JP2018007591A - 穀類焙煎用膨化装置及び該膨化装置を備えた穀類焙煎機 - Google Patents

穀類焙煎用膨化装置及び該膨化装置を備えた穀類焙煎機 Download PDF

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Abstract

【課題】膨化程度と焙煎程度の組み合わせを自由に変えることのできる穀類焙煎用膨化装置及び穀類焙煎機を提供する。【解決手段】本発明の穀類焙煎用膨化装置1は、穀類原料Kの膨化に使用する焙煎媒体Bを加熱炉7内に導入して加熱ドラム8で回転させながら所定の温度に加熱する焙煎媒体加熱部9と、加熱された焙煎媒体Bと穀類原料Kを膨化炉10内に導入して膨化・分離ドラム11で回転させながら送り手段12によって所定の方向に流動搬送して上記穀類原料Kを所定の膨化程度に膨化させると共に、膨化した穀類原料Kを焙煎媒体Bと分離して外部に排出する穀類原料膨化分離部13と、を備えることによって構成されている。【選択図】 図8

Description

本発明は、加熱した砂等の焙煎媒体と穀類原料を混合させながら流動させることで、上記穀類原料の膨化と焙煎とを行う穀類焙煎用膨化装置に関する。
例えば、麦茶の流通形態としては、従来は焙煎された粒状の麦茶原料を袋詰めした煮出し用のものが主流であったが、その後煮出し用や水出し用のティーバッグタイプのものが発売され、近年では手軽に飲むことができる抽出済みのペットボトル入りの飲料ドリンクタイプのものが登場し、これが主流になってきている。
これらの流通形態の違いによって原料となる大麦の膨化程度と焙煎程度が異なっている。一般的に煮出し用の麦茶原料では膨化程度は弱く硬炒りで焙煎程度は中程度に設定されるのが望ましいとされている。また、水出し用のティーバッグに設いられる麦茶原料では膨化程度・焙煎程度共に強めに設定されるのが望ましいとされている。更に、飲料ドリンクタイプの麦茶原料では膨化程度は強めで焙煎程度は目的に応じた適切な程度(例えば弱め)に設定されることが望ましいとされている。
麦茶用の焙煎機としては、下記の特許文献1に示すように加熱した砂等の焙煎媒体と麦茶原料を混合させながら流動させることで麦茶原料の膨化と焙煎を同時に行う焙煎媒体式の焙煎機が使用されている。
この焙煎機は主に煮出し用の麦茶の製造を目的に開発された装置で膨化程度を強く設定できる反面、構造上膨化程度を強くすると焙煎程度も連動して強くなり、逆に膨化程度を弱く設定すると焙煎程度も弱くなるという傾向を有している。
また、上記構造の焙煎機を2台直列的に接続して2台の焙煎機の膨化程度と焙煎程度を異ならせることによって上記ティーバッグ用の麦茶や上記飲料ドリンクタイプの麦茶の製造に使用する試みも行われている。
特開平9−191864号公報
しかし、上述したように従来の焙煎機は、膨化程度を強くすると焙煎程度も強くなり、膨化程度を弱くすると焙煎程度も弱くなってしまう。従って、上述した飲料ドリンクタイプの麦茶を製造する場合に一例として求められる膨化程度を強めにして焙煎程度を弱めにする等の個別設定は事実上困難である。
また、煮出し用や水出し用のティーバッグタイプの麦茶を製造する場合にも、膨化程度と焙煎程度を個別に設定できれば、特徴的で新たな風味の麦茶や新たなブレンド麦茶商品等の開発が可能になる。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、穀類原料の焙煎を行うに際して、膨化程度と焙煎程度を個別に設定できるようにし、例えば煮出し用の麦茶、水出し用の麦茶、飲料ドリンク用の麦茶等の目的に違いに対応した最適な膨化程度と焙煎程度の組み合わせを実現して風味豊かで抽出後の色味や香りに優れ、収率の良好な穀類の焙煎品を製造し得る穀類焙煎用膨化装置及び該膨化装置を備えた穀類焙煎機を提供することにある。
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による穀類焙煎用膨化装置は、焙煎媒体と穀類原料を混合させながら流動させることで、穀類原料の膨化と焙煎を行う穀類焙煎用膨化装置において、穀類原料の膨化に使用する焙煎媒体を加熱炉内に導入して加熱ドラムで回転させながら所定の温度に加熱する焙煎媒体加熱部と、加熱された焙煎媒体と穀類原料を膨化炉内に導入して膨化・分離ドラムで回転させながら送り手段によって所定の方向に流動搬送して上記穀類原料を所定の膨化程度に膨化させると共に、膨化した穀類原料を焙煎媒体と分離して外部に排出する穀類原料膨化分離部と、を備え、上記焙煎媒体加熱部の加熱炉と上記穀類原料膨化分離部の膨化炉とは別体に構成されており、上記焙煎媒体は上記膨化炉内に導入される時点で穀類原料の膨化に必要な所定の温度に加熱されていて、該膨化炉内では穀類原料の膨化が直ちに実行されて完了するように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2による穀類焙煎用膨化装置は、請求項1記載の穀類焙煎用膨化装置において、上記焙煎媒体加熱部は、加熱炉内を所定の温度に加熱する加熱手段と、焙煎媒体を加熱炉内に投入する投入シュートと、投入された焙煎媒体を掬い上げて加熱ドラムの外筒と内筒との間の外方空間に供給する第1回転移送手段と、上記外方空間に供給された焙煎媒体を送り方向に導く勾配が設けられた外筒と、該外筒の内方に設けられ、その内方空間に供給された焙煎媒体を戻し方向に導く勾配が設けられた内筒と、を有する加熱ドラムと、上記外方空間の送り方向の端部に到達した焙煎媒体を掬い上げて上記内筒の内方空間に供給する第2回転移送手段と、上記加熱ドラムを水平に支持する回転軸と、該回転軸を回転駆動するモータと、を備え、該回転軸を中心にして該加熱ドラムを所定の方向に所定の回転数で回転させる加熱ドラム回転機構と、上記内方空間に供給され、戻し方向の端部に到達した焙煎媒体を上記穀類原料膨化分離部に向けて排出する排出シュートと、を具備していることを特徴とするものである。
