JP2001242143A - 塩基物質定量装置 - Google Patents

塩基物質定量装置

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JP2001242143A
JP2001242143A JP2000056766A JP2000056766A JP2001242143A JP 2001242143 A JP2001242143 A JP 2001242143A JP 2000056766 A JP2000056766 A JP 2000056766A JP 2000056766 A JP2000056766 A JP 2000056766A JP 2001242143 A JP2001242143 A JP 2001242143A
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Fumiyo Kusunoki
文代 楠
Kensuke Arai
健介 荒井
Sanae Otsuki
さなえ 大槻
Takeshi Nishida
毅 西田
Hideaki Hashimoto
英明 橋本
Takeshi Kusakabe
毅 日下部
Tetsuya Nishio
哲也 西尾
Kazuyoshi Mori
一芳 森
Yasuyuki Hanada
康行 花田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、中和滴定法を用いることなく少量
の試料にて、コンパクトかつ簡単に操作でき、精度の高
い塩基物質濃度を測定でき、更に測定後の後処理が簡単
な塩基物質定量装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の塩基物質定量装置は、ハイドロ
キノンまたはハイドロキノン誘導体,有機溶媒,電解
質,及び塩基含有の被測定試料を混合した共存電解液を
収容する容器7と、前記容器7に設けられ前記共存電解
液に浸漬される作用電極9と対極8と比較電極部10
と、前記作用電極9の電極電位を所定の電位範囲内で掃
引するとともに前記塩基によって生じる前記作用電極9
と前記対極8間を流れる電流のプレピーク値を検出する
制御部と、前記プレピーク値から塩基物質濃度を算出す
る塩基物質濃度算出手段を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばL−ロイシ
ン等の非水系アミノ酸に代表される両性イオン物質の定
量、アルカリ性水溶液のアルカリ度や、産業排水等が環
境に与える影響の指標である塩基物質濃度を測定できる
塩基物質定量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来医薬の分野では、薬品の中でも頻繁
に使用される弱塩基物質や、食品中のアミノ酸類を定量
する場合などに、水以外の溶媒(以下、非水系溶媒)中
で進行する酸塩基反応を利用して行っている。その理由
は、電離定数が10-5より小さい弱塩基を水溶液中で酸
塩基反応させても、水が自己解離するため滴定曲線に明
瞭なpH飛躍がみられず、正確な滴定を行うことができ
ないためである。そこで、通常は非水系溶媒を用いて非
水滴定を行っている。このように、非水系溶媒中では水
の自己解離の影響がなく、滴定曲線の水平化を避けるこ
とができ、弱塩基でも強塩基と同様に比較的正確に滴定
することが可能になる。
【0003】ところで、この非水系溶媒として氷酢酸が
用いられることが一般的である。すなわち、氷酢酸中で
は水溶液中とは異なって、滴定剤が強酸でも酸度に差が
顕著に見られるようになるからである。この酸度の順序
は、過塩素酸>臭化水素酸>硫酸(第2解離が抑制され
1当量の酸)>塩酸>硝酸>リン酸>カルボン酸の順と
なる。こうした理由から、弱塩基を定量するときには非
水滴定が行われ、中でも、氷酢酸中で最も強い酸性を示
す過塩素酸溶液を標準液として滴定することが広く行わ
れている。
【0004】医薬以外の分野、例えば環境の分野におい
ても、近年環境汚染が進んでいることを反映して、下水
や工業排水等の塩基物質濃度を検査する必要性が高まっ
ている。これらの排水は水系溶媒であるため、上述した
ような非水滴定と同様な方法では正確な滴定ができな
い。しかも、工業用排水等は希釈されていることが多い
ため比較的塩基物質濃度が低いが、塩基物質濃度の低い
水は一般に腐食性が強いため、排水設備の保護を図らな
ければならず、防食の観点からも塩基物質濃度の測定が
望まれている。さらに、水素イオン濃度pHと同様に塩
基物質濃度は試料の総体的な性状を示す指標として頻繁
に使用されるものである。一例をあげると、下水、汚水
の塩基物質濃度(水溶液であるから通常はアルカリ度で
あり、これと塩基物質濃度の関係については後で詳述す
る)は、生物学的硝化、凝集沈殿などの排水処理の効果
を示す重要な因子であって、排水処理の検査には欠かせ
ない。もし排水処理が十分でない場合、環境への深刻な
影響が直ちに生じるから、塩基物質濃度を測定して排水
処理の徹底が図られなければならない。中和滴定を行う
非水系溶媒だけでなく、水系溶媒でも塩基物質濃度の測
定が望まれる由縁である。
【0005】また、さらに環境の面では地球温暖化防止
という側面からも塩基物質濃度が重要である。すなわ
ち、平成9年12月に開催された気候変動の枠組条約第
3回締約国会議(COP3)において、日本は自国の温
室効果ガス排出量の削減目標6%を合意した。この会議
ではCO2削減量として森林による吸収量を当てること
が合意されたが、それは他の重要な要素である海洋に吸
収されるCO2量の計測が現状では困難だからであり、
今のところこれをCO2削減量として評価できないから
