JP2017534064A - 分析種の検出のための方法およびシステム - Google Patents

分析種の検出のための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

実施形態により、1つ以上の試料中の1つ以上の分析種の存在を検出するための分析種検出システムおよび方法が提供される。検出方法では、試料とセンサー化合物とが流路に導入される。第1の電位差が、第1の方向に流路の長さにわたって印加され、第1の電気的特性値が検出される。続いて、第2の電位差が、反対の第2の方向に流路の長さにわたって印加され、第2の電気的特性値が検出される。流路中の分析種の存在または非存在が、第1の電気的特性値と第2の電気的特性値との比較に基づいて判定される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、「分析種の検出のためのシステム」と題された2014年10月6日出願の米国特許出願第14/507,825号、「分析種の検出のための方法」と題された2014年10月6日出願の米国特許出願第14/507,828号、「水銀の検出のためのシステムおよび方法」と題された2014年10月6日出願の米国特許出願第14/507,818号、「銀の検出のためのシステムおよび方法」と題された2014年10月6日出願の米国特許出願第14/507,820号、および「核酸の検出のためのシステムおよび方法」と題された2014年11月7日出願の米国特許出願第14/535,378号の一部継続出願であり、これらの各々は、その全体が参照により援用される。
化学的および生物学的分析種の高感度かつ選択的な検出は、医学的および環境的な試験および研究に重要な意味を有する。例えば、病院や研究所では、重金属中毒の診断において、生物学的サンプルに対して、潜在的に有毒な物質(例えば、水銀および銀)を検出する試験を定期的に実施する。同様に、生体分子(例えば、核酸)の測定は、現代医学の基礎であり、医学的研究、診断、治療、および薬物開発において使用されている。
ナノポアシークエンシング技術は、核酸分子を検出する従来の方法である。ナノポアシークエンシングの概念では、脂質二重層膜を貫通して、すなわち膜の深さまたは厚さ寸法を貫通して延びる小さな穴または細孔であるナノポア開口を利用する。ナノポアシークエンシングは、膜中のナノポアを通ってヌクレオチドを移動させること、すなわち膜の深さまたは厚さ寸法に沿って膜の上面と底面との間を移動させることを含む。膜の深さまたは厚さ寸法にわたって電位差を印加して、ヌクレオチドにナノポアを通過させてもよい。ヌクレオチドがナノポアを通過する際に、ヌクレオチドの環境における物理的変化(例えば、ナノポアを通過する電流の変化)が検出される。検出された電流の変化に基づいて、ヌクレオチドを同定し、配列決定してもよい。
核酸検出の従来のシステムおよび技術の範囲を改善および拡大するための領域は特定されており、例示的な実施形態において技術的解決策が実施されている。
例示的な一実施形態によれば、試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路に試料を導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
流路に試料を導入する前の流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
電気的特性測定値と電気的特性基準値とを比較すること;ならびに
電気的特性測定値と電気的特性基準値との比較に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路に試料を導入すること;
第1の測定工程で測定された流路の長さの同じ一部に沿って、試料を導入した流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
試料を導入した後に測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて、流路における試料の電気的特性値を決定すること;
流路における試料の電気的特性値と流路の電気的特性基準値との差を決定すること;ならびに
流路における試料の電気的特性値と流路の電気的特性基準値との差に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料およびセンサー化合物を導入すること;
試料およびセンサー化合物を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
メモリ内に保存された、流路の長さの少なくとも一部に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
電気的特性測定値と電気的特性基準値との差を決定すること;ならびに
電気的特性測定値と電気的特性基準値との差に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路にセンサー化合物を導入すること;
流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路に試料を導入すること;
試料およびセンサー化合物を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
センサー化合物および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路にセンサー化合物を導入すること;
流路に試料を導入すること;
試料およびセンサー化合物を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
センサー化合物および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
センサー化合物および試料を流路に導入する前に測定された流路の電気的特性基準値にアクセスすること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路にセンサー化合物を導入すること;
試料およびセンサー化合物を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
センサー化合物および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路にセンサー化合物を導入すること;
試料およびセンサー化合物を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
センサー化合物および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
センサー化合物および試料を流路に導入する前に測定された流路の電気的特性基準値にアクセスすること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の内面の少なくとも一部をセンサー化合物でコーティングすること;
センサー化合物でコーティングした後の流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;ならびに
流路に導入した試料中に分析種が存在するか否かの決定に使用するために流路の電気的特性基準値を保存すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料およびセンサー化合物を導入することを含む。該方法は、流路の長さに沿った第1の方向に、流路の長さの両端に第1の電位差を印加することをさらに含む。該方法は、第1の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第1の電気的特性値を測定することをさらに含む。該方法は、第1の方向とは逆の、流路の長さに沿った第2の方向に、流路の長さの両端に第2の電位差を印加することをさらに含む。該方法は、第2の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第2の電気的特性値を測定することをさらに含む。該方法は、第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とを比較することをさらに含む。該方法は、第1の電気的特性値と第2の電気的特性値との比較に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定することをさらに含む。
例示的な一実施形態によれば、検出システムが提供される。該検出システムは、長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板を含む。該検出システムは、前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;および前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポートをさらに含む。該検出システムは、前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;および前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極をさらに含む。第1の電極および第2の電極は、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されて流路回路を形成している。流路回路は電気的特性を有し、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在する場合に該電気伝導性流体によって流路回路の電気的特性が変化するように構成されている。該検出システムは、第1の電極および第2の電極と電気通信する分析種検出回路をさらに含む。分析種検出回路は、第1の電極および第2の電極と電気通信する測定回路を含む。測定回路は、測定回路出力を有し、該測定回路出力は、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を含む。分析種検出回路は、測定回路出力と電気通信するメモリをさらに含み、該メモリは、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を保存するように構成されており、該1つ以上の値は、流路回路の電気的特性の第1の値と流路回路の電気的特性の第2の値とを少なくとも含む。分析種検出回路は、メモリと電気通信する比較回路をさらに含み、少なくとも前記第1の値および第2の値を入力として有する。比較回路は、前記少なくとも第1の値および/または第2の値に少なくとも一部基づく比較回路出力を提供するように構成されている。比較回路出力は、前記少なくとも1つの流路内に分析種が存在するか否かを示す。
例示的な別の一実施形態によれば、検出システムが提供される。該検出システムは、長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板を含む。該検出システムは、前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;および前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポートをさらに含む。該検出システムは、前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;および前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極をさらに含む。第1の電極および第2の電極は、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在することによって第1の電極と第2の電極の間の電気回路が完成するように、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されている。該検出システムは、第1の電極および第2の電極と電気通信する分析種検出回路をさらに含む。分析種検出回路は、第1の電極と第2の電極の間の1つ以上の電気的特性を測定するように構成されている。分析種検出回路はメモリを含み、該メモリは、測定された電気的特性値を保存するように構成されている。分析種検出回路は比較回路をさらに含み、該比較回路は、測定された電気的特性値に基づいて、前記少なくとも1つの流路内の分析種の存在を検出するように構成されている。
例示的な別の一実施形態によれば、検出システムが提供される。該検出システムは、
流体の流れを収容するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第1の末端において流体を導入するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第2の末端において流体を排出するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第1の末端と第2の末端の間で流体の電気的特性の第1の値および第2の値を検出するための手段;ならびに
電気的特性の第1の値と第2の値の差に基づいて、流体中に分析種が存在するか否かを判定するための手段
を含む。
例示的な一実施形態によれば、試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路に試料を導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
流路に試料を導入する前の流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
電気的特性測定値と電気的特性基準値とを比較すること;ならびに
電気的特性測定値と電気的特性基準値との比較に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路に試料を導入すること;
第1の測定工程で測定された流路の長さの同じ一部に沿って、試料を導入した流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
試料を導入した後に測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて、流路における試料の電気的特性値を決定すること;
流路における試料の電気的特性値と流路の電気的特性基準値との差を決定すること;ならびに
流路における試料の電気的特性値と流路の電気的特性基準値との差に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料およびTPET2分子を導入すること;
試料およびTPET2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
メモリ内に保存された、流路の長さの少なくとも一部に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
電気的特性測定値と電気的特性基準値との差を決定すること;ならびに
電気的特性測定値と電気的特性基準値との差に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路にTPET2分子を導入すること;
流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路に試料を導入すること;
試料およびTPET2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
TPET2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路にTPET2分子を導入すること;
流路に試料を導入すること;
試料およびTPET2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
TPET2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
TPET2分子および試料を流路に導入する前に測定された流路の電気的特性基準値にアクセスすること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路にTPET2分子を導入すること;
試料およびTPET2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
TPET2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路にTPET2分子を導入すること;
試料およびTPET2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
TPET2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
TPET2分子および試料を流路に導入する前に測定された流路の電気的特性基準値にアクセスすること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の内面の少なくとも一部をTPET2分子でコーティングすること;
TPET2分子でコーティングした後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;ならびに
流路に導入した試料中に水銀イオンが存在するか否かの決定に使用するために流路の電気的特性基準値を保存すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料およびTPET2分子を導入することを含む。該方法は、流路の長さに沿った第1の方向に、流路の長さの両端に第1の電位差を印加することをさらに含む。該方法は、第1の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第1の電気的特性値を測定することをさらに含む。該方法は、第1の方向とは逆の、流路の長さに沿った第2の方向に、流路の長さの両端に第2の電位差を印加することをさらに含む。該方法は、第2の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第2の電気的特性値を測定することをさらに含む。該方法は、第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とを比較することをさらに含む。該方法は、第1の電気的特性値と第2の電気的特性値との比較に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定することをさらに含む。
例示的な別の一実施形態によれば、水銀検出システムが提供される。該システムは、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板;
前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;ならびに
前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポート
を含む。
該システムは、
前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;および
前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極
をさらに含み、
第1の電極および第2の電極が、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されて流路回路を形成すること;ならびに
流路回路が電気的特性を有し、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在する場合に該電気伝導性流体によって流路回路の電気的特性が変化するように構成されていることを特徴とする。
該システムは、
第1の電極および第2の電極と電気通信する水銀検出回路をさらに含み;
水銀検出回路が、第1の電極および第2の電極と電気通信する測定回路を含むこと;
測定回路が測定回路出力を有すること;
測定回路出力が、流路回路の1以上の電気的特性を示す1以上の値を含むこと;
水銀検出回路が、測定回路出力と電気通信するメモリを含み、該メモリが、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を保存するように構成されており、該1つ以上の値が流路回路の電気的特性の第1の値と流路回路の電気的特性の第2の値とを少なくとも含むこと;
水銀検出回路が、メモリと電気通信する比較回路をさらに含み、少なくとも前記第1の値および第2の値を入力として有すること;
比較回路が、前記少なくとも第1の値および/または第2の値に少なくとも一部基づく比較回路出力を提供するように構成されていること;ならびに
比較回路出力が、前記少なくとも1つの流路内に水銀イオンが存在するか否かを示すことを特徴とする。
例示的な別の一実施形態によれば、水銀検出システムが提供される。該システムは、
流体の流れを収容するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第1の末端において流体を導入するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第2の末端において流体を排出するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第1の末端と第2の末端の間で流体の電気的特性の第1の値および第2の値を検出するための手段;ならびに
電気的特性の第1の値と第2の値の差に基づいて、流体中に水銀イオンが存在するか否かを判定するための手段
を含む。
例示的な一実施形態によれば、試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路に試料を導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
流路に試料を導入する前の流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
電気的特性測定値と電気的特性基準値とを比較すること;ならびに
電気的特性測定値と電気的特性基準値との比較に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路に試料を導入すること;
第1の測定工程で測定された流路の長さの同じ一部に沿って、試料を導入した流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
試料を導入した後に測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて、流路における試料の電気的特性値を決定すること;
流路における試料の電気的特性値と流路の電気的特性基準値との差を決定すること;ならびに
流路における試料の電気的特性値と流路の電気的特性基準値との差に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料およびTPEA2分子を導入すること;
試料およびTPEA2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
メモリ内に保存された、流路の長さの少なくとも一部に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
電気的特性測定値と電気的特性基準値との差を決定すること;ならびに
電気的特性測定値と電気的特性基準値との差に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路にTPEA2分子を導入すること;
流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路に試料を導入すること;
試料およびTPEA2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
TPEA2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路にTPEA2分子を導入すること;
流路に試料を導入すること;
試料およびTPEA2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
TPEA2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
TPEA2分子および試料を流路に導入する前に測定された流路の電気的特性基準値にアクセスすること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路にTPEA2分子を導入すること;
試料およびTPEA2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
TPEA2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路にTPEA2分子を導入すること;
試料およびTPEA2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
TPEA2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
TPEA2分子および試料を流路に導入する前に測定された流路の電気的特性基準値にアクセスすること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の内面の少なくとも一部をTPEA2分子でコーティングすること;
TPEA2分子でコーティングした後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;ならびに
流路に導入した試料中に銀イオンが存在するか否かの決定に使用するために流路の電気的特性基準値を保存すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料およびTPEA2分子を導入することを含む。該方法は、流路の長さに沿った第1の方向に、流路の長さの両端に第1の電位差を印加することをさらに含む。該方法は、第1の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第1の電気的特性値を測定することをさらに含む。該方法は、第1の方向とは逆の、流路の長さに沿った第2の方向に、流路の長さの両端に第2の電位差を印加することをさらに含む。該方法は、第2の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第2の電気的特性値を測定することをさらに含む。該方法は、第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とを比較することをさらに含む。該方法は、第1の電気的特性値と第2の電気的特性値との比較に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定することをさらに含む。
例示的な別の一実施形態によれば、銀の検出システムが提供される。該システムは、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板;
前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;ならびに
前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポートを含む。
該システムは、
前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;および
前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極
をさらに含み、
第1の電極および第2の電極が、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されて流路回路を形成すること;ならびに
流路回路が電気的特性を有し、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在する場合に該電気伝導性流体によって流路回路の電気的特性が変化するように構成されていることを特徴とする。
該システムは、
第1の電極および第2の電極と電気通信する銀検出回路をさらに含み;
銀検出回路が、第1の電極および第2の電極と電気通信する測定回路を含むこと;
測定回路が測定回路出力を有すること;
測定回路出力が、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を含むこと;
銀検出回路が、測定回路出力と電気通信するメモリを含み、該メモリが、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を保存するように構成されており、該1つ以上の値が流路回路の電気的特性の第1の値と流路回路の電気的特性の第2の値とを少なくとも含むこと;
銀検出回路が、メモリと電気通信する比較回路をさらに含み、少なくとも前記第1の値および第2の値を入力として有すること;
比較回路が、前記少なくとも第1の値および/または第2の値に少なくとも一部基づく比較回路出力を提供するように構成されていること;ならびに
比較回路出力が、前記少なくとも1つの流路内に銀が存在するか否かを示すこと
を特徴とする。
例示的な別の一実施形態によれば、銀の検出システムが提供される。該システムは、
流体の流れを収容するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第1の末端において流体を導入するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第2の末端において流体を排出するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第1の末端と第2の末端の間で流体の電気的特性の第1の値および第2の値を検出するための手段;ならびに
電気的特性の第1の値と第2の値の差に基づいて、流体中に銀が存在するか否かを判定するための手段
を含む。
例示的な一実施形態によれば、試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路に試料を導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
流路に試料を導入する前の流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
電気的特性測定値と電気的特性基準値とを比較すること;ならびに
電気的特性測定値と電気的特性基準値との比較に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路に試料を導入すること;
第1の測定工程で測定された流路の長さの同じ一部に沿って、試料を導入した流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
試料を導入した後に測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて、流路における試料の電気的特性値を決定すること;
流路における試料の電気的特性値と流路の電気的特性基準値との差を決定すること;ならびに
流路における試料の電気的特性値と流路の電気的特性基準値との差に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料および1つ以上の核酸プローブを導入すること;
試料および核酸プローブを流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
メモリ内に保存された、流路の長さの少なくとも一部に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
電気的特性測定値と電気的特性基準値との差を決定すること;ならびに
電気的特性測定値と電気的特性基準値との差に基づいて、核酸プローブが流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の核酸プローブの存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に1つ以上の核酸プローブを導入すること;
流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
流路に試料を導入すること;
試料および1つ以上の核酸プローブを流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
1つ以上の核酸プローブおよび試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に1つ以上の核酸プローブを導入すること;
流路に試料を導入すること;
試料および1つ以上の核酸プローブを流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
1つ以上の核酸プローブおよび試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
1つ以上の核酸プローブおよび試料を流路に導入する前に測定された流路の電気的特性基準値にアクセスすること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
1つ以上の核酸プローブを流路に導入すること;
試料および1つ以上の核酸プローブを流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
1つ以上の核酸プローブおよび試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
1つ以上の核酸プローブを流路に導入すること;
試料および1つ以上の核酸プローブを流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
1つ以上の核酸プローブおよび試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
1つ以上の核酸プローブおよび試料を流路に導入する前に測定された流路の電気的特性基準値にアクセスすること;
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の内面の少なくとも一部を1つ以上の核酸プローブでコーティングすること;
1つ以上の核酸プローブでコーティングした後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;ならびに
流路に導入した試料中に核酸が存在するか否かの決定に使用するために流路の電気的特性基準値を保存すること
を含む。
例示的な別の一実施形態によれば、試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法が提供される。該方法は、長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料および1つ以上の核酸プローブを導入することを含む。該方法は、流路の長さに沿った第1の方向に、流路の長さの両端に第1の電位差を印加することをさらに含む。該方法は、第1の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第1の電気的特性値を測定することをさらに含む。該方法は、第1の方向とは逆の、流路の長さに沿った第2の方向に、流路の長さの両端に第2の電位差を印加することをさらに含む。該方法は、第2の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第2の電気的特性値を測定することをさらに含む。該方法は、第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とを比較することをさらに含む。該方法は、第1の電気的特性値と第2の電気的特性値との比較に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定することをさらに含む。
