JP2018000050A - 細胞培養容器 - Google Patents

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Tokihito Tanaka
斎仁 田中
洋子 江尻
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洋子 江尻
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Abstract

【課題】透液性を有する蓋体を用いた細胞培養容器において、スフェロイドをより確実に隔室に閉じ込める。【解決手段】容器本体と、容器本体の内腔に対して出し入れ自在な蓋体15aとを備える細胞培養容器。内腔の底面13には、細胞20aを収容するための複数の凹部21aが配置されている。蓋体15aは、可撓性を有する透液性素材からなる。複数の凹部21aを覆うように内腔に挿入された蓋体15aが培養液に浸漬されている状態において、蓋体15aが底面13に向かって沈降することで、蓋体15aの下面が底面13に追随するように賦形される。【選択図】図2

Description

本発明は細胞培養容器に関する。
引用文献1には、容器本体と、容器本体の内部に配置される蓋体とを備える細胞培養容器が開示されている。係る容器本体の内腔の底面にはマイクロメートルオーダーの凹部が設けられている。凹部は細胞等が培養される隔室(compartment)として機能する。蓋体は、隔室が配置された上記底面を覆うように、容器本体の開口から挿入される。
隔室内で細胞を培養することで、スフェロイドと呼ばれる球状の細胞凝集塊が得られる。隔室の内径の大きさを適切に選択することで、それぞれの隔室に一個ずつスフェロイドを形成するとともに、そのスフェロイドの大きさを制御することができる。
底面には隔室が格子状に多数配置されている。隔室の上面は開口となっており、係る開口からスフェロイドを隔室内外に出し入れすることができる。また上記蓋体が底面を覆うことで、スフェロイドが隔室から飛び出して、他の隔室のスフェロイドに接触することを防止する。このため、各隔室に均一な大きさのスフェロイドを形成することができる。同様の蓋体は特許文献2及び3にも開示されている。
特許文献1に記載の蓋体は、透液性を有している点に特徴がある。係る蓋体は容器本体の内腔に注入された培養液に浸漬される。したがって、培養液は蓋体の上面及び下面の間を自由に循環する。また蓋体に金属製メッシュや板状物を用いているため、蓋体は自重によって撓みにくく、平坦な状態を維持することができる。
特開2015−073520号公報 特開2010−158214号公報 特許第5731704号公報
本発明は、透液性を有する蓋体を用いた細胞培養容器において、スフェロイドまたは細胞をより確実に隔室に閉じ込めることを課題とする。
[1] 容器本体と、前記容器本体の内腔に対して出し入れ自在な蓋体とを備え、前記内腔の底面には細胞を収容するための複数の凹部が配置されており、前記蓋体は可撓性を有する透液性素材からなり、
前記複数の凹部を覆うように前記内腔に挿入された前記蓋体が培養液に浸漬されている状態において、前記蓋体が沈降することで、前記蓋体の下面が前記底面に追随するように前記蓋体の下面が賦形されるとともに、その賦形された形状が保持される、細胞培養容器。
[2] 前記凹部の側面及び底面に内接する仮想的な球の直径が10〜1500μmである、[1]の細胞培養容器。
[3] 前記透液性素材は水に沈む素材であり、前記状態において、前記蓋体の自重により前記蓋体が前記底面に向かって自由に沈降することで、前記蓋体の下面が前記底面に追随するように前記蓋体の下面が賦形されるとともに、その賦形された形状が保持される、[1]又は[2]の細胞培養容器。
[4] 前記容器本体は前記内腔を取り囲む内側面を備え、前記蓋体が培養液に浸漬されている状態において前記蓋体の側面が、前記内側面に接していないことから前記蓋体の沈降を妨げる応力が発生しないこと、又は前記内側面に接していることから前記蓋体の沈降を妨げる応力が発生するものの前記蓋体の重さが前記応力及び前記蓋体に働く浮力に勝ることにより、
前記蓋体の下面が前記底面に追随するように前記底面に接する、[3]の細胞培養容器。
[5] 前記蓋体が培養液に浸漬されている状態において、
前記内腔及び前記蓋体を平面視すると円形であり、前記蓋体の径は前記内腔の径よりも小さい、又は前記内腔及び前記蓋体を平面視すると長方形であり、前記蓋体の縦及び横の寸法はそれぞれ前記内腔の縦及び横の寸法よりも小さい、[1]〜[4]の細胞培養容器。
[6] 前記蓋体の厚みが前記凹部の深さよりも大きく、かつ、前記蓋体の厚みが1〜5mmである、[1]〜[5]の細胞培養容器。
[7] 上蓋をさらに備え、前記上蓋は押さえ部材を備え、前記内腔において前記蓋体の上面が前記押さえ部材で押さえられる、[1]〜[6]の細胞培養容器。
[8] 上蓋をさらに備え、前記内腔は前記容器本体の上部の開口に連通し、前記開口において前記蓋体の上面が前記上蓋の下面で押さえられる、[1]〜[6]の細胞培養容器。
