JP2018003230A - 着色ポリエチレン繊維およびその製造方法 - Google Patents

着色ポリエチレン繊維およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】濃色に着色され、摩擦に対する染色堅牢度及び/又は耐溶剤性に優れ、高強度を有し、強度、繊度のムラが少ない着色ポリエチレン繊維を提供する。【解決手段】本発明の着色ポリエチレン繊維は、CIE−L*a*b*表色系によるL*値が80以下であり、摩擦に対する染色堅牢度が、乾燥状態及び湿潤状態のいずれについても3級以上であり、かつ、酸価が0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、着色ポリエチレン繊維に関する。
従来、着色繊維の製造方法としては様々な技術が開示されている。しかしながら、高強力ポリエチレンは、化学構造的に単純であることや、結晶化度が非常に高いことから、市場の要求を満たすほどの色合いや染色堅牢度を有するポリエチレン繊維を得ることは困難であるとの問題があった。斯かる問題を解決することを目的として、例えば特許文献1には染料を原料調合段階から添加し、原着糸として得る方法が開示され、また特許文献2には、中間延伸糸に加熱下で染料を付与する方法が開示されている。
特許第3143886号 特開平4−289212号公報
しかしながら、原着糸の場合、原料調合段階で添加できる染料の濃度には限界があるため濃色の着色が困難という問題がある。また中間延伸糸に加熱下で染料を付与する場合には、中間延伸糸への熱履歴がその後の延伸に影響し繊維の太細ムラが生じ、繊維長手方向における強度の均一化や、ムラの少ない染色が実現し難いといった問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記の従来の問題点を解決することにある。すなわち、濃色に着色され、色落ちや色移りし難いポリエチレン繊維、さらには、ムラの少ない均一な染色と高い強度を両立した着色ポリエチレン繊維及びその製造方法を提供することにある。
また、中間延伸糸に加熱下で有機溶媒に溶解させた染料を付与すると、場合によっては、製造時の環境や生物への負荷が大きくなることに加え、出来上がった繊維内部に残存する有機溶媒濃度が高く、製品使用時の環境や生物への負荷が大きくなることもある。
そこで、さらに本発明の目的は、環境や生態系に配慮した、着色ポリエチレン繊維及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の条件下で着色材料をポリエチレン繊維状物に付与し、熱処理工程を行うことで、濃色で、染色堅牢度に優れる着色ポリエチレン繊維が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る着色ポリエチレン繊維は、
CIE−L***表色系によるL*値が80以下であり、摩擦に対する染色堅牢度が、乾燥状態及び湿潤状態のいずれについても3級以上であり、かつ、酸価が0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である、ことを特徴とする着色ポリエチレン繊維である。
また、本発明に係る着色ポリエチレン繊維は、油溶性染料である着色材料を含んでいるのが好ましい。
また、本発明に係る着色ポリエチレン繊維は、長手方向の任意の10箇所で測定した引張強度について下記式1で定義される変動係数が10%以下であるのが好ましい。
引張強度の変動係数(%)=(引張強度の標準偏差/引張強度の平均値)×100 (式1)
また、本発明に係る着色ポリエチレン繊維は、長手方向の繊度ムラが10%以下であるのが好ましい。また、引張強度が18cN/dtex以上であるのが好ましい。また、含有する単糸の繊度が1dtex以上、80dtex以下であるのが好ましい。
また、本発明には、本発明にかかる着色ポリエチレン繊維を少なくとも1本含む組紐、該着色ポリエチレン繊維を含む、釣糸、手袋、ロープ、ネット、織物または編物を含まれる。
また、本発明に係る着色ポリエチレン繊維の製造方法は、
極限粘度[η]が5.0dL/g以上、25dL/g以下であり、その繰り返し単位が90モル%以上エチレンからなるポリエチレンを濃度0.5〜40質量%となるように有機溶媒に溶解させたポリエチレン溶液を紡糸してポリエチレン繊維状物を得る工程と、
20質量%未満の前記有機溶媒を含む前記ポリエチレン繊維状物を、着色材料と片末端に酸価が1mgKOH/g以上150mgKOH/g以下の親水基を備えたポリオレフィンとを含み、温度が0℃以上、60℃未満の着色液と接触させる工程と、
前記着色液が付与され、繊維重量に対し25%未満の有機溶媒を含むポリエチレン繊維状物を110℃以上で10秒以上加熱する工程と、
前記ポリエチレン繊維状物を延伸する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明に係る着色ポリエチレン繊維の製造方法では、前記着色液と接触させる前記ポリエチレン繊維状物の温度が50℃以下であるのが好ましい。また、前記ポリエチレン繊維を前記着色液と接触させる工程の後、2倍以上の延伸倍率で延伸する工程を含むのが好ましい。
本発明によれば、濃色に着色され、摩擦に対する染色堅牢度及び/又は耐溶剤性に優れた着色ポリエチレン繊維を提供できる。また、このポリエチレン繊維は、高い強度を有するものであり、強度、繊度のムラが少ない。よって、組紐、釣糸、手袋、ロープ、ネット、織物及び編物等の材料として好適に用いられる。さらに、このポリエチレン繊維は、環境負荷を低減して製造できる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の着色ポリエチレン繊維は、
CIE−L***表色系によるL*値が80以下であり、摩擦に対する染色堅牢度が、乾燥状態及び湿潤状態のいずれについても3級以上であり、かつ、酸価が0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である、ところを特徴とする。
本発明の着色ポリエチレン繊維は、濃色に着色されており、着色ポリエチレン繊維あるいは着色ポリエチレン繊維から得られる加工物をCIE−L***色差測定法で測定した際に得られるL*値が80以下である。L*値が小さいほどポリエチレン繊維が濃色に着色されていることを意味する。したがって、L*値は80以下である必要があり、75以下であるのが好ましく、より好ましくは70以下であり、さらに好ましくは65以下である。なおL*値の下限は特に限定されない。
