JP2018005785A - 分散印刷システムおよび分散印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散印刷において、ページ区切りとなる左右ページにおける印刷機の違いによる色の差がユーザーに容易に認識されないようにする分散印刷システムを提供する。【解決手段】複数の印刷機103、104と、印刷する複数ページを複数の印刷機のそれぞれに印刷させるプリンターコントローラー102と、を有し、プリンターコントローラー102は、各印刷機の生産性の割合で印刷するページ数を分割した仮ページ区切り位置を決定し、仮ページ区切り位置の左右ページに、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しない場合にはページ区切り位置として本決定し、存在する場合は仮ページ区切り位置以外の左右ページを検索して、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない左右ページをページ区切り位置として本決定して、決定したページ区切り位置で区切ったページ数を複数の印刷機のそれぞれに印刷させる分散印刷システム100。【選択図】図1

Description

本発明は、分散印刷システムおよび分散印刷方法に関し、詳しくは、1つの印刷ジョブを複数の印刷機に分散出力させる分散印刷システムおよび分散印刷方法に関する。
近年、分散印刷(クラスタ印刷などと称されることもある)と呼ばれる複数の印刷機を並列動作させるシステムが利用されている。このような分散印刷は、複数ページからなる1つの印刷ジョブを複数の印刷機に分散して出力することで、印刷の際の生産性の向上を図っている。分散印刷は、たとえば印刷ジョブ中の複数ページを特定のページ位置で区切り、各印刷機で同時に印刷することで、多ページの印刷ジョブでも短時間で完了することが可能である。特に分散印刷に使用する各印刷機の生産性(印刷速度=単位時間当たりの印刷面の数)の差を考慮してページの区切り位置を決定することがもっとも効率的である。つまり、生産性の高い印刷機の方に多くのページが割り当てられるようにページ区切りを設定することで、1つの印刷ジョブ全体の印刷終了時間をより短縮できる。
このような分散印刷では、使用する各印刷機が同一機種とは限らず色再現能力が異なる。また同一機種であっても、各印刷機の状態により色再現結果がわずかに異なる可能性もある。
このような問題に対して、従来、ユーザー端末から複数の印刷機で分散印刷を行う際に、各ページに対して印刷機ごとの色再現精度を算出し、色再現精度が良い印刷機に各ページを振り分ける処理が提案されている(特許文献1)。
特開2000−122833号公報
しかしながら、従来の技術では、印刷物の統合時に生じる複数印刷機の色再現域の差の影響については考慮されていない。つまり分散印刷では、ページ区切り位置となる左右ページが互いに他の印刷機によって印刷される。このためページ区切り位置となる左右ページを跨ぐオブジェクトがあると印刷物を統合したときに印刷機の違いによる色の差がユーザーに容易に認識されてしまう可能性がある。
そこで、本発明の目的は、分散印刷において、ページ区切り位置となる左右ページにおける印刷機の違いによる色の差がユーザーに容易に認識されないようにする分散印刷システムを提供することである。
また本発明の他の目的は、分散印刷において、ページ区切りとなる左右ページにおける印刷機の違いによる色の差がユーザーに容易に認識されないようにする分散印刷方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)用紙に画像を印刷する複数の印刷機と、
前記複数の印刷機と接続されており、複数ページからなる印刷ジョブを分割して前記複数の印刷機のそれぞれに印刷させるプリンターコントローラーと、を有し、
前記プリンターコントローラーは、前記複数の印刷機のそれぞれの生産性に対応したページ数となるように分割する仮ページ区切り位置を決定し、印刷後の用紙を冊子形態としたときの前記仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定して、
存在しないと判定した場合には前記仮ページ区切り位置をページ区切り位置として本決定し、存在すると判定した場合には前記仮ページ区切り位置以外の左右ページを検索して、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない前記仮ページ区切り位置以外の左右ページを前記ページ区切り位置として前記本決定し、
前記本決定した前記ページ区切り位置で区切ったページ数を前記複数の印刷機のそれぞれに印刷させる、分散印刷システム。
(2)前記プリンターコントローラーは、前記仮ページ区切り位置として、生産性が低い印刷機の方からページ順に印刷するページを割り当てた第1の仮ページ区切り位置と、生産性が高い印刷機の方からページ順に印刷するページを割り当てた第2の仮ページ区切り位置と、をそれぞれ決定し、
前記第1の仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合は前記第1の仮ページ区切り位置をページ区切り位置として前記本決定し、存在すると判定した場合は前記第2の仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合は前記第2の仮ページ区切り位置をページ区切り位置として前記本決定し、存在すると判定した場合は、さらに前記第1および第2の仮ページ区切り位置以外の左右ページを検索して、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない前記第1および第2の仮ページ区切り位置以外の左右ページをページ区切り位置として前記本決定する、上記(1)に記載の分散印刷システム。
(3)前記プリンターコントローラーは、前記仮ページ区切り位置以外の左右ページの検索として、前記仮ページ区切り位置を基準として、前記生産性の高い前記印刷機で印刷されるページが多く、生産性の低い前記印刷機で印刷されるページが少なくなる検索範囲を設定し、当該検索範囲内のそれぞれの左右ページについて、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定する、上記(1)または(2)に記載の分散印刷システム。
(4)前記プリンターコントローラーは、前記存在しないと判定された左右ページに対して、前記本決定の前に、さらに前記左右ページに同一色または類似色のオブジェクトがあるか否かを判定して、前記同一色または類似色のオブジェクトがないと判定された場合には前記左右ページを前記本決定し、
前記同一色または類似色のオブジェクトがあると判定された場合には前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かを判定して、適切であれば前記左右ページを前記本決定とする、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の分散印刷システム。
(5)前記プリンターコントローラーは、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトの印刷ジョブにおける原稿色が各印刷機での理論的な色変換後の印刷色の再現色域の共通領域内か否かを評価し、前記左右ページの前記同一色または類似色のオブジェクトの前記原稿色が前記共通領域内であれば評価値を低く、前記共通領域から外れるほど前記評価値を高くして、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、上記(4)に記載の分散印刷システム。
(6)前記プリンターコントローラーは、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、前記冊子形態の状態において前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクト同士の距離が近いほど評価値を高くして、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、上記(4)に記載の分散印刷システム。
(7)前記プリンターコントローラーは、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトのそれぞれの面積が大きいほど評価値を高くし、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、上記(4)に記載の分散印刷システム。
(8)前記プリンターコントローラーは、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、
前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトの印刷ジョブにおける原稿色が各印刷機で印刷色の理論的な色変換後の印刷色の色再現域の共通領域か否かを評価し、前記左右ページの前記同一色または類似色のオブジェクトの前記原稿色が前記共通領域内であれば第1の評価値を低くし、前記共通領域から外れるほど前記第1の評価値を高くして、
前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクト同士の距離が左右ページで近いほど第2の評価値を高くし、
前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトのそれぞれの面積が大きいほど第3の評価値を高くして、
得られた第1〜3の評価値を合計した総合評価値とあらかじめ決められた総合しきい値とを比較して前記合計した総合評価値が総合しきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、上記(4)に記載の分散印刷システム。
(9)前記プリンターコントローラーは、前記仮ページ区切り位置の左右ページおよび前記仮ページ区切り位置以外の左右ページとなるページの組み合わせを折り形態または綴じ形態に基づいて設定する、上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の分散印刷システム。
(10)複数ページからなる印刷ジョブを分割して複数の印刷機のそれぞれに印刷させる分散印刷方法であって、
各印刷機の生産性に対応したページ数となるように分割する仮ページ区切り位置を決定する段階(a)と、
印刷後の用紙を冊子形態としたときの前記仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合には前記仮ページ区切り位置をページ区切り位置として本決定し、存在すると判定した場合には前記仮ページ区切り位置以外の左右ページを検索して、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない前記仮ページ区切り位置以外の左右ページを前記ページ区切り位置として前記本決定する段階(b)と、
前記本決定した前記ページ区切り位置で区切ったページ数を前記複数の印刷機のそれぞれに印刷させる段階(c)と、を有する、分散印刷方法。
(11)前記段階(a)は、前記仮ページ区切り位置として、生産性が低い印刷機の方からページ順に印刷するページを割り当てた第1の仮ページ区切り位置と、生産性が高い印刷機の方からページ順に印刷するページを割り当てた第2の仮ページ区切り位置と、をそれぞれ決定し、