[9] 前記蓋体の上面を押さえる重りをさらに備える、[1]〜[8]の細胞培養容器。
[10] 前記蓋体における前記透液性素材がセルロースからなり、前記セルロースが織物、不織布、又は多孔質を形成している、[1]〜[9]の細胞培養容器。
[11] [1]〜[10]の細胞培養容器内でスフェロイドを製造する方法であって、
前記凹部及び前記内腔の前記底面側の領域に培養液が注入されているとともに、前記凹部に細胞が収容されている前記細胞培養容器において前記複数の凹部を前記蓋体で覆うとともに前記領域の前記培養液に前記蓋体を浸漬し、又は前記凹部に細胞が収容されている前記細胞培養容器において前記複数の凹部を前記蓋体で覆うとともに前記内腔の前記底面側の領域に培養液を注入することで、前記領域の前記培養液に前記蓋体を浸漬し、
前記蓋体を沈降させることにより、前記蓋体の下面を前記底面に追随するように賦形するとともにその賦形された形状を保持することで前記細胞を前記蓋体及び前記凹部で囲まれた隔室内に閉じ込め、前記隔室内で前記細胞を培養してスフェロイドを形成する、スフェロイドを製造する方法。
[12] [1]〜[10]の細胞培養容器内で細胞を維持する方法であって、
前記凹部及び前記内腔の前記底面側の領域に培養液が注入されているとともに、前記凹部に細胞が収容されている前記細胞培養容器において前記複数の凹部を前記蓋体で覆うとともに前記領域の前記培養液に前記蓋体を浸漬し、又は前記凹部に細胞が収容されている前記細胞培養容器において前記複数の凹部を前記蓋体で覆うとともに前記内腔の前記底面側の領域に培養液を注入することで、前記領域の前記培養液に前記蓋体を浸漬し、
前記蓋体を沈降させることにより、前記蓋体の下面を前記底面に追随するように賦形するとともにその賦形された形状を保持することで前記細胞を前記蓋体及び前記凹部で囲まれた隔室内に閉じ込める、細胞を維持する方法。
[13] 前記細胞は、前記隔室内でスフェロイドを形成している、[12]の細胞を維持する方法。
[14] [12]又は[13]の細胞を維持する方法で細胞を維持しながら、前記細胞を搬送する、細胞の搬送方法。
本発明により、透液性を有する蓋体を用いた細胞培養容器において、スフェロイドまたは細胞をより確実に隔室に閉じ込めることができる。
細胞培養容器の断面図である。 底面に接した蓋体の模式図である。 底面の拡大断面図である。 底面上に静置した蓋体の模式図である。 底面に追随するように接しない蓋体の断面図1である。 底面に追随するように接しない蓋体の断面図2である。 蓋体側面及び内側面のテーパの断面図である。 押さえ部材を用いない細胞培養容器の断面図である。 実施例及び参考例に用いた蓋体の像である。 実施例1の細胞培養容器を平面視した時の像である。 実施例1の細胞培養容器を斜め視した時の像である。 実施例1の細胞培養容器に水を注入した時の像である。 参考例1の細胞培養容器を平面視した時の像である。 参考例1の細胞培養容器を斜め視した時の像である。 参考例1の細胞培養容器に水を注入した時の像1である。 参考例1の細胞培養容器に水を注入した時の像2である。 参考例2の細胞培養容器を平面視した時の像である。 参考例2の細胞培養容器を斜め視した時の像である。 参考例2の細胞培養容器に水を注入した時の像である。
以下、簡略のために本発明を図面に従って説明をするが、本発明は図面に図示した態様にとらわれるものではない。
図1には細胞培養容器10の断面が示されている。細胞培養容器10は容器本体11と、蓋体15aとを備える。容器本体11は内腔12を有する。容器本体11は底面13及び内側面14a,bを有する。容器本体11はさらに上部に開口を有する。内腔12は底面13及び内側面14a,b並びに上部の開口に囲まれている。
図1に示す蓋体15aは内腔12に対して挿脱自在である。図中では内腔12の上部は容器本体11の開口となっている。かかる開口は容器本体11の上部に位置する。蓋体15aを出し入れするための開口の位置や大きさや形状は限定されない。開口はくびれていてもよく、また細胞培養容器10の側面に位置していてもよい。
図1に示す蓋体15aは底面13上に配置されている。内腔12の底面13側の領域29には培養液19が注入されている。領域29は底面13に面している。また内腔12には蓋体15aが挿入されている。蓋体15aの全体が内腔12に収容されている。蓋体15aは培養液19に浸漬されている。
図1に示す蓋体15aの自重により蓋体15aは底面13に向かって沈降する。一態様において蓋体15aの自重により蓋体15aは底面13に向かって自由に沈降する。ここで自由に沈降するとは、重力以外の外力によって強制的に沈降させられることが無いことをいう。蓋体15aは大気圧における25℃の水に沈む。また蓋体15aは大気圧における25℃の培養液19に沈む。一態様において大気圧における25℃の培養液の比重は1.00より大きい。一態様において大気圧における25℃の培養液の比重は2.0以下である。大気圧における25℃の培養液の比重は例えば1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8及び1.9のいずれかでもよい。一態様において蓋体15aの比重は培養液の比重よりも大きい。
