以下に添付図面を参照して、本願に係る医用情報処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、本願に係る医用情報処理装置は、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の構成の一例を示す図である。例えば、図1に示すように、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、ネットワークを介して、医用画像診断装置100と、画像保管装置200とに接続される。なお、医用情報処理装置300は、ネットワークを介して、例えば、サーバ装置や、ユーザ端末等の他の情報処理装置にさらに接続されてもよい。
医用画像診断装置100は、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT−CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET−CT装置、又はこれらの装置群等である。また、第1の実施形態に係る医用画像診断装置100は、医用画像を生成するための画像データの収集に際して、種々のパラメータを含む収集条件に基づいて、画像データを収集する。
例えば、医用画像診断装置100としてのX線CT装置は、投影データの収集に関するパラメータ(撮影条件のパラメータ)と、収集した投影データを用いた画像データ(ボリュームデータ)の再構成に関するパラメータ(再構成条件のパラメータ)を含むプロトコルに基づいて、ボリュームデータを収集する。また、X線CT装置は、収集したボリュームデータに対して種々の画像処理を実行することで表示用のCT画像を生成する。X線CT装置は、収集したボリュームデータや、生成したCT画像を画像保管装置200に格納する。また、X線CT装置は、ボリュームデータやCT画像を用いた各種画像解析を実行する。
画像保管装置200は、各種の医用画像診断装置100によって収集された画像データを保管する。例えば、画像保管装置200は、サーバ装置等のコンピュータ機器によって実現される。本実施形態では、画像保管装置200は、ネットワークを介して医用画像診断装置100から画像データを取得し、取得した画像データを装置内又は装置外に設けられた記憶回路に記憶させる。
医用情報処理装置300は、ネットワークを介して各種の医用画像診断装置100や画像保管装置200から画像データ収集に関する種々の情報を取得し、取得した情報を用いて医用画像の収集条件の見直しをサポートする。具体的には、医用情報処理装置300は、収集条件に含まれるパラメータの変更に関する情報や医用画像などを取得し、変更対象のパラメータに関連する種々の情報を提示することで、収集条件の見直しをサポートする。例えば、医用情報処理装置300は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
例えば、図1に示すように、医用情報処理装置300は、I/F(インターフェース)回路310と、入力回路320と、ディスプレイ330と、記憶回路340と、処理回路350とを有する。
I/F回路310は、処理回路350に接続され、ネットワークを介して接続された医用画像診断装置100又は画像保管装置200との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、I/F回路310は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
入力回路320は、処理回路350に接続され、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路350に出力する。例えば、入力回路320は、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。
ディスプレイ330は、処理回路350に接続され、処理回路350から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ330は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。
記憶回路340は、処理回路350に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路340は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。本実施形態では、記憶回路340は、医用画像診断装置100又は画像保管装置200から受信した収集条件に含まれるパラメータの変更に関する情報や医用画像等を記憶する。
処理回路350は、入力回路320を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、医用情報処理装置300が有する各構成要素を制御する。例えば、処理回路350は、プロセッサによって実現される。本実施形態では、処理回路350は、I/F回路310から出力されるパラメータの変更に関する情報や医用画像等を記憶回路340に記憶させる。また、処理回路350は、記憶回路340から各種情報や医用画像等を読み出して、種々の処理を実行し、処理結果をディスプレイ330に表示する。
このような構成のもと、本実施形態に係る医用情報処理装置300は、医用画像の収集条件の見直しを効率よく実施させることを可能にする。具体的には、医用情報処理装置300は、医用画像の収集条件の見直し時に変更されたパラメータに関する参考情報を提示することで、見直しを効率よく実施させる。上述したように、医用画像診断装置100においては、検査の条件について、定期的に見直しが実施される。例えば、X線CT装置において実行される種々のプロトコルについて、未使用のプロトコルを削除したり、プロトコルの品質を向上させたりするために、放射線科の管理者が定期的に集まってプロトコルの見直しを実施する。
この見直しにおいてパラメータの微調整が行われた場合に、医用情報処理装置300は、微調整後のパラメータに関連する情報を管理者に提示することで、微調整後のパラメータのチェック及び是正を行うことを可能にし、医用画像の収集条件の見直しを効率よくすることを可能にする。ここで、医用情報処理装置300は、微調整後のパラメータに関連する情報を、実際に検査が実施された(医用画像の収集が実行された)条件の情報(実績情報)から取得して、提示することで、より信頼度の高い参照情報を提供する。
