JP2017531639A - シリル化ピリミジンプロドラッグ及びその使用方法 - Google Patents

シリル化ピリミジンプロドラッグ及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

シリル化ピリミジンプロドラッグ、シリル化ピリミジンプロドラッグを含む組成物、シリル化ピリミジンプロドラッグ及び組成物の製造方法、及び、シリル化ピリミジンプロドラッグ及び組成物を用いた悪性腫瘍の治療方法。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本願は、2014年10月8日に出願された米国特許出願No.62/061,526の利益を請求し、同出願はその全体において参照することにより明確に本書に組み込まれる。
発明の分野
本発明はシリル化ピリミジンプロドラッグ、シリル化ピリミジンプロドラッグを含む組成物、シリル化ピリミジンプロドラッグ及び組成物の製造方法、及びシリル化ピリミジンプロドラッグ及び組成物を用いたがんの治療方法を提供する。
発明の背景
ピリミジン誘導体は、効果的な化学療法薬として知られている。ゲムシタビン、変性糖と一緒のシチジンの類似体である2’,2’−ジフルオロデオキシリボースは、膵臓癌の治療のための単独治療として、そして非小細胞肺癌、乳癌及び卵巣癌の治療のための併用化学療法の一部として、最近認められた化学療法薬である(注射用ジェムザール(ゲムシタビンHCl)。2007年、エリリリーアンドカンパニー)。次の性質はゲムシタビンを有効な抗ガン剤とする。(1)それは、リボヌクレオシドジフォスフェートレダクターゼ(RR)の阻害剤であり、脱リン酸化リボヌクレオシドの脱リン酸化デオキシリボヌクレオシドへの転換を触媒する酵素である。(2)それはDNA鎖ターミネーターとして作用する。(3)それは、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼの基質ではなく、従って、ヌクレオシドの別れたベース及び糖部分への分解を妨げる(Plunkett,W.ら;「ゲムシタビン:代謝、作用機構、及び自己増強」Semin. Oncol. 22(4;suppl 11):3−10,1995,Mini,E.ら「ゲムシタビンの細胞薬理学」Ann. Oncol. 17(Suppl 5)v7−v12,2006)。
2つの他の類似体、5−アザシチジン及び5−アザデオキシシチジン、は血液癌の治療に認められ、そして、DNAメチルトランスファーゼ(DNMT)を阻害することにより、DNAメチル化に必要な酵素として作用する。5−アザシチジン類似体は水中では不安定であり、塩基の6位で開裂することが知られている(Christman,J.K.,「DNAメチル化の阻害剤としての5−アザシチジン及び5−アザ−2’−デオキシチジン、機構研究及びそれらの癌治療との関連」Oncogene 21:5483−5495,2002)。
トリフルリジン,5−トリフルオロチミジンは、抗腫瘍作用を示しており、チミジル酸合成酵素を阻害するよう作用すると考えられる。しかしながら、抗腫瘍剤としてのその開発はその短い半減期(12分)によって妨げられてきた。トリフルリジン及びチミジンホスホリラーゼ阻害剤の同時投与によると平均半減期1.37〜1.57時間というより受容できる薬物動態となる(Hong DS,Abbruzzese JL,Bogaard Kら。TAS−102の固形腫瘍患者への経口投与の安全性及び薬物動態を測定するためのフェーズI研究。Cancer 2006;15(107):1383−1390)。
ピリミジン類似体の循環半減期を延長するために提案された一つのアプローチは、脂質ベースのナノフォーメーションにおいて形成されるより疎水性の分子を生成させそして腫瘍部位の水性環境に晒してこの活性トラッグを速やかに放出させるというものである。短い半減期を有するドラッグと例えばトリメチルシリル(TMS)又は他のシリル部位などの親油性部分とを結合し、疎水性環境中で親油性プロドラッグを生成させることにより循環半減期が延長される結果になるかもしれない。
Plunkett,W.ら;「ゲムシタビン:代謝、作用機構、及び自己増強」Semin. Oncol. 22(4;suppl 11):3−10,1995,Mini,Eら「ゲムシタビンの細胞薬理学」Ann. Oncol. 17(Suppl 5)v7−v12,2006 Christman,J.K.,「DNAメチル化の阻害剤としての5−アザシチジン及び5−アザ−2’−デオキシチジン、機構研究及びそれらの癌治療との関連」Oncogene 21:5483−5495,2002 Hong DS,Abbruzzese JL,Bogaard Kら。TAS−102の固形腫瘍患者への経口投与の安全性及び薬物動態を測定するためのフェーズI研究。Cancer 2006;15(107)1383−1390
改善された効力、安全性及び/又は薬物動態プロフィールを有した新規な癌治療薬の需要が存在し続けている。本発明は、癌治療のための、新規なシリル化ピリミジンプロドラッグ及び組成物を提供する。
発明の概要
本発明はシリル化ピリミジンプロドラッグである治療ドラッグ化合物、シリル化ピリミジンプロドラッグを含む組成物、シリル化ピリミジンプロドラッグの製造方法、及びシリル化ピリミジンプロドラッグ及び組成物を用いた癌の治療方法を提供する。
本発明の一態様において、シリル化ピリミジンプロドラッグが提供される。本発明のシリル化ピリミジンプロドラッグは、リボース糖の1以上のヒドロキシル位置に付加されたシリル基を有するピリミジン類似体である。一つの実施形態において、シリル化ピリミジンプロドラッグはシチジンの類似体である。一つの実施形態において、シリル化ピリミジンプロドラッグはシチジンのトリメチルシリル類似体である。一つの実施形態において、シリル化ピリミジンプロドラッグはチミジンの類似体である。一つの実施形態において、シリル化ピリミジンプロドラッグはチミジンのトリメチルシリル類似体である。シリル化ピリミジンプロドラッグの製造方法もまた提供される。
一つの実施形態において、本発明は、下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R,R,R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R,R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。他の実施形態において、本発明は下記式で表される化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R,R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。更なる実施形態において、本発明は下記式で表される化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。特定の実施形態において、本発明はR,R及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRはメチルである化合物を提供する。