図1に示す蓋体15aは透液性素材からなる。透液性素材の組成は細胞の培養を妨げないものである限り特に制限されない。例えばセルロースでもよい。セルロースの他には金属、樹脂、ガラス、天然繊維でもよい。また透液性素材は織物、不織布及び多孔質のいずれかでもよい。多孔質はスポンジでもよい。
図2には断面視した底面13が拡大して示されている。底面13には蓋体15aが接している。後述するように蓋体15aは底面13に追随するように接する。底面13には、凹部21aをはじめとする複数の凹部が配置されている。これらの凹部には上述の培養液が注入される。凹部のそれぞれには細胞20aをはじめとする細胞が収容されている。図中の上方から見た時の、すなわち平面視した時、複数の凹部は格子状に配置されていてもよい。
図2に示す底面13におけるこれらの凹部の密度は、例えば、10個/cm〜106個/cmである。係る密度は20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1x103、2x103、3x103、4x103、5x103、6x103、7x103、8x103、9x103、1x104、2x104、3x104、4x104、5x104、6x104、7x104、8x104、9x104、1x105、2x105、3x105、4x105、5x105、6x105、7x105、8x105、及び9x105個/cmとすることができる。
図2に示すマイクロウェル状の凹部21aは、図1に示す容器本体11を成形する際に設けてもよく、成形後に設けてもよい。またスタンパの転写により成形した凹部を有するシートを、係る凹部を有しない容器本体の内腔の底面に貼り付けてもよい。容器本体及びシートは合成樹脂からなるものでもよい。
図2には仮想的な球22が示されている。球22は凹部21aの側面及び底面に内接する。球22の直径は10〜1500μmとしてもよい。球22の大きさが凹部21aの形状及び大きさを定めるための指標となる。また球22は凹部21a内で形成されるスフェロイドの大きさの限界を定めている。
図2に示す球22の直径は20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、600、700、800、900、1000、1200、1300及び1400μmのいずれかとすることができる。
図2に示す凹部21aに囲まれる空間の形状は柱体でも、逆錐台でも、逆錐体でもよい。係る空間を平面視した時の形状は円でも三角形でも、四角形でも、六角形でも、他の多角形でもよい。四角は長方形でもひし形でもよい。長方形は正方形でもよい。凹部21aの底面は平面でも曲面でもよい。底面は下に凸でもよい。係る底面は球面の一部でもよく、逆錐形でも逆錐台でもよい。他の凹部の形状及び大きさは凹部21aと同じでもよく、異なっていてもよい。凹部21aの底部には容器本体11の下面に通じる孔が設けられていてもよい。また凹部21aの底部には孔が無くてもよい。
例えば平面視した時に正方形となる四角柱であれば正方形の一辺の長さは10〜1500μmとしてもよい。また一辺の長さは20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、600、700、800、900、1000、1200、1300及び1400μmのいずれかとすることができる。
図2に示す凹部21aの深さは10〜5000μmとしてもよい。凹部21aの深さは20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、3000及び4000μmのいずれかとすることができる。
図2に示す蓋体15aの厚みは凹部21aの深さよりも大きくしてもよい。水又は培養液に浸漬した時の蓋体15aの厚みは1、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、5、6、7、8、9及び10mmのいずれか以上でもよい。蓋体15aの厚みは1〜5mmとしてもよい。
図3は底面13の構造をさらに拡大して示すための断面図である。底面13の構造の上端面は凹部21aの上部開口24と、凹部21aを区画する壁23の上端とからなる。壁23は細胞培養容器の内腔の底部に設けられた凸部である。底面13は係る上端面と凹部21aとをまとめてなる部分である。底面13は図1に示す通り内腔12の底部である。
図2に戻る。蓋体15aは凹部21aをはじめとする凹部を覆う。このとき、蓋体15aは図1に示したように培養液に浸漬されている。蓋体15aは培養液を吸収することで膨潤していてもよい。
