3には、無水マレイン酸基を有するコポリマーを含む血液ゲル化剤が適用された吸収性物品が記載されている。これらの血液改質剤は通常、吸収性物品において表面シート又はそれよりも着用者の肌から遠い部材、例えば吸収体などに適用される。
特開2002−238948号公報 特表2002−528232号公報 特開昭57−153648号公報
特許文献1に記載の如き中高部を備えた生理用吸収性物品に、特許文献2及び3に記載の如き血液改質剤を適用することで、生理用吸収性物品の防漏効果がより一層向上することが期待される。斯かる技術の組み合わせは、特許文献1〜3には記載されていない。
生理用吸収性物品における吸収体には、パルプや高吸収性ポリマーなどを含む吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面及び非肌対向面を被覆するコアラップシートとを含んで構成されるものがある。斯かる構成の吸収体において、例えば吸収性コアの肌対向面を被覆する肌側コアラップシートに、血液改質剤として、経血を赤血球などの非液体成分と血漿などの液体成分とに分離する性質を有するものを付与した場合において、経血が排泄されて該肌側コアラップシートに接触すると、血液改質剤の作用により、経血に含まれていた赤血球は凝集塊を形成して該肌側コアラップシートに残り、経血に含まれていた血漿は吸収性コアに吸収される。これにより、吸収性コア内部での吸収効率は向上するが、肌側コアラップシートにおける赤血球の凝集塊が多く存する部分は、他の部位に比して硬く、そのため着用者に違和感を与える原因となり得る。特に中高部は、着用時に着用者の排泄部及びその周辺部に密着するため、中高部における肌側コアラップシートにこのような硬い部分が生じることは好ましくない。中高部を備えた生理用吸収性物品と血液改質剤との組み合わせにおいて、前述した不都合が発生し難く、中高部に起因する着用時の違和感が低減され、且つ防漏効果に優れるものは未だ提供されていない。
本発明の課題は、中高部に起因する着用時の違和感が少なく、防漏効果に優れる生理用吸収性物品を提供することに関する。
本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有すると共に、着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有し、繊維材料を含む積繊層と高吸収性ポリマーとを含んで構成される吸収体を具備する生理用吸収性物品であって、 前記吸収体は、前記排泄部対向部の肌対向面に、横方向中央部がその周辺部よりも着用者の肌側に突出した中高部を有し、前記中高部は、重ね合わされた複数の前記積繊層の積層部分からなり、該積層部分における該積繊層どうしの境界に、血球凝集剤が存在している生理用吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、中高部に起因する着用時の違和感が少なく、防漏効果に優れる生理用吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の生理用吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンの一例の肌対向面側(表面シート側)を模式的に示す平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す横断面図である。 図3は、本発明の生理用吸収性物品における経血の吸収機構を示す模式図である。 図4(a)及び図4(b)は、従来の生理用吸収性物品における経血の吸収機構を示す模式図である。 図5は、本発明の生理用吸収性物品の他の実施形態の図2相当図である。 図6は、本発明に係る吸収体の他の実施形態の横方向に沿う断面を模式的に示す横断面図である。 図7は、本発明に係る吸収体のさらに他の実施形態の横方向に沿う断面を模式的に示す横断面図である。
以下、本発明の生理用吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の生理用吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1Aが示されている。ナプキン1Aは、図1に示すように、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有すると共に、前方部A、排泄部対向部B及び後方部Cを縦方向Xに有している。排泄部対向部Bは、その横方向Yの中央部に、着用者の排泄部(膣口等)が対向配置される部分であり、前方部Aは、排泄部対向部Bよりも着用者の腹側即ち前側に配される部分であり、後方部Cは、排泄部対向部Bよりも着用者の背側即ち後側に配される部分である。
ナプキン1Aは、図1に示すように、縦方向に長い形状の吸収性本体5と、吸収性本体5における排泄部対向部Bの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部5W,5Wとを有している。本発明の吸収性物品における排泄部対向部は、ナプキン1Aのように吸収性物品がウイング部を有する場合には、該吸収性物品の縦方向(長手方向、図中のX方向)においてウイング部を有する領域を意味し、ナプキン1Aを例にとれば、一方のウイング部5Wの縦方向Xに沿う付け根と他方のウイング部5Wの縦方向Xに沿う付け根とに挟まれた領域である。また、ウイング部を有しない吸収性物品における排泄部対向部は、吸収性物品が3つ折りの個装形態に折り畳まれた際に生じる、該吸収性物品を横方向(幅方向、図中のY方向)に横断する2本の折り曲げ線(図示せず)について、該吸収性物品の縦方向の前端から数えて第1折曲線と第2折曲線とに囲まれた領域を意味する。
吸収性本体5は、肌対向面を形成する表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及び両シート2,3間に介在された吸収体4を具備する。吸収性本体5は、縦方向Xにおいて着用者の腹側から順に、前方部A、排泄部対向部B及び後方部Cの3つの領域に区分される。縦方向Xは、ナプキン1及び吸収性本体5の長手方向に一致し、横方向Yは、ナプキン1及び吸収性本体5の長手方向に直交する幅方向に一致する。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側、即ち相対的に着用者の肌から遠い側に向けられる面である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
図2に示すように、表面シート2は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆し、さらに吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、さらに吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、表面シート2の吸収体4の両側縁からの延出部よりもさらに横方向Yの外方位置にて、後述するサイドシート6と共にサイドフラップ部5Sを形成している。裏面シート3とサイドシート6とは、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。また、表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4の縦方向Xの両端からの延出部において、公知の接合手段によって互いに接合されている。表面シート2及び裏面シート3それぞれと吸収体4との間は接着剤によって接合されていても良い。表面シート2、裏面シート3としては、生理用ナプキン等の吸収性物品に従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。
またナプキン1Aは、一対のウイング部5W,5Wに加えてさらに、吸収性本体5における後方部Cの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対の後方フラップ部5F,5Fとを有している。このような、後方フラップ部を有する生理用ナプキンは、就寝時等に長時間使用するのに適しており、夜用の生理用ナプキンとして特に有用である。夜用のナプキンとしては、縦方向Xの全長が30cm以上のものが好適であり、特に35cm以上のものが好ましい。
サイドフラップ部5Sは、図1に示すように、排泄部対向部Bにおいて横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体5の縦方向Xに沿う左右両側に、一対のウイング部5W,5Wが延設されている。ウイング部5Wは、図1に示す如き平面視において、下底(上底よりも長い辺)が上底よりもナプキン1Aの横方向Yの内方に位置する略台形形状を有しており、その非肌対向面には、該ウイング部5Wをショーツ等の着衣に固定するウイング部粘着部(図示せず)が形成されている。ウイング部5Wは、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面(外面)側に折り返されて用いられる。また、サイドフラップ部5Sは、後方部Cにおいても横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体5の縦方向Xに沿う左右両側に、一対の後方フラップ部5F,5Fが延設されている。後方フラップ部5Fは、これを着衣に固定する際に折り返されず、その非肌対向面が広げられた状態(吸収性本体5の側方に延ばされた状態)で、その非肌対向面に形成された後方粘着部(図示せず)を介して、着衣の肌対向面(内面)に固定される。前記ウイング部粘着部及び前記後方粘着部は、その使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる剥離シート(図示せず)によって被覆されている。