である。もし海洋に吸収されるCO2量が計測できれ
ば、その量は甚大であり、削減目標の達成も容易とな
る。しかも、CO2量の現状を正しく捉えることでより
科学的な対策となるため、海洋に吸収されたCO2量を
正確に測定することが強く望まれる。このようにCO3
−イオンの形で水中に吸収されるCO2の濃度を測定す
る要望も高まっている。
【0006】以上説明したように、さまざまな状況で塩
基物質濃度を測定する必要性が高まっているが、その測
定方法の現状を簡単に説明すると、概ね次のようなもの
となる。すなわち、統一的な測定方法が規定されている
わけではなく、わずか日本薬局方試験法,衛生試験法,
上水試験方法などで定められた測定方法が別々に存在す
るにすぎない。そして、その測定の基本は、いずれもが
フェノールフタレインやα−ナフトールベンゼインのよ
うな指示薬の色変化で塩基物質濃度を判断する中和滴定
法である。以下、この中和滴定方法を説明するため、日
本薬局方の中からL−ロイシンの中和滴定方法と衛生試
験法における総塩基物質濃度の中和滴定法を説明する。
【0007】L−ロイシンの中和滴定方法は、L−ロイ
シンを乾燥し、その約0.25gを精密に量り、蟻酸3
mLに溶かし、氷酢酸50mLを加え、0.1mol/
L過塩素酸で滴定する(指示薬:α−ナフトールベンゼ
イン試液0.5mL)。但し、滴定の終点は液の橙が帯
黄緑色を経て緑色に変わるときとする。また、同様の方
法で空試験を行い、補正する。
【0008】ところで、塩基物質濃度の中で、水溶液中
の塩基をアルカリと表現することが多い。しかし、これ
は水溶液に限った塩基であるため、非水系溶媒でアルカ
リと表現するのは正確ではない。ただ、衛生試験法では
非水系溶媒が問題になることは少なく、塩基をアルカリ
と呼んでいる。そこで、以下の衛生試験法の説明では、
ここで用いられている表現通りアルカリで表現する。
【0009】衛生試験法における総アルカリ度の中和滴
定法で定義するアルカリ度は、水中のアルカリ分全部
を、これに対応するCaCO3のmg/Lで表したもの
である。この測定に必要な試薬は、MR混合試薬:メ
チルレッド0.02g,ブロムクレゾールグリーン0.
1gを、エタノール95%(v/v)100mLに溶か
し、褐色ビンに保存する。0.02Nの硫酸:0.0
2Nの硫酸1mL=1.00mgCaCO3但し本液の
力価をFとする。滴定の操作は試料(残留塩素があると
きは0.5%チオ硫酸1滴を加える)100mLを白磁
製皿にとりMR混合試薬数滴を加える。この際青色を呈
するときは、重炭酸塩、炭酸塩または水酸化物が存在す
る徴であるから、ガラス棒で軽くかき混ぜながら、帯黄
緑色を呈するまで0.02N硫酸で滴定し、滴定に要し
た0.02N硫酸のmL数aを求め、次式によって総ア
ルカリ度を算定する。
【0010】総アルカリ度(CaCO3mg/L)=a
F×1000/試料mL で計算するものである。
【0011】ところで、以上の試験法は塩基物質濃度測
定の手順を規定しているだけである。しかし、このよう
な測定を自動で行うことができれば、少なくとも測定に
際して発生する個人差は吸収できて精度の向上が期待で
きるため、従来から自動塩基物質濃度計の提案がなされ
ている。この従来の自動塩基物質濃度計について説明す
ると、これは水溶性の塩基物質濃度(アルカリ)を測定
する測定装置である。測定の基本はpH電極と密閉セル
による酸滴定法であり、測定試料は1測定に約120m
L(共洗等を含む)が必要である。試料を一定量だけ計
量管に秤り取り、密閉型セルに送り込み、オートビュー
レットを使って0.2Mの酸で自動滴定を行い、備え付
けのpHセンサーで終点を読み取り、コンピューターユ
ニットで塩基物質濃度を計算するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来の塩基物質定量装置は、中和滴定法を用いているた
め測定者が各種指示薬の色変化を判断して滴定の終点と
しており、測定者によってその終点がまちまちとなっ
て、塩基物質濃度が測定者によって変化する可能性があ
った。また、オートビューレットを使用した場合におい
ても、pHセンサーを用いているために、実際のpHと
pHセンサーの測定値との間に若干の時間的ずれがあ
り、そのずれ(応答性)もさらにpHセンサーのガラス
電極部表面の汚れなどによる状態差によって様々に違っ
てくるため、一定した測定値を得られないという問題が
あった。
【0013】そして日本薬局方の非水系溶媒による弱塩
基や、両性イオン物質であるアミノ酸の中和滴定法によ
る測定では、溶媒として氷酢酸あるいは氷酢酸に蟻酸を
加えたもの、無水酢酸、ニトロベンゼン、ジオキサン、
塩酸エタノール、加熱エタノール留去無水酢酸、これら
のいずれかを使用する場合があるが、これらは強烈な酢
酸等の臭気のために専用のドラフト(大規模な排気設
備)が必要なものであった。このように、滴定するため
の滴定装置が必要なことは当然として、同時に滴定装置
以外の排気設備等の準備も十分でないと、排気しても能
力が足らず、周囲に臭気で迷惑をかけてしまうことにな
る。以上のような理由から、日本の実験室の環境では非
常に困りながら測定をしているという状況である。
【0014】さらに、環境汚染防止のため法的にも規制
があり、溶媒である氷酢酸は水で薄めて廃棄しなければ
ならない。測定試料も1回の測定に付き120mLと大
量に必要であるから、食酢程度に薄める場合でも、1回
の測定の量で4Lの水が必要であり、臭気の外に水溶液
の消費が多くなり、無駄を省く点からも新規な測定方法
の開発が望まれていた。さらに根本的な問題として、測
定のために本来測定試料が相当量必要であるから、少量
