JP2017536337A - 二相性単鎖インスリン類似体 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 単鎖インスリンは、C領域のN末端側で少なくとも2つの酸性残基およびC領域ペプチドのC末端側で少なくとも2つの塩基性残基を有する6〜11のアミノ酸残基のC領域、ヒトインスリンのA8に相当する位置の塩基性アミノ酸残基、およびヒトインスリンのA14に相当する位置の酸性アミノ酸残基を有する。C領域は、酸性と塩基性残基との間で、2〜4つのアミノ酸連結領域を含み得る。残基C1およびC2は、−1または−2の正味負電荷を有することができ、残りのC領域部分は、2つの塩基性残基で終わっても良い。医薬組成物は単鎖インスリンを有し、7.0〜8.0の範囲のpHで投与され、0.6mM〜5.0mMの濃度で、および/またはU−100〜U−1000の強度で投与され得る。【選択図】 なし

Description

連邦政府の支援を受けた研究又は開発に関する記述
本発明は、国立衛生研究によって授与された研究助成金番号DK040949およびDK074176のもと、共同契約下で政府の支援を得てなされた。米国政府は、本発明に対する特定の権利を有し得る。
本発明は、増強した熱力学安定性、室温以上の熱によるフィブリル化に対する増強された抵抗性、減少した細胞分裂促進性、および/または改変した薬物動態学および薬力学的特性、すなわち、(a)食前または野生型ヒトホルモンに一致する可溶性の製剤に類似する速効性の成分、および(b)野生型インスリンまたはインスリン類似体の微結晶性のNPH製剤に類似する持続性の成分と相対的な二相性の経時的作用の付与のような、強化された薬剤学的特性を示すポリペプチドホルモン類似体に関するものである。より詳しくは、本発明は(i)第1および第2の位置において酸性残基でAとB領域との間の短縮化した結合(C)領域の新規のクラスを含み、(ii)位置A8でアミノ酸置換を含み、(iii)位置A14で酸性残基を含む単一ポリペプチド鎖から成るインスリン類似体に関するものである。長さ6〜11残基のうち、このクラスのC領域は、野生型プロインスリンのそれに類似し、N末端酸性エレメントおよびC末端部分塩基性エレメントから成る。本発明の単鎖インスリン類似体は、当技術分野で周知のように超速効性作用を与える位置B28およびB29のような、AまたはB領域における他の部位で標準または非標準アミノ酸置換を選択的に含み得る。
治療剤およびワクチンを含む非標準タンパク質の設計は、広範な医学的および社会的利益を有し得る。ヒト、他の哺乳類、脊椎動物、無脊椎動物、または一般に真核細胞のゲノムにコードされる天然に生じるタンパク質は、しばしば複数の生物活性をもたらす。非標準タンパク質の利点は、がん細胞の成長の促進のような意図しない不都合な副作用と関連した相同細胞受容体への減少した結合のような選択的な活性をもたらすことである。社会的利益のさらに別の実施例は、室温以上の分解に対する強化された抵抗性であり、輸送、配布、および使用を容易にする。治療的なタンパク質の実施例は、インスリンにより提供される。RNAスプライシングの選択的方式によって、または翻訳後のグリコシル化の選択式様式によって生ずる受容体アイソフォームにかかわりなく、野生型ヒトインスリンおよびインスリン受容体に結合する他の哺乳類のゲノムにコードされるインスリン分子は、複数の組織および多様な種類の細胞に存在する。野生型インスリンはまた、相同1型インスリン様成長因子受容体(IGF1R)に、より低い親和性で結合する。
インスリン作用の経時的変化に2つの相、即時相および遅発相があるように、さらなる医学的利益の例は、可溶性製剤の薬物動態学的特性の最適化である(図1)。即時相および遅発相のそのような組合せは、亜鉛イオンおよびプロタミンまたはプロタミン関連の塩基性ペプチドとの組み合わせで調製した同じ類似体の微結晶性の懸濁液で亜鉛インスリン類似体六量体(これに限定されるものではないが、インスリンリスプロおよびインスリンアスパルトにより提供されるように)溶液の混合物によって与えられることは、当技術分野で周知であり、後者の成分は中性プロタミンハーゲドルン微結晶懸濁液(NPH)として称される。当技術分野で周知のように混合型インスリン製剤は、これらの2つの成分を、25%の可溶性相および75%の微結晶性相、30%の可溶性相および70%の微結晶性相、または各相50%のような様々な比率で含有する。そのような混合型製剤は、食前(超速効型)インスリン製剤(または食前インスリン類似体製剤)、および野生型インスリンまたはインスリン類似体のNPH微結晶性の懸濁液の個別の投与と比較して1日の皮下注射の回数の軽減によるそれらの使いやすさのため、発展途上国の真性糖尿病患者によって広く使用されている。混合型二相性インスリン製剤により提供されるインスリンのインスリン療法の簡略化はまた(i)準最適な血糖制御または過度の体重増加をもたらす食前インスリン類似体製剤のみによる治療を受け、(ii)食後3時間の間における血糖濃度の上昇変動のため準最適血糖制御をもたらすNPHインスリン製剤または基礎インスリン類似体製剤のみによる治療を受ける豊かな社会における真性糖尿病患者、または(iii)(メトホルミンのような)経口薬剤の追加で十分な血糖の制御に至らない上記2つのクラスの患者にとり利益となることが証明された。
既存の二相性インスリン製剤は、NPH微結晶を生成するために必要とされる発酵後および浄化後の工程により、複雑で費用のかかる製造方法を必要とする。さらに、そのような製剤は、室温以上で、可溶性および微結晶性両方の成分の固有の感受性で物理的および科学的な分解にさらされる。これらの混合型製剤の二相性薬物動態学的特性は、可溶性と微結晶性相との間のインスリン分子の交換のために、室温以上でのバイアルの貯蔵で変化し得る。最終的に、注射器に引き入れられる微結晶の数が同じバイアルからでさえ引き入れごとに変化することがあり、微結晶性の懸濁液の使用は投与における不確実性と関連していることがある。
既存の二相性インスリン製剤の上記のデメリットを考慮し、二相性インスリン製剤の治療的かつ社会的な利益は、インスリン作用の二相性パターンを与える単一成分可溶性溶液としての薬物動態学的特性を有するインスリン類似体を設計することによって強化される。新規可溶性インスリン類似体がより単純で製造コストが低い場合(すなわち、微結晶化の必要を回避することによって)、および/または、新規可溶性インスリン類似体が野生型インスリンに比べ室温以上の化学的または物理的な分解に対し、より耐熱性を有する場合、付加的な利益が生じる。室温以上での分解に対するそのような抵抗性は、電気および冷凍が安定して利用できない発展途上世界の地域における使用を促進することが期待される。そのような分解によって生じる難題は、アフリカおよびアジアにおいて真性糖尿病の差し迫った流行によって深刻となっている。フィブリル化が室温以上での分解の主要な経路をもたらすので、フィブリル化耐性製剤の設計はインスリン補充療法の安全性および有効性をそのような障害がある領域で増強することができる。可溶性二相性インスリン類似体がヒトがん細胞株のインスリン誘導性の増殖をモニターするため開発された分析において減少した細胞分裂促進性を示すならば、さらに付加的な治療的および社会的利益が生じるであろう。