吸収性本体5の肌対向面即ち表面シート2の肌対向面における縦方向Xに沿う両側部には、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、一対のサイドシート6,6が吸収性本体5の縦方向Xの略全長に亘って配されている。一対のサイドシート6,6は、それぞれ縦方向Xに延びる接合線61にて、接着剤等の公知の接合手段によって表面シート2に接合されている。
吸収体4について説明すると、吸収体4は、液保持性の吸収性コア40と、高吸収性ポリマー43と、該吸収性コア40の外面を被覆するコアラップシート44とを含んで構成されている。吸収性コア40は、図1に示す如き平面視において縦方向Xに長い形状をなしており、従って、吸収性コア40の長手方向は、ナプキン1Aの縦方向Xと同方向であり、吸収性コア40の幅方向は、ナプキン1Aの横方向Yと同方向である。コアラップシート44は、吸収性コア40の横方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続した液透過性シートであり、図2に示すように、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられて、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆している。尚、コアラップシートはこのような1枚のシートでなくても良く、例えば、吸収性コア40の肌対向面を被覆する1枚の肌側コアラップシートと、該肌側コアラップシートとは別体で、吸収性コア40の非肌対向面を被覆する1枚の非肌側コアラップシートとを含んで構成されていても良い。吸収性コア40とコアラップシート44との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されている。
吸収性コア40は、繊維材料を含む積繊層を複数含んで構成されており、ナプキン1Aにおいては、肌側積繊層41及び非肌側積繊層42の2層から構成されている。非肌側積繊層42は、吸収性コア40(吸収体4)を構成する複数の積繊層のうち、着用者の肌から最も遠い位置に配されており、該複数の積繊層の非肌側積繊層42以外の他の積繊層である肌側積繊層41は、着用者の肌から最も近い位置に配されている。肌側積繊層41は、図1に示す如き平面視において縦方向Xの両端が円弧状に形成され、且つ縦方向Xに沿う両側縁が直線状に形成されており、縦方向Xに長い形状をなしている。非肌側積繊層42は、図1に示す如き平面視において長円形形状に形成され、他の積繊層即ち肌側積繊層41に比して平面積(平面視した場合の面積)が小さく、より具体的には、肌側積繊層41に比して縦方向X及び横方向Yの両方向の長さが短い。非肌側積繊層42は、肌側積繊層41の縦方向X及び横方向Yの中央部(肌側積繊層41の周縁部を除く部分)における肌側積繊層41の非肌対向面側に積層されており、前方部Aの排泄部対向部B寄りの部分から後方部Cの排泄部対向部B寄りの部分にわたって連続し、少なくとも排泄部対向部Bの縦方向Xの全長にわたって連続的に配されている。
肌側積繊層41及び非肌側積繊層42は、それぞれ、公知の方法により繊維材料を積繊させてなる繊維集合体である。積繊層41,42に用いられる繊維材料としては、親水性繊維が好ましく用いられる。親水性繊維としては、疎水性の繊維を親水化処理したものと、それ自体が親水性であるものが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、それ自体が親水性で且つ保水性を有するものが好ましい。後者の親水性繊維としては、天然系の繊維、セルロース系の再生繊維又は半合成繊維が好ましい例として挙げられる。親水性繊維としては、特にパルプ、レーヨンが好ましく、パルプが一層好ましい。パルプには、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプなどの木材パルプの他に、木綿パルプ、藁パルプなどの非木材パルプなどがあるが、特に制限されない。また、セルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋させた架橋セルロース繊維、木材パルプをマーセル化処理して得られるような嵩高性のセルロース繊維を用いても良い。
吸収体4は、図1及び図2に示すように、排泄部対向部Bの肌対向面に、横方向Yの中央部がその周辺部即ち横方向Yの両側部よりも着用者の肌側に突出した中高部45を有している。中高部45は、重ね合わされた複数の積繊層の積層部分、より具体的には、肌側積繊層41と非肌側積繊層42との積層部分からなる。詳細には肌側積繊層41は、平面視において非肌側積繊層42と重なって中高部45を構成する非肌側積繊層対応部41Aと、非肌側積繊層42とは重ならずに非肌側積繊層42の縦方向Xに沿う両側縁42S,42Sそれぞれから横方向Yの外方に延出する横方向延出部(非肌側積繊層非対応部)41Bとを有するところ、非肌側積繊層対応部41Aが図2に示すように、着用者の肌側即ち表面シート2側に向けて突出しており、この突出した非肌側積繊層対応部41Aにより、ナプキン1Aの肌対向面の中央部に凸曲面状に突出した中高部45が形成されている。つまり、中高部45の形成位置は、非肌側積繊層42の配置位置と一致している。肌側積繊層41の横方向延出部41Bは、非肌側積繊層42と肌対向面が略同位置にある。尚、肌側積繊層41は、横方向延出部41Bに加えて、非肌側積繊層42の縦方向Xの両端それぞれから縦方向Xの外方に延出する縦方向延出部(図示せず)も有しているところ、この縦方向延出部も、非肌側積繊層42と肌対向面が略同位置にある。肌側積繊層41は非肌側積繊層42の周囲を囲んでいる。
ナプキン1Aにおける中高部45は、図5に示すナプキン1Bのように、相対的に横方向Yの長さが長い非肌側積繊層42の肌対向面側に、相対的に横方向Yの長さが短い肌側積繊層41を配置することで構成することも可能であるが、ナプキン1Bとは逆に、相対的に横方向Yの長さが長い肌側積繊層41の非肌対向面側に、相対的に横方向Yの長さが短い非肌側積繊層42を配置することで構成されており、これにより、ナプキン1Bに比して、肌対向面における中高部45に起因する段差の程度が低減され、中高部に起因する着用時の違和感が少なくなり得る。
ナプキン1Aにおいては、高吸収性ポリマー43は、吸収性コア40(吸収体4)を構成する複数の積繊層41,42の何れにも含有されておらず、積繊層41,42の外部に配されている。より具体的には、高吸収性ポリマー43は図2に示すように、少なくとも排泄部対向部Bにおいて、吸収性コア40よりも非肌対向面側で、吸収性コア40の非肌対向面と該非肌対向面を被覆するコアラップシート44との間に配されており、且つ該非肌対向面の全域、即ち肌側積繊層41の横方向延出部41B及び非肌側積繊層42それぞれの非肌対向面の全域に分布している。また、高吸収性ポリマー43は図2に示すように、後述する血球凝集剤10よりも着用者の肌から遠い位置に配されている。
吸収体4に含有される高吸収性ポリマー43としては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでも良い。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、その形状は球状、塊状、俵状又は不定形のいずれでも良い。高吸収性ポリマーとしては、一般に、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を用いることができる。その例としては、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリメタクリル酸及びその塩が挙げられる。ポリアクリル酸塩やポリメタクリル酸塩としては、ナトリウム塩を好ましく用いることができる。また、アクリル酸又はメタクリル酸にマレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを高吸収性ポリマーの性能を低下させない範囲で共重合させた共重合物も用いることができる。