例示的な別の一実施形態によれば、核酸検出システムが提供される。該システムは、
長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板;
前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;ならびに
前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポート
を含む。
該システムは、
前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;および
前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極をさらに含み、
第1の電極および第2の電極が、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されて流路回路を形成すること;ならびに
流路回路が電気的特性を有し、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在する場合に該電気伝導性流体によって流路回路の電気的特性が変化するように構成されていることを特徴とする。
該システムは、
第1の電極および第2の電極と電気通信する検出回路をさらに含み;
前記検出回路が、第1の電極および第2の電極と電気通信する測定回路を含むこと;
測定回路が測定回路出力を有すること;
測定回路出力が、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を含むこと;
前記検出回路が、測定回路出力と電気通信するメモリを含み、該メモリが、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を保存するように構成されており、該1つ以上の値が流路回路の電気的特性の第1の値と流路回路の電気的特性の第2の値とを少なくとも含むこと;
前記検出回路が、メモリと電気通信する比較回路をさらに含み、少なくとも前記第1の値および第2の値を入力として有すること;
比較回路が、前記少なくとも第1の値および/または第2の値に少なくとも一部基づく比較回路出力を提供するように構成されていること;ならびに
比較回路出力が、前記少なくとも1つの流路内に核酸が存在するか否かを示すことを特徴とする。
例示的な別の一実施形態によれば、核酸検出システムが提供される。該システムは、
流体の流れを収容するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第1の末端において流体を導入するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第2の末端において流体を排出するための手段;
流体の流れを収容するための手段の第1の末端と第2の末端の間で流体の電気的特性の第1の値および第2の値を検出するための手段;ならびに
電気的特性の第1の値と第2の値の差に基づいて、流体中に核酸が存在するか否かを判定するための手段
を含む。
例示的な実施形態に関する前述の、および別の目的、態様、構成、および利点は、以下の説明を添付の図面と併せて参照することにより、より明らかとなり、より良く理解することができる。
単一流路を含む例示的な検出システムの上面図を示す。
図1Aの例示的な検出システムの側面断面図を示す。
図1Aの例示的な検出システムの流路の概略的な側面断面図であり、凝集物粒子および電気二重層(EDL)を示す。
複数流路を含む例示的な検出システムの上面図を示す。
複数流路を含む別の例示的な検出システムの上面図を示す。
例示的な検出システムにおける例示的なイオンを示す概略図である。
図6Aおよび図6Bは、例示的な分析種の濃度を変えて流路において測定した例示的な導電率値を示すグラフである。
図7Aおよび図7Bは、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 図8Aおよび図8Bは、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。
図17Aおよび図17Bは、試料中の溶媒を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。
コンピュータで実行可能な例示的な方法を実装し実行するために使用することができる例示的な処理デバイスまたはコンピューティングデバイスのブロック図である。
図19Aおよび図19Bは、試料中の核酸を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の核酸を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の核酸を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の核酸を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の核酸を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の核酸を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の核酸を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の核酸を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。 試料中の核酸を検出するための例示的な方法を示すフローチャートである。
核酸の検出中に起こる核酸凝集物の形成を示す概略図である。
図29Aおよび図29Bは、試料中の核酸を検出するための別の例示的な方法を示すフローチャートである。
添付図面は、一定の縮尺で描かれたものではない。
分析種(例えば、水銀、銀、または核酸およびヌクレオチド)を検出するための従来のシステムおよび技術を改善するための領域は特定されており、例示的な実施形態において技術的解決策が実施されている。例示的な実施形態は、新規な機能的能力を提供するための、ナノ流体およびマイクロ流体の表面化学、動電学、および流体力学の知識を結合した分析種(例えば、水銀、銀、または核酸)検出システムおよび技術を提供する。実施形態は、従来の技術(例えば、ナノポア技術)と比較して寸法精度および制御の改善を提供し、新規な機能性およびデバイス性能の向上をもたらす。
実施形態は、1つ以上の試料中の1つ以上の分析種(例えば、水銀、銀、または核酸)の存在または非存在を検出するための分析種検出システムおよび方法を提供する。例示的な検出システムは、試料およびセンサー化合物(例えば、水銀検出用のTPET2、銀検出用のTPEA2、または核酸検出用の核酸プローブ)を収容するための少なくとも1つの流路を含み、流路は、幅と、幅よりも寸法が著しく大きい長さとを有する。例示的な検出システムは、流路の長さの少なくとも一部分に沿って1つ以上の電気的特性を検出して、流路が目的の分析種を含むか否かを判定するようにプログラムまたは構成された分析種検出回路を含む。
いくつかの場合において、センサー化合物は、分析種の粒子(試料中に存在する場合)とセンサー化合物の粒子との間の直接的または間接的な相互作用が、流路の1つ以上の電気的特性を変化させる凝集物の形成をもたらすように選択してもよい。特定の場合において、例示的な流路は、目的の分析種の粒子またはイオンと目的の分析種を検出するために使用されるセンサー化合物の粒子との間の相互作用により流路内に形成された凝集粒子の直径と実質的に等しいかまたはそれより小さい深さおよび/または幅を有するように構成してもよい。この場合、凝集物の形成は、流路内の導電性粒子の流れを部分的にまたは完全に遮断し、それによって、流路の長さに沿った電流および導電性を低下させ、流路の長さに沿って抵抗率を増加させる。分析種検出回路は、試料とセンサー化合物とが導入されると、流路の電気的特性におけるこの測定可能な変化を基準値と比較して、凝集物が流路内に存在するか否かを判定してもよい。凝集物が流路内に存在するという判定に基づいて、分析種検出回路は、試料が目的の分析種を含んでいると判定してもよい。
別の特定の場合には、凝集物粒子は導電性であってもよく、凝集物粒子の形成によって流路の長さの少なくとも一部に沿った電気経路が増強され、それによって流路の長さに沿って測定される導電率および電流の測定可能な増加が起こる。このような場合、凝集物の形成は、流路の長さに沿った抵抗率の測定可能な低下を引き起こす場合がある。分析種検出回路は、試料とセンサー化合物とが導入されると、流路の電気的特性におけるこの測定可能な変化を基準値と比較して、凝集物が流路内に存在するか否かを判定してもよい。凝集物が流路内に存在するという判定に基づいて、分析種検出回路は、試料が目的の分析種(例えば、水銀、銀、または核酸)を含んでいると判定してもよい。
分析種(例えば、水銀、銀、または核酸)を検出するための別の例示的な技術は、流路内における凝集物の形成によって引き起こされる、流路内におけるダイオード様挙動の存在の検出を含み得る。凝集物が存在しない場合、実質的に同じ大きさ(例えば、+500V)の電位差を印加すると、電位差または電界の印加方向にかかわらず、流路の長さに沿って検出される電気的特性(例えば、電流)は、実質的に同じ大きさとなり得る。電位差が、(例えば、正の電極が流路の第1の端部またはその近傍の導入ポートにあり、負の電極が流路の第2の端部またはその近傍の排出ポートにあるように)流路の長さに沿った第1の方向に流路の長さにわたって印加された場合、結果として生じる電流は、(例えば、正の電極が排出ポートにあり、負の電極が導入ポートにあるように)電位差が反対方向に印加された場合に結果として生じる電流と大きさが実質的に等しくなり得る。
流路内に凝集物が形成されると、ダイオード様挙動が生じ、印加された電位差または電界の方向の逆転が、流路内で検出される電気的特性の変化を引き起こす場合がある。ダイオード様挙動により、検出される電流の大きさは電界の方向によって異なることとなる。電界または電位差が第1の方向に印加される場合、電流の大きさは、電位差または電界が反対方向に印加される場合とは異なる大きさとなり得る。このように、(流路長に沿って第1の方向に電位差が印加された場合に検出される)第1の電気的特性値と(流路長に沿って反対の第2の方向に電位差が印加された場合に検出される)第2の電気的特性値との比較によって凝集体の検出が可能となり、その結果、試料中の分析種(例えば、水銀、銀、または核酸)の検出が可能となる。第1および第2の電気的特性値の大きさが実質的に等しい場合、試料は分析種(例えば、水銀、銀、または核酸)を含まないと判定され得る。一方、第1および第2の電気的特性値の大きさが実質的に等しくない場合、試料は分析種(例えば、水銀、銀、または核酸)を含むと判定され得る。換言すると、電気的特性値の合計(一方向で正、他の方向で負)は、凝集物の非存在下では実質的にゼロとなり、凝集物の存在下では実質的にゼロとならない。
従来のナノポア技術とは対照的に、例示的な実施形態は、流路の深さまたは厚さの寸法にわたってではなく、流路の長さに沿って、1つ以上の電気的特性を検出することを含む。例示的な実施形態の流路は、その幅よりも寸法が顕著に大きい長さを有し、開口、穴、または細孔として構成されたものではない。したがって、この例示的な流路は、電気的特性が検出される前に試料およびセンサー化合物が流路の長さに沿って流れることを可能にし、それによって寸法精度および電気的特性の制御の改善が可能となる。さらに、例示的な実施形態は、従来のナノポア技術におけるようなヌクレオチドの検出に限定されない。
特定の実施形態では、分析種(例えば、水銀、銀、または核酸および/または目的のヌクレオチド)が流路に存在するか否かを判定する際に、電気的特性以外の流路の特性を1つ以上検出してもよい。これらの特性は、音響検出、共鳴的パラメトリック検出、光学検出、分光検出、蛍光色素などを含む技術を用いて検出してもよいが、用いることのできる技術はこれらに限定されない。
I.用語の定義
例示的な実施形態に関連して使用される特定の用語を以下に定義する。
本明細書において、用語「検出システム」、「検出方法」および「検出技術」は、少なくとも1つの流路の長さの少なくとも一部に沿って1つ以上の電気的特性を測定することによって試料中の分析種を検出するためのシステムおよび方法を包含する。分析種は、水銀、銀、または目的の核酸および/もしくはヌクレオチドであってもよい。
本明細書において、用語「流路」は、明確に画定された内面と、内面によって境界付けられ、流体を収容するように構成されたた内側空間とを有するように構成された検出システム内の導管を包含する。いくつかの実施形態では、流路の内面は、微細加工され、滑らかな表面を呈するように構成される。例示的な流路は、以下の寸法、すなわち、長さl(その最長寸法(y軸)に沿って測定され、検出システムの基板に実質的に平行な平面に沿って延びる)と、幅w(その最長寸法に垂直な軸(x軸)に沿って測定され、基板に平行な平面に実質的に沿って延びる)と、深さd(基板に平行な平面に実質的に垂直な軸(z軸)に沿って測定される)とを有してもよい。例示的な流路は、その幅およびその深さよりも実質的に大きい長さを有してもよい。いくつかの場合において、長さ:幅の例示的な比としては、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、およびこれらの間にあるあらゆる比などを挙げることができるが、これらに限定されない。特定の場合に、例示的な流路は、センサー化合物と目的の分析種との間の相互作用により流路に形成され得る凝集物粒子の直径と実質的に等しいかまたはそれより小さい深さおよび/または幅を有するように構成してもよい。
本明細書において、用語「分析種」は、その存在または非存在が、例示的な検出システムまたは方法を使用して検出可能である物質を包含する。例示的な実施形態を使用して検出することができる例示的な分析種には、有機物質(例えば、生体分子)または無機物質(例えば、金属イオン)を挙げることができる。例示的な実施形態を使用して検出することができる特定の分析種には、銀、水銀、1つ以上の溶媒、1つ以上の核酸、および/または1つ以上のヌクレオチドが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において、用語「試料」は、例示的な検出システムまたは方法によって分析することで、その試料が目的の分析種を含むか否かを判定できるような試験物質を包含する。例示的な実施形態において試験可能な例示的な試料には、唾液、血液、血漿、尿、糞便のような生物学的流体に由来するものを含む任意の流体、土壌試料、地方自治体の水の試料、空気試料などが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において、「センサー」および「センサー化合物」という用語は、別の1つ以上のセンサー化合物を介して直接的または間接的に試料中の目的の分析種と相互作用して凝集物の形成を引き起こす物質を包含する。目的の分析種が水銀である例では、適切なセンサー化合物はTPET2としてもよい。目的の分析種が銀である例では、適切なセンサー化合物はTPEA2としてもよい。目的の分析種が核酸および/またはヌクレオチドである例では、適切なセンサー化合物は、1つ以上の核酸プローブ(例えば、1つ以上の核酸捕捉プローブ、1つ以上の核酸架橋プローブ、1つ以上の核酸プレ増幅プローブ、1つ以上の核酸標識伸長因子、1つ以上の核酸増幅プローブなど)としてもよい。
本明細書において、用語「凝集物」は、分析種の粒子および1つ以上のセンサー化合物の粒子からなる巨大分子構造を包含する。そのため、凝集物粒子は、分析種粒子の単位寸法または単位サイズよりも大きく、かつセンサー化合物の寸法または単位サイズよりも大きい単位寸法または単位サイズを有する。分析種の粒子と1つ以上のセンサー化合物の粒子との間の直接的および/または間接的相互作用によって、例示的な検出システムの流路内に凝集物が形成され得る。特定の分析種を検出するための例示的な検出システムおよび方法では、センサー化合物が直接的に、または他の物質を介して間接的に分析種と相互作用して流路内に凝集物を形成するように、1つ以上のセンサー化合物を選択してもよい。したがって、流路中に凝集物粒子が存在すれば、流路中に分析種が存在することが示され、流路中に凝集物粒子が存在しなければ、流路中に分析種が存在しないことが示される。
電位差が流路の長さの少なくとも一部にわたって印加されるような特定の場合において、凝集物の形成が流路内の流体の流れを部分的にまたは完全に遮断し、流路の長さの少なくとも一部に沿った導電率または電流の測定可能な低下、および/または電気抵抗率の測定可能な増加を引き起こす場合がある。別の特定の場合において、凝集物の粒子が導電性であることから、凝集物の形成が流路の導電率を高め、それにより、流路の長さの少なくとも一部に沿った導電率または電流の測定可能な増加、および/または電気抵抗率の測定可能な低下を引き起こすことがある。
本明細書において、用語「電気的特性」は、流路に沿って伝導される電流、流路(および/または流路の任意の内容物)が電流を流す能力、流路(および/または流路の任意の内容物)が電流の流れに対抗する強さの度合いを定量化した測定値などの流路の1つ以上の特性を包含するが、これらに限定されない。例示的な実施形態では、電気的特性は、流路の長さの少なくとも一部に沿って検出してもよい。実施形態において検出される例示的な電気的特性には、流路の長さの少なくとも一部に沿って伝導される電流の測定値、流路の長さの少なくとも一部に沿った導電率の測定値、流路の長さの少なくとも一部に沿った電気抵抗率の測定値、流路の長さの少なくとも一部にわたる電位差の測定値、これらの組み合わせなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において、電気的特性値に関する「基準」という用語は、試料と必要なすべてのセンサー化合物(例えば、TPET2、TPEA2、または核酸プローブ)とがいずれも流路に導入され、流路内で互いに相互作用することができる状態になる前の、流路の電気的特性値またはその値の範囲を包含する。すなわち、基準値は、試料中の目的の分析種と、目的の分析種を検出するために使用されるすべてのセンサー化合物との間の相互作用が起こる前の流路を特徴付ける値である。いくつかの場合において、基準値は、流路に1つ以上のセンサー化合物を導入した後であるが、流路に試料を導入する前である時間に検出してもよい。いくつかの場合において、基準値は、流路に試料を導入した後、流路にすべてのセンサー化合物を導入する前(例えば、少なくとも1つのセンサー化合物が流路に導入されていない状態)の時間に検出してもよい。いくつかの場合において、基準値は、流路に試料またはセンサー化合物のいずれかが導入されていない状態で検出してもよい。いくつかの場合において、基準値は、流路に緩衝溶液が導入された後、流路に試料またはセンサー化合物のいずれかが導入されていない状態で検出してもよい。
いくつかの場合において、基準値はあらかじめ決定され、アクセス可能な非一時的記録媒体に保存されてもよい。別の場合において、基準値は、検出システムの使用中に、1つ以上の電気的特性測定値から決定されてもよい。
本明細書において、用語「データ」、「コンテンツ」、「情報」、および類似の用語は、本発明の実施形態に従って送信、受信、および/または保存することのできるデータを意味し、相互に入れ替えて使用することができる。したがって、このような用語の使用は、本発明の実施形態の趣旨および範囲を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、本明細書において、モジュール、プロセッサ、またはデバイスが、別のモジュール、プロセッサ、またはデバイスからデータを受信すると記載される場合、データは、該別のモジュール、プロセッサ、またはデバイスから直接受信されてもよく、または、本明細書で「ネットワーク」と称することもある1つ以上の中間モジュールまたは中間デバイス(例えば、サーバ、リレー、ルータ、ネットワークアクセスポイント、基地局、ホストなどのうちの1つ以上)を介して間接的に受信されてもよいことが理解されるであろう。同様に、本明細書において、コンピューティングデバイスが別のコンピューティングデバイスにデータを送信すると記載される場合、データは、該別のコンピューティングデバイスに直接送信されてもよく、または、1つ以上の中間コンピューティングデバイス(例えば、サーバ、リレー、ルータ、ネットワークアクセスポイント、基地局、ホストなどのうちの1つ以上)を介して間接的に送信されてもよいことが理解されるであろう。
本明細書において、用語「モジュール」は、1つ以上の特定の機能を実行するように構成されたハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアを包含する。
本明細書において、用語「コンピュータ可読媒体」は、非一時的記録ハードウェア、非一時的な記録デバイス、または非一時的なコンピュータシステムメモリを指し、コントローラ、マイクロコントローラ、コンピュータシステム、またはコンピュータシステムのモジュールは、該媒体にアクセスして、コンピュータによる実行が可能な命令またはソフトウェアプログラムをエンコードして該媒体上に保存することができる。コンピュータシステムまたはコンピュータシステムのモジュールは、「非一時的コンピュータ可読媒体」にアクセスして、該媒体上にエンコードされている、コンピュータによる実行が可能な命令またはソフトウェアプログラムを読出および/または実行することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、非一時的なハードウェアメモリ、非一時的な有形の媒体(例えば、1つ以上の磁気記録ディスク、1つ以上の光ディスク、1つ以上のUSBフラッシュドライブ)、コンピュータシステムメモリ、またはランダムアクセスメモリ(例えば、DRAM、SRAM、EDO RAM)などのうちの1種以上が挙げられるが、これに限定されない。
本明細書において、用語「セット」は、1つ以上からなる集合体であることを意味する。
本明細書において、用語「複数」は、2つ以上であることを意味する。
本明細書において、用語「等しい」および「実質的に等しい」は、広い意味において、正確に等しいことまたはある程度の許容範囲内で近似的に等しいことを意味し、相互に入れ替えて使用することができる。
本明細書において、用語「類似の」および「実質的に類似の」は、広い意味において、正確に同一であることまたはある程度の許容範囲内で近似的に類似していることを意味し、相互に入れ替えて使用することができる。
本明細書において、用語「結合」および「接続」は、2つ以上の構成要素間の直接的または間接的な接続を包含する。例えば、第1の構成要素は、第2の構成要素に直接的に結合されていてもよく、1つ以上の中間構成要素を介して結合されていてもよい。
本発明のいくつかの例示的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ、以下でより完全に説明する。添付の図面は、本発明の実施形態のすべてではなく、そのうちのいくつかを示している。実際に、これらの発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。これらの実施形態は、この開示が関連する法的要件を満たすことを目的として提供される。全体を通じて、類似の番号は類似の要素を指す。
II.例示的な分析種検出システム
例示的な検出システムは、少なくとも1つの流路を含み、流路の長さの少なくとも一部に沿って1つ以上の電気的特性を検出して、流路が分析種(例えば、水銀、銀、または目的の特定の核酸および/または目的の特定のヌクレオチド)を含むか否かを判定する。例示的な検出システムは、試料および1つ以上のセンサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、銀検出のためのTPEA2、または核酸検出のための1つ以上の核酸プローブ)を収容するための1つ以上の流路と、試料およびセンサー化合物を流路に導入するための1つ以上の導入ポートと、いくつかの実施形態では、それを通して流路の内容物を除去することができる1つ以上の排出ポートとを含むように構成してもよい。
1つ以上のセンサー化合物は、分析種の粒子が試料中に存在する場合、分析種の粒子とセンサー化合物の粒子との間の直接的または間接的な相互作用が、流路の長さの少なくとも一部の1つ以上の電気的特性を変化させる凝集物の形成をもたらすように選択してもよい。特定の場合において、凝集物粒子の形成は、流路内の流体の流れを抑制または遮断し、したがって流路の長さに沿って測定される導電率および電流の測定可能な低下を引き起こす場合がある。同様に、このような場合、凝集物の形成は、流路の長さに沿った抵抗率の測定可能な低下を引き起こす場合がある。別の特定の場合おいて、凝集物粒子は導電性とすることができ、凝集物粒子の形成は、流路の長さの少なくとも一部に沿った電気経路を増強し、それによって流路の長さに沿って測定された導電率および電流の測定可能な増加を引き起こすことがある。これらの場合、凝集物の形成は、流路の長さに沿った抵抗率の測定可能な低下を引き起こすことがある。
例示的な流路は、以下の寸法、すなわち、長さ(その最長寸法(y軸)に沿って測定され、検出システムの基板に実質的に平行な平面に沿って延びる)と、幅(その最長寸法に垂直な軸(x軸)に沿って測定され、基板に平行な平面に実質的に沿って延びる)と、深さ(基板に平行な平面に実質的に垂直な軸(z軸)に沿って測定される)とを有してもよい。例示的な流路は、その幅およびその深さよりも実質的に大きい長さを有してもよい。いくつかの場合において、長さ:幅の例示的な比は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、およびこれらの間にあるあらゆる比などであってもよい。
特定の場合に、例示的な流路は、目的の分析種(例えば、水銀、銀、または核酸)の粒子と、分析種を検出するために使用されるセンサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、銀検出のためのTPEA2、または核酸検出のための核酸プローブ)の粒子との相互作用によって流路に形成される凝集物の粒子の直径と実質的に等しいかまたはそれより小さい深さおよび/または幅を有するように構成してもよい。
例示的な流路は、x軸に沿って、1nm〜50000nmの範囲の幅を有することができるが、幅は、この例示的な範囲に限定されない。例示的な流路は、y軸に沿って、10nm〜2cmの範囲の長さを有することができるが、長さは、この例示的な範囲に限定されない。例示的な流路は、z軸に沿って、1nm〜1ミクロンの範囲の深さを有することができるが、深さは、この例示的な範囲に限定されない。
例示的な流路は、任意適切な横断面形状(例えば、x−z平面に沿った断面)を有することができ、横断面形状は、円形、楕円形、矩形、正方形、D字形(等方性エッチングのため)などを含むが、これらに限定されない。
図1Aおよび図1Bは、試料中の分析種(例えば、水銀、銀、または特定の核酸もしくは特定のヌクレオチド)の存在または非存在を検出するために使用することができる例示的な検出システム100を示す。図1Aは、システムの上面図であり、図1Bは、システムの側面断面図である。検出システム100は、水平なx−y平面に実質的に沿って延在する基板102を含む。いくつかの実施形態において、基板102は、誘電体材料(例えば、シリカ)で形成してもよい。基板102の、他の例示的な材料には、ガラス、サファイア、ダイヤモンドなどが含まれるが、これらに限定されない。
基板102は、流体を収容するための少なくとも内面106および内部空間108を有する流路104を支持するかまたは含むものであってもよい。いくつかの場合において、流路104は、基板102の上面内にエッチングされてもよい。流路104の内面106の例示的な材料には、ガラス、シリカなどが含まれるが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、流路104および基板102は、ガラスで形成されてもよい。生物学的流体へのガラスの溶解が遅く、タンパク質および小分子がガラス表面に接着するといった生物学的条件により、ガラス由来の移植物の使用には障害がある。特定の非限定的な実施形態において、自己組織化単分子層を用いた表面修飾によって、分析種の検出および分析のためのガラス表面を修飾するアプローチが提供される。特定の実施形態において、流路104の内面106の少なくとも一部は、センサー化合物が該内面に対して特異的に共有結合できるようにする材料を含むように、またはその材料によってコーティングされるように、前処理または共有結合的に修飾されてもよい。特定の実施形態において、流路を覆うカバースリップ114もまた、ある材料によって共有結合的に修飾されてもよい。
流路104の内面106を修飾するために使用することができる例示的な材料には、シラン化合物(例えば、トリクロロシラン、アルキルシラン、トリエトキシシラン、ペルフルオロシラン)、両性イオンスルトン、ポリ(6−9)エチレングリコール(Peg)、パーフルオロオクチル、フルオレセイン、アルデヒド、グラフェン化合物などが含まれるが、これらに限定されない。流路の内面の共有結合的修飾によって、特定の分子の非特異的吸収を防止できることもある。一例では、内面の共有結合的修飾によって、内面へのセンサー化合物分子の共有結合を可能としながら、内面が他の分子を非特異的に吸収することを防止し得る。例えば、ポリエチレングリコール(Peg)を使用して流路104の内面106を修飾することで、内面に対する物質の非特異的吸着を減少させ得る。
いくつかの実施形態において、流路104は、明確に画定された滑らかな内面106を有するようにナノ加工またはマイクロ加工してもよい。流路を作製し、流路の内面を修飾するための例示的な技術は、Sumita Pennathur and Pete Crisalli (2014), “Low Temperature Fabrication and Surface Modification Methods for Fused Silica Micro- and Nanochannels”, MRS Proceedings, 1659, pp 15-26. doi:10.1557/opl.2014.32に教示され、その全内容が、参照により本明細書内に明示的に援用される。
流路104の第1の端部は、導入ポート110を含むか、または導入ポート110と流体連通してもよく、流路104の第2の端部は、排出ポート112を含むか、または排出ポート112と流体連通してもよい。特定の非限定的な実施形態において、ポート110および112は、流路104の終端に設けられてもよい。
いくつかの実施形態において、流路104およびポート110、112を有する基板102の上面は、カバースリップ114で覆われ封止されてもよい。
第1の電極116は、流路104の第1の端部、例えば導入ポート110またはその近傍に、電気的に接続することができる。第2の電極118は、流路104の第2の端部、例えば排出ポート112またはその近傍に、電気的に接続することができる。第1および第2の電極116、118は、第1の電極と第2の電極との間に電位差を印加する目的で、電源または電圧源120に電気的に接続してもよい。すなわち、流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差が印加される。流路104内に流体が存在し、印加された電位差の影響下にあるとき、電極116、118および流体は、完全な電気経路を作り出すことができる。
電源または電圧源120は、電位差が流路長さに沿って(y軸に沿って)第1の方向に印加され、また(y軸に沿って)反対の第2の方向にも印加されるような可逆的な電界印加が可能となるように構成してもよい。電界または電位差の方向が第1の方向である一例では、正電極は、流路104の第1の端部に、例えば、導入ポート110またはその近傍に接続してもよく、負電極は、流路104の第2の端部に、例えば、排出ポート112またはその近傍に接続してもよい。電界または電位差の方向が逆の第2の方向である別の一例では、負電極は、流路104の第1の端部に、例えば、導入ポート110またはその近傍に接続してもよく、正電極は、流路104の第2の端部に、例えば、排出ポート112またはその近傍に接続してもよい。
流路104の第1および第2の端部(例えば、導入ポート110および排出ポート112またはそれらの近傍)は、分析種が流路104に存在するか否かを判定するために流路104の1つ以上の電気的特性値を検出するようにプログラムまたは構成された分析種検出回路122に電気的に接続されてもよい。電気的特性値は、単一の時間(例えば、試料および1つ以上のセンサー化合物が流路に導入された後のある特定の時間)に、または複数の異なる時間(例えば、試料および1つ以上のセンサー化合物のいずれもが流路に導入される前後)に検出してもよい。検出される例示的な電気的特性には、電流、導電率、電圧、抵抗などを挙げることができるが、これらに限定されない。特定の例示的な分析種検出回路122は、プロセッサまたはコンピューティングデバイス、例えば、図18に示される装置1700などとして構成されてもよく、これらを含んでいてもよい。別の特定の分析種検出回路122は、電流計、電圧計、オーム計などを含んでもよいが、これらに限定されない。
一実施形態において、分析種検出回路122は、流路104の長さの少なくとも一部に沿って1つ以上の電気的特性値を測定するようにプログラムまたは構成された測定回路123を含み得る。分析種検出回路122はまた、ある時間にわたり流路の電気的特性の1つ以上の値を周期的にまたは連続的に監視し、値が平衡に達した(すなわち、分散または許容度の特定の閾値を超えた変動がなくなった)後に、値のうちの1つを選択するようにプログラムまたは構成された平衡回路124を含み得る。
分析種検出回路122はまた、流路の2つ以上の電気的特性値、例えば、試料とすべてのセンサー化合物のいずれもが流路に導入された状態になる前に測定された電気的特性基準値と、試料とすべてのセンサー化合物が流路に導入された後に測定された電気的特性値とを比較するようにプログラムまたは構成された比較回路126を含み得る。比較回路126は、目的の分析種が流路に存在するか否かを判定するために、この比較を利用し得る。一実施形態において、比較回路126は、測定された電気的特性値と電気的特性基準値との差を計算し、その差を流路内の分析種の存在または非存在を示す所定の値と比較することができる。
特定の実施形態では、試料とセンサー化合物のいずれもが流路に導入されると、比較回路126は、電界または電位差が流路の長さに沿って第1の方向に流路にわたって印加されたときの第1の電気的特性値(例えば、電流の大きさ)を、電界または電位差が流路の長さに沿って逆の第2の方向に流路にわたって印加されたときの第2の電気的特性値(例えば、電流の大きさ)と比較するようにプログラムまたは構成されてもよい。一実施形態において、比較回路126は、第1の値と第2の値の差を計算し、その差を流路内の分析種の存在または非存在を示す所定の値と比較(例えば、その差が実質的にゼロであるか否かを比較)してもよい。例えば、その差が実質的にゼロである場合、これは、流路中に分析種の凝集物が存在しないこと、例えば、流路中に分析種が存在しないことを示す。その差が実質的にゼロではない場合、これは、流路中に分析種の凝集物が存在すること、例えば、流路中の分析種が存在することを示す。
特定の実施形態において、分析種検出回路122は、試料中の分析種の絶対濃度および/または試料中の1つ以上のさらなる物質に対する分析種の相対濃度を決定するようにプログラムまたは構成することができる。