第2の実施形態において、本発明は下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R,R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。他の実施形態において、本発明は下記式で表される化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。更なる実施形態において、本発明は下記式で表される化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。特定の実施形態において、本発明はR及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRはメチルである化合物を提供する。
第3の実施形態において、本発明は下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R,R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。他の実施形態において、本発明は下記式で表される化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。更なる実施形態において、本発明は下記式で表される化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。特定の実施形態において、本発明はR及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRはメチルである化合物を提供する。
第4の実施形態において、本発明は下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。特定の実施形態において、本発明はR及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRはメチルである化合物を提供する。
第5の実施形態において、本発明は下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物を提供する。
Figure 2017531639
式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。特定の実施形態において、本発明はR及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRはメチルである化合物を提供する。
他の態様において、本発明は、シリル化ピリミジンプロドラッグを含む組成物を提供する。その組成物は、1以上のシリル化ピリミジンプロドラッグ、薬学的に許容可能な担体又は希釈剤、及び任意に1以上の付加的な治療剤を含む。その組成物は、癌の治療のためのシリル化ピリミジンプロドラッグの投与に有用である。シリル化ピリミジンプロドラッグ組成物の製造方法もまた提供される。
本発明の他の態様において、シリル化ピリミジンプロドラッグ及び組成物を使用した癌の治療のための方法が提供される、
一つの実施形態において、本発明は、本発明の薬剤組成物の有効量をこれを必要とする対象に投与することを含む、改良された浸透性及び保持性による腫瘍部位への治療ピリミジンのデリバリー(送達)方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、本発明の薬剤組成物の有効量をこれを必要とする対象に投与することを含む癌の治療方法を提供する。
更なる実施形態において、本発明は、本発明の薬剤組成物の治療的に有効量をこれを必要とする対象に投与する固形癌腫瘍の治療方法を提供する。代表的な固形癌腫瘍は、乳がん、非小細胞肺がん及び結腸癌を含む。
更に他の実施形態において、本発明は、本発明の薬剤組成物の治療的に有効量をこれを必要とする対象に投与することを含む血液悪性腫瘍の治療方法を提供する。代表的な血液悪性腫瘍は白血病である。
上記した方法において、ある態様において、対象は人間(ヒト)である。
図1は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、20℃における本発明の代表的なシリル化ピリミジン化合物(NUC025)からの5−アザシチジンの放出を説明する。
発明の詳細な説明
本発明は、シリル化ピリミジンプロドラッグである治療薬剤化合物と、シリル化ピリミジンプロドラッグを含む組成物と、シリル化ピリミジンプロドラッグおよび組成物を製造するための方法と、シリル化ピリミジンプロドラッグおよび組成物を使用して癌を処置するための方法とを提供する。
上述のように、5−アザシチジンおよび誘導体は水中で不安定であり、シトシン環が加水分解により開裂する。これは、薬剤の再構成に関する課題を提示し、血中半減期およびおそらく臨床有効性に悪影響を及ぼす1つの要因である。5−アザシチジンのプロドラッグを開発することは、この不安定性により複雑になる。特定のモチーフが不安定性を増大させ得るためである。たとえば、経口バイオアベイラビリティーを増加させ、脱アミノを防止するためDHADC(5,6−ジヒドロ−5−アザデオキシシチジン)に行われたように、N4−アミノで脂肪酸キャリア部分を付加することは、シトシンの不安定性を増加させるリスクがあると考えられている。実際、プロドラッグが主に不活性種を腫瘍の部位に送達するシナリオを想定することが可能である(たとえば、クリストマン(Christman)JK、オンコジーン(Oncogene)第21巻:5483〜5495、2002年に記載された、溶液中のおよびDNMTの活性部位への共有結合後の、DNAにおける5−アザシトシン残基の開環および加水分解の反応経路を参照されたい)。1つの考えられる救済手段は、疎水性マトリックス中に配合され得る5−アザプロドラッグを腫瘍部位に送達することである。こうした適切に配合されたマトリックスは、加水分解を防止するだけでなく、EPR(enhanced permeability and retention)などの他の利益をもたらすことがある。
EPRは、特定の大きさの分子または製剤(脂質ナノ液滴など)が正常組織より高濃度で腫瘍組織に蓄積しやすい特性である。腫瘍は、それらの栄養および酸素供給のため新生血管からの血液供給に依存している。これらの新たに形成された腫瘍血管は通常、形態および構造が異常である。これらは、広い開窓のある配列の乱れた不完全な内皮細胞を有し、ナノ液滴の進入を可能にする。さらに、腫瘍組織は通常、有効なリンパドレナージが見られない。よってナノ液滴は優先的に腫瘍部位に浸透することができ、よりゆっくりと除去され、腫瘍部位での活性薬剤の蓄積につながる。ナノ液滴の大きさは、それらの腫瘍浸透能を支配する決定的な設計パラメーターである。腫瘍輸送は拡散律速プロセスであるため、より小さな大きさ(≦20nm)のナノ粒子はほとんど例外なく、より大きな大きさ(≧100nm)の粒子より腫瘍組織を通してより効率的に拡散することが分かっている。