の試料の場合には測定できないという問題もあった。
【0015】そこで、本発明は従来のこのような問題を
解決するもので、中和滴定法を用いることなく少量の試
料にて、コンパクトかつ簡単に操作でき、精度の高い塩
基物質濃度を測定でき、更に測定後の後処理が簡単な塩
基物質定量装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るため本発明の塩基物質定量装置は、ハイドロキノンま
たはハイドロキノン誘導体,有機溶媒,電解質,及び塩
基含有の被測定試料を混合した共存電解液を収容する容
器と、前記容器に設けられ前記共存電解液に浸漬される
作用電極と対極と比較電極部と、前記作用電極の電極電
位を所定の電位範囲内で掃引するとともに前記塩基によ
って生じる前記作用電極と前記対極間を流れる電流のプ
レピーク値を検出する制御部と、前記プレピーク値から
塩基物質濃度を算出する塩基物質濃度算出手段を備えた
ことを特徴とする。
【0017】これにより、少量の試料にて、コンパクト
かつ簡単に操作でき、精度の高い塩基物質濃度を測定す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】請求項1に記載された発明は、ハ
イドロキノンまたはハイドロキノン誘導体,有機溶媒,
電解質,及び塩基含有の被測定試料を混合した共存電解
液を収容する容器と、前記容器に設けられ前記共存電解
液に浸漬される作用電極と対極と比較電極部と、前記作
用電極の電極電位を所定の電位範囲内で掃引するととも
に前記塩基によって生じる前記作用電極と前記対極間を
流れる電流のプレピーク値を検出する制御部と、前記プ
レピーク値から塩基物質濃度を算出する塩基物質濃度算
出手段を備えたことを特徴とする塩基物質定量装置であ
るから、予め塩基の標準液で検量線を作成しておけば、
電流のプレピーク値を測定することで塩基物質濃度が測
定できる。
【0019】請求項2に記載された発明は、前記共存電
解液には水が混合されたことを特徴とする請求項1の塩
基物質定量装置であるから、測定試料が水溶液の場合に
溶解が容易である。
【0020】請求項3に記載された発明は、前記共存電
解液において5wt%を超えない量の水が混合されたこ
とを特徴とする請求項2記載の塩基物質定量装置である
から、水溶性の試料を溶解可能にし、溶液と試料の混合
性をよくし、電気化学反応をスムーズにすることができ
る。
【0021】請求項4に記載された発明は、前記被測定
試料がアミノ酸であり、前記塩基がアミノ酸を構成する
アミノ基であることを特徴とする請求項1〜3記載の塩
基物質定量装置であるから、アミノ基を測定することに
よりアミノ酸の塩基物質濃度を算定することができる。
【0022】請求項5に記載された発明は、前記被測定
試料が塩基含有の水溶液であることを特徴とする請求項
1記載の塩基物質定量装置であるから、水溶液中の塩基
を測定することで塩基物質濃度を算定することができ
る。
【0023】請求項6に記載された発明は、前記被測定
試料がアルカリ含有の水溶液であることを特徴とする請
求項1記載の塩基物質定量装置であるから、被測定液が
水溶液であり、水中のアルカリを測定することで、アル
カリ度を算定することができる。
【0024】請求項7に記載された発明は、前記所定の
電位が飽和カロメル電極電位に対して−300mV〜+
700mVの間で設定されていることを特徴とする請求
項1〜5のいずれかに記載の塩基物質定量装置であるか
ら、飽和カロメル電極電位に対して−300mV〜+7
00mVの間で掃引を行うための所定の電位の範囲が設
定されているため、塩基物質濃度を示すボルタモグラム
の電流のプレピーク値を安定して測定できる。
【0025】請求項8に記載された発明は、3〜100
mV/sの掃引速度で前記所定の電位範囲を掃引するこ
とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塩基物
質定量装置であるから、3〜100mV/sの掃引速度
で掃引することにより、ボルタモグラムを作成して安定
したプレピークを得ることができる。
【0026】請求項9に記載された発明は、前記ハイド
ロキノンがα−トコフェロール,ブチルヒドロキシアニ
ソール,ハイドロナフトキノンのうちの1つであること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の塩基物質
定量装置であるから、安定した還元波形を得ることがで
きる。
【0027】請求項10に記載された発明は、前記電解
質が有機溶媒に可溶な過塩素酸リチウム,塩化リチウ
ム,過塩素酸テトラアンモニウムパークロライド,テト
ラプロピルのうちの1つであることを特徴とする請求項
1〜8のいずれかに記載の塩基物質定量装置であるか
ら、非水系溶媒に適しており、溶液に浮遊物や沈殿物が
現れず安定した測定ができる。
【0028】請求項11に記載された発明は、前記電解
質が水溶液に可溶な塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩
化リチウムのうちの1つであることを特徴とする請求項
1〜8のいずれかに記載の塩基物質定量装置であるか
ら、水系溶媒に適しており、溶液に浮遊物や沈殿物が現
れず安定した測定ができる。
【0029】請求項12に記載された発明は、前記対極
が耐食性導電体から構成されていることを特徴とする請
求項1〜10のいずれかに記載の塩基物質定量装置であ
るから、腐食による影響を受けずに安定した測定ができ
る。
【0030】請求項13に記載された発明は、前記耐食
性導電体が白金またはステンレスから構成されているこ
とを特徴とする請求項11に記載の塩基物質定量装置で
