以下、複合運動装置、及びそれを備えた搬送装置を具体化した一実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、搬送装置10は、複合運動装置11と、ワークWを搬送するために用いられる搬送部としてのアーム10aとを備えている。アーム10aの先端には、ワークWを吸着可能な吸着部10bが設けられている。搬送装置10は、複合運動装置11を用いて、アーム10aを移動させ、ワークWを搬送する。
複合運動装置11は、直方体形状である中空箱状の本体12と、本体12から一部が突出するとともに突出端部にアーム10aが設けられた従動軸20と、本体12に取り付けられる流体圧シリンダ30及びメカニカルバルブMVとを有している。本体12には、駆動軸13が貫通している。
図3(a)に示すように、本体12は、本体12における駆動軸13の軸方向に位置する両外面12aに取り付けられる筒状のベアリングケース14a,14bを有する。駆動軸13の両端部は、両ベアリングケース14a,14bを貫通して本体12から突出している。駆動軸13の両端部と両ベアリングケース14a,14bとの間には、第1ベアリング21a,21bが介在されている。駆動軸13の一端部は、第1ベアリング21aを介してベアリングケース14aに回転可能に支持されるとともに、駆動軸13の他端部は、第1ベアリング21bを介してベアリングケース14bに回転可能に支持されている。よって、一対の第1ベアリング21a,21bは、本体12に対して駆動軸13の両端部を回転可能に支持する。駆動軸13の一端部には、図示しないモータ等の外部駆動源が連結されている。駆動軸13は、外部駆動源の駆動によって回転する。
駆動軸13には、円環状の駆動カム15が設けられている。駆動カム15は、本体12内に収容されている。駆動カム15は、駆動軸13に一体的に回転可能に設けられている。駆動カム15の外周面には、カム溝15aが形成されている。
図4に示すように、複合運動装置11は、駆動軸13に直交し、駆動軸13の回転により駆動カム15を介して回転する中空状の回転軸16(タレット軸)を備えている。本体12は、本体12における回転軸16の軸方向に位置する両外面12aの一方に取り付けられる筒状のベアリングケース17を有する。回転軸16の一端部は、ベアリングケース17を貫通して本体12から突出している。回転軸16の一端部とベアリングケース17との間には第2ベアリング22aが介在されている。回転軸16の一端部は、第2ベアリング22aを介してベアリングケース17に回転可能に支持されている。
また、本体12における回転軸16の軸方向に位置する両外面12aの他方には、貫通孔である軸受固定部12hが形成されている。回転軸16の他端部は、軸受固定部12hを貫通している。回転軸16の他端部と軸受固定部12hとの間には第2ベアリング22bが介在されている。回転軸16の他端部は、第2ベアリング22bを介して軸受固定部12hに回転可能に支持されている。よって、一対の第2ベアリング22a,22bは、本体12に対して回転軸16の両端部を回転可能に支持する。
図3(a)に示すように、駆動軸13の両端部と両ベアリングケース14a,14bとの間における一対の第1ベアリング21a,21bよりも駆動カム15寄りには、シール部材21sがそれぞれ介在されている。図4に示すように、回転軸16の一端部とベアリングケース17との間における第2ベアリング22aよりも駆動カム15寄り、及び回転軸16の他端部と軸受固定部12hとの間における第2ベアリング22bよりも駆動カム15寄りには、シール部材22sがそれぞれ介在されている。そして、各シール部材21s,22sにより、本体12の内部に貯留されている潤滑油の本体12外への洩れが抑制されている。潤滑油は、本体12の内部の摺動部分の潤滑に寄与している。
図1〜図4に示すように、本体12は、一対の第1ベアリング21a,21b寄りにそれぞれ配置される一対の第1外面121aと、一対の第2ベアリング22a,22b寄りにそれぞれ配置される一対の第2外面122aと、を含む六つの外面12aを有する直方体形状である。六つの外面12aは取付対象100に接触する取付面として機能する。本実施形態では、第2ベアリング22b寄りに配置される第2外面122a(本体12の六つの外面12aのうちの軸受固定部12hが形成されている外面12a)を取付面として機能させている。
図3(a)及び図4に示すように、回転軸16の外周面には、カムフォロア18が複数突設されている。複数のカムフォロア18は、回転軸16の周方向において等間隔をおいて配置されている。各カムフォロア18は、駆動カム15のカム溝15aに順次係脱可能になっている。
そして、駆動軸13が回転することにより、駆動軸13の回転力が駆動カム15とカムフォロア18とのカム作用によって回転軸16に伝達され、回転軸16が所定の角度で間欠的に回転する。回転軸16の回転角度は、カムフォロア18の数や駆動カム15のカム溝15aの形状等を変更することにより、任意に変更することが可能である。