ここで、図2に示す各凹部において蓋体15aが覆う場合には、細胞20aをはじめとする細胞が各凹部からこぼれない程度に、蓋体15aが各凹部と接近していることが好ましい。細胞培養容器を平面視したとき、複数の凹部が形成された領域のうち、このような接近状態で、蓋体15aによって覆われる部分の割合が大きいほど、凹部からの細胞の離脱を抑制できる。係る割合は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がさらにより好ましく、98%以上がさらにより好ましい。最も好ましくは100%である。
本実施形態では図2に示すように蓋体15aの下面は容器本体11の内腔21の底面13に追随するように賦形される。このため、各凹部を区画する壁23の上端と蓋体との距離が0μmとなる箇所、すなわちこれらが接触する箇所があってもよい。
一方で、図2に示す蓋体15aの重さにより、蓋体15aの下面が底面13に押し付けられ続ける。このため蓋体15aの下面の形状が保持される。すなわち細胞培養容器の使用時には、各凹部を区画する壁23の上端と蓋体15aとは接近する。
具体的には図3に示すように壁23の上端と蓋体15aとの間隙Gは、細胞20aが凹部21aからこぼれない程度の大きさに保たれる。このため、当該隙間Gの大きさは100μm以下であれば好ましく、50μm以下であればより好ましく、20μm以下が最も好ましい。蓋体15aが、細胞の配置された凹部を覆う範囲において、当該隙間Gの大きさが上記範囲にあれば良い。
図2に示す底面13を巨視的に見れば平面である。しかしながら、底面13には設計上許容される誤差の範囲で歪みが生じている。図中では左側から順に山と谷が出来ている。係る歪みは巨視的には認識できずとも、細胞の大きさのスケール、すなわちマイクロメートルスケールでは十分に大きく認識され得る。
図2にも示されるように、蓋体15aの自重により蓋体15aは底面13に向かって自由に沈降する。このため、蓋体15aは底面13上に静置される。さらに蓋体15aは可撓性を有する。蓋体15aは培養液を吸収したときに可撓性を呈するものでもよい。
図2に示す蓋体15aが前記底面に沈降することで、前記蓋体の下面が前記底面に追随するように前記蓋体の下面が賦形されるとともに、その形状が保持される。一態様において蓋体15aが自由に沈降することで、蓋体15aの下面は、蓋体15aの重さにより、底面13に追随するように賦形される。一態様において、図2に示す蓋体15aの下面が底面13に追随するように賦形される際、蓋体15aが強制的に押し沈められることで、応力により浮き上がる部分等が生じないものでもよい。
図2に示すように蓋体15aの下面は、上述のマイクロメートルスケールの歪みに追随するように賦形される。また蓋体15aの重さにより、蓋体15aの下面が底面13に押し付けられ続ける。このため蓋体15aの下面の形状が保持される。
図3に示すように蓋体15aの下面は、少なくとも凹部21aの上部開口24を覆う程度に、底面13に追随していればよい。以上により、細胞20aを蓋体15a及び凹部21aで囲まれた隔室26内に閉じ込める。
本実施形態の一態様は、細胞培養容器内で、スフェロイドを製造する方法である。図3に示す細胞20a及び他の細胞を培養することでスフェロイドを形成する。これにより、それぞれの隔室26に一個ずつスフェロイドを形成するとともに、そのスフェロイドの大きさを制御することができる。スフェロイドの大きさを仮想的な球22の大きさでもって、制御してもよい。本明細書においてスフェロイドは球状の細胞凝集塊のことをいう。
本発明において用いる細胞に特に制限は無い。これらの細胞は付着性細胞でもよい。例えば、多能性幹細胞を用いることができる。多能性幹細胞はiPS細胞でもよい。細胞は1個の細胞のみで存在しなくともよい。例えば数個の細胞が互いにくっ付き合っていてもよい。これらの細胞が凝集して、また増殖してスフェロイドを形成してもよい。
本実施形態ではスフェロイドを製造する際にランダムな大きさのスフェロイドが生じることを防止する。したがって生理機能や分化のステージが異なることが防止される。このため細胞培養容器内のスフェロイドは均一性が高い。
図2に示す凹部21a及び他の凹部にスフェロイドが形成された後は蓋体15aを撤去する。これにより、図3に示すような凹部の上部開口24を経由してスフェロイドを隔室26の外に出すことができる。
図4は、底面13上に蓋体25が静置されている様子を模式的に示す。蓋体25は、先に示した蓋体15aと異なり、自重によって撓みにくく、また平坦な状態を維持することができる。
図4に示すように蓋体25と底面13との間には隙間が生じる。係る隙間から細胞20aがこぼれる場合がある。図中では細胞20aは隣の凹部に入り込もうとしている。細胞20b及びcのように他の凹部21b及びcに収容されていた細胞も隣の凹部に移動しようとする。細胞20dは隣の凹部に移動した上で、隣の凹部に収容されていた細胞と結合している。
したがって、特許文献1に記載のような、平坦な状態を維持することができる蓋体25であっても、細胞が隔室からこぼれ出す場合がある。あるいはそもそも隔室を形成できない場合がある。蓋体25を用いた場合、それぞれの隔室に一個ずつスフェロイドを形成することが困難になる。またスフェロイドの大きさを制御することが困難になる。
