JP2020063539A - 長繊維綿シート及びその製造方法、並びに該長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品及びその製造方法 - Google Patents

長繊維綿シート及びその製造方法、並びに該長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、各種の生地使用製品用の要素として広範かつ好的に使用し得る一体構成の長繊維綿シートを提供するものである。【解決手段】本発明の長繊維綿シート11Aは、ポリエステル系の原糸を用いた軸糸2・浮糸3のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸3がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸2の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した長繊維綿1を多数用いてシート状を呈するように均し状態としつつ所定の幅Wを有し長さ方向に連なる長繊維綿群10とし、この長繊維綿群10をシリコーン付着による粘性定着により一体化して所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態としたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、長繊維綿シート及びその製造方法、並びに該長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品及びその製造方法に関し、詳しくは、保温性、断熱性に優れ、生地の一種として各種の生地使用製品に使用して好適な長繊維綿シート及びその製造方法、並びに該長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品及びその製造方法に関するものである。
従来、一般家庭等の居室、寝室等における窓の室内側には、季節を問わず同一のカーテンが掛けられ使用されることが多い。
このようなカーテンは、部屋の中で最も占める割合が多いインテリア物であり、特に冬季等のような低温季には、カーテンに保温性、防寒性を持たせ部屋の温度を保つことが居住性の向上対策や、省エネルギー促進対策として必要であることから、カーテンを構成する断熱性、保温性に優れた生地製品の出現が要請されているところである。
また、従来から就寝時に用いる寝具として、天然の羽毛を内部に充填した布団が多く用いられている。
しかし、従来、天然の羽毛布団は、キルトを施してもマス目内で1つ1つの羽毛が動いてしまい目いっぱい詰めない限り偏りがでて、保温性を損なう等の問題点が指摘されている。
特許文献1には、本出願人が先に提案した例えば寝具類の詰め物用途を有する羽毛状綿素材束であって、ポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がってダウンボール状の塊を有しつつ一体化されて、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した羽毛状綿素材を、複数本所定の長さとして束ねて、その両端部を各々布材により縫着固定した構成の羽毛状綿素材束が開示されている。
特開2016−27215号公報
本発明は、上記事情に鑑み、また、特許文献1の技術を踏まえこれを発展させ、製品として一体性、断熱性、保温性に優れ、例えば、カーテン類の生地のような吊り下げ用途や各種の寝具類等を構成する詰め物用途等、各種の生地使用製品用の要素として広範かつ好的に使用し得る一体構成の長繊維綿シート及びその製造方法、並びに該長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品及びその製造方法を提供するものである。
本発明に係る長繊維綿シートは、ポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した長繊維綿を多数用いてシート状を呈するように均し状態としつつ所定の幅を有し長さ方向に連なる長繊維綿群とし、この長繊維綿群を定着剤による粘性定着により一体化して所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態としたことを最も主要な特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、通常の長繊維綿に比べて、目付換算ができるため使用量の管理がし易く、保温性、断熱性を発揮し、薄くて温かい生地として好適なシート状物体であり、取り扱いが簡便であり、自由なキルト加工も実施可能である斬新な長繊維綿シートを実現し提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様な効果を奏し、かつ、キルト加工部を設けているので、吹出しや片寄りが生じ難く、より密度の少ない側地との組み合わせが可能であり、ダストアレルギーの原因を生み出しにくく、縫製がし易く、製品使用時形が崩れ難い等の効果を奏する斬新な長繊維綿シートを実現し提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様な効果を奏し、かつ、加工し易く、製造時の裁断が容易であり、一体性がより高まっているため型貫(型抜)裁断もできる等の効果を奏する斬新な長繊維綿シートを実現し提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記長繊維綿シート自体を、着脱可能な巻取ローラに巻き付けた巻回形態の製品としているので、製品となった長繊維綿シートの出荷の便宜を図ることができる長繊維綿シートを実現し提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の発明に係る長繊維綿シートを一連の工程で効率良く製造でき、当該長繊維綿シートの量産製造を実現することができる長繊維綿シートの製造方法を実現し提供することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項2記載の発明に係る長繊維綿シートを一連の工程で効率良く製造でき、当該長繊維綿シートの量産製造を実現することができる長繊維綿シートの製造方法を実現し提供することができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項3記載の発明に係る長繊維綿シートを一連の工程で効率良く製造でき、当該長繊維綿シートの量産製造を実現することができる長繊維綿シートの製造方法を実現し提供することができる。
請求項8記載の発明によれば、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の発明において、長繊維綿群に対するシリコーンのドブ浸け処理、又はシリコーンの噴霧処理により行う構成としているので、長繊維綿群に対するシリコーンの付着処理の簡便化を実現できる長繊維綿シートの製造方法を実現し提供することができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項5乃至8のいずれか1項に記載の発明において、長繊維綿群に対する乾燥処理の直前若しくは直後に、又は乾燥処理の直前、直後の双方において、前記長繊維綿群に対するエアー吹き付け処理を行う工程を更に含む構成としているので、長繊維綿群綿群を構成する長繊維綿における軸糸、浮糸のフィラメントの開繊を促すことができる長繊維綿シートの製造方法を実現し提供することができる。