図3(b)に示すように、カム溝15aは、駆動軸13が1回転する間で、駆動カム15とカムフォロア18とのカム作用によって駆動軸13の回転力が伝達されて回転軸16が正方向に所定の回転角度だけ回転するようにカムフォロア18を案内する第1案内溝151aを有している。また、カム溝15aは、駆動軸13が1回転する間で、回転軸16が正方向に所定の回転角度だけ回転した後に、回転軸16が回転しないようにカムフォロア18を案内する第2案内溝152aを有している。さらに、カム溝15aは、駆動軸13が1回転する間で、駆動カム15とカムフォロア18とのカム作用によって駆動軸13の回転力が伝達されて回転軸16が正方向とは逆方向に所定の回転角度だけ回転するようにカムフォロア18を案内する第3案内溝153aを有している。また、カム溝15aは、駆動軸13が1回転する間で、回転軸16が正方向とは逆方向に所定の回転角度だけ回転した後に、回転軸16が回転しないようにカムフォロア18を案内する第4案内溝154aを有している。
図4に示すように、回転軸16の一端部には、筒状のスプラインナット19が装着されている。スプラインナット19は、回転軸16内に挿入される筒部19aと、筒部19aの一端部から径方向外側に突出する環状のフランジ部19bとを有する。フランジ部19bは、回転軸16の一端面に接触しており、複数のボルト19cによって回転軸16に締結されている。よって、スプラインナット19は、回転軸16に固定されており、回転軸16の一部を構成している。
従動軸20は、スプラインナット19内に挿入されている。スプラインナット19と従動軸20との間には複数のボール19dが介在されており、従動軸20は、スプラインナット19に対してスプライン結合されている。よって、従動軸20は、スプラインナット19に対して従動軸20の軸方向に移動可能であり、且つ回転軸16と一体的に回転可能である。
図2に示すように、流体圧シリンダ30は、本体12に対して第2ベアリング22b寄りに配置される第2外面122a側に設けられている。すなわち、流体圧シリンダ30は、本体12に対して六つの外面12aのうち取付対象100に接触する取付面となる外面12a側に設けられている。流体圧シリンダ30にはシリンダベース40が連結されており、流体圧シリンダ30は、本体12に対してシリンダベース40を介して本体12の外面12a側に取り付けられている。
図5に示すように、流体圧シリンダ30は、筒状のシリンダチューブ31と、シリンダチューブ31の軸方向一端側の開口を閉塞するヘッドカバー32と、シリンダチューブ31の軸方向他端側の開口を閉塞するロッドカバー33とを備えている。そして、シリンダチューブ31、ヘッドカバー32及びロッドカバー33によってシリンダチューブ31内にシリンダ室34が区画されている。
シリンダチューブ31の外周壁におけるロッドカバー33寄りには、シリンダ室34に連通する第1流体給排ポート31aが形成されている。シリンダチューブ31の外周壁におけるヘッドカバー32寄りには、シリンダ室34に連通する第2流体給排ポート31bが形成されている。
シリンダ室34には、シリンダ室34内を往復動可能な円環状のピストン35が収容されている。ピストン35は、シリンダ室34を、ロッドカバー33側の第1圧力作用室34aと、ヘッドカバー32側の第2圧力作用室34bとに区画している。第1圧力作用室34aは第1流体給排ポート31aに連通するとともに、第2圧力作用室34bは第2流体給排ポート31bに連通している。
ピストン35の外周面には、第1圧力作用室34aと第2圧力作用室34bとの間をシールするゴム製のピストンパッキン35sが装着されている。ピストン35の外周面におけるピストンパッキン35sよりもヘッドカバー32寄りには、不完全環状のウェアリング36が装着されている。そして、ウェアリング36の外周面がシリンダチューブ31の内周面に摺接することにより、ピストン35が偏心してしまうことが抑制されている。
ピストン35には、ピストンロッド37の端部が取り付けられている。ピストンロッド37におけるピストン35とは反対側は、ロッドカバー33に形成されたロッド挿通孔33hを介してシリンダチューブ31外に突出している。なお、ロッド挿通孔33hとピストンロッド37との間には環状の滑り軸受33aが介在されている。ピストンロッド37は、滑り軸受33aによってロッドカバー33に対して摺動可能に支持されている。ピストン35とピストンロッド37とは、シリンダチューブ31の軸方向に沿って一体的に移動する。よって、ピストンロッド37は、シリンダチューブ31に対して出没可能になっている。
ピストン35におけるロッドカバー33側の端面35aには、円環状のクッションゴム38が設けられている。また、ピストン35におけるヘッドカバー32側の端面35bには、円環状のクッションゴム39が設けられている。
図2に示すように、本体12には、軸受固定部12hの周囲に凹部23が形成されている。凹部23は、従動軸20の中心軸線を中心とした同心円上に延びる第1位置決め内周面23aを有する。第1位置決め内周面23aは、軸受固定部12hを取り囲むように従動軸20の周方向に延びている。
シリンダベース40は、一対の取付部41と、一対の取付部41同士を連結する複数の連結部42とを有する。各取付部41は、平面視すると略四角板状である。各取付部41の外周部(外側面)における四つの角部には第1位置決め外周面41aが形成されている。各第1位置決め外周面41aは弧状に湾曲している。各取付部41には、挿通孔41bが形成されている。
