JP2017531569A - 超小型部材を成形するための装置および方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、超小型部材を射出成形するための方法および装置であって、射出成形機から成り、この射出成形機において以下のもの、すなわち金型キャリア（１３）であって、この金型キャリアが着脱可能な金型（１０）を支持し、この着脱可能な金型に、少なくとも一つの金型キャビティ（１１）が設けられている金型キャリア（１３）と、カウンタ金型（１４）であって、カウンタ金型（１４）が金型（１０）に対して閉鎖されている場合に、芯出し力も金型（１０）に対する成形圧力も加えられるようにして、前記カウンタ金型が金型（１０）に対して閉鎖されるように配置されているカウンタ金型（１４）が配置されている。

Description

本発明は、射出成形機で構成されている（超小型部材を成形するための）成形装置に関し、この射出成形機において、金型キャリアは着脱可能な金型を支持しており、この金型に成形のための少なくとも一つの金型キャビティが設けられており、カウンタ金型は金型に成形圧をかけるために配置されている。本発明は対応する成形方法にも関する。

特許文献１は、高圧下で金型内に溶融樹脂を射出することにより開始されるプラスチックを成形するための方法を記載している。移動側金型の二つの部材は、互いに可動であり、金型の四隅に固定された四つのクランプバー上に配置されている。金型の二つの隣接した面の間の起こりうる平行度の欠陥を補正するために、これらのバーは長さΔＬの弾性伸び特性を有する。金型が四つのバーの中心に置かれなければならない事実のために、その配置は成形されるべき少数の部材しか使用できない。さらに、厳しく平行な様式で載置される必要がある四つのバー配置には、極めて高い精度が必要であり、この極めて高い精度のために装置は複雑になりかつ実施には費用がかかる。

特許文献２には、スタンピングタイプの射出圧縮動作を行うための方法と装置が記載されている。装置はスペースコラム（ｓｐａｃｉｎｇ ｃｏｌｕｍｎ）を二つの部材で囲んでいる金型を備えている。装置は高圧射出の間に弱い軸方向圧縮状態を生じるように設計されている。射出圧縮成形は、一般的な射出成形に比べて、低い締固め圧力、部材の均一な品質、小さい残留応力および高い寸法精度という長所を有しており、そして極度に薄い部材あるいは複雑な形状を有する部材を製造するために良く適しており、これらの部材にとって、一般的な射出成形では品質基準に合わず或いはきわめて高い型締トン数を必要とする。しかしながら、成形されるべき部材の正確な厚さを達成するために、キャビティの力が型締め力により集中するまで、各サイクル間の計算値との調節を行う間、記載された解決手段は、行われる繰返される成形サイクルによる射出段階により制御されている方法を含んでいる。

特許文献３は、一般的な方法で熱可塑性樹脂の成形を、特に相対的に薄い形状を有する物あるいは変形せずにその厚さがかなり変動する恐れがある物を得るために、粘性塊から異なる熱可塑性樹脂迅速に圧力成形するための方法を記載している。記載された解決手段は、キャビティの体積に依存した熱された材料の測定された量を金型のキャビティ内に導入することを含んでいる。

さらに超小型部材成形装置が知られており、この成形装置において、複数の部材を成形するために設計された金型は、金型キャリアとカウンタ金型の間に収容されており、カウンタ金型は、射出されるべき部材があるのと同じだけ多くの射出ノズルにより向きを変えられている。このタイプの装置は、金型が限定された数のキャビティ、例えば１個取りのキャビティ、２個取りのキャビティ或いは４個取りのキャビティを備えている場合には、良好な結果をもたらし、部材の品質は満足のいくものである。しかしながら、キャビティの数が増えるのと同時に、製造される部材の品質は不揃いになる。

これらの欠点を克服するために、本発明は異なる技術的手段を提供する。

欧州特許第０２７２１３８号明細書 米国特許第７７６３１９１号明細書 仏国特許第１４１４４８５号明細書

本発明の第一の課題は、前記の欠点が無い成形装置と成形方法を提供することにある。

本発明の別の課題は、数多くの部材を製造可能にする超小型部材を成形するための装置および方法提供することであるが、光学要素あるいは時計機構のための部材などの高精度メカニズム用に設計された超小型部材の多くの場合にきわめて厳しい要求に適した品質のレベルを維持している。