以下、第1の実施形態では、医用情報処理装置300においてX線CT装置におけるプロトコルの見直しが実施され、この見直しにおいてパラメータの微調整が実施された場合を例に挙げて説明する。本実施形態に係る記憶回路340は、図1に示すように、例えば、パラメータ実績情報341と、画像情報342と、線量情報343とを記憶する。また、本実施形態に係る処理回路350は、制御機能351と、取得機能352と、収集機能353と、提示機能354とを実行する。ここで、取得機能352は、特許請求の範囲における取得部の一例である。また、収集機能353は、特許請求の範囲における収集部の一例である。また、提示機能354は、特許請求の範囲における提示部の一例である。
パラメータ実績情報341は、検査を行った時に実際に使用された撮影条件及び再構成条件に関する情報であり、処理回路350によって医用画像診断装置100(X線CT装置)等から取得される。図2Aは、第1の実施形態に係るパラメータ実績情報341の一例を示す図である。例えば、パラメータ実績情報341は、図2Aに示すように、「検査ID」と、「実施済みプロトコル」と、「パラメータ名」と、「パラメータ値」とを対応付けた情報である。ここで、図2Aにおける「検査ID」とは、実際に実施された検査を一意に特定するための識別子である。また、図2Aにおける「実施済みプロトコル」とは、実際に検査で実施されたプロトコルを示す。また、図2Aにおける「パラメータ名」とは、プロトコルに含まれるパラメータ名を示す。また、図2Aにおける「パラメータ値」とは、各パラメータの値を示す。
例えば、記憶回路340は、図2Aに示すように、パラメータ実績情報「検査ID:S006、実施済みプロトコル:DP0136、パラメータ名:KVP(0018,0060)、mA(0018,9330)、・・・、パラメータ値:140、290、・・・」を記憶する。ここで、上記した情報は、「検査ID」が「S006」の検査において、「DP0136」のプロトコルが実施され、その時のパラメータが、「KVP(0018,0060):140」、「mA(0018,9330):290」であることを意味する。なお、パラメータ名の表記は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)のタグに含まれる表記を一例に挙げて示す。同様に、記憶回路340は、その他のパラメータ実績情報を記憶する。
画像情報342は、検査によって収集された医用画像であり、処理回路350によって医用画像診断装置100(X線CT装置)又は画像保管装置200から取得される。図2Bは、第1の実施形態に係る画像情報の一例を示す図である。例えば、画像情報342は、図2Bに示すように、「検査ID」と、「患者ID」と、「検査画像」とを対応付けた情報である。ここで、図2Bにおける「検査ID」とは、実際に実施された検査を一意に特定するための識別子である。また、図2Bにおける「患者ID」とは、対応する「検査ID」で特定される検査を受けた被検体を一意に特定するための識別子である。また、図2Bにおける「検査画像」とは、対応する「検査ID」で特定される検査によって収集された医用画像(CT画像)である。ここで、「検査画像」には、例えば、単純CT画像だけではなく、造影画像や、解析画像(例えば、パーフュージョン画像等)等の種々の画像が含まれる。また、図2Bにおける画像情報342は、あくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、画像情報342は、各画像の画質に関する情報(例えば、画質を示す数値等)をさらに対応付けられる場合であってもよい。
例えば、記憶回路340は、図2Bに示すように、「検査ID:S006」と、「患者ID:P006」と「検査画像」を対応付けた画像情報を記憶する。すなわち、記憶回路340は、「検査ID」が「S006」の検査において、「患者ID」が「P006」の被検体から収集したCT画像を記憶する。同様に、記憶回路340は、その他の画像情報を記憶する。
線量情報343は、実際に画像を収集した際の線量に関する情報であり、処理回路350によって医用画像診断装置100(X線CT装置)等から取得される。図2Cは、第1の実施形態に係る線量情報343の一例を示す図である。例えば、線量情報343は、図2Cに示すように、「検査ID」と、「患者ID」と、「線量値CTDI(Computed Tomography Dose Index)vol(mGy)」と、「線量値DLP(Dose Length Product)(mGy・cm)」とを対応付けた情報である。ここで、図2Cにおける「検査ID」とは、実際に実施された検査を一意に特定するための識別子である。また、図2Cにおける「患者ID」とは、対応する「検査ID」で特定される検査を受けた被検体を一意に特定するための識別子である。また、図2Cにおける「線量値CTDIvol(mGy)」とは、対応する「検査ID」で特定されるCT検査における線量指標を示す。また、図2Cにおける「線量値DLP(mGy・cm)」とは、「線量値CTDIvol(mGy)」にX線照射範囲の体軸方向の長さを乗じた指標を示す。
例えば、記憶回路340は、図2Cに示すように、線量情報「検査ID:S006、患者ID:P006、線量値CTDIvol(mGy):400、線量値DLP(mGy・cm):600」を記憶する。ここで、上記した情報は、検査ID「S006」の検査において、患者ID「P006」の被検体が受けた線量が「線量値CTDIvol(mGy):400」、「線量値DLP(mGy・cm):600」であることを意味する。同様に、記憶回路340は、その他の線量情報を記憶する。
上述したパラメータ実績情報、画像情報及び線量情報は、例えば、医用画像診断装置100(X線CT装置)において検査が実施されるごとに、処理回路350の制御機能351によって医用画像診断装置100(X線CT装置)や画像保管装置200から取得され、記憶回路340に格納される。なお、上述したパラメータ実績情報341や線量情報343は、DICOMのタグに新たなテンプレート(例えば、DICOM Supp.121)を準備して、医用画像診断装置100によって保存されるようにする場合であってもよい。また、パラメータ実績情報341や線量情報343は、例えば、線量に関する既存のDICOM情報(Radiation Dose SR)で管理されている情報(KVP、mA等)から取得される場合であってもよい。