これに対して、図2に示す蓋体15aは底面13に追随して接する。このため、それぞれの隔室26に細胞を閉じ込めることができる。蓋体15aを用いた場合、それぞれの隔室26に一個ずつスフェロイドを形成することができる。また、そのスフェロイドの大きさを凹部の形状及び大きさに基づき制御することができる。
上記では隔室に細胞を閉じ込めることの作用効果を説明したが、隔室に閉じ込めるのはスフェロイドであってもよい。本実施形態の一態様は、細胞培養容器内で、スフェロイドを維持する方法である。係る方法では図2に示す凹部21aをはじめとする凹部に、細胞20aに換えて、スフェロイドを収容し、スフェロイドを隔室26内に閉じ込める。係る方法ではスフェロイドが隔室26からこぼれにくい。
本実施形態ではスフェロイドを維持する際にランダムな大きさのスフェロイドが生じることを防止する。したがってスフェロイド間で生理機能や分化のステージが異なることが防止される。このため長期間維持された後もスフェロイドの均一性が低下しにくい。
図1に戻る。蓋体15aは端面16a及びbを有する。前記容器本体は前記内腔を取り囲む内側面14a及びbを備える。内側面14a及びbは、図中における内腔12の高さ方向に延在する面である。蓋体15aが培養液19に浸漬されている状態において、端面16aは内腔12の内側面14aに対向する。図に示す断面において蓋体15aの幅は内腔12の幅よりも小さい。また蓋体15aは幅方向に圧縮されているわけでもない。したがって、端面16aは内側面14aに接していない。このため、蓋体15aの沈降を妨げる応力は発生しない。したがって蓋体15aは自由に沈降する。また蓋体15aの下面は底面13に追随するように底面13に接する。
図1に示す蓋体15aが培養液19に浸漬されている状態において、蓋体15aを平面視した時を考える。また底面13の全体にわたって凹部が設けられると考える。このとき蓋体15aの投影面積の、底面13の投影面積に対する割合は、99%以下が好ましく、98%以下がより好ましい。また係る割合は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。当該面積の割合が99%以下であると、上述の蓋体15aの沈降を妨げる応力を回避しやすい。当該面積の割合が85%以上であると、凹部21aをはじめとする複数の凹部を覆いやすい。後述する実施例では直径35mmのウェルに、直径34mmの蓋体を用いている。このためかかる割合を94%とすることができる。ただし、かかる数値は本願発明を限定するものではない。
図5には底面に密着しない蓋体15bの断面が示されている。蓋体15bの側面は内側面14a及びbに対向する。図に示す断面において内腔12に挿入する前の蓋体15bの幅は内腔12の幅よりも大きい。したがって、蓋体15bの両端の側面は所定の圧力を伴って内側面14a及びbに接する。このため蓋体15bの沈降を妨げる応力が発生する。図中では蓋体15bの外縁部は底面13に接しているものの、蓋体15bの中央は浮きあがる。したがって蓋体15bの下面の大部分は、底面13に追随しなくなる。
図6には底面に密着しない蓋体15cの断面が示されている。蓋体15cの側面は内側面14a及びbに対向する。図に示す断面において内腔12に挿入する前の蓋体15cの幅は内腔12の幅よりも大きい。したがって、蓋体15cの両端の側面は所定の圧力を伴って内側面14a及びbに接する。このため蓋体15cの沈降を妨げる応力が発生する。蓋体15cの中央部は底面13に接しているものの、蓋体15cの外縁部は浮きあがる。したがって蓋体15cの下面の大部分は、底面13に追随しなくなる。
図1に戻る。蓋体15aが培養液19に浸漬されている状態において、端面16bは内腔12の内側面14bに対向する。さらに、端面16bは内側面14bに接する。このため、上記蓋体15b及びcと同様に、蓋体15aの沈降を妨げる応力が発生する可能性がある。図中では蓋体15aの重さが係る応力と蓋体に働く浮力との合成力に勝っている。あるいは蓋体15aの重さが端面16b及び内側面14bの間に働く摩擦力と浮力との合成力に勝っている。このため蓋体15aは自由に沈降する。また蓋体15aの下面は底面13に追随するように底面13に接する。
なお図1は例示である。すなわち内側面14aと端面16aとの間に隙間があるのと同様に、その反対側に位置する内側面14bと端面16bとの間に隙間があってもよい。両方に隙間があってもよく、片方に隙間があってもよい。
図7には、蓋体の側面及び内側面に設けたテーパを強調して示している。図の左側に示すように蓋体15dには端面16cに示すテーパを設けてもよい。係るテーパは蓋体15dが上方に向かって細くなるような順テーパである。端面16cにテーパを設けた場合には、これに対向する内側面14cにテーパを設けなくともよい。
