JP2017532990A - 詰め物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
詰め物(4)及びその製造方法が開示されており、詰め物(4)は微多孔質ポリマーで形成された枝(402)幹(401)構造体を備え、枝幹構造体は、幹(401)とその幹(401)から裂けることによって形成される複数の枝(402)を有する。本発明の詰め物(4)は、複数回の水洗の後でも、凝集及び絡み合いなどの顕著な現象なしに、分散した詰め物状態を維持することができる。【選択図】図1
Description
(技術分野)
本発明は、詰め物材料、具体的には、詰め物及びその製造方法に関する。
本発明は、詰め物材料、具体的には、詰め物及びその製造方法に関する。
(背景技術)
ダウン、羽毛、及び他のバルク状の獣毛など天然の保温材料が、衣類、寝具製品、寝袋等の分野で詰め物用及び/又は保温用材料としてしばしば使用される。それと同時に、この技術分野の研究者らは、模造ダウン及び模造羽毛の様々な合成材料の探求も続けている。
ダウン、羽毛、及び他のバルク状の獣毛など天然の保温材料が、衣類、寝具製品、寝袋等の分野で詰め物用及び/又は保温用材料としてしばしば使用される。それと同時に、この技術分野の研究者らは、模造ダウン及び模造羽毛の様々な合成材料の探求も続けている。
通常使用されている詰め物用及び/又は保温用合成材料としては、繊維クラスタ型と繊維ボール型が挙げられる。繊維クラスタ型材料は、一般に、繊維綿状材料を細断して繊維クラスタに形成することによって製造され、次に、詰めるために一定の重量の繊維クラスタを掴んで、詰め物用及び/又は保温用材料を製作する。一方、繊維ボール型材料は、まず、短繊維を混打綿し、次に、何らかの方法で繊維を相互に巻き付き合わせるか、又は、繊維に結合点を有する繊維ボールを形成させることによって製造される。
既存の保温用詰め物材料の例としては、例えば、米国特許第6329052号は、綿毛の断熱材を開示しており、明細書の記載によると、その断熱材は、切断後の短繊維クラスタを形成する繊維バットを有し、その繊維クラスタは撥水加工又はシリコーン処理された繊維、粘着性繊維、又は従来の乾燥繊維を含んでもよい。
中国特許出願公開第1966789号は、ポリエステル繊維詰め物材料を開示しており、その明細書の記載によると、その詰め物材料は、従来の中空ポリエステル短繊維を超微細超高中空ポリエステル短繊維と混合することによって得られ、混打綿、混綿、カーディング、次いで、スエードのエアブロー(air blowing of suede)に供される。
中国特許出願公開第101166689号は、詰め物材料を開示しており、明細書の記載によれば、その詰め物材料は、0.5〜2.5dtexの平均サイズを有し、平滑剤でコーティングされ、両端捲縮されたポリエステル繊維を含み、その繊維は4〜15mmの平均長さを有するように切断され、混打綿にかけられる。
米国特許第4618531は、ポリエステル繊維詰め物を開示しており、その明細書の記載によれば、その詰め物は、螺旋状及びランダムに巻かれた繊維ボールを有する。
中国特許出願公開第87107757号は、ポリエステル繊維詰め物を開示しており、その明細書によれば、その詰め物は、結合繊維と複雑に配列され絡み合って繊維ボールを形成する、螺旋状に捲縮したポリエステル繊維詰め物を有する。
米国特許第7261936B2号は断熱材料を開示しており、その明細書によると、その断熱材料は、ブローされた形状の構造を有し、フィラメントの一方の端部で一体に融合され、反対側の端部は開放されている「シャトルコック」に似た、複数のフィラメントで構成される。
繊維クラスタは、一定の嵩高性及び圧縮性を有するが、相当量の繊維が綿状繊維内に等方的に配列されている結果として、切断後の繊維クラスタは必然的に相当量の極短繊維を含むことになり、充填した保温材料が容易に漏れ出すこととなり、水洗後に全厚が減少し、同時に保温性能が低下する。
