JP2017538412A - ヒトc−mafに対する結合メンバー - Google Patents

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Abstract

本開示は、ヒトMafに結合する結合メンバー、特に抗体分子に関する。結合メンバーは、Mafの発現レベルの決定に有用である。本発明は、例えば、配列番号22によってコードされるエピトープに特異的に結合する、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントを提供し、ここで、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、ヒトc−MAFに特異的に結合し、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、および/もしくは配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、および/もしくは配列番号42のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;ならびに/または配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、および/もしくは配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、および/もしくは配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。

Description

配列表への言及
本願と共に出願され、電子的に提出される配列表(「3190_012PC01_SL.txt」、77,454バイト、2015年12月4日に作成)の内容は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
発明の分野
本発明は、ヒトc−MAFに結合する結合メンバー、特に抗体分子に関する。結合メンバーは、c−MAFの定量、c−MAF関連障害の診断および予後診断、ならびにc−MAF関連障害の処置に有用である。
背景
課題
様々な重要な器官において腫瘍細胞と周囲の正常組織との間の込み入った相互作用によって引き起こされる複雑なプロセスである転移は、固形腫瘍を有する患者における、すべてのがんによる死亡の90パーセントを占める。原発性腫瘍に転移を形成させる分子機序および細胞機序は、この生命を脅かす大きな問題に対してよりよく対処するために理解されなければならない。転移遺伝子および機序の同定は、この致命的な状態の基本的な生物学および臨床的な実践に対するその関係の理解にとって不可欠である。以前の研究は、転移プロセスが複雑であるという認識をもたらしたが、それは、転移がどのように、また、なぜ生じるのか、どのような機序が転移を組織特異的なプロセスにするのか、原発性腫瘍の摘出後何年も経過してからどのような事象が休止状態の転移を活性で致命的にするのか、どのような転移媒介性遺伝子が、最終的に、価値のある診断マーカーおよび治療標的になるのかについて説明できなかった。
本発明は、骨転移を予測するマーカーの信頼性のある同定が、がん細胞による骨転移性組織の広がりおよび転移増殖に制限を課すことによって予防的な(preventive)治療上の機会を提供し、致命的な状態を遅延させるまたは変えるという認識、ならびに転移予測マーカーの発現を同定する機序の必要性に基づくものである。したがって、例えば、MAF(真正乳がん骨転移遺伝子)のタンパク質およびmRNAの蓄積は、他の潜在的機序の中でも16q22−24(16q23)増幅または16q23転座によって獲得され得ることが示されている。c−MAFはまた、溶骨性がん骨転移を含むがん骨転移性病変を駆動する原因となる。
1つの実施形態において、本発明は、抗体の使用による遺伝子異常の検出、ならびにこれに基づくがんにおける転移(例えば、骨転移)の予後診断および/または診断に関する。1つの実施形態において、本発明は、原発性腫瘍サンプル中の目的の遺伝子のレベルを決定するための抗体の使用を含む。1つの実施形態において、本発明は、ヒトc−MAFに特異的に結合する結合メンバー(例えば、抗体)に関する。同様に、本発明はまた、がんを有する被験体における個別化治療をデザインするための方法であって、抗体を使用してサンプル中の目的の遺伝子のレベルを決定する工程を含む方法に関する。1つの実施形態において、目的の遺伝子は、MAFである。別の実施形態において、がんは、乳がん、肺がん、前立腺がん、または腎臓がんである。
一態様において、本発明は、配列番号22によってコードされるエピトープに特異的に結合する結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントを対象とする。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、ヒトc−MAFに特異的に結合し、ここで、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、および/もしくは配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、および/もしくは配列番号42のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;ならびに/または配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、および/もしくは配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、および/もしくは配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態において、前記結合メンバーは、抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、ウサギ抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体である。
いくつかの実施形態において、前記結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも80%同一の配列を有するVHドメインを含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも90%同一の配列を有するVHドメインを含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも95%同一の配列を有するVHドメインを含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたは(of)その機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号17のアミノ酸配列を含む配列を有するVHドメインを含む。
いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも80%同一の配列を有するVLドメインを含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも90%同一の配列を有するVLドメインを含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも95%同一の配列を有するVLドメインを含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号21のアミノ酸配列を含む配列を有するVLドメインを含む。
いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも80%同一の重鎖配列を含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖配列を含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも95%同一の重鎖配列を含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号16のアミノ酸配列を含む重鎖配列を含む。
いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも80%同一の軽鎖配列を含む。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖配列を含む。
配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも95%同一の軽鎖配列を含む、請求項18に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖配列を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される任意の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントをコードするポリヌクレオチドを対象とする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、抗原結合分子またはそのフラグメントをコードするポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、抗体である。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一の配列を有するVHドメインを含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一の配列を有するVHドメインをコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一の配列を有するVHドメインをコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号15のヌクレオチド配列と同一の配列を有するVHドメインをコードする。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一の配列を有するVLドメインをコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一の配列を有するVLドメインをコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一の配列を有するVLドメインをコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号20のヌクレオチド配列と同一の配列を有するVLドメインをコードする。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一の配列を有する重鎖をコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一の配列を有する重鎖をコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖をコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号14のヌクレオチド配列と同一の配列を有する重鎖をコードする。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号18のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一の配列を有する軽鎖をコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号18のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一の配列を有する軽鎖をコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号18のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖をコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号18のヌクレオチド配列と同一の配列を有する軽鎖をコードする。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸は、配列番号22に記載されているエピトープに結合する。
いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントは、少なくとも約1.5nMまたはそれ未満の親和性(KD)で、ヒトc−MAFに結合する。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはそのバリアントは、少なくとも約1.2nMまたはそれ未満の親和性(KD)で、ヒトc−MAFに結合する。いくつかの実施形態において、結合メンバーまたはそのバリアントは、少なくとも約1.1nMまたはそれ未満の親和性(KD)で、ヒトc−MAFに結合する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に開示される任意のポリヌクレオチドを含むベクターを対象とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に開示される任意のポリヌクレオチドもしくは本明細書中に開示される任意のベクターを含むか、または本明細書中に開示される任意の結合メンバーを発現する宿主細胞を対象とする。いくつかの実施形態において、本発明は、抗原結合メンバーを生成する方法であって、宿主細胞を培養する工程を含む方法を対象とする。いくつかの実施形態において、本発明は、宿主細胞によって産生された抗原結合メンバーを使用する方法またはc−MAFを検出するための該方法または生成を対象とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号22によってコードされるエピトープへの結合についてINB−1−11−8と競合する結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントを対象とする。
図1は、c−MAFの2つのアイソフォーム(短いアイソフォーム(MAF(短))および長いアイソフォーム(MAF(長)))の比較を示す。
図2は、H.sapiens、P.troglodytes、B.Taurus、M.musculus、R.norvegicus、G.gallus、およびD.rerio由来のc−MAFのアミノ酸配列の比較を示す。
A)Elisaの抗原特異的結合結果。INB−1−11−8を一定の希釈範囲で試験して、抗原結合に関するその特異性を評価した。その結果、抗原親和性は、1:500を超える希釈であっても保持されることが確認された。 B)ウエスタンブロットにより、INB−1−11−8抗体の特異性を試験した。ブロッキング溶液として3%BSAを使用して、該抗体を1:50希釈で使用した。該抗体は、内因性c−MAFアイソフォーム(翻訳後修飾タンパク質を含む)およびその分解型を特異的に認識した。また、それは、組換え発現された長いおよび短いヒトc−MAFアイソフォームおよびマウスc−MAFアイソフォームを特異的に認識した。MCF7およびT47は、ER+乳がん細胞系である。BoM2は、骨転移性MCF7誘導体である。293T細胞は、腎細胞である C)原発性乳がん組織の代表的なc−MAF免疫組織化学画像。左列の画像は、c−MAF陽性腫瘍を表す。右列は、c−MAF陰性腫瘍である。Mafに対するINB−1−11−8抗体で、上の画像を染色した。比較のために、下の画像(Santa Cruz Biotechnology Inc.のM153抗体を用いて取得)を提供する。
図4は、市販のBSAおよびcMaf(Q1)サンプルのSDS−PAGE分析を示す。
図5は、cMaf(Q1)のCFCA分析の例示的なセンサーグラムを示す。
図6は、INB−1−11−8へのc−MAF(Q1)結合の動力学分析を示す。
図7は、INB−1−11−8へのc−MAF(Q1)結合の単一濃度適合(single concentration fit)を示す。
図8は、c−MAF抗体INB−1−11−8の重鎖および軽鎖の配列を示す。
A)IHCスコア。モデル評価:ヒストグラムプロット。 B)感度および特異性のプロット。 C)受信動作曲線(ROC)。
図10は、ベースライン特性二変量分析を示す。
A)無骨転移の確率を示すカプラン・マイヤー曲線。 B)累積骨転移発生率のプロット。
発明の詳細な説明
一般的な用語および表現の定義
本明細書中で使用されるとき、「および/または」は、他のものの有無にかかわらず、指定された2つの特徴または構成要素の各々の具体的な開示としてみなされるべきである。例えば、「Aおよび/またはB」は、各々が本明細書中で個別に記載されているかのように(i)A、(ii)Bならびに(iii)AおよびBの各々の具体的な開示としてみなされるべきである。
本明細書中で使用されるとき、「結合メンバー」は、互いに結合する1組の分子の一方のメンバーを表す。結合ペアのメンバーは、天然由来のものであり得るか、または全体的もしくは部分的に合成で生成されたものであり得る。1組の分子の一方のメンバーは、1組の分子の他方のメンバーに結合し、したがって該他方のメンバーの特定の空間および極性構成に相補的な表面上領域または空洞を有する。結合ペアのタイプの例は、抗原−抗体、受容体−リガンドおよび酵素−基質である。いくつかの実施形態において、結合メンバーは、抗体である。いくつかの実施形態において、結合メンバーは、c−MAF抗原に結合する抗体である。
本明細書中で使用されるとき、「CDR領域」または「CDR」は、Kabatら、(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Edition.US Department of Health and Human Services,Public Service,NIH,Washingtonによって定義される免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の超可変領域を示すことを意図する。抗体は、典型的には、HCDR1、HCDR2、およびHCDR3と称される3つの重鎖CDRならびにLCDR1、LCDR2、およびLCDR3と称される3つの軽鎖CDRを含有する。用語CDR(単数または複数)は、それが認識する抗原またはエピトープに対する抗体の親和性によって、結合に関与するアミノ酸残基のほとんどを含有するこれらの領域のうちの1つまたはこれらの領域のいくつかもしくはさらに全体を示すために本明細書中で使用される。6つのCDR配列の中では、重鎖の第3のCDR(HCDR3)は、生殖系列免疫グロブリン重鎖遺伝子座のV、D、およびJ遺伝子セグメントのV(D)J再構成として当技術分野で公知の機序に本質的に起因して、最大規模の可変性(すなわち、より大きな多様性)を有する。HCDR3は、2アミノ酸ほどの短いものであり得るか、もしくは26アミノ酸ほどの長いものであり得るか、またはこれら2つの両極端の間の任意の長さを有し得る。CDRの長さはまた、特定の基礎フレームワークによって適合され得る長さにしたがって変動し得る。機能的には、HCDR3は、抗体の特異性の決定において重要な役割を果たし得る(Segalら、(1974)Proc Natl Acad Sci USA.71(11):4298−302;Amitら、(1986)Science 233(4765):747−53;Chothiaら、(1987)J.Mol.Biol.196(4):901−17;Chothiaら、(1989)Nature 342(6252):877−83;Catonら、(1990)J.Immunol.144(5):1965−8;Sharon(1990a)PNAS USA.87(12):4814−7,Sharon(1990b)J.Immunol.144:4863−4869,Kabatら、(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Edition.US Department of Health and Human Services,Public Service,NIH,Washington)。
本明細書中で使用されるとき、「抗体(antibody)」、「抗体分子」または「抗体(antibodies)」は、天然に産生されるかまたは部分的もしくは全体的に合成で生成されるかにかかわらず、免疫グロブリンを表す。該用語はまた、抗体の抗原結合部位(antibody antigen−binding site)を含む任意のポリペプチドまたはタンパク質を包含する。本発明は、天然形態の抗体に関するものではない(言い換えれば、それらは、それらの天然環境中にないが、それらは、天然供給源から精製によって単離もしくは取得され得るか、または遺伝子組換えによってもしくは化学合成によって取得され得る)こと、およびしたがってそれらは、天然に存在しないアミノ酸を含有し得ることを本明細書で理解すべきである。抗体の抗原結合部位を含む抗体フラグメントとしては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fab’−SH、scFv、Fv、dAb、およびFdなどの分子が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Fab2、Fab3、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、キャメルボディ、ナノボディおよびミニボディを含む、1またはそれより多くの抗体の抗原結合部位を含む様々な他の抗体分子が工学的に作製されている。抗体分子ならびにそれらの構築および使用のための方法は、Hollinger&Hudson(2005)Nature Biot.23(9):1126−1136に記載されている。
本明細書中で使用されるとき、「抗体分子」は、抗原に対する必要な特異性および/または結合性を有する抗体の抗原結合部位を有する任意の結合メンバーまたは物質を包含すると解釈されるべきである。したがって、この用語は、天然または全体的にもしくは部分的に合成であるかにかかわらず、抗体の抗原結合部位を含む任意のポリペプチドを含む機能的抗体フラグメントおよび誘導体を包含する。したがって、(例えば、別の種に由来し、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する)別のポリペプチドに融合されている、抗体の抗原結合部位を含むキメラ分子または等価物が含まれる。キメラ抗体のクローニングおよび発現は、例えば、欧州特許出願公開第0120694A号(Bossら)および欧州特許出願公開第0125023A号(Cabillyら)(これらは、その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されている。
本明細書中で使用されるとき、例えば本発明の結合メンバーの「機能的フラグメントまたはバリアント」は、完全な結合メンバーの少なくともいくつかの機能(例えば、Mafなどの抗原に特異的に結合する能力)を保持する結合メンバーのフラグメントまたはバリアントを意味する。
本明細書中で使用されるとき、用語「遺伝子の増幅」とは、遺伝子または遺伝子フラグメントの様々なコピーが、個別の細胞または細胞系において形成されるプロセスのことを指す。その遺伝子のコピーは、必ずしも同じ染色体に位置するとは限らない。その重複領域は、「アンプリコン」と呼ばれることが多い。通常は、生成されるmRNAの量、すなわち、遺伝子発現レベルは、特定の遺伝子のコピー数に比例して増加する。
本明細書中で使用されるとき、「MAF遺伝子」、「Maf」、「c−MAF」または「c−Maf」(MafまたはMGC71685としても知られるv−Maf筋腱膜線維肉腫癌遺伝子ホモログ(鳥類))は、ホモ二量体またはヘテロ二量体のように作用するロイシンジッパーを含む転写因子である。DNA結合部位に応じて、コードされるタンパク質は、転写活性化因子または転写抑制因子であり得る。MAFをコードするDNA配列は、アクセッション番号NG_016440(配列番号1)(コード)としてNCBIデータベースに記載されている。MAFのゲノム配列は、配列番号13に示されている。本発明の方法は、コード配列またはゲノムDNA配列のいずれかを利用し得る。上記DNA配列からは2つのメッセンジャーRNAが転写され、その各々が、2つのc−MAFタンパク質アイソフォーム、αアイソフォームおよびβアイソフォームのうちの1つを生じる。上記アイソフォームの各々に対する相補DNA配列は、それぞれ、アクセッション番号NM_005360.4(配列番号2)およびNM_001031804.2(配列番号3)としてNCBIデータベースに記載されている。c−MAFのアイソフォームに関するさらなる情報は、Eycheneら、NRC 8:683−693(2008)(その全体が参照により本明細書中に援用される)に見出すことができる。いくつかの実施形態において、本発明は、一般に、がん(例えば、国際特許出願第PCT/IB2013/001204号および国際特許出願第PCT/ES2011/070693号ならびに米国特許出願第13/878,114号および米国特許出願第13/878,114号(トリプルネガティブ乳がんおよびER+乳がん)、国際特許出願第PCT/US2014/026154号(腎細胞癌)、国際特許出願第PCT/US2014/028722号(乳がん)、国際特許出願第PCT/US2013/044584号(肺がん)、米国特許出願第14/050,262号および国際特許出願第PCT/IB2013/002866号(前立腺がん)、国際特許出願第PCT/US2014/059506号(HER2+乳がん)、米国特許出願第14/213,670号および国際特許出願第PCT/US2014/028569号(転移性がん)(各々、その全体が参照により本明細書中に援用される))の予後を予測するためのc−MAF遺伝子の使用を対象とする。
本発明の文脈において、「c−MAFタンパク質の機能的に等価なバリアント」は、(i)アミノ酸残基の1つまたは複数が、保存されたまたは保存されていないアミノ酸残基(好ましくは、保存されたアミノ酸残基)によって置換された、c−MAFタンパク質(配列番号4または配列番号5)のバリアント(ここで、そのような置換されたアミノ酸残基は、遺伝暗号によってコードされるアミノ酸残基であってもよいし、そうでなくてもよい)または(ii)1つまたは複数のアミノ酸の挿入または欠失を含みかつc−MAFタンパク質と同じ機能を有する、すなわち、DNA結合転写因子として作用するバリアントと理解される。c−MAFタンパク質のバリアントは、国際特許出願公開WO2005/046731(その全体が参照により本明細書中に援用される)に示されているような、c−MAFがインビトロにおける細胞増殖を促進する能力に基づく方法、WO2008/098351(その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されているような、c−MAFを発現する細胞においてサイクリンD2プロモーターまたはc−MAF応答領域(MAREまたはc−MAF応答エレメント)を含むプロモーターの支配下のレポーター遺伝子の転写能力をインヒビターまたは試験化合物が阻止する能力に基づく方法を用いて同定され得る。c−MAFのバリアントはまた、US2009/048117A(その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されているような、NFATc2およびc−MAFを発現する細胞においてPMA/イオノマイシンによる刺激に応答してIL−4プロモーターの支配下のレポーター遺伝子の発現をいわゆるインヒビターが阻止する能力に基づく方法を用いて同定され得る。
本発明に係るc−MAFバリアントは、好ましくは、いずれかのc−MAFタンパク質アイソフォーム(配列番号4または配列番号5)のアミノ酸配列と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%の配列類似性を有する。バリアントと先に定義された特定のc−MAFタンパク質配列との間の類似性の程度は、当業者に広く公知のアルゴリズムおよびコンピュータプロセスを用いて決定される。2つのアミノ酸配列間の類似度は、好ましくは、BLASTPアルゴリズム[BLAST Manual,Altschul,S.ら、NCBI NLM NIH Bethesda,Md.20894,Altschul,S.ら、J.Mol.Biol.215:403−410(1990)]を用いて決定される。
本明細書中で使用されるとき、ラパマイシンの哺乳動物における標的(mTOR)または「mTor」とは、EC 2.7.11.1に相当するタンパク質のことを指す。mTor酵素は、セリン/トレオニンタンパク質キナーゼであり、細胞増殖、細胞運動性、細胞成長、細胞生存および転写を制御する。
本明細書中で使用されるとき、「mTorインヒビター」とは、mTor遺伝子の発現を完全にまたは部分的に阻害することができる(上記遺伝子の発現産物の生成を妨げること(mTor遺伝子の転写を妨害することおよび/またはmTor遺伝子発現に由来するmRNAの翻訳を阻止すること)およびmTorタンパク質活性を直接阻害することの両方による)任意の分子のことを指す。二重またはそれより多くの標的およびその中でもmTorタンパク質活性を有するインヒビターを含む。
