JP2016023957A - アミノ酸の定量法および測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ホルモール法は、日本酒に含まれる全アミノ酸の総濃度をアミノ酸度として測定するのに使用されているが、添加する試薬が多いことや、該方法で使用するホルマリンを使用直前にその都度調製する必要があるため、操作が煩雑である。更に、滴定の終点をフェノールフタレイン等の指示薬の色の変化によって決定するため、誤差が生じやすい。
また、過塩素酸滴定による方法では、溶媒として使用される酢酸の臭気の問題や、廃液処理が面倒であるという問題がある。更に、測定の自動化および高速化が困難である。
しかしながら、上記装置および定量方法では、アミノ酸の水に対する溶解度に比べてトロロックスの溶解度が小さいため、溶媒等の測定条件が制限されることがあり、測定の簡便さおよび迅速さの点では改善の余地が残されていた。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、逆滴定の手法を用いて、アミノ酸を過剰の酸で中和した後、未反応の余剰の酸の濃度をキノン誘導体の存在下で電気化学的手法により求め、当該酸の濃度からアミノ酸の濃度を求めることができることを知見し、より簡便且つ迅速に、アミノ酸を定量できる方法および装置を構築できることを見出した。
(1)(i)アミノ酸含有試料に強酸を過剰量添加して混合溶液を調製する工程と、
(ii)前記混合溶液を、キノン誘導体および電解質の存在下、電気化学的測定に供する工程と、
(iii)前記(ii)の工程により得られた電流値に基づき、前記アミノ酸含有試料中のアミノ酸濃度を算出する工程と
を含む、アミノ酸の定量方法である。
「キノン誘導体」の語には、キノン誘導体に加え、キノン自体も包含されるものとする。
更に、強酸に関して「過剰量」とは、アミノ酸との中和反応に必要なモル数を超える量をいう。
(2)前記(iii)の工程は、既知濃度のアミノ酸を用いて得られた、アミノ酸濃度と電流値または電流値の変化量との関係を示す検量線に基づき、前記アミノ酸濃度を算出することを含む、(1)に記載の定量方法である。
(3)前記電気化学的測定は、所定の電位範囲内で電位を変化させて前記キノン誘導体のボルタモグラムを得ることを含む、(1)または(2)に記載の定量方法である。
「ボルタモグラム」とは、測定試料に印加する電位を変化させ、それに応答して変化する電流を計測することにより得られる電流−電位曲線をいう。キノン誘導体のボルタモグラムの例は図1に示される。
(4)前記電気化学的測定は、電位を変化させることなく、特定の電位で前記キノン誘導体の電流値を測定することを含み、前記特定の電位が、前記キノン誘導体の還元前置波のピークを構成する電位である、(1)または(2)に記載の定量方法である。
(5)前記キノン誘導体が、パラベンゾキノン誘導体およびオルトベンゾキノン誘導体からなる群より選択される、(1)〜(4)のいずれかに記載の定量方法である。
本発明の更に一つの態様は、
(6)前記キノン誘導体が、3,5−ジ−t−ブチル−1,2−ベンゾキノンである、(1)〜(5)のいずれかに記載の定量方法である。
本発明の更に一つの態様は、
(7)前記強酸が、塩酸、硫酸および過塩素酸よりなる群から選択される、(1)〜(6)のいずれかに記載の定量方法である。
(8)試料溶液、キノン誘導体および電解質を収容するための容器と、それぞれが前記試料溶液に浸漬するように前記容器中に設けられた作用電極、対極および参照電極を含んだ電極群とを備えた測定部と、
前記測定部によって測定された電流値を検出する検出器と、
を含む、アミノ酸の測定装置である。
(9)前記検出器により検出された電流値に基づき、アミノ酸濃度を算出する計算機を更に含む、(8)に記載の測定装置である。
また、本発明の一つの態様は、
(10)前記計算機が、既知濃度のアミノ酸を用いて得られた、アミノ酸濃度と電流値または電流値の変化量との関係を示す検量線に基づき、前記アミノ酸濃度を算出する、(9)に記載の測定装置である。
また、本発明の一つの態様は、
(11)前記作用電極の電極電位が特定の値となるように、印加電圧を調節する制御器を更に含む、(8)〜(10)のいずれかに記載の測定装置である。
(12)前記キノン誘導体および前記電解質を、前記試料溶液と混合させる混合部と、
前記キノン誘導体および前記電解質を収容するタンクと、