インスリンの投与は、真性糖尿病の治療として、長年にわたり確立されてきた。真性糖尿病患者における従来のインスリン補充療法の主要なゴールは、健康な被験者に特有の正常範囲の上下に生じるその変動を抑えるための血糖濃度の厳重な制御である。正常範囲の下に生じる変動は即時型アドレナリン性または神経系糖欠乏の症状と関与しており、重症発作では痙攣、昏睡、および死に至る。正常範囲より上に生じる変動は、網膜症、失明、および腎不全を含む微小血管疾患の長期的なリスクの増加と関与している。インスリンは、脊椎動物の代謝において中心的な役割を担う小さな球状タンパク質である。インスリンは2つの鎖、21残基を含むA鎖、および30残基を含むB鎖を含む。ホルモンはZn2+安定化六量体として膵臓β−細胞に貯蔵されるが、血流中においてはZn2+を含まない単量体として機能する。インスリンは単鎖前駆体、プロインスリンの生成物であり、そこで結合領域(35残基)はB鎖(残基B30)のC末端残基をA鎖のN末端残基と接続する。様々な証拠より、それがインスリン様コアおよび整列せず不規則な結合ペプチドから成ることが示されている。3つの特定のジスルフィド架橋(A6−A11、A7−B7、およびA20−B19)の形成は、プロインスリンを粗面小胞体(ER)において酸化的な折り畳み結合させるものと考えられる。プロインスリンは、ERからゴルジ装置まで輸送直後、可溶性Zn2+調整六量体を形成するため凝集する。インスリンへの細胞内タンパク質分解消化および変換は、形態的な凝縮が続く未熟な分泌顆粒で生じる。成熟貯蔵顆粒の範囲内の亜鉛インスリン六量体の結晶様配列を電子顕微鏡検査(EM)によって視覚化した。個々の残基は、(標準的な3文字のコードを典型的に用いて)アミノ酸、鎖、および(典型的に上付き文字として)配列位置の識別によって示す。本発明に関係したものは、ヒトプロインスリンに特有の36残基野生型C領域の代わりに、A鎖の位置A8およびA14および選択的にB鎖の位置B28およびB29でのアミノ酸置換と組み合わせたN末端酸性のモチーフおよびC末端塩基性のモチーフを含む、長さ6〜11残基の新規の短縮化したC領域の発明である。
真性糖尿病の治療のためのインスリンおよびインスリン類似体の製造、保管、および使用において重大な懸念であるフィブリル化は、より高い温度、より低いpH、撹拌、または尿素、グアニジン、エタノール共溶媒、または疎水性表面の存在下で増大される。現在の米国の薬剤規制は、フィブリル化が1パーセント以上のレベルで生じる場合、インスリンは破棄されるよう要求されている。フィブリル化はより高い温度で強化されるので、真性糖尿病患者はインスリンを最適に、使用の前には冷蔵しておかなければならない。インスリンは、25℃以上の温度において10℃増加する毎に、10倍以上の分解率の増加を示し、したがって、ガイドラインは30℃以下の温度で、望ましくは冷凍での保管を求めている。既存の二相性インスリン製剤のNPH微結晶性の成分は、A鎖内でタンパク質分解的切断による化学的分解の特徴的な様式と同様に、室温以上でのフィブリル化に影響を受けやすく、そのような切断は、インスリンまたはインスリン類似体を不活性化する。
NPH微結晶のインスリンA鎖の上記の切断は、化学結合の切断を含むプロセスの代表例である。そのような切断はインスリン分子または異なるインスリン分子間の化学結合の形成の範囲内で原子の損失または再編成を誘導することが可能であり、重合体の形成に至る。NPH微結晶におけるA鎖の切断は、折り畳み状態の表面に生じるものと考えられるのに対して、化学結合の他の変化はタンパク質が折り畳まれていない状態で、または、タンパク質の部分的に折り畳まれていない形で介在し、その熱力学安定性を強化させるインスリンの改変はまた化学分解を遅延または阻害する可能性が高い。したがって、変性のその(化学変性剤の濃度の機能として、ヘリックス感受性の波長で円偏光二色性で典型的に測定される)自由エネルギーが現在の臨床使用において、野生型インスリンと同等またはそれより大きい、または食前(超速効型)インスリン類似体のそれと同等またはそれより大きくなければならないことが、インスリン類似体の望ましい特性である。
インスリンはまた、物理的な分解に影響を受けやすい。タンパク質フィブリル化の現在の理論ではフィブリル化の機序は部分的に折り畳まれた中間の状態で進行すると推測されており、そこではアミロイド生成性の核を形成するために次々に凝集する。この理論において、天然の状態を安定化させるアミノ酸置換が部分的に折り畳まれた中間の状態を安定させ、または安定させない可能性があり、天然の状態と中間の状態との間の自由エネルギー障壁を増加させ、または増加させない(または減少させる)可能性がある。したがって、本理論は、フィブリル化の危険性を増減させる2鎖インスリン分子の所定のアミノ酸置換の傾向の予測は非常に困難であることを示す。インスリン分子構造のモデルは、B鎖の連続したスタッキングおよびA鎖の連続したスタッキングを形成するβシートの並列配置を有する(天然の状態において見られるような)3つのα−ヘリックスのほぼ完全なアンフォールディングを想定し、鎖の間およびA鎖内の天然のジスルフィドペアリングが維持される。そのような平行したクロスβシートは、通常インスリン単量体の天然の状態において末端は隣接している(<10オングストローム)が、A鎖のN末端とB鎖のC末端との間で相当な分離(>30オングストローム)を必要とする。短縮化したC領域を有する単鎖インスリン類似体のフィブリル化に対する顕著な抵抗性は当技術分野で周知であり、インスリンプロトフィラメントの平行したクロスβシートの広がった構造と、天然のジスルフィドペアリングを有し、そこで短縮化したC領域がプロトフィラメントで不都合となるA鎖のN末端とB鎖のC末端との間の距離を抑制する、単鎖インスリン類似体の構造との間での位相的な不和合性を反映するものと考えられている。単鎖インスリン類似体のリボンモデルが図2に示され、インスリン部分の空間充填モデルは設計した結合領域(C領域、図3における棒による表示)の役割を強調するため図3に示される。
本発明は、医学的および社会的ニーズにより、中性pHで可溶性で単相性である製剤において、日に2回、すなわち現在の混合型速効型NPH二相性インスリン製剤のそれと類似したスケジュールでの注射を目的とする、二相性単鎖インスリン類似体を設計する動機が与えられた。我々の単鎖の設計は、微結晶性の懸濁液から成る成分の非存在下において(i)分解に対する抵抗性と、(ii)インビボでの十分な血糖降下能と、(iii)IGF1Rとの減少したクロス結合と、(iv)固有の二相性薬物動態学および薬力学とを結合することを目的とする。したがって、中性pHの可溶性タンパク質溶液として、「ヒューマログ(登録商標)ミックス75/25」または「ノボミックス(登録商標)30」によって例証されるように、混合型製剤のそれらに類似する全体的なプロファイルの誘導をもたらす超速効型発現および作用の後部を延長した持続型作用両方のような、皮下注射に関して二相性薬物動態学的および薬力学的特性を示す単鎖インスリン類似体を発明することが望まれる。したがって、本発明の二相性インスリン類似体製剤は、先進および発展途上の世界において臨床的な利点となる単純化した1日に2回の基礎―追加療法を提供する。単鎖二相性インスリン類似体製剤はまた、T2DMの治療において広く使用されている第一選択の経口薬であるメトホルミンでは十分に制御されないインスリン投与を受けていない患者において開始されても良い。2つの成分の薬物動態学的特性に基づく、現在の速効型NPH混合型製剤の二相性作用の機序は、図4Aに概略図の形として示す。理論に束縛されるものではないが、本発明の類似体による二相性薬物動態学の可能性がある機序を図4Bに概略図の形で示す。