前記段階(b)は、前記第1の仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合には前記第1の仮ページ区切り位置を前記ページ区切り位置として前記本決定し、存在すると判定した場合は前記第2の仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合は前記第2の仮ページ区切り位置を前記ページ区切り位置として前記本決定し、存在すると判定した場合にはさらに前記第1および第2の仮ページ区切り位置以外の左右ページを検索して、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない前記第1および第2の仮ページ区切り位置以外の左右ページを前記ページ区切り位置として前記本決定する、上記(10)に記載の分散印刷方法。
(12)前記仮ページ区切り位置以外の左右ページの検索は、前記仮ページ区切り位置を基準として、前記生産性の高い前記印刷機で印刷されるページが多く、生産性の低い前記印刷機で印刷されるページが少なくなる検索範囲を設定し、当該検索範囲内のそれぞれの左右ページについて、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定する、上記(10)または(11)に記載の分散印刷方法。
(13)前記段階(b)は、前記存在しないと判定された左右ページに対して、前記本決定の前に、さらに前記左右ページに同一色または類似色のオブジェクトがあるか否かを判定して、同一色または類似色のオブジェクトがないと判定された場合には前記左右ページを前記本決定し、
前記同一色または類似色のオブジェクトがあると判定された場合には前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かを判定して、適切であれば前記左右ページを前記本決定とする、上記(10)〜(12)のいずれか1つに記載の分散印刷方法。
(14)前記段階(b)における、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定は、前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトの印刷ジョブにおける原稿色が各印刷機での理論的な色変換後の印刷色の再現色域の共通領域内か否かを評価し、前記左右ページの前記同一色または類似色のオブジェクトの前記原稿色が前記共通領域内であれば評価値を低く、前記共通領域から外れるほど前記評価値を高くして、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、上記(13)に記載の分散印刷方法。
(15)前記段階(b)における、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定は、前記冊子形態の状態において前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクト同士の距離が近いほど評価値を高くして、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、ページ区切り位置として適切であると判定する、上記(13)に記載の分散印刷方法。
(16)前記段階(b)における、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定は、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトのそれぞれの面積が大きいほど評価値を高くし、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、ページ区切り位置として適切であると判定する、上記(13)に記載の分散印刷方法。
(17)前記段階(b)における、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定は、
前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトの印刷ジョブにおける原稿色が各印刷機での理論的な色変換後の印刷色の再現色域の共通領域内か否かを評価し、前記左右ページの前記同一色または類似色のオブジェクトの前記原稿色が前記共通領域内であれば第1の評価値を低くし、前記共通領域から外れるほど前記第1の評価値を高くして、
前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクト同士の距離が左右ページで近いほど第2の評価値を高くし、
前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトのそれぞれの面積が大きいほど第3の評価値を高くして、
得られた第1〜3の評価値を合計した総合評価値とあらかじめ決められた総合しきい値とを比較して前記合計した総合評価値が総合しきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、上記(13)に記載の分散印刷方法。
(18)前記仮ページ区切り位置の左右ページおよび前記仮ページ区切り位置以外の左右ページとなるページの組み合わせを折り形態または綴じ形態に基づいて設定する、上記(10)〜(17)のいずれか1つに記載の分散印刷方法。
本発明によれば、生産性に基づいて分割する仮ページ区切り位置を設定し、その左右ページに、左右ページを跨ぐオブジェクトがない場合にページ区切り位置とし、左右ページを跨ぐオブジェクトがある場合は、左右ページを跨ぐオブジェクトがない他の左右ページを検索してページ区切り位置とすることとした。これにより、分散印刷の主目的である生産性を保ちつつ、左右ページにおける印刷機の色の差をユーザーに容易に認識されることを回避することができる。
実施形態の分散印刷システムの概略構成を説明するための説明図である。 プリンターコントローラーの構成を説明するためのブロック図である。 印刷物の端綴じ形態と、2台のプリンターエンジンで分散印刷する際のページ区切り位置を説明するための概略図である。 印刷物の無線綴じ形態と、2台のプリンターエンジンで分散印刷する際のページ区切り位置を説明するための概略図である。 印刷物の中綴じ形態と、2台のプリンターエンジンで分散印刷する際のページ区切り位置を説明するための概略図である。 ページ区切り位置の左右ページの例を示す概略図である。 ページ区切り位置の左右ページの例を示す概略図である。 ページ区切り位置の左右ページの例を示す概略図である。 端綴じの場合のページ区切り位置の仮決定を説明するための概念図である。 端綴じの場合のページ区切り位置の仮決定を説明するための概念図である。 中端綴じの場合のページ区切り位置の仮決定を説明するための概念図である。 中端綴じの場合のページ区切り位置の仮決定を説明するための概念図である。 左右ページを跨ぐオブジェクトの検出を説明するための説明図である。 タグビット情報を説明するための説明図である。 色再現域を説明するための説明図である。 類似色オブジェクトの位置関係の評価値の求め方を説明する説明図である。 類似色オブジェクトの面積の評価値の求め方を説明する説明図である。 第1の仮ページ区切り位置を例にした検索範囲の設定の仕方を説明するための説明図である。 第2の仮ページ区切り位置を例にした検索範囲の設定を説明するための説明図である。 検索範囲を拡張する方法を説明するための説明図である。 評価値と判定したページの関係の1例を説明するためのグラフである。 ページ区切り位置を決定するための処理手順を示すフローチャートである。 2台のプリンターエンジンで分散印刷する場合の判定ページテーブルを示したテーブル図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[分散印刷システム]
図1は本発明を適用した実施形態の分散印刷システムの概略構成を説明するための説明図である。
分散印刷システム100は、プリンターコントローラー102と、複数のプリンターエンジンを有する。ここでは、プリンターエンジンとして第1プリンターエンジン103と第2プリンターエンジン104を示したがさらに多くのプリンターエンジンが接続されていてもよい。プリンターコントローラー102と、各プリンターエンジンは高速印刷を達成するために専用線209により接続されている。
そしてこの分散印刷システム100は、複数のユーザー端末101が接続されているネットワーク110に接続されている。
なお、ここではプリンターコントローラー102と各プリンターエンジンが専用線により接続されている形態を示したが、これに代えて、プリンターコントローラー102および各プリンターエンジンが、ユーザー端末101が接続されているのと同じネットワークに接続されている形態であってもよい。
ユーザー端末101は、いわゆるパソコンであり、印刷物となる印刷ジョブのデータを作成する。このためにユーザー端末101は、プリンタードライバー、印刷制御ソフトウェア、指定ホットフォルダーへのファイルコピーなどを通じてプリンターコントローラー経由でプリンターエンジンに印刷指示を行う。特に、プリンタードライバーは、ユーザーがアプリケーションから印刷指示を行う際に起動されるプログラムであり、ユーザーがアプリケーションで作成したコンテンツをプリンターが解釈可能なデータ(PDFやPostscriptなどと、それらに付与される印刷設定情報)に変換し、変換済みデータをプリンターコントローラー102に送信する印刷ジョブを作成する。このような複数のユーザー端末101は、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
複数のユーザー端末101およびプリンターコントローラー102が接続されているネットワークはたとえば、イーサネット(登録商標)、トークンリング、およびFDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の規格によりコンピューターやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、またはLAN同士を接続したWAN(Wide Area Network)、またはインターネットなどの各種のネットワークである。
プリンターコントローラー102は、ユーザー端末101から受信した印刷ジョブのデータから、印刷する画像の形成(ラスタライズ)や色変換、スクリーニングなどの必要な処理と共に分散印刷のための処理を行って、プリンターエンジンに対してラスタライズ後のデータを提供する。このためプリンターコントローラー102は分散印刷システム100の制御装置となる。
図2はプリンターコントローラー102の構成を説明するためのブロック図である。
プリンターコントローラー102は基本的にはいわゆるコンピューターである。その構成は、CPU201、ROM202、RAM203、ハードディスク204(HDD)、RIP205(Raster Image Proceor)、通信インターフェース206(NIF:Network Interface)、ビデオインターフェース207(VIF:Video Interface)を有する。
CPU201は、このプリンターコントローラー102102全体の制御を行う。特に本実施形態では、後述する分散印刷の処理を行う。このためにCPU201は分散印刷処理のためのプログラムを実行することで分散印刷を実行する。
ROM202は、プリンターコントローラー102の基本動作に必要なファームウェアプログラムを記憶している。ROM202に代わりEPROMなどであってもよい。
RAM203は、CPU201の処理時に必要なワークエリアであると共に、ラスタライズ後の印刷データを一時記憶する。