また、請求項3による穀類焙煎用膨化装置は、請求項2記載の穀類焙煎用膨化装置において、上記内方空間に供給され、戻し方向の端部に到達した焙煎媒体の一部を内方空間から再び外方空間に供給する循環口を具備していることを特徴とするものである。
また、請求項4による穀類焙煎用膨化装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の穀類焙煎用膨化装置において、上記穀類原料膨化分離部は、膨化炉と、上記焙煎媒体加熱部で所定の温度に加熱された焙煎媒体と穀類原料を投入する投入シュートと、投入された焙煎媒体と穀類原料を撹拌しながら送り方向に向けて流動搬送する送り手段を有する短寸の膨化胴と、該膨化胴の送り方向に連接され、上記穀類原料と焙煎媒体とを分離する網胴と該網胴を被覆するようにその外方に設けられる外胴とを有し、分離された穀類原料と焙煎媒体とを送り方向に導く勾配が設けられた分離胴と、を備えた膨化・分離ドラムと、上記膨化・分離ドラムを水平に支持する回転軸と、該回転軸を回転駆動するモータと、を備え、該回転軸を中心にして該膨化・分離ドラムを所定の方向に所定の回転数で回転させる膨化・分離ドラム回転機構と、上記網胴によって分離され、上記外胴の内壁面に沿って送り方向の端部に到達した焙煎媒体を外部に排出する排出シュートと、上記網胴によって分離され、該網胴の内壁面に沿って送り方向の端部に到達した穀類原料を外部に取り出す取出し開口と、を具備していることを特徴とするものである。
また、請求項5による穀類焙煎用膨化装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の穀類焙煎用膨化装置において、上記焙煎媒体加熱部と穀類原料膨化分離部は、焙煎媒体輸送部によって焙煎媒体の搬送経路が接続されており、上記穀類原料膨化分離部によって分離された焙煎媒体は、再び焙煎媒体加熱部に投入され、所定の温度に加熱されて循環利用されるように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項6による穀類焙煎機は、加熱した焙煎媒体と穀類原料を混合させながら流動させることで、穀類原料の膨化と焙煎を行う穀類焙煎機において、穀類原料を所定の膨化程度で膨化する穀類焙煎用膨化装置と、上記穀類焙煎用膨化装置によって膨化された穀類原料を所定の焙煎程度で焙煎する穀類焙煎装置と、上記穀類焙煎用膨化装置によって膨化された穀類原料を上記穀類焙煎装置に搬送する穀類原料搬送装置と、を備え、上記穀類焙煎用膨化装置として、請求項1〜5のいずれかに記載の穀類焙煎用膨化装置を適用したことを特徴とするものである。
上記手段によって以下のような効果が得られる。即ち、本発明の穀類焙煎用膨化装置によると、焙煎媒体加熱部の加熱炉と穀類原料膨化分離部の膨化炉とは別体に構成されており、焙煎媒体の加熱は焙煎媒体加熱部の加熱炉で実行される。従って、穀類原料膨化分離部の膨化炉に投入された穀類原料は、焙煎媒体の加熱を待つことなく、直ちに膨化が実行されて短時間で膨化が完了する。
これにより焙煎品の抽出性を高めるために膨化程度を強めに設定した場合でも、焙煎程度に影響しないから、飲料ドリンク等に好適な膨化程度が強めで焙煎程度を弱めにする等の設定が可能になって、風味豊かで抽出後の色味や香りに優れ、収率の良好な穀類の焙煎品を安定して効率よく製造できるようになる。
ここで「膨化程度」とは、加熱温度で決定され、水分を含有する穀類原料を急激に加熱することで水分を瞬時に蒸発させて多孔質状にして体積を膨張させる程度のことをいう。一般に膨化程度を強めにすると抽出性の良好な焙煎品が得られ、膨化程度を弱めにすると硬炒りと呼ばれる抽出時間の長い焙煎品が得られる。
また、「焙煎程度」とは、焙煎温度と焙煎時間で決定される穀類原料を焙煎する程度のことをいう。一般に同じ焙煎温度であれば焙煎時間が長いほど焙煎程度は強くなり、同じ焙煎時間であれば焙煎温度が高いほど焙煎程度は強くなる。
また、投入シュートから投入される焙煎媒体を第1回転移送手段によって掬い上げて加熱ドラムの外方空間に移送し、更に第2回転移送手段によって掬い上げて加熱ドラムの内方空間に移送し、内筒と外筒の勾配を利用して焙煎媒体を送り方向または戻し方向に移動させながら加熱手段によって焙煎媒体を加熱する焙煎媒体加熱部を採用した場合には、焙煎媒体はムラなく均一に所定の温度に加熱できるようになる。
また、内方空間に供給され、戻し方向の端部に到達した焙煎媒体を二方向に振り分け、その一方を、排出シュートを介して穀類原料膨化分離部に供給し、その他方を、循環口を介して再び外方空間に戻して循環させるようにした場合には、投入シュートから追加投入される他の焙煎媒体との間の温度差が小さくなって、加熱手段による焙煎媒体の温度制御が容易かつ円滑に実行されるようになる。
また、穀類原料膨化分離部では穀類原料の膨化のみを行い、焙煎は行わない。また、膨化は一瞬で完了するので膨化胴の長さは短くてよく、膨化胴には加熱手段は不要である。従って、短寸の膨化胴の採用が可能になり、穀類原料の焙煎程度に影響を与えない効率的な穀類原料の膨化と、穀類原料と焙煎媒体との円滑な分離とが実行されるようになる。
