JP2018006052A - 誘電体複合材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電体の含有量が相対的に少なく、かつ、高い比誘電率を持つ誘電体複合材料及びその製造方法を提供すること。【解決手段】誘電体複合材料は、樹脂からなるマトリックスと、前記マトリックスの内部に分散している無機化合物からなる誘電体相とを備え、前記誘電体相は、前記マトリックスの内部において、電極対向方向に連結している構造を持つ。誘電体複合材料は、前記樹脂からなるマトリックス粒子の周囲に前記無機化合物からなる被膜が形成された複合粒子の結合体からなるものが好ましい。このような誘電体複合材料は、樹脂からなるマトリックス粒子の表面に無機化合物からなる被膜を形成して複合粒子とし、前記複合粒子を成形することにより得られる。【選択図】図7

Description

本発明は、誘電体複合材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、樹脂母材内部で無機化合物が連結した材料組織を持つ誘電体複合材料及びその製造方法に関する。
電子機器の受動素子であるコンデンサや回路基板の一種として有機材料が広く用いられている。この用途に求められる特性として重要なものの1つに、比誘電率が高いこと(高誘電率)が挙げられる。比誘電率に比例して材料の静電容量は大きくなるので、高誘電率のコンデンサは、大きな静電容量を得やすく、部品の小型化に有利である。しかし、有機材料は、一般に比誘電率が低い。そのため、有機材料の比誘電率を高めるために、高誘電率を持つ無機フィラーを有機材料中に充填した複合材料、すなわち、有機材料と無機材料の両方の利点を併せ持つ複合材料が広く提案されている。
例えば、特許文献1には、
(a)フェノキシ樹脂ワニス:16体積%、フェノキシ樹脂用架橋剤(変性メラミン樹脂):4体積%、及び、チタン酸バリウム粉:80体積%を混練し、
(b)混練物を乾燥・粉砕して微粉末とし、微粉末を熱プレスする
ことにより得られる複合誘電体が開示されている。
同文献には、通常の複合誘電体の場合、セラミクス粉の充填量は60〜70体積%が限界であるのに対し、高分子量の線状ポリマーであるフェノキシ樹脂をバインダーとして使用すると、電極の密着性を悪化させずに90体積%程度までセラミクス粉の充填が可能になる点が記載されている。
特許文献2には、有機樹脂絶縁層と薄膜配線導体とを交互に積層した多層配線基板が開示されている。
同文献には、
(a)有機樹脂絶縁層に5〜95重量%の金属フィラーと5〜75重量%の誘電物フィラー(比誘電率:20以上)とを含有させ、有機樹脂絶縁層の上下面に薄膜配線導体を配設すると、基板内部に容量素子を形成できる点、及び、
(b)有機樹脂絶縁層に金属フィラーを含有させると、薄膜配線導体間に位置する有機樹脂絶縁層の厚さが実質的に薄くなるために、容量素子の静電容量が向上する点
が記載されている。
特許文献3には、
(a)樹脂:30体積%、誘電体フィラー(BaTiO3):30〜60体積%、及び導電体フィラー(Sn粉末):10〜40体積%を混練し、
(b)混練物を熱プレスする
ことにより得られる高誘電率複合材料が開示されている。
同文献には、熱プレスにより硬度の低い導電体フィラーが変形し、導電体フィラーが誘電体フィラー間を電気的に接続するために、複合材料の誘電率が向上する点が記載されている。
特許文献4には、有機材料と無機材料とを含む複合材料ではないが、
(a)下部電極層を形成したガラス基板上に、エアロゾルデポジション(AD)法を用いて金被覆BaTiO3粉末からなる厚さ2μmの誘電体層を形成し、
(b)誘電体層の上に、スパッタ法により上部電極層を形成する
キャパシタ素子の製造方法が開示されている。
同文献には、
(a)金被覆BaTiO3粉末をエアロゾル化させて電極層に吹き付けて固化させると、微視的には誘電体部と導電部とが交互に堆積した状態になり、微小なキャパシタが電気的に並列に接続されたような構造が形成される点、及び、
(b)これによって、誘電体層の実質的な誘電率が向上する点、
が記載されている。
さらに、非特許文献1には、樹脂材料中で対向する電極方向で誘電体フィラー同士が互いに接触することにより3次元ネットワークを形成した場合、その複合材料を等価回路としてみた時、誘電体フィラーの容量成分と誘電体フィラー間の樹脂材料の容量成分が並列的に接続した、いわゆる「並列接続モデル」に近づくことが示されている。
熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と誘電体フィラーとを単に混合した複合材料系において、高誘電率を得るためには、大量の誘電体フィラーを含有させる必要がある(特許文献1〜3参照)。しかし、一般に、誘電体フィラーの含有量が多くなるほど、良質な成形体を得ることが困難となる。
また、樹脂中に、単に誘電体フィラーを混ぜただけでは、効果的に高誘電率を得ることはできない。これは、樹脂中に誘電体フィラーがランダムに分散している複合材料を等価回路で考えた時、誘電体フィラーの容量成分と誘電体フィラー間を埋める樹脂の容量成分が直列的に繋がった、いわゆる「直列接続モデル」に近い構造となるためと考えられる。複合材料の比誘電率は、樹脂の比誘電率に大きく影響されるため、高い比誘電率を持つ誘電体フィラーを多量に添加した場合であっても、フィラー同士が孤立している時には、比誘電率を向上させる効果が少ないと思われる。
従って、複合材料の比誘電率を上げるには、誘電体フィラーの容量成分と誘電体フィラー間を埋める樹脂の容量成分が並列的に繋がった並列接続モデルに近づけるのが好ましいと考えられる(非特許文献1参照)。しかし、単にフィラーの充填量や粒子径を変更するだけでは、並列接続モデルを持つ複合材料は得られない。
一方、特許文献2、3に記載されているように、誘電体フィラー粒子間を導電体フィラーで電気的に接続すると、並列接続モデルに近づけることができ、高い比誘電率を得ることができる。しかし、複合材料内部に導電体を含むため、高い絶縁性が要求される用途では不利となる。
さらに、有機−無機複合材料ではないが、特許文献4には、AD法を用いて、金属が被覆された無機粒子を堆積させることで並列接続モデルを持つコンデンサを製造する方法が提案されている。しかし、AD法では膜堆積時に大きな衝撃力が加わるため、被膜が破壊されるおそれがあり、理想的な並列接続モデルとなる構造を得ることは困難と考えられる。また、AD法の場合、樹脂を堆積させるのは難しいと考えられる。さらに、並列接続モデル又はこれに近い構造を持ち、かつ、導電体フィラーを含まない誘電体複合材料が提案された例は、従来にはない。
特開平06−060719号公報 特開平10−150272号公報 特開2002−093954号公報 特開2008−016578号公報
R. E. Newham et al., Mat. Res. Bull. vol.13, p. 525-536, 1978
本発明が解決しようとする課題は、並列接続モデル又はこれに近い構造を持ち、かつ、導電体フィラーを含まない誘電体複合材料及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、誘電体の含有量が相対的に少なく、かつ、高い比誘電率を持つ誘電体複合材料及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る誘電体複合材料は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記誘電体複合材料は、
樹脂からなるマトリックスと、
前記マトリックスの内部に分散している無機化合物からなる誘電体相と
を備え、
前記誘電体相は、前記マトリックスの内部において、電極対向方向に連結している構造を持つ。
(2)前記誘電体複合材料は、前記樹脂からなるマトリックス粒子の周囲に前記無機化合物からなる被膜が形成された複合粒子の結合体からなる。
本発明に係る誘電体複合材料の製造方法は、
樹脂からなるマトリックス粒子の表面に無機化合物からなる被膜を形成し、複合粒子を得る被膜形成工程と、
前記複合粒子を成形し、本発明に係る誘電体複合材料を得る成形工程と
を備えていることを要旨とする。
樹脂からなるマトリックスの内部において、無機化合物からなる誘電体を電極対向方向に連結させると、電極対向方向では、並列接続モデル又はこれに近い構造となる。そのため、少量の無機化合物の添加で高い比誘電率が得られる。また、並列接続モデル又はこれに近い構造を得るために導電体フィラーを添加する必要がないため、絶縁性も高い。
このような構造を備えた誘電体複合材料は、例えば、マトリックス粒子の表面に無機化合物からなる被膜を形成して複合粒子とし、複合粒子を成形することにより得られる。
誘電体複合材料の構造と比誘電率との関係を示す図である。 従来の複合材料(図2(a))、電極対向方向に誘電体フィラーが連結している複合材料(図2(b))、及び樹脂粒子の周囲(界面)に無機材料からなる被膜が形成された複合材料(図2(c))の断面模式図である。 未処理の樹脂粒子の反射電子像写真(図3(a))、並びに、60分(図3(b))、180分(図3(c))、又は300分(図3(d))の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子のSEM写真である。
