JP2018005095A - ホログラム表示装置 - Google Patents

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康博 高木
Yasuhiro Takagi
康博 高木
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Abstract

【課題】視域を縮小することなくホログラムが表示される画面を大画面化する。【解決手段】複数の空間光変調器12a〜12dによりホログラムの再生波面情報に基づいて、それぞれ、入射したレーザ光を変調して再生波面の一部を空間的に生成し、それらの変調光を、それぞれ、複数の空間光変調器にそれぞれ対応して設けられた複数の拡大光学系20a〜24aにより拡大し、平行にして、ホログラムが結像される結像面に空間的に配列して再生波面を生成する。それにより、複数の拡大光学系によりそれぞれ拡大され平行にされた変調光が結像面に空間的に配列されて再生波面が生成されることで、拡大されたホログラムが再生される。【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラム表示装置に関する。
空間光変調器(SLM)を用いて、ホログラムを電子的に表示する技術(電子ホログラフィと呼ぶ)が知られている。電子ホログラフィにおいて、ホログラムを視ることのできる領域(すなわち、視域)の広さ或いは角度範囲(すなわち、視域角)はSLMのピクセルピッチに反比例し、ホログラムが表示される画面のサイズはSLMのピクセル数(すなわち、解像度)に比例する。従って、ホログラムを大画面上に表示するとともに、それを広い視野において視ることのできる電子ホログラフィを実現するには、光の波長程度のピクセルピッチと高い解像度とを有する超高精細なSLMを必要とする。
例えば、電子ホログラフィにおいて視域角30度及び画面サイズ40インチを実現するには、ピクセルピッチ1.0μm(光の波長0.6μmとする)に対して、解像度約764,000×430,000のSLMを必要とする。しかし、現存するSLMの解像度は数1000程度であることから、SLMを単純に用いる電子ホログラフィは現実的でない。
そこで、例えば特許文献1には、微小電気機械システム(MEMS)型のSLM(MEMS−SLM)、拡大結像系、及び水平スキャナから構成される視域走査型のホログラム表示装置が開示されている。ホログラム表示装置は、MEMS−SLMにより変調された光を拡大結像系により拡大することで、画面を拡大する。ただし、これとともに見かけのピクセルピッチが拡大するため、視域が縮小する。そこで、ホログラム表示装置は、さらに、拡大結像系から出射する光を水平スキャナにより反射して、縮小した視域を水平方向に走査することで視域を実質的に広げる。
[特許文献1] 特開2010−008822号公報
しかしながら、上述の視域走査型のホログラム表示装置では、視域は、水平スキャナによりその走査角(例えば、40度)内で走査することで比較的十分に拡げることができるが、画面サイズは、水平スキャナのミラーサイズ(例えば、2インチ)により制限される。ミラーを大きくするにも、大型化と重量化による慣性モーメントの増大により走査レートが下がるという問題がある。
本発明の一態様においては、ホログラムの再生波面情報に基づいて、それぞれ、入射したレーザ光を変調して再生波面の一部を空間的に生成する複数の空間光変調器と、複数の空間光変調器にそれぞれ対応して設けられ、対応する空間光変調器から出射する変調光を拡大し、平行にして、ホログラムが結像される結像面に空間的に配列して再生波面を生成する複数の拡大光学系と、結像面から出射する光束を集光して、三次元的に閉じた視域を形成する共通光学系と、を備えるホログラム表示装置が提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係るホログラム表示装置の構成を示す。 拡大光学系の構成を示す。 共通光学系の構成を上面視により示す。 共通光学系の構成を側面視により示す。 共通光学系による視域走査の原理を示す。 