本明細書中で使用されるとき、「Src」とは、EC 2.7.10.2に相当するタンパク質のことを指す。Srcは、非レセプターチロシンキナーゼおよび癌原遺伝子である。Srcは、細胞成長および胚発生において役割を果たし得る。
本明細書中で使用されるとき、「Srcインヒビター」とは、Src遺伝子の発現を完全にまたは部分的に阻害することができる(上記遺伝子の発現産物の生成を妨げること(Src遺伝子の転写を妨害することおよび/またはSrc遺伝子発現に由来するmRNAの翻訳を阻止すること)およびSrcタンパク質活性を直接阻害することの両方による)任意の分子のことを指す。
本明細書中で使用されるとき、「プロスタグランジン−エンドペルオキシドシンターゼ2」、「シクロオキシゲナーゼ−2」または「COX−2」とは、EC 1.14.99.1に相当するタンパク質のことを指す。COX−2は、アラキドン酸からのプロスタグランジンエンドペルオキシドH2への変換に関与する。
本明細書中で使用されるとき、「COX−2インヒビター」とは、COX−2遺伝子の発現を完全にまたは部分的に阻害することができる(上記遺伝子の発現産物の生成を妨げること(COX−2遺伝子の転写を妨害することおよび/またはCOX−2遺伝子発現に由来するmRNAの翻訳を阻止すること)およびCOX−2タンパク質活性を直接阻害することの両方による)任意の分子のことを指す。
本明細書中で使用されるとき、「転帰」または「臨床転帰」とは、結果として生じる疾患の経過および/または疾患の進行のことを指し、例えば、再発、再発までの期間、転移、転移までの期間、転移の数、転移の部位の数および/または疾患に起因する死亡によって特徴付けられ得る。例えば、良好な臨床転帰としては、治癒、再発の予防、転移の予防および/または一定の期間内の生存(再発なし)が挙げられ、不良な臨床転帰としては、疾患の進行、転移および/または一定の期間内の死亡が挙げられる。
本明細書中で使用されるとき、遺伝子の「発現レベル」という用語は、被験体のサンプル中の遺伝子によって生成される遺伝子産物の測定可能な量のことを指し、ここで、その遺伝子産物は、転写産物または翻訳産物であり得る。したがって、発現レベルは、核酸遺伝子産物(例えば、mRNAまたはcDNA)またはポリペプチド遺伝子産物に関係し得る。発現レベルは、被験体のサンプルおよび/または参照サンプル(複数可)から得られ、例えば、新規に検出され得るか、または以前の測定(previous determination)に対応し得る。発現レベルは、例えば、当業者に公知であるような、マイクロアレイ法、PCR法(例えば、qPCR)および/または抗体ベースの方法を用いて、決定され得るかまたは測定され得る。いくつかの実施形態において、c−MAFの発現レベルは、本明細書中に開示される抗体を使用して測定される。
本明細書中で使用されるとき、用語「遺伝子コピー数」とは、細胞における核酸分子のコピー数のことを指す。遺伝子コピー数は、細胞のゲノム(染色体)DNAにおける遺伝子コピー数を含む。正常な細胞(非腫瘍細胞)では、遺伝子コピー数は、通常、2コピー(染色体対の各メンバーにおいて1コピー)である。遺伝子コピー数は、時折、細胞集団のサンプルから採取された遺伝子コピー数の半数を含む。
「上昇した発現レベル」は、それが参照サンプルまたはコントロールサンプルにおけるMAF遺伝子のレベルよりも高いMAF遺伝子のレベルのことを指すときの発現レベルと理解される。上昇したレベルは、ある遺伝子または16q23もしくは16q22−24染色体遺伝子座の増幅または転座によって、他の機序を排除せずに引き起こされ得る。特に、患者から単離されたサンプル中の発現レベルが、参照またはコントロールと比較して、少なくとも約1.1倍、約1.5倍、約5倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍またはなおもそれより高いとき、サンプルは、高いc−MAF発現レベルを有すると考えられ得る。
「プローブ」は、本明細書中で使用されるとき、目的の特定の核酸配列に相補的なオリゴヌクレオチド配列のことを指す。いくつかの実施形態において、プローブは、転座を起こすと知られている染色体の領域に特異的であり得る。いくつかの実施形態において、プローブは、特異的な標識またはタグを有する。いくつかの実施形態において、タグは、フルオロフォアである。いくつかの実施形態において、プローブは、その標識が核酸およびタンパク質への白金の安定な配位結合(coordinative binding)に基づくDNAインサイチュハイブリダイゼーションプローブである。いくつかの実施形態において、プローブは、米国特許出願第12/067532号および米国特許出願第12/181,399号(これらの全体が参照により援用される)に記載されているか、またはSwennenhuisら、「Construction of repeat−free fluorescence in situ hybridization probes」Nucleic Acids Research 40(3):e20(2012)に記載されている。
「タグ」または「標識」は、本明細書中で使用されるとき、プローブまたはプローブの位置を可視化するか、マークするか、または別途捕捉することを可能にする、プローブと直接または間接的に会合されている任意の物理的な分子のことを指す。
「転座」は、本明細書中で使用されるとき、等しくない量または等しい量で、染色体間で染色体材料を交換することを指す。場合によっては、転座は、同じ染色体上で起きる。場合によっては、転座は、異なる染色体間で起きる。転座は、乳がんおよび白血病を含む多くのタイプのがんにおいて高頻度で生じる。転座は、一次相互転座またはより複雑な二次転座であり得る。多くのがんの起因事象を構成すると考えられている免疫グロブリン(immunoglobin)重鎖(IgH)遺伝子座が関わる一次転座がいくつかある(Eychene,A.,Rocques,N.,and Puoponnot,C.,A new MAFia in cancer. 2008. Nature Reviews:Cancer.8:683−693)。
「倍数体」または「倍数性」は、本明細書中で使用されるとき、細胞が、2より多いコピーの目的の遺伝子を含むことを示す。場合によっては、目的の遺伝子は、MAFである。いくつかの実施形態において、倍数性は、目的の遺伝子の発現の蓄積に関連する。いくつかの実施形態において、倍数性は、ゲノム不安定性に関連する。いくつかの実施形態において、ゲノム不安定性は、染色体転座に至り得る。
「ホールゲノムシーケンシング」は、本明細書中で使用されるとき、生物のゲノム全体が1回で配列決定されるプロセスである。例えば、Ng.,P.C.and Kirkness,E.F.,Whole Genome Sequencing. 2010. Methods in Molecular Biology. 628:215−226を参照のこと。
「エクソームシーケンシング」は、本明細書中で使用されるとき、生物のDNAのコード領域全体が配列決定されるプロセスである。エクソームシーケンシングでは、mRNAが配列決定される。ゲノムの非翻訳領域は、エクソームシーケンシングに含められない。例えば、Choi,Mら、Genetic diagnosis by whole exome capture and massively parallel DNA sequencing.2009. PNAS. 106(45):19096−19101を参照のこと。
「転移」は、本明細書中で使用されるとき、最初にがんが生じた器官から異なる器官へのがんの伝播として理解されている。転移は、通常、血液またはリンパ系を通じて起きる。がん細胞が広がって、新しい腫瘍を形成するとき、後者は、二次性腫瘍または転移性腫瘍と呼ばれる。二次性腫瘍を形成しているがん細胞は、元の腫瘍のがん細胞に似ている。乳がんが、例えば、肺に広がる(転移する)場合、二次性腫瘍は、悪性の乳がん細胞から形成される。その肺における疾患は、転移性乳がんであって、肺がんではない。
「予測する」は、本明細書中で使用されるとき、がんに罹患している被験体が遠隔器官への転移を起こす確度の決定のことを指す。本明細書中で使用されるとき、「予後良好」は、被験体が、一定期間内において生存するおよび/または再発もしくは遠隔転移を有しないかもしくはそれを有するリスクが低いと予想される(例えば、予測される)ことを示す。用語「低い」は、相対的な用語であり、本願の文脈において、臨床転帰(再発、遠隔転移など)に関して「低」発現グループのリスクのことを指す。「低」リスクは、不均一ながん患者集団についての平均リスクより低いリスクと考えられ得る。Paikら(2004)の研究では、再発の全体的な「低」リスクは、15パーセントより低いと考えられた。そのリスクはまた、期間に応じて変動する。その期間は、がんの最初の診断の後または予後診断が行われた後の、例えば、5年、10年、15年またはなおも20年であり得る。
本明細書中で使用されるとき、「予後不良」は、被験体が、一定期間内において生存しないおよび/または再発もしくは遠隔転移を有するかもしくはそれを有するリスクが高いと予想される、例えば、予測されることを示す。用語「高い」は、相対的な用語であり、本願の文脈において、臨床転帰(再発、遠隔転移など)に関して「高」発現グループのリスクのことを指す。「高」リスクは、不均一ながん患者集団についての平均リスクより高いリスクと考えられ得る。Paikら(2004)の研究では、再発の全体的な「高」リスクは、15パーセントより高いと考えられた。そのリスクはまた、期間に応じて変動する。その期間は、がんの最初の診断のまたは予後診断が行われた後の、例えば、5年、10年、15年またはなおも20年であり得る。
「参照値」は、本明細書中で使用されるとき、患者または患者から回収されたサンプルの検査室検査によって得られた値/データに対する参照として使用される検査値のことを指す。参照値または参照レベルは、絶対値;相対値;上限および/もしくは下限を有する値;一連の値;平均値(average value);中央値、平均値(mean value)、または特定のコントロール値もしくはベースライン値と比較される値であり得る。参照値は、例えば、試験されている被験体からのサンプルから得られた値などの個別のサンプル値に基づき得るが、より早い時点における値に基づき得る。参照値は、多数のサンプル(例えば、暦年齢が一致する群の被験体の集団由来)に基づいてもよいし、試験されるべきサンプルを含むまたは除外したサンプルのプールに基づいてもよい。
本明細書中で使用されるとき、「被験体」または「患者」は、哺乳動物として分類されるすべての動物のことを指し、それらとしては、家庭動物および農場動物、霊長類およびヒト、例えば、人間、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコまたはげっ歯類が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、被験体は、任意の年齢または人種のヒトの男性または女性である。
用語「処置」は、本明細書中で使用されるとき、本明細書中に記載されるような臨床状態を終結させるか、予防する(preventing)か、回復させるか、またはその臨床状態への罹患性を低下させることを目指す任意のタイプの治療のことを指す。好ましい実施形態において、処置という用語は、本明細書中で定義されるような障害または状態の予防的(prophylactic)処置(すなわち、臨床状態への罹患性を低下させる治療)に関する。したがって、「処置」、「処置する」およびそれらの等価な用語は、ヒトを含む哺乳動物において、病理学的な状態または障害の任意の処置を包含する、所望の薬理学的効果または生理学的効果を得ることを指す。その効果は、障害もしくはその徴候を完全にもしくは部分的に予防することに関して予防的であり得、かつ/または障害および/もしくはその障害に起因し得る有害作用に対する部分的もしくは完全な治癒に関して治療的であり得る。すなわち、「処置」は、(1)被験体において障害が生じることもしくは再発することを予防すること、(2)障害を阻害すること、例えば、その発達を停止すること、(3)例えば、失った機能、欠損した機能もしくは欠陥のある機能を再建するかもしくは修復するか、または非効率なプロセスを刺激することによって、宿主が障害もしくはその徴候にもはや罹患していないように、障害もしくはそれに関連する少なくとも徴候を停止することもしくは終結させること(例えば、障害またはその徴候の後退を引き起こすこと)、または(4)障害もしくはそれに関連する徴候を軽減すること、緩和すること、もしくは回復させること(ここで、回復させることとは、少なくとも、パラメータ(例えば、炎症、疼痛または免疫不全)の大きさの減少のことを指すために広い意味において使用される)を含む。いくつかの実施形態において、処置は、骨分解を予防することである。いくつかの実施形態において、処置は、国際特許出願第PCT/IB2013/001204号、米国仮特許出願第61/801,769号、米国仮特許出願第61/801,642号、米国仮特許出願第61/801,718号、国際特許出願第PCT/US2013/044584号、米国仮特許出願第61/713,318号および国際特許出願第PCT/US2014/059506号(その全体が参照により本明細書中に援用される)で開示または考察されている任意の処置である。
本明細書中で使用されるとき、「サンプル」または「生物学的サンプル」は、被験体から単離された生物学的材料を意味する。生物学的サンプルは、c−MAF遺伝子の発現レベルの決定に適した任意の生物学的材料を含み得る。サンプルは、任意の好適な生物学的組織または体液(例えば、腫瘍組織、血液、血漿、血清、尿または脳脊髄液(CSF)など)から単離され得る。
「腫瘍組織サンプル」は、原発性がん腫瘍を起源とする組織サンプルと理解される。上記サンプルは、従来の方法、例えば、関連する医学的技術の当業者に周知の方法を用いる生検によって、得ることができる。
「溶骨性骨転移」とは、腫瘍細胞による破骨細胞活性の刺激に起因する骨吸収(骨密度の進行性消失)が、転移の近くにおいて生じる転移のタイプのことを指し、重篤な疼痛、病理学的骨折、高カルシウム血症、脊髄圧迫、および神経圧迫に起因する他の症候群を特徴とする。
結合メンバー
結合メンバーは、通常、結合部位を有する分子を含む。例えば、結合メンバーは、結合部位を含む抗体分子または非抗体タンパク質であり得る。結合部位は、CDRを抗体フレームワーク領域上および/もしくは非抗体タンパク質足場(scaffold)(例えば、フィブロネクチンまたはシトクロムBなど)上に配置することによって(Haan&Maggos(2004)BioCentury,12(5):A1−A6;Koideら、(1998)J.Mol.Biol.284:1141−1151;Nygrenら、(1997)Curr.Op.Struct.Biol.7:463−469)、またはタンパク質足場内のループのアミノ酸残基をランダム化もしくは変異させて所望の標的への結合特異性を付与することによって提供され得る。タンパク質中の新規結合部位を操作するための足場は、Nygrenら(前記)によって詳細に概説されている。抗体模倣物のためのタンパク質足場は、国際特許出願公開第WO00/034784A1号(Lipovsek)に開示されており、その中で、本発明者らは、少なくとも1つのランダム化ループを有するフィブロネクチンIII型ドメインを含むタンパク質(抗体模倣物)を記載している。1またはそれより多くのCDR(例えば、HCDRのセット)を移植するための適切な足場は、免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーの任意のドメインメンバーによって提供され得る。足場は、ヒトまたは非ヒトタンパク質であり得る。非抗体タンパク質足場の利点は、それが、少なくともいくつかの抗体分子よりも小さなおよび/または製造容易な足場分子中の抗原結合部位を提供し得ることである。小さなサイズの結合メンバーは、有用な生理学的特性、例えば細胞に侵入する能力、組織に深く浸透する能力、または他の構造内の標的に到達する能力、または標的抗原のタンパク質空洞内に結合する能力を付与し得る。非抗体タンパク質足場中の抗原結合部位の使用は、Wess,(2004)In:BioCentury,The Bernstein Report on BioBusiness,12(42),A1−A7で概説されている。典型的なものは、安定な主鎖(backbone)および1またはそれより多くの可変ループを有するタンパク質であって、標的に結合する抗原結合部位を作り出すように、1つまたは複数のループのアミノ酸配列(複数可)が特異的にまたはランダムに変異されているタンパク質である。このようなタンパク質としては、S.aureus由来のプロテインAのIgG結合ドメイン、トランスフェリン、テトラネクチン、フィブロネクチン、リポカリンならびにガンマ結晶および他のAffilin(商標)足場(Scil Proteins)が挙げられる。
他のアプローチの例としては、分子内ジスルフィド結合を有する小タンパク質であるサイクロチド(cyclotide)に基づく合成「マイクロボディ」、マイクロタンパク質(Versabodies(商標),Amunix)およびアンキリンリピートタンパク質(DARPins,Molecular Partners)が挙げられる。
抗体配列および/または抗原結合部位に加えて、本発明による結合メンバーは、例えば、ペプチドもしくはポリペプチド(例えば、折り畳まれたドメイン)を形成し、または抗原に結合する能力に加えて別の機能的特性を分子に付与する他のアミノ酸を含み得る。本発明の結合メンバーは、検出可能な標識を保有し得るか、または(例えば、ペプチジル結合またはリンカーを介して)毒素もしくは標的化部分もしくは酵素に結合体化され得る。例えば、結合メンバーは、(例えば、酵素ドメイン中の)触媒部位および抗原結合部位を含み得、ここで、抗原結合部位は抗原に結合して、触媒部位を抗原に向かわせる。触媒部位は、例えば切断によって、抗原の生物学的機能を阻害し得る。
いくつかの実施形態において、結合メンバーは、抗体である。上記のように、抗体のCDRは、非抗体足場によって保有され得るが、本発明のCDRまたはCDRのセットを保有するための構造は、該CDRまたはCDRのセットが、再構成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされる天然に存在するVおよびV抗体可変ドメインのCDRまたはCDRのセットに対応する位置に配置されている抗体重鎖配列もしくは抗体軽鎖配列またはその実質的な部分であることが多い。免疫グロブリン可変ドメインの構造および位置は、Kabatら(1991)(前記)およびその改訂版を参照することによって決定され得る。このデータベースにクエリーを行うために、いくつかの学術的および商業的なオンラインリソースが利用可能である。例えば、Martin,(1996)PROTEINS:Structure,Function and Genetics,25:130−133および関連するオンラインリソース(現在のウェブアドレスhttp://www.bioinf.org.uk/abs/simkab.html)を参照のこと。
モノクローナル抗体および他の抗体を利用し、組換えDNAテクノロジーの技術を使用して、標的抗原に結合する他の抗体またはキメラ分子を生成することが可能である。かかる技術は、抗体の免疫グロブリン可変領域またはCDRをコードするDNAを、異なる免疫グロブリンの定常領域に、または定常領域およびフレームワーク領域に導入することに関与し得る。例えば、欧州特許出願公開第EP0184187A号(Kudoら)または欧州特許出願公開第EP0239400A号(Winter)を参照のこと。抗体を産生するハイブリドーマまたは他の細胞は、遺伝子変異または他の変化(これは、産生される抗体の結合特異性を変化させてもよいし、または変化させなくてもよい)に供され得る。
抗体工学の技術分野で利用可能なさらなる技術は、ヒト抗体およびヒト化抗体を単離することを可能にした。例えば、ヒトハイブリドーマは、Kontermann&Dubel(2001)Antibody Engineering,Springer−Verlag New York,LLC;ISBN:3540413545に記載されているように作製され得る。ファージディスプレイ(結合メンバーを生成するための別の確立された技術)は、Kontermann&Dubel(前記)および国際特許出願公開第WO92/01047A1号(McCaffertyら)などの多くの刊行物に詳細に記載されている。
マウス免疫系のインタクトな別の構成要素を残しながら、マウス抗体遺伝子が不活性化され、ヒト抗体遺伝子で機能的に置き換えられているトランスジェニックマウスは、ヒト抗体を単離するために使用され得る(Mendezら、(1997)Nature Genet.15(2):146−156)。あるいは、Grawunder&Melchers(国際特許出願公開第WO03/068819A1号)によって記載されている方法は、異種抗体または結合タンパク質の生成のために、遺伝子改変脊椎動物前駆体リンパ球を生成するために使用され得る。いくつかの実施形態において、抗体を生成するために、ウサギが使用される。いくつかの実施形態において、抗体は、ハイブリドーマ上清、組換え抗体一過性発現方法、または組換え抗体安定細胞系開発および産生方法を使用して生成される。いくつかの実施形態において、抗体は、場合により、プロテインAを用いて精製される。ヒト化抗体は、当技術分野で公知の技術、例えば国際特許出願公開第WO91/09967A1号(Adairら)に開示されているものなどを使用して生成され得る。さらに、国際特許出願公開第WO04/006955A1号(Foote)には、非ヒト抗体の可変領域のCDR配列についての標準的なCDR構造型を、ヒト抗体配列(例えば、生殖系列抗体遺伝子セグメント)のライブラリー由来の対応するCDRの標準的なCDR構造型と比較することによって、ヒト抗体遺伝子からの可変領域フレームワーク配列を選択することに基づく、抗体をヒト化するための方法が記載されている。非ヒトCDRに類似する標準的なCDR構造型を有するヒト抗体可変領域は、ヒトフレームワーク配列を選択するためのヒト抗体配列メンバーのサブセット(subset of member human antibody sequences)を形成する。サブセットメンバーは、ヒトCDR配列と非ヒトCDR配列との間のアミノ酸類似性によってさらにランキングされ得る。国際特許出願公開第WO04/006955A1号(前記)の方法では、選択されたサブセットメンバーのヒトフレームワークを使用して、ヒトCDR配列が非ヒトCDRカウンターパートで機能的に置き換えられるキメラ抗体を構築するためのフレームワーク配列を提供し、それにより、非ヒト抗体とヒト抗体との間のフレームワーク配列の比較を必要とせずに、高親和性および低免疫原性のヒト化抗体を提供するために、上位ランキングのヒト配列が選択される。上記方法にしたがって作製されたキメラ抗体も開示される。
全抗体のフラグメントは、抗原に結合する機能を発揮し得ることが示されている。結合フラグメントの例は、(i)V、V、C、およびC1ドメインからなるFabフラグメント;(ii)VおよびC1ドメインからなるFdフラグメント;(iii)単一抗体のVおよびVドメインからなるFvフラグメント;(iv)VドメインまたはVドメインからなるdAbフラグメント(Wardら、(1989)Nature 341(6242):544−6;McCaffertyら、(1990)Nature 348(6301):552−4;Holtら、(2003)Trends in Biotechnology 21:484−490);(v)単離されたCDR領域;(vi)F(ab’)フラグメント(2つの連結されているFabフラグメントを含む二価フラグメント)、(vii)2つのドメインが会合して抗原結合部位を形成することを可能にするペプチドリンカーによって、VドメインおよびVドメインが連結されている一本鎖Fv分子(scFv)(Birdら、(1998)Science 242(4877):423−6;Hustonら、(1988)PNAS USA,85:5879−5883);(viii)二重特異性一本鎖Fv二量体(国際特許出願公開第WO93/011161A1号(Whitlowら))、ならびに(ix)「ダイアボディ」(遺伝子融合によって構築された多価または多特異性フラグメント)(Holligerら、1993)PNAS USA.90(14):6444−8および国際特許出願公開第WO94/13804A1号)である。Fv、scFv、またはダイアボディ分子は、VドメインおよびVドメインを連結するジスルフィド架橋の組み込みによって安定化され得る(Reiterら、(1996)Nature Biotech,14:1239−1245)。C3ドメインに結合されているscFvを含むミニボディも作製され得る(Huら、(1996)Cancer Res.56:3055−3061)。結合フラグメントの他の例は、Fab’(これは、重鎖C1ドメインのカルボキシル末端への少数の残基(抗体ヒンジ領域由来の1またはそれより多くのシステインを含む)の付加によって、Fabフラグメントと異なる)およびFab’−SH(これは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を有するFab’フラグメントである)である。フレームワーク領域によって連結されているわずか2つのCDRを含有する抗体分子も記載されている(Quiら、(2007)Nat.Biotechnol.25:921−929)。VドメインまたはVドメイン由来のCDR3は、選択されたCDR1またはCDR2のC末端からFR領域を介してCDR3のN末端への連結により、他のドメインのCDR1またはCDR2ループに連結された。
ドメイン抗体(dAb)は、抗体の小さな単量体抗原結合フラグメント(すなわち、抗体重鎖または抗体軽鎖の可変領域)である(Holtら、(2003)Trends in Biotechnology 21:484−490)。VdAbは、ラクダ科の動物(例えば、ラクダ、ラマ)において天然に存在し、標的抗原でラクダ科動物を免疫し、抗原特異的B細胞を単離し、個々のB細胞由来のdAb遺伝子を直接クローニングすることによって生成され得る;しかしながら、dAbはまた、細胞培養で産生され得る。本発明の結合メンバーは、実質的に本明細書中に示されるVもしくはVドメイン、または実質的に本明細書中に示されるCDRのセットを含むVもしくはVドメインを含むdAbであり得る。
本発明の抗体フラグメントは、酵素、例えばペプシンもしくはパパインによる消化などの方法によって、および/または化学的還元によるジスルフィド架橋の切断によって、本明細書中に開示される抗体のいずれかから得られ得る。別の方法では、本発明に含まれる抗体フラグメントは、当業者に周知の遺伝子組換えの技術によって、そうでなければペプチド合成によって、または核酸合成および発現によって得られ得る。
本発明による機能的抗体フラグメントは、化学修飾によって、特にペグ化によって、または例えばリポソーム中への組み込みによってその半減期が増加されている任意の機能的フラグメントを含む。
二重特異性抗体または二官能性抗体は、同じ分子中に2つの異なる可変領域が組み合わされた第2世代のモノクローナル抗体を形成する(Holliger&Bohlen,(1999)Cancer&Metastasis Rev.18:411−419)。診断分野および治療分野の両方において、新たなエフェクター機能をリクルートする能力、または腫瘍細胞の表面上のいくつかの分子を標的化する能力から、それらの使用が実証されている。二重特異性抗体を使用すべき場合、これらは、様々な方法で製造され得る従来の二重特異性抗体であり得る(Holliger&Winter,(1993)Curr.Op.Biotech.4:446−449)。二重特異性抗体の例としては、異なる特異性を有する2つの抗体の結合ドメインを使用し、短いフレキシブルペプチドを介して直接連結し得るBiTE(登録商標)技術(Micromet,Inc.)のものが挙げられる。これは、短い単一ポリペプチド鎖上で2つの抗体を組み合わせる。ダイアボディおよびscFvは、可変ドメインのみを使用して、抗イディオタイプ反応の効果を潜在的に減少させて、Fc領域なしで構築され得る。
二重特異性抗体は、IgG全体として、二重特異性F(ab’)として、Fab’PEGとして、ダイアボディとして、そうでなければ二重特異性scFvとして構築され得る。さらに、四価抗体を形成するために、当技術分野で公知のルーチンな方法を使用して、2つの二重特異性抗体が連結され得る。二重特異性全抗体とは反対に、二重特異性ダイアボディは、容易に構築され、大腸菌において発現され得るので、特に有用であり得る。
上記のように、いくつかの実施形態において、本発明による結合メンバーは、c−MAFに結合する抗体である。高い効力の結合メンバーは、初期スクリーニングから直接得られ得る。アッセイおよび効力は、本明細書中の他の場所により詳細に記載されている。