本発明のさらにもう一つの課題は、極めて小さい寸法と低公差の部材が、高度な信頼性でもってかつ有利なコストで製造できる成形装置と成形方法を提供することにある。

この趣旨で、本発明は射出成形機から成る（超小型部材を成形するための）射出装置であって、この射出装置が、金型キャリアとカウンタ金型とを備え、この金型キャリアが着脱可能な金型を支持しており、この金型に成形のための少なくとも一つの金型キャビティが設けられており、金型の金型キャビティ内の材料を射出することによる成形作業中に、カウンタ金型が金型に対して閉鎖されている場合に、金型の芯出し動作にも金型にかかる圧力にも適用されるように、このカウンタ金型が金型に対して閉鎖されるように配置されている射出装置において、金型の表面の圧力のほぼ均一な分布を保証するために、圧力がカウンタ金型によりかけられる際に、射出装置がさらに、金型の表面上に不均等かけられる力の影響下で変形するのに適したレベル補正装置を備えていることを特徴とする射出装置を提供する。

この構成のおかげで、本発明による装置により、輪郭および寸法に依存して、例えば、８，１２，１６，２４，３２の部材或いはそれどころかもっと多くの部材といった幾つかの部材を備えたロットによる大規模なバッチの成形を行うことができる。

一実施形態において、レベル補正装置は、金型キャリアに対して当接している支承領域と、かけられる力の影響下で変形するように、弾性的に変形可能な領域とを備えている。

レベル補正装置は、単一ピースで構成されているのが有利であり、従って適正なコストで既存の成形設備におけるその一体化がより容易になる。

弾性的に変形可能な領域は、カウンタ金型により圧力がかけられ、金型の成形キャビティ内に材料を射出する間に、射出力を上回って少なくとも約１０〜２０％で支持するように採寸されていることも有利である。

本発明は、成形されるべき部材の複数の金型キャビティを備えた金型内に材料を射出することによる部材成形方法も提供し、以下の工程、すなわち、
金型キャリアに対して複数の金型キャビティを備えた金型を位置決めする工程、
金型キャビティの開いた部分に対してカウンタ金型を当てることにより金型を閉鎖する工程、
金型に対して圧力をかけ、前記圧力の少なくとも一部がレベル補正装置のレベルで再伝達される工程、および
金型の位置合わせ起こりうる不均衡および／またはこの不均衡に対する反応としてのレベル補正装置の変形により金型の表面上にかけられる圧力の起こりうる不均衡をすべて補正する工程を備えている。

金型開放段階の後、部材取出し装置は、部材の各金型キャビティの中から外へ成形された部材を出すために力をかけるのが有利である。

実施形態の詳細は全て、以下に続く記載において与えられ、図１〜４により完成され、実施例を限定しないことによってのみ呈示される。

閉鎖位置における、本発明による成形装置の一例の正面図を示す。 開放位置における成形による、図１ａの例の正面図を示す。 開放位置における金型を備えた、図１の成形装置の斜視図を概略図で示す。 金型の実施形態の正面からの概略図を示す。 実施形態による金型フレームの斜視図を示す。

図１ａは一実施形態を示しており、この実施形態において、金型１０は金型インサートから成り、この金型インサートにおいて、複数の金型キャビティ１１（又は凹部或いは輪郭）が製造されるべき部材の逆の形で形成されている。図示された例において、金型インサートは成形されるべきピニオンを備えた歯車を製造可能にする一個取りの金型キャビティを備えている。