我々は、本発明の製剤が、より複雑な療法での服薬順守は不確かである西洋社会における患者にとり過度に利益となるものと想定する。ヘルスケアの結果、および、T2DMおよびメタボリック症候群のような慢性疾患において処方された投与計画の長期に渡る固守が、社会的経済状態、正規の教育、家族の構造、および文化的な信念体系において複雑な機能を果たすことは当技術分野で周知である。実際にこれらの社会の問題は標本として不十分であるアフリカ系アメリカ人、ヒスパニック系、およびアメリカの先住民を含む少数民族における肥満およびT2DMの負担の増加をもたらすという懸念を増加させている。したがって、本発明の単鎖二相性インスリン類似体製剤は、基礎のみのインスリン治療で不十分な血糖制御を有するが、完全な基礎−追加療法が不可能であるインスリン依存型T1DMおよびT2DM患者の利益となることを目的とする。
したがって、皮下注射において二相性薬物動態学的および薬力学的特性を提供する単鎖インスリン類似体を提供することは、本発明の1態様である。本発明の類似体は、位置B10でヒスチジンを含み、この位置での酸の置換(アスパラギン酸またはグルタミン酸)と関連する発がんに関する懸念を回避する。IR−AおよびIR−Bの単鎖インスリン類似体のインビトロでの完全な親和性が野生型ヒトインスリンと比較し5〜100%の範囲であり、ホルモン受容体複合体において滞留時間の延長をとても示しそうにないことは、本発明のさらなる1態様である。
上記の特徴をもつものの組合せは、新規C領域の設計によりもたらされ、そこで短縮化した結合ポリペプチド(長さ6〜11残基)はN末端酸性エレメント(残基C1およびC2)、柔軟性のある連結またはヒンジ部位(C3およびC4)、および天然プロインスリン(C5およびC6)で観察されるそれらに類似した一対の塩基性残基を含むC末端部位を含む。C領域の長さの上限11は、強化されたIGF1R結合活性を有するキメラインスリン類似体において記述される12残基のIGFI由来のリンカー(Kristensen,C.,et al.1995)より下となるよう選択された。下限4は、結合領域(これに制限されるものではないが、Glu−Gluのような)のN末端部分の酸性モチーフおよび結合領域(これに制限されるものではないが、Arg−Argのような)のC末端部分の塩基性モチーフを保存するため選択された。理論に束縛されるものではないが、我々は、2残基酸性残基はIGF1Rへの類似体の結合に不都合な静電反発力を誘導するが、インスリン受容体アイソフォームによって十分に耐性があるものと推測する。また、理論に束縛されるものではないが、我々はさらに、C末端の塩基性モチーフが単なるテザーまたはスペースエレメントよりもむしろ部分的な皮下凝集に関与するものと推測する。
一般に、本発明は、本発明のC領域を有する単鎖インスリン類似体および位置A8およびA14で置換を有する改変されたA鎖を提供する。したがって、本発明は単鎖インスリン類似体の新規クラスに関係するものであり、そこで結合領域(C領域)は長さ4〜11であり、2つのエレメントから成る。N末端エレメントは、最初の2つの残基(C1およびC2として示され、拡張インスリンB鎖の残基B31−B32に相当する)から成り、そこでC1およびC2は少なくとも1つの酸性側鎖およびpH7.4で−1または−2の正味形式帯電を含む。C末端エレメントはArg−Arg、LysLys、Arg−Lys、またはLys−Argのような2つの塩基性残基を含む。4残基結合領域の場合、本発明の配列は、これに限定されるものではないが、Glu−Glu−Arg−Arg、Glu−Ala−Arg−Arg、Ala−Glu−Arg−Arg、Asp−Glu−Arg−Arg、Glu−Glu−Lys−Arg、Glu−Glu−Arg−Lys、およびGlu−Glu−Lys−Lysをこのように含む。4より大きい(すなわち、範囲5〜11で)長さの結合領域の場合において、NとC末端エレメントとの間で、結合領域は柔軟性のある連結を含む。6残基結合領域の実施例において、そのような配列は位置C3およびC4で、Gly−Pro、Ser−Pro、Ala、Pro、Gly−Ser、Ser−Ser、Gly−Gly、またはAla−Alaを含み得るが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。A鎖は、酸性触媒によるアミド分解またはAsn関連の化学分解の他の状態を避けるため、A8(リジン、アルギニン、またはヒスチジン)において塩基性置換およびA21(Gly、Ala、またはSer)において置換を含む。1実施例において、B鎖はまた酵母での生合成経路において、Lys特異的タンパク質分解的切断を避けるために、置換LysB29→Argを含む。本発明の類似体はまた、安定性および活性を増強することを目的とした、位置A8(Ala、Glu、Gln、His、Lys、またはArg)での置換、および、おそらく野生型TyrA14によって生じる逆疎水的な影響を避けることおよび付加的な負電荷を提供することを目的とした、A14(Glu)での置換を含む。位置A14での他の可能性がある置換もまた想定される。
二相性インスリン製剤の概略的な目的。現在の製剤が食前インスリン類似体を使用するのに対して、元来の実施では野生型インスリン(速効型およびNPH)を用いた。本図は、R.Beaser&S.Braunstein,MedScape Multispeciality(Education/CME section;2009)(http://www.medscape.org/viewarticle/708784)から得た。 57残基SCIのリボンモデル。α−ヘリックスは赤色(外側)および黄色(内側)で、B24−B28β−ストランドは青色(矢印)により示される。3つのジスルフィド架橋(シスチン)は、(星印)で示される。C領域(配列GGGPRR)は整列している。(Hua,Q.X.,et al.J.Biol.Chem.283,14703−16(2008))。 57残基SCIプラットホームの分子構造。6残基C領域(棒、青緑色)は、AとB領域の間にテザーを提供する(空間充填による表示)。表面は標準的なGRASPフォーマット(赤色、陰性;紫色、陽性;、および白色、中性)で静電ポテンシャルによって色分けされる。この画像はPDB Entry 2jzqにより得られ、Weissの研究室におけるNMR研究に基づく(Hua,Q.X.,et al.J.Biol.Chem.283,14703−16(2008))。 新旧の実例。(A)本発明の二相性インスリン製剤は、可溶性相(亜鉛六量体、緑色)および不可溶性相(NPH微結晶性の懸濁液、青色)を含む。(B)提案された新規の実例は、単量体インスリン類似体(I)、亜鉛を含まない二量体(I)、亜鉛が安定化された、および/または亜鉛を含まない六量体(I)、および可用性凝集体(I6n)の間の結合平衡を利用しようとするものである。図示せず:TR移行。 酵母P.pastorisにおけるThermalin二相性(バージョン1および2)の過剰発現。クマシー染色したSDS−PAGEゲル:(A)分子量マーカー(a)と比較したSCI−57PE(レーンb〜d)。(B)ポジティブコントロールとしてのHisA8−ミニプロインスリン(MPI)(f)および標準(e)と比較したSCI−57DP(レーンg)。SCIは、=6キロダルトン(K)を移動する。ミニプロインスリン近傍の5.8Kd。 糖尿病ラット(時間0における血糖400±20mg/dl)に、示したインスリン類似体/300g体重の1単位を皮下注射した。A.(×)ヒューマログ(リスプロ)対(△)ヒューマログ25/75−混合型対(▲)新鮮なSCI−57PE(図中においてSCI−1とラベルされるもの)対(◆)新鮮なSCI−57DP(SCI−2とラベルされる)対(●)希釈剤。B.