JP2018002015A - 軌条運搬機、及び軌条運搬方法 - Google Patents

軌条運搬機、及び軌条運搬方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018002015A
JP2018002015A JP2016133183A JP2016133183A JP2018002015A JP 2018002015 A JP2018002015 A JP 2018002015A JP 2016133183 A JP2016133183 A JP 2016133183A JP 2016133183 A JP2016133183 A JP 2016133183A JP 2018002015 A JP2018002015 A JP 2018002015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
engine
rail
engine unit
output shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016133183A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6794157B2 (ja
Inventor
篠崎 栄治
Eiji Shinozaki
栄治 篠崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOEI SANGYO
Koei Sangyo Inc
Original Assignee
KOEI SANGYO
Koei Sangyo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOEI SANGYO, Koei Sangyo Inc filed Critical KOEI SANGYO
Priority to JP2016133183A priority Critical patent/JP6794157B2/ja
Publication of JP2018002015A publication Critical patent/JP2018002015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6794157B2 publication Critical patent/JP6794157B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】電機系統による制御等を必要とせず、傾斜によるエンジンの停止を防止できる軌条運搬機、及び軌条運搬方法を提供する。【解決手段】単軌条運搬機1,1Aについて、減速機5が固定されたフレーム3と、エンジン4の出力軸6と平行な2つの軸のうち一方が支軸21c,21dとしてフレーム3に取り付けられ他方が傾動支軸25a,25bとしてエンジンユニット4Aに取り付けられた腕部材23a,23bと、エンジンユニット4Aの出力軸6および減速機5の入力軸12がそれぞれ回転可能に取り付けされた軸連結部材16とを備え、腕部材23a,23bの他方の傾動軸25a,25bとエンジンユニット4Aの出力軸6が互いの軸心の延長線上に位置しないように配置した。【選択図】図2

Description

この発明は、例えば、柑橘園や山林等に敷設した軌条に沿って人や物を運ぶような軌条運搬機、及び軌条運搬方法に関する。
従来、柑橘園や山林等の傾斜地で軌条運搬機が使用されている。傾斜地には軌条運搬機が走行するための軌条が敷設され、その敷設された軌条の傾斜角は、登坂角45度〜降坂角45度の範囲に及ぶことがある。
ところが、4ストロークエンジンを搭載した軌条運搬機は、エンジンの許容傾斜角を超えるとエンジンオイルの潤滑不良によるエンジンの焼き付きが発生するという欠点がある。そのため、傾斜角に合わせてエンジンを予め傾けて搭載する等の必要があった。
これに対して、出願人は、単軌条運搬機のエンジン傾斜装置を提案している(特許文献1参照)。このエンジン傾斜装置は、機体の傾斜を検知してエンジン傾斜を三段階に制御するものである。
特開2008−126778号公報
ここで、上記の単軌条運搬機のエンジン傾斜装置は、単軌条運搬機の傾斜を検知するセンサ、エンジンの回動位置を検知するセンサ、エンジンを回動させる電気シリンダー、及びこれらを制御する制御基板等が必要となる。このように電気部品を用いるものであるから、上記の単軌条運搬機のエンジン傾斜装置は、単軌条運搬機の振動等によって部品の耐用年数が下がり、適宜交換するなどのメンテナンスを必要とするものであった。