あるから、腐食の影響を受けず、溶液中の不純物と反応
を起こさずに安定したボルタモグラムを得ることができ
る。
【0031】請求項14に記載された発明は、前記比較
電極部の電極が銀−塩化銀から構成されていることを特
徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の塩基物質定
量装置であるから、比較電極電位が安定しているため安
定したボルタモグラムを得ることができる。
【0032】請求項15に記載された発明は、前記比較
電極部の内部液が塩化カリウムまたは塩化ナトリウムま
たは塩化リチウムの溶液であるから、比較電極電位が安
定しているため安定したボルタモグラムを得ることがで
きる。
【0033】請求項16に記載された発明は、前記比較
電極部の内部液がアセトニトリルの溶液であることを特
徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の塩基物質定
量装置であるから、有機系の溶媒でも問題なく比較電極
の酸化還元反応が安定して得られる。
【0034】請求項17に記載された発明は、前記比較
電極部の電極と前記共存電解液を電気的に接続する液絡
部が多孔質セラミックであることを特徴とする請求項1
〜15のいずれかに記載の塩基物質定量装置であるか
ら、安価であり溶液は通さないでイオンまたは電子のみ
を通す作用を有する。
【0035】請求項18に記載された発明は、前記比較
電極部の電極と前記共存電解液を電気的に接続する液絡
部がバイコールガラスであることを特徴とする請求項1
〜15のいずれかに記載の塩基物質定量装置であるか
ら、溶液は通さずイオンまたは電子のみを安定して通す
作用を有する。
【0036】請求項19に記載された発明は、前記比較
電極部が炭素,プラスチックフォームドカーボン,金,
白金のうちの1つから構成される単品電極であることを
特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の塩基物質
定量装置であるから、比較電極部が単品電極であるため
安価で、メンテナンスがいらない。
【0037】請求項20に記載された発明は、前記作用
電極が炭素またはガラス状炭素から構成されていること
を特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の塩基物
質定量装置であるから、測定溶媒自体の酸化還元反応を
起こさないで充分な電子のやりとりが行える表面形状を
与えることができる。
【0038】請求項21に記載された発明は、前記有機
溶媒がエタノール溶液であることを特徴とする請求項1
または2記載の塩基物質定量装置であるから、非水系溶
媒でも安易に溶解して測定することができる。
【0039】以下、本発明の実施の形態について図1〜
図11を用いて説明する。
【0040】(実施の形態1)まず、本発明の一実施の
形態である塩基物質定量装置について、図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態における
塩基物質定量装置の概略外観図である。図1において、
1は測定部をカバーする上蓋、2は上蓋1を開放するた
めのボタン、3は測定塩基物質濃度を表示する表示手段
であるところのLCD、4は塩基物質濃度の大きさによ
って領域を切り替えるためのボタン、5は測定を開始す
るためのスタート・ストップボタン、6は本装置の電源
をON,OFFする電源ON・OFFボタン、14は本
体である。
【0041】次に、図2は本発明の一実施の形態におけ
る塩基物質定量装置の上蓋を開放した概略外観図、図3
は本発明の一実施の形態における塩基物質定量装置の測
定容器を示す図、図4は本発明の一実施の形態における
塩基物質定量装置の比較電極部の詳細図である。図1に
示す上蓋1をスライドさせると、図2に示すように上蓋
1が開放され、塩基物質定量装置の内部空間に測定容器
がセットされている。この測定容器は取り外し自在であ
る。図2,図3において、7はハイドロキノンまたはハ
イドロキノン誘導体,有機溶媒,電解質及び被測定試料
を混合した共存電解液を収容する容器、8は対極、9は
作用電極、10は比較電極部である。塩基物質定量装置
の内部空間にセットされる測定容器は、容器7内にこの
共存電解液を収容したものであり、対極8,作用電極
9,比較電極部10を3本立設して取り付けた容器カバ
ーがこの共存電解液内に各電極の先端を浸漬した状態で
容器7に装着される。なお、ハイドロキノン誘導体と
は、ハイドロキノンを構成するベンゼン環に酸素基が結
合している以外の部分に、誘導体、例えばメチル基やエ
チル基などが結合している物質のことである。
【0042】対極8の材料としては共存電解液中でも腐
食しないで化学的に安定な白金、黒鉛、金が望ましい
が、腐食しないステンレス、アルミニウム及びその合金
等であってもよい。作用電極9の材料としては、炭素も
しくはグラッシーカーボンと呼ばれるガラス状炭素や、
プラスチックフォームを1000℃〜2000℃で燒結
した炭素、すなわちプラスチックフォームドカーボン
(PFCと呼称される)が適当である。
【0043】次に、比較電極部10の説明をする。図4
に示すように比較電極部10は、ガラス容器内に突出さ
れた電極11と、ガラス容器内に収容した内部液12
と、ガラス容器に設けた液絡部13から構成される。電
極11の材料としては飽和カロメルと銀−塩化銀、銀−
銀イオン、水銀−飽和硫塩基水銀でもよい。なお、例え
ば銀−塩化銀などというのは、銀の電極11の表面を塩
化銀で被覆していることを示すものである。内部液12
の材料としては、塩化銀、塩化カリウム、塩化ナトリウ
ム、塩化リチウム等の塩化物、アセトニトリル、硫塩基