制御系の構成を示す。 一実施例にかかるホログラム表示装置により得られたホログラム像を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るホログラム表示装置1の構成を示す。図中、拡大光学ユニット20に含まれる複数の拡大光学系のそれぞれの光軸を一点鎖線により示している。ここで、複数の拡大光学系の光軸に平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内で互いに直交する2つの方向のうちの一方(すなわち、図面上下方向)をY軸方向(垂直方向とも呼ぶ)、他方をX軸方向(水平方向とも呼ぶ)とする。
ホログラム表示装置1は、複数の拡大光学系を採用することにより、すなわちマルチチャネル化により、ホログラムが表示される画面を大画面化することを目的とするマルチチャネル型のホログラム表示装置であり、空間光変調ユニット10、拡大光学ユニット20、共通光学系30、及び制御系40(図1では不図示、図5参照)を備える。なお、本実施形態では、ホログラム表示装置1は一例として4チャネル型とする。また、ホログラムが再生される結像面は、共通光学系30(に含まれるレンズ素子31のレンズ面)上に位置するものとする。
空間光変調ユニット10は、ホログラムの再生波面情報に基づいてレーザ光を変調して再生波面を空間的に生成するユニットであり、複数(本実施形態では一例として4)の光源11a、11b、11c、11d、複数(本実施形態では一例として4)の空間光変調器(SLM)12a、12b、12c、12d、及びシングルサイドバンド(SSB)フィルタ22a、22b、22c、22dを含む。なお、再生波面情報とは、ホログラムの再生像を形成する波面に関する情報である。
光源11a、11b、11c、11dは、ホログラムを再生するためのコヒーレントな照明光を生成する。光源として、例えば半導体レーザを採用することができる。なお、照明光をレーザ光とも呼ぶ。光源11a、11b、11c、11dは、それぞれ、SLM12a、12b、12c、12dに対応して配置され、それらの変調素子に向けてレーザ光を出射する。なお、光源11a、11b、11c、11dに代えて、1つの光源からの光を分割して複数の照明光を生成し、これらをSLM12a、12b、12c、12dの変調素子に向けてそれぞれ出射することとしてもよい。複数の照明光の間でコヒーレンスが保たれることで、ホログラム像の画質が向上する。
SLM12a、12b、12c、12dは、それぞれ、変調素子を用いてホログラムパターンを表示して変調素子に入射する照明光(その強度及び位相)を変調することにより、再生波面の一部を空間的に生成する装置である。SLM12a、12b、12c、12dは、例えば、微小電気機械システム(MEMS)を使用したSLM(MEMS−SLM)又は反射型液晶パネル(LCOS)を使用したSLM(LCOS−SLM)を採用することができる。なお、ホログラムパターンは、イメージセンサを用いて撮影することにより又はコンピュータシミュレーションにより生成することができる。
本実施形態のホログラム表示装置1では、SLM12a、12b、12c、12dとして、高フレームレート表示が可能なMEMS−SLMを採用する。MEMS−SLMは反射型の変調器であることから、変調素子の微小ミラー面に対して斜め方向から照明光を入射する。なお、反射型のLCOS−SLMを採用する場合は、表示面の正対位置から照明光を入射する。強誘電性液晶を用いたLCOS−SLMも高フレームレート表示が可能である。また、透過型のSLMを採用する場合は、裏面側から照明光を入射する。
SLM12a、12b、12c、12dは、それぞれ、後述する拡大光学ユニット20に含まれる拡大光学系20a、20b、20c、20dに対応してそれらの光軸上に配置され、光源11a、11b、11c、11dから出射するレーザ光を受け、これを変調して対応する拡大光学系20a、20b、20c、20dに向けて+Z方向に出力する。
