JP2018001362A - 切削インサート - Google Patents

切削インサート Download PDF

Info

Publication number
JP2018001362A
JP2018001362A JP2016133681A JP2016133681A JP2018001362A JP 2018001362 A JP2018001362 A JP 2018001362A JP 2016133681 A JP2016133681 A JP 2016133681A JP 2016133681 A JP2016133681 A JP 2016133681A JP 2018001362 A JP2018001362 A JP 2018001362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
breaker
cutting edge
main cutting
corner
polygonal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016133681A
Other languages
English (en)
Inventor
宏樹 菅谷
Hiroki Sugaya
宏樹 菅谷
将志 原
Masashi Hara
将志 原
修 一ノ関
Osamu Ichinoseki
修 一ノ関
菅原 健治
Kenji Sugawara
健治 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2016133681A priority Critical patent/JP2018001362A/ja
Publication of JP2018001362A publication Critical patent/JP2018001362A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

【課題】端面引き上げ加工の切屑を確実に処理する。【解決手段】インサート本体1の多角形面2と側面3の交差稜線部にコーナ刃と主切刃7が形成され、コーナ刃に連なる主切刃先端領域7aはコーナ刃から離れるに従い反対の多角形面2側に傾斜し、主切刃先端領域7aの内側には、主切刃7に連なるブレーカ底面8と、ブレーカ底面8から突出する第1ブレーカ壁面9aと、第1ブレーカ壁面9aに交差してコーナ部から離れるに従い反対の多角形面2側に傾斜する第1ブレーカ頂面9bを備えた第1ブレーカ突部9が形成され、第1ブレーカ突部9の内側には第2ブレーカ壁面10aが形成され、主切刃7からの第1ブレーカ突部9の突出高さH1が0mm〜0.1mm、主切刃7からブレーカ底面8と第1ブレーカ壁面9aとの境界9dまでの距離L1が0.10mm〜0.25mmとされる。【選択図】図7

Description

本発明は、刃先交換式のバイトに着脱可能に取り付けられて被削材の旋削加工に用いられる切削インサートに関するものである。
このような切削インサートとして、例えば特許文献1には、板状のインサート本体における少なくとも表面と外周面との交差稜線部に切刃を備え、上記切刃は上記表面のコーナ部にコーナ刃を有するとともに、このコーナ刃の内側の表面には、ブレーカ溝壁と、第1ブレーカ起立壁と、第1ブレーカ頂面と、第2ブレーカ起立壁とが形成されたものが提案されている。
この切削インサートによれば、コーナ刃を用いて旋削加工を行う場合に、低切り込み、低送りの切削条件では、切屑が第1ブレーカ起立壁に接触することによりカールされて分断処理される。また、高切り込み、高送りの切削条件では、コーナ刃によって生成された切屑は第1ブレーカ起立壁と第1ブレーカ頂面を乗り越えて第2ブレーカ起立壁に接触することにより、やはりカールされて分断処理されるので、広範囲の切削条件で良好な切屑処理性を確保することができる。
特開2016−052709号公報
ところで、このような切削インサートによる旋削加工では、図8の右側に示すように軸線回りに回転させられる被削材Wの軸部の外周面を上述のようにコーナ刃Aによって切削するのに連続して、図8の左側に示すように軸部の外周面に連なるフランジ部の上記軸線方向を向いた被削材Wの端面を、切削インサートIを軸線に対する径方向外周側に移動させることにより切削する、いわゆる端面引き上げ加工が行われることがある。そして、この端面引き上げ加工の場合には、図8の左側に示したように上記切刃のうちコーナ刃Aに連なる主切刃のコーナ刃A側の先端領域Bが切削に使用されることになり、切り込みが極小さくなるので切屑も厚さが極薄いものが生成されることになる。
しかしながら、特許文献1に記載された切削インサートでは、まず主切刃が、コーナ刃Aとともにインサート本体の表裏面の中心を通るインサート中心線に垂直な1つの平面上に位置しており、従って主切刃の先端領域Bも同様にこの平面上に位置している。このため、主切刃の先端領域Bで生成された切屑は、上記表面に対向する平面視において、そのまま主切刃に垂直に流れ出ることになる。
その一方で、特許文献1に記載された切削インサートでは、主切刃の先端領域Bの内側にも、コーナ刃に連なる上記ブレーカ溝壁、第1ブレーカ起立壁、第1ブレーカ頂面に連続してブレーカ溝壁、第1ブレーカ起立壁、第1ブレーカ頂面が形成されているが、このうち第1ブレーカ頂面は、コーナ刃Aや主切刃が位置する上記1つの平面よりもインサート中心線方向に後退した低い位置に形成されている。