また、焙煎媒体加熱部と穀類原料膨化分離部を焙煎媒体輸送部によって接続して焙煎媒体を循環利用できるように構成した場合には、焙煎媒体の効率的な使用が可能になり、焙煎媒体を加熱するための加熱手段の熱エネルギーが小さくて済むようになる。
また、本発明の穀類焙煎機によると、穀類原料の膨化と焙煎がそれぞれ別の装置で実行されるから、穀類原料の膨化程度と穀類原料の焙煎程度とをそれぞれ強さの違う任意の組み合わせに設定することが可能になる。
また、穀類焙煎用膨化装置として上述した本発明の穀類焙煎用膨化装置を適用したことにより、上述した本発明の穀類焙煎用膨化装置の種々の効果を享受し得る穀類焙煎機を提供することが可能になる。
本発明の実施の形態を示す図で、穀類焙煎機の全体構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、穀類焙煎機の全体構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、穀類焙煎用膨化装置を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、穀類焙煎用膨化装置を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、焙煎媒体加熱部を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、焙煎媒体加熱部を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、穀類原料膨化分離部を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、穀類焙煎用膨化装置の全体構成と焙煎媒体と穀類原料の移送の流れを示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、穀類焙煎装置の一例を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、膨化程度を強めに設定した場合の焙煎程度と使用目的の関係の一例を示す図表である。 本発明の実施の形態を示す図で、膨化程度を中程度に設定した場合の焙煎程度と使用目的の関係の一例を示す図表である。 本発明の実施の形態を示す図で、膨化程度を弱めに設定した場合の焙煎程度と使用目的の関係の一例を示す図表である。
以下、最初に図1〜図9に示す実施の形態を例にとって、本発明の穀類焙煎機の全体構成の概要について簡単に説明する。次に、該穀類焙煎機の要部の構成となる本発明の穀類焙煎用膨化装置の構成について具体的に説明した後、穀類焙煎装置の概略の構成について簡単に説明する。続いて、図8に基づいて上記穀類焙煎用膨化装置の作動態様を焙煎媒体と穀類原料の移送の流れに沿って説明し、更に図10〜図12に基づいて本発明の穀類焙煎用膨化装置と穀類焙煎装置を使用することによって実行可能な膨化程度と焙煎程度の組み合わせと、その使用目的の一例について説明する。
(1)穀類焙煎機の全体構成の概要(図1〜4及び図9参照)
本発明の穀類焙煎機1は、加熱した焙煎媒体Bと穀類原料Kを混合させながら流動させることで、穀類原料Bの膨化と焙煎を行う装置である。具体的には、本発明の穀類焙煎機1は、穀類原料Kを所定の膨化程度で膨化する穀類焙煎用膨化装置2と、該穀類焙煎用膨化装置2によって膨化された穀類原料Kを所定の焙煎程度で焙煎する穀類焙煎装置3と、上記穀類焙煎用膨化装置2によって膨化された穀類原料Kを上記穀類焙煎装置3に搬送する穀類原料搬送装置4と、を備えることによって基本的に構成されている。
そして本実施の形態では、穀類焙煎用膨化装置2として後述する本発明の穀類焙煎用膨化装置2を適用し、穀類焙煎装置3として後述する図9に示す穀類焙煎装置3を適用している。
また、本実施の形態では、上記穀類原料搬送装置4として一例として2基のスクリューコンベヤ5、5を適用している。
そして、このようにして構成される本発明の穀類焙煎機1によれば、穀類原料Kの膨化と焙煎がそれぞれ別の装置2、3で実行されるから穀類原料Kの膨化程度と穀類原料Kの焙煎程度と、を後述するようにそれぞれ強さの違う任意の組み合わせに設定することが可能になる。
(2)穀類焙煎用膨化装置の構成(図3〜図8参照)
本発明の穀類焙煎用膨化装置2は、加熱した焙煎媒体Bと穀類原料Kを混合させながら流動させることで、穀類原料Kの膨化と焙煎を行う上記穀類焙煎機1において、上記穀類原料Kの膨化作用を担う装置である。
具体的には、本発明の穀類焙煎用膨化装置2は、穀類原料Kの膨化に使用する焙煎媒体Bを加熱炉7内に導入して加熱ドラム8で回転させながら所定の温度に加熱する焙煎媒体加熱部9と、加熱された焙煎媒体Bと穀類原料Kを膨化炉10内に導入して膨化・分離ドラム11で回転させながら送り手段12によって所定の方向に流動搬送して上記穀類原料Kを所定の膨化程度に膨化させると共に、膨化した穀類原料Kを焙煎媒体Bと分離して外部に排出する穀類原料膨化分離部13と、を備えることによって基本的に構成されている。
そして、本発明では上記焙煎媒体加熱部9の加熱炉7と上記穀類原料膨化分離部13の膨化炉10とが別体に構成されており、上記焙煎媒体Bは上記膨化炉10に導入される時点で穀類原料Kの膨化に必要な所定の温度に加熱されていて、該膨化炉10内では穀類原料Kの膨化が直ちに実行されて完了するように構成されている。
また、本実施の形態では上記構成に加えて、穀類焙煎用膨化装置2には、上記焙煎媒体加熱部9と穀類原料膨化分離部13間に形成される焙煎媒体Bの搬送経路を接続する焙煎媒体輸送部15と、上記穀類原料膨化分離部13に対する穀類原料Kの投入量を調整する原料定量供給部17と、が更に備えられている。