繊維ボールの内部結合は比較的弱く、改質繊維ボール構造は、この欠点を克服し、反発弾性と耐久性を向上させることができる。しかしながら、繊維ボールは、充填後の水洗性能、及び、特に水洗した後に、繊維がすぐ絡み合ってしまうという欠点の解決にはならない。
同様に、ゆるく詰めた材料は、軽量で感触がソフトである。しかしながら、同様の詰め物材料は、実使用において水洗後に容易に絡み合い及び凝集が起きるという問題を解決するのは非常に困難であり、この種のゆるく詰めた材料としての用途は非常に制限される。
したがって、水洗後に形成される様々なサイズの繊維凝集を再び分散させることは非常に困難である。そのため、衣類等の分野での用途は影響を受ける。例えば、その衣類を洗濯後に再び着用した際の心地よい感触及び快適性能が影響を受ける。バルク短繊維、繊維ボール、又はダウン類似ボールに関しては、水洗後に凝集するという困難な問題を解決する必要性が残っている。
(発明の概要)
本発明の1つの目的は、良好な水洗性能を有する詰め物を提供することであり、すなわち、その詰め物が、水洗後に凝集及び絡み合いなどの顕著な現象なしに均一に分散され得る、詰め物を提供することである。
本発明の1つの目的は、良好な水洗性能を有する詰め物を提供することであり、すなわち、その詰め物が、水洗後に凝集及び絡み合いなどの顕著な現象なしに均一に分散され得る、詰め物を提供することである。
本発明の目的は、以下の技術的解決策によって達成される、すなわち、微多孔質ポリマーで形成された枝幹構造体を備えた詰め物が提供され、枝幹構造体は、幹と、その幹から裂けることによって形成された複数の枝とを含み、枝幹構造体は、平均で約10〜130mmの最大縦方向長さと平均で2〜15mmの最大横方向寸法とを有する。
任意で、幹は1〜10mmの平均横方向寸法を有する。
任意で、複数の枝は0.5〜5mmの平均横方向寸法を有する。
任意で、幹の長さは、枝幹構造体の縦方向長さと等しいか、それより短い。
任意で、複数の枝は1〜6mmの平均長さを有する。
任意で、複数の枝は、幹の縦長さ方向に沿って平均で約1〜6mmの間隔で横方向に裂けることによって形成される。
任意で、複数の枝は、幹の一方の端部で裂けることによって形成される。
任意で、枝幹構造体は、平面2次元構造を有する。
任意で、枝幹構造体は、0.25〜2mmの平均厚さを有する。
任意で、微多孔質ポリマーは断熱材料から選択される。
任意で、断熱材料は発泡プラスチックである。
任意で、発泡プラスチックは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、又はポリウレタン、から選択された1つの材料を含む。
任意で、詰め物は水洗耐性を有する。
本発明の別の目的は、詰め物を製造する方法を提供することである。
本発明の目的は、以下の技術的解決策によって達成される、すなわち、0.25〜2mmの厚さの微多孔質ポリマーシートが提供され、切断のために互いに反対方向に回転する一対の歯車刃付きローラーホイール中にシートが入るようにされ、2つの歯車刃付きローラーホイールの間の間隙を0〜1mmに調整して、シートを切断し、枝幹構造体に成形する。
任意で、歯車刃付きローラーホイールは、それらの軸線に沿ってある間隔で配列され螺旋状に配置された複数の刃を有する。
任意で、歯車刃付きローラーホイールは、約100〜300mm/sの線速度を有する。
本発明の利点は、比較的簡単な方法を用いて、良好な水洗性能を有し得る詰め物を製造することができることであり、本発明の詰め物は、既存の材料と比較して、複数回の水洗の後でも、凝集及び絡み合いなどの顕著な現象なしに、分散した詰め物状態を維持することができる。