銅その他の電極11の酸化還元反応において緩衝作用を
示す溶液が適当である。また、液絡部13は内部液12
と共存電解液の間に位置され、これらの溶液は通過させ
ないが安定して電子もしくはイオンは通過させる作用を
もつものであり、多孔質のセラミックスや多孔質のバイ
コールガラス等から構成される。また、比較電極部10
の1形態として、内部液12と液絡部13を使用せず
に、単品電極(比較電極のみ)で比較電極部10を構成
してもよい。この比較電極としては、カーボン電極や
金、白金、そして銀電極を溶液中でエージングして銀−
塩化銀電極としたものがあげられる。なお、図1,2に
おいては図示していないが、対極8,作用電極9,比較
電極部10を、後述する制御回路に接続するコネクタが
塩基物質定量装置の上述の内部空間内に設けられてい
る。
【0044】続いて容器7に収容する共存電解液の説明
をする。L−ロイシン等のアミノ酸の塩基物質(両性イ
オン物質)濃度を定量するためには、電解質として過塩
素酸リチウム,塩化リチウム,過塩素酸テトラアンモニ
ウムパークロライド,テトラプロピルを使用するのが望
ましい。両性イオン物質であるアミノ酸は水系溶媒、非
水系溶媒のいずれに対しても溶解するが、ハイドロキノ
ンであるα−トコフェロール等が水には溶解しづらいた
め、正確な定量をするためには非水系溶媒が適当であ
り、電解質は非水系溶媒に適した上記の電解質を選択す
るのが望ましく、電解液に浮遊物や沈殿物を生じさせな
いで安定した共存電解液とすることができる。本実施の
形態1の共存電解液は、L−ロイシンの塩基物質(両性
イオン物質)濃度を測定するために、有機溶媒としての
エタノールに、3mMのハイドロキノンとしてのα−ト
コフェロールと、電解質としての50mMの過塩素酸リ
チウムを溶解したものを電解液とし、さらにこの電解液
に被測定試料を混合したものである。エタノールは電解
質を容易に溶解することができ、同時に電極表面を洗浄
する作用効果も合わせもっている。
【0045】次に非水系溶媒ではなく、水系溶媒の場合
には、電解質として塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩
化リチウムを使用するのが望ましい。この場合の共存電
解液は、純水に塩化ナトリウム,塩化カリウム,塩化リ
チウムを溶解したものを電解液とし、この電解液に被測
定試料を混合したものが望ましい。
【0046】ところで、本発明の塩基物質定量装置は電
気化学的に塩基物質濃度を測定することを特徴にしてい
る。図5はL−ロイシンの塩基物質濃度測定電解液のボ
ルタンメトリーによる塩基物質濃度測定の電流−電位関
係図である。図5において、横軸は比較電極部10に飽
和カロメル電極(以下、SCE電極)、作用電極9にφ
3のプラスチックフォームドカーボンを用いたときの、
比較電極部10に対する作用電極9の電位、縦軸はこの
とき対極8に流れる電流値である。但し、電流値は作用
電極9の表面積の大きさや塩基の濃度といった条件によ
って変わるものである。これに対して横軸のピークの現
れる電位は塩基の濃度によって若干変動はあるものの、
その変動は無視できる程度のものである。
【0047】ここで、共存電解液の中で起こる電気化学
反応について説明する。本実施の形態1ではハイドロキ
ノンを用いているため、ハイドロキノンで説明を行う。
ハイドロキノンに代えてハイドロキノン誘導体を用いる
のでもまったく同様である。図7に示したように作用電
極9にハイドロキノンの酸化電圧が発生すると、ハイド
ロキノンは作用電極9に電子を放出(酸化)し、もって
いる水素イオンを離してキノンに変化する。図7はハイ
ドロキノンの電極近傍での反応を示す図である。このと
き離脱した水素イオンが作用電極9近傍で過剰状態にな
ってくるが、この付近で解離している水酸基イオンとの
間でイオン濃度の平衡が保たれなければならない。この
ため、作用電極9付近の塩基がこのバランスをとるため
水酸基イオンを解離または生成する。生成というのはア
ミノ基の場合で、第3アミン生成と同時に併せて水酸基
イオンを生成することなどを意味する。酸化電圧が印加
されて水素イオンと電子の放出が続く間、塩基から水酸
基イオンの解離または生成が進む。この現象は継続して
発生し、作用電極9近傍の塩基がなくなるまで続く。こ
の間ハイドロキノンは、作用電極9に電子を放出し続け
るためボルタモグラムにプレピークが発生するものであ
る。なお、このとき後述するように作用電極9まわりを
電子移動律速とし、拡散律速を避けるために電位の掃引
速度が重要になる。
【0048】プレピークが形成された後、さらに掃引電
位を上げていくと、+0.5V付近で前記水酸基イオン
の解離現象が塩基でなくエタノールで発生し、エタノー
ルから直接水酸基イオンを奪うようになって、ハイドロ
キノンから離脱した水素イオンとが平衡しメインピーク
となるものである。
【0049】図6はL−ロイシンの濃度(mM)とプレ
ピーク電流値との関係図である。図6から明らかなよう
にL−ロイシンの濃度とプレピーク電流値は直線の関係
があるため、予め標準液を使用して検量線を作成してお
けば、測定試料のプレピーク値を測定することで測定試
料中の塩基物質濃度を算定することが可能となる。水系
溶媒の測定試料でもまったく同様であるから、水系溶媒
の場合の具体的な塩基物質濃度とプレピーク電流値の関
係図の例を示して説明するのは割愛する。
【0050】さて、本実施の形態1の塩基物質定量装置
を操作するときの装置の動作説明をする。L−ロイシン
を測定するための上記した電解液10mLに対して、被
測定試料であるL−ロイシンを10μL混合して撹拌し
た後、これを容器7に収容する。次いで対極8と作用電
