JP2017533950A - カルムスチン医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、医薬用途に適した凍結乾燥カルムスチンの医薬製剤を提供する。本発明はさらに、凍結乾燥カルムスチンを製造する方法を提供する。本医薬製剤は、腫瘍などの、カルムスチンによる治療に対して感受性が高い任意の疾患に用いることができる。

Description

本発明は、腫瘍および自己免疫疾患などの様々な疾患の治療のための医薬組成物に関する。特に、本発明は、カルムスチンなどのナイトロジェンマスタードを含む医薬製剤に関する。
ナイトロジェンマスタードは、腫瘍および自己免疫疾患などの様々な疾患の治療のための細胞傷害性化学療法剤である。ナイトロジェンマスタードは、水溶液でのその高い反応性のために、医薬品として製剤化することは困難であり、多くの場合、投与のためには熟練した病院職員による投与前の再構成を必要とする凍結乾燥形で供給される。ナイトロジェンマスタードは水溶液中で分解しやすい。したがって、この生成物は、再構成後に速やかに患者に投与されなければならない。
カルムスチンはナイトロジェンマスタードの1種である。これは、特に、特定の腫瘍の化学療法に有用なβ−クロロニトロソウレア化合物の1つである。カルムスチンは、1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソウレアという化学名を有し、分子量は214.06であり、以下の構造(式I)を有する。
Figure 2017533950
カルムスチンは、2つのアルキル化基を提供してもよいためジアルキル化剤とも呼ばれる。カルムスチンは、第三級ブタノール(別名2−メチルプロパン−2−オール、tert−ブタノール、t−ブタノール、t−ブチルアルコールまたはTBA)、ジクロロメタンおよびエーテルなどのアルコールに溶解性が大変高く、水には、溶解性は4mg/mLで、わずかに溶ける。カルムスチンは、水中、pH6より上で容易に加水分解される。カルムスチンは、1.53のLog P値を有する。その抗新生物活性は、主に、DNA、RNA、ミトコンドリアグルタチオン還元酵素およびシトクロムP450酵素に対するその作用による。
カルムスチンは、BiCNU(登録商標)という商品名で注射用滅菌凍結乾燥粉末として市販されている。BiCNU(登録商標)(カルムスチン注射用)は、脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病および非ホジキンリンパ腫(NHL)に必要とされる。このカルムスチン凍結乾燥投与製剤は、一般的には、保存薬を含まず、複数回量バイアルとしての使用を目的としない。BiCNU(登録商標)(カルムスチン注射用)は、各バイアルにカルムスチン凍結乾燥粉末を100mg含む単回投与バイアルで入手可能である。BiCNU(登録商標)(カルムスチン注射用)の構成のための滅菌希釈剤は、凍結乾燥物の構成に使用するための活性医薬品(すなわち凍結乾燥カルムスチン)に同時パッケージングされる。凍結乾燥カルムスチンは、淡黄色乾燥フレークまたは乾燥凝結塊の外観を有する。注射の前に、この凍結乾燥カルムスチンは、エタノールを含む希釈剤で再構成され、この溶液は水でさらに希釈される。この再構成によって、透明で、無色から黄色がかった溶液が得られるが、これは5%デキストロース注射液(USP)でさらに希釈してもよい。
カルムスチンは、30.5℃〜32.0℃という低融点を有し、この温度以上へのカルムスチンの暴露によってこの薬物は液化し、そのバイアルには油膜が発生する。これは分解のサインであるとしてもよく、バイアルは廃棄される必要があるとしてもよい。したがって、カルムスチンは、一般的には、シールバイアル中、2〜8℃で保存される。未開封のBiCNU(登録商標)バイアルは、3年まで安定した生成物を提供するとしてもよい。再構成後、BiCNU(登録商標)は、2〜8℃の冷蔵下で24時間安定である。再構成されたバイアルは、使用前に、結晶生成を検査しなければならない。結晶が観察される場合、そのバイアルを撹拌しながら室温まで加温することによってその結晶を再溶解してもよい。