円盤の形状の金型サポート或いは金型キャリア１３により、金型１０は位置決めされかつ金型キャリアの面の内の一つに保持されることができる。図示された実施例において、金型サポートの（図２において見える）二つのカラー保持ブッシング１２は、金型キャリア１３に対して確実に保持されるように、金型キャリアの各側に設けられている。カウンタ金型１４は金型１０と金型キャリア１３の向かいに設けられている。図示された実施例において、カウンタ金型１４も円盤（ディスク）の形状をしており、一方の側は、金型キャビティ１１の最終的な壁を形成するために、金型１０と接続するように設計されている。

図１ａに示されたように、射出されるべき材料を備えた供給トンネル１７により供給される複数のノズル１６により射出材料の必要とされる供給が可能になる。金型キャビティ当たり一本のノズルが使用されるのが好ましい。

一変形として、金型キャビティ当たり一本以上のノズル或いは幾つかの金型キャビティのための一本のノズルを設けることも可能である。図３は金型１０の一例の正面からの概略図を示しており、この金型は歯車の形成を描いている四つの金型キャビティ１１を備えている。本発明の射出成形機により製造される部品（ピニオンを備えたホイール）１１１の実施例が図３に示されている。金型キャビティ１１の形状が製造されるべき部材、例えば超小型レンズに対応する他の任意の形状をとることができるのは言うまでもない。

先に記載された要素はすべて、成形エンクロージャ４０内に位置決めされているのが有利であり、この成形エンクロージャは複数の着脱可能なブロックを備え、念入りで精密でかつ信頼性のある調節により成形要素を収容するために設計されている。図４は複数のキャビティ１３１を有する収容プレート１３０を備えた金型フレーム１００の斜視図を示す。キャビティ１３１は各々、金型キャリア１３収容するためにかつ金型キャリアをカウンタ金型１４に対して事前位置決めするために配置されている。金型フレーム１００はカウンタ金型プレート１４０も備えており、このカウンタ金型プレート内にカウンタ金型１４（或いは複数のカウンタ金型１４）が収容されている。さらにカウンタ金型プレート１４０は射出チャネル１６０を備えており、この射出チャネルはノズル１６の一つずつに対して供給トンネル１７を通って射出されるべき材料を配給する。

装置は超小型部品の成形を目的としているので、装置を構成している異なる要素の寸法は、高精度を備えている。同じことは成形エンクロージャ４０にも当てはまり、この成形エンクロージャにより、金型１０、金型キャビティ及びカウンタ金型１４は、極めて正確な方法で位置決めされるか或いは芯出しされることができる。他のものに対する金型の一つの部材の芯出し精度は、芯出しピン１５により達せられる。ネジにより保持される二つのブッシング１２は、金型キャリア１３の厚さよりもわずかに長い。カラー保持ブッシング１２の外径と金型キャリア１３のリーマ通し（リーマ穴）の間の半径方向の遊びを残すことにより、リーマ通しは二つのピン１５によりＸＹ方向に芯出しされ、リーマ通しはもはや収容プレート１３０のキャビティ１３１の複数のリーマ通し間での高い位置合わせ精度を要求しない。芯出しは、各々が個別に芯出しされるので、金型キャビティ１１の数量とは関係がない。

本発明によれば、図１ａ，１ｂ及び２に見られるように、金型キャリア１３はレベル補正装置２０に抗して位置決めされており、この特殊性は以下に記載されている。

レベル補正装置２０は弾性的に変形可能な要素であり、この要素はその変形により維持されるべき金型要素の最適な位置合わせを可能にする。レベル補正装置２０の変形はその構造とそれを構成する材料による。図示された実施形態において、レベル補正装置２０は三つの領域を備えている。すなわち金型キャリア１３に抗した支承領域２１、支承領域２１に向かい合った弾性的領域２３、及び他の二つの領域２１と２３の間の円周（周辺）方向隙間を形成している接合領域を備えている。