いくつかの実施形態において、結合メンバーは、ヒトc−MAFに結合する抗原結合分子またはそのフラグメントであり、ここで、抗体結合分子またはそのフラグメントは、配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%もしくは約100%同一の重鎖CDR1、および/もしくは配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%もしくは約100%同一の重鎖CDR2、および/もしくは配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%もしくは約100%同一の重鎖CDR3を含み;ならびに/または配列番号26のアミノ酸配列と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%もしくは約100%同一の軽鎖CDR1、および/もしくは配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%もしくは約100%同一の軽鎖CDR2、および/もしくは配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%もしくは約100%同一の軽鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態において、抗原結合分子またはそのフラグメントは、抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、ウサギ抗体、マウス抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体である。
いくつかの態様において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%同一の配列を有するVドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗原結合分子またはそのフラグメントは、配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%同一の配列を有するVドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%同一の重鎖配列を含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%同一の軽鎖配列を含む。
いくつかの実施形態において、前記選択された結合メンバーのアミノ酸配列を有する抗体V可変ドメインは、かかるVドメインを含む結合メンバーのように、単離された形態で提供され得る。いくつかの実施形態において、前記選択された結合メンバーのアミノ酸配列を有する抗体V可変ドメインは、かかるVドメインを含む結合メンバーのように、単離された形態で提供され得る。いくつかの実施形態において、結合メンバーは、本明細書中に開示される任意の結合メンバーのバリアントである。いくつかの実施形態において、Vドメインおよび/またはVドメインは、本明細書中に開示される任意のVドメインおよび/またはVドメインのバリアントである。
c−MAFに結合する能力は、さらに試験され得、c−MAFへの結合について本発明の任意の抗体分子と競合する能力もさらに試験され得る。異なる結合メンバーの結合親和性は、適切な条件下で比較され得る。
本発明のVドメインおよびVドメインならびにCDRのバリアント(アミノ酸配列が本明細書中に示されており、本発明の結合メンバーに用いられ得るものを含む)は、配列を変化または変異させ、所望の特徴を有する抗原結合メンバーについてスクリーニングする方法によって得られ得る。所望の特徴の例としては、
・抗原に特異的な公知の抗体と比べた、抗原への結合親和性の増加
・抗原活性が公知である場合には、抗原に特異的な公知の抗体と比べた、該活性の中和の増加
・特定のモル比における、抗原に対する公知の抗体またはリガンドとの特定の競合能力
・複合体を免疫沈降する能力
・特定のエピトープ、例えば線状エピトープ(例えば、線状のおよび/または制限されたコンフォメーションでスクリーニングされたペプチドを使用)または非連続残基によって形成される立体構造エピトープに結合する能力
・c−MAFの新たな生物学的活性または下流分子を調節する能力
が挙げられるが、これらに限定されない。このような方法も本明細書中で提供される。
いくつかの実施形態において、結合メンバーは、抗原c−MAFに結合する。いくつかの実施形態において、結合メンバーは、ヒトc−MAFに結合する。いくつかの実施形態において、結合メンバーは、ヒト起源のc−MAFの83−EQKAHLEDYYWMTGYPQQ−100(18a.a.)(配列番号22)に対応するエピトープに結合する。
ドメインおよびVドメインから構成される抗体の抗原結合部位は、典型的には、ポリペプチドの6つのループ(軽鎖可変ドメイン(V)由来の3つおよび重鎖可変ドメイン(V)由来の3つ)によって形成される。公知の原子構造の抗体の分析により、抗体結合部位(antibody combining sites)の配列と三次元構造との間の関係が解明されている。これらの関係は、Vドメインにおける第3の領域(ループ)を除いて、結合部位ループが、少数の主鎖立体構造または標準構造のうちの1つを有することを意味している。特定のループにおいて形成される標準構造は、そのサイズならびにループおよびフレームワーク領域の両方の重要な部位における特定の残基の存在によって決定されることが示されている(Chothiaら、(1992)J.Molecular Biology 227:799−817;Al−Lazikaniら、(1997)J.Mol.Biol.273(4):927−948)。
配列−構造関係のこの研究は、配列は公知だが三次元構造が未知の抗体の残基であって、そのCDRループの三次元構造を維持するのに重要であり、したがって結合特異性を維持する残基を予測するために使用され得る。構造的アプローチでは、任意の無料で利用可能なまたは市販のパッケージ、例えばWAM(Whitelegg&Rees,(2000)Prot.Eng.12:815−824)を使用して、抗体分子のモデルを作製し得る(Chothiaら、(1986)Science 223:755−758)。次いで、タンパク質視覚化および分析ソフトウェアパッケージ、例えばInsight II(Accelrys,Inc.)またはDeep View(Guex&Peitsch,(1997)Electrophoresis 18:2714−2723)を使用して、CDRにおける各位置の可能な置換を評価し得る。次いで、この情報を使用して、活性に対して最小限のまたは有益な効果を有する可能性がある置換を行い得る。
CDR、抗体VドメインまたはVドメインおよび結合メンバーのアミノ酸配列内において置換を行うために必要な技術は、当技術分野で一般に利用可能である。置換(これは、活性に対する最小限のまたは有益な効果を有すると推定されてもよいし、または推定されなくてもよい)を有するバリアント配列を作製し、c−MAF結合能力について、および/または任意の他の所望の特性について試験し得る。
その配列が本明細書中に具体的に開示されるVドメインおよびVドメインのいずれかの可変ドメインアミノ酸配列バリアントは、考察されるように本発明にしたがって用いられ得る。
本発明のさらなる態様は、添付の配列表に示されている抗体のいずれか(例えば、配列番号17)のVドメインと少なくとも約60、約70、約80、約85、約90、約95、約98もしくは約99%のアミノ酸配列同一性を有するVドメインを含み、および/または添付の配列表中の抗体のいずれか(例えば、配列番号21)のVドメインと少なくとも約60、約70、約80、約85、約90、約95、約98もしくは約99%のアミノ酸配列同一性を有するVドメインを含む抗体分子である。2つのアミノ酸配列の%同一性を計算するために使用され得るアルゴリズムとしては、例えばデフォルトパラメータを用いた、例えばBLAST(Altschulら、(1990)J.Mol.Biol.215(3):403−10)、FASTA(Pearson&Lipman,(1988)PNAS USA 85(8):2444−8)、またはSmith−Watermanアルゴリズム(Smith&Waterman,(1981)J.Mol.Biol.147(1):195−7)が挙げられる。特定のバリアントは、1またはそれより多くのアミノ酸配列変化(アミノ酸残基の付加、欠失、置換、および/または挿入)を含み得る。
変化は、1もしくはそれより多くのフレームワーク領域および/または1もしくはそれより多くのCDRにおいて成され得る。変化は、通常、機能の損失をもたらさないので、このように変化したアミノ酸配列を含む結合メンバーは、c−MAF結合能力を保持し得る。それは、例えば、本明細書中に記載されるアッセイで測定した場合に、変化が行われていない結合メンバーと同じ定量的結合能力を保持し得る。このように変化したアミノ酸配列を含む結合メンバーは、改善されたc−MAF結合能力を有し得る。
変化は、1もしくはそれより多くのアミノ酸残基を天然に存在しないもしくは非標準アミノ酸で置き換えること、1もしくはそれより多くのアミノ酸残基を天然に存在しないもしくは非標準形態に改変すること、または1もしくはそれより多くの天然に存在しないもしくは非標準アミノ酸を配列に挿入することを含み得る。本発明の配列における変化の数および位置の例は、本明細書中の他の場所に記載される。天然に存在するアミノ酸としては、それらの標準一文字コードによってG、A、V、L、I、M、P、F、W、S、T、N、Q、Y、C、K、R、H、D、Eとして特定される20種の「標準」L−アミノ酸が挙げられる。非標準アミノ酸としては、ポリペプチド主鎖に組み込まれ得るか、または既存のアミノ酸残基の改変から生じ得る任意の他の残基が挙げられる。非標準アミノ酸は、天然に存在するものであり得るか、または天然に存在しないものであり得る。4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリジン、3−メチルヒスチジン、N−アセチルセリンなどのいくつかの天然に存在する非標準アミノ酸が本技術分野で公知である(Voet&Voet,Biochemistry,3rd Edition,(Wiley)2004)。それらのN−アルファ位置で誘導体化されているアミノ酸残基のみが、アミノ酸配列のN末端に位置する。通常、本発明では、アミノ酸はL−アミノ酸であるが、それはD−アミノ酸であり得る。したがって、変化は、L−アミノ酸をD−アミノ酸に改変すること、またはそれをD−アミノ酸で置き換えることを含み得る。アミノ酸のメチル化、アセチル化、および/またはリン酸化形態も公知であり、本発明におけるアミノ酸は、このような改変に供され得る。
本発明の抗体ドメインおよび結合メンバーにおけるアミノ酸配列は、上記天然に存在しないまたは非標準アミノ酸を含み得る。非標準アミノ酸(例えば、D−アミノ酸)は、合成中に、またはアミノ酸配列の合成後に「元の」標準アミノ酸の改変もしくは置き換えによって、アミノ酸配列に組み込まれ得る。
非標準および/または天然に存在しないアミノ酸の使用は、構造的および機能的な多様性を増加させるので、本発明の結合メンバーにおける所望のc−MAF結合特性を達成する可能性を増加させ得る。さらに、D−アミノ酸および類似体は、L−アミノ酸を有するポリペプチドのインビボ分解のために、動物(例えば、ヒト)への投与後において、標準L−アミノ酸と比較して異なる薬物動態プロファイルを有することが示されており、これは、D−アミノ酸が、いくつかのインビボ適用に有利であることを意味する。
本発明のCDR由来配列を保有する新規V領域またはV領域は、1またはそれより多くの選択されたV遺伝子および/またはV遺伝子のランダム変異誘発を使用して、全可変ドメイン内に変異を生成して生成され得る。このような技術は、エラープローンPCRを使用したGramら、(1992)によって記載されている。いくつかの実施形態において、1つまたは2つのアミノ酸置換は、全可変ドメインまたはCDRのセット内において行われる。使用され得る別の方法は、V遺伝子またはV遺伝子のCDR領域に対する変異誘発を指示することである(Barbasら、(1994)PNAS USA 91:3809−3813;Schierら、(1996)J.Mol.Biol.263:551−567)。
上記技術はすべて、当技術分野でそれ自体が公知であり、当業者は、当技術分野でルーチンな方法を使用して本発明の結合メンバーを提供するために、このような技術を使用することができる。
本発明のさらなる態様は、c−MAFに対する抗体の抗原結合部位を得るための方法であって、本明細書中に示されるVドメインのアミノ酸配列における1またはそれより多くのアミノ酸の付加、欠失、置換、または挿入によって、Vドメインのアミノ酸配列バリアントであるVドメインを提供する工程、場合により、このように提供したVドメインを1またはそれより多くのVドメインと組み合わせる工程、およびVドメインまたはV/Vの1つまたは複数の組み合わせを試験して、c−MAFへの結合メンバーまたは抗体の抗原結合部位であって、1またはそれより多くの所望の特性(例えば、c−MAF結合能力)を場合により有する結合メンバーまたは抗体の抗原結合部位を同定する工程を含む方法を提供する。前記Vドメインは、実質的に本明細書中に示されるアミノ酸配列を有し得る。本明細書中に開示されるVドメインの1またはそれより多くの配列バリアントを1またはそれより多くのVドメインと組み合わせる類似方法が用いられ得る。いくつかの実施形態において、VドメインまたはVドメインのバリアントは、機能的バリアントである。上記のように、実質的に本明細書中に示されるCDRアミノ酸配列は、ヒト抗体可変ドメイン中のCDRまたはその実質的な部分として保有され得る。実質的に本明細書中に示されるHCDR3配列は、本発明の実施形態を表し、これらは各々、ヒト重鎖可変ドメイン中のHCDR3またはその実質的な部分として保有され得る。
同様に、1もしくはそれより多くのまたは3つすべてのCDRは、VドメインまたはVドメインのレパートリーに移植され得、次いで、c−MAFの結合メンバー(単数または複数)について、これをスクリーニングする。
例えば、抗体HCDR1、HCDR2およびHCDR3の1もしくはそれより多く、もしくはHCDRのセット(配列番号38、40および42)が用いられ得、ならびに/または抗体LCDR1、LCDR2およびLCDR3の1もしくはそれより多く、もしくはLCDRのセット(配列番号26、28および30)が用いられ得る。同様に、本明細書中に開示される他のVドメインおよびVドメイン、CDRのセット、ならびにHCDRのセットおよび/またはLCDRのセットが用いられ得る。
他の操作工程は、本明細書中の他の場所でより詳細に考察されるように、リンカーを導入して、抗体定常領域、他の可変ドメイン、または検出可能な/機能的な標識を含むさらなるタンパク質配列に本発明の可変ドメインを接続することを含む。
本発明のいくつかの態様において、結合メンバーは、1組のVドメインおよびVドメインを含むが、VドメインまたはVドメイン配列のいずれかに基づく単一結合ドメインは、本発明のさらなる態様を形成する。単一の免疫グロブリンドメイン、特にVドメインは、特定の方法で標的抗原に結合することができることが公知である。単一結合ドメインのいずれかの場合、これらのドメインは、c−MAFに結合することができる2ドメイン結合メンバーを形成することができる相補的ドメインについてスクリーニングするために使用され得る。これは、国際特許出願公開第WO92/01047号(McCaffertyら)およびMarksら、(1992)Biotechnology 10(7):779−83に開示されているいわゆる階層的デュアルコンビナトリアルアプローチを使用して、ファージディスプレイスクリーニング法によって達成され得る。
本発明の結合メンバーは、抗体定常領域またはその一部、例えばヒト抗体定常領域またはその一部をさらに含み得る。例えば、Vドメインは、そのC末端において、抗体軽鎖定常ドメインに結合され得る。同様に、Vドメインに基づく結合メンバーは、そのC末端において、任意の抗体アイソタイプ(例えば、IgG、IgA、IgE、およびIgMならびにアイソタイプサブクラスのいずれか、特にIgGおよびIgG)に由来する免疫グロブリン重鎖の全部または一部(例えば、C1ドメイン)に結合され得る。IgGは、そのエフェクター機能および製造容易性により有利である。これらの特性を有し、可変領域を安定化する任意の合成または他の定常領域バリアントもまた、本発明において有用であり得る。
本発明の結合メンバーはまた、野生型Fc領域と比べて少なくとも1つのアミノ酸改変を含む改変Fc領域を含む抗体またはフラグメントを含み得る。バリアントFc領域は、野生型Fc領域を含む比較可能な分子と比べてより大きなまたは小さな親和性でFc受容体に結合するようにデザインされ得る。Fc領域は、IgGのパパイン消化により生成されるIgG C末端ドメインと同種の天然に存在するポリペプチドまたは合成ポリペプチドを指す。IgG Fcは、約50kDの分子量を有する。本発明の抗体および/またはフラグメントでは、全Fc領域または半減期増強部分のみが使用され得る。
Fc領域は、所望により、補体を固定化し高親和性でFc受容体に結合するその能力を阻害するように変異され得る。本発明の1つの実施形態において、抗体またはフラグメントは、天然に存在するFc領域が、生物学的環境における抗体またはフラグメントの半減期、例えば血清半減期、またはインビトロアッセイによって測定される半減期を増加させるように改変されている改変Fc領域とともに提供され得る。IgGのFc領域の元の形態を変化させるための方法はまた、米国特許第6,998,253号(Presta&Snedecor)に記載されている。グリコシル化パターンを改変することによって、またはFc領域のアミノ酸配列を改変することによって、Fc領域に改変を行うことによって変化(例えば、増強する)され得るエフェクター機能としては、限定されないが例えば、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)および抗体依存性細胞貪食(ADCP)が挙げられる。可能な改変としては、アラニンによる置換、保存的置換、非保存的置換、または異なるIgGサブクラス由来の同じ位置での対応するアミノ酸残基による置き換え(例えば、その位置での対応するIgG残基によるIgG残基の置き換え)を含む1またはそれより多くのアミノ酸残基の挿入、欠失、または置換が挙げられる。
したがって、さらなる態様において、本発明は、本明細書中の他の場所に記載されるc−MAF結合メンバーであって、1またはそれより多くのエフェクター機能を増加させるように改変されている少なくともIgG CH2領域を含むFc領域または等価な領域を含むc−MAF結合メンバーを包含する。1つの実施形態において、結合メンバーは、N結合型オリゴ糖のグリコシル化パターンを変化させて、1またはそれより多くのエフェクター機能の活性が増加するように改変される。別の実施形態において、結合メンバーは、Fc領域のアミノ酸配列を変化させて、1またはそれより多くのエフェクター機能の活性が増加するように改変される。エフェクター機能活性を測定し、それらが増加するか否かを決定する方法は、当技術分野で周知である。
本発明の結合メンバーは、検出可能なまたは機能的な標識で標識され得る。したがって、結合メンバーまたは抗体分子は、検出可能なおよび/または定量可能なシグナルを得るために、免疫結合体の形態で存在し得る。免疫結合体は、検出可能なまたは機能的な標識と結合体化されている本発明の抗体分子を含み得る。標識は、シグナルを生成し、または誘導されてシグナルを生成し得る任意の分子であり得、蛍光色素、放射標識、酵素、化学発光物質、または光増感剤が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、結合は、蛍光もしくは発光、放射能、酵素活性、または光吸光度を検出することによって検出および/または測定され得る。使用され得る標識の例示的な例としては、放射性同位体、酵素、蛍光色素、化学発光試薬、酵素基質または補因子、酵素インヒビター、粒子、色素などが挙げられる。
適切な標識としては、限定されないが例として、酵素、例えばアルカリホスファターゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(「G6PDH」)、アルファ−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコースアミラーゼ、炭酸脱水酵素、アセチルコリンエステラーゼ、リゾチーム、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、およびペルオキシダーゼ、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ;色素;蛍光標識または蛍光色素、例えばフルオレセインおよびその誘導体、ローダミン化合物および誘導体、緑色/黄色蛍光タンパク質(G/YFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、ダンシル、ウンベリフェロン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルデヒド、ならびにフルオレスカミン;フルオロフォア、例えばランタニドクリプテートおよびキレート、例えばユウロピウムなど(Perkin ElmerおよびCis Biointernational)、化学発光標識または化学発光物質、例えばイソルミノール、ルミノール、およびジオキセタン;生物発光標識、例えばルシフェラーゼおよびルシフェリン;増感剤;補酵素;酵素基質;臭素77、炭素14、コバルト57、フッ素8、ガリウム67、ガリウム68、水素3(トリチウム)、インジウム111、インジウム113m、ヨウ素123m、ヨウ素125、ヨウ素126、ヨウ素131、ヨウ素133、水銀107、水銀203、リン32、レニウム99m、レニウム101、レニウム105、ルテニウム95、ルテニウム97、ルテニウム103、ルテニウム105、スカンジウム47、セレン75、硫黄35、テクネチウム99、テクネチウム99m、テルル121m、テルル122m、テルル125m、ツリウム165、ツリウム167、ツリウム168、イットリウム199、および本明細書中で言及される別の放射標識が挙げられるが、これらに限定されない放射標識;粒子、例えばラテックス粒子またはカーボン粒子;金属ゾル;クリスタリット;リポソーム;色素、触媒、または別の検出可能な基でさらに標識され得る細胞など;分子、例えばビオチン、ジゴキシゲニン、または5−ブロムデキシウリジン;毒素部分、例えばPseudomonasエキソトキシン(PEまたはその細胞毒性フラグメントもしくは変異体)、ジフテリア毒素またはその細胞毒性フラグメントもしくは変異体、ボツリヌス毒素A、B、C、D、E、またはF、リシンまたはその細胞毒性フラグメント、例えばリシンA、アブリンまたはその細胞毒性フラグメント、サポリンまたはその細胞毒性フラグメント、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルス性毒素またはその細胞毒性フラグメント、およびブリオジン1またはその細胞毒性フラグメントの群から選択される毒素部分などが挙げられる。
適切な酵素および補酵素は、米国特許第4,275,149号(Litmanら)および米国特許第4,318,980号(Boguslaskiら)に開示されており、適切な蛍光剤および化学発光物質は、米国特許第4,275,149号(これらは、その全体が参照により本明細書中に援用される)に開示されている。標識としてはさらに、特定の検出可能な同種部分、例えば標識アビジンもしくはストレプトアビジン、または遺伝子操作ストレプトアビジン、例えばストレプタクチン(streptactin)(IBA GmbH、Gottingen、DE)への結合を介して検出され得る化学部分(例えば、ビオチン)が挙げられる。検出可能な標識は、当技術分野で公知の従来の化学反応を使用して、本発明の抗体に結合され得る。
免疫結合体またはそれらの機能的フラグメントは、当業者に公知の方法によって調製され得る。それらは直接的に、またはスペーサー基もしくは連結基、例えばポリアルデヒド、例えばグルタルアルデヒド、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)を介して、またはカップリング剤、例えば治療用結合体について上記で言及されているものの存在下で、酵素または蛍光標識に結合され得る。フルオレセイン型の標識を含有する結合体は、イソチオシアネートとの反応によって調製され得る。
治療用放射性同位体を直接的に、またはキレート剤、例えば上記のEDTA、DTPAを介して抗体に結合させるための当業者に公知の既存の方法は、診断に使用され得る放射性元素に対して使用され得る。同様に、クロラミンT法(Hunter&Greenwood,(1962)Nature 194:495−6)によってヨウ素−131で、そうでなければ米国特許第4,424,200号(Crockford&Rhodes)に記載されている技術によって、もしくは米国特許第4,479,930号(Hnatowich)(これらは両方とも、その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されているDTPAを介して結合されたテクネチウム99m(Tc−99m)で、標識を実施することが可能である。
外部手段によって、例えば視覚的検査、電磁放射、熱および化学試薬によって検出可能なシグナルを標識が生成し得る多数の方法がある。標識はまた、本発明の結合メンバーに結合する別の結合メンバーにまたは支持体に結合され得る。
標識は、シグナルを直接生成し得るので、さらなる構成要素は、シグナルを生成するために必要とされない。多数の有機分子、例えば蛍光剤は、紫外線および可視光線を吸収することができ、光吸収は、エネルギーをこれらの分子に伝達し、それらを励起エネルギー状態に高める。次いで、この吸収エネルギーは、第2の波長の光の放射によって散逸される。この第2の波長の放射はまた、エネルギーを標識アクセプター分子に伝達し得、生じたエネルギーは、光の放射、例えば蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)によって、アクセプター分子から散逸され得る。シグナルを直接生成する他の標識としては、放射性同位体および色素が挙げられる。
あるいは、標識は、シグナルを生成するために別の構成要素を必要とし得るので、シグナル生成システムは、基質、補酵素、エンハンサー、さらなる酵素、酵素産物と反応する物質、触媒、アクティベーター、補因子、インヒビター、スカベンジャー、金属イオン、およびシグナル生成物質の結合に必要な特定の結合物質を含み得る測定可能なシグナルを生成するのに必要なすべての構成要素を含む。適切なシグナル生成システムの詳細な考察は、米国特許第5,185,243号(Ullmanら)に見出すことができる。本発明は、c−MAFに特異的な本明細書中で提供される結合メンバーの結合を引き起こすかまたは該結合を可能にする工程を含む方法を提供する。言及されるように、このような結合は、例えば、結合メンバーもしくは結合メンバーをコードする核酸の投与後にインビボで起こり得るか、またはそれは、例えばELISA、ウエスタンブロッティング、アフィニティークロマトグラフィー、免疫細胞化学、免疫沈降、中和、および生化学的もしくは細胞ベースのアッセイにおいてインビトロで起こり得る。
本発明の抗体を使用した目的の遺伝子のレベルの決定
好ましい実施形態において、本発明の結合メンバー(例えば、抗体)は、c−MAFタンパク質発現レベルを定量するために使用される。c−MAFタンパク質発現レベルは、被験体由来のサンプル中の上記タンパク質の検出および定量を可能にする任意の従来の方法によって定量され得る。非限定的な例証として、上記タンパク質レベルは、例えば、c−MAF結合能を有する抗体(または抗原決定基を含むそのフラグメント)を使用し、続いて、形成された複合体を定量することによって、定量され得る。いくつかの実施形態において、c−MAFタンパク質発現レベルを検出するために使用される抗体は、本明細書中に記載される任意の抗体である。これらのアッセイで使用される抗体は、標識されていてもよいし、または標識されていなくてもよい。標識されていない抗体(一次抗体)および標識された抗体(二次抗体)を使用する本発明において使用され得る幅広い公知のアッセイがある;これらの技法としては、ウエスタンブロットまたはウエスタントランスファー、ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、競合EIA(競合酵素免疫測定法)、DAS−ELISA(二重抗体サンドイッチELISA)、免疫細胞化学的および免疫組織化学的技法、特異的抗体を含むタンパク質マイクロアレイもしくはバイオチップの使用に基づく技法、またはディップスティックなどの形式でのコロイド沈殿に基づくアッセイが挙げられる。上記c−MAFタンパク質を検出するためおよび定量するための他の方法としては、アフィニティークロマトグラフィー法、リガンド結合アッセイなどが挙げられる。免疫学的方法が使用されるとき、c−MAFタンパク質に高親和性で結合すると知られている任意の抗体または試薬が、その量を検出するために使用され得る。それにもかかわらず、抗体、例えば、ポリクローナル血清、ハイブリドーマの上清またはモノクローナル抗体、抗体フラグメント、Fv、Fab、Fab’およびF(ab’)2、scFv、ヒト化ダイアボディ、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)、ナノボディ、アルファボディ、ステープルド(stapled)ペプチド、シクロペプチドおよび抗体の使用が好ましい。いくつかの実施形態において、抗体は、実施例1に記載されているINB−1−11−8である。INB−1−11−8軽鎖配列は配列番号20であり、INB−1−11−8重鎖配列は配列番号16である。