カルムスチンの製剤、薬学的に許容されるその塩および/またはそれらの組成物は先行技術に開示されている。たとえば、Flambergらは、エタノールを唯一の溶媒とするエタノール溶液から滅菌カルムスチンを調製するための低温真空乾燥プロセスを開示している(Flamberg et al., Low temperature vacuum drying of sterile parenterals from ethanol, Bulletin of Parenteral Drug Assoc. 1970 Sep−Oct. 24 (5):209−17)。この論文に記載されている生成物の性質は、市販品BiCNU(登録商標)として現在市販されているものの性質とよく似ている。
市販品BiCNU(登録商標)の製造方法における問題点の1つは、ガラス容器に沈着する凍結乾燥カルムスチンが、ガラス容器の頸状部にまで到達する傾向があるということである。その結果、凍結乾燥チャンバにおいて、オペレーターへの薬物暴露のリスク、生成物の潜在的損失および効力の潜在的損失が存在する。市販品BiCNU(登録商標)はまた、該生成物に存在する望ましくない微粒子物質の徴候、溶融の徴候または液化の徴候を示す場合もある。
改善された確固としたカルムスチン製剤化プロセスが必要とされている。現在市販されているカルムスチンの凍結乾燥粉末よりも、質の良い粉末ケーキ、改善された安定性および改善された不純物プロファイルを生じるカルムスチンの凍結乾燥製剤もまた必要とされている。
本発明は、凍結乾燥に適したカルムスチンの安定した医薬組成物および、様々な腫瘍の治療に有用な凍結乾燥カルムスチン製剤に関する。
一側面において、本発明は、t−ブタノール中にカルムスチンを含む新規医薬組成物を提供する。医薬組成物のいくつかの実施形態において、t−ブタノールは、約5%(v/v)〜約100%(v/v)の濃度で存在する。医薬組成物は、約3〜約400mg/mL、好ましくは約10〜約200mg/mL、より好ましくは約25〜約150mg/mL、よりさらに好ましくは約50〜約100mg/mLの濃度のカルムスチンを含んでいてもよい。
医薬組成物は、1以上の他のアルコールをさらに含んでいてもよい。適切なアルコールは、限定するものではないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールを含む。
他の側面において、本発明は、アルコール中にカルムスチンを含む新規医薬組成物であって、前記アルコールが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする前記医薬組成物を提供する。
アルコール溶液のカルムスチン医薬組成物は、改善された不純物および安定性プロフィールを有する凍結乾燥カルムスチンを製造するための凍結乾燥に特に適している。この文脈において、医薬組成物は凍結乾燥前組成物である。いくつかの実施形態によれば、カルムスチン組成物は、調製後、時間ゼロにおいて、カルムスチンの分解産物である1,3−ビス(2−クロロエチル)尿素を、約0.3%以下、より好ましくは約0.2%以下、よりさらに好ましくは約0.1%以下含む。
本願において、1,3−ビス(2−クロロエチル)尿素は、カルムスチン関連物質A(「RS A」)と呼ばれる。これは、式IIで示される以下の化学構造を有する。
Figure 2017533950
他の側面において、本発明は、凍結乾燥用カルムスチン医薬溶液を調製する方法を提供する。本発明は、さらに、カルムスチンの分解不純物のレベルを抑制する凍結乾燥医薬組成物を製造する新規凍結乾燥プロセスを提供する。最終生成物におけるカルムスチン総不純物は、既知および未知の総不純物の約1.0%未満である。
凍結乾燥プロセスは、アルコールまたはアルコール混合物にカルムスチンを溶解し、このカルムスチン溶液を冷凍し、一次凍結乾燥温度で凍結乾燥することによってアルコールまたはアルコール混合物を除去し、任意選択で、一次凍結乾燥温度より上の温度で二次凍結乾燥して、凍結乾燥医薬組成物を得る工程であって、アルコールまたはアルコール混合物がt−ブタノールを含むことを特徴とする前記工程を含む。得られた凍結乾燥カルムスチンは、改善されたケーキの外観を有していてもよい。
凍結乾燥プロセスに用いられるアルコール混合物は、t−ブタノールと、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールからなる群から選択される他のアルコールとの混合物であってもよい。