接合領域２２は、二つの隣接領域の直径よりも小さい直径を有しており、従ってこれらの二つの領域の間に自由領域を形成している。さらに弾性的領域２３は、弾性的領域２３上で周囲に延在している弾性的に変形可能な領域２４を備えている。弾性的に変形可能な領域２４の周りの変形によりレベル補正装置を補正するために、この領域は、レベル補正装置２０が金型１０の表面の圧力の変動に反応できるように採寸されている。成形後、圧力がもはやかけられず、金型１０が分解されると、レベル補正装置２０はその弾性的特性のおかげでその初期形状に戻る。レベル補正装置２０の弾性的に変形可能な領域２４は緩く、領域２３内の剛性のある強化された厚さ部分２３１は金型フレーム１００内に構成されている支持プレート１２０上でそのままになっている。

一実施形態において、弾性的に変形可能な領域２４はマルエージング鋼といった材料から成る。マルエージング鋼は、４５０℃の温度までのその安定した弾性特性のために有利である。例えば、ボーラ―スティール社製のマルエージング鋼Ｗ７２０といった、タイプＸ２ＮｉＣｏＭｏ１８−９−５〜Ｘ３ＮｉＣｏＭｏＴｉ１８−９−５のマルエージング鋼が使用されてもよい。弾性的に変形可能な領域２４は、部材の形状寸法に関連した荷重条件と射出されるポリマーのタイプに関連した温度に依存している適切な弾性特性を有する他の材料から成っていてもよい。

図示された射出成形装置の例において、成形エンクロージャ４０は成形部材のための取出し装置３０も収容しており、この取出し装置により、成形段階の各々の後に金型から成形部材を取出すことが容易になる。図２と３に図示された例において、取出し装置３０は四つの取り出しロッド３１を備えており、成形部材を押出しているこれらの先端部３２は図３で見て取れる。取出し装置３０は、金型フレーム１００の取出し装置プッシャープレート３００に対して支承することができる。

成形後の成形部材の取出しをより簡単にするために、型から外すコンベア５０が使用されることができると有利である。例えばＰＴＦＥ（テフロン）ベースのコンベアといった非粘着性の特性を備えたコンベアが使用されるのが好ましい。

図１と２に図示された実施例において、成形エンクロージャ４０は、カウンタ金型１４とノズル又は複数のノズル１６を構成する第一の半分（半分部分）と、金型１０、金型キャリア１３及び取出し装置３０を構成する第二の半分（半分部分）を備えている。成形エンクロージャ４０の二つの半分４１，４２が閉鎖されると、装置の要素、特に成形のためのその複数の金型キャビティ１１を備えた金型１０は、適所に置かれ、位置合わせをされかつ正確に調節される。

構成要素が全て上手く配置されかつ固定されると、図１ａで示されているように、再度二つのエンクロージャの半分４１，４２の一方を他方に対して配置することにより金型は再度閉鎖される。

成形エンクロージャ４０を閉じている間、従って金型１０に対してカウンタ金型１４を閉じている間、（先に取り上げたように）カウンタ金型１４は芯出し動作を金型１０で加えながら、金型１０に対して作用する圧力を作り出す。同じ場合、特に金型キャビティが多くの数の超小型部材が成形される場合である大きな表面を閉める際に、レベル補正装置２０により、位置合わせ、特にカウンタ金型を備えた金型１０の軸の位置合わせが確実に行われる。この位置合わせにより、金型表面での圧力のおおよその一様な分布を確実にすることができ、相当に高いレベルの生産を達するために、部材は有利な条件で生産されることができる。従って、レベル補正装置２０により、金型キャリア１３とカウンタ金型１４の調節が正確に互いに平行に行われることができ、従って金型にかかる圧力は金型の全表面にわたり均一である。圧力が不均一な場合、例えば二つの前記の側の不十分な位置合わせを許容すると、レベル補正装置２０は超過圧力を吸収するように変形し、従って金型の全表面にわたり均一な圧力を復元する。