は、表面プラズモン共鳴、例えばBIAcore(登録商標)によって決定され得る。表面プラズモン共鳴は、固体支持体に結合されているリガンドに対して、流体相中の分析物を通過させ、分析物とリガンドとの間の会合速度(k)および解離速度(k)決定することを含む。表面プラズモン共鳴は、例えば、支持体に結合されているgBタンパク質に対して、流体相中の結合メンバーを通過させることによって実施され得る。Biacoreは、異なる分子が、センサー表面上に固定化されている単一パートナーと相互作用する程度を決定することを可能にし、相互作用の特異性を明らかにする。Biacoreは、分析物とリガンドとの間の会合速度(k)および解離速度(k)の決定を可能にする。相互作用の動力学、すなわち複合体の形成(k)および解離(k)の速度は、センサーグラムの情報から決定され得る。親和性は、解離定数K(これは、一価分析物データモデルを使用して表面プラズモン共鳴により決定される解離速度および会合速度定数の比k/kから計算される)として表され得る。いくつかの実施形態において、親和性は、一価結合親和性である。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される抗体またはそのフラグメントは、少なくとも約1μM、100nM、50nM、10nM、少なくとも約9nM、少なくとも約8mM、少なくとも約7nM、少なくとも約6nM、少なくとも約5nM、少なくとも約4nM、少なくとも約3nM、少なくとも約2.5nM、少なくとも約2nM、少なくとも約1.9nM、少なくとも約1.8nM、少なくとも約1.7nM、少なくとも約1.6nM、少なくとも約1.5nM、少なくとも約1.4nM、少なくとも約1.3nM、少なくとも約1.2nM、少なくとも約1.1nM、少なくとも約1.0nM、少なくとも約0.9nM、少なくとも約0.8nM、少なくとも約0.7nM、少なくとも約0.6nM、少なくとも約0.5nM、少なくとも約0.4nM、少なくとも約0.3nM、少なくとも約0.2nM、少なくとも約0.1nM、少なくとも約75pM、少なくとも約50pM、少なくとも約25pM、または少なくとも約1pMの親和性(KD)で、ヒトc−MAFに結合する。いくつかの実施形態において、c−MAFに対する抗体の親和性(KD)は、少なくとも約1nM〜約1.2nM、少なくとも約1nM〜約1.5nM、少なくとも約1nM〜約2.0nM、少なくとも約1nM〜約3.0nM、少なくとも約1nM〜約4.0nM、少なくとも約1nM〜約5.0nM、少なくとも約1nM〜約6.0nM、少なくとも約1nM〜約7.0nM、少なくとも約1nM〜約8.0nM、少なくとも約1nM〜約9.0nM、少なくとも約1nM〜約10nM、いくつかの実施形態において、少なくとも約1nM〜約50nM、少なくとも約1nM〜約100nM、少なくとも約1nM〜約1μM、少なくとも約0.1nM〜約1.5nM、または少なくとも約10pM〜約1.5nMである。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される抗体またはそのフラグメントは、少なくとも約1.1nMの親和性(KD)で、ヒトc−MAFに結合する。
特定の実施形態において、c−MAFタンパク質レベルは、ウエスタンブロット、ELISAまたはタンパク質アレイによって定量される。
別の特定の実施形態において、c−MAFタンパク質レベルは、エキソソーム、循環(circulating)DNAまたは循環腫瘍細胞から定量される。エキソソームは、インビボおよびインビトロにおいてほとんどの細胞型によって分泌される40〜100nmの膜ベシクルである。エキソソームは、コンパートメントの内腔に内向きに出芽することによって、多胞体(MVB)と呼ばれるエンドソームの特定の集団として形成する。MVBと原形質膜とが融合すると、これらの内部ベシクルが分泌される。エキソソームは、当該分野で周知のいくつかの方法によって多種多様な細胞系または体液から単離され得る(Thery C.ら、Curr Protoc Cell Biol.2006 Apr;Chapter 3:Unit 3.22)(その全内容が、本明細書中に参照により援用される)。ExoQuickTMまたはExoTestTMなどのいくつかの市販キットが、エキソソームを単離するために利用可能である。
本発明は、例えばバイオセンサーシステムにおいて、本発明による結合メンバーを用いることによって、抗原のレベルを直接測定するための方法を提供する。例えば、本発明は、c−MAFへの結合を検出および/または測定する方法であって、(i)前記結合メンバーをc−MAFに曝露する工程、および(ii)c−MAFへの前記結合メンバーの結合を検出する工程を含み、本明細書中に記載される任意の方法または検出可能な標識を使用して、結合を検出する方法を含む。本明細書中に記載されるこのおよび任意の他の結合検出方法は、該方法の実施者によって、例えば検出可能な標識を視覚的に観察することによって直接解釈され得る。あるいは、本明細書中に記載されるこの方法または任意の他の結合検出方法は、オートラジオグラフ、写真、コンピュータープリントアウト、フローサイトメトリーレポート、図、チャート、結果を含有する試験管もしくは容器もしくはウェル、または該方法の結果の任意の他の視覚的もしくは物理的な表現の形態の報告を作成し得る。
c−MAFへの結合メンバーの結合の量が決定され得る。定量は、診断対象であり得る試験サンプル中の抗原の量に関連し得る。結合のスクリーニングおよび/またはその定量は、例えば、本明細書中で言及される疾患もしくは障害ならびに/または異常なc−MAF発現および/もしくは活性を伴う任意の他の疾患もしくは障害について患者をスクリーニングするのに有用であり得る。
本発明の診断方法は、(i)被験体から組織または体液サンプルを得る工程、(ii)前記組織または体液サンプルを1またはそれより多くの本発明の結合メンバー(例えば、抗体)に曝露する工程、および(iii)コントロールサンプルと比較して、結合したc−MAFを検出する工程であって、ここで、コントロールと比較したc−MAF結合の量における増加は、c−MAF発現および/または活性を示し得る、工程を含み得る。試験すべき組織または体液サンプルとしては、腫瘍、血液、血清、唾液、尿、痰、生検材料、またはMafを含有すると疑われる任意の組織が挙げられる。試験でc−MAFの増加について陽性の被験体はまた、本明細書中で後に開示される処置方法から利益を受け得る。当業者は、本明細書中に開示される方法を考慮して、それらの選好および一般知識にしたがって、抗原への結合メンバーの結合を決定する適切な様式を選択することができる。
1つの実施形態は、第2の工程に、被験体由来のサンプル(例えば、腫瘍サンプル)において得られたc−MAF遺伝子発現レベルを参照値と比較する工程を含む。
いったん、がんを有する被験体由来のサンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルが、測定されて、参照値と比較されたら、上記遺伝子の発現レベルが、上記参照値と比較して上昇している場合、上記被験体は、転移(例えば、骨転移)を起こす傾向がより高いと結論づけられ得る。
c−MAF遺伝子発現レベルの決定は、参照値と相関するはずである。
1つの実施形態において、本明細書で意図されるような参照値(複数可)は、MAFの絶対量を表し得る。別の実施形態において、試験されている被験体由来のサンプル中のいずれか1またはそれより多くのバイオマーカーの量は、参照値と直接比べて決定され得る(例えば、増加もしくは減少または増加倍率もしくは減少倍率に関して)。有益なことに、これにより、被験体由来のサンプル中のいずれの1またはそれより多くのバイオマーカーの量を、該1またはそれより多くのバイオマーカーの各々の絶対量を最初に決定する必要なく、参照値と比較すること(換言すれば、参照値に対する被験体由来のサンプル中のいずれか1またはそれより多くのバイオマーカーの相対量を測定すること)が可能になり得る。
好ましい実施形態において、参照値は、コントロールサンプルまたは参照サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルである。解析されるべき腫瘍のタイプに応じて、コントロールまたは参照サンプルの正確な性質は変動し得る。したがって、予後が評価されることになっている場合、参照サンプルは、転移していないがん由来のサンプルまたは転移していないがんを有する被験体由来の生検サンプルの腫瘍組織コレクションにおいて測定されたc−MAF遺伝子発現レベルの中央値に対応するサンプルである。
上記参照サンプルは、代表的には、被験体集団由来の等量のサンプルを合わせることによって得られる。一般に、代表的な参照サンプルは、臨床的に十分に考証されている被験体および転移が無いことが十分に特徴付けられている被験体から得られる。そのようなサンプルでは、バイオマーカー(MAF遺伝子)の正常濃度(参照濃度)が、例えば、参照集団の平均濃度を提供することによって決定され得る。マーカーの参照濃度を決定する場合に、様々な考慮がなされる。そのような考慮すべき事柄は、患者の年齢、体重、性別、全般的な身体的状態などである。例えば、好ましくは、上記の考慮すべき事柄に従って、例えば、様々な年齢カテゴリーに従って分類された、等量の少なくとも約2人、少なくとも約10人、少なくとも約100人から好ましくは、約1000人を超える被験体の群が、参照群としてみなされる。参照レベルが由来するサンプル集合は、好ましくは、その研究の患者対象と同じタイプのがんに罹患している被験体によって形成される。
特定の実施形態において、c−MAF発現の「上昇した」または「低下した」発現に対する参照値は、有している疾患が上で述べられた方法のいずれかによって十分に考証された被験体から単離された1つまたはいくつかのサンプルにおいてアッセイを行うことを含む従来の手段によってc−MAF発現レベルのパーセンタイルを計算することによって決定される。次いで、c−MAFの「低下した」レベルは、好ましくは、c−MAF発現レベルが正常集団における約50パーセンタイル以下である(例えば、正常集団における約60パーセンタイル以下、正常集団における約70パーセンタイル以下、正常集団における約80パーセンタイル以下、正常集団における約90パーセンタイル以下および正常集団における約95パーセンタイル以下である発現レベルを含む)サンプルに対して割り当てられ得る。次いで、「上昇した」c−MAF遺伝子発現レベルは、好ましくは、c−MAF遺伝子発現レベルが正常集団における50パーセンタイル以上である(例えば、正常集団における約60パーセンタイル以上、正常集団における約70パーセンタイル以上、正常集団における約80パーセンタイル以上、正常集団における約90パーセンタイル以上および正常集団における約95パーセンタイル以上である発現レベルを含む)サンプルに対して割り当てられ得る。
サンプル中の結合メンバーの反応性は、任意の適切な手段によって決定され得る。競合結合アッセイは、放射性抗原、例えば同位体標識、例えば99Tc、14C、131I、125I、H、32Pもしくは35S、またはレポーター分子に連結されている抗原もしくは類似体を使用した非放射性抗原と共に使用され得る。レポーター分子は、蛍光色素、リン光体(phosphor)、またはスペクトル的に離れた吸収もしくは放射特性を有するレーザー色素であり得る。適切な蛍光色素としては、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリン、およびTexas Redならびにランタニドキレートまたはクリプテートが挙げられる。適切な発色性色素としては、ジアミノベンジジンが挙げられる。
他のレポーターとしては、高分子コロイド粒子または粒状物質、例えば、着色、磁性または常磁性のラテックスビーズ、および検出可能なシグナルを直接的または間接的に引き起こして視覚的な観察、電子的な検出または別様の記録を可能にする生物学的または化学的に活性な剤が挙げられる。これらの分子は、例えば、色を発生もしくは変化させ、または電気的特性の変化を引き起こす反応を触媒する酵素であり得る。それらは、分子的に励起性であり得、エネルギー状態間の電子遷移が、特徴的なスペクトル吸収または放射をもたらす。それらは、バイオセンサーと併せて使用される化学実体を含み得る。ビオチン/アビジンまたはビオチン/ストレプトアビジンおよびアルカリホスファターゼまたはホースラディッシュペルオキシダーゼ検出系が用いられ得る。
個々の結合メンバー−レポーター結合体によって生成されるシグナルは、サンプル(正常および試験)中の関連結合メンバーの結合の定量可能な絶対的なまたは相対的なデータを得るために使用され得る。
本発明はまた、競合アッセイにおいて抗原レベル(例えば、Maf)を測定するための上記結合メンバー(例えば、抗体)の使用(言い換えれば、競合アッセイにおいて本発明によって提供される結合メンバーを用いることによって、サンプル中の抗原のレベルを測定する方法)を提供する。これは、未結合抗原からの結合抗原の物理的分離を必要としない場合であり得る。物理的または光学的な変化が結合時に起こるような、結合メンバーへのレポーター分子の連結が1つの可能性である。レポーター分子は、定量可能であり得る検出可能なシグナルを直接的または間接的に生成し得る。レポーター分子の連結は、直接的もしくは間接的、共有結合的(例えば、ペプチド結合を介して)、または非共有結合的であり得る。ペプチド結合を介した連結は、抗体およびレポーター分子をコードする遺伝子融合物の組換え発現の結果であり得る。
様々な態様および実施形態において、本発明は、c−MAFへの結合について任意の抗体と競合する結合メンバーに及ぶ。結合メンバー間の競合は、例えば、特定のレポーター分子を一方の結合メンバー(これは、他方の非タグ付結合メンバー(複数可)の存在下で検出され得る)にタグ付けして、同じエピトープまたは重複エピトープに結合する結合メンバーの同定を可能にすることによって、インビトロでアッセイされ得る。競合は、例えば、hCMVを固相に固定化し、1またはそれより多くの他の非タグ付または非標識結合メンバーと共に、第1のタグ付または標識結合メンバーを固相に添加するELISAを使用してまたは表面プラズモン共鳴によって決定され得る。タグ付結合メンバーと競合する非タグ付結合メンバーの存在は、タグ付結合メンバーによって放射されるシグナルの減少によって観察される。
例えば、本発明は、c−MAF結合化合物を同定する方法であって、(i)タンパク質を支持体に固定化する工程、(ii)前記固定化タンパク質と、少なくとも1つの本発明によるタグ付または標識結合メンバーおよび1もしくはそれより多くの非タグ付または非標識試験結合化合物とを、同時にまたは段階的に接触させる工程、ならびに(iii)タグ付結合メンバー由来の結合タグの量の減少を観察することによって、新たなc−MAF結合化合物を同定する工程を含む方法を含む。このような方法は、マルチウェルフォーマットまたはアレイフォーマットを使用して、ハイスループット様式で実施され得る。このようなアッセイはまた、溶液中で実施され得る。例えば、米国特許第5,814,468号(Slimanら)(これは、その全体が参照により本明細書中に援用される)を参照のこと。上記のように、結合の検出は、該方法の実施者によって、例えば検出可能な標識またはその存在の減少を視覚的に観察することによって直接解釈され得る。あるいは、本発明の結合方法は、オートラジオグラフ、写真、コンピュータープリントアウト、フローサイトメトリーレポート、または該方法の結果の任意の他の視覚的もしくは物理的な表現の形態の報告を作成し得る。
競合アッセイはまた、エピトープ特性評価に使用され得る。一例では、エピトープ特性評価は、c−MAF結合メンバー(これは、場合により、最適化された中和特性および/または調節特性を有し得る)が結合したエピトープを同定するために使用され得る。このようなエピトープは、線状または立体構造エピトープであり得る。立体構造エピトープは、Mafの少なくとも2つの異なるドメインを含み得、ここで、c−MAFタンパク質がその三次元または四次元構造にフォールディングされて、Mafのインヒビター(例えば、本明細書中で提供される任意のc−MAF結合メンバー)によって認識される立体構造エピトープを形成すると、前記ドメインは、互いに近接して位置する。競合についての試験では、抗原のペプチドフラグメント、特に、目的のエピトープを含むかまたはそれからなるペプチドが用いられ得る。いずれかの末端にエピトープ配列および1またはそれより多くのアミノ酸を有するペプチドが用いられ得る。本発明による結合メンバーは、抗原に対するそれらの結合が、所定の配列を有するまたは含むペプチドによって阻害されるようなものであり得る。
本明細書中に記載される結合メンバーの使用方法
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される結合メンバー(例えば、抗体)、そのバリアントまたはフラグメントを使用して、被験体の腫瘍サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルを定量するためのインビトロでの方法を対象とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、がんを有する被験体における転移の診断のためのおよび/またはがんを有する被験体において転移を起こす傾向の予後診断のためのインビトロでの方法であって、
(i)本明細書中に記載される結合メンバー(例えば、抗体)、そのバリアントまたはフラグメントを使用して、該被験体の腫瘍サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルを定量する工程および
(ii)(i)で得られた発現レベルをコントロールサンプル中のc−MAF遺伝子の発現レベルと比較する工程を含み、
ここで、該腫瘍サンプル中のc−MAF遺伝子の発現レベルが、該コントロールサンプル中のc−MAF遺伝子の発現レベルと比較して上昇している場合、該被験体は、転移について陽性の診断を有するかまたは転移を起こす傾向がより高い、インビトロでの方法を対象とする。
いくつかの実施形態において、本発明は、がんを有する被験体のための個別化治療をデザインするためのインビトロでの方法であって、
(i)本明細書中に記載される結合メンバー(例えば、抗体)、そのバリアントまたはフラグメントを使用して、該被験体の腫瘍サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルを定量する工程および
(ii)(i)で得られた発現レベルをコントロールサンプル中のc−MAF遺伝子の発現レベルと比較する工程を含み、
ここで、該発現レベルが、前記参照値と比較して上昇している場合、該被験体は、転移の予防および/または処置を目指す治療を受けることが可能である、インビトロでの方法を対象とする。発現レベルが前記参照値と比較して上昇していない場合、前記被験体は、転移の予防および/または処置を目指す治療を受けることが可能ではない。いくつかの実施形態において、サンプルは、腫瘍サンプル、循環腫瘍サンプル、循環腫瘍DNA、または腫瘍由来エキソソームを含む腫瘍由来サンプルである。
いくつかの実施形態において、本発明は、転移を伴うがんを有する被験体のための個別化治療をデザインするためのインビトロでの方法であって、
(i)本明細書中に記載される結合メンバー(例えば、抗体)、そのバリアントまたはフラグメントを使用して、該被験体の腫瘍組織サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルを定量する工程、および
(ii)工程(i)において得られた発現レベルをコントロールサンプル中のc−MAF遺伝子の発現レベルと比較する工程を含み、
ここで、腫瘍組織サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルがコントロールサンプル中のc−MAF遺伝子の発現レベルと比較して上昇している場合、該被験体は、骨転移および分解の予防または阻害を目的とする治療を受けることが可能である、インビトロでの方法を対象とする。発現レベルが前記参照値と比較して上昇していない場合、前記被験体は、骨転移および分解の予防および/または処置を目指す治療を受けることが可能ではない。
いくつかの実施形態において、本発明は、転移を伴うがんを有する被験体のための個別化治療をデザインするためのインビトロでの方法であって、
(i)本明細書中に記載される結合メンバー(例えば、抗体)、そのバリアントまたはフラグメントを使用して、該被験体の骨転移性腫瘍組織サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルを定量する工程、および
(ii)工程(i)において得られた発現レベルをコントロールサンプル中のc−MAF遺伝子の発現レベルと比較する工程を含み、
ここで、腫瘍組織サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルがコントロールサンプル中のc−MAF遺伝子の発現レベルと比較して上昇している場合、該被験体は、骨分解の予防または阻害を目的とする治療を受けることが可能である、インビトロでの方法を対象とする。発現レベルが前記参照値と比較して上昇していない場合、前記被験体は、骨分解の予防および/または処置を目指す治療を受けることが可能ではない。
いくつかの実施形態において、本発明は、がんに罹患している被験体のサンプルをタイプ分けするためのインビトロでの方法であって、該方法は:
a)該被験体由来のサンプルを提供する工程;
b)本明細書中に記載される結合メンバー(例えば、抗体)、バリアントまたはフラグメントを使用して、該サンプル中のc−MAFの発現レベルを定量する工程;および
c)定量されたc−MAFの発現レベルをc−MAF発現の所定の参照レベルと比較することによって該サンプルをタイプ分けする工程;
を含み、ここで、該タイプ分けする工程は、該被験体における骨転移のリスクに関する予後情報を提供する、インビトロでの方法を対象とする。
別の態様において、本発明は、がんに罹患している被験体における転移のリスクを決定するためのインビトロでの方法であって、本明細書中に記載される結合メンバーを使用して、該被験体のサンプル中のc−MAF遺伝子の発現レベルを決定する工程を含む、インビトロでの方法に関する。
好ましい実施形態において、転移は、骨転移である。1つの実施形態において、平均値+1標準偏差を超える前記遺伝子の発現レベルは、初期骨転移のリスク増加を示す。
好ましい実施形態において、骨転移は、非常に初期の骨転移である。
好ましい実施形態において、骨転移は、溶骨性転移である。
本明細書中で使用されるとき、「初期骨転移」は、乳がんを有する患者において術後5年前に現れる骨転移に関する。
本明細書中で使用されるとき、「非常に初期の骨転移」は、乳がんを有する患者において術後3年前に現れる骨転移に関する。
いくつかの実施形態において、本発明は、がんに罹患している被験体における転移のリスクを予防するため、阻害するためのまたは減少させるための方法であって、本明細書中に記載される結合メンバー(例えば、抗体)、そのバリアントまたはフラグメントを該被験体に投与する工程を含む方法を対象とする。いくつかの実施形態において、転移は、骨転移である。
いくつかの実施形態において、がんは、乳がん、肺がん、前立腺がん、および腎細胞癌からなる群より選択される。いくつかの実施形態において、乳がんは、HER2+乳がん、ER+乳がん、およびトリプルネガティブ乳がんから選択される。
したがって、本発明は、c−MAF関連障害を処置または診断する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、c−MAF関連障害を処置する方法であって、有効量の1もしくはそれより多くの本発明の結合メンバー(例えば、抗体)を単独で、または当技術分野で公知のもしくは本明細書中に記載される別の適切な医薬を用いた治療レジメンと組み合わせて、その必要がある被験体に投与することを含む方法を提供する。
当該分野において公知であるように、がんに罹患している被験体に施されるべき処置は、後者が悪性腫瘍であるかどうか、すなわち、それが転移を起こす高い確率を有するかどうか、または後者が良性の腫瘍であるかどうかに左右される。第1の仮定では、一般に好まれる処置は、化学療法などの全身性処置であり、第2の仮定では、一般に好まれる処置は、放射線治療などの局所性処置である。
ゆえに、本発明に記載されるように、がん細胞におけるc−MAF遺伝子の過剰発現が、転移(例えば骨転移)の存在に関係することを考えれば、c−MAF遺伝子の発現レベルは、上記がんに罹患している被験体に最も適した治療に関して決定することに有用である。
特定の実施形態において、転移は、骨転移である。いくつかの実施形態において、骨転移は、溶骨性転移である。
1つの実施形態において、本発明は、第1の工程に、がんに罹患している被験体のサンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルを定量する工程を含む。好ましい実施形態において、サンプルは、腫瘍組織サンプルである。
別の特定の実施形態において、前記方法は、c−MAF遺伝子発現レベルだけを単一マーカーとして定量する工程を含み、すなわち、その方法は、いかなる追加のマーカーの発現レベルを決定する工程も含まない。
特定の実施形態において、サンプルは、被験体の原発性腫瘍組織サンプルであり得る。
1つの実施形態において、被験体の腫瘍サンプルにおいて得られたc−MAF遺伝子発現レベルは、参照値と比較される。好ましい実施形態において、参照値は、コントロールサンプルにおける上記遺伝子のc−MAF遺伝子発現である。c−MAF遺伝子発現レベルの決定は、コントロールサンプルまたは参照サンプルの値と関係づけられるはずである。解析されるべき腫瘍のタイプに応じて、コントロールサンプルの正確な性質は変動し得る。したがって、好ましくは、参照サンプルは、転移していないがんを有する被験体のサンプル、または転移していないがんを有する被験体の生検サンプルの腫瘍組織コレクションにおいて測定されたc−MAF遺伝子発現レベルの中央値に対応するサンプルである。
いったん、サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルが、本明細書中に開示される結合メンバーを使用して測定されて、参照値と比較されたら、該遺伝子の発現レベルが、参照値と比較して上昇している場合、前記被験体は、転移の予防(被験体がまだ転移を起こしていない場合)および/もしくは処置を目指す、または転移の予防および/もしくは処置(被験体がすでに転移を経験している場合)を目指さない、治療を受けるまたは治療を受けないことが可能であると結論づけられ得る。
転移を有する、または有さない原発性がんが検出されたか、または転移していたとき、化学療法、ホルモン処置、免疫療法またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない全身性処置が使用される。さらに、放射線治療および/または手術が使用され得る。処置の選択は、通常、原発性がんのタイプ、サイズ、転移の位置、患者の年齢、全般的な健康状態、および以前に使用された処置のタイプに左右される。
全身性処置は、全身に到達する処置であり、転移の予防もしくは阻害(被験体がまだ転移を起こしていない場合)および/または転移の処置(被験体がすでに転移を経験している場合)を目指す治療薬療法(therapies therapy)に相当し得、例えば:
・化学療法は、がん細胞を破壊する医薬の使用である。それらの医薬は、通常、経口または静脈内の経路によって投与される。時折、化学療法は、放射線処置とともに使用される。乳がんに対する好適な化学療法処置としては、アントラサイクリン(ドキソルビシン、エピルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン)、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル、アルブミンナノ粒子結合型パクリタキセル)、5−フルオロウラシル(5−FU持続注入、カペシタビン)、ビンカアルカロイド(ビノレルビン、ビンブラスチン)、ゲムシタビン、白金塩(シスプラチン、カルボプラチン)、シクロホスファミド、エトポシド、および上記の1つまたは複数の組み合わせ、例えば、シクロホスファミド/アントラサイクリン +/− 5−フルオロウラシルレジメン(例えば、ドキソルビシン/シクロホスファミド(AC)、エピルビシン/シクロホスファミド、(EC)シクロホスファミド/エピルビシン/5−フルオロウラシル(CEF)、シクロホスファミド/ドキソルビシン/5−フルオロウラシル(CAF)、5−フルオロウラシル/エピルビシン/シクロホスファミド(FEC))、シクロホスファミド/メトトレキサート(metothrexate)/5−フルオロウラシル(CMF)、アントラサイクリン/タキサン(例えば、ドキソルビシン/パクリタキセルまたはドキソルビシン/ドセタキセル)、ドセタキセル/カペシタビン、ゲムシタビン/パクリタキセル、タキサン/白金レジメン(例えば、パクリタキセル/カルボプラチンまたはドセタキセル/カルボプラチン)が挙げられるがこれらに限定されない。
・免疫療法は、がんと戦う患者の免疫系自体を助ける処置である。患者における転移を処置するために使用される免疫療法にはいくつかのタイプがある。これらとしては、サイトカイン、モノクローナル抗体および抗腫瘍ワクチンが挙げられるがこれらに限定されない。