そして、上記焙煎媒体輸送部15を備えることによって、上記穀類原料膨化分離部13によって分離された焙煎媒体Bは、再び焙煎媒体加熱部9に投入され、所定の温度に加熱されて循環利用されるように構成されており、焙煎媒体Bの効率的な使用と焙煎媒体Bを加熱するための熱エネルギー消費の削減とが図られている。
以下、本実施の形態による穀類焙煎用膨化装置2を構成する焙煎媒体加熱部9と、穀類原料膨化分離部13と、焙煎媒体輸送部15と、原料定量供給部17と、の具体的構成について詳細に説明する。
(A)焙煎媒体加熱部の構成(図3〜図6参照)
焙煎媒体加熱部9は、一例として図3、4に示すように矩形枠状に形成された支持フレーム19の上方に配置されており、加熱炉7を所定の温度に加熱する加熱手段21と、焙煎媒体Bを加熱炉7内に投入する投入シュート23と、投入された焙煎媒体Bを掬い上げて加熱ドラム8の外筒25と内筒27との間の外方空間26に供給する第1回転移送手段29と、上記外方空間26に供給された焙煎媒体Bを送り方向Fに導く勾配が設けられた外筒25と、該外筒25の内方に設けられ、その内方空間28に供給された焙煎媒体Bを戻し方向Gに導く勾配が設けられた内筒27と、を有する加熱ドラム8と、上記外方空間26の送り方向Fの端部に到達した焙煎媒体Bを掬い上げて上記内筒27の内方空間28に供給する第2回転移送手段31と、上記加熱ドラム8を水平に支持する回転軸33と、該回転軸33を回転駆動するモータM1と、を備え、該回転軸33を中心にして該加熱ドラム8を所定の方向に所定の回転数で回転させる加熱ドラム回転機構35と、上記内方空間28に供給され、戻し方向Gの端部に到達した焙煎媒体Bを上記穀類原料膨化分離部13に向けて排出する排出シュート37と、を具備することによって一例として構成されている。更に、上記内方空間28に供給され、戻し方向Gの端部に到達した焙煎媒体Bの一部を内方空間28から再び外方空間26に供給する循環口39を具備する構成とすることもできる。
加熱炉7は、一例として両端面が閉塞された筒胴を水平に倒した構造の密閉容器であり、上記閉塞された密閉容器の一面に一例としてバーナ21によって構成される上記加熱手段21が取り付けられている。また、加熱炉7には排気筒22が設けられており、該排気筒22にはその開度を調整するダンパ22aが配設されている。
投入シュート23は、上記バーナ21が設けられている側の上記加熱炉7の一面に一例として設けられており、該投入シュート23の下部は投入された焙煎媒体Bを一次貯留する円周方向に連続した樋状の一次貯留部41に臨んでいる。
第1回転移送手段29は、次に述べる加熱ドラム8の外筒25の外周面の一例として戻し方向Gの端部側に設けられており、図6に示すように一例として接線方向に傾斜して延びる複数の掬い板30を円周方向に等間隔で配置した水車様の機構である。
そして、上記第1回転移送手段29は上記一次貯留部41内に収容されるように配置されており、一次貯留部41に供給された焙煎媒体Bを上記掬い板30で掬って上方に移送し、次に述べる加熱ドラム8の外筒25に形成されている取入れ口43から上記外方空間26内に焙煎媒体Bを供給できるように構成されている。
加熱ドラム8は、両端面が閉塞された一例として円形断面の外筒25と、同じく両端面が閉塞された上記外筒25より一回り小さな一例として円形断面の内筒27と、を軸芯を一致させて組み合わせた二重筒構造に構成されており、該二重筒構造の筒体を水平に倒して回転する密閉容器として構成されている。
そして、外筒25は送り方向Fに口径が拡径するテーパ筒状に形成されており、上記外方空間26に供給された焙煎媒体Bは外筒25の内壁面に沿って送り方向Fに移動するように構成されている。これに対し内筒27は戻し方向Gに口径が拡径するテーパ筒状に形成されており、上記内方空間28に供給された焙煎媒体Bは内筒27の内壁面に沿って戻し方向Gに移動するように構成されている。
第2回転移送手段31は、上述した加熱ドラム8の内筒27の外周面の一例として送り方向Fの端部に設けられており、図6に示すように放射方向に延びる複数の仕切り板32を円周方向に等間隔で配置してバケットとして機能する複数の容器状の空間を形成した円周方向に連続して回転する樋状の機構である。
そして、上記外筒25の内壁面に沿って外方空間26の送り方向Fの端部に到達した焙煎媒体Bは、上記仕切り板32によって区画された容器状の空間に取り込まれ、上方に移送されて内筒27に形成されている取入れ口45から上記内方空間28内に焙煎媒体Bを供給できるように構成されている。
加熱ドラム回転機構35は、上記加熱炉7と加熱ドラム8を水平に貫き、支持部材47によって上記加熱ドラム8と一体に回転する回転軸33と、該回転軸33を回転可能な状態で水平に支承する軸受49、49と、該回転軸33を回転駆動するモータM1と、該モータM1の出力軸の回転を上記回転軸33に伝達する一例としてチェーンとスプロケットによって構成される動力伝達機構51と、上記軸受49、49とモータM1とを支持する支持フレーム53と、を備えることによって一例として構成されている。
排出シュート37は、一例として図3、4に示すようにホッパ37aと管状部材37bを組み合わせた構造を有しており、その取入れ口は上記内筒27の戻し方向Gの端部に臨むように配置されている。また、排出シュート37の取出し口は、後述する穀類原料膨化分離部13における投入シュート55に臨むように配置されている。