疎水性ナノ液滴に5−アザヌクレオシドを配合するには、5−アザヌクレオシドプロドラッグが疎水性であること、かつキャリア部分がシトシン環の加水分解による開裂の前に腫瘍部位で速やかに遊離されることが必要とされる。こうした役割は、糖のOH基または塩基のNH基をトリメチルシリル(TMS)などのシリル基で修飾することにより果たすことができる。TMSは、コーニング(Corning)によりアメリカ航空宇宙局(NASA)向けに多くの動物種を対象に行われた研究において、鎮静作用以外に比較的無毒であることが示されている。100〜200mg/kgのTMSの腹腔内または静脈内投与により、齧歯動物においてTMSの速やかな吸収、および浅麻酔に必要な1mg/mLの血中レベルが生じる。ピリミジンおよびTMSの分子量を踏まえると、治療用量の医薬ピリミジンの投与後に毒性を発揮するレベルに達する可能性は低い。
ここに、シリル基によるヌクレオシドの変性が説明される。代表的な実施形態において5−アザシチジンはTMSで変性されて実施例6に説明されるように2’,3’,5’−トリ(トリメチルシリル)−5−アザシチジン(NUC025)を供給した。
本発明の一態様において、シリル化ピリミジンプロドラッグが提供される。一つの実施形態において、シリル化ピリミジンプロドラッグは、シチジンの類似体である。一つの実施形態において、シリル化ピリミジンプロドラッグは、シチジンのトリメチルシリル類似体である。一つの実施形態において、シリル化ピリミジンプロドラッグはチミジンの類似体である。一つの実施形態において、シリル化ピリミジンプロドラッグはチミジンのトリメチルシリル類似体である。
一つの実施形態において、本発明は下記構造の2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジンのシリル化プロドラッグを提供する。
Figure 2017531639
式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。一つの実施形態においてRはSi(R)(R)(R)でRは水素である。他の実施形態において、Rは水素でRはSi(R)(R)(R)である。更なる実施形態において、R及びRはSi(R)(R)(R)である。一つの実施形態において、R,R及びRはメチルである。
一つの実施形態において、本発明は、下記構造の2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン,トリメチルシリル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジンのシリル化プロドラッグを提供する。
Figure 2017531639
一つの実施形態において、本発明は、下記構造の2,2’−ジフルオロ−5,6−ジヒドロ−5−アザデオキシシチジンのシリル化プロドラッグを提供する。
Figure 2017531639
式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。一つの実施形態においてRはSi(R)(R)(R)でRは水素である。他の実施形態において、Rは水素でRはSi(R)(R)(R)である。更なる実施形態において、R及びRはSi(R)(R)(R)である。一つの実施形態において、R,R及びRはメチルである。
一つの実施形態において、本発明は、下記構造の2’,2’−ジフルオロゼブラリンのシリル化プロドラッグを提供する。
Figure 2017531639
式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。一つの実施形態においてRはSi(R)(R)(R)でRは水素である。他の実施形態において、Rは水素でRはSi(R)(R)(R)である。更なる実施形態において、R及びRはSi(R)(R)(R)である。一つの実施形態において、R,R及びRはメチルである。
一つの実施形態において、本発明は、下記構造の2’,2’−ジフルオロ−5,6−ジヒドロ−5−アザゼブラリンのシリル化プロドラッグを提供する。
Figure 2017531639
式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。一つの実施形態においてRはSi(R)(R)(R)でRは水素である。他の実施形態において、Rは水素でRはSi(R)(R)(R)である。更なる実施形態において、R及びRはSi(R)(R)(R)である。一つの実施形態において、R,R及びRはメチルである。
一つの実施形態において、本発明は、下記構造の2’,2’−ジフルオロデオキシリボース−トリフルオロチミジンのシリル化プロドラッグを提供する。
Figure 2017531639
式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。一つの実施形態においてRはSi(R)(R)(R)でRは水素である。他の実施形態において、Rは水素でRはSi(R)(R)(R)である。更なる実施形態において、R及びRはSi(R)(R)(R)である。一つの実施形態において、R,R及びRはメチルである。
一つの実施形態において、本発明は、下記構造のアザシチジンのシリル化プロドラッグを提供する。
Figure 2017531639
式中、R、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。一つの実施形態においてRはSi(R)(R)(R)で、R及びRは水素である。他の実施形態において、Rは水素、RはSi(R)(R)(R)、Rは水素である。更なる実施形態において、R及びRは水素でRはSi(R)(R)(R)である。同様に、本発明は、R、R又はRのうちの2つがSi(R)(R)(R)である全ての可能な組み合わせを提供する。一つの実施形態において、R、R及びRの各々がSi(R)(R)(R)である。一つの実施形態において、R、R及びRはメチルである。
他の実施形態において、本発明は、一つ又は二つのR基(例えばTMS基)がN4アミノ基に結合(couple)された上記のシチジンプロドラッグを提供する。
一つの代表的な実施形態において、N−シリル化プロドラッグは下記構造を有する。
Figure 2017531639
式中、R、R、R、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R、R、R、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。一つの実施形態において、R、R及びRはメチルである。
上述の本発明のシリル化ピリミジン化合物において、“アルキル”の用語はトリアルキルシリル基のアルキル基を表わし、直鎖、分岐又は環状のアルキル基であってもよい、C1−C10アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル)である。ある実施形態において、アルキル基はC1−C4アルキル基である。ある特定の実施形態において、アルキル基はメチル基である。ある実施形態において、トリアルキルシリル基の各アルキル基は同じである(例えばトリメチルシリル)。他の実施形態において、トリアルキルシリル基は、2又は3の異なるアルキル基(例えばt−ブチルジメチルシリル)を含む。