請求項10記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の発明の所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態とした長繊維綿シートと、前記長繊維綿シートを内部に収納し外周部を縫製加工する外装生地とにより生地使用製品本体を構成し、この生地使用製品本体の表裏両面全体にわたるキルティング加工部を設けて製品を形成していることから、ボリューム感、保温性に優れるとともに、キルティング加工によってその内部で各長繊維綿シートが偏ったり、ずれたり、塊になったりすることがなく当初の形態を長期間維持することが可能で、更には洗濯対応性にも優れ、例えば掛布団、敷布団、衣類等として極めて有用であるという顕著な効果を奏する長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品を実現し提供することができる。
請求項11記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の発明の所定の幅を有し長さ方向に連なる長繊維綿群と、前記長繊維綿群所要量を内部に縦方向に収納し外周部を縫製加工する外装生地とにより生地使用製品本体を構成し、この生地使用製品本体の表裏両面全体にわたる縦方向のキルティング加工部を設けて製品を形成していることから、ボリューム感、保温性に優れるとともに、キルティング加工によってその内部で各長繊維綿群が偏ったり、ずれたり、塊になったりすることがなく当初の形態を長期間維持することが可能であり、更には洗濯対応性にも優れ、例えば掛布団、敷布団、衣類等として極めて有用であるという顕著な効果を奏する長繊維綿群を収納したキルト加工生地使用製品を実現し提供することができる。
請求項12記載の発明によれば、請求項10又は11に記載の発明において、前記キルティング加工部の形態は、前記生地使用製品本体の表裏両面全体にわたる縦方向配列形態、分散縦方向配列形態、縦横方向配列形態、斜め配列形態、分散S字状配列形態、又は分散十字状配列形態のなかから選定される構成としているので、請求項10又は11に記載の発明の効果を奏するとともに、製品形態の多様化をも図ることが可能な長繊維綿群を収納したキルト加工生地使用製品を実現し提供することができる。
請求項13記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の発明の長繊維綿シートを外装材の面上へ配列し表裏の外装材でサンドイッチ状に覆い、キルティングマシンによりキルティング加工を施し、表裏の外装材の周辺部を縫製するという簡略な工程の基に、上述した顕著な効果を奏するキルト加工生地使用製品を生産性良く製造することができるキルト加工生地使用製品の製造方法を実現し提供することができる。
請求項14記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の発明の長繊維綿群を外装材の面上へ配列し表裏の外装材でサンドイッチ状に覆い、キルティングマシンによりキルティング加工を施し、表裏の外装材の周辺部を縫製するという簡略な工程の基に、上述した顕著な効果を奏するキルト加工生地使用製品を生産性良く製造することができるキルト加工生地使用製品の製造方法を実現し提供することができる。
請求項15記載の発明によれば、請求項13又は14に記載の発明において、前記キルティング加工部の加工形態は、前記生地使用製品本体の表裏両面全体にわたる縦方向配列加工形態、分散縦方向配列加工形態、縦横方向配列加工形態、斜め配列加工形態、分散S字状配列加工形態、又は分散十字状配列加工形態のなかから選定される構成としているので、請求項13又は14に記載の発明の効果を奏するとともに、製品形態の多様化をも図ることが可能な長繊維綿群を収納したキルト加工生地使用製品の製造方法を実現し提供することができる。
図1は本発明の実施例1に係る長繊維綿シートを構成する長繊維綿群をシート状とした形態を模式的に示す平面図である。 図2は本実施例1に係る長繊維綿シートを構成する長繊維綿群をシート状とした形態を写真形態で示す平面図である。 図3は本実施例1に係る長繊維綿シートにおける長繊維綿群を構成する長繊維綿を線図形態で模式的に示す説明図である。 図4は本実施例1に係る長繊維綿シートにおける長繊維綿群を構成する別の長繊維綿を線図形態で模式的に示す説明図である。 図5は本実施例1に係る長繊維綿シートを構成する複数の長繊維綿の軸糸、浮糸の絡み状態を拡大写真形態で示す図である。 図6は本実施例1に係る長繊維綿シートを構成する長繊維綿に使用する3種の糸の部分拡大斜視図である。 図7は本実施例1に係る長繊維綿シートの製造工程を示す概略説明図である。 図8は本実施例1に係る長繊維綿シートの製造工程に使用する実際の装置のクリルスタンドを写真形態で示す図である。 図9は本実施例1に係る長繊維綿シートの製造工程に使用する実際の装置の筬を写真形態で示す図である。 図10は本実施例1に係る長繊維綿シートの製造工程に使用する実際の装置の不織布を供給する不織布供給ローラを写真形態で示す図である。 図11は本実施例1に係る長繊維綿シートの製造工程においてシート状とした長繊維綿群にシリコーンを噴霧する工程を示す概略説明図である。 図12は本実施例1に係る長繊維綿シートの製造工程において実際の装置の巻取ローラにより長繊維綿シートを巻き取った状態を写真形態で示す図である。 図13は本発明の実施例2に係る長繊維綿シートの製造工程を示す概略説明図である。 図14は本実施例2に係る長繊維綿シートにおいてキルト加工部を設けた状態を示す部分概略斜視図である。 図15は本発明の実施例3に係る長繊維綿シートの製造工程を示す概略説明図である。 図16は本実施例3に係る長繊維綿シートの製造工程において実際の装置における熱接着シートの供給状態を写真形態で示す図である。 図17は本実施例1乃至3に係る長繊維綿シートの製造工程において、長繊維綿シートを巻取ローラにより巻き取った状態(上下2個)を写真形態で示す図である。 図18は本発明の実施例4に係る長繊維綿群を収納したキルト加工生地使用製品の製造工程の一部であって、長繊維綿群を芯材とし例えば黒色の外装材(布材)でサンドイッチ状に挟み込み、キルティングマシンによる縦方向キルティング加工を行うキルティング加工工程を示す図である。 図19は図18に示すキルティング加工工程における外装材に対する長繊維綿群の配列態様を示す概略説明図である。 図20は図18に示す縦方向のキルティング加工工程を実施したキルト加工生地使用製品の一部を写真形態で示す図である。 図21は本実施例4に係る長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品のうちのキルティングマシンによる縦横方向のキルティング加工を実施したキルト加工生地使用製品の一面を概略的に示す平面図である。 図22は本実施例4に係る長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品のうちのキルティングマシンによる縦方向分散形態のキルティング加工を複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品の一面を概略的に示す平面図である。 図23は本実施例4に係る長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品のうちのキルティングマシンによる縦方向左下がり形態のキルティング加工を複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品の一面を概略的に示す平面図である。 図24は本実施例4に係る長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品のうちのキルティングマシンによる縦方向右下がり形態と縦方向左下がり形態のキルティング加工を交互にかつ複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品の一面を概略的に示す平面図である。 図25は本実施例4に係る長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品のうちのキルティングマシンによるS状形態のキルティング加工を複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品の一面を概略的に示す平面図である。 図26は本実施例4に係る長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品のうちのキルティングマシンによる十字状形態のキルティング加工を複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品の一面を概略的に示す平面図である。