極9と比較電極部10を設けた測定カバーを容器7に取
り付け、塩基物質定量装置に設けたボルタンメトリー用
の制御回路のコネクターに、対極8、作用電極9、比較
電極部10を接続して制御可能となるようにセットし、
塩基物質定量装置の上蓋1を閉じると塩基物質濃度が測
定可能状態となる。比較電極部10はSCE電極、作用
電極9はプラスチックフォームドカーボン、対極8はス
テンレスで作られている。
【0051】そこで、電源ON・OFFボタン6とスタ
ート・ストップボタン5を押して測定開始すると、後述
する制御回路の制御部15が、作用電極9の電位をSC
E電極である比較電極部10の電極11の電位に対し
て、−300mV〜+600mVの電位の範囲で、3〜
100mV/s(好ましくは20〜50mV/s)の掃
引速度で掃引するように、作用電極9と対極8の間に電
圧を印加していく。この−300mV〜+600mVの
範囲というのは、プレピーク値を正確に測定できる領域
を示す。この掃引速度であれば、電子移動律速でなく拡
散律速とすることができ、正しくプレピーク値を形成で
きる。なお、掃引の範囲はSCE電極電位からみて−3
00mV〜+600mVが望ましいということであっ
て、標準水素電極電位からみた場合には、SCE電極電
位は+268mVとなるから、その分を補正する必要が
有る。すなわち、標準水素電極電位からみたときは、−
32mV〜+868mVである。また比較電極部10の
電極11を銀−塩化銀電極とした場合には、銀−塩化銀
電極電位が+222mVであるから同様に補正して掃引
すればよい。
【0052】また掃引速度を3〜100mV/sで所定
の電位差を掃引すると、図5に示すような安定したボル
タモグラムを得ることができる。そしてこのような速度
で掃引を行うと、塩基の還元電流のピークが350mV
付近の電位で出現する。これがプレピークであり、この
電位は塩基の濃度が上がると正側へシフトしていく。し
かしシフトがあってもSCE電極電位からみて−300
mV〜+600mVの範囲に設定されておれば、概ねど
のような濃度の塩基物質濃度であっても測定することが
できるものである。
【0053】次に、本実施の形態1の塩基物質定量装置
における、制御を行う制御回路について説明する。図8
は本発明の一実施の形態における塩基物質定量装置の制
御回路図である。図8において、5’はスタート・スト
ップボタン5によって動作するスタート・ストップスイ
ッチ、6’は電源ON・OFFボタン6を押すと動作す
る電源ON−OFFスイッチ、15はマイクロコンピュ
ーター等から構成される制御部、16は発振子、17は
分周回路、18はタイマ手段、19はD/Aコンバー
タ、20はオペアンプ、21はモニタリング回路、22
は抵抗器、23は差動アンプ、24はA/Dコンバー
タ、25は塩基物質濃度算出手段である。
【0054】図1の電源ON・OFFボタン6を押すと
LCD3が動作可能となる。次にスタート・ストップボ
タン5を押すと、制御部15は発振子16により発生さ
れる信号を基に分周回路17によって内部でクロックを
作り、そのクロックをカウントしてタイマ手段18が計
時を開始する。このタイマ手段18は1秒単位で計時を
行う。タイマ手段18に同期して制御部15はD/Aコ
ンバータ19へ所定の電圧のディジタル信号(パルス)
を送る。D/Aコンバータ19はそのデジタル信号をア
ナログ信号に変換し、オペアンプ20へ出力する。図9
は本発明の一実施の形態における塩基物質定量装置の制
御回路のオペアンプからの出力図、図10は本発明の一
実施の形態における塩基物質定量装置の制御回路の積分
回路からの出力図、図11は本発明の一実施の形態にお
ける塩基物質定量装置の塩基物質濃度と酸化電流の関係
図である。図9に示したように、横軸に時間、縦軸に電
圧をとった場合、時間が1秒,2秒,3秒,・・・と計
時される毎に、電圧が−500mV,−495mV,−
490mV,・・・と変化していく。そしてオペアンプ
20から出力される信号はRC積分回路を通ることによ
り積分され、図10に示したアナログ信号となり、モニ
タリング回路21に入力される。
【0055】モニタリング回路21においては、モニタ
リング回路21を構成するオペアンプのイマジナリショ
ートを利用して、出力端側の対極8の電圧Cをアナログ
信号に従って制御し、−入力端側の比較電極部10内部
にある電極11の電圧Rがアナログ信号と同じになるよ
うにする。これにより電極11と作用電極9との間の電
位差は所定の値−500mV〜+1000mVの範囲と
なる。一方、対極8に流れる電流は、抵抗器22を通
り、その両端にかかる電圧を差動アンプ23に通すこと
により増幅された電圧を、A/Dコンバータ24に入力
する。そこで、A/Dコンバータ24はアナログ信号の
前記電圧値をディジタル信号へ変換し制御部15へ入力
する。
【0056】ここで制御部15は、図10に示すように
所定の掃引速度で掃引される電圧に対して、入力された
電流をそれぞれ比較することにより、図5のAで表した
プレピークを与える電流値を検出する。この電流のプレ
ピーク値を基に塩基物質濃度算出手段25で塩基物質濃
度を計算し、その値をLCD3で表示する。ところで図
5において、電圧Eは作用電極9と比較電極部10間の
電位差であり、電流Iは対極8に流れる電流である。こ
の波形においてAで示したプレピーク値を与える電流値
Iと、被測定試料に混入した塩基の塩基物質濃度θは図
6に示すように比例の関係にある。すなわちプレピーク
の電流値と塩基物質濃度にはI=Kθ+C(K,Cは常
数)の関係がある。そこでAの電流値Iを測定すること
で塩基物質濃度θを測定することができるものである。
【0057】制御部15は作用電極9の電位と比較電極
