JP2017531191A - 免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための組成物及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための組成物に関する。本発明は、(i)蛍光発生酵素基質と、(ii)蛍光発生酵素基質(i)の加水分解に続いて蛍光性化合物を形成する消光型蛍光発生化合物とを含む組成物を特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための組成物、そのような組成物を含有するイムノアナリシスのためのキット及び自動化デバイス、並びにまた、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイによる、目的の被分析物をインビトロで検出及び/又は定量するための関連の方法に関する。
イムノアッセイを使用した検出方法は、診断分野で広く使用されている。これらの方法は、被験試料中の被分析物、特にタンパク質(抗原/抗体)、ペプチド、及び例えば、ステロイド又はビタミンなどのハプテンの形態にあるものを検出することを可能にする。イムノアッセイは、検出対象の被分析物と、この被分析物の1つ又は複数の結合パートナーとの間の免疫学的反応を含む、当業者に周知の方法である。
次いで、イムノアッセイの結果は、検査所によって施術者に供給され、施術者は、例えば、病的な状態あるいは望ましくない微生物の存在を診断し、次いで、例えば適切な処置を患者に施すか、又はこれらの望ましくない微生物を含有する産業環境を除染するなど、必要な方策をとるために、その結果を解釈することになる。したがって、これらのアッセイは、偽陰性を生じない点では高感度であること、また偽陽性を生じない点では非常に特異的であることの両方で、特に重要である。
酵素イムノアッセイ又はEIAは、目的の被分析物を含有する可能性のある試料の分析の分野で広く使用されているイムノアッセイの1つの型を成す。これらのアッセイは、酵素基質を使用した、酵素によって触媒される反応とカップリングしている。選ばれた酵素基質に応じて、比色シグナル(ELISA、酵素連結免疫吸着アッセイを表す)(Rassasie, M. J.ら、1992)、蛍光シグナル(ELFA技術、酵素連結蛍光アッセイを表す)、又は化学発光シグナル(CLIA、化学発光イムノアッセイを表す)(Stabler T. V.ら、1991)が生じ得る。
これらの方法は、被験試料の分析の間に放出されるシグナルを定量することを可能にする測定値に基づく。検出されるシグナルの量は、概して、測定する被分析物の量に比例するか(例えばサンドイッチアッセイの間)、又は測定するための被分析物の量に逆比例する(例えば競合アッセイ)。
「ELFA」技術は、蛍光シグナルを定量すること、及びさらに感度のよい結果を取得することを可能にするものであり、当業者に周知の一般式(1)に従って、蛍光発生酵素基質を蛍光性反応生成物に、そして任意選択で1つ又は複数の他の反応生成物に変換する酵素を使用する。
E+S→ES→E+S (1)
式中、「E」は、酵素であり、「S」は、蛍光発生酵素基質であり、「ES」は、酵素−基質複合体に相当し、「S」は、蛍光発生酵素基質から結果として生じる蛍光性反応生成物に相当する。
反応媒体に含有される反応生成物Sは、特定の波長の光によって励起される場合に蛍光性となる。
実際に、蛍光の原理に従って、第1の波長に対応する光源に曝露されているか又はその光源によって励起された反応生成物は、次いで、第2の波長で光線又は蛍光シグナルを放出することになる。第1の波長(励起波長)は、概して250から450nmまでの範囲で変化する。一方で、第2の波長(放出波長)は、300と600nmとの間に位置する放出範囲に位置する。
そのため、それ自体は被験試料に由来しかつ反応生成物を含有する反応媒体から生じる、これらの蛍光シグナルのシグナル処理と組み合わせた蛍光シグナルを(相対蛍光単位で)検出することによって、例えば、試料内で追求される、目的の被分析物の存在又は濃度を決定することが可能になる。
しかし、ELFA技術がELISA比色アッセイよりもさらに感度がよいとしても、当業者は、シグナル検出をさらに向上させることを可能にする解決策を依然として追求している。これは、蛍光定量的な測定には、シグナル出力が非特異的に低下又は増加する問題があるためである。
そのため、蛍光の検出は、pH、温度、イオン濃度、乾燥、供試された試料あるいは固体マトリックスに伴う干渉の存在などのパラメーターの関数として変化することがある。これらのパラメーターは、光の散乱及びバックグラウンドノイズに特に影響を与え、アッセイの感度に、特に蛍光を使用した際に影響を及ぼす(「Selecting the Detection System- Colorimetric, Fluorescent, Luminescent Methods」(Gibbsら、Elisa Technical Bulletin、5巻、2001)。
上記の観点から、現在、ELFA技術の特異性と感度の両方を増加させることが可能な、新規の手段又は代替の手段を見出すことが求められている。
そのため、本発明が解決することを目的とする技術上の課題は、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイをさらに有効にかつさらに迅速にすること、具体的には、感度を増加させること、すなわち、仮説が検証されている場合、特に被分析物が被験試料中に少量で存在する場合に、正の結果をもたらす能力を増加させることである。
この課題に対し本発明によって提案される解決策の第1の対象は、(i)蛍光発生酵素基質と、(ii)蛍光発生酵素基質(i)の加水分解後に蛍光性化合物を形成する消光型蛍光発生化合物とを含む、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための組成物である。
より詳細には、本発明によるこの組成物は、以下を含むか又は以下から成る。
− 一方では、酵素加水分解後に、蛍光性生成物、及び優先的にはアニオンである第2の反応生成物の形成を可能にする、蛍光発生酵素基質、及び
− 他方では、蛍光発生酵素基質の酵素加水分解後に、かつ第2の反応生成物が遊離されることによって、消光型蛍光発生化合物に起因する蛍光性化合物の形成を可能にする、消光型蛍光発生化合物。
実際に、上に指し示したように、酵素反応の間、酵素は、蛍光発生酵素基質を蛍光性反応生成物に変換するが、概して特に重要性がないと考えられている第2の反応生成物の形成をもたらす。そのような酵素反応の一般式(2)は、以下のように記される。
E+S→ES→E+S+B (2)
式中、「E」は、酵素であり、「S」は、蛍光発生酵素基質であり、「ES」は、酵素−基質複合体に相当し、「S」は、蛍光性反応生成物に相当し、「B」は、第2の反応生成物であり、2つの化合物「S」及び「B」は、反応媒体中に存在する。
驚くべきことに、出願人は、酵素反応から生じた非蛍光性の第2の生成物「B」を使用して、消光型蛍光発生化合物「A」にそれを反応させることが可能であることを実証することができた。反応後、生成物「B」は、消光型蛍光発生化合物「A」に直接的又は間接的に反応して、蛍光性生成物「A」又は「A−B」を生成することができる。
生成物「B」と消光型蛍光発生化合物「A」との直接的な反応は、
− 以下の式(3.i)に従い、生成物「B」が、消光型蛍光発生化合物「A」と反応して、一方では蛍光性化合物「A」を、他方では反応生成物「B’」を遊離するか、
A+B→A+B’ (3.i)
− 又は、以下の式(3.ii)に従い、生成物「B」が、消光型蛍光発生化合物「A」に特異的に結合して、消光型蛍光発生化合物「A」を生成物「B」と.してなる蛍光性化合物「A−B」を形成するか
A+B→A−B (3.ii)
のどちらかを意味することを意図する。
消光型蛍光発生化合物は、好ましくは、蛍光「A」を放出することになる部分と、遊離可能なカチオン「cat」とを含み、次いで、これは「A−cat」として読み取られる。この直接的な化学反応の一般式は、以下のように表記することができる。
B+A−cat→cat−B+A (4)
上式で、「B」は、上記の一般式(2)に詳述された第2の反応生成物に相当し、「A−cat」は、カチオン「cat」を遊離後、蛍光を放出することができるようになる部分「A」を含む、消光型蛍光発生化合物であり、そのカチオン「cat」は、生成物「B」と会合して、生成物「cat−B」を形成することになる。
消光型蛍光発生化合物との生成物「B」の間接的な反応とは、前記消光型蛍光発生化合物「A」に生成物「B」が結合することなく、消光型蛍光発生化合物を蛍光性化合物に転換することを可能にする一連の反応に、生成物「B」が使用されることを意味することを意図する。次に、生成物「B」は、その一連の反応に存在している別の化合物に結合し、その化合物は、次いで、消光型蛍光発生化合物の蛍光性を生じることを可能にする工程に使用されることになる。
それゆえ、革新的な方法において、出願人は、生成物「B」という、通常は重要性がないと考えられており、上記の式(2)に詳述された酵素反応の結果として生じるものを使用するが、それは、消光型蛍光発生化合物に前記反応生成物「B」を反応媒体中で反応させることによって蛍光性シグナルを増加させるためである。先験的に重要性がなかった反応生成物を再利用することによって、出願人は、結果として蛍光性シグナルを大幅に増加させる。