本発明の着色ポリエチレン繊維は、摩擦に対する染色堅牢性に優れるものである。より具体的には、摩擦に対する染色堅牢度が乾燥時及び湿潤時のいずれにおいても3級以上である。摩擦に対する染色堅牢度はその等級が高いほど、色落ち及び色移りし難い繊維であることを示す。したがって、摩擦に対する染色堅牢度は4級以上であるのが好ましく、より好ましくは5級である。摩擦に対する染色堅牢度は、JIS L 0801(2000)に準じて調製した試料について、学振形摩擦試験機を使用してJIS L 0849(2004)に準じた摩擦堅牢度試験を行い、汚染用グレースケール(JIS L 0805(2005))を使用して評価を行う。試験及び評価方法の詳細は実施例において説明する。
本発明における着色ポリエチレン繊維の引張強度は18cN/dtex以上であることが好ましい。引張強度は20cN/dtex以上であるのがより好ましく、さらに好ましくは25cN/dtex以上である。引張強度の上限は特に限定されないが、引張強度が60cN/dtexを超えるポリエチレン繊維を得ることは、技術的、工業生産的に困難である。
また、着色ポリエチレン繊維は、繊維の長手方向(長さ方向)の任意の10ヶ所で測定した引張強度について、下記式1より求められる引張強度の変動係数(CV)(%)が10%以下であることが好ましい。
引張強度の変動係数(%)=引張強度の標準偏差/引張強度の平均値×100 (式1)
引張強度の変動係数(%)は9%以下であるのがより好ましく、さらに好ましくは8%以下であり、より一層好ましくは5%以下である。引張強度の変動係数(%)が上記範囲内であるポリエチレン繊維は、長さ方向における強度のバラツキが小さいので好ましい。
着色ポリエチレン繊維の最大強度時の伸び(伸度)は3.0%以上であることが好ましい。より好ましくは3.5%以上であり、さらに好ましくは3.7%以上である。伸度の上限は特に限定されないが、好ましくは6.0%以下である。
着色ポリエチレン繊維の初期弾性率は500cN/dtex以上、2000cN/dtex以下であることが好ましい。初期弾性率は600cN/dtex以上であるのがより好ましく、さらに好ましくは700cN/dtex以上である。また、1600cN/dtex以下であるのがより好ましく、さらに好ましくは1400cN/dtex以下である。初期弾性率が高すぎると、ロープや組紐への成型加工時にポリエチレン繊維の引き揃えが困難になり、また単糸切れも発生し易くなる虞があるが、初期弾性率が上記範囲内であれば斯かる問題が生じ難いので好ましい。
ポリエチレン繊維を構成する単糸の繊度は1dtex以上、80dtex以下であるのが好ましい。単糸繊度が80dtexを超えると、ポリエチレン繊維が硬くなるのと同時に、強度を高め難くなる虞がある。好ましくは70dtex以下、より好ましくは60dtex以下である。また、1dtex未満の繊維はその製造工程における延伸時や、ポリエチレン繊維の実使用時に毛羽等が発生し易くなる虞がある。好ましくは2dtex以上、より好ましくは5dtex以上である。
また、着色ポリエチレン繊維の繊度ムラ(総繊度の変動係数)は10%以下であることが好ましい。繊度ムラが10%を超えると、強度ムラが生じ易くなるだけでなく、繊度のばらつきに起因して着色ムラも生じ易くなり、見た目の色合いにバラつきが生じる虞がある。繊度ムラが10%以下の場合はそのような問題が生じ難いので好ましい。繊度ムラは6%以下であるのがより好ましく、さらに好ましくは5%以下である。
着色ポリエチレン繊維は着色材料を含む。着色材料としては、有機物の着色材料が好ましく、特に、片末端に親水基を含むポリオレフィンとの親和性のある着色材料が好ましく用いられる。有機物の着色材料の溶媒に片末端に親水基を含むポリオレフィンを添加することでエマルジョンを形成し、溶媒として水を用いることができるからである。これについては、後段でさらに説明する。溶媒に水を用いることで、製造時の環境負荷、また、製品の環境負荷を抑えることができる。
そのような着色材料としては、油溶性染料、分散染料、酸性染料、及びカチオン染料などが挙げられる。これらの中でも油溶性染料及び分散染料は、片末端に親水基を含むポリオレフィンとの相溶性がよく、濃色な着色ポリエチレン繊維を実現し易いので好ましい。好ましい油溶性染料としては、例えば、C.I. Solvent Yellow 2(以下「C.I. Solvent Yellow」を省略),6,14,15,16,19,21,33,56,61,80,C.I. Solvent Orange 1(以下「C.I. Solvent Orange」を省略),2,5,6,14,37,40,44,45,C.I. Solvent Red 1(以下「C.I. Solvent Red」を省略),3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121,C.I. Solvent Violet 8(以下「C.I. Solvent Violet」を省略),13,14,21,27,C.I. Solvent Blue 2(以下「C.I. Solvent Blue」を省略)11,12,25,58,36,55,73,C.I. Solvent Green 3等が挙げられる。分散染料としては、C.I. Disperse Red 4(以下「C.I. Disperse Red」を省略),5,11,17,60,74,75,86,91,92,152,153,167,179,200,221,302,C.I. Disperse Blackに分類される分散染料,C.I. Disperse Orange 3(以下「C.I. Disperse Orange」を省略),13,25,31,37,45,61,76,C.I. Disperse Greyに分類される分散染料,C.I. Disperse Yellow 3(以下「C.I. Disperse Yellow」を省略),5,42,49,79,82,104,134,149,198,211,241,C.I. Disperse Greenに分類される分散染料,C.I. Disperse Violet 1(以下「C.I. Disperse Violet」を省略),3,28,43,C.I. Disperse Brownに分類される分散染料,C.I. Disperse Blue 1(以下「C.I. Disperse Blue」を省略),3,56,60,72,77,106,148,165,183,257,360等が挙げられる。これらの着色材料は、単独で用いてもよいし、色味の異なる複数の着色材料を組み合わせて用いてもよい。