シングルサイドバンド(SSB)フィルタ22a、22b、22c、22dは、それぞれ、対応するSLM12a、12b、12c、12dから出射する変調光に含まれる不要光、例えばゼロ次光と共役光(共役像とも呼ぶ)をカットするフィルタである。SSBフィルタ22a、22b、22c、22dは、それぞれ、後述する拡大光学系20a、20b、20c、20d内において第1レンズ21a、21b、21c、21dの焦点面に配置されている。SLM12a、12b、12c、12dから出射した変調光は、それぞれ、SSBフィルタ22a、22b、22c、22dを通ることにより不要光がカットされて、再生波面の一部に変換される。図1では、SSBフィルタとして水平エッジを示しているが、垂直エッジ、水平スリット、及び垂直スリットを用いることができる。
拡大光学ユニット20は、空間光変調ユニット10から出力される変調光をホログラムが結像される結像面に出力して再生波面を生成するユニットであり、複数(本実施形態では一例として4)の拡大光学系20a、20b、20c、20dを含む。
拡大光学系20a、20b、20c、20dは、複数のSLM12a、12b、12c、12dにそれぞれ対応して設けられ、対応するSLMから出射する変調光を拡大し、平行にして、結像面上に空間的に配列する光学系である。拡大光学系20a、20b、20c、20dは、XY面に平行な方向に関して2行2列に配列されている。すなわち、拡大光学系20aは−X及び+Y側に、拡大光学系20bは+X及び+Y側に、拡大光学系20cは−X及び−Y側に、拡大光学系20dは+X及び−Y側に配置されている。
図2に、一例として、拡大光学系20aの構成を示す。図中、拡大光学系20aに対応するSLM12a及びSSBフィルタ22aを併せて示すとともに、拡大光学系20aの光軸Laを一点鎖線により示している。拡大光学系20aは、第1レンズ21a及び第2レンズ23aを含む。第1レンズ21aは、光を拡大する結像レンズであり、光軸La上をSLM12a側に配置されている。第1レンズ21aは、SLM12aから出射する変調光を拡大して、+Z方向(すなわち、図面右方)に出力する。第2レンズ23aは、枠なし表示に好適なスクリーンレンズであり、光軸La上をSSBフィルタ22aを挟んで第1レンズ21aから+Z側に配置されている。第2レンズ23aは、第1レンズ21aから出力されSSBフィルタ22aを通った変調光を平行にして、+Z方向(すなわち、図面右方)に出力する。
拡大光学系20b、20c、20dも、拡大光学系20aと同様に構成される。すなわち、拡大光学系20b、20c、20dは、それぞれ、第1レンズ21aと同様の第1レンズ21b、21c、21d及び第2レンズ23aと同様の第2レンズ23b、23c、23dを含む。
ここで、第2レンズ23a、23b、23c、23dは、それぞれ矩形状を有し、結像面に平行な一面上に格子状に間隙なく配置されている。拡大光学系20a、20b、20c、20dにより、それぞれSLM12a、12b、12c、12dから出射した変調光が拡大され、平行にされ(すなわち、平行光にされ)、そして1つの平行な光束に束ねられて、結像面に向けて+Z方向に出力される。それにより、SLM12a、12b、12c、12dからの出力が結像面上に空間的に配列されて再生波面の全体が生成される、すなわち結像面上に拡大されたホログラムの全体が再生されるとともに、そのホログラムを再生した光束が結像面から平行に+Z方向に出射する。
拡大光学ユニット20において、上述のとおり第2レンズ23a、23b、23c、23dにより変調光を平行光にすることで、任意の数の変調光を、後述する共通光学系30により1点に集光することができる1つの平行光に束ねることができる。
なお、第2レンズ23a、23b、23c、23dの形状は矩形に限らず、それらを間隙なく一面上に配置することができれば、任意の形状でよい。例えば、六角形状の第2レンズを一面上に六角格子状に配置してもよい。
なお、第2レンズ23a、23b、23c、23dは、拡大された変調光を平行光にすることから、これらすべてが結像面に平行な一面上に配置されなくてよく、結像面又はこれに平行な別の一面上に配置されてもよく、またそれぞれが結像面に平行な異なる面上に配置されてもよい。