この非蛍光性反応生成物の再利用は、特に、以下の長所を有する。
− 例えばシグナルの増幅に使用されるデンドリマーなど、合成が複雑で再現が困難な追加の薬剤の添加を制限し、それによって、感度、原料の調製、及び試験の迅速性を増加させることを可能にする。
− 反応時間を変えることなく、得られる感度の増加を実現する。
− 非蛍光性反応生成物と消光型蛍光発生化合物との間の追加の反応が、特に反応生成物「B」と前記消光型蛍光発生化合物との間の直接的な反応である場合に、単純かつ迅速であり、多数の工程を必要としない。
− シグナルを検出する機器の改良を何も必要とせず、ゆえに概して比較的高価ではない。
− 被験試料中に低濃度で存在する被分析物を検出することを可能にする。
− 弱いシグナルの蛍光のみを増加させるために、消光型蛍光発生化合物(「A−cat」)の濃度を調整することを可能にする。
− 蛍光性反応生成物(「S」)の蛍光シグナルと、生成物「B」によって蛍光性(「A」又は「A−B」)を生じる消光型蛍光発生化合物「A」又は「A−cat」の蛍光シグナルとが、同じ間隔内に位置する波長範囲内に検出される。
本発明の第2の対象は、本発明による組成物を含む、蛍光を使用した酵素イムノアッセイのためのキットである。
その第3の対象は、本発明による組成物を含む、イムノアナリシスのための自動化デバイスである。
その第4の対象は、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための、本発明による組成物、キット又は自動化デバイスの使用である。
その第5の対象は、前記被分析物を含有している可能性のある液体被験試料中の免疫蛍光を使用するサンドイッチ型の酵素イムノアッセイによる、被分析物をインビトロで検出及び/又は定量するための方法であって、
− 被分析物を捕捉パートナーに結合させるために、予め固体表面に付着させた又は付着させていない捕捉パートナーと、前記液体試料とを一緒にする工程、
− 捕捉パートナー−被分析物複合体に結合させるために、検出パートナーを添加する工程であって、検出パートナーは、本発明の組成物の蛍光発生酵素基質を分解することが可能な酵素に、直接的又は間接的にカップリングされている、工程、
− 本発明の組成物と、捕捉パートナー−被分析物−検出パートナー複合体とを一緒にして、反応媒体を形成する工程、及び
−反応媒体中で放出される蛍光を測定することによって、被分析物の存在及び/又は量を免疫蛍光により検出する工程
を含むか又はそれらにある方法である。
その第6の対象は、前記被分析物を含有している可能性のある液体被験試料中の免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイによる、被分析物をインビトロで検出及び/又は定量するための方法であって、
− 予め固体表面に付着させた又は付着させていない捕捉パートナー、本発明の組成物の蛍光発生酵素基質を分解することが可能な酵素にカップリングされた、被分析物のアナログ、及び捕捉パートナーとの結合を競合する前記液体試料を一緒にする工程、
− 本発明の組成物、捕捉パートナー−被分析物、及び捕捉パートナー−被分析物アナログ複合体を一緒にして、反応媒体を形成する工程、並びに
− 反応媒体中で放出される蛍光を測定することによって、被分析物の存在及び/又は量を、免疫蛍光により検出する工程
を含むか又はそれらにある方法である。
最後に、その最終的な対象は、被験試料中の目的の被分析物を免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイによってインビトロで検出及び/又は定量する方法の感度を向上させるための方法において、前記アッセイを実行する間の本発明の組成物の使用を含むことを特徴とする方法である。
添付の図面に照らして考慮すると、本発明は、以下の非限定的な記載を読む際にさらに良く理解されよう。
酵素アルカリホスファターゼ(ALP)によって、蛍光発生酵素基質4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)を活性化して、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)及びリン酸水素イオンHPO 2−(Piは、あらゆる形態の無機リン酸を表す)を生じるための、公知の反応を表す概要図である。 消光型化学センサー−カチオン複合体(A−cat)である消光型蛍光発生化合物によって最適化された蛍光発生酵素基質、この場合では4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)を活性化させるための反応を表す概要図である。基質4−MUPは、酵素アルカリホスファターゼ(ALP)によって変換されて、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)及びリン酸水素イオンHPO 2−(Piは、あらゆる形態の無機リン酸を表す)を生じ、前記結果として得られたリン酸水素イオンHPO 2−は、消光型化学センサー−カチオン複合体A−catのカチオンに特異的に結合して、一方では、カチオンをリン酸イオンと会合してなる非蛍光性生成物(Pi−cat)を、他方では、蛍光性化合物(A)を形成する。 カルセインブルー及びコバルトイオン(「CB−Co」)を会合してなる消光型化学センサー−カチオン複合体によって最適化された蛍光発生酵素基質である4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)を、活性化させるための特異的な反応を表す概要図である。基質4−MUPは、酵素アルカリホスファターゼ(ALP)によって変換されて、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)及びリン酸水素イオンHPO 2−(Piは、あらゆる形態の無機リン酸を表す)を生じ、前記結果として得られたリン酸水素イオンHPO 2−は、カルセインブルー及びコバルトイオン(「CB−Co」)を会合してなる消光型化学センサー−カチオン生成物のカチオンに特異的に結合して、一方では、カチオンをリン酸イオンに会合してなる非蛍光性生成物(Pi−Co)を生じ、他方では、蛍光性化合物カルセインブルー(CB)を媒体に遊離する。 カルセインブルー及びコバルトイオン(「CB−Co」)を会合してなる消光型化学センサー−カチオン複合体である消光型蛍光発生化合物が、漸増濃度の無機リン酸Piによって活性化され、前記濃度の無機リン酸Piの関数として、蛍光性化合物カルセインブルー(CB)を形成する[nmの波長λ/任意の単位(a.u.)の放出強度]ことを可能にすることを示す図である。 蛍光分光光度計を使用して測定された以下の2つの溶液の放出スペクトラムが、実質的に同様であることを示す図である。・ 6410nMのカルセインブルー、0.6mMのジエタノールアミン(DEA)、0.3mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び0.5mMのMgClを含むpH9.4の溶液、並びに・ 6410nMの蛍光発生酵素基質4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)を含むVIDAS(登録商標)OPT溶液[nmの波長λ/任意の単位(a.u.)の放出強度]。 カルセインブルーの蛍光が、コバルトイオン(Co2+)の添加後に消光されるという事実を示す図である。[nmの波長λ/任意の単位(a.u.)の放出強度] ベンズイミダゾール誘導体を銅イオン(Cu2+)に会合してなる式(II)の消光型化学センサー−カチオン複合体によって最適化された蛍光発生酵素基質である4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)を、活性化させるための特異的な反応を表す概要図である。
Figure 2017531191
基質4−MUPは、酵素アルカリホスファターゼ(ALP)によって変換されて、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)及びリン酸水素イオンHPO 2−(Piは、あらゆる形態の無機リン酸を表す)を生じ、前記結果として得られるリン酸水素イオンHPO 2−は、ベンズイミダゾール誘導体を銅イオン(Cu2+)に会合してなる消光型化学センサー−カチオン複合体のカチオンCu2+と会合し、一方では、カチオンCu2+をリン酸イオンに会合してなる非蛍光性生成物(Pi−Cu)を形成し、他方では、以下の式(I)の蛍光性ベンズイミダゾール誘導体N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミンを遊離する。
Figure 2017531191