いくつかの実施形態において、比較回路124および平衡回路126は、別々の回路またはモジュールとして構成することができるが、別の実施形態において、単一の統合された回路またはモジュールとして構成することができる。
分析種検出回路122は、いくつかの実施形態において、1つ以上の外部デバイスまたはモジュールに接続することができる出力128を有してもよい。例えば、分析種検出回路122は、電気的特性基準値および/または1つ以上の測定された電気的特性値を、さらなる計算、処理、および分析のためのプロセッサ130、値を保存するための非一時的記録デバイスまたはメモリ132、および値を使用者に表示するための画像表示装置134のうちの1つ以上に送信してもよい。いくつかの場合において、分析種検出回路122自体が、試料が分析種を含むか否かの指標を生成し、この指標をプロセッサ130、非一時的記録デバイスまたはメモリ132、および/または画像表示装置134に送信してもよい。
図1Aおよび図1Bのシステムを使用する例示的な方法では、1つ以上のセンサー化合物および試料を、順次または同時に流路に導入することができる。
流体の流れおよび/または流体中の荷電粒子の流れが(例えば凝集物が存在しないという理由により)阻害されない場合、流体中の導電性粒子またはイオンは、導入ポート110から排出ポート112に向かってy軸に沿って、流路104の長さの少なくとも一部に沿って移動し得る。導電性粒子またはイオンの移動の結果、流路104の長さの少なくとも一部に沿って、第1のまたは「基準」の電気的特性値(例えば、電流、導電率、抵抗率)またはその範囲が、分析種検出回路122によって検出され得る。いくつかの実施形態において、平衡回路124は、値が平衡に達するまでの時間、電気的特性値を周期的にまたは連続的に監視してもよい。次いで、平衡回路124は、値の1つを、電気的特性の過渡的変化の影響を避けるようにして選択し、電気的特性基準値としてもよい。
電気的特性「基準」値という用語は、試料およびすべてのセンサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、銀検出のためのTPEA2、または1つ以上の核酸プローブ)が流路に導入される前の流路の電気的特性値またはその値の範囲を指すことができる。すなわち、基準値は、試料中の分析種とすべてのセンサー化合物との間に何らかの相互作用が生じる前の流路を特徴付ける値である。いくつかの場合において、基準値は、1つのセンサー化合物を流路に導入した後、試料およびさらなるセンサー化合物を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値は、1つのセンサー化合物および試料を流路に導入した後、さらなるセンサー化合物を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値は、試料またはセンサー化合物を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値はあらかじめ決定され、アクセス可能な非一時的記録媒体に保存されてもよい。
いくつかの場合において、(試料中の目的の分析種と1つ以上のセンサー化合物との間の相互作用に起因して)流路内に導電性凝集物が形成されると、流路104の長さの少なくとも一部に沿った電気経路が増強されることがある。この場合、検出回路122は、流路104の長さの少なくとも一部に沿った第2の電気的特性の(例えば、電流、導電率、抵抗率の)値またはその値の範囲を検出することがある。いくつかの実施形態において、検出回路122は、試料およびすべてのセンサー化合物を流路に導入した後、第2の電気的特性値を検出する前に、待機時間または調整時間が経過する間、待機してもよい。待機時間または調整時間により、流路内に凝集物を形成させ、凝集物形成によって流路の電気的特性を変えることができる。
いくつかの実施形態において、試料およびセンサー化合物を導入した後、平衡回路124は、値が平衡に達するまで、電気的特性値を周期的または連続的に監視することができる。その後、平衡回路124は、電気的特性の過渡的変化の影響を回避するようにして、値のうちの1つを、第2の電気的特性値として選択してもよい。
比較回路126は、第2の電気的特性値を電気的特性基準値と比較することができる。第2の値と基準値との差が電流または導電率の増加(または抵抗率の低下)の所定の範囲に相当すると判定された場合、検出回路122により、流路に凝集物が存在すること、したがって分析種が試料中に存在することが判定され得る。
別の特定の場合において、流路内の流体の流れおよび/または流体中の荷電粒子の流れが部分的にまたは完全に(例えば、凝集物の形成によって)遮断される場合、流体内の導電性粒子またはイオンが、導入ポート110から排出ポート112に向かってy軸に沿って流路104の長さの少なくとも一部に沿って自由に移動できないことがある。導電性粒子またはイオンの移動が阻害されたり停止したりすることによって、流路104の長さの少なくとも一部に沿って第3の電気的特性の(例えば、電流、導電率、抵抗率の)値またはその値の範囲が分析種検出回路122によって検出され得る。第3の電気的特性値は、第2の電気的特性値に加えて、またはその代わりに検出されてもよい。いくつかの実施形態において、分析種検出回路122は、第3の電気的特性値を検出する前に、試料およびセンサー化合物のいずれもが流路に導入された後、待機時間または調整時間が経過する間、待機してもよい。待機時間または調整時間により、流路内に凝集物を形成させ、凝集物形成によって流路の電気的特性を変えることができる。
いくつかの実施形態において、試料およびセンサー化合物を導入した後、平衡回路124は、値が平衡に達するまで、電気的特性値を周期的または連続的に監視することができる。その後、平衡回路124は、電気的特性の過渡的変化の影響を回避するように、値のうちの1つを、第3の電気的特性値として選択してもよい。
比較回路126は、第3の電気的特性値を電気的特性基準値と比較することができる。第3の値と基準値との差が電流または導電率の低下(または抵抗率の増加)の所定の範囲に相当すると判定された場合、分析種検出回路122により、流路に分析種の凝集物が存在すること、したがって目的の分析種が試料中に存在することが判定され得る。
流路の長さに沿った流体の流れは、流路の寸法に対する凝集物粒子のサイズ、および流路の内面における電気二重層(EDL)の形成に依存する場合がある。図2は、図1Aおよび図1Bの検出システムの例示的な流路の側面断面図であり、流路の内面における電気二重層(EDL)202と凝集物粒子204との組み合わせによって、流路内の流体の流れが抑制されている様子を示している。
一般的に、EDLは、荷電した固体(例えば、流路の内面、分析種粒子、凝集物粒子)と電解質含有溶液(例えば、流路の内容物である流体)との間の正味電荷の領域である。EDLは、流路の内面の周囲と、流路内の任意の分析種粒子および凝集物粒子の周囲のいずれにも存在する。電解質に由来する対イオンは、流路の内面の電荷に引き付けられ、正味の電荷領域が誘導される。EDLは、流路内の、ならびに分析種粒子および目的の凝集物粒子の周囲のイオン流に影響を及ぼし、対イオンのいずれをも流路の長さを通過させないことによってダイオード様の挙動を生じさせる。
EDLの特徴的な長さを数学的に解くために、ポアソン・ボルツマン(PB)方程式および/またはポアソン・ネルンスト・プランク方程式(PNP)を解いてもよい。これらの解は、例示的なシステムの動作を理解するために解析される非線形連立方程式の組を生成するための流体流に対するナビエ・ストークス(NS)方程式に結合される。
流路表面、EDL、および凝集物粒子の間の寸法相互作用の観点から、例示的な流路は、所定の大きさの凝集物が流路内に形成された際に、導電性イオンの流れが流路の長さに沿って実質的に阻害されることを保証するように注意深く選択された寸法パラメータで構成し、構築することができる。特定の場合において、例示的な流路は、分析種検出の間に流路内に形成される凝集物粒子の直径と実質的に等しいかまたはそれより小さい深さおよび/または幅を有するように構成してもよい。特定の実施形態では、EDLのサイズもまた、流路の寸法パラメータを選択する際に考慮され得る。特定の場合において、例示的な流路は、流路の内面および流路内の凝集物粒子の周囲に生成されるEDLの寸法と実質的に等しいかまたはそれより小さい深さおよび/または幅を有するように構成してもよい。
特定の実施形態では、検出システムの使用前の流路が、センサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、銀検出のためのTPEA2、または核酸検出のための1つ以上の核酸プローブ)を含まないことがある。すなわち、検出システムの製造業者が、センサー化合物を含ませるための流路の前処理または修飾を実施しないことがある。この場合、使用者は、使用中に、(例えば、電解質緩衝液中の)1つ以上のセンサー化合物を流路に導入し、センサー化合物を有するが試料を有さない流路の電気的特性基準値を検出することができる。
別の特定の実施形態では、検出システムの使用前に、流路の内面の少なくとも一部がセンサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、銀検出のためのTPEA2、または核酸検出のための1つ以上の核酸プローブ)を含むかまたはセンサー化合物でコーティングされるように、流路が前処理または修飾されてもよい。すなわち、検出システムの製造業者は、センサー化合物を含ませるために、流路の前処理または修飾を実施してもよい。この場合、使用者は、流路に試料を導入するだけでよい。一例では、製造業者がセンサー化合物で修飾された流路の電気的特性基準値を検出し、使用者は、使用中に、保存された電気的特性基準値を使用することができる。すなわち、検出システムの製造業者は、センサー化合物を含ませるために、流路の前処理または修飾を実施してもよい。この場合、使用者は、試料および1つ以上のさらなるセンサー化合物を流路に導入する必要があるかもしれない。
特定の例示的な検出システムは、単一の流路を含み得る。別の特定の例示的な検出システムは、単一の基板上に設けられた複数の流路を含み得る。このような検出システムは、任意適切な数の流路を含んでもよく、その数としては2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、検出システムは、少なくとも2つの流路が互いから独立して動作するような複数の流路を含み得る。図1Aおよび図1Bの例示的な流路104および関連する構成要素が同じ基板上に複数備えられることにより、このようなマルチ流路検出システムを実現することができる。複数の流路の試用により、同じ試料中の同じ分析種、同じ試料中の異なる分析種、異なる試料中の同じ分析種、および/または異なる試料中の異なる分析種を検出することができる。
別の一実施形態において、検出システムは、少なくとも2つの流路が互いに協働して動作するような複数の流路を含み得る。図3は、基板302を含む例示的な検出システム300を示す。基板302は、同じ試料中の同じ分析種を検出するために使用することができる複数の流路304、306を含み得る。2つの流路が示されているが、より多くの流路が検出システムに設けられてもよい。複数の流路を設けることにより、冗長機能およびエラーチェック機能が実現され、これにより異なる流路における分析種の検出結果が異なれば、検出システムの信頼性が低いことが示され、異なる流路における結果が同一であれば、検出システムの信頼性が高いことが示される。前者の場合、検出システムの修理、再較正、または廃棄が必要となり得る。
第1の流路304および第2の流路306の第1の端部は、試料および1つ以上のセンサー化合物を検出システムに導入することができる共通の導入ポート308を含むか、または共通の導入ポート308と流体連通してもよい。第1の流路304の第2の端部は、第1の排出ポート310を含むか、または第1の排出ポート310と流体連通してもよく、第2の流路306の第2の端部は、第2の排出ポート312を含むか、または第2の排出ポート312と流体連通してもよい。排出ポート310と312は、互いに流体連通していなくてもよい。
検出システム300は、第1および第2の流路304、306の端部またはその近傍に電気的に接続することができる電極314、316Aおよび316Bを含み得る。電極314、316Aおよび316Bは、導入ポート308と第1の排出ポート310との間、および導入ポート308と第2の排出ポート312との間に電位差を印加するために、流路304、306を電圧源または電源332に接続することができる。同様に、分析種検出回路318は、第1および第2の流路304,306の端部またはその近傍で電気的に接続され、両流路に導入された試料が目的の分析種を含むか否かを判定することができる。
図1Aおよび図1Bに示された構成要素と共通の、図3に示される構成要素を、図1Aおよび図1Bに関連付けて説明する。
別の一実施形態において、検出システムは、少なくとも2つの流路が互いに協働して動作するような複数の流路を含み得る。図4は、基板402を含む例示的な検出システム400を示す。基板402は、同じ試料中の同じ分析種を検出するために使用することができる複数の流路404、406を含み得る。2つの流路が示されているが、より多くの流路が検出システムに設けられてもよい。複数の流路を設けることにより、同一の試料における複数の分析種または複数の試料における同一の分析種の同時検出が可能となり、検出システムの速度またはスループットが向上する。
第1の流路404および第2の流路406の第1の端部は、試料および1つ以上のセンサー化合物を検出システムに導入することができる共通の導入ポート408を含むか、または共通の導入ポート408と流体連通してもよい。さらに、第1の流路404の第1の端部は、第2の導入ポート414を含むか、または第2の導入ポート414と流体連通してもよい。第2の流路406の第1の端部は、第3の導入ポート416を含むか、または第3の導入ポート416と流体連通してもよい。第2の導入ポート414と第3の導入ポート416は、互いに流体連通していなくてもよい。
第1の流路404の第2の端部は、第1の排出ポート410を含むか、または第1の排出ポート410と流体連通してもよい。第2の流路406の第2の端部は、第2の排出ポート412を含むか、または第2の排出ポート412と流体連通してもよい。排出ポート410と412は、互いに流体連通していなくてもよい。
検出システム400は、第1および第2の流路404、406の端部またはその近傍に電気的に接続することができる電極418、420および422を含み得る。これらの電極は、第1の導入ポート408と第1の排出ポート410との間、および第1の導入ポート408と第2の排出ポート412との間に電位差を印加するために、第1および第2の流路を電圧源または電源436に接続することができる。同様に、分析種検出回路424は、第1および第2の流路404、406の端部またはその近傍で電気的に接続され、両流路に導入された試料が目的の分析種を含むか否かを判定することができる。
図1Aおよび図1Bに示された構成要素と共通の、図4に示される構成要素を、図1Aおよび図1Bに関連付けて説明する。
図4のシステム400を使用する例示的な方法では、試料を共通の第1の導入ポート408に導入することができ、第1および第2のセットのセンサー化合物を第2および第3の導入ポート414および416にそれぞれ導入することができる。結果として、分析種検出回路424は、第1の流路404の第1および第2の端部で行われた測定に基づいて、第1の試料が、(第1の流路のセンサー化合物と相互作用して凝集物を形成する)目的の分析種を含むか否かを判定することができる。分析種検出回路424は、第2の流路406の第1および第2の端部で行われた測定に基づいて、試料が、(第2の流路の第2のセンサー化合物と相互作用して凝集物を形成する)目的の第2の分析種を含むか否かを判定することができる。
別の例示的な一使用方法において、1つ以上のセンサー化合物を第1の導入ポート408に導入することができ、第1および第2の試料を第2および第3の導入ポート414および416にそれぞれ導入することができる。結果として、分析種検出回路424は、第1の流路404の第1および第2の端部で行われた測定に基づいて、試料が、(第1の流路の第1のセンサー化合物と相互作用して凝集物を形成する)目的の第1の分析種を含むか否かを判定することができる。分析種検出回路424は、第2の流路406の第1および第2の端部で行われた測定に基づいて、第2の試料が、(第2の流路のセンサー化合物と相互作用して凝集物を形成する)目的の第2の分析種を含むか否かを判定することができる。
特定の実施形態では、図1A、図1B、図3および図4に示されるシステムを用いて、流路の1つ以上の電気的特性値に基づいて分析種の絶対濃度または相対濃度を決定することができる。例示的な検出システムの流路における内面積/体積の比が大きいことから、このような方法で分析種の濃度を決定することができる。分析種の濃度が低い場合、流路内の導電率は表面電荷によって支配される。したがって、流路の電気的特性の測定により、異なるイオンを区別することが可能となる。その結果、流路内のバルク流の独特かつ高感度な測定値を用いて、流路の内面における表面電荷に関する情報を決定することができる。したがって、例示的な実施形態では、流路の寸法および特定の分析種が異なる濃度で与えられれば、該分析種に特有の、該流路の電気的特性値の所定の範囲を計算することができる。次いで、このようにして求めた所定の値を使用して、試料中の分析種の未知の濃度を決定することができる。
種々のイオンの流路中の表面電荷に関する詳細な情報は、以下の論文に示されており、その全内容が、参照により本明細書に明示的に援用される。“Surface-dependent chemical equilibrium constants and capacitances for bare and 3-cyanopropyldimethylchlorosilane coated silica nanochannels,” M. B. Andersen, J. Frey, S. Pennathur and H. Bruus, J. Colloid Interface Sci. 353, 301-310 (2011)、および“Hydronium-domination ion transport in carbon-dioxide-saturated electrolytes at low salt concentrations in nanochannels”,” K.L. Jensen, J.T. Kristensen, A.M. Crumrine, M.B.Andersen, H. Bruus and S. Pennathur., Phys. Review E. 83, 5, 056307.
図5は、流路502の内面と、流路の内面に直に隣接して位置する流体不動層504と、不動層に直に隣接して位置する流体拡散層506と、拡散層に直に隣接して位置するバルク流体流層508とを含む流路の内部の概略図である。流体層の各々において、例示的なイオンが示されている。流路の長さにわたって電位差を印加すると、(例えば、分析種検出回路122によって)流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性値が検出され得る。比較回路126は、測定された電気的特性値を、分析種の特定の濃度または濃度範囲の値に相当する電気的特性値の所定の範囲と比較するために使用されてもよい。決定される濃度は、分析種の絶対濃度であってもよく、流路中の別の1つ以上の物質の濃度に対する分析種の相対濃度であってもよい。
図6Aおよび図6Bは、異なる試験ケースについて流路で測定された導電率値を示すグラフである。各試験ケースにおいて、2つのさらなる物質(この場合、アンモニウムおよび過酸化水素)の濃度に対する分析種の異なる相対濃度が使用され、相当する流路内の導電率値を測定する。一実施形態では、Standard Clean 1すなわちSC1が試験ケースの溶液として使用される。SC1の詳細はオンラインで見出だされる。図6Aおよび図6Bの試験ケースにおける3つの物質間の濃度比を表1に示す。表1は、試験ケースごとのSC1濃度と過酸化水素濃度とアンモニウム濃度の比を列挙したものである。
分析種の濃度が低いほど、分析種と他の物質との間の相対濃度の差異を測定することは容易になる。例えば、濃度比が1000:1:1であれば、例示的な検出システムにおいて、1〜10ppmのオーダーの検出感度が達成され得る。濃度比が350:1:1であれば、100ppmのオーダーの検出感度が達成され得る。濃度比が5:1:1あれば、10000ppmのオーダーの検出感度が達成され得る。
特定の実施形態において、図1Aおよび図1Bの基板102、流路104およびカバースリップ114は、ガラスで形成されてもよい。生物学的流体へのガラスの溶解が遅く、タンパク質および小分子がガラス表面に接着するといった生物学的条件により、ガラス由来の移植物の使用には障害がある。例示的な実施形態において、自己組織化単分子層を用いた表面修飾によって、分析種の検出および分析のためのガラス表面を修飾するアプローチが提供される。特定の実施形態において、流路104の内面106および/またはカバースリップ114の内面の少なくとも一部は、センサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、または核酸検出のための1つ以上の核酸プローブ)が該内面に対して特異的に共有結合できるようにする材料を含むように、またはその材料によってコーティングされるように、前処理または共有結合的に修飾されてもよい。
流路および/またはカバースリップの内面を修飾するために使用することができる例示的な材料には、シラン化合物(例えば、トリクロロシラン、アルキルシラン、トリエトキシシラン、ペルフルオロシラン)、両性イオンスルトン、ポリ(6−9)エチレングリコール(Peg)、パーフルオロオクチル、フルオレセイン、アルデヒド、グラフェン化合物などが含まれるが、これらに限定されない。流路の内面の共有結合的修飾によって、特定の分子の非特異的吸収を防止できることもある。一例では、内面の共有結合的修飾によって、内面へのセンサー化合物分子の共有結合を可能としながら、内面が他の分子を非特異的に吸収することを防止し得る。例えば、ポリエチレングリコール(Peg)を使用して流路104の内面106を修飾することで、内面に対する他の物質の非特異的吸着を防止し得る。
修飾物質の一例としてのアルキルシランは、シリコンとガラスの表面に共有結合単分子層を形成する分子群である。アルキルシランは、3つの異なる領域(良好な脱離基で囲まれた頭部基、長いアルキル鎖、および末端基)を有する。通常、ハロゲン、アルコキシ、または他の脱離基を含む頭部基により、適切な反応条件下において、分子は固体ガラス表面に共有結合的に固定され得る。アルキル鎖は、ファンデルワールスの相互作用による単分子層の安定化および秩序に寄与し、その結果、よく秩序化された単分子層が形成される。末端基は、化学的表面特性の官能化および調節を可能にする。そのために使用される技術としては、求核置換反応、クリックケミストリー、または重合反応が挙げられるが、これらに限定されない。
シラン化合物を用いて内面を処理する例示的な技術の一例では、溶液が調製される。この溶液は、適切なクロロシラン、トリクロロシラン、トリメトキシシラン、またはトリエトキシシランを、0.1〜4%(v/v(シランが液体の場合)またはw/v(シランが固体の場合))の濃度となるように適切な溶媒(例えば、トリメトキシシランまたはトリエトキシシランの場合はトルエン、クロロシランまたはトリクロロシランの場合はエタノール、またはトリメトキシシランの場合は3.5〜5.5のpHを有する水)に溶解させて調製することができる。この溶液は、界面活性剤を含まない0.2ミクロン酢酸セルロース(SFCA)フィルターを通して濾過してもよい。濾過したシラン溶液10μLを流路のポートに加え、毛細管現象により流路に充填することができる。充填は光学顕微鏡で観察してもしなくてもよく、溶媒組成に応じて5〜40分かかる場合がある。毛細管現象による充填が完了した後、濾過したシラン溶液10μLを流路の残りのポートに加えることもできる。その後、濾過したシラン溶液に流路全体を浸漬し、所望の温度(例えば、修飾に使用された具体的なシランおよび溶媒組成に応じて20℃〜80℃)で所望の時間(例えば、1〜24時間)、反応させてもよい。所望の反応時間が経過した後、以下の技術の1つを用いてシラン化プロセスを停止し、場合によっては、触媒量の酢酸をトルエンまたはエタノールを用いた表面修飾箇所に加えてもよい。
クエンチングの1つの例示的な技術では、流路全体を、0.2ミクロンのSFCAで濾過したエタノールで満たされた容器に移し、使用またはさらなる修飾のための所望の時間まで保存することができる。クエンチングの別の例示的な技術では、動電現象を利用して流路を適切な溶媒組成物で洗浄することができる。トルエンによる修飾により流路を動電洗浄する技術の1つにおいては、電極間の電圧差10V〜1000Vにおいて動電現象を利用して流路内にトルエンを5〜15分間かけて通過させ、次いで電極間の電圧差10V〜1000Vにおいて動電現象を利用して流路内にエタノールを5〜15分間かけて通過させ、次いで電極間の電圧差10V〜1000Vにおいて動電現象を利用して流路内にエタノールと水の1:1混合物を5〜15分間かけて通過させ、最後に電極間の電圧差10V〜1000Vにおいて動電現象を利用して流路内に水を5〜15分間かけて通過させる。流路が適切に動作するか否かは、流路内に添加された50mMホウ酸ナトリウム緩衝液に1000Vの電界を印加して電流を測定し(流路寸法に基づいて約330nAの電流読み取り値を与える)、次いで同じ印加電界で超純水(例えば、MilliQ超純水)を再添加して電流を測定し、ゼロより大きく20nA未満である電流が得られることによって確認できる。
表2は、流路の内面および/または流路を覆うカバースリップの内面を修飾するために使用してもよい特定の例示的な材料をまとめたものである。
III.例示的な分析種検出技術
例示的な技術によって、1つ以上のセンサー化合物を使用して、試料中の目的とする1つ以上の分析種を検出することができる。例示的な技術では、分析種が試料中に存在する場合に分析種と相互作用して凝集物を生成することが知られている1つ以上のセンサー化合物を使用することができる。例示的な技術によって、1つ以上のセンサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、または銀検出のためのTPEA2)を使用して、試料中の水銀(II)イオンまたは銀(I)イオンを検出することができる。特定の場合において、TPET2分子および水銀(II)イオンが相互作用して、流路内の流体の流れを実質的に遮断し、結果として電流および導電率を低下させる凝集物を形成する。TPET2は、分子式:C4240を有する。TPET2は、以下の構造を有する。
特定の場合において、TPEA2分子および銀(I)イオンが相互作用して、流路内の流体の流れを実質的に遮断し、結果として電流および導電率を低下させる凝集物を形成する。TPEA2は、以下の構造を有する。
特定の実施形態では、検出システムに使用される電極は、金属(例えば、アルミニウム、マンガン、および白金)であってよい。
例示的な技術では、試料とセンサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、または銀検出のためのTPEA2)のいずれもを、分析種(例えば、水銀または銀)の検出が可能となるように特別に構成され寸法決めされた検出システム内の流路に導入することができる。特定の実施形態では、流路は、その深さおよび/または幅が凝集物粒子の直径と実質的に等しいかまたはそれよりも小さくなるように構成することができる。試料およびセンサー化合物のいずれもが流路に導入された後、凝集物が形成されれば試料中に分析種(例えば、水銀または銀)が存在することが示され、凝集物が存在しなければ試料中に分析種(例えば、水銀または銀)が存在しないことが示される。
流体の流れおよび/または流体中の荷電粒子の流れが(例えば凝集物が存在しないという理由により)阻害されない場合、流体中の導電性粒子またはイオン(例えば、被分析物粒子またはイオン)は、検出システムの流路の長さの少なくとも一部に沿って、導入ポート110から排出ポート112に向かってy軸に沿って移動し得る。導電性粒子またはイオンの移動の結果、流路の長さの少なくとも一部に沿って、第1のまたは「基準」の電気的特性値(例えば、電流、導電率、抵抗率)またはその範囲が、(分析種検出回路によって)検出され得る。いくつかの実施形態において、電気的特性値は、値が平衡に達するまでの時間、(例えば、平衡回路によって、)周期的にまたは連続的に監視されてもよい。次いで、検出された値の1つを、電気的特性の過渡的変化の影響を避けるようにして選択し、電気的特性基準値としてもよい。
電気的特性「基準」値という用語は、試料およびセンサー化合物のいずれもが流路に導入される前の流路の電気的特性値またはその値の範囲を指すことができる。すなわち、基準値は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)とセンサー化合物との間に何らかの相互作用が生じる前の流路を特徴付ける値である。いくつかの場合において、基準値は、センサー化合物を流路に導入した後、試料を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値は、1つのセンサー化合物および試料を流路に導入した後、センサー化合物を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値は、試料またはセンサー化合物を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値はあらかじめ決定され、アクセス可能な非一時的記録媒体に保存されてもよい。
しかしながら、流路内の流体の流れおよび/または流体中の荷電粒子の流れが部分的にまたは完全に(例えば、凝集物の形成によって)遮断される場合、流体内の導電性粒子またはイオン(例えば、被分析物粒子またはイオン)が、導入ポートから排出ポートに向かってy軸に沿って流路の長さの少なくとも一部に沿って自由に移動できないことがある。導電性粒子またはイオンの移動が阻害されたり停止したりすることによって、流路の長さの少なくとも一部に沿って第2電気的特性の(例えば、電流、導電率、抵抗率の)値またはその値の範囲が検出され得る。いくつかの実施形態において、試料およびセンサー化合物のいずれもが流路に導入された後、第2の電気的特性値を検出する前に、待機時間または調整時間が設けられてもよい。待機時間または調整時間により、流路内に凝集物を形成させ、凝集物形成によって流路の電気的特性を変えることができる。
いくつかの実施形態では、試料とセンサー化合物のいずれもが導入された後、1つ以上の電気的特性値が、値が平衡に達するまで連続的にまたは周期的に監視されてもよい。検出された値のうちの1つを第2の電気的特性値として選択することで、電気的特性における過渡的変化の影響を回避してもよい。
第2の電気的特性値を電気的特性基準値と比較してもよい。第2の値と基準値との差が、電流または導電率の所定の低下範囲(または抵抗率の所定の増加範囲)に相当すると判定された場合には、流路に凝集物が存在し、したがって、目的の分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在すると判定することができる。
いくつかの場合において、導電性凝集物が形成されると、流路の長さの少なくとも一部に沿った電気経路が増強されることがある。この場合、流路の長さの少なくとも一部に沿って、第3の電気的特性の(例えば、電流、導電率、抵抗率の)値またはその値の範囲を検出することがある。いくつかの実施形態において、試料およびセンサー化合物のいずれもを流路に導入した後、第3の電気的特性値を検出する前に、待機時間または調整時間が経過するまでの間、待機してもよい。待機時間または調整時間により、流路内に凝集物を形成させ、凝集物形成によって流路の電気的特性を変えることができる。
いくつかの実施形態では、試料とセンサー化合物のいずれもが導入された後、1つ以上の電気的特性値が、値が平衡に達するまで連続的にまたは周期的に監視されてもよい。検出された値のうちの1つを第3の電気的特性値として選択することで、電気的特性における過渡的変化の影響を回避してもよい。
第3の電気的特性値を電気的特性基準値と比較してもよい。第3の値と基準値との差が、電流または導電率の所定の増加範囲(または抵抗率の所定の低下範囲)に相当すると判定された場合には、流路に凝集物が存在し、したがって、目的の分析種が試料中に存在すると判定することができる。
特定の実施形態では、検出システムの使用前の流路が、センサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、銀検出のためのTPEA2、または核酸検出のための1つ以上の核酸プローブ)を含まないことがある。すなわち、検出システムの製造業者が、センサー化合物を含ませるための流路の前処理または修飾を実施しないことがある。この場合、使用者は、使用中に、センサー化合物および試料のいずれもを流路に導入する必要があるかもしれない。
一例では、使用者は、センサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、または銀検出のためのTPEA2)および試料を、例えば、センサー化合物と試料との混合物として同時に流路に導入してもよい。この場合、混合物が導入される前に流路内で電気的特性基準値を検出することができ、混合物の導入後に電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、センサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、または銀検出のためのTPEA2)および試料を、例えば、センサー化合物と試料との混合物として同時に流路に導入してもよい。試料およびセンサー化合物のいずれもが流路に導入される前の流路を特徴付ける、既に保存されていた電気的特性基準値は、非一時的記録媒体から読み出したり、アクセスしたりすることができる。試料とセンサー化合物との混合物が流路に導入された後に、電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と保存されていた電気的特性基準値との比較を用いて、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、最初に流路にセンサー化合物(例えば、水銀検出用のTPET2、または銀検出用のTPEA2)を導入し、流路内にセンサー化合物のみが存在する状態で電気的特性基準値を検出することができる。使用者はその後、流路に試料を導入し、試料を流路に導入した後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、最初に流路にセンサー化合物(例えば、水銀検出用のTPET2、または銀検出用のTPEA2)を導入し、次いで流路に試料を導入してもよい。使用者はその後、流路への試料の導入後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。保存されていた電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、最初に流路に試料を導入し、流路内に試料のみが存在する状態で電気的特性基準値を検出することができる。使用者はその後、流路にセンサー化合物(例えば、水銀検出用のTPET2、または銀検出用のTPEA2)を導入し、流路へのセンサー化合物の導入後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、最初に流路に試料を導入し、次いで流路にセンサー化合物(例えば、水銀検出用のTPET2、または銀検出用のTPEA2)を導入してもよい。使用者はその後、流路へのセンサー化合物の導入後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。試料およびセンサー化合物のいずれもが流路に導入される前の流路を特徴付ける、既に保存されていた電気的特性基準値は、非一時的記録媒体から読み出したり、アクセスしたりすることができる。電気的特性値と保存されていた電気的特性基準値との比較を用いて、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の特定の実施形態では、検出システムの使用前に、流路の内面の少なくとも一部がセンサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、または銀検出のためのTPEA2)を含むかまたはセンサー化合物でコーティングされるように、流路が前処理または修飾されてもよい。すなわち、検出システムの製造業者は、センサー化合物を含ませるために、流路の前処理または修飾を実施してもよい。この場合、使用者は、流路に試料を導入するだけでよい。