本発明は、各種の生地使用製品用の要素として広範かつ好的に使用し得る一体構成の長繊維綿シートを提供するという目的を、ポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した長繊維綿を多数用いてシート状を呈するように均し状態としつつ所定の幅を有し長さ方向に連なる長繊維綿群とし、この長繊維綿群をシリコーン付着による粘性定着により一体化して所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態とした構成により実現した。
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る長繊維綿シート及びその製造方法、並びに該長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品及びその製造方法について詳細に説明する。
なお、本実施例では2本以上複数本の長繊維綿の集合を「長繊維綿群」と定義して以下の説明を行う。
(実施例1)
本実施例1に係る長繊維綿シート11Aは、図1に模式的に、図2に写真形態で示すように、ポリエステル系の原糸を用いた軸糸2・浮糸3のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸3がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径(例えば、ほぼ1.0〜3.5cm)を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔(例えば、ほぼ1cm〜10cm以内、すなわち最大10cm程度以内の間隔)をもって連続的に配列されて羽毛に模した綿状の長繊維として形成した長繊維綿1を多数使用し、全体としてシート状を呈するように均しつつ長さ方向に配列して長繊維綿群とし、この長繊維綿群を一体化して所定の幅Wを有し長さ方向に連なるシート形態としたものである。
次に、図3乃至図6を参照して前記長繊維綿1について説明する。
図3は本実施例1に係る羽毛に模した形態に人工製造したダウンボール状の塊を比較的大きくし、かつ、綿状の長繊維として形成されて完成した状態の長繊維綿1を線図の形態で示す概念図である。
また、図4は本実施例1に係る羽毛に模した形態に人工製造したダウンボール状の塊のサイズを図3に示す場合よりも小さくし、かつ、綿状の長繊維として形成されて完成した状態の長繊維綿1を線図の形態で示す概念図である。
本実施例1に係る長繊維綿1は、図3に示すように、軸糸2と、この軸糸2よりも長い浮糸3を含み、前記軸糸2と浮糸3は、長繊維綿1の製造工程におけるエアー交絡処理により、前記浮糸3は開繊して綿状繊維を形成しつつ軸糸2と浮糸3が絡み合い繋がって連続的に一体化し、浮糸3がダウンボール状の塊状態となり、長さ方向に連なる綿状の長繊維を形成して、羽毛に模して人工製造したものである。
すなわち、前記長繊維綿1は、前記軸糸2と浮糸3とが絡み合い繋がって各ダウンボール状の塊と塊とが間隔を有しつつ配列され、かつ、全体として綿状の長繊維を形成しているものである。
本実施例1における「ダウンボール状の塊」とは、図3に示すように、軸糸2、浮糸3のフィラメント同士が結束して絡み合い繋がって一体化され、一列に連なった形態の長繊維綿1において、前記軸糸2に対して、浮糸3がほぼ1cm〜10cm以内、すなわち最大10cm程度以内の間隔をもって連続的に配列され、前記軸糸2の周りの浮糸3の膨らみ部分の直径がほぼ1.0〜3.5cmを呈する前記浮糸3の球状の塊の部分と定義して以下の説明を行う。
また、前記長繊維綿1の軸糸2と浮糸3との絡み合い繋がり状態の一部を拡大した形態を図5に写真形態で示す。
前記浮糸3の形状としては、図6に示すように、例えば軽量化のための中空率30〜40%の中空糸、C型断面糸、異形断面糸等を採用することができる。
前記中空糸、C型断面糸の場合、同重量の円形状断面の糸に比較し表面積が広く、エアーの受面積が円形状断面の糸に比較し大きくなり、これに応じてエアー交絡時空気抵抗が大きくなり、当たったエアー流(空気流)により散乱し撹乱し易く、これにより、エアー交絡が促進される。また、同表面積の糸に比較し軽量になること等の利点がある。
前記異形断面糸(断面が円形状ではなく、例えば断面が星形、菱形、凹凸を有する四角形状等)の場合、円形状断面の糸に比較して表面に凹凸を有するため、表面積が広い面が有りエアーの受面積が大きくなり、エアー交絡時の空気抵抗が一層大きくなるという利点がある。
すなわち、円形状断面の糸に比較し表面積が大となるため、エアー交絡時において当たったエアー流(空気流)により散乱し撹乱し易く、これにより、エアー交絡が一層促進される。
本発明の長繊維綿シート11Aを形成するための素材である本実施例1に係る長繊維綿1の具体的な材質、素材特性、製造方法等については、例えば、本出願人が先に出願した特開2016−27213号(特許第6028786号)公報により「羽毛状綿素材」として開示されているものと同様のものである。なお、当該長繊維綿1の製造方法の概略は後記する。
次に本実施例1に係る長繊維綿シート11Aの製造方法について、図7乃至図12を参照して説明する。
まず、図7に示すように、クリルスタンド12に長繊維綿1を各々巻き付けた多数の供給ローラ12aを各々セットし、各供給ローラ12aから各々長繊維綿1の集合である長繊維綿群10として引き出す。
図7においては、下段に上下方向に3段、奥行き方向に4列、合計12個からなり、一定の長さ(幅)を有する供給ローラ12aを配列して下段供給ローラ群とし、同じく上段に上下方向に3段、奥行き方向に4列、合計12個からなり、一定の長さ(幅)を有する供給ローラ12aを配列して上段供給ローラ群として、合計24個の供給ローラ12aから各々長繊維綿群10を引き出す構成を示している。
また、実際の製造装置のクリルスタンド12から長繊維綿群10を引き出す態様を図8に写真態様で示す。
すなわち、下段供給ローラ群からは、上下方向に3段、奥行き方向に4列に配置した各段4個ずつの供給ローラ12aからの長繊維綿1を纏めた長繊維綿群10を3本状態で引き出し、同様に上段供給ローラ群からは、上下方向に3段、奥行き方向に4列に配置した各段4個ずつの供給ローラ12aからの長繊維綿1を纏めた長繊維綿群10を3本状態で引き出す。
次に、下段供給ローラ群からの3本状態の長繊維綿群10を、クリルスタンド12の前方に配置した下段の集約ローラ13上に平面的に展開しつつ下段の筬14を通過させ各長繊維綿群10を均してシート状としつつ前方に送る。
同様に、上段供給ローラ群からの3本状態の長繊維綿群10を、クリルスタンド12の前方に配置した上段の集約ローラ13上に平面的に展開しつつ上段の筬14を通過させ各長繊維綿群10を均してシート状としつつ前方に送る。
実際の製造装置における前記筬14における長繊維綿群10の通過状態を図9に写真態様で示す。
次に、前記筬14を通過させた上下二層からなる各々シート状の長繊維綿群10、10を、前記筬14の前方に配置した重合用ローラ15により二層重合状態で、厚さを2倍に増加させたシート状の長繊維綿群10としつつ前方に送る。