本発明による蛍光性化合物によって生成される追加の蛍光を決定することを特に可能にする、実施例3に詳細に記載されている試験での異なる工程を表す概要図である。 PiPer(商標)[PiPer(商標)リン酸アッセイキット(Invitrogen(商標))]アッセイの原理を表す概要図である。このアッセイでは、無機リン酸の存在下で、マルトースホスホリラーゼは、マルトースをグルコース及びグルコース−1−リン酸に変換する。次いで、グルコースオキシダーゼが、グルコースをグルコノラクトン及びHに変換する。最後に、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を用いて、Hが、非蛍光性試薬AmplexRedと反応して、高蛍光性分子レゾルフィンを生成する。 一方は、4−MUPというただ1つの蛍光発生酵素基質を含む免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための組成物であり、他方は、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)である蛍光発生酵素基質と、カルセインブルー及びコバルトイオン(「CB−Co」)を会合してなる消光型化学センサー−カチオン複合体との両方を含む、本発明による免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための組成物であり、それらの間の平均蛍光を比較した図である。 N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]−アミンを銅イオン(Cu2+)に会合してなる消光型化学センサー−カチオン複合体が実際に蛍光を放出しないこと、及び無機リン酸Piを媒体に導入した後に蛍光が得られることを示す図[nmの波長λ/任意の単位(a.u.)の放出強度]である。
それゆえ、本発明は、(i)蛍光発生酵素基質と、さらに(ii)基質(i)の酵素加水分解後に蛍光性化合物を形成する消光型蛍光発生化合物とを含む、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための組成物に関する。
より詳細には、本発明によるこの組成物は、
− 一方の(i)では、酵素加水分解後に、蛍光性生成物(第1の蛍光性生成物と称される)、及び優先的にはアニオンである第2の反応生成物の形成を可能にする、蛍光発生酵素基質;並びに
− 他方の(ii)では、特に第2の反応生成物の遊離、優先的には基質(i)の酵素加水分解の結果生じるアニオンの遊離によって、蛍光性化合物(第2の蛍光性生成物と称される)の形成を可能にする、消光型蛍光発生化合物
を含む。
本発明の目的のために使用することができ、かつ本発明のコンテクストでは一次基質と称されることがある蛍光発生酵素基質は、全て当業者に公知の基質であり、酵素加水分解後に、蛍光性生成物と、優先的にはアニオンである第2の反応生成物とを生じる。
本発明の特定の実施態様によれば、一次蛍光発生酵素基質は、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)、4−メチルウンベリフェリルガラクトシド(4−MUG)、4−メチルウンベリフェリルサルフェート(4−MUS)、フルオレセインジホスフェート、(FDP)、6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルホスフェート(DiFMUP)、9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)ホスフェート(DDAOホスフェート)、2’−[2−ベンゾチアゾール]−6’−ヒドロキシベンゾチアゾールホスフェート、2−ナフチルホスフェート、及び2−ウンベリフェリルホスフェートから選ばれる。
この特定の実施態様では、形成される第1の蛍光性生成物「S」は、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)であり、第2の反応生成物「B」は、アニオン又は糖である。
一次蛍光発生酵素基質は、好ましくは、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)、4−メチルウンベリフェリルサルフェート(4−MUS)及び4−メチルウンベリフェリルガラクトシド(4−MUG)から選ばれる。そのため、好ましくは、第2の反応生成物は、リン酸水素イオンHPO 2−(又は無機リン酸、Piと表記する)及び硫酸イオンSO 2−から選ばれるアニオンであるか、又はガラクトシドである糖である。
一次蛍光発生酵素基質は、より好ましくは、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)及び4−メチルウンベリフェリルサルフェート(4−MUS)からさらに選ばれる。そのため、好ましくは,第2の反応生成物は、リン酸水素イオンHPO 2−(又は無機リン酸、Piと標示する)又は硫酸イオンSO 2−である。
よりいっそう優先的には、一次蛍光発生酵素基質は、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)であり、第2の反応生成物は、リン酸水素アニオンHPO 2−である。
そのような第1の蛍光性生成物及び第2の反応生成物の形成を可能にする酵素もまた、当業者に公知である。免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのために利用可能な酵素のうち、特にスルファターゼ、アルカリホスファターゼ(ALP)、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ(GOx)、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)、及びβ−ガラクトシダーゼ(β−Gal)を挙げることができる。
蛍光性生成物、及びアニオンである第2の反応生成物の形成を可能にする酵素は、優先的には、スルファターゼ、酸性ホスファターゼ、及びアルカリホスファターゼ(ALP)から選ばれる。
特定の実施態様によれば、一次蛍光発生酵素基質は、酵素ALPの存在下で、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)及びリン酸水素イオンHPO 2−の形成を可能にする、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)である。
酵素反応の結果生じる第1の蛍光性生成物は、優先的には、250から450nmの間の波長で励起され、300から600nmの間の波長で放出する。
有利には、第1の蛍光性生成物は、300から400nmの間の波長で励起され、400から500nmの間の波長で放出する。
よりいっそう有利には、第1の蛍光性生成物は、350から380nmの間の波長で励起され、420から480nmの間の波長で放出する。
「消光型蛍光発生化合物」は、本発明のコンテクストでは二次基質と称されることもあるが、ある種の基を含有する化合物を意味することを意図し、化合物がこの結合基を含む際には蛍光を放出することができないが(「蛍光の消光」)、その基が化合物から分離される際には蛍光性シグナルを放出する。これは、「消光」基と称されることがある。
そのような消光型蛍光発生化合物の例としては、蛍光の放出を防止する基を含有する、当業者には慣用的な蛍光性化合物の誘導体、例えばクマリン又はレゾルフィン誘導体などを挙げることができる。そのような基の例として、レゾルフィンに結合した場合にレゾルフィンの蛍光を消光する基−C(O)−CHを挙げることができる。そのような基を含むレゾルフィン誘導体は、試薬Amplex(登録商標)Redであり、無機リン酸の存在下で蛍光性レゾルフィンを産生するための当該基の喪失の機構(間接的な反応)は、PPer(商標)リン酸アッセイキット[Invitrogen(商標)]のマニュアルに記載されており、図9に概要が表記されている。「消光」基の喪失は、概して酵素の作用によって生じ、この酵素は、前出の例ではホースラディッシュペルオキシダーゼである。これらの蛍光性化合物の誘導体は、概して、一次基質の酵素加水分解によって遊離される第2の反応生成物の存在下で、蛍光性化合物(それらは活性化されていると呼ばれる)を形成する限り、一次蛍光発生酵素基質とは異なる蛍光発生酵素基質であってもよい。
本発明の目的で使用することができる消光型蛍光性化合物の他の例は、カチオンに会合している選択性化学センサーを含み、そのセンサーは、この会合形態では消光型である。それらは、消光型化学センサー−カチオン複合体と称される。図2に説明されるように、カチオンに会合している選択性化学センサーの型のこの二次基質「A−cat」は、蛍光発生酵素基質の酵素加水分解後に生成される第2の反応生成物によって、直接的かつ実質的に活性化することが可能であり、図2ではアニオンは「Pi」であり、これによって、追加のシグナルを直接的に生成することが可能となる。
これらの化合物の消光型蛍光発生化合物としての使用には、反応生成物「B」又は図2の「Pi」が消光型化学センサー−カチオン複合体のカチオンと反応し、以下を可能にするという利点がある。
− 一方では、反応生成物をカチオンと会合してなる複合体(図2の「Pi−cat」)の形成、及び
− 第2の蛍光性シグナルの産生を可能にする蛍光性化合物(「A」)の形成。第2の蛍光性シグナルは、蛍光性化合物の従来の誘導体の場合のように、蛍光性形態の化合物を形成するのに必要な一連の反応を実行するための追加の化合物の添加を必要とせず、本発明の特定の実施態様を構成する。
使用することができる化学センサーの非限定的な例として、以下の蛍光性化合物を挙げることができる。
(i)Jung H. S.ら、2009、Thomas F.及びSerratrice G.、1999、並びにYao J.ら、2009により記載されているような親水性クマリンであって、例えば:
− 7−(ジエチルアミノ)−2−オキソ−N−[(ピリジン−2−イル)−メチル]−2H−クロメン−3−カルボキサミド:
Figure 2017531191
− N−(1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イル)−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボキサミド:
Figure 2017531191
− カルセイン:
Figure 2017531191
及び
− カルセインブルー:
Figure 2017531191
(ii)Zhang G.ら、2012に記載されているようなポリ(9−アミノフルオレン);
(iii)Alvaro M.ら、2001、Henary M. M.ら、2004及びSaluja P.ら、2012によって記載されているようなベンズイミダゾール誘導体であって、例えば:
− 以下の式(I)のN−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミン:
Figure 2017531191
− ビス−ベンズイミダゾール誘導体のN,S,−マクロ環;
− {4−[2−(1H−ベンズイミダゾール−2−イル)フェニル−スルファモイル]−フェノキシ}酢酸:
Figure 2017531191
− {4−{2−{4−[(ジエチルアミノ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}フェニル−スルファモイル}フェノキシ}酢酸:
Figure 2017531191
− {4−{2−{4−[(メチルピリジン−2−イルメチルアミノ)−メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}フェニルスルファモイル}フェノキシ}酢酸:
Figure 2017531191
及び
− {4−{2−{4−[(ビスピリジン−2−イルメチルアミノ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}フェニルスルファモイル}フェノキシ}酢酸:
Figure 2017531191
本発明による組成物で使用される化学センサーは、好ましくは、親水性クマリン及びベンズイミダゾール誘導体から選ばれる。
よりさらに好ましくは、本発明による組成物で使用される化学センサーは、カルセインブルー又はN−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミンである
よりさらに好ましくは、本発明による組成物で使用される化学センサーは、カルセインブルーである。
前記選択性化学センサーは、カチオンと会合して消光型化学センサー−カチオン複合体を形成する。
カチオンは、好ましくは遷移金属であり、好ましくはCo2+,Cr3+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Mn2+、Ni2+、Hg2+、及びPb2+から選ばれる。
よりさらに好ましくは、本発明による組成物で使用されるカチオンは、Co2+又はCu2+である。
消光型化学センサー−カチオン複合体は、好ましくは以下から選ばれる:
(i)例えば以下の複合体など、金属イオンによって消光されている親水性クマリン:
− 7−(ジエチルアミノ)−2−オキソ−N−((ピリジン−2−イル)−メチル)−2H−クロメン−3−カルボキサミド−銅イオン(Cu2+);
− N−(1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イル)−2−オキソ−2H−クロメン−3−カルボキサミド−鉄イオン(Fe3+);
− カルセイン−鉄イオン(Fe3+);
− カルセインブルー−コバルトイオン(Co2+);
(ii)例えば以下の複合体などの、金属イオンによって消光されている水溶性ベンズイミダゾール誘導体:
− 以下の式(II)のN−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミン−銅イオン(Cu2+):
Figure 2017531191
− Cu2+、Fe2+、Ni2+、Co2+及びMn2+から選ばれるイオンによって消光されているビス−ベンズイミダゾール誘導体のN,S,−マクロ環;
− Cu2+、Fe2+、Ni2+、Co2+及びMn2+から選ばれるイオンによって消光されている{4−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−フェニル−スルファモイル]フェノキシ}酢酸;
− Cu2+、Fe2+、Ni2+、Co2+及びMn2+から選ばれるイオンによって消光されている{4−{2−{4−[(ジエチルアミノ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}フェニルスルファモイル}フェノキシ}酢酸;
− Cu2+、Fe2+、Ni2+、Co2+及びMn2+から選ばれるイオンによって消光されている{4−{2−{4−[(メチルピリジン−2−イルメチルアミノ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}フェニルスルファモイル}フェノキシ}酢酸;及び
− Cu2+、Fe2+、Ni2+、Co2+及びMn2+から選ばれるイオンによって消光されている{4−{2−{4−[(ビスピリジン−2−イルメチルアミノ)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}フェニルスルファモイル}フェノキシ}酢酸。
よりいっそう優先的には、消光型化学センサー−カチオン複合体は、以下から選ばれる:
− カルセインブルー−コバルトイオン(Co2+)及び
− N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミン−銅イオン(Cu2+)。
前記消光型化学センサー−カチオン複合体は、酵素反応後に、第2の蛍光性生成物「A」の形成を可能にする。「A」は、カチオンが蛍光性化学センサーから分離される結果生じ、カチオンは、イオン結合によってアニオンに結合する。
この第2の蛍光性生成物は、式(2)に詳述された酵素反応の結果生じる蛍光性生成物「S」のように、250から450nmの間の波長で優先的に励起され、300から600nmの波長で放出する。
有利には、第2の蛍光性生成物はまた、300から400nmの波長で励起され、400から500nmの波長で放出する。
よりいっそう優先的には、第1の蛍光性生成物及び第2の蛍光性生成物は、実質的に一致した波長で励起され、放出する。
Saluja P.ら、2012は、以下の式(I)の化合物N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミンを開示する:
Figure 2017531191
この化合物(I)は、デフォルトで蛍光性である。しかし、化合物(I)は、Cu2+などのカチオンに会合している際に、式(II)の消光型化学センサー−カチオン複合体を形成する:
Figure 2017531191
最後に、媒体中の無機リン酸などのアニオンの存在は、カチオンCu2+のリン酸イオンとの結合を引き起こし、蛍光性化合物(I)を再度遊離することになる。
特に有利には、本発明による組成物は、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)である蛍光発生酵素基質と、カルセインブルー−コバルトイオン(Co2+)複合体である消光型化学センサー−イオン複合体とを会合してなる。
また、本発明の組成物は、生物学的アッセイのコンテクストで使用されることがある他の化合物、例えばバッファーなどを含んでいてもよい。
本発明の組成物中に存在する蛍光発生酵素基質(一次基質)及び消光型蛍光発生化合物(二次基質)は、固体媒体、例えば固体粉末、又は液体媒体に含有されていてもよい。
「固体又は液体媒体」は、少なくとも1つの代表的な検出対象の被分析物を含有している可能性のある試験対象の試料に適合する、固体又は液体形態の媒体を指すことを意図する。
本発明の組成物中に存在する蛍光発生酵素基質及び消光型蛍光発生化合物は、好ましくは、酵素イムノアッセイのための液体媒体中に含有されている。
決定対象の被分析物は、タンパク質、ペプチド又はハプテン、すなわち抗原及び/又は抗体、被分析物の受容体などを結合パートナー(複数可)として含む反応とすることができる。
本発明のコンテクスト内での試験対象の試料は、様々な由来、例えば食物由来、環境由来、生体由来、獣医学由来、臨床由来、医薬由来、又は化粧品由来とすることができる。
食物由来の試料の中では、乳製品(ヨーグルト、チーズなど)、肉、魚、卵、果物、野菜、水、又は飲料(乳、果物ジュース、ソーダなど)の試料を非網羅的な方式で挙げることができる。もちろん、これらの食物由来の試料は、ソース、若しくはさらに手の込んだ料理、又は何も転換されていないか、若しくは部分的に転換されている出発物質を由来とすることもある。食物試料は、油かすや動物飼料など、動物に用いることを意図された食物を由来としてもよい。 全てのこれらの試料は、液体でない場合、液体形態になるよう予め処理される。
上記に示したように、試料は、環境由来であってもよく、例えば表面又は水の採取試料などから成っていてもよい。
試料はまた、ヒト又は動物由来の生物学的試料からなっていてもよく、それは、生体液(尿、全血又は血清若しくは血漿などの誘導体、唾液、膿、脳脊髄液など)、便(例えばコレラ性下痢)、鼻、咽喉、皮膚、創傷、器官、組織の採取試料若しくは単離細胞の採取試料、又はスワブ試料に相当していてもよい。この列記はもちろん非網羅的である。