さらに他の側面において、本発明は、それを必要とする患者を治療する方法であって、凍結乾燥カルムスチン組成物を水溶液に再構成し、続いて得られた溶液を任意選択で希釈し、このカルムスチン水性溶液の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与する工程を含む前記方法を提供する。それを必要とする患者は、脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病および非ホジキンリンパ腫(NHL)を患っていてもよい。
発明の詳細な説明
本発明は、カルムスチンの、安定した、薬学的に許容される組成物を提供する。特に、本発明は、カルムスチンの凍結乾燥用製剤を提供する。このような製剤から得られる凍結乾燥粉末は、現在入手可能なカルムスチンの凍結乾燥粉末よりもより容易に再構成される。さらにまた、本発明の凍結乾燥品は、特定の不純物、特に、再構成前、凍結乾燥品の貯蔵後または再構成後の1,3−ビス(2−クロロエチル)尿素(RS A)に関しては、BiCNU(登録商標)よりも優れた不純物プロファイルを有する。本発明はさらに、腫瘍の治療に有用なカルムスチン製剤を提供する。本明細書に記載の製剤は、単独で、またはさらなる抗新生物剤および/または放射線治療と組み合わせて投与することができる。
本明細書に記載されるように、カルムスチンの凍結乾燥製剤は、凍結乾燥用カルムスチン医薬組成物(すなわち凍結乾燥前組成物)における有機溶媒(単数または複数)を除去することによって得られる。凍結乾燥用医薬組成物は、有機溶媒(単数または複数)に溶解したカルムスチンを含む。カルムスチンが高い溶解性を有し、カルムスチン濃厚液が得られるような有機溶媒を選択することが好ましい。カルムスチン溶液から、たとえば、凍結乾燥または真空乾燥によって、溶媒が容易に除去できることもまた好ましい。この溶液は、約3〜約400mg/mL、好ましくは約10〜約200mg/mL、より好ましくは約25〜約150mg/mL、よりさらに好ましくは約50〜約100mg/mLの濃度でカルムスチンを含む。
用語「凍結乾燥(lyophilization)」(フリーズドライ[freeze−drying]、lyophilisationまたはcryodesiccationとしても知られている)は、水および/または他の溶媒を含む物質を冷凍し、次いで周囲の圧力を低下させて、その物質中の凍結した水および/または他の溶媒を、その固相から気相へ直接的に昇華させることによって、水または他の溶媒を除去するプロセスを意味する。
凍結乾燥前医薬組成物を調製するための最も適切な溶媒系の1つは、100:0(v/v)〜5:95(v/v)、好ましくは90:10(v/v)の割合のtert−ブタノール:脱水アルコールであり、ここで脱水アルコールはtert−ブタノール以外のアルコールである。脱水アルコールは無水アルコールを意味する。医薬品グレードの無水エタノールもまた、脱水エタノールと呼んでもよい。本発明に用いられるtert−ブタノールは、好ましくは無水である。すなわち、tert−ブタノール:脱水アルコールが100:0の容積比である場合、このtert−ブタノールは100容量%であり、tert−ブタノール:脱水アルコールが95:5の容積比である場合、このtert−ブタノールは95容量%である。用語「v/v%」は、溶液の全容量における溶質の容量を意味する。当業者には明らかなように、その溶質が時により液体である場合、その濃度を容量/容量パーセント(v/v%)で表示するのが便利である。v/v%の算出法は、
Figure 2017533950
である。
他の溶媒もまた、医薬組成物の凍結乾燥前に用いてもよい。適切な溶媒は、その溶媒中でカルムスチンが比較的安定であり、活性医薬成分(すなわち「API」、この場合はカルムスチン)を顕著には分解または不活化しない溶媒である。このような溶媒には、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、炭酸ジメチル、アセトニトリル ジクロロメタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、1−ペンタノール、酢酸メチル、メタノール、四塩化炭素、ジメチルスルホキシド、ヘキサフルオロアセトン、クロロブタノール、ジメチルスルホン、酢酸およびシクロヘキサンが含まれていてもよい。上記溶媒は、個々に用いられてもよく、組み合わせで用いられてもよい。