ハードディスク204は、プリンターコントローラー102が実行する処理に必要な各種プログラムを記憶している。各種プログラムとしては、たとえば、ユーザーがコントローラ内部の情報(RIP進捗状況、ICCプロファイルデータベース、色置換テーブル、等)にアクセスするために使用されるプログラム群であるプリンターコントローラユーティリティがある。また、ユーザー端末101から受信した印刷ジョブをプリンターエンジンが処理できる画像データに変換する際に必要となるICCプロファイル、トーンカーブ、特色テーブル、色置換テーブルなども記憶している。これら各種プログラムは、CPU201が必要に応じて呼びだして実行する。
また、ハードディスク204は、RIP205により作成された画像データがRAM203だけでは記憶できない容量の場合に記憶する。
RIP205は、印刷ジョブのなかのコマンドやページ記述言語(PDL:Page Description Language)を解析して、文字や画像などのデータをラスタライズして、プリンターエンジンへ出力する印刷用の画像データ(ビットマップデータ、以下、印刷データと称する)の作成を行う。このようなラスタライズに際しては、ICCプロファイル、特色テーブル、色置換テーブルなどを用いた色変換や、拡大縮小、回転、2in1といったレイアウト調整なども並行して行われる。作成された印刷データはRAM203に展開されて記憶される。また、RAM203だけでは記憶できない容量の印刷データはハードディスク204にも記憶される。なお、RIP205は、専用回路(たとえばASIC)でもよいし、CPU201(複数CPUの場合も含む)により実行されてもよい。
通信インターフェース206は、プリンターコントローラー102をネットワークに接続する。このために、通信インターフェース206は、接続されるネットワークの規格に応じてデータの送受信を行う。
ビデオインターフェース207は、プリンターコントローラー102からの印刷データをプリンターエンジンに高速転送するために、専用線209を介してプリンターエンジンと接続する。なお、図示していないが、印刷データは転送時に圧縮して転送するようにしてもよい。この場合、プリンターエンジン側には、圧縮された印刷データを伸張する装置が設けられる。
次に、プリンターエンジン103および104は、プリンターコントローラー102によって画像化された印刷データを媒体(たとえば紙媒体)に印刷する装置である。印刷動作の前に印刷する画像に対する濃度調整、印刷媒体に対する画像のレイアウト調整、画像のスクリーニング処理などを行う。本実施形態では、プリンターエンジンは、たとえば、電子写真方式によるものである。プリンターエンジンは、用紙面への印刷時間として、たとえばA4サイズ用紙への印刷が50PPM(毎分50枚)、100PPM(毎分100枚)などの印刷速度となっている。
[分散印刷]
次に、分散印刷システムによる分散印刷について説明する。
(印刷物の綴じ形態とページ区切りの例)
ここで印刷物の綴じ形態と分散印刷におけるページ区切りを説明する。
複数のプリンターエンジン103および104によって印刷された用紙(印刷物)は、まとめられて冊子形態になるように綴じられる。綴じ形態は様々な形態がありここでは3つの例を説明する。
図3〜5は印刷物の綴じ形態と、2台のプリンターエンジンで分散印刷する際のページ区切り位置を説明するための概略図である。ここでは全20ページとなる印刷物を2台のプリンターエンジンに対して2:3の比率で分散印刷する場合を例に説明する。
図3は端綴じの例を示している。端綴じの印刷物は、1枚の用紙の各面にページ順にそれぞれ1ページ分の画像が割り付けられる。この場合のページ区切り位置は単純にページ順の途中となる。端綴じでは、図3に示したように、第1ページ(図示[1]と記す。以下同様)から第8ページまで第1プリンターエンジン103による印刷、第9ページから第20ページまで第2プリンターエンジン104による印刷になる。ページ区切り位置は第8ページと第9ページの間になる。したがって、ページ区切り位置の左右ページは第8ページと第9ページになる。また用紙枚数としては先頭から4枚目と5枚目の間になる。
図4は無線綴じの例を示している。無線綴じの印刷物は、1枚の用紙の各面に2ページ分、計4ページが印刷され、その1枚の用紙を真ん中で折った時に4ページがページ順となるように画像が割り付けられる。この場合もページ区切り位置は単純にページ順の途中となる。したがって、無線綴じでは、図4に示したように、第1ページから第8ページまで第1プリンターエンジン103による印刷、第9ページから第20ページまで第2プリンターエンジン104による印刷になる。この場合のページ区切りは第8ページと第9ページの間になる。したがって、ページ区切り位置の左右ページは第8ページと第9ページになる。用紙枚数としては先頭から2枚目と3枚目の間になる。
図5は中綴じの例を示している。中綴じの印刷物は、1枚の用紙の各面に2ページ分、計4ページが割り付けられる。割り付けられるページ順は、第1ページが印刷される用紙では、第1ページと同じ面に第20ページ(最終ページをnとする)、第1ページの反対面に第2ページ、第2ページと同じ面に第19ページ(第n−1ページ)になる。2枚目の用紙では、第3ページと同じ面に第18ページ(第n−2ページ)、第3ページの反対面の位置に第4ページ、第4ページと同じ面に第17ページ(第n−3ページ)となる。以降この繰り返しである。この場合のページ区切り位置は、ページ順の方向に数えたページと、最終ページ側から数えたページの2箇所にできる。したがって、図5に示したように、第1ページから第4ページ(第mページ)までが第1プリンターエンジン103による印刷になると共に、第20ページ(第nページ)から第17ページ(第n−3ページ)までが第1プリンターエンジン103による印刷になる。そして第5ページから第10ページまで、および第16ページから第11ページまでが第2プリンターエンジン104による印刷になる。このためページ区切りは第4ページと第5ページの間および第17ページと第16ページの間の2か所になる。ページ区切り位置の左右ページも2つでき、第4ページと第5ページ、および第16ページ(第n−4ページ)と第17ページ(第n−3ページ)となる。用紙枚数としては外側から2枚目と3枚目の間になる。
このように、中綴じの場合はページ区切りが2か所できるための算出は以下のようになる。ページ順に数える区切り位置は、全ページ数を半分にして、そこから第1プリンターエンジン103で印刷するページ数をページ区切り位置までの第mページとする。最終ページ側からのページ区切り位置まで数えたページは第n−(m−1)ページとなる。したがって、左右ページは第mページおよびm+1ページと、第n−mページおよび第n−(m−1)ページの2か所となる。
(ページ区切り位置の左右ページ)
次に、ページ区切り位置の左右ページについて説明する。ページ区切り位置の左右ページ(以下、単に「左右ページ」という場合もページ区切り位置の左右ページである)は、既に説明したように、異なるプリンターエンジンによって印刷されることになる。
図6〜8はページ区切り位置の左右ページの例を示す概略図である。
図6に示した例は、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない場合である。左ページにはオブジェクトとして、イラスト、テキスト、写真が配置されている。一方、右ページにはオブジェクトとして、テキスト、イラスト、テキストが配置されている。また、左右ページのオブジェクトで類似した色のものはない。
このような場合は、左右ページに印刷機の違いによる微妙な色差があっても、人はそれを認識できないか認識したとしても違和感はほとんどない。
一方、図7に示した例は、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在する場合である。図7に示したものでは、左右ページに跨ってテキスト、写真、およびイラストが存在する。
分散印刷においては、プリンターエンジンが変わる区切り位置の左右ページ(以下、単に「左右ページ」という)の両方に近い色のオブジェクトが存在していると、プリンターエンジンごとの色再現の差異がユーザーに容易に視認される可能性がある。特に、左右ページにオブジェクトが跨って存在している場合は、ユーザーがそれを見た時に色の違いが容易に認識されてしまう可能性がある。
たとえば、テキストの場合は、図7に示したように、所定の単一色で形成された一文字(1フォント)が左右ページで跨っている場合、その文字が左右ページで違うことが簡単にわかる。なお、テキストの場合、図示したように、一文字(1フォント)が左右ページで跨っている場合だけでなく、1つの文章(たとえば見出し語や文章など)が左右ページで跨っている場合も、1つの文章を読んでゆく途中で色が変わってしまうため、色差が認識されやすい。なお、テキストのオブジェクトは、1つひとつの文字フォントを1つひとつのオブジェクトとして認識してもよいし、テキストグループを1つのオブジェクトとして認識してもよい(図では単にテキストと示した)。
写真やイラストのオブジェクトでは、左右ページに連続して同じ色が続くことがある。そうすると、左右ページに跨る、本来同じ色である部分が異なる色となっているのが容易にわかることになる。
このように左右ページで、本来同じ色である部分が異なる色として容易に認識されるため、ユーザーにとって大きな違和感が生じる。
また、図8に示した例は、左右ページで類似したオブジェクトが存在する場合である。この例では、同じような位置に同じ色のイラストが存在する。このような場合も、左右ページにあるオブジェクトの色の違いが認識されやすくなる。
(ページ区切り位置の決定)
次に、分散印刷におけるページ区切り位置を決定する際には、生産性に応じて振り分ける仮決定の段階と、色差を認識しづらい左右ページとなるページ区切り位置に本決定する、2段階からなる。
仮決定について説明する。
まず、端綴じの場合である。図9および10は端綴じの場合のページ区切り位置の仮決定を説明するための概念図である。
ページ区切り位置の仮決定は、分散印刷する複数のプリンターエンジンの生産性、すなわち印刷速度に応じて分割する。
プリンターエンジンの生産性に応じてページ区切り位置を決める場合、2通りの区切り形態ができる。1つは、生産性が低いプリンターエンジンの方からページ順に印刷するページを割り当ててゆく第1の形態である。他の1つは、生産性が高いプリンターエンジンの方からページ順に印刷するページを割り当ててゆく第2の形態である。以下、仮決定されたページ区切り位置を仮ページ区切り位置という。
具体例を説明する。ここでは、一例として第1プリンターエンジン103が50PPM(Page Per Minute:1分当たりの印刷できるページ数)、第2プリンターエンジン104が100PPMの印刷速度とする。この場合、プリンターエンジンの生産性は、第1プリンターエンジン103:第2プリンターエンジン104=1:2という比率となる。またここでは1印刷ジョブ1200ページの印刷物を分散印刷する場合を例に説明する。
第1の形態では、生産性の比を第1プリンターエンジン103:第2プリンターエンジン104=1:2とするので、図9に示すように、第1ページから第400ページまでを第1プリンターエンジン103で印刷し、第401ページから第1200ページまでを第2プリンターエンジン104で印刷するように設定する。このため仮決定されるページ区切り位置(第1の仮ページ区切り位置という)は第400ページと第401ページの間ということになる。
第2の形態では、生産性の比を第2プリンターエンジン104:第1プリンターエンジン103=2:1とするので、図10に示すように、第1ページから第800ページまでを第2プリンターエンジン104で印刷し、第801ページから第1200ページまでを第1プリンターエンジン103で印刷するように設定する。このため仮決定されるページ区切り位置(第2の仮ページ区切り位置という)は第800ページと第801ページの間ということになる。