図1に示すように、ナプキン1Aの肌対向面における中高部45の横方向Yの外方には、防漏溝7,8が縦方向Xに沿って配されている。防漏溝7,8は何れも、ナプキン1Aの肌対向面を形成する表面シート2及び吸収体4が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥して形成されており、防漏溝7,8の周辺部に比して高密度である。防漏溝7は、図1に示す如き平面視において、中高部45全体を包囲する閉じた環状をなし、前方部Aの排泄部対向部B寄りの部分から後方部Cの排泄部対向部B寄りの部分にかけて縦方向Xに延びている。防漏溝8は、図1に示す如き平面視において、ナプキン1Aの後端に向けて凸の凸状をなし、後方部Cに中高部45に沿って形成されている。防漏溝7,8によって、吸収体4の平面方向特に横方向Yの液の拡散が抑制される、吸収体4のヨレが防止される、などの効果が期待できるところ、ナプキン1Aにおいては、防漏溝7,8は中高部45を避けて、中高部45の横方向Yの両外方に形成されているため、中高部45による作用効果を損なうことなく、防漏溝7,8による作用効果を享受し得る。防漏溝7,8は、熱を伴うか又は伴わない圧搾加工、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができる。防漏溝7,8においては、表面シート2及び吸収体4が熱融着等により一体化している。
ナプキン1Aの主たる特徴の1つとして、図2に示すように、中高部45即ち肌側積繊層41と非肌側積繊層42との積層部分における、両積繊層41,42どうしの境界に、血球凝集剤10が存在している点が挙げられる。本発明において「血球凝集剤」とは、血液中の赤血球を凝集させることができる剤を意味し、より具体的には、後述する定義に当てはまる化合物が好ましい。
一般に、高吸収性ポリマーによる水分の吸収速度や吸収量は、水分の種類によって異なり、生理食塩水と血液とを比較すると、生理食塩水よりも血液の方が吸収速度が遅く、また吸収量も少ない。この理由は以下の理由による。血液は血漿等の液体成分と赤血球等の非液体成分に大別されるところ、高吸収性ポリマーに吸収される成分は血漿等の液体成分である。図4(a)に示す通り、経血11が高吸収性ポリマー43に接触すると、経血11中の液体成分12のみが高吸収性ポリマー43に吸収され、非液体成分13である赤血球は高吸収性ポリマー43に吸収されない。高吸収性ポリマー43への液体成分12の吸収が進行すると、図4(b)に示す通り、高吸収性ポリマー43に吸収されない非液体成分13が、高吸収性ポリマー43の表面に蓄積して被膜14を形成する。この被膜14の形成に起因して、高吸収性ポリマー43の液吸収阻害が生じ、吸収速度が低下する。また被膜14の形成に起因して、高吸収性ポリマー43の膨潤阻害も生じ、吸収量が低下する。
図4(b)に示す通りの現象が生じることを防止して、吸収性能の低下を阻止するための手段について本発明者が種々検討した結果、経血中の非液体成分の大半を占める成分である赤血球を、図3に示す通り凝集させて凝集塊15を生成させることが効果的であることが判明した。赤血球の凝集塊15を生成させることで、凝集塊15の被膜が生成しづらくなり、又は、凝集塊15によって図4(b)に示す如き被膜14が生成したとしても、その被膜14内に液体成分12が透過できる空間が残存するため、液体成分12の吸収阻害が起こりづらくなる。その結果、高吸収性ポリマー43は、吸収性能を十分に発揮することができる。ここで、吸収性能は、吸収量及び吸収速度を尺度として表される。吸収量は、吸収前の高吸収性ポリマー43の体積と、吸収後の高吸収性ポリマー43の体積との比、つまり後述する体積膨潤倍率として表すことができる。また、吸収速度は、高吸収性ポリマー43の体積膨潤倍率の経時における傾きとして表すことができる。
そして、本発明の生理用吸収性物品において、経血中に赤血球の凝集塊を生成させる役割を果たすのが血球凝集剤である。本発明者の知見によれば、血球凝集剤としてはカチオン性ポリマーが有用であり、その理由は次の通りである。赤血球はその表面に赤血球膜を有する。赤血球膜は、2層構造を有している。この2層構造は、下層である赤血球膜骨格と上層である脂質皮膜からなる。赤血球の表面に露出している脂質皮膜には、グリコホリンと呼ばれるタンパク質が含まれている。グリコホリンはその末端にシアル酸と呼ばれるアニオン電荷を帯びた糖が結合した糖鎖を有している。その結果、赤血球はアニオン電荷を帯びたコロイド粒子として扱うことができる。コロイド粒子の凝集には一般に凝集剤が用いられる。赤血球がアニオン性のコロイド粒子であることを考慮すると、凝集剤としてはカチオン性の物質を用いることが、赤血球の電気二重層を中和する点から有利である。また凝集剤が高分子鎖を有していると、赤血球の表面に吸着した凝集剤の高分子鎖どうしの絡み合いが生じやすくなり、そのことに起因して赤血球の凝集が促進される。さらに、凝集剤が官能基を有している場合には、該官能基間の相互作用によっても赤血球の凝集が促進されるので好ましい。血球凝集剤(カチオン性ポリマー)によれば、以上の作用機序によって経血中に赤血球の凝集塊を生成することが可能になる。
中高部45において、血球凝集剤10は、肌側積繊層41の非肌側積繊層対応部41Aの非肌対向面の全域に存在している。中高部45は、ナプキン1Aの着用時に着用者の排泄部に密着する部位であり、中高部45での経血等の排泄液の挙動は、ナプキン1Aの防漏効果を左右し得る重要な要素であるところ、前記のように、中高部45を構成する複数の積繊層41,42どうしの境界に血球凝集剤10が存在していることにより、吸収体4による経血の吸収効率が向上し、優れた防漏効果が発現し得る。
即ちナプキン1Aにおいては、排泄部から排泄された経血は、該排泄部に密着する中高部45で受け止められ、表面シート2及びコアラップシート44を順次透過して、肌側積繊層41の非肌側積繊層対応部41Aに到達し、そこで一部が吸収保持される。非肌側積繊層対応部41Aで吸収保持されなかった経血は、肌側積繊層41と非肌側積繊層42との境界に到達したときにそこに存する血球凝集剤10と接触し、これにより、赤血球と血漿とに分離される。高吸収性ポリマー43に吸収され難い赤血球は、凝集塊を形成して積繊層41,42どうしの境界及びその近傍に残留し、高吸収性ポリマー43に吸収されやすい血漿は、「非肌側積繊層42と肌側積繊層41の横方向延出部41Bとからなる吸収部」(以下、標準吸収部ともいう)を面方向に拡散されつつ該標準吸収部に一部が吸収保持され、最終的には、該標準吸収部の非肌対向面側に配されている高吸収性ポリマー43に吸収保持される。このように、吸収体4(吸収性コア40)は、中高部45の肌側への突出部を除いた扁平部分からなる標準吸収部の面方向を広く使って経血などの排泄液を効率良く吸収することができる。
特にナプキン1Aにおいては、図2に示すように、高吸収性ポリマー43が、中高部45を構成する複数の積繊層41,42の何れにも含有されておらず、血球凝集剤10よりも着用者の肌から遠い位置に配されているため、経血を血球凝集剤10によって高吸収性ポリマー43に吸収しやすい形態に改質した後に高吸収性ポリマー43に接触させる、というシステムが安定的に作用し得る。
また、血球凝集剤10の作用によって生成される赤血球などの非液体成分の凝集塊が、着用者の肌に比較的近い位置に集まると、その凝集塊の集合部分が硬くなるため、ナプキン1Aの着用者に違和感を与えることが懸念されるが、ナプキン1Aにおいては、血球凝集剤10は、中高部45における肌側積繊層41と非肌側積繊層42との境界に存していて、着用者の肌から比較的離れているため、斯かる懸念が払拭されている。従ってナプキン1Aは、中高部45に起因する着用時の違和感が少なく、防漏効果に優れている。
前述した血球凝集剤10による作用効果をより効果的に活用する観点から、非肌側積繊層42よりも肌対向面側に配された肌側積繊層41においては、平面視において非肌側積繊層42と重なる非肌側積繊層対応部41Aは、平面視において非肌側積繊層42と重ならない横方向延出部41Bに比して、パルプなどの繊維材料の密度が高いことが好ましい。即ち、ナプキン1Aの着用時に着用者の肌に密着する中高部45の突出部(非肌側積繊層対応部41A)は、繊維材料の高密度部、非肌側積繊層42の横方向Yの両外方に位置する肌側積繊層41の横方向延出部41Bは、該高密度部よりも繊維材料の密度が低い低密度部であることが好ましい。一般に、経血などの排泄液は、繊維材料の高密度部では拡散が促進されるが、繊維材料の低密度部では拡散し難い傾向があるところ、前記のような、中高部45を含む横方向Yの中央部が高密度、横方向Yの両側が低密度、という繊維材料の粗密勾配を採用することにより、排泄された経血は、中高部45において横方向Yにはあまり拡散されずに縦方向Xに拡散されるようになるため、横漏れ防止効果がより一層向上し得る。
前記のように、肌側積繊層41に繊維材料の高密度部と低密度部とを形成する方法としては、例えば、密度が均一な原反積繊層における高密度部形成予定部を押圧する方法が挙げられる。その場合、低密度部は、原反積繊層における低密度部形成予定部を、高密度部形成予定部を押圧する際の圧力よりも小さい圧力で押圧するか、又は押圧しないことで形成することができる。