また図7の右側に示すように容器本体には内側面14dに示すテーパを設けてもよい。係るテーパは内腔12が上方に向かって広くなるような順テーパである。内側面14dにテーパを設けた場合には、これに対向する端面16dにテーパを設けなくともよい。
図7に示すように蓋体側面及び内側面の傾きを違えることで、上方に向かってそれらの間の間隔が広くなるようにすることが好ましい。これにより蓋体側面と内側面とは底面13の近傍でのみ接することができる。したがって、蓋体側面と内側面との間の摩擦力を低減できる。また蓋体に発生する応力を低減できる。また蓋体の下面を可能な限り拡げ、可能な限り蓋体で底面13を広く覆う場合でも摩擦力及び応力を低減できる。
上記テーパは例えば細胞培養容器を成形した際に、細胞培養容器を型から引き抜くために、内側面に設けられたテーパでもよい。
図1に戻る。細胞培養容器10はさらに上蓋17aを備えてもよい。蓋体15aの全体が内腔12に収容されているため、蓋体15aは上蓋17aに干渉しにくい。上蓋17aは押さえ部材18を備えてもよい。蓋体15aの上面を押さえ部材18で押さえてもよい。押さえ部材18は上蓋17aと一体であってもよく、別体であってもよい。
図1に示す押さえ部材18の材質は制限されない。細胞を健全な状態に保つため、押さえ部材18は、蓋体15aと細胞培養容器外との間の気体の循環を妨げないことが好ましい。
図1に示す押さえ部材18によって、意図しない蓋体15aの浮き上がりを抑制できる。このような浮き上がりは例えば細胞培養容器10の振動時に生じる。細胞培養容器10の振動は、例えば細胞培養容器10を人手で搬送する時や搬送器具を用いて搬送する時に生じる。
図8に示すように押さえ部材を用いずに蓋体15aを押さえてもよい。内腔12は容器本体11の上部に開口を連通している。ここで蓋体15eの厚みは内腔12の高さよりも大きい。したがって任意の部材で図中の上方から蓋体15eを押さえない限り、蓋体15eは開口から突出する。そこで開口において蓋体15eの上面を上蓋17bの下面で押さえる。以上により、意図しない蓋体15eの浮き上がりが抑えられる。
また重りで図1の蓋体15aの上面を押さえてもよい。これにより、意図しない蓋体15aの浮き上がりが抑えられる。
蓋体が重力を受ける場合、上述の押さえ部材や重りにより、蓋体が培養液に沈降しやすくなる。このように蓋体の沈降を補助することで、上述の蓋体に換えて、単独では培養液に沈降しない蓋体を利用することができる。
本発明の細胞培養容器を用いて細胞を培養する場合、上述の通り、図1に示す容器本体11に細胞20aと培養液19を配置した後に蓋体15aを設置しても良い。また、容器本体11に細胞20aを配置した後に蓋体15aと培養液19を設置しても良い。
具体的には、細胞培養容器において、図2に示す凹部21aをはじめとする凹部に細胞が収容されている。また蓋体15aの操作中に、細胞を乾燥させないための最低限度の培養液が凹部に注入されている。ここで複数の凹部を蓋体15aで覆うとともに、底面側の領域29に培養液を注入してもよい。これにより領域29に配置された培養液に蓋体15aを浸漬してもよい。
細胞培養容器は円形又は方形のシャーレでもよい。細胞培養容器は2以上のウェルを有するウェルプレートでもよい。ウェル数は6、12、24、96及び384のいずれかでもよい。
図9の写真は実施例及び参考例に用いた蓋体を示す。蓋体A〜Cは東レ・ファインケミカル社製のセルローススポンジCA107-4Wである。係るセルローススポンジはビスコースをセルロースに戻してなる。係るセルローススポンジには補強用のセルロース繊維が添加されている。
図9に示す蓋体A〜Cを水に浸漬した時の厚みは3mmになる。蓋体Aは実施例1に用いた。蓋体Aは含水時の直径が34mmである。蓋体Bは参考例1に用いた。蓋体Bは含水時の直径が36mmである。蓋体Cは参考例2に用いた。蓋体Cは含水時の直径が40mmである。
図10では、実施例1の細胞培養容器を平面視している。容器本体は標準的な6ウェルプレートである。ウェルの内腔は図1等に示す内腔12に相当する。ウェルの内腔及び蓋体を平面視すると円形である。
図10に示す蓋体Aはウェル内に載置されている。本実施例に示すように蓋体Aは底面上に置かれるだけでその機能を発揮する。したがって蓋体Aの操作は簡便である。ウェルの底面の直径は35mmである。したがって蓋体Aの側面とウェルの内側面との間には隙間が生じている。
図11では、実施例1の細胞培養容器を斜め視している。蓋体Aを浮き上がらせる強い応力の発生は認められない。また蓋体Aの側面とウェルの内側面との間に強い摩擦力の発生は認められない。
図12ではウェル内に水を注入した。蓋体Aは水に浸漬されている。蓋体Aは図1に示す蓋体15aを模している。浮力による蓋体Aの浮き上がりは見られなかった。なお蓋体Aを構成しているセルローススポンジは水に沈むものである。また、ウェルの底面にマイクロメートルオーダーの凹部(マイクロウェル)が設けられていれば、蓋体Aをこれらに接させることができることが分かった。