なお、第1レンズ21a、21b、21c、21d及び第2レンズ23a、23b、23c、23dは、それぞれ、1つのレンズ素子から構成するに限らず、複数のレンズ素子から構成してもよい。それにより、収差を補正してもよい。
なお、拡大光学系20a、20b、20c、20dがそれぞれ有する第2レンズ23a、23b、23c、23dのうち、同一面上に隣接して配置された少なくとも2つの第2レンズを、光学接着剤により互いに接続することとしてもよい。それにより、隣接する第2レンズの間隙が光学接着剤により埋められ、それらの隣接する第2レンズをそれぞれ有する拡大光学系20a、20b、20c、20dから出射する変調光により再生波面を繋ぎ目なく生成して、結像面上にホログラムを再生することができる。
また、後述する制御系40により、SLM12a、12b、12c、12dを介して、拡大光学系20a、20b、20c、20dがそれぞれ有する第2レンズ23a、23b、23c、23dのうちの少なくとも2つの隣接する第2レンズの間に通る光に対する変調を補正することとしてもよい。例えば、結像歪みにより拡大像が隣接するレンズに入射する場合には、隣接するレンズに入射する部分の画像を表示しないように変調を補正することができる。それにより、隣接する第2レンズをそれぞれ有する拡大光学系20a、20b、20c、20dから出射する変調光により再生波面を繋ぎ目なく生成して、結像面上にホログラムを再生することができる。
また、拡大光学系20a、20b、20c、20dから出力される平行光の断面プロファイルにおいて周縁部の光量が低下することがある。そこで、後述する制御系40により、SLM12a、12b、12c、12dを介して、平行光の周縁に対して光量を補正することとしてもよい。それにより、拡大光学系20a、20b、20c、20dから出射する変調光により再生波面を繋ぎ目なく生成して、結像面上にホログラムを再生することができる。
共通光学系30は、結像面から出射する光束、すなわち拡大光学系20a、20b、20c、20dからそれぞれ出射する光を束にして集光して三次元的に閉じた視域99aを形成するとともに、その視域99aを経時的に変更するユニットである。
図3A及び図3Bに、共通光学系30の構成を、それぞれ上面視及び側面視において示す。図中、拡大光学系20a、20b、20c、20dに含まれる第2レンズ23a、23b、23c、23dを併せて示す。共通光学系30は、レンズ素子31、回転装置31a(図3A及び図3Bでは不図示、図5参照)、及び拡散素子32を含む。
レンズ素子31は、結像面30a上に配置され、結像面30aから出射する光束を集光する光学素子である。ここで、結像面30aから出射する光束は、拡大光学系20a、20b、20c、20dのそれぞれから出力される平行光を束ねたものであり、それらが共通のレンズ素子31により集光されることで、すべてのチャネルの視域が共通の領域(すなわち、視域99a)内に局在される。
ここで、視域99aは、再生波面が瞳孔を介して人の目に入ることでホログラムを視ることができることから、瞳孔のサイズまで縮小することができる。人の瞳孔径は、環境の明るさによって変化し、平均2〜8mmであると言われている。そこで、本実施形態では、視域99aの大きさは直径2mm以上の円を内包する大きさとし、これに応じて見かけのピクセルピッチ、すなわち拡大光学系20a、20b、20c、20dの拡大率を定める。
視域99aは、図3Aに示すように上面視において、Z軸方向に関して、レンズ素子31の近側にある点EP1から徐々に広がり、一面99を経て、遠側にある点EP2に狭まる三次元空間(図中のハッチングされた領域)として表される。ユーザは、X軸方向に関して、視域99a内で、結像面30a上に再生されるホログラムの全体を視ることができる。
ここで、レンズ素子31は、レンズ中心が形状中心からずれた偏心レンズである。これにより、レンズ素子31を、後述するように、回転装置31aにより形状中心を通る回転軸に対して回転することで、レンズ中心軸を通る焦点を回転軸に直交する一面上で移動させることができる。また、本実施形態では、レンズ素子31として、フレネルレンズを採用する。それにより、レンズ素子31が薄型・軽量になり慣性モーメントが小さくなるため、大型のレンズを用いて大画面化することができるとともに、より高速で回転してフレームレートをさらに上げることができる。