本開示は、代表的なシリル化治療用ピリミジン化合物を提供する。ここに示した本発明を教える観点から、本発明が治療用ピリミジン化合物のシリル化バージョン(即ち、シリル化治療ピリミジン化合物)を含むことは認められるであろう。多くの治療用ピリミジン化合物がそれらの有用性と限界と同様に技術分野で知られている。本発明は治療用ピリミジン化合物の新種であるシリル化治療用ピリミジン化合物を提供することによって、それらの限界に取り組む。本発明のシリル化治療用ピリミジン化合物は、治療用ピリミジン化合物に有利な、以前は達成不可能な、有利な特性を提供する。ここに列挙され実証された代表的なシリル化ピリミジン化合物の利点は、シリル化治療用ピリミジン化合物のものになる。シリル化の効果は、治療用ピリミジン化合物を親水性にして、本発明の組成物を用いてすぐに投与されることである。ある態様において、本発明のシリル化ピリミジン化合物は、生体内で脱シリル化合物(即ち、治療用ピリミジン化合物)を放出(例えばSi−O結合の加水分解により)するプロドラッグである。このように、本発明のシリル化治療用化合物はすぐに投与されるので、増加された生体利用効率を有し、より有効な効果のある作用点に有利にデリバリーすることができる。
本発明の別の態様において、シリル化ピリミジンプロドラッグの製造方法が提供される。本発明のシリル化ピリミジン化合物はピリミジン化合物を、本技術分野で知られているようなシリル化薬剤(例えば、トリメチルシリルクロライド)で処理することにより製造することができる。ある実施形態において、シリル反応性アミンとヒドロキシル基を有するピリミジン化合物に対して、本発明のシリル化ピリミジン化合物は、アミン基とヒドロキシル基の両方がシリル化される。他の実施形態において、シリル反応性アミンとヒドロキシル基を有するピリミジン化合物に対して、本発明のシリル化ピリミジン化合物はヒドロキシル基のみがシリル化される。
2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジンの調製は実施例1に提供される。2’,2’−ジフルオロ−5,6−ジヒドロ−5−アザデオキシシチジンの調製は実施例2に提供される。2’,2’−ジフルオロゼブラリンの調製は実施例3に提供される。2’,2’−ジフルオロデオキシリボース−トリフルオロチミジンの調製は実施例4に提供される。本発明のシリル化ピリミジンプロドラッグは、ピリミジン類似物をテトラヒドロフラン中で過剰量のトリメチルシリルクロライド及びトリエチルアミンで処理することにより製造される。あるいは、本発明のシリル化ピリミジンプロドラッグは、ピリミジン類似物を過剰量の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンと触媒量の硫酸アンモニウムで125℃で処理することにより製造される。代表的なシリル化ピリミジンプロドラッグである2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン−トリメチルシリルの調製は、実施例5に提供される。
他の態様において、本発明は、ヒト又は動物目的物に対して、単独で、又は他の治療及び/又は抗ガン剤と共に投与されるのに好適な薬学的に許容し得る担体と一緒の、本発明の少なくとも1つのシリル化ピリミジンプロドラッグを含む組成物を提供する。本発明のシリル化ピリミジンプロドラッグは、補形薬及び哺乳動物目的物へのシリル化ピリミジンプロドラッグの投与を容易にする他の化合物を含む、薬学的に許容可能な担体を追加的に含む組成物に処方されてもよい。
本発明の一つの態様において、薬学的に許容可能な担体は親油性の媒体である。親油性の媒体は、例えばオイルを含む様々な親油性の媒体のどれでもひとつであり得る。一つの実施形態において、親油性の媒体はトコフェロール(例えば、α−トコフェロール)を含む。一つの実施形態において、親油性の媒体はコーン油を含む。親油性の媒体として有用な代表的なオイルは以下のものを含む。
様々な鎖長さのカルボン酸を含む脂肪酸及びそのエステルであって、大部分は直鎖であるが分岐していてもよく、例えばカプリン酸、カプリル酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸、さらには飽和又は不飽和脂肪酸及びエステル;
以下に限定されるものではないが、たとえば、大豆油、綿実油、菜種油、魚油、ヒマシ油、Capmul MCM、Captex 300、Miglyol 812、グリセリルモノオレエート、トリアセチン、アセチル化モノグリセリド、トリステアリン、ベヘン酸グリセリルおよびモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステルなどのグリセリドを含む、合成してもあるいは天然の供給源に由来してもよい、モノ−、ジ−またはトリグリセリドを形成するためにグリセリンでエステル化された脂肪酸;
ポリエチレングリコールなどの他の部分に結合(共役結合)されたグリセリド(たとえば、Labrasol、Labrafac、Cremophor EL);
ジミリスチルホスファチジルコリン、卵レシチンおよびPEG化リン脂質などの天然あるいは合成のリン脂質;
脂肪アルコール(ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル)または糖(ソルビタンモノオレエート、SPAN 80、Tween 80、ラウリン酸スクロース)を含む他の脂肪エステル;
ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ベンジルアルコールなどの脂肪アルコール、またはベンジルベンゾエートなどそのエステルもしくはエーテル;
脂溶性ビタミンおよび誘導体、たとえば、ビタミンE(トコフェロールおよびトコトリエノールと、トコフェロールおよびトコトリエノール誘導体、たとえばコハク酸ビタミンE、酢酸ビタミンEおよびコハク酸ビタミンEポリエチレングリコール(TPGS)などのすべてを含む)。
ある種の実施形態では、本発明のシリル化ピリミジン化合物は、ナノエマルジョンなどのエマルジョンに配合してもよい。シリル化ピリミジン化合物の濃度は、化合物、エマルジョン成分、および投与される所望の濃度に応じて異なってもよい(たとえば、0.5〜約10mg/mL)。エマルジョン中の油滴の大きさも必要に応じて異なってもよい(たとえば、10〜200nmまたは100nm未満)。本発明の代表的なシリル化ピリミジン化合物(NUC041)を含むナノエマルジョンは、実施例5に記載される。
別の態様では、本発明は、癌などの細胞の増殖性疾患に罹患しているヒトまたは動物被検体を処置する方法を提供する。本発明の化合物により処置可能な代表的な細胞増殖性疾患は、白血病、リンパ腫および骨髄腫などの血液癌と、固形腫瘍癌(たとえば、乳房、卵巣、膵臓、結腸、結腸直腸、非小肺および膀胱)、肉腫および神経膠腫などの非血液癌とを含む。本発明は、ヒトまたは動物被検体の処置を必要とするヒトまたは動物被検体を処置する方法であって、本発明の治療有効量の1種または複数種のシリル化ピリミジンプロドラッグを、単独または1種または複数種の他の治療剤および/または抗癌剤と組み合わせて被検体に投与することを含む方法を提供する。