このように生産性で区切る場合、ページ順の若い方から割り付けた場合に、生産性の高い方からとするか、生産性の低い方からとするかの2つの形態のページ区切り位置が仮決定されることになる。
このようにすることで、生産性の異なる複数のプリンターエンジンに分散印刷した場合に、振り分けた複数の印刷がほぼ同時に終了するため、トータルとしての生産性が高くなる。
なお、プリンターエンジンが3台の場合も同様である。図示しないが、3台それぞれの生産性がたとえば50PPM、80PPM、100PPMとする。生産性の比率は5:8:10となる。印刷物の総ページ数をたとえば1200ページとして仮ページ区切り位置を求める。
第1の形態では、各プリンターエンジンに印刷させるページ枚数は260:418:522となるので、分散印刷するページ数の割り当ては、第1〜260ページ、第261〜678ページ、第679〜1200ページとなる。この場合、第1の仮ページ区切り位置は、第260ページと第261ページの間と、第678ページと第679ページの間の2か所できる。
一方、第2の形態では、ページ枚数は522:418:260となるので、分散印刷するページ数の割り当ては、第1〜522ページ、第523〜940ページ、第941〜1200ページとなる。この場合、第2の仮ページ区切り位置は、第522ページと第523ページの間と、第940ページと第941ページの間の2か所となる。
ただしいずれの形態でも、端綴じの場合は1枚の用紙に両面印刷するため、ページ区切り位置となる左右ページは、左右ページの内若い方のページ数が偶数となるように変更する。これには生産性の割合で算出されたページ数(小数点以下四捨五入)が奇数となった場合に1加算するかまたは1減算するかをあらかじめ決めておくとよい。
なお、ここでいうページ数とは、あくまでも最初に印刷されるページを第1ページとしている。他の綴じ形態についても同様である。
さらに複数(4台以上)のプリンターエンジンを用いる場合も、同様にページ区切り位置を仮決定しればよい。
次に、無線綴じの場合は基本的に端綴じと同様でよく、プリンターエンジンの生産性に応じて第1の仮ページ区切り位置および第2の仮ページ区切り位置とすればよい(図9または図10と同様であるので図示省略する)。ただし無線綴じは、図4を参照して説明したとおり、1枚の用紙に4ページ分の画像がページ順に割り付けられる。このため仮ページ切り位置は4の倍数でなければならない。したがって、無線綴じの場合は、仮ページ切り位置が4の倍数となるように調整する必要がある。この調整には、プリンターエンジンの生産性の割合で決めたページ数が4で割れる値である場合はそのまま仮ページ区切り位置とし、割れない場合は4で割れる値となるまでページ数を加算または減算して生産性によって算出された仮ページ区切り位置から変更する。加算するか減算かはあらかじめどちらかに決めておく。また、無線綴じの場合も、判定する左右ページは偶数ページと奇数ページということになる。
無線綴じの場合も、第1の仮ページ区切り位置と第2の仮ページ区切り位置を求める。また、プリンターエンジンがさらに複数(3台以上)ある場合も端綴じの場合と同様である。
次に、中綴じの場合である。図11および12は中端綴じの場合のページ区切り位置の仮決定を説明するための概念図である。
中綴じの場合は、既に説明したように、1枚の用紙の各面に2ページ分、計4ページが割り付けられる。このため1つの仮決定において区切りとなる左右ページが2箇所できる。1つはページ順方向から数えた位置である。ページ順方向から数えた区切りとなる左右ページは、全ページ数の半分のページ数に対してプリンターエンジンの生産性の割合で決めたページ数となる。これを第mページとする。もう1つは最終ページ側から数えた左右ページである。最終ページ側から数えた区切りとなる左右ページは、第n−(m−1)ページとなる。
具体的には、たとえば、全1200ページとする。第1の仮ページ区切り位置は、1200ページの半分のページ数である600ページを1:2に分割した位置である。この比率で仮決定すると、図11に示すように、第1の仮ページ区切り位置の1つは200ページと201ページの間となる。もう1つは第n−(m−1)ページであるから、1200−(200−1)を算出すれば、第1001ページとなるので第1000ページと1001ページの間となる。したがって、中綴じの場合は、第1の仮ページ区切り位置として、判定すべき左右ページが2か所できることになる。
第2の仮ページ区切り位置においても同様に、全ページ数の半分である600ページを2:1に分割する。このため図12に示すように、第2の仮ページ区切り位置の1つは400ページと401ページの間となる。もう1つは、第n−(m−1)ページであるから、1200−(400−1)を算出すれば第801ページとなるので第800ページと801ページの間となる。したがって、中綴じの場合は、第2の仮ページ区切り位置も、2か所できることになる。
プリンターエンジンがさらに複数(3台以上)ある場合も、端綴じの場合同様に、仮ページ区切り位置として判定すべき左右ページの箇所が増えてゆくことになる。
このように判定するページ位置および判定する箇所は、折り形態、綴じ形態に基づいて変更することになる。すなわち、既に説明したように、判定するページ位置は、端綴じでは単純にページ数を生産性に応じて分割すればよい。無線綴じでは生産性に応じて分割したページ数を4の倍数のページ位置となるように調整する。中綴じでは、生産性に応じて分割した位置はページ順に数えた位置と最終ページから数えた位置の2箇所の左右ページとなる。このため中綴じでは、後述する手順において、1つの判定または評価のステップにおいて、この2か所の左右ページを判定または評価することになる。その結果いずれか一方でも不適切であれば、ページ順に数えた位置と最終ページから数えた位置の両方ともページ区切り位置にはならないことになる。
その他の折りや、綴じ形態についても、生産性に基づき算出された区切り位置に対して折り目や綴じ位置に合わせて調整すればよい。
仮決定の段階は、生産性のみでページ区切り位置を決めている。このため、仮ページ区切り位置となった左右ページにおいては、どのようなオブジェクトが存在しているかわからない。つまり、仮ページ区切り位置の左右ページは、図6のようにオブジェクトが左右ページを跨がず、かつ類似性がない場合もあるが、図7および8のようにオブジェクトが左右ページに跨っていたり、類似性があったりする場合もある。
そこで、本実施形態ではプリンターエンジンの違いによる色差が認識されにくい、ページ区切り位置として適切な左右ページを検索して、そのようなページ区切り位置を本決定とする。
まず、左右ページに跨るオブジェクトがあるか否かを検出する。
図13は左右ページを跨ぐオブジェクトの検出を説明するための説明図である。
左右ページを跨ぐオブジェクトの検出は、1つの方法として、RIP後の印刷データ(画像データ)から、仮ページ区切り位置の左ページと右ページに隣接する画素値を比較する。つまり図13に示した網掛け部分である、左ページの一番右側にある画素と右ページの一番左側にある画素のそれぞれの画素値を比較する。そして、隣接する画素同士で同じ画素値となっている部分があれば、左右ページに跨るオブジェクトがあるものと判断する。画素値は、たとえばRIP後の印刷データにおけるCMYKのそれぞれの値を比較すればよい。また、元の印刷ジョブデータのなかから左右ページを跨いで隣接する画素のRGBの値を比較してもよい。ただし、比較する際にCMYKのすべての値が0の場合(C=0、M=0、Y=0、K=0)、同様にRGBが0の場合(R=0、G=0、B=0)は、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在することにはしない。CMYKのすべての値が0(またはRGBすべて0)とは、その画素に色を打たない(その画素に印刷色がない)ことである。つまりその部分は印刷用紙の色がそのまま出るので印刷機の差は出ない。
左右ページを跨ぐオブジェクトを検出するためには、タグビット(Tagbit)情報を用いる方法もある。図14はタグビット情報を説明するための説明図である。タグビット情報とは、オブジェクトごとにそのオブジェクト種別(写真、イラスト、テキストなど)を示した情報である。
タグビットを用いた検出では、仮ページ区切り位置における左右ページで隣接する画素が同じオブジェクト種別か否かを検出する。左右ページに隣接する画素が同じオブジェクト種別であれば、左右ページを跨いだオブジェクトがあると判断する。
このように、左右ページを跨ぐオブジェクトがあると判断された仮ページ区切り位置は、本決定するページ区切り位置の候補から除外する。
次に問題となるのは図8に示した左右ページに類似のオブジェクトが存在する場合である。このようなオブジェクトにおける類似性の判断は、本実施形態では、まず、左右ページにあるオブジェクトの色が類似しているか否かを判定し、続いて同一色または類似色のオブジェクトがあれば、そのオブジェクトについて、印刷色、位置関係(配置)、および面積から評価値を求めて、評価値がしきい値以上である場合に類似性あり、すなわちページ区切り位置として不適切であると判定する。
同一色または類似色のオブジェクトとは、以下の説明においては、ある色と完全な同一色およびこれに近い色を含む概念として、単に「類似色」と称する。
以下、このような類似性の判定についての詳細を説明する。
(1)類似色オブジェクトの存在有無
左右ページにおいて、互いに類似色のオブジェクトがあるか否かを判定する。類似色がなければ、その左右ページをページ区切り位置として本決定することになる。逆に互いに類似色のオブジェクトがあれば、さらに後述の印刷色、位置関係、および面積による評価を行うことになる。
この判定は、左右ページにおいて同じ種類かつ同じ色(または極めて近い色)で印刷されるオブジェクトがあるか否かを判定するものである。そもそも同じ種類かつ同じ色(または極めて近い色)で印刷するオブジェクトが存在しなければ、異なった印刷機で印刷されたとしても問題にならないので、そのようなオブジェクトがなければその左右ページをページ区切り位置として本決定することになる。
左右ページにおいて互いに類似色のオブジェクトがあるか否かの判定は以下のように行う。
左右それぞれのページにおいて、同じ種類のオブジェクトがある場合、そのオブジェクト同士の画素値、すなわちCMYKの値を比較して、一定の範囲内となっている画素があるか否かを判定する。たとえば、各色256階調の場合は、CMYKのそれぞれの値が2.5の範囲内(CMYKの各色が約1%違う範囲)であれば、類似色とするなどである。図8の例にすると、イラスト1の類似色A1の部分(画素)のC,M,Y,K=100,100,100,100であった場合にイラスト2の類似色A2の部分のC,M,Y,K=102,101,100,99であったとするこの場合、各色ともに2.5の範囲であるので、類似色とする。またたとえば、左ページ内のある部分(画素)のC,M,Y,K=100,100,100,100であった場合に、左ページ内のある部分(画素)のC,M,Y,K=105,100,100,100であった場合は、2.5以内の画素はないので類似色ではない、とする。
もちろんこのような類似色か否かを決定するための値は任意に決めればよく、このような値に限定されるものではない。
なお、画素値の比較は、同じ種類のオブジェクト内の画素値だけ比較すればよい。ただし、オブジェクト種類を判別できない場合は、各ページ全体の画素値を比較することになる。また、CMYKのすべての値が0の場合(C=0、M=0、Y=0、K=0)(RGBが0の場合(R=0、G=0、B=0)も同じ)は画素値を比較する必要はない。また、オブジェクト種類を判別できる場合においては、左右ページに同じ種類のオブジェクトが存在しない場合はこの評価を行わなくてもよい。