本発明の有利な点の他の特徴は、添付図面の特定の例示と併せて以下で更に詳細に説明される。図面は、概略図であり、一定の縮尺では描かれていない。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本発明は、詰め物及びその製造方法を提供する。特に、一態様において、微多孔質ポリマーで形成された枝幹構造体(branch and trunk structure)を備えた詰め物が提供され、枝幹構造体は、幹と、幹から裂けることによって形成された枝とを含み、枝幹構造体は、平均で10〜130mmの最大縦方向強度と平均で1〜10mmの最大横方向寸法とを有する。枝幹構造体は、本質的に樹状形状として提示され、複数の枝が幹から裂けることによって形成される。複数の枝は、例えば、横方向に、すなわち、片側又は両側に、幹の縦長さ方向に沿って一定の間隔で裂けて、形成されてよく、これによって例えば、平均1〜6mmの間隔で長さ方向に離間された複数の枝を有する、平面枝幹構造体が形成され得る。例えば、複数の枝は、E、F、又はK字型に類似した形状として図式的に表されるように、幹の上に形成される。あるいは、2つ以上の枝が、幹の一方の端部又は両方の端部で裂けることによって形成されてもよい。例えば、複数の葉が、L、T、又はY字型に類似した形状で図式的に表されるように梢端に形成され、枝幹構造体は、片側に又は両側に均等に形成されてもよい。
本発明は、詰め物及びその製造方法を提供する。特に、一態様において、微多孔質ポリマーで形成された枝幹構造体(branch and trunk structure)を備えた詰め物が提供され、枝幹構造体は、幹と、幹から裂けることによって形成された枝とを含み、枝幹構造体は、平均で10〜130mmの最大縦方向強度と平均で1〜10mmの最大横方向寸法とを有する。枝幹構造体は、本質的に樹状形状として提示され、複数の枝が幹から裂けることによって形成される。複数の枝は、例えば、横方向に、すなわち、片側又は両側に、幹の縦長さ方向に沿って一定の間隔で裂けて、形成されてよく、これによって例えば、平均1〜6mmの間隔で長さ方向に離間された複数の枝を有する、平面枝幹構造体が形成され得る。例えば、複数の枝は、E、F、又はK字型に類似した形状として図式的に表されるように、幹の上に形成される。あるいは、2つ以上の枝が、幹の一方の端部又は両方の端部で裂けることによって形成されてもよい。例えば、複数の葉が、L、T、又はY字型に類似した形状で図式的に表されるように梢端に形成され、枝幹構造体は、片側に又は両側に均等に形成されてもよい。
枝は、幹から、例えば、Y又はK字型のように小さい鋭角から、E、F、L、又はT字型のような90°に近い角度まで、様々な角度で裂かれてもよい。限定する訳ではないが、幹の縦長さ方向に一定の間隔で横方向に裂けることによって複数の枝が形成される場合は、枝は、例えば30°より小さいような、より小さな角度で幹から裂かれてもよく、幹の一方の端部又は両方の端部で裂けることによって枝が形成される場合は、枝は、例えば60°より大きいような、より大きな角度で幹から裂かれてもよい。
幹及び枝の寸法は、様々に異なっていてもよい。例えば、幹は、0.2〜10mmの平均横方向寸法を有してもよい。ここで、横方向とは、長さ方向に対して直角な方向を意味し、形状を制限するものではない。例えば、幹及び枝の断面は、矩形、扁円、円形、楕円、又は、不規則な形状であってもよく、したがって、平均横方向寸法は、断面にわたる平均長さ寸法又は大きい側の寸法を記述する。例えば、それは、断面の直径若しくは幅、又は、不規則形状の平均サイズ、断面にわたる最大サイズであってもよい。同様に、枝は任意で0.1〜5mmの平均横方向寸法を有する。
詰め物を形成するために使用される微多孔質ポリマー材料のシートの厚さが、幹及び枝の横方向寸法並びに、枝幹構造体の平面厚さ(plane thickness)に影響するか、又はそれらを決定する。大きな変化があり得るが、枝幹構造体は、材料の厚さに依存して、0.25〜2mmの平均厚さを有することが好ましい。