概して、用語 「試料」は、 分析の目的で1つ又は複数の実体から採取される部分又は量、 より詳細には ごく一部又は少量を指す。この試料は、任意選択的に前処理を経たものでもよく、この処理は、特に出発実体が固体状態である場合に、例えば混合、希釈、あるいは摩砕の工程を含む。
分析される試料は、概して、検出されるか、特徴を明らかにされているか、又はモニターされている微生物又は疾患の存在を表す少なくとも1つの被分析物を含有している可能性があるか、又は含有している疑いがある。
本発明の別の対象は、被験試料に含有されている可能性のある被分析物の免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのためのキットであり、上に定義された組成物を含む。
もちろん、「イムノアッセイ」の用語「イムノ」は、例えば、本願では、結合パートナーが抗体などの免疫学的パートナーであることを厳密に示すものとはみなされない。実際、結合パートナーは、リガンドとも呼ばれ、免疫学的パートナーではないが、例えば、アッセイすることが望まれている被分析物に対する受容体である場合に、当業者もこの用語を広く使用する。そのため、用語「イムノ」が頭文字語であるELISAに含まれているにもかかわらず、非免疫学的結合パートナーを使用するアッセイ、さらに一般的には「リガンド結合アッセイ」と呼ばれるアッセイを表すための、ELISAアッセイ(「酵素連結免疫吸着アッセイ」)を指すことが知られている。明確にする目的で、出願人は、用語「イムノ」が免疫学的パートナーでない場合であっても、本願を通じて、結合パートナーを使用したいかなるアッセイにもこの語を使用する。
本発明の別の対象は、そのような組成物を含む、イムノアナリシスのための自動化デバイスである。イムノアナリシスのための自動化デバイスは、限られた時間内に一定数の生物学的分析を実行することを可能にする、生物学的分析のための自動化デバイスである。本発明によるイムノアナリシスのための自動化デバイスは、例えば、心臓マーカーのアッセイ、甲状腺パネル、貧血の評価、腫瘍マーカーのアッセイ、生殖能力の評価、ウイルス応答性、細菌又は細菌タンパク質の存在を可能にする。自動化デバイスの非限定的な例として、以下の自動化デバイスを挙げることができる。
・ Beckman Coulterが販売するAccess(登録商標)2、UniCel(商標)DxI600及びUniCel(商標)DxI800;
・ Siemensが販売するAdvia Centaur(商標)及びImmulite(商標);
・ Ortho−Clinical−Diagnosticsが販売するVitros(商標);
・ 出願人が販売するVIDAS(登録商標);
・ Abbott Diagnosticsが販売するArchitect(商標);及び
・ Roche Diagnosticsが販売するElecsys(商標)
自動化デバイスは、好ましくは、出願人が販売するVIDAS(登録商標)、VIDAS(登録商標)3又はミニVIDAS(登録商標)である。
本発明はまた、目的の被分析物の免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための、上に記載されたような組成物、キット、又は自動化デバイスの使用に関する。
酵素イムノアッセイによる試料の分析は、目的の被分析物と被分析物に特異的な1つ又は複数の結合パートナー(複数可)との反応を利用する。これらの結合パートナーは、使用されているアッセイに応じて、捕捉パートナーとして、検出パートナーとして、又は捕捉及び検出パートナーとして使用されてもよい。
被分析物のための結合パートナーとしては、抗体、抗体の断片、ナノフィチン、この被分析物に対する受容体、又は研究対象の被分析物と相互作用することが知られている任意の他の分子受容体を挙げることができる。
結合パートナー抗体は、例えば、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体である。
ポリクローナル抗体は、被分析物又は被分析物の免疫原性部分を用いて動物を免疫化し、続いて、前記動物の血清を採取し、前記抗体を他の血清成分から分離することによって、詳細には、抗体により特異的に認識される抗原、特に被分析物が結合しているカラムでのアフィニティークロマトグラフィーによって所望の抗体を精製形態で回収することで、取得することができる。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術によって取得することができ、その一般的な原理を下記に示す。
まず、被分析物又は目的の被分析物の免疫原性部分を用いて、動物、一般的にはマウスを免役化すると、次いで、前記マウスのBリンパ球は、この抗原に対する抗体を産生することができる。これらの抗体産生リンパ球を、次いで、ハイブリドーマを生じるように「不死化」骨髄腫細胞(例ではマウス細胞)と融合する。次いで、特定の抗体を産生し、かつ無限に増殖することが可能な細胞を、結果として得られた細胞の不均一な混合物から選択する。各ハイブリドーマをクローンの形で増殖させ、そのそれぞれが結果としてモノクローナル抗体を産生するが、この抗体において、前記標的被分析物に対する認識の特性を、例えばELISAによって、一次元又は二次元のウェスタンブロット法によって、免疫蛍光によって、又はバイオセンサーを使用して、試験してもよい。続いて、結果として選択されたモノクローナル抗体を、特に上に記載されたアフィニティークロマトグラフィー手法に準じて精製する。
また、モノクローナル抗体は、当業者に周知の手法を使用して、遺伝子工学によって得られる組換え抗体としてもよい。
抗体断片の例として、Fab、Fab’、F(ab’)2断片、並びにまたscFv(単鎖可変断片)及びdsFv(二本鎖可変断片)鎖を挙げることができる。これらの機能的な断片は、特に遺伝子工学によって取得してもよい。
ナノフィチン(市販名)は、低分子タンパク質であり、抗体のように、生物学的な標的に結合することができ、それゆえそれを検出するか、捕捉するか、又は生物体内で非常に簡単に標的とすることを可能にする。
結合パートナーは、検出対象の被分析物に特異的であっても非特異的であってもよい。それらは、これらの被分析物に排他的に、又は事実上排他的に結合することができるときに、特異的であると言う。それらは、これらの被分析物の結合選択性が低いとき、及びそれゆえ他のタンパク質又は抗体などの他のリガンドに結合することができるときに、非特異的であると言う。好適な実施態様によれば、特異的な結合パートナーが使用される。
被分析物と結合パートナーとの間で形成されている複合体を、本発明による組成物と一緒にした後に生成されるシグナルを測定することによって、被分析物が検出される。検出は、検出パートナーを直接的若しくは間接的に標識化するか(サンドイッチ法)、又は被分析物そのもの若しくは1つ若しくは複数のその断片(競合法)を標識化するかのどちらかにより、蛍光を可視化する方法によって実行される。
標識化は、4−MUPなどの適切な蛍光発生酵素基質の加水分解後に、蛍光によって検出可能なシグナルを反応媒体中に生成することができる、例えばアルカリホスファターゼなどの酵素の付着を意味することを意図する。
本発明はまた、免疫蛍光を使用するサンドイッチ型の酵素イムノアッセイによって、被分析物を含有している可能性のある液体被験試料中の前記被分析物をインビトロで検出及び/又は定量するための方法であって、
− 被分析物を捕捉パートナーに結合させるために、予め固体表面に付着させた又は付着させていない捕捉パートナーと、前記液体試料とを一緒にする工程、
− 捕捉パートナー−被分析物複合体に結合させるために、検出パートナーを添加する工程であって、検出パートナーは、本発明の組成物の蛍光発生酵素基質を分解することが可能な酵素に、直接的又は間接的にカップリングされている、工程、
− 本発明の組成物と、捕捉パートナー−被分析物−検出パートナー複合体とを一緒にして、反応媒体を形成する工程、及び
− 反応媒体、すなわち、上に記載の第1及び第2の蛍光生成物を含有する媒体中で放出される蛍光を測定することによって、被分析物の存在及び/又は量を、免疫蛍光により検出する工程
を含む方法に関する。
酵素と検出パートナーとの直接的又は間接的なカップリングとは、被分析物を認識する検出パートナーに酵素が直接的に結合すること(直接カップリング)か、あるいは、次に被分析物を認識する検出パートナーを認識する結合パートナーに酵素がカップリングされること(間接カップリング)を意味することを意図する。
それゆえ、直接カップリングのコンテクストでは、アッセイ終了時に形成される複合体は、
「捕捉パートナー/被分析物/酵素にカップリングされた検出パートナー」
からなることになる。
間接カップリングのコンテクストでは、 アッセイ終了時に形成される複合体は、
「捕捉パートナー/被分析物/検出パートナー/酵素にカップリングされた結合パートナー」からなることになる。後者の実施態様のコンテクストでは、結合パートナーは、当業者に周知であり、例えば、検出パートナーが、目的の被分析物を認識するIgGであるとき、抗IgG(免疫グロブリン)抗体であってもよい。
本発明はまた、免疫蛍光を使用する競合型の酵素イムノアッセイによって、被分析物を含有している可能性のある液体被験試料中の前記被分析物をインビトロで検出及び/又は定量するための方法であって、