従って、上述のように先端領域Bにおいて主切刃に垂直に流れ出た極薄い切屑は、この先端領域Bの内側の第1ブレーカ起立壁や第1ブレーカ頂面を乗り越えてしまって、十分に分断処理されることなく、切削に使用される主切刃とはコーナ刃Aを挟んで反対の主切刃側から排出されてしまい、被削材Wの加工面に当たって傷を付けることにより加工面の品位を損ねたり、被削材Wや刃先交換式バイトのホルダに絡まって旋削加工を中断せざるを得なくなったりするおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように被削材の端面引き上げ加工を行う場合に、主切刃の先端領域において生成される極薄い切屑を確実に処理することが可能な切削インサートを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートは、表裏の多角形面と、これらの多角形面の周りに配置される側面とを有する多角形板状のインサート本体を備え、上記多角形面と上記側面との交差稜線部には、上記多角形面にすくい面を有するとともに上記側面に逃げ面を有する切刃が形成され、上記切刃は、上記多角形面の少なくとも1つのコーナ部に配置されて該多角形面に対向する方向から見た平面視に凸曲線状をなすコーナ刃と、このコーナ刃の少なくとも一端に連なる主切刃とを備え、この主切刃の上記コーナ刃に連なる主切刃先端領域は、該コーナ刃から離れるに従い反対の多角形面側に向かうように傾斜しており、上記多角形面において上記主切刃先端領域の内側の上記すくい面には、上記主切刃に連なるブレーカ底面が形成されるとともに、このブレーカ底面の内側には、該ブレーカ底面から突出する第1ブレーカ壁面と、この第1ブレーカ壁面に交差して上記コーナ部から離れるに従い上記反対の多角形面側に向かうように傾斜する第1ブレーカ頂面とを備えた第1ブレーカ突部が形成され、この第1ブレーカ突部のさらに内側には、上記第1ブレーカ頂面から突出する第2ブレーカ壁面を備えた第2ブレーカ突部が形成されていて、上記平面視における上記主切刃先端領域に直交する断面において、上記主切刃から上記第1ブレーカ壁面と上記第1ブレーカ頂面との交差稜線までの上記第1ブレーカ突部の突出高さH1が0mm〜0.1mmの範囲内とされるとともに、上記平面視において上記主切刃に垂直な方向における該主切刃から上記ブレーカ底面と上記第1ブレーカ壁面との境界までの距離L1が0.10mm〜0.25mmの範囲内とされていることを特徴とする。
このように構成された切削インサートにおいては、まず主切刃のコーナ刃に連なる上記主切刃先端領域が、コーナ刃から離れるに従い反対の多角形面側に向かうように傾斜していて、この主切刃先端領域に横切刃傾き角が与えられており、従って主切刃先端領域において生成された切屑は、上記平面視において主切刃先端領域の内側のすくい面を、主切刃に垂直な方向よりは、コーナ刃の二等分線に沿う方向に案内されるように主切刃に対して傾斜して流れ出ることになる。
そして、この主切刃先端領域の内側のすくい面には、主切刃に連なるブレーカ底面を介して、このブレーカ底面から突出する第1ブレーカ壁面と、この第1ブレーカ壁面に交差して上記コーナ部から離れるに従い上記反対の多角形面側に向かうように傾斜する第1ブレーカ頂面とを備えた第1ブレーカ突部が形成されており、上記平面視における主切刃先端領域に直交する断面において、主切刃から第1ブレーカ壁面と第1ブレーカ頂面との交差稜線までの第1ブレーカ突部の突出高さH1は、0mm〜0.1mmの範囲内とされている。
すなわち、この第1ブレーカ突部における第1ブレーカ壁面の突端部は、インサート本体の表裏の多角形面の中心を通るインサート中心線の方向に、主切刃と同じ高さか、0.1mmまでの範囲内で主切刃よりも高い位置に配設されているので、上述のように平面視に主切刃に対して傾斜した方向に流れ出た切屑を、この第1ブレーカ壁面の突端部に接触させることによってカールさせることができ、端面引き上げ加工における極薄い切屑でも分断処理することができる。
しかも、この第1ブレーカ突部の内側には、第1ブレーカ頂面に対してさらに突出する第2ブレーカ壁面を備えた第2ブレーカ突部が形成されているので、たとえ切屑を第1ブレーカ突部によって十分にカールさせて分断処理できなかったとしても、この第2ブレーカ突部の第2ブレーカ壁面に切屑を接触させることによって確実にカールさせ、分断処理することができる。
ここで、上記突出高さH1が0mm未満であって、すなわち上記断面において第1ブレーカ壁面の突端部が主切刃よりも低い位置にあると、特許文献1に記載された切削インサートと同様に切屑が第1ブレーカ壁面を乗り越えてしまうおそれがあり、逆に突出高さH1が0.1mmよりも高いと、切屑詰まりを起こすおそれや、加工面に切屑が衝突して仕上げ面精度を損なうおそれがある。また、上記平面視において主切刃に垂直な方向における主切刃からブレーカ底面と第1ブレーカ壁面との境界までの距離L1が0.10mmより短くても切屑詰まりを起こすおそれがある一方、距離L1が0.25mmより長いと切屑が適切にカールされずに分断できなくなる可能性がある。
なお、上記主切刃先端領域において上記コーナ刃から離れるに従い反対の多角形面側に向かうように傾斜する上記主切刃の傾斜角θは4°〜12°の範囲内とされるのが望ましい。この傾斜角θが4°を下回ると、上述のように切屑を平面視に主切刃に対して傾斜した方向に案内することが困難となるおそれがあり、傾斜角θが12°を上回ると、コーナ刃とは反対側で主切刃が上記インサート中心線方向に後退しすぎてしまい、主切刃先端領域において十分な有効切刃長を確保できなくなって端面引き上げ加工の際の切り込みを小さくせざるを得なくなるおそれがある。
また、上記平面視において上記主切刃に垂直な方向における該主切刃から上記第1ブレーカ頂面と上記第2ブレーカ壁面との境界までの距離L2は0.30mm〜0.60mmの範囲内とされるのが望ましい。この距離L2が0.30mmを下回ると、上述のように切屑が第1ブレーカ突部を乗り越えて流れ出たときに切屑詰まりを生じるおそれがある一方、距離L2が0.60mmを上回ると、こうして第1ブレーカ突部を乗り越えた切屑が第1ブレーカ頂面において滞留するおそれがある。
さらに、上記第1ブレーカ突部は、上記第1ブレーカ頂面が上記コーナ部とは反対側において上記ブレーカ底面と交差することにより終端を有しており、この第1ブレーカ突部の終端よりも上記コーナ部とは反対側では、上記ブレーカ底面と上記第2ブレーカ壁面とが交差していることが、上述のように平面視に主切刃に対して傾斜した方向に流れ出てカールされた切屑の排出のためには望ましい。