また、排出シュート37には、焙煎媒体加熱部9によって加熱された焙煎媒体Bの温度を計測する温度センサ38が取り付けられており、該温度センサ38によって計測した焙煎媒体Bの温度に基づいて上記バーナ21の火力調整が図られるように構成されている。
循環口39は、図8に示すように内筒27の戻し方向Gの端部寄りの外周面に一例として複数設けられている角窓状の開口であり、内方空間28を戻し方向Gに移動し、その端部に到達した焙煎媒体Bの一部を当該循環口39から外方空間26に戻して循環させる役割を有している。
因みに循環口39は必ずしも設けられていなくても良いが、循環口39を設けることによって投入シュート23から追加投入される他の焙煎媒体Bとの間の温度差が小さくなって、バーナ21による焙煎媒体Bの温度制御が容易かつ円滑に実行されるようになる。
(B)穀類原料膨化分離部の構成(図3、4及び図7参照)
穀類原料膨化分離部13は、一例として図3、4に示すように上記焙煎媒体加熱部9の下方であって該焙煎媒体加熱部9と軸方向を直交させた配置で設けられている。
穀類原料膨化分離部13は、一例として矩形枠状の支持フレーム37によって支持された膨化炉10と、上記焙煎媒体加熱部9で所定の温度に加熱された焙煎媒体Bと穀類原料Kを投入する投入シュート55と、投入された焙煎媒体Bと穀類原料Kを撹拌しながら送り方向Fに向けて流動搬送する送り手段12を有する短寸の膨化胴59と、該膨化胴59の送り方向Fに連接され、上記穀類原料Kと焙煎媒体Bとを分離する網胴61と該網胴61を被覆するようにその外方に設けられる外胴63とを有し、分離された穀類原料Kと焙煎媒体Bとを送り方向Fに導く勾配が設けられた分離胴65と、を備えた膨化・分離ドラム11と、上記膨化・分離ドラム11を水平に支持する回転軸67と、該回転軸67を回転駆動するモータM2と、を備え、該回転軸67を中心にして該膨化・分離ドラム11を所定の方向に所定の回転数で回転させる膨化・分離ドラム回転機構69と、上記網胴61によって分離され、上記外胴63の内壁面に沿って送り方向Fの端部に到達した焙煎媒体Bを外部に排出する排出シュート71と、上記網胴61によって分離され、該網胴61の内壁面に沿って送り方向Fの端部に到達した穀類原料Kを外部に取り出す取出し開口73と、を具備することによって一例として構成されている。
膨化炉10は、一例として両端面が閉塞された筒胴を水平に倒した構造の密閉容器であり、支持フレーム57によって水平に支持されている。また、膨化炉10の上記閉塞された端面の一面には、ホッパ55aと管状部材55bとによって構成される投入シュート55が設けられている。
また、上記投入シュート55に投入される焙煎媒体Bは、上記焙煎媒体加熱部9で一例として300℃程度に加熱された工業用珪砂、カルシウム粒あるいはセラミックス粒等であり、上記投入シート55に投入される穀類原料Kとしては、一例として大麦、小麦、大豆、玄米やほうじ茶や麦茶等の焙煎品Rを得るための原料である。
膨化・分離ドラム11は、上記投入シュート55が設けられる送り方向Fの上流側に設けられる膨化胴59と、送り方向Fの下流側に設けられる二重筒構造の分離胴65と、を直列的に接続することによって構成されている。
膨化胴59は、投入シュート55の管状部材55bの先端部が貫通している一端側が閉塞され、送り方向Fの他端側が開放されている一例として円形断面をした短寸の筒胴状の部材である。そして、膨化胴59の内部には一例とし螺線翼によって構成されている送り手段12が配設されている。
分離胴65は、一例として金網をテーパ筒状に巻いて形成した網胴61と、該網胴61の外周面を、空間を空けて被覆するようにその外方に設けられる同じくテーパ筒状をした外胴63とを軸芯が一致するように組み立てることによって構成されている。
網胴61は、軸方向の両端が開放されており、送り方向Fに行くに従って口径が大きくなるように形成されたテーパ筒状の部材であり、該網胴61の網目の大きさは穀類原料Kは通さないが焙煎媒体Bは通る大きさに設定されている。
外胴63は、上記網胴61と同様、送り方向Fに行くに従って口径が大きくなるように形成された上記網胴61よりも一回り大きなテーパ筒状の部材で、その両端面は閉塞されている。また、外胴63の周胴部には下方から排出シュート71が臨んでいる。該排出シュート71の下方には一例として振動コンベヤによって構成されている取出し搬送手段72が配設されている。
また、上記網胴61の送り方向Fの開放された端面は、上述したように取出し開口73になっており、該取出し開口73の下方には一例として振動コンベヤによって構成されている取出し搬送手段75が配設されている。
膨化・分離ドラム回転機構69は、上記膨化炉10と膨化・分離ドラム11を水平に貫き、支持部材89によって上記膨化・分離ドラム11と一体に回転する回転軸67と、該回転軸67を回転可能な状態で水平に支承する軸受93、93と、該回転軸67を回転駆動するモータM2と、該モータM2の出力軸の回転を上記回転軸67に伝達する一例としてチェーシとスプロケットによって構成される動力伝達機構95と、を備えることによって一例として構成されている。そして、上記軸受93、93とモータM2と膨化炉10は上述した支持フレーム57によって支持されている。
(3)焙煎媒体輸送部と原料定量供給部の構成(図3、4及び図8参照)
焙煎媒体輸送部15は、上述した穀類原料膨化分離部13の排出シュート71から排出された焙煎媒体Bを上述した焙煎媒体加熱部9の投入シュート23に輸送して再利用するための輸送装置である。そして、本実施の形態では一例としてバケット昇降機が焙煎媒体輸送部15を構成する主要な装置として採用されており、上記穀類原料膨化分離部13の排出シュート71から排出された焙煎媒体Bはバケット昇降機15に設けられている複数のバケット16によって順次掬い上げられて上方に輸送され、上方に位置する上記焙煎媒体加熱部9の投入シュート23に投入されて再び所定の温度に加熱されて循環利用される。