金型の表面全体にわたるこの均一な圧力を維持することにより、多様な部材の射出成形が行われる条件を最適化することができる。

金型１０に対してかかる圧力を計算することは、両側面に関する弾性領域の外径及び内径の形状の開発、長さに関する半径の差およびビームの高さに関する弾性的に変形可能な領域２４の厚さを有する台形形状の、両方の末端の場合に入れられるビームのフォーミュラ（公式）に従って達せられる。弾性的に変形可能な領域２４の採寸は、カウンタ金型１４により圧力を加える間および金型１０の金型キャビティ内に材料を射出する間、変形可能な領域が、少なくとも約１０〜２０％射出圧力を超えて部材の表面を支持する（すなわち少なくとも約１０〜２０％射出力を超えた）ようにされる。弾性的に変形可能な領域２４を圧縮するために必要な力も、（１０〜２０％射出力を超えた）付加的な力も、プレスの閉鎖力により取得される。システムが弾性的に変形可能な領域２４の材料（例えば鋼）の弾性限界以下で作動するように採寸は行われる。弾性的に変形可能な領域２４の形状を洗練するために、ＣＡＭ有限要素計算モジュールの使用により、最大応力領域が強調される。経験から、ここで先に記載された簡略化された方法がこの用途には十分であることがわかった。

成形後、成形エンクロージャの二つの半分（半分部分）は再度分離される。
オーバーモールド成形の場合、レベル補正装置２０は変形することができ、レベル補正装置により型から外すコンベア５０或いは他のすべてのインサートの厚さのばらつきに対して金型を適合させることができる。事実、厚さのばらつきは、弾性的に変形可能な領域２４の可撓性により吸収されるであろう。型から外すコンベア５０により生産される部材を外すことがより簡単になる。

取出し装置３０は、成形部材を金型から取出すために、成形部材の自由な側に向かって力をかけるために使用されるのが有利である。同様に、型から外すコンベア５０の使用により、成形部材の取出しがより簡単になるのと同時に、固着の危険性が減りかつ付加的な取出し力が生まれる。各成形の間に、コンベア５０は続く成形のために新たな材料領域を与えるために移動され、前に行われた成形により変形もされず、変更もされない。

ここに記載された射出装置により、幾つかのポリマー材料が射出されることができる。例えば、この装置は、ポリオキシメチレン（ＰＯＭ）、ポリフェニレンサルファイド（ＰＰＳ）、リキッドクリスタルポリマー（ＬＰＣ）、ポリイミド（ＰＩ）、ポリアミド（ＰＡ、ＰＡ６）などの技術材料の射出に向いており、これらの材料はガラス繊維あるいは無機質の強化材料により強く強化されることができる。しかし、射出に適した他の様々な材料が、レベル補正装置２０を備えた本発明の射出装置に使用されることができる。一つの制約条件が、変質・変形したポリマーに付随した磨滅および／または腐食を受ける金型キャビティ１１のために使用される材料から起きる。

本発明の射出装置により、様々なタイプの超小型部材、特に歯車とピニオン、ケーシング、（時計の）プレート、携帯電話機、マイクロスイッチ、インサート等のような携帯機器のための光学部材を成形することができる。

本発明による方法のおかげで、金型キャビティの数がかなり増やされることができるので、明らかに高いレベルの生産性を得ることが可能である。さらに、図示された例において、如何なる品質の損失も無く、４〜８個或いは１６個それどころか３２個から金型キャビティの数を増やすことが可能であった。

１０ 金型
１１ 金型キャビティ
１２ カラー保持ブッシング
１３ 金型キャリア
１４ カウンタ金型
１６ ノズル
１７ 供給トンネル
２０ レベル補正装置
２１ 支承領域
２２ 接合領域
２３ 弾性的領域
２３１ 補強された厚さ、剛性のある支承領域
２４ 弾性的に変形可能な領域
３０ 取出し装置
３１ 取出しロッド
３２ 金型キャビティの取出し孔
４０ 成形エンクロージャ
４１ 成形エンクロージャの第一の半分（半分部分）
４２ 成形エンクロージャの第二の半分（半分部分）
５０ （部材を）型から外すコンベア
１００ 金型フレーム
１１１ 部材
１２０ 支持プレート
１３０ 収容プレート
１３１ キャビティ
１４０ カウンタ金型プレート
１６０ 射出チャネル
３００ 取出し装置プッシャープレート

Claims (12)

