JP2018004611A - カールフィッシャー試薬を使用した水分測定方法 - Google Patents

カールフィッシャー試薬を使用した水分測定方法 Download PDF

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正東 萩原
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宏司 北中
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健一郎 高橋
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Abstract

【課題】特許文献1のヨウ素過剰状態の水分測定用反応容器中に試料を添加し、検出電極の応答信号の差分で水分を測定する方法では、試料添加による体積増加分の測定誤差を補正するため、吸湿に注意する必要がある試料及び陽極液または脱水溶媒のそれぞれの体積を測定し補正計算のパラメーターとしなければならない。
【解決手段】特許文献1の水分測定法においてヨウ素濃度に比例した検出電極による検出感度1の測定を試料添加直前に行ったが、さらに試料添加により体積が増加したした後にも検出感度2を測定することにより検出感度の変化から試料体積増加分を補正水分測定結果が得られる。
【選択図】図3

Description

本発明はカールフィッシャー試薬により水分を測定する方法に関するものである。
カールフィッシャー水分測定法は、1935年にKarl Fischer(独1901〜1958年)が論文として発表した試薬を使用した水分測定方法から始まる。ここで使用された試薬と水分定量法を発明者の名前を冠して、カールフィッシャー試薬(以降、KF試薬と略記する)およびカールフィッシャー水分測定法(以降、KF水分測定法と略記する)と称されるようになった。水分測定装置にはKF試薬をビュレット使用して滴定する容量滴定法と、電解によりKF試薬を発生させて水分を滴定する電量滴定法がある。
容量滴定法は、反応容器内に収容された試料の水分を抽出する滴定溶媒(脱水溶剤とも呼ばれる)に試料を加え、KF試薬(ヨウ素、二酸化イオウ、塩基が主成分)で滴定し、滴定溶媒中に浸漬された検出電極によって終点の検出を行う方法である。試料中の水分の測定は、反応容器内を無水化するのに必要なKF試薬を滴加(この操作のことを予備滴定と称する。)した後に測定試料を添加して開始される。
図1は公知の容量滴定法式水分滴定装置の一例である。反応容器の内部には、検出電極が配置され、上部の側部には試料注入口が備えられ、底部にはマグネチックスターラーで回転される回転子が配置され、その上部蓋には乾燥管が接続され且つ自動切替弁から伸びる配管の先端に接続した滴定ノズルが設置されている。一方、自動切替弁には、ビュレットとKF試薬容器とが配管によって接続され、KF試薬容器には乾燥管が接続されている。そして、ビュレットの下部には、ビュレット及び自動切替弁の駆動部(図示せず)が設けられている。検出部及び制御部により、検出電極からの信号の検出と容量滴定の自動制御が行われ、これらの結果は、表示部及び記録部によって処理される。滴定溶媒は反応容器に収容され、KF試薬はKF試薬容器に収容されている。
KF容量滴定法においては、KF試薬を滴加するときの最小体積とKF試薬の力価により測定の分解能が決まる。一般に市販されているビュレットを備えたKF容量滴定装置は、最小滴加量は0.01mLまたは0.005mLである。また、一般に市販されているKF試薬のうち低力価の試薬は1mg/mLである。これらから分解能を計算すると、0.01mL×1mg=0.01mg(10μg)、または0.005mL×1mg=0.005mg(5μg)の水分量となる。
一方、電量滴定法は、KF試薬中のヨウ素がヨウ化物イオンに置き換えられた陽極液を使用する方法であって、反応容器内に設けられた陽極室と陰極室に夫々適した陽極液および陰極液を収容し、検出電極が配置された陽極室に試料を加えて電解酸化する方法である。陽極室においては、電解酸化で発生したヨウ素により陽極液からKF試薬が発生し試料中の水分と反応する。従って、試料中の水分の測定は、陽極室の電解酸化によってヨウ化物イオンをヨウ素に変換して反応容器内を予備滴定した後に測定試料を添加して開始される。そして、測定は電解酸化によって変換されたヨウ素によって測定試料中の水分が消費され、水分が無くなるまで続行される。