長さに関しては、幹の長さは、枝幹構造体の縦方向長さと等しいか、それより小さくてもよい。例えば、枝が、幹の縦長さ方向に沿ってある間隔で裂けることによって形成されるという状況においては、幹の長さは、枝幹構造体の縦方向長さに等しいことが好ましい。言い換えると、枝は突き出した後に、幹の長さ方向にどちらの端部も越えない。あるいは、一変形例では、突き出した後の枝の部分が、幹の長さ方向にある端部を越え得る。これにより、枝幹構造体の縦方向長さは幹の長さよりも長い。枝の平均長さは、上記のように1〜6mmであってよく、幹の長さ方向にある端部を越えてよいし、越えなくてもよい。別の態様において、幹の一方の端部で裂けることによって枝が形成される状況においては、幹の長さは、枝幹構造体の縦方向長さよりも概して短い。どの状況においても、幹の長さ及び枝幹構造体の最大縦方向長さは、平均10〜130mmであることが好ましい。枝幹構造体の幅、すなわち、最大横方向寸法は、任意で平均1〜10mmである。概して、枝の延長度合い及び角度が、このような寸法に影響する。このように、これらの要素が、枝幹構造体の外形寸法を決定及び制限する。
本発明の詰め物は、微多孔質ポリマーで作製され得、好ましくは、微多孔質ポリマーシート、例えば、0.25〜2mmの厚さを有するシートから作製され得る。任意で、微多孔質ポリマーは、断熱材料、例えば、特定の発泡プラスチックから作られる、いくつかの微多孔質ポリマーから選択される。限定ではなく例として、微多孔質ポリマーは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン若しくはポリウレタン等、又は、好適な材料から作られた他の発泡材料から選択された1つの材料であってよい。
任意で、詰め物は、水洗耐性を有する。すなわち、詰め物は、水洗いの後に元の形状を本質的に維持することができる。
別の態様において、本発明は、詰め物の製造方法を提供する。その方法において、0.25〜2mmの厚さの微多孔質ポリマーシートが提供され、切断のために互いに反対方向に回転する一対の歯車刃付きローラーホイール中にシートが入るようにされ、2つの歯車刃付きローラーホイールの間の間隙を0〜1mmに調整して、シートを切断し、枝幹構造体に成形する。
微多孔質ポリマーシートは、概して、コイル状に巻かれた材料の形態で提供され、したがって、作業ロールがコイル状に巻かれた材料の上に取り付けられ、回転を促進してもよい。したがって、コイル状に巻かれた材料は、引っ張りロールに入れられ、コイル状に巻かれた材料が切断用の歯車刃付きローラーホイールに引き込まれる。
歯車刃付きローラーホイールは、複数の刃を有し、複数の刃は、多様な異なる形状及び分布を有することができ、これにより、シートを、様々な形状の枝幹構造体に切断する。例えば、典型的な歯車刃付きローラーホイールは、螺旋状の回転を可能にするため複数の歯型構造体を有し、複数の刃は、様々な様式で配列されることができ、例えば、歯型構造体のそれぞれは、その上に刃を有してよい。一実施例において、歯車刃付きローラーホイールは、ある間隔で配列され、ローラーホイールの軸線に沿って螺旋状に分布され、歯型構造体のそれぞれの上に配置された、複数の刃を有する。歯車刃付きローラーホイールは、市販で入手可能な製品から選択されてもよい。
微多孔質ポリマー材料の厚さ及び歯車刃付きローラーホイールのパラメータ、例えば、歯車刃付きローラーホイールの周囲長、回転速度若しくは対応する線速度(すなわち、微多孔質ポリマーシート材料が前方に押しやられる速度)、2つの歯車刃付きローラーホイール間の間隙、刃の形状、刃の間隔及び分布モード等の選択によって、微多孔質ポリマーシートは、様々な形状の枝幹構造体に切断され得る。例えば、歯車刃付きローラーホイールは、回転し、それによって、100〜300mm/sであってよい対応する線速度を生じさせる。あるいは、簡潔に言えば、歯車刃付きローラーホイールは、約100〜300mm/sの線速度を有する。2つの歯車刃付きローラーホイール間の間隙は、0〜1mmであってよい。
実施例1
実施例1