凍結乾燥前溶液には、1以上の薬学的に許容される賦形剤を存在させることができる。本発明に用いてもよい賦形剤の例は、限定するものではないが、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、グリシンならびに、ラクトース、ショ糖、マルトース、マンニトール、グリセリン、デキストロース、デキストラン、トレハロースおよびヘタスターチなどの炭水化物を含む。用いてもよい他の賦形剤は、限定するものではないが、アスコルビン酸、アセチルシステイン、システイン、チオグリセロール 亜硫酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、α−酢酸トコフェロールおよびキレート化剤などの抗酸化物質を含む。
凍結乾燥は、凍結乾燥または真空乾燥のための標準的装置を用いて行ってもよい。凍結乾燥サイクルは、用いる装置および設備によって異なっていてもよい。
一般に、薬学的に許容される混合容器中で、凍結乾燥前アルコール性溶液または分散体が最初に製剤化される。この溶液は、無菌的に滅菌容器に濾過され、バイアルに充填され、半打栓され、凍結乾燥機(すなわち凍結乾燥装置)にローディングされる。バイアル中の湿度が約0.1〜約8.0%に到達するまで、溶媒または溶媒混合物が凍結乾燥される。得られた凍結乾燥粉末(すなわち凍結乾燥物)は、約2℃〜約8℃で3年間までは安定である。この凍結乾燥物は、投与(たとえば非経口注射)に適したカルムスチン液剤を提供するために、希釈剤または他の適切な担体で容易に再構成されてもよい。
凍結乾燥前溶液または分散体は、1)周囲温度でアルコール(たとえば最終総容量の約10%)、好ましくは脱水アルコールにカルムスチンを溶解/分散し、2)室温、好ましくは約25℃で共溶媒、好ましくはアルコール、最も好ましくはTBAを最終容量になるまで添加してよく混合し、3)約1℃〜約8℃、好ましくは約5℃にこの溶液を冷却する、ことによって製剤化してもよい。前述の工程は特定の順序で記載されているが、必要に応じてこれらの工程の順序および各成分の量を変更してもよいことは、当業者には明らかであろう。
凍結乾燥前溶液は、凍結乾燥前に滅菌してもよい。滅菌は、たとえば0.22μのフィルターを用いる無菌濾過によって行ってもよい。複数の滅菌フィルターを用いてもよい。
滅菌後、この溶液は凍結乾燥の準備が整っている。濾過されたこの溶液を滅菌受け入れ容器に入れ、次いでこの製剤を凍結乾燥するための任意の適切な容器に移す。この製剤はまた、この生成物が最終的に梱包され販売される、たとえばバイアルなどの容器中で凍結乾燥してもよい。
凍結乾燥前溶液の凍結乾燥に使用するための典型的な手順を以下に示す。しかしながら、凍結乾燥前溶液、凍結乾燥装置および凍結乾燥パラメータなどの要素に応じて手順またはプロセスを改変してもよいことは、当業者には明らかであろう。
初めに、凍結乾燥前溶液を凍結乾燥チャンバに入れ、この凍結乾燥前溶液の凝固点をはるかに下回る温度で数時間冷却する。好ましくは、温度は約−60℃以下であり、少なくとも2時間維持する。凍結乾燥前溶液が十分に凍結した後、チャンバおよび冷却器を真空ポンプで排気する。真空排気の前に、循環冷却剤によって冷却器表面を前もって冷却しておく。好ましくは、冷却器は、溶媒(単数または複数)の凝固点より低く、好ましくは約−40℃、より好ましくは約−50℃以下、よりさらに好ましくは約−60℃以下に冷却する。さらに、チャンバの排気は、圧力が約75〜約1600mT、好ましくは約75〜約900mT、よりさらに好ましくは約100〜約500mTになるまで続ける。
次いで、凍結生成物(すなわち凍結された凍結乾燥前組成物)を、チャンバおよび冷却器中、減圧下で加温する。通例、これは、凍結乾燥プロセスにおいて凍結生成物を載せる凍結乾燥機内の棚を加温することによって行う。この加温プロセスは、最適には、数時間にわたって大変徐々に行う。たとえば、この生成物の温度は、初めに約−50℃から約10℃に増加させ、約5〜約70時間維持してもよい。さらに、必要に応じて、この生成物の温度を、さらに、約1〜約100時間にわたって、冷凍温度から約10℃〜約40℃まで増加してもよい。凍結乾燥ケーキの破壊およびこの生成物を含むバイアルからのこの生成物の減損を防ぐために、有機溶媒(単数または複数)の完全除去は、好ましくは、最初の乾燥フェーズ中に行う。真空度、冷却器温度および生成物棚温度が安定した時に、完全乾燥を示してもよい。最初の乾燥後に、生成物温度を約10℃〜約40℃に増加させ、約5〜約40時間維持してもよい。