肌側積繊層41の非肌側積繊層対応部41A(高密度部)の繊維材料の密度は、好ましくは0.012g/cm3以上、さらに好ましくは0.016g/cm3以上、そして、好ましくは0.5g/cm3以下、さらに好ましくは0.25g/cm3以下である。
肌側積繊層41の横方向延出部41B(低密度部)の繊維材料の密度は、好ましくは0.010g/cm3以上、さらに好ましくは0.012g/cm3以上、そして、好ましくは0.25g/cm3以下、さらに好ましくは0.17g/cm3以下である。
非肌側積繊層対応部41Aの繊維材料の密度と横方向延出部41Bの繊維材料の密度との比率は、前者/後者として、好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.7以上、そして、好ましくは50以下、さらに好ましくは40以下である。
前述した作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、血球凝集剤10の単位面積当たりの量は、好ましくは0.5g/m2以上、さらに好ましくは1.0g/m2以上、そして、好ましくは12g/m2以下、さらに好ましくは10g/m2以下である。
また同様の観点から、吸収体4における高吸収性ポリマー43の単位面積当たりの量は、好ましくは5g/m2以上、さらに好ましくは10g/m2以上、そして、好ましくは100g/m2以下、さらに好ましくは80g/m2以下である。
以下、本発明の他の実施形態について図5〜図7を参照して説明する。後述する他の実施形態については、前述したナプキン1Aと異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、ナプキン1Aについての説明が適宜適用される。
ナプキン1Bにおいては、図5に示すように、中高部45は、相対的に横方向Yの長さが長い非肌側積繊層42の肌対向面側に、相対的に横方向Yの長さが短い肌側積繊層41が、非肌側積繊層42の肌対向面の横方向Yの中央部に配置されて構成されており、図2に示すナプキン1Aの中高部45とは積繊層41,42の大小関係が逆である。従ってナプキン1Bにおける肌側積繊層41は、その全体が非肌側積繊層対応部41Aであり、非肌側積繊層42と重ならずにその側縁42Sから延出する横方向延出部41B(図2参照)を有してない。また、ナプキン1Bにおいては、高吸収性ポリマー43は、吸収性コア40を構成する各積繊層41,42に含有されており、図2に示す形態の如く、吸収性コア40を構成する積繊層よりも非肌対向面側には配されていない。前述した通り、生理用吸収性物品の肌対向面における中高部に起因する段差に関しては、図2に示す形態の方が、図5に示す形態よりも極端な段差が生じにくいため、着用時の違和感が少ない。
図6に示す吸収体4Aは、血球凝集剤10が、肌側積繊層41の非肌対向面において、その横方向Yの中央部に位置する非肌側積繊層対応部41Aから横方向Yの両側に位置する横方向延出部41Bにわたって存在している点で、血球凝集剤10が非肌側積繊層対応部41Aの非肌対向面にのみ存在している吸収体4(図2参照)と異なる。吸収体4Aにおいては、高吸収性ポリマー43は、肌側積繊層41の横方向延出部41Bの非肌対向面に存する血球凝集剤10よりも着用者の肌から遠い位置に配されている。
図7に示す吸収体4Bにおいては、血球凝集剤10が、肌側積繊層41の非肌対向面において、その横方向Yの中央部に位置する非肌側積繊層対応部41Aから横方向Yの両側に位置する横方向延出部41Bにわたって存しており、且つ高吸収性ポリマー43が、非肌側積繊層42に含有され、肌側積繊層41には含有されていない。高吸収性ポリマー43は、非肌側積繊層42内に加えてさらに、肌側積繊層41の横方向延出部41Bの非肌対向面に存する血球凝集剤10よりも着用者の肌から遠い位置にも配されている。
以下、本発明で用いる血球凝集剤について説明する。本発明で用いる血球凝集剤とは、血液中の赤血球を凝集させ、血球が凝集した凝集塊と血漿成分とが分離されるよう作用するものである。
好ましい血球凝集剤としては、例えば以下の性質を有するものが挙げられる。
即ち、疑似血液に、測定サンプル剤を1000ppm添加した際に、血液の流動性が維持された状態で、少なくとも2個以上の血球が凝集して凝集塊を形成するとき、この測定サンプル剤が好ましい血球凝集剤である。
前記擬似血液は、B型粘度計(東機産業株式会社製 型番TVB−10M、測定条件:ローターNo.19、30rpm、25℃、60秒間)を用いて測定した粘度が8mPa・sになるように、脱繊維馬血(日本バイオテスト(株)製)の血球・血漿比率を調製したものである。
ここで、「血液の流動性が維持された状態」とは、測定サンプル剤が1000ppm添加された前記疑似血液10gをスクリュー管瓶(マルエム社製 品番「スクリュー管No.4」,口内径14.5mm,胴径27mm,全長55mm)に入れ、該疑似血液を入れたスクリュー管瓶を180度反転した際に、20秒以内で60%以上の体積の該疑似経血が流れ落ちる状態を意味する。
また、「2個以上の血球が凝集して凝集塊を形成」しているか否かは、次のようにして判断される。即ち、測定サンプル剤が1000ppm添加された前記疑似血液を、生理食塩水で4000倍に希釈し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA社製 型番:LA−950V2,測定条件:フロー式セル測定,循環速度1,超音波なし)を用いたレーザー回折散乱法によって、温度25℃にて測定した体積粒径平均のメジアン径が、2個以上の血球が凝集した凝集塊のサイズに相当する10μm以上である場合に、「2個以上の血球が凝集して凝集塊を形成」を形成していると判断する。
本発明で用いる血球凝集剤は、前記定義に当てはまる化合物又はその組み合わせ、さらには化合物の組み合わせによって前記定義を満たす(赤血球の凝集を発現し得る)剤である。つまり、血球凝集剤とは、あくまで前記定義によるところの血球凝集作用があるものに限定した剤のことである。従って、血球凝集剤に、前記定義に当てはまらない第三成分を含む場合には、それを血球凝集剤組成物と表現し、血球凝集剤と区別する。特に、前述した好ましい血球凝集剤の定義に当てはまる化合物又はその組み合わせが好ましい。
前記定義に当てはまる好ましい血球凝集剤に適合する化合物としては、カチオン性ポリマーが好適である。カチオン性ポリマーとしては、例えばカチオン化セルロースや、塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン等のカチオン化デンプンなどが挙げられる。また、本発明で用いる血球凝集剤は、カチオン性ポリマーとして、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物又は第4級アンモニウム塩重縮合物を含むこともできる。本発明において「第4級アンモニウム塩」とは、窒素原子の位置にプラス一価の電荷を有している化合物、又は中和によって窒素原子の位置にプラス一価の電荷を生じさせる化合物を包含し、その具体例としては、第4級アンモニウムカチオンの塩、第3級アミンの中和塩、及び水溶液中でカチオンを帯びる第3級アミンが挙げられる。以下に述べる「第4級アンモニウム部位」も同様の意味で用いられ、水中で正に帯電する部位である。また、本発明において「共重合物」とは、2種以上の重合性単量体の共重合によって得られた重合物のことであり、二元系共重合物及び三元系以上の共重合物の双方を包含する。本発明において「重縮合物」とは、2種以上の単量体からなる縮合物を重合することで得られた重縮合物である。
本発明で用いる血球凝集剤が、カチオン性ポリマーとして、第4級アンモニウム塩ホモポリマー及び/又は第4級アンモニウム塩共重合物及び/又は第4級アンモニウム塩重縮合物を含む場合、該血球凝集剤は、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物及び第4級アンモニウム塩重縮合物のうちのいずれか1種を含んでいても良く、あるいは任意の2種以上の組み合わせを含んでいても良い。また第4級アンモニウム塩ホモポリマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。同様に、第4級アンモニウム塩共重合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに同様に、第4級アンモニウム塩重縮合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前述した各種のカチオン性ポリマーのうち、特に、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物又は第4級アンモニウム塩重縮合物を用いることが、赤血球への吸着性の点から好ましい。以下の説明においては、簡便のため、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物及び第4級アンモニウム塩重縮合物を総称して「第4級アンモニウム塩ポリマー」と言う。