本発明の実施例によれば、詰め物4及びその製造方法は、下記の様式によって実現され得る。図1を参照すると、この実施例では、発泡ポリエチレン材料(EPE)が微多孔質ポリマーとして選択され、この材料は、断熱材料であり、発泡プラスチックに製造されたものである。この実施例では、0.5mmの厚さを有する材料が選択され、コイル状に巻かれた材料の形態で供給された。本発明によって、まず、作業ロールが微多孔質ポリマーシート1に取り付けられ、回転を促進すると、シート1が一対の歯車刃付きローラーホイール2中に引き込まれた。一対の歯車刃付きローラーホイール2は、複数の歯型構造体を有し、歯型構造体のそれぞれはその上に刃を有していた。刃は、歯車刃付きローラーホイール2の軸線に沿ってある間隔で配列され螺旋状に配置されていた。2つの歯車刃付きローラーホイール2の間の間隔は、0〜1mmに調整することができ、この実施例では0.1mmに調整された。微多孔質ポリマーシート1が前方に押しやられる速度、すなわち歯車刃付きローラーホイール2の線速度は、ここでは、210mm/sに好ましく設定された。こうして、一対の歯車刃付きローラーホイール2が、シート1を、枝幹構造体を有する詰め物4に切断した。貯蔵容器3が、一対の歯車刃付きローラーホイール2の下端に設けられた。排出装置(図示せず)が貯蔵容器3内に設けられ、その装置は、上端での機械成形の後、詰め物4を回収するために使用された。
この実施例によると、形成された詰め物4は図2に示すような形状を有しており、枝幹構造を有し、幹401と、幹401から裂けることにより形成された複数の枝402とを含み、突き出した後の枝402は幹の長さ方向に幹401のいずれの端部も越えなかった。その結果、幹401の長さは、枝幹構造体の最大縦方向長さに等しく、枝幹構造体の幅すなわち最大横方向寸法は、枝402の横に延びる度合いによって決定された。この実施例では、枝幹構造体は平均で10〜60mmの最大縦方向長さを有し、平均で2〜5mmの最大横方向寸法を有し、幹401は約10〜60mmの長さと、1〜3mmの横方向幅とを有し、枝402は1〜6mmの長さと、約0.5〜1.5mmの幅とを有した。複数の枝が、幹401の長さ方向に沿って複数の間隔で形成された。例えば、枝402の各々の間の平均間隔は1〜6mmであった。幹401の長さ及び幅、枝402の長さ及び幅、並びに枝402の各々の間の平均間隔は、歯車刃付きローラーホイール2の周囲長、回転速度及び対応する線速度、刃の間隔、2つの歯車刃付きローラーホイール2の間の間隔等を調整することによって決定され得た。
この実施例の複数の枝402はすべて幹401の一方の端部に向かって延びていたが、枝はそれぞれ、幹の両方の端部に向かって延びることもあり得たことは明らかである。
図2に示したこの実施例では、枝402は幹401から、30°前後又はより小さい角度の範囲内でほぼ分布する、小さな角度で裂かれた。
この実施例では、微多孔質ポリマーシート1が詰め物4を製造するのに用いられ、平面枝幹構造を有する詰め物4が形成された。ここで、詰め物の枝幹構造の厚さは、微多孔質ポリマーシート1の厚さに依存しており、この実施例では0.5mmであった。この実施例では、幹401及び枝402の両方の厚さは、微多孔質ポリマーシート1の厚さ、すなわち、0.5mmであることも容易に理解される。
この実施例では、特定の歯車刃付きローラーホイール2及び特定のプロセスパラメータが使用された結果として、幹401及び枝402の断面は矩形として形成された。もちろん、幹401及び枝402の断面は、本発明を参照した当業者によって、扁円、円、楕円、又は不規則形状としても容易に切断できた。
本発明の方法により、プロセス及びそこでの材料の特徴の結果として、形成される詰め物4の特定の形状及び寸法はある分布を有する。例えば、平面枝幹構造体の幹401及び各枝402の長さ、互いの間に形成される分裂角度等は、いくらかの差異及び分布範囲を有するであろう。したがって、形成される各単体の詰め物4は、多少異なる特定の形状及び寸法を有する。このように、比較的適切なモードにおいて、例えば、枝幹構造体の縦方向長さ及び最大横方向寸法の平均値、幹401の横方向寸法及び長さ、枝402の長さ及び分裂角度、枝402の各々の間の間隔等の、枝幹構造体の様々な寸法を記述するために、最大サイズ、平均サイズ若しくは一定の範囲を用いる。