図1に戻って、処理回路350における制御機能351は、医用情報処理装置300の全体制御を行う。例えば、制御機能351は、I/F回路310から出力されるパラメータの変更に関する情報や医用画像等を記憶回路340に記憶させる。また、制御機能351は、入力回路320を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、種々の処理を実行させる。
取得機能352は、医用画像の収集条件に含まれる項目の変更を示す変更情報を取得する。具体的には、取得機能352は、医用画像診断装置100によって使用される収集条件の見直しにおいて、パラメータの変更を示す変更情報を取得する。例えば、取得機能352は、X線CT装置におけるプロトコルの見直しにおいてパラメータの変更情報を取得する。ここで、医用情報処理装置300においては、プロトコルのレビュー・承認・X線CT装置への配信をシステマティックに行うプロトコル管理システムを適用することができる。
図3は、第1の実施形態に係るプロトコル管理システムにおける表示画面の一例を示す図である。例えば、処理回路350は、図3に示す画面をディスプレイ330に表示させ、入力回路320を介してパラメータの変更を受け付けることで、変更情報を取得する。例えば、処理回路350における提示機能354は、図3に示すように、「承認依頼リスト」を含むウィンドウをディスプレイ330に表示させる。ここで、「承認依頼リスト」とは、放射線科の管理者等に対してプロトコルの承認を依頼するリストである。「承認依頼リスト」は、例えば、図3に示すように、承認を依頼する「プロトコル」の情報を含む。ここで、承認を依頼する「プロトコル」は、プロトコルごとに、「患者タイプ」、「プロトコル名」、「変更回数」及び「承認日」などが対応付けられる。
「患者タイプ」は、対応する「プロトコル」を使用する被検体のタイプを示し、例えば、「大人」や「子供」などの情報が含まれる。また、「プロトコル名」は、対応する「プロトコル」の名称を示す。また、「変更回数」は、対応する「プロトコル名」に関して、これまでに変更された回数を示す。また、「承認日」は、対応するプロトコルに関して、承認された日時を示す。
プロトコル管理システムに対して、「プロトコル」の承認を依頼する依頼者が「プロトコル」を登録すると、提示機能354は、図3に示す「承認依頼リスト」に登録された「プロトコル」を表示させる。ここで、放射線科の管理者等が、依頼された「プロトコル」を確認するために選択すると、提示機能354は、図3に示すように、選択された「プロトコル」に含まれる各種パラメータをウィンドウの下部に表示させる。
例えば、提示機能354は、図3に示すように、X線CT装置における撮影条件のパラメータ「Scan Parameter」と、再構成条件のパラメータ「Recon Parameter」とを表示させる。ここで、撮影条件のパラメータ「Scan Parameter」には、例えば、図3に示すように、「mA」、「EffmA」、「Rotation Time」、「Total Scan Time」、「CTDI」、「DLP」、「Max Scan Range」などが含まれる。また、再構成条件のパラメータ「Recon Parameter」には、例えば、図3に示すように、「Slice Interval」、「Vari−Area」などが含まれる。
これらの各パラメータについて、依頼者が設定した値が、「New Created」にて表示される。管理者は、「New Created」に表示された各パラメータの値を参照して、値の微調整の要否を判断し、微調整を要する場合には、入力回路320を介してパラメータ値の微調整操作を行う。提示機能354は、入力回路320がパラメータ値の微調整操作を受け付けると、微調整後のパラメータ値を「Edited」にて表示させる。プロトコル管理システムでは、その後、管理者が、入力回路320を介して、「承認」又は「条件付き承認」を押下することにより、承認が依頼された「プロトコル」が承認される。ここで、「プロトコル」が承認されると、医用情報処理装置300からX線CT装置に対して承認された「プロトコル」の情報が送信され、X線CT装置にて設定される。なお、管理者が「拒否」を押下した場合、「プロトコル」は承認されない。取得機能352は、入力回路320を介して受け付けたパラメータ値の変更内容を取得する。
本実施形態に係る医用情報処理装置300は、このようなパラメータ値の微調整を受け付けた場合に、微調整後のパラメータ値に関連する関連情報を管理者に提供することで、見直しの効率を向上させる。具体的には、収集機能353が、所定の条件に基づいて、医用画像の収集条件として利用された実績を有する実績情報から変更情報に関連する関連情報を収集する。具体的には、収集機能353は、関連情報として、収集条件に含まれる項目の変更後の値に関連する値の情報である第1の関連情報、変更された項目に関連する項目の情報である第2の関連情報、及び、第1の関連情報を収集条件として医用画像を収集した場合の結果の情報である第3の関連情報を収集する。
すなわち、収集機能353は、微調整後のパラメータ値に関連する値の情報である第1の関連情報と、値が微調整されたパラメータに関連する他のパラメータの情報である第2の関連情報と、第1の関連情報に含まれる各パラメータ値でCT画像を収集した場合の結果を、これまでの実績情報から取得する。例えば、収集機能353は、取得機能352によって取得されたパラメータ値に関連する関連情報を記憶回路340によって記憶されたパラメータ実績情報341から取得する。
以下、図4及び図5を用いて、取得機能352による取得処理及び収集機能353による収集機能の一例を説明する。図4は、第1の実施形態に係る取得機能352による取得処理の一例を説明するための図である。また、図5は、第1の実施形態に係る収集機能353による収集処理の一例を説明するための図である。
例えば、取得機能352は、図4に示すように、「承認依頼プロトコル:RP0038」に含まれるパラメータの変更情報を取得する。一例を挙げると、取得機能352は、「承認依頼プロトコル:RP0038」における「パラメータ名:KVP(0018,0060)」の値を「150」から「140」に変更したことを示す変更情報を取得する。なお、取得機能352は、「承認依頼プロトコル:RP0038」において、値が変更されたその他のパラメータについても変更情報を取得することができる。