未処理の樹脂粒子及び300分の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子の蛍光X線スペクトルである。 未処理の樹脂粒子及び300分の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子のXRDパターンである。 300分の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子の熱重量変化である。 誘電体複合材料の比誘電率(図7(a))、及び誘電損失(図7(b))の被覆処理時間依存性を示す図である。 未処理の樹脂粒子からなる基板(図8(a))、及び、60分(図8(b))又は300分(図8(c))の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子からなる基板の断面のSEM写真である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 誘電体複合材料]
本発明に係る誘電体複合材料は、
樹脂からなるマトリックスと、
前記マトリックスの内部に分散している無機化合物からなる誘電体相と
を備え、
前記誘電体相は、前記マトリックスの内部において、電極対向方向に連結している構造を持つ。
[1.1. マトリックス]
[1.1.1. 組成]
マトリックスは、樹脂からなる。本発明において、マトリックスを構成する樹脂の組成は、誘電体特性を持つ樹脂である限りにおいて、特に限定されない。
マトリックスを構成する樹脂としては、例えば、
(a)フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリイミドなどの熱硬化性樹脂、
(b)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アクリル樹脂、フッ素樹脂、熱可塑性ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、
などがある。
マトリックスには、これらのいずれか1種の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を用いても良く、あるいは、2種以上の熱硬化性樹脂又は2種以上の熱可塑性樹脂を組み合わせて用いても良い。さらに、1種又は2種以上の熱硬化性樹脂と、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂とを組み合わせて用いても良い。
[1.1.2. 比誘電率]
マトリックスを構成する樹脂の比誘電率は、高い程よい。一般に、樹脂の比誘電率は、最大でも5程度であり、無機化合物からなる誘電体より低い。しかし、樹脂は、比誘電率が低いため、その誘電損失も低い値を示しやすい。
[1.1.3. 組織]
本発明に係る誘電体複合材料は、並列接続モデル又はこれに近い構造を備えている限りにおいて、マトリックスの形状(すなわち、誘電体複合材料の組織)は、特に限定されない。
並列接続モデル又はこれに近い構造を容易に形成するためには、誘電体複合材料は、樹脂からなるマトリックス粒子の周囲に無機化合物からなる被膜が形成された複合粒子の結合体からなるものが好ましい。
[1.1.4. マトリックス粒子の平均径]
誘電体複合材料がマトリックス粒子/無機化合物被膜からなる複合粒子の結合体からなる場合、マトリックス粒子の平均径は、目的に応じて最適な値を選択することができる。
ここで、「マトリックス粒子の平均径」とは、誘電体複合材料の断面に含まれる100個以上のマトリックス粒子の大きさ(最小外接円の直径)のメディアン値(サンプリングした粒子の50%に相当する粒子のサイズ)をいう。
一般に、無機化合物からなる被膜に比べてマトリックス粒子の平均径が大きくなるほど、並列接続モデル又はこれに近い構造を形成しやすくなる。しかし、被膜の厚さが同一である場合、マトリックス粒子の平均径が大きくなりすぎると、単位体積あたりの無機化合物の含有量が少なくなるために、高い比誘電率は得られない。従って、マトリックス粒子の平均径は、100μm以下が好ましい。マトリックス粒子の平均径は、好ましくは、50μm以下、さらに好ましくは、30μm以下である。