本願発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、電機系統による制御等を必要とせず、傾斜によるエンジンの停止を防止できる軌条運搬機、及び軌条運搬方法を提供することを目的とする。
本願発明は、回転出力する出力軸を有するエンジンユニットと、前記出力軸からの出力が入力される入力軸を有する減速機と、前記減速機に接続されて回転する駆動輪とを備え、勾配のある場所に設置された軌条の係合部に前記駆動輪が係合して移動する軌条運搬機であって、前記減速機が固定されたフレームと、前記出力軸と平行な2つの軸のうち一方が支軸として前記フレームに取り付けられ他方が傾動軸として前記エンジンユニットに取り付けられた腕部材と、前記エンジンユニットの前記出力軸および前記減速機の前記入力軸がそれぞれ回転可能に取り付けされた軸連結部材とを備え、前記腕部材の他方の前記回転軸と前記エンジンユニットの前記出力軸が互いの軸心の延長線上に位置しないように配置された軌条運搬機、およびこれを用いた軌条運搬方法であることを特徴とする。
本願発明により、電機系統による制御等を必要とせず、傾斜によるエンジンの停止を防止できる軌条運搬機、及び軌条運搬方法を提供できる。
水平姿勢の軌条運搬機の一部断面正面図。 水平姿勢の軌条運搬機の右側面図。 水平姿勢の軌条運搬機の側面視の左側面図。 登坂の軌条を走行する軌条運搬機の側面視の説明図。 降坂の軌条を走行する軌条運搬機の側面視の説明図。 実施例2の水平姿勢の軌条運搬機の右側面図。
以下、本願発明の一実施形態を図面と共に説明する。
図1は、水平姿勢の単軌条運搬機1(軌条運搬機)の一部断面正面図を、図2は、水平姿勢の単軌条運搬機1の右側面図、図3は水平姿勢の単軌条運搬機1の左側面図を示す。
<単軌条運搬機の全体構成>
単軌条運搬機1は、傾斜地に敷設された単軌条2を走行する運搬機である。単軌条2の下面には、駆動輪14の外周の係合突起14aの間隔に合わせて係合穴2aが長手方向に一列に等間隔で配置されている。単軌条運搬機1は、駆動輪14の係合突起14aが単軌条2の係合穴と係合しつつ回転することで、傾斜面でも滑り落ちることなく安定して、前進、後退、停止を実行できる。こうして、単軌条運搬機1は、通常、作業者を載せた乗用台車や荷物台車(図示せず)と連結され、それらを牽引する。
単軌条運搬機1は、駆動輪14に連結された減速機5と、減速機5が固定されているフレーム3と、フレーム3に腕部材23a、23bによって取り付けられたエンジンユニット4Aと、エンジンユニット4Aのエンジン4の回転力を減速機5に伝達する連結ユニット15とを備えている。
エンジンユニット4Aは、エンジン4と台座26と錘27と保持部材25により構成されている。
エンジン4は、燃費や、排ガス汚染、騒音等の環境性の点から、4ストロークエンジンが用いられている。エンジン4には、動力を出力するための出力軸6が単軌条2の長手方向である進行方向と直交する略水平に設けられている。この出力軸6は、エンジン4の重心より減速機5側で、かつエンジン4の重心より下方側に設けられている。出力軸6には、連結ユニット15内の略円盤状の遠心クラッチ7のインナー部(図示せず)が固定されている。このインナー部には、ドーナツ状の略円盤状のエンジン出力軸プーリ8が固定されている。この遠心クラッチ7は、出力軸6と共に回転するインナー部の外周付近に設けられた錘が遠心力によって外方に移動すると、このおもりがアウター部と嵌合してクラッチが繋がり、アウター部がインナー部と共に回転する構造を有している。インナー部が回転していないか弱い回転のときは、おもりに取り付けられているバネの弾性力によっておもりがアウター部から離間してクラッチが切れ、アウター部に対してインナー部が空回りする状態(エンジン出力軸プーリ8にエンジン4の回転力が伝達されない状態)となる。