一例では、製造業者は、センサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、または銀検出のためのTPEA2)のみが存在する状態で流路の電気的特性基準値を検出することができ、該電気的特性基準値を非一時的記録媒体に保存することができる。使用者は、使用中、流路に試料を導入し、流路に試料を導入した後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。保存された電気的特性基準値は、記録媒体からアクセスしたり読み出したりすることができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、流路に試料を導入する前に、センサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、または銀検出のためのTPEA2)のみが存在する状態で流路の電気的特性基準値を検出することができる。使用者はその後、試料を流路に導入し、流路への試料の導入後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定することができる。
図7Aおよび図7Bは、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を検出するための例示的な方法700を示すフローチャートである。ステップ702において、電解質緩衝液中のセンサー化合物(例えば、水銀検出用のTPET2または銀検出用のTPEA2)を、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて流路に導入することができる。また、ステップ702において、流路の内面の少なくとも一部がセンサー化合物(例えば、水銀検出のためのTPET2、または銀検出のためのTPEA2)を含むように処理されてもよく、またはセンサー化合物でコーティングされてもよい。ステップ704において、電圧源を用いて流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差を印加することができる。ステップ706において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿った1つ以上の電気的特性値(例えば、電流および/または導電率)を検出することができる。いくつかの場合においては、電流および/または導電率を直接的に測定することができる。別の場合においては、電流を示す測定値および/または導電率を示す測定値が検出されてもよい。
流路へのセンサー化合物の導入は、流路の電気的特性の過渡的変化を引き起こす場合がある。正確かつ信頼性の高い電気的特性測定値を得るために、ステップ708において、ステップ706で検出された2つ以上の値からなる第1のセットを連続的または周期的に監視することができる。電気的特性値が平衡に達したか否か、すなわち、所定の分散または許容範囲を超えた変動がなくなったか否かを判定することができる。電気的特性値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ706に戻り、さらなる電気的特性値の検出を行うことができる。一方、電気的特性値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ710に進むことができる。
ステップ710において、第1のセットの電気的特性から第1の値または基準値を選択することができる。第1の電気的特性値は、試料およびセンサー化合物がいずれも流路に導入されていない状態の、流路の1つ以上の電気的特性(例えば、電流または導電率)を表すものとして使用することができる。
代替の一実施形態では、第1の値または基準値は、非一時的な記録装置またはメモリにアクセスすることで取得されてもよく、この場合、ステップ704〜710で検出される必要はなく、そのため、この実施形態においてステップ704〜710は不要となる。
ステップ711において、いくつかの実施形態では、TPET2分子またはTPEA2分子を含む電解質緩衝液を、導入した流路の導入ポートから除去してもよい。このステップにより、その後導入ポートからの試料の導入がなされても、導入ポートにおけるTPET2分子またはTPEA2分子と試料との相互作用を確実に防止できる。このステップは、そのような相互作用が導入ポートではなく流路の長さの範囲内で起こることを確実にする。
ステップ712において、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて、電解質緩衝液に含まれる試料を流路に導入してもよい。
図7Aおよび図7Bに示される方法は、センサー化合物を試料の導入前に流路に導入することを示しているが、この方法の別の実施形態は、センサー化合物の導入前に流路に試料を導入することを含み得る。すなわち、ステップ702で試料を流路に導入し、ステップ712でセンサー化合物を流路に導入してもよい。さらにまた別の一実施形態は、試料とセンサー化合物をあらかじめ混合しておき、この混合物を流路に一度に導入することを含み得る。試料とセンサー化合物をあらかじめ混合する場合、この混合物を流路に導入する前に電気的特性基準値を検出し、混合物を流路に導入した後に第2の電気的特性値を検出してもよい。第2の値を基準値と比較して、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定することができる。
ステップ714において、電圧源を用いて、流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差を印加することができる。ステップ716において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿った1つ以上の電気的特性(例えば、電流および/または導電率)を検出することができる。いくつかの場合においては、電流および/または導電率を直接的に測定することができる。別の場合においては、電流を示す測定値および/または導電率を示す測定値が検出されてもよい。
流路への試料の導入は、流路に沿って流れる電流の過渡的変化を引き起こす場合がある。正確かつ信頼性の高い電気的特性測定値を得るために、ステップ718において、ステップ716で検出され2つ以上の値からなる第2のセットを連続的または周期的に監視することができる。電気的特性値が平衡に達したか否か、例えば、所定の分散または許容範囲を超えた時間的な変動が止まったか否かを判定することができる。電気的特性値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ716に戻り、さらなる値を検出することができる。一方、電気的特性値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ720に進むことができる。ステップ720において、第2のセットの電気的特性値から第2の値を選択することができる。第2の値は、試料とセンサー化合物のいずれもが流路に導入された後の、流路の長さの少なくとも一部に沿った1つ以上の電気的特性(例えば、電流または導電率)を表すものとして使用することができる。
ステップ722において、(ステップ710で決定された)第1の値または基準値の大きさと(ステップ720で決定された)第2の値の大きさとの差が決定される。ステップ724において、ステップ722で決定された差が所定の閾値を満たしているか(例えば、差が所定の値を上回るか、または差が所定の範囲内にあるか)を判定することができる。
試料が、センサー化合物と特定のタイプの相互作用を起こす特定の分析種(例えば、水銀または銀)を含む場合、試料およびセンサー化合物のいずれもを流路に導入することにより、特定のタイプの相互作用を引き起こすことができる。反対に、試料が特定の分析種(例えば、水銀または銀)を含まない場合、試料およびセンサー化合物のいずれもを流路に導入しても、該特定のタイプの相互作用は起こらない。したがって、特定の相互作用によって流路内の電流または導電率の変化が生じる場合、ステップ724において期待される変化の検出は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在を示し得る。
このようにして、ステップ724において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値よりも大きいと判定された場合、ステップ730において、試験対象である分析種(例えば、水銀または銀)が試料に含まれると判定することができる。続いて、ステップ732において、試料が分析種(例えば、水銀または銀)を含むという指標を、非一時的記録媒体に保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ732において、試料が分析種(例えば、水銀または銀)を含むという指標を表示装置に表示することができる。
一方、ステップ724において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値よりも小さいと判定された場合、ステップ726において、試験対象である分析種(例えば、水銀または銀)が試料に含まれないと判定することができる。続いて、ステップ728において、試料が分析種(例えば、水銀または銀)を含まないという指標を、非一時的記録媒体に保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ728において、試料が分析種(例えば、水銀または銀)を含まないという指標を表示装置に表示することができる。
特定の非限定的な場合において、例示的な閾値としては5〜100nAを挙げることができるが、閾値はこれに限定されない。
水銀を検出する場合、例示的な閾値としては、特定の非限定的な場合において5〜100nAを挙げることができるが、閾値はこれに限定されない。一例では、約10μLの電解質緩衝液を1つの流路ポートに加えることによって、100nmの流路に電解質緩衝液(例えば、50mM四ホウ酸ナトリウム:アセトニトリルの比率が2:1である、水とアセトニトリルに溶解した四ホウ酸ナトリウム)を毛細管現象により約5分間かけて充填することができる。流路の充填が完了した後、約10μLの電解質緩衝液を他方の流路ポートに加え、その後、Kiethley 2410電流計に接続された電極を両流路ポートに挿入し、安定した電流(+500Vでは約29〜31nA、および−500Vでは約−29〜−31nA)が得られるまで+500Vまたは−500Vの差を印加する。(分析種である)100μM硝酸水銀(II)一水和物を含有する約2μLの電解質緩衝溶液(50mMホウ酸ナトリウム:アセトニトリル=2:1)を流路に導入し、+500Vまたは−500Vボルトの差を、安定した電流(+500Vでは約28〜29nA、および−500Vでは約−29〜−31nA)が得られるまで印加することができる。緩衝液中の硝酸水銀試料を流路の両ポートから除去し、20μM TPET2を含有する約5μLの電解質緩衝溶液(50mMホウ酸ナトリウム:アセトニトリル=2:1)を各流路ポートに加えることによって置換がなされ得る。電界を+500Vと−500Vとの間で断続的に切り替えて、30秒のサイクルで混合を誘導することができる。電界の方向に関係なく、異なる大きさの安定した電流(+500Vでは約29〜33nA、および−500Vでは約−37〜−40nA)を検出することができる。
銀を検出する場合、例示的な閾値としては、特定の非限定的な場合において5〜100nAを挙げることができるが、閾値はこれに限定されない。一例では、約10μLの電解質緩衝液を1つの流路ポートに加えることによって、100nmの流路に電解質緩衝液(例えば、45mM四ホウ酸ナトリウム:テトラヒドロフランの比率が5:1である、水とテトラヒドロフランに溶解した四ホウ酸ナトリウム)を毛細管現象により約5〜10分間かけて充填することができる。流路の充填が完了した後、約10μLの電解質緩衝液を他方の流路ポートに加え、その後、Kiethley 2410電流計に接続された電極を両流路ポートに挿入し、安定した電流(+1000Vでは約45nA、および−1000Vでは約−45nA)が得られるまで+1000Vまたは−500Vの差を印加する。約40μMのTPEA2を含有する5:1の50mMホウ酸塩:テトラヒドロフランを流路に導入し、+1000Vまたは−1000Vボルトの電位差を、安定した電流(+1000Vでは約40〜43nA、−1000Vでは約−40〜−43nA)が得られるまで印加する。TPEA2緩衝液を、流路ポートのいずれかまたはいずれもから除去して、約5μLの試料溶液と交換することができる。試料溶液は、銀イオンを含んでも含まなくてもよい。一例では、試料溶液が銀イオンを含有するものである場合、試料溶液は電解質緩衝液(比率の50mMホウ酸ナトリウム:テトラヒドロフラン=約5:1)中に約200μMの硝酸銀(I)を含有してもよい。試料溶液を流路に導入した後、+1000Vの電位差を電極間に印加し、電界を−1000Vに断続的に切り替えて混合を誘導する。約30秒のサイクルで+1000Vおよび−1000Vを切り替えて試料の混合を誘導し、流路の長さの少なくとも一部に沿った電流を両印加電界で検出することができる。約+1000Vの印加電界では、特定の場合において約43〜46nAの電流が検出され、−1000Vの印加電界では、特定の場合において約−60〜−63nAの電流が検出され得る。
特定の実施形態において、流路は、引き続いて試料の試験を行う際に再使用できるように準備することができる。ステップ736において、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて、脱凝集剤を流路に導入することができる。脱凝集剤は、脱凝集剤と流路中に形成された凝集物との相互作用が凝集物を溶解または崩壊させるように選択されてよい。続いて、流路を洗い流すために流路に電解質緩衝液を充填し、試料とセンサー化合物を流路に導入する。一例では、凝集物を含む流路は、入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入されたジメチルスルホキシドで流路を洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入された10mM水酸化ナトリウムで洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に100Vの電位差を印加して流路に導入した1Mの塩化水素で洗浄することにより、再使用のための準備を行うことができる。別の一例では、凝集物を含む流路は、入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入されたジメチルスルホキシドで10分間流路を洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に100Vの電位差を印加して流路に導入された1Mの塩化水素で10分間洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入した100mM四ホウ酸ナトリウムで10分間洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入された18 MilliQ MegaOhm水で10分間洗浄することにより、再使用のための準備を行うことができる。
特定の実施形態では、ステップ734において、凝集物の崩壊に先立って、流路の電気的特性値に基づいて分析種(例えば、水銀または銀)の絶対濃度または相対濃度を決定することができる。例示的な検出システムの流路における内面積/体積の比が大きいことから、このような方法で分析種の濃度を決定することができる。分析種の濃度が低い場合、流路内の導電率は表面電荷によって支配される。したがって、流路の電気的特性の測定により、異なるイオンを区別することが可能となる。その結果、流路内のバルク流の独特かつ高感度な測定値を用いて、流路の内面における表面電荷に関する情報を決定することができる。したがって、例示的な実施形態では、流路の寸法および特定の分析種イオンが異なる濃度で与えられれば、該分析種に特有の、該流路の電気的特性値の所定の範囲を計算することができる。次いで、このようにして求めた所定の値を使用して、試料中の分析種の未知の濃度を決定することができる。種々のイオンの流路中の表面電荷に関する詳細な情報は、以下の論文に示されており、その全内容が、参照により本明細書に明示的に援用される。“Surface-dependent chemical equilibrium constants and capacitances for bare and 3-cyanopropyldimethylchlorosilane coated silica nanochannels,” M. B. Andersen, J. Frey, S. Pennathur and H. Bruus, J. Colloid Interface Sci. 353, 301-310 (2011)、および“Hydronium-domination ion transport in carbon-dioxide-saturated electrolytes at low salt concentrations in nanochannels”,” K.L. Jensen, J.T. Kristensen, A.M. Crumrine, M.B.Andersen, H. Bruus and S. Pennathur., Phys. Review E. 83, 5, 056307.
図5は、流路502の内面と、流路の内面に直に隣接して位置する流体不動層504と、不動層に直に隣接して位置する流体拡散層506と、拡散層に直に隣接して位置するバルク流体流層508とを含む流路の内部の概略図である。流体層の各々において、例示的なイオンが示されている。流路の長さにわたって電位差を印加すると、(例えば、分析種検出回路122によって)流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性値が検出され得る。比較回路124は、測定された電気的特性値を、分析種(例えば、水銀または銀)の特定の濃度または濃度範囲の値に相当する電気的特性値の所定の範囲と比較するために使用されてもよい。決定される濃度は、分析種(例えば、水銀または銀)の絶対濃度であってもよく、流路中の別の1つ以上の物質の濃度に対する分析種(例えば、水銀または銀)の相対濃度であってもよい。
図6Aおよび図6Bは、異なる試験ケースについて流路で測定された導電率値を示すグラフである。各試験ケースにおいて、2つのさらなる物質(この場合、アンモニウムおよび過酸化水素)の濃度に対する分析種の異なる相対濃度が使用され、相当する流路内の導電率値を測定する。一実施形態では、Standard Clean 1すなわちSC1が試験ケースの溶液として使用される。SC1の詳細はオンラインで見出だされる。図6Aおよび図6Bの試験ケースにおける3つの物質間の濃度比を表1に示す。
分析種の濃度が低いほど、分析種と他の物質との間の相対濃度の差異を測定することは容易になる。例えば、濃度比が1000:1:1であれば、例示的な検出システムにおいて、1〜10ppmのオーダーの検出感度が達成され得る。濃度比が350:1:1であれば、100ppmのオーダーの検出感度が達成され得る。濃度比が5:1:1あれば、10000ppmのオーダーの検出感度が達成され得る。
分析種(例えば、水銀または銀)を検出するための別の例示的な技術は、流路内における凝集物の形成によって引き起こされる、流路内におけるダイオード様挙動の存在の検出を含み得る。凝集物が存在しない場合、実質的に同じ大きさ(例えば、+500V)の電位差を印加すると、電位差または電界の印加方向にかかわらず、流路の長さに沿って検出される電気的特性(例えば、電流)は、実質的に同じ大きさとなり得る。電位差が、(例えば、正の電極が流路の第1の端部またはその近傍の導入ポート110にあり、負の電極が流路の第2の端部またはその近傍の排出ポート112にあるように)流路の長さに沿った第1の方向に流路の長さにわたって印加された場合、結果として生じる電流は、(例えば、正の電極が排出ポート112にあり、負の電極が導入ポート110にあるように)電位差が反対方向に印加された場合に結果として生じる電流と大きさが実質的に等しくなり得る。
流路内に凝集物が形成されると、ダイオード様挙動が生じ、印加された電位差または電界の方向の逆転が流路内で検出される電気的特性の変化を引き起こす場合がある。ダイオード様挙動により、検出される電流の大きさは電界の方向によって異なることとなる。電界または電位差が第1の方向に印加される場合、電流の大きさは、電位差または電界が反対方向に印加される場合とは異なる大きさとなり得る。このように、(流路長に沿って第1の方向に電位差が印加された場合に検出される)第1の電気的特性値と(流路長に沿って反対の第2の方向に電位差が印加された場合に検出される)第2の電気的特性値との間の比較は、凝集体の検出を可能にし、それにより試料中の分析種(例えば、水銀イオンまたは銀イオン)の検出を可能にする。第1および第2の電気的特性値の大きさが実質的に等しい場合、試料は分析種(例えば、水銀イオンまたは銀イオン)を含まないと判定され得る。一方、第1および第2の電気的特性値の大きさが実質的に等しくない場合、試料は分析種(例えば、水銀イオンまたは銀イオン)を含むと判定され得る。換言すると、電気的特性値の合計(一方向で正、他の方向で負)は、凝集物の非存在下では実質的にゼロとなり、凝集物の存在下では実質的にゼロとならない。図8Aおよび図8Bは、試料中の分析種の存在または非存在を検出するための例示的な方法750を示すフローチャートである。ステップ752において、電解質緩衝液中のセンサー化合物および試料を、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて流路に導入することができる。センサー化合物および試料は、同時に導入されても、別々に導入されてもよい。一実施形態において、流路の内面の少なくとも一部がセンサー化合物を含むように処理されてもよく、またはセンサー化合物でコーティングされてもよい。ステップ754において、電圧源を用いて、流路の長さ(y軸)に沿った第1の方向に、流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差を印加することができる。ステップ756において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿った1つ以上の電気的特性値(例えば、電流および/または導電率)を検出することができる。いくつかの場合においては、電流および/または導電率を直接的に測定することができる。別の場合においては、電流を示す測定値および/または導電率を示す測定値が検出されてもよい。
電気的特性の正確かつ信頼性の高い測定値を得るために、ステップ758において、ステップ756で検出された2つ以上の値からなる第1のセットを連続的または周期的に監視することができる。電気的特性値が平衡に達したか、例えば、所定の分散または許容範囲を超えた変動がなくなったか否かを判定することができる。電気的特性値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ756に戻り、さらなる電気的特性値を検出することができる。一方、電気的特性値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ760に進むことができる。
ステップ760において、第1のセットの電気的特性から第1の値を選択することができる。第1の電気的特性値は、電界が流路の長さ(y軸)に沿った第1の方向に印加された場合に、流路の1つ以上の電気的特性(例えば、電流または導電率)を表すものとして使用することができる。
ステップ762において、流路の長さ(y軸)に沿った反対の第2の方向に、電圧源を用いて、流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差を印加することができる。第2の方向は、第1の方向とは実質的に反対の方向とすることができる。ステップ764において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿った1つ以上の電気的特性(例えば、電流および/または導電率)を検出することができる。いくつかの場合において、電流および/または導電率を直接的に測定することができる。別の場合において、電流を示す測定値および/または導電率を示す測定値が検出されてもよい。
電気的特性の正確かつ信頼性の高い測定値を得るために、ステップ766において、ステップ764で検出された2つ以上の値からなる第2のセットを連続的または周期的に監視することができる。電気的特性値が平衡に達したか否か、例えば、所定の分散または許容範囲を超えた変動がなくなったか否かを判定することができる。電気的特性値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ764に戻り、さらなる値を検出することができる。一方、電気的特性値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ768に進むことができる。ステップ768において、第2のセットの電気的特性値から第2の値を選択することができる。第2の値は、試料とセンサー化合物がいずれもが流路に導入された後に、流路の長さの少なくとも一部に沿った1つ以上の電気的特性(例えば、電流または導電率)を表すものとして使用することができる。
ステップ770において、(ステップ760で決定された)第1の値の大きさと(ステップ768で決定された)第2の値の大きさの差が決定される。ステップ772において、ステップ770で決定された差が所定の閾値を満たしているか(例えば、差が所定の値を上回るか、または差が所定の範囲内にあるか)を判定することができる。
ステップ772において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値を満たす(例えば、大きさの差が実質的にゼロではない)と判定された場合、ステップ778において、試験対象である分析種(例えば、水銀または銀イオン)が試料に含まれると判定することができる。続いて、ステップ780において、試料が分析種を含むという指標を、非一時的記録媒体に保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ780において、試料が分析種を含むという指標を表示装置に表示することができる。
一方、ステップ772において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値を満たさない(例えば、大きさの差が実質的にゼロである)と判定された場合、ステップ774において、試験対象である分析種(例えば、水銀または銀イオン)が試料に含まれないと判定することができる。続いて、ステップ776において、試料が分析種を含まないという指標を、非一時的記録媒体に保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ776において、試料が分析種(例えば、水銀または銀イオン)を含まないという指標を表示装置に表示することができる。
特定の場合において、第1の値と第2の値との大きさの差が閾値より大きい場合、試料が分析種(例えば、水銀または銀イオン)を含有すると判定することができる。そうでない場合、試料は分析種(例えば、水銀(Hg)イオンまたは銀(Ag)イオン)を含有していないと判定することができる。特定の非限定的な例において、閾値は、約1nA〜約3nAとすることができる。
水銀(II)イオンの存在がTPET2(C4240)によって検出される一例では、水銀イオンとTPET2との相互作用によって流路内に凝集物が形成される。水銀凝集物が存在しない場合、第1および第2の電気的特性値は実質的に等しくなり得る。例えば、流路を2:1の50mMホウ酸塩:アセトニトリル(凝集物なし)で充填した場合、+500Vの電位差を第1の方向に印加すると32nA〜33nAの第1の電流値が検出され、−500Vの電位差を反対の第2の方向に印加すると−31nA〜−32nAの第2の電流値が検出される。同様に、流路を100μMの硝酸銀(II)が2:1の50mMホウ酸塩:アセトニトリルに含まれる溶液(センサー化合物なし、凝集物なし)で充填すると、+500Vの電位差が第1の方向に印加されたときに29nA〜31nAの第1の電流値が検出され、−500Vの電位差が反対の第2の方向に印加されたときに28nA〜30nAの第2の電流値が検出される。すなわち、2つの電気的特性値の大きさの差は実質的にゼロ(例えば、0〜3nA)である。換言すれば、2つの電気的特性値は実質的に等しく、流路に水銀凝集物が存在しないことが示される。対照的に、この例において水銀凝集物が存在する場合、第1および第2の電気的特性値は等しくならず、実質的に異なり得る。例えば、(水銀含有試料とTPET2のいずれもを流路に導入した後の)流路に水銀凝集物が存在する場合、+500Vの電位差を第1の方向に印加すると29nA〜33nAが第1の電流値として検出され、−500Vの電位差を反対の第2の方向に印加すると−37nA〜−40nAが第2の電流値として検出される。すなわち、2つの電気的特性値の大きさの差はゼロではない(例えば、7〜8nA)。換言すれば、2つの電気的特性値は実質的に等しくならず、流路内に水銀凝集物が存在することが示される。
銀(I)イオンの存在がTPEA2によって検出される一例では、銀イオンとTPEA2との相互作用によって流路内に凝集物が形成される。銀凝集物が存在しない場合、第1および第2の電気的特性値は実質的に等しくなり得る。例えば、流路を5:1の45mM四ホウ酸ナトリウム:テトラヒドロフラン(凝集物なし)で充填した場合、+1000Vの電位差を第1の方向に印加すると45nAの第1の電流値が検出され、−1000Vの電位差を反対の第2の方向に印加すると−45nAの第2の電流値が検出される。同様に、流路を40μMのTPEA2が5:1の50mMホウ酸塩:テトラヒドロフランに含まれる溶液(センサー化合物なし、凝集物なし)で充填すると、+1000Vの電位差が第1の方向に印加されたときに40nA〜43nAの第1の電流値が検出され、−1000Vの電位差が反対の第2の方向に印加されたときに−40nA〜−43nAの第2の電流値が検出される。すなわち、2つの電気的特性値の大きさの差は実質的にゼロ(例えば、0〜3nA)である。換言すれば、2つの電気的特性値は実質的に等しく、流路に銀凝集物が存在しないことが示される。対照的に、この例において銀凝集物が存在する場合、第1および第2の電気的特性値は等しくならず、実質的に異なり得る。例えば、(銀含有試料とTPET2のいずれもを流路に導入した後の)流路に銀凝集物が存在する場合、+1000Vの電位差を第1の方向に印加すると43nA〜46nAが第1の電流値として検出され、−1000Vの電位差を反対の第2の方向に印加すると−60nA〜−63nAが第2の電流値として検出される。すなわち、2つの電気的特性値の大きさの差はゼロではない。換言すれば、2つの電気的特性値は実質的に等しくならず、流路内に銀凝集物が存在することが示される。
特定の実施形態において、流路は、引き続いて試料の試験を行う際に再使用できるように準備することができる。ステップ784において、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて、脱凝集剤を流路に導入することができる。脱凝集剤は、脱凝集剤と流路中に形成された凝集物との相互作用が凝集物を溶解または崩壊させるように選択されてよい。流路を洗い流すために流路に電解質緩衝液を充填し、試料とセンサー化合物を流路に導入する。一例では、凝集物を含む流路は、入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入されたジメチルスルホキシドで流路を洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入された10mM水酸化ナトリウムで洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に100Vの電位差を印加して流路に導入した1Mの塩化水素で洗浄することにより、再使用のための準備を行うことができる。別の一例では、凝集物を含む流路は、入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入されたジメチルスルホキシドで10分間流路を洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に100Vの電位差を印加して流路に導入された1Mの塩化水素で10分間洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入した100mM四ホウ酸ナトリウムで10分間洗浄し、続いて入力ノードと出力ノードとの間に500Vの電位差を印加して流路に導入された18 MilliQ MegaOhm水で10分間洗浄することにより、再使用のための準備を行うことができる。
特定の実施形態では、ステップ782において、凝集物の崩壊に先立って、流路の電気的特性値に基づいて分析種(例えば、水銀イオンまたは銀イオン)の絶対濃度または相対濃度を決定することができる。例示的な検出システムの流路における内面積/体積の比が大きいことから、このような方法で分析種の濃度を決定することができる。分析種(例えば、水銀イオンまたは銀イオン)の濃度が低い場合、流路内の導電率は表面電荷によって支配される。したがって、流路の電気的特性の測定により、異なるイオンを区別することが可能となる。その結果、流路内のバルク流の独特かつ高感度な測定値を用いて、流路の内面における表面電荷に関する情報を決定することができる。したがって、例示的な実施形態では、流路の寸法および特定の分析種イオン(例えば、水銀イオンまたは銀イオン)が異なる濃度で与えられれば、該分析種に特有の、該流路の電気的特性値の所定の範囲を計算することができる。次いで、このようにして求めた所定の値を使用して、試料中の分析種(例えば、水銀イオンまたは銀イオン)の未知の濃度を決定することができる。
図9は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法800を示すフローチャートである。ステップ802において、検出システムの流路に試料を導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ804において、試料を流路に導入した後、電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)の電気的特性値を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ806において、電気的特性基準値にアクセスすることができる。電気的特性基準値は、試料を流路に導入する前に流路の長さの少なくとも一部に沿ってステップ804で検出された電気的特性と関連付けることができる。ステップ808において、ステップ804において測定された電気的特性値を、ステップ806においてアクセスされた電気的特性基準値と比較することができる。ステップ810において、ステップ808における比較に基づいて、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を判定することができる。