図2は公知の電量滴定法式水分滴定装置の一例である。反応容器の内部には、検出電極が配置され、上部の側部には試料注入口が備えられ、底部にはマグネチックスターラーで回転される回転子が配置されている。反応容器は、陽極の存在する陽極室と陰極の存在する陰極室とに区分され、陽極と陰極とは隔膜によって隔離され、検出電極は陽極室に配置されている。そして陽極室及び陰極室内が吸湿しないように乾燥管が接続されている。上記の陽極及び陰極は電解電流電源に接続され、検出部及び制御部により、検出電極からの信号の検出と電量滴定(電解酸化)の自動制御が行われ、これらの結果は、表示部及び記録部によって処理される。陽極液及び陰極液は陽極室及び陰極室にそれぞれ収容されている。
一般に市販されているKF電量滴定装置のカタログに記載された仕様は、検出感度として0.1μgまたは表示単位の最小値として0.1μgとなっている。従って、分解能としては0.1μgの水分ということができる。
容量滴定法と電量滴定法における水分測定の原理自体は、KF試薬を使用する点で同じで、KF試薬を反応容器に加える手段の違いである。従って、使用する検出電極は容量滴定法および電量滴定法の何れの場合も同じであり、基本的にはガラス管の先端部から2本の白金線(径:約0.7〜1.5mm、長さ:5〜20mm)が突出した構造を有する。そして反応の終点(水とヨウ素が反応し、水分が無くなりヨウ素が僅かに過剰となった状態。)は、検出電極に一定電流(定電流分極電位差検出方式と呼ばれている)または一定電圧(定電圧分極電流検出方式と呼ばれている)を印加し2本の白金線の間に生じる電圧または電流の変化をモニタリングすることにより判定することができる。電圧または電流の変化は、2本の白金線間のヨウ素−ヨウ素イオンの濃度の変化による電極反応である。
KF試薬を使用した測定法には上記記載の測定法の他に、特許文献1に記載した測定法が提案されている。その測定方法を電量滴定法に置き換えると以下のようになる。検出電極に一定電圧を印加しておき反応容器中をKF試薬のヨウ素が過剰な状熊とし、加えたヨウ素の量と検出電極の信号変化量から検出感度を求めておいてから試料を加え、ヨウ素と試料中の水分とを反応させる。そして反応前のヨウ素の過剰量と、反応後のヨウ素の過剰量との差を検出電極で検出し、その差を検出感度に基づいて水分量を測定する。この測定方法は、検出電極からの信号が、ヨウ素濃度に比例した信号が得られることを利用している。この測定装置および測定方法のメリットは、反応容器中にヨウ素が過剰に含まれているため、試料中の水分が速やかにヨウ素と反応することと、検出感度を使用することにより、滴定による終点検出の操作が不要となる測定法である。しかしこの測定法においては、反応容器中の試薬の体積が試料投入により増加するため、検出電極の信号が試料の水分により消費されたヨウ素減量分と試料体積による試薬希釈分が信号として検出されることになる。このため試薬の体積と試料の体積を予め記録しておき、この体積をパラメータとして測定結果を計算により補正する必要があった。また、厳密には成分が異なる液体の混合物の体積は、混合前の体積の和とはならないため測定結果の補正にはこの分の誤差が残されている。
特開2015−179057
本発明の目的は、測定結果を補正するために吸湿に細心の注意が必要な試薬の体積及び試料の体積を測定することなく体積増加分の補正が可能となる水分の測定方法を提供することにある。
KF電量滴定法による水分測定装置において、陽極液を電解酸化によりヨウ素を発生させ、陽極液内にヨウ素を過剰となる状態とし、試料添加直前の単位電解量に対する検出電極の応答信号の変化量を検出感度1とし、試料添加後試料中の水分と過剰となっているヨウ素が反応した後、単位電解量に対する検出電極の応答信号の変化量を検出感度2を測定し、検出感度1と検出感度2の変化量から陽極液増加分が計算できることから上記課題は解決できる。
本発明によれば、検出感度1と検出感度2を測定することにより、反応容器中の試薬および試料の体積を計量することなく体積増加分の補正ができる水分測定方法が提供できる。
従来の容量滴定法式水分測定装置の一例 従来の電量滴定法式水分測定装置の一例 本発明の電量滴定法式水分測定装置による水分測定方法の概念図
本発明について更に詳細に説明する。測定手順は、図3の経過時間軸に沿って説明する。測定装置の電源を投入初期は、反応容器中の陽極液(体積:MmL)には水分が多く含まれ検出電極の信号は少ない電流値(図3の縦軸)となる。陽極と陰極に電解電流を流すと(バックグランド測定区間)ヨウ素が発生し陽極液はKF試薬となり反応容器中の水分と反応し水分が減少する。電解が進むと水分が無くなりヨウ素が過剰となり、検出電極の信号が増加する。特許文献1で示された実施例により、検出電極はKF試薬中のヨウ素の濃度に比例した信号が得られることから、本測定装置はヨウ素が確実に過剰となる検出電極検出値を目標に電解を行う。ヨウ素が過剰になる検出電極電流値はKF試薬の液温や劣化の度合い等の条件により変化するため電解電流として流した電流と検出電極検出値が比例するレベルが目標値となる。目標値付近では、バックグラウンド要因として反応容器中に外気から混入する水分等があるため、この水分に見合ったヨウ素を加え、検出電極信号が一定となるように制御する。