一方、マトリックス粒子が相対的に小さい場合であっても、後述する方法を用いると、並列接続モデル又はこれに近い構造を比較的容易に形成することができる。しかし、マトリックス粒子の平均径が小さくなりすぎると、マトリックス粒子の製造性、取扱性、充填性等が低下する。従って、マトリックス粒子の平均径は、0.1μm以上が好ましい。マトリックス粒子の平均径は、好ましくは、0.5μm以上、さらに好ましくは、1μm以上である。
[1.2. 誘電体相]
[1.2.1. 組成]
誘電体相は、無機化合物からなる。本発明において、誘電体相を構成する無機化合物の組成は、マトリックスを構成する樹脂より高い誘電特性を持つ無機化合物(誘電体無機化合物)である限りにおいて、特に限定されない。
誘電体相を構成する無機化合物としては、化学式がABO3で表される無機化合物が好ましい。ここで、ABO3で表される無機化合物としては、例えば、
(a)AがBa、Pb、Ca、Srなどの2価元素からなり、BがTi、Zr、Sn、Hfなどの4価元素からなるもの、
(b)AがLi、Na、Kなどの1価元素からなり、BがNb、Taなどの5価元素からなるもの、
(c)これらの固溶体
などがある。
これらの中でも、BaTiO3は、他の無機化合物に比べて比誘電率が高いので、誘電体相を構成する無機化合物として好適である。
[1.2.2. 比誘電率]
誘電体相を構成する無機化合物は、少なくとも比誘電率がマトリックスを構成する樹脂より高いものである必要がある。通常、誘電特性を持つ無機化合物の比誘電率は、樹脂のそれより高い。
比誘電率の高い誘電体複合材料を得るためには、無機化合物の比誘電率は、高いほど良い。具体的には、無機化合物の比誘電率は、10以上が好ましい。無機化合物の比誘電率は、好ましくは、20以上、さらに好ましくは、40以上である。
なお、無機化合物の比誘電率は、そのサイズがナノレベルになると外部磁場の影響により変化することが知られている。本発明において、「無機化合物の比誘電率」という時は、バルクの状態での比誘電率をいう。
[1.2.3. 結晶性]
一般に、並列接続モデル又はこれに近い構造を持つ誘電体複合材料において、誘電体複合材料に含まれる無機化合物の大きさが小さくなるほど、少量の無機化合物の添加で高い比誘電率が得られる。一方、無機化合物の大きさが小さくなるほど、無機化合物の結晶性が低下する。一般に、誘電特性を示す無機化合物は、結晶性が低くなるほど、比誘電率が低下する。そのため、誘電体相を構成する無機化合物の結晶性は、高い程よい。
比誘電率の高い誘電体複合材料を得るためには、誘電体相を構成する無機化合物は、結晶子サイズが20nm以上であるものが好ましい。無機化合物の結晶子サイズは、好ましくは、50nm以上、さらに好ましくは、70nm以上である。
ここで、「無機化合物の結晶子サイズ」とは、X線回折ピークの半値半幅及びシェラーの式から求められる結晶子サイズをいう。
[1.2.4. 無機化合物の含有量]
無機化合物の含有量は、誘電体複合材料の比誘電率に影響を与える。一般に、無機化合物の含有量が少なすぎると、並列接続モデル又はこれに近い構造を形成するのが困難となる。従って、無機化合物の含有量は、0.1体積%以上が好ましい。無機化合物の含有量は、好ましくは、0.5体積%以上、さらに好ましくは、1.5体積%以上である。
一方、無機化合物の含有量が過剰になると、成形性が低下し、誘電体複合材料中に気孔が生成しやすくなる。誘電体複合材料中の気孔は、誘電体複合材料の比誘電率を低下させる原因となる。従って、無機化合物の含有量は、30体積%以下が好ましい。無機化合物の含有量は、好ましくは、20体積%以下、さらに好ましくは、10体積%以下である。
[1.2.5. 組織]
誘電体相は、マトリックスの内部に分散している。本発明において、誘電体相は、マトリックスの内部において、電極対向方向に連結している構造を備えている必要がある。誘電体相が電極対向方向に連結するようにマトリックスの内部に分散している場合、このような組織を呈する誘電体複合材料は、並列接続モデル又はこれに近い構造となる。
誘電体複合材料は、通常、これを板状又は薄膜状とし、かつ、上下面に電極を接合した状態で用いられる。「電極対向方向に連結している」とは、板状又は薄膜状の誘電体複合材料の上下面に電極を接合したと仮定した時に、一方の電極の接合面から他方の電極の接合面に向かって、無機化合物が電気的に繋がっていることをいう。
並列接続モデル又はこれに近い構造となるように、マトリックスの内部に無機化合物を分散させると、無機化合物の含有量が同一である他の構造(直列接続モデル又はランダム分散モデル)に比べて高い比誘電率が得られる。