図10は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法900を示すフローチャートである。ステップ902において、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)の1つ以上の電気的特性値を、流路の長さの少なくとも一部分に沿って測定することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ904において、流路の電気的特性基準値は、ステップ902において測定された流路の電気的特性値に基づいて決定することができる。ステップ906において、試料を流路に導入することができる。ステップ908において、流路に試料を導入した後の、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)の1つ以上の電気的特性値を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ910において、ステップ908で測定された1つ以上の電気的特性値に基づいて、流路における試料の電気的特性値を決定することができる。ステップ912において、ステップ910で決定された流路における試料の電気的特性値を、ステップ904で決定された流路の電気的特性基準値と比較することができる。ステップ914において、ステップ912における比較に基づいて、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を判定することができる。
図11は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法1000を示すフローチャートである。ステップ1002において、試料とセンサー化合物との混合物を流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ1004において、試料およびセンサー化合物を流路に導入した後に、電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)の電気的特性値を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ1006において、電気的特性基準値にアクセスすることができる。電気的特性基準値は、試料およびセンサー化合物を流路に導入する前に流路の長さの少なくとも一部に沿ってステップ1004で検出された電気的特性と関連付けることができる。ステップ1008において、ステップ1004において測定された電気的特性値と、ステップ1006においてアクセスされた電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ1010において、ステップ1008で決定された差があれば、それに基づいて試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を判定することができる。
図12は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法1100を示すフローチャートである。ステップ1102において、センサー化合物を流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ1104において、流路の長さの少なくとも一部に沿って、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を測定することができる。ステップ1106では、ステップ1104で測定された流路の電気的特性に基づいて、流路の電気的特性基準値を決定することができる。ステップ1108において、試料を流路に導入することができる。ステップ1110において、流路の長さの少なくとも一部に沿って1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を測定することができる。ステップ1112において、ステップ1110において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、流路の電気的特性値を決定することができる。ステップ1114において、ステップ1112において決定された電気的特性値と、ステップ1106において決定された流路の電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ1116において、ステップ1114で決定された差があれば、それに基づいて試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を判定することができる。
図13は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法1200を示すフローチャートである。ステップ1202において、センサー化合物を流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ1204において、試料を流路に導入することができる。ステップ1206において、流路の長さの少なくとも一部に沿って1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を測定することができる。ステップ1208において、ステップ1206において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、流路の電気的特性値を決定することができる。ステップ1210において、流路の電気的特性基準値にアクセスすることができる。流路の電気的特性基準値は、センサー化合物と試料のいずれもが流路に導入される前に測定することができる。ステップ1212において、ステップ1208において決定された電気的特性値と、ステップ1210においてアクセスされた流路の電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ1214において、ステップ1212で決定された差があれば、それに基づいて試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を判定することができる。
図14は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀イオン)の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法1300を示すフローチャートである。ステップ1302において、試料を検出システムの流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ1304において、試料を流路に導入した後、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ1306において、ステップ1304において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、流路の電気的特性基準値を決定することができる。ステップ1308において、センサー化合物を流路に導入することができる。ステップ1310において、センサー化合物を流路に導入した後、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ1312において、センサー化合物および試料を流路に導入した後に、ステップ1310において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定することができる。ステップ1314において、ステップ1312において決定された電気的特性値と、ステップ1306において決定された流路の電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ1316において、ステップ1314で決定された差があれば、それに基づいて試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を判定することができる。
図15は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法1400を示すフローチャートである。ステップ1402において、試料を検出システムの流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ1404において、センサー化合物を流路に導入することができる。ステップ1406において、試料およびセンサー化合物を流路に導入した後、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ1408において、センサー化合物および試料を流路に導入した後に、ステップ1406において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定することができる。ステップ1410において、流路の電気的特性基準値にアクセスすることができる。流路の電気的特性基準値は、センサー化合物と試料のいずれもが流路に導入される前に測定することができる。ステップ1412において、ステップ1408において決定された電気的特性値と、ステップ1410においてアクセスされた流路の電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ1414において、ステップ1412で決定された差があれば、それに基づいて試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を判定することができる。
図16は、試料中の分析種(例えば、水銀または銀)の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法1500を示すフローチャートである。ステップ1502において、流路の内面の少なくとも一部がセンサー化合物でコーティングされてもよい。流路は、長さおよび幅を有することができ、その長さは幅よりも実質的に大きい。いくつかの場合において、流路の内側部分に対して前処理または共有結合的修飾を行うことで、内面へのセンサー化合物の特異的共有結合を可能としつつ、内面への他の分子の非特異的結合を防止することができる。ステップ1504において、流路の長さの少なくとも一部に沿って、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を測定することができる。ステップ1506において、流路の電気的特性基準値は、ステップ1504において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて決定することができる。ステップ1508において、流路の電気的特性基準値は、分析種(例えば、水銀または銀)が試料中に存在するか否かを判定する際に使用するために、非一時的記録媒体に保存することができる。
IV.溶媒の検出のための例示的な技術
前記の例示的な検出システムおよび技術は、試料中の特定の溶媒(例えば、水)の存在または非存在を検出するように構成することができる。この場合、試料中の試験対象となる分析種は溶媒(例えば、水)である。溶媒の存在または非存在を試験するために使用することができる例示的なセンサー化合物は、エタノールに溶解するが水中では凝集物を形成する色素である。すなわち、色素と水とが相互作用して、流路内の流体の流れを実質的に遮断し、結果的に電流と導電率を低下させる凝集物を形成する。例示的な色素は、以下の構造を有するサリチルアルデヒドアジン(SA)である。
図17Aおよび図17Bは、試料中の溶媒を検出するための例示的な方法1600を示すフローチャートである。ステップ1602において、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて、電解質緩衝液を流路に導入することができる。電解質緩衝液は、水酸化ナトリウムをエタノールに溶解したものであってよい。流路に導入するエタノール中の水酸化ナトリウムは任意適切な濃度とすることができ、1〜10mMであってよいが、これに限定されない。ステップ1606において、電圧源を用いて、流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差を印加することができる。
ステップ1608において、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて、電解質緩衝液中の色素(例えば、水酸化ナトリウムを含むエタノールに溶解したSA)を流路に導入することができる。流路に導入するエタノール中の水酸化ナトリウムは任意適切な濃度とすることができ、1〜10mMであってよいが、これに限定されない。流路に導入する色素は任意適切な濃度とすることができ、1〜50μMであってよいが、これに限定されない。ステップ1610において、電圧源を用いて、流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差を印加することができる。ステップ1612において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿って、1つ以上の電気的特性値(例えば、電流、導電率、抵抗率)を検出することができる。
正確かつ信頼性の高い電流測定値を得るために、ステップ1614において、平衡回路を使用して、ステップ1612で検出された2つ以上の値からなる第1のセットを分析することができる。平衡回路は、値が平衡に達したか否か、すなわち、所定の分散または許容範囲を超えた変動がなくなったか否かを判定することができる。値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ1612に戻り、さらなる値の検出を行うことができる。一方、値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ1616に進むことができる。ステップ1616において、平衡回路は、第1のセットの値から第1の値または基準値を選択することができる。第1の値または基準値は、試料と色素との相互作用が生じる前の、流路の1つ以上の電気的特性を表すものとして使用することができる。
ステップ1618において、いくつかの実施形態では、色素分子を含む電解質緩衝液を、導入した流路の導入ポートから除去してもよい。このステップにより、その後導入ポートからの試料の導入がなされても、導入ポートにおける色素分子と試料との相互作用を確実に防止できる。ステップ1620において、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を使用して、試料を流路に導入することができる。ステップ1622において、電圧源を用いて、流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差を印加することができる。ステップ1624において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿って、1つ以上の電気的特性値(例えば、電流、導電率、抵抗率)を検出することができる。
正確かつ信頼性の高い電流測定値を得るために、ステップ1626において、平衡回路を使用して、ステップ1624で検出された1つ以上の値からなる第2のセットを分析することができる。平衡回路は、値が平衡に達したか否か、すなわち、所定の分散または許容範囲を超えた変動がなくなったか否かを判定することができる。値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ1624に戻り、さらなる値の検出を行うことができる。一方、値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ1628に進むことができる。ステップ1628において、平衡回路は、第2のセットの値から第2の値を選択することができる。第2の値は、試料と色素との相互作用が生じた後の、流路の1つ以上の電気的特性を表すものとして使用することができる。
ステップ1630において、比較回路を使用して、(ステップ1616で決定された)第1の値または基準値と(ステップ1628で決定された)第2の値との差を決定することができる。ステップ1632において、比較回路は、ステップ1630で決定された差が所定の閾値を満たしているか(例えば、差が所定の値を上回るか、または差が所定の範囲内にあるか)を判定することができる。
ステップ1632において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値を満たしていると判定された場合、分析種検出回路は、ステップ1638において、試料が該溶媒を含有すると判定することができる。続いて、ステップ1640において、分析種検出回路は、非一時的なコンピュータ可読媒体に、試料が該溶媒を含有するという指標を保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ1640において、分析種検出回路は、試料が該溶媒を含むという指標を表示装置に表示することができる。
一方、ステップ1632において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値を満たしていないと判定された場合、分析種検出回路は、ステップ1634において、試料が該溶媒を含有しないと判定することができる。続いて、ステップ1636において、分析種検出回路は、非一時的なコンピュータ可読媒体に、試料が該溶媒を含有しないという指標を保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ1636において、分析種検出回路は、試料が該溶媒を含有しないという指標を表示装置に表示することができる。
特定の実施形態において、流路は、試料のその後の試験に再使用されてもよい。ステップ1644において、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて、脱凝集剤を流路に導入することができる。脱凝集剤は、脱凝集剤と流路中に形成された凝集物との相互作用が凝集物を溶解または崩壊させるように選択されてよい。流路に電解質緩衝液を充填して流路を洗い流し、試料とセンサー化合物を流路に導入する。
特定の実施形態では、ステップ1642において、凝集物の崩壊に先立って、流路の電気的特性値に基づいて該溶媒の絶対濃度または相対濃度を決定することができ、この濃度を非一時的なコンピュータ可読媒体に保存したり、かつ/または画像表示装置に表示したりすることができる。例示的な検出システムの流路における内面積/体積の比が大きいことから、このような方法で分析種の濃度を決定することができる。分析種の濃度が低い場合、流路内の導電率は表面電荷によって支配される。したがって、流路の電気的特性の測定により、異なるイオンを区別することが可能となる。その結果、流路内のバルク流の独特かつ高感度な測定値を用いて、流路の内面における表面電荷に関する情報を決定することができる。したがって、例示的な実施形態では、流路の寸法および特定の分析種イオンが異なる濃度で与えられれば、該分析種に特有の、該流路の電気的特性値の所定の範囲を計算することができる。次いで、このようにして求めた所定の値を使用して、試料中の分析種の未知の濃度を決定することができる。
種々のイオンの流路中の表面電荷に関する詳細な情報は、以下の論文に示されており、その全内容が、参照により本明細書に明示的に援用される。“Surface-dependent chemical equilibrium constants and capacitances for bare and 3-cyanopropyldimethylchlorosilane coated silica nanochannels,” M. B. Andersen, J. Frey, S. Pennathur and H. Bruus, J. Colloid Interface Sci. 353, 301-310 (2011)、および“Hydronium-domination ion transport in carbon-dioxide-saturated electrolytes at low salt concentrations in nanochannels”,” K.L. Jensen, J.T. Kristensen, A.M. Crumrine, M.B.Andersen, H. Bruus and S. Pennathur., Phys. Review E. 83, 5, 056307.
V.例示的な核酸検出技術
例示的な技術によって、1つ以上のセンサー化合物(すなわち、1つ以上の核酸プローブ)を使用して、試料中の特定の核酸および/またはヌクレオチド(例えば、DNA、RNA)を検出することができる。検出することができる例示的な核酸は、全RNA抽出物に含まれるグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPD)メッセンジャーRNA(mRNA)である。核酸の存在または非存在を試験するために使用することができる1つ以上の例示的なセンサー化合物には、分析種である核酸と直接的または間接的に結合して導電性凝集物を形成する1つ以上の核酸プローブが含まれる。分析種である核酸および1つ以上の核酸プローブは相互作用して、流路の内面または内部空間の少なくとも一部をコーティングすることまたは覆うことにより、流路の長さに沿った電気経路を増強することができる凝集物を形成することができる。凝集物が導電性である場合、これは、流路の長さの少なくとも一部に沿って測定された電流および/または導電率の測定可能な増加、および流路の長さの少なくとも一部に沿って測定された電気抵抗率の測定可能な低下を引き起こす場合がある。
特定の実施形態において、検出システムに使用される電極は、金属(例えば、アルミニウム、マンガン、および白金)であってよい。別の実施形態において、検出システムに使用される電極は、非金属であってよい。
例示的な技術では、試料とすべてのセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)のいずれもを、核酸の検出が可能となるように特別に構成され寸法決めされた検出システム内の流路に導入することができる。特定の実施形態では、流路は、その深さおよび/または幅が凝集物粒子の直径と実質的に等しいかまたはそれよりも小さくなるように構成することができる。試料およびセンサー化合物のいずれもが流路に導入された後、凝集物が形成されれば試料中に目的の核酸が存在することが示され、凝集物が存在しなければ試料中に目的の核酸が存在しないことが示される。
流体の流れおよび/または流体中の荷電粒子の流れが(例えば凝集物が存在しないという理由により)阻害されない場合、流体中の導電性粒子またはイオンは、導入ポートから排出ポートに向かってy軸に沿って、流路の長さの少なくとも一部に沿って移動し得る。導電性粒子またはイオンの移動の結果、流路の長さの少なくとも一部に沿って、第1のまたは「基準」の電気的特性値(例えば、電流、導電率、抵抗率)またはその範囲が、分析種検出回路によって検出され得る。いくつかの実施形態において、平衡回路は、値が平衡に達するまでの時間、電気的特性値を周期的にまたは連続的に監視してもよい。次いで、平衡回路は、値の1つを、電気的特性の過渡的変化の影響を避けるようにして選択し、電気的特性基準値としてもよい。
電気的特性「基準」値という用語は、試料およびすべてのセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)が流路に導入される前の流路の電気的特性値またはその値の範囲を指すことができる。すなわち、基準値は、試料中の核酸とセンサー化合物との間に何らかの相互作用が生じる前の流路を特徴付ける値である。いくつかの場合において、基準値は、センサー化合物を流路に導入した後、試料を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値は、1つのセンサー化合物を流路に導入した後、試料およびさらなるセンサー化合物を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値は、1つのセンサー化合物および試料を流路に導入した後、さらなるセンサー化合物を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値は、試料またはセンサー化合物を流路に導入する前の時間に検出することができる。いくつかの場合において、基準値はあらかじめ決定され、アクセス可能な非一時的記録媒体に保存されてもよい。
いくつかの場合において、(試料中の目的の核酸と1つ以上のセンサー化合物との間の相互作用に起因して)流路内に導電性凝集物が形成されると、流路の長さの少なくとも一部に沿った電気経路が増強されることがある。この場合、核酸検出回路は、流路の長さの少なくとも一部に沿った第2の電気的特性の(例えば、電流、導電率、抵抗率の)値またはその値の範囲を検出することがある。いくつかの実施形態において、核酸検出回路は、試料およびすべてのセンサー化合物を流路に導入した後、第2の電気的特性値を検出する前に、待機時間または調整時間が経過する間、待機してもよい。待機時間または調整時間により、流路内に凝集物を形成させ、凝集物形成によって流路の電気的特性を変えることができる。
いくつかの実施形態において、試料およびすべてのセンサー化合物を導入した後、平衡回路は、値が平衡に達するまで、電気的特性値を周期的または連続的に監視することができる。その後、平衡回路は、電気的特性の過渡的変化の影響を回避するようにして、値のうちの1つを、第2の電気的特性値として選択してもよい。
比較回路は、第2の電気的特性値を電気的特性基準値と比較することができる。第2の値と基準値との差が電流または導電率の増加(または抵抗率の低下)の所定の範囲に相当すると判定された場合、核酸検出回路により、流路に凝集物が存在すること、したがって目的の核酸が試料中に存在することが判定され得る。
別の特定の場合において、流路内の流体の流れおよび/または流体中の荷電粒子の流れが部分的にまたは完全に(例えば、凝集物の形成によって)遮断される場合、流体内の導電性粒子またはイオンが、導入ポートから排出ポートに向かってy軸に沿って流路の長さの少なくとも一部に沿って自由に移動できないことがある。導電性粒子またはイオンの移動が阻害されたり停止したりすることによって、流路の長さの少なくとも一部に沿って第3の電気的特性の(例えば、電流、導電率、抵抗率の)値またはその値の範囲が核酸検出回路によって検出され得る。第3の電気的特性値は、第2の電気的特性値に加えて、またはその代わりに検出されてもよい。いくつかの実施形態において、核酸検出回路は、第3の電気的特性値を検出する前に、試料およびセンサー化合物のいずれもが流路に導入された後、待機時間または調整時間が経過する間、待機してもよい。待機時間または調整時間により、流路内に凝集物を形成させ、凝集物形成によって流路の電気的特性を変えることができる。
いくつかの実施形態において、試料およびすべてのセンサー化合物を導入した後、平衡回路は、値が平衡に達するまで、電気的特性値を周期的または連続的に監視することができる。その後、平衡回路は、電気的特性の過渡的変化の影響を回避するように、値のうちの1つを、第3の電気的特性値として選択してもよい。
比較回路は、第3の電気的特性値を電気的特性基準値と比較することができる。第3の値と基準値との差が電流または導電率の低下(または抵抗率の増加)の所定の範囲に相当すると判定された場合、核酸検出回路により、流路に凝集物が存在すること、したがって目的の核酸が試料中に存在することが判定され得る。
特定の実施形態では、検出システムの使用前の流路が、センサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)を含まないことがある。すなわち、検出システムの製造業者が、センサー化合物を含ませるための流路の前処理または修飾を実施しないことがある。この場合、使用者は、使用中に、(例えば、電解質緩衝液中の)1つ以上のセンサー化合物を流路に導入し、センサー化合物を有するが試料を有さない流路の電気的特性基準値を検出することができる。
別の特定の実施形態では、検出システムの使用前に、流路の内面の少なくとも一部がセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸捕捉プローブ)を含むかまたはセンサー化合物でコーティングされるように、流路が前処理または修飾されてもよい。一例では、製造業者がセンサー化合物で修飾された流路の電気的特性基準値を検出し、使用者は、使用中に、保存された電気的特性基準値を使用することができる。すなわち、検出システムの製造業者は、センサー化合物を含ませるために、流路の前処理または修飾を実施してもよい。この場合、使用者は、試料および1つ以上のさらなるセンサー化合物を流路に導入する必要があるかもしれない。
一例では、使用者は、1つ以上のセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)および試料を、例えば、センサー化合物と試料との混合物として同時に流路に導入することができる。この場合、混合物が導入される前に流路内で電気的特性基準値を検出することができ、混合物の導入後に電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、目的の核酸が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、1つ以上のセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)および試料を、例えば、センサー化合物と試料との混合物として同時に流路に導入することができる。混合物が流路に導入される前の流路を特徴付ける、既に保存されていた電気的特性基準値は、非一時的記録媒体から読み出したり、アクセスしたりすることができる。混合物の導入後に、電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と保存されていた電気的特性基準値との比較を用いて、目的の核酸が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、最初に1つ以上のセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)を流路に導入し、試料を流路に導入する前の電気的特性基準値を検出することができる。使用者はその後、試料および任意で1つ以上のさらなるセンサー化合物を流路に導入し、流路への試料の導入後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、目的の核酸が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、最初に1つ以上のセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)を流路に導入し、次いで、試料および任意で1つ以上のさらなるセンサー化合物を流路に導入することができる。使用者はその後、流路への試料の導入後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。試料およびすべてのセンサー化合物が流路に導入される前の流路を特徴付ける、既に保存されていた電気的特性基準値は、非一時的記録媒体から読み出したり、アクセスしたりすることができる。保存されていた電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、目的の核酸が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は最初に試料を流路に導入し、流路内に試料のみが存在する状態で電気的特性基準値を検出することができる。使用者はその後、センサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)を流路に導入し、流路へのセンサー化合物の導入後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、目的の核酸が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は最初に試料を流路に導入し、次いでセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)を流路に導入する。使用者はその後、流路へのセンサー化合物の導入後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。試料およびすべてのセンサー化合物が流路に導入される前の流路を特徴付ける、既に保存されていた電気的特性基準値は、非一時的記録媒体から読み出したり、アクセスしたりすることができる。保存されていた電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、目的の核酸が試料中に存在するか否かを判定することができる。
特定の別の実施形態において、検出システムの使用前に、流路の内面の少なくとも一部が第1のセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸捕捉プローブ)を含むか、または第1のセンサー化合物でコーティングされるように流路を前処理または修飾することができる。すなわち、検出システムの製造業者は、センサー化合物を含むように流路を前処理または修飾してもよい。製造業者は、第1のセンサー化合物を用いて流路の電気的特性基準値を検出し、この電気的特性基準値を非一時的記録媒体に保存することができる。使用者は、使用中に、流路に試料および1つ以上のさらなるセンサー化合物(例えば、1つ以上の核酸プローブ)を導入し、試料を流路に導入した後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。既に保存されていた電気的特性基準値は、記録媒体からアクセスまたは読み出しすることができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、目的の核酸が試料中に存在するか否かを判定することができる。
別の一例では、使用者は、流路に試料を導入する前に、流路の電気的特性基準値を検出することができる。使用者はその後、試料を流路に導入し、流路への試料の導入後にある時間待機した後、電気的特性値を検出することができる。電気的特性値と電気的特性基準値との比較を用いて、目的の核酸が試料中に存在するか否かを判定することができる。
図19Aおよび図19Bは、試料中の核酸またはヌクレオチドを検出するための例示的な方法1900のフローチャートである。
ステップ1902において、流路の内面の少なくとも一部が核酸プローブの結合を可能にする材料を含むか、またはその材料でコーティングされるように、流路の内面の少なくとも一部を前処理または共有結合的に修飾することができる。例示的な材料としては、シラン化合物(例えば、トリクロロシラン、トリエトキシシラン、アルキルシラン、ペルフルオロシラン)、両性イオンスルトン、ポリ(6−9)エチレングリコール(Peg)、ペルフルオロオクチル、フルオレセイン、アルデヒド、グラフェン化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。流路の内面の共有結合的修飾によって、特定の分子の非特異的な吸収が防止され得る。一例では、内面の共有結合的修飾により、内面への他の分子の非特異的な吸収を防止しながら、内面への1つ以上の核酸捕捉プローブの共有結合が可能となり得る。