また図12に示すように、培養液を模している水に蓋体Aが浸漬されている状態において、蓋体Aの径はウェルの内腔の径よりも小さい。このため、蓋体Aの側面とウェルの内側面とは強い圧力を伴う接触をしていない。したがって蓋体A内に強い応力は発生しない。また蓋体Aの側面と容器本体の内側面との間に強い摩擦力は発生しない。
図13では、参考例1の細胞培養容器を平面視している。容器本体は実施例1の容器本体と同一である。蓋体Bはウェル内に載置されている。ウェルの底面の直径は36mmである。
図14では参考例1の細胞培養容器を斜め視している。ウェル内に載置される前の蓋体Bの直径の方がウェルの内径よりも大きい。蓋体Bに可撓性があることから、蓋体Bは歪むことなくウェル内に収容される。また蓋体Bを浮き上がらせる強い応力の発生は認められない。一方、蓋体Bの側面とウェルの内側面との間に生じる摩擦力は、実施例1の蓋体Aのものよりも大きいと推察される。
図15ではウェル内に水を注入した。蓋体Bは水に浸漬されている。蓋体Bは図5に示す蓋体15bを模している。蓋体Bを構成しているセルローススポンジは水に沈むものであるにも拘わらず、蓋体Bの中央部は浮き上がった。
図16では図15に示す蓋体Bを側面視している。培養液を模している水に蓋体Bが浸漬されている状態において、蓋体Bの側面とウェルの内側面とは圧力をもって強く接している。したがって蓋体B内に応力が発生し蓋体Bの中央部が浮き上がったものと推測される。
以上より、ウェルの底面にマイクロメートルオーダーの凹部(マイクロウェル)が設けられていても、蓋体Bの中央部において、蓋体Bをこれらに密着させることができないことが分かった。
なお、特許文献1には蓋体の側面をウェルの内側面に圧接することで、蓋体の下面をウェルの底面に近付けた状態を維持することが記載されている。しかしながら、係る圧接は特許文献1の記載に反して蓋体Bを浮き上がらせることが分かった。
図17では、参考例2の細胞培養容器を平面視している。容器本体は実施例1の容器本体と同一である。ウェルの底面の直径は35mmである。蓋体Cはウェル内に押し込まれている。
図18では参考例2の細胞培養容器を斜め視している。ウェル内に押し込まれる前の蓋体Cの直径の方がウェルの内径よりも著しく大きい。蓋体Cに可撓性はあるものの、ウェル内に収容された蓋体Cには歪みが生じている。また蓋体Cの中央部をウェル底面に押し付ける強い応力の発生が認められる。蓋体Cの側面とウェルの内側面との間に生じる摩擦力は、実施例1の蓋体Aのものよりもはるかに大きいと推察される。この状態からさらに蓋体Cの外縁部をウェル底面に押し付けることは困難であった。
図19ではウェル内に水を注入した。蓋体Cは水に浸漬されている。蓋体Cは図6に示す蓋体15cを模している。蓋体Cは水を含んで重くなっているにも拘わらず、蓋体Cの外縁部は全く沈まなかった。
以上より、ウェルの底面にマイクロメートルオーダーの凹部(マイクロウェル)が設けられていても、蓋体Cの外縁部において、蓋体Cをこれらに密着させることができないことが分かった。
なお、特許文献1には蓋体の側面をウェルの内側面に圧接することで、蓋体の下面をウェルの底面に近付けた状態を維持することが記載されている。しかしながら、係る圧接は特許文献1の記載に反して蓋体Cとウェルの底面との間に大きな隙間を生じる結果となった。
以上よりウェルの内腔に挿入された蓋体が培養液に浸漬されている状態において、蓋体の自重により蓋体がウェルの底面に向かって自由に沈降することが望ましいことが分かった。またこのように蓋体を自由に沈降させた場合でも、前記蓋体の下面が前記底面に追随するように賦形されることを妨げる要因は見いだせなかった。
なお、本発明は上記実施形態又は実施例に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば実施例では円形のウェルを用いたが、ウェルの形状は角形でもよい。例えば、容器本体の内腔及び蓋体を平面視したとき長方形でもよい。
さらに蓋体が培養液に浸漬されている状態において、蓋体の縦及び横の寸法は、それぞれ内腔の縦及び横の寸法よりも小さいことが望ましい。これにより、蓋体の浮き上がりを防ぐことができる。
またウェルを大型化した場合、長方形のウェルは空間の利用効率に優れる。また蓋体を大型化した場合、長方形の蓋体は巻き取りによる操作がしやすい。また蓋体が可撓性を有することから巻取りが可能となる。
図1等では蓋体を完全に培養液中に沈めている。しかしながら、蓋体の上面は培養液の液面から突出していてもよい。係る場合、培養液を交換する際は、ピペットを蓋体の上面に押し当てて培養液を吸い出してもよい。また蓋体の上面に培養液を滴下してもよい。蓋体を構成する材料の比重が、培養液の比重よりも大きい場合は、蓋体の液面から突出した部分の重さで蓋体を底面に向かって沈降させてもよい。
10 細胞培養容器、11 容器本体、12 内腔、13 底面、14a−b 内側面、14c−d 内側面、15a−e 蓋体、16a−d 端面、17a−b 上蓋、18 押さえ部材、19 培養液、20a−d 細胞、21a−b 凹部、22 仮想的な球、23 壁、24 上部開口、25 蓋体、26 隔室、29 領域、A−C 蓋体