エンジン4が載置されている台座26は、底部に錘27が取り付けられ、前方に保持部材25が取り付けられている。保持部材25は、エンジンユニット4Aの荷重によって変形しない剛性を有する金属素材により形成されており、台座26の左右方向中央にて前方へ突出した後に上方へ湾曲して真っ直ぐ上方へ伸びる略L字型の棒状の下部アーム25eと、この下部アーム25eの上端に固定された固定板25dと、この固定板25dに固定されて左右方向に伸びた後両端が後方へ湾曲して後方へ略水平に真っ直ぐに伸びる棒状の左右アーム25cとを有している。左右アーム25cの左右の後方端部には、出力軸6と軸方向が平行な傾動支軸25a、25bが設けられている。この傾動支軸25a、25bには、腕部材23a、23bの下端がそれぞれ傾動可能に取り付けられている。尚、傾動支軸25a、25bは、夫々の軸心の延長線上に他方の支軸の軸心が位置するように配置されており、この軸心の延長線上にエンジンユニット4Aの重心付近がくるように配置されている。さらに言えば、傾動支軸25a、25bは、その軸心の延長線上にエンジンユニット4Aの重心の鉛直上方に軸心の延長線が位置するように配置している。これにより、エンジンユニット4Aを自重で略水平の姿勢を保てるようにし、かつ、移動量が小さくて済むようにしている。
また、傾動支軸25a、25bと出力軸6の位置関係は、出力軸6より傾動支軸25a、25bが減速機5側でかつ下方側に位置するように配置されている。
減速機5には、エンジン4の動力を入力するための入力軸12がエンジン4の出力軸6に平行に設けられている。この入力軸12から駆動輪14までは、適宜のギア(図示省略)によって接続されており、入力軸12の回転により駆動輪14が回転する。また、傾動支軸25a、25bと出力軸6と入力軸12の位置関係は、入力軸12が、傾動支軸25a、25bおよび出力軸6よりも減速機5側でかつ下方側に位置するように配置されている。
入力軸12には、ドーナツ状の略円盤状の減速機入力軸プーリ9が入力軸12に垂直に設けられている。減速機入力軸プーリ9には、減速機5本体に対向する側面に、内周縁に沿って、減速機5本体側に向かって突出するリング状の突出部9aが一体として形成されている。突出部9aの内径は入力軸12の外径よりわずかに大きく、突出部9aは、減速機入力軸プーリ9を入力軸12に嵌め込んで軸心方向に移動させるためのガイドとして機能する。減速機入力軸プーリ9には、入力軸12が貫通し、入力軸12と減速機入力軸プーリ9との間にリング状の摩擦式締結具11を嵌め込む穴が形成されている。嵌め込まれた摩擦式締結具11は、外周部にあるアウターリングが拡開することで減速機入力軸プーリ9の内周面と、また、内周部にあるインナーリングが収縮することで入力軸12の表面と、夫々面圧によりバックラッシュのない状態で締結されている。そして、エンジン出力軸プーリ8と減速機入力軸プーリ9との外周面が互いに対向する配置となるように、減速機入力軸プーリ9の締結位置が調節されている。
エンジン出力軸プーリ8と減速機入力軸プーリ9には、夫々断面が略V字状の溝が外周面に沿って円周方向に平行に2つ設けられている。そして、エンジン出力軸プーリ8と減速機入力軸プーリ9には、出力軸6と入力軸12が同じ回転方向になるように、断面が略V字状のVベルト10が2つ平行に並行掛けされて張架されており、この張架されたVベルト10の一部を内側へ向かって押すようにテンションプーリ10aが配置されることで、Vベルト10が緩みなく張った状態にされている。これにより、エンジン4の回転力はエンジン出力軸プーリ8に伝えられ、エンジン出力軸プーリ8の回転によってVベルト10が回転し、Vベルト10の回転力が減速機入力軸プーリ9に伝えられ、さらに、減速機5の入力軸12に伝えられる。
出力軸6と入力軸12には、それぞれ軸受6aと軸受12aを介して軸連結部材16が取り付けられている。詳述すると、軸連結部材16は、出力軸6(若しくは入力軸12)を法線方向とする平面と平行に配置される板状部材であり、エンジンユニット4Aの加重がかかっても変形しない程度の剛性を有する金属素材により形成されている。軸連結部材16には、出力軸6と入力軸12にそれぞれ対応する位置に孔を有する出力軸受ケース6bおよび入力軸受ケース12bが形成されており、出力軸受ケース6bに軸受6aが固定され、入力軸受ケース12bに軸受12aが固定されている。この軸受6aにより出力軸6を回転可能に軸受し、軸受12aによって入力軸12を回転可能に軸受することで、出力軸6の回転や入力軸12の回転に影響されずに軸連結部材16を存在させることができる。すなわち、他に制約する条件が無い場合に、出力軸6は、入力軸12から軸連結部材16で制限される一定の距離を離して、夫々の軸自身の停止及び回転の状況とは無関係に、入力軸12を中心とする円弧状に回転移動することができる。