乾燥サイクルが完了すれば、滅菌、乾燥した窒素ガスまたは他の不活性ガスを導入することによって、大気圧(またはわずかにそれを下回る)まで徐々にチャンバ圧力を増加させることができる。生成物組成物がバイアルなどの容器中で凍結乾燥されている場合、そのバイアルに栓をつけ、取り出し、シールしてもよい。
バイアル入り凍結乾燥カルムスチン組成物は、医薬剤形として市販してもよい。本発明の医薬剤形は、一般的にはバイアル入りであるが、それらが無菌環境を維持することができる限り、アンプル、シリンジ、共バイアル(co−vial)などの任意の適切な容器に入れてもよい。このような容器は、その容器材料がカルムスチンと反応しない限り、ガラス製またはプラスチック製であってもよい。蓋は、一般的には栓であり、好ましくは密封シールすることができる滅菌ゴム栓である。
カルムスチンが大きな容器で凍結乾燥される場合、この凍結乾燥カルムスチン粉末を、凍結乾燥の完了後に、バイアルなどの容器に充填してもよい。本発明の凍結乾燥製剤は、投与のためのカルムスチンの適切な溶液を提供するために、脱水アルコールまたは他の滅菌液体などの滅菌希釈剤で再構成してもよい。あるいは、この溶液は、最終投与溶液を調製するために、水、生理食塩水などでさらに希釈される。
実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
A.溶解性
TBAおよび脱水エタノールなどのアルコール溶媒へのカルムスチンの溶解性を行い、記録した。カルムスチンの溶解性は、室温で1mLの溶媒にカルムスチンの固体試料の少量のアリコートを添加することによって視覚的に決定した。得られたカルムスチンの溶解性は、TBAおよび脱水エタノールのそれぞれにおいて、室温でmLあたり1gを超える。したがって、TBAおよび脱水エタノールの両方において、カルムスチンは大変溶解性が高く、その飽和限度は作用濃度よりかなり上である。凍結乾燥前溶液を約2〜約8℃で保存した時、そのどちらの溶液も沈殿の徴候を示さなかった。
B.安定性
カルムスチンのTBA溶液または脱水エタノール溶液の安定性を試験した。これらのカルムスチン溶液は、どちらの溶媒においても、室温貯蔵で少なくとも24時間安定であった。
C.凍結乾燥サイクルの創出
様々な濃度のカルムスチンアルコール溶液で種々の凍結乾燥前製剤を調製した。種々の凍結乾燥サイクルを創出した。
溶解性および安定性試験から得られた情報および凍結乾燥の容易さに関する情報に基づいて、本発明の凍結乾燥前組成物の好ましい一実施形態は以下の製剤を有する。
Figure 2017533950
上記製剤におけるアルコールは、メタノール、エタノール、脱水エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノールから選択されてもよい。
上記の凍結乾燥前組成物を以下のように調製した。カルムスチンの必要量を計量し、適切な容器に移した。一定分量の脱水アルコールを添加し、15分間撹拌することによって、このカルムスチンを溶解した。透明な黄色溶液が得られた後、TBAを用いてこの溶液を必要量に希釈し、よく混合した。得られた溶液を0.22μのフィルターを用いて濾過し、バイアルに充填するまで2〜8℃または周囲温度で保存した。
凍結乾燥前組成物の他の好ましい一実施形態は、以下の製剤を有する。
Figure 2017533950
上記製剤におけるアルコールは、メタノール、エタノール、t−ブタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノールおよびそれらの混合物から選択されてもよい。
上記の凍結乾燥前組成物を以下のように調製した。カルムスチンの必要量を計量し、適切な容器に移した。必要量の脱水アルコールを添加し、よく混合されるまで撹拌することによって、このカルムスチンを溶解した。得られた溶液を0.22μのフィルターを用いて濾過し、バイアルに充填するまで2〜8℃または周囲温度で保存した。
凍結乾燥前組成物のさらに好ましい一実施形態は、以下の製剤を有する。
Figure 2017533950
上記凍結乾燥前組成物が液体形であることを確実にするためにt−ブタノールが少し加温されることを必要としてもよいということを除いて、カルムスチンおよびアルコールを含む組成物に関して記載したものと同様に調製した。しかしながら、TBAおよび溶液の温度は、カルムスチンの分解を引き起こすほど高くしてはならない。透明な黄色溶液が得られた後、0.22μのフィルターを用いてそれを濾過し、バイアルに充填するまで2〜8℃または周囲温度で保存した。