(2)印刷色による評価
印刷色による評価は、上記(1)において類似色ありとされた左右ページのオブジェクト(以下、類似色オブジェクトという)について、印刷ジョブ中における原稿色が実際に印刷された色とどの程度違うかを評価してページ区切り位置として適切か否かを判定するものである。この評価値を第1の評価値とする。
この第1評価値は、類似色オブジェクトの原稿色が各印刷機の理論的な色再現域の共通領域内であれば評価値を低くし、共通領域外であれば評価値を高くする。
図15は色再現域を説明するための説明図である。
プリンターエンジン(印刷機)で再現される色は印刷機ごとに微妙に異なる。しかも再現できる色の範囲が決まっている。このプリンターエンジンごとに再現できる色の範囲を色再現域という。
このようなプリンターエンジンごとの印刷色は、印刷ジョブデータの元々の原稿色から理論的に求めることができる。このような印刷色は再現色ともいう。
まず、原稿色であるRGBの値または印刷ジョブデータとしてCMYKが来ているのであればCMYKの値から、各オブジェクトで類似色とされた色について、原稿色から得られる理論的なLab値(L表色系におけるLの各値。以下同様)を求める。
次に、求めたLab値から印刷するプリンターエンジンごとのICC(International Color Consortium)ファイルを参照して印刷されるCMYKの値を求める。この段階で、原稿色に対して印刷されるプリンターエンジンの理論的な色(CMYK値)が得られる。
次に、求めた各プリンターエンジンのCMYK値を再度プリンターエンジンごとのICファイルを参照して各プリンターエンジンのLab値を求める。これにより、プリンターエンジンごとに印刷される理論的な色のLab値がわかることになる。
次に、プリンターエンジンごとのLab値から左右ページのそれぞれ類似色ありとされたオブジェクトの色差ΔEab(デルタ・イースター・エー・ビー(以下単にΔEという)を求める。ここで求めた色差ΔEの値が評価値となる。この色差ΔEがあらかじめ決めた値以内である場合を共通領域内とする。
色差を概念的に表したのが図15である。図15中、ある原稿色A(不図示)を第1プリンターエンジンで印刷した印刷色をA1で示し、第2プリンターエンジンで印刷した印刷色をA2で示した。A1とA2の距離差(色差a)が色差ΔEに相当する。A1およびA2ともに共通領域内であるのでこのまま印刷したとしてもプリンターエンジンによる差はほとんど認識されない。
図15中、ある原稿色B(不図示)を第1プリンターエンジンで印刷した印刷色をB1で示し、第2プリンターエンジンで印刷した印刷色をB2で示した。B1は共通領域外であるが、B2は共通領域内である。その色差bは色差aよりは大きくなるが、後述する色差cよりは小さい。
さらに、図15中、ある原稿色C(不図示)を第1プリンターエンジンで印刷した印刷色をC1で示し、第2プリンターエンジンで印刷した印刷色をC2で示した。C1およびC2共に共通領域から離れている。この場合、色差cは色差bよりも大きくなる。
評価値は、たとえば、評価値=色差ΔEの値とする。そして、しきい値を1とする。つまり色差ΔEが1を超える場合は、異なる色として認識されやすいとしてその左右ページはページ区切り位置として適切でないものと判定する。色差ΔE=0であれば、共通領域の範囲内とする。
もちろんこのようなしきい値は、任意に決めればよく、このような値に限定されるものではない。たとえば、より厳密に印刷色が同じ色か否かを判定するのであれば、しきい値を小さくすればよい。たとえばしきい値=0.5とすれば、より少ない色差でもページ区切り位置として不適切と判定されることになる。また、L表色系の例を示したが、他の表色系を使用してもよい。
(3)類似色オブジェクトの位置関係の評価
類似色オブジェクトの位置関係による評価は、左右ページにある類似色オブジェクトが近いほど色差を認識されやすい。そこで左右ページにある類似色オブジェクト同士の距離が遠いほど評価値を低くし、距離が近いほど評価値を高くして、ページ区切り位置として適切か否かを判定する。この評価値を第2の評価値とする。
位置関係の評価値の求め方を説明する。図16は類似色オブジェクトの位置関係の評価値の求め方を説明する説明図である。
類似色オブジェクト同士の距離は、まず、それぞれのオブジェクトにおける類似色とされた部分のもっとも見開きの左右ページの中心(中心線)に近い位置を求めて、それらの位置からオブジェクト同士の距離を求める。図16は用紙サイズをA4、端綴じの場合の左右ページである。オブジェクトの座標はここではA4横で印刷した場合において紙が移動する方向をx、紙が移動する方向に直行する方向をyとしてmm単位で表している。また、A4サイズは、x×y=210×297mmである。もちろんその他の座標系を使用してもよい。たとえばプリンターエンジンにおいて使用しているアドレスを座標として使用してもよい。
図において、類似色A1は、左ページ内の類似色オブジェクト内の類似色と判定された部分である。同様に類似色A2は右ページ内の類似色オブジェクト内の類似色と判定された部分である。
類似色A1において、もっとも中心から近い部分の距離xは80mmである。類似色A2もっとも中心から近い部分の距離xは30mmである。したがってこの類似色A1とA2のオブジェクト同士の距離は110mmということになる。評価値は、2ページ分の幅x×2(ここではA4用紙であるので210×2=420mm)から求めたオブジェクト同士の距離を引くこととしている。つまり評価値=420−110=310mmとなる。このような算術的処理を行うのは、他の評価値同様に、その値が低いほど適切であると判定するためである。なお、このような算術的処理は、しきい値との比較で低い方を良しとするのか高い方を良しとするのかを決めるものであるから必須ではない。したがって、この算術的処理をなくして位置関係の評価値としては、値が高いほど適切であると判定するようにしてもよい。
しきい値は、たとえば例示しているA4サイズの用紙を綴じた冊子の場合、1ページの幅である210とする。その理由は、見開きとなる2ページ分のなかでは、左右ページにあるオブジェクトを同時に見たとしても、1ページ分以上離れたオブジェクトでは微妙な色の違いが認識しづらいと考えられるからである。このしきい値は、図16において「しきい値の範囲」として示したなかに、類似色の部分が入っているとページ区切り位置として適切ではないと判定されることになる。図16に示した例では、類似色A1とA2の評価値は310であるからしきい値210より大きな値である。したがってページ区切り位置として適切ではないと判定される。
もちろん、このしきい値も任意である、たとえばB5サイズなどA4サイズより小さいものでは、1ページ分の幅だけ離れていたとしても、A4サイズの場合より近いため、認識されやすいこともある。したがって。用紙サイズが小さい場合は、しきい値をその用紙の1ページ分の幅より大きな値としてもよい。逆にA4より大きなサイズの大判を使用している場合は、しきい値をその用紙の1ページ分の幅より小さな値としてもよい。
(4)類似色オブジェクトの面積
次に、類似色オブジェクトの面積による評価である。類似色オブジェクトの面積が大きいほど、色差が認識されやすい。したがって、類似色オブジェクトの面積が大きいものほど評価値を高くし、面積が小さいほど評価値を低くして、ページ区切り位置として適切か否かを判定する。この評価値を第3の評価値とする。
面積の評価値の求め方を説明する。図17は類似色オブジェクトの面積の評価値の求め方を説明する説明図である。
類似色オブジェクトの面積は、左右ページのそれぞれにおけるオブジェクトの類似色とされた画素をカウント(積算)することにより求める。ただし、このとき類似色とされた画素が連続しているものだけをカウントする。また、一定個数以上離れていない画素だけをカウントする(たとえば、1画素以上離れないで類似色と判定されている画素、または2画素以上離れないで類似色と判定されている画素などをカウントする。何画素以上離れていれば連続していないとするかは任意である)。
たとえば、300dpiでの印刷の場合で説明する。1インチは約2.54cmである。x方向に300画素、y方向にも300画素カウントされると、縦横共に約2.54cmとなる面積で同じ色が連続していることになる。評価値は、求めた面積そのものでよい。なお、単位については、cmでもよいしインチでもよいし、また、カウントする画素数でもよい。
左右ページでそれぞれ求めた面積をしきい値と比較する。しきい値は、たとえばそれぞれのページ内で1cmとする。それぞれのページ内でしきい値と比較するのは、たとえば、一方のページ内だけ大きな面積があったとしても、他方のページの面積が極めて小さければ、類似色の色差を認識することができないため、両方のページである程度の面積があるか否かを判定する必要があるためである。
ここでは、しきい値として1cmとしている。これは、この程度の面積で類似色が左右ページの存在する場合、微妙な色の差を認識される可能性が高くなるからである。もちろん、この面積のしきい値についても任意に決めればよい。
図17の例では、類似色A1、A2共に、しきい値の面積である1cmを越えている。したがってページ区切り位置として適切ではないと判定される。
この面積を出すため画素のカウントは、上記(1)において類似色か否かを判定する際に、類似色とされた画素を同時にカウントするようにしてもよい。
なお、面積の求め方はこれ以外にも、たとえば類似色とされている部分の座標値から求めてもよい。
以上のようにして各評価値を求め、それぞれの評価値において、判定結果がしきい値以下であるとなれば、その段階でその左右ページをページ区切り位置に本決定してもよい。
しかしながら、各評価値では良好であっても全体として、微妙な色差が認識されやすいような画像もある。そこで、第1〜3の評価値を足し合わせて、総合評価値としてこれを総合しきい値と比較することで、最終的にページ区切り位置とするか否かを判定することとしてもよい。
総合評価値が総合しきい値より低ければ、その左右ページは色差が認識されやすいことを示しているのでページ区切り位置として適切ではない、ということになる。一方、評価値がしきい値より高ければ、その左右ページは色差が認識されにくいので、ページ区切り位置として適切であることになる。
総合評価値は、たとえば各評価値に重み付けすることが好ましい。たとえば下記式のとおりである。
総合評価値=第1の評価値×A+第2の評価値×B+(第3の評価値左×C)+(第3の評価値右×C)
式中、A,B,Cはそれぞれの評価値ごとの重み付けの値である。また第3の評価値左は左ページにおける面積値であり、第3の評価値右は右ページにおける面積値である。
重み付けの値は、たとえば、印刷色の違いは、理論的にそれぞれのプリンターエンジンで再現される色が明らかに異なることを示しているので、他の評価値より高くする。位置関係については影響が少ない。また面積は位置関係よりは影響が大きい。また、これまで説明したとおり各評価値は1桁だったり、3桁だったりして、評価値として桁違いとなっている。このため、この桁違いを調整する必要もある。そこで、重み付けとしては、この桁違いの調整も行う。
これら重み付けを付けると、たとえばA=300、B=1、C=200などとすればよい。すなわち、総合評価値=第1の評価値×300+第2の評価値×1+(第3の評価値左×200)+(第3の評価値右×200) である。
一方、総合しきい値も、第1〜3の評価値同様に、桁調整と共に影響の程度による重み付けを行う。総合しきい値はたとえば、300+210+200=710となる。