着色ポリエチレン繊維に含まれる着色材料の量は0.2質量%以上、5質量%以下であるのが好ましい。より好ましくは0.5質量%以上であり、1.0質量%以上がさらに好ましく、より一層好ましくは2質量%以上である。上限としては、より好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下である。着色材料の含有量が上記範囲内であれば、濃色な着色を実現でき、また、繊維の力学特性に影響を及ぼす虞も少ないので好ましい。着色ポリエチレン繊維に含まれる着色材料の量は、後段の実施例に記載の方法により求めることができる。
着色ポリエチレン繊維の酸価は、0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下が好ましく、酸価が0.5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下がより好ましく、酸価が1.0mgKOH/g以上10mgKOH/g以下が更に好ましい。本発明では、着色ポリエチレン繊維の酸価は、上記した有機物の着色材料の溶媒に添加する片末端に親水基を含むポリオレフィンに影響され、詳細は後述するが、着色ポリエチレン繊維の酸価が0.1mgKOH/g未満の場合、堅牢性の高いポリエチレン繊維が得られないため好ましくない。他方、酸価が50mgKOH/gを超えても、堅牢性が悪くなり好ましくない。
次に、本発明に係る製造方法について説明する。
本発明では溶液形成法により着色ポリエチレン繊維を製造する。溶液形成法としては従来公知の方法を採用すればよく、特に制限はないが、例えば、デカリンやテトラリンなどの揮発性の有機溶媒やパラフィン等の非揮発性の有機溶媒にポリエチレンを溶解させてポリエチレンを繊維状に成形する溶液紡糸法を採用するのが好ましい。
原料ポリエチレンとしては、極限粘度[η]が5.0dL/g以上、25dL/g以下であり、繰り返し単位が90モル%以上エチレンからなるポリエチレンを使用する。極限粘度は7.0〜22dL/gであるのがより好ましく、さらに好ましくは8〜20dL/gである。極限粘度が小さすぎると、寸法安定性が劣り、経時での力学物性の変動が大きくなる傾向があり、また10cN/dtex以上の強度を実現し難くなる虞がある。一方、極限粘度が大きすぎる場合には、高強度、高弾性率は実現し易くなるが、ポリエチレン繊維を組紐等の製品に加工する後工程において単糸切れが多発する虞がある。極限粘度が上記範囲内にあるポリエチレンを原料とすることで、ポリエチレンの分子末端基が適正範囲となり、繊維や繊維製品中の構造欠陥数を減少させることができる。その結果、ポリエチレン繊維の強度や弾性率等の力学物性、寸法安定性、および耐磨耗性能を向上させることができ、さらに経時での力学物性の変動も抑制できる。
原料ポリエチレンは、繰り返し単位の90モル%以上がエチレンである。エチレンの繰り返し単位は92モル%以上であるのが好ましく、94モル%以上であるのがより好まく、最も好ましいのはエチレンの単独重合体である。なお、ポリエチレン繊維の物性に好ましくない影響を与えない範囲であれば、原料ポリエチレンはエチレン以外の成分を含んでいてもよい。例えば、エチレンと少量の他のモノマー、具体的には、α−オレフィン、アクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体、ビニルシラン及びその誘導体等の他のモノマーとエチレンとの共重合体を原料ポリエチレンとして使用することができる。
また、極限粘度が上述の範囲内にあるものであれば、原料ポリエチレンは、例えば高密度ポリエチレンと超高分子量ポリエチレンのブレンド、低密度ポリエチレンと超高分子量ポリエチレンのブレンドを含む重量平均分子量が異なるポリエチレンのブレンドであってもよい。さらに、原料ポリエチレンは、重量平均分子量が異なる2種類以上の超高分子量ポリエチレンのブレンドでもよく、分子量分布が異なる2種類以上のポリエチレンのブレンドであってもよい。
しかしながら、エチレン以外の成分の含有量が増えすぎると、却って延伸の阻害要因になる場合がある。そのため、高強度繊維を得るという観点から、ポリエチレン中に存在する分岐数は、主鎖炭素原子1000個あたり3個以下であることが好ましい。より好ましくは2個以下、さらに好ましくは1.5個以下である。
ポリエチレン繊維の物性低下を抑制するため、原料ポリエチレンに酸化防止剤、耐光剤等の添加剤を添加してもよい。添加剤として酸化防止剤を使用する場合には着色ポリエチレン繊維の強度といった機械的物性に加えて、色相の変化も抑制できる。着色材料の紫外線による劣化メカニズムは、基本的にポリエチレン繊維の劣化のメカニズムと同様であると考えられるからである。したがって、ポリエチレン繊維に酸化防止剤が含まれている場合には、ポリエチレン繊維の劣化による強度の低下が抑制されるのと同様に、着色材料の劣化も抑制され、その結果、着色ポリエチレン繊維の色相の変化も抑制されるものと考えられる。添加剤の使用量は、原料ポリエチレン100質量部に対して0.01質量部〜10質量部とするのが好ましい。
上述の原料ポリエチレンを有機溶媒に溶解させてポリエチレン溶液を調製する。ポリエチレンの濃度は、0.5質量%以上、40質量%以下であり、好ましくは2.0質量%以上、30質量%以下、さらに好ましくは4.0質量%以上、20質量%以下である。ポリエチレン濃度が低すぎると、生産効率が低下する傾向がある。一方、ポリエチレンの濃度が高すぎると、原料ポリエチレンの分子量が非常に大きいことに起因して、溶液紡糸法では後述するノズルから吐出させ難くなる傾向がある。
原料ポリエチレンを溶解させる有機溶媒としては、原料ポリエチレンを溶解できる溶媒であって、原料ポリエチレンの融点以上の沸点を有する有機溶媒が好ましく、原料ポリエチレンの融点よりも20℃以上高い沸点を有する有機溶媒がより好ましい。斯かる溶媒としてはn−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−テトラデカン、n−オクタデカン、あるいは流動パラフィン、灯油等の脂肪族炭化水素系溶媒、キシレン、ナフタリン(ナフタレン)、テトラリン(テトラヒドロナフタレン)、デカリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、メチルナフタリン、エチルナフタリン等の芳香族炭化水素系溶媒あるいはその水素化誘導体、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,2,3−トリクロロプロパン、ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等の鉱油が挙げられる。これらの有機溶媒の中でも揮発性の有機溶媒は、後述する延伸工程において延伸と同時に、ポリエチレン繊維状物から有機溶媒を除去できるので好ましい。