各連結部42は、柱状である。各連結部42は、一対の取付部41の外周部が延びる方向で隣り合う第1位置決め外周面41aの間にそれぞれ設けられている。よって、複数の連結部42は、取付部41の外周部が延びる方向において間隔をおいて配置されている。そして、シリンダベース40には、取付部41の外周部が延びる方向において隣り合う連結部42同士の間に開口部43が形成されている。開口部43は、連結部42が延びる方向において、一対の取付部41の四隅に重なっている。各連結部42の外面は、一対の取付部41の外周部に連続するとともに、各連結部42の内面は、挿通孔41bの内周面に連続する弧状の第2位置決め内周面42aになっている。
一対の取付部41の一方は、四つの第1位置決め外周面41aにおける第1位置決め内周面23aとの接触により、四つの第1位置決め外周面41aの中心軸線及び第2位置決め内周面の中心軸線が従動軸20の中心軸線に一致した状態で四つの締結部材44(例えばボルト)を介して本体12に取り付けられている。
四つの締結部材44は、取付部41の四隅にそれぞれ配置されている。よって、各締結部材44は、各第1位置決め外周面41aよりも従動軸20の径方向の内側に配置されている。シリンダベース40は、本体12に四つの締結部材44を介して着脱可能に取り付けられている。
図5に示すように、一対の取付部41の他方は、シリンダチューブ31におけるロッドカバー33側の外端面に取り付けられている。そして、シリンダチューブ31外に突出したピストンロッド37におけるピストン35とは反対側の端部は、一対の取付部41の他方の挿通孔41bを通過して複数の連結部42の内側に位置している。
図6に示すように、複合運動装置11は、従動軸20とピストンロッド37とを軸方向で連結する継手50を備えている。継手50は、複数の連結部42の内側に配置されている。よって、各連結部42は、継手50を内部に収容するとともに第2位置決め内周面42aを有する収容壁である。継手50は、連結部材50Aを有する。連結部材50Aは、ピストンロッド37の端部に連結される有底筒状の第1連結部材51と、第1連結部材51に連結される筒状の第2連結部材52とを有する。
第1連結部材51は、底壁51aと、底壁51aの周囲から延設される筒壁51bと、底壁51aにおける筒壁51bとは反対側の面の中央部に設けられるとともに筒壁51bとは反対側に延びる軸部51cとを有する。軸部51cの外周面には雄ねじが形成されている。そして、軸部51cが、ピストンロッド37の端部に形成される雌ねじ孔37aに挿入されて螺合されることにより、第1連結部材51とピストンロッド37とが連結されている。
第2連結部材52は、従動軸20におけるピストンロッド37側の端部が挿通される挿通孔52aを有する。挿通孔52aは、本体12寄りの小径孔521aと、小径孔521aに連続するとともに小径孔521aよりも孔径が大径であり、小径孔521aよりもピストンロッド37寄りに位置する大径孔522aと、小径孔521aと大径孔522aとを繋ぐ段差部523aとを有する。段差部523aは、従動軸20の軸方向において、第1連結部材51の筒壁51bにおける第2連結部材52側の端面の内周部に対向配置されている。
従動軸20におけるピストンロッド37側の端部は、本体12寄りの大径軸20aと、大径軸20aに連続するとともに大径軸20aよりも外径が小径であり、大径軸20aよりもピストンロッド37寄りに位置する小径軸20bと、大径軸20aと小径軸20bとを繋ぐ段差部20cとを有する。
継手50は、従動軸20の小径軸20bと挿通孔52aの大径孔522aとの間に介在されるとともに従動軸20の軸方向に並んで配列される転がり軸受としての二つのアンギュラ玉軸受53を有している。各アンギュラ玉軸受53は、内輪部53a、外輪部53b及び複数の玉53cを有する。各内輪部53aは環状であり、小径軸20bの外周面に嵌合されている。各外輪部53bは環状であり、その外周面が挿通孔52aの内周面に接している。複数の玉53cは、内輪部53aの外周面と外輪部53bの内周面との間に介在されている。
そして、従動軸20は、二つのアンギュラ玉軸受53を介して第2連結部材52に回転可能に支持されている。また、二つのアンギュラ玉軸受53は、従動軸20の回転がピストンロッド37へ伝達されることを規制している。よって、継手50は、従動軸20の回転がピストンロッド37へ伝達されることが規制された状態で従動軸20とピストンロッド37とを軸方向で連結している。
二つのアンギュラ玉軸受53のうち、本体12寄りに配置されるアンギュラ玉軸受53において、内輪部53aの外周面には、従動軸20の軸方向において複数の玉53cにおける本体12に向けた移動を規制する玉保持部531aが形成されている。また、二つのアンギュラ玉軸受53のうち、本体12寄りに配置されるアンギュラ玉軸受53において、外輪部53bの内周面には、従動軸20の軸方向において複数の玉53cにおける流体圧シリンダ30に向けた移動を規制する玉保持部531bが形成されている。
二つのアンギュラ玉軸受53のうち、流体圧シリンダ30寄りに配置されるアンギュラ玉軸受53において、内輪部53aの外周面には、従動軸20の軸方向において複数の玉53cにおける流体圧シリンダ30に向けた移動を規制する玉保持部532aが形成されている。また、二つのアンギュラ玉軸受53のうち、流体圧シリンダ30寄りに配置されるアンギュラ玉軸受53において、外輪部53bの内周面には、従動軸20の軸方向において複数の玉53cにおける本体12に向けた移動を規制する玉保持部532bが形成されている。よって、二つのアンギュラ玉軸受53は、従動軸20に作用するアキシャル荷重を受ける。