次に、厚さを2倍に増加させたシート状の長繊維綿群10を前記重合用ローラ15の前方に配置したシリコーン槽16に貯留した定着剤である液状のシリコーン(シロキサン結合による主骨格を持つ、合成高分子化合物)17内を通過させ前記長繊維綿群10にシリコーンを付着(ドブ浸け)させる。
次に、シリコーンを付着させた前記長繊維綿群10に対して、前記シリコーン槽16の上方に配置した一対構成の絞りローラ18による絞り処理を行い、前記長繊維綿群10に付着している余剰のシリコーンを絞り取る。
次に、絞り処理終了後の前記長繊維綿群10を送りローラ19を経てその前方に配置した乾燥機20内に送る。
前記乾燥機20内においては、この乾燥機20による乾燥処理よって前記長繊維綿群10に付着させたシリコーンが各長繊維綿1間に定着し、その粘性により前記長繊維綿群10が一体化して所定の幅Wを有し長さ方向に連なるシート形態となり、本実施例1の長繊維綿シート11Aが得られる。
前記乾燥機20から送り出される長繊維綿シート11Aは、搬出ローラ21を経て更に前方に送られ、巻取ローラ22により巻き取られる。
前記長繊維綿群10の乾燥機20内の進入の直前や、前記乾燥機20から出てくる長繊維綿シート11Aに対して、エアーの吹き付けを行うようにすれば、長繊維綿群10の密度の均一化や、軸糸2・浮糸3のフィラメントの開繊を促す効果がある。
上述した前記長繊維綿シート11Aの巻き取りと同期して前記巻取ローラ22の近くに配置した不織布ローラ23から不織布24を供給しつつ巻き取りを行うことで、実際の使用時の展開の便宜を図ることができる。
すなわち、前記長繊維綿シート11Aだけで巻き取ると、重なり合う毛羽が絡み合ってしまい、使用時において長繊維綿シート11Aの展開が困難になるからである。
実際の製造装置における不織布ローラ23からの不織布24の供給状態を図10に写真態様で示す。
この後、前記巻取ローラ22により巻き取られた長繊維綿シート11Aは、製品として出荷される。
前記巻取ローラ22を図示しないローラ支持体に対し着脱可能に構成しておけば、製品の取り扱いの便宜を図ることができる。
図11は、厚さを2倍に増加させたシート状の長繊維綿群10に対するシリコーン付着の他例を示すものであり、前記重合用ローラ15を通過した長繊維綿群10に対して、スプレー噴霧によりシリコーン17を付着させる場合を示すものである。
このようなスプレー噴霧の場合はシート状とした長繊維綿群10の上面と下面両方向から掛けるのが好ましい。
このようなシリコーン17のスプレー噴霧を行う構成としても上述した場合と同様な処理を行うことができる。
図12は、実際の製造装置における巻取ローラ22により巻き取られた長繊維綿シート11Aを写真形態で示すものである。
本実施例1の長繊維綿シート11A及びその製造方法によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本実施例1の長繊維綿シート11Aによれば、通常の長繊維綿に比べて、目付換算ができるため、使用量の管理がし易いこと、良好な保温性、断熱性を発揮し、薄くて温かいシート状物体が作れること、長繊維綿1のみで形成され中綿が存在せず一体的な形態のため、例えば布団等を製作する場合でも充填機で充填する必要がなく取り扱いが簡便であること、キルト加工がし易く、長繊維綿シート11A自体を生地の上に拡げてキルト加工を直ちに行うことが可能となり、この場合、中綿を気にせず自由なキルト加工、例えばデザイン性を重視したキルト加工や、機能性(フィット性など)を重視したキルト加工を実施できること、等の利点がある。
また、本実施例1の長繊維綿シート11Aの製造方法によれば、前記クリルスタンド12に長繊維綿1を各々巻き付けた多数の供給ローラ12aを各々セットし、長繊維綿1の集合である長繊維綿群10として引き出す工程から始まり、シート状の長繊維綿群10とし、シリコーンを付着し、長繊維綿群10にシリコーンを定着させて一体化した長繊維綿シート11Aとし、この長繊維綿シート11Aを不織布ローラ23から不織布24を介在させつつ巻取ローラ22により巻き取り製品とするまでの一連の工程を効率良く実行でき、長繊維綿シート11Aの量産製造に好適な製造方法を実現できる。
(実施例2)
次に、図13、図14を参照して本発明の実施例2に係る長繊維綿シート11B及びその製造方法について説明する。
本実施例2に係る長繊維綿シート11B及びその製造方法において、上述した実施例1に係る長繊維綿シート11Aの要素及びその製造方法に使用する各要素と同一の要素については、同一の符号を付しその詳細説明は省略する。
図13は、本実施例2に係る長繊維綿シート11Bの製造工程を示すものであり、本実施例2に係る製造工程は、実施例1に係る製造工程と略同様であるが、前記乾燥機20から送り出される長繊維綿シート11Aに対して、図13に示すように、キルトマシン31によりキルト加工部32を設けて、図14に示すように各長繊維綿1をキルト糸33により固定状態とし、かつ、所定の幅Wを有し長さ方向に連なるシート形態のキルト加工処理した長繊維綿シート11Bを製造することが特徴である。
この後、キルト加工処理した長繊維綿シート11Bは、実施例1の場合と同様、巻取ローラ22により巻き取られ、製品として出荷される。
本実施例2においても、前記重合用ローラ15を通過した長繊維綿群10に対して既述した図11に示すようなスプレー噴霧によりシリコーン17を付着させる構成とすることも勿論可能である。
本実施例2に係る長繊維綿シート11B及びその製造方法によれば、以下の効果を発揮する。
すなわち、本実施例2の長繊維綿シート11Bによれば、実施例1の場合と同様、通常の長繊維綿に比べて、目付(単位面積当たりの重量)換算ができるため、長繊維綿1の使用量の管理がし易いこと、アパレルなどのパターンに合わせてキルト加工をする場合、中綿を気にせず自由なキルトができ、デザイン性を重視したキルト、機能性(フィット性など)を重視したキルトを実行できること、キルト糸33で固定されている事で吹出しや片寄りが生じ難く、より密度の少ない側地との組み合わせが可能であり、また、ダストアレルギーの原因を生み出しにくいこと、縫製がし易く、製品使用時形が崩れにくく、かつ、良好な保温性、断熱性を発揮し、薄くて温かい物が作れること、等の利点がある。
また、本実施例2の長繊維綿シート11Bの製造方法によれば、前記クリルスタンド12に長繊維綿1を各々巻き付けた多数の供給ローラ12aを各々セットし、長繊維綿1の集合である長繊維綿群10として引き出す工程から始まり、シート状の長繊維綿群10とし、シリコーンを付着し、長繊維綿群10にシリコーンを定着させて一体化した長繊維綿シート11Bとし、この長繊維綿シート11Bにキルト加工部32を設け、この長繊維綿シート11Bを不織布ローラ23から不織布24を介在させつつ巻取ローラ22により巻き取り製品とするまでの一連の工程を効率良く実行でき、長繊維綿シート11Bの量産製造に好適な製造方法を実現できる。
前記長繊維綿シート11Bの具体的用途としては、例えば、カーテン等の吊り下げ用途の製品の一部を構成する生地等の例を挙げることができる。
(実施例3)
次に、図15、図16を参照して本発明の実施例3に係る長繊維綿シート11C及びその製造方法について説明する。
本実施例3に係る長繊維綿シート11C及びその製造方法において、上述した実施例1に係る長繊維綿シート11Aの要素及びその製造方法に使用する各要素と同一の要素については、同一の符号を付しその詳細説明は省略する。
図15は、本実施例3に係る長繊維綿シート11Cの製造工程を示すものであり、本実施例3に係る製造工程は、実施例1に係る製造工程と略同様であるが、前記乾燥機20から送り出される一体化した長繊維綿シート11Cを、図15に示すように、下段の分離ローラ41、上段の分離ローラ41により一旦第1層、第2層に分離し、更に下段の分離ローラ41の近くに熱接着シート43を供給する熱接着シートローラ42を配置して、第1層、第2層の長繊維綿シート11Cを、間に熱接着シート43が介在する状態で一対構成の重合ローラ44により重合する。