連結ユニット15は、上述した遠心クラッチ7と、遠心クラッチ7のアウター部に固定されたエンジン出力軸プーリ8と、減速機入力軸プーリ9と、Vベルト10と、軸連結部材16と、ベルトカバー16aにより構成されている。
腕部材23a、23bは、一端が、フレーム3の一部に、出力軸6と平行な軸を中心に回転可能に取り付けられている。詳述すると、フレーム3は、エンジンユニット4Aの荷重によって変形しない剛性を有する金属素材により形成されており、減速機5が固定されるベースフレーム19と、ベースフレーム19の両側から側方に突出して途中で上方へ湾曲し上方へ伸びる4本の棒状の柱フレーム20(20a,20b,20c,20d)と、柱フレーム20の上端を接続する桁フレーム21a,21bを有している。
柱フレーム20(20a,20b,20c,20d)は、エンジン4の側方でエンジン4から離間して前後に配置され、4つの柱フレーム20a,20b,20c,20dが平面視するとエンジン4の右前、右後ろ、左前、左後ろに位置してエンジン4を取り囲むように配置されている。柱フレーム20a,20b,20c,20dは、エンジン4の高さよりも長く、4つとも同じ長さに形成されている。柱フレーム20(20a,20b,20c,20d)の上端には、前後方向に並ぶ2つの柱フレーム20を接続するように前後方向(進行方向)に略水平に長い桁フレーム21a,21bがそれぞれ設けられている。この桁フレーム21a,21bは、エンジン4の出力軸6よりも高い位置であり、この実施例ではエンジン4の上端付近に配置されている。
桁フレーム21a、21bには、腕部材23a、23bの上端付近が出力軸6に平行な支軸21c、21dで、夫々回転可能に軸支されている。尚、支軸21c、21dは、夫々の軸心の延長線上に他方の支軸の軸心が位置するように配置されている。
腕部材23a、23bの他端は、エンジンユニット4Aの保持部材25に、出力軸6に平行な傾動支軸25a、25bで軸支されている。これにより、他に制約する条件が無い場合に、傾動支軸25a、25bは、夫々支軸21c、21dから腕部材23a、23bで制限される一定の距離を離して、支軸21c、21dを中心とする円弧状に回転移動することができる。
傾動支軸25a、25bと出力軸6とは、両者の軸の軸心の延長線が一致しないように配置され、軸心を法線とする平面上で一定の距離だけ離隔している。この一定の距離は、腕部材23a、23bにおける支軸21c、21dから傾動支軸25a、25bまでの距離より短く、かつ、軸連結部材16における出力軸6の位置から入力軸12の位置までの距離よりも短い。このため、傾動支軸25a、25bの共通する軸心の延長線と出力軸6の軸心の延長線とは、一定の距離を保ったまま、互いに夫々の軸心の延長線を中心として円弧状に回転移動することができる。すなわち、入力軸12、出力軸6、傾動支軸25a(25b)、支軸21c(21d)は、入力軸12と支軸21c(21d)を静止節とし、出力軸6と傾動支軸25a(25b)を中間節(対偶点)とする4節のリンク機構を構成している。
入力軸12、出力軸6、傾動支軸25a、および支軸21cが配置されているエンジン4の右側面と反対側となる左側面には、図3に示すように、連結ユニット15の代わりとなるリンクアーム17が設けられている。このリンクアーム17の一端は、減速機5に対して、入力軸12(図2参照)の軸心の延長線上にある支軸12cにより傾動可能に軸支されている。リンクアーム17の他端は、エンジン4の台座26に立設された支持板28に対して、出力軸6(図2参照)の軸心の延長線上にある支軸6cにより傾動可能に軸支されている。
これにより、支軸12c、支軸6c、傾動支軸25b、支軸21dは、支軸12cと支軸21dを静止節とし、支軸6cと傾動支軸25bを中間節(対偶点)とする4節のリンク機構(以下、左側面リンク機構という)を構成している。このように、図2に示した入力軸12、出力軸6、傾動支軸25a、および支軸21cの4節のリンク機構(以下、右側面リンク機構という)と左右対称形で軸心が共通するリンク機構を設けることにより、スムーズな傾動を実現すると共に、安定性および耐久性を向上することができる。すなわち、右側面リンク機構だけでもエンジン4の傾動を実現できるが、エンジン4の重量により、右側面リンク機構に荷重がかかる。ここで、エンジン4が平面視で進行方向から傾くと、その出力軸6も傾くため、板状の軸連結部材16に対して板を曲げる方向へ応力がかかる。そうすると、板の平面方向に荷重をかける場合よりも軸連結部材16が曲がりやすくなる問題が生じる。これに対して、左側面リンク機構を設けることで、エンジン4が平面視で進行方向から傾くことを防止でき、軸連結部材16の変形等を防止することができる。