小径軸20bの先端部には、ナット20dが螺合されている。そして、二つのアンギュラ玉軸受53の内輪部53aは、ナット20dが小径軸20bの先端部に螺合されることにより、段差部20cとナット20dとの間で従動軸20の軸方向に挟み込まれている。具体的には、二つのアンギュラ玉軸受53のうち、本体12寄りに配置されるアンギュラ玉軸受53の内輪部53aが段差部20cに接触して、玉53cが玉保持部531aにより流体圧シリンダ30に向けて押圧される。そして、玉53cが玉保持部531bを押圧することにより、二つのアンギュラ玉軸受53のうち、流体圧シリンダ30寄りに配置されるアンギュラ玉軸受53が流体圧シリンダ30に向けて押圧される。さらに、二つのアンギュラ玉軸受53のうち、流体圧シリンダ30寄りに配置されるアンギュラ玉軸受53の玉53cが玉保持部532bにより流体圧シリンダ30に向けて押圧され、玉53cが玉保持部532aを押圧することにより、ナット20dに押圧力が伝達される。これにより、従動軸20と二つのアンギュラ玉軸受53とが従動軸20の軸方向でのがたつきが抑えられた状態で固定される。なお、ナット20dの締め付け力を調整することにより、玉53cに作用する力が調整される。
また、二つのアンギュラ玉軸受53の外輪部53bは、第1連結部材51と第2連結部材52とが、複数のボルト50aによって締結されることにより、段差部523aと筒壁51bにおける第2連結部材52側の端面の内周部との間で従動軸20の軸方向に挟み込まれている。これにより、二つのアンギュラ玉軸受53における従動軸20の軸方向での位置決めが確保されている。したがって、継手50は、従動軸20とピストンロッド37との軸方向における相対位置を位置決めした状態で、従動軸20とピストンロッド37とを軸方向で連結している。よって、段差部20c、ナット20d、複数のボルト50a、段差部523a及び筒壁51bは、従動軸20とピストンロッド37との軸方向における相対位置を位置決めしている。
第1連結部材51及び第2連結部材52の外周面51f,52fは、各連結部42の内面に接触している。そして、第1連結部材51及び第2連結部材52の外周面51f,52fは、第2位置決め内周面42aに接触する第2位置決め外周面として機能する。よって、連結部材50Aは、第2位置決め外周面を有する。
軸部51cの中心軸線は、第1連結部材51と第2連結部材52とが連結されている状態において、従動軸20の中心軸線と一致するようになっている。そして、継手50は、第1連結部材51及び第2連結部材52の外周面51f,52fにおける第2位置決め内周面42aとの接触により、従動軸20の中心軸線とピストンロッド37の中心軸線とが一致した状態で連結部42の内部に位置決めされている。四つの第1位置決め外周面41aが第1位置決め内周面23aに接触するとともに、第1連結部材51及び第2連結部材52の外周面51f,52fが第2位置決め内周面42aに接触することで、従動軸20の中心軸線とピストンロッド37の中心軸線とがずれることが規制されている。
よって、第1位置決め内周面23aを有する凹部23と、第2位置決め内周面42aを有する各連結部42と、第1位置決め外周面41aを有する取付部41と、外周面51f,52fを有する第1連結部材51及び第2連結部材52は、従動軸20の中心軸線とピストンロッド37の中心軸線とを一致させる位置決め機構を構成する。
ボルト50aは、開口部43を介して外部に臨む位置に配置されている。また、軸部51cとピストンロッド37との連結部位は、開口部43を介して外部に臨む位置に配置されている。よって、各開口部43は、第1連結部材51と第2連結部材52との連結作業及び第1連結部材51と第2連結部材52との連結の解除作業、軸部51cとピストンロッド37との連結作業及び軸部51cとピストンロッド37との連結の解除作業を、継手50が連結部42の内部に収容された状態で可能とする。また、各締結部材44は、開口部43を介して外部に臨む位置に配置されている。よって、各開口部43は、各締結部材44の操作を可能とする操作空間でもある。
図7に示すように、複合運動装置11は、駆動カム15の回転に同期して回転する同期カム61を備えている。同期カム61は、駆動軸13の他端部(駆動軸13における外部駆動源が連結される端部とは反対側の端部)に取り付けられている。また、複合運動装置11は、メカニカルバルブMVの一部を構成する第1切換弁60を備えている。第1切換弁60は、同期カム61の回転に基づいて流体圧シリンダ30の駆動制御に用いられる流体の流路を切り換える弁体62と、同期カム61の回転に基づいて弁体62の移動を操作する操作軸63とを有する。
同期カム61は、略円板状のカム部611と、カム部611における本体12とは反対側の端面から突出する筒状のボス部612とを有する。カム部611及びボス部612には、駆動軸13が挿通される挿通孔613が形成されている。