回転装置31a(図3A及び図3Bでは不図示、図5参照)は、レンズ素子31をその形状中心を通る回転軸に対して回転する装置である。ただし、回転軸は、レンズ素子31のレンズ中心軸(すなわち、レンズ中心をレンズ面に垂直に通る軸)に平行である。回転装置31aは、例えば、レンズ素子31の外縁を係止してこれを保持する円環状のフレーム(不図示)、フレームの周縁に係合してこれを一方向に駆動することでレンズ素子31を回転する回転モータ(不図示)、及びレンズ素子31の回転速度或いは回転量を検出する検出器(不図示)を含んで構成することができる。なお、検出器の検出結果は後述する制御部41に送信される。
拡散素子32は、レンズ素子31に隣接してその+Z側に配置され、レンズ素子31から出射する光束を回転軸に交差する方向に拡散する光学素子である。本実施形態では、一例として、交差する方向はY軸方向とし、拡散素子32として光束をY軸方向に拡散するレンチキュラーレンズを採用する。
拡散素子32を通った光束は、図3Bに示すように側面視において、レンチキュラーレンズを構成する個々のレンズ要素によりY軸方向に拡散されることで、それぞれのレンズ要素から出射する光束のすべてが一面99上で視域99aを含んでY軸方向に延びる領域99bに入ることとなる。それにより、ユーザは、Y軸方向に関して、領域99b内で、結像面30a上に再生されるホログラムの全体を視ることができる。この場合、垂直方向には同一の画像が見える水平視差型のホログラム表示になる。
図4に、共通光学系30による視域走査の原理を示す。図中、結像面30a上で互いに直交する2軸方向をそれぞれx軸方向及びy軸方向とする。なお、x軸方向及びy軸方向は、それぞれ、X軸方向及びY軸方向に平行である。また、視域99aが形成及び走査される一面99上で互いに直交する2軸方向をそれぞれx'軸方向及びy'軸方向とする。なお、x'軸方向及びy'軸方向は、それぞれ、x軸方向及びy軸方向に平行である。
共通光学系30において、まず、結像面30aから+Z方向に出射する光束は、レンズ素子31により視域99a(ただし、拡散素子32を仮想的に取り外した場合に形成される視域)に向けて集光される。ここで、視域99aは、レンズ素子31が偏心レンズであることで、その形状中心(x軸とy軸との交点)からずれたレンズ中心軸L31上に形成される。なお、図示した例では、レンズ中心は結像面30a上で+x及び+y側に位置し、視域99aは一面99上で+x'及び+y'側に形成されている。
次に、レンズ素子31から+Z方向に出射する光束は、拡散素子32を通ることでy軸方向に拡散し、一面99上で視域99aを含んでy'方向に延びる領域99bに出力される。それにより、視域99aがy'方向に延びて領域99bに拡大される。なお、図示した例では、領域99bは+x'側に位置する。
最後に、回転装置31a(図4では不図示、図5参照)によりレンズ素子31をその形状中心を通る回転軸Lrに対して矢印方向に連続的に回転する。それにより、レンズ中心軸L31(すなわち、拡散素子32を仮想的に取り外した場合に形成される視域99a)は、一面99上で矢印方向に旋回する。ここで、レンズ素子31から出射する光束は拡散素子32によりy軸方向に拡散されている。従って、レンズ素子31を回転することにより、拡散素子32により拡散された光束がx軸方向に往復し、それにより領域99bがx'軸方向に往復することで、視域が一面99上で走査される。なお、図示した例では、領域99bは−x'方向に移動する。
なお、本実施形態では、拡散素子32による光束の拡散方向はY軸方向に限らず、任意の方向、例えばX軸方向としてもよい。それにより、視域99aがx'軸方向に拡大され、その拡大された領域がレンズ素子31の回転によりy'軸方向に往復することで、視域が一面99上で走査されることとなる。
また、拡散素子32はレンズ素子31の−Z側に配置することも可能であり、一体化することも可能である。