特に、誘電体複合材料は、樹脂からなるマトリックス粒子の周囲に無機化合物からなる被膜が形成された複合粒子の結合体からなるものが好ましい。マトリックス粒子の周囲を無機化合物からなる皮膜で被覆すると、無機化合物の含有量が少ない場合であっても、並列接続モデル又はこれに近い構造を比較的容易に形成することができる。
[1.2.6. 被膜の厚さ]
マトリックス粒子の周囲を無機化合物からなる被膜で被覆する場合において、被膜の厚さは、誘電体複合材料の比誘電率に影響を与える。一般に、マトリックス粒子の平均径に比べて被膜が厚くなるほど、高い比誘電率が得られる。このような効果を得るためには、被膜の厚さは、マトリックス粒子の平均径の0.02%以上が好ましい。被膜の厚さは、好ましくは、マトリックス粒子の平均径の0.1%以上、さらに好ましくは、0.25%以上である。
一方、被膜が厚くなりすぎると、成形時に被膜が剥離したり、あるいは、成形性が低下する恐れがある。従って、被膜の厚さは、マトリックス粒子の平均径の6%以下が好ましい。被膜の厚さは、好ましくは、マトリックス粒子の平均径の4%以下、さらに好ましくは、2%以下である。
[1.2.7. 被膜厚さの均一性]
マトリックス粒子の周囲を無機化合物からなる被膜で被覆する場合において、被膜厚さの均一性は、誘電体複合材料の比誘電率に影響を与える。一般に、被膜厚さの均一性が高くなるほど、成形性が良好となるので、均一な組織を持つ複合材料が得られ、電極間での無機化合物の連結部分が多くなりやすく、効果的に比誘電率が向上する。このような効果を得るためには、被膜厚さの均一性は、6%以下が好ましい。被膜厚さの均一性は、好ましくは、4%以下、さらに好ましくは、2%以下である。
ここで、「被膜厚さの均一性(%)」とは、複合材料の断面において無作為に選んだ100箇所以上で測定された被膜の厚さから算出される値であって、「被膜の厚さの標準偏差×100/被膜の厚さの平均値」で表される値をいう。
[2. 誘電体複合材料の製造方法]
本発明に係る誘電体複合材料の製造方法は、
マトリックス粒子の周囲が無機化合物からなる被膜で被覆された複合粒子の結合体からなる誘電体複合材料を製造するための方法であって、
樹脂からなるマトリックス粒子の表面に無機化合物からなる被膜を形成し、複合粒子を得る被膜形成工程と、
前記複合粒子を成形し、本発明に係る誘電体複合材料を得る成形工程と
を備えている。
[2.1. 被膜形成工程]
まず、樹脂からなるマトリックス粒子の表面に無機化合物からなる被膜を形成し、複合粒子を得る(被膜形成工程)。
[2.1.1. マトリックス粒子]
[A. 組成]
マトリックス粒子は、樹脂からなる。マトリックス粒子を構成する樹脂の組成については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[B. 平均粒径]
複合粒子を成形して誘電体複合材料とする場合、極端な成形条件を用いない限り、出発原料であるマトリックス粒子の平均粒径は、誘電体複合材料内のマトリックス粒子の平均径とほぼ同等となる。好適なマトリックス粒子の平均径については、上述した通りであるので、説明を省略する。
ここで、出発原料である「マトリックス粒子の平均粒径」とは、レーザー回折散乱法により測定される粒径のメディアン値(D50)をいう。
なお、マトリックス粒子は、単分散であっても良く、あるいは、粒径に分布があっても良い。適度な粒度分布を持つマトリックス粒子を出発原料に用いると、成形時に被膜の破れを抑制することができ、かつ、成形時の充填性も向上する場合がある。
[C. 粒子形状]
マトリックス粒子の形状は、特に限定されない。但し、マトリックス粒子の形状が不定形であると、成形時の流動性が低下し、誘電体複合材料中に気孔が生成しやすくなる。高い流動性を得るためには、マトリックス粒子は、球形が好ましい。
[2.1.2. 被膜]
被膜は、無機化合物からなる。被膜を構成する無機材料の組成、結晶性、及び含有量、並びに、好適な被膜の厚さ、被膜の均一性等については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.1.3. 被膜の形成方法]
マトリックス粒子表面への被膜の形成方法は、室温近傍においてマトリックス粒子の表面に被膜を形成することが可能な限りにおいて、特に限定されない。被膜の形成方法としては、例えば、レーザーアブレーション法、PVD法、スパッタ法などがある。
これらの内、PVD法やスパッタ法では、通常、アモルファス状の被膜が得られ、結晶性の高い被膜は得られない。アモルファス状の被膜を結晶化させる方法として、例えば、熱処理が考えられるが、マトリックス粒子は樹脂であるため、熱処理による結晶化は困難である。これに対し、レーザーアブレーション法は、室温近傍で結晶性の高い被膜を形成できるので、被膜の形成方法として好適である。