また、ボス部612の外周面には、ボス部612の外周面から内周面にかけて貫通する雌ねじ孔612aが二つ形成されている。各雌ねじ孔612aにはボルト612bが螺合されている。そして、各ボルト612bの先端が駆動軸13の外周面に当接することにより、同期カム61が駆動軸13に対して取り付けられている。よって、同期カム61は着脱可能で、且つ回転可能に駆動軸13に設けられている。
カム部611は、同期カム61の回転方向に沿って延びる小径部61aと、回転方向に沿って延び、小径部61aよりも外径が大きい大径部61bとを有している。小径部61aと大径部61bとは連続しており、大径部61bは、小径部61aの外周面において、駆動軸13を径方向で挟む両側の部位にそれぞれ配置されている。
本体12における同期カム61が配置されている側の外面12aには、弁体62を収容するバルブハウジング64がブラケット65を介して取り付けられている。バルブハウジング64は、供給ポート64a及び出力ポート64bを有している。供給ポート64aには、流体供給源P1が接続されている。また、バルブハウジング64内には、弁体62が収容される弁室64cが形成されている。弁室64cは供給ポート64aに連通している。さらに、バルブハウジング64内には、弁室64cに連通する弁孔64dが形成されている。バルブハウジング64の内面における弁室64cに臨む弁孔64dの先端部は、弁体62が着座する弁座64eになっている。弁室64c内には、弁体62を弁座64eに向けて付勢する付勢ばね64fが収容されている。さらに、バルブハウジング64内には、弁孔64dと出力ポート64bとを繋ぐ出力流路64gが形成されている。
バルブハウジング64には、同期カム61に向けて突出する筒部64hが形成されている。操作軸63は、筒部64hに対して出没可能に筒部64h内に挿入されている。操作軸63における同期カム61側の端部は、筒部64hから同期カム61に向けて突出している。操作軸63は、同期カム61側の端部に設けられるローラ63aを有している。ローラ63aは、同期カム61の小径部61a及び大径部61bに摺接しながら回転する。また、バルブハウジング64内には、操作軸63を筒部64hから突出する方向へ付勢する付勢ばね64kが設けられている。
操作軸63における同期カム61とは反対側の端部は、バルブハウジング64内において弁孔64dの内側を通過可能になっている。操作軸63には、軸内通路63bが形成されている。また、操作軸63における弁孔64dとは反対側には、軸内通路63bと筒部64h内とを連通する流路孔63cが形成されている。軸内通路63bの一端は弁孔64dに連通するとともに、他端は流路孔63cを介して筒部64h内に連通している。筒部64hの外周壁には、排出ポート64pが形成されている。
同期カム61の回転に基づいて、操作軸63のローラ63aが小径部61a又は大径部61bに接触することにより操作軸63が筒部64hに対する出没方向に移動して、操作軸63の移動に伴い弁体62の移動が操作される。
操作軸63のローラ63aが大径部61bに接触すると、操作軸63は、大径部61bに押圧されて、付勢ばね64kの付勢力に抗してローラ63aが小径部61aに接触していたときよりも筒部64hに対して没入する方向へ移動する。そして、操作軸63における同期カム61とは反対側の端部が弁孔64dの内側を通過して、弁体62に当接するとともに弁体62を押圧し、付勢ばね64fの付勢力に抗して弁体62が弁座64eから離れる方向へ移動する。これにより、弁孔64dが開放され、供給ポート64aと出力ポート64bとが弁室64c、弁孔64d及び出力流路64gを介して連通する。そして、流体供給源P1から供給ポート64aに供給された流体が、弁室64c、弁孔64d及び出力流路64gを介して出力ポート64bに至る。この状態を、以下の説明において、第1切換弁60の開弁状態と言う。
図8に示すように、操作軸63のローラ63aが小径部61aに接触すると、操作軸63は、付勢ばね64kの付勢力によって、ローラ63aが大径部61bに接触していたときよりも筒部64hに対して突出する方向へ移動する。そして、操作軸63における同期カム61とは反対側の端部が弁体62から離間して、付勢ばね64fの付勢力によって弁体62が弁座64eに着座する。これにより、弁孔64dが弁体62によって閉鎖され、供給ポート64aと出力ポート64bとの弁室64c、弁孔64d及び出力流路64gを介した連通が遮断される。この状態を、以下の説明において、第1切換弁60の閉弁状態と言う。
第1切換弁60が開弁状態から閉弁状態に切り換わると、出力ポート64bから出力流路64g、弁孔64d、軸内通路63b、流路孔63c及び排出ポート64pを介した外部への流体の流れが生じる。
本実施形態では、同期カム61が1回転する際に、第1切換弁60における開弁状態と閉弁状態との切り換えが2度行われる。なお、同期カム61は着脱可能で、且つ回転可能に駆動軸13に設けられているため、同期カム61を駆動軸13から一旦取り外して、同期カム61の大径部61bの回転位相を調整することが可能である。したがって、第1切換弁60の開閉のタイミングが調整可能である。
複合運動装置11は、メカニカルバルブMVの一部を構成する第2切換弁70を備えている。第2切換弁70は、単動バネ復帰型のエアーオペレイトバルブである。第2切換弁70は、接続配管81を介して第1切換弁60の出力ポート64bに接続されている。また、第2切換弁70は、接続配管82を介して流体圧シリンダ30の第1流体給排ポート31aに接続されている。さらに、第2切換弁70は、接続配管83を介して流体圧シリンダ30の第2流体給排ポート31bに接続されている。また、第2切換弁70には、流体供給源P2が接続されている。