収集機能353は、取得機能352によって取得された変更情報に関連する関連情報を取得する。ここで、収集機能353は、所定の条件に基づく関連情報を収集する。具体的には、収集機能353は、実績情報において、収集条件に含まれる項目の変更の値と一致する値、変更前の値と一致する値、及び関連情報を収集するための収集条件のうち少なくとも1つを所定の条件として用い、第1の関連情報を収集する。例えば、収集機能353は、実績情報において、収集条件に含まれる項目の変更の値と一致する値、変更前の値と一致する値、医用画像の収集回数が最多の値、医用画像の収集時の線量が上限となる場合の値、所定の操作者によって利用される値、医用画像の収集のやり直し回数に基づく値、及び、医用画像に対する画像解析時間に基づく値のうち少なくとも1つを所定の条件として用い、第1の関連情報を収集する。
一例を挙げると、収集機能353は、「パラメータ名:KVP(0018,0060)」の値を「150」から「140」に変更したことを示す変更情報が取得機能352によって取得されると、図5に示すように、パラメータ実績情報341の中から「パラメータ名:KVP(0018,0060)」の値が変更の値と一致する「140」の実績情報を収集する。すなわち、収集機能353は、「検査ID」ごとに、「実施済みプロトコル」、「パラメータ名」、「パラメータ値」が対応付けて記憶されているパラメータ実績情報341を参照して、「パラメータ名:KVP(0018,0060)」の値が「140」である「検査ID:S006」などの「実施済みプロトコル」を収集する。
ここで、収集機能353は、「実施済みプロトコル」において、パラメータ値が変更された「KVP(0018,0060)」だけではなく、「KVP(0018,0060)」に関連するその他のパラメータの情報(第2の関連情報)もあわせて収集する。例えば、収集機能353は、「検査ID:S006」に対応する「実施済みプロトコル:DP0136」における「mA(0018,9330)」などについても「パラメータ値」を収集する。
また、収集機能353は、「パラメータ値」が変更後の値と一致する値を有する「実施済みプロトコル」だけではなく、「パラメータ値」が変更前の値と一致する値を有する「実施済みプロトコル」、医用画像の収集回数が最多の「パラメータ値」を有する「実施済みプロトコル」、医用画像の収集時の線量が上限となる場合の「パラメータ値」を有する「実施済みプロトコル」、所定の操作者(例えば、熟練技師等)によって高頻度で利用される「パラメータ値」を有する「実施済みプロトコル」、医用画像の収集のやり直し回数が最多の「パラメータ値」を有する「実施済みプロトコル」、医用画像の収集のやり直し回数が最少の「パラメータ値」を有する「実施済みプロトコル」、医用画像に対する画像解析時間が最短の「パラメータ値」を有する「実施済みプロトコル」、医用画像に対する画像解析時間が最長の「パラメータ値」を有する「実施済みプロトコル」などの実績情報を収集する。
さらに、収集機能353は、実績情報において、第1の関連情報に対応する医用画像、医用画像の画質及び第1の関連情報に対応する線量値のうち少なくとも1つを第3の関連情報として収集する。具体的には、収集機能353は、実績情報(パラメータ実績情報341)から収集した各パラメータ値を用いて実際に収集されたCT画像や、CT画像の画質、その時の線量値をさらに収集する。例えば、収集機能353は、収集した「実施済みプロトコル」の「検査ID:S006」をキーとして、画像情報342及び線量情報343から、「検査ID:S006」の検査画像及び線量値を収集する。すなわち、収集機能353は、図2Bに示す画像情報342から、「検査ID:S006、患者ID:P006」に対応付けられた「検査画像」を収集する。また、収集機能353は、図2Cに示す線量情報343から、「検査ID:S006、患者ID:P006」に対応付けられた「線量値CTDIvol(mGy):400」と「線量値DLP(mGy・cm):600」を収集する。なお、収集機能353は、画像情報342から画質の情報を収集することもできる。
同様に、収集機能353は、収集したその他の「パラメータ値」に対応するCT画像や線量値を収集する。なお、収集機能353は、関連情報として、第1の関連情報、第2の関連情報及び第3の関連情報の他に、種々の情報を収集することができる。例えば、収集機能353は、医用画像の画質、造影剤に関する情報、疾病に関する情報、被検体に関する情報、及び、操作ログのうち、少なくとも1つを関連情報としてさらに収集することができる。
図1に戻って、提示機能354は、変更情報を関連情報に対応付けて提示する。具体的には、提示機能354は、取得機能352によって取得されたパラメータ値の変更情報と、収集機能353によって収集された関連情報とを対応付けて提示する。例えば、提示機能354は、第1の関連情報(パラメータの値)、CT画像及び線量値に対応付けて変更情報を提示する。図6は、第1の実施形態に係る提示機能354によって表示される表示情報の一例を示す図である。
例えば、提示機能354は、図6に示すように、「パラメータ名:KVP」の「パラメータ値」と、「代表画像」と、「線量値CTDIvol(mGy)」と、「線量値DLP(mGy・cm)」とを対応付けた情報に、変更後(微調整後)のパラメータ値の情報を対応付けた表示情報をディスプレイ330に表示させる。すなわち、提示機能354は、収集機能353によって収集された各パラメータ値の情報と、それに対応するCT画像及び線量値の情報とを対応付けて「パラメータ名:KVP」の「パラメータ値」と、「代表画像」と、「線量値CTDIvol(mGy)」と、「線量値DLP(mGy・cm)」とを対応付けた情報を生成する。そして、提示機能354は、生成した情報に、微調整後の「パラメータ値」を対応付けた表示画像を生成して、ディスプレイ330にて表示させる。
例えば、提示機能354は、プロトコル管理システムにおいて「KVP」の「パラメータ値」が「140」に変更された場合、図6に示すように、「パラメータ名:KVP」の「パラメータ値:120、135、140、143、150」のそれぞれに、「代表画像」と、「線量値CTDIvol(mGy)」と、「線量値DLP(mGy・cm)」とを対応付け、「微調整後パラメータ値」が「140」であることを示す表示情報(図中、逆三角形で示す情報)を、プロトコル管理システムにおける表示画面(ウィンドウ)に重畳して表示させる。なお、「微調整後パラメータ値」を示す表示情報は、図示するものに限られず、矢印などを用いる場合であってもよい。或いは、例えば、「140」の領域のみ色を変えることで、「140」が「微調整後パラメータ値」であることを示す場合であってもよい。