実施例2
実施例2
本発明の別の実施例によると、図1及び図2で同様に示すことができるように、厚さ2mmの発泡ポリエチレン材料(EPE)を同じく用いることによって詰め物4を製造することができた。まず、微多孔質ポリマーシート1が作業ロールに取り付けられ、シート1が一対の歯車刃付きローラーホイール2中に引き込まれることにより装填された。2つの歯車刃付きローラーホイール2の間の間隔は、この実施例では0.5mmに調整され、微多孔質ポリマーシート1はこの実施例では、300mm/sに設定された線速度で前方に押しやられた。その結果、一対の歯車刃付きローラーホイール2が、シート1を切断し、枝幹構造を有する詰め物4に成形した。貯蔵容器3が、歯車刃付きローラーホイール2の下端に設けられた。排出装置(図示せず)が貯蔵容器3内に設けられ、その装置は、上端での機械成形の後、詰め物4を回収するために使用された。
この実施例では、枝幹構造を有する詰め物4が形成され、その詰め物は、図2に示すように、幹401と幹401から裂けることによって形成された複数の枝402とを含んだ。しかしながら、その寸法は、枝幹構造体が平均で10〜40mmの最大縦方向長さを有し、平均で約2〜4mmの最大横方向寸法を有し、幹401は約10〜40mmの長さと、1〜2mmの横方向幅とを有し、枝402は1〜6mmの長さと、約0.5〜1mmの幅とを有したという点で、本発明の第1の実施例の寸法とは異なった。複数の枝が、幹401の長さ方向に沿って複数の間隔で形成された。例えば、枝402の各々の間の平均間隔は1〜6mmであった。同様に、幹401の長さ及び幅、枝402の長さ及び幅、並びに枝402の各々の間の平均間隔は、歯車刃付きローラーホイール2の周囲長、刃の間隔、2つの歯車刃付きローラーホイール2の間の間隔等を調整することによって決定され得た。
実施例3
実施例3
本発明の別の実施例によると、詰め物4及びその製造方法は、図1及び図3に示される。この実施例では、プラスチック質感(texture)のポリウレタン材料(PU)が、微多孔質ポリマーシート1として選択された。この材料は、断熱材料であり、同様にまた、発泡プラスチックに製造されたものである。この実施例では、選択された材料は厚さ2mmを有した。まず、微多孔質ポリマーシート1が作業ロールに取り付けられ、微多孔質ポリマーシート1が一対の歯車刃付きローラーホイール2中に引き込まれることにより装填された。一対の歯車刃付きローラーホイール2は、複数の歯型構造体を有し、歯型構造体のそれぞれはその上に刃を有していた。刃は、歯車刃付きローラーホイール2の軸線に沿ってある間隔で配列され螺旋状に配置されていた。2つの歯車刃付きローラーホイール2の間の間隔は、この実施例では0.2mmに調整され、回転速度は150mm/sに設定された。貯蔵容器3が、歯車刃付きローラーホイール2の下端に設けられた。排出装置(図示せず)が貯蔵容器3内に設けられ、その装置は、上端での機械成形の後、詰め物4を回収するために使用された。
この実施例では、枝幹構造を有する詰め物4が形成され、図3に示すように、その詰め物は、幹401と幹401の一方の端部から裂けることによって形成された複数の枝402を備えた。詰め物4は、平均で10〜80mmの最大縦方向長さを有し、平均で2〜10mmの最大横方向寸法を有し、幹401は約10〜80mmの長さと、1〜6mmの横方向幅とを有し、枝402は1〜6mmの長さと、約0.5〜3mmの幅とを有した。1つ以上の枝402が、幹401の一方の端部から裂けることによって形成され得た。例えば、枝402の各々の間の平均間隔は1〜6mmであった。同様に、幹401の長さ及び幅、枝402の長さ及び幅、並びに枝402の各々の間の平均間隔は、歯車刃付きローラーホイール2の周囲長、刃の間隔、2つの歯車刃付きローラーホイール2の間の間隔等を調整することによって決定され得た。