注射後最初の1時間における血糖の減少(同一の記号コード)。各々のグループのラットの数(n)を示す。エラーバーは標準誤差。 示したインスリン類似体の1単位の皮下注射の後の[血糖]における最初の減少率。+は、25日間45℃で撹拌したSCI−57PE(SCI−1とラベルされる)を意味する。++は、57日間45℃で撹拌したSCI−57DP(SCI−2とラベルされる)を意味する。*p<0.05は他の全てのインスリンと比較したもの。**p<0.05は混合型リスプロ75/25と比較したもの。データは注射後最初の1時間(図8Bを参照)に関連する。エラーバーは標準誤差。 糖尿病ラット(時間0における血糖410±20mg/dl)に、示した類似体/300g体重の1単位を皮下注射した。A.新鮮なサンプル:(◆)SCI−57DP(SCI−2とラベルされる)、(△)ランタス(グラルギン)、(×)ヒューマログ(リスプロ)、および(●)希釈剤。A.新鮮なインスリン。B.高温での撹拌の影響:(◆)新鮮なSCI−57DP対(□)57日間45℃で撹拌したSCI−57DP対(○)11日間45℃で撹拌したランタス(グラルギン)。 リリーCo2+−EDTA金属イオン封鎖分析:可視波長574nmの標準化した吸光度を、25℃でRコバルトインスリン六量体またはSCI−1六量体の溶液へのEDTA(10倍のモル過剰で)の添加に続く時間の関数として示す。野生型インスリン(黒線):時間定数6.3(±0.1)分を有する単一指数関数的な移行。SCI−1(緑線):時間定数0.9(±0.1)分(即時相)および14.1(±0.1)分(遅発相)を有する二相性移行。;r=0.998。タンパク質は、1mM NaSCN、0.2mM CoCl2、および50mM フェノールを含む50mM Tris−HCl(pH7.4)において3.5mg/mlであった。
本発明は、IRA/IRB受容体結合の親和性の比率が(プロインスリンと一致するために選択される下限)5〜100%の範囲で完全な親和性を有する野生型インスリンのそれに類似し、IGF1Rに対する識別を強化し、位置A21での(Gly、Ala、またはSerによるAsnの置換のために)化学分解に対する増大された抵抗性が推定され、室温以上での(単鎖トポロジーによる)フィブリル化に対する増大された抵抗性が推定され、および(1つには、塩基性側鎖、Arg、Lys、His、OrnによるThrA8の置換により)増大された熱力学活性を推定される単鎖インスリン類似体が持続的な活性の継続を提供することを目的としている。
タンパク質の透明な可溶性単相溶液として投与される場合、皮下デポーからの二相性吸収動態が単鎖インスリン類似体によって生じ得ることが本発明の特徴である。当技術分野で周知のように、従来の混合型製剤は、自己集合の状態の間で結合平衡の可能性がある連続体の最端部を表す(図4A)。即時および遅発吸収の組合せを提供するための他の戦略が想定され、それはこれらの結合平衡を制御する速度定数および概略形図4Bで例示されるように相対的な熱力学安定性に依存する。本戦略の分子実施には、(i)亜鉛を含まない単量体および二量体として超安定である、または(ii)(バイアルまたはペンで可溶であるが、おそらくデポーで可溶でない)高次凝集体の影響を受けやすい安定な亜鉛媒介六量体の形成に適しているインスリン類似体を必要とする。理論に束縛されるものではないが、亜鉛を含まない単量体および二量体は食前成分を提供することが可能であり、亜鉛安定化六量体凝集体は持続型成分を提供する。また、理論に束縛されるものではないが、単鎖インスリン類似体が血流中の単量体タンパク質分子として存在する場合、それらの薬力学的特性がこの方法で既存の速効型NPH混合型製剤の二相性薬物動態学的特性を模倣し得るように、それらのホルモン受容体シグナリング複合体の固有の特徴を介して、標的細胞で二相性シグナリング特性を示し得ることはさらなる可能性である。
六量体凝集が不完全であるような可溶性製剤が、6つのタンパク質単量体につき2〜3の亜鉛イオンの存在下で、または6つのタンパク質単量体につき2つ未満の亜鉛イオンの存在下で中性条件下(pH7.0〜8.0)で可能であるように、単鎖類似体の等電点が6.8〜7.8であることは、本発明の特徴である。したがって、単鎖インスリン類似体が、Tインスリン六量体、T インスリン六量体、またはRインスリン六量体として当技術分野で周知のように古典的な亜鉛インスリン六量体に類似したタンパク質六量体の亜鉛イオン依存的な形成を経る能力を保持することは、本発明の特徴である。
単鎖の類似体はまた、これに制限されるものではないが、ブタ、ウシ、ウマ、およびイヌインスリンのような動物のインスリン由来のAおよびB領域配列で作られ得ることが想定される。それに加え、または選択的に、本発明のインスリン類似体は、残基B1〜B3の欠失を含むことができ、またはPichia pastoris、Saccharomyces cerevisciae、または他の酵母発現種または系統において酵母生合成の前駆体ポリペプチドのLys誘導タンパク質分解を回避するためリジン(例えば、野生型ヒトインスリンのLysB29)を欠く変異B鎖と結合されても良い。本発明の単鎖インスリンのB領域は、(熱力学安定性、受容体結合親和性、およびフィブリル化に対する抵抗性を強化することを目的とする)位置B20および/またはB23のD−アミノ酸のような非標準置換、PheB24(すなわち、熱力学安定性およびフィブリル化に対する抵抗性を強化することを目的とする、オルト−F−PheB24、オルト−Cl−PheB24、またはオルト−Br−PheB24)の2つのリング位置のハロゲンの改変、および/または(受容体結合親和性を強化することを目的とする)PheB24の2メチル環の改変、および/またはTyrB16および/またはTyrB26(熱力学安定性および受容体結合活性を増大することを目的とする、3−モノ−ヨード−Tyrまたは[3、5]−ジ−ヨード−Tyr)の芳香環の範囲内のヨード置換の誘導を選択的に含み得る。C領域においてThrB27、ThrB30、または1若しくはそれ以上のセリン残基が、単独または組合わせで、単糖付加物によって改変され得ることがまた想像され、例えば、O結合型N−アセチル−β−D−ガラクトピラノシド(GalNAc−Oβ−セリンまたはGalNAc−Oβ−Thrとして示される)、O結合型α−D−マンノピラノシド(マンノース−Oβ−セリンまたはマンノース−Oβ−Thr)、および/またはα−D−グルコピラノシド(グルコース−Oβ−セリンまたはグルコース−Oβ−Thr)によって提供される。
さらにまた、ヒトと動物インスリンとの間の類似性、および過去におけるヒト真性糖尿病患者への動物インスリンの使用からみれば、インスリンの配列における他の若干の改変が導入され得ることがまた想像され、特にそれらの置換が、「保存的である」と考えられる。例えば、本発明を逸脱しない範囲で、アミノ酸のさらなる置換は、類似した側鎖でアミノ酸のグループ内でなされても良い。これらは、中性の疎水性アミノ酸を含む:アラニン(AlaまたはA)、バリン(ValまたはV)、ロイシン(LeuまたはL)、イソロイシン(IleまたはI)、プロリン(ProまたはP)、トリプトファン(TrpまたはW)、フェニルアラニン(PheまたはF)、およびメチオニン(MetまたはM)。同様に、中性の極性アミノ酸は、グリシン(GlyまたはG)、セリン(SerまたはS)、トレオニン(ThrまたはT)、チロシン(TyrまたはY)、システイン(CysまたはC)、グルタミン(GluまたはQ)、およびアスパラギン(AsnまたはN)のそれらのグループ内で、互いに置換されても良い。塩基性アミノ酸は、リジン(LysまたはK)、アルギニン(ArgまたはR)とヒスチジン(HisまたはH)を含むことが考慮される。酸性アミノ酸は、アスパラギン酸(AspまたはD)およびグルタミン酸(GluまたはE)である。別段の明記がない限り、または文脈から明らかな場合は、本明細書に記載されるアミノ酸はL−アミノ酸であると考えられなければならない。標準アミノ酸はまた、同一の化学クラスに属する非標準アミノ酸に置換され得る。これに制限されるものではないが、塩基性側鎖Lysは、より短い側鎖長(オルニチン、ジアミノ酪酸、またはジアミノプロピオン酸)の塩基性アミノ酸と置換され得る。Lysはまた中性脂肪族化合物アイソステア等電子体ノルルシン(Nle)と置換される可能性があり、それはより短い脂肪族側鎖(アミノ酪酸またはアミノプロピオン酸)を含む類似体によって同様に置換され得る。