Claims (14)

  1. 容器本体と、前記容器本体の内腔に対して出し入れ自在な蓋体とを備え、前記内腔の底面には細胞を収容するための複数の凹部が配置されており、前記蓋体は可撓性を有する透液性素材からなり、
    前記複数の凹部を覆うように前記内腔に挿入された前記蓋体が培養液に浸漬されている状態において、前記蓋体が沈降することで、前記蓋体の下面が前記底面に追随するように前記蓋体の下面が賦形されるとともに、その賦形された形状が保持される、細胞培養容器。
  2. 前記凹部の側面及び底面に内接する仮想的な球の直径が10〜1500μmである、請求項1に記載の細胞培養容器。
  3. 前記透液性素材は水に沈む素材であり、前記状態において、前記蓋体の自重により前記蓋体が前記底面に向かって自由に沈降することで、前記蓋体の下面が前記底面に追随するように前記蓋体の下面が賦形されるとともに、その賦形された形状が保持される、請求項1又は2に記載の細胞培養容器。
  4. 前記容器本体は前記内腔を取り囲む内側面を備え、前記蓋体が培養液に浸漬されている状態において前記蓋体の側面が、前記内側面に接していないことから前記蓋体の沈降を妨げる応力が発生しないこと、又は前記内側面に接していることから前記蓋体の沈降を妨げる応力が発生するものの前記蓋体の重さが前記応力及び前記蓋体に働く浮力に勝ることにより、
    前記蓋体の下面が前記底面に追随するように前記底面に接する、請求項3に記載の細胞培養容器。
  5. 前記蓋体が培養液に浸漬されている状態において、
    前記内腔及び前記蓋体を平面視すると円形であり、前記蓋体の径は前記内腔の径よりも小さい、又は前記内腔及び前記蓋体を平面視すると長方形であり、前記蓋体の縦及び横の寸法はそれぞれ前記内腔の縦及び横の寸法よりも小さい、請求項1〜4のいずれかに記載の細胞培養容器。
  6. 前記蓋体の厚みが前記凹部の深さよりも大きく、かつ、前記蓋体の厚みが1〜5mmである、請求項1〜5のいずれかに記載の細胞培養容器。
  7. 上蓋をさらに備え、前記上蓋は押さえ部材を備え、前記内腔において前記蓋体の上面が前記押さえ部材で押さえられる、請求項1〜6のいずれかに記載の細胞培養容器。
  8. 上蓋をさらに備え、前記内腔は前記容器本体の上部の開口に連通し、前記開口において前記蓋体の上面が前記上蓋の下面で押さえられる、請求項1〜6のいずれかに記載の細胞培養容器。
  9. 前記蓋体の上面を押さえる重りをさらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載の細胞培養容器。
  10. 前記蓋体における前記透液性素材がセルロースからなり、前記セルロースが織物、不織布、又は多孔質を形成している、請求項1〜9のいずれかに記載の細胞培養容器。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の細胞培養容器内でスフェロイドを製造する方法であって、
    前記凹部及び前記内腔の前記底面側の領域に培養液が注入されているとともに、前記凹部に細胞が収容されている前記細胞培養容器において前記複数の凹部を前記蓋体で覆うとともに前記領域の前記培養液に前記蓋体を浸漬し、又は前記凹部に細胞が収容されている前記細胞培養容器において前記複数の凹部を前記蓋体で覆うとともに前記内腔の前記底面側の領域に培養液を注入することで、前記領域の前記培養液に前記蓋体を浸漬し、
    前記蓋体を沈降させることにより、前記蓋体の下面を前記底面に追随するように賦形するとともにその賦形された形状を保持することで前記細胞を前記蓋体及び前記凹部で囲まれた隔室内に閉じ込め、前記隔室内で前記細胞を培養してスフェロイドを形成する、スフェロイドを製造する方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の細胞培養容器内で細胞を維持する方法であって、
    前記凹部及び前記内腔の前記底面側の領域に培養液が注入されているとともに、前記凹部に細胞が収容されている前記細胞培養容器において前記複数の凹部を前記蓋体で覆うとともに前記領域の前記培養液に前記蓋体を浸漬し、又は前記凹部に細胞が収容されている前記細胞培養容器において前記複数の凹部を前記蓋体で覆うとともに前記内腔の前記底面側の領域に培養液を注入することで、前記領域の前記培養液に前記蓋体を浸漬し、
    前記蓋体を沈降させることにより、前記蓋体の下面を前記底面に追随するように賦形するとともにその賦形された形状を保持することで前記細胞を前記蓋体及び前記凹部で囲まれた隔室内に閉じ込める、細胞を維持する方法。
  13. 前記細胞は、前記隔室内でスフェロイドを形成している、請求項12に記載の細胞を維持する方法。
  14. 請求項12又は13に記載の細胞を維持する方法で細胞を維持しながら、前記細胞を搬送する、細胞の搬送方法。
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