これにより、管理者は、表示された表示情報を参照することで、変更後(微調整後)の「パラメータ値」がどのような値なのかを判断することができ、プロトコルの見直しを効率よく行うことができる。すなわち、管理者は、変更後のパラメータ値で所望の画像を得られるか否かを判断することができる。また、管理者は、変更後のパラメータ値でどの程度の線量値となるのかを判断することができる。プロトコルの見直しには、例えば、X線CT装置を操作してCT画像を収集する技師や、読影医などが参加する。例えば、技師は、できるだけ線量値を下げて、被検体の被曝量を低減するようなプロトコルを求める。一方、読影医は、読影しやすいCT画像が収集されるプロトコルを求める。従って、図6に示すように、各パラメータ値に対応付けて「代表画像」と「線量値」を表示させることで、それらのニーズに合致する最適なパラメータ値を選択することができる。
なお、「代表画像」は、各パラメータ値の中からそれぞれ任意に選択することができる。例えば、実績情報において「パラメータ値」が「140」であった実施済みプロトコルが複数収集された場合、提示機能354は、各実施済みプロトコルの中で、パラメータが微調整されたプロトコルに最も近い実施済みプロトコルで収集されたCT画像を代表画像として選択する。また、提示機能354は、同一の実施済みプロトコルにおいて収集された複数のCT画像からの「代表画像」の選択についても任意に選択することができる。
また、表示情報に含まれる「代表画像」は一枚に限られず、任意の枚数のCT画像を表示させることができる。この場合、例えば、提示機能354は、「代表画像」の表示領域に複数のCT画像を同時に表示させることもできる。或いは、提示機能354は、例えば、操作者(プロトコルの見直しに参加した管理者)が、入力回路320を介して「代表画像」の表示領域を操作することで、表示されるCT画像が切り替わるように表示させることもできる。
上述したように、提示機能354は、「パラメータ値」と、「代表画像」と、「線量値」とを対応付けた表示情報をディスプレイ330にて表示させる。ここで、図6に示す表示情報は、あくまでも一例であり、その他種々の形態で表示させることができる。具体的には、提示機能354は、第1の関連情報、第2の関連情報及び第3の関連情報のうち少なくとも1つの関連情報について実績情報における傾向を解析し、解析結果をさらに対応付けて提示する。なお、提示機能354は、所定の解析条件に基づいて傾向を解析する。例えば、提示機能354は、傾向として、収集条件として利用された利用頻度、医用画像に対する解析における解析精度及び解析時間のうち少なくとも1つを用いる。図7A〜図7Eは、第1の実施形態に係る提示機能354によって表示される表示情報のバリエーションを示す図である。
例えば、提示機能354は、各パラメータ値の使用頻度を示す表示情報を提示することができる。一例を挙げると、提示機能354は、使用頻度に応じて数値を色分けした表示情報を提示することができる。例えば、提示機能354は、図7Aに示す各パラメータ値のうち、使用頻度の高いパラメータ値(135、140、143)に対応する数値を「緑」で示し、使用頻度の低下に伴って「オレンジ」、「赤」で数値を示す。これにより、管理者は、「オレンジ」や「赤」で示された使用頻度の低いパラメータ値(120、150)が適切な値ではないと一目で判断することができる。なお、提示機能354は、使用頻度の違いを色分けで示すだけではなく、例えば、図7Aに示すように、使用頻度の高いパラメータ値(135、140、143)に対応する数値の表示形態を変えた表示情報を表示させることもできる。
また、提示機能354は、例えば、図7Bに示すように、各パラメータ値とそれに対応する代表画像及び線量値を示す表に使用頻度を示すグラフを合わせた表示情報を表示させることもできる。ここで、図7Bにおけるグラフは、縦軸に検査数を示し、横軸にパラメータ値を示す。また、横軸におけるパラメータ値は、グラフの下に示す表における各パラメータ値に対応する。提示機能354は、実際に実施された検査数に応じてグラフに色を付けた表示情報を表示させる。例えば、提示機能354は、検査数に所定の閾値(例えば、検査数:20)を設け、検査数が所定の閾値を超えたパラメータ値(135、140、143)に対応するグラフの色を異なる色に変えて表示させる。
また、提示機能354は、図7Bに示す表示情報を使用頻度順に並べ替えて表示させることもできる。例えば、提示機能354は、図7Cに示すように、検査数が最も多い「パラメータ値:143」を左端に示し、検査数が多い順に左から右に並ぶように、グラフ、パラメータ値、代表画像、線量値の位置を変化させた表示情報をディスプレイ330にて表示させる。
また、提示機能354は、例えば、図7Dに示すように、「代表画像」を画像処理した画像に変更した表示情報を表示させることができる。例えば、提示機能354は、CPR(Curved Planar Reformation)画像や、パーフュージョン画像などの画像を「代表画像」とした表示情報を表示させる。
さらに、提示機能354は、例えば、図7Eに示すように、画像解析に関する情報を含む表示情報を表示させることができる。ここで、図7Eにおけるグラフは、左側の縦軸に「解析精度(%)」を示し、右側の縦軸に「解析時間(sec)」を示し、横軸にパラメータ値を示す。また、横軸におけるパラメータ値は、グラフの下に示す表における各パラメータ値を示す。すなわち、図7Eに示す解析精度及び解析時間のグラフにおける各点は、左から順に「パラメータ値:143」、「パラメータ値:140」、「パラメータ値:135」、「パラメータ値:150」、「パラメータ値:120」に対応する。例えば、提示機能354は、図7Eに示すように、「代表画像」に示す画像の解析(画像処理)に要した時間である解析時間のグラフと、解析の成功率を示す解析精度を示すグラフを示す表示情報をディスプレイ330にて表示させる。
上述したように、提示機能354は、「パラメータ値」と、「代表画像」と、「線量値」とを対応付けた表示情報を提示する。ここで、図6〜図7Eに示す表示情報はあくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。以下、図8A、図8B及び図9を用いて、表示情報の変形例について説明する。図8A、図8B及び図9は、第1の実施形態に係る提示機能354によって表示される表示情報の変形例を示す図である。なお、図8A、図8B及び図9においては、微調整後のKVPのパラメータ値が「160」である場合を例に挙げて説明する。