ヒトプロインスリンのアミノ酸配列は、比較の目的で、配列ID番号1として提供される。
配列ID番号 1(ヒトプロインスリン)
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Lys−Thr−Arg−Arg−Glu−Ala−Glu−Asp−Leu−Gln−Val−Gly−Gln−Val−Glu−Leu−Gly−Gly−Gly−Pro−Gly−Ala−Gly−Ser−Leu−Gln−Pro−Leu−Ala−Leu−Glu−Gly−Ser−Leu−Gln−Lys−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Thr−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Asn
ヒトインスリンのA鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号2として提供される。
配列ID番号2(ヒトA鎖)
Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Thr−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Asn
ヒトインスリンのB鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号3として提供される。
配列ID番号3(ヒトB鎖)
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Lys−Thr
KPインスリン(インスリンリスプロ、ヒューマログ(登録商標)の活性成分、イーライ・リリー社)の改変されたB鎖のアミノ酸配列は、配列ID番号4として提供される。
配列ID番号4(ヒト「KP」B鎖)
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Lys−Pro−Thr
配列ID番号5は、これまでに開示された(Hua,Q.X.,et al.J.Biol.Chem.283,14703−16(2008))単鎖インスリン類似体のアミノ酸配列を提供し、その構造は図1および2に示される。本発明の類似体とは異なり、この配列は位置A14、C1、およびC2で酸性残基を欠き、位置B10で酸性残基を含み、結果として生じる単鎖インスリン類似体は、本発明の望ましい二相性薬力学特性を示さない。
本発明の単鎖インスリン類似体のアミノ酸配列は配列ID番号6〜19で一部与えられ、単鎖インスリン類似体と一致する。これらの配列は標準的な単一文字コードを使用し、当技術分野で周知のように、AlaはAとして表され、システインはCとして表され、アスパラギン酸はDとして表され、グルタミン酸はEとしてなどのように表される。赤色のエレメントは、野生型インスリンまたは野生型プロインスリンに存在しない配列または置換を示す。配列ID番号13および19のダッシュ記号は、N末端残基B1〜B3の欠失を示す(des−B1〜B3類似体として示される)。
Figure 2017536337
Figure 2017536337
本発明の単鎖インスリン類似体のアミノ酸配列はまた配列ID番号20〜34で与えられ、X、Xなどによって示される位置で選択的なエレメントを有する単鎖インスリン類似体に対応し、これらの位置は緑色で示される。上記のように、赤色のエレメントは、さもなければ野生型インスリンまたは野生型プロインスリンに存在しない配列または置換を示す。配列ID番号13および19のダッシュ記号は、N末端残基B1〜B3の欠失を示す(des−B1〜B3類似体として示される)。
Figure 2017536337
Figure 2017536337
本発明の単鎖インスリン類似体のアミノ酸配列はまた配列ID番号35〜49で与えられ、Y、Yなど(赤紫色)によって示される結合領域の位置で選択的なエレメントを有する単鎖インスリン類似体に対応し、緑色で示されるように、上記の選択的なX、Xなどの配列特性を含む。上記のように、赤色のエレメントは、さもなければ野生型インスリンまたは野生型プロインスリンに存在しない配列または置換を示す。配列ID番号13および19のダッシュ記号は、N末端残基B1〜B3の欠失を示す(des−B1〜B3類似体として示される)。
Figure 2017536337
Figure 2017536337
本発明の単鎖インスリン類似体のアミノ酸配列はまた配列ID番号50〜64で与えられ、付加的な1〜5のアミノ酸残基(下記の青色のB1〜5として示される)を有し、Y、Yなど(赤紫色)によって示される結合領域の位置で選択的なエレメントを有する単鎖インスリン類似体に対応し、緑色で示されるように、上記の選択的なX、Xなどの配列特性を含む。上記のように、赤色のエレメントは、さもなければ野生型インスリンまたは野生型プロインスリンに存在しない配列または置換を示す。配列ID番号13および19のダッシュ記号は、N末端残基B1〜B3の欠失を示す(des−B1〜B3類似体として示される)。
Figure 2017536337
Figure 2017536337
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号6(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号65
TTCGTCAATCAACACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCATTGTACTTGGTCTGTGGTGAGAGAGGATTCTTCTACACCGATCCAACTGGTGGTGGTCCTAGAAGAGGAATCGTCGAGCAATGTTGCCACTCCATTTGTTCCTTGGAACAATTGGAAAACTACTGCAACTAA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号7(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号66
TTCGTCAATCAACACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCATTGTACTTGGTCTGTGGTGAGAGAGGATTCTTCTACACCGATCCAACTGGTGAGGGTCCTAGAAGAGGAATCGTCGAGCAATGTTGCCACTCCATTTGTTCCTTGGAACAATTGGAAAACTACTGCAACTAA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号8(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号67
TTCGTCAATCAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTGATCCAACTGAAGAGGGTCCAAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTGA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号9(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号68
TTCGTCAATCAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTGATCCAACTGAAGAGGGTCCAAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTGGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTGA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号10(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号69
TTCGTCAATCAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTCCAGAAACTGAAGAGGGTCCAAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTGA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号11(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号70
TTCGTCAATCAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTCCAAGAACTGAAGAGGGTCCAAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTGA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号12(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号71
TTCGTCAATCAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTGAGCCAACTGAAGAGGGTCCAAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTGA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号13(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号72
TTCGTCAAACAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTCCAGAAACTGAAGAGGGTCCAAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTGA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号15(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号73
TTCGTTAACCAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTGATCCAACTGAAGAGAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTAA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号16(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号74
TTCGTTAACCAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTGATCCAACTGAAGAGAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTAA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号17(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号75
TTCGTTAACCAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTGATCCAACTGAAGAGAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTAA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号18(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号76
TTCGTCAATCAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTCAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTCCAGAAACTGAAGAGGGTCCAAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTGA
以下のDNA配列は、Pichia pastorisにおける使用パターンのために最適化したコドンを用い、配列ID番号19(上記参照)で明記されている単鎖インスリン類似体をコードするものである。
配列ID番号77
TTCGTCAAACAGCACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCTTTGTACTTGGTTTGTGGTGAGAGAGGTTTCTTCTACACTGACCCAACTGAAGAGGGTCCAAGAAGAGGTATCGTTGAGCAGTGTTGTCACTCCATCTGTTCCTTGGAGCAGTTGGAGAACTACTGTAACTGA
配列ID番号31〜37において表されるように、類似体の合成遺伝子はSCI−59A(下記参照)およびさらなる置換GluB13→Glnを含むSCI−59AおよびSCI−59Bの派生物をコードするPichia pastorisにおいて調製され、クローン化された。
本発明の2つの単鎖インスリン類似体は(配列ID番号8および配列ID番号10によってコードされ、それぞれSCI−57DPおよびSCI−57PEとして示される)Pichia pastorisにおける前駆体ポリペプチドの生合成によって準備し、このシステムは、切断N末端拡張ペプチドを有する天然のジスルフィド架橋を含む折り畳みタンパク質を分泌する。過剰発現(発酵培養における>200mg/l)の効率は、図5に図示される。切断された単鎖インスリン製剤は、30残基B領域、6残基C領域(各々の場合の配列EEGPRR)、および21残基A領域の合計57の長さを有した。SCI−57DPおよびSCI−57PEの形式的等電点(pI)は、野生型位置B29(LysB29)の正電荷の除去によって、B28またはB29の酸の置換によって、A14(TyrA14→Glu)の酸の置換によって、およびC領域で塩基性および酸性側鎖を相殺することによって5.0以下にそれぞれの場合においてシフトするものと予測された。