そして、再度重合状態(熱接着シート43が介在する三層状態)とした長繊維綿シート11Cを、一対構成のヒートローラ45の間を通過させ、加熱により熱接着シート43の両面に第1層、第2層の長繊維綿シート11Cを熱接着して、本実施例3に係る所定の幅Wを有し長さ方向に連なるシート形態で、一体性を高めた長繊維綿シート11Cを作製する。
この後、前記長繊維綿シート11Cを実施例1の場合と同様に、不織布24が介在する状態で巻取ローラ22により巻き取る。
本実施例3においても、実施例1の場合と同様、前記重合用ローラ15を通過した長繊維綿群10に対して、既述した図11に示すようなスプレー噴霧によりシリコーン17を付着させる構成とすることももちろん可能である。
本実施例3の長繊維綿シート11C及びその製造方法によれば、以下の効果を発揮する。
すなわち、本実施例3の長繊維綿シート11Cによれば、実施例1の場合と同様、通常の長繊維綿に比べて、目付(単位面積当たりの重量)換算ができるため、長繊維綿1の使用量の管理がし易いこと、加工し易く、製造時の裁断が容易であり、長繊維綿シート11Cの一体性がより高まっているため型貫(型抜)裁断もできること、アパレルなどのパターンに合わせてキルト加工をする場合、中綿を気にせず自由なキルトができ、デザイン性を重視したキルト、機能性(フィット性など)を重視したキルトを実行できること、キルト加工を実行すれば吹出しや片寄りが生じ難く、より密度の少ない側地との組み合わせが可能であり、また、ダストアレルギーの原因を生み出しにくいこと、縫製がし易く、製品使用時形が崩れ難にくく、かつ、保温効果、断熱性があり薄くて温かい物が作れること等の利点がある。
また、本実施例3の長繊維綿シート11Cの製造方法によれば、前記クリルスタンド12に長繊維綿1を各々巻き付けた多数の供給ローラ12aを各々セットし、長繊維綿1の集合である長繊維綿群10として引き出す工程から始まり、シート状の長繊維綿群10とし、シリコーンを付着し、長繊維綿群10にシリコーンを定着させて一体化した長繊維綿シート11Cとし、この長繊維綿シート11Cに対して更に熱接着シート43を用いた熱接着を行って一体性を高め、更に、この長繊維綿シート11Cを不織布ローラ23から不織布24を介在させつつ巻取ローラ22により巻き取り製品とするまでの一連の工程を効率良く実行でき、長繊維綿シート11Cの量産製造に好適な製造方法を実現できる。
図17は、本実施例1乃至3に係る長繊維綿シート11A等(長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11Cを含む)の製造工程において、長繊維綿シート11A等を巻取ローラ22により巻き取った状態(上下2個)を写真形態で示すものである。
(実施例4)
次に、図18乃至図26を参照して実施例4について説明する。
本実施例4は、既述した実施例1乃至3に係る長繊維綿シート11A、長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11Cのうちの例えば実施例1に係る長繊維綿シート11A(又は長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11C)を収納した、若しくは既述した実施例1乃至3のいずれかに係る長繊維綿群10を収納したキルト加工生地使用製品51等、及び、これらの製造方法に関するものである。
図18乃至図20は本実施例4のうち、前記長繊維綿群10を収納したキルト加工生地使用製品51及びその製造工程の一部を示すものである。
すなわち、図18は本実施例4に係る前記長繊維綿群10を収納したキルト加工生地使用製品51の製造工程の一部であって、所要量の長繊維綿群10を芯材としその表裏を例えば黒色の外装材(布材:例えば綿布、合成繊維布等)52でサンドイッチ状に挟み込み、これらをキルティングマシン61上に平坦に配置して生地使用製品本体50とし、キルティングマシン61のキルティングアーム62により保持されたキルティング加工部63によって、表裏の例えば黒色の外装材52全体にわたって所定間隔(例えば8cm間隔、10cm間隔、15cm間隔等)で直線的な縦方向キルティング加工を行うキルティング加工工程を示すものである。
なお、図18において、点線はキルティング加工線71を表すものである。
図19は図18に示すキルティング加工工程における外装材52に対する長繊維綿群10の配列態様を示すものである。すなわち、所要量の長繊維綿群10を外装材52の面上に所定の間隔で均等に配列するものである。
図20は図18に示すような縦方向のキルティング加工工程を実施したキルト加工生地使用製品51の一部を写真形態で示すものである。
なお、実際のキルト加工生地使用製品51においては表裏の外装材52の周辺部は全て縫製加工し前記長繊維綿群10の端部をキルト加工生地使用製品51の内部に封じ込めるがこれについては説明を省略する。以下に述べるキルト加工生地使用製品51A乃至51Fについても同様である。
本実施例4に係るキルト加工生地使用製品51によれば、例えば掛布団、敷布団、衣類等として好適に利用可能である。
すなわち、キルト加工生地使用製品51に内装されている長繊維綿群10は、各長繊維綿により構成され、長繊維綿はポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成されており、このような長繊維綿群10を所要量内装し、キルティング加工を施したキルト加工生地使用製品51は、ボリューム感、保温性に優れるとともに、キルティング加工によってその内部で各長繊維綿群10が偏ったり、ずれたり、塊になったりすることがなく当初の形態を長期間維持することが可能であり、更には洗濯対応性にも優れ、例えば掛布団、敷布団、衣類等として極めて有用であるという顕著な効果を奏するものである。
また、本実施例4に係るキルト加工生地使用製品51の製造方法によれば、長繊維綿群10を外装材52の面上へ配列し表裏の外装材52でサンドイッチ状に覆い、キルティングマシン61によりキルティング加工を施し、表裏の外装材52の周辺部を縫製するという簡略な工程の基に、上述した顕著な効果を奏するキルト加工生地使用製品51を生産性良く製造することができる。
図21は本実施例4に係る既述した長繊維綿シート11A、長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11Cのうちの例えば実施例1に係る長繊維綿シート11A(又は長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11C)を収納した、若しくは既述した実施例1乃至3のいずれかに係る長繊維綿群10を収納した外装材52の表裏にわたって前記キルティングマシン61による縦横方向のキルティング加工を実施したキルト加工生地使用製品51Aの一面を概略的に示すものである。
なお、図21において、縦横の実線はキルティング加工線71を表すものである。
図22は本実施例4に係る既述した長繊維綿シート11A、長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11Cのうちの例えば実施例1に係る長繊維綿シート11A(又は長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11C)を収納した、若しくは既述した実施例1乃至3のいずれかに係る長繊維綿群10を収納した外装材52の表裏にわたって前記キルティングマシン61による縦方向分散形態のキルティング加工を複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品51Bの一面を概略的に示すものである。
なお、図22中において、分散表記した実線はキルティング加工線71を表すものである。