別の態様において、処置は、アルファラディン(二塩化ラジウム−223)である。アルファラディンは、がん細胞を殺すために、ラジウム−223の崩壊からのアルファ線を使用する。ラジウム−223は、天然に、カルシウム模倣物としてのその特性のおかげで骨転移に対して自身を標的化する。アルファ線は、2〜10個の細胞という非常に短い範囲(ベータまたはガンマ線に基づく現行の放射線治療と比べて)を有するので、周囲の健常な組織(特に骨髄)にもたらす損傷はより少ない。カルシウムとよく似た特性を有するので、ラジウム−223は、身体内の骨を構築するためにカルシウムが使用されている位置(去勢抵抗性の進行前立腺がんを有する男性の骨格転移に見られるようなより速い異常な骨成長の部位を含む)に引き込まれる。ラジウム−223は、注射後、異常に骨が成長している部位に血流によって運ばれる。がんが身体内で生じ始めた位置は、原発腫瘍として公知である。これらの細胞のうちのいくつかは、離脱して、血流によって身体の別の部位に運ばれ得る。次いで、それらのがん細胞は、身体のその位置に定着して、新しい腫瘍を形成し得る。これが起きる場合、それは、二次がんまたは転移と呼ばれる。末期の前立腺がんを有するほとんどの患者は、骨にその疾患の最大の負担を被る。ラジウム−223を用いる目的は、この二次がんを選択的に標的化することである。骨に取り込まれない任意のラジウム−223は、すみやかに腸へと経路を定められ、排泄される。
別の態様において、処置は、mTorインヒビターである。いくつかの態様において、mTorインヒビターは、mTor/PI3キナーゼの二重インヒビターである。いくつかの態様において、mTorインヒビターは、転移を予防するためまたは阻害するために使用される。いくつかの態様において、mTorインヒビターは:ABI009(シロリムス)、ラパマイシン(シロリムス)、Abraxane(パクリタキセル)、Absorb(エベロリムス)、Afinitor(エベロリムス)、Gleevecと併用のAfinitor、AS703026(ピマセルチブ(pimasertib))、Axxess(ウミロリムス(umirolimus))、AZD2014、BEZ235、Biofreedom(ウミロリムス)、BioMatrix(ウミロリムス)、BioMatrix flex(ウミロリムス)、CC115、CC223、Combo Bio−engineered Sirolimus Eluting Stent ORBUSNEICH(シロリムス)、Curaxin CBLC102(メパクリン)、DE109(シロリムス)、DS3078、Endeavor DES(ゾタロリムス)、Endeavor Resolute(ゾタロリムス)、Femara(レトロゾール)、Hocena(アントロキノノール(antroquinonol))、INK128、Inspiron(シロリムス)、IPI504(レタスピマイシン(retaspimycin)塩酸塩)、KRN951(チボザニブ(tivozanib))、ME344、MGA031(テプリズマブ(teplizumab))、MiStent SES(シロリムス)、MKC1、Nobori(ウミロリムス)、OSI027、OVI123(コルジセピン)、Palomid 529、PF04691502、Promus Element(エベロリムス)、PWT33597、Rapamune(シロリムス)、Resolute DES(ゾタロリムス)、RG7422、SAR245409、SF1126、SGN75(ボルセツズマブマホドチン(vorsetuzumab mafodotin))、Synergy(エベロリムス)、Taltorvic(リダフォロリムス(ridaforolimus))、Tarceva(エルロチニブ)、Torisel(テムシロリムス)、Xience Prime(エベロリムス)、Xience V(エベロリムス)、Zomaxx(ゾタロリムス)、Zortress(エベロリムス)、ゾタロリムス溶出性末梢ステント(Peripheral Stent)MEDTRONIC(ゾタロリムス)、AP23841、AP24170、ARmTOR26、BN107、BN108、Canstatin GENZYME(カンスタチン(canstatin))、CU906、EC0371、EC0565、KI1004、LOR220、NV128、Rapamycin ONCOIMMUNE(シロリムス)、SB2602、Sirolimus PNP SAMYANG BIOPHARMACEUTICALS(シロリムス)、TOP216、VLI27、VS5584、WYE125132、XL388、Advacan(エベロリムス)、AZD8055、Cypher Select Plus シロリムス溶出性冠動脈ステント(シロリムス)、Cypher シロリムス溶出性冠動脈ステント(シロリムス)、薬物コーティングされたバルーン(シロリムス)、E−Magic Plus(シロリムス)、Emtor(シロリムス)、Esprit(エベロリムス)、Evertor(エベロリムス)、HBF0079、LCP−Siro(シロリムス)、Limus CLARIS(シロリムス)、mTORインヒビター CELLZOME、Nevo シロリムス溶出性冠動脈ステント(シロリムス)、nPT−mTOR、Rapacan(シロリムス)、Renacept(シロリムス)、ReZolve(シロリムス)、Rocas(シロリムス)、SF1126、Sirolim(シロリムス)、Sirolimus NORTH CHINA(シロリムス)、Sirolimus RANBAXY(シロリムス)、Sirolimus WATSON(シロリムス)Siropan(シロリムス)、Sirova(シロリムス)、Supralimus(シロリムス)、Supralimus−Core(シロリムス)、Tacrolimus WATSON(タクロリムス)、TAFA93、Temsirolimus ACCORD(テムシロリムス)、Temsirolimus SANDOZ(テムシロリムス)、TOP216、Xience Prime(エベロリムス)、Xience V(エベロリムス)からなる群より選択される。具体的な態様において、mTorインヒビターは、Afinitor(エベロリムス)(http://www.afinitor.com/index.jsp?usertrack.filter_applied=true&NovaId=4029462064338207963;最終アクセス日2012年11月28日)である。別の態様において、エベロリムスは、アロマターゼインヒビターと組合わされる(例えば、Baselga,J.ら、Everolimus in Postmenopausal Hormone−Receptor Positive Advanced Breast Cancer.2012.N.Engl.J.Med.366(6):520−529(これは本明細書中で参照により援用される)を参照のこと)。別の態様において、mTorインヒビターは、当該分野で公知の方法によって特定され得る(例えば、Zhou,H.ら、Updates of mTor inhibitors.2010.Anticancer Agents Med.Chem.10(7):571−81(これは本明細書中で参照により援用される)を参照のこと)。いくつかの態様において、mTorインヒビターは、ホルモン受容体について陽性の患者において転移を処置するためまたは予防するためまたは阻害するために使用される(例えば、Baselga,J.,el al.,Everolimus in Postmenopausal Hormone−Receptor Positive Advanced Breast Cancer. 2012. N.Engl.J.Med.366(6):520−529を参照のこと)。いくつかの実施形態において、患者は、ER+である。いくつかの態様において、mTorインヒビターは、進行した乳がんを有する患者において転移を処置するためまたは予防するためまたは阻害するために使用される。いくつかの態様において、mTorインヒビターは、第2の処置と組み合わせて使用される。いくつかの態様において、第2の処置は、本明細書中に記載される任意の処置である。
別の態様において、処置は、Srcキナーゼインヒビターである。いくつかの態様において、Srcインヒビターは、転移を予防するためまたは阻害するために使用される。いくつかの態様において、Srcキナーゼインヒビターは、以下の群:AZD0530(サラカチニブ(saracatinib))、Bosulif(ボスチニブ(bosutinib))、ENMD981693、KD020、KX01、Sprycel(ダサチニブ(dasatinib))、Yervoy(イピリムマブ(ipilimumab))、AP23464、AP23485、AP23588、AZD0424、c−Srcキナーゼインヒビター KISSEI、CU201、KX2361、SKS927、SRN004、SUNK706、TG100435、TG100948、AP23451、Dasatinib HETERO(ダサチニブ)、Dasatinib VALEANT(ダサチニブ)、Fontrax(ダサチニブ)、Srcキナーゼインヒビター KINEX、VX680(トザセルチブ(tozasertib)乳酸塩)、XL228およびSUNK706から選択される。いくつかの実施形態において、Srcキナーゼインヒビターは、ダサチニブである。別の態様において、Srcキナーゼインヒビターは、当該分野で公知の方法によって特定され得る(例えば、Sen,B.and Johnson,F.M.Regulation of Src Family Kinases in Human Cancers.2011.J.Signal Transduction.2011:14 pages(これは本明細書中で参照により援用される)を参照のこと)。いくつかの態様において、Srcキナーゼインヒビターは、SRC応答性シグネチャ(SRS)が陽性である患者において転移を処置するためまたは予防するためまたは阻害するために使用される。いくつかの態様において、患者は、SRS+かつER−である(例えば、Zhang,CH.−F,ら、Latent Bone Metastasis in Breast Cancer Tied to Src−Dependent survival signals.2009.Cancer Cell.16:67−78(これは本明細書中で参照により援用される)を参照のこと)。いくつかの態様において、Srcキナーゼインヒビターは、進行した乳がんを有する患者において転移を処置するためまたは予防するためまたは阻害するために使用される。いくつかの態様において、Srcキナーゼインヒビターは、第2の処置と組み合わせて使用される。いくつかの態様において、第2の処置は、本明細書中に記載される任意の処置である。
別の態様において、処置は、COX−2インヒビターである。いくつかの態様において、COX−2インヒビターは、転移を予防するためまたは阻害するために使用される。いくつかの態様において、COX−2インヒビターは、以下の群:ABT963、Acetaminophen ER JOHNSON(アセトアミノフェン)、Acular X(ケトロラクトロメタミン)、BAY1019036(アスピリン)、BAY987111(ジフェンヒドラミン、ナプロキセンナトリウム)、BAYl1902(ピロキシカム)、BCIBUCH001(イブプロフェン)、Capoxigem(アプリコキシブ(apricoxib))、CS502、CS670(ペルビプロフェン(pelubiprofen))、Diclofenac HPBCD(ジクロフェナク)、Diractin(ケトプロフェン)、GW406381、HCT1026(ニトロフルルビプロフェン(nitroflurbiprofen))、Hyanalgese−D(ジクロフェナク)、HydrocoDex(アセトアミノフェン、デキストロメトルファン、ヒドロコドン)、Ibuprofen Sodium PFIZER(イブプロフェンナトリウム)、Ibuprofen with Acetaminophen PFIZER(アセトアミノフェン、イブプロフェン)、Impracor(ケトプロフェン)、IP880(ジクロフェナク)、IP940(インドメタシン)、ISV205(ジクロフェナクナトリウム)、JNS013(アセトアミノフェン、トラマドール塩酸塩)、Ketoprofen TDS(ケトプロフェン)、LTNS001(ナプロキセンエテメシル(naproxen etemesil))、Mesalamine SALIX(メサラミン)、Mesalamine SOFAR(メサラミン)、Mesalazine(メサラミン)、ML3000(リコフェロン(licofelone))、
MRX7EAT(エトドラク)、Naproxen IROKO(ナプロキセン)、NCX4016(ニトロアスピリン)、NCX701(ニトロアセトアミノフェン)、Nuprin SCOLR(イブプロフェン)、OMS103HP(アミトリプチリン塩酸塩、ケトプロフェン、オキシメタゾリン塩酸塩)、Oralease(ジクロフェナク)、OxycoDex(デキストロメトルファン、オキシコドン)、P54、PercoDex(アセトアミノフェン、デキストロメトルファン、オキシコドン)、PL3100(ナプロキセン、ホスファチジルコリン)、PSD508、R−Ketoprofen(ケトプロフェン)、Remura(ブロムフェナクナトリウム)、ROX828(ケトロラクトロメタミン)、RP19583(ケトプロフェンリジン)、RQ00317076、SDX101(R−エトドラク)、TDS943(ジクロフェナクナトリウム)、TDT070(ケトプロフェン)、TPR100、TQ1011(ケトプロフェン)、TT063(S−フルルビプロフェン)、UR8880(シミコキシブ(cimicoxib))、V0498TA01A(イブプロフェン)、VT122(エトドラク、プロプラノロール)、XP20B(アセトアミノフェン、デキストロプロポキシフェン)、XP21B(ジクロフェナクカリウム)、XP21L(ジクロフェナクカリウム)、Zoenasa(アセチルシステイン、メサラミン)、Acephen、Actifed Plus、Actifed−P、Acular、Acular LS、Acular PF、Acular X、Acuvail、Advil、Advil Allergy Sinus、Advil Cold and Sinus、Advil Congestion Relief、Advil PM、Advil PM Capsule、Air Salonpas、Airtal、Alcohol−Free NyQuil Cold & Flu Relief、Aleve、Aleve ABDI IBRAHIM、Aleve−D、Alka−Seltzer、Alka−Seltzer BAYER、Alka−Seltzer Extra Strength、Alka−Seltzer Lemon−Lime、Alka−Seltzer Original、Alka−Seltzer Plus、Alka−Seltzer plus Cold and Cough、Alka−Seltzer plus Cold and Cough Formula、Alka−Seltzer Plus Day and Night Cold Formula、Alka−Seltzer Plus Day Non−Drowsy Cold Formula、Alka−Seltzer Plus Flu Formula、Alka−Seltzer Plus Night Cold Formula、Alka−Seltzer Plus Sinus Formula、Alka−Seltzer Plus Sparkling Original Cold Formula、Alka−Seltzer PM、Alka−Seltzer Wake−Up Call、Anacin、Anaprox、Anaprox MINERVA、Ansaid、Apitoxin、Apranax、Apranax abdi、Arcoxia、Arthritis Formula Bengay、Arthrotec、Asacol、Asacol HD、Asacol MEDUNA ARZNEIMITTEL、Asacol ORIFARM、Aspirin BAYER、Aspirin Complex、Aspirin Migran、AZD3582、Azulfidine、Baralgan M、BAY1019036、BAY987111、BAYl1902、BCIBUCH001、Benadryl Allergy、Benadryl Day and Night、Benylin 4 Flu、Benylin Cold and Flu、Benylin Cold and Flu Day and Night、Benylin Cold and Sinus Day and Night、Benylin Cold and Sinus Plus、Benylin Day and Night Cold and Flu Relief、Benylin1 All−In−One、Brexin、Brexin ANGELINI、Bromday、Bufferin、Buscopan Plus、Caldolor、Calmatel、Cambia、Canasa、Capoxigem、Cataflam、Celebrex、Celebrex ORIFARM、Children’s Advil Allergy Sinus、Children’s Tylenol、Children’s Tylenol Cough and Runny Nose、Children’s Tylenol plus cold、Children’s Tylenol plus Cold and Cough、Children’s Tylenol plus cold and stuffy nose、Children’s Tylenol plus Flu、Children’s Tylenol plus cold & allergy、Children’s Tylenol plus Cough & Runny Nose、Children’s Tylenol plus Cough & Sore Throat、Children’s Tylenol plus multi symptom cold、Clinoril、Codral Cold and Flu、Codral Day and Night Day Tablets、Codral Day and Night Night Tablets、Codral Nightime、Colazal、Combunox、Contac Cold plus Flu、Contac Cold plus Flu Non−Drowsy、Coricidin D、Coricidin HBP Cold and Flu、Coricidin HBP Day and Night Multi−Symptom Cold、Coricidin HBP Maximum Strength Flu、Coricidin HBP Nighttime Multi−Symptom Cold、Coricidin II Extra Strength Cold and Flu、
CS502、CS670、Daypro、Daypro Alta、DDS06C、Demazin Cold and Flu、Demazin Cough、Cold and Flu、Demazin day/night Cold and Flu、Demazin PE Cold and Flu、Demazin PE day/night Cold and Flu、Diclofenac HPBCD、Dimetapp Day Relief、Dimetapp Multi−Symptom Cold and Flu、Dimetapp Night Relief、Dimetapp Pain and Fever Relief、Dimetapp PE Sinus Pain、Dimetapp PE Sinus Pain plus Allergy、Dipentum、Diractin、Disprin Cold ‘n’ Fever、Disprin Extra、Disprin Forte.Disprin Plus、Dristan Cold、Dristan Junior、Drixoral Plus、Duexis、Dynastat、Efferalgan、Efferalgan Plus Vitamin C、Efferalgan Vitamin C、Elixsure IB、Excedrin Back and Body、Excedrin Migraine、Excedrin PM、Excedrin Sinus Headache、Excedrin Tension Headache、Falcol、Fansamac、Feldene、FeverAll、Fiorinal、Fiorinal with Codeine、Flanax、Flector Patch、Flucam、Fortagesic、Gerbin、Giazo、Gladio、Goody’s Back and Body Pain、Goody’s Cool Orange、Goody’s Extra Strength、Goody’s PM、Greaseless Bengay、GW406381、HCT1026、He Xing Yi、Hyanalgese−D、HydrocoDex、Ibuprofen Sodium PFIZER、Ibuprofen with、Acetaminophen PFIZER、Icy Hot SANOFI AVENTIS、Impracor、Indocin、Indomethacin APP PHARMA、Indomethacin MYLAN、Infants’ Tylenol、IP880、IP940、Iremod、ISV205、JNS013、Jr.Tylenol、Junifen、Junior Strength Advil、Junior Strength Motrin、Ketoprofen TDS、Lemsip Max、Lemsip Max All in One、Lemsip Max All Night、Lemsip Max Cold and Flu、Lialda、Listerine Mouth Wash、Lloyds Cream、Lodine、Lorfit P、Loxonin、LTNS001、Mersyndol、Mesalamine SALIX、Mesalamine SOFAR、Mesalazine、Mesasal GLAXO、Mesasal SANOFI、Mesulid、Metsal Heat Rub、Midol Complete、Midol Extended Relief、Midol Liquid Gels、Midol PM、Midol Teen Formula、Migranin COATED TABLETS、ML3000、Mobic、Mohrus、Motrin、Motrin Cold and Sinus Pain、Motrin PM、Movalis ASPEN、MRX7EAT、Nalfon、Nalfon PEDINOL、Naprelan、Naprosyn、Naprosyn RPG LIFE SCIENCE、Naproxen IROKO、NCX4016、NCX701、NeoProfen LUNDBECK、Nevanac、Nexcede、Niflan、Norgesic MEDICIS、Novalgin、Nuprin SCOLR、Nurofen、Nurofen Cold and Flu、Nurofen Max Strength Migraine、Nurofen Plus、
Nuromol、NyQuil with Vitamin C、Ocufen、OMS103HP、Oralease、Orudis ABBOTT JAPAN、Oruvail、Osteluc、OxycoDex、P54、Panadol、Panadol Actifast、Paradine、Paramax、Parfenac、Pedea、Pennsaid、Pentasa、Pentasa ORIFARM、Peon、Percodan、Percodan−Demi、PercoDex、Percogesic、Perfalgan、PL2200、PL3100、Ponstel、Prexige、Prolensa、PSD508、R−Ketoprofen、Rantudil、Relafen、Remura、Robaxisal、Rotec、Rowasa、ROX828、RP19583、RQ00317076、Rubor、Salofalk、Salonpas、Saridon、SDX101、Seltouch、sfRowasa、Shinbaro、Sinumax、Sinutab、Sinutab、sinus、Spalt、Sprix、Strefen、Sudafed Cold and Cough、Sudafed Head Cold and Sinus、Sudafed PE Cold plus Cough、Sudafed PE Pressure plus Pain、Sudafed PE、Severe Cold、Sudafed PE Sinus Day plus Night Relief Day Tablets、Sudafed PE Sinus Day plus Night Relief Night Tablets、Sudafed PE Sinus plus Anti−inflammatory Pain Relief、
Sudafed Sinus Advance、Surgam、Synalgos−DC、Synflex、Tavist allergy/sinus/headache、TDS943、TDT070、Theraflu Cold and Sore Throat、Theraflu Daytime Severe Cold and Cough、Theraflu Daytime Warming Relief,Theraflu Warming Relief Caplets Daytime Multi−Symptom Cold、Theraflu Warming Relief Cold and Chest Congestion、Thomapyrin、Thomapyrin C、Thomapyrin Effervescent、Thomapyrin Medium、Tilcotil、Tispol、Tolectin、Toradol、TPR100、TQ1011、Trauma−Salbe、Trauma−Salbe Kwizda、Treo、Treximet、Trovex、TT063、Tylenol、Tylenol Allergy Multi−Symptom、Tylenol Back Pain、Tylenol Cold & Cough Daytime、Tylenol Cold & Cough Nighttime、Tylenol Cold and Sinus Daytime、Tylenol Cold and Sinus Nighttime、Tylenol Cold Head Congestion Severe、Tylenol Cold Multi Symptom Daytime、Tylenol Cold Multi Symptom Nighttime Liquid、Tylenol Cold Multi Symptom Severe、Tylenol Cold Non−Drowsiness Formula、Tylenol Cold Severe Congestion Daytime、Tylenol Complete Cold,Cough and Flu Night time、Tylenol Flu Nighttime、Tylenol Menstrual、Tylenol PM、Tylenol Sinus Congestion & Pain Daytime、Tylenol Sinus Congestion & Pain Nighttime、Tylenol Sinus Congestion & Pain Severe、Tylenol Sinus Severe Congestion Daytime、Tylenol Ultra Relief、Tylenol with Caffeine and Codeine phosphate、Tylenol with Codeine phosphate、Ultra Strength Bengay Cream、Ultracet、UR8880、V0498TA01A、Vicks NyQuil Cold and Flu Relief、Vicoprofen、Vimovo、Voltaren Emulgel、Voltaren GEL、Voltaren NOVARTIS CONSUMER HEALTH GMBH、Voltaren XR、VT122、Xefo、Xefo Rapid、Xefocam、Xibrom、XL3、Xodol、XP20B、XP21B、XP21L、ZipsorおよびZoenasaから選択される。別の態様において、COX−2インヒビターは、当該分野で公知の方法によって特定され得る(例えば、Dannhardt,G.and Kiefer,W.Cyclooxygenase inhibitors−current status and future prospects.2001.Eur.J.Med.Chem.36:109−126(これは本明細書中で参照により援用される)を参照のこと)。いくつかの態様において、COX−2インヒビターは、進行した乳がんを有する患者において転移を処置するためまたは予防するためまたは阻害するために使用される。いくつかの態様において、COX−2インヒビターは、第2の処置と組み合わせて使用される。いくつかの態様において、第2の処置は、本明細書中に記載される任意の処置である。いくつかの態様において、COX−2インヒビターは、デノスマブ、Zometa(http://www.us.zometa.com/index.jsp?usertrack.filter_applied=true&NovaId=2935376934467633633;最終アクセス日2012年12月2日)、CarbozantinibまたはCabozantinib、PTHLH(副甲状腺ホルモン様ホルモン)またはPTHrP(副甲状腺ホルモン関連タンパク質)を阻止する抗体またはペプチドおよびエベロリムスからなる群より選択される第2の処置と組み合わせて使用される。