第4級アンモニウム塩ホモポリマーは、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を1種用い、これを重合することで得られたものである。一方、第4級アンモニウム塩共重合物は、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を少なくとも1種用い、必要に応じ第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体を少なくとも1種用い、これらを共重合することで得られたものである。即ち第4級アンモニウム塩共重合物は、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を2種以上用い、これらを共重合させて得られたものであるか、又は第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体を1種以上用い、これらを共重合させて得られたものである。第4級アンモニウム塩共重合物は、ランダム共重合物でも良く、交互共重合物でも良く、ブロック共重合物でも良く、あるいはグラフト共重合物でも良い。第4級アンモニウム塩重縮合物は、第4級アンモニウム部位を有する単量体1種以上からなる縮合物を用い、それら縮合物を重合することで得られたものである。即ち第4級アンモニウム塩重縮合物は、第4級アンモニウム部位を有する単量体2種以上の縮合物を用い、これを重合させて得られたものであるか、又は、第4級アンモニウム部位を有する単量体1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない単量体1種以上からなる縮合物を用い、これを縮重合させて得られたものである。
第4級アンモニウム塩ポリマーは、第4級アンモニウム部位を有するカチオン性のポリマーである。第4級アンモニウム部位は、アルキル化剤を用いた第3級アミンの第4級アンモニウム化によって生成させることができる。あるいは第3級アミンを酸若しくは水に溶解させ、中和で生じさせることができる。あるいは縮合反応を含む求核反応による第4級アンモニウム化によって生成させることができる。アルキル化剤としては、例えばハロゲン化アルキルや、硫酸ジメチル及び硫酸ジメチルなどの硫酸ジアルキルが挙げられる。これらのアルキル化剤のうち、硫酸ジアルキルを用いると、ハロゲン化アルキルを用いた場合に起こり得る腐食の問題が生じないので好ましい。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、リン酸、フルオロスルホン酸、ホウ酸、クロム酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、グルコン酸、ギ酸、アスコルビン酸、ヒアルロン酸などが挙げられる。特に、アルキル化剤によって第3級アミン部位を第4級アンモニウム化した第4級アンモニウム塩ポリマーを用いると、赤血球の電気二重層を確実に中和できるので好ましい。縮合反応を含む求核反応による第4級アンモニウム化は、ジメチルアミンとエピクロルヒドリンの開環重縮合反応、ジシアンジアミドとジエチレントリアミンの環化反応のようにして生じさせることができる。
赤血球の凝集塊を効果的に生成させる観点から、カチオン性ポリマーは、その分子量が2000以上であることが好ましく、1万以上であることがさらに好ましく、3万以上であることが一層好ましい。カチオン性ポリマーの分子量がこれらの値以上であることによって、赤血球間でのカチオン性ポリマーどうしの絡み合いや、赤血球間でのカチオン性ポリマーの架橋が十分に生じる。分子量の上限値は1000万以下であることが好ましく、500万以下であることがさらに好ましく、300万以下であることが一層好ましい。カチオン性ポリマーの分子量がこれらの値以下であることによって、カチオン性ポリマーが経血中へ良好に溶解する。カチオン性ポリマーの分子量は、2000以上1000万以下であることが好ましく、2000以上500万以下であることがさらに好ましく、2000以上300万以下であることが一層好ましく、1万以上300万以下であることがさらに一層好ましく、3万以上300万以下であることが特に好ましい。本発明に言う分子量とは、重量平均分子量のことである。また、前述の分子量範囲内で、異なる分子量のカチオン性ポリマーを2種以上組み合わせても良い。カチオン性ポリマーの分子量は、その重合条件を適切に選択することで制御することができる。カチオン性ポリマーの分子量は、東ソー株式会社製のHLC−8320GPCを用いて測定することができる。具体的な測定条件は次の通りである。
カラムとしては、東ソー株式会社製のガードカラムαと分析カラムα−Mを直列でつないだものを、カラム温度:40℃で用いる。検出器は、RI(屈折率)を用いる。測定サンプルとしては、溶離液1mLに対して1mgの測定対象の処理剤(第4級アンモニウム塩ポリマー)を溶解させる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は、水に150mmol/Lの硫酸ナトリウムと1質量%の酢酸を溶解させた溶離液を用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は、溶離液10mLに対して、分子量5900のプルラン、分子量47300のプルラン、分子量21.2万のプルラン、分子量78.8万のプルラン、各2.5mg溶解させたプルラン混合物を、分子量標準として用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は流速:1.0mL/min、注入量:100μLで測定する。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は、エタノール:水=3:7(体積比)に50mmol/Lの臭化リチウムと1質量%の酢酸を溶解させた溶離液を用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は、溶離液20mLに対して、分子量106のポリエチレングリコール(PEG)、分子量400のPEG、分子量1470のPEG、分子量6450のPEG、分子量5万のポリエチレンオキシド(PEO)、分子量23.5万のPEO、分子量87.5万のPEO、各10mg溶解させたPEG−PEO混合物を、分子量標準として用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は流速:0.6mL/min、注入量:100μLで測定する。
赤血球の凝集塊を一層効果的に生成させる観点から、カチオン性ポリマーとして第4級アンモニウム塩ポリマーを用いる場合、該第4級アンモニウム塩ポリマーは、その流動電位が1500μeq/L以上であることが好ましく、2000μeq/L以上であることがさらに好ましく、3000μeq/L以上であることが一層好ましく、4000μeq/L以上であることがさらに一層好ましい。第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位がこれらの値以上であることによって、赤血球の電気二重層を十分に中和することができる。流動電位の上限値は13000μeq/L以下であることが好ましく、8000μeq/L以下であることがさらに好ましく、6000μeq/L以下であることが一層好ましい。第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位がこれらの値以下であることによって、赤血球に吸着した第4級アンモニウム塩ポリマーどうしの電気的反発を効果的に防止することができる。第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位は、1500μeq/L以上13000μeq/L以下であることが好ましく、2000μeq/L以上13000μeq/L以下であることがさらに好ましく、3000μeq/L以上8000μeq/L以下であることが一層好ましく、4000μeq/L以上6000μeq/L以下であることがさらに一層好ましい。
第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位は、例えば構成しているカチオン性モノマー自体の分子量、共重合体を構成しているカチオン性モノマーとアニオン性モノマー又はノニオン性モノマーの共重合モル比を調整することで制御することができる。第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位は、スペクトリス株式会社製の流動電位測定器(PCD04)を用いて測定することができる。具体的な測定条件は次の通りである。まず市販のナプキンに対して、ドライヤーなどを用いて各部材を接着しているホットメルトを無効化し、表面シート、吸収体、裏面シートなどの部材に分解する。分解した各部材に対して、非極性溶媒から極性溶媒までの多段階溶媒抽出法を行い、各部材に用いられている処理剤を分離し、単一の組成物を含んだ溶液を得る。得られた溶液を乾燥・固化させ、1H−NMR(核磁気共鳴法)、IR(赤外分光法)、LC(液体クロマトグラフィ)、GC(ガスクロマトグラフィ)、MS(質量分析法)、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)、蛍光X線などを複合して、処理剤の構造を同定する。測定対象の処理剤(第4級アンモニウム塩ポリマー)0.001gを生理食塩水10gに溶解させた測定サンプルに対して、0.001Nのポリエチレンスルホン酸ナトリウム水溶液(測定サンプルが負電荷を有する場合は、0.001Nのポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液)を滴定し、電極間の電位差がなくなるまでに要した滴定量XmLを測定する。その後、下記式1により第4級アンモニウム塩ポリマーの流動電位を算出する。