ポリエチレン溶液は、原料ポリエチレンの融点よりも10℃以上高い温度(原料ポリエチレンの融点+10℃以上)で加熱した後、紡糸ノズル(紡糸口金)を通過させてポリエチレン繊維状物(未延伸糸)とするのが好ましい(紡糸工程)。加熱温度は原料ポリエチレンの融点+20℃以上であるのがより好ましく、更に好ましくは原料ポリエチレンの融点+30℃以上である。上記温度範囲内で加熱することで、有機溶媒中に分散している原料ポリエチレンを溶解させ均一な溶液とすることができる。
紡糸口金の温度は、原料ポリエチレンの融点+5℃以上、ポリエチレン溶液に使用した有機溶媒の沸点以下にすることが好ましい。より好ましくは原料ポリエチレンの融点+10℃以上である。紡糸口金の温度が低すぎると、原料ポリエチレンの粘度が低下することにより所望する速度でのポリエチレン繊維状物の引き取りが困難になる場合がある。一方、紡糸口金の温度が有機溶媒の沸点を超えると、ポリエチレン溶液が紡糸口金から吐出された直後に有機溶媒が沸騰してしまい、紡糸口金直下で糸切れが頻繁に発生する虞がある。
紡糸ノズルとしては、直径が0.2mm〜3.5mmのオリフィス(孔)を有するものが好ましい。オリフィスの直径は0.5mm〜2.5mmであるのがより好ましく、さらに好ましくは0.8mm〜2.0mmである。
紡糸ノズルからの吐出成形物を冷却、固化し、引き取ってポリエチレン繊維状物を得る。冷却方法は特に限定されず、紡糸口金からの吐出成形物を雰囲気温度にさらすことで自然に冷却してもよく、あるいは冷却装置を使用してもよい。冷却装置による冷却方法としては、空気や窒素等のガスによる乾式クエンチ法でもよいし、ポリエチレン溶液に含まれる有機溶媒と混和可能な液体、もしくは水等、ポリエチレン溶液に含まれる有機溶媒とは混和し難い液体を用いた冷却方法であってもよい。
吐出成形物は、冷却され、固化してポリエチレン繊維状物となるまでに、1.1倍以上、100倍以下の倍率で変形させることが好ましい。変形倍率は2.0倍以上、80倍以下とするのがより好ましく、更に好ましくは5.0倍以上、50倍以下である。変形に要する時間は3分以内とすることが好ましい。より好ましくは2分以内、更に好ましくは1分以内である。変形に要する時間が3分を超えると、ポリエチレン繊維状物を構成するポリエチレン分子鎖の緩和が発生し、高強度・高弾性率のポリエチレン繊維が得られ難くなる虞がある。ポリエチレン溶液を紡糸し、ポリエチレン繊維状物を得る工程では、ポリエチレン繊維状物に含まれる溶媒の一部を除去してもよい。
次いで、得られたポリエチレン繊維状物(未延伸糸)を加熱し、数倍に延伸する(延伸工程)。延伸工程は、1段延伸であってもよく、2段以上の多段延伸であってもよい。ポリエチレン繊維の強力を高める観点からは2段以上の多段延伸を行うのが好ましい。なお、本明細書において「ポリエチレン繊維状物」とは、紡糸工程後、予め設定した延伸倍率にまで延伸される前のポリエチレン繊維状物を意味する。
延伸工程においてポリエチレン繊維状物を加熱する方法は特に限定されず、空気、窒素等の不活性ガス、水蒸気、液体等の媒体を使用して加熱してもよく、また、加熱ローラー、接触式ヒーター等を使用してもよい。延伸温度は110℃以上が好ましく、より好ましくは120℃以上であり、さらに好ましくは130℃以上である。延伸温度の上限は、繊維が溶断しない範囲であればよい。
ポリエチレン繊維の延伸倍率はローラーでの総延伸倍率として、8倍以上とするのが好ましく、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは12倍以上である。延伸倍率の上限は特に限定されず、所望の強度、伸度、弾性率のポリエチレン繊維が得られるように決定すればよい。
ポリエチレン溶液が揮発性の有機溶媒を含む場合、ポリエチレン繊維状物の延伸と同時に、当該繊維状物に含まれる有機溶媒も除去することができる(脱溶媒)。一方、ポリエチレン溶液を構成する有機溶媒が不揮発性である場合は、抽出によりポリエチレン繊維状物から不揮発性の有機溶媒を除去すればよい。抽出には、例えば、クロロホルム、ベンゼン、トリクロロトリフルオロエタン(TCTFE)、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン、エタノール、高級アルコール等の有機溶媒を使用できる。
ポリエチレン繊維状物から有機溶媒を除去する脱溶媒工程は、延伸工程とは別個の工程として実施してもよいし、延伸工程と同時に行ってもよい。
本発明の着色ポリエチレン繊維の製造方法は、上述の紡糸工程、延伸工程に加えて、ポリエチレンの繊維状物を着色液と接触させる工程を含む(着色液接触工程)。着色液接触工程では、20質量%未満の有機溶媒を含むポリエチレン繊維状物に、着色材料と片末端に親水基を含むポリオレフィンとを含む、温度が0℃以上、60℃未満の着色液を接触させる。これにより、ポリエチレン繊維状物に着色材料を付与することができる。着色液は、着色材料と、片末端に親水基を含むポリオレフィンを含み、好ましくは水中に分散、またはエマルジョン化した状態である。
片末端に親水基を含むポリオレフィンとして、低分量の、酸価が1mgKOH/g以上150mgKOH/g以下のポリエチレンを着色液に添加するのが好ましい。
着色液に添加するポリエチレン(以下、添加ポリエチレン)の分子量は、500以上20000以下であることが好ましい。分子量が500未満の場合融点が低くなり、着色ポリエチレン繊維を用いた製品の使用時に添加ポリエチレンが製品から染み出してくる可能性があるため好ましくない。他方、添加ポリエチレンの分子量が20000を超えると、添加ポリエチレンが繊維内部に浸透しないため好ましくない。
また、添加ポリエチレンの酸価は、1mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であり、酸価が3mgKOH/g以上120mgKOH/g以下がより好ましく、酸価が5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が更に好ましい。酸価が1mgKOH/g未満の場合、上記着色材料との親和性が低くなり、堅牢性の高いポリエチレン繊維が得られないため好ましくない。他方、酸価が150mgKOH/gを超えると、ポリエチレン繊維と添加ポリエチレンとの親和性が低くなるため、後述する製糸工程途中でポリエチレン繊維に付着させ、さらに繊維内部に浸透させる際に、繊維内部への浸透が遅くなる。結果として繊維表面に着色材料が留まってしまうため、繊維の堅牢性が悪くなり好ましくない。