ただし、こうして第1ブレーカ突部の終端よりもコーナ部とは反対側に排出された切屑を滞留させることなく円滑に排出するには、上記平面視において上記主切刃に垂直な方向における該主切刃から上記ブレーカ底面と上記第2ブレーカ壁面との境界までの距離L3は0.5mm〜2.0mmの範囲内とされるのが望ましく、距離L3がこれより短いと十分に切屑排出性を向上させることができなくなるおそれがあり、これよりも長いとブレーカ底面において切屑の滞留を招くおそれがある。
以上説明したように、本発明によれば、端面引き上げ加工において生成される切屑を、平面視に主切刃に対して傾斜した方向に案内するとともに、第1ブレーカ突部に接触させて分断することができ、また万一第1ブレーカ突部によって切屑を十分に分断できなくても、第2ブレーカ突部に接触させて分断することができるので、極薄い切屑でも確実に処理して、加工面が傷つけられたり、被削材やホルダに切屑が絡まったりするのを防ぐことができ、高品位で円滑な旋削加工を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の平面図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1に示す実施形態のコーナ部の拡大斜視図である。 図1に示す実施形態のコーナ部の拡大平面図である。 図1に示す実施形態のコーナ部の拡大側面図である。 図5における(a)VV断面図、(b)XX断面図、(c)YY断面図、(d)ZZ断面図である。 被削材の外周切削加工に連続して端面引き上げ加工を行う場合を示す概略図である。 本発明の実施例に対する第1比較例を示す斜視図である。 図9に示す第1比較例の平面図である。 図9に示す第1比較例の側面図である。 図9に示す第1比較例のコーナ部の拡大斜視図である。 図9に示す第1比較例のコーナ部の拡大平面図である。 図9に示す第1比較例のコーナ部の拡大側面図である。 図13における(a)VV断面図、(b)XX断面図、(c)YY断面図、(d)ZZ断面図である。 本発明の実施例に対する第2比較例を示す斜視図である。 図16に示す第2比較例の平面図である。 図16に示す第2比較例の側面図である。 図16に示す第2比較例のコーナ部の拡大斜視図である。 図16に示す第2比較例のコーナ部の拡大平面図である。 図16に示す第2比較例のコーナ部の拡大側面図である。 図20における(a)VV断面図、(b)XX断面図、(c)YY断面図、(d)ZZ断面図である。 本発明の実施例に対する第3比較例を示す斜視図である。 図23に示す第3比較例の平面図である。 図23に示す第3比較例の側面図である。 図23に示す第3比較例のコーナ部の拡大斜視図である。 図23に示す第3比較例のコーナ部の拡大平面図である。 図23に示す第3比較例のコーナ部の拡大側面図である。 図27における(a)VV断面図、(b)XX断面図、(c)YY断面図、(d)ZZ断面図である。 第1比較例による端面引き上げ加工によって生成された切屑を示す図である。 第2比較例による端面引き上げ加工によって生成された切屑を示す図である。 第3比較例による端面引き上げ加工によって生成された切屑を示す図である。 本発明の実施例による端面引き上げ加工によって生成された切屑を示す図である。
図1ないし図7は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、インサート本体1は超硬合金等の硬質材料により形成されて、多角形板状、詳しくは四角形板状、より詳しくは菱形平板状をなしており、表裏の多角形面2とその周囲に配置される本実施形態では4つの側面3とを備えている。多角形面2がなす菱形の鋭角のコーナ部Cの挟角は、本実施形態では55°とされている。
また、インサート本体1には、表裏の多角形面2がなす菱形の中心を通るインサート中心線Oを中心とした断面円形の取付孔4が、このインサート中心線O方向すなわちインサート本体1の厚さ方向(図3における上下方向)にインサート本体1を貫通するように形成されている。本実施形態におけるインサート本体1は、このインサート中心線O回りに180°回転対称な形状に形成されるとともに、インサート中心線O方向に多角形面2に対向する平面視において多角形面2がなす菱形の対角線に沿った2つの平面に関してそれぞれ面対称形状とされ、さらに表裏の多角形面2に関して表裏反転対称な形状に形成されている。
さらに、表裏の多角形面2と側面3との交差稜線部には、多角形面2にすくい面を有するとともに側面3に逃げ面を有する切刃5がそれぞれ形成されている。なお、側面3は、多角形面2の周回り方向に隣接する側面3同士の上記交差稜線部も含めて、インサート中心線Oに平行に延びるように形成されており、すなわち本実施形態の切削インサートは切刃5に逃げ角が付されていないネガティブタイプのインサートとされている。
ここで、この隣接する側面3同士の交差稜線部は凸曲面に形成されており、これに伴い菱形をなす多角形面2のそれぞれ表裏に位置する各一対の鋭角のコーナ部Cと鈍角のコーナ部Dは上記平面視において図2および図5に示すように凸曲線状に形成される。本実施形態では、上記凸曲面は凸円筒面であって鋭角のコーナ部Cと鈍角のコーナ部Dは凸円弧状に形成されており、切刃5は、このうち一対の鋭角のコーナ部Cにコーナ刃6をそれぞれ備えるとともに、これらのコーナ刃6の両端に連なり、上記平面視に直線状に延びる1つのコーナ刃6に対して2つずつの主切刃7を備えている。
この切刃5のうち、コーナ刃6は、表裏の多角形面2のそれぞれにおいて、図6に示すようにインサート中心線Oに垂直な1つの平面上に位置している。これに対して、主切刃7は、同じく図6に示すようにコーナ刃6に連なる主切刃先端領域7aが、コーナ刃6から離れるに従い該主切刃7が形成された多角形面2とは反対の多角形面2側に向かうように傾斜していて、この主切刃先端領域7aにおいて主切刃7には横切刃傾き角が与えられている。