原料定量供給部17は、一例として投入ホッパ77と、スクリューコンベヤ79と、排出シュート81と、を備えることによって構成されており、投入ホッパ77に投入された穀類原料Kは、スクリューコンベヤ79によって設定される所定の搬送量で搬送されて排出シュート81から所定量ずつ穀類原料膨化分離部13の投入シュート55に上記焙煎媒体Bと共に投入される。
このようにして構成される本発明の穀類原料膨化装置2によれば、穀類原料膨化分離部13の膨化炉10に投入された穀類原料Kは、焙煎媒体Bの加熱を待つことなく、直ちに膨化が実行されて短時間で膨化が完了するようになる。従って、この段階では穀類原料Kの焙煎は進まず、次の段階で行われる穀類原料Kの焙煎と明確に区分けされ、穀類原料Kの膨化程度と焙煎程度を個別に設定できるようになる。
これにより、例えば煮出し用の麦茶、水出し用の麦茶、飲料ドリンク用の麦茶等の目的の違いに対応した最適な膨化程度と焙煎程度の組み合わせを実現して風味豊かで抽出後の色味や香りに優れ、収率の良好な穀類の焙煎品Rを製造し得るようになる。
(3)穀物焙煎装置の概略の構成(図9参照)
穀類焙煎装置3は、上記穀類焙煎用膨化装置2によって所定の膨化程度で膨化された穀物原料Kを更に加熱して所定の焙煎程度で焙煎して焙煎品Rを得る装置である。
本実施の形態では煮出し用の麦茶等の製造に使用される図示のような構造の穀類焙煎装置3を適用している。そして、この穀類焙煎装置3は、上述した本発明の穀類焙煎用膨化装置2における穀類原料膨化分離部13の構成に加熱手段であるバーナ83を付加した構成になっている。
具体的には、穀類焙煎装置3は、支持フレーム84によって水平に支持された焙煎炉85と、該焙煎炉85を所定の温度に加熱する加熱手段83と、膨化された穀類原料Kを投入する投入シュート87と、該投入シュート87に投入された穀類原料Kを焙煎・分離ドラム97に導く原料誘導筒99と、原料誘導筒99を介して供給される穀類原料Kを送り方向Fに移動させながら加熱された焙煎媒体Bと接触させて焙煎を実行し、焙煎媒体Bと穀類原料Kとを送り方向Fに導く勾配が設けられた焙煎胴101と、該焙煎胴101の送り方向Fに連接され、上記穀類原料Kと焙煎媒体Bとを分離する上記焙煎胴101と同様の勾配が設けられた網胴103と、該網胴103と上記焙煎胴101とを被覆するようにその外方に設けられる焙煎媒体Bを戻し方向Gに導く勾配が設けられた外胴105と、を備える焙煎・分離ドラム97と、上記焙煎胴101の投入シュート87側の端部に設けられ、上記外胴105の内壁面に沿って戻ってきた焙煎媒体Bを掬い上げて再び焙煎胴101内に戻す第3回転移送手段107と、上記焙煎・分離ドラム97を水平に支持する回転軸109と、該回転軸109を回転駆動するモータM3と、を備え、該回転軸109を中心にして該焙煎・分離ドラム97を所定の方向に所定の回転数で回転させる焙煎・分離ドラム機構111と、上記網胴103によって分離され、該網胴103の内壁面に沿って送り方向Fの端部に到達した焙煎品Rを外部に取り出す取出し口113と、を具備することによって一例として構成されている。
そして、このようにして構成される穀類焙煎装置3によれば、既に膨化が完了している穀類原料Kを原料として焙煎を実行できるから、膨化程度と関係なく自由に焙煎程度を設定して焙煎を実行できるようになる。
従って、上記穀類焙煎用膨化装置2と相俟って、従来製造が困難であった飲用ドリンク用等の焙煎品Rを効率よく高品質に製造できるようになる。また、膨化程度と焙煎程度を調整することで特徴的で新しい風味の焙煎品Rを製造できるようになる。
(4)穀類焙煎用膨化装置の作動態様(図8参照)
以下、本発明の穀類焙煎用膨化装置の作動態様を焙煎媒体Bと穀類原料Kの移送の流れに沿って説明する。
最初に焙煎媒体加熱部9を駆動する。バーナ21を点火し加熱炉7を加熱すると共にモータM1を駆動して回転軸33を所定の方向に所定の回転数で回転させる。この状態で投入シュート23に焙煎媒体Bを投入すると、焙煎媒体Bは一時貯留部41に至り、第1回転移送手段29の掬い板30で掬い上げられて外筒25の取入れ口43から加熱ドラム8の外方空間26に供給される。
外方空間26に供給された焙煎媒体Bは、外筒25の勾配により外筒25の内壁面に沿って送り方向Fに移動しながら加熱され、外方空間26の送り方向Fの端部に到達後、第2回転移送手段31により上方に掬い上げられて内筒27に形成されている取入れ口45から内筒27の内方空間28に供給される。
内方空間28に供給された焙煎媒体Bは、内筒27の勾配により内筒27の内壁面に沿って戻し方向Gに移動し、内方空間28の戻し方向Gの端部に到達後、一例としてその約半分の量が排出シュート37に排出され、残りの約半分の量が循環口39から再び外方空間26に至り、第2回転移送手段31によって掬い上げられて取入れ口45から再び内方空間28に供給されて循環利用される。また、焙煎媒体Bの加熱温度は温度センサ38によって管理されており、温度センサ38によって計測した焙煎媒体Bの温度に基づいてバーナ21の出力が適宜調整される。
次に、穀類原料膨化分離部13と原料定量供給部17と焙煎媒体輸送部15を駆動する。上記焙煎媒体加熱部9で所定の加熱温度に加熱された焙煎媒体Bと、上記原料定量供給部17から供給される穀類原料Kを投入シュート55に投入する。