前記タンク内の前記キノン誘導体および前記電解質を、前記混合部へと導く流路と、
前記流路に設けられたポンプと
を更に具備する、(8)〜(11)のいずれかに記載の測定装置である。
本発明のアミノ酸の定量方法は、
(i)アミノ酸含有試料に強酸を過剰量添加して混合溶液を調製する工程と、
(ii)前記混合溶液を、キノン誘導体および電解質の存在下、電気化学的測定に供する工程と、
(iii)前記(ii)の工程により得られた電流値に基づき、前記アミノ酸含有試料中のアミノ酸濃度を算出する工程と
を含む。以下、本明細書において、(i)の工程を「混合溶液調製工程」と、(ii)の工程を「混合溶液測定工程」と、(iii)の工程を「アミノ酸濃度算出工程」ともいう。
本工程では、アミノ酸含有試料に、強酸を過剰量添加して混合溶液を調製する。
アミノ酸は、天然アミノ酸であっても合成アミノ酸であってもよく、α位にアミノ基およびカルボキシ基の両方の官能基を持つ有機化合物の全てが包含される。
また、アミノ酸含有試料には、アミノ酸は、1種類のみ含まれていても、複数種類含まれていてもよい。アミノ酸含有試料にアミノ酸が複数含まれている場合、アミノ酸含有試料中に含まれる全アミノ酸の総濃度を、「アミノ酸度」という。
本工程において、強酸は、アミノ酸のアミノ基と反応してアミノ酸を中和するが、アミノ酸との中和反応に使用されなかった余剰の強酸は、以下で説明するキノン誘導体にプロトンを供与する。本工程で使用される強酸の濃度は、既知であることが好ましい。
例えば、以下で説明する測定装置の形態で流通する場合、安全性の観点および各国の規制の観点から、強酸として好ましいのは、塩酸である。
本工程では、前記混合溶液を、キノン誘導体および電解質の存在下、電気化学的測定に供する。
本工程において、混合溶液と、キノン誘導体および電解質との体積比は、例えば、200:1〜2:1である。
所定範囲内で電位を変化させてボルタモグラムを得る場合、所定の電位範囲は、例えば、+0.5〜−0.5Vである。電位は、例えば、走査速度5〜100mV/secで変化させることができる。
また、電位を変化させることなく、特定の電位で電流値を測定する場合、特定の電位は、キノン誘導体の還元前置波のピークを構成する電位であり、キノン誘導体の還元前置波のピークを構成する電位とは、キノン誘導体の還元前置波のピークを示す電位および該ピークを示す電位の前後0.5Vの範囲の電位をいう。
本工程では、前記測定工程により得られた電流値に基づき、前記アミノ酸含有試料中のアミノ酸濃度を算出する。
好ましくは、本工程は、既知濃度のアミノ酸を用いて得られた、アミノ酸濃度と、電流値または電流値の変化量との関係を示す検量線に基づき、アミノ酸濃度を算出することを含む。
検量線は、種々の既知濃度のアミノ酸を含有する標準溶液とアミノ酸を含まない標準溶液とについて電気化学的測定を行い、アミノ酸濃度に対して電流値または電流値の変化量をプロットすることにより得ることができる。
キノン誘導体の還元前置波のピークは、アミノ酸含有試料中に含まれるアミノ酸の濃度が高いほど余剰の強酸濃度が低くなるために、小さくなる(例えば、図7および8参照)。ここで、例えば、アミノ酸を含まずキノン誘導体と電解質と強酸とを含んだ標準溶液(図中の(A0))を基準とした場合、還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)は、アミノ酸濃度が上昇するにつれて大きくなる(例えば、図9参照)。
また、逆滴定の手法を用いると共に、キノンの還元前置波として電流値を測定しているため、一部のアミノ酸を検出できない等の問題がない。
図2はアミノ酸の測定装置の一例の概略外観図である。該アミノ酸の測定装置は、バッチ式の測定装置である。
作用電極7の材料としては、炭素、GC、PFCが挙げられ、中でもPFCが好適に用いられる。
参照電極8の材料としては、銀−銀イオン、銀−塩化銀、飽和カロメル、水銀−飽和硫酸水銀などの、電極電位が安定した電極を構成する材料が好ましい。なお、電極に関する、例えば「銀−塩化銀」等の表記は、当該電極が、銀の表面を塩化銀で被覆してなることを示す。
電位は、所定の電位範囲内を変化するように、即ち、所定の範囲内で電位が掃引されるように調節されてもよく、または電位を変化させることなく、特定の電位に調節されてもよい。
前記計算機には、好ましくは、先述の検量線のデータが組み込まれており、当該検量線に基づき、前記アミノ酸濃度が算出される。