こうして傾斜する主切刃先端領域7aの主切刃7に与えられる横切刃傾き角、すなわち上記側面3に垂直に対向する側面視において主切刃先端領域7aがインサート中心線Oに垂直な平面に対してなす傾斜角θは、本実施形態では4°〜12°の範囲内で一定の角度とされている。また、主切刃先端領域7aは、図5に示すように上記平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側への距離Eが略3mm程度までの範囲に形成されており、これよりもコーナ刃6とは反対側の主切刃後端領域7bでは、主切刃7は、コーナ刃6が位置する平面よりも一段後退したインサート中心線Oに垂直な平面上に位置している。
一方、切刃5のすくい面が設けられる上記多角形面2には、該多角形面2の鈍角のコーナ部Dの周辺を除いて、この切刃5に連なるブレーカ底面8が形成されている。このブレーカ底面8は、本実施形態では切刃5から多角形面2の内側に向かうに従い、該切刃5が形成された多角形面2とは反対の多角形面2側に向かうように一定の傾斜角で傾斜している。
さらに、コーナ刃6と主切刃7のうちの主切刃先端領域7aとが形成された部分において、ブレーカ底面8の内側には、コーナ刃6および主切刃7と間隔をあけて、このブレーカ底面8から突出する第1ブレーカ壁面9aと、この第1ブレーカ壁面9aに交差するとともに主切刃7に沿って上記鋭角のコーナ部Cから離れるに従い上記反対の多角形面2側に向かうように一定の傾斜角で傾斜する第1ブレーカ頂面9bとを備えた第1ブレーカ突部9が形成されている。第1ブレーカ壁面9aは、多角形面2の内側に向かうに従いインサート中心線O方向に突出するように一定の傾斜角で傾斜しており、また第1ブレーカ頂面9bは、切刃5が形成された多角形面2の内側に向かうに従っても反対の多角形面2側に向かうように僅かに一定の傾斜角で傾斜している。
そして、図7(a)〜(c)に示すように上記平面視における主切刃先端領域7aに直交する断面において、主切刃7から第1ブレーカ壁面9aと第1ブレーカ頂面9bとの交差稜線9cまでの第1ブレーカ突部9の上記インサート中心線O方向における突出高さH1は、0mm〜0.1mmの範囲内とされている。また、上記平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7からブレーカ底面8と第1ブレーカ壁面9aとの境界9dまでの距離L1は、0.10mm〜0.25mmの範囲内とされている。
すなわち、主切刃先端領域7aが形成された範囲に亙って、第1ブレーカ突部9の第1ブレーカ壁面9aと第1ブレーカ頂面9bとの上記交差稜線9cは、インサート中心線O方向において主切刃7の高さと等しい高さか、0.1mmまでの範囲で主切刃7よりも高い位置に形成されている。本実施形態では図6に示すように、交差稜線9cは主切刃先端領域7aにおける主切刃7よりも高い位置に形成されている。
また、側面3に垂直に対向する側面視において交差稜線9cがインサート中心線Oに垂直な平面に対してなす傾斜角は、本実施形態では主切刃先端領域7aにおける主切刃7の上記傾斜角θと略等しくされている。従って、同側面視において同じく図6に示すように交差稜線9cは主切刃先端領域7aにおける主切刃7と略平行に配置されるとともに、上記突出高さH1は主切刃先端領域7aに亙って略一定とされる。
一方、上記平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7からブレーカ底面8と第1ブレーカ壁面9aとの境界9dまでの距離L1は、主切刃先端領域7aの内側において本実施形態では図5に示すように、コーナ刃6から離れるに従い僅かに小さくなった後に、一定の割合で漸次大きくなるようにされている。また、同平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7から上記交差稜線9cまでの距離も、同じく図5に示すようにコーナ刃6から離れるに従い僅かに小さくなった後に、一定の割合で漸次大きくなるようにされている。
なお、多角形面2におけるコーナ刃6の内側では、第1ブレーカ突部9の第1ブレーカ壁面9aと第1ブレーカ頂面9bとの上記交差稜線9cは、本実施形態では図6に示したようにインサート中心線O方向においてコーナ刃6よりも突出した高い位置に形成されているが、コーナ刃6と等しい高さであってもよい。また、例えば特許文献1に記載された切削インサートのように、インサート中心線O方向においてコーナ刃6よりも後退した低い位置にあってもよい。
さらに、このコーナ刃6の内側においては、上記交差稜線9cと境界9dは、上記平面視において図5に示したようにコーナ刃6に倣った凸曲線状をなしている。さらにまた、上記平面視においてコーナ刃6に垂直な方向におけるコーナ刃6からブレーカ底面8と第1ブレーカ壁面9aとの境界9dまでの距離は、やはり図5に示したようにコーナ刃6の全周に亙って略一定とされている。
また、このような第1ブレーカ突部9のさらに内側には、第1ブレーカ頂面9bから突出する第2ブレーカ壁面10aと、この第2ブレーカ壁面10aに交差する第2ブレーカ頂面10bとを備えた第2ブレーカ突部10が形成されている。この第2ブレーカ突部10は、図2に示すように多角形面2の2つの鋭角のコーナ部Cを結ぶ対角線の全長に亙って延びていて、2つの鋭角のコーナ部Cから多角形面2の中央部に向かうに従い漸次幅広となるように形成され、この多角形面2の中央部で取付孔4の開口部を取り囲み、さらに2つの鈍角のコーナ部Dにも達するように形成されている。
この第2ブレーカ突部10の第2ブレーカ壁面10aは、多角形面2の内側に向かうに従い、第1ブレーカ突部9の第1ブレーカ壁面9aよりも大きな一定の傾斜角でインサート中心線O方向に突出するように傾斜している。また、主切刃先端領域7aでは、上記平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7から第1ブレーカ頂面9bと第2ブレーカ壁面10aとの境界10cまでの距離L2が、0.30mm〜0.60mmの範囲内とされている。