投入シュート55に投入された、加熱された焙煎媒体Bと穀類原料Kは膨化胴59内に供給され、モータM2の駆動力を受けて回転する回転軸67と一体になって回転する送り手段12により、一例として7回転で7ピッチ移動して網胴61に至るように構成されている。
膨化胴59内を加熱された焙煎媒体Bと接触した状態で撹拌されて移動する穀類原料Kは、焙煎媒体Bから伝達される熱によって所定の温度に加熱されて膨化が実行され、網胴61に到達するまでの比較的短時間で膨化が完了する。
所定の膨化程度に膨化された穀類原料Kと焙煎媒体Bは、網胴61内に送られ、網胴61の網目より小さな焙煎媒体Bは、当該網目を通って下方に落下して外胴63に至る。一方、網胴61の網目より大きな穀類原料Kは、網胴61の勾配により網胴61の内壁面に沿って送り方向Fに移動して取出し開口73から外部に取り出されて取出し搬送手段75及び穀類原料搬送装置4を経て穀類原料Kの焙煎を行う穀類焙煎装置3に供給される。
また、網胴61の網目を通って外胴63内に落下した焙煎媒体Bは、外胴63の勾配により外胴63の内壁面に沿って送り方向Fに移動して外胴63の下方に配置されている排出シュート71によって外部に排出される。
また、排出シュート71から外部に排出された焙煎媒体Bは、焙煎媒体輸送部15によって上方に輸送され、上記焙煎媒体加熱部9の投入シュート23に再び投入され、所定の温度に加熱されて循環利用される。
(5)膨化程度と焙煎程度の組み合わせとその使用目的の一例(図10〜図12参照)
次に、このようにして構成される本発明の穀類焙煎用膨化装置2と穀類焙煎装置3を使用することによって実行可能な膨化程度と焙煎程度の組み合わせと、その使用目的の一例について説明する。
(A)飲料ドリンク用等の焙煎品を製造する場合(図10参照)
飲料ドリンク用等の焙煎品Rを製造する場合には、焙煎媒体Bの加熱温度を高め(一例として350℃〜400℃)にし、穀類焙煎用膨化装置2で行う膨化程度を強めに設定する。
この場合、穀類焙煎装置3で行う焙煎程度を強めに設定すれば、短時間でも色や味が濃く出るティーバッグ用等に好適な焙煎品Rが得られる。また、当該焙煎程度を中程度または弱めに設定すれば、その焙煎程度に応じた抽出時間、色、味の飲料ドリンク用等に好適な焙煎品Rが得られる。
(B)ティーバッグ用等の焙煎品を製造する場合(図11参照)
ティーバッグ用等の焙煎品Rを製造する場合には、焙煎媒体Bの加熱温度を中程度(一例として250℃〜350℃)にし、穀類焙煎用膨化装置2で行う膨化程度を中程度に設定する。
この場合、穀類焙煎装置3で行う焙煎程度を強めに設定すれば、色、香り、風味の良いティーバッグ用等に好適な焙煎品Rが得られる。また、当該焙煎程度を中程度に設定すれば飲料ドリンク用等に好適な焙煎品Rが得られ、当該焙煎程度を弱めに設定すれば、穀類原料Kが本来持つ優しい風味の煮出し用等に好適な焙煎品Rが得られる。
(C)煮出し用等の焙煎品を製造する場合(図12参照)
煮出し用等の焙煎品Rを製造する場合には、焙煎媒体Bの加熱温度を弱め(一例として250℃以下)にし、穀類焙煎用膨化装置2で行う膨化程度を硬炒りと呼ばれる弱めに設定する。
この場合、穀類焙煎装置3で行う焙煎程度を強めに設定すれば、焦げ感の少ない風味の煮出し用等に好適な焙煎品Rが得られる。また、当該焙煎程度を中程度または弱めに設定すれば更に焦げ感の少ないさっぱりとした風味の焙煎品Rが得られるが、現段階ではその具体的な使用目的は特に確定していない。
本発明の穀類焙煎用膨化装置2及び該膨化装置2を備えた穀類焙煎機1は、以上述べた実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では穀類焙煎装置3として、麦茶の煮出し用の焙煎品Rの製造等に使用されている既存の穀類焙煎装置3を使用したが、焙煎程度の調整を容易にした別途の専用の穀類焙煎装置3を適用することが可能である。具体的には焙煎胴101の長さを可変できるようにしてもよいし、焙煎胴101を傾斜できるようにして、その傾斜角度に応じて穀類原料Kと焙煎媒体Bの送り速度を可変できるようにすることも可能である。
また、工場レイアウト等の関係で焙煎媒体加熱部9の投入シュート23と穀類原料膨化分離部13の排出シュート71との間の距離が長くなる場合には、上記投入シュート23と排出シュート71間の焙煎媒体Bの輸送を担っている焙煎媒体輸送部15の途中に別途の加熱手段を設けることが可能である。
また、焙煎媒体加熱部9や穀類焙煎装置3に対して設けられる加熱手段21、83としては、上記実施の形態で述べたバーナに限らず他の加熱手段でもよく、バーナを補助する目的で熱風発生装置等と併用する構成の加熱手段であってもよい。
本発明の穀類焙煎用膨化装置及び該膨化装置を備えた穀類焙煎機は、麦茶等の原料となる穀類の焙煎品の製造現場等で利用でき、特に膨化程度と焙煎程度の組み合わせを変えてより使用目的に合った焙煎品を製造したい場合や、従来にない使用目的の新たな焙煎品を製造したい場合に利用可能性を有する。
1 穀類焙煎機
2 穀類焙煎用膨化装置
3 穀類焙煎装置
4 穀類原料搬送装置
5 スクリューコンベヤ
7 加熱炉
8 加熱ドラム
9 焙煎媒体加熱部
10 膨化炉
11 膨化・分離ドラム
12 送り手段
13 穀類原料膨化分離部
15 焙煎媒体輸送部(バケット昇降機)
16 バケット
17 原料定量供給部
19 支持フレーム
21 バーナ(加熱手段)
22 排気筒
22a ダンパ
23 投入シュート
25 外筒
26 外方空間
27 内筒
28 内方空間
29 第1回転移送手段
30 掬い板
31 第2回転移送手段
32 仕切り板
33 回転軸
35 加熱ドラム回転機構
37 排出シュート