− 予め固体表面に付着させた又は付着させていない捕捉パートナーと、本発明の組成物の蛍光発生酵素基質を分解することが可能な酵素にカップリングされた被分析物のアナログと、前記液体試料とを一緒にして、アナログと前記液体試料とが捕捉パートナーとの結合を競合する、工程、
− 本発明の組成物と、捕捉パートナー−被分析物複合体と、捕捉パートナー−被分析物アナログ複合体とを一緒にして、反応媒体を形成する工程、及び
− 反応媒体、すなわち、上に記載されたような第1及び第2の蛍光生成物を含有する媒体中で放出される蛍光を測定することによって、被分析物の存在及び/又は量を、免疫蛍光により検出する工程
を含む方法に関する。
本発明の組成物の使用を除いて、これらの方法の工程は、当業者に周知の従来の工程である。
さらに、本発明の方法は、各工程後の1つ又は複数の追加のリンスする工程、例えば、
− 検出パートナーを添加する工程の前に、捕捉パートナー−被分析物複合体に結合していない被分析物を除去するようにリンスする工程、及び
− 検出パートナーを添加する工程の後に、非結合の検出パートナーを除去するようにリンスする工程
を含むこともでき、これは、本発明の別の実施態様を構成する。
リンスする工程は、当業者に周知の工程である。それらは、反応媒体及び蛍光の読み取りに適合するバッファーを用いて実行される。
最後に、本発明は、被分析物を含有している可能性のある被験試料中の検出対象の被分析物を、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイによってインビトロで検出及び/又は定量するための方法の感度を、向上させるための方法において、前記アッセイを実行する間の本発明による組成物又はキットの使用を含むことを特徴とする方法に関する。
以降、本発明を、非制限的な以下の実施例によって説明する。
実施例1
無機リン酸Piの選択的な検出とカップリングしている蛍光発生酵素基質4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)の活性化による蛍光の増加
1.一般原理:
1.1.標準反応:
図1に概略的に表されるように、VIDAS(登録商標)(bioMerieux)機器で実行されるイムノアッセイにおいて、被分析物の存在を免疫蛍光によって検出する現行の工程は、VIDAS(登録商標)ストリップの最後の容器(ウェル10又はXA)が含有する蛍光発生酵素基質4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)の活性化に基づく。
現行の構成では、VIDAS(登録商標)機器で実行される各アッセイの最後の混合の間に、酵素アルカリホスファターゼ(ALP又はAP)によって生成されるシグナルは、アッセイ対象の被分析物の量に比例するか(サンドイッチ法)、又はそのような量に逆比例する(競合法)。酵素は、選んだイムノアッセイのタイプに応じて、捕捉パートナー/被分析物/ALPに結合されている検出パートナーの複合体、又は捕捉パートナー/ALPに結合されている被分析物アナログの複合体の形成を介して、間接的に固体相受器[SPR(登録商標)]の壁に結合しており、蛍光発生酵素基質4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)に反応して、
− VIDAS(登録商標)機器の光学スキャナーによってその蛍光が測定される、高蛍光性分子の4−メチルウンベリフェロン(4−MU)、及び
− 特別な役割を持たずに溶液中に残る、リン酸水素イオンHPO 2−(又は全ての形態の無機リン酸を表すPi)
の2つの生成物を生成する。
図1は、この公知の反応を概略的に表す。
1.2.反応の向上
図2は、本発明による免疫蛍光による検出の反応の向上を概略的に表す。この反応は、一方では、蛍光発生酵素基質、この場合では4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)の従来の活性化からなる。この反応は、さらに消光型化学センサー−カチオン複合体(図2に概略的に表される菱形「A−cat」)があるために最適化されている。
図1に概略的に表される反応では、酵素アルカリホスファターゼ(ALP)によって、一次蛍光発生酵素基質4−MUPは、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)及びリン酸水素イオンHPO 2−(あらゆる形態の無機リン酸を表すPi)に変換される。この結果として得られるリン酸イオン(Pi)は、消光型化学センサー−カチオン複合体(二次基質)と反応して、一方では、蛍光性化合物「A」を媒体中に遊離し、他方では、リン酸イオン(Pi)をカチオン「cat」に会合してなる生成物を形成する。
そのため、ここで提案される方法は、二次基質、すなわち消光型化学センサー−カチオン複合体を、第1の基質、すなわちこの例では蛍光発生酵素基質である4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)に、添加することにある。続いて、この二次基質をアニオン、すなわちこの例では無機リン酸であるPiによって、活性化することが可能であり、このことは、追加のシグナルの生成を可能にすることになる(図2の略図を参照)。
このようにして形成される蛍光性複合体は、選択的な化学センサーを無機リン酸に会合してなり、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)の一次反応によって生成されるシグナル全体の補強に寄与する。
2.フルオロフォア「カルセインブルー」を用いた反応の実行
図3に説明されるように、出願人は、コバルトカチオン(Co2+)によって消光された化学センサー「カルセインブルー」(CB)に会合してなる複合体を二次基質として使用し、上記の1.2章に詳述された反応の向上を実行した。
カルセインブルー、すなわち4−メチルウンベリフェロン−8−メチルイミノ二酢酸は、下記に再現される一般式の化合物である。
Figure 2017531191
カルセインブルーは、以下の一般式の4−メチルウンベリフェロン(4−MU)と同様の特性を有する、クマリンフルオロフォアである。
Figure 2017531191
このことは、カルセインブルーがVIDAS(登録商標)システムに適合することを意味する。
カルセインブルー及びコバルトイオン(「CB−Co」)を会合してなる消光型化学センサー−カチオン複合体を、以下の理由により可能性のある候補として選択した。
− 無機リン酸Piに対する選択性がある。
− 図4に示すように、漸増濃度の無機リン酸Piによって良好に活性化される。実際、図4では、カルセインブルー及びコバルトイオン(「CB−Co」)が会合してなる消光型化学センサー−カチオン複合体が、漸増濃度の無機リン酸Piによって活性化され、前記濃度の無機リン酸Piの関数として蛍光性カルセインブルーの遊離を可能にすることを示す。
− 水溶性である。
− 370±5nmの波長で励起され、450±20nmの波長で放出する。
− 図5に示すように、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)に匹敵する蛍光強度を有する。図5では、以下の2つの溶液の放出スペクトルを比較しており、溶液は、第1の場合にカルセインブルー(CB)を、第2の場合に4−メチルウンベリフェロン(4−MU)を含む。
・ 6410nMのカルセインブルー、0.6mMのジエタノールアミン(DEA);0.3mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA−Na)及び0.5mMのMgClを含む、pH9.4の溶液、及び
・ 6410nM(6.4μM)の蛍光発生酵素基質リン酸4−メチル−ウンベリフェリル(4−MUP)を含む、VIDAS(登録商標)OPT溶液
− カルセインブルーとコバルトイオン(Co2+)との間の結合は、VIDAS XAのpHに相当するpH9.2を含めて、各種のpHで安定である。
− 図6に示すように、カルセインブルー及びコバルトイオン(「CB−Co」)を会合してなる化学センサー−カチオン複合体は、消光されている、すなわち、コバルトイオン(Co2+)が分離する前は蛍光性ではない。
さらに、出願人は、蛍光強度は、コバルトイオン(Co2+)の分離後、少なくとも20分間、一定のままであったことを実証することができた。
実施例2
本発明による組成物を使用した蛍光放出の向上
1.試験対象の溶液の調製
以下の化合物を用いてpH8.2バッファーを調製した。
・ トリス塩基+HCl(最終pH8.2)
・ 0.7mM [Mg2+
・ 0.03mM [EDTA−Na
・ 0.03mM [Co2+
蛍光発生酵素基質4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)並びに/又はカルセインブルー及びコバルトイオンを会合してなる消光型化学センサー−カチオン複合体(「CB−Co」)を添加して、3つの異なる溶液を調製した。これらは、以下の溶液A、B、及びCであった。
溶液A: 0.64μMの4−MUP(遊離酸形態)
溶液B: 6.4μMのCB−Co
溶液C: 0.64μMの4−MUP+6.4μMのCB−Co
2.溶液A及びBの安定性の試験
蛍光発生酵素基質4−MUPの自然発生的な加水分解及びカルセインブルーCBからのコバルトイオン(Co2+)の移動が防止されていることを立証するために、溶液A及びBの安定性を、蛍光を経時的にモニタリングすることによって試験した。