一例において、流路を修飾する物質は、シラン化合物であってもよい。このシラン修飾は、1つ以上のプローブ、例えば核酸プローブを流路の内面に付着させる上で有用である。シラン化の例示的な技術の一例では、溶液が調製される。この溶液は、適切なクロロシラン、トリクロロシラン、トリメトキシシラン、またはトリエトキシシランを、0.1〜4%(v/v(シランが液体の場合)またはw/v(シランが固体の場合))の濃度となるように適切な溶媒(例えば、トリメトキシシランまたはトリエトキシシランの場合はトルエン、クロロシランまたはトリクロロシランの場合はエタノール、またはトリメトキシシランの場合は3.5〜5.5のpHを有する水)に溶解させて調製することができる。一例では、1mLのトリエトキシアルデヒドシラン(triethoxyeldehyde silane)を24mLのトルエンに溶解し、この溶液を、界面活性剤を含まない0.2ミクロン酢酸セルロース(SFCA)フィルターを通して濾過してもよい。濾過したシラン溶液10μLを流路のポートに加え、5分間かけて毛細管現象により流路に充填することができる。充填は光学顕微鏡で観察してもしなくてもよく、溶媒組成に応じて5〜40分かかる場合がある。毛細管現象による充填が完了した後、濾過したシラン溶液10μLを流路の残りのポートに加えることもできる。その後、濾過したシラン溶液に流路全体を浸漬し、所望の温度(例えば、修飾に使用された具体的なシランおよび溶媒組成に応じて20℃〜80℃)で所望の時間(例えば、1〜24時間)、反応させてもよい。一例では、濾過したシラン溶液に流路全体を浸漬した後、45℃で18時間加熱してもよい。所望の反応時間が経過した後、以下の技術の1つを用いてシラン化プロセスを停止し、場合によっては、触媒量の酢酸をトルエンまたはエタノールを用いた表面修飾箇所に加えてもよい。
クエンチングの1つの例示的な技術では、流路全体を、0.2ミクロンのSFCAで濾過したエタノール25mLで満たされた容器に移し、使用またはさらなる修飾のための所望の時間まで保存することができる。クエンチングの別の例示的な技術では、動電現象を利用して流路を適切な溶媒組成物で洗浄することができる。トルエンによる修飾により流路を動電洗浄する技術の1つにおいては、電極間の電圧差10V〜1000Vにおいて動電現象を利用して流路内にトルエンを5〜15分間かけて通過させ、次いで電極間の電圧差10V〜1000Vにおいて動電現象を利用して流路内にエタノールを5〜15分間かけて通過させ、次いで電極間の電圧差10V〜1000Vにおいて動電現象を利用して流路内にエタノールと水の1:1混合物を5〜15分間かけて通過させ、最後に電極間の電圧差10V〜1000Vにおいて動電現象を利用して流路内に水を5〜15分間かけて通過させる。流路が適切に動作するか否かは、流路内に添加された50mMホウ酸ナトリウム緩衝液に1000Vの電界を印加して電流を測定し(流路寸法に基づいて約330nAの電流読み取り値を与える)、次いで同じ印加電界で超純水(例えば、MilliQ超純水)を再添加して電流を測定し、ゼロより大きく20nA未満である電流が得られることによって確認できる。
ステップ1904において、1つ以上の核酸プローブ(例えば、捕捉プローブ)を、流路の修飾された内面の少なくとも一部に結合させることができる。一実施形態では、核酸プローブを、流路の修飾された内面に共有結合させることができる。
ステップ1904の一例において、ステップ1902のように修飾された流路を、流路からエタノールをすべて除去するために、低温に設定したホットプレート上に15分間載置してもよい。2μLの1mMストック5’ヒドラジド修飾DNAを、50mM酢酸ナトリウムおよび1mM 5−メトキシアントラニル酸を含有する198μLのpH4.5緩衝液と混合することができる。溶液中の最終DNA濃度は10μMとすることができる。この溶液20μLを修飾された流路のポートに加え、40分間かけて毛細管現象により流路を充填させる。その後、該溶液10μLを流路の残りのポートに加えることができる。また、流路のポートに電極を接続し、Kiethley 2410デバイスを用いて5分間または安定した電流が検出されるまで700Vの電位差を維持することによって、動電現象を利用して確実に流路内に溶液を充填することができる。一例では、230nAの安定した電流を検出することができる。流路内に溶液を3時間にわたって保持することによって、流路を修飾してもよい。次いで、2つのポート間の電位差を1000Vとし、10nA未満の電流が検出されるまで、動電現象を利用して超純水(例えば、MilliQ超純水)で流路を洗浄してもよい。修飾した流路を、後のステップで使用するまで真空デシケータ内に保存してもよい。
ステップ1906において、試料と核酸プローブ(例えば、架橋標的プローブ)をあらかじめ混合しておくことができる。一例では、架橋標的プローブは、ステップ704において流路の内面に備えられた捕捉プローブと結合し、かつ分析種である核酸が試料中に存在する場合には該核酸とも結合するように選択される。ステップ1908において、前記あらかじめ混合した試料と核酸プローブを流路に導入することができる。一例では、試料は、(分析種であるGAPD RNAを含んでも含まなくてもよい)ヒト肝臓全RNA抽出物とすることができる。この場合、前記あらかじめ調製した混合物は、ヌクレアーゼを含まない45.5μLの水と、33.3μLの溶解緩衝液と、1μLのブロッキング試薬と、0.3μLの核酸プローブ(例えば、架橋標的プローブ)と、ボルテックス混合した20ng/mLのヒト肝臓全RNA抽出物20μLとを含有する溶液を含み得る。この溶液の10μLを1つのポートを通して流路に導入し、毛細管現象により流路を充填させてもよい。次いで、同じ溶液の10μLを流路の別のポートに導入してもよい。
ステップ1910において、電圧源を使用して、流路の長さの少なくとも一部に電位差を印加することができる。ステップ1912において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿って1つ以上の電気的特性値(例えば、電流、導電率、抵抗率)を検出することができる。一例では、+1000Vの電位差を印加することで、0.4μAの電流値が検出され得る。
正確かつ信頼性の高い電流測定値を得るために、ステップ1914において、平衡回路を使用して、ステップ1912で検出された2つ以上の値からなる第1のセットを分析することができる。平衡回路は、値が平衡に達したか否か、すなわち、所定の分散または許容範囲を超えた変動がなくなったか否かを判定することができる。値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ1912に戻り、さらなる値の検出を行うことができる。一方、値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ1916に進むことができる。ステップ1916において、平衡回路は、第1のセットの値から第1の値または基準値を選択することができる。第1の値または基準値は、流路に凝集物粒子が形成される前の、流路の1つ以上の電気的特性を表すものとして使用することができる。
別の特定の例において、第1の値は、流路が洗浄緩衝液のみで充填されている場合、および/または核酸を含有しない希釈緩衝液のみで充填されている場合に測定することができる。一例では、+1000Vの電位差を印加した場合、第1の電気的特性値は、(洗浄緩衝液に対して)13〜19nAおよび(希釈緩衝液に対して)380〜400nAの電流となり得る。
ステップ1918において、いくつかの実施形態では、流路内の凝集物に特異的に結合していない核酸を除去するために、流路をインキュベートし、適切な洗浄緩衝液で洗浄することができる。次いで、電気的特性値を検出してもよい。ステップ1920において、1つ以上のさらなる核酸プローブを流路に導入することができる。例示的な核酸プローブとしては、分析種である核酸と直接的にまたは間接的に結合するように選択された1つ以上の標識伸長因子、および/または標識伸長因子と結合するように選択された1つ以上の増幅プローブを挙げることができる。この相互作用により、場合によっては導電性であり得る凝集物が形成される。導電性凝集物は、流路内の導電率を向上させることがあり、分析種である核酸が試料内に存在する場合は、電気的特性値(例えば、電流、導電率)の測定可能な増加をもたらし、別の電気的特性値(例えば、抵抗率)の測定可能な減少をもたらすことがある。
複数の核酸プローブを順次導入するいくつかの場合には、各核酸プローブの導入のためにステップ1918および1920を繰り返すことができる。
ステップ1922にて、いくつかの実施形態では、流路内の凝集形成物に特異的に結合していない核酸を除去するために、流路をインキュベートし、適切な洗浄緩衝液で洗浄することができる。一例では、流路を密封し、50℃で90分間インキュベートし、次いで45分間かけて室温まで冷却させる。その後、安定した電流が検出されるまで、洗浄緩衝液で流路を洗浄することができる。
ステップ1924において、電圧源を使用して、流路の長さの少なくとも一部に電位差を印加することができる。ステップ1926において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿って1つ以上の電気的特性値を検出することができる。
正確かつ信頼性の高い電流測定値を得るために、ステップ1928において、平衡回路を使用して、ステップ1926で検出された2つ以上の値からなる第1のセットを分析することができる。平衡回路は、値が平衡に達したか否か、すなわち、所定の分散または許容範囲を超えた変動がなくなったか否かを判定することができる。値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ1926に戻り、さらなる値の検出を行うことができる。一方、値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ1930に進むことができる。ステップ1616において、平衡回路は、第1のセットの値から第1の値または基準値を選択することができる。
ステップ1930において、平衡回路は、第2のセットの値から第2の値を選択することができる。第2の値は、核酸とすべての核酸プローブとの間のあらゆる相互作用の後の、流路の1つ以上の電気的特性を表すものとして使用することができる。一例では、+10Vの電位差で、試料が核酸を含有する場合、1μA〜3.5μAの電流が検出され得る。+100Vの電位差で、試料が核酸を含有する場合、3μA〜20μAの電流が検出され得る。
ステップ1932において、比較回路を用いて、(ステップ1916で決定された)第1の値または基準値と(ステップ1930で決定された)第2の値との差を決定することができる。ステップ1934において、比較回路は、ステップ1932で決定された差が所定の閾値を満たしているか(例えば、差が所定の値よりも大きいか、所定の値よりも小さいか、または差が所定の範囲内にあるか)を判定することができる。凝集物が導電性である一例では、第2の電気的特性値は、第1の値または基準値よりも1μA〜20μA大きく、導電性であり流路の導電率を高める流路内の凝集物の形成を示す範囲の値であり、それによって試料が核酸を含むことを示し得る。別の一例では、第2の電気的特性値は、第1の値または基準値よりも1μA〜20μA低く、流路内の凝集物の形成を示す範囲の値であり、それによって試料が核酸を含むことを示し得る。
ステップ1934において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値を満たしていると判定された場合、核酸検出回路は、ステップ1940において、試料が該核酸を含有すると判定することができる。続いて、ステップ1942において、核酸検出回路は、非一時的なコンピュータ可読媒体に、試料が該核酸を含有するという指標を保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ1942において、核酸検出回路は、試料が該核酸を含むという指標を表示装置に表示することができる。
一方、ステップ1934において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値を満たしていないと判定された場合、核酸検出回路は、ステップ1936において、試料が該核酸を含有しないと判定することができる。続いて、ステップ1938において、核酸検出回路は、非一時的なコンピュータ可読媒体に、試料が該核酸を含有しないという指標を保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ1636において、核酸検出回路は、試料が該核酸を含有しないという指標を表示装置に表示することができる。
ステップ1918〜1932の一例では、流路を密封し、55℃のオーブンで16時間インキュベートし、次いでオーブンから取り出すことができる。動電現象を利用して流路内に10μLの洗浄緩衝液を10分間かけて通過させることができ、+100Vの電位差を印加することができ、電気的特性値を検出することができる。ここで検出される例示的な電気的特性値は、6μA〜7.5μAの範囲の電流であってもよい。続いて、核酸プローブ(例えば、プレ増幅プローブ)1μLを1mLの希釈緩衝液で希釈し、この溶液10μLを動電現象を利用して流路内に通過させることができる。+100Vの電位差を印加することができ、電気的特性値を検出することができる。ここで検出される例示的な電気的特性値は、5.8μA〜7.5μAの範囲の電流であってもよい。
次いで、流路を密封し、55℃で1時間インキュベートすることができる。動電現象を利用して流路内に10μLの洗浄緩衝液を10分間かけて通過させることができ、+100Vの電位差を印加することができ、電気的特性値を検出することができる。ここで検出される例示的な電気的特性値は、2.8μA〜3.2μAの範囲の電流であってもよい。続いて、核酸プローブ(例えば、増幅プローブ)1μLを1mLの希釈緩衝液で希釈し、この溶液10μLを動電現象を利用して流路内を通過させ、電流が安定であることが検出されるまで通過を維持することができる。+100Vの電位差を印加することができ、電気的特性値を検出することができる。ここで検出される例示的な電気的特性値は、4μAの電流であり得る。
次いで、流路を密封し、55℃で1時間インキュベートすることができる。動電現象を利用して流路内に10μLの洗浄緩衝液を10分間かけて通過させることができ、+100Vの電位差を印加することができ、電気的特性値を検出することができる。ここで検出される例示的な電気的特性値は、5μA〜20μAの範囲の電流であってもよい。続いて、核酸プローブ(例えば、標識伸長因子)1μLを1mLの希釈緩衝液で希釈し、この溶液10μLを動電現象を利用して流路内を通過させ、電流が安定であることが検出されるまで通過を維持することができる。+100Vの電位差を印加することができ、電気的特性値を検出することができる。ここで検出される例示的な電気的特性値は、3μA〜10μAの電流であり得る。
特定の実施形態において、流路は、試料のその後の試験に再使用されてもよい。1つの例示的な実施形態では、ステップ1946において、凝集物を分解させて流路を再使用可能にするために、脱凝集剤(例えば、核酸表面切断緩衝液または核酸分解緩衝液)を流路に導入することができる。ステップ1948において、流路に電解質緩衝液で充填して流路から凝集物を洗い流すことができ、凝集物が流路から除去されることを確認するために1つ以上の電気的特性(例えば、電流)を検出してもよい。一例では、電流の著しい低下により、導電性凝集物が流路から除去されたことが示され得る。
ステップ1946および1948の一例では、安定した電流(±100V=1.4〜1.7μA)が得られるまで、50mMリン酸ナトリウム(pH7.4)と、1mM 5−メトキシアントラニル酸と、5mMヒドロキシルアミン塩酸塩とを含有する緩衝液を、凝集物を有する流路に動電現象を利用して充填する。次いで、流路全体をこの緩衝液中で室温にて18時間インキュベートし、その後、電流が安定するまで(+1000V=86〜87nA、−1000V=63〜64nA)再び測定を行う。電流の顕著な減少(表面切断緩衝液の導入前の1.4〜1.7μAから表面切断緩衝液を用いた洗浄後の63〜90nAへ)によって、導電性凝集物が除去されたことが示され得る。
特定の実施形態では、ステップ1944において、凝集物の崩壊に先立って、流路の電気的特性値に基づいて核酸の絶対濃度または相対濃度を決定することができる。例示的な検出システムの流路における内面積/体積の比が大きいことから、このような方法で核酸の濃度を決定することができる。核酸の濃度が低い場合、流路内の導電率は表面電荷によって支配される。したがって、流路の電気的特性の測定により、異なるイオンを区別することが可能となる。その結果、流路内のバルク流の独特かつ高感度な測定値を用いて、流路の内面における表面電荷に関する情報を決定することができる。したがって、例示的な実施形態では、流路の寸法および特定の核酸が異なる濃度で与えられれば、該核酸粒子に特有の、該流路の電気的特性値の所定の範囲を計算することができる。次いで、このようにして求めた所定の値を使用して、試料中の核酸の未知の濃度を決定することができる。
種々のイオンの流路中の表面電荷に関する詳細な情報は、以下の論文に示されており、その全内容が、参照により本明細書に明示的に援用される。“Surface-dependent chemical equilibrium constants and capacitances for bare and 3-cyanopropyldimethylchlorosilane coated silica nanochannels,” M. B. Andersen, J. Frey, S. Pennathur and H. Bruus, J. Colloid Interface Sci. 353, 301-310 (2011)、および“Hydronium-domination ion transport in carbon-dioxide-saturated electrolytes at low salt concentrations in nanochannels”,” K.L. Jensen, J.T. Kristensen, A.M. Crumrine, M.B.Andersen, H. Bruus and S. Pennathur., Phys. Review E. 83, 5, 056307.
図5は、流路502の内面と、流路の内面に直に隣接して位置する流体不動層504と、不動層に直に隣接して位置する流体拡散層506と、拡散層に直に隣接して位置するバルク流体流層508とを含む流路の内部の概略図である。流体層の各々において、例示的なイオンが示されている。流路の長さにわたって電位差を印加すると、(例えば、分析種検出回路122によって)流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性値が検出され得る。比較回路124は、測定された電気的特性値を、核酸の特定の濃度または濃度範囲の値に相当する電気的特性値の所定の範囲と比較するために使用されてもよい。決定される濃度は、核酸の絶対濃度であってもよく、流路中の別の1つ以上の物質の濃度に対する核酸の相対濃度であってもよい。
図6Aおよび図6Bは、異なる試験ケースについて流路で測定された導電率値を示すグラフである。各試験ケースにおいて、2つのさらなる物質(この場合、アンモニウムおよび過酸化水素)の濃度に対する分析種の異なる相対濃度が使用され、相当する流路内の導電率値を測定する。一実施形態では、Standard Clean 1すなわちSC1が試験ケースの溶液として使用される。SC1の詳細はオンラインで見出だされる。図6Aおよび図6Bの試験ケースにおける3つの物質間の濃度比を上記表1に示す。
分析種の濃度が低いほど、分析種と他の物質との間の相対濃度の差異を測定することは容易になる。例えば、濃度比が1000:1:1であれば、例示的な検出システムにおいて、1〜10ppmのオーダーの検出感度が達成され得る。濃度比が350:1:1であれば、100ppmのオーダーの検出感度が達成され得る。濃度比が5:1:1あれば、10000ppmのオーダーの検出感度が達成され得る。
表3は、図19Aおよび図19Bの方法の異なる段階で検出され得る例示的な電流値をまとめたものである。当業者であれば、表3に示されている例示的数値は単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。
一例において、核酸が添加されていない緩衝液のみを、表面修飾のない流路に接触させ、1つ以上の電気的特性を検出した。表4は、洗浄緩衝液および希釈緩衝液が流路に存在する状態で検出された安定電流をまとめたものである。
図20は、試料中の核酸の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法2000を示すフローチャートである。ステップ2002において、検出システムの流路に試料を導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ2004において、試料を流路に導入した後、電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)の電気的特性値を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ2006において、電気的特性基準値にアクセスすることができる。電気的特性基準値は、試料を流路に導入する前に流路の長さの少なくとも一部に沿ってステップ2004で検出された電気的特性と関連付けることができる。ステップ2008において、ステップ2004において測定された電気的特性値を、ステップ2006においてアクセスされた電気的特性基準値と比較することができる。ステップ2010において、ステップ2008における比較に基づいて、試料中の核酸の存在または非存在を判定することができる。
図21は、試料中の核酸の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法2100を示すフローチャートである。ステップ2102において、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)の1つ以上の電気的特性値を、流路の長さの少なくとも一部分に沿って測定することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ2104において、流路の電気的特性基準値は、ステップ2102において測定された流路の電気的特性値に基づいて決定することができる。ステップ2106において、試料を流路に導入することができる。ステップ2108において、流路に試料を導入した後の、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)の1つ以上の電気的特性値を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ2110において、ステップ2108で測定された1つ以上の電気的特性値に基づいて、ことができる。ステップ2112において、ステップ2110において測定された電気的特性値と、ステップ2104において決定された電気的特性基準値とを比較することができる。ステップ2114において、ステップ2112における比較に基づいて、試料中の核酸の存在または非存在を判定することができる。
図22は、試料中の核酸の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法2200を示すフローチャートである。ステップ2202において、試料および1つ以上のセンサー化合物の混合物を流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ2204において、試料およびすべてのセンサー化合物が流路に導入された後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を測定することができる。ステップ2206では、電気的特性基準値にアクセスすることができる。電気的特性基準値は、試料およびすべてのセンサー化合物を流路に導入する前に流路の長さの少なくとも一部に沿ってステップ2204で検出された電気的特性と関連付けることができる。ステップ2208において、ステップ2204において決定された電気的特性値と、ステップ2206においてアクセスされた電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ2210において、ステップ2208で決定された差があれば、それに基づいて試料中の核酸の存在または非存在を判定することができる。
図23は、試料中の核酸の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法2300を示すフローチャートである。ステップ2302において、1つ以上のセンサー化合物を流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ2304において、流路の長さの少なくとも一部に沿って1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を測定することができる。ステップ2306において、ステップ2304において測定された流路の電気的特性に基づいて、電気的特性基準値を決定することができる。ステップ2308において、流路に試料を導入することができる。ステップ2310において、流路の長さの少なくとも一部に沿って1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を測定することができる。ステップ2312において、ステップ2310において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、流路の電気的特性値が決定される。ステップ2314において、ステップ2312において決定された電気的特性値と、ステップ2306において決定された流路の電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ2316において、ステップ2314で決定された差があれば、それに基づいて試料中の核酸の存在または非存在を判定することができる。
図24は、試料中の核酸の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法2400を示すフローチャートである。ステップ2402において、1つ以上のセンサー化合物を流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ2404において、試料を流路に導入することができる。ステップ2406において、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ2408において、ステップ2406において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、流路の電気的特性値を決定することができる。ステップ2410において、電気的特性基準値にアクセスすることができる。電気的特性基準値は、すべてのセンサー化合物および試料を流路に導入する前に測定することができる。ステップ2412において、ステップ2408において決定された電気的特性値と、ステップ2410において決定された流路の電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ2414において、ステップ2412で決定された差があれば、それに基づいて試料中の核酸の存在または非存在を判定することができる。
図25は、試料中の核酸の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法2500を示すフローチャートである。ステップ2502において、試料を検出システムの流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ2504において、試料を流路に導入した後、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ2506において、ステップ2504において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、流路の電気的特性基準値を決定することができる。ステップ2508において、1つ以上のセンサー化合物を流路に導入することができる。ステップ2510において、センサー化合物を流路に導入した後、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ2512において、すべてのセンサー化合物および試料を流路に導入した後に、ステップ2510において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定することができる。ステップ2514において、ステップ2512において決定された電気的特性値と、ステップ2506において決定された流路の電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ2516において、ステップ2514で決定された差があれば、それに基づいて試料中の核酸の存在または非存在を判定することができる。
図26は、試料中の核酸の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法2600を示すフローチャートである。ステップ2602において、試料を検出システムの流路に導入することができ、流路は長さおよび幅を有し、長さは実質的に幅よりも大きい。ステップ2604において、1つ以上尾のセンサー化合物を流路に導入することができる。ステップ2606において、試料およびすべてのセンサー化合物を流路に導入した後、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を流路の長さの少なくとも一部に沿って測定することができる。ステップ2608において、すべてのセンサー化合物および試料を流路に導入した後に、ステップ2606において測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定することができる。ステップ2610において、流路の電気的特性基準値にアクセスすることができる。流路の電気的特性基準値は、すべてのセンサー化合物および試料が流路に導入される前に測定することができる。ステップ2612において、ステップ2608において決定された電気的特性値と、ステップ2610においてアクセスされた流路の電気的特性基準値との差があれば、その差を決定することができる。ステップ2614において、ステップ2612で決定された差があれば、それに基づいて試料中の核酸の存在または非存在を判定することができる。
図27は、試料中の核酸の存在または非存在を検出するための一般的かつ例示的な方法2700を示すフローチャートである。ステップ2702において、流路の内面の少なくとも一部は、流路の内面に1つ以上の核酸プローブを特異的に共有結合させることを促進または可能にし得る材料で修飾または処理することができる。流路は、長さおよび幅を有することができ、その長さは幅よりも実質的に大きい。流路の内面を修飾するために使用することができる例示的な材料には、シラン化合物(例えば、トリクロロシラン、アルキルシラン、トリエトキシシラン、ペルフルオロシラン)、両性イオンスルトン、ポリ(6−9)エチレングリコール(Peg)、ペルフルオロオクチル、フルオレセイン、アルデヒド、グラフェン化合物などが含まれるが、これらに限定されない。流路の内面の共有結合的修飾によって、特定の分子(例えば、核酸プローブ以外の分子)の非特異的吸収が防止され得る。ステップ2704において、流路の内面の少なくとも一部は、1つ以上の核酸プローブでコーティングまたは1つ以上の核酸プローブを備えることができる。核酸プローブは、内面の修飾された部分に共有結合させてもよい。ステップ2706において、流路の長さの少なくとも一部に沿って、1つ以上の電気的特性(例えば、電流、導電率、抵抗)を測定することができる。ステップ2708において、流路の電気的特性基準値は、ステップ2706で測定された1つ以上の電気的特性に基づいて決定することができる。ステップ2710において、流路の電気的特性基準値を、試料中に核酸が存在するか否かの判定に使用する目的で、非一時的記録媒体に保存することができる。
図28は、図19A、図19B、図20〜図27、図29A、および図29Bの方法において使用することができる例示的な核酸プローブの概略図である。図28は、1つ以上の核酸プローブ(例えば、捕捉プローブ2806)を内面2802へ結合させることを可能にするために(例えば、シラン化合物の分子を用いて)前処理または修飾された流路2804の内面2802を示す。捕捉プローブ2806は、1つ以上の架橋標的プローブ2808と結合するように選択され、標的プローブ2808は、(試験される分析種であり、一例ではウイルスDNAとすることができる)特定の核酸2810および捕捉プローブ2806のいずれとも結合するように選択される。
(核酸2810を含んでいてもいなくてもよい)試料および標的プローブ2808は、同時に流路に導入してもよく、順次導入してもよい。核酸2810、標的プローブ2808、および捕捉プローブ2806の間の相互作用により、流路中に凝集物2812が生成することがある。特定の実施形態では、1つ以上のさらなる核酸プローブ(例えば、1つ以上の標識伸長因子2814)を流路に導入することができる。標識伸長因子2814は、凝集物2812中の核酸2810と結合することによってさらに複雑な凝集物2816を形成するように選択される。1つ以上のさらなる核酸プローブ(例えば、1つ以上の増幅プローブ2818)を流路に導入してもよい。増幅プローブ2818は、凝集物2816内の標識伸長因子2814と結合し、場合によっては導電性であり得るさらに複雑な凝集物2820を形成するように選択される。導電性凝集物2820は、流路の長さの少なくとも一部に沿った電気経路を強化することがあり、核酸が試料中に存在する場合には、基準値との比較において、電気的特性値(例えば、電流、導電率)が測定可能に増加したり、別の電気的特性値(例えば、抵抗率)が測定可能に減少したりする。したがって、流路にて基準値に対して増加した電流または導電率を検出することにより、試料中の核酸2810の存在が示され得る。同様に、基準値に対して減少した抵抗率を検出することにより、試料中の核酸2810の存在が示され得る。
核酸を検出するための別の例示的な技術は、流路内における核酸凝集物の形成によって引き起こされる、流路内におけるダイオード様挙動の存在の検出を含み得る。凝集物が存在しない場合、実質的に同じ大きさ(例えば、+500V)の電位差を印加すると、電位差または電界の印加方向にかかわらず、流路の長さに沿って検出される電気的特性(例えば、電流)は、実質的に同じ大きさとなり得る。電位差が、(例えば、正の電極が流路の第1の端部またはその近傍の導入ポート110にあり、負の電極が流路の第2の端部またはその近傍の排出ポート112にあるように)流路の長さに沿った第1の方向に流路の長さにわたって印加された場合、結果として生じる電流は、(例えば、正の電極が排出ポート112にあり、負の電極が導入ポート110にあるように)電位差が反対方向に印加された場合に結果として生じる電流と大きさが実質的に等しくなり得る。