本発明の1種または複数種のシリル化ピリミジンプロドラッグを含む組成物は、治療有効量のシリル化ピリミジンプロドラッグを送達するために投与される。シリル化ピリミジンプロドラッグ(単数または複数)の治療有効量は一般に最大耐容量まで及ぶが、濃度は重要ではなく、大きく異なってもよい。主治医により採用される正確な量は、言うまでもなく、化合物、投与経路、患者の体調および他の要因に応じて異なる。1日投与量は、単回投与として投与してもよいし、あるいは投与用に複数回に分けてもよい。本発明のシリル化ピリミジンプロドラッグの投与は、任意の効果的な経路により、たとえば、非経口的にまたは経口的に達成される。
実際に投与される本発明のシリル化ピリミジンプロドラッグの量は治療有効量であり、この用語は、本明細書において相当に有益な効果を発揮するのに必要とされる量を表すのに使用される。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から導かれる用量反応曲線から外挿してもよい。動物モデルは典型的には、望ましい投薬量範囲および投与経路を判定するのにも使用される。こうした情報はその後、ヒトまたは他の哺乳動物の投与に有用な用量および経路を判定するのに使用できる。有効用量の判定は、十分に当業者の能力の範囲内である。したがって、実際に投与される量は、処置が施される予定である個体に依存し、好ましくはあまり副作用を有さずに所望の作用が達成されるように最適化された量である。
次の実施例は、本発明を説明するために提供されるが、本発明を制限しない。
実施例1
2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジンの調製
2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物IV)の調製のために、スキームIに示される2つの選択的な経路が使用された。
A. 1−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾエート(化合物I)経由の3’,5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物III)の調製
(1) 出発物質である本技術分野で公知の2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾエート(Chouら,「Synthesis」1992,565−570頁)が、WO2006/070985に記載される方法と同様の方法で、1−ブロモ類似体に変換された。出発物質のリボース(3.9g、10.3ミリモル)は31mlのトルエンに溶解され、乾燥トリエチルアミン(1.43ml、10.3ミリモル)が添加された。溶液は0℃に冷却され8mlのトルエン中のジフェニルホスホリルクロライド(2.64ml、12.3ミリモル)が15分間で添加された。反応混合物は、室温に加温され、3.5時間インキュベートされた。反応は1M HCl(10.2ml)の添加により停止され、トルエン層が分離され、水層は10mlのエーテルで抽出された。有機層は合わされ、水、飽和NaHCO及び飽和NaCl(各20ml)で抽出され、MgSOで乾燥された。溶媒が除去され、生成物は、ヘキサン−酢酸エチル溶離液でシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより分離された。収量、収率は4.6g、73%。
(2) 中間体として工程(1)に説明されたように調製されたジフェニルホスフェート類似体(4.6g、75ミリモル)に対し、酢酸中のHBr(30%、1.6ml、81.3ミリモル)が添加され、反応混合物は室温で6.5時間インキュベートされた。反応混合物は、80mlの塩化メチレンで希釈され、氷水、飽和NaHCO及び飽和NaCl(各100ml)で2回抽出された。有機層はMgSOで乾燥され、濾過され、蒸発され、α及びβ異性体の9:1混合物である1−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾエート(化合物I、3.1g、93%)を得た。
(3) 5−アザシトシン(98%、アルドリッチ、5.0g、44.8ミリモル)と硫酸アンモニウム(25mg)がヘキサメチルジシラザン(25ml)中に懸濁され、クロロトリメチルシラン(0.2ml)が添加された。反応混合物は、還流器で17時間加熱された。透明溶液が冷却され、蒸発され、乾燥キシレンで2度共蒸発され、真空乾燥され、その全体が次のグリコシル化工程に使用される、白っぽい固体のシリル化5−アザシトシン(〜7g)を得た。
(4) 工程(2)に説明されたように調製された1−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾエート(化合物I)(0.78g、1.77ミリモル)は、グリコシル化工程のために、4mlのアニソールに溶解され、工程(3)のように調製されたシリル化5−アザシトシン固体に転換された。懸濁液は150℃に加熱され、2mlのアニソールがすべての固体が完全に溶解するように添加された。4時間後、反応混合物は冷却され、SnCl(0.2ml、2ミリモル)が添加された。反応混合物は150℃に6時間再加熱され、室温に冷却され、塩化メチレン(30ml)、メタノール(10ml)及びシリカゲル(20g)が添加されて反応停止され、乾燥されて3’−5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物III)を得た。得られた粉末は、パックされたシリカゲルカラムの最上部に供給され、生成物は、フラッシュクロマトグラフィーによりクロロホルム−メタノール溶離液で単離された。β−異性体は最初に溶離され、その後α−異性体が溶離された(部分的な分離のみが達成され、β−異性体の収率は12%、α−異性体の収率は5%である。)。完全な異性体の分離は、Gemini C18 5u(21.2×250mmカラム)のRP HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって、50mM酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.5)−アセトニトリル溶離液で達成された。
化合物IIIβ−異性体のCDClH NMR:8.12ppm(s,1H,H6),7.8−8.1(m,4H,ベンゾイル),7.4−7.6(m,2H,ベンゾイル),7.2−7.4(m,4H,ベンゾイル),6.38(br.t,J=8.0Hz,1H,H1’),5.65(m,1H,H3’),4.70(m,2H,H5’),4.58(m,1H,H4’).ESI MS:473.3[M+H],471.1[M−H]
B. 2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物IV)の調製