バックグランドが安定した後、検出感度1を測定する。検出感度は、一定量の電解電流を流しその電解に比例した信号を得ることで、複数回行い(本実施例では3回)その平均値を検出感度1として採用する。本実施例での一定の電解電流は、21.4mAを0.5秒間流す。これは、水分1μgに相当するヨウ素を発生させる電解量である。
反応容器に試料を注射器を用いて添加し、試料添加前後の注射器の重量を測定し試料添加量とする。KF試薬と試料中の水分を反応させる。(陽極液の体積+試料体積:NmL)試料投入前後のe点およびf点の検出電極の検出値を記録する。
バックグランドが安定した後、検出感度1と同様に検出感度2を測定する。測定は複数回行い(本実施例では3回)その平均値を検出感度2として採用する。
以上が本実施例の測定手順となる。
次に、上記測定手順で得られたデータから試料中の水分値に換算する手順は以下のようになる。
検出感度1の測定で得られたデータa(M1),a(M2),a(M3)の平均値をa(M)とする。
検出感度2の測定で得られたデータa(N1),a(N2),a(N3)の平均値をa(N)とする。
e点の検出値は、陽極液MmLにおけるヨウ素濃度に対応し、f点の検出値は陽極液に試料体積を加えたNmLに対応するため、e点とf点の差分bの値をそのまま検出感度a(M)または検出感度a(N)を使用すると体積増加分の誤差が含まれる。検出電極の検出値はヨウ素濃度に比例するから、a(M)およびa(N)はその検出感度測定時の体積に比例する。よって、体積MmLにおける変化量b(M)は数1で求めることができる。
Figure 2018004611
b(M)は試料の水分によって変化したヨウ素濃度に比例するから、数2によって体積増加分を補正した水分量が求まる。
Figure 2018004611
以下に試薬特級トルエンにモレキュラシーブスを加え脱水したものを試料として本発明の測定方法により測定した結果を実施例として示す。測定開始直前の反応容器中の陽極液量は約40mL、測定毎に加えた試料の体積は、約2mLであり、試料を3回測定した後の陽極液と試料の合計は46mLであった。測定結果は、(表1)の通りで(数1)によりb(M)を求め(数2)により水分量(μg)を求め体積増加分の補正を行った。参考として(表1)の右側に体積補正前の水分量(μg)と水分濃度(PPM)を併記した。本実施例では、体積増加分の補正を行わない場合の水分濃度の平均値11.7PPMと体積補正後の水分濃度の平均値11.2PPMとの間には0.5PPMの差があり、率としては約4.5%高めの値となり、無視できない誤差となる。
Figure 2018004611
本発明の測定方法によって、体積増加分による測定誤差を体積増加前と後に検出感度を測定することにより測定結果を補正することができることを示した。本実施例では、カールフィッシャー電量滴定を例として説明したが、カールフィッシャー容量滴定においても同様な測定方法で容易に実施することが可能である。
1 制御部
2 検出部
3 電解電流電源
4 表示部
5 記録部
10 反応容器
11 検出電極
12 攪拌子
13 マグネチックスターラー
14 乾燥管
15 滴定ノズル
16 滴定溶媒
17 カールフィッシャー試薬
18 ビュレット
19 カールフィッシャー試薬用容器
20 陽極
21 陰極
22 隔膜
23 陽極液
24 陰極液
25 陽極液用容器
26 滴定溶媒
27 滴定溶媒用容器

Claims (2)

  1. カールフィッシャー電量滴定法による水分測定装置において、陽極液を電解酸化によりヨウ素を発生させ、陽極液内にヨウ素を過剰となる状態を保つ手段を有し、反応容器内に試料を入れた後の検出電極の応答信号の変化量から水分を測定するを方法を特徴とする水分測定方法。
  2. 上記請求項1記載の水分測定方法において、反応容器内に試料を添加する前後の検出電極の応答信号の変化量を検出感度1及び検出感度2とし、測定結果に対し試料添加による体積増加分を2つの検出感度を用い補正することを特徴とする水分測定方法。
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