JP2017526932A - Nmr測定の結果に信号として含まれる情報を抽出するための方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】NMR測定結果に信号化された形で含まれる情報を自動的に抽出する方法を提供する。【解決手段】被検試料について、複数の部分情報信号からなる、信号化情報を含む、第1の測定結果を供する工程と、成分濃度既知の較正試料について、信号化情報を含む、第2の測定結果を供する工程と、較正試料の成分濃度と信号化情報との相関を表す換算係数を計算する工程と、第1の結果における信号化情報に換算係数を適用する工程と、前記第1の測定結果中の、一つの部分情報信号を、別の部分情報信号と区別する際の適合性の指標となる有効値を計算する工程と、部分情報信号について、該有効値を当てはめる工程と、を含む方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、請求項1の前文に係る、NMR測定の結果に信号として含まれる情報を抽出するための方法、及び請求項12の前文に係る、前記の情報抽出方法を使用したNMR測定法に関する。
NMR測定の結果から、隠された(信号化された)情報を抽出する作業は、今日でも挑戦すべき課題として残されている。従来の方法は、多くの場合、NMR測定の結果をNMRスペクトルの形で図示することに基づいており、NMRスペクトルは、スペクトルの評価に長い経験を有する当業者によって評価される。これによって当業者は、NMRスペクトルに観察されるラインのいずれが、特定の物質に帰結し得るものかを判断することができる。その際、しばしば、事前に取得された純物質のNMRスペクトルとの対比が行われる。
また、従来技術によると、NMRスペクトルに観察されるラインのいずれを、信頼に足る「良好な」ラインであると見做し得るかを判定することも、経験を積んだ当業者の作業にかかっている。このように、NMR測定の結果を適切に評価するためには、人の手に係るべき工程が多く、その工程のほとんどは、経験の豊富な当業者の個人的技量に依存している。
欧州特許出願公開第2270530号明細書
本発明は、NMR測定の結果に信号として含まれる情報(encoded information)を自動的に抽出する方法を提供することを目的とする。
上記の目的は、請求項1に記載された特徴を備えた方法により達成される。前記のNMR測定の結果に信号として含まれる情報を抽出する方法は、かかる情報の自動抽出を可能とするものであり、以下に説明する工程を含むものである。第1の工程では、被検試料のNMR測定による第1の測定結果が提供される。被検試料は、少なくとも1種の成分(構成物)を含む。被検試料は、例えば、血液、尿、脳脊髄液などの体液試料でもよいが、本方法は、体液試料から得られる情報を抽出する方法に限定されるものではない。
第1の測定結果は被検試料についての信号化情報(信号化された形の情報)を含んでいる。ここから、信号化された情報をいくつかのサブセット(部分信号群)に分割することができる。
第2工程では、較正試料のNMR測定に関する第2の結果が提供される。較正試料は、少なくとも1種の成分を既知の濃度で含むものである。第2の測定結果は、較正試料とその成分についての情報を信号化された形で含むものである。
第1の工程を第2の工程の前に行ってもよいことに留意すべきである。あるいは、第2の工程を第1工程の前に行ってもよい。本明細書に記載された方法を実施するにあたり、これらの工程に特定の順序は必要としない。
第2の測定結果が得られた後、換算係数が計算される。この換算係数は、較正試料の信号化された情報と、較正試料の少なくとも1種の成分の濃度の相互依存関係を示すものである。NMR測定装置の装置仕様は、較正試料に関する信号化情報の固有部分として、第二の測定結果に含まれているので、この換算係数は、装置の仕様を示すものである。
次いで、計算された換算係数は、第1の測定結果の信号化された情報に適用される。これは第1の測定結果(測定値)に、換算係数を乗算することにより達成される。このように、換算係数は、第一の測定結果を数値化し、換算係数に含まれるNMR測定装置の仕様を考慮に入れて、第一の結果を標準化し、該換算係数を用いて検討または補正を行なうための係数とみなすことができる。
次いで、第1の測定結果の信号化された情報の一部または全てについて、有効値が計算される。そのため、信号化された情報は、別々のサブセットに分割される。サブセットは信号化された情報から任意に選択された部分であってよく、例えば、試料の少なくとも一種の成分の、プロトン信号の、特定グループ(群)に関する部分であってもよい。