図9に示すように、第2切換弁70は、第1切換弁60が開弁状態であるとき、出力ポート64bから接続配管81を介して流体が導入される。すると、第2切換弁70は、流体供給源P2から第2切換弁70に供給された流体が、接続配管82及び第1流体給排ポート31aを介して第1圧力作用室34aに供給されるとともに、第2圧力作用室34b内の流体が、第2流体給排ポート31b、接続配管83及び第2切換弁70を介して外部へ排出される第1切換状態に切り換えられる。
図8に示すように、第2切換弁70は、第1切換弁60が閉弁状態であるとき、接続配管81、出力ポート64b、出力流路64g、弁孔64d、軸内通路63b、流路孔63c及び排出ポート64pを介して外部に連通する。すると、第2切換弁70は、流体供給源P2から第2切換弁70に供給された流体が、接続配管83及び第2流体給排ポート31bを介して第2圧力作用室34bに供給されるとともに、第1圧力作用室34a内の流体が、第1流体給排ポート31a、接続配管82及び第2切換弁70を介して外部へ排出される第2切換状態に切り換えられる。
図9に示すように、第2切換弁70が第1切換状態に切り換えられると、ピストン35がヘッドカバー32側のストロークエンドに到るまで移動する。これにより、ピストンロッド37がシリンダチューブ31に対して没入する方向へ移動する。ピストン35がヘッドカバー32側のストロークエンドに到ると、クッションゴム39がヘッドカバー32に当接する。具体的には、ハの字状に開いたクッションゴム39のリップ先端がヘッドカバー32に接触し、その間に囲まれた空間の流体が圧縮されるとともに、ヘッドカバー32に設けられたスリット32kを介して流体が絞られて排出される。そして、最終的にクッションゴム39が圧縮される。これにより、ピストン35からの衝撃が吸収され、ピストン35がヘッドカバー32側のストロークエンドで緩衝的に停止する。
ピストンロッド37におけるシリンダチューブ31に対する没入によって、従動軸20が継手50を介してピストンロッド37と一体的に本体12に対して没入する方向に移動する。これにより、従動軸20は、本体12からの突出端部が本体12に対して没入した没入位置に切り換わる。
図5に示すように、第2切換弁70が第2切換状態に切り換えられると、ピストン35がロッドカバー33側のストロークエンドに到るまで移動する。これにより、ピストンロッド37がシリンダチューブ31に対して突出する方向へ移動する。ピストン35がロッドカバー33側のストロークエンドに到ると、クッションゴム38がロッドカバー33に当接する。具体的には、ハの字状に開いたクッションゴム38のリップ先端がロッドカバー33に接触し、その間に囲まれた空間の流体が圧縮されるとともに、ロッドカバー33に設けられたスリット33kを介して流体が絞られて排出される。そして、最終的にクッションゴム38が圧縮される。これにより、ピストン35からの衝撃が吸収され、ピストン35がロッドカバー33側のストロークエンドで緩衝的に停止する。
ピストンロッド37におけるシリンダチューブ31に対する突出によって、従動軸20が継手50を介してピストンロッド37と一体的に本体12に対して突出する方向に移動する。これにより、従動軸20は、本体12からの突出端部が本体12に対して突出した突出位置に切り換わる。よって、ピストンロッド37は、従動軸20を出没方向へ往復動させるためにシリンダチューブ31から出没する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図10は、駆動軸13の回転角度と従動軸20の往復運動及び回転運動との関係や、駆動軸13の回転角度と第1切換弁60の操作軸63の動きとの関係を示す図である。図10では、操作軸63が突出位置と没入位置との間を動く過程で、第1切換弁60の弁体62の開閉動作が行われる時点を「P」で示す。「弁体62の開閉動作が行われる時点」とは、弁体62が弁座64eから離れる瞬間や、弁体62が弁座64eに着座する瞬間である。また、図10では、弁体62の開閉動作が行われる時点Pから従動軸20の往復運動が行われるまでに要する駆動軸13の回転角度を「t1」で示している。さらに、図10では、従動軸20の往復運動が開始されてから従動軸20の往復運動が完了するまでに要する駆動軸13の回転角度を「t2」で示している。
図10に示すように、上記構成の搬送装置10において、第1切換弁60が閉弁状態であるとともに第2切換弁70が第2切換状態であり、従動軸20が突出位置にある状態(搬送装置10の初期状態)から、駆動軸13が回転すると、駆動軸13の回転に基づいて第1切換弁60が開弁状態になって第2切換弁70が第1切換状態に切り換わる。そして、流体圧シリンダ30のピストンロッド37における没入方向への移動によって従動軸20が没入位置に切り換わる。従動軸20が突出位置から没入位置に切り換わる間では、カムフォロア18は、カム溝15aにおける第4案内溝154aに案内されており、このとき、従動軸20の回転は行われない。続いて、従動軸20が没入位置に到達すると、吸着部10bにおけるワークWの吸着が行われる。