さらに、第2ブレーカ頂面10bは、インサート中心線Oに垂直な平坦面とされ、1つの多角形面2においてインサート中心線O方向に最も突出した位置に配置されている。多角形面2に対向する方向から見た平面視における主切刃先端領域7aに直交する断面において、主切刃7からこの第2ブレーカ頂面10bまでの第2ブレーカ突部10の突出高さH2は傾斜角θで決定され、図6に示すコーナ刃6からの第2ブレーカ頂面10bまでのインサート中心線O方向における突出高さH3と、平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側への上記距離Eと、同平面視におけるコーナ刃6の半径Rに対して、H2=H3+(E−R)×tanθで与えられる。この第2ブレーカ頂面10bは、一方の多角形面2の切刃5が切削に使用されるときに、他方の多角形面2の第2ブレーカ頂面10bが、刃先交換式バイトのホルダに形成されたインサート取付座の底面への着座面とされる。
さらに、上記第1ブレーカ突部9は、鋭角のコーナ部Cから離れるに従い上記反対の多角形面2側に向かうように傾斜する第1ブレーカ頂面9bがコーナ部Cとは反対側においてブレーカ底面8と交差することにより、このコーナ部Cとは反対側に終端9eを有している。そして、この第1ブレーカ突部9の終端9eよりもコーナ部Cとは反対側では、ブレーカ底面8と第2ブレーカ突部10の上記第2ブレーカ壁面10aとが交差しており、こうして交差するブレーカ底面8と第2ブレーカ壁面10aとの境界10dまでの、上記平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7からの距離L3は、図7に示すように上記距離L1、L2よりも大きく、本実施形態では0.5mm〜2.0mmの範囲内とされている。
このように構成された切削インサートにおいては、まず切刃5において主切刃7のコーナ刃6に連なる上記主切刃先端領域7aが、コーナ刃6から離れるに従いこの切刃5が形成された多角形面2とは反対の多角形面2側に向かうように傾斜しており、この主切刃先端領域7aに傾斜角θの横切刃傾き角が与えられている。このため、端面引き上げ加工の際に主切刃先端領域7aにおいて生成された切屑は、上記平面視において主切刃先端領域7aの内側のすくい面(ブレーカ底面8)を、主切刃7に垂直な方向よりも、コーナ刃6の二等分線(鋭角のコーナ部Cの対角線)に沿う方向に案内されるように、主切刃7に対して傾斜して流れ出ることになる。
そして、この主切刃先端領域7aの内側のすくい面には、主切刃7に連なるブレーカ底面8を介して、このブレーカ底面8から突出する第1ブレーカ壁面9aと、この第1ブレーカ壁面9aに交差してコーナ部Cから離れるに従い上記反対の多角形面2側に向かうように傾斜する第1ブレーカ頂面9bとを備えた第1ブレーカ突部9が形成されており、上記平面視における主切刃先端領域7aに直交する断面において、主切刃7から第1ブレーカ壁面9aと第1ブレーカ頂面9bとの交差稜線9cまでの第1ブレーカ突部9の突出高さH1は0mm〜0.1mmの範囲内とされている。すなわち、この交差稜線9cは、インサート中心線O方向に主切刃7と同じ高さか、0.1mmまでの範囲内で主切刃7よりも高い位置に配設されている。
このため、上述のように主切刃先端領域7aにおいて平面視に主切刃7に対して傾斜した方向に流れ出た切屑を、この第1ブレーカ壁面9aの突端部である上記交差稜線9cに確実に接触させることができるので、端面引き上げ加工において生成される極薄い切屑でも、この接触による抵抗によってカールさせて分断処理することができる。しかも、この第1ブレーカ突部9の内側には、第1ブレーカ頂面9bに対してさらに突出する第2ブレーカ壁面10aを備えた第2ブレーカ突部10が形成されているので、切屑を第1ブレーカ突部9によって十分にカールさせることができなくても、この第2ブレーカ突部10の第2ブレーカ壁面10aに接触させることによって確実にカールさせ、分断処理することができる。
従って、上記構成の切削インサートによれば、被削材Wの端面引き上げ加工によって生成された切屑が処理されることなく長く連続して延びるように流出するのを避けることができ、このような切屑が加工面に当たって傷を付けることにより加工面の品位が損なわれるのを防ぐことができる。また、長く延びた切屑が被削材Wや刃先交換式バイトのホルダに巻き付いて絡まるような事態も防ぐことができ、こうして絡まった切屑を除去するのに旋削加工を中断せざるを得なくなるのも防止して、円滑で安定した切削加工を行うことが可能となる。
ここで、上記突出高さH1が0mm未満であって、すなわち上記平面視に主切刃7の直交する断面において第1ブレーカ突部9の第1ブレーカ壁面9aと第1ブレーカ頂面9bとの交差稜線9cが主切刃7よりも低い位置にあると、端面引き上げ加工の際の切屑が第1ブレーカ突部9に接触することなく乗り越えてしまい、その内側に第2ブレーカ突部10が形成されていても、確実な分断処理を図ることができなくなるおそれが生じる。また、逆にこの突出高さH1が0.1mmよりも高いと、切屑が第1ブレーカ壁面9aに長く接触してカールしてしまい、ブレーカ底面8と第1ブレーカ壁面9aとの間で切屑詰まりを起こすおそれや、加工面に切屑が衝突して仕上げ面精度を損なうおそれがある。
また、上記平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7からブレーカ底面8と第1ブレーカ壁面9aとの境界9dまでの距離L1が0.10mmより短くても、同様にブレーカ底面8と第1ブレーカ壁面9aとの間で切屑詰まりを起こすおそれがある。その一方で、この距離L1が0.25mmよりも長いと、生成された切屑が適切にカールされずに分断できなくなる可能性がある。
なお、本実施形態では、上記主切刃先端領域7aにおいてコーナ刃6から離れるに従い上記反対の多角形面2側に向かうように傾斜する主切刃7の傾斜角(横切刃傾き角)θが4°〜12°の範囲内とされており、これにより端面引き上げ加工の際の切屑を確実に平面視における主切刃7に対して傾斜した方向に案内して第1ブレーカ突部9の上記交差稜線9cに接触させるとともに、端面引き上げ加工の際に被削材Wに切り込まれる主切刃7の有効切刃長を確保することができる。