流動電位 = (X+0.190)×1000 ・・・ 式1
(※ 溶媒の生理食塩水に要した滴定量)
カチオン性ポリマーが、赤血球の表面に首尾よく吸着するためには、該カチオン性ポリマーが、赤血球の表面に存在しているシアル酸と相互作用しやすいことが有利である。この観点から本発明者が検討を推し進めたところ、物質の無機性値と有機性値との比率である無機性値/有機性値の値(以下「IOB(Inorganic Organic Balance)値」という。)を尺度として、シアル酸結合物とカチオン性ポリマーとの相互作用の程度を評価できることが判明した。詳細には、カチオン性ポリマーとして、シアル酸結合物のIOB値と同じか、それに近似した値のIOB値を有するものを用いることが有利であることが判明した。シアル酸結合物とは、生体内でシアル酸が存在し得る形態となっている化合物のことであり、例えばガラクト脂質などの糖脂質の末端にシアル酸が結合している化合物などが挙げられる。
一般に、物質の性状は、分子間の各種分子間力に大きく支配され、この分子間力は主に分子質量によるVan Der Waals力と、分子の極性による電気的親和力からなっている。物質の性質の変化に対して大きな影響を与えるVan Der Waals力と、電気的親和力のそれぞれを個別に把握することができれば、その組み合わせから未知の物質、あるいはそれらの混合物についてもその性状を予測することができる。この考え方は、「有機概念図論」として良く知られている理論である。有機概念図論は、例えば藤田穆著の「有機分析」(カニヤ書店、昭和5年)、藤田穆著の「有機定性分析:系統的.純粋物編」(共立出版、1953年)、藤田穆著の「改編 化学実験学−有機化学編」(河出書房、1971年)、藤田穆・赤塚政実著の「系統的有機定性分析(混合物編)」(風間書房、1974年)、及び甲田善生・佐藤四郎・本間善夫著の「新版 有機概念図 基礎と応用」(三共出版、2008年)等に詳述されている。有機概念図論では、物質の物理化学的物性について、主にVan Der Waals力による物性の程度を「有機性」と呼び、また主に電気的親和力による物性の程度を「無機性」と呼び、物質の物性を「有機性」と「無機性」の組み合わせでとらえている。そして、炭素(C)1個を有機性20と定義し、それに対して各種極性基の無機性及び有機性の値を、以下の表1に記載のとおり定め、無機性値の和と有機性値の和を求め、両者の比をIOB値と定義している。本発明においては、これらの有機性値及び無機性値に基づき、上述したシアル酸結合物のIOB値を決定し、その値に基づきカチオン性ポリマーのIOB値を決定する。
具体的には、カチオン性ポリマーがホモポリマーである場合、該ホモポリマーの繰り返し単位に基づき無機性値及び有機性値を決定し、IOB値を算出する。例えば後述する実施例1で用いているカチオン性ポリマーであるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(日本ルーブリゾール社製の商品名「マーコート106」)の場合、−C−×8=160の有機性値と、Ammo and NH4 salt×1=400の無機性値と、Ring(non-aromatic single ring)×1=10の無機性値と、−Cl×1=40の有機性値及び10の無機性値とを有することから、無機性値の合計は400+10+10=420となり、有機性値の合計は160+40=200となる。したがってIOB値は420/200=2.10となる。
一方、カチオン性ポリマーが共重合物である場合には、共重合に用いられるモノマーのモル比に応じて以下の手順でIOB値を算出する。すなわち、共重合物がモノマーAとモノマーBとから得られ、モノマーAの有機性値がORAで、無機性値がINAであり、モノマーBの有機性値がORBで、無機性値がINBであり、モノマーA/モノマーBのモル比がMA/MBである場合、共重合物のIOB値は以下の式から算出される。
このようにして決定されたカチオン性ポリマーのIOB値は、0.6以上であることが好ましく、1.8以上であることがより好ましく、2.1以上であることがさらに好ましく、2.2以上であることが一層好ましい。また、カチオン性ポリマーのIOB値は、4.6以下であることが好ましく、3.6以下であることがさらに好ましく、3.0以下であることが一層好ましい。具体的には、カチオン性ポリマーのIOB値は、0.6以上4.6以下であることが好ましく、1.8以上3.6以下であることがより好ましく、2.1以上3.6以下であることがさらに好ましく、2.2以上3.0以下であることが一層好ましい。なお、シアル酸のIOB値は、シアル酸単体で4.25であり、シアル酸結合体で3.89である。前記シアル酸結合物とは、糖脂質における糖鎖とシアル酸が結合したものであり、シアル酸結合体は、シアル酸単体よりも有機性値の割合が高くなり、IOB値は低くなる。
カチオン性ポリマーのIOB値は前述の通りであるところ、有機性値そのものは40以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましく、130以上であることが一層好ましい。また、310以下であることが好ましく、250以下であることがより好ましく、240以下であることがさらに好ましく、190以下であることが一層好ましい。例えば有機性値は、40以上310以下であることが好ましく、40以上250以下であることがより好ましく、100以上240以下であることがさらに好ましく、130以上190以下であることが一層好ましい。カチオン性ポリマーの有機性値をこの範囲に設定することで、該カチオン性ポリマーが赤血球に一層首尾よく吸着するようになる。
一方、カチオン性ポリマーの無機性値に関しては、70以上であることが好ましく、90以上であることがさらに好ましく、100以上であることが一層好ましく、120以上であることがさらに一層好ましく、250以上であることが特に好ましい。また、790以下であることが好ましく、750以下であることがさらに好ましく、700以下であることが一層好ましく、680以下であることがさらに一層好ましく、490以下であることが特に好ましい。例えば無機性値は、70以上790以下であることが好ましく、90以上750以下であることがさらに好ましく、90以上680以下であることが一層好ましく、120以上680以下であることがさらに一層好ましく、250以上490以下であることが特に好ましい。カチオン性ポリマーの無機性値をこの範囲に設定することで、該カチオン性ポリマーが赤血球に一層首尾よく吸着するようになる。
カチオン性ポリマーを赤血球にさらに一層首尾よく吸着させる観点から、該カチオン性ポリマーの有機性値をxとし、無機性値をyとしたとき、xとyが以下の式Aを満たすことが好ましい。
y=ax (A)
前記式A中、aは0.66以上であることが好ましく、0.93以上であることがさらに好ましく、1.96以上であることが一層好ましい。また、aは、4.56以下あることが好ましく、4.19以下であることがさらに好ましく、3.5以下であることが一層好ましい。例えばaは、0.66以上4.56以下の数であることが好ましく、0.93以上4.19以下の数であることがさらに好ましく、1.96以上3.5以下の数であることが一層好ましい。特に、カチオン性ポリマーの有機性値及び無機性値が前述の範囲内であることを条件として、該カチオン性ポリマーの有機性値及び無機性値が前記式Aを満たす場合には、該カチオン性ポリマーがシアル酸結合体と相互作用しやすくなり、該カチオン性ポリマーが赤血球にさらに一層吸着しやすくなる。
赤血球の凝集塊を効果的に生成させる観点から、カチオン性ポリマーは水溶性であることが好ましい。本発明において「水溶性」とは、100mLのガラスビーカー(5mmΦ)に0.05gの1mm以下の粉末状又は厚み0.5mm以下のフィルム状カチオン性ポリマーを25℃の50mLイオン交換水に添加混合したときに、長さ20mm、幅7mmのスターラーチップを入れ、アズワン株式会社製マグネチックスターラーHPS−100を用いて600rpm攪拌下、その全量が24時間以内に水に溶解する性質のことである。尚、本発明において、さらに好ましい溶解性としては、全量が3時間以内に水に溶解することが好ましく、全量が30分以内に水に溶解することがさらに好ましい。