上述の構成の共通光学系30により、結像面30aから平行に出射する光束を集光して、三次元的に閉じた視域99a(図中のハッチングされた領域)を形成することで、結像面30a上に拡大して再生されたホログラムの全体を視域99a内において視ることができる。さらに、共通光学系30により、視域99aを経時的に変更することで、一面99上の様々な異なる位置で、結像面30a上に拡大して再生されたホログラムの全体を視ることができる。
なお、レンズ素子31の偏心率、すなわちレンズ中心軸L31と回転軸Lrとのずれは、水平方向に関する視域99aの拡大率に応じて定めることとする。ここで、レンズ素子31を回転することにより一面99上で視域99a(すなわち、領域99b)がx軸方向に走査される範囲は、レンズ素子31の偏心率の2倍と与えられる。そこで、所望する視域99aの拡大率に応じてレンズ素子31の偏心率を定めることで、視域99aが走査される範囲が拡がり、視域99aを実効的に拡大することができる。
なお、共通光学系30において、回転装置31aによりレンズ素子31を連続回転して、視域99a(すなわち、拡大された領域99b)を一面99上で走査することとしたが、これに限らず、ホログラムを視る1又は複数のユーザ(の特に目)の動きを検出し、回転装置31aによりレンズ素子31をユーザの動きに追従して回転することとしてもよい。それにより、SLM12a、12b、12c、12dにより低いフレームレートでレーザ光を変調して、そのユーザに対してホログラムの全体を再生することができる。
図5に、制御系40の構成を示す。制御系40は、ホログラム表示装置1の構成各部を統括制御するユニットであり、光源11a、11b、11c、11d、SLM12a、12b、12c、12d、回転装置31a、及びこれらを制御する制御部41を含む。制御部41は、例えば、コンピュータ、マイクロコントローラ等を含む情報処理装置に制御用プログラムを実行させることによってその機能が発現される。
制御部41は、ホログラムの再生波面情報、ホログラムパターン、フレームレート等の情報を記憶装置(不図示)内に有し、これらの情報に基づいてSLM12a、12b、12c、12dによるレーザ光の変調を制御する。例えば、制御部41は、回転装置31aの検出器(不図示)を用いてレンズ素子31の回転位置を検出し、その検出結果より視域99a(すなわち、領域99b)のX軸方向に関する位置を特定し、その位置に応じて再生波面情報に基づきSLM12a、12b、12c、12dによるレーザ光の変調を制御する。このようにレンズ素子31の回転に同期してホログラムの像を生成することで、移動する視域99aの位置に応じてその位置から視ることのできるホログラムの像をそれぞれ生成することができる。
また、再生されるホログラムの像にディストーションが生じる場合、制御部41は、SLM12a、12b、12c、12dに表示するホログラムパターンを逆に変形することにより、ディストーションを補償することとしてもよい。
なお、共通光学系30において、レンズ素子31及び拡散素子32は、レンズ素子31を回転させるために、わずかに離間して配置されている。円周上を回転する視域99aにレンズ素子から光が集光する際に、レンズ素子と拡散板が一致していれば、拡散板での光の拡散位置は視域99aの円周上の位置によらず一定である。しかし、レンズ素子と拡散板が離間していると、拡散板での光の拡散位置は視域99aの円周上の位置によって変化する。拡散板がY軸方向に光を拡散する場合には、レンズ素子の回転角によって、ホログラムの像がy' 軸方向に移動して見えることになる。
そこで、制御部41は、共通光学系30におけるレンズ素子31と拡散素子32との間の離間距離に応じて、ホログラムの像の位置がy'軸方向に逆に移動するように、SLM12a、12b、12c、12dによるレーザ光の変調を補正することとしてもよい。それにより、回転装置31aによりレンズ素子31を回転した際に、y'軸方向に関して異なる拡散素子32上の位置に入る光束により領域99b内で視ることのできるホログラムの像を一致させることができる。