すなわち、この傾斜角θが4°を下回ると、このように切屑を主切刃7に対して傾斜した方向に案内することが困難となるおそれがある。また、傾斜角θが12°を上回ると、コーナ刃6とは反対側で主切刃先端領域7aにおける主切刃7がインサート中心線O方向に後退しすぎて被削材Wから離れてしまい、主切刃先端領域7aにおいて十分な有効切刃長を主切刃7に確保することができなくなるため、端面引き上げ加工の際の切り込みを小さくせざるを得なくなるおそれがある。
また、本実施形態では、上記平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7から第1ブレーカ頂面9bと第2ブレーカ壁面10aとの境界10cまでの距離L2が0.30mm〜0.60mmの範囲内とされており、これによっても切屑詰まりや切屑の滞留を防ぐことができる。すなわち、この距離L2が0.30mmを下回ると、上述のように切屑が第1ブレーカ突部9を乗り越えて流れ出て第2ブレーカ突部10の第2ブレーカ壁面10aに接触したときに切屑詰まりを生じるおそれがあり、逆に距離L2が0.60mmを上回ると、こうして第1ブレーカ突部9を乗り越えた切屑が速やかに第2ブレーカ壁面10aに接触せずに第1ブレーカ頂面9bにおいて滞留を生じるおそれがある。
さらに、本実施形態では、第1ブレーカ突部9は、上記第1ブレーカ頂面9bが鋭角のコーナ部Cとは反対側においてブレーカ底面8と交差することにより終端9eを有しており、この第1ブレーカ突部9の終端9eよりもコーナ部Cとは反対側では、ブレーカ底面8は第2ブレーカ突部10の第2ブレーカ壁面10aと交差している。このため、上記終端9eよりもコーナ部Cとは反対側には、これらブレーカ底面8と第2ブレーカ壁面10aとの間に大きな空間を確保することができるので、上述のように上記平面視において主切刃7に対して傾斜した方向に流れ出て第1ブレーカ突部9によりカールされた切屑を、この大きな空間に収容して円滑に排出することができる。
ただし、この場合に、上記平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7からブレーカ底面8と第2ブレーカ壁面10aとの境界10dまでの距離L3が短すぎると、上述のように大きな空間を上記終端9eよりもコーナ部Cとは反対側に確保することができなくなって切屑の排出性が損なわれるおそれがある。その一方で、この距離L3が長すぎても、カールした切屑がブレーカ底面8に滞留してしまうおそれがあるので、この距離L3は本実施形態のように0.5mm〜2.0mmの範囲内とされるのが望ましい。
なお、本実施形態では上述のように、インサート本体1がインサート中心線O方向に多角形面2に対向する平面視において多角形面2がなす菱形の対角線(コーナ部C、Dの二等分線)に沿った2つの平面に関してそれぞれ面対称形状とされた、いわゆる勝手無しの切削インサートとされているが、このうち鋭角のコーナ部Cを結ぶ対角線に沿った平面に関して非対称の勝手付きの切削インサートとされていてもよい。この場合には、例えば端面引き上げ加工に使用される主切刃7側において上記距離L3を、必要に応じて上記範囲よりも大きく確保することが可能となり、特に切屑の排出性が重視されるときに有効である。
次に、本発明の実施例と、これに対する比較例を挙げて、本発明の効果について説明する。本実施例においては、上記実施形態に基づくJIS−B4120−1998に規定されたDNMG150404タイプの切削インサートにより、図8に示したような軸部の外径が20mm、フランジ部の外径が55mmのS25Cよりなる被削材Wに、同図8の左側に示すような端面引き上げ加工を、被削材Wの回転数を1000rpm〜2500rpmで可変させて一定の切削速度Vc:160m/minとし、切り込み0.05mm、送り0.25mm/rev、乾式切削で行った。
また、この実施例に対する比較例として、特許文献1に基づいた図9ないし図15に示す第1比較例の切削インサートと、さらに図16ないし図22に示す第2比較例の切削インサート、および図23ないし図29に示す第3比較例の切削インサートでも同様の条件で端面引き上げ加工を行った。ここで、これらの比較例を示す図9ないし図29では、実施例の切削インサートの各部分に対応する部分がある場合には、上記実施形態と同一の符号を配してある。
なお、本発明の実施例の切削インサートでは、上記平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側に1.0mmの位置で、距離L1:0.15mm、突出高さH1:0.04mm、距離L2:0.42mm、突出高さH2:0.36mm、同じく上記平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側に3.4mmの位置で距離L3:1.00mmであり、主切刃先端領域7aにおける主切刃7の傾斜角θすなわち横切刃傾き角は10°であった。
また、第1比較例の切削インサートでは、上記平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側に1.0mmの位置で、距離L1:0.20mm、突出高さH1:−0.02mmで、すなわちインサート中心線O方向において主切刃7の高さよりも交差稜線9cの高さが低く、距離L2:0.45mm、突出高さH2:0.25mm、同じく上記平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側に2.8mmの位置で距離L3:0.30mmであり、主切刃先端領域7aにおける主切刃7の傾斜角θは0°で、すなわち横切刃傾き角は与えられていない。
さらに、第2比較例の切削インサートでは、上記平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側に1.0mmの位置で、距離L1:0.19mm、突出高さH1:0.20mm、同じく上記平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側に4.0mmの位置で距離L3:0.23mmであり、主切刃先端領域7aにおける主切刃7の傾斜角θは0°で、やはり横切刃傾き角は与えられていない。