流路内に凝集物が形成されると、ダイオード様挙動が生じ、印加された電位差または電界の方向の逆転が流路内で検出される電気的特性の変化を引き起こす場合がある。ダイオード様挙動により、検出される電流の大きさは電界の方向によって異なることとなる。電界または電位差が第1の方向に印加される場合、電流の大きさは、電位差または電界が反対方向に印加される場合とは異なる大きさとなり得る。このように、(流路長に沿って第1の方向に電位差が印加された場合に検出される)第1の電気的特性値と(流路長に沿って反対の第2の方向に電位差が印加された場合に検出される)第2の電気的特性値との間の比較は、凝集体の検出を可能にし、それにより試料中の核酸の検出を可能にする。第1および第2の電気的特性値の大きさが実質的に等しい場合、試料は該核酸を含まないと判定され得る。一方、第1および第2の電気的特性値の大きさが実質的に等しくない場合、試料は該核酸を含むと判定され得る。換言すると、電気的特性値の合計(一方向で正、他の方向で負)は、凝集物の非存在下では実質的にゼロとなり、凝集物の存在下では実質的にゼロとならない。
図29Aおよび図29Bは、試料中の核酸の存在または非存在を検出するための例示的な方法2950を示すフローチャートである。ステップ2952において、1つ以上の核酸プローブおよび試料を、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて流路に導入することができる。核酸プローブおよび試料は、同時に導入されても、別々に導入されてもよい。一実施形態では、流路の内面の少なくとも一部を、核酸プローブ(例えば、捕捉プローブ)を含むように処理してもよく、または核酸プローブ(例えば、捕捉プローブ)でコーティングしてもよい。
ステップ2954において、電圧源を用いて、流路の長さ(y軸)に沿った第1の方向に、流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差を印加することができる。ステップ2956において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿った1つ以上の電気的特性(例えば、電流および/または導電率)を検出することができる。いくつかの場合においては、電流および/または導電率を直接的に測定することができる。別の場合においては、電流を示す測定値および/または導電率を示す測定値が検出されてもよい。
電気的特性の正確かつ信頼性の高い測定値を得るために、ステップ2958において、ステップ2956で検出された2つ以上の値からなる第1のセットを連続的または周期的に監視することができる。電気的特性値が平衡に達したか、すなわち所定の分散または許容範囲を超えた変動がなくなったか否かを判定することができる。電気的特性値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ2956に戻り、さらなる電気的特性値を検出することができる。一方、電気的特性値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ2960に進むことができる。
ステップ1860において、第1のセットの電気的特性から第1の値を選択することができる。第1の電気的特性値は、電界が流路の長さ(y軸)に沿った第1の方向に印加された場合に、流路の1つ以上の電気的特性(例えば、電流または導電率)を表すものとして使用することができる。
ステップ2962において、流路の長さ(y軸)に沿った反対の第2の方向に、電圧源を用いて、流路の長さの少なくとも一部にわたって電位差を印加することができる。第2の方向は、第1の方向とは実質的に反対の方向とすることができる。ステップ2964において、電位差が印加されている間に、流路の長さの少なくとも一部に沿った1つ以上の電気的特性(例えば、電流および/または導電率)を検出することができる。いくつかの場合において、電流および/または導電率を直接的に測定することができる。別の場合において、電流を示す測定値および/または導電率を示す測定値が検出されてもよい。
電気的特性の正確かつ信頼性の高い測定値を得るために、ステップ2966において、ステップ2964で検出された2つ以上の値からなる第2のセットを連続的または周期的に監視することができる。電気的特性値が平衡に達したか否か、例えば、所定の分散または許容範囲を超えた変動がなくなったか否かを判定することができる。電気的特性値が平衡に達していないと判定された場合、この方法はステップ2964に戻り、さらなる値を検出することができる。一方、電気的特性値が平衡に達したと判定された場合、この方法はステップ2968に進むことができる。ステップ2968において、第2のセットの電気的特性値から第2の値を選択することができる。第2の値は、試料とセンサー化合物がいずれもが流路に導入された後に、流路の長さの少なくとも一部に沿った1つ以上の電気的特性(例えば、電流または導電率)を表すものとして使用することができる。
ステップ2970において、(ステップ2960で決定された)第1の値の大きさと(ステップ2968で決定された)第2の値の大きさの差が決定される。ステップ2972において、ステップ2970で決定された差が所定の閾値を満たしているか(例えば、差が所定の値を上回るか、または差が所定の範囲内にあるか)を判定することができる。
ステップ2972において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値を満たす(例えば、大きさの差が実質的にゼロではない)と判定された場合、ステップ2978において、試験対象である核酸が試料に含まれると判定することができる。続いて、ステップ2980において、試料が核酸を含むという指標を、非一時的記録媒体に保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ2980において、試料が核酸を含むという指標を表示装置に表示することができる。
一方、ステップ2972において、第1の値と第2の値との差が所定の閾値を満たさない(例えば、大きさの差が実質的にゼロである)と判定された場合、ステップ2974において、試験対象である核酸が試料に含まれないと判定することができる。続いて、ステップ2976において、試料が核酸を含まないという指標を、非一時的記録媒体に保存することができる。代替的にまたは追加的に、ステップ2976において、試料が核酸を含まないという指標を表示装置に表示することができる。
特定の場合において、第1の値と第2の値との大きさの差が閾値より大きい場合、試料が核酸を含有すると判定することができる。そうでない場合、試料は核酸を含有していないと判定することができる。特定の非限定的な例において、閾値は、約1nA〜約10nAとすることができる。
特定の実施形態において、流路は、引き続いて試料の試験を行う際に再使用できるように準備することができる。ステップ2984において、任意適切な技術(例えば、毛細管現象による充填または動電現象による充填)を用いて、脱凝集剤を流路に導入することができる。脱凝集剤は、脱凝集剤と流路中に形成された凝集物との相互作用が凝集物を溶解または崩壊させるように選択されてよい。続いて、流路を洗い流すために流路に電解質緩衝液を充填し、試料とセンサー化合物を流路に導入する。
特定の実施形態では、ステップ2982において、凝集物の崩壊に先立って、流路の電気的特性値に基づいて核酸の絶対濃度または相対濃度を決定することができる。例示的な検出システムの流路における内面積/体積の比が大きいことから、このような方法で核酸の濃度を決定することができる。核酸の濃度が低い場合、流路内の導電率は表面電荷によって支配される。したがって、流路の電気的特性の測定により、異なるイオンを区別することが可能となる。その結果、流路内のバルク流の独特かつ高感度な測定値を用いて、流路の内面における表面電荷に関する情報を決定することができる。したがって、例示的な実施形態では、流路の寸法および特定の核酸が異なる濃度で与えられれば、該核酸に特有の、該流路の電気的特性値の所定の範囲を計算することができる。次いで、このようにして求めた所定の値を使用して、試料中の核酸の未知の濃度を決定することができる。
VI.例示的なプロセッサおよびコンピューティングデバイス
本明細書で開示されるシステムおよび方法は、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読媒体、RAM、ROM、ハードドライブ、および/またはハードウェアに保持またはエンコードされたコンピュータ実行可能命令を実行可能な、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ、処理ユニット、およびそれらと関連したコンピューティングデバイスを含み得る。例示的な実施形態では、ハードウェア、ファームウェア、および/または実行可能コードを、例えば、既存のインフラストラクチャ(例えば、既存のデバイス/処理ユニット)と共に使用するためのアップグレードモジュールとして提供することができる。ハードウェアは、例えば、本明細書で教示される実施形態をコンピューティングプロセスとして実行するための構成要素および/または論理回路を含み得る。
本開示によれば、例えば、グラフィカルユーザインターフェースとするための、ディスプレイおよび/または他のフィードバック手段もまた含まれ得る。ディスプレイおよび/または他のフィードバック手段は、独立型の機器であってもよく、処理ユニットの1つ以上の構成要素/モジュールとして含まれてもよい。
本発明の実施形態のいくつかを実施するために使用され得る実際のコンピュータ実行可能コードまたは制御ハードウェアは、そのような実施形態の範囲を限定することを意図するものではない。例えば、本明細書に記載された実施形態の特定の態様は、任意適切なプログラミング言語タイプ(例えば、MATLAB技術計算言語、LABVIEWグラフィカルプログラミング言語、(例えば従来の、またはオブジェクト指向のプログラミング技法を用いた)アセンブリコード、C、C#、またはC++)などを使用してコードで実装することができる。そのようなコンピュータ実行可能コードは、任意のタイプの適切な非一時的コンピュータ可読媒体またはメディア(例えば、磁気または光学記録媒体)に保存または保持することができる。
本明細書において、「プロセッサ」、「処理ユニット」、「コンピュータ」または「コンピュータシステム」は、例えば、無線または有線のマイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、サーバ、メインフレーム、ラップトップ、パーソナルデータアシスタント(PDA)、無線電子メールデバイス(例えば、「BlackBerry」、「Android」または「Apple」、取引指定デバイス)、携帯電話、ページャ、プロセッサ、ファックス機、スキャナ、またはネットワークを介してデータを送受信するように構成されている別の任意のプログラム可能なデバイスとすることができる。本明細書で開示されるコンピュータシステムは、データの取得、処理、および通信に使用される特定のソフトウェアアプリケーションを格納するためのメモリを含み得る。そのようなメモリは、開示された実施形態の内部または外部にあってもよいことが分かる。メモリはまた、ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、PROM(プログラマブルROM)、EEPROM(電気的に消去可能なPROM)、フラッシュメモリ記録デバイスなどを含むコンピュータ実行可能命令またはコードを保存するための非一時的記録媒体を含み得る。
図18は、本明細書で開示されるシステムおよび方法を実施するために使用することができる例示的なコンピューティングデバイス1700を表すブロック図を示す。特定の実施形態において、図1Aおよび図1Bに示すプロセッサ130は、コンピューティングデバイス1700の特定の機能および/または構成要素として構成されてもよく、特定の機能および/または構成要素を実装してもよい。特定の実施形態において、分析種検出回路122は、コンピューティングデバイス1700の特定の機能および/または構成要素として構成されてもよく、特定の機能および/または構成要素を実装してもよい。
コンピューティングデバイス1700は、任意のコンピュータシステム(例えば、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、サーバ、ラップトップ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(商標)タブレットコンピュータ)、モバイルコンピューティングデバイスまたは通信デバイス(例えば、iPhone(商標)モバイル通信デバイス、Android(商標)モバイル通信デバイスなど)、または通信可能であり、かつ本明細書に記載の操作を実行するのに十分なプロセッサパワーおよびメモリ容量を有する他の形態のコンピューティングデバイスまたは電気通信デバイス)とすることができる。例示的な実施形態では、分散型計算システムは、そのようなコンピューティングデバイスを複数含み得る。
コンピューティングデバイス1700は、本明細書に記載される例示的な方法を実施するための1つ以上のコードされたコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアを有する1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。非一時的なコンピュータ可読媒体としては、1つ以上のタイプのハードウェアメモリおよび他の有形媒体(例えば、1つ以上の磁気記録ディスク、1つ以上の光ディスク、1つ以上のUSBフラッシュドライブ)などが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、コンピューティングデバイス1700に含まれるメモリ1706は、本明細書に記載されるような分析種検出回路122の機能を実施するためのコンピュータ可読命令およびコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアを格納することができる。コンピューティングデバイス1700はまた、メモリ1702に格納されたコンピュータ可読命令およびコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアと、システムハードウェアを制御するための他のプログラムとを実行するための、プロセッサ1702および関連コア1704、またいくつかの実施形態では、1つ以上のさらなるプロセッサ1702’および関連コア1704’(例えば、複数のプロセッサ/コアを有するコンピュータシステムの場合)を含み得る。プロセッサ1702およびプロセッサ1702’は、それぞれ単一のコアプロセッサまたは複数のコア(1704および1704’)プロセッサとすることができる。
コンピューティングデバイス1700内で仮想化を実施することができ、コンピューティングデバイス内のインフラストラクチャおよびリソースを動的に共有することができる。プロセスが複数のコンピューティングリソースではなく1つのコンピューティングリソースのみを使用するように、複数のプロセッサ上で実行中のプロセスを処理する仮想マシン1714を備えてもよい。1台のプロセッサで複数の仮想マシンを使用することもできる。
メモリ1706は、非一時的なコンピュータシステムメモリまたはランダムアクセスメモリ(例えば、DRAM、SRAM、EDO RAMなど)を含み得る。メモリ1706はまた、他のタイプのメモリ、またはそれらの組み合わせを含み得る。
使用者は、本明細書に記載の例示的な実施形態に従って提供される1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース1720を表示することができる画像表示装置1718(例えば、スクリーンまたはモニタ)を介してコンピューティングデバイス1700と対話することができる。画像表示装置1718はまた、例示的な実施形態に関連する他の態様、要素、および/または情報またはデータも表示することができる。特定の場合には、画像表示装置1718は、例示的な分析種検出システムまたは方法において検出された1つ以上の電気的特性の値を表示することができる。特定の場合には、画像表示装置1718は、試料が目的の分析種を含むか否かの指標を表示することができる。特定の実施形態では、目的の分析種が試料中に存在すると判定された場合に作動され得る同じ情報(例えば、サウンドアラーム)を伝えるために他のタイプのインターフェースが提供されてもよい。
コンピューティングデバイス1700は、使用者からの入力を受信するための他のI/Oデバイス(例えば、キーボードまたは任意適切なマルチポイントタッチインターフェース1708またはポインティングデバイス1710(例えば、マウス、表示装置と直接インターフェース接続する使用者の指))を含み得る。本明細書において、「ポインティングデバイス」は、任意適切な入力インターフェース(具体的には、使用者がコンピューティングシステムまたはコンピューティングデバイスに空間データを入力することができるヒューマンインターフェースデバイス)である。例示的な実施形態では、ポインティングデバイスにより、使用者は、物理的なジェスチャ(例えば、ポインティング、クリック、ドラッグ、ドロップなど)を使用してコンピュータに入力することができる。例示的なポインティングデバイスには、マウス、タッチパッド、表示装置と直接インターフェース接続する使用者の指などを挙げることができるが、これらに限定されない。
キーボード1708およびポインティングデバイス1710は、画像表示装置1718に結合することができる。コンピューティングデバイス1700は、適切な別の従来型I/O周辺機器を含み得る。I/Oデバイスによって、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース1720の実装(例えば、本明細書に記載された1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースの実装)が容易になり得る。
コンピューティングデバイス1700は、データおよび本明細書で教示するような例示的な実施形態を実施するコンピュータ可読命令および/またはソフトウェアを格納するための1つ以上の記録デバイス1724、例えば、耐久性のあるディスク記録装置(耐光性または耐磁気性のある任意適切な記録デバイス、例えば、RAM、ROM、フラッシュ、USBドライブ、または他の半導体ベースの記録媒体を含み得る)、ハードドライブ、CD−ROM、または他のコンピュータ可読媒体を含み得る。例示的な実施形態では、1つ以上の記録装置1724は、本開示のシステムおよび方法によって生成することができるデータのための記録デバイスを提供することができる。1つ以上の記録デバイス1724は、コンピューティングデバイス1700上に提供されてもよく、かつ/またはコンピューティングデバイス1700とは別個にまたは離れて提供されてもよい。
コンピューティングデバイス1700は、1つ以上のネットワークデバイス1722を介して1つ以上のネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはインターネット)とインターフェース接続するように構成されたネットワークインターフェース1712を含んでもよく、このインターフェース接続は、多様な接続を通して行われ、接続手段としては、標準電話線、LANまたはWANリンク(例えば、802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(例えば、ISDN、フレームリレー、ATM)、無線接続、コントローラエリアネットワーク(CAN)、または上記のいずれかまたはすべての組み合わせを含むが、これらに限定されない。ネットワークインターフェース1712は、内蔵型ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、または通信によって本明細書で説明される操作を実行することができる任意のタイプのネットワークにコンピューティングデバイス1700をインターフェース接続するのに適した別の任意のデバイスを含み得る。ネットワークデバイス1722は、1つ以上の受信機、1つ以上の送信機、1つ以上のトランシーバ、1つ以上のアンテナなどを含むがこれらに限定されないネットワークを介して通信を送受信するための1つ以上の適切なデバイスを含み得る。
コンピューティングデバイス1700は、任意のオペレーティングシステム1716(例えば、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)オペレーティングシステムの任意のバージョン、UnixおよびLinuxオペレーティングシステムの種々のリリース、Macintoshコンピュータ用のMacOS(登録商標)の任意のバージョン、任意の組み込み型オペレーティングシステム、任意のリアルタイムオペレーティングシステム、任意のオープンソースオペレーティングシステム、任意のプロプライエタリオペレーティングシステム、モバイルコンピューティングデバイス用の任意のオペレーティングシステム、またはコンピューティングデバイス上で動作し、本明細書で説明される操作を実行することができる別の任意のオペレーティングシステム)を実行することができる。例示的な実施形態において、オペレーティングシステム1716は、ネイティブモードまたはエミュレートモードで動作することができる。例示的な実施形態では、オペレーティングシステム1716は、1つ以上のクラウドマシンインスタンス上で実行されてもよい。
当業者であれば、例示的なコンピューティングデバイス1700に含まれるモジュールは、図18に示されているモジュールより多くても少なくてもよいことを認識するであろう。
例示的な実施形態を説明する際に、明確さを期して特定の用語が使用される。説明を目的とする場合、それぞれの用語は、同様の目的を達成するために類似の方法で動作するすべての技術的同等物および機能的同等物を含むことが少なくとも意図されている。さらに、具体的かつ例示的な実施形態が複数のシステム要素または方法ステップを含むいくつかの例では、これらの要素またはステップは単一の要素またはステップで置き換えることができる。同様に、単一の要素またはステップは、同じ目的を果たす複数の要素またはステップで置き換えることができる。さらに、様々な特性のパラメータが例示的な実施形態にて指定されている場合、そのようなパラメータは、別途記載のない限り、1/20、1/10、1/5、1/3、1/2などで、またはその丸め近似によって上下に調整されてもよい。さらに、特定の実施形態を参照しつつ、例示的な実施形態を示し、かつ記載しているが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な置換および変更を行うことができることを理解するであろう。さらに、別の態様、機能、および利点もまた、本発明の範囲内である。
本明細書では、例示の目的のために例示的なフローチャートを提供しているが、そのようなフローチャートは、方法の非限定的な例である。当業者であれば、例示的な方法に含まれるステップは、例示的なフローチャートに示されたステップより多くても少なくてもよいこと、また例示的なフローチャートのステップは、示された順序とは異なる順序で実行され得ることを認識するであろう。
ブロック図のブロックおよびフローチャートの図は、特定の機能を実行するための手段の組み合わせ、特定の機能を実行するためのステップの組み合わせ、および特定の機能を実行するためのプログラム命令手段をサポートする。また、回路図およびプロセスフローチャートのブロック/ステップの一部または全部、および回路図およびプロセスフローチャートにおけるブロック/ステップの組み合わせは、特定の機能またはステップ、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステムによって実装可能であることも理解されるであろう。例示的なシステムに含まれるモジュールは、例示的なブロック図に示されたモジュールよりも多くても少なくてもよい。
本発明の実施形態に関係する分野の当業者であれば、前述の説明および関連する図面に提示された教示の利益を享受すれば、本明細書に記載された本発明についての多くの修正、組み合わせ、および他の実施形態に想到するであろう。したがって、本発明の実施形態は、開示された特定の実施形態に限定されず、修正、組み合わせ、および他の実施形態もまた、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書において、特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味で使用されているに過ぎず、限定を意図したものではない。

Claims (132)

  1. 試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
    流路に試料を導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
    流路に試料を導入する前の流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
    電気的特性測定値と電気的特性基準値とを比較すること;ならびに
    電気的特性測定値と電気的特性基準値との比較に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  2. 流路に試料を導入する前に、流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;および
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて電気的特性基準値を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定する前に、流路にセンサー化合物を導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 流路に試料を導入してから電気的特性値を測定するまでの調整時間が経過する間、待機することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 流路の内面の少なくとも一部がセンサー化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 電気的特性測定値の検出において、流路の長さの両端に電位差を印加することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 試料中に分析種が存在するか否かの指標を画像表示装置に表示させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 電気的特性測定値が、流路の長さの少なくとも一部に沿って伝わった電流の値、または流路の長さの少なくとも一部に沿った電気伝導率に相当する、請求項1に記載の方法。
  9. 流路が10nm〜10cmの長さを有するように構成されている、請求項1に記載の方法。
  10. 流路が1nm〜50μmの幅を有するように構成されている、請求項1に記載の方法。
  11. 流路が1nm〜1μmの深さを有するように構成されている、請求項1に記載の方法。
  12. 第1の時間にわたって、流路における1つ以上の電気的特性値からなる第1のセットを監視し、第2の時間にわたって、流路における1つ以上の電気的特性値からなる第2のセットを監視すること;
    第1の時間の流路における前記1つ以上の値が平衡に達した後、第1のセットの値から電気的特性基準値を選択すること;および
    第2の時間の流路における前記1つ以上の値が平衡に達した後、第2のセットの値から電気的特性測定値を選択すること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 測定された電気的特性値に基づいて、試料中の分析種の濃度を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 流路に脱凝集剤を導入することによって流路を再使用可能にすることをさらに含み、
    該脱凝集剤が、分析種とセンサー化合物との間の相互作用によって流路内に形成された凝集物を分解させる、請求項1に記載の方法。
  15. 流路の内面にセンサー化合物を結合することができるように流路の内面を修飾することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  16. 試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路にセンサー化合物を導入すること;
    流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
    流路に試料を導入すること;
    試料およびセンサー化合物を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    センサー化合物および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  17. 試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
    流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
    流路にセンサー化合物を導入すること;
    試料およびセンサー化合物を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    センサー化合物および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  18. 試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の内面の少なくとも一部をセンサー化合物でコーティングすること;
    センサー化合物でコーティングした後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;ならびに
    流路に導入した試料中に分析種が存在するか否かの決定に使用するために流路の電気的特性基準値を保存すること
    を含む方法。
  19. 試料中の分析種の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料およびセンサー化合物を導入すること;
    流路の長さに沿った第1の方向に、流路の長さの両端に第1の電位差を印加すること;
    第1の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第1の電気的特性値を測定すること;
    第1の方向とは逆の、流路の長さに沿った第2の方向に、流路の長さの両端に第2の電位差を印加すること;
    第2の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第2の電気的特性値を測定すること;
    第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とを比較すること;ならびに
    第1の電気的特性値と第2の電気的特性値との比較に基づいて、分析種が流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  20. 第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とが実質的に等しくない場合に分析種の存在が検出される、請求項19に記載の方法。
  21. 第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とが実質的に等しい場合に分析種の非存在が検出される、請求項19に記載の方法。
  22. 試料とセンサー化合物とを流路に同時に導入する、請求項19に記載の方法。
  23. 試料とセンサー化合物とを流路に順次導入する、請求項19に記載の方法。
  24. 流路の内面がセンサー化合物でコーティングされる、請求項19に記載の方法。
  25. 第1の電気的特性値および第2の電気的特性値が、流路の長さの少なくとも一部に沿って伝わった電流の値、または流路の長さの少なくとも一部に沿った電気伝導率の値に相当する、請求項19に記載の方法。
  26. 流路が10nm〜10cmの長さを有するように構成されている、請求項19に記載の方法。
  27. 流路が1nm〜50μmの幅を有するように構成されている、請求項19に記載の方法。
  28. 流路が1nm〜1μmの深さを有するように構成されている、請求項19に記載の方法。
  29. 検出システムであって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極;ならびに
    第1の電極および第2の電極と電気通信する分析種検出回路
    を含み;
    第1の電極および第2の電極が、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されて流路回路を形成すること;
    流路回路が電気的特性を有し、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在する場合に該電気伝導性流体によって流路回路の電気的特性が変化するように構成されていること;
    分析種検出回路が、第1の電極および第2の電極と電気通信する測定回路を含むこと;
    測定回路が測定回路出力を有すること;
    測定回路出力が、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を含むこと;
    分析種検出回路が、測定回路出力と電気通信するメモリを含み、該メモリが、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を保存するように構成されており、該1つ以上の値が流路回路の電気的特性の第1の値と流路回路の電気的特性の第2の値とを少なくとも含むこと;
    分析種検出回路が、メモリと電気通信する比較回路をさらに含み、前記少なくとも第1の値および第2の値を入力として有すること;
    比較回路が、前記少なくとも第1の値および/または第2の値に少なくとも一部基づく比較回路出力を提供するように構成されていること;ならびに
    比較回路出力が、前記少なくとも1つの流路内に分析種が存在するか否かを示すこと
    を特徴とする検出システム。
  30. 前記第1の値が、前記少なくとも1つの流路内に流体が存在しない状態にある流路回路の1つ以上の電気的特性を示し、前記第2の値が、前記少なくとも1つの流路内に流体が存在する状態にある流路回路の1つ以上の電気的特性を示す、請求項29に記載の検出システム。
  31. 比較回路が、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を入力として複数個有すること、
    流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値の複数個が、流路回路の1つ以上の経時的な電気的特性を示すこと、および
    比較回路出力が、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値の複数個に少なくとも一部基づくことを特徴とする、請求項30に記載の検出システム。
  32. 前記少なくとも1つの流路の長さに沿った第1の方向において、第1の電極と第2の電極の間に第1の電位差を印加した場合、前記第1の値が流路回路の1つ以上の電気的特性を示し、
    第1の方向とは逆の、前記少なくとも1つの流路の長さに沿った第2の方向において、第1の電極と第2の電極の間に第2の電位差を印加した場合、前記第2の値が流路回路の1つ以上の電気的特性を示す、請求項29に記載の検出システム。
  33. 前記第1の値が前記第2の値とは実質的に異なる場合、比較回路出力が、前記少なくとも1つの流路内に分析種が存在することを示す、請求項32に記載の検出システム。
  34. 比較回路出力が表示装置に連結されており、表示装置が、前記少なくとも1つの流路内に分析種が存在するか否かを示す情報を表示するように構成されている、請求項29に記載の検出システム。