このように、分子量が低く、酸価が1mgKOH/g以上150mgKOH/g以下の官能基末端を有するポリエチレンを着色液に添加することで、酸価が0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の着色ポリエチレン繊維を得ることができる。
また、添加ポリエチレンの融点は80℃以上であることが好ましい。融点が80℃未満の場合、製品使用時に添加ポリエチレンが製品から染み出してくるため好ましくない。着色液に添加する添加ポリエチレンを、着色液中の着色材料と合わせてエマルジョン形状にして添加させる方法がある。このときの溶媒は水であることが好ましい。上記したように、溶媒に水を用いることで、製造時の環境負荷、また、製品の環境負荷を抑え、環境や生態系に配慮した繊維を製造できる。
着色液接触工程は、ポリエチレン繊維状物に対して行う限りその実施時期は限定されない。但し、ポリエチレンの結晶化が完了した後では、着色材料を繊維状物内部にまで移動させ難い場合があるので、予め設定した延伸倍率までポリエチレン繊維状物を延伸する最終延伸の前に行う実施するのが好ましい。したがって、着色液接触工程は、紡糸工程後延伸工程前に行うのが好ましく、2段以上の多段延伸を行う場合は延伸工程の間、例えば2段延伸であれば、1段目と2段目の延伸工程の間に行ってもよい。
着色材料としては、上述したものが好ましく用いられる。より好ましくは油溶性染料又は分散染料である。着色液中の着色材料の濃度は、着色ポリエチレン繊維中に着色材料が0.2〜5質量%含まれるように調整すればよいが、一般的には、着色液中の着色材料の濃度は1質量%〜28質量%とするのが好ましい。より好ましくは1.5質量%以上、25質量%以下、さらに好ましくは2質量%以上、23質量%以下である。着色材料の濃度が低すぎると濃色な着色を実現し難くなる虞があり、着色材料濃度が高すぎる場合は、過剰な着色材料が繊維表面に残留してしまい、ポリエチレン繊維の染色堅牢度を低下させることがあるため好ましくない。
着色液の温度は0℃以上、60℃未満で用いる。より好ましくは5℃以上、さらに好ましくは8℃以上、より一層好ましくは10℃以上であり、好ましくは50℃以下であり、さらに好ましくは40℃以下である。また、着色液と接触させるポリエチレン繊維状物の温度は、50℃以下であるのが好ましく、より好ましくは45℃以下であり、さらに好ましくは40℃以下である。ポリエチレン繊維状物の温度の下限に制限はないが、一般的に室温以上であるのが好ましい。ポリエチレン繊維状物の温度は、例えば赤外線温度計の非接触タイプの温度計により測定することができる。
着色液の温度が高すぎると、着色材料を水中に分散させている場合、水が速やかに蒸発して着色材料だけがポリエチレン繊維状物表面に残り、ポリエチレン繊維状物の内部にまで着色材料を移動させ難くなる傾向がある。この場合、続く工程において周辺部材を汚染したり、また得られたポリエチレン繊維が用いられた製品から着色材料が脱落して汚染を生じたりする虞がある。さらに斯かる問題を解消するためには表面に付着した着色材料を洗浄する工程が必要となり、作業効率を低下させる虞がある。また着色液温度が高すぎる場合には、これと接触するポリエチレン繊維状物の温度が上昇し、着色液接触工程後に行われる熱処理工程や延伸工程でポリエチレン繊維状物に負荷される張力の影響が大きくなり、その結果、繊度ムラや強度ムラ(糸ムラ)が生じる虞もある。特に、着色液接触工程に続けて延伸工程を行う場合、ポリエチレン繊維状物の温度が高すぎると延伸点が固定されず、延伸ムラが生じる虞がある。
なお、ポリエチレン繊維状物の温度が十分低くても、着色液の温度が高い場合には、着色液との接触時にポリエチレン繊維状物内に形成された結晶構造が崩れて、結果的に着色ムラが生じる虞がある。着色液の温度、及びポリエチレン繊維状物の温度が上記範囲内であれば、上述の問題は生じ難いので好ましい。
ポリエチレン繊維状物と着色液との接触方法は、ポリエチレン繊維状物に着色材料を付与できるものであれば特に限定されず、様々な手法を用いることができる。具体的な接触方法としては、ガイドオイリングによりポリエチレン繊維状物と着色液とを接触させる方法、着色液を付着させた回転ローラーの表面にポリエチレン繊維状物を接触させる方法、走行中のポリエチレン繊維状物に着色液を噴霧する方法、着色液のバス中にポリエチレン繊維状物を通過させて接触させる方法等が挙げられる。また、ポリエチレン溶液が不揮発性の有機溶媒(例えばパラフィン等)を含む場合には、脱溶媒工程で使用する抽出溶媒に着色材料を溶解させた着色液を抽出浴とし、この抽出浴中にポリエチレン繊維状物を通過させて、ポリエチレン繊維状物と着色液とを接触させてもよい。
ポリエチレン繊維状物への着色液の付与量は、ポリエチレン繊維状物に対して0.1〜15質量%の範囲とするのが好ましい。より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは12質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。着色液の付与量が少なすぎると濃色に着色し難くなる虞があり、一方着色液の付与量が多すぎると、過剰な着色材料が繊維表面に残留して染色堅牢度が悪化する虞があり、また工程通過中に着色材料が繊維状物から脱落し、周辺部材を汚染する虞がある。
本発明では、着色液が付与されたポリエチレン繊維状物を110℃以上で10秒以上加熱する熱処理工程を実施する(熱処理工程)。これにより着色液のポリエチレン繊維状物内部への浸透が促進され、ポリエチレン繊維状物の芯部にまで着色材料を移動させ易くなる。その結果、濃色で、染色堅牢度が一層高められた着色ポリエチレン繊維が得られる。熱処理工程を行うことにより、ポリエチレン繊維状物の内部(芯部)に着色材料を存在させた状態で延伸工程を実施することとなり、延伸によるポリエチレンの結晶化により、着色材料をポリエチレン繊維の内部(芯部)に閉じ込めることができるためと考えられる。
熱処理工程は、着色液接触工程の後であればどのタイミングで行ってもよい。また、熱処理工程は単独で行ってもよく、延伸工程と同時に行ってもよい。熱処理工程を延伸工程と同時に行う場合には、着色液の浸透によるポリエチレン繊維状物内部への着色材料の移動と、延伸によるポリエチレンの結晶化を同時に進行させることができる。また、熱処理工程と延伸工程とを別個に行う場合には、熱処理工程により着色材料がポリエチレン繊維状物内部に移動した後に、延伸工程を行うことができるため、染色堅牢度を一層高めることができる。好ましくは、熱処理工程を延伸工程と同時に行う。