支持板28には、シリンダー33のピストンロッド32の一端が出力軸6(図2参照)と平行な支軸31にて傾動可能に軸支されている。シリンダー33の本体は、柱フレーム20cに対して固定リング37により固定された固定板36に、出力軸6(図2参照)と平行な支軸35により傾動可能に固定されている。このシリンダー33は、油圧シリンダーにより構成されているが、ガスシリンダー等、適宜のシリンダーとすることができる。このシリンダー33により、エンジン4が急激に傾動することを防止し、緩やかな傾動を実現している。
以上より、エンジン4に固定された傾動支軸25a、25bと出力軸6とは、傾動支軸25a、25bの共通する軸心の延長線と出力軸6の軸心の延長線とが一定の距離に保たれるという制約された条件の下で、傾動支軸25a、25bが支軸21c、21dの回りに回転移動することが可能なことに加えて、出力軸6が入力軸12の回りに回転移動することが可能となっている。これにより、エンジン4は、前後方向に大きく移動することなく、前傾姿勢あるいは後傾姿勢をとることが可能となっている。
詳述すると、登坂の軌条2を走行する場合、単軌条運搬機1は、それまでの水平姿勢から、図4の右側面図に示す後傾姿勢に移行していく。このとき、単軌条運搬機1に搭載されたエンジン4は、傾動支軸25a、25bの共通する軸心の延長線を中心として、自重および錘27による重心がその下方位置となるように、フレーム3に対して相対的に回転して水平状態を維持しようとする。そのため、連結ユニット15は、入力軸12を中心としてエンジン4の出力軸6が上方へ向かうように回転し、これに伴い、腕部材23a,23bは、支軸21c、21dを中心として傾動支軸25a、25bが前方上方に押し出されるようにして回転する。こうして、登坂の単軌条2を単軌条運搬機1が走行することになっても、なんら電気的駆動や手作業による操作をすることなく、エンジン4は水平姿勢に近い状態に保てるようになっている。
降坂の単軌条2を走行する場合、単軌条運搬機1は、それまでの水平姿勢から、図5の右側面図に示すように前傾姿勢に移行していく。このとき、単軌条運搬機1に搭載されたエンジン4は、傾動支軸25a、25bの共通する軸心の延長線を中心として、自重および錘27による重心がその下方位置となるように、フレーム3に対して相対的に回転して水平状態を維持しようとする。そのため、連結ユニット15は、入力軸12を中心としてエンジン4の出力軸6が下方へ向かうように回転し、これに伴い、腕部材23a,23bは、支軸21c、21dを中心として傾動支軸25a、25bが後方に引っ張られるようにして回転する。こうして、降坂の単軌条2を単軌条運搬機1が走行することになっても、エンジン4は水平姿勢に近い状態に保てるようになっている。
また、傾動支軸25a、25bの共通する軸心の延長線と出力軸6の軸心の延長線との間の距離が、傾動支軸25a(25b)と支軸21c(21d)との間の距離や、出力軸6と入力軸12との間の距離と比較して短くなっている。そのため、エンジン4が前傾姿勢あるいは後傾姿勢をとるのに際して、傾動支軸25a、25b及び出力軸6が夫々支軸21c、21dや入力軸12の回りに回転移動する移動距離は短くて済んでいる。これにより、エンジン4の姿勢変化のために必要とされる空間が小さくて済む。
また、傾動支軸25a、25bと出力軸6の両者の軸の軸心の延長線を一致させないようにしているため、エンジン4を始動あるいは停止した際の駆動反力によってエンジン4が傾動することを防止できる。
傾動支軸25a、25bは、エンジン4の重心の位置より上方に位置している。そのため、単軌条運搬機1が水平姿勢をとっている場合に、エンジン4をほぼ水平姿勢にすることができる。
また、エンジン4の高さ位置より高い位置にある桁フレーム21a、21bに支軸21c、21dを軸支したことにより、支軸21c、21dの共通する軸心の延長線とエンジン4の重心との距離を十分長くでき、エンジン4の自重による前傾姿勢あるいは後傾姿勢への移行を円滑に行うことができる。