なお、強酸は、アミノ酸含有試料が、キノン誘導体および電解質と混合される前、キノン誘導体および電解質と混合された後、またはキノン誘導体および電解質と混合されるのと同時、のいずれのタイミングで、アミノ酸含有試料と混合されてもよい。
また、強酸が、キノン誘導体および電解質がアミノ酸含有試料と混合されるのと同時に、アミノ酸含有試料に混合される場合、強酸は、事前にキノン誘導体および電解質と混合されてもよい。この場合、例えば、上記タンク9には、キノン誘導体および電解質と共に、強酸が収容される。タンク9内のキノン誘導体、電解質および強酸は、ポンプ11によって汲み上げられ、流路10を介して混合部へと導かれ、前記試料混合部では、キノン誘導体、電解質および強酸に、アミノ酸含有試料が混合される。
また、タンク9には、更に溶媒を収容していてもよい。
FIAの機構を組み込んだ上記測定装置では、試料注入のタイミングに応じて、特定の電位における電流値がフローシグナルとして観測される。
例えば、強酸を、アミノ酸含有試料がキノン誘導体および電解質と混合される前にアミノ酸含有試料と混合する場合(即ち、強酸とアミノ酸含有試料とを事前に混合しておく場合)、注入される試料は、アミノ酸含有試料と強酸との混合物であり、該混合物の注入のタイミングに応じて、フローシグナルが観測される。この場合、アミノ酸の濃度が高いほど、フローシグナルの高さは低くなる(例えば、図14参照)。
また例えば、強酸を、アミノ酸含有試料がキノン誘導体および電解質と混合されるのと同じタイミングで混合する場合(例えば、強酸が、キノン誘導体および電解質と事前に混合されている場合)、注入される試料はアミノ酸含有試料である。この場合、アミノ酸の濃度が高いほど、フローシグナルの高さは高くなる。
図6に概略を示すボルタンメトリー装置を用いて、以下に示す検液のボルタモグラムを測定し、アミノ酸の濃度と還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)との関係を調べた。中性アミノ酸としてはグルタミンを用いた。グルタミンの構造を以下に示す
測定を行った検液は以下の通りである。
−支持電解質溶液(エタノール:水(1:1、v/v)中にキノン誘導体DBBQ4mMと電解質50mM NaClとを含む)(X);
−支持電解質溶液に、2.0mM HClおよび種々濃度のグルタミンを添加したもの。グルタミン濃度が0、0.5、1.0、2.0、4.0および5.0mMのものをそれぞれ、検液(A0)、(A1)、(A2)、(A3)、(A4)および(A5)とする。
測定により得られたボルタモグラムを図7および8に示す。図7には、検液(X)、(A0)および(A3)のボルタモグラムを、図8には、検液(A0)〜(A5)の還元前置波のピーク付近の電位のボルタモグラムを示す。
また、図9は、グルタミン濃度に対して、キノン誘導体の還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)をプロットして得られた検量線を示す。ここで、還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)は、検液(A0)の還元前置波のピークの電流値と、検液(A1)〜(A5)の各々の還元前置波のピークの電流値との差である。
アミノ酸として、酸性アミノ酸であるグルタミン酸を用いたこと、および以下の検液を用いたこと以外は、実施例1に示したのと同様にして各検液のボルタモグラムを測定し、アミノ酸濃度とキノン誘導体の還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)との関係を調べた。グルタミン酸の構造を以下に示す。
−支持電解質溶液(エタノール:水(1:1、v/v)中にキノン誘導体DBBQ4mMと電解質50mM NaClとを含む)(X);
−支持電解質溶液に、2.0mM HClと種々の濃度のグルタミン酸とを添加したもの。グルタミン酸濃度が、0、1.0および2.0mMのものをそれぞれ、検液(B0)、(B1)および(B2)とする。
−支持電解質溶液にグルタミン酸0.5mMを添加したもの(B’);
測定により得られた、検液(X)、(B0)〜(B2)および(B’)のボルタモグラムを図10に示す。また、図11は、グルタミン酸濃度に対して、キノン誘導体の還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)をプロットして得られた検量線を示す。ここで、還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)は、検液(B0)の還元前置波のピークの電流値と、検液(B1)および(B2)の各々の還元前置波のピークの電流値との差である。