加熱温度は、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上である。加熱温度の上限は溶断により糸切れが生じない温度、すなわちポリエチレンフィラメントの融点以下とすることが推奨される。
加熱方法には特に制限がなく、例えば熱風、ホットローラー、輻射パネル、スチームジェット、ホットピンなどの公知の手法を採用することができる。なお、着色材料による汚染を最小限に抑える観点からは、熱風、輻射パネル、及びスチームジェット等を使用する非接触タイプの加熱方法を採用するのが好ましい。
加熱時間は、好ましくは10秒以上、より好ましくは12秒以上、さらに好ましくは15秒以上である。加熱時間の上限は特に限定されないが、例えば150秒以下であるのが好ましく、より好ましくは120秒以下、さらに好ましくは100秒以下である。熱処理工程を単独で実施する場合には、上述の範囲内で熱処理工程と延伸工程とを実施するのが好ましい。
熱処理工程でポリエチレン繊維状物に張力を負荷すると、ポリエチレンの分子鎖が引き伸ばされることにより毛細管現象が生じ、着色液の繊維状物内部への浸透が一層促進されるので好ましい。熱処理工程での張力が小さすぎる場合には、毛細管現象が生じにくくなる虞がある。一方張力が高すぎると毛羽等が生じ、繊度、強度ムラの少ないポリエチレン繊維を得ることが困難になる虞がある。
熱処理工程の後、又は熱処理工程と同時に行う延伸工程では、少なくとも2倍の倍率でポリエチレン繊維状物を延伸するのが好ましい。より好ましくは2.5倍以上である。上限としては強度を高める目的では可能な限り延伸倍率を高めることが好ましいが、高くしすぎると糸切れや毛羽の発生が見られる虞がある。したがって延伸倍率は30倍以下とすることが好ましい。
通常、高強力ポリエチレンの製造では、繊維の強度を高めるため高い延伸倍率で延伸を行う。しかしながら、延伸工程前に比較的温度の高い着色液と接触させる場合には、延伸工程に供される段階でポリエチレン繊維状物が軟化するので、この状態で高倍率の延伸を行うと、延伸点が固定されず繊度や強度にムラを生じる虞がある。したがって、熱処理工程の後、又は熱処理工程と同時に行う延伸工程での延伸倍率は上述の範囲内とすることが好ましい。
本発明の着色ポリエチレン繊維は、熱処理・延伸処理後の残留溶剤濃度は1000ppm以下であることが望ましい。残留溶剤濃度が1000ppmを超えると、製造時、製品使用時の環境および生態系への影響が大きくなるため好ましくない。
本発明の着色ポリエチレン繊維は、濃色に着色されており、また摩擦に対する染色堅牢度及び/又は耐溶剤性に優れるものであるので、組紐、釣糸、手袋、ロープ、ネット、織物及び編物等の材料として好適に用いられる。これらの用途に用いられる全ての糸を上述の着色ポリエチレン繊維としてもよく、また一部に上述の着色ポリエチレン繊維を用いてもよい。例えば、組紐の場合は、着色ポリエチレン繊維を少なくとも1本含んでいることが望ましい。
組紐は、当該組紐から解いた繊維(マルチフィラメント)の強度が15cN/dtex以上であるのが好ましい。より好ましくは18cN/dtex以上であり、さらに好ましくは20cN/dtex以上である。繊度の上限は上述の着色ポリエチレン繊維と同様である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
まず、実施例、比較例及び参考例で得られたポリエチレン繊維(糸)の評価方法について説明する。
(1)色の測定(CIE−L***表色系)
測定条件として、JIS Z 8781−4 2013に準拠して測定を行った。SPECTROPHOTOMETER CM−3700d(コニカミノルタ株式会社製)を用い、データカラー・スペクトラフラッシュ(Datacolor Spectraflash)モデルSF−300比色計(ニュージャージー州、ローレンスビルのデータカラー・インターナショナル(Datacolor International))を用いてD65/10度光源を使用して行った。
測定用試料は、実施例、比較例、参考例で得られたポリエチレン繊維をステンレス製(SUS304)の板に出来るだけ隙間が生じ無いように巻きつけて作製した。
測定はCIELABのL色空間の基準色座標を使用する“Commission Internationale de L’Eclairage”(パリ、フランス)(照明に関する国際協会(International Society for Illumination/Lighting))(“CIE”)により公表された国際基準色測定方法を使用した。「L」は明度座標を示し、「a」は赤色/緑色座標を示し(+aは赤色を示し、−aは緑色を示す)、「b」は黄色/青色座標を示している(+bは黄色を示し、−bは青色を示す)。
(2)摩擦に対する染色堅牢度
JIS L 0801(2000)に準じて試料を準備した。乾燥状態及び湿潤状態の試料について、摩擦試験機II形(学振形)を使用して、JIS L 0849(2013)に準じて摩擦に対する染色堅牢度の試験を行った。結果を、汚染用グレースケール(JIS L 0805(2005))を使用して視覚法により染色堅牢度の判定を行った。
なお、試料は、実施例、比較例及び参考例で得られたポリエチレン繊維の少なくとも1本を学振形摩擦試験機のサンプル台に固定して測定を行った。繊維の長さが十分ある場合は、繊維を複数本並べてサンプル台に固定して測定を行ってもよいし、サンプル台と同程度の大きさの長方形の板紙に、板紙の長辺の方向に平行して密に硬く巻きつけた試料を作製しこれを測定してもよいし、また筒編み等により布帛の状態として測定してもよい。サンプルが布帛の場合はそのまま用いてよい。
(3)糸の繊度、糸の繊度ムラ
ポリエチレン繊維を長手方向の位置の異なる3箇所で各々50cmにカットし、その重量を測定し、その平均値を用いて糸の繊度を求めた。単糸繊度は、糸の繊度から算出することができる。
長手方向の繊度ムラは以下の方法で測定した。ポリエチレン繊維を10cm毎に連続で10本カットし、その重量を各々測定し以下の式2を用いて繊度ムラ(総繊度の変動係数)を求めた。
繊度ムラ(%) =(繊度の標準偏差/繊度の平均値)×100 (式2)
(4)引張強度・伸度・弾性率