ステップAにおけるように調製された3’,5’−ベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物III)(15mg,α及びβ異性体の3:1混合物)は2mlの無水MeOHに溶解され、MeOH(0.1ml)中の1M NaOMeが添加された。室温で1時間後、反応混合物は蒸発され、保護解除された異性体はGemini C18 5u(21.2×250mmカラム)のRP HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により50mMの酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.5)−アセトニリトル溶離液で分離された。分離後、直ちに、β−異性体に相当するフラクションがプールされ、10℃未満で蒸発され、0.4mg(19%)の2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物IV)が生成した。
化合物IVのβ−異性体のDMSO−dH NMR:8.48 ppm(s,1H,H6),7.79(br,2H,NH),6.35(br,1H,3’−OH),6.07t,J=8.0Hz,1H,H1’),5.30(br,1H,5’−OH),4.90(br,1H,5’−OH),4.23(br.m,1H,H3’),3.85(m,1H,H4’),3.78(m,1H,H5’),3.63(m,1H,H5’),50mM酢酸トリメチルアンモニウム(pH7.5)中のUV240nm(sh)
C. 1−メチルスルホニル−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾエート(化合物II)を経由する3’,5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物III)の調製
工程A(3)に説明されるように調製されたシリル化5−アザシトシン(2.3g、9ミリモル)は2mlのアニソールに130℃で溶解された。Chouら,「Synthesis」1992,565−570頁に説明されるように調製された1−メチルスルホニル−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾエート(化合物II)(0.4g、0.87ミリモル)は、1mlのアニソールに溶解され、シリル化5−アザシトシンの熱い溶液に添加された。反応混合物は、150℃で7時間インキュベートされ、室温に冷却され、15mlの塩化メチレン、15gのシリカゲル及び5mlのメタノールが添加されて反応停止され、懸濁液は真空乾燥された。得られた粉末は、パックされたシリカゲルカラムの上部に供給され、クロロホルム−メタノール溶離液によるフラッシュクロマトグラフィーによって単離された。適当なフラクションはプールされ、蒸発され、α−及びβ−異性体の2:1混合物(100mg,25%収率)として3’,5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物III)を生じた。
D. 2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物IV)の合成
工程Cにおけるようにして調製された、3’,5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物III)(80mg,α及びβ異性体の2:1混合物)が2mlの無水メタノールに溶解され、MeOH(0.1ml)中の1M NaOMeが添加された。室温で1時間後、反応混合物は蒸発され、保護解除された異性体はGemini C18 5u(21.2×250mmカラム)のRP HPLCにより50mMの酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.5)−アセトニリトル溶離液で単離された。分離後、直ちに、β異性体に相当するフラクションがプールされ、10℃未満で蒸発され、2.1mg(13%)の2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物IV)が生成した。
化合物IVのRP HPLC保持時間及びスペクトル特性(即ち、H NMR及びUV)は工程Bにおけると同じであった。ESI MS:265.2[M+H]
Figure 2017531639
スキーム1. 3’,5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物III)及び2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物IV)の合成
実施例2
2’,2’−ジフルオロ−5,6−ジヒドロ−5−アザデオキシシチジンの製造
2’,2’−ジフルオロ−5,6−ジヒドロ−5−アザデオキシシチジン(化合物VI)の製造はスキーム2に示されている。
A. 3’,5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物V)の調製
実施例1のようにして製造された3’,5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物III)の純粋なβ−異性体(144mg,0.30ミリモル)が3mlの塩化メチレンに溶解され、トリエチルアミン(0.12ml)及びクロロトリメチルシラン(0.1ml)が添加された。0.5時間後、反応混合物は5ml酢酸で希釈され、ナトリウムボロハイドライド(100mg、2.6ミリモル)が粉末として添加された。室温で1時間後、反応混合物は蒸発され、Gemini C18 5u(21.2×250mmカラム)のRP HPLCにより50mMの酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.5)−アセトニリトル溶離液で分離された。生成物に相当するフラクションがプールされ、蒸発され、83mg(57%)の3’,5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物V)が生成した。
化合物Vβ−異性体のDMSO−dH NMR:7.93−8.07(m,4H,ベンゾイル),7.64−7.77(m,2H,ベンゾイル),7.47−7.62(m,4H,ベンゾイル),6.08(t,J=7.2Hz,1H,H1’),5.63(m,1H,H3’),4.55−4.70(m,3H,H4’及び H5’),4.48(s,2H,CH).ESI MS:475.4[M+H]
B. 2’,2’−ジフルオロ−5,6−ジヒドロ−5−アザデオキシシチジン(化合物VI)の製造
工程Aのようにして製造された3’,5’−ジベンゾイル−2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物V)(80mg、0.168ミリモル)が6mlの無水MeOHに溶解され、MeOH(0.3ml)中の1M NaOMeが添加された。室温で1時間後、反応混合物は酢酸(0.02ml)が添加されて反応停止され、蒸発され、保護解除された生成物は、Gemini C18 5u(21.2×250mmカラム)のRP HPLCにより50mMの酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.5)−アセトニリトル溶離液で単離された。適当なフラクションがプールされ、蒸発され、49mg(95%収率)の2’,2’−ジフルオロ−5,6−ジヒドロ−5−アザデオキシシチジン(化合物VI)が生成した。