さらにまた、第3比較例の切削インサートでは、上記平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側に1.0mmの位置で、距離L1:0.26mm、突出高さH1:0.14mm、同じく上記平面視においてコーナ刃6に接する主切刃7に垂直な接線からコーナ刃6とは反対側に2.4mmの位置で距離L3:0.37mmであり、主切刃先端領域7aにおける主切刃7の傾斜角θすなわち横切刃傾き角は6°であった。なお、第2および第3比較例では図示の通りコーナ刃6に連なる主切刃先端領域7aの内側には第1ブレーカ突部9しか形成されておらず、従って距離L2および突出高さH2は規定されていない。
これら第1ないし第3比較例および実施例によって生成された切屑を、この順に図30ないし図33に示す。このうち、第1比較例においては、コーナ刃6に連なる主切刃先端領域7aも含めて主切刃7に傾斜角(横切刃傾き角)θが与えられておらず、また第1ブレーカ突部9の交差稜線9cがインサート中心線O方向において主切刃7より低いので、主切刃7に垂直に流れ出た切屑が第1ブレーカ突部9を乗り越えてカールされず、第2ブレーカ突部10によっても切屑を確実に分断することができなかった。また、距離L3が短いために切屑排出性も不十分であった。
さらに、第2比較例でも、主切刃7に傾斜角(横切刃傾き角)θが与えられていないため、切屑は主切刃7に垂直に流れ出て第1ブレーカ突部9の第1ブレーカ壁面9aに当たるが、この第1ブレーカ突部9の交差稜線9cの主切刃7に対するインサート中心線O方向の突出高さH1が0.2mmと高すぎるので、初期は分断された切屑が生成されたが途中よりコイル状の無限大に長い切屑となり、流出方向が被削材Wの軸部側に向かって絡まり、切削を中断せざるを得なかった。また、距離L3も短いので、やはり切屑排出性が不十分である。
さらにまた、第3比較例では、主切刃先端領域7aにおいて主切刃7に6°の傾斜角(横切刃傾き角)θが与えられているが、平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7からブレーカ底面8と第1ブレーカ壁面9aとの境界9dまでの距離L1が0.26mmと長いので、切屑が滞留して十分に分断処理することができなかった。また、突出高さH1も0.14mmと高いので、こうして滞留した切屑が詰まり気味となってしまった。さらに、距離L3も短いので、切屑排出性も不十分である。
このような第1ないし第3比較例に対して、本発明の実施例の切削インサートでは、図33に示すように切屑がカールして細かく分断処理されており、切屑詰まりを生じることもなく、また切屑排出性も良好であって、円滑な端面引き上げ加工を行うことが可能であった。
1 インサート本体
2 多角形面
3 側面
4 取付孔
5 切刃
6 コーナ刃
7 主切刃
7a 主切刃先端領域
8 ブレーカ底面
9 第1ブレーカ突部
9a 第1ブレーカ壁面
9b 第1ブレーカ頂面
9c 第1ブレーカ壁面9aと第1ブレーカ頂面9bとの交差稜線
9d ブレーカ底面8と第1ブレーカ壁面9aとの境界
9e 第1ブレーカ突部9の終端
10 第2ブレーカ突部
10a 第2ブレーカ壁面
10b 第2ブレーカ頂面
10c 第1ブレーカ頂面9bと第2ブレーカ壁面10aとの境界
10d ブレーカ底面8と第2ブレーカ壁面10aとの境界
O インサート中心線
C 多角形面2の鋭角のコーナ部
D 多角形面2の鈍角のコーナ部
H1 多角形面2に対向する方向から見た平面視における主切刃先端領域7aに直交する断面において、主切刃7から交差稜線9cまでの第1ブレーカ突部9の突出高さ
H2 多角形面2に対向する方向から見た平面視における主切刃先端領域7aに直交する断面において、主切刃7から第2ブレーカ頂面10bまでの第2ブレーカ突部10の突出高さ
H3 コーナ刃6からの第2ブレーカ頂面10bまでのインサート中心線O方向における突出高さ
L1 多角形面2に対向する方向から見た平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7から境界9dまでの距離
L2 多角形面2に対向する方向から見た平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7から境界10cまでの距離
L3 第1ブレーカ突部9の終端9eよりもコーナ部Cとは反対側で、多角形面2に対向する方向から見た平面視において主切刃7に垂直な方向における主切刃7から境界10dまでの距離
θ 側面3に垂直に対向する側面視において主切刃先端領域7aがインサート中心線Oに垂直な平面に対してなす傾斜角(横切刃傾き角)
W 被削材

Claims (5)

  1. 表裏の多角形面と、これらの多角形面の周りに配置される側面とを有する多角形板状のインサート本体を備え、
    上記多角形面と上記側面との交差稜線部には、上記多角形面にすくい面を有するとともに上記側面に逃げ面を有する切刃が形成され、
    上記切刃は、上記多角形面の少なくとも1つのコーナ部に配置されて該多角形面に対向する方向から見た平面視に凸曲線状をなすコーナ刃と、このコーナ刃の少なくとも一端に連なる主切刃とを備え、
    この主切刃の上記コーナ刃に連なる主切刃先端領域は、該コーナ刃から離れるに従い反対の多角形面側に向かうように傾斜しており、
    上記多角形面において上記主切刃先端領域の内側の上記すくい面には、上記主切刃に連なるブレーカ底面が形成されるとともに、
    このブレーカ底面の内側には、該ブレーカ底面から突出する第1ブレーカ壁面と、この第1ブレーカ壁面に交差して上記コーナ部から離れるに従い上記反対の多角形面側に向かうように傾斜する第1ブレーカ頂面とを備えた第1ブレーカ突部が形成され、
    この第1ブレーカ突部のさらに内側には、上記第1ブレーカ頂面から突出する第2ブレーカ壁面を備えた第2ブレーカ突部が形成されていて、