JIS L1013 8.5.1に準拠して測定した。引張強度、弾性率は、株式会社オリエンテック製の「テンシロン万能材料試験機」を用い、試料長200mm(チャック間長さ)、伸長速度100%/分、雰囲気温度20℃、相対湿度65%の条件下で歪−応力曲線を測定し、破断点での応力と伸びから強度(cN/dtex)、伸度(%)、曲線の原点付近の最大勾配を与える接線から弾性率(cN/dtex)を計算して求めた。測定時にポリエチレン繊維に印加する初荷重を繊度の1/10(cN/dtex)とした。なお、各値は10回の測定値の平均値を使用した。
(5)繊維の長手方向の引張強度のムラ(変動係数)
ポリエチレン繊維の長手方向の任意の10ヶ所で上述の強度試験を行い、下記(式1)により引張強度の変動係数(CV)(%)を求めた。なお、試料採取箇所は同一の繊維(糸)から採取する限り特に限定は無く、繊維長手方向で連続して採取してもよいし、1の試料を採取した後、間隔をおいて次の試料を採取してもよい。
引張強度の変動係数(%)=(引張強度の標準偏差/引張強度の平均値)×100 (式1)
(6)極限粘度
135℃のデカリンにてウベローデ型毛細粘度管により、種々の希薄溶液の比粘度を測定し、その粘度の濃度に対するプロットの最小2乗近似で得られる直線の原点への外挿点より極限粘度を決定した。なお、極限粘度は、原料ポリエチレンだけでなく、同様に、製造したポリエチレン繊維についても測定した。
(7)残留揮発性溶剤濃度
残留溶媒濃度は、島津製作所製「ガスクロマトグラフィー」を用いて測定した。まず、試料として、ポリエチレン繊維10mgをガスクロマトグラフィー注入口のガラスインサートにセットし、続いて注入口を溶媒の沸点以上に加熱し、加熱により発生した溶剤を窒素パージでカラムに導入した。次に、カラム温度を40℃に設定し、溶媒を5分間トラップさせた。そして、カラム温度を80℃まで昇温させた後に測定を開始した。得られたピークより残留溶剤濃度を求めた。
(8)繊維の酸価
ポリエチレン繊維のサンプル1〜2gを130℃に加熱した熱キシレン20mlに溶解後、フェノールフタレインを加え、0.1mol/Lカリウム・メチルアルコール滴定用溶液で滴定を行って、酸価を求めた。
(実施例1)
極限粘度が17.0dL/gで、繰り返し単位の98%がエチレンである超高分子量ポリエチレンを原料ポリエチレンとし、これをデカヒドロナフタレンに分散させてポリエチレン濃度9質量%の分散液を調製した。この分散液を押出し機にて200℃で加熱して溶液とした後、オリフィス径φ1.0mm、30Hからなる紡糸口金からノズル面温度180℃、単孔吐出量2.0g/minで吐出した。吐出された糸条が固化するまでに8倍で変形し30℃の水冷バスで冷却しポリエチレン繊維状物(未延伸糸)を得た。
次いで、溶媒として精製水を用い、C.I. Solvent Blue35(10質量%)と、酸価20mgKOH、分子量3000の変性ポリエチレン(添加ポリエチレン)(10質量%)とを水中でエマルジョン形状にした着色液(30℃)を、ガイドオイリング法により上記ポリエチレン繊維状物に接触させ、該ポリエチレン繊維状物の質量に対し1質量%の付着量となるように付着させた。着色液接触時のポリエチレン繊維状物の温度(糸の温度)は30℃であった。
続いて、着色液を付着させたポリエチレン繊維状物を、100℃の窒素の熱風で15秒間熱処理した後、同温度で4倍の延伸を行った(1段目)。その後、150℃のオーブン中で1段延伸後のポリエチレン繊維状物を4倍延伸して(2段目)、巻き取った。実施例1で採用した製造条件と、得られた着色ポリエチレン繊維の物性とを表1に示す。
(実施例2)
着色液に添加する添加ポリエチレンに、分子量が4000、酸価が30mgKOHであるものを用いたこと、および1段目の延伸時間を25秒にしたこと以外は、実施例1と同様にして着色ポリエチレン繊維を製造した。実施例2で採用した製造条件と、得られた着色ポリエチレン繊維の物性とを表1に示す。
(実施例3)
着色液に添加する添加ポリエチレンに、分子量が3000、酸価が60mgKOHであるものを用いたこと、および、1段目の延伸時間を25秒、1段目の延伸倍率を3.5倍にしたこと以外は、実施例1と同様にして着色ポリエチレン繊維を製造した。実施例3で採用した製造条件と、得られた着色ポリエチレン繊維の物性とを表1に示す。
(実施例4)
着色液に添加する添加ポリエチレンに、分子量が5000、酸価が40mgKOHのものを、添加量を20質量%にして用いたこと、1段目の延伸時間を25秒、1段目の延伸倍率を3.5倍にしたこと以外は、実施例1と同様にして着色ポリエチレン繊維を製造した。実施例4で採用した製造条件と、得られた着色ポリエチレン繊維の物性とを表1に示す。
(比較例1)
極限粘度が18.5dL/gで、繰り返し単位の96%がエチレンである超高分子量ポリエチレンを原料ポリエチレンとし、これをデカヒドロナフタレンに分散させてポリエチレン濃度8質量%の分散液を調製した。この分散液を押出し機にて190℃で加熱して溶液とした後、オリフィス径φ0.8mm、30Hからなる紡糸口金からノズル面温度180℃、単孔吐出量2g/minで吐出した。吐出された糸条が固化するまでに16倍で変形し30℃の水冷バスで冷却しポリエチレン繊維状物(未延伸糸)を得た。
次いで、デカヒドロナフタレンに10質量%のC.I. Solvent Blue 58を溶解させた着色液(30℃)をガイドオイリング法により上記ポリエチレン繊維状物に接触させて、該ポリエチレン繊維状物の質量に対し1質量%の付着量となるように付着させた。着色液接触時のポリエチレン繊維状物の温度(糸の温度)は30℃であった。
続いて該ポリエチレン繊維状物を120℃の窒素の熱風で11秒間熱処理した後、同温度で3倍の延伸を行った(1段目)。その後、150℃のオーブン中で1段延伸後のポリエチレン繊維状物を5倍延伸して(2段目)、巻き取った。比較例1で採用した製造条件と、得られた着色ポリエチレン繊維の物性とを表2に示す。
(比較例2)
デカヒドロナフタレンに15質量%のC.I. Solvent Blue 35を溶解させた着色液(110℃)をガイドオイリング法により上記ポリエチレン繊維状物に接触させたこと、かつ、2段目の延伸を135℃のオーブン中で実施したこと以外は、比較例1と同様にして着色ポリエチレン繊維を製造した。比較例2で採用した製造条件と、得られた着色ポリエチレン繊維の物性とを表2に示す。
(比較例3)
比較例1と同じ原料ポリエチレン分散液中に、C.I. Solvent Blue 35を濃度が0.05質量%となるように添加したこと、かつ、未延伸糸と着色液との接触を行わなかった(染色を行わなかった)こと以外は、比較例1と同様にして着色ポリエチレン繊維を製造した。比較例3で採用した製造条件と、得られた着色ポリエチレン繊維の物性とを表2に示す。