続いて、アーム10aの吸着部10bによってワークWを吸着した状態において、駆動軸13の回転に基づいて第1切換弁60が閉弁状態になって第2切換弁70が第2切換状態に切り換わり、流体圧シリンダ30のピストンロッド37における突出方向への移動によって従動軸20が突出位置に切り換わる。従動軸20が没入位置から突出位置に切り換わる間においても、カムフォロア18は、カム溝15aにおける第4案内溝154aに案内されており、従動軸20の回転が行われない。
続いて、従動軸20が突出位置に到達すると、カムフォロア18が、カム溝15aにおける第1案内溝151aに案内されて、駆動軸13の回転力が駆動カム15とカムフォロア18とのカム作用によって回転軸16に伝達され、従動軸20が回転軸16と一体的に正方向に所定の角度で間欠的に回転する。
続いて、駆動軸13の回転に基づいて第1切換弁60が開弁状態になって第2切換弁70が第1切換状態に切り換わり、流体圧シリンダ30のピストンロッド37における没入方向への移動によって従動軸20が没入位置に切り換わる。従動軸20が突出位置から没入位置に切り換わる間では、カムフォロア18は、カム溝15aにおける第2案内溝152aに案内されており、従動軸20の回転が行われない。続いて、従動軸20が没入位置に到達すると、吸着部10bにおけるワークWの吸着状態が解除され、ワークWの搬送が完了する。
続いて、駆動軸13の回転に基づいて第1切換弁60が閉弁状態になって第2切換弁70が第2切換状態に切り換わり、流体圧シリンダ30のピストンロッド37における突出方向への移動によって従動軸20が突出位置に切り換わる。従動軸20が没入位置から突出位置に切り換わる間においても、カムフォロア18は、カム溝15aにおける第2案内溝152aに案内されており、従動軸20の回転が行われない。
続いて、従動軸20が突出位置に到達すると、カムフォロア18が、カム溝15aにおける第3案内溝153aに案内されて、駆動軸13の回転力が駆動カム15とカムフォロア18とのカム作用によって回転軸16に伝達され、従動軸20が回転軸16と一体的に正方向とは逆方向に所定の角度で間欠的に回転する。これにより、搬送装置10が初期状態に復帰する。
このように、複合運動装置11では、駆動軸13が1回転する毎に、上述した従動軸20における往復運動と回転運動とを組み合わせた複合運動が繰り返し行われる。そして、搬送装置10によるワークWの搬送が繰り返し行われる。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)従動軸20の軸方向への往復動を、流体圧シリンダ30を用いて行っている。よって、従動軸20の軸方向への往復動を、カム機構を用いて行う構成に比べて、従動軸20の軸方向へのストロークの設計が容易となり、汎用性を高めることができる。また、本体12は、一対の第1ベアリング21a,21b寄りにそれぞれ配置される一対の第1外面121aと、一対の第2ベアリング22a,22b寄りにそれぞれ配置される一対の第2外面122aと、を含む六つの外面12aを有する直方体形状である。六つの外面12aは取付対象100に接触する取付面として機能する。そして、流体圧シリンダ30は、本体12に対して六つの外面12aのうち取付面となる外面12a側に設けられている。これによれば、例えば、流体圧シリンダ30が取り付けられる側の本体12の外面12aが取付面として機能しておらず、流体圧シリンダ30における本体12とは反対側の部位が取付対象100に取り付けられる場合に比べて、取付対象100に対する本体12側の配置スペースを最小限に抑えることができる。よって、汎用性を高めつつも、取付対象100に対する本体12側の配置スペースを最小限に抑えることができる。
(2)取付部41は、第1位置決め外周面41aにおける第1位置決め内周面23aとの接触により、第1位置決め外周面41aの中心軸線及び第2位置決め内周面42aの中心軸線が従動軸20の中心軸線に一致した状態で締結部材44を介して本体12に取り付けられている。継手50は、第2位置決め外周面として機能する外周面51f,52fを有する第1連結部材51及び第2連結部材52を備えており、外周面51f,52fにおける第2位置決め内周面42aとの接触により、従動軸20の中心軸線とピストンロッド37の中心軸線とが一致した状態で連結部42の内部に位置決めされている。したがって、取付部41を本体12に取り付けるとともに、第1連結部材51と第2連結部材52とを連結し、さらに、軸部51cとピストンロッド37とを連結することにより、従動軸20の中心軸線とピストンロッド37の中心軸線とが一致した状態で、流体圧シリンダ30をシリンダベース40を介して本体12に取り付けることができる。そして、従動軸20の中心軸線とピストンロッド37の中心軸線とが一致した状態を維持することができる。
(3)各開口部43は、第1連結部材51と第2連結部材52との連結作業及び第1連結部材51と第2連結部材52との連結の解除作業、軸部51cとピストンロッド37との連結作業及び軸部51cとピストンロッド37との連結の解除作業を、継手50が連結部42の内部に収容された状態で可能とする。よって、第1連結部材51と第2連結部材52との連結作業及び第1連結部材51と第2連結部材52との連結の解除作業、軸部51cとピストンロッド37との連結作業及び軸部51cとピストンロッド37との連結の解除作業を容易に行うことができ、従動軸20の中心軸線とピストンロッド37の中心軸線とを容易に一致させることができる。また、ワークWの質量やサイズに対応した流体圧シリンダ30に適宜交換することが可能となり、柔軟な仕様変更が可能になる。