有効値は、信号化された情報の第1のサブセットを、第2のサブセットと区別する際の適正を表す数値である。すなわち、異なると見做されるサブセット相互が、明瞭に区別し得るものであるか否かが、有効値によって示される。第1のサブセットがプロトン信号の第1のグループに関係し、第2のサブセットがプロトン信号の第2のグループに関係する場合、この方法工程によって、有効値を第一のサブセットにあてはめ、第二のサブセットからの差異ないし区分特性を示すことができる。
最後に、有効値は、それが計算された被検対象の、信号化された情報のサブセットに当てられる。最終的結果は、第1の測定結果に信号化されている試料情報の個々のサブセットを表し、個々の有効値は、情報の個々のサブセットに割り当てられる。このようにして、すべてのサブセットを集積することにより、第1の測定結果に信号化された情報全体、または第1の結果に信号化された情報の一部を構成することができる。
別の言い方をすれば、有効値は、第1の結果から抽出可能な試料情報の尺度(基準)となる。有効値は、フィッティング操作後に、互いに重畳しない、2つの曲線下の面積の違いを示すものではない。むしろ、有効値は、特定の問題に対する数学的解法が適切に選択されているか、あるいは、別の数学的解法による場合と同程度に良好であるのかを示すものである。解法が適切に選択されていれば、高い有効値が得られる。他に同程度に良好、またはやや悪い程度の解法があれば、有効値は低くなる。エネルギー地形に含まれる問題(個々の情報の分離)に関し、すべての解法を考えることができるとすれば、有効値は、選択された解法によって、すなわち、第1の測定結果に信号化された情報の特定部分を、情報の特定サブセットに該当させることによって、エネルギー地形の極小値または最小値が得られるかどうかの基準であると見ることができる。
したがって、有効値は、関連する情報サブセットの信頼性及び重要性を示す尺度である。
一実施形態において、前記方法は試料の情報のサブセットのリストを作成する工程を、さらに含む。このリストは、例えば、数値リストであってもよく、定量されたスペクトルの形式で図示されるものであってもよい。サブセットのリストは各サブセット情報の、定性的な値を含む。この定性的な値とは、事前に計算された有効値である。さらに、リストは、信号化された情報の各サブセットについての定量値を含む。この定量値は、試料の少なくとも1種の成分の内、1つの濃度を示し、そのNMR信号は、対象の信号化された情報のサブセットの一部を、直接的または間接的に構成する。第1の結果に信号化されている情報に関する既存の情報サブセットを含める必要はない。むしろこのリストは、第1の結果に信号化されている全情報の一部のみを含むものであってもよい。
一実施形態において、被検試料に関する情報及び/または較正試料に関する情報は、NMR測定結果の取得に影響した作業環境の少なくとも一つに関する情報を固有に含む。その作業環境上の条件は、特に、pH、温度、モル浸透圧濃度、NMR磁場安定性、及びNMR検知器安定性からなる群から選択される。
一実施形態において、測定者は、このような作業環境の影響の最小化を図ることなく、むしろ環境上の影響をそのまま測定してもよい。被検試料測定時と較正試料測定時において、作業環境の影響が同じであると仮定すると、作業環境の影響の効果は、第1の結果と第2の結果において同じであると考えられる。そこで、換算係数は、それを第1の結果に適用する際に、作業環境の影響を自動的に反映する。そのため、換算係数を用いることによって、作業環境の影響は相殺され、別に作業環境の影響を検討する必要はない。
一実施形態において、pH、温度及びモル浸透圧濃度などの試料の特性は、被検試料及び較正試料において同一である。
一実施形態において、試料の少なくとも一種の成分の、個々の成分の濃度を示す定量値は、SI単位系で示される濃度である。例えば、SI濃度単位としては、mol/l,mmol/l,nmol/l及びpmol/lなどが適当である。
一実施形態において、有意な(良好な)有効値を、有意ではない(不良)有効値と区別するため、閾値が定義される。一実施形態において、信号化された情報の個々のサブセットが閾値を越える有効値を持つ場合には、第一の結果の成分特有の信号に対応する有意な有効値であると考慮される。有効値が所定の閾値を下回る場合には、情報の各サブセットは、第一の結果の特性の成分に特有のものではないと考えられる。
一実施形態において、被検試料の前記少なくとも一つの成分が、何であるかは、第1の測定結果が取得される際には、未知である。従って、第1の結果におけるこの成分の情報を、第1の結果に含まれる他の情報から有効に分離することが可能であるか否かを確認する前に、この成分を同定する必要はない。従って、ここで記載の方法を実施するにあたり、物質の同定は全く必要としない。