1. 射出成形機で構成されている射出装置であって、この射出装置が、金型キャリア（１３）とカウンタ金型（１４）とを備え、
   この金型キャリアが着脱可能な金型（１０）を支持しており、この金型に成形のための少なくとも一つの金型キャビティ（１１）が設けられている金型キャリア（１３）と、
   金型の金型キャビティ（１１）内に材料を射出することによる成形作業中に、カウンタ金型（１４）が金型（１０）に対して閉鎖されている場合に、金型（１０）の芯出し動作にも金型（１０）にかかる圧力にも適用されるように、このカウンタ金型が金型（１０）に対して閉鎖されるように配置されている射出装置において、
   金型（１０）の表面の圧力のほぼ均一な分布を保証するために、圧力がカウンタ金型（１４）によりかけられる際に、射出装置がさらに、金型（１０）の表面上に不均等にかけられる力の影響下で変形するのに適したレベル補正装置（２０）を備えていることを特徴とする射出装置。
2. レベル補正装置（２０）が、金型キャリア（１３）に対して当接している支承領域（２１）と、かけられる力の影響下で変形するように、弾性的に変形可能な領域（２４）から成る弾性的領域（２３）とを備えていることを特徴とする請求項１に記載の射出装置。
3. さらにレベル補正装置（２０）が、支承領域（２１）と弾性的領域（２３）の間に接合領域（２２）を備えていることを特徴とする請求項２に記載の射出装置。
4. 支承領域（２１）、接合領域（２２）及び弾性的領域（２３）が、同軸に配置されたディスクの形状をとることを特徴とする請求項３に記載の射出装置。
5. 中間の接合領域（２２）が、前記二つの支承および弾性的領域（２１，２３）の直径よりも小さい直径を有することを特徴とする請求項４に記載の射出装置。
6. カウンタ金型（１４）により圧力を加える間および金型（１０）の金型キャビティ（１１）内に材料を射出する間、射出力を少なくとも約１０〜２０％超えて支持するように、弾性的に変形可能な領域（２４）が採寸されることを特徴とする請求項５に記載の射出装置。
7. 弾性的領域（２３）が弾性的に変形可能な周辺の領域（２４）を備えていることを特徴とする請求項２〜６のいずれか一つに記載の射出装置。
8. 成形されるべき部材の複数の金型キャビティを備えた金型内に材料を射出することによる部材成形のための（成形）方法であって、以下の工程、すなわち
   金型キャリア（１３）に対して複数の金型キャビティ（１１）を備えた金型（１０）を位置決めする工程、
   金型キャビティ（１１）の開いた部分に対してカウンタ金型（１４）を当てることにより金型を閉鎖する工程、
   金型に対して圧力をかけ、前記圧力の少なくとも一部がレベル補正装置（２０）のレベルで再伝達される工程、および
   金型（１０）の位置合わせにおける不均衡、および／またはこの不均衡に対して反応するレベル補正装置の変形により金型（１０）の表面上にかけられる圧力の起こりうる不均衡をすべて補正する工程を備えていることを特徴とする方法。
9. 以下の工程、すなわち、
   カウンタ金型のレベルで設けられたノズルを介して金型キャビティ（１１）内に材料を射出する工程と、
   金型内に射出される材料が硬化する期間中、閉鎖されかつ圧力下にある金型を維持する工程と、
   金型を開いて得られる部材を取外す工程を備えていることを特徴とする請求項８に記載の成形方法。
10. 金型の閉鎖段階の前に、型から外すコンベアが、金型キャビティと金型キャリアの間に位置決めされることを特徴とする請求項８または９に記載の成形方法。
11. 金型を開けた段階後に、金型キャビティの中から、成形された部材の取出しを容易にするために、型から外すコンベアに力がかけられることを特徴とする請求項１０に記載の成形方法。
12. 金型を開けた段階後に、部材の取出し装置（３０）が、部材の各金型キャビティの中から成形された部材を出すために力をかけることを特徴とする請求項８〜１１のいずれか一つに記載の成形方法。

Images