また、出力軸6の軸心方向から見た側面視において、支軸21c(21d)、傾動支軸25a(25b)、出力軸6、及び入力軸12の4つの軸心を結んで形成される仮想四角形の内角は、何れも180度未満となっている。そのため、側面視において、傾動支軸25a(25b)、出力軸6、及び入力軸12の3つの軸心が一直線上に並んだ時のエンジン4の前傾姿勢と、側面視において、支軸21c(21d)、傾動支軸25a(25b)、及び出力軸6の3つの軸心が一直線上に並んだ時のエンジン4の後傾姿勢との間の傾斜姿勢の変化を円滑に行うことができる。
以上の構成と動作により、30°や45°といった急峻な登坂及び降坂にまたがって設置された軌条2であっても、エンジン4を略水平状態に維持することができ、傾きに弱い4ストロークエンジンで構成されたエンジン4が停止することなく、安定して走行できる単軌条運搬機1を提供することができる。
また、エンジン4の自重を利用してエンジン4の傾斜姿勢の制御が行われているため、センサとモータ等の電気駆動部を必要とせず、故障が少なく、ランニングコストも抑えられる。
上述のように、エンジン4の傾斜姿勢は、側面視において一定の距離だけ軸心が離隔し、共にエンジン4に固定された傾動支軸25a、25bと出力軸6の相対的な動きに連動して変化する。そのため、エンジン4は前後方向に大きく動かず、それにより、エンジン4で占有される空間は小さくて済み、省スペースで小型化が可能になる。
また、軸連結部材16は、エンジン4と台座26と錘27と保持部材25で構成されるエンジンユニット4Aの加重がかかっても変形しない程度の剛性を有する金属素材により形成されているため、出力軸6と入力軸12の軸間距離を変動させることなく安定動作することができる。
また、左側面リンク機構と右側面リンク機構が左右対称に配置される構造としたことにより、エンジン4の重量によって軸連結部材16が変形する等の故障を防止し、安定稼働を実現することができる。
また、エンジン4の出力軸6からの回転力が、エンジン出力軸プーリ8および減速機入力軸プーリ9に張架されたVベルト10により減速機5の入力軸12にダイレクトに伝達される。このように、エンジン4の出力軸6から減速機5の入力軸12までの回転力の伝達に余計な部材が存在しないことにより、サイズを小型コンパクトにして軽量にできるとともに、エンジン4の傾動を可能にしつつ、エンジン4のパワーを減衰させずに減速機5および駆動輪14に伝達することができる。
尚、本願発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。
例えば、図6の右側面図に示す実施例2の単軌条運搬機1Aのように、腕部材23a(23bは図示省略)の支軸21c(21dは図示省略)を台座26に軸支し、エンジンユニット4Aを下から支える構造としてもよい。その他の構成については、実施例1と同一であるため、同一要素に同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
この実施例2の場合も、実施例1と同様に、支軸21c(21d)と入力軸12が静止節となり、腕部材23a(23b)と出力軸6が中間節となって、登坂時や降坂時にエンジンユニット4Aを略水平状態に保てる。
また、単軌条に限らず、3本の軌条に沿って移動する軌条運搬機など、軌条に沿って移動する適宜の軌条運搬機とすることができる。
また、駆動輪と軌条の係合は、駆動輪の突起と軌条の孔に限らず、駆動輪の外周に等間隔に設けた軸心方向と平行な外周リブと軌条に設けられた波型の凹凸が係合する構造など、適宜の構造とすることができる。
また、傾動支軸25a,25bを台座26に繋がる左右アーム25cに設けたが、これに限らず、エンジン4に直接軸支する構成としてもよい。この場合も同一の作用効果を奏することができる。
本願発明は、柑橘園等の山あいの栽培地での運搬産業、山林内での鉄塔、橋、道路等の建設時における資材や人の運搬産業など、道路のない場所に軌条を敷設して軌条運搬機により人や物を運搬する種々の産業に利用することができる。
1…単軌条運搬機
2…単軌条
3…フレーム
4…エンジン
4A…エンジンユニット
5…減速機
6…出力軸
6a…軸受
6b…出力軸受ケース
6c…支軸
7…遠心クラッチ
8…エンジン出力軸プーリ
9…減速機入力軸プーリ
9a…突出部
10…Vベルト
10a…テンションプーリ
11…摩擦式締結具
12…入力軸
12a…軸受
12b…入力軸受ケース
12c…支軸
14…駆動輪
14a…係合突起
15…連結ユニット
16…軸連結部材
16a…ベルトカバー
17…リンクアーム
19…ベースフレーム