図23は本実施例4に係る既述した長繊維綿シート11A、長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11Cのうちの例えば実施例1に係る長繊維綿シート11A(又は長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11C)を収納した、若しくは既述した実施例1乃至3のいずれかに係る長繊維綿群10を収納した外装材52の表裏にわたって前記キルティングマシン61による縦方向左下がり形態のキルティング加工を複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品51Cの一面を概略的に示すものである。
なお、図23において、左下がりに分散表記した実線はキルティング加工線71を表すものである。
図24は本実施例4に係る既述した長繊維綿シート11A、長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11Cのうちの例えば実施例1に係る長繊維綿シート11A(又は長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11C)を収納した、若しくは既述した実施例1乃至3のいずれかに係る長繊維綿群10を収納した外装材52の表裏にわたって前記キルティングマシン61による縦方向右下がり形態と縦方向左下がり形態のキルティング加工を交互にかつ複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品51Dの一面を概略的に示すものである。
なお、図24において、縦方向右下がり形態と縦方向左下がり形態にかつ交互に分散表記した実線はキルティング加工線71を表すものである。
図25は本実施例4に係る既述した長繊維綿シート11A、長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11Cのうちの例えば実施例1に係る長繊維綿シート11A(又は長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11C)を収納した、若しくは既述した実施例1乃至3のいずれかに係る長繊維綿群10を収納した外装材52の表裏にわたって前記キルティングマシン61によるS状形態のキルティング加工を複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品51Eの一面を概略的に示すものである。
なお、図25において、S状形態に表記した実線はキルティング加工線71を表すものである。
図26は本実施例4に係る既述した長繊維綿シート11A、長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11Cのうちの例えば実施例1に係る長繊維綿シート11A(又は長繊維綿シート11B、長繊維綿シート11C)を収納した、若しくは既述した実施例1乃至3のいずれかに係る長繊維綿群10を収納した外装材52の表裏にわたって前記キルティングマシン61による十字状形態のキルティング加工を複数列にわたって実施したキルト加工生地使用製品51Fの一面を概略的に示すものである。
なお、図26において、十字状形態に表記した実線はキルティング加工線71を表すものである。
図21乃至図26に示す各キルト加工生地使用製品51A乃至51Fの場合も、各々既述した図20に示すキルト加工生地使用製品51の場合と同様な効果を発揮させることができるとともに、キルティング加工形状の相違により製品形態の多様化を図ることが可能となる。
図21乃至図26に示す各キルト加工生地使用製品51A乃至51Fの各製造方法も基本的には既述した図18等に示す場合と同様であり、長繊維綿シート11A等又は長繊維綿群10を外装材52の面上へ配列し表裏の外装材52でサンドイッチ状に覆い、キルティングマシン61により個別に形状の異なるキルティング加工を施し、表裏の外装材52の周辺部を縫製するという簡略な工程の基に、上述した顕著な効果を奏し、かつ、製品形態の多様化をも実現する各キルト加工生地使用製品51A乃至51Fを各々生産性良く製造することができる。
前記実施例に係る長繊維綿1の材質、素材特性等について概略すると、以下の通りである。
前記軸糸2、浮糸3としては、例えばポリエステル系の原糸を用いて、無撚糸、インターレス加工無しのものを使用し、軸糸2、浮糸3の夫々のトータル繊度は30〜200D(デニール)、軸糸2、浮糸3の夫々のトータルフィラメント数は12〜96fのものを使用する。
軸糸2と浮糸3の長さ量(後記説明するエアー交絡用ユニットへ送り込む長さ量)の比率は、1:10〜1:40の範囲内、好ましくは1:20〜1:30とする。すなわち、軸糸2に対して10〜40倍(好ましくは20〜30倍)の長さ量の浮糸3をエアー交絡用ユニットへ送り込む。
長繊維綿1の単位長重量としては、0.01〜3g/m、特に0.02〜1.5g/mが好ましい。番手又はデニールに換算すると、90〜27000D(デニール)、特に180〜13500Dが好ましい。
浮糸3におけるダウンボール状の塊部分の直径φは、約1.0〜8cm位で、特に1.0〜3.5cm位、又は1.5〜4cm位が好ましい。
浮糸3の単糸繊度は、例えば0.1〜300dtex(deci tex)、好ましくは1〜50dtex、特に2〜25dtexが一層好ましい。
また、トータル繊度は、10〜600dtex、好ましくは20〜250dtex、特に30〜100dtexが一層好ましい。
軸糸2、浮糸3は、融着繊維と非融着繊維とを含んで構成している。融着繊維は、融点が異なる2以上のポリマー(高融点ポリマー、低融点ポリマー)で構成している。例えば2以上のポリマーのうち、高融点ポリマーとしては、ポリエステルマルチフィラメント又はポリプロピレンポリマーを、低融点ポリマーとしてはポリエチレンポリマー又は低融点ポリプロピレンポリマーを用いたものである。融着温度としては80〜200℃が好ましく、融点温度差は10〜200℃のものが好ましい。
軸糸2においては、低融点ポリマーを融着させるために、高融点ポリマーを芯とし、低融点ポリマーを鞘とする芯鞘構造が好ましい。特に、ダウンボール状の部分を一層確実に綿状に一体化するには、鞘繊維と低融点熱接着繊維糸の組み合わせが好ましい。融着繊維と非融着繊維の割合は、0〜90%:10〜100%の例を挙げることができ、非融着繊維の具体例としては、例えばポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等が好ましい。
軸糸2と浮糸3に対しては、シリコーン処理剤が熱固定されていることが好ましい。この場合のシリコーン処理剤の好ましい付着量としては、軸糸2と浮糸3の総重量に対して0.1〜5.0%、好ましくは0.5〜3.0%である。
長繊維のエアー交絡糸の重量は、0.01〜3g/m、好ましくは0.02〜1.5g/mとする。
前記実施例に係る長繊維綿1の製造方法は、軸糸2、浮糸3の供給工程、エアー交絡用ユニットによるエアー交絡工程、巻取り工程、シリコーン樹脂加工工程、第1加熱工程、第2加熱工程及び冷まし工程からなるものである。
(1)(軸糸2、浮糸3の供給工程)
軸糸2を送りローラを用いて、エアー交絡用ユニット内に送り込むとともに、クリルスタンドにより支持された供給ローラに予め巻き付けた浮糸3をガイド筒、送りローラを用いてエアー交絡用ユニット内に送り込み、このとき、浮糸3がガイド筒、送りローラを用いることで自然に捩れてエアー交絡用ユニット内の空気抵抗を一層受け易くするために捩られなりながらエアー交絡用ユニット内に送り込まれる。
前記浮糸3のエアー交絡用ユニットに対する送り込み角度θは、軸糸2に対して80〜120度でもって長繊維綿1を形成する。
(2)(エアー交絡工程)
次に、エアー交絡用ユニットにより軸糸2、浮糸3に対するエアー交絡工程を実施する。