下記の表1a及び1bは、VIDAS(登録商標)3機器のスキャナヘッドによって測定された相対蛍光単位(RFU)での結果を示し、この結果は、溶液Aで満たされた3つのストリップと、溶液Bで満たされた3つのストリップとを、機器内へ配置することによって取得される。
VIDAS(登録商標)機器のスキャナヘッドをコントロールするVN Test Suite SWソフトウェアを操作する外部携帯コンピュータを使用して、結果を読み取る。
Figure 2017531191
結果は、組成物の蛍光が、一定かつ低いままであることを示す。そのため、2つの溶液A及びBは、経時で安定であり、このことは、蛍光発生酵素基質4−MUPが自然発生的に加水分解されないこと、及びコバルトイオン(Co2+)の移動が回避されることを実証する。
3.溶液A及びCの蛍光の比較
この安定性試験の後、以下の試験を3回実行した。
工程1: 3つのストリップ(XAウェル)を300μLの溶液Aで満たし、3つのストリップを溶液Cで満たした。ストリップをVIDAS(登録商標)3機器内に装填した。
工程2: 各ストリップについて、時間t0で、バックグラウンド値(BKG)をVIDAS(登録商標)機器のスキャナヘッドによって測定する。
工程3: 酵素アルカリホスファターゼ(ALP)を各キュベット内に添加する(500μg/mLで10μL)。
工程4: 各キュベットの蛍光を所与の時点で15分間測定する。
工程5: 蛍光の増加を算出する。t=15分での最終読み取り値からバックグラウンド値(BKG)を差し引くことによって、相対蛍光値(RFV)を決定した。
溶液A中に含有される蛍光発生酵素基質4−MUPが完全に活性化されて4−MUを確実に生じるように、15分間を選んだ。
さらに、溶液Aを用いて15分後に得られる蛍光は、同じバッファー中のVIDAS(登録商標)OPT溶液(6.41μM)の1/10希釈によって得られる0.6410μMの4−メチルウンベリフェロン(4−MU)濃度での蛍光と均一である。
3回実行された試験から得た生の結果を、下記の表2a及び表2bにまとめる。
Figure 2017531191
最後に、下記の表2cでは、実行された全ての試験についての相対蛍光値(RFV)及び対応の蛍光の増加のパーセンテージをまとめる。
Figure 2017531191
上記の表2cに詳述されたように、平均蛍光発光は、溶液Aと、蛍光発生酵素基質4−MUPと本発明による消光型化学センサー−カチオン複合体CB−Coとの会合を含有する溶液Cとの間で、約70%増加する。
このように、消光型化学センサー−カチオンの添加によって、蛍光性シグナルを有意に増加させることが可能になる。
実施例3
本発明による組成物中の各種濃度の一次基質の使用
カルセインブルーとコバルトイオンとを会合してなる消光型化学センサー−カチオン複合体(「CB−Co」)を用いた予備試験:
出願人は、異なる濃度の蛍光発生酵素基質4−MUPを含む溶液内に消光型化学センサー−カチオン複合体CB−Coを添加することによる蛍光の増加を、同じ条件下で、蛍光発生酵素基質4−MUPのみを含む溶液に比較して、評価しようと考えた。
1.試験対象の溶液の調製
上の実施例2に記載されたように、pH8.2バッファーを調製した。
3つの異なる濃度の4−MUPを考慮した。これらは以下の濃度である。
(1)0.64μM
(2)0.43μM
(3)0.32μM
各濃度に対し、3つの異なる溶液を調製した。
(1)0.64μM濃度:
− 溶液A1: 0.64μMの4−MUP(遊離酸形態)
− 溶液B1: 6.4μMのCB−Co
− 溶液C1: 0.64μMの4−MUP+6.4μMのCB−Co
(2)0.43μM濃度:
− 溶液A2: 0.43μMの4−MUP(遊離酸形態)
− 溶液B2: 6.4μMのCB−Co
− 溶液C2: 0.43μMの4−MUP+6.4μMのCB−Co
(3)0.32μM濃度:
− 溶液A3: 0.32μMの4−MUP(遊離酸形態)
− 溶液B3: 6.4μMのCB−Co
− 溶液C3: 0.32μMの4−MUP+6.4μMのCB−Co
2.実験項
供試された各濃度の4−MUPについて、各実験を3重に実行し、3回繰り返した。下記の表3では、0.64μMの濃度の4−MUPのためのVIDAS(商標)の装填計画をまとめる。
Figure 2017531191
溶液B1、B2、及びB3は、消光型化学センサー−カチオン複合体CB−Coの安定性のためのコントロールを構成する。それらは、確実に、観察される蛍光の増加が、実際、Coカチオンに及ぼすリン酸イオン(Pi)の作用と連関し、消光型化学センサー−カチオン複合体CB−Coに及ぼすEDTAのキレート作用には連関しないものとすることを可能にする。
以下の試験は、各濃度の4−MUPについてそれぞれ3回実行された(セッション1、セッション2、セッション3)。図8は、実行された試験の主な工程を要約する。図8は、異なる工程の試験を概略的に表し、本発明による蛍光性化合物によって生成される追加の蛍光を決定することを可能にする。
試験の様々な工程を下記に要約する。
(i)VIDAS(登録商標)3機器のスキャナヘッドを使用して、それぞれの空のストリップのプラスチックを測定する。
(ii)以下のようにストリップを満たす(XAウェル)。
a.区画A→1つのストリップを300μLの溶液B(B1、B2、又はB3)で満たし、
b.区画B→3つのストリップを300μLの溶液A(A1、A2、又はA3)で満たし、
c.区画C→3つのストリップを300μLの溶液C(C1、C2、又はC3)で満たす。
(iii)ストリップをVIDAS(登録商標)3EP VN 1015内に装填する。
(iv)同じスキャナヘッドによって、各ストリップについてバックグラウンド読み取り(BKG)をT0で取得する。
(v)酵素アルカリホスファターゼ(ALP)を、各キュベット内に過剰に添加する(500μg/mLで10μL)。
(vi)各キュベットの蛍光を、5分毎に15分間測定する。
(vii)t=15分での最終読み取り値からバックグラウンド値(T0)を差し引くことによって、相対蛍光値(RFV)を決定する。
異なる濃度の4−MUP(0.64μM、0.43μM、及び0.32μM)で3回実行された各種の試験の結果を、下記の表にまとめる。
I.0.64μMの4−MUP濃度についてのセッション1、2、及び3の間の試験:
Figure 2017531191
Figure 2017531191
II.0.43μMの4−MUP濃度についてのセッション1、2、及び3の間の試験:
Figure 2017531191
Figure 2017531191
III.0.32μMの4−MUP濃度についてのセッション1、2、及び3の間の試験:
Figure 2017531191
Figure 2017531191
これらの各種実験に続いて、各溶液A1、A2、A3並びにC1、C2、及びC3について、各4−MUP濃度についての平均RFV値を算出した。
これらの平均値を図10のグラフにまとめる。
図10から明らかであるように、溶液A(A1、A2、A3)とC(C1、C2、C3)との間の平均蛍光発光の増加は、約50%である。この蛍光の増加は、カルセインブルーによって生成されるシグナルに起因する。
実施例5
予備的な安定性試験:
複合体CB−Co、蛍光発生酵素基質4−MUP、及びそれらの混合物の安定性を、それらの蛍光を経時でモニタリングすることによって評価した。これは、蛍光発生酵素基質4−MUPの自然発生的な加水分解、並びにカルセインブルー(CB)からのカチオンCo2+の移動が回避されることを立証するために行った。
出願人が得た結果によって、自然発生的な相互作用がないこと、及び蛍光が経時的に安定なままであること(特に0から25分の間)を実証することができた。
実施例6
消光型化学センサー−カチオン複合体としてのN−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミン−銅イオン(Cu2+)複合体の使用
以下の式(II)のN−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミン−銅イオン(Cu2+)複合体:
Figure 2017531191
は、無機リン酸Piと特異的に反応し、二次基質として使用することができる、化学センサー−カチオン複合体の別の例である。
1.N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミンの合成
以下の反応に従って、化合物N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミンを得る。
Figure 2017531191
2−(2−アミノフェニル)−1H−ベンズイミダゾール(209mg、1.0mmol)の溶液を、50mLの無水メタノール中のピロール−2−カルボクスアルデヒド溶液(142mg、1.5mmol)と反応させて、10時間加熱還流する。反応後、溶媒を25mLにエバポレートし、エバポレーションを遅くするために50℃に保つ。得られる白色沈殿物を、次いで濾過して、冷メタノールで3回洗浄する。
2.化学センサー−カチオン複合体の合成
以下の式(II)のN−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミン−銅イオン(Cu2+)複合体:
Figure 2017531191
は、N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)−メチリデン]アミン(286mg、1.0mmol)を、Cu(NO・6HO(295mg、1.0mmol)のTHF/HO(30mL、1/1、v/v)中液に反応させることによって得る。混合物を8時間加熱還流する。反応終了時に、反応混合物中でジエチルエーテルをゆっくり拡散させることで、生成物を分離する。得られる固体を冷メタノール中で洗浄し、濃緑色の生成物を得る。
3.消光型化学センサー−カチオン複合体の活性化
図7に示すように、この消光型化学センサー−カチオン複合体は、無機リン酸Piによって活性化され、一方では、カチオンCu2+をリン酸水素イオンに会合してなる非蛍光性生成物(Pi−Cu)を生成し、他方では蛍光性化合物である[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミンを遊離することを可能にする。図11では、消光型化学センサー−カチオン複合体[N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミン−銅イオン(Cu2+)]を含む、無機リン酸不含の組成物の放出スペクトラムを、消光型化学センサー−カチオン複合体[N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミン−銅イオン(Cu2+)]及び無機リン酸Piの両方を含む組成物からの放出スペクトラムと比較している。図11から明らかであるように、有機リン酸の存在によって、一方では、カチオンCu2+をリン酸水素イオンに会合してなる非蛍光性生成物(Pi−Cu)の形成が、他方では、蛍光性化合物である[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミンを遊離することが、可能になる。
このように取得される蛍光性化合物は、
Figure 2017531191
約370±5nmの波長の光源によって曝露又は励起され、約425±20nmの第2の波長で光線又は蛍光シグナルを放出する。
このように、この蛍光性生成物は、4−メチルウンベリフェロン(4−MU)に実質的に適合する波長で励起され、放出する。
この消光型化学センサー−カチオン複合体は、約9.2であるVIDAS XAのpHにも適合する。
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Claims (15)

  1. (i)蛍光発生酵素基質と、(ii)蛍光発生酵素基質(i)の加水分解後に蛍光性化合物を形成する消光型蛍光発生化合物とを含む、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための組成物。
  2. 蛍光発生酵素基質が、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)、4−メチルウンベリフェリルガラクトシド(4−MUG)、4−メチルウンベリフェリルサルフェート(4−MUS)、フルオレセインジホスフェート(FDP)、6,8−ジフルオロ−4−メチルウンベリフェリルホスフェート(DiFMUP)、9H−(1,3−ジクロロ−9,9−ジメチルアクリジン−2−オン−7−イル)ホスフェート(DDAOホスフェート)、2’−[2−ベンゾチアゾール]−6’−ヒドロキシベンゾチアゾールホスフェート、2−ナフチルホスフェート、及び2−ウンベリフェリルホスフェートから選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 蛍光発生酵素基質が、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)であることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
  4. 消光型蛍光発生化合物が、消光型化学センサー−カチオン複合体であることを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の組成物。
  5. 消光型化学センサー−カチオン複合体の化学センサーが、親水性クマリン及びベンズイミダゾール誘導体から選ばれること、並びに消光型化学センサー−カチオン複合体のカチオンが、Co2+、Cr3+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Mn2+、Ni2+、Hg2+、及びPb2+から選ばれることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
  6. 消光型化学センサー−カチオン複合体が、
    − カルセインブルー−コバルトイオン(Co2+)複合体及び
    − N−[2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)−フェニル]−N−[(E)−1−(1H−ピロール−2−イル)メチリデン]アミン−銅イオン(Cu2+)複合体
    から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
  7. 蛍光発生酵素基質が、4−メチルウンベリフェリルホスフェート(4−MUP)であること、及び消光型化学センサー−イオン複合体が、カルセインブルー−コバルトイオン(Co2+)複合体であることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の組成物を含む、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのためのキット。
  9. 請求項1から7の何れか一項に記載の組成物、又は請求項8に記載のキットを含む、イムノアナリシスのための自動化デバイス。
  10. 被分析物の免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイのための、請求項1から9の何れか一項に記載の組成物、キット、又は自動化デバイスの使用。
  11. 被分析物を含有している可能性のある液体被験試料中の免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイによる、被分析物をインビトロで検出及び/又は定量するための方法であって、
    − 被分析物を捕捉パートナーに結合させるために、予め固体表面に付着させた又は付着させていない捕捉パートナーと、前記液体試料とを一緒にする工程
    − 捕捉パートナー−被分析物複合体に結合させるために、検出パートナーを添加する工程であって、検出パートナーは、請求項1から7の何れか一項に記載の組成物の蛍光発生酵素基質を分解することが可能な酵素に、直接的又は間接的にカップリングされている、工程、
    − 請求項1から7の何れか一項に記載の組成物と、捕捉パートナー−被分析物−検出パートナー複合体とを一緒にして、反応媒体を形成する工程、及び
    − 反応媒体中に放出される蛍光を測定することによって、被分析物の存在及び/又は量を、免疫蛍光により検出する工程
    を含む方法。
  12. 検出パートナーを添加する工程の前に、捕捉パートナー−被分析物複合体に結合していない被分析物を除去するようにリンスする工程、及び
    検出パートナーを添加する工程の後に、非結合の検出パートナーを除去するようにリンスする工程
    のうち少なくとも1つを含む、請求項11に記載の被分析物をインビトロで検出及び/又は定量するための方法。
  13. 被分析物を含有している可能性のある液体被験試料の免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイにより、インビトロで被分析物を検出及び/又は定量するための方法であって、
    − 予め固体表面に付着させた又は付着させていない捕捉パートナーと、請求項1から7の何れか一項に記載の組成物の蛍光発生酵素基質を分解することが可能な酵素にカップリングされた被分析物のアナログと、前記液体試料とを一緒にする工程であって、前記アナログと前記液体試料とが捕捉パートナーとの結合について競合する、工程、
    − 請求項1から7の何れか一項に記載の組成物と、捕捉パートナー−被分析物複合体と、捕捉パートナー−被分析物アナログ複合体とを一緒にして、反応媒体を形成する工程、及び
    − 反応媒体中で放出される蛍光を測定することによって、被分析物の存在及び/又は量を免疫蛍光により検出する工程
    を含む方法。
  14. 試料を添加する前に、捕捉パートナー−被分析物複合体に結合していない被分析物を除去するようにリンスする工程、及び
    試料を添加した後に、非結合の被分析物及び被分析物アナログを除去するようにリンスする工程
    のうち少なくとも1つを含む、請求項13に記載の被分析物をインビトロで検出及び/又は定量するための方法。
  15. 被験試料中の検出対象の被分析物を、免疫蛍光を使用する酵素イムノアッセイによってインビトロで検出及び/又は定量する方法の感度を向上させるための方法において、アッセイを実行する間の請求項1から7の何れか一項に記載の組成物又は請求項8に記載のキットの使用を含むことを特徴とする、方法。
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