例えば、提示機能354は、図8Aに示すように、収集機能353によって収集された実績情報におけるパラメータ値の頻度分布を生成し、生成した頻度分布に微調整後のパラメータ値「160」を対応付けた表示情報をディスプレイ330に表示させる。ここで、提示機能354は、図8Aに示すように、収集された実績情報において、「KVP=160」に対応するCT画像と、該CT画像を収集した際の線量値を頻度分布に対応付けた表示情報を表示させる。
ここで、提示機能354は、頻度分布における任意の位置のCT画像と線量値を表示させることができる。例えば、提示機能354は、図8Bに示すように、頻度分布の種々の位置のKVPのパラメータ値に対応するCT画像と線量値を、頻度分布に対応付けた表示情報を表示させる。なお、CT画像と線量値を表示させる位置は、表示情報を観察する観察者(プロトコルを見直す管理者)が任意に指定することができる。例えば、管理者は入力回路320を操作して、最も頻度が高い位置を指定することで、対応するCT画像と線量値を表示させることができる。
上述した表示情報の例では、「パラメータ値」が「KVP」の1つである場合を一例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、複数のパラメータ値に関する表示情報が表示される場合であってもよい。かかる場合には、まず、収集機能353が、実績情報において、第1の関連情報と第2の関連情報との組み合わせに対応する医用画像及び第1の関連情報と第2の関連情報との組み合わせに対応する線量値のうち少なくとも1つを第3の関連情報として収集する。
例えば、取得機能352は、変更後の「KVP」のパラメータ値「160」と、「KVP」の変更に伴って変更された「mA」のパラメータ値「210」を収集する。収集機能353は、「KVP」のパラメータ値「160」と、「mA」のパラメータ値「210」に関連する「実施済みプロトコル」を収集する。すなわち、収集機能353は、「KVP」のパラメータ値「160」に関して、上記した所定の条件に基づく「実施済みプロトコル」と、「mA」のパラメータ値「210」に関して、上記した所定の条件に基づく「実施済みプロトコル」とをそれぞれ収集する。そして、収集機能353は、各パラメータについて収集した「実施済みプロトコル」に対応するCT画像と線量値を収集する。
提示機能354は、「KVP」及び「mA」について、例えば、図9に示す表示情報を生成して、ディスプレイ330にて表示させる。すなわち、提示機能354は、図9に示すように、収集機能353によって収集された「実施済みプロトコル」それぞれの「KVP」及び「mA」について、縦軸に「KVP」を示し、横軸に「mA」を示す分布図を生成する。そして、提示機能354は、変更後の「KVP」のパラメータ値「160」及び「mA」のパラメータ値「210」を分布図に対応付けた表示情報を生成して、ディスプレイ330にて表示させる。さらに、提示機能354は、「実施済みプロトコル」を示す各点にCT画像と線量値を対応付けることもできる。
これにより、管理者は、複数のパラメータを考慮したプロトコルの見直しを実施することができ、見直しの効率をさらに向上させることができる。例えば、管理者は、図9の表示情報を参照して、「KVP」及び「mA」の変更後のプロトコルの位置(図中の直線が交差する位置)から最も近い「実施済みプロトコル」の「KVP」及び「mA」を最適なパラメータ値として選択することができる。或いは、管理者は、分布が密集している「実施済みプロトコル」のいずれかの「KVP」及び「mA」を最適なパラメータ値として選択することができる。なお、図9に示す表示情報はあくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、図6〜図7Eに示す表示情報に、異なるパラメータがさらに対応付けられる場合であってもよい。
以上、処理回路350が有する各処理機能について説明した。ここで、例えば、上述した各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路340に記憶される。処理回路350は、各プログラムを記憶回路340から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路350は、図1に示した各処理機能を有することとなる。
なお、図1では、単一の処理回路350によって各処理機能が実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路350は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路350が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
次に、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300による処理の手順について、図10〜図13を用いて説明する。図10〜図13は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300による処理手順を示すフローチャートである。ここで、図10は、パラメータ値の変更の受付処理について示し、図10におけるステップS101は、例えば、処理回路350が制御機能351に対応するプログラムを記憶回路340から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS102は、例えば、処理回路350が提示機能354に対応するプログラムを記憶回路340から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS103は、例えば、処理回路350が取得機能352に対応するプログラムを記憶回路340から呼び出して実行することにより実現される。