部10の電極電位との間の電位差をモニタリングしなが
ら、作用電極9と対極8の間に電圧を印加するが、その
とき作用電極9と比較電極部10にある電極11の間の
電位差を約100mV/s以上で掃引すると、電位を掃
引する速度が速いために、電極反応は電気化学的な非可
逆系もしくは偽可逆系となる。このとき前記プレピーク
の出現電位が本ピークの方にシフトして、本ピークとプ
レピークが重なってしまい、プレピークを判別できない
波形となってしまう。また、逆に掃引速度を3mV/s
未満にすると、電子移動律速過程となってしまい、電極
表面での反応が過剰に起こってしまい安定した電流波形
が得られない。従って電位の掃引速度は3〜100mV
/sとなるようにする必要があるが、好ましくは20〜
50mV/sに設定するのがよい。
【0058】そして測定値を塩基物質濃度に変換するた
めには、予め塩基物質濃度が分かっている標準試薬を作
成し、例えば塩基物質濃度1,2,3に対する電流は何
μAで、このとき比例常数K,Cはいくらといった具合
に塩基物質濃度算出手段25中のメモリに比例常数K,
Cを記憶設定しておけばよい。このようにK,Cを記憶
しておけば、図11に示すように任意の塩基物質濃度を
測定したい場合、マイクロコンピューターから構成され
る塩基物質濃度算出手段25によって測定電流値Iを塩
基物質濃度θに変換することができるものである。
【0059】
【発明の効果】本発明の塩基物質定量装置は、ハイドロ
キノンまたはハイドロキノン誘導体,有機溶媒,電解質
及び塩基含有の被測定試料を混合した共存電解液を用い
て電気化学的に測定を行うため、コンパクトな装置にす
ることができ、精度の高い塩基物質濃度を測定すること
ができる。また、作用電極の電位を比較電極部の電極電
位から所定の電位差内の電位で掃引するとともに電流の
プレピーク値を検出する制御部、塩基物質濃度を算出す
る塩基物質濃度算出手段を備えているから、簡単に操作
でき、塩基物質濃度の判定を自動的に行うことができ、
信頼性のある精度の高い塩基物質濃度を測定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における塩基物質定量装
置の概略外観図
【図2】本発明の一実施の形態における塩基物質定量装
置の上蓋を開放した概略外観図
【図3】本発明の一実施の形態における塩基物質定量装
置の測定容器を示す図
【図4】本発明の一実施の形態における塩基物質定量装
置の比較電極部の詳細図
【図5】L−ロイシンの塩基物質濃度測定電解液のボル
タンメトリーによる塩基物質濃度測定の電流−電位関係
【図6】L−ロイシンの濃度とプレピーク電流値との関
係図
【図7】ハイドロキノンの電極近傍での反応を示す図
【図8】本発明の一実施の形態における塩基物質定量装
置の制御回路図
【図9】本発明の一実施の形態における塩基物質定量装
置の制御回路のオペアンプからの出力図
【図10】本発明の一実施の形態における塩基物質定量
装置の制御回路の積分回路からの出力図
【図11】本発明の一実施の形態における塩基物質定量
装置の塩基物質濃度と酸化電流の関係図
【符号の説明】
1 上蓋 2 開放ボタン 3 塩基物質濃度表示窓(LCD) 5 スタート・ストップボタン 5’ スタート・ストップスイッチ 6 電源ON・OFFボタン 6’ 電源ON−OFFスイッチ 7 容器 8 対極 9 作用電極 10 比較電極部 11 電極 12 内部液 13 液絡部 14 本体 15 制御部 16 発振子 17 分周回路 18 タイマ手段 19 D/Aコンバータ 20 オペアンプ 21 モニタリング回路 22 抵抗器 23 差動アンプ 24 A/Dコンバータ 25 塩基物質濃度算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/401 G01N 33/18 B // G01N 33/18 27/30 313A (71)出願人 000005821 松下電器産業株式会社 大阪府門真市大字門真1006番地 (72)発明者 楠 文代 東京都八王子市南大沢3丁目2番地4− 701号 (72)発明者 荒井 健介 東京都八王子市絹ヶ丘3丁目14番4号 (72)発明者 大槻 さなえ 神奈川県川崎市宮前区菅生ヶ丘31番5号 (72)発明者 西田 毅 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 橋本 英明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 日下部 毅 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西尾 哲也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森 一芳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 花田 康行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハイドロキノンまたはハイドロキノン誘導
    体,有機溶媒,電解質,及び塩基含有の被測定試料を混
    合した共存電解液を収容する容器と、前記容器に設けら
    れ前記共存電解液に浸漬される作用電極と対極と比較電
    極部と、前記作用電極の電極電位を所定の電位範囲内で
    掃引するとともに前記塩基によって生じる前記作用電極
    と前記対極間を流れる電流のプレピーク値を検出する制
    御部と、前記プレピーク値から塩基物質濃度を算出する
    塩基物質濃度算出手段を備えたことを特徴とする塩基物
    質定量装置。