化合物VIのDMSO−dH NMR:5.87(dd,J=9.6Hz,J=10.8Hz,1H,H1'),4.51及び4.29(AB,2H,CH),3.98(ddd,J=8.4Hz,J=12.8Hz,J=12.8Hz,1H,H3'),3.67(m,1H,H5'),3.58(m,1H,H4'),3.52(m,1H,H5').ESI MS:267.0[M+H]
Figure 2017531639
スキーム2. 2’,2’−ジフルオロ−5,6−ジヒドロ−5−アザデオキシシチジン(化合物VI)の合成
実施例3
2’,2’−ジフルオロゼブラリンの製造
2’,2’−ジフルオロゼブラリン(化合物VIII)の製造はスキーム3に示されている。
(1) 出発物質である1−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾエート(化合物I)が実施例1のようにして製造された。
(2) 2−ヒドロキシピリミジン塩酸塩(0.57g、4.3ミリモル)がヘキサメチルジシラザン(10ml)に懸濁された。反応混合物は還流器で1.5時間加熱された。透明溶液はアルゴン中でデカンテーションされ、蒸発され、乾燥キシレンで2回共蒸発され、真空乾燥された。
(3) グリコシル化工程のために、工程(1)のように製造された1−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾエート(化合物I)(1.20g、2.7ミリモル)が20mlのジクロロエタンに溶解され、シリル化2−ヒドロキシピリミジンを収容したフラスコに移された。反応混合物はアルゴン中で16時間還流され、次いでジクロロエタンが10mlのアニソールと置換され、そして、温度が150℃に昇温された。反応混合物は150℃で18時間撹拌され、室温に冷却され、生成物である1−β−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル)−ピリミジン−2−オン(化合物VII)が、メタノール/クロロホルム(3:97)中でシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによってβ−及びα−異性体の混合物(1:6)として分離された。収率:0.09gすなわち7%。
(4) 工程(1)〜(3)のようにして製造された1−β−(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロ−D−リボフラノシル)ピリミジン−2−オン(化合物VII)(85mg,α及びβ異性体の6:1混合物)が2mlの無水MeOHに溶解され、MeOH(0.1ml)中の1M NaOMeが添加された。4℃で1時間後、反応混合物は蒸発され、保護解除された異性体は、Gemini C18 5u(21.2×250mmカラム)のRP HPLCにより50mMの酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.5)−アセトニリトル溶離液で単離された。分離後直ちにβ異性体に相当するフラクションがプールされ、蒸発され、3.4mg(7.4%)の2’,2’−ジフルオロゼブラリン(化合物VIII)が生成した。
化合物VIIIβ−異性体のDMSO−d中のH NMR:8.66ppm(dd,J=4Hz,J=2.4Hz,1H),8.57(dd,J=6.8Hz,J=2.4Hz,1H),6.62(dd,J=6.8Hz,J=4Hz,1H),6.07(t,J=7.2Hz,1H),4.42−4.29(m,1H),4.05−3.97(m,2H),3.88−3.82(m,1H). ESI MS:249[M+H]+
Figure 2017531639
スキーム.3. 2’,2’−ジフルオロゼブラリン(化合物VIII)の合成
実施例4
2’,2’−ジフルオロデオキシリボース−トリフルオロチミジンの製造
2’,2’−ジフルオロデオキシリボース−トリフルオロチミジン(化合物X)の製造は、スキーム4に示されている。2’,2’−ジフルオロデオキシリボース−トリフルオロチミジン(化合物X)は、SnClを触媒として用いたアニソール中で、シリル化5−(トリフルオロメチル)ウラシルが、実施例1のようにして製造された1−ブロモ−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−D−リボフラノシル−3,5−ジベンゾエート(化合物I)でグリコシル化され、次いでメタノール中の触媒量のナトリウムメトキシドで保護解除されることにより製造された。
Figure 2017531639
スキーム4. 2’,2’−ジフルオロデオキシリボース−トリフルオロチミジン(化合物X)の合成
実施例5
代表的なシリル化ピリミジンプロドラッグの製造
2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン−トリメチルシリル(NUC041)
方法I. 2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン−トリメチルシリル(化合物XI)の製造は、スキーム5に示されている。2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン−トリメチルシリル(化合物XI)は、実施例1のように製造された2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物IV)をテトラヒドロフラン中の過剰量のトリメチルシリルクロライド及びトリエチルアミンで処理することにより製造される。
Figure 2017531639
スキーム5. 2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン−トリメチルシリル(化合物XI)の合成
方法II. 2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン−トリメチルシリル(化合物XI)を製造する別の方法は、次の通りである。2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン−トリメチルシリル(化合物XI)は、実施例1のように製造された2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン(化合物IV)を過剰量の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン及び触媒量の硫酸アンモニウムで125℃で処理することにより製造される。生成物はフラッシュクロマトグラフィーによって単離される。
化合物XIは、3mg/mlの濃度でナノエマルションにうまく形成された。ナノエマルションは、注射可能オイル及びレシチンよりなるオイル相と、等張化剤、安定化剤及び水を含む水相とを有する。エマルションは平均100nm未満の油滴を有したオイルインウォーター型である。各ビヒクルは中性pH(5〜7)であり、略等張である。形成された化合物XIの毒性がマウスによってテストされた。マウスは3日間連続で用量60mg/kgまで静脈注射され、1週間の終わりに観察された。体重減少で測定された結果では毒性の証拠はなかった。