D.溶媒の選択
適切な溶媒比を選択するために、種々の割合でTBAとエタノールとを混合し、結晶化を観察した。TBA:アルコールの割合が98:2および95:5からなる2つの1mL溶液をそれぞれ調製し、この溶液を20℃、10℃、8℃および2℃の各温度で2時間放置した。観察された結果を以下の表形式で示す。
Figure 2017533950
t−ブチルアルコールは、25℃より少し上の融点を有する。したがって、t−ブチルアルコールは、周囲温度に応じて、透明な液体であってもよく無色の固体であってもよい。t−ブチルアルコールは、水に溶解性が大変高く、エタノールとジエチルエーテルとに混和性である。t−ブタノールは、物質から水を除去するのに有用である。t−ブタノールは、エタノールの認可された変性剤である。上記の表から、t−ブタノールの凝固点(25℃より少し上)は、アルコールの添加によって降下する。
カルムスチンの有り無しでの、TBAとアルコールとの混合物およびTBAと水との混合物を調製し、それらの凝固点を求めた。この混合物をそれぞれ1mL調製し、その凝固点温度を測定した。観察された結果を以下の表に示す。
Figure 2017533950
上記の表は、水またはアルコールの添加がTBAの凝固点を降下させるが、カルムスチンの添加が、溶媒混合物に含まれるTBAの凝固点を0℃超まで顕著に上昇させることを示している。
実施例1:溶解性および溶液安定性
TBAおよび他のアルコール中でのカルムスチン溶解性試験を、前記の手順に従って行った。
溶液安定性試験のために、アルコール:t−ブタノール(10:90)の溶媒混合物中にカルムスチン濃度100mg/mLで薬物溶液を調製した。ここでアルコールはエタノールである。この薬物溶液を密閉したステンレススチール316容器中、室温に維持した。2〜8℃、30時間までの安定性について、この溶液を試験した。この溶液は、試験期間にわたって許容しうる安定性を示した。この試験の結果を表1に示す。この結果は、凍結乾燥前溶液が大変安定であることを示している。調製後ゼロ時点において、この溶液は0.1%未満のRS A不純物レベルを有する。2〜8℃で30時間の貯蔵後でもなお、RS A不純物レベルは0.1%未満である。
Figure 2017533950
実施例2:製剤の最適化および凍結乾燥サイクルの創出
実施例2−A
前記の手順に従ってカルムスチンアルコール溶液を調製した。この溶液を−40℃〜−20℃で凍結し、次いでこれを、一次乾燥において−30℃〜約0℃、二次乾燥において約5℃〜約20℃で、凍結乾燥チャンバを約250mT〜50mTの圧力に排気することによって減圧下で乾燥した。このプロセスにおいて液体がすべて昇華し、凍結乾燥サイクル終了時には、空のバイアルのみが得られた。
実施例2−B
この凍結乾燥プロセスには、実施例2−Aとは異なる乾燥アプローチを用いた。一次乾燥は、500mTまでの真空圧力下、実施例2−Aより5℃高い温度で行った。このプロセスもまた成功ではなかった。このプロセスによって、空のバイアルが生じるか、またはバイアルの底に薄いフィルムを有するバイアルがほんの少ししかないかだった。
実施例2−C
この凍結乾燥プロセスは、圧力が上限(約900mT)までにセットされること以外は実施例2−Bと同様であった。すべての他のパラメータは、実施例2−Aのパラメータと同様であった。すなわち、冷凍温度は約−40℃〜−20℃であり、一次乾燥は−30℃〜約0℃で行い、二次乾燥は約5℃〜約20℃で行った。凍結乾燥サイクル終了時に、すべてのバイアルは、バイアル内部に液体飛沫を含んでいた。
実施例2−D
アルコール溶媒で凍結乾燥前溶液を調製し、凍結した。乾燥プロセスの間、凍結生成物を−60℃に4〜10時間維持し、次いで、バイアル内に乾燥塊が形成されるまで(8〜48時間後)、チャンバを減圧しながら約−55℃〜約−45℃の温度まで加温した。この凍結乾燥プロセスに用いた凍結乾燥前溶液は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびn−ブタノールなどの単一アルコール溶媒、より好ましくは、それらの脱水アルコールで調製した。脱水エタノールを用いたとき、このプロセスによって、ガラスバイアルの底および側壁に、許容されるが理想的とはいえない乾燥塊が生じた。