実施例4
実施例4
本発明の更に別の実施例によると、詰め物4及びその製造方法は、図1及び図4に示される。この実施例では、プラスチック質感の発泡ポリエチレン(EPE)材料が、微多孔質ポリマーシート1として選択された。この材料は、断熱材料であり、同様にまた、発泡プラスチックに製造されたものである。この実施例では、0.25mmの厚さの材料が選択された。まず、微多孔質ポリマーシート1が作業ロールに取り付けられ、微多孔質ポリマーシート1が一対の歯車刃付きローラーホイール2中に引き込まれることにより装填された。一対の歯車刃付きローラーホイール2は、複数の歯型構造体を有し、歯型構造体のそれぞれはその上に少なくとも1つの刃を有していた。刃は、歯車刃付きローラーホイール2の軸線に沿ってある間隔で配列され螺旋状に配置されていた。2つの歯車刃付きローラーホイール2の間の間隔は、この実施例では0.3mmに調整され、回転速度は210mm/sに設定された。貯蔵容器3が、歯車刃付きローラーホイール2の下端に設けられた。排出装置(図示せず)が貯蔵容器3内に設けられ、その装置は、上端での機械成形の後、詰め物4を回収するために使用された。
この実施例では、枝幹構造を有する詰め物4が形成され、その詰め物は、図4に示すように、幹401と、幹401から裂けることによって形成された複数の枝402とを含んだ。複数の枝402が、幹401の両端部に向かってそれぞれ延びて、枝402の一部が、幹の長さ方向において幹401のある端部を越えているものもあった。枝幹構造体は平均で10〜130mmの最大縦方向長さを有し、平均で約5〜15mmの最大横方向寸法を有し、幹401は約5〜110mmの長さと、3〜10mmの横方向幅とを有し、枝402は5〜20mmの長さと、約1.5〜4mmの幅とを有した。複数の枝402が、幹401の長さ方向に沿って複数の間隔で形成された。例えば、枝402の各々の間の平均間隔は1〜6mmであった。同様に、幹401の長さ及び幅、枝402の長さ及び幅、並びに枝402の各々の間の平均間隔は、歯車刃付きローラーホイール2の周囲長、刃の間隔、2つの歯車刃付きローラーホイール2の間の間隔等を調整することによって決定され得た。
水洗性能を判定するために、本発明の実施例1で形成された詰め物を水洗前後にその保温値で試験し、その均一性を観察した。したがって、50cm×50cmの布製小包を190T青色ナイロン布を用いて作製し、実施例1で形成した詰め物40gをその中に均一に分布させ、試験サンプル小包を作製し、水洗を実施し、標準方法によって水洗の前後で保温値の試験を実施した。ここで、水洗は、GB/T8629−2001:7A手順に従って10回の水洗で行われ、保温値試験は、保温指数、すなわちClo値を試験するために、ASTM1868パートCに従って実施された。保温指数Clo値は、以下のように表現される。すなわち、安静に座っている又は軽度の精神労働(代謝性熱生産性が209.2KJ/m2・hである)に従事している人が、室温21℃、相対湿度50%未満、かつ風速0.1m/s以下において快適だと感じるとき、その人が着ている衣服の熱抵抗値は1Cloである。
試験結果は以下のとおりであった。試験サンプル小包のClo値は水洗前に2.4であり、10回の水洗後のClo値は2.38であった。水洗後のClo保存率は99.1%という高さであった。この結果は、水洗はこの材料の保温性能にほとんど影響を与えなかったことを示し、水洗が、保温性能に変化を与えるような詰め物の凝集、絡み合い等を顕著には引き起こさなかったことを示している。均一性は、以下の方法で判定された。すなわち、サンプル小包を照明付きのガラステーブルの上に置いて、サンプル小包の全体の色均一性を観察することにより、サンプル小包内の詰め物の分布状況を判定した。より均一な色が、サンプル小包内の詰め物がより均一に分布していることを意味する。反対の場合は、凝集や絡まりがあることを示す。別の態様では、詰め物がサンプル小包から取り出され、観察により、詰め物が、水洗の前後どちらでも凝集や顕著な変化がほとんどなく、本質的に単繊維の状態であったことが見出された。