解説される(Hua,Q.X.,et al.J.Biol.Chem.283,14703−16(2008))ように、単鎖の類似体の熱力学安定性をCDモニターしたグアニジン変性によって精査した。結果(表1の縦列2)は、野生型インスリンまたはKPインスリンである場合より、SCI−57DPおよびSCI−57PE各々が化学変性に対し安定なことを示す。各々の場合において、タンパク質のアンフォールディング50%を達成するために、より高濃度のグアニジン−HClが求められ(表1の縦列3)、その傾向はより大きい値に向かうm値として観察され(縦列4)、折り畳み状態における無極性表面のより効果的な脱溶媒和を示唆する。37℃で穏やかに撹拌する場合、フィブリル化へのSCI−57PEの感受性が、野生型インスリンまたはKPインスリンと比較し顕著に長期化することが明らかとなった(表1の縦列5)。野生型インスリンおよびKPインスリンがこれらの条件下で10日以内にフィブリルを形成するのに対し、SCI−57PEは少なくとも9ヵ月間フィブリル化が困難である。
SCI−57DPおよびSCI−57PEの受容体結合親和性は、野生型ヒトインスリンと比較し決定された。分析にはインスリン受容体のAアイソフォームを用いた。ヒトインスリン(平衡解離定数0.05(±0.01)nM)と比較して、SCI−57DPおよびSCI−57PEは、0.06(±0.01)nMおよび0.08(±0.01)nMのそれぞれの結合定数を示した。分裂促進性1型IGFI受容体のSCI−57DPの親和性は、野生型ヒトインスリンのそれより少なくとも5倍低かった。受容体結合活性の分析のためのプロトコルは、以下の通りであった。マイクロタイターストリッププレート(ヌンクマキシソープ)を、AU5 IgG(リン酸緩衝生理食塩水における濃度40mg/mlを100μl/ウェル)とともに、4℃で一晩中インキュベートした。結合データは2部位連続モデルで分析した。データは非特異的結合のために修正した(1μMヒトインスリンの存在下において関連する膜残留放射能の量)。リガンド枯渇の人為的な影響を避けるため検討した、競合リガンド非存在下で結合したトレーサーのパーセンテージはすべての分析において15%未満であった。解離定数(K)はWhittakerおよびWhittaker(2005.J.Biol.Chem.280:20932−20936)によって解説されるように、数学モデルに当てはめることによって決定し、モデルは、非相同競合の仮定で非線形回帰を使用した(Wang,1995,FEBS Lett.360:111−114)。
Figure 2017536337
生物活性および薬力学は、ストレプトゾトシンによる糖尿病に罹患した雄のスピローグドーリーラット(およそ300のg)でテストした(図6)。U−100(0.6mM)の皮下注射SCI−57PEおよびSCI−57DPのPD効果は、ヒューマログ(登録商標)および25−75ヒューマログ(登録商標)混合型に関して評価し、結果として生じる血糖濃度の全体的なプロファイル(図6A)は、我々の2つの候補のPD特性が混合型リリー製剤と類似していることを示し、その持続型(120〜540分)および超速効型の両方の成分を要約する(図6B)。注射後最初の1時間についての血糖濃度の最初の低下率は、図7に示す。
SCIの熱安定性。SCI−57DPの効力の保持または喪失は、現在のインスリン製剤の急速な分解に好都合な条件下(すなわち、気液界面の存在下、ガラスのバイアルにおける45℃での穏やかな撹拌;図8)で、上記のラットにおいて評価された。新鮮な試料を図8Aにおいて使用した。コントロールはヒューマログ(登録商標)およびランタス(登録商標)により提供された。ランタス(登録商標)は11日後(図8B中の○)、ヒューマログ(登録商標)は5日以内(図示せず)に不活化されたのに対し、SCI−2(◆および□)は57日後に透明な溶液としてテストした時、完全な活性を維持していた(図8B)。SCI−57PE(そのGuはSCI−DPのそれより大きい。表1上)は、分解に対し類似した抵抗性を示す(図示せず)。
構造研究には円偏光二色性(CD)およびNMR分光法を用いた。SCI−57DPおよびSCI−57PEの遠紫外CDスペクトルは、ヒトインスリンの天然構造および単鎖インスリン類似体の溶液構造と一致し、α−ヘリックスの優位性を示した(Hua,Q.X.,et al.J.Biol.Chem.283,14703−16(2008))。NMR研究は、タンパク質濃度1mM以下でのその単量体の状態を考慮して、亜鉛イオンが存在しない場合の水溶液(pH7〜8)におけるSCI−57DPに着目した。スペクトルは、700MHzの陽子周波数で得られた。2D−NMR NOESYスペクトルおよびH−15N異核単一量子干渉性(HSQC)2D「フィンガープリント」スペクトルは、折り畳み構造の証拠を提供し、NOEsおよび化学シフトのパターンは、57残基単鎖インスリン類似体のこれまでの解析と一致する(Hua,Q.X.,et al.J.Biol.Chem.283,14703−16(2008))。
六量体分解の速度を、可視吸収分光学によって25℃およびpH7.4におけるSCI−1のRコバルト六量体で評価した。本分析は、過剰なキレート化剤EDTAによって金属イオン放出および金属イオン封鎖の率をモニターするために、Rインスリン六量体で2つの四面体Co2+部位の青色d−d吸収バンドを利用する。八面体Co2+−EDTA複合体は無色である。野生型インスリンのリリーCo2+−EDTA金属イオン封鎖分析が574nmで(図9中の黒線)吸光度の単一指数関数的な消失にこれらの条件下で誘導するのに対し、顕著に、SCI−1は即時相(インスリンリスプロより速い、図示せず)および遅発相(野生型インスリンより遅い、図9中の緑線)で双指数関数的な移行を示す。CWRUのワイスの研究グループによってテストされた2鎖インスリン類似体のポートフォリオの中で、EDTA分析においてそのような二相性動力学性反応は前例がない。本分析は、動物(およびその後ヒト)におけるPK研究と相関し、これらの分光結果は、現在のSCIが(ラットの場合のように)皮下デポーで二相性PK特性を示すという我々の需要な仮説を動機づけしている。この二相性反応の分子機構は決定されていないが、インスリンデグルデク(ノボノルディスク社からの新規基礎類似体)で認められるように、フェノール依存的なRT移行を含み得る。
本明細書に解説がなされるように、真性糖尿病を有する患者のこの治療方法は単鎖インスリン類似体を投与することを含む。単鎖インスリン類似体が酵母(Pichia pastoris)または天然の断片連結反応による完全な化学合成に依存し調製され得ることは、本発明の別の態様である。製剤の合成経路は、D−アミノ酸置換、PheまたはTyrの芳香環の範囲内のハロゲン置換、または炭水化物によるセリンまたはトレオニンのO結合型の改変のような非標準改変の場合好まれる。しかしながら、拡張遺伝暗号技術または4塩基コドン技術の方法によって非標準改変を含む単鎖の類似体の一部を製造することは可能である(評価のため、Hohsaka,T.,&Sisido,M.,2012を参照のこと)。非標準アミノ酸置換の使用で化学分解に対し、または、物理的な分解に対し単鎖インスリン類似体の抵抗性を強化することが可能であることは本発明のさらに別の態様である。我々はさらに真性糖尿病またはメタボリックシンドロームの治療法を提供する本発明の類似体を想定する。インスリン類似体の送達の経路は注射器またはペン装置を用いることによる皮下注射によるものである。