エアー交絡用ユニットは、糸・エアー供給体と、ユニット内筒体と、ユニット外筒体と、ユニット内筒体内に内装した例えばセラミックス製のベンチュリーと、ベンチュリーの下端から所定間隔(約25cm)をもって下方に配置した平坦板状の衝突板と、エアー交絡用ユニットに設けたエアー受栓にエアーパイプを介してエアー交絡用のエアー(圧縮空気)を送るエアー圧、風量を調整可能なエアー供給源と、を有している。
そして、後記するノズル筒部の上端側の中央部からノズル筒部の下端中央部に至るようにして設けた貫通孔の上部側には、例えば合成樹脂材からなり上部に突出円形状部を有し、かつ、挿通孔を有するほぼ円筒状の入口筒部を装着し、この入口筒部の挿通孔内に軸糸2、浮糸3を送り込むように構成している。
前記ベンチュリーは、全体としてほぼ円筒状で、その内部中央の上側に軸糸2、浮糸3が夫々進入する上端面側から下方に至るほど縮径するすり鉢状壁面部を設け、このすり鉢状壁面部の最深部から下端面まで軸糸2、浮糸3が通過し得るように貫通させた下端側ほど拡径するテーパー形状のベンチュリー貫通孔を設けている。
前記エアー交絡用ユニット内に供給されるエアーのエアー圧は、例えば0.35〜0.40MPaの例を挙げることができる。
上述した軸糸2、浮糸3の供給工程を経てエアー交絡用ユニット内に送り込まれた軸糸2、浮糸3は、糸・エアー供給体の入口筒部内、貫通孔内、先端ノズル部内を経てベンチュリー内のすり鉢状壁面部内に進入する。
前記エアー受栓に供給されるエアーは、前記エアー交絡用ユニット内のエアー受凹部内に至り、更に、エアー孔を経て前記すり鉢状壁面部が形成する空間部に供給され、すり鉢状壁面部の傾斜面に吹き付けられて散乱する。
これにより、前記ベンチュリーのすり鉢状壁面部が形成する空間部内に進入した浮糸3は、前記空間部内で散乱状態となったエアーの流れを受けて撹乱され、軸糸2、浮糸3のフィラメント同士が結束して絡み合い(エアー交絡)繋がって一体化され、例えば、図3に示すような一列に連なった形態のダウンボール状の塊を有し、かつ、綿状となった形態の長繊維綿1が形成され、一列に連なった形態のダウンボール状の塊を有し、かつ、綿状となった形態の長繊維綿1が形成される。すなわち、前記空間部内でのエアー交絡時には、軸糸2の回りに浮糸3のS撚り・Z撚りの部分が交互に繰り返す形態で浮糸3が絡まり繋がって、前記ダウンボール状の塊の直径φが約1.0〜8cm位で、特に1.5〜4cm位、好ましくは1.0〜3.5cmで、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関してほぼ10cm程度以内の間隔をもって連続的に配列された綿状の形態の長繊維綿1が形成される。
(3)(巻取り工程)
上述したようにして衝突板の側方に曲げられた長繊維綿1は、巻取りローラにより巻き取られる。
(4)(シリコーン樹脂加工工程)
次に、上述したようにして形成した長繊維綿1を、容器内のシリコーン剤にドブ浸けする。
(5)(第1回加熱工程)
次に、シリコーン樹脂加工工程を終了した長繊維綿1に対して第1回加熱工程を実施する。乾燥機を用い、加熱時間1分〜10分(3分〜5分が好ましい。)、加熱温度100〜149℃(特に130℃が好ましい。)の条件で第1回加熱工程を実施し、シリコーン剤を希釈した際の水分を飛ばす。
(6)(第2回加熱工程)
次に、第1回加熱工程を終了した長繊維綿1に対して第2回加熱工程を実施する。
乾燥機を用いて、加熱時間1分〜10分(3分〜5分が好ましい。)、加熱温度150〜200℃(特に180℃が好ましい。)の条件で、第2回加熱工程を実施し、長繊維綿1に対するキュアリング(シリコーン剤定着)及び熱収縮を施す。これにより、シリコーン剤により長繊維綿1に被膜ができすべりがよくなりぬめり感がでるとともに、隣り合う浮糸3同士がすべりによって絡まりにくくなり、また、ふんわり感がでる。
(7)(冷まし工程)
第2回加熱工程実施後の長繊維綿1を、例えば乾燥機を用い、50〜90℃(特に70〜85℃が好ましい。)の温度で冷まし、製品とする。
以上のようにして製造され得られた長繊維綿1は、天然羽毛材ではないポリマーで構成した軸糸2、浮糸3を原糸とし、軸糸2と、浮糸3とが前記エアー交絡用ユニット内のすり鉢状壁面部が形成する空間部内のエアー散乱雰囲気中でのエアー交絡により綿状に一体化されて、前記軸糸2と浮糸3とが絡み合い繋がって、図3に示すようなダウンボール状の塊を備え、かつ、綿状の長繊維として形成しているので、特有のダウンボール状の塊を備えて十分なボリューム感、嵩高を有し、天然羽毛のような動物特有の臭気を伴うことがなく、また、洗濯性(所謂バルーン現象を惹起することなく洗濯しても形状安定している)や保温性、吸湿性、発汗性・発散性も良く、断熱性にも優れている。
本発明の長繊維綿シートは、カーテン等の吊り物用生地、カーペット、絨毯等の敷物用生地、寝袋、掛け布団等の寝具類用詰め物、ジャケット等の防寒具、シャツ、ズボン等の衣類用生地、手袋、靴下等の小物用生地等、各種の生地使用製品用として広範に使用可能である。
また、本発明のキルト加工生地使用製品は、カーテン等の吊り物、カーペット、絨毯等の敷物、寝袋、掛け布団等の寝具類、ジャケット等の防寒具、シャツ、ズボン等の衣類、手袋、靴下等の小物類等、各種の製品用として広範に適用可能である。
1 長繊維綿
2 軸糸
3 浮糸
10 長繊維綿群
11A 長繊維綿シート
11B 長繊維綿シート
11C 長繊維綿シート
12 クリルスタンド
12a 供給ローラ
13 集約ローラ
14 筬
15 重合用ローラ
16 シリコーン槽
17 シリコーン
18 絞りローラ
19 送りローラ
20 乾燥機
21 搬出ローラ
22 巻取ローラ
23 不織布ローラ
24 不織布
31 キルトマシン
32 キルト加工部
33 キルト糸
41 分離ローラ
42 熱接着シートローラ
43 熱接着シート
44 重合ローラ
45 ヒートローラ
50 生地使用製品本体
51 キルト加工生地使用製品
51A キルト加工生地使用製品
51B キルト加工生地使用製品
51C キルト加工生地使用製品
51D キルト加工生地使用製品
51E キルト加工生地使用製品
51F キルト加工生地使用製品
52 外装材
61 キルティングマシン
62 キルティングアーム
63 キルティング加工部
71 キルティング加工線

Claims (15)

  1. ポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した長繊維綿を多数用いてシート状を呈するように均し状態としつつ所定の幅を有し長さ方向に連なる長繊維綿群とし、この長繊維綿群を定着剤による粘性定着により一体化して所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態としたことを特徴とする長繊維綿シート。
  2. ポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した長繊維綿を多数用いてシート状を呈するように均し状態としつつ所定の幅を有し長さ方向に連なる長繊維綿群とし、この長繊維綿群を定着剤による粘性定着により一体化するとともにキルト加工部を設けて各長繊維綿をキルト糸により固定状態とし、所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態としたことを特徴とする長繊維綿シート。
  3. ポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した長繊維綿を多数用いてシート状を呈するように均し状態としつつ所定の幅を有し長さ方向に連なる長繊維綿群とし、この長繊維綿群を定着剤による粘性定着により一体化し長繊維綿シートとするとともに、一体化した長繊維綿シートを第1層、第2層に分離し、間に接着シートが介在する状態で重合し熱接着で接合して、所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態としたことを特徴とする長繊維綿シート。