この総合評価値を使うことで、個別の評価値で判定するよりも左右ページ全体の印象としてページ区切り位置として適切か否かを判定できる。
(検索範囲の設定)
仮ページ区切り位置が適切ではないとされた場合に、仮ページ区切り位置以外の他のページを検索して判定する要がある。
前述したように、仮ページ区切り位置は、プリンターエンジンの生産性に応じた2つの形態がある。したがって、一方の仮ページ区切り位置が適切ではないとされた場合は、他方の仮ページ区切り位置について、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか、または評価値がしきい値より高いかを判定する。この段階でオブジェクトが左右ページを跨がない、かつ評価値がしきい値以下となれば、その仮ページ区切り位置を本決定のページ区切り位置とする。
しかし、第1の仮ページ区切り位置と第2の仮ページ区切り位置ともに除外されてしまう場合は、さらに適切なページ区切り位置を探す必要がある。一方、自由に検索したのでは、ページの検索、判定処理に時間がかかる。また振り分けたページ数が適切でなく所要時間に片寄りが生じた場合には、トータルとしての生産性が低下してしまうという問題がある。そこで、本実施形態では生産性をできるだけ低下させないようにするために、生産性の割合に応じで検索範囲を設定することとした。
図18は第1の仮ページ区切り位置を例にした検索範囲の設定の仕方を説明するための説明図である。
検索範囲の設定は第1の仮ページ区切り位置と第2の仮ページ区切り位置のそれぞれを基準に設定する。
まず、第1の仮ページ区切り位置を基準とした場合は、生産性の比率と逆の割合で検索する範囲を設定する。第1の仮ページ区切り位置は生産性の割合1:2で仮決定した位置である。そこで、検索範囲は、その逆の2:1の割合となるように設定する。図18に示すように、第1の仮ページ区切り位置を基準として、生産性の低い方に2の割合で検索範囲のページ数を設定し、高い方に1の割合で検索範囲のページ数を設定する。これにより、検索範囲の総ページ数を30ページとして、生産性が低い方の第1プリンターエンジン103で印刷する方に20ページ分、生産性が高い方の第2プリンターエンジン104で印刷する方に10ページ分となる。
この図18を例にすると、最終的に生産性の低い方の最後のページ(第380ページ)で本決定された場合は、第1の仮ページ区切り位置よりも生産性の高い第2プリンターエンジン104で20ページ余分に印刷することになる。このため第2プリンターエンジン104では第381ページからプリントを開始することになる。そうすると第2プリンターエンジン104では第1の仮ページ区切り位置(第401ページ)から印刷を開始した場合よりも、終了時間が12秒遅くなる。
一方、最終的に生産性の高い方の最後の検索ページ(第410ページ)で本決定した場合は、第1の仮ページ区切り位置よりも生産性の低い第1プリンターエンジン103で10ページ余分に印刷することになる(400ページで終わっていたものが410ページ印刷することになる)。このため第1プリンターエンジン103での終了時間が12秒遅くなる。
このように生産性の割合と逆の割合で検索範囲を設定することで、生産性がもっとも低下した場合でも(生産性の高い方、低い方のいずれかの最後のページでページ区切り位置が本決定された場合)、同程度の生産性の低下で納めることができる。
このように設定された検索範囲内の各ページの判定は、以下のようにして行う。まず生産性の低い方へ、第1の仮ページ区切り位置から2ページ分シフトした左右ページを判定する。図18においては左右ページとして第398ページと第399ページ(1SR1)を判定する。この段階で第398ページと第399ページを跨ぐオブジェクトが存在しない、かつ評価値がしきい値以下となればその左右ページをページ区切り位置として本決定する。
一方、第398ページと第399ページを跨ぐオブジェクトが存在する場合または評価値がしきい値を超える場合は、次の判定は他の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲内の判定となる。他の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲内の判定で適切なページ区切り位置ではないとされると、再びこの第1の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲に戻ってくる。そうするとこの段階では、次に生産性の低い方へさらに2ページ分シフトした第396ページと第397ページ(1SR2)を判定する。この段階で、この左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しないかつ評価値がしきい値以下であれば、この左右ページをページ区切り位置として本決定する。
一方、第396ページと第397ページを跨ぐオブジェクトが存在する場合または評価値がしきい値を超える場合は、次の判定は、他の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲内の判定となる。他の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲内で適切なページ区切り位置ではないとされると、再びこの第1の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲に戻ってくる。そうするとその段階では、次に生産性の高い方へ2ページ分シフトした第402ページと第403ページ(1SR3)を判定する。ここでも本決定できなければ、他の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲内となって、そこで適切でなければ、ここへ戻り、その次には、生産性の低い方へ2ページ分シフトした第396ページと第397ページ(1SR4)を判定する。以降生産性の低い方へさらにシフトして(1SR5)を判定後、次は生産性の高い方の(1SR6)と、判定するページをシフトさせて行く。
このように1つの仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲内においては、生産性の低い方へ2ページ分シフトすることを2回、生産性の高い方へ2ページ分シフトすることを1回行い、判定してゆくのである。
図19は第2の仮ページ区切り位置を例にした検索範囲の設定を説明するための説明図である。
第2の仮ページ区切り位置についても、第1の仮ページ区切り位置と同様に第2の仮ページ区切り位置を基準として、生産性の割合と逆となるように検索範囲を設定する。図19に示すように、検索範囲の総ページ数を30ページとして、生産性が高い方の第2プリンターエンジン104で印刷する方に10ページ分、生産性が低い方の第1プリンターエンジン103で印刷する方に20ページ分とする。
このように設定された検索範囲内における判定も、第1の仮ページ区切り位置の検索範囲と同様に、まず生産性の低い方へ、第2の仮ページ区切り位置から2ページ分シフトした第802ページと第803ページ(2SR1)を判定し、続いてさらに低い方へ2ページ分シフトした第804ページと第805ページ(2SR2)を判定する。次には生産性の高い方へ2ページ分シフトした第798ページと第799ページ(2SR3)を判定する。さらに次に生産性の低い方へ戻り(2SR4)、(2SR5)と判定後、高い方(2SR6)の判定と、続けてゆくことになる。
このように処理手順(詳細後述)としては、1つの仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲内での1つの左右ページの判定が終われば、別の仮ページ区切り位置を基準とする検索範囲の1つの左右ページを判定することを繰り返してゆくことが好ましい。このように仮ページ区切り位置の検索範囲を巡回してゆくことで、生産性を基に算出された仮ページ区切り位置に近い位置でページ区切り位置を本決定できる。このため仮ページ区切り位置以外で本決定されたとしても、生産性の低下を少なくできる。
最初に設定した検索範囲では、オブジェクトが跨がない、かつ評価値がしきい値以下となっている左右ページがなければ、さらに検索範囲を広げる必要がある。図20は、検索範囲を拡張する方法を説明するための説明図である。
図示するように、検索範囲を拡張する場合も、生産性の割合の逆となるように広げることが好ましい。つまり、第1の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲は、生産性の低い方:高い方を2:1の割合となるようにページ数を広げてゆく。具体的にはたとえば図20に示すように、生産性の低い方にさらに20ページ広げて第360ページまでを検索範囲とし、生産性の高い方にさらに10ページ広げて第421ページまでを検索範囲とする。図示しないが第2の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲を広がる際も同様であり、生産性の低い方:高い方を2:1の割合となるようにページ数を広げてゆく。
ここで評価値と判定したページの関係を説明する。図21は評価値と判定したページの関係の1例を説明するためのグラフである。グラフにおいて横軸はページ数、縦軸は評価値を示し、上に行くほど評価値は大きくなる。
図示するように、判定した左右ページごとに様々な評価値が算出される。そしてこのグラフでは第402ページと第403ページにおいて評価値が最小となっている。そして、しきい値以下となっている。このため、このグラフでは、第402ページと第403ページの位置をページ区切り位置として本決定することになる。なおグラフは、グラフ上で表記されているページ(第349ページから第406ページ)のすべての評価値を求めているが、これはあくまでも説明のためであり、実際の処理においては、評価値がしきい値以下となる左右ページが検出された時点で、その位置をページ区切り位置として本決定し、それ以外の評価は行わなくてもよい。
なお、しきい値に代えて、あらかじめ決めた検索範囲を総当たりして、そのうちもっとも評価値が低い左右ページとなっている位置をページ区切り位置として本決定するようにしてもよい。このようにすることで、検索範囲を広げずに済むため、検索時間の短縮を図ることができる。
(ページ区切り位置を決定するための処理手順)
次にページ区切り位置を決定するための処理手順を説明する。図22は、ページ区切り位置を決定するための処理手順を示すフローチャートである。
この処理手順は、プリンターコントローラー102によって実行される。
まず、プリンターコントローラー102は、ユーザー端末101から印刷ジョブのデータを受信する(S1)。プリンターコントローラー102は、受信した印刷ジョブのデータをRIP処理する(S2)。この時必要であれば色調整なども行われる。この段階で全ページのRIP処理が行われる。
続いて、プリンターコントローラー102は、RIP処理後のデータを用いて、管理下の各プリンターエンジンの生産性から仮ページ区切り位置を算出する(S3)。この処理は、既に説明したように、接続されているプリンターエンジンの数および印刷ジョブ内の印刷する総ページ数、綴じ形態に応じて、仮ページ区切り位置を算出する。