図11は、実績情報の収集処理について示し、図11におけるステップS201〜S207は、例えば、処理回路350が収集機能353に対応するプログラムを記憶回路340から呼び出して実行することにより実現される。図12は、実績情報の収集処理及び表示情報の生成について示し、図12におけるステップS301、S304は、例えば、処理回路350が収集機能353に対応するプログラムを記憶回路340から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS302、303、305は、例えば、処理回路350が提示機能354に対応するプログラムを記憶回路340から呼び出して実行することにより実現される。図13は、表示情報の表示について示し、図13におけるステップS401〜S404は、例えば、処理回路350が提示機能354に対応するプログラムを記憶回路340から呼び出して実行することにより実現される。
例えば、図10に示すように、本実施形態に係る医用情報処理装置300では、まず、入力回路320を介して、処理回路350が、承認するプロトコルの選択を受け付ける(ステップS101)。そして、処理回路350が、選択されたプロトコルのパラメータ値をディスプレイ330に表示させる(ステップS102)。続いて、処理回路350が、入力回路320を介して、パラメータ値の微調整を受け付ける(ステップS103)。
そして、図11に示すように、医用情報処理装置300では、処理回路350が、パラメータ実績情報341にアクセスする(ステップS201)。そして、処理回路350が、対象とする微調整後のパラメータ値を決定して(ステップS202)、パラメータ実績情報341からパラメータ値が合致する実施済みプロトコルを取得する(ステップS203)。続いて、処理回路350が、収集条件をチェックして(ステップS204)、パラメータ実績情報341から収集条件に合致するパラメータ値を持つ実施済みプロトコルを取得する(ステップS205)。
そして、処理回路350が、他の収集条件があるか否かを判定する(ステップS206)。ここで、他の収集条件がある場合には(ステップS206肯定)、処理回路350が、ステップS204に戻って収集条件をチェックする。一方、他の収集条件がない場合には(ステップS206否定)、処理回路350が、微調整後のパラメータ値全てについて、処理が完了したか否かを判定する(ステップS207)。ここで、微調整後のパラメータ値全てについて処理が完了していない場合には(ステップS207否定)、処理回路350が、ステップS202に戻って対象とする微調整後のパラメータ値を決定する。一方、微調整後のパラメータ値全てについて処理が完了した場合には(ステップS207肯定)、処理回路350は、実績情報の収集処理を終了する。
続いて、図12に示すように、医用情報処理装置300では、処理回路350が、実施済みプロトコルの検査IDをキーにして、画像情報342から該当プロトコルで得られたCT画像を取得して(ステップS301)、取得したCT画像から代表画像を決定する(ステップS302)。そして、処理回路350が、収集した実施済みプロトコルと画像データ(代表画像)をマージする(ステップS303)。さらに、処理回路350が、実施済みプロトコルの検査IDをキーにして、線量情報343から該当プロトコルで得られた線量値を取得して(ステップS304)、マージしたプロトコル・画像データと、収集した線量値データとをさらにマージする(ステップS305)。
そして、図13に示すように、医用情報処理装置300では、処理回路350が、マージした情報を読み込み(ステップS401)、表示するUI(User Interface)に読み込んだデータを表示する(ステップS402)。さらに、処理回路350が、表示条件があるか否かを判定する(ステップS403)。ここで、表示条件がある場合には(ステップS403肯定)、処理回路350は、表示条件に従ってデータを更新(表示情報を変化)させ(ステップS404)、パラメータの変更情報を対応付けて表示させる。一方、表示条件がある場合には(ステップS403否定)、処理回路350は、読み込んだデータにパラメータの変更情報を対応付けて表示させる。
上述したように、第1の実施形態によれば、取得機能352は、医用画像の収集条件に含まれる項目の変更を示す変更情報を取得する。収集機能353は、所定の条件に基づいて、医用画像の収集条件として利用された実績を有する実績情報から変更情報に関連する関連情報を収集する。提示機能354は、変更情報を関連情報に対応付けて提示する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、変更されたパラメータ値に関連する関連情報を参照することができ、プロトコルの見直しを効率よく実施することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、収集機能353は、関連情報として、収集条件に含まれる項目の変更後の値に関連する値の情報である第1の関連情報、変更された項目に関連する項目の情報である第2の関連情報、及び、第1の関連情報を収集条件として医用画像を収集した場合の結果の情報である第3の関連情報を収集する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、種々の関連情報を参照させることができ、プロトコルの見直しをより効率よく実施することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、収集機能353は、実績情報において、収集条件に含まれる項目の変更の値と一致する値、変更前の値と一致する値、医用画像の収集回数が最多の値、医用画像の収集時の線量が上限となる場合の値、所定の操作者によって利用される値、医用画像の収集のやり直し回数に基づく値、及び、医用画像に対する画像解析時間に基づく値のうち少なくとも1つを所定の条件として用い、第1の関連情報を収集する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、変更されたパラメータ値について、幅広い関連情報を収集することができ、種々の関連情報を参照させることを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、収集機能353は、実績情報において、第1の関連情報に対応する医用画像及び第1の関連情報に対応する線量値のうち少なくとも1つを第3の関連情報として収集する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、実施済みプロトコルにおける画像と線量値を参照させることができ、プロトコルの見直しに適切な情報を提供することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、収集機能353は、実績情報において、第1の関連情報と第2の関連情報との組み合わせに対応する医用画像及び第1の関連情報と第2の関連情報との組み合わせに対応する線量値のうち少なくとも1つを第3の関連情報として収集する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、複数のパラメータについて複合的な情報を参照させることができ、適切な見直しを実施することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、収集機能353は、実績情報において、第1の関連情報に対応する医用画像及び第1の関連情報に対応する線量値を第3の関連情報として収集する。