実施例6
代表的シリル化ピリミジンプロドラッグ:
2’,3’,5’−トリ(トリメチルシリル)−5−アザシチジン(NUC025)
本実施例では、本発明の代表的なシリル化ピリミジンプロドラックである2’,3’,5’−トリ(トリメチルシリル)−5−アザシチジン(NUC025)の特性が記述されている。NUC205の構造は次の通りである。
Figure 2017531639
2’,3’,5’−トリ(トリメチルシリル)−5−アザシチジン(NUC025)は実施例5において上述された2’,2’−ジフルオロ−5−アザデオキシシチジン−トリメチルシリルの製造に似た方法により製造される。
表1において、乳房、結腸及び白血病に対するNUC025のインビトロの細胞傷害性が5−アザシチジンと比較されている。
表1 NUC025及び5−アザシチジンのインビトロ細胞傷害性(μMにおけるIC50
Figure 2017531639
表1のデータは、NUC025は、インビトロの5−アザシチジンの活性を保有していることを示している。5−アザヌクレオシドのようなプロドラッグは、より長い循環半減期が重要である、インビボの優位性を示すかもしれない。
図1は、加水分解による5−アザシチジン−TMSプロドラッグ(NUC025)からの5−アザシチジンの放出を表わしており、少なくとも室温でのPBSにおいて、約80%の活性ドラッグが回収され得ることを示している。
代表的実施形態が示され及び記載されてきたが、本発明の要旨及び範囲を逸脱しない限り、種々の改変が可能であることは明らかである。
独占的な特性又は特典が要求された発明の実施形態は以下に定義される。

Claims (32)

  1. 下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  2. 下記式で表される請求項1の化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  3. 下記式で表される請求項1の化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  4. 及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRがメチルである請求項1〜3のいずれかの化合物。
  5. 下記式で表される請求項4の化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R及びRはSi(CHである。
  6. 下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R,R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R,R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  7. 下記式で表される請求項6の化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  8. 下記式で表される請求項6の化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  9. ,R及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRがメチルである請求項6〜8のいずれかの化合物。
  10. 下記式で表される請求項6の化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R及びRはSi(CHである。
  11. 下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  12. 下記式で表される請求項11の化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R,R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  13. 下記式で表される請求項11の化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  14. 及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRがメチルである請求項11〜13のいずれかの化合物。
  15. 下記式で表される請求項11の化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R,R及びRはSi(CHである。
  16. 下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  17. 及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRがメチルである請求項16の化合物。
  18. 下記式で表されるシリル化ピリミジン化合物。
    Figure 2017531639
    式中、R及びRは独立して水素又はSi(R)(R)(R)から選ばれ、R又はRの少なくとも一つがSi(R)(R)(R)である場合、R,R及びRは独立して水素又はアルキルから選ばれる。
  19. 及びRがSi(R)(R)(R)であり、R,R及びRがメチルである請求項16の化合物。
  20. 請求項1〜19のいずれかのシリル化ピリミジン化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む薬剤組成物。
  21. 請求項20の薬剤組成物の有効量をこれを必要とする対象に投与することを含む、改良された浸透性及び保持性による腫瘍部位への治療ピリミジン化合物のデリバリー方法。
  22. 請求項20の薬剤組成物の有効量をこれを必要とする対象に投与することを含む、癌の治療方法。
  23. 請求項20の薬剤組成物の治療的に有効量をこれを必要とする対象に投与する、固形がん腫瘍の治療方法。
  24. シリル化治療用ピリミジン化合物。
  25. 請求項24のシリル化治療用ピリミジン化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む薬剤組成物。
  26. 請求項25の薬剤組成物の有効量をこれを必要とする対象に投与する、改良された浸透性及び保持性による腫瘍部位への治療ピリミジン化合物のデリバリー方法。
  27. 請求項25の薬剤組成物の有効量をこれを必要とする対象に投与することを含む、癌の治療方法。
  28. 請求項25の薬剤組成物の治療的に有効量をこれを必要とする対象に投与する、固形がん腫瘍の治療方法。
  29. 固形がん腫瘍が、乳がん、非小細胞肺がん及び結腸がんから選ばれる請求項28の方法。
  30. 請求項25の薬剤組成物の有効量をこれを必要とする対象に投与することを含む、血液悪性腫瘍の治療方法。
  31. 血液悪性腫瘍が白血病である請求項30の方法。
  32. 対象が人間である、請求項26〜31のいずれか一つの方法。
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