続いて、プリンターコントローラー102は、判定するページの設定を行う(S4)。判定するページの順番は、第1の仮ページ区切り位置、第2の仮ページ区切り位置、さらに3台以上のプリンターエンジンがある場合は第3以降の仮ページ区切り位置が続くように設定する。次に各仮ページ区切り位置の判定後、第1の仮ページ区切り位置を基準とする検索範囲の最初の左右ページ(1SR1)、続いて第2の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲のうち最初の左右ページ(3SR1)、その次は第3の仮ページ区切り位置がある場合はそれを基準とした検索範囲のうち最初の左右ページと続くように設定する。そして最後の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲のうち最初の左右ページが設定されたなら、第1の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲のうち次の左右ページ(1SR2)が設定され、次に第2の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲のうち次の左右ページ(1SR2)と、…となるように設定する。
つまり、既に説明したように、仮ページ区切り位置を巡回するように判定するページの順番を設定するのである。設定されたページは、判定ページテーブルとして判定順番にまとめてプリンターコントローラー102が一時記憶しておく。
図23は2台のプリンターエンジンで分散印刷する場合の判定ページテーブルを示したテーブル図である。
図示するように、判定順番1〜32の順に第1の仮ページ区切り位置の左右ページである第400ページと第401ページから始まり、最後は第2の仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲の最後の順番となる左右ページの第790ページと第791ページで終わることになる(図18および19参照)。なお、図23中、1SR1、2SR1、…2SR15は、図18および19に示した各左右ページの位置を表している。
その後、プリンターコントローラー102は、判定するページの順番を最初は1に設定する(S5)。続いて、プリンターコントローラー102は、判定ページテーブルを確認して、現在設定されている判定順番の左右ページについて、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否か判定する(S6)。ここで左右ページを跨ぐオブジェクトが存在する場合(S6:YES)、プリンターコントローラー102は、S20以降に移行する(後述)。
一方、S6で、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しないと判定されたなら(S6:NO)、続いて、プリンターコントローラー102は、左右ページが適切か評価(S7)へ移行する。
左右ページが適切か評価は、ここでは既に説明した総合評価値による評価とした。もちろん、個別の評価のいずれかだけでもある程度、左右ページの色差が認識されにくいページ区切り位置とすることができるので、個別の評価のいずれかだけをこのステップで評価するようにしてもよい(ただし類似色オブジェクトの判定は行う必要があるので、それと他の評価を少なくとも1つ組み合わせることになる)。
S7の評価の結果、適切であると判定されたなら(S8:YES)、その左右ページをページ区切り位置として本決定とする(S9)。本決定されたなら、判定処理は終了する。プリンターコントローラー102は、その後、この判定結果から本決定されたページ区切り位置で分割したそれぞれのページを各プリンターエンジンへ振り分けて印刷させる。
一方、S7の評価の結果、適切ではないと判定されたなら(S8:NO)、続いて、プリンターコントローラー102は判定順番の最終番号か否かを判断する(S20)。判定順番の最終番号でければ(S20:NO)、判定順番を1加算して(S22)、S6へ戻る。
判定順番の最終番号となった場合(S20:YES)は、これまでの判定でページ区切り位置として適切な左右ページがないので、検索範囲を広げる(S21)。検索範囲を広げる方法は、既に説明したとおりである。この処理ではS4で作成した判定ページテーブルに、さらに広げた分の左右ページを順番に追加すればよい。その後、判定順番を1加算して(S22)、S6へ戻る。そして以降の処理を続けてゆくことになる。
なお、検索範囲を広げても、ページ区切り位置として適切な位置が見つからない(すなわち本決定できない)場合は、エラーを表示させる(または印刷ジョブを送信したユーザー端末101へページ区切りとして適切な位置がない旨を送信してユーザー端末101上でエラー表示させる)などして、処理を終了する。これには、図示しないが、たとえばS21の段階で、検索範囲を拡張した回数をカウントしておき、数回目となった時点でエラーとするなどである。または印刷ジョブの総ページの最後のページになるまで検索範囲を広げた時点でエラーとするなどである。
以上、処理手順を説明したが、これは一例であり、たとえば、上述した処理手順では、判定するページの順番を判定ページテーブルとして作成したが、これに代えて、処理の流れのなかで、判定するページの順番を決めてもよい。たとえば、1つの左右ページを判定したなら、次の仮ページ区切り位置における判定するページを設定することを繰り返すことで、処理の流れのなかで次々に仮ページ区切り位置を基準とした検索範囲を巡回して判定することができる。
また、上述した処理手順では、印刷ジョブの全ページをRIP処理してから仮ページ区切り位置を算出することとした。これは、RIP処理は全ページ必ず行わなくてはならない処理であるので、先に全ページをRIP処理することで、左右ページの画像を得てから仮ページ区切り位置を算出することで、総印刷時間を短くできるためである。
RIP処理を複数同時に処理できる場合などは、印刷ジョブのなかから仮ページ区切り位置を先に算出し、その前後の検索範囲のみを先にRIP処理して、仮ページ区切り位置とその前後の検索範囲を使用して適切か否かの判定を行うようにしてもよい。その後、印刷ジョブの中から本決定されたページ区切り位置で分割した各ページを複数同時処理としてRIP処理を行う、このようにすることで、RIP処理を複数同時に処理できる場合は、総印刷時間をより短くすることができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態は、1つの印刷物を特定ページで区切り複数の印刷機で分散印刷する分散印刷システム100において、分割点となる左右ページを跨ぐオブジェクトがない左右ページを検索して、そのページで分割するようにした。これにより、分散印刷の主目的である生産性を保ちつつ、左右ページにおける印刷機の違いによる色の差がユーザーに容易に認識されることを回避することができる。
また、左右ページを跨ぐオブジェクトがない左右ページであっても、類似色のオブジェクトの有無を確認して、類似色のオブジェクトがある場合は、そのオブジェクトの理論的な印刷色、距離、および面積を評価することで、より適切なページ区切り位置を見つけ出すこととした。このため、微妙な色差であってもユーザーに認識されにくい左右ページをページ区切り位置として設定することができる。
また、印刷機(プリンターエンジン)の生産性を基にして区切った仮ページ区切り位置では、適切なページ区切り位置とならない場合には、さらに生産性を基にして区切った仮ページ区切り位置を基準に生産性の逆の割合となるページ数の検索範囲を設定して、そのなかの左右ページを判定および評価することとした。これにより、生産性の低下をできるだけ少なくして、より適切な左右ページをページ区切り位置に決めることができる。
このように本実施形態によれば、分散印刷の区切り位置に対してオブジェクトの位置関係や原稿の色を基に、印刷機の違いが顕在化するリスクを評価し、最終の区切り位置を本決定するため、ユーザーが印刷機の違いによる色の違い認識してしまうことが低減される。また区切り位置決定の際、分散印刷機の生産性の比率を基に導いた区切り位置を起点に探索を行うため、分散印刷の主目的である短納期性も損なわれることがない。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。たとえば、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない左右ページが検出されたなら、類似色の判定は行わずに、その時点でその左右ページをページ区切り位置として本決定してもよい。これは多少類似した色が左右ページにあったとしても、その色のオブジェクトが左右ページを跨いでいなければ、左右ページを跨ぐオブジェクトに比べれば色差が認識されにくい。このため左右ページを跨ぐオブジェクトがない左右ページがあれば、それをページ区切り位置としても、印刷機の違いによる色差による違和感へ軽減されることになる。
また、類似色のオブジェクトがある場合の評価は、色再現による評価、面積、距離のいずれかだけで評価してもよい。さらには第1〜3の評価値それぞれをしきい値と比較して、1つでもしきい値以下となれば、その時点の左右ページを本決定のページ区切り位置としてもよい。これらの場合、すべての評価により決定するよりも精度が劣るものの、いずれかで評価すれば類似色が左右ページにある場合でも、色差が認識される可能性の低くい左右ページをページ区切り位置にできる。そして評価項目が少なくなることで処理を高速化できる。
また、冊子形態の例として3つの綴じ形態を説明したが、本発明はこれらの綴じ形態に限定されるものではなく、その他の綴じ形態はもとより、単にファイル表紙の間にまとめられただけのものや、クリップ止めされただけのものなど、冊子形態とされたものであればどのようなものであってもよい。
そのほか、本発明は、これら実施形態に限定されるものではない。本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
100 分散印刷システム、
101 ユーザー端末、
102 プリンターコントローラー、
103 第1プリンターエンジン、
104 第2プリンターエンジン、
201 CPU、
202 ROM、
203 RAM、
204 ハードディスク、
205 RIP、
206 通信インターフェース、
207 ビデオインターフェース。

Claims (18)

  1. 用紙に画像を印刷する複数の印刷機と、
    前記複数の印刷機と接続されており、複数ページからなる印刷ジョブを分割して前記複数の印刷機のそれぞれに印刷させるプリンターコントローラーと、を有し、
    前記プリンターコントローラーは、前記複数の印刷機のそれぞれの生産性に対応したページ数となるように分割する仮ページ区切り位置を決定し、印刷後の用紙を冊子形態としたときの前記仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定して、
    存在しないと判定した場合には前記仮ページ区切り位置をページ区切り位置として本決定し、存在すると判定した場合には前記仮ページ区切り位置以外の左右ページを検索して、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない前記仮ページ区切り位置以外の左右ページを前記ページ区切り位置として前記本決定し、
    前記本決定した前記ページ区切り位置で区切ったページ数を前記複数の印刷機のそれぞれに印刷させる、分散印刷システム。
  2. 前記プリンターコントローラーは、前記仮ページ区切り位置として、生産性が低い印刷機の方からページ順に印刷するページを割り当てた第1の仮ページ区切り位置と、生産性が高い印刷機の方からページ順に印刷するページを割り当てた第2の仮ページ区切り位置と、をそれぞれ決定し、