提示機能354は、第1の関連情報、医用画像及び線量値に対応付けて変更情報を提示する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、実施済みプロトコルにおける画像と線量値を参照させることができ、プロトコルの見直しに適切な情報を提供することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、提示機能354は、第1の関連情報、第2の関連情報及び第3の関連情報のうち少なくとも1つの関連情報について実績情報における傾向を解析し、解析結果をさらに対応付けて提示する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、実施済みプロトコルにおけるパラメータ値がどのような傾向で使用されているか参照させることができ、プロトコルの見直しをより効率よく実施することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、提示機能354は、傾向として、収集条件として利用された利用頻度、医用画像に対する解析における解析精度及び解析時間のうち少なくとも1つを用いる。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、実施済みプロトコルにおけるパラメータ値の使用傾向や、解析に関する情報を参照させることができ、プロトコルの見直しをより効率よく実施することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、収集機能353は、医用画像の画質、造影剤に関する情報、疾病に関する情報、被検体に関する情報、及び、操作ログのうち、少なくとも1つを関連情報としてさらに収集する。提示機能354は、収集機能353によって収集された関連情報をさらに対応付けて提示する。従って、第1の実施形態に係る医用情報処理装置300は、実施済みプロトコルについて種々の情報を参照させることができ、管理者のニーズに合った表示情報を提供することを可能にする。
(第2の実施形態)
さて、これまで第1の実施形態について説明したが、上述した第1の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、パラメータ実績情報341と、画像情報342と、線量情報343とをそれぞれ別々に格納する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、パラメータ実績情報と、画像情報と、線量情報とを対応付けて格納する場合であってもよい。図14は、第2の実施形態に係る記憶回路340に格納される情報の一例を示す図である。例えば、記憶回路340は、図14に示すように、「検査ID」と、「患者ID」と、「承認済みプロトコル」と、「実施済みプロトコル」と、「線量値(DLP)」と、「画像」とを対応付けた情報を記憶する。この場合、制御機能351は、X線CT装置や画像保管装置200から取得した各情報を、例えば、「検査ID」をキーとして、図14に示すように対応付け、記憶回路340に格納する。
また、上述した実施形態では、パラメータ値にCT画像及び線量値を対応付けた表示情報を生成する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、医用画像の画質(定量値)、造影剤に関する情報(例えば、造影剤名、種類、注入量等)、疾病に関する情報、被検体に関する情報(既往歴、副作用情報等)、及び、操作ログが、パラメータ値に対応付けられた表示情報を生成する場合であってもよい。
また、上述した実施形態では、X線CT装置におけるプロトコルのパラメータ値が変更される場合を一例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、MRI装置などの他のモダリティにおける収集条件のパラメータ値が変更される場合であってもよい。この場合、医用情報処理装置300は、パラメータ値が変更されたプロトコルを使用するモダリティから実施済みプロトコルを収集する。
また、上述した実施形態は、医用情報処理装置300が、実績情報を記憶回路340に記憶する場合を一例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、各モダリティの実績情報が外部記憶装置に記憶され、医用情報処理装置300が、プロトコルの見直しの対象となるモダリティの実績情報を取得する場合であってもよい。
また、上述した各実施形態では、プロトコル管理システムを用いてプロトコルの見直しを行う場合を一例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、プロトコル管理システムを用いずにプロトコルの見直しを行う場合であってもよい。
また、上述した実施形態では、医用情報処理装置300にプロトコル管理システムが適用される場合を一例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、プロトコル管理システムが適用された外部装置においてプロトコルの見直しが実施され、医用情報処理装置300が、プロトコルの見直しに関する情報を取得して表示情報を生成し、生成した表示情報を外部装置に送信することで表示情報を管理者に提供する場合であってもよい。
また、上述した各実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路340にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、医用画像の収集条件の見直しを効率よく実施させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。