カチオン性ポリマーは、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものであることが好ましい。特に第4級アンモニウム塩ポリマーは、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものであることが好ましい。第4級アンモニウム部位は側鎖に存在していることが好ましい。この場合、主鎖と側鎖とが1点で結合していると、側鎖の可撓性が阻害されにくくなり、側鎖に存在している第4級アンモニウム部位が赤血球の表面に円滑に吸着するようになる。尤も本発明において、カチオン性ポリマーの主鎖と側鎖とが2点又はそれ以上で結合していることは妨げられない。本発明において「1点で結合している」とは、主鎖を構成する炭素原子のうちの1個が、側鎖の末端に位置する1個の炭素原子と単結合していることをいう。「2点以上で結合している」とは、主鎖を構成する炭素原子のうちの2個以上が、側鎖の末端に位置する2個以上の炭素原子とそれぞれ単結合していることをいう。
カチオン性ポリマーが、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものである場合、例えば第4級アンモニウム塩ポリマーが、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものである場合、各側鎖の炭素数は4以上であることが好ましく、5以上であることがさらに好ましく、6以上であることが一層好ましい。炭素数の上限値は、10以下であることが好ましく、9以下であることがさらに好ましく、8以下であることが一層好ましい。例えば側鎖の炭素数は4以上10以下であることが好ましく、5以上9以下であることがさらに好ましく、6以上8以下であることが一層好ましい。側鎖の炭素数とは、該側鎖における第4級アンモニウム部位(カチオン部位)の炭素数のことであり、対イオンであるアニオン中に炭素が含まれているとしても、その炭素は計数に含まない。特に、側鎖の炭素原子のうち、主鎖に結合している炭素原子から、第4級窒素に結合している炭素原子までの炭素数が前述の範囲であることが、第4級アンモニウム塩ポリマーが赤血球の表面の表面に吸着するときの立体障害性が低くなるので好ましい。
第4級アンモニウム塩ポリマーが、第4級アンモニウム塩ホモポリマーである場合、該ホモポリマーとしては、例えば第4級アンモニウム部位又は第3級アミン部位を有するビニル系単量体の重合物が挙げられる。第3級アミン部位を有するビニル系単量体を重合する場合には、重合前に及び/又は重合後に、第3級アミン部位をアルキル化剤によって第4級アンモニウム化した第4級アンモニウム塩ホモポリマーとなるか、重合前に及び/又は重合後に、第3級アミン部位を酸によって中和した第3級アミン中和塩となるか、重合後に水溶液中でカチオンを帯びる第3級アミンとなる。アルキル化剤や酸の例は、前述した通りである。
特に第4級アンモニウム塩ホモポリマーは、以下の式1で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
第4級アンモニウム塩ホモポリマーの具体例としては、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。また、第4級アンモニウム部位を有する側鎖が、主鎖と1点で結合しているものであるポリ(2−メタクリルオキシエチルジメチルアミン4級塩)、ポリ(2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩)、ポリ(2−メタクリルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムメチル硫酸塩)、ポリ(2−アクリルオキシエチルジメチルアミン4級塩)、ポリ(2−アクリルオキシエチルトリメチルアミン4級塩)、ポリ(2−アクリルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムエチル硫酸塩)、ポリ(3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド4級塩)、ポリメタクル酸ジメチルアミノエチル、ポリアリルアミン塩酸塩、カチオン化セルロース、ポリエチレンイミン、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ポリアミジンなどが挙げられる。一方、第4級アンモニウム部位を有する側鎖が、主鎖と2点以上で結合しているホモポリマーの例としては、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルアミン塩酸塩が挙げられる。
第4級アンモニウム塩ポリマーが、第4級アンモニウム塩共重合物である場合には、該共重合物として、前述した第4級アンモニウム塩ホモポリマーの重合に用いられる重合性単量体を2種以上用い共重合して得られた共重合物を用いることができる。あるいは、第4級アンモニウム塩共重合物として、前述した第4級アンモニウム塩ホモポリマーの重合に用いられる重合性単量体を1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体を1種以上用い共重合して得られた共重合物を用いることができる。さらに、ビニル系重合性単量体に加えて、又はそれに代えて、他の重合性単量体、例えば−SO2−などを用いることもできる。第4級アンモニウム塩共重合物は、前述した通り、二元系の共重合物又は三元系以上の共重合物であり得る。
特に、第4級アンモニウム塩共重合物は、前記の式1で表される繰り返し単位と、以下の式2で表される繰り返し単位とを有することが、赤血球の凝集塊を効果的に生成させる観点から好ましい。
また、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体としては、カチオン性重合性単量体、アニオン性重合性単量体、又はノニオン性重合性単量体を用いることができる。これらの重合性単量体中で、特にカチオン性重合性単量体又はノニオン性重合性単量体を用いることで、第4級アンモニウム塩共重合物内において第4級アンモニウム部位との電荷相殺が起こらないので、赤血球の凝集を効果的に生じさせることができる。カチオン性重合性単量体の例としては、特定の条件下でカチオンを帯びる窒素原子を有する環状化合物としてビニルピリジンなど、特定の条件下でカチオンを帯びる窒素原子を主鎖に有する直鎖状化合物としてジシアンジアミドとジエチレントリアミンの縮合化合物などが挙げられる。アニオン性重合性単量体の例としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、及び、スチレンスルホン酸、並びに、これらの化合物の塩などが挙げられる。一方、ノニオン性重合性単量体の例としては、ビニルアルコール、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレートなどが挙げられる。これらカチオン性重合性単量体、アニオン性重合性単量体、又はノニオン性重合性単量体は、それらのうちの一つを用いることができ、あるいは任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。またカチオン性重合性単量体を2種以上組み合わせて用いることができ、アニオン性重合性単量体を2種以上組み合わせて用いることができ、あるいはノニオン性重合性単量体を2種以上組み合わせて用いることもできる。カチオン性重合性単量体、アニオン性重合性単量体及び/又はノニオン性重合性単量体を重合性単量体として用いて共重合された第4級アンモニウム塩共重合物は、その分子量が、前述の通り1000万以下であることが好ましく、特に500万以下、とりわけ300万以下であることが好ましい(以下に例示する第4級アンモニウム塩共重合物についても同様である。)。
第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体として、水素結合をすることが可能な官能基を有する重合性単量体を用いることもできる。このような重合性単量体を共重合に用いること、それから得られる第4級アンモニウム塩共重合物を用いて赤血球を凝集させたときに、硬い凝集塊が生じやすくなり、高吸収性ポリマーの吸収性能が一層阻害されにくくなる。水素結合をすることが可能な官能基としては、例えば−OH、−NH2、−CHO、−COOH、−HF、−SHなどが挙げられる。水素結合をすることが可能な官能基を有する重合性単量体の例としては、ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルアルコール、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどが挙げられる。特に、水素結合が強く働く、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアクリルアミドなどは、第4級アンモニウム塩ポリマーの赤血球への吸着状態が安定化するので好ましい。これらの重合性単量体は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体として、疎水性相互作用をすることが可能な官能基を有する重合性単量体を用いることもできる。