37a ホッパ
37b 管状部材
38 温度センサ
39 循環口
41 一時貯留部
43 取入れ口
45 取入れ口
47 支持部材
49 軸受
51 動力伝達機構
53 支持フレーム
55 投入シュート
55a ホッパ
55b 管状部材
57 支持フレーム
59 膨化胴
61 網胴
63 外胴
65 分離胴
67 回転軸
69 膨化・分離ドラム回転機構
71 排出シュート
72 取出し搬送手段
73 取出し開口
75 取出し搬送手段
77 投入ホッパ
79 スクリューコンベヤ
81 排出シュート
83 バーナ(加熱手段)
84 支持フレーム
85 焙煎炉
87 投入シュート
89 支持部材
93 軸受
95 動力伝達機構
97 焙煎分離ドラム
99 原料誘導筒
101 焙煎胴
103 網胴
105 外胴
107 第3回転移送手段
109 回転軸
111 焙煎・分離ドラム回転機構
113 取出し開口
B 焙煎媒体
K 穀類原料
R 焙煎品
F 送り方向
G 戻し方向
M モータ

Claims (6)

  1. 加熱した焙煎媒体と穀類原料を混合させながら流動させることで、穀類原料の膨化と焙煎を行う穀類焙煎用膨化装置において、
    穀類原料の膨化に使用する焙煎媒体を加熱炉内に導入して加熱ドラムで回転させながら所定の温度に加熱する焙煎媒体加熱部と、
    加熱された焙煎媒体と穀類原料を膨化炉内に導入して膨化・分離ドラムで回転させながら送り手段によって所定の方向に流動搬送して上記穀類原料を所定の膨化程度に膨化させると共に、膨化した穀類原料を焙煎媒体と分離して外部に排出する穀類原料膨化分離部と、を備え、
    上記焙煎媒体加熱部の加熱炉と上記穀類原料膨化分離部の膨化炉とは別体に構成されており、上記焙煎媒体は上記膨化炉内に導入される時点で穀類原料の膨化に必要な所定の温度に加熱されていて、該膨化炉内では穀類原料の膨化が直ちに実行されて完了するように構成されていることを特徴とする穀類焙煎用膨化装置。
  2. 上記焙煎媒体加熱部は、加熱炉内を所定の温度に加熱する加熱手段と、
    焙煎媒体を加熱炉内に投入する投入シュートと、
    投入された焙煎媒体を掬い上げて加熱ドラムの外筒と内筒との間の外方空間に供給する第1回転移送手段と、
    上記外方空間に供給された焙煎媒体を送り方向に導く勾配が設けられた外筒と、該外筒の内方に設けられ、その内方空間に供給された焙煎媒体を戻し方向に導く勾配が設けられた内筒と、を有する加熱ドラムと、
    上記外方空間の送り方向の端部に到達した焙煎媒体を掬い上げて上記内筒の内方空間に供給する第2回転移送手段と、
    上記加熱ドラムを水平に支持する回転軸と、該回転軸を回転駆動するモータと、を備え、該回転軸を中心にして該加熱ドラムを所定の方向に所定の回転数で回転させる加熱ドラム回転機構と、
    上記内方空間に供給され、戻し方向の端部に到達した焙煎媒体を上記穀類原料膨化分離部に向けて排出する排出シュートと、を具備していることを特徴とする請求項1記載の穀類焙煎用膨化装置。
  3. 上記内方空間に供給され、戻し方向の端部に到達した焙煎媒体の一部を内方空間から再び外方空間に供給する循環口を具備していることを特徴とする請求項2記載の穀類焙煎用膨化装置。
  4. 上記穀類原料膨化分離部は、膨化炉と、
    上記焙煎媒体加熱部で所定の温度に加熱された焙煎媒体と穀類原料を膨化炉に投入する投入シュートと、
    投入された焙煎媒体と穀類原料を撹拌しながら送り方向に向けて流動搬送する送り手段を有する短寸の膨化胴と、該膨化胴の送り方向に連接され、上記穀類原料と焙煎媒体とを分離する網胴と該網胴を被覆するようにその外方に設けられる外胴とを有し、分離された穀類原料と焙煎媒体とを送り方向に導く勾配が設けられた分離胴と、を備えた膨化・分離ドラムと、
    上記膨化・分離ドラムを水平に支持する回転軸と、該回転軸を回転駆動するモータと、を備え、該回転軸を中心にして該膨化・分離ドラムを所定の方向に所定の回転数で回転させる膨化・分離ドラム回転機構と、
    上記網胴によって分離され、上記外胴の内壁面に沿って送り方向の端部に到達した焙煎媒体を外部に排出する排出シュートと、
    上記網胴によって分離され、該網胴の内壁面に沿って送り方向の端部に到達した穀類原料を外部に取り出す取出し開口と、を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の穀類焙煎用膨化装置。
  5. 上記焙煎媒体加熱部と穀類原料膨化分離部は、焙煎媒体輸送部によって焙煎媒体の搬送経路が接続されており、
    上記穀類原料膨化分離部によって分離された焙煎媒体は、再び焙煎媒体加熱部に投入され、所定の温度に加熱されて循環利用されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の穀類焙煎用膨化装置。
  6. 加熱した焙煎媒体と穀類原料を混合させながら流動させることで、穀類原料の膨化と焙煎を行う穀類焙煎機において、
    穀類原料を所定の膨化程度で膨化する穀類焙煎用膨化装置と、
    上記穀類焙煎用膨化装置によって膨化された穀類原料を所定の焙煎程度で焙煎する穀類焙煎装置と、
    上記穀類焙煎用膨化装置によって膨化された穀類原料を上記穀類焙煎装置に搬送する穀類原料搬送装置と、を備え、
    上記穀類焙煎用膨化装置として、請求項1〜5のいずれかに記載の穀類焙煎用膨化装置を適用したことを特徴とする穀類焙煎機。
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