[2.2. 成形工程]
次に、前記複合粒子を成形し、本発明に係る誘電体複合材料を得る(成形工程)。
成形方法及び成形条件は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な方法及び条件を選択することができる。成形方法としては、例えば、一軸プレス法、ホットプレス法などがある。
[3. 作用]
図1に、誘電体複合材料の構造と比誘電率との関係を示す。樹脂材料(1)中に誘電体フィラー(2)が分散している複合材料において、樹脂材料及び誘電体フィラーの比誘電率を、それぞれ、ε1及びε2とし、それらの体積分率を、それぞれ、V1及びV2とする。また、複合材料全体の比誘電率をεとする。
樹脂材料及び誘電体フィラーが並列に接続される場合、複合材料全体の比誘電率εは、次の式(1)で表される。
ε=V1ε1+V2ε2 ・・・(1)
式(1)より、並列接続モデルの複合材料において、ε1に比べてε2が十分に高い場合には、V2が僅かな量であっても、比誘電率εが向上することがわかる。
一方、樹脂材料及び誘電体フィラーが直列に接続される場合、複合材料全体の比誘電率εは、次の式(2)で表される。
1/ε=V1/ε1+V2/ε2 ・・・(2)
式(2)より、直列接続モデルの複合材料において、並列接続モデルと同量の誘電体フィラーを充填しても、比誘電率εがあまり向上しないことがわかる。
樹脂材料中に誘電体フィラーがランダム分散している複合材料の場合、その比誘電率εは、並列接続モデルと直列接続モデルの中間の値を示す。
図2(a)に従来の複合材料の断面模式図を示す。このような複合材料は、樹脂材料中に酸化物誘電体等からなる粒子を混合し、成形することにより得られる。この複合材料をコンデンサとして使用する場合には、成形体の上下面に電極が形成される。
従来の複合材料の比誘電率を高める方法として、複合材料中の誘電体フィラーの充填量を増やすという手法が考えられる。しかし、誘電体フィラーを大量に充填した場合には、複合材料の流動性や強度が悪化するという問題が生じる。また、従来の複合材料は、等価回路的には直列接続モデルに近いため、誘電体フィラーの量を増加させても、比誘電率を向上させる効果は限定的である。
図2(b)に、電極対向方向に誘電体フィラーが連結している複合材料の断面模式図を示す。図2(b)に示す複合材料は、並列接続モデル構造を備えているため、誘電体フィラーの量が僅かであっても、比誘電率εが効果的に向上する。しかし、実際には、少量の誘電体フィラーを用いて図2(b)に示すような構造を備えた複合材料を得るのは容易ではない。
図2(c)に、樹脂粒子の周囲に無機材料からなる被膜が形成された複合粒子の結合体からなる複合材料の断面模式図を示す。マトリックス粒子の周囲を無機材料からなる被膜で被覆して複合粒子とし、複合粒子を成形すると、図2(c)に示すような構造を備えた複合材料が得られる。図2(c)に示す複合材料は、誘電体フィラーが3次元的にネットワークを形成している構造を備えている。このような複合材料は、等価回路的には、誘電体フィラーの容量成分と樹脂材料の容量成分が並列的に接続した並列接続モデルに近い構造となる。そのため、少量の誘電体フィラーの添加で高い比誘電率が得られる。
樹脂からなるマトリックス粒子表面への無機化合物からなる被膜の形成方法としては、機械的手法や化学的手法がある。しかし、メカノケミカル法のような機械的処理による被覆方法では、処理時の熱・機械的エネルギーによるダメージで樹脂が変質・変形するおそれがある。また、溶液反応法を利用した化学的方法では、粒子表面に均一に無機化合物を被覆することは可能であるが、粒子が樹脂である場合は、樹脂自体が溶液と反応し、あるいは、溶液に樹脂が溶解するおそれがある。このように従来の手法では、樹脂と無機化合物で並列接続モデルを持つ複合材料を効果的に得ることは困難であった。
これに対し、レーザーアブレーション法では、ターゲットからアブレーションされた元素が被覆対象物の表面に常温で堆積するため、被覆対象物が高温に曝されることがない。そのため、レーザーアブレーション法を用いると、樹脂からなるマトリックス粒子表面に結晶性の無機化合物からなる被膜を形成することができる。また、マトリックス粒子として球形の樹脂粒子を用いると、その表面を無機化合物で均質に被覆することができる。