別の態様において、骨分解を回避するためおよび/または予防するために使用される処置剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
・副甲状腺ホルモン(PTH)インヒビターおよび副甲状腺様ホルモン(PTHLH)インヒビター(阻止抗体を含む)またはそれらの組換え型(PTHのアミノ酸7〜34に対応するテリパラチド)。このホルモンは、破骨細胞を刺激してその活性を高めることによって作用する。
・ラネル酸ストロンチウムは、代替の経口処置であり、骨芽細胞の増殖を刺激し、破骨細胞の増殖を阻害するので、「二重作用骨剤(dual action bone agents)」(DABA)と呼ばれる薬物の群の一部を形成する。
・「エストロゲンレセプター調節因子(modulator)」(SERM)は、機序に関係なくエストロゲンがレセプターに結合するのを干渉するかまたは阻害する化合物のことを指す。エストロゲンレセプター調節因子の例としては、とりわけ、エストロゲンプロゲスターゲン、エストラジオール、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、ラソホキシフェン(lasofoxifene)、TSE−424、タモキシフェン、イドキシフェン(idoxifene)、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント(fluvestrant)、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート 4,4’ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾンおよびSH646が挙げられる。
・カルシトニンは、カルシトニンレセプターを介して破骨細胞の活性を直接阻害する。カルシトニンレセプターは、破骨細胞の表面上で同定されている。
・ビスホスホネートは、骨粗鬆症および骨転移を伴うがん(後者は、乳がんおよび前立腺がんに関連する高カルシウム血症を伴うかまたは伴わない)などの、骨吸収および再吸収を伴う疾患の予防および処置のために使用される医薬品の群である。本発明の第5の方法によってデザインされる治療において使用され得るビスホスホネートの例としては、窒素含有ビスホスホネート(例えば、パミドロネート、ネリドロネート(neridronate)、オルパドロネート(olpadronate)、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、インカドロネート、ゾレドロネート(zoledronate)またはゾレドロン酸など)および窒素非含有ビスホスホネート(例えば、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネートなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
・「カテプシンKインヒビター」とは、カテプシンKシステインプロテアーゼ活性に干渉する化合物のことを指す。カテプシンKインヒビターの非限定的な例としては、4−アミノ−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体(Novartis Pharma GMBHの名称下の国際特許出願公開WO03/020278に記載されている)、公報WO03/020721(Novartis Pharma GMBH)および公報WO04/000843(ASTRAZENECA AB)に記載されているピロロ−ピリミジン、ならびにAxys Pharmaceuticalsの公報PCT WO00/55126、Merck Frosst Canada & Co.およびAxys PharmaceuticalsのWO01/49288に記載されているインヒビターが挙げられる。
・本明細書中で使用されるとき「DKK−1(Dickkopf−1)インヒビター」は、DKK−1活性を低下させることができる任意の化合物のことを指す。DKK−1は、主に成体の骨において発現され、溶骨性病変を有するミエローマ患者においてアップレギュレートされる、可溶性Wnt経路アンタゴニストである。DKK−1を標的化する薬剤は、多発性骨髄腫患者における溶骨性骨疾患の予防に役割を果たし得る。Novartis製のBHQ880は、ファースト・イン・クラスの完全にヒトの抗DKK−1中和抗体である。前臨床試験は、BHQ880が骨形成を促進し、それによって、腫瘍が誘導する溶骨性疾患を阻害するという仮説を支持している(Ettenberg S.ら、American Association for Cancer Research Annual Meeting.April 12−16,2008;San Diego,Calif.要旨)。
・本明細書中で使用されるとき「METおよびVEGFR2の二重インヒビター」は、METによって駆動される腫瘍エスケープを阻止するようにデザインされた、MET経路およびVEGF経路の強力な二重インヒビターである任意の化合物のことを指す。METは、腫瘍細胞および内皮細胞だけでなく、骨芽細胞(骨を形成する細胞)および破骨細胞(骨を除去する細胞)においても発現される。HGFは、これらの細胞型のすべてにおいてMETに結合し、MET経路に複数のオートクラインループおよびパラクリンループにおける重要な役割を与える。腫瘍細胞におけるMETの活性化は、転移性の骨病変の確立において重要であるとみられる。同時に、骨芽細胞および破骨細胞におけるMET経路の活性化は、異常な骨の成長(すなわち、芽細胞性の病変)または破壊(すなわち、溶解性の病変)を含む骨転移の病理学的特色をもたらし得る。したがって、MET経路の標的化は、転移性の骨病変の確立および進行を予防する実行可能なストラテジーであり得る。以前はXL184(CAS849217−68−1)として知られていたカボザンチニブ(cabozantinib)(Exelixis,Inc)は、METによって駆動される腫瘍エスケープを阻止するようにデザインされた、MET経路およびVEGF経路の強力な二重インヒビターである。複数の前臨床試験において、カボザンチニブは、腫瘍細胞を死滅させ、転移を減少させ、血管新生(腫瘍の成長を支えるために必要な新しい血管の形成)を阻害することが示されている。別の好適な二重インヒビターは、E7050(N−[2−フルオロ−4−({2−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニルアミノピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド(2R,3R)−タルトレート)(CAS928037−13−2)またはフォレチニブ(foretinib)(GSK1363089、XL880、CAS849217−64−7としても知られる)である。
・本明細書中で使用されるとき「RANKLインヒビター」は、RANK活性を低下させることができる任意の化合物のことを指す。RANKLは、ストローマ細胞およびT−リンパ球細胞の骨芽細胞膜の表面上に見出され、これらのT−リンパ球細胞は、それを分泌する能力が証明されている唯一の細胞である。その主要な機能は、骨吸収に関わる細胞である破骨細胞の活性化である。RANKLインヒビターは、RANKLがそのレセプター(RANK)に結合するのを阻止すること、RANK媒介性シグナル伝達を阻止すること、またはRANKLの転写もしくは翻訳を阻止することによってRANKLの発現を減少させることによって、作用し得る。本発明における使用に適したRANKLアンタゴニストまたはインヒビターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
・RANKLに結合することができ、RANKタンパク質の細胞外ドメインの全体またはフラグメントを含む、好適なRANKタンパク質。可溶性RANKは、マウスもしくはヒトRANKポリペプチドのシグナルペプチドおよび細胞外ドメインを含み得るか、またはあるいは、シグナルペプチドが除去されたそのタンパク質の成熟型が使用され得る。
・オステオプロテゲリンまたはRANKL結合能を有するそのバリアント。
・RANKL特異的アンチセンス分子。
・RANKLの転写産物をプロセシングすることができるリボザイム。
・特異的な抗RANKL抗体。「抗RANKL抗体またはRANKLに対し指向する抗体」は、1つまたは複数のRANKLの機能を阻害する、核因子κBに対する活性化レセプターのリガンド(RANKL)に特異的に結合することができるすべての抗体と本明細書中で理解される。それらの抗体は、当業者に公知の任意の方法を用いて調製され得る。したがって、ポリクローナル抗体は、阻害されるべきタンパク質で動物を免疫することによって調製される。モノクローナル抗体は、Kohler,Milsteinら(Nature,1975,256:495)に記載されている方法を用いて調製される。本発明の文脈において好適な抗体としては、可変抗原結合領域および定常領域を含むインタクトな抗体、フラグメント「Fab」、「F(ab’)2」および「Fab’」、Fv、scFv、ダイアボディおよび二重特異性抗体が挙げられる。
・特異的な抗RANKLナノボディ。ナノボディは、天然に存在する重鎖抗体の独特の構造的および機能的特性を含む、抗体由来の治療タンパク質である。ナノボディ技術は、ラクダ科動物(ラクダおよびラマ)が軽鎖を欠く完全に機能的な抗体を有するという発見の後に、最初に開発された。ナノボディの一般構造は、
FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4
であり、ここで、FR1からFR4は、フレームワーク領域1〜4であり、CDR1からCDR3は、相補性決定領域1〜3である。これらの重鎖抗体は、単一の可変ドメイン(VHH)および2つの定常ドメイン(CH2およびCH3)を含む。重要なことには、クローニングされ、単離されたVHHドメインは、元の重鎖抗体の完全な抗原結合能を有する完全に安定なポリペプチドである。独特の構造的および機能的特性を有するこれらの新しく発見されたVHHドメインは、Ablynxがナノボディと名付けた新世代の治療用抗体の基礎を形成している。
1つの実施形態において、RANKLインヒビターは、RANKL特異的抗体、RANKL特異的ナノボディおよびオステオプロテゲリンからなる群より選択される。具体的な実施形態において、抗RANKL抗体は、モノクローナル抗体である。なおもより具体的な実施形態において、抗RANKL抗体は、デノスマブ(denosumab)(Pageau,Steven C.(2009).mAbs 1(3):210−215、CAS番号615258−40−7)(その全内容が本明細書によって参照により援用される)である。デノスマブは、RANKLに結合して、その活性化を妨げる完全にヒトのモノクローナル抗体である(これは、RANKレセプターには結合しない)。デノスマブの様々な態様が、米国特許第6,740,522号;同第7,411,050号;同第7,097,834号;同第7,364,736号(これらの各々の全内容が本明細書によってその全体において参照により援用される)によって包含されている。別の実施形態において、RANKLインヒビターは、デノスマブと同じエピトープに結合する抗体、抗体フラグメントまたは融合構築物。
好ましい実施形態において、抗RANKLナノボディは、WO2008142164(その内容は参照により本願に援用される)に記載されているようなナノボディのいずれかである。なおもより好ましい実施形態において、抗RANKL抗体は、ALX−0141(Ablynx)である。ALX−0141は、閉経後の骨粗鬆症、関節リウマチ、がんおよびある特定の医薬に関連する骨減少を阻害するように、および健常な骨代謝のバランスを再建するように、デザインされた。
好ましい実施形態において、骨分解を予防する薬剤は、ビスホスホネート、RANKLインヒビター、PTHおよびPTHLHインヒビターまたはPRGアナログ、ラネル酸ストロンチウム、DKK−1インヒビター、METおよびVEGFR2の二重インヒビター、エストロゲンレセプター調節因子、ラジウム−223カルシトニンならびにカテプシンKインヒビターからなる群より選択される。より好ましい実施形態において、骨分解を予防する薬剤は、ビスホスホネートである。なおもより好ましい実施形態において、ビスホスホネートは、ゾレドロン酸である。
1つの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、骨への原発性乳がん腫瘍の転移を予防するためまたは阻害するために投与される。1つの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、大分子である。別の実施形態において、CCR5アンタゴニストは、小分子である。いくつかの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、マラビロク(maraviroc)(Velasco−Velaquez,M.ら、2012.CCR5 Antagonist Blocks Metastasis of Basal Breast Cancer Cells.Cancer Research.72:3839−3850)である。いくつかの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、ビクリビロク(vicriviroc)(Velasco−Vela’quez,M.ら、2012.CCR5 Antagonist Blocks Metastasis of Basal Breast Cancer Cells.Cancer Research.72:3839−3850)である。いくつかの態様において、CCR5アンタゴニストは、アプラビロク(aplaviroc)(Demarest J.F.ら、2005.Update on Aplaviroc:An HIV Entry Inhibitor Targeting CCR5.Retrovirology 2(Suppl.1):S13)である。いくつかの態様において、CCR5アンタゴニストは、スピロピペリジンCCR5アンタゴニスト(Rotstein D.M.ら、2009.Spiropiperidine CCR5 antagonists.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters.19(18):5401−5406)である。いくつかの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、INCB009471(Kuritzkes,D.R.2009.HIV−1 entry inhibitors:an overview.Curr.Opin.HIV AIDS.4(2):82−7)である。
好ましい実施形態において、METおよびVEGFR2の二重インヒビターは、カボザンチニブ、フォレチニブおよびE7050からなる群より選択される。
好ましい実施形態において、ラジウム223治療は、アルファラディンである。
あるいは、転移を処置するためおよび/もしくは予防するために上で述べられた薬剤のうちの2つ以上の薬剤が組み合わされる組合せ処置が行われ得るか、または上記薬剤は、他のサプリメント(例えば、カルシウムまたはビタミンD)もしくはホルモン処置と組合わされ得る。
いったん、サンプル中のc−MAF遺伝子発現レベルが、測定されて、参照値(例えば、コントロールサンプル中のc−MAF遺伝子発現レベル)と比較されたら、該遺伝子の発現レベルが、参照値と比較して上昇している場合、これは、前記被験体は、骨分解の回避または予防を目指す治療を受けることが可能であることを示す。
骨分解の回避および/または予防のために使用される薬剤の例証的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
・副甲状腺ホルモン(PTH)および副甲状腺様ホルモン(PTHLH)インヒビター(抗体のブロックを含む)またはその組換え型(PTHのアミノ酸7〜34に対応するテリパラチド)。このホルモンは、骨芽細胞を刺激してその活性を高めることによって作用する。
・ラネル酸ストロンチウムは、代替の経口処置であり、骨芽細胞の増殖を刺激し、破骨細胞の増殖を阻害するので、「二重作用骨剤」(DABA)と呼ばれる薬物の群の一部を形成する。
・「エストロゲンレセプター調節因子」(SERM)は、機序に関係なくエストロゲンがレセプターに結合するのを干渉するかまたは阻害する化合物のことを指す。エストロゲンレセプター調節因子の例としては、とりわけ、エストロゲンプロゲスターゲン、エストラジオール、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、ラソホキシフェン、TSE−424、タモキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート 4,4’ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾンおよびSH646が挙げられる。・カルシトニンは、カルシトニンレセプターを介して破骨細胞の活性を直接阻害する。カルシトニンレセプターは、破骨細胞の表面上で同定されている。
・ビスホスホネートは、骨粗鬆症および骨転移を伴うがん(後者は、乳がんおよび前立腺がんに関連する高カルシウム血症を伴うかまたは伴わない)などの、骨吸収および再吸収を伴う疾患の予防および処置のために使用される医薬品の群である。本発明の第5の方法によってデザインされる治療において使用され得るビスホスホネートの例としては、窒素含有ビスホスホネート(例えば、パミドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、インカドロネート、ゾレドロネートまたはゾレドロン酸など)および窒素非含有ビスホスホネート(例えば、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネートなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
・アルファラディン(二塩化ラジウム−223)。アルファラディンは、がん細胞を殺すために、ラジウム−223の崩壊からのアルファ線を使用する。ラジウム−223は、天然に、カルシウム模倣物としてのその特性のおかげで骨転移に対して自身を標的化する。アルファ線は、2〜10個の細胞という非常に短い範囲(ベータ線またはガンマ線に基づく現行の放射線治療と比べて)を有するので、周囲の健常な組織(特に骨髄)にもたらす損傷はより少ない。カルシウムとよく似た特性を有するので、ラジウム−223は、身体内の骨を構築するためにカルシウムが使用される場所(去勢抵抗性の進行前立腺がんを有する男性の骨格転移に見られるようなより速い異常な骨成長の部位を含む)に引き寄せられる。ラジウム−223は、注射後、異常に骨が成長している部位に血流によって運ばれる。がんが身体内で生じ始めた場所は、原発腫瘍として公知である。これらの細胞のうちのいくつかは、離脱して、血流によって身体の別の部位に運ばれ得る。次いで、それらのがん細胞は、身体のその部分に定着して、新しい腫瘍を形成し得る。これが起きる場合、それは、二次がんまたは転移と呼ばれる。末期の前立腺がんを有するほとんどの患者は、骨にその疾患の最大の負担を被る。ラジウム−223を用いる目的は、この二次がんを選択的に標的とすることである。骨に取り込まれない任意のラジウム−223は、すみやかに腸へと送られ、排泄される。
・「カテプシンKインヒビター」とは、カテプシンKシステインプロテアーゼ活性に干渉する化合物のことを指す。カテプシンKインヒビターの非限定的な例としては、4−アミノ−ピリミジン−2−カルボニトリル誘導体(Novartis Pharma GMBHの名称下の国際特許出願公開WO03/020278に記載されている)、公報WO03/020721(Novartis Pharma GMBH)および公報WO04/000843(ASTRAZENECA AB)に記載されているピロロ−ピリミジン、ならびにAxys Pharmaceuticalsの公報PCT WO00/55126、Merck Frosst Canada & Co.およびAxys PharmaceuticalsのWO01/49288に記載されているインヒビターが挙げられる。
・本明細書中で使用されるとき「DKK−1(Dickkopf−1)インヒビター」は、DKK−1活性を低下させることができる任意の化合物のことを指す。DKK−1は、主に成体の骨において発現され、溶骨性病変を有するミエローマ患者においてアップレギュレートされる、可溶性Wnt経路アンタゴニストである。DKK−1を標的化する薬剤は、多発性骨髄腫患者における溶骨性骨疾患の予防に役割を果たし得る。Novartis製のBHQ880は、ファースト・イン・クラスの完全にヒトの抗DKK−1中和抗体である。前臨床試験は、BHQ880が骨形成を促進し、それによって、腫瘍が誘導する溶骨性疾患を阻害するという仮説を支持している(Ettenberg S.ら、American Association for Cancer Research Annual Meeting.4月 12−16,2008;San Diego,Calif.要旨)。
・本明細書中で使用されるとき「METおよびVEGFR2の二重インヒビター」は、METによって駆動される腫瘍エスケープを阻止するようにデザインされた、MET経路およびVEGF経路の強力な二重インヒビターである任意の化合物のことを指す。METは、腫瘍細胞および内皮細胞だけでなく、骨芽細胞(骨を形成する細胞)および破骨細胞(骨を除去する細胞)においても発現される。HGFは、これらの細胞型のすべてにおけるMETに結合し、MET経路に、複数のオートクラインループおよびパラクリンループにおいて重要な役割を与える。腫瘍細胞におけるMETの活性化は、転移性の骨病変の確立において重要であるとみられる。同時に、骨芽細胞および破骨細胞におけるMET経路の活性化は、異常な骨の成長(すなわち、芽細胞性の病変)または破壊(すなわち、溶解性の病変)を含む骨転移の病理学的特色をもたらし得る。したがって、MET経路の標的化は、転移性の骨病変の確立および進行の予防の実行可能なストラテジーであり得る。以前はXL184(CAS849217−68−1)として知られていたカボザンチニブ(Exelixis,Inc)は、METによって駆動される腫瘍エスケープを阻止するようにデザインされた、MET経路およびVEGF経路の強力な二重インヒビターである。複数の前臨床試験において、カボザンチニブは、腫瘍細胞を死滅させ、転移を減少させ、血管新生(腫瘍の成長を支えるために必要な新しい血管の形成)を阻害することが示されている。別の好適な二重インヒビターは、E7050(N−[2−フルオロ−4−({2−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピペリジン−1−イル]カルボニルアミノピリジン−4−イル}オキシ)フェニル]−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド(2R,3R)−タルトレート)(CAS928037−13−2)またはフォレチニブ(GSK1363089、XL880、CAS849217−64−7としても知られる)である。
・本明細書中で使用されるとき「RANKLインヒビター」は、RANK活性を低下させることができる任意の化合物のことを指す。RANKLは、ストローマ細胞およびT−リンパ球細胞の骨芽細胞膜の表面上に見出され、これらのT−リンパ球細胞は、それを分泌する能力が証明されている唯一の細胞である。その主要な機能は、骨吸収に関わる細胞である破骨細胞の活性化である。RANKLインヒビターは、RANKLがそのレセプター(RANK)に結合するのを阻止すること、RANK媒介性シグナル伝達を阻止すること、またはRANKLの転写もしくは翻訳を阻止することによってRANKLの発現を減少させることによって、作用し得る。本発明における使用に適したRANKLアンタゴニストまたはインヒビターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
・RANKLに結合することができ、RANKタンパク質の細胞外ドメインの全体またはフラグメントを含む、好適なRANKタンパク質。可溶性RANKは、マウスもしくはヒトRANKポリペプチドのシグナルペプチドおよび細胞外ドメインを含み得るか、またはあるいは、シグナルペプチドが除去されたそのタンパク質の成熟型が使用され得る。
・オステオプロテゲリンまたはRANKL結合能を有するそのバリアント。
・RANKL特異的アンチセンス分子。
・RANKLの転写産物をプロセシングすることができるリボザイム。
・特異的な抗RANKL抗体。「抗RANKL抗体またはRANKLに対し指向する抗体」は、1つまたは複数のRANKLの機能を阻害する、核因子κBに対する活性化レセプターのリガンド(RANKL)に特異的に結合することができるすべての抗体と本明細書中で理解される。それらの抗体は、当業者に公知の任意の方法を用いて調製され得る。したがって、ポリクローナル抗体は、阻害されるべきタンパク質で動物を免疫することによって調製される。モノクローナル抗体は、Kohler,Milsteinら(1975)Nature,256:495)に記載されている方法を用いて調製される。本発明の文脈において好適な抗体としては、可変抗原結合領域および定常領域を含むインタクトな抗体、フラグメント「Fab」、「F(ab’)2」および「Fab’」、Fv、scFv、ダイアボディおよび二重特異性抗体が挙げられる。
・特異的な抗RANKLナノボディ。ナノボディは、天然に存在する重鎖抗体の独特の構造的および機能的特性を含む、抗体由来の治療タンパク質である。ナノボディ技術は、ラクダ科動物(ラクダおよびラマ)が軽鎖を欠く完全に機能的な抗体を有するという発見の後に、最初に開発された。ナノボディの一般構造は、
FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4
であり、ここで、FR1からFR4は、フレームワーク領域1〜4であり、CDR1からCDR3は、相補性決定領域1〜3である。これらの重鎖抗体は、単一の可変ドメイン(VHH)および2つの定常ドメイン(CH2およびCH3)を含む。重要なことには、クローニングされ、単離されたVHHドメインは、元の重鎖抗体の完全な抗原結合能を有する完全に安定なポリペプチドである。独特の構造的および機能的特性を有するこれらの新しく発見されたVHHドメインは、Ablynxがナノボディと名付けた新世代の治療用抗体の基礎を形成している。
1つの実施形態において、RANKLインヒビターは、RANKL特異的抗体、RANKL特異的ナノボディおよびオステオプロテゲリンからなる群より選択される。特定の実施形態において、抗RANKL抗体は、モノクローナル抗体である。なおもより特定の実施形態において、抗RANKL抗体は、デノスマブ(Pageau,Steven C.(2009)mAbs 1(3):210−215、CAS番号615258−40−7)(この内容全体が参照により本明細書中で援用される)である。デノスマブは、RANKLに結合して、その活性化を妨げる完全ヒトモノクローナル抗体である(これは、RANKレセプターには結合しない)。デノスマブの様々な態様が、米国特許第6,740,522号;同第7,411,050号;同第7,097,834号;同第7,364,736号(これらの各々の全内容が本明細書によって参照により援用される)によって包含されている。別の実施形態において、RANKLインヒビターは、デノスマブと同じエピトープに結合する抗体、抗体フラグメントまたは融合構築物である。
好ましい実施形態において、抗RANKLナノボディは、WO2008142164(その内容は参照により本願に援用される)に記載されているようなナノボディのいずれかである。なおもより好ましい実施形態において、抗RANKL抗体は、ALX−0141(Ablynx)である。ALX−0141は、閉経後の骨粗鬆症、関節リウマチ、がんおよびある特定の薬剤に関連する骨減少を阻害するように、および健常な骨代謝のバランスを再建するように、デザインされた。
好ましい実施形態において、骨分解を予防する薬剤は、ビスホスホネート、RANKLインヒビター、PTHおよびPTHLHインヒビターまたはPRGアナログ、ラネル酸ストロンチウム、DKK−1インヒビター、METおよびVEGFR2の二重インヒビター、エストロゲンレセプター調節因子、ラジウム−223、カルシトニンならびにカテプシンKインヒビターからなる群より選択される。より好ましい実施形態において、骨分解を予防する薬剤は、ビスホスホネートである。なおもより好ましい実施形態において、ビスホスホネートは、ゾレドロン酸である。