20a,20b,20c,20d…柱フレーム
21a,21b…桁フレーム
21c,21d…支軸
23a,23b…腕部材
25…保持部材
25a,25b…傾動支軸
25c…左右アーム
25d…固定板
25e…下部アーム
26…台座
27…錘
28…支持板
31…支軸
32…ピストンロッド
33…シリンダー
35…支軸
36…固定板
37…固定リング

Claims (6)

  1. 回転出力する出力軸を有するエンジンユニットと、
    前記出力軸からの出力が入力される入力軸を有する減速機と、
    前記減速機に接続されて回転する駆動輪とを備え、
    勾配のある場所に設置された軌条の係合部に前記駆動輪が係合して移動する軌条運搬機であって、
    前記減速機が固定されたフレームと、
    前記出力軸と平行な2つの軸のうち一方が支軸として前記フレームに取り付けられ他方が傾動軸として前記エンジンユニットに取り付けられた腕部材と、
    前記エンジンユニットの前記出力軸および前記減速機の前記入力軸がそれぞれ回転可能に取り付けされた軸連結部材とを備え、
    前記腕部材の他方の前記回転軸と前記エンジンユニットの前記出力軸が互いの軸心の延長線上に位置しないように配置された
    軌条運搬機。
  2. 前記傾動支軸は、軸心方向に見て前記エンジンユニットの重心の上方に配置された
    請求項1記載の軌条運搬機。
  3. 前記軸連結部材は、
    前記エンジンユニットの荷重による変形を防止できる強度の部材により形成され、
    前記入力軸が回転可能に取り付けられる入力軸受と、
    前記入力軸受を軸方向が変動しないように固定する減速機入力軸受ケースと、
    前記出力軸が回転可能に取り付けられる出力軸受と、
    前記出力軸受を軸方向が変動しないように固定するエンジン出力軸受ケースとを備えた
    請求項1または2記載の軌条運搬機。
  4. 前記エンジンユニットの回動を緩やかにするシリンダーを備え
    前記シリンダーの外周本体部とピストンロッドのいずれか一方をエンジンユニットに取り付け、他方を前記フレームに取り付けた
    請求項1から3の何れかに記載の軌条運搬機。
  5. 前記エンジンユニットは、下方に錘が取り付けられている
    請求項1から4の何れかに記載の軌条運搬機。
  6. 回転出力する出力軸を有するエンジンユニットと、前記出力軸からの出力が入力される入力軸を有する減速機と、前記減速機に接続されて回転する駆動輪とを備え、勾配のある場所に設置された軌条の係合部に前記駆動輪が係合して移動する軌条運搬機を用いて運搬する軌条運搬方法であって、
    前記軌条運搬機は、
    前記減速機が固定されたフレームと、
    前記出力軸と平行な2つの軸のうち一方が支軸として前記フレームに取り付けられ他方が傾動軸として前記エンジンユニットに取り付けられた腕部材と、
    前記エンジンユニットの前記出力軸および前記減速機の前記入力軸がそれぞれ回転可能に取り付けされた軸連結部材とを備え、
    前記腕部材の他方の前記回転軸と前記エンジンユニットの前記出力軸が互いの軸心の延長線上に位置しないように配置されており、
    前記軌条の傾斜に応じて前記フレームが傾斜すると前記エンジンユニットが自重によって前記フレームに対して相対的に回転し前記エンジンユニットを略水平状態若しくはこれに近い状態に維持しつつ運搬を行う
    軌条運搬方法。
JP2016133183A 2016-07-05 2016-07-05 軌条運搬機、及び軌条運搬方法 Active JP6794157B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016133183A JP6794157B2 (ja) 2016-07-05 2016-07-05 軌条運搬機、及び軌条運搬方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016133183A JP6794157B2 (ja) 2016-07-05 2016-07-05 軌条運搬機、及び軌条運搬方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018002015A true JP2018002015A (ja) 2018-01-11
JP6794157B2 JP6794157B2 (ja) 2020-12-02

Family