さらに、得られた複合粒子を成形すると、複合粒子の熱変形などにより、表面の無機化合物同士が接触・接続する。その結果、図1(c)に示すような並列接続モデル構造が実現される。また、これによって、僅かな量の無機化合物で複合材料全体の比誘電率を効果的に向上させることが可能となり、高誘電率と低誘電損失とを兼ね備えた誘電体複合材料を提供することができる。
本発明に係る誘電体複合材料は、マトリックス中において、電極対向方向に誘電体フィラーである無機化合物が連結接続しているので、等価回路的に無機化合物と樹脂との並列接続となる。従って、本発明に係る誘電体複合材料と同量の無機化合物粒子がマトリックス中にランダムに分散している場合と比べて、極めて少ない量の無機化合物で複合材料の比誘電率を効果的に向上させることができる。また、無機化合物を被覆する方法としてレーザーアブレーション法を用いることにより、樹脂からなるマトリックス粒子の表面に結晶質の無機化合物を予め固定できるので、樹脂と無機化合物の組み合わせからなり、かつ、並列接続モデル構造を持つ複合材料が実現できる。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
[1. 試料の作製]
[1.1. レーザーアブレーションによるチタン酸バリウムの被覆]
レーザーアブレーションにより、粒状の熱硬化性フェノール樹脂表面に、チタン酸バリウムを被覆した。フェノール樹脂には、平均径20μmの球状樹脂(リグナイト(株)製;LPS−20A)を用いた。
回転式ドラム内にフェノール樹脂を投入し、YAGレーザーを光源として、ターゲット材であるチタン酸バリウムにレーザー光(波長:2ω、励起条件:900mJ/Pulse)を照射した。そのアブレーションによって、回転ドラム内で攪拌されている球状樹脂表面にチタン酸バリウムを被覆した。被覆処理時間は、0分(比較例1)、30分(実施例1)、180分(実施例2)、又は300分(実施例3)とした。
[1.2. 複合材料の作製]
[1.2.1. 実施例1〜3、比較例1]
被覆処理をしたフェノール樹脂を秤量し、金型内で150℃にて25MPaで熱プレスすることでフェノール樹脂を熱硬化させ、バルクの複合材料を得た。その後、プレス体の端面を研磨して基板状の複合材料を得た(実施例1〜3)。また、未処理の樹脂粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして基板状の複合材料を得た(比較例1)。得られた基板の両端面に金をスパッタして電極を形成した。
[1.2.2. 比較例2]
実施例3の被膜厚さ(100nm)と同等の粒径を持つ誘電体フィラーを用いて、樹脂中に誘電体フィラーがランダム分散している複合材料を作製した。
フェノール樹脂(リグナイト(株)製;LPS−20A)と、チタン酸バリウム粉末(堺化学工業(株)製BT−01;平均粒径100nm)とを、実施例3と同一組成(フェノール樹脂:チタン酸バリウム=97体積%:3体積%)となるように秤量し、ボールミル混合を20時間行った。混合物を乾燥した後、実施例1と同一条件で熱プレスし、基板状の複合材料を得た。さらに、実施例1と同様にして、両端面に電極を形成した。
[2. 試験方法及び結果]
[2.1. 樹脂粒子の評価]
[2.1.1. SEM観察]
図3(a)に、未処理の樹脂粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)の反射電子像写真を示す。また、図3(b)、図3(c)、及び図3(d)に、それぞれ、60分、180分、及び300分の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子のSEM写真を示す。図3より、被覆処理時間が長くなるほど、コントラストを持つ粒子の数が増加していること、すなわち、重元素の存在量が増加していることがわかる。
[2.1.2. 蛍光X線スペクトル]
図4に、未処理の樹脂粒子及び300分の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子の蛍光X線スペクトルを示す。エネルギー分散型蛍光X線スペクトルの定性分析から、被覆処理を施した場合にのみ、チタンとバリウムが存在することが確認された。定量分析から、チタン:バリウム元素比は、1:1と算出された。
[2.1.3. X線回折]
図5に、未処理の樹脂粒子及び300分の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子のXRDパターンを示す。被覆処理を施した樹脂粒子では、チタン酸バリウムに帰属される回折ピークが観測された。被覆膜の結晶子サイズを回折ピークの半値幅から求めた結果、76nmと算出された。