1つの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、骨への原発性乳がん腫瘍の転移を予防するためまたは阻害するために投与される。1つの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、大分子である。別の実施形態において、CCR5アンタゴニストは、小分子である。いくつかの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、Maraviroc(Velasco−Velaquez,M.ら、2012.CCR5 Antagonist Blocks Metastasis of Basal Breast Cancer Cells.Cancer Research.72:3839−3850)である。いくつかの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、Vicriviroc(Velasco−Velaquez,M.ら、2012.CCR5 Antagonist Blocks Metastasis of Basal Breast Cancer Cells.Cancer Research.72:3839−3850)である。いくつかの態様において、CCR5アンタゴニストは、Aplaviroc(Demarest J.F.ら、2005.Update on Aplaviroc:An HIV Entry Inhibitor Targeting CCR5.Retrovirology 2(Suppl.1):S13)である。いくつかの態様において、CCR5アンタゴニストは、スピロピペリジンCCR5アンタゴニスト(Rotstein D.M.ら、2009.Spiropiperidine CCR5 antagonists.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters.19(18):5401−5406)である。いくつかの実施形態において、CCR5アンタゴニストは、INCB009471(Kuritzkes,D.R.2009.HIV−1 entry inhibitors:an overview.Curr.Opin.HIV AIDS.4(2):82−7)である。
好ましい実施形態において、METおよびVEGFR2の二重インヒビターは、カボザンチニブ、フォレチニブおよびE7050からなる群より選択される。
好ましい実施形態において、ラジウム223治療は、アルファラディンである。
本発明のさらなる態様は、発現を阻害する、例えば、c−MAFの活性が阻害されるべきである該c−MAFをコードする核酸の転写および/または翻訳を阻害するための、単離された「アンチセンス」核酸の使用に関する。アンチセンス核酸は、従来の塩基相補性によって、または、例えば、二重らせんの主溝(large groove)における特異的な相互作用を介して二本鎖DNAに結合する場合、薬物の潜在的標的に結合し得る。通常、これらの方法は、当技術分野において通常使用される一連の技術のことを指し、それらには、オリゴヌクレオチド配列への特異的結合に基づく任意の方法が含まれる。
低分子干渉RNAまたはsiRNAは、RNA干渉によって標的遺伝子の発現を阻害することができる剤である。siRNAは、化学的に合成され得るか、インビトロ転写によって得ることができるか、または標的細胞においてインビボで合成され得る。代表的には、siRNAは、15〜40ヌクレオチド長の二本鎖RNAからなり、1〜6ヌクレオチドの3’および/または5’突出領域を含み得る。その突出領域の長さは、siRNA分子の全長と無関係である。siRNAは、転写後の標的メッセンジャーの分解またはサイレンシングによって作用する。
本発明のsiRNAは、c−MAFをコードする遺伝子のmRNAまたは上記タンパク質をコードする遺伝子配列と実質的に相同である。「実質的に相同」は、siRNAが、RNA干渉によって後者を分解することができるほど、標的mRNAと十分に相補的または類似である配列を有すると理解される。上記干渉を引き起こすために適したsiRNAとしては、RNAによって形成されるsiRNA、ならびに種々の化学修飾を含むsiRNA、例えば:
・ヌクレオチド間の結合が天然に見られる結合と異なる(例えば、ホスホロチオネート結合)siRNA
・フルオロフォアなどの機能的な試薬とRNA鎖との結合体
・2’位の種々のヒドロキシル官能基での修飾による、RNA鎖の末端、特に3’末端の修飾
・2’−O−メチルリボースまたは2’−O−フルオロリボースのような2’位におけるO−アルキル化残基などの改変された糖を有するヌクレオチド
・ハロゲン化された塩基(例えば、5−ブロモウラシルおよび5−ヨードウラシル)、アルキル化された塩基(例えば、7−メチルグアノシン)などの改変された塩基を有するヌクレオチド
が挙げられる。
他方で、本発明は、本発明のc−MAF遺伝子の発現を阻害するDNA酵素の使用も企図する。DNA酵素は、アンチセンス技術とリボザイム技術の両方の機構的な特色のいくつかを組み込んでいる。DNA酵素は、アンチセンスオリゴヌクレオチドと同様の特定の標的核酸配列を認識するが、それにもかかわらず、リボザイムと同様に触媒性であり、標的核酸を特異的に切断するように、デザインされる。
c−MAFの活性が阻害されるべきである該c−MAFをコードするmRNAの翻訳を妨げるために標的mRNAの転写産物を触媒的に切断するためにデザインされたリボザイム分子もまた、使用され得る。リボザイムは、特定のRNAの切断を触媒することができる酵素的RNA分子である(概説として、Rossi,Current Biology 4:469−471,1994を参照のこと)。リボザイムの作用機序は、相補的な標的RNAへのリボザイム分子配列の特異的なハイブリダイゼーションとその後のエンドヌクレアーゼ作用による(endonucleolytic)切断事象が関与する。リボザイム分子の組成は、好ましくは、標的mRNAに相補的な1つまたは複数の配列およびmRNAの切断を担う周知の配列または機能的に等価な配列を含む(例えば、米国特許第5093246号を参照のこと)。
1つの実施形態において、被験体は、国際特許出願第PCT/IB2013/001204号および米国特許出願第13/878,114号(トリプルネガティブ乳がんおよびER+乳がん)、国際特許出願第PCT/US2014/026154号(腎細胞癌)、国際特許出願第PCT/US2014/028722号(乳がん)、国際特許出願第PCT/US2013/044584号(肺がん)、米国特許出願第14/050,262号および国際特許出願第PCT/IB2013/002866号(前立腺がん)、国際特許出願第PCT/US2014/059506号(HER2+乳がん)、米国特許出願第14/213,670号および国際特許出願第PCT/US2014/028569号(転移性がん)(各々、その全体が参照により本明細書中に援用される)に開示されている任意のc−MAF阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、DNA酵素、リボザイム、阻害抗体、阻害ペプチド、ネガティブc−MAFドミナントまたは他のc−MAF阻害分子を用いて処置される。いくつかの実施形態において、c−MAF阻害剤は、骨分解を処置または予防するために使用される。
あるいは、転移を処置するためおよび/もしくは予防するために上で述べられた薬剤のうちの2つ以上の薬剤が組み合わされる組合せ処置が行われ得るか、または上記薬剤は、他のサプリメント(例えば、カルシウムまたはビタミンD)もしくはホルモン処置と組合わされ得る。
別の態様において、本発明は、がんに罹患している被験体における前記がんの転移を予測するためのインビトロでの方法であって、本明細書中に開示される結合メンバーを使用して、前記被験体のサンプル中のc−MAF遺伝子が、参照遺伝子コピー数と比べて増幅されているかを決定する工程を含み、ここで、該参照遺伝子コピー数と比較したときのc−MAF遺伝子の増幅は、転移を起こすリスクの増加を示す、インビトロでの方法に関する。いくつかの実施形態において、増幅は、16q23遺伝子座の領域にある。
別の態様において、本発明は、がんに罹患している患者の臨床転帰を予測するためのインビトロでの方法に関し、その方法は、上記被験体のサンプル中のc−MAF遺伝子が、転座しているかを決定する工程を含み、ここで、c−MAF遺伝子の転座は、不良な臨床転帰を示す。
別の態様において、本発明は、がんに罹患している患者の臨床転帰を予測するためのインビトロでの方法に関し、その方法は、上記被験体のサンプル中のc−MAF遺伝子が、転座しているかを決定する工程を含み、ここで、c−MAF遺伝子の転座は、不良な臨床転帰を示す。
いくつかの実施形態において、転座遺伝子は、16q23遺伝子座の領域由来である。いくつかの実施形態において、転座遺伝子は、およそ16番染色体の約79,392,959bp〜79,663,806bp(セントロメアからテロメアまで)の染色体領域の任意の部分由来である。いくつかの実施形態において、転座遺伝子は、およそ16番染色体の約79,392,959bp〜79,663,806bpであるがDNA反復エレメントを排除したゲノム領域由来である。
別の態様において、本発明は、がんに罹患している患者の臨床転帰を予測するためのインビトロでの方法(本明細書中以後、本発明の第7の方法)に関し、その方法は、上記被験体のサンプル中のc−MAF遺伝子が、参照遺伝子コピー数と比べて増幅されているかを決定する工程を含み、ここで、上記参照遺伝子コピー数と比較したときのc−MAF遺伝子の増幅は、不良な臨床転帰を示す。
1つの実施形態は、第1の工程に、c−MAF遺伝子が被験体のサンプルにおいて増幅されているかを決定する工程を含む。c−MAFの増幅の決定は、本質的に先に記載されているように行われる。好ましい実施形態において、サンプルは、腫瘍組織サンプルである。好ましい実施形態において、c−MAF遺伝子の増幅は、遺伝子座16q23または16q22−q24の増幅を決定することによって決定される。別の好ましい実施形態において、c−MAF遺伝子の増幅は、c−MAF遺伝子特異的プローブまたは本明細書中に記載の抗体を使用することによって決定される。第2の工程において、この実施形態は、上記コピー数をコントロールサンプルまたは参照サンプルのコピー数と比較する工程を含み、ここで、そのc−MAFコピー数が、コントロールサンプルのc−MAFコピー数と比べて多い場合、これは、不良な臨床転帰を示す。
好ましい実施形態において、c−MAF遺伝子コピー数が、参照サンプルまたはコントロールサンプルが有するコピー数より多いとき、c−MAF遺伝子は、参照遺伝子コピー数と比較して、増幅されている。1つの例において、c−MAF遺伝子のゲノムコピー数が、試験サンプルにおいて、コントロールサンプルと比べて少なくとも、2倍増加(すなわち、6コピー)、3倍増加(すなわち、8コピー)、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍または50倍増加している場合、c−MAF遺伝子は、「増幅されている」と言われる。別の例において、細胞1つあたりのc−MAF遺伝子のゲノムコピー数が、少なくとも、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30などである場合、c−MAF遺伝子は、「増幅されている」と言われる。
いくつかの実施形態において、抗体は、国際特許出願第PCT/IB2013/001204号および米国特許出願第13/878,114号(トリプルネガティブ乳がんおよびER+乳がん)、国際特許出願第PCT/US2014/026154号(腎細胞癌)、国際特許出願第PCT/US2014/028722号(乳がん)、国際特許出願第PCT/US2013/044584号(肺がん)、米国特許出願第14/050,262号および国際特許出願第PCT/IB2013/002866号(前立腺がん)、国際特許出願第PCT/US2014/059506号(HER2+乳がん)、米国特許出願第14/213,670号および国際特許出願第PCT/US2014/028569号(転移性がん)(各々、その全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されている任意の方法において使用される。
処置方法
本発明の結合メンバー(例えば、抗体)は、結合メンバーに加えて、少なくとも1つの構成要素を含み得る医薬組成物の形態で投与され得る。したがって、本発明による医薬組成物、および本発明にしたがって使用するための医薬組成物は、活性成分に加えて、薬学的に活性な賦形剤、キャリア、バッファー、安定剤、または当業者に周知の他の物質を含み得る。かかる物質は無毒性であるべきであり、活性成分の有効性に干渉するべきではない。キャリアまたは他の物質の正確な性質は、以下で考察されるように、経口、吸入、気管内、局所的、膀胱内、または注射によるものであり得る投与経路に依存する。
経口投与のための医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末、液体、または半固体の形態であり得る。錠剤は、固体キャリア、例えばゼラチンまたはアジュバントを含み得る。液体医薬組成物は、一般に、液体キャリア、例えば水、石油、動物油もしくは植物油、鉱油、または合成油を含む。生理食塩水溶液、デキストロースもしくは他の糖溶液、またはグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、もしくはポリエチレングリコールも含まれ得る。
バッファー、例えばホスフェート、シトレート、および他の有機酸;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸およびメチオニン;保存剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、もしくはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチルもしくはプロピルパラベン;カテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3’−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジン;単糖、二糖、および他の炭水化物(グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む);キレート剤、例えばEDTA;糖、例えばスクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトール;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属複合体(例えば、Znタンパク質複合体);ならびに/または非イオン性界面活性剤、例えばTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)、もしくはポリエチレングリコール(PEG)を含む保存剤、安定剤、バッファー、抗酸化剤、および/または他の添加剤は、必要に応じて用いられ得る。
本発明の結合メンバー(例えば、抗体)は、分子の物理化学的特性および送達経路に応じて、液体、半固体、または固体形態で製剤化され得る。製剤は、賦形剤または賦形剤の組み合わせ、例えば糖、アミノ酸、および界面活性剤を含み得る。液体製剤は、広範囲の抗体濃度およびpHを含み得る。固体製剤は、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、または超臨界流体技術による乾燥によって生成され得る。結合メンバーの製剤は、目的の送達経路に依存する。結合メンバーは、急速な放出から結合メンバーを保護するキャリア、例えばインプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤と共に調製され得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。このような製剤の調製のための多くの方法は、当業者に公知である(Robinson,(1978)Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,Marcel Dekker,Inc.,New York)。
組成物は単独で、または他の処置と組み合わせて、処置すべき状態に応じて同時にまたは逐次的に投与され得る。
本発明の結合メンバー(例えば、抗体)は、さらなる医薬成分と併せて併用療法の一部として使用され得る。併用処置は、有意な相乗効果、特に本発明の結合メンバーと1またはそれより多くの他の抗体との組み合わせを提供するために使用され得る。本発明の結合メンバーは、本明細書中に列挙される状態の1またはそれより多くの処置のために、同時にもしくは逐次的に投与され得るか、または1つもしくは複数の別の治療剤との組合せ調製物(combined preparation)として投与され得る。
本発明の結合メンバー(例えば、抗体)および上記さらなる医薬構成成分の1またはそれより多くは、医薬の製造に使用され得る。医薬は、個体への個別投与または組合せ投与のためのものであり得るので、組合せ調製物として、または個別の調製物として結合メンバーおよびさらなる構成要素を含み得る。個別の調製物は、個別の逐次投与または同時投与を容易にし、異なる経路、例えば経口投与および非経口投与による構成要素の投与を可能にするために使用され得る。
本発明によれば、提供される組成物は、哺乳動物に投与され得る。投与は、通常、「治療有効量」によるものであり、これは、利益を患者に示すのに十分である。このような利益は、少なくとも1つの症状の少なくとも改善であり得る。投与される実際の量ならびに投与の速度および時間経過は、処置されるものの性質および重症度、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、組成物の送達部位、結合メンバーのタイプ、投与方法、投与スケジュール、ならびに医師(medical practitioner)に公知の他の要因に依存する。処置の処方(例えば、投与量の決定など)は、一般開業医(general practitioner)および他の医師(medical doctor)の責任の範囲内であり、処置される疾患の症状の重症度および/または進行に依存し得る。抗体の適切な用量は、当技術分野で周知である(Ledermannら、(1991)Int.J.Cancer 47:659−664;Bagshaweら、(1991)Antibody,Immunoconjugates and Radiopharmaceuticals 4:915−922)。投与される医薬のタイプに適切であると本明細書中でまたはPhysician’s Desk Reference(2009)に示されている特定の投与量が使用され得る。本発明の結合メンバー(例えば、抗体)の治療有効量または適切な用量は、動物モデルにおけるそのインビトロ活性およびインビボ活性を比較することによって決定され得る。マウスおよび他の試験動物における有効投与量からヒトへ外挿するための方法は公知である。正確な用量は、抗体が診断、予防または処置のためのものであるか、処置すべき領域のサイズおよび位置、抗体の正確な性質(例えば、全抗体またはフラグメント)、ならびに抗体に結合されている任意の検出可能な標識または他の分子の性質を含む多くの要因に依存する。典型的な抗体用量は、全身適用の場合には少なくとも約100μg〜約1g、および局所適用の場合には少なくとも約1μg〜約1mgの範囲内である。より多い初回負荷用量とそれに続く1回またはそれより多くのより少ない用量が投与され得る。典型的には、抗体は、全抗体、例えばIgGアイソタイプである。これは、成人患者の単回処置の用量であり、子供、幼児、および新生児の場合には比例的に調整され得、また他の抗体フォーマットの場合には分子量に比例して調整され得る。処置は、医師の裁量で、毎日、週2回、毎週、または毎月の間隔で繰り返され得る。処置は、皮下投与の場合には2〜4週間ごと、静脈内投与の場合には4〜8週間ごとであり得る。処置は、定期的なものであり得、投与間の期間は、約2週間もしくはそれを超える、例えば約3週間もしくはそれを超える、約4週間もしくはそれを超える、または約月1回であり得る。処置は、移植手術の前におよび/もしくは後に与えられ得、ならびに/または外科的処置の解剖学的部位に直接投与もしくは適用され得る。
核酸
本発明はさらに、本発明の結合メンバー(例えば、抗体)をコードする単離された核酸を提供する。核酸は、DNAおよび/またはRNAを含み得る。1つの実施形態において、本発明は、上記に定義される本発明のCDRもしくはCDRのセットまたはVドメインもしくはVドメインまたは抗体の抗原結合部位または抗体分子をコードする核酸を提供する。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号38、40、および42と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%または約100%同一の重鎖CDRを含むポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、配列番号26、28、および30と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%または約100%同一の重鎖CDRを含むポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、Vをコードするポリヌクレオチドは、配列番号15と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%または約100%同一である。いくつかの実施形態において、Vをコードするポリヌクレオチドは、配列番号15である。いくつかの実施形態において、重鎖をコードするポリヌクレオチドは、配列番号14と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%または約100%同一である。いくつかの実施形態において、重鎖をコードするポリヌクレオチドは、配列番号14である。いくつかの実施形態において、Vをコードするポリヌクレオチドは、配列番号20と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%または約100%同一である。いくつかの実施形態において、Vをコードするポリヌクレオチドは、配列番号20である。いくつかの実施形態において、軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、配列番号18と少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%または約100%同一である。いくつかの実施形態において、軽鎖をコードするポリヌクレオチドは、配列番号18である。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される任意の抗原結合メンバーをコードするポリヌクレオチドを含むベクターを対象とする。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、ベクターを含む。本発明はまた、少なくとも1つの上記ポリヌクレオチドを含むプラスミド、ベクター、転写または発現カセットの形態の構築物を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される任意の抗原結合分子をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を対象とする。本発明はまた、1またはそれより多くの上記構築物を含む組換え宿主細胞を提供する。コード核酸からの発現を含むコード産物の産生方法のように、任意のCDRもしくはCDRのセットまたはVドメインもしくはVドメインまたは抗体の抗原結合部位または抗体分子をコードする核酸はそれ自体で、本発明の態様を形成する。好都合には、発現は、適切な条件下で、核酸を含有する前記組換え宿主細胞を培養することによって達成され得る。本明細書中に開示されるVドメインまたはVドメインを含む結合メンバーの発現による産生の後、結合メンバーは、当技術分野で公知であり、適切であると考えられる任意の適切な技術を使用して単離および/または精製され得る。
本発明による核酸は、DNAまたはRNAを含み得、全体的または部分的に合成のものであり得る。本明細書中に示されるヌクレオチド配列への言及は、文脈上特に必要がない限り、指定の配列を有するDNA分子を包含し、TがUで置換されている指定の配列を有するRNA分子を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、ヒトc−MAFに結合する抗体またはそのフラグメントを生成する方法であって、前記核酸が発現され、抗体が産生されるように、本明細書中に記載される任意の宿主細胞を培養する工程を含む方法を対象とする。またさらなる態様は、本発明のV可変ドメインおよび/またはV可変ドメインを含む結合メンバーの生成方法であって、コード核酸から発現させる工程を含む生成方法を提供する。このような方法は、前記抗体のV可変ドメインおよび/またはV可変ドメインの生成のための条件下で、組換え宿主細胞を培養する工程を含み得る。
生成方法は、産物の単離および/または精製の工程を含み得る。生成方法は、薬学的に活性な賦形剤などの少なくとも1つのさらなる構成要素を含む組成物へと産物を製剤化する工程を含み得る。
様々な異なる宿主細胞におけるポリペプチドのクローニングおよび発現のための系は、周知である。適切な宿主細胞としては、細菌、哺乳動物細胞、植物細胞、糸状菌、酵母、および昆虫細胞ならびにトランスジェニック植物およびトランスジェニック動物が挙げられる。原核細胞における抗体および抗体フラグメントの発現は、当技術分野で十分に確立されている。概説については、例えば、Pluckthun,(1991)BioTechnology 9:545−551を参照のこと。一般的な細菌宿主は、大腸菌である。
培養物中の真核細胞における発現もまた、結合メンバーの産生のための選択肢として当業者に利用可能である(Chadd&Chamow,(2001)Curr.Op.Biotech.12:188−194;Andersen&Krummen,(2002)Curr.Op.Biotech.13:117;Larrick&Thomas,(2001)Curr.Op.Biotech.12:411−418)。異種ポリペプチドの発現のために当技術分野で利用可能な哺乳動物細胞系としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、NS0マウスメラノーマ細胞、YB2/0ラットミエローマ細胞、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞、ヒト胎児網膜細胞、その他多くのものが挙げられる。
必要に応じて、プロモーター配列、ターミネーター配列、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子、および他の配列を含む適切な調節配列を含有する適切なベクターが選択または構築され得る。ベクターは、必要に応じて、プラスミド、ファージミド、またはウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクターであり得る(Sambrook&Russell,Molecular Cloning:a Laboratory Manual:3rd edition,2001,Cold Spring Harbor Laboratory Press)。例えば、核酸構築物の調製における核酸の操作、変異誘発、配列決定、細胞へのDNAの導入、および遺伝子発現ならびにタンパク質の分析のための多くの公知の技術およびプロトコールは、Ausubelら、eds.Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,4th edition 1999に詳細に記載されている。
本発明のさらなる態様は、本明細書中に開示される核酸を含有する宿主細胞を提供する。このような宿主細胞は、インビトロで維持され得、組織培養で増殖され得る。このような宿主細胞はまた、例えば、腹水中で結合メンバーを産生するために、インビボで維持され得る。インビボにおける宿主細胞の存在は、「イントラボディ」または細胞内抗体として本発明の結合メンバーを細胞内発現させることを可能にし得る。イントラボディは、遺伝子治療に使用され得る。
なおさらなる態様は、本発明の核酸を宿主細胞に導入する工程を含む方法を提供する。導入は、任意の利用可能な技術を用い得る。真核細胞の場合には、適切な技術としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン、エレクトロポレーション、リポソーム媒介性トランスフェクション、およびレトロウイルスまたは他のウイルス、例えばワクシニアウイルス、または昆虫細胞の場合にはバキュロウイルスまたはそれらの任意の組み合わせを使用した形質導入が挙げられ得る。宿主細胞、特に真核細胞への核酸の導入は、ウイルスベースの系またはプラスミドベースの系を使用し得る。プラスミド系は、エピゾームで維持され得るか、または宿主細胞ゲノムもしくは人工染色体に組み込まれ得る。組み込みは、単一の遺伝子座または複数の遺伝子座における1またはそれより多くのコピーの無作為組み込みまたは標的化組み込みによるものであり得る。細菌細胞の場合には、適切な技術としては、塩化カルシウム形質転換、エレクトロポレーション、およびバクテリオファージを使用したトランスフェクションが挙げられ得る。
導入の後、例えば、結合メンバーの発現のための条件下で宿主細胞を培養することによって、核酸からの発現を引き起こし得るまたは可能にし得る。発現産物の精製は、当業者に公知の方法によって達成され得る。