実施例2−Dの記載に従って調製した凍結乾燥カルムスチン製剤の分析結果を表2に示す。
Figure 2017533950
表2は、脱水アルコールのみを有する凍結乾燥前製剤から調製されたカルムスチン凍結乾燥物が許容される不純物プロファイルを有していることを示している。試験2において、再構成後時間ゼロでわずかに0.03%のRS Aが観察された。
実施例2−E
実施例2−Eにおいて、凍結乾燥前組成物はTBAとのアルコール溶媒混合物を用いて調製された。凍結乾燥前組成物を凍結乾燥するために、実施例2−Dと同じ凍結乾燥手順を用いた。しかしながら、得られた凍結乾燥物は完全には乾燥されておらず、また室温で融解した。
実施例2−F
この凍結乾燥プロセスにおいて、カルムスチン溶液はTBAと無水エタノール(別名脱水アルコール)との混合物である。カルムスチン溶液は、−40℃より低く、より好ましくは−50℃以下の温度で凍結させた。次いで、この凍結生成物を、約−45℃〜−30℃の一次乾燥温度、約−10℃〜25℃の二次乾燥温度で、900mTの圧力を用いて乾燥した。意外にも、このプロセスは、すべてのバイアルにおいて、優れた品質および均一性を有する凍結乾燥ケーキを生じる。
実施例2−Fの凍結乾燥物の分析試験結果が表3に示されており、脱水アルコール(たとえばエタノール):TBA(10:90)の溶媒混合物を有する凍結乾燥前製剤から調製したカルムスチン凍結乾燥物は、25℃/60%RHでの1ヶ月の貯蔵後であっても、優れた不純物プロファイルを示したことを表3は示す。再構成後ゼロ時点において、凍結乾燥カルムスチン製剤は0.1%未満のRS A不純物レベルを有している。25℃/60%RHでの1ヶ月の貯蔵後において、RS A不純物レベルおよび総不純物レベルはともに0.2%未満であった。
Figure 2017533950
上記実施例に加えて、唯一の溶媒として純粋なt−ブタノールでカルムスチン組成物もまた調製し、凍結乾燥した。100%ブタノール(v/v)でのカルムスチン組成物の凝固点温度は−30℃より低く、好ましくは約−60℃より低い。次いで、減圧下、−30℃より高く、好ましくは約0℃の温度でt−ブタノールを除去した。任意選択で、約10℃〜25℃の二次乾燥温度を用いて、凍結した固体をさらに乾燥(すなわちブタノールをさらに除去する)してもよい。
以下の表4に分析試験結果をまとめる。
Figure 2017533950
実施例3:凍結乾燥サイクル
カルムスチンの必要量を計量し、容器に移した。このAPIを所定量の溶媒に溶解し、15分間撹拌した。透明な黄色溶液が得られた後、この溶液をTBAで最終容量まで希釈し、よく混合した。この溶媒は、脱水アルコールが約5%〜約99%(v/v)、より好ましくは約5%〜約50%(v/v)、よりさらに好ましくは約5%〜約15%(v/v)であり、残りのパーセントがTBAで構成されたものであってもよい。この溶液を0.22μ以下のフィルターで濾過し、それをバイアルに充填するまで2〜8℃で保存した。この溶液を約−60℃で凍結し、約2時間〜40時間維持した。一試験において、棚を約−55℃に加温しながら、凍結乾燥チャンバを900Mtの圧力まで排気した。その固体を8〜72時間維持し、次いでさらに、約20℃で約4〜72時間二次乾燥した。本明細書に記載の手順に従ってさらなる試験を行った。これらの試験において、一次乾燥に用いた圧力、温度および、任意選択で二次乾燥に用いた圧力、温度は多様にした。
表5は、種々のサイクルパラメータを用いたときの、カルムスチン注射用100mgの脱水アルコール:TBA(10:90)溶液の試験結果を示す。
Figure 2017533950
一次乾燥温度が−55〜−32℃であり、任意選択での二次乾燥温度が0〜25℃である、実施例3に記載の凍結乾燥プロセスにおいて、得られた凍結乾燥カルムスチン製剤は優れた不純物プロファイルを有しているということを表5は示している。
本発明は、そのより広い側面において、特定の詳細、代表的組成物、方法およびプロセスならびに好ましい実施形態および好ましい方法と関連して記載された具体例に限定されないことに留意すべきである。改変および等価物は当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に含まれる。

Claims (20)

  1. カルムスチンおよびt−ブタノールを含む凍結乾燥用医薬製剤であって、t−ブタノールが約5%(v/v)〜100%(v/v)存在することを特徴とする、医薬製剤。