    前記第1の仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合は前記第1の仮ページ区切り位置をページ区切り位置として前記本決定し、存在すると判定した場合は前記第2の仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合は前記第2の仮ページ区切り位置をページ区切り位置として前記本決定し、存在すると判定した場合は、さらに前記第1および第2の仮ページ区切り位置以外の左右ページを検索して、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない前記第1および第2の仮ページ区切り位置以外の左右ページをページ区切り位置として前記本決定する、請求項1に記載の分散印刷システム。
  3. 前記プリンターコントローラーは、前記仮ページ区切り位置以外の左右ページの検索として、前記仮ページ区切り位置を基準として、前記生産性の高い前記印刷機で印刷されるページが多く、生産性の低い前記印刷機で印刷されるページが少なくなる検索範囲を設定し、当該検索範囲内のそれぞれの左右ページについて、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定する、請求項1または2に記載の分散印刷システム。
  4. 前記プリンターコントローラーは、前記存在しないと判定された左右ページに対して、前記本決定の前に、さらに前記左右ページに同一色または類似色のオブジェクトがあるか否かを判定して、前記同一色または類似色のオブジェクトがないと判定された場合には前記左右ページを前記本決定し、
    前記同一色または類似色のオブジェクトがあると判定された場合には前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かを判定して、適切であれば前記左右ページを前記本決定とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の分散印刷システム。
  5. 前記プリンターコントローラーは、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトの印刷ジョブにおける原稿色が各印刷機での理論的な色変換後の印刷色の再現色域の共通領域内か否かを評価し、前記左右ページの前記同一色または類似色のオブジェクトの前記原稿色が前記共通領域内であれば評価値を低く、前記共通領域から外れるほど前記評価値を高くして、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、請求項4に記載の分散印刷システム。
  6. 前記プリンターコントローラーは、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、前記冊子形態の状態において前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクト同士の距離が近いほど評価値を高くして、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、請求項4に記載の分散印刷システム。
  7. 前記プリンターコントローラーは、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトのそれぞれの面積が大きいほど評価値を高くし、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、請求項4に記載の分散印刷システム。
  8. 前記プリンターコントローラーは、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、
    前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトの印刷ジョブにおける原稿色が各印刷機で印刷色の理論的な色変換後の印刷色の色再現域の共通領域か否かを評価し、前記左右ページの前記同一色または類似色のオブジェクトの前記原稿色が前記共通領域内であれば第1の評価値を低くし、前記共通領域から外れるほど前記第1の評価値を高くして、
    前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクト同士の距離が左右ページで近いほど第2の評価値を高くし、
    前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトのそれぞれの面積が大きいほど第3の評価値を高くして、
    得られた第1〜3の評価値を合計した総合評価値とあらかじめ決められた総合しきい値とを比較して前記合計した総合評価値が総合しきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、請求項4に記載の分散印刷システム。
  9. 前記プリンターコントローラーは、前記仮ページ区切り位置の左右ページおよび前記仮ページ区切り位置以外の左右ページとなるページの組み合わせを折り形態または綴じ形態に基づいて設定する、請求項1〜8のいずれか1つに記載の分散印刷システム。
  10. 複数ページからなる印刷ジョブを分割して複数の印刷機のそれぞれに印刷させる分散印刷方法であって、
    各印刷機の生産性に対応したページ数となるように分割する仮ページ区切り位置を決定する段階(a)と、
    印刷後の用紙を冊子形態としたときの前記仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合には前記仮ページ区切り位置をページ区切り位置として本決定し、存在すると判定した場合には前記仮ページ区切り位置以外の左右ページを検索して、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない前記仮ページ区切り位置以外の左右ページを前記ページ区切り位置として前記本決定する段階(b)と、
    前記本決定した前記ページ区切り位置で区切ったページ数を前記複数の印刷機のそれぞれに印刷させる段階(c)と、を有する、分散印刷方法。
  11. 前記段階(a)は、前記仮ページ区切り位置として、生産性が低い印刷機の方からページ順に印刷するページを割り当てた第1の仮ページ区切り位置と、生産性が高い印刷機の方からページ順に印刷するページを割り当てた第2の仮ページ区切り位置と、をそれぞれ決定し、
    前記段階(b)は、前記第1の仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合には前記第1の仮ページ区切り位置を前記ページ区切り位置として前記本決定し、存在すると判定した場合は前記第2の仮ページ区切り位置における左右ページに、当該左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定し、存在しないと判定した場合は前記第2の仮ページ区切り位置を前記ページ区切り位置として前記本決定し、存在すると判定した場合にはさらに前記第1および第2の仮ページ区切り位置以外の左右ページを検索して、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在しない前記第1および第2の仮ページ区切り位置以外の左右ページを前記ページ区切り位置として前記本決定する、請求項10に記載の分散印刷方法。
  12. 前記仮ページ区切り位置以外の左右ページの検索は、前記仮ページ区切り位置を基準として、前記生産性の高い前記印刷機で印刷されるページが多く、生産性の低い前記印刷機で印刷されるページが少なくなる検索範囲を設定し、当該検索範囲内のそれぞれの左右ページについて、左右ページを跨ぐオブジェクトが存在するか否かを判定する、請求項10または11に記載の分散印刷方法。
  13. 前記段階(b)は、前記存在しないと判定された左右ページに対して、前記本決定の前に、さらに前記左右ページに同一色または類似色のオブジェクトがあるか否かを判定して、同一色または類似色のオブジェクトがないと判定された場合には前記左右ページを前記本決定し、
    前記同一色または類似色のオブジェクトがあると判定された場合には前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かを判定して、適切であれば前記左右ページを前記本決定とする、請求項10〜12のいずれか1つに記載の分散印刷方法。
  14. 前記段階(b)における、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定は、前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトの印刷ジョブにおける原稿色が各印刷機での理論的な色変換後の印刷色の再現色域の共通領域内か否かを評価し、前記左右ページの前記同一色または類似色のオブジェクトの前記原稿色が前記共通領域内であれば評価値を低く、前記共通領域から外れるほど前記評価値を高くして、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、請求項13に記載の分散印刷方法。
  15. 前記段階(b)における、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定は、前記冊子形態の状態において前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクト同士の距離が近いほど評価値を高くして、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、ページ区切り位置として適切であると判定する、請求項13に記載の分散印刷方法。
  16. 前記段階(b)における、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定は、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定として、前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトのそれぞれの面積が大きいほど評価値を高くし、前記評価値とあらかじめ決められたしきい値とを比較して前記評価値がしきい値以下であれば、ページ区切り位置として適切であると判定する、請求項13に記載の分散印刷方法。
  17. 前記段階(b)における、前記左右ページが前記ページ区切り位置として適切か否かの判定は、
    前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトの印刷ジョブにおける原稿色が各印刷機での理論的な色変換後の印刷色の再現色域の共通領域内か否かを評価し、前記左右ページの前記同一色または類似色のオブジェクトの前記原稿色が前記共通領域内であれば第1の評価値を低くし、前記共通領域から外れるほど前記第1の評価値を高くして、
    前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクト同士の距離が左右ページで近いほど第2の評価値を高くし、
    前記左右ページにある前記同一色または類似色のオブジェクトのそれぞれの面積が大きいほど第3の評価値を高くして、
    得られた第1〜3の評価値を合計した総合評価値とあらかじめ決められた総合しきい値とを比較して前記合計した総合評価値が総合しきい値以下であれば、前記ページ区切り位置として適切であると判定する、請求項13に記載の分散印刷方法。
  18. 前記仮ページ区切り位置の左右ページおよび前記仮ページ区切り位置以外の左右ページとなるページの組み合わせを折り形態または綴じ形態に基づいて設定する、請求項10〜17のいずれか1つに記載の分散印刷方法。
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