    上記平面視における上記主切刃先端領域に直交する断面において、上記主切刃から上記第1ブレーカ壁面と上記第1ブレーカ頂面との交差稜線までの上記第1ブレーカ突部の突出高さH1が0mm〜0.1mmの範囲内とされるとともに、
    上記平面視において上記主切刃に垂直な方向における該主切刃から上記ブレーカ底面と上記第1ブレーカ壁面との境界までの距離L1が0.10mm〜0.25mmの範囲内とされていることを特徴とする切削インサート。
  2. 上記主切刃先端領域において上記コーナ刃から離れるに従い反対の多角形面側に向かうように傾斜する上記主切刃の傾斜角θが4°〜12°の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 上記平面視において上記主切刃に垂直な方向における該主切刃から上記第1ブレーカ頂面と上記第2ブレーカ壁面との境界までの距離L2が0.30mm〜0.60mmの範囲内とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
  4. 上記第1ブレーカ突部は、上記第1ブレーカ頂面が上記コーナ部とは反対側において上記ブレーカ底面と交差することにより終端を有しており、この第1ブレーカ突部の終端よりも上記コーナ部とは反対側では、上記ブレーカ底面と上記第2ブレーカ壁面とが交差していることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
  5. 上記第1ブレーカ突部の終端よりも上記コーナ部とは反対側で、上記平面視において上記主切刃に垂直な方向における該主切刃から上記ブレーカ底面と上記第2ブレーカ壁面との境界までの距離L3が0.5mm〜2.0mmの範囲内とされていることを特徴とする請求項4に記載の切削インサート。
JP2016133681A 2016-07-05 2016-07-05 切削インサート Pending JP2018001362A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016133681A JP2018001362A (ja) 2016-07-05 2016-07-05 切削インサート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016133681A JP2018001362A (ja) 2016-07-05 2016-07-05 切削インサート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018001362A true JP2018001362A (ja) 2018-01-11

Family

ID=60945206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016133681A Pending JP2018001362A (ja) 2016-07-05 2016-07-05 切削インサート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018001362A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2601512A (en) * 2020-12-02 2022-06-08 Zhongshan Yingliang Health Tech Co Ltd Hair comb with replaceable decorative cover

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2601512A (en) * 2020-12-02 2022-06-08 Zhongshan Yingliang Health Tech Co Ltd Hair comb with replaceable decorative cover

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5151361B2 (ja) ねじ切り切削用インサート
JP6165165B2 (ja) 割出し可能切削インサート、そのための切削工具およびクランプ方法
JP5267556B2 (ja) ラジアスエンドミルおよび切削インサート
WO2017122715A1 (ja) 切削インサートおよび刃先交換式切削工具
WO2009123189A1 (ja) ラジアスエンドミルおよび切削インサート
JP7158387B2 (ja) 切削インサートおよび肩削りフライス工具
JP4729894B2 (ja) インサートおよびスローアウェイ式切削工具
WO2015029850A1 (ja) クーラント穴付きエンドミル
KR20160101158A (ko) 드릴용 인서트 및 날끝 교환식 드릴
WO2014065228A1 (ja) 切削インサート及び刃先交換式切削工具
JP7119781B2 (ja) 切削インサートおよび刃先交換式切削工具
JP2010201565A (ja) エンドミル
JP5104076B2 (ja) 切削インサート
JP2009012116A (ja) 切削インサート
JP2006218617A (ja) 丸駒インサートおよび丸駒インサート着脱式切削工具
JP2018001362A (ja) 切削インサート
JP2005288613A (ja) スローアウェイチップ
JP2006015418A (ja) 縦送り加工用エンドミル
JP5528135B2 (ja) 切削インサート
JP2016112663A (ja) エンドミル
JP5365285B2 (ja) 切削インサート
WO2017150541A1 (ja) 切削インサートおよび刃先交換式切削工具
JP2008284666A (ja) 切削インサート
JP3668011B2 (ja) ドリルインサート及びこれを用いたスローアウェイドリル
JP4812537B2 (ja) 切削インサートおよび転削工具

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181012