  2. 前記カルムスチンが、約3mg/mL〜約400mg/mLの濃度で存在することを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
  3. 前記カルムスチンが、約50mg/mL〜約100mg/mLの濃度で存在することを特徴とする、請求項2に記載の医薬製剤。
  4. メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールからなる群から選択される少なくとも1以上のアルコールをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
  5. 前記少なくとも1以上のアルコールが脱水アルコールであり、t−ブタノールと前記脱水アルコールとが90:10(v/v)の割合であることを特徴とする、請求項4に記載の医薬製剤。
  6. 前記少なくとも1以上のアルコールが脱水エチルアルコールであることを特徴とする、請求項5に記載の医薬製剤。
  7. 前記医薬組成物が、約30時間、2〜8℃の温度に維持された後、約0.1%以下の1,3−ビス(2−クロロエチル)尿素を含むことを特徴とする、請求項6に記載の医薬製剤。
  8. 請求項1に記載の医薬製剤の凍結乾燥によって調製される凍結乾燥医薬組成物。
  9. 請求項2に記載の医薬製剤の凍結乾燥によって調製される凍結乾燥医薬組成物。
  10. 請求項5に記載の医薬製剤の凍結乾燥によって調製される凍結乾燥医薬組成物。
  11. 前記凍結乾燥医薬組成物が、時間ゼロにおいて、約0.1%以下の1,3−ビス(2−クロロエチル)尿素を含むことを特徴とする、請求項10に記載の凍結乾燥医薬組成物。
  12. 前記凍結乾燥医薬組成物が、約1ヶ月間、温度約25℃、相対湿度60%に維持された後、約0.2%以下の1,3−ビス(2−クロロエチル)尿素を含むことを特徴とする、請求項10に記載の凍結乾燥医薬組成物。
  13. 前記凍結乾燥医薬組成物が、約1ヶ月間、温度約25℃、相対湿度60%に維持された後、約0.3%以下の総不純物を含むことを特徴とする、請求項10に記載の凍結乾燥医薬組成物。
  14. 凍結乾燥医薬組成物を調製するプロセスであって、少なくとも1つのアルコールにカルムスチンを溶解して溶液を得、前記溶液を冷凍し、一次凍結乾燥温度での凍結乾燥および、任意選択による二次凍結乾燥温度での二次乾燥による前記少なくとも1つのアルコールを除去する工程を含む前記プロセスにおいて、前記二次凍結器乾燥温度が、前記一次凍結乾燥温度よりも高いことを特徴とする、プロセス。
  15. 前記少なくとも1つのアルコールがt−ブタノールを含み、t−ブタノールが5%(v/v)〜100%(v/v)存在することを特徴とする、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記少なくとも1つのアルコールが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールおよびブタノールからなる群から選択される第2アルコールをさらに含み、カルムスチンが、前記第2アルコールに溶解されて、t−ブタノールが添加される前に最初に溶液を形成することを特徴とする、請求項15に記載のプロセス。
  17. t−ブタノールおよび前記第2アルコールが、90:10(v/v)の割合で存在することを特徴とする、請求項16に記載のプロセス。
  18. 前記溶液冷凍工程が、約−50℃以下の温度で行われ、約2時間を超えて維持され、前記一次乾燥工程が、約−45℃〜約−30℃の温度で行われ、前記二次乾燥工程が、約−10℃〜約25℃の温度で行われることを特徴とする、請求項14に記載の凍結乾燥医薬組成物を調製するプロセス。
  19. 腫瘍を患っている患者を治療する方法であって、請求項8に記載の凍結乾燥医薬組成物を再構成してカルムスチン水性溶液を調製し、前記カルムスチン水性溶液の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
  20. 前記腫瘍が、脳腫瘍、多発性骨髄腫、ホジキン病または非ホジキンリンパ腫であることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
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