本発明の核酸は、宿主細胞のゲノム(例えば、染色体)に組み込まれ得る。組み込みは、標準的な技術にしたがって、ゲノムとの組換えを促進する配列を含めることによって促進され得る。
本発明はまた、上記結合メンバーまたはポリペプチドを発現させるために、発現系において上記構築物を使用する工程を含む方法を提供する。
したがって、いくつかの実施形態において、本発明による結合メンバーは、c−MAF感染の増加に関連する障害の診断または処置の方法において使用され得る。
本発明のキット
本発明の任意の態様または実施形態による結合メンバー(例えば、抗体)を含むキットも提供される。別の態様において、前記キットは、がんに罹患している被験体における該がんの転移を予測するためのものであり、そのキットは:a)該被験体のサンプル中のc−MAFの発現レベルを定量するための手段;およびb)該サンプル中の定量されたc−MAFの発現レベルを参照c−MAF発現レベルと比較するための手段を備える。いくつかの実施形態において、使用される手段は、c−MAF免疫組織化学染色を定量するための光学密度測定または組織病理学的スコア化であり、ここで、−は、非陽性腫瘍を表し、+、++、+++は、異なる陽性レベルを表す。
いくつかの実施形態において、免疫組織化学染色は、組織マイクロアレイ免疫組織化学染色である。いくつかの実施形態において、手段は、免疫組織化学染色を実施するために使用される試薬である。いくつかの実施形態において、試薬は、免疫組織化学染色のためのホルマリン固定および/またはパラフィン包埋(FFPE)細胞サンプルまたは組織サンプルを調製するために使用される。免疫組織化学の説明は、米国特許第8,785,150号(その全体が参照により本明細書中に援用される)に見出すことができる。
いくつかの実施形態において、手段は、組織病理学的スコア化を実施するために使用される試薬である。いくつかの実施形態において、定量されたc−MAFの発現レベルを参照c−MAF発現レベルと比較するための手段は、c−MAFの定量可能な内部参照標準を含む。いくつかの実施形態において、転移は、骨転移である。いくつかの実施形態において、骨転移は、溶骨性骨転移である。
別の態様において、本発明は、がんからの骨転移に罹患している被験体の臨床転帰を予測するためのキットに関し、そのキットは:a)前記被験体のサンプル中のc−MAFの発現レベルを定量するための手段;およびb)前記サンプル中の定量されたc−MAFの発現レベルを参照c−MAF発現レベルと比較するための手段を備える。
別の態様において、本発明は、がんに罹患している被験体に対する治療を決定するためのキットに関し、そのキットは:a)前記被験体のサンプル中のc−MAFの発現レベルを定量するための手段;b)前記サンプル中の定量されたc−MAFの発現レベルを参照c−MAF発現レベルと比較するための手段;およびc)定量された発現レベルと参照発現レベルとの比較に基づいて、前記被験体において骨転移を予防するためおよび/または減少させるための治療を決定するための手段を備える。
別の態様において、本発明は、i)罹患している被験体のサンプル中のc−MAFの発現レベルを定量するための手段、およびii)骨転移のリスクと相関するように予め決定されている1つまたは複数のc−MAF遺伝子発現レベル指標を備えるキットに関する。
いくつかの実施形態において、本発明は、がんに罹患している被験体における該がんの骨転移を予測するためのキットを提供し、そのキットは:a)該被験体の腫瘍サンプル中のc−MAFの発現レベルを定量するために使用される、本明細書中に記載される抗原結合分子もしくはそのフラグメントまたは本明細書中に記載されるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド;およびb)該サンプル中の定量されたc−MAFの発現レベルを参照c−MAF発現レベルと比較するための手段を備える。
16q23および16q22−24遺伝子座の増幅および転座を含む前記被験体のサンプル中のc−MAFの発現レベルを定量するための手段は、先に詳細に記載された。
1つの実施形態において、発現を定量するための手段は、抗体のセットを含む。いくつかの実施形態において、発現を定量するための手段は、c−MAF遺伝子に特異的に結合し、および/またはc−MAF遺伝子を特異的に増幅するプローブおよび/またはプライマーをさらに含む。
特定の実施形態において、がんは、乳がん、肺がん、前立腺がん、または腎臓がんである。
本発明の方法の特定の実施形態のすべてが、本発明のキットおよびそれらの使用に適用可能である。
キットにおいて、結合メンバー(例えば、抗体)は、例えば以下でさらに記載されるように、サンプル中のその反応性を決定することを可能にするように標識され得る。さらに、結合メンバーは、固体支持体に結合されていてもよいし、または結合されていなくてもよい。一般に、キットの構成要素は滅菌されており、密封されたバイアルまたは他の容器内にある。キットは、診断分析、または結合メンバーが有用である他の方法において用いられ得る。キットは、方法(例えば、本発明による方法)における構成要素の使用のための指示を含み得る。かかる方法において支援するための、またはかかる方法を実施することを可能にする補助材料が、本発明のキット内に含められ得る。補助材料としては、第1の結合メンバーに結合する第2の異なる結合メンバーであって、検出可能な標識(例えば、蛍光標識、放射性同位体または酵素)に結合体化された第2の異なる結合メンバーが挙げられる。抗体に基づくキットはまた、免疫沈降を行うためのビーズを含み得る。キットの各構成要素は、一般に、それ自体の適切な容器内にある。したがって、これらのキットは、一般に、各結合メンバーに適切な別個の容器を含む。さらに、キットは、アッセイならびに該アッセイの実施から得られたデータを解釈および分析するための方法を実施するための指示を含み得る。
実施例1
c−MAF特異的抗体の構築
ヒト起源のc−MAFのアミノ酸83−EQKAHLEDYYWMTGYPQQ−100(18a.a.)(配列番号22)に対応するエピトープに対して、抗体INB−1−11−8を生じさせた。エピトープをKLH(NAc−EQKAHLEDYYWMTGYPQQ−Ahx−C−KLH(20a.a.))に結合させた。この抗体をM153(Santa Cruz Biotechnologies Inc.)と比較した。マウス起源のc−MAFのアミノ酸19〜171に対応するエピトープに対して、M153抗体を生じさせた。c−MAFは、ヒトとマウスとの間で高度に保存されている(図2のアライメントを参照のこと)。
INB−1−11−8軽鎖配列(図8)は、配列番号20である(リーダー(配列番号24);フレームワーク1(配列番号25);CDR1(配列番号26);フレームワーク2(配列番号27);CDR2(配列番号28);フレームワーク3(配列番号29);CDR3(配列番号30);接合部(配列番号31);LC部分(配列番号32))。
INB−1−11−8軽鎖配列の軽鎖に最も近いヒト胚配列(germinal sequence)は、以下の通りである:
INB−1−11−8重鎖配列(図8)は、配列番号16である(リーダー(配列番号36);フレームワーク1(配列番号37);CDR1(配列番号38);フレームワーク2(配列番号39);CDR2(配列番号40);フレームワーク3(配列番号41);CDR3(配列番号42);接合部(配列番号43)HC部分(配列番号44))。
INB−1−11−8重鎖配列に最も近いヒト胚配列は、以下の通りである:
1:10〜1:1000の一次抗体のクレセント希釈度(crescent dilution)の範囲において、Maf抗体感度を計算した。親およびMaf過剰発現(Mafの長いおよび短いアイソフォーム)MCF7、T47D(The American Type Culture Collection;ATCCから入手)ならびに0990ヒト乳がん細胞を使用して、抗体特異性を決定した。標準的な免疫組織化学手順を使用して、ホルマリン固定細胞ペレットを処理した。balb−cマウス[マウスタイプ]中の異所性MCF7およびMCF7−Maf(長いおよび短いアイソフォーム)異種移植片においても、特異性が示された。一次抗体の代わりに正常ウサギIgG2(IS600,Dako)と共にインキュベートした同じ検体由来の切片を、ネガティブコントロールとして使用した。
抗原特異的ELISA
抗原特異的ELISAを使用して、抗原に対する抗体感度を試験した。このために、上記エピトープ(ペプチド1)をBSAに結合させた。これを、ELISAを実施するプレート表面に結合させ、洗浄した。次いで、INB−1−11−8 c−MAF特異的抗体を、それが抗原に結合することができるようにアプライした。インキュベーション時間およびTBSTによる洗浄の後、ウサギ抗体に特異的な二次抗体であって、アルカリホスファターゼに結合体化された二次抗体を使用して、抗原への一次抗体の結合をスコア化した。いくつかの希釈物を使用して、抗体の力価を試験した(これは、その抗原に対する抗体の親和性の指標である)(図3A)。
ウエスタンブロット
1:50〜1:250の一次抗体のクレセント希釈度の範囲において、ウエスタンブロットによるc−MAF抗体特異性を計算した。親およびMaf過剰発現(Mafの長いおよび短いアイソフォーム)MCF7、T47D、293T(The American Type Culture Collection;ATCCから入手)ならびに骨転移傾向を有するMCF7由来のBoM2ヒト乳がん細胞を使用して、特異性を決定した。記載されているように標準的な手順によって(Tarragonaら、J.Biol.Chem.(2012)287:21346−55)、細胞ペレットを処理し、全溶解物からのウエスタンブロットによって、結果を確認した(図3B)。
c−MAF免疫染色
3μm組織切片を使用して免疫染色を実施し、Dako Linkプラットフォーム中の正荷電ガラススライド上に置いた。脱パラフィン後、pH6.1の0.01mol/Lクエン酸塩ベースの緩衝溶液(Dako)中で、熱抗原回復(heat antigen retrieval)を実施した。内因性ペルオキシダーゼをクエンチした。マウスポリクローナル抗cMaf抗体を室温、1:100希釈で30分間使用し、続いて、ペルオキシダーゼと結合させた抗ウサギIgデキストランポリマー(Flex+,Dako)と共にインキュベートした。次いで、3,3’−ジアミノベンジジン(DAB)で切片を可視化し、ヘマトキシリンで対比染色した(図3C)。
実施例2
モノクローナルウサギ抗体と抗原c−MAFとの間の相互作用の分析
a)SDS−PAGEによるcMafタンパク質調製物の分析
抗原調製物の純度を確認するために、還元条件下でSDS−PAGEを使用して、c−MAF(Q1)を市販のBSA標準と比較した。3つの量(800ng、550ngおよび275ng)のc−MAF(Q1)を、4つの量(750ng、500ng、250ngおよび125ng)のBSAと比較した。図4は、クマシー染色後のSDS−PAGEゲルを示す。
SDS−PAGEゲルは、c−MAF(Q1)について、約25kDa(約60%)および20kDa(*)(約40%)の2つの異なるバンドを示す。配列情報に基づく分子の計算分子量は19.2kDaであり、SDS−PAGEにおける計算サイズと見掛けのサイズとの間のかかる差異は一般的である。バイアルに示されているように、c−MAF(Q1)では、名目濃度は、より低い(3分の1未満)濃度を有するようである。
Mr=19.2kDa;pI5,6;コンセンサスN−グリコシル化部位なし;2つのシステイン
b)較正なしの濃度分析(CFCA)によるc−MAFタンパク質調製物の分析
INB−1−11−8に結合するc−MAF(Q1)の活性濃度を決定するために、CFCA法を使用した。この方法は、センサー表面への分子の輸送が拡散によって制限されるときの、様々な流速による結合速度の変化に依拠する。測定した結合速度ならびに分析物の分子量および推定拡散係数から、濃度を計算する。3000RU超のINB−1−11−8を捕捉することによって、リガンド表面における高密度の結合を達成した。5、20および100μL/分の流速で、結合速度を測定した。図5は、CFCA分析のセンサーグラムの例を示す。c−MAF(Q1)について、1.3mg/mlの濃度を決定した。これらの結果は、BSA標準と比較して濃度を推定したSDS−PAGE分析でなされた観察結果を支持する。SDS−PAGEで観察された25kDaバンドおよびより小さな20kDaバンドの両方が抗体結合活性を有すると仮定して、CFCAは、c−MAF(Q1)について決定された濃度を測定した。この場合、SDS−PAGEゲル上で観察されたバンドの量を合計して、抗原調製物の活性濃度を推定した。
c)動力学分析
抗体INB−1−11−8とc−MAF(Q1)調製物との間の親和性定数を測定するために、以下の条件下で、動力学測定を実施した:
実験条件
・機器:BiacoreT200
・ランニングバッファー:HBS−EP、10mM HEPES、150mM NaCl、3mM EDTA、0,05%Tween20、pH7.4
・アッセイ温度:25℃
・センサー表面:組換えプロテインA;標準的なアミンカップリング(EDC/NHS化学)によって固定した
試験測定を行って、抗体INB−1−11−8のプロテインA結合を確認し、分析物の動力学測定のための適切な捕捉レベルを選択した。c−MAF(Q1)を用いた測定のために、240RUの捕捉レベルを選択したところ、抗体分子1つ当たりに結合する2つの19.6kDa抗原の予想Rmaxは、約64RUという結果となった。ペプチドに対する十分に高い結合シグナルを生成するために、980kDaのより高い捕捉レベルを選択したところ、予想Rmaxは約30RUという結果となった。抗原の段階希釈物を180秒間注入し、続いて、オフ速度の決定のためにバッファーを600秒間注入した(図6を参照のこと)。c−MAFフラグメントでは、CFCAによって決定した濃度に基づいて、段階希釈に使用したモル濃度を計算した。動力学測定を2回実施して、結合挙動を確認した。図は、10nM超のタンパク質濃度における、分析物の速い結合を示す。
c−MAF(Q1)と抗体INB−1−11−8との相互作用の親和性(表1)を評価するために、Rmaxが23RUであると仮定して、1:1相互作用モデルに基づく単一濃度適合を実施した(図7)。この予備的データに基づいて、相互作用について、nM範囲の親和性がおおよそ推定された。結合は、非常に速い会合速度および速い解離速度を特徴とする(すなわち、結合は非常に強い(tight)訳ではない)。
c−MAF(Q1):使用したc−MAFのフラグメント(Aa19−208を含む)
試薬:
・INB−1−11−8;c−MAF特異的モノクローナル抗体(ウサギ)INB−1−11−8(クローンID11−8;Lot:11−8);濃度1.7mg/ml;3アリコート、約200μL
・c−MAF(Q1)フラグメント
・HBS−EP(ランニングバッファー)
・CM5センサーチップ
・アミンカップリングキット
・プロテイン−A
・30mM HCl(再生バッファー)
実施例3
検証乳がん原発性腫瘍サンプルコホート
骨転移を識別および予測する抗体の能力を、ヒト乳房腫瘍コホートにおいて試験した。検証セットは、ステージI、IIまたはIII乳がんを有し、臨床経過観察がアノテーションされた患者由来の380超の原発性乳がん検体から構成されていた(Rojo F.,Ann Oncol 23(5):1156−1164(2012))。標準的な手順にしたがって、組織マイクロアレイを処理した。標準的な臨床病理学的パラメータにしたがって、腫瘍を分類し、次いで、適切な統計分析を実施して、これらの腫瘍におけるc−MAF(MAF)タンパク質発現が骨転移事象と相関するかを確認した。
この第2コホートにおける統計分析は、以下の前提に基づくものであった:
i)診断能
ROC曲線のAUGを比較することによって、診断能を評価した。ほとんどの予測変数(MAF IHCレベル)に基づいて分類カテゴリーの各々について、感度(Se)、特異性(Sp)、陽性予測値(PPV)および陰性予測値(NPV)を計算した(図9)。受信動作曲線パラメータ(ROC)に基づいて、MAF陽性および陰性腫瘍を選択するためのカットオフを確立した。
ii)ベースライン特性の比較(図10)。
クラスカル・ワリス検定を用いて、平均年齢の差異を試験した。適用可能な場合には、カイ二乗検定を用いて、カテゴリー変数を比較した。
iii)予後診断的役割−転帰(骨転移までの時間)のCox回帰モデリングおよびハザード比を計算した(図11)。
本明細書中に記載される例および実施形態は単なる例証目的のものであり、それを考慮した様々な改変または変更が当業者に示唆され、本願の精神および範囲に含まれるべきであると理解される。
本明細書中に引用されたすべての刊行物、特許、特許出願、インターネットサイトおよびアクセッション番号/データベース配列(ポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列の両方を含む)は、個々の各刊行物、特許、特許出願、インターネットサイトまたはアクセッション番号/データベース配列が参照により援用されると具体的かつ個別に示されているのと同程度に、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書中に援用される。

Claims (48)

  1. 配列番号22によってコードされるエピトープに特異的に結合する、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  2. ヒトc−MAFに特異的に結合し、配列番号38のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、および/もしくは配列番号40のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、および/もしくは配列番号42のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3;ならびに/または配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、および/もしくは配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2、および/もしくは配列番号30のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、請求項1に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  3. 前記結合メンバーが抗体である、請求項1または2に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  4. 前記抗体が、ウサギ抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体である、請求項3に記載の結合メンバーまたは機能的フラグメントもしくはバリアント。
  5. 配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも80%同一の配列を有するVドメインを含む、請求項4に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  6. 配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも90%同一の配列を有するVドメインを含む、請求項5に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  7. 配列番号17のアミノ酸配列と少なくとも95%同一の配列を有するVドメインを含む、請求項6に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  8. 配列番号17のアミノ酸配列を含む配列を有するVドメインを含む、請求項7に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  9. 配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも80%同一の配列を有するVドメインを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  10. 配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも90%同一の配列を有するVドメインを含む、請求項9に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  11. 配列番号21のアミノ酸配列と少なくとも95%同一の配列を有するVドメインを含む、請求項10に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  12. 配列番号21のアミノ酸配列を含む配列を有するVドメインを含む、請求項11に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  13. 配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも80%同一の重鎖配列を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  14. 配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖配列を含む、請求項13に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  15. 配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも95%同一の重鎖配列を含む、請求項14に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  16. 配列番号16のアミノ酸配列を含む重鎖配列を含む、請求項15に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  17. 配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも80%同一の軽鎖配列を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  18. 配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖配列を含む、請求項17に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  19. 配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも95%同一の軽鎖配列を含む、請求項18に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  20. 前記抗体またはそのフラグメントが、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖配列を含む、請求項19に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  21. 請求項1〜20のいずれか一項に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントをコードする、ポリヌクレオチド。
  22. ポリペプチドが抗原結合分子またはそのフラグメントをコードする、請求項21に記載のポリヌクレオチド。
  23. 前記結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアントが抗体である、請求項21または22に記載のポリヌクレオチド。
  24. 配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一の配列を有するVドメインを含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  25. 配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一の配列を有するVドメインをコードする、請求項24に記載のポリヌクレオチド。
  26. 配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一の配列を有するVドメインをコードする、請求項25に記載のポリヌクレオチド。
  27. 配列番号15のヌクレオチド配列と同一の配列を有するVドメインをコードする、請求項26に記載のポリヌクレオチド。
  28. 配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一の配列を有するVドメインをコードする、請求項21〜27のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  29. 配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一の配列を有するVドメインをコードする、請求項28に記載のポリヌクレオチド。
  30. 配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一の配列を有するVドメインをコードする、請求項29に記載のポリヌクレオチド。
  31. 配列番号20のヌクレオチド配列と同一の配列を有するVドメインをコードする、請求項30に記載のポリヌクレオチド。
  32. 配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一の配列を有する重鎖をコードする、請求項21〜31のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  33. 配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一の配列を有する重鎖をコードする、請求項32に記載のポリヌクレオチド。
  34. 配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一の配列を有する重鎖をコードする、請求項33に記載のポリヌクレオチド。
  35. 配列番号14のヌクレオチド配列と同一の配列を有する重鎖をコードする、請求項34に記載のポリヌクレオチド。
  36. 配列番号18のヌクレオチド配列と少なくとも80%同一の配列を有する軽鎖をコードする、請求項21〜35のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  37. 配列番号18のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一の配列を有する軽鎖をコードする、請求項36に記載のポリヌクレオチド。
  38. 配列番号18のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一の配列を有する軽鎖をコードする、請求項37に記載のポリヌクレオチド。
  39. 配列番号18のヌクレオチド配列と同一の配列を有する軽鎖をコードする、請求項38に記載のポリヌクレオチド。
  40. 前記ポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸が、配列番号22に記載されているエピトープに結合する、請求項21〜39に記載のポリヌクレオチド。
  41. 少なくとも約1.5nMまたはそれ未満の親和性(KD)で、ヒトc−MAFに結合する、請求項1〜20のいずれか一項に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  42. 少なくとも約1.2nMまたはそれ未満の親和性(KD)で、ヒトc−MAFに結合する、請求項41に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  43. 少なくとも約1.1nMまたはそれ未満の親和性(KD)で、ヒトc−MAFに結合する、請求項42に記載の結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。
  44. 請求項21〜40のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  45. 請求項21〜40のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド、請求項44に記載のベクターを含むか、または請求項1〜19もしくは41〜43のいずれか一項に記載の結合メンバーを発現する、宿主細胞。
  46. 抗原結合メンバーを生成する方法であって、請求項45に記載の宿主細胞を培養する工程を含む、方法。
  47. 請求項45に記載の宿主細胞または請求項46に記載の方法によって生成された抗原結合メンバーを使用してc−MAFを検出する、方法。
  48. 配列番号22によってコードされるエピトープへの結合についてINB−1−11−8と競合する、結合メンバーまたはその機能的フラグメントもしくはバリアント。

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