(比較例4)
デカヒドロナフタレンに20質量%のC.I. Solvent Blue 58を溶解させた着色液を用いたこと、かつ、90℃の窒素の熱風で5秒間熱処理した後、同温度で2倍の延伸を行った(1段目)後、90℃のオーブン中で1段延伸後のポリエチレン繊維状物を4倍延伸した(2段目)こと以外は、比較例1と同様にして着色ポリエチレン繊維を製造した。比較例4で採用した製造条件と、得られた着色ポリエチレン繊維の物性とを表2に示す。
(比較例5)
デカヒドロナフタレンに20質量%のC.I. Solvent Blue 58を溶解させた着色液を用いて、ポリエチレン繊維状物の質量に対し12質量%の付着量となるように付着させ、かつ、2段目の延伸を135℃のオーブン中で実施したこと以外は、比較例1と同様にして着色ポリエチレン繊維を製造した。比較例5で採用した製造条件と、得られた着色ポリエチレン繊維の物性とを表2に示す。
(比較例6)
着色材料としてC.I. Solvent Blue35(10質量%)を用い、溶媒として精製水を用い、添加ポリエチレンを用いることなく、着色液を作製した。この着色液は、均一溶液とならず、着色材料が水中に分散した状態となった。この着色液を用いた以外は実施例4と同様にしてポリエチレン繊維を製造した。しかしながら、着色材料は繊維表面に付着したのみで、該ポリエチレン繊維を着色することができなかった。比較例6で採用した製造条件と得られたポリエチレン繊維の物性とを表2に示す。
(参考例)
未延伸糸と着色液との接触を行わなかった(染色を行わなかった)こと、かつ、1段目の延伸では、3.5倍の延伸を行ったこと以外は、比較例1と同様にしてポリエチレン繊維を製造した。参考例で採用した製造条件と、得られたポリエチレン繊維の物性とを表2に示す。
表1、2から分かるように、着色液の溶媒に水を用い、繊維の酸価が0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下の範囲に入る実施例1〜4は、着色材料の溶媒に有機溶媒(比較例ではデカヒドロナフタレン)を用い、繊維の酸価が0の比較例1〜5に比べて、残留揮発性溶剤濃度が圧倒的に低く、環境負荷を与え難いことがわかる。また、実施例1〜4の繊維は、CIE−L***表色系によるL*値が80以下であり、摩擦に対する染色堅牢度が、乾燥状態及び湿潤状態のいずれについても3級以上であり、かつ、酸価が0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であるため、濃色に着色されており、且つ、染色堅牢度及び/又は耐溶剤性に優れた繊維であることがわかる。
本発明によれば、濃色に着色されており、且つ、染色堅牢度及び/又は耐溶剤性に優れる着色ポリエチレン繊維を提供できる。また、この着色ポリエチレン繊維は、強度、繊度のムラが少ない。さらに、このポリエチレン繊維は、環境負荷が低減されたものである。よって、組紐、釣糸、手袋、ロープ、ネット、織物及び編物等の材料として好適に用いられる。

Claims (15)

  1. CIE−L***表色系によるL*値が80以下であり、摩擦に対する染色堅牢度が、乾燥状態及び湿潤状態のいずれについても3級以上であり、かつ、酸価が0.1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下である、ことを特徴とする着色ポリエチレン繊維。
  2. 油溶性染料である着色材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の着色ポリエチレン繊維。
  3. 長手方向の任意の10箇所で測定した引張強度について下記式1で定義される変動係数が10%以下である請求項1または2に記載の着色ポリエチレン繊維。
    引張強度の変動係数(%)=(引張強度の標準偏差/引張強度の平均値)×100 (式1)
  4. 長手方向の繊度ムラが10%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色ポリエチレン繊維。
  5. 引張強度が18cN/dtex以上である請求項1〜4いずれか1項に記載の着色ポリエチレン繊維。
  6. 含有する単糸の繊度が1dtex以上、80dtex以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色ポリエチレン繊維。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色ポリエチレン繊維を少なくとも1本含むことを特徴とする組紐。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色ポリエチレン繊維を含む釣糸。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色ポリエチレン繊維を含む手袋。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色ポリエチレン繊維を含むロープ。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色ポリエチレン繊維を含むネット。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色ポリエチレン繊維を含む織物又は編物。
  13. 極限粘度[η]が5.0dL/g以上、25dL/g以下であり、その繰り返し単位が90モル%以上エチレンからなるポリエチレンを濃度0.5〜40質量%となるように有機溶媒に溶解させたポリエチレン溶液を紡糸してポリエチレン繊維状物を得る工程と、
    前記ポリエチレン繊維状物を、着色材料と片末端に親水基を備えたポリオレフィンとを含み、温度が0℃以上、60℃未満の着色液と接触させる工程と、
    前記着色液が付与されたポリエチレン繊維状物を110℃以上で10秒以上加熱する工程と、
    前記ポリエチレン繊維状物を延伸する工程と、
    を含むことを特徴とする着色ポリエチレン繊維の製造方法。
  14. 前記着色液と接触させる前記ポリエチレン繊維状物の温度が50℃以下である請求項13に記載の着色ポリエチレン繊維の製造方法。
  15. 前記ポリエチレン繊維を前記着色液と接触させる工程の後、2倍以上の延伸倍率で延伸する工程を含む請求項13または14に記載の着色ポリエチレン繊維の製造方法。
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