本発明により、様々な形状及び寸法の詰め物を得るための、詰め物及びその製造方法が提供される。特定の形状及び寸法は様々であるが、微多孔質ポリマーによって形成される枝幹構造体は、凝集又は絡まりのない、非常に優れた水洗性能を提供し、単繊維の良好な状態を維持し提示し、水洗後の均一な分散を維持することができる。枝幹構造体が保温材料で使用されると、枝幹構造体は良好な保温性能を維持することができる。
Claims (16)
- 微多孔質ポリマーで形成された枝幹構造体を備え、前記枝幹構造体は、幹と、前記幹から裂けることによって形成された複数の枝とを含み、前記枝幹構造体は、平均で約10〜130mmの最大縦方向長さと平均で約2〜15mmの最大横方向寸法とを有することを特徴とする、詰め物。
- 前記幹は、約1〜10mmの平均横方向寸法を有することを特徴とする、請求項1に記載の詰め物。
- 前記複数の枝は、約0.5〜5mmの平均横方向寸法を有することを特徴とする、請求項1に記載の詰め物。
- 前記幹の長さは、前記枝幹構造体の前記縦方向長さと等しいか、それより短いことを特徴とする、請求項1に記載の詰め物。
- 前記複数の枝は、1〜6mmの平均長さを有することを特徴とする、請求項1に記載の詰め物。
- 前記複数の枝は、前記幹の縦長さ方向に沿って平均で約1〜6mmの間隔で横方向に裂けることによって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の詰め物。
- 前記複数の枝は、前記幹の一方の端部で裂けることによって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の詰め物。
- 前記枝幹構造体は、平面2次元構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の詰め物。
- 前記枝幹構造体は、0.25〜2mmの平均厚さを有することを特徴とする、請求項8に記載の詰め物。
- 前記微多孔質ポリマーは、断熱材料から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の詰め物。
- 前記断熱材料は、発泡プラスチックであることを特徴とする、請求項10に記載の詰め物。
- 前記発泡プラスチックは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、又はポリウレタン、から選択された1つの材料によって製造された発泡材料を含むことを特徴とする、請求項11に記載の詰め物。
- 前記詰め物は、水洗耐性を有することを特徴とする、請求項10〜12のいずれか一項に記載の詰め物。
- 0.25〜2mmの厚さの微多孔質ポリマーシートを提供することと、切断のために互いに反対方向に回転する一対の歯車刃付きローラーホイール中に前記シートが入るようにすることと、前記2つの歯車刃付きローラーホイールの間の間隙を0〜1mmに調整して、前記シートを切断し、枝幹構造体に成形することとを含む、詰め物の製造方法。
- 前記歯車刃付きローラーホイールは、それらの軸線に沿ってある間隔で配列され螺旋状に配置された複数の刃を有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 前記歯車刃付きローラーホイールは、約100〜300mm/sの線速度を有することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
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