  35. 比較回路出力と表示装置との間に接続されているコンピュータをさらに含む、請求項34に記載の検出システム。
  36. 分析種検出回路が、電流計、電圧計および抵抗計の1つ以上を含む、請求項29に記載の検出システム。
  37. 分析種検出回路がプロセッサを含む、請求項29に記載の検出システム。
  38. 基板が誘電材料で形成されている、請求項29に記載の検出システム。
  39. 前記1つ以上の電気的特性が、第1の電極と第2の電極の間を前記少なくとも1つの流路の長さに沿って伝わった電流、または第1の電極と第2の電極の間の前記少なくとも1つの流路の長さに沿った電気伝導率を含む、請求項29に記載の検出システム。
  40. 第1の電極および第2の電極が、基板と実質的に平行な軸に沿った1つ以上の電気的特性を検出するように構成されている、請求項29に記載の検出システム。
  41. 分析種検出回路が平衡検出回路を含む、請求項29に記載の検出システム。
  42. 前記少なくとも1つの流路が少なくとも1つの内面を含み、該少なくとも1つの内面の少なくとも一部が、該内面へのセンサー化合物の結合を促進する材料でコーティングされている、請求項29に記載の検出システム。
  43. 前記材料がシラン化合物である、請求項42に記載の検出システム。
  44. 前記少なくとも1つの流路が、第1の流路と第2の流路とを含み、
    第1の流路が、第1の流路の第1の端部と流体連通している第1の流路ポートと、第1の流路の第2の端部と流体連通している第2の流路ポートとを含み、
    第2の流路が第3の流路ポートを含み、
    第1の流路ポートが、第2の流路の第1の端部と流体連通しており、第3の流路ポートが、第2の流路の第2の端部と流体連通している、請求項29に記載の検出システム。
  45. 第1の流路の第1の端部と流体連通している第4の流路ポート;および
    第2の流路の第1の端部と流体連通している第5の流路ポートをさらに含み、
    第4の流路ポートと第5の流路ポートとは互いに流体連通していない、請求項44に記載の検出システム。
  46. 第1の電極および第2の電極を使用して電位差を印加するための電圧源をさらに含む、請求項29に記載の検出システム。
  47. 前記少なくとも1つの流路が10nm〜10cmの長さを有するように構成されている、請求項29に記載の検出システム。
  48. 前記少なくとも1つの流路が1nm〜50μmの幅を有するように構成されている、請求項29に記載の検出システム。
  49. 前記少なくとも1つの流路が1nm〜1μmの深さを有するように構成されている、請求項29に記載の検出システム。
  50. 比較回路出力を受け取る画像表示装置をさらに含む、請求項29に記載の検出システム。
  51. 比較回路出力が、前記少なくとも1つの流路内の分析種の濃度をさらに示す、請求項29に記載の検出システム。
  52. 検出システムであって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極;ならびに
    第1の電極および第2の電極と電気通信する分析種検出回路
    を含み;
    第1の電極および第2の電極が、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在することによって第1の電極と第2の電極の間の電気回路が完成するように、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されていること;
    分析種検出回路が、第1の電極と第2の電極の間の1つ以上の電気的特性を測定するように構成されていること;
    分析種検出回路がメモリを含むこと;
    メモリが、測定された電気的特性値を保存するように構成されていること;ならびに
    分析種検出回路が比較回路をさらに含み、比較回路が、測定された電気的特性値に基づいて、前記少なくとも1つの流路内の分析種の存在を検出するように構成されていること
    を特徴とする検出システム。
  53. 検出システムであって、
    流体の流れを収容するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第1の末端において流体を導入するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第2の末端において流体を排出するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第1の末端と第2の末端の間で流体の電気的特性の第1の値および第2の値を検出するための手段;ならびに
    電気的特性の第1の値と第2の値の差に基づいて、流体中に分析種が存在するか否かを判定するための手段
    を含む検出システム。
  54. 試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
    流路に試料を導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
    流路に試料を導入する前の流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
    電気的特性測定値と電気的特性基準値とを比較すること;ならびに
    電気的特性測定値と電気的特性基準値との比較に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  55. 流路に試料を導入する前に、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;および
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて電気的特性基準値を決定することをさらに含む、請求項54に記載の方法。
  56. 流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定する前に、流路にTPET2分子を導入することをさらに含む、請求項54に記載の方法。
  57. 流路に試料を導入してから電気的特性値を測定するまでの調整時間が経過する間、待機することをさらに含む、請求項54に記載の方法。
  58. 流路の内面の少なくとも一部がTPET2分子を含む、請求項54に記載の方法。
  59. 電気的特性測定値の検出において、流路の長さの両端に電位差を印加することをさらに含む、請求項54に記載の方法。
  60. 試料中に水銀イオンが存在するか否かの指標を画像表示装置に表示させることをさらに含む、請求項54に記載の方法。
  61. 電気的特性測定値が、流路の長さの少なくとも一部に沿って伝わった電流の値、または流路の長さの少なくとも一部に沿った電気伝導率に相当する、請求項54に記載の方法。
  62. 流路が10nm〜10cmの長さを有するように構成されている、請求項54に記載の方法。
  63. 流路が1nm〜50μmの幅を有するように構成されている、請求項54に記載の方法。
  64. 流路が1nm〜1μmの深さを有するように構成されている、請求項54に記載の方法。
  65. 第1の時間にわたって、流路における1つ以上の電気的特性値からなる第1のセットを監視し、第2の時間にわたって、流路における1つ以上の電気的特性値からなる第2のセットを監視すること;
    第1の時間の流路における前記1つ以上の値が平衡に達した後、第1のセットの値から電気的特性基準値を選択すること;および
    第2の時間の流路における前記1つ以上の値が平衡に達した後、第2のセットの値から電気的特性測定値を選択すること
    をさらに含む、請求項54に記載の方法。
  66. 流路に脱凝集剤を導入することによって流路を再使用可能にすることをさらに含み、
    該脱凝集剤が、水銀イオンとTPET2分子との間の相互作用によって流路内に形成された水銀凝集物を分解させる、請求項54に記載の方法。
  67. 試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路にTPET2分子を導入すること;
    流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
    流路に試料を導入すること;
    試料およびTPET2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    TPET2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  68. 試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
    流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
    流路にTPET2分子を導入すること;
    試料およびTPET2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    TPET2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  69. 試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の内面の少なくとも一部をTPET2分子でコーティングすること;
    TPET2分子でコーティングした後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;ならびに
    流路に導入した試料中に水銀イオンが存在するか否かの決定に使用するために流路の電気的特性基準値を保存すること
    を含む方法。
  70. 試料中の水銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料およびTPET2分子を導入すること;
    流路の長さに沿った第1の方向に、流路の長さの両端に第1の電位差を印加すること;
    第1の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第1の電気的特性値を測定すること;
    第1の方向とは逆の、流路の長さに沿った第2の方向に、流路の長さの両端に第2の電位差を印加すること;
    第2の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第2の電気的特性値を測定すること;
    第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とを比較すること;ならびに
    第1の電気的特性値と第2の電気的特性値との比較に基づいて、水銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  71. 第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とが実質的に等しくない場合に水銀イオンの存在が検出される、請求項70に記載の方法。
  72. 第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とが実質的に等しい場合に水銀イオンの非存在が検出される、請求項70に記載の方法。
  73. 試料とTPET2分子とを流路に同時に導入する、請求項70に記載の方法。
  74. 試料とTPET2分子とを流路に順次導入する、請求項70に記載の方法。
  75. 流路の内面がTPET2分子でコーティングされる、請求項70に記載の方法。
  76. 第1の電気的特性値および第2の電気的特性値が、流路の長さの少なくとも一部に沿って伝わった電流の値、または流路の長さの少なくとも一部に沿った電気伝導率の値に相当する、請求項70に記載の方法。
  77. 水銀検出システムであって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極;ならびに
    第1の電極および第2の電極と電気通信する水銀検出回路
    を含み;
    第1の電極および第2の電極が、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されて流路回路を形成すること;
    流路回路が電気的特性を有し、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在する場合に該電気伝導性流体によって流路回路の電気的特性が変化するように構成されていること;
    水銀検出回路が、第1の電極および第2の電極と電気通信する測定回路を含むこと;
    測定回路が測定回路出力を有すること;
    測定回路出力が、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を含むこと;
    水銀検出回路が、測定回路出力と電気通信するメモリを含み、該メモリが、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を保存するように構成されており、該1つ以上の値が流路回路の電気的特性の第1の値と流路回路の電気的特性の第2の値とを少なくとも含むこと;
    水銀検出回路が、メモリと電気通信する比較回路をさらに含み、前記少なくとも第1の値および第2の値を入力として有すること;
    比較回路が、前記少なくとも第1の値および/または第2の値に少なくとも一部基づく比較回路出力を提供するように構成されていること;ならびに
    比較回路出力が、前記少なくとも1つの流路内に水銀イオンが存在するか否かを示すこと
    を特徴とする水銀検出システム。
  78. 水銀検出システムであって、
    流体の流れを収容するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第1の末端において流体を導入するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第2の末端において流体を排出するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第1の末端と第2の末端の間で流体の電気的特性の第1の値および第2の値を検出するための手段;ならびに
    電気的特性の第1の値と第2の値の差に基づいて、流体中に水銀イオンが存在するか否かを判定するための手段
    を含む水銀検出システム。
  79. 試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
    流路に試料を導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
    流路に試料を導入する前の流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
    電気的特性測定値と電気的特性基準値とを比較すること;ならびに
    電気的特性測定値と電気的特性基準値との比較に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  80. 流路に試料を導入する前に、流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;および
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて電気的特性基準値を決定すること
    をさらに含む、請求項79に記載の方法。
  81. 流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定する前に、流路にTPEA2分子を導入することをさらに含む、請求項79に記載の方法。
  82. 流路に試料を導入してから電気的特性値を測定するまでの調整時間が経過する間、待機することをさらに含む、請求項79に記載の方法。
  83. 流路の内面の少なくとも一部がTPEA2分子を含む、請求項79に記載の方法。
  84. 電気的特性測定値の検出において、流路の長さの両端に電位差を印加することをさらに含む、請求項79に記載の方法。
  85. 試料中に銀イオンが存在するか否かの指標を画像表示装置に表示させることをさらに含む、請求項79に記載の方法。
  86. 電気的特性測定値が、流路の長さの少なくとも一部に沿って伝わった電流の値、または流路の長さの少なくとも一部に沿った電気伝導率に相当する、請求項79に記載の方法。
  87. 流路が10nm〜10cmの長さを有するように構成されている、請求項79に記載の方法。
  88. 流路が1nm〜50μmの幅を有するように構成されている、請求項79に記載の方法。
  89. 流路が1nm〜1μmの深さを有するように構成されている、請求項79に記載の方法。
  90. 第1の時間にわたって、流路における1つ以上の電気的特性値からなる第1のセットを監視し、第2の時間にわたって、流路における1つ以上の電気的特性値からなる第2のセットを監視すること;
    第1の時間の流路における前記1つ以上の値が平衡に達した後、第1のセットの値から電気的特性基準値を選択すること;および
    第2の時間の流路における前記1つ以上の値が平衡に達した後、第2のセットの値から電気的特性測定値を選択すること
    をさらに含む、請求項79に記載の方法。
  91. 流路に脱凝集剤を導入することによって流路を再使用可能にすることをさらに含み、
    該脱凝集剤が、銀イオンとTPEA2分子との間の相互作用によって流路内に形成された銀凝集物を分解させる、請求項79に記載の方法。
  92. 試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路にTPEA2分子を導入すること;
    流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
    流路に試料を導入すること;
    試料およびTPEA2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    TPEA2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  93. 試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
    流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
    流路にTPEA2分子を導入すること;
    試料およびTPEA2分子を流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    TPEA2分子および試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  94. 試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の内面の少なくとも一部をTPEA2分子でコーティングすること;
    TPEA2分子でコーティングした後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;ならびに
    流路に導入した試料中に銀イオンが存在するか否かの決定に使用するために流路の電気的特性基準値を保存すること
    を含む方法。
  95. 試料中の銀イオンの存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料およびTPEA2分子を導入すること;
    流路の長さに沿った第1の方向に、流路の長さの両端に第1の電位差を印加すること;
    第1の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第1の電気的特性値を測定すること;
    第1の方向とは逆の、流路の長さに沿った第2の方向に、流路の長さの両端に第2の電位差を印加すること;
    第2の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第2の電気的特性値を測定すること;
    第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とを比較すること;ならびに
    第1の電気的特性値と第2の電気的特性値との比較に基づいて、銀イオンが流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  96. 第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とが実質的に等しくない場合に銀イオンの存在が検出される、請求項95に記載の方法。
  97. 第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とが実質的に等しい場合に銀イオンの非存在が検出される、請求項95に記載の方法。
  98. 試料とTPEA2分子とを流路に同時に導入する、請求項95に記載の方法。
  99. 試料とTPEA2分子とを流路に順次導入する、請求項95に記載の方法。
  100. 流路の内面がTPEA2分子でコーティングされる、請求項95に記載の方法。
  101. 第1の電気的特性値および第2の電気的特性値が、流路の長さの少なくとも一部に沿って伝わった電流の値、または流路の長さの少なくとも一部に沿った電気伝導率の値に相当する、請求項95に記載の方法。
  102. 銀検出システムであって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極;ならびに
    第1の電極および第2の電極と電気通信する銀検出回路
    を含み;
    第1の電極および第2の電極が、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されて流路回路を形成すること;
    流路回路が電気的特性を有し、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在する場合に該電気伝導性流体によって流路回路の電気的特性が変化するように構成されていること;
    銀検出回路が、第1の電極および第2の電極と電気通信する測定回路を含むこと;
    測定回路が測定回路出力を有すること;
    測定回路出力が、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を含むこと;
    銀検出回路が、測定回路出力と電気通信するメモリを含み、該メモリが、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を保存するように構成されており、該1つ以上の値が流路回路の電気的特性の第1の値と流路回路の電気的特性の第2の値とを少なくとも含むこと;
    銀検出回路が、メモリと電気通信する比較回路をさらに含み、前記少なくとも第1の値および第2の値を入力として有すること;
    比較回路が、前記少なくとも第1の値および/または第2の値に少なくとも一部基づく比較回路出力を提供するように構成されていること;ならびに
    比較回路出力が、前記少なくとも1つの流路内に銀イオンが存在するか否かを示すこと
    を特徴とする銀検出システム。
  103. 銀検出システムであって、
    流体の流れを収容するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第1の末端において流体を導入するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第2の末端において流体を排出するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第1の末端と第2の末端の間で流体の電気的特性の第1の値および第2の値を検出するための手段;ならびに
    電気的特性の第1の値と第2の値の差に基づいて、流体中に銀イオンが存在するか否かを判定するための手段
    を含む銀検出システム。
  104. 試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
    流路に試料を導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って電気的特性値を測定すること;
    流路に試料を導入する前の流路の長さの少なくとも一部に沿った電気的特性に関連する電気的特性基準値にアクセスすること;
    電気的特性測定値と電気的特性基準値とを比較すること;ならびに
    電気的特性測定値と電気的特性基準値との比較に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  105. 流路に試料を導入する前に、流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;および
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて電気的特性基準値を決定すること
    をさらに含む、請求項104に記載の方法。
  106. 核酸プローブに共有結合する材料で流路の内面の少なくとも一部を修飾すること;および
    該流路の内面の少なくとも一部に核酸プローブを共有結合させること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  107. 電気的特性値を測定する前に流路に核酸プローブを導入することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
  108. 流路に試料を導入してから電気的特性測定値を検出するまでの間に、流路の長さの両端に電位差を印加することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
  109. 流路に核酸プローブを導入してから電気的特性基準値を検出するまでの間に、流路の長さの両端に電位差を印加することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
  110. 試料中に核酸が存在するか否かの指標を画像表示装置に表示させることをさらに含む、請求項104に記載の方法。
  111. 電気的特性値が、流路の長さの少なくとも一部に沿って伝わった電流の値、または流路の長さの少なくとも一部に沿った電気伝導率に相当する、請求項104に記載の方法。
  112. 流路が10nm〜10cmの長さを有するように構成されている、請求項104に記載の方法。
  113. 流路が1nm〜50μmの幅を有するように構成されている、請求項104に記載の方法。
  114. 流路が1nm〜1μmの深さを有するように構成されている、請求項104に記載の方法。
  115. 電気的特性測定値と第2の電気的特性基準値との差に基づいて、さらなる分析種が流路内に存在しているか否かを判定することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
  116. 第1の時間にわたって、流路における1つ以上の電気的特性値からなる第1のセットを監視し、第2の時間にわたって、流路における1つ以上の電気的特性値からなる第2のセットを監視すること;
    第1の時間の流路における前記1つ以上の値が平衡に達した後、第1のセットの値から電気的特性基準値を選択すること;および
    第2の時間の流路における前記1つ以上の値が平衡に達した後、第2のセットの値から電気的特性測定値を選択すること
    をさらに含む、請求項104に記載の方法。
  117. 測定された電気的特性値に基づいて、試料中の核酸の濃度を決定することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
  118. 測定された電気的特性値に基づいて、試料中のさらなる分析種の濃度に対する試料中の核酸の相対濃度を決定することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
  119. 流路に脱凝集剤を導入することによって流路を再使用可能にすることをさらに含み、
    該脱凝集剤が、核酸と核酸プローブとの間の相互作用によって流路内に形成された凝集物を分解させる、請求項104に記載の方法。
  120. 試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に核酸プローブを導入すること;
    流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
    流路に試料を導入すること;
    試料および核酸プローブを流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    核酸プローブおよび試料を流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  121. 試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料を導入すること;
    流路の長さの少なくとも一部に沿って流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;
    流路に1つ以上の核酸プローブを導入すること;
    試料および1つ以上の核酸プローブを流路に導入した後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    試料および1つ以上の核酸プローブを流路に導入した後に測定された1つ以上の電気的特性に基づいて、電気的特性値を決定すること;
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差を決定すること;ならびに
    流路の電気的特性基準値と電気的特性値との差に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  122. 試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路の内面の少なくとも一部を核酸プローブでコーティングすること;
    核酸プローブでコーティングした後、流路の長さの少なくとも一部に沿って、流路の1つ以上の電気的特性を測定すること;
    前記測定工程において測定された流路の1つ以上の電気的特性に基づいて流路の電気的特性基準値を決定すること;ならびに
    流路に導入した試料中に核酸が存在するか否かの決定に使用するために流路の電気的特性基準値を保存すること
    を含む方法。
  123. 試料中の核酸の存在または非存在を検出する方法であって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路に試料および1つ以上の核酸プローブを導入すること;
    流路の長さに沿った第1の方向に、流路の長さの両端に第1の電位差を印加すること;
    第1の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第1の電気的特性値を測定すること;
    第1の方向とは逆の、流路の長さに沿った第2の方向に、流路の長さの両端に第2の電位差を印加すること;
    第2の電位差を印加しつつ、流路の長さの少なくとも一部に沿って第2の電気的特性値を測定すること;
    第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とを比較すること;ならびに
    第1の電気的特性値と第2の電気的特性値との比較に基づいて、核酸が流路内に存在しているか否かを判定すること
    を含む方法。
  124. 第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とが実質的に等しくない場合に核酸の存在が検出される、請求項123に記載の方法。
  125. 第1の電気的特性値と第2の電気的特性値とが実質的に等しい場合に核酸の非存在が検出される、請求項123に記載の方法。
  126. 試料と1つ以上の核酸プローブとを流路に同時に導入する、請求項123に記載の方法。
  127. 試料と1つ以上の核酸プローブとを流路に順次導入する、請求項123に記載の方法。
  128. 流路の内面が、前記1つ以上の核酸プローブの少なくとも1つを共有結合させることによって修飾されている、請求項123に記載の方法。
  129. 第1の電気的特性値および第2の電気的特性値が、流路の長さの少なくとも一部に沿って伝わった電流の値、または流路の長さの少なくとも一部に沿った電気伝導率の値に相当する、請求項123に記載の方法。
  130. 核酸検出システムであって、
    長さおよび幅を有し、長さが幅よりも実質的に長い流路を少なくとも1つ有する基板;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部と流体連通している第1のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部と流体連通している第2のポート;
    前記少なくとも1つの流路の第1の端部に電気接続されている第1の電極;
    前記少なくとも1つの流路の第2の端部に電気接続されている第2の電極;ならびに
    第1の電極および第2の電極と電気通信する核酸検出回路
    を含み;
    第1の電極および第2の電極が、前記少なくとも1つの流路の第1の端部および第2の端部それぞれに電気接続されて流路回路を形成すること;
    流路回路が電気的特性を有し、前記少なくとも1つの流路内に電気伝導性流体が存在する場合に該電気伝導性流体によって流路回路の電気的特性が変化するように構成されていること;
    核酸検出回路が、第1の電極および第2の電極と電気通信する測定回路を含むこと;
    測定回路が測定回路出力を有すること;
    測定回路出力が、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を含むこと;
    核酸検出回路が、測定回路出力と電気通信するメモリを含み、該メモリが、流路回路の1つ以上の電気的特性を示す1つ以上の値を保存するように構成されており、該1つ以上の値が流路回路の電気的特性の第1の値と流路回路の電気的特性の第2の値とを少なくとも含むこと;
    核酸検出回路が、メモリと電気通信する比較回路をさらに含み、前記少なくとも第1の値および第2の値を入力として有すること;
    比較回路が、前記少なくとも第1の値および/または第2の値に少なくとも一部基づく比較回路出力を提供するように構成されていること;ならびに
    比較回路出力が、前記少なくとも1つの流路内に核酸が存在するか否かを示すこと
    を特徴とする核酸検出システム。
  131. 前記少なくとも1つの流路の内面の少なくとも一部が、核酸プローブに共有結合する材料で修飾されている、請求項130に記載の核酸検出システム。
  132. 核酸検出システムであって、
    流体の流れを収容するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第1の末端において流体を導入するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第2の末端において流体を排出するための手段;
    流体の流れを収容するための手段の第1の末端と第2の末端の間で流体の電気的特性の第1の値および第2の値を検出するための手段;ならびに
    電気的特性の第1の値と第2の値の差に基づいて、流体中に核酸が存在するか否かを判定するための手段
    を含む核酸検出システム。
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