  2. 【請求項2】前記共存電解液には水が混合されたことを
    特徴とする請求項1の塩基物質定量装置。
  3. 【請求項3】前記共存電解液において5wt%を超えな
    い量の水が混合されたことを特徴とする請求項2記載の
    塩基物質定量装置。
  4. 【請求項4】前記被測定試料がアミノ酸であり、前記塩
    基がアミノ酸を構成するアミノ基であることを特徴とす
    る請求項1〜3記載の塩基物質定量装置。
  5. 【請求項5】前記被測定試料が塩基含有の水溶液である
    ことを特徴とする請求項1記載の塩基物質定量装置。
  6. 【請求項6】前記被測定試料がアルカリ含有の水溶液で
    あることを特徴とする請求項1記載の塩基物質定量装
    置。
  7. 【請求項7】前記所定の電位が飽和カロメル電極電位に
    対して−300mV〜+700mVの間で設定されてい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塩
    基物質定量装置。
  8. 【請求項8】3〜100mV/sの掃引速度で前記所定
    の電位範囲を掃引することを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の塩基物質定量装置。
  9. 【請求項9】前記ハイドロキノンがα−トコフェロー
    ル,ブチルヒドロキシアニソール,ハイドロナフトキノ
    ンのうちの1つであることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の塩基物質定量装置。
  10. 【請求項10】前記電解質が有機溶媒に可溶な過塩素酸
    リチウム,塩化リチウム,過塩素酸テトラアンモニウム
    パークロライド,テトラプロピルのうちの1つであるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の塩基物
    質定量装置。
  11. 【請求項11】前記電解質が水溶液に可溶な塩化ナトリ
    ウム,塩化カリウム,塩化リチウムのうちの1つである
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の塩基
    物質定量装置。
  12. 【請求項12】前記対極が耐食性導電体から構成されて
    いることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載
    の塩基物質定量装置。
  13. 【請求項13】前記耐食性導電体が白金またはステンレ
    スから構成されていることを特徴とする請求項11に記
    載の塩基物質定量装置。
  14. 【請求項14】前記比較電極部の電極が銀−塩化銀から
    構成されていることを特徴とする請求項1〜12のいず
    れかに記載の塩基物質定量装置。
  15. 【請求項15】前記比較電極部の内部液が塩化カリウ
    ム,塩化ナトリウム,塩化リチウムの溶液のうちの1つ
    であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記
    載の塩基物質定量装置。
  16. 【請求項16】前記比較電極部の内部液がアセトニトリ
    ルの溶液であることを特徴とする請求項1〜13のいず
    れかに記載の塩基物質定量装置。
  17. 【請求項17】前記比較電極部の電極と前記共存電解液
    を電気的に接続する液絡部が多孔質セラミックであるこ
    とを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の塩基
    物質定量装置。
  18. 【請求項18】前記比較電極部の電極と前記共存電解液
    を電気的に接続する液絡部がバイコールガラスであるこ
    とを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の塩基
    物質定量装置。
  19. 【請求項19】前記比較電極部が炭素,プラスチックフ
    ォームドカーボン,金,白金のうちの1つから構成され
    る単品電極であることを特徴とする請求項1〜15のい
    ずれかに記載の塩基物質定量装置。
  20. 【請求項20】前記作用電極が炭素またはガラス状炭素
    から構成されていることを特徴とする請求項1〜18の
    いずれかに記載の塩基物質定量装置。
  21. 【請求項21】前記有機溶媒がエタノール溶液であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の塩基物質定量装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007205993A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 呼気成分測定装置、及び呼気成分測定方法
JP2007205994A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 呼気成分溶解容器、呼気成分測定装置、及び呼気成分測定方法
JP2010243452A (ja) * 2009-04-10 2010-10-28 Apurikusu:Kk 過酢酸濃度連続測定方法及び過酢酸濃度連続測定装置
JP2016023957A (ja) * 2014-07-16 2016-02-08 学校法人東京薬科大学 アミノ酸の定量法および測定装置

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