本発明の単鎖インスリン類似体はまた、同時係属の米国特許出願第13/018011号においてさらに十分に記述されるように、位置B24、B35、またはB26のハロゲン原子のような他の改変を含むことができ、その開示は参照することにより本明細書に組み込まれる。同時係属の米国特許出願第61/589,012号においてさらに十分に記述されるように、本発明のインスリン類似体はまた残基B1〜B3の欠失により短縮化したB鎖を含み得る。
医薬組成物はそのようなインスリン類似体から成ってもよく、選択的に亜鉛を含む可能性がある。亜鉛イオンは、様々な亜鉛イオンとして、インスリン類似体六量体につき2.2の亜鉛原子からインスリン類似体六量体につき10の亜鉛原子にわたる範囲のタンパク質比率で含まれ得る。製剤のpHはpH7.0〜8.0の範囲であり、緩衝液(一般的にリン酸ナトリウムまたはトリス−塩酸塩)が存在する場合、または存在しない場合がある。そのような製剤において、インスリン類似体の濃度は、一般的におよそ0.6〜5.0mMであり、最大5mMまでの濃度が、バイアルまたはペンで用いられても良く、より濃縮された製剤(U−200またはそれ以上)は、著しいインスリン抵抗性を有する患者において特定の利益となり得る。賦形剤は、グリセロール、グリシン、アルギニン、トリス、他の緩衝液、および塩類、およびフェノールおよびメタクレゾールのような抗菌性防腐剤を含んでも良く、後者の防腐剤はインスリン六量体の安定性を強化するということが知られている。そのような医薬組成物は、患者に生理的に効果的な量の組成物を投与することによって真性糖尿病または他の病状を有する患者を治療するのに用いられても良い。
前述の開示に基づいて、提供される単鎖インスリン類似体が本明細書において先述する対象を実行することは、現在明白であろう。すなわち、望ましい薬物動態学的および薬力学的特徴(二相性作用の付与)を保持し、野生型インスリンの少なくともわずかな生物活性を維持しているが、これらのインスリン類似体はフィブリル化に対し強化された抵抗性を示す。したがって、任意の明白な変化が請求した発明の範囲内に含まれるものと理解され、したがって、特定の成分要素の選択は、本明細書において開示および記述される本発明の趣旨を逸脱しない範囲で決定されることが可能である。
以下の論文は、本明細書に記述されるテストおよび分析方法が当技術分野の当業者によって理解されることを証明するために引用される。
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Claims (24)

  1. 単鎖インスリンであって、
    C領域のN末端側に少なくとも2つの酸性残基およびC領域ペプチドのC末端側に少なくとも2つの塩基性残基を有する6〜11のアミノ酸残基のC領域と、
    ヒトインスリンのA8に相当する位置の塩基性アミノ酸残基と、
    ヒトインスリンのA14に相当する位置の酸性アミノ酸残基と
    を有する、単鎖インスリン。
  2. 請求項1記載の単鎖インスリンにおいて、前記C領域は、当該C領域のN末端側にアミノ酸Glu−Gluを有する、単鎖インスリン。
  3. 請求項1または2記載の単鎖インスリンにおいて、前記C領域は、当該C領域のC末端側にアミノ酸Arg−Arg、Lys−Lys、Arg−Lys、またはLys−Argを有する、単鎖インスリン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つ記載の単鎖インスリンにおいて、前記C領域は、前記酸性残基と前記塩基性残基との間に2〜4のアミノ酸連結領域を含む、単鎖インスリン。
  5. 請求項4記載の単鎖インスリンにおいて、前記連結領域は、基本的に1若しくはそれ以上のグリシン、セリン、およびプロリン残基から成る、単鎖インスリン。
  6. 請求項5記載の単鎖インスリンにおいて、前記連結領域はGly−Proを有し、またはGly−Proから成る、単鎖インスリン。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つ記載の単鎖インスリンにおいて、A8に相当する位置の前記アミノ酸は、Lys、Arg、Hist、またはOrnである、単鎖インスリン。
  8. 請求項7記載の単鎖インスリンにおいて、A8に相当する位置の前記アミノ酸は、LysまたはArgである、単鎖インスリン。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つ記載の単鎖インスリンにおいて、A14に相当する位置の前記アミノ酸はGluである、単鎖インスリン。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つ記載の単鎖インスリンにおいて、前記単鎖インスリンは、B28および/またはB29に相当する位置にアミノ酸置換を有する、単鎖インスリン。
  11. 請求項10記載の単鎖インスリンにおいて、B28および/またはB29に相当する位置の前記置換は、酸性アミノ酸である、単鎖インスリン。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つ記載の単鎖インスリンであって、B10に相当する位置にヒスチジン置換を有する、単鎖インスリン。
  13. 請求項1〜12のいずれか1つ記載の単鎖インスリンにおいて、前記単鎖インスリンは、位置A21のAsnがGly、Ala、またはSerで置換されている、単鎖インスリン。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つ記載の単鎖インスリンにおいて、前記単鎖インスリンは、配列ID番号6〜64のいずれか1つのアミノ酸配列を有する、単鎖インスリン。
  15. 請求項1〜14のいずれか1つ記載の単鎖インスリンにおいて、前記単鎖インスリンは、5.0以下の予測等電点を有する、単鎖インスリン。
  16. 請求項1〜15のいずれか1つ記載の単鎖インスリンを有する医薬組成物であって、7.0〜8.0のpHで製剤化される、医薬組成物。
  17. 請求項16記載の医薬組成物であって、さらに、pH緩衝液を有する、医薬組成物。
  18. 請求項16または17記載の医薬組成物において、前記単鎖インスリンは、0.6mM〜5.0mMの濃度で製剤化される、医薬組成物。
  19. 請求項16または17記載の医薬組成物において、前記単鎖インスリンは、U−100、U−200、U−300、U−400、またはU−500の強度で製剤化される、医薬組成物。
  20. 請求項16または17記載の医薬組成物において、前記単鎖インスリンは、U−500〜U−1000の強度で製剤化される、医薬組成物。
  21. 請求項16〜20のいずれか1つ記載の医薬組成物であって、さらに、インスリン六量体につき2〜4の亜鉛イオンを有する、医薬組成物。
  22. 請求項16〜20のいずれか1つ記載の医薬組成物であって、さらに、インスリン六量体につき2未満の亜鉛イオンを有する、医薬組成物。
  23. 糖尿病を治療する方法であって、それを必要とする患者に請求項16〜22のいずれか1つ記載の医薬組成物を皮下投与する工程を有する、方法。
  24. 請求項23記載の方法において、前記医薬組成物は1日2回投与される、方法。
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