(4)メカニカルバルブMVは、同期カム61の回転に基づいて流体圧シリンダ30の駆動制御に用いられる流体の流路を切り換える弁体62を有する。これによれば、流体圧シリンダ30の駆動を電気制御によって行う必要が無くなるため、複雑な制御用プログラムを作成する手間を省くことができる。
(5)同期カム61は、着脱可能に駆動軸13に設けられるとともに、同期カム61の回転方向に沿って延びる小径部61aと、回転方向に沿って延び、小径部61aよりも外径が大きい大径部61bとを有している。そして、操作軸63が小径部61a又は大径部61bに接触することにより操作軸63が移動して、操作軸63の移動に伴い弁体62の移動が操作される。
流体圧シリンダ30の駆動制御に用いられる流体は、第1切換弁60の駆動と第2切換弁70の駆動とが行われることにより、流体圧シリンダ30に供給される。従動軸20の回転運動及び操作軸63は、駆動軸13に設けられた駆動カム15及び同期カム61により動作するため、従動軸20の回転運動及び操作軸63の動きは、駆動軸13の回転速度の変化に追従して変化する。よって、例えば、駆動軸13が高速回転しているときの回転角度t1は、駆動軸13が低速回転しているときの回転角度t1よりも大きくなる。
さらに、流体圧シリンダ30においては、流体圧の応答速度によりピストンロッド37の動作速度が一定である。したがって、例えば、駆動軸13が高速回転しているときの回転角度t2は、駆動軸13が低速回転しているときの回転角度t2よりも大きくなる。すると、図10に示すように、駆動軸13が高速回転しているときには、例えば、従動軸20が没入位置から突出位置に移動している最中に、従動軸20の回転運動が行われてしまうといった駆動軸13の回転角度の領域Z1が存在してしまう場合がある。
そこで、複合運動装置11の複合運動を高速で行いたい場合には、同期カム61を駆動軸13から一旦取り外して、例えば、複合運動が低速で行われていたときに操作軸63に接触していた同期カム61の大径部61bのタイミングよりも速くなるように、同期カム61の大径部61bの回転位相を調整する。これにより、駆動軸13が高速回転のときに、例えば、従動軸20が没入位置から突出位置に移動している最中に、従動軸20の回転運動が行われてしまうといった駆動軸13の回転角度の領域Z1が発生してしまう問題に対応することができる。
また、駆動軸13が高速回転すると、従動軸20が没入位置に存在する時間が短くなる。この場合、例えば、複合運動が低速で行われていたときに用いられていた同期カム61から、複合運動装置11の複合運動を高速で行う際に用いる同期カム61に交換する。複合運動装置11の複合運動を高速で行う際に用いる同期カム61とは、例えば、複合運動装置11の複合運動を低速で行う際に用いる同期カム61の大径部61bよりも、回転方向に沿った寸法が大きい大径部61bを有するものである。これによれば、大径部61bが操作軸63に接触している時間が長くなり、従動軸20が没入位置に存在する時間が長くなる。
このように、同期カム61を駆動軸13に着脱可能な構成にすることにより、駆動軸13が高速回転のときに起こり得る不具合に対応することができる。なお、複合運動装置11の複合運動を低速で行う際に、複合運動装置11の複合運動を高速で行う際に用いる同期カム61を使用してもよい。しかし、吸着部10bにおけるワークWの吸着時間に余裕を持たせたいときには、回転方向の寸法が長い大径部61bを有する同期カム61を使用するほうが好ましい。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態において、例えば、第1外面121aを取付面として機能させてもよい。要は、六つの外面12aのうちの一つを取付面として機能させればよい。
・ 実施形態において、本体12に第1位置決め内周面23aを有する凹部23を設けなくてもよい。また、連結部42に第2位置決め内周面42aを設けなくてもよい。
・ 実施形態において、シリンダベース40と本体12との間に介在部材が設けられていてもよい。そして、シリンダベース40が介在部材を介して本体12に取り付けられていてもよい。
・ 実施形態において、流体圧シリンダ30が、本体12に対して着脱不能に設けられていてもよい。
・ 実施形態において、流体圧シリンダ30の駆動を電気制御によって行うようにしてもよい。
・ 実施形態において、同期カム61が、従動軸20に着脱可能に設けられていてもよい。
・ 実施形態において、同期カム61が駆動軸13に対して着脱不能に設けられていてもよい。
・ 実施形態において、継手50は、アンギュラ玉軸受53を一つだけ備えた構成であってもよい。
・ 実施形態において、継手50は、アンギュラ玉軸受53に代えて、例えば、ころ軸受等の転がり軸受を備えた構成であってもよい。
・ 実施形態において、搬送部として搬送テーブルを用いてもよい。
・ 実施形態において、複合運動装置11を、ワークWを搬送する搬送装置10以外の装置に用いてもよい。