  4. 前記長繊維綿シート自体を、着脱可能な巻取ローラに巻き付けた巻回形態の製品としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の長繊維綿シート。
  5. ポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した長繊維綿を、多数の供給ローラに各々巻き付け、多数の供給ローラをリルスタンドにセットして、各供給ローラから長繊維綿をこれらの集合である長繊維綿群として引き出す工程と、
    引き出した長繊維綿群を平面的に展開しつつ筬を通過させ、各長繊維綿を均し、長繊維綿群をシート状とする工程と、
    シート状になった長繊維綿群にシリコーンからなる定着剤を付着させる工程と、
    前記定着剤を付着したシート状の長繊維綿群から余剰の定着剤を絞り取る工程と、
    余剰の定着剤を絞り取ったシート状の長繊維綿群に対する乾燥処理を行い、定着剤を各長繊維綿に定着し、その粘性により各長繊維綿を一体化して所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態の長繊維綿シートとする工程と、
    前記長繊維綿シートを、巻取ローラにより巻き取り製品とする工程と、
    を有することを特徴とする長繊維綿シートの製造方法。
  6. ポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した長繊維綿を、多数の供給ローラに各々巻き付け、多数の供給ローラをリルスタンドにセットして、各供給ローラから長繊維綿をこれらの集合である長繊維綿群として引き出す工程と、
    引き出した長繊維綿群を平面的に展開しつつ筬を通過させ、各長繊維綿を均し、長繊維綿群をシート状とする工程と、
    シート状になった長繊維綿群にシリコーンからなる定着剤を付着させる工程と、
    前記定着剤を付着したシート状の長繊維綿群から余剰の定着剤を絞り取る工程と、
    余剰の定着剤を絞り取ったシート状の長繊維綿群に対する乾燥処理を行い、定着剤を各長繊維綿に定着し、その粘性により各長繊維綿を一体化して所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態の長繊維綿シートとする工程と、
    前記長繊維綿シートにキルト加工部を設ける工程と、
    キルト加工部を設けた長繊維綿シートを巻取ローラにより巻き取り製品とする工程と、
    を有することを特徴とする長繊維綿シートの製造方法。
  7. ポリエステル系の原糸を用いた軸糸・浮糸のフィラメント同士がエアーの散乱雰囲気中でのエアー交絡により結束して絡み合い繋がって浮糸がダウンボール状の塊となって一体化され、一列に連なった形態で、前記ダウンボール状の塊が所定の直径を有し、このダウンボール状の塊が軸糸の長さ方向に関して所定間隔をもって連続的に配列されて綿状の長繊維として形成した長繊維綿を、多数の供給ローラに各々巻き付け、多数の供給ローラをリルスタンドにセットして、各供給ローラから長繊維綿をこれらの集合である長繊維綿群として引き出す工程と、
    引き出した長繊維綿群を平面的に展開しつつ筬を通過させ、各長繊維綿を均し、長繊維綿群をシート状とする工程と、
    シート状になった長繊維綿群にシリコーンからなる定着剤を付着させる工程と、
    前記定着剤を付着したシート状の長繊維綿群から余剰の定着剤を絞り取る工程と、
    余剰の定着剤を絞り取ったシート状の長繊維綿群に対する乾燥処理を行い、定着剤を各長繊維綿に定着し、その粘性により各長繊維綿を一体化して所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態の長繊維綿シートとする工程と、
    前記長繊維綿シートを第1層、第2層に分離し、第1層、第2層の間に接着シートを介在させつつ一層の重合状態とし熱接着して所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態に一体化した長繊維綿シートを作製する工程と、
    前記長繊維綿シートを、巻取ローラにより巻き取り製品とする工程と、
    を有することを特徴とする長繊維綿シートの製造方法。
  8. 前記シリコーンからなる定着剤を付着させる工程は、前記長繊維綿群に対するシリコーンのドブ浸け処理、又はシリコーンの噴霧処理である請求項5乃至7のいずれか1項に記載の長繊維綿シートの製造方法。
  9. 前記長繊維綿群に対する乾燥処理の直前若しくは直後に、又は乾燥処理の直前、直後の双方において、前記長繊維綿群に対するエアー吹き付け処理を行う工程を更に含むことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の長繊維綿シートの製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態とした長繊維綿シートと、前記長繊維綿シートを内部に収納し外周部を縫製加工する外装生地とにより生地使用製品本体を構成し、この生地使用製品本体の表裏両面全体にわたるキルティング加工部を設けてなることを特徴とする長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品。
  11. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の所定の幅を有し長さ方向に連なる長繊維綿群と、前記長繊維綿群所要量を内部に縦方向に収納し外周部を縫製加工する外装生地とにより生地使用製品本体を構成し、この生地使用製品本体の表裏両面全体にわたる縦方向のキルティング加工部を設けてなることを特徴とする長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品。
  12. 前記キルティング加工部の形態は、前記生地使用製品本体の表裏両面全体にわたる縦方向配列形態、分散縦方向配列形態、縦横方向配列形態、斜め配列形態、分散S字状配列形態、又は分散十字状配列形態のなかから選定されることを特徴とする請求項10又は11記載の長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品。
  13. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態とした長繊維綿シートの表裏両面を表裏の外装生地によりサンドイッチ状に覆う工程と、
    前記長繊維綿シートの表裏両面が表裏の外装生地により覆われて構成される生地使用製品本体に対してその表裏両面全体にわたるキルティング加工部を設ける工程と。
    前記表裏の外装生地の外周部を縫製する工程と、
    を有することを特徴とするキルト加工生地使用製品の製造方法。
  14. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の所定の幅を有し長さ方向に連なるシート形態とし縦方向に所定の間隔で列設配置した長繊維綿群所要量の表裏両面を表裏の外装生地によりサンドイッチ状に覆う工程と、
    前記長繊維綿群全体の表裏両面が表裏の外装生地により覆われて構成される生地使用製品本体に対してその表裏両面全体にわたるキルティング加工部を設ける工程と。
    前記表裏の外装生地の外周部を縫製する工程と、
    を有することを特徴とするキルト加工生地使用製品の製造方法。
  15. 前記キルティング加工部の加工形態は、前記生地使用製品本体の表裏両面全体にわたる縦方向配列加工形態、分散縦方向配列加工形態、縦横方向配列加工形態、斜め配列加工形態、分散S字状配列加工形態、又は分散十字状配列加工形態のなかから選定されることを特徴とする請求項13又は14記載の長繊維綿シートを収納したキルト加工生地使用製品の製造方法。
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