図6に、一実施例にかかるホログラム表示装置により得られたホログラム像を示す。本実施例のホログラム表示装置は、2つの光源、2つのSLM、及び2つの拡大光学系を備える2チャネル型のホログラム表示装置とした。2つの拡大光学系は光軸に直交する面内で水平方向に並設した。
2チャネル型のホログラム表示装置の空間光変調ユニットにおいて、光源として波長635nmの半導体レーザを使用し、レーザ光を2分岐して2チャンネルで用いた。SLMとして、DiscoveryTM4100(Texas Instruments,Inc.)のデジタルミラーデバイス(DMD)を使用した。DMDは、ピクセルピッチ13.68μm、解像度1,024×768、及びフレームレート22,727Hzを有する。
拡大光学ユニットにおいて、拡大光学系の拡大倍率は7.43倍とし、ホログラムが再生される結像面上の画面サイズを156×104mm及び見かけのピクセルピッチを102μmとした。それにより、視域は、幅5.00mmに縮小される。
共通光学系において、レンズ素子として有効径200mmのフレネルレンズを使用した。拡散素子として、レンチキュラーレンズを使用した。回転装置として、DCモータを使用した。ここで、回転数を1,800rpmとして、ホログラムのフレームレートを60Hzとした。なお、1回の水平走査により189の視域が水平方向に並ぶことになる。フレネルレンズの回転軸とレンズ中心軸との距離を315mmとして、視域の走査距離は630mmとなった。フレネルレンズの焦点距離を800mmとして、視域の形成距離は800mmとなり、視域角は43.0度となった。
図6の4つの段に、それぞれ異なる物体「apple」、「head」、「T-REX」、及び「castle」のホログラムを、5つの異なる水平位置(左から、−315mm、−158mm、0mm、158mm、315mm)から撮影した写真を示す。水平視域が広く、両眼でホログラムの再生像を観察することができ、頭を左右に大きく動かすことができた。また、再生像は滑らかな運動視差を有していた。
なお、本実施形態に係るホログラム表示装置1は一例として4チャネル型としたが、これに限らず、2、3、又は5以上のマルチチャネル型としてもよい。それに応じて、拡大光学系、光源、及びSLMの数が定まる。また、拡大光学系20a、20b、20c、20dを2行2列に配列するに限らず、拡大光学系の数に応じて、任意に配列してよい。例えば2つの拡大光学系を2行又は2列に配列してもよい。
なお、本実施形態に係るホログラム表示装置1では、ホログラムが再生される結像面は、共通光学系30に含まれるレンズ素子31のレンズ面上に位置するものとした、換言するとレンズ素子31を結像面上に配置することとしたが、結像面30aに入力される光束は、拡大光学系20a、20b、20c、20dのそれぞれから出力される平行光を束ねてなる平行光であることから、結像面30aとレンズ素子31のレンズ面とは一致する必要はなく、離間してもよい。
本実施形態に係るホログラム表示装置1は、例えば、次の分野において応用することができる。(1)立体テレビ。現在の立体テレビを視るには専用メガネの装着を要する。しかし、視覚疲労を伴うため長時間の視聴には適当でない。そこで、電子ホログラフィを原理とする立体テレビが実現できれば、専用メガネを要しないため、立体テレビの普及に寄与すると期待される。(2)ロボット手術、腹腔鏡手術。本実施形態に係る電子ホログラフィ技術は視覚疲労のない高精細な立体表示を実現することができる。そこで、これらの分野において、高精細な立体像を長時間表示するディスプレイとしての利用が期待される。(3)ロボットの遠隔操作。ロボットを遠隔操作するのにその立体視が必要である。現在の技術では、専用メガネの装着を要する立体ディスプレイが利用されている。しかし、視覚疲労を伴うため、長時間の利用に適当でない。また、運動視差がないため微細な操作が難しいなどの問題もある。そこで、本実施形態に係る電子ホログラフィ技術によりこれらの問題を解決できると期待される。