アミノ酸として、塩基性アミノ酸であるアルギニンを用いたこと、および以下の検液を用いたこと以外は、実施例1に示したのと同様にして各検液のボルタモグラムを測定し、アミノ酸濃度とキノン誘導体の還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)との関係を調べた。アルギニンの構造を以下に示す。
−支持電解質溶液(エタノール:水(1:1、v/v)中にキノン誘導体DBBQ4mMと電解質50mM NaClとを含む)(X);
−支持電解質溶液に、2.0mM HClと種々の濃度のアルギニンとを添加したもの。アルギニン濃度が、0、1.0および2.0mMのものをそれぞれ、検液(C0)、(C1)および(C2)とする。
測定により得られた、検液(X)および(C0)〜(C2)のボルタモグラムを図12に示す。また、図13は、アルギニン濃度に対して、キノン誘導体の還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)をプロットして得られた検量線を示す。ここで、還元前置波のピークの電流値の変化量(Δipre)は、検液(C0)の還元前置波のピークの電流値と、検液(C1)および(C2)の各々の還元前置波のピークの電流値との差である。
また、アルギニンの検量線の傾きは、グルタミンおよびグルタミン酸の検量線の傾きと比較して約2倍であった。これは、アルギニンが、アルギニン1分子当たり2つのアミノ基を有するため、2倍のモル量の塩酸が中和反応に使用されるためと考えられる。本定量法では、アミノ酸は一酸塩基として検出されているものと考えられる。
日本酒のアミノ酸の組成を模擬したアミノ酸混合試料を調製した。当該混合試料は、中性アミノ酸、酸性アミノ酸および塩基性アミノ酸をそれぞれ、75%、10%および15%、具体的には、グルタミン、グルタミン酸およびアルギニンをそれぞれ、7.5mM、1.0mMおよび1.5mM含む。即ち、当該混合試料のアミノ酸度は10mMである。
当該試料を検液とし、実施例1〜3と同様にして測定を行い、ボルタモグラムを得た。得られたボルタモグラムと、実施例1〜3の結果とから、検液のアミノ酸度を算出したところ、11.5mMという結果が得られた。この結果を、ホルモール法、過塩素酸滴定から得られた結果と共に表1に示す。
実施例5−1:グルタミンの定量
図6に示すボルタンメトリー装置に、フローインジェクション分析(FIA)を組み合わせ、グルタミンの濃度を定量した。上記支持電解質溶液(X)に、0.2mM HClと種々の濃度のグルタミンとを添加し、グルタミン濃度が、0mM、0.1mMおよび0.2mMのものをそれぞれ検液(D0)、(D1)および(D2)とした。一回の試料注入量を5μL、試料の注入間隔を2分として、流速50μL/minで測定を行った。また電流値は、電位0Vで測定した。
なお、用いたボルタンメトリー装置の作用電極、参照電極および対極の材質はそれぞれ、グラッシーカーボン、銀−塩化銀およびSUSであった。
(D0)〜(D2)のそれぞれの検液について得られたフローシグナルの電流値を、図14に示す。
また、図15には、グルタミン濃度に対して、還元前置波由来のフローシグナルの高さをプロットして得られた検量線を示す。ここで、還元前置波由来のフローシグナルの高さは、検液(D0)、(D1)および(D2)の各々のフローシグナルの高さの電流値の絶対値である。
更に、図16には、グルタミン濃度に対して、還元前置波由来のフローシグナルの高さの変化量(ΔiH)をプロットして得られた検量線を示す。ここで、還元前置波由来のフローシグナルの高さの変化量(ΔiH)は、検液(D0)のフローシグナルの高さと、検液(D1)および(D2)の各々のフローシグナルの高さとの差である。
よって、検量線としては、アミノ酸濃度に対してフローシグナルの高さをプロットして得られたもの、およびアミノ酸濃度に対してフローシグナルの高さの変化量(ΔiH)をプロットして得られたもののいずれも用いることができることが示された。
L−グルタミンの標品(L−グルタミン顆粒「ヒシヤマ」、ニプロファーマ株式会社製、純度99%)を用いて、L−グルタミン溶液を調製した。調製したL−グルタミン溶液0.8mLに、1.0mM HClを0.8mL添加した後、該溶液に、8mM DBBQを2mL、0.25M NaClを0.4mL添加して混合した。