以上、図3〜5の結果から、フェノール樹脂表面に立方晶の結晶性チタン酸バリウムが被覆されており、処理時間とともにチタン酸バリウムが増加していることが確認された。
[2.1.4. 熱重量変化]
図6に、300分の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子の熱重量変化を示す。被覆処理された樹脂と未処理の樹脂との熱重量変化の違いから、フェノール樹脂:チタン酸バリウム=97体積%:3体積%と算出された。また、チタン酸バリウム被膜の平均厚さは100nmと見積もられた。膜厚が結晶子サイズに近く、良好な結晶性を持つ被膜であることが示された。
[2.2. 複合材料の評価]
[2.2.1. 誘電特性]
インピーダンスアナライザー(キーサイト社製;4194A)を用いて、容量法で複合材料の比誘電率と誘電損失を測定した。図7(a)及び図7(b)に、それぞれ、誘電体複合材料の比誘電率及び誘電損失の被覆処理時間依存性を示す。なお、図7には、比較例1(未処理の樹脂からなる基板)及び比較例2(従来型の複合材料)の結果も併せて示した。さらに、表1に、各試料の誘電特性を示す。
被覆処理時間の増加に伴い、比誘電率の増加が認められた。一方、誘電損失は被覆処理時間に依存せず、未処理樹脂と同程度の値を示した。さらに、比較例2の比誘電率は、比較例1と同等であり、比誘電率の向上は確認されなかった。
Figure 2018006052
[2.2.2. SEM観察]
図8(a)に、未処理の樹脂粒子からなる基板のSEM写真を示す。図8(b)及び図8(c)に、それぞれ、60分及び300分の誘電体被覆処理を施した樹脂粒子からなる基板のSEM写真を示す。
図8(c)に示すように、300分の被覆処理を施した樹脂粒子からなる基板では、球状樹脂の円周に沿って、チタン酸バリウムに対応する白色のコントラストが観察され、電極対向方向で連結している様子が認められる。断面写真から被覆処理前後での粒径変化が6%以下と算出され、良好な均一性を持つことが確認された。すなわち、等価回路的に並列接続を持つ複合材料が得られた。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る誘電体複合材料は、コンデンサやキャパシタ素子の誘電体として使用することができる。

Claims (11)

  1. 以下の構成を備えた誘電体複合材料。
    (1)前記誘電体複合材料は、
    樹脂からなるマトリックスと、
    前記マトリックスの内部に分散している無機化合物からなる誘電体相と
    を備え、
    前記誘電体相は、前記マトリックスの内部において、電極対向方向に連結している構造を持つ。
    (2)前記誘電体複合材料は、前記樹脂からなるマトリックス粒子の周囲に前記無機化合物からなる被膜が形成された複合粒子の結合体からなる。
  2. 前記樹脂は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂である請求項1に記載の誘電体複合材料。
  3. 前記無機化合物の含有量は、0.1体積%以上30体積%以下である請求項1又は2に記載の誘電体複合材料。
  4. 前記無機化合物の比誘電率は、10以上である請求項1から3までのいずれか1項に記載の誘電体複合材料。
  5. 前記無機化合物は、BaTiO3からなる請求項1から4までのいずれか1項に記載の誘電体複合材料。
  6. 前記無機化合物は、結晶子サイズが20nm以上である請求項1から5までのいずれか1項に記載の誘電体複合材料。
  7. 前記マトリックス粒子の平均径は、100μm以下である請求項1から6までのいずれか1項に記載の誘電体複合材料。
  8. 前記被膜の厚さは、前記マトリックス粒子の平均径の0.02%以上である請求項1から7までのいずれか1項に記載の誘電体複合材料。
  9. 樹脂からなるマトリックス粒子の表面に無機化合物からなる被膜を形成し、複合粒子を得る被膜形成工程と、
    前記複合粒子を成形し、請求項1から8までのいずれか1項に記載の誘電体複合材料を得る成形工程と
    を備えた誘電体複合材料の製造方法。
  10. 前記被膜形成工程は、レーザーアブレーション法を用いて前記マトリックス粒子の表面に、前記無機化合物からなる被膜を形成するものからなる請求項9に記載の誘電体複合材料の製造方法。
  11. 前記マトリックス粒子は、球形である請求項9又は10に記載の誘電体複合材料の製造方法。
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