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1…ホログラム表示装置、10…空間光変調ユニット、11a、11b、11c、11d…光源、12a、12b、12c、12d…空間光変調器(SLM)、20…拡大光学ユニット、20a、20b、20c、20d…拡大光学系、21a、21b、21c、21d…第1レンズ、22a、22b、22c、22d…シングルサイドバンド(SSB)フィルタ、23a、23b、23c、23d…第2レンズ、30…共通光学系、30a…結像面、31…レンズ素子、31a…回転装置、32…拡散素子、40…制御系、41…制御部、99…一面、99a…視域、99b…領域、L31…レンズ中心軸。

Claims (16)

  1. ホログラムの再生波面情報に基づいて、それぞれ、入射したレーザ光を変調して再生波面の一部を空間的に生成する複数の空間光変調器と、
    前記複数の空間光変調器にそれぞれ対応して設けられ、対応する空間光変調器から出射する変調光を拡大し、平行にして、前記ホログラムが結像される結像面に空間的に配列して前記再生波面を生成する複数の拡大光学系と、
    前記結像面から出射する光束を集光して、三次元的に閉じた視域を形成する共通光学系と、
    を備えるホログラム表示装置。
  2. 前記複数の拡大光学系は、それぞれ、光を拡大する第1レンズ及び該第1レンズを通った光を平行にする第2レンズを有し、
    前記複数の拡大光学系がそれぞれ有する前記第2レンズは、前記結像面又は該結像面に平行な一面上に配置される、請求項1に記載のホログラム表示装置。
  3. 前記複数の空間光変調器は、前記複数の拡大光学系がそれぞれ有する前記第2レンズのうちの少なくとも2つの隣接する第2レンズの間に通る光に対する変調を補正する、請求項2に記載のホログラム表示装置。
  4. 前記共通光学系は、前記視域を経時的に変更する、請求項1から3のいずれか一項に記載のホログラム表示装置。
  5. 前記共通光学系は、前記結像面から出射する光束を集光するレンズ素子と、該レンズ素子をレンズ中心軸と平行な回転軸に対して回転する回転装置と、前記レンズ素子から出射する光束を前記回転軸に交差する拡散方向に拡散する拡散素子と、を含む、請求項4に記載のホログラム表示装置。
  6. 前記共通光学系は、前記回転装置により前記レンズ素子を連続回転する、請求項5に記載のホログラム表示装置。
  7. 前記レンズ中心軸と前記回転軸とのずれは、前記回転軸と前記拡散方向とに交差する方向に関する前記視域の拡大率に応じて定められる、請求項6に記載のホログラム表示装置。
  8. 前記共通光学系は、前記回転装置により前記レンズ素子を前記ホログラムを視るユーザの動きに追従して回転する、請求項5に記載のホログラム表示装置。
  9. 前記レンズ素子は、偏心レンズである、請求項5から8のいずれか一項に記載のホログラム表示装置。
  10. 前記レンズ素子は、フレネルレンズである、請求項5から9のいずれか一項に記載のホログラム表示装置。
  11. 前記ホログラムの再生波面情報に基づいて前記複数の空間光変調器によるレーザ光の変調を制御する制御部をさらに備える、請求項5から10のいずれか一項に記載のホログラム表示装置。
  12. 前記制御部は、前記回転装置による前記レンズ素子の回転位置に応じて前記複数の空間光変調器によるレーザ光の変調を制御する、請求項11に記載のホログラム表示装置。
  13. 前記制御部は、前記レンズ素子と前記拡散素子との間の離間距離に応じて前記複数の空間光変調器によるレーザ光の変調を補正する、請求項11又は12に記載のホログラム表示装置。
  14. 前記拡散素子は、レンチキュラーレンズである、請求項13に記載のホログラム表示装置。
  15. 前記複数の空間光変調器は、MEMS型SLMである、請求項1から14のいずれか一項に記載のホログラム表示装置。
  16. 前記複数の拡大光学系のそれぞれの内に、対応する空間光変調器から出射する変調光のゼロ次光と共役光をカットするフィルタを備える、請求項15に記載のホログラム表示装置。
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