得られた溶液を、2分の注入時間間隔で、5μLの試料注入量で装置に注入し、測定に供した。測定には、実施例5−1で用いた装置を使用し、流速は50μL/minで実施した。測定したフローシグナルを図17に示す。
測定結果に基づき、L−グルタミン含量と、標品の純度からの相対標準偏差(RSD)を算出した。上記方法から得られたL−グルタミンの含量と、過塩素酸滴定を用いて得られたL−グルタミンの含量とを、表2に示す。
乾燥したL−グルタミン標品0.15gを、ギ酸3mLに溶解し、酢酸50mLを添加して得た溶液を、0.1mol/Lの過塩素酸で滴定した(電位差滴定法)。同様の方法で、L−グルタミンを含まない溶液を調製して空試験を行い、補正を行った。
2・・・液晶ディスプレイ
3・・・スタート/ストップボタン
4・・・電源ボタン
5・・・容器
6・・・対極
7・・・作用電極
8・・・参照電極
9・・・タンク
10・・・流路
11・・・ポンプ
Claims (12)
- (i)アミノ酸含有試料に強酸を過剰量添加して混合溶液を調製する工程と、
(ii)前記混合溶液を、キノン誘導体および電解質の存在下、電気化学的測定に供する工程と、
(iii)前記(ii)の工程により得られた電流値に基づき、前記アミノ酸含有試料中のアミノ酸濃度を算出する工程と
を含む、アミノ酸の定量方法。 - 前記(iii)の工程は、既知濃度のアミノ酸を用いて得られた、アミノ酸濃度と電流値または電流値の変化量との関係を示す検量線に基づき、前記アミノ酸濃度を算出することを含む、請求項1に記載の定量方法。
- 前記電気化学的測定は、所定の電位範囲内で電位を変化させて前記キノン誘導体のボルタモグラムを得ることを含む、請求項1または2に記載の定量方法。
- 前記電気化学的測定は、電位を変化させることなく、特定の電位で前記キノン誘導体の電流値を測定することを含み、
前記特定の電位が、前記キノン誘導体の還元前置波のピークを構成する電位である、請求項1または2に記載の定量方法。 - 前記キノン誘導体が、パラベンゾキノン誘導体およびオルトベンゾキノン誘導体からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の定量方法。
- 前記キノン誘導体が、3,5−ジ−t−ブチル−1,2−ベンゾキノンである、請求項1〜5のいずれかに記載の定量方法。
- 前記強酸が、塩酸、硫酸および過塩素酸よりなる群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の定量方法。
- 試料溶液、キノン誘導体および電解質を収容するための容器と、それぞれが前記試料溶液に浸漬するように前記容器中に設けられた作用電極、対極および参照電極を含んだ電極群とを備えた測定部と、
前記測定部によって測定された電流値を検出する検出器と、
を含む、アミノ酸の測定装置。 - 前記検出器により検出された電流値に基づき、アミノ酸濃度を算出する計算機を更に含む、請求項8に記載の測定装置。
- 前記計算機が、既知濃度のアミノ酸を用いて得られた、アミノ酸濃度と電流値または電流値の変化量との関係を示す検量線に基づき、前記アミノ酸濃度を算出する、請求項9に記載の測定装置。
- 前記作用電極の電極電位が特定の値となるように、印加電圧を調節する制御器を更に含む、請求項8〜10のいずれかに記載の測定装置。
- 前記キノン誘導体および前記電解質を、前記試料溶液と混合させる混合部と、
前記キノン誘導体および前記電解質を収容するタンクと、
前記タンク内の前記キノン誘導体および前記電解質を、前記混合部へと導く流路と、
前記流路に設けられたポンプと
を更に含む、請求項8〜11のいずれかに記載の測定装置。
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CN114813893A (zh) * | 2021-01-18 | 2022-07-29 | 内蒙古电力(集团)有限责任公司内蒙古电力科学研究院分公司 | 用于检测变压器油中抗氧化剂含量的检测箱 |
WO2023234173A1 (ja) * | 2022-06-02 | 2023-12-07 | 株式会社村田製作所 | アミン化合物の検出方法、アミン化合物の検出剤及びチアゾール誘導体 |
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