このような重合性単量体を共重合に用いることで、前述した、水素結合をすることが可能な官能基を有する重合性単量体を用いる場合と同様の有利な効果、すなわち赤血球の硬い凝集塊が生じやすくなるという効果が奏される。疎水性相互作用をすることが可能な官能基としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、アルキルナフタレン基、フッ化アルキル基などが挙げられる。疎水性相互作用をすることが可能な官能基を有する重合性単量体の例としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレンなどが挙げられる。特に、疎水性相互作用が強く働き、第4級アンモニウム塩ポリマーの溶解性を大きく低下させない、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレートなどは、第4級アンモニウム塩ポリマーの赤血球への吸着状態が安定化するので好ましい。これらの重合性単量体は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第4級アンモニウム塩共重合物中での、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体とのモル比は、該第4級アンモニウム塩共重合物によって赤血球が十分に凝集するように適切に調整されることが好ましい。あるいは、第4級アンモニウム塩共重合物の流動電位が、前述した値となるように調整されることが好ましい。あるいは、第4級アンモニウム塩共重合物のIOBが、前述した値となるように調整されることが好ましい。特に、第4級アンモニウム塩共重合物における第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体のモル比は10モル%以上であることが好ましく、22モル%以上であることがさらに好ましく、32モル%以上であることが一層好ましく、38モル%以上であることがさらに一層好ましい。また、100モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることがさらに好ましく、65モル%以下であることが一層好ましく、56モル%以下であることがさらに一層好ましい。具体的には、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体のモル比は10モル%以上100モル%以下であることが好ましく、22モル%以上80モル%以下であることがさらに好ましく、32モル%以上65モル%以下であることがさらに好ましく、38モル%以上56モル%以下であることが一層好ましい。
第4級アンモニウム塩ポリマーが、第4級アンモニウム塩重縮合物である場合には、該重縮合物として、前述した第4級アンモニウム部位を有する単量体1種以上からなる縮合物を用い、それらの縮合物を重合することで得られた重縮合物を用いることができる。具体例としては、ジシアンジアミド/ジエチレントリアミン重縮合物、ジメチルアミン/エピクロルヒドリン重縮合物などが挙げられる。
前述した第4級アンモニウム塩ホモポリマー及び第4級アンモニウム塩共重合物は、ビニル系重合性単量体の単独重合法又は共重合法によって得ることができる。重合方法としては、例えばラジカル重合、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合、配位重合、開環重合、重縮合などを用いることができる。重合条件に特に制限はなく、目的とする分子量、流動電位、及び/又はIOB値を有する第4級アンモニウム塩ポリマーが得られる条件を適切に選択すれば良い。
また、本発明で用いる血球凝集剤は、ポリカチオン(カチオン性ポリマー)以外に、第三成分、例えば、溶媒、可塑剤、香料、抗菌・消臭剤、スキンケア剤等の他の成分を1種以上含んだ組成物(血球凝集剤組成物)の形態で付与されていても良い。溶媒としては、水、炭素数1ないし4の飽和脂肪族一価アルコール等の水溶性有機溶媒、又は該水溶性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブタンジオールなどを用いることができる。香料としては、特許第4776407号公報に記載されているグリーンハーバル様香気を有する香料、植物の抽出エキス、柑橘類の抽出エキスなどを用いることができる。抗菌・消臭剤としては、特許第4526271号公報に記載されている抗菌性を有する金属を含むカンクリナイト様鉱物、特許第4587928号公報に記載されているフェニル基を有する重合性モノマーから重合された多孔性ポリマー、特許第4651392号公報に記載されている第4級アンモニウム塩、活性炭、粘土鉱物などを用いることができる。スキンケア剤としては、特許第4084278号公報に記載されている植物エキス、コラーゲン、天然保湿成分、保湿剤、角質柔軟化剤、消炎剤などを用いることができる。
前記血球凝集剤組成物に占めるカチオン性ポリマーの割合は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることが一層好ましい。また、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが一層好ましい。前記血球凝集剤組成物に占めるカチオン性ポリマーの割合をこの範囲内に設定することで、生理用吸収性物品に有効量のカチオン性ポリマーを付与することができる。
以上、本発明について説明したが、本発明は前述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば前記実施形態においては、吸収性コアを構成する積繊層は2層であり、中高部は2層構造であったが、中高部は3層以上の多層構造であっても良い。また前記実施形態においては、吸収性コアを構成する複数の積繊層の積層構造全体をコアラップシートで被覆していたが、複数の積繊層それぞれをコアラップシートで被覆しても良く、その場合、複数の積繊層どうしの境界に位置するコアラップシートに血球凝集剤を付与しても良い。
本発明は、経血の吸収に用いられる物品全般に適用することができる。そのような物品の例としては、前記実施形態の如き生理用ナプキンの他に、パンティライナ及びタンポン等が挙げられるが、それらに限られない。
1A,1B 生理用ナプキン(生理用吸収性物品)
A 前方部
B 排泄部対向部
C 後方部
2 表面シート
3 裏面シート
4,4A,4B 吸収体
40 吸収性コア
41 肌側積繊層(非肌側積繊層以外の他の積繊層)
41A 非肌側積繊層対応部
41B 横方向延出部
42 非肌側積繊層
43 高吸収性ポリマー
44 コアラップシート
45 中高部
5 吸収性本体
7,8 防漏溝
10 血球凝集剤
11 経血
12 液体成分
13 非液体成分
14 被膜
15 凝集塊

Claims (6)

  1. 着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに直交する横方向とを有すると共に、着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有し、繊維材料を含む積繊層と高吸収性ポリマーとを含んで構成される吸収体を具備する生理用吸収性物品であって、
    前記吸収体は、前記排泄部対向部の肌対向面に、横方向中央部がその周辺部よりも着用者の肌側に突出した中高部を有し、
    前記中高部は、重ね合わされた複数の前記積繊層の積層部分からなり、該積層部分における該積繊層どうしの境界に、血球凝集剤が存在している生理用吸収性物品。
  2. 前記吸収体を構成する複数の前記積繊層のうち、着用者の肌から最も遠い位置に配された非肌側積繊層は、該非肌側積繊層よりも着用者の肌に近い位置に配された他の積繊層に比して横方向の長さが短く、該他の積繊層は、該非肌側積繊層と重なる非肌側積繊層対応部と、該非肌側積繊層の縦方向に沿う側縁から横方向外方に延出する横方向延出部とを有する請求項1に記載の生理用吸収性物品。
  3. 前記他の積繊層においては、前記非肌側積繊層対応部は、前記横方向延出部に比して前記繊維材料の密度が高い請求項2に記載の生理用吸収性物品。
  4. 前記中高部において、前記血球凝集剤は、前記他の積繊層の前記非肌側積繊層対応部の非肌対向面に存しており、
    前記高吸収性ポリマーは、複数の前記積繊層の何れにも含有されておらず、且つ前記血球凝集剤よりも着用者の肌から遠い位置に配されている請求項2又は3に記載の生理用吸収性物品。
  5. 前記中高部において、前記血球凝集剤は、前記他の積繊層の前記非肌側積繊層対応部の非肌対向面に存しており、
    前記高吸収性ポリマーは、前記非肌側積繊層に含有され、前記他の積繊層には含有されていない請求項2又は3に記載の生理用吸収性物品。
  6. 肌対向面における前記中高部の横方向外方に、防漏溝が縦方向に沿って配されている請求項1〜5の何れか1項に記載の生理用吸収性物品。
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