ID=60947312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016133183A Active JP6794157B2 (ja) 2016-07-05 2016-07-05 軌条運搬機、及び軌条運搬方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6794157B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108674422A (zh) * 2018-06-22 2018-10-19 福州良正机械有限公司 轨道搬运机的发动机调平装置及调整方法
JP7190367B2 (ja) 2019-02-26 2022-12-15 光永産業株式会社 軌条運搬機、及び軌条運搬方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108674422A (zh) * 2018-06-22 2018-10-19 福州良正机械有限公司 轨道搬运机的发动机调平装置及调整方法
JP7190367B2 (ja) 2019-02-26 2022-12-15 光永産業株式会社 軌条運搬機、及び軌条運搬方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6794157B2 (ja) 2020-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8758191B2 (en) Drive unit
US9359005B2 (en) Drive mechanism for automated guided vehicle
CA2692306C (en) Conveyance apparatus using movable bodies
RU2518545C2 (ru) Канатная дорога
CN110040615B (zh) 移动人行道
JP2018002015A (ja) 軌条運搬機、及び軌条運搬方法
US11697557B2 (en) Running track and carrier for diagnostic system of carrier rollers on conveyors
CN112238872A (zh) 具备三线轨道部的轨道车辆系统
JP4537989B2 (ja) 単軌条運搬機のエンジン傾斜装置
JP2019059303A (ja) 跨座型モノレール用台車
WO2017216825A1 (ja) コンベアユニット
JP7190367B2 (ja) 軌条運搬機、及び軌条運搬方法
TW202023871A (zh) 用於輸送並平衡置於兩輪車輛上的負載之負載承載裝置
ITMI932523A1 (it) Dispositivo per il trasporto di oggetti lungo un percorso chiuso a guida
JP5168502B2 (ja) 水平維持搬送コンベヤ
KR102394338B1 (ko) 회전식 디스크 서스펜션 시스템
JP6201393B2 (ja) 走行台車
JPH0730565Y2 (ja) スラットコンベヤ
JP2001316066A (ja) 乗客搬送コンベア装置
JP3570152B2 (ja) 吊り下げ搬送装置
JP2021080065A (ja) ベルトコンベヤの自動調芯装置およびベルトコンベヤ
JP2008168956A (ja) 二自由度搬送機
JP2845574B2 (ja) 移載装置の振れ止め機構
JP6964547B2 (ja) 自走式電線点検装置
JP2008156080A (ja) 乗客コンベア

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190619

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200519

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200710

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6794157

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250