一実施形態において、本明細書に記載された方法は、被検試料の少なくとも1種類の成分を同定し、同定された成分を被検試料の情報のサブセットの少なくとも1つに該当させる工程をさらに含む。これを行うにあたり、成分A、成分Bなどの包括的な名前を使用する代わりに、試料の構成成分の少なくともいくつかの明確な名前を使用してもよい。
通常、測定者は、試料を構成する各種成分の濃度が未知の状態で、被検試料のNMR分析を行い、第一の結果を取得する。よって、一実施形態において、前記少なくとも一つの成分の濃度は、第一の結果を取得する際には未知であってもよい。そのため、ここで記載する方法は、ほとんどすべての試料分析に適用することができる。但し、前記少なくとも一つの成分の濃度が、試料のNMR分析を実施する者または第一の結果を評価する者にとって既知であったとしても、方法を実施する上での差しさわりはない。
一実施形態において、第一の結果は、測定された自由誘導減衰(FID)か、観測されたNMR信号のリストである。したがって、ここで記載された方法を実施するにあたり、NMRスペクトルを取得するために、FIDをフーリエ変換する必要はない。むしろ、NMRスペクトルは、手作業でNMR分析を行う上で必要な補助図形であると考えられる。ここで記載の方法は、NMRスペクトルに良好に適用することができるが、いなかるスペクトルも取得することなく、何らかの別の形で、取得・供給されたNMR測定結果を用いて実施することもできる。
一実施形態において、第1の測定結果は試料のNMRスペクトルであり、有効値を計算する工程はいくつかの下位工程により実施される。これらの下位工程はa)試験用評価基準を定義する工程、b)前記試験用評価基準を試料のNMRスペクトルの少なくとも1つのNMRラインに適用する工程、及びc)前記試料のNMRスペクトルの少なくとも1つのNMRラインが、試験用評価基準にいかに正確に適合しているかを判定する工程からなる。これは、NMRラインの品質または良好性が、通常、所定の試験用評価基準によってではなく、NMR測定またはNMRデータ評価を行う者個人の技量と経験に基づき、判定されてきた従来技術とは対照的である。従って、本実施形態は、典型的なNMRスペクトルをNMR測定結果として扱うべき場合に、本明細書に記載の方法を自動的に適用することを可能とする。
一実施形態において、定義され、使用される試験用評価基準は、ラインの幅、ラインの形、隣接するラインとの距離からなる群から選択される少なくとも1つである。
一実施形態において、第1の測定結果及び第2の測定結果は、同一のNMR装置で得られる。これによって、本実施形態では、第1の測定結果及び第2の測定結果に対するNMR装置の影響が同じとなり、その数値化された効果は換算係数中に含まれていると期待できるので、特に容易に、測定上の、NMR装置のいかなる影響も相殺することができる。通常、ここで記載の方法は、装置構成には依存せず、いかなる周波数で稼働するNMR装置についても実施することができるが、300MHz〜1GHzの範囲の周波数(例えば、400MHz,500MHz,600MHz,700MHz,750MHz,800MHz,850MHz,900MHzまたは950MHzなど)が適している。
一つの構成において、ここで記載の発明は、請求項12に記載の特徴を有するNMR測定法に関する。このNMR測定法は、NMR測定結果に信号として含まれる情報を抽出する、先に説明した方法を含む。さらに、この方法は、以下に説明される工程を含む。まず、特定の設定のNMR装置を用いて、較正試料のNMR測定を実施することにより、較正用測定結果が取得される。これにより、較正試料は、少なくとも1種類の成分に関し、決定済みの既知の濃度を有することになる。NMR分光計は、このNMR測定を実施するNMR装置として適した装置である。
更なる方法工程において、被検試料についての測定結果は、較正用の測定結果を取得する際と同じ装置設定を用い、同じNMR装置によって被検試料のNMR分析を行うことにより取得される。
最初に取得するものは、較正試料の測定結果であっても、被検試料の測定結果であってもよいが、それぞれの場合において、NMR装置の設定には同じ設定を用いるべきである。
第1の被検試料の測定結果を取得した後、複数の被検試料について、試料の測定結果を取得する工程が繰り返され、複数の被検試料の測定結果が得られる。
もう1つの方法工程において、較正試料の測定結果に信号として含まれる較正試料の情報と、較正試料の少なくとも1種の成分の濃度との関係を示す換算係数が計算される。この換算係数は、ついで、取得された被検試料の測定結果のそれぞれに適用される。それを行う際に、試料の測定結果に、換算係数をかけ合わせてもよい。
その後、試料の測定結果に信号として含まれる情報の、少なくとも1つのサブセットに対する有効値が、各試料測定の結果について計算される。この有効値は、試料測定結果に信号として含まれる情報のサブセット(第1のサブセット)を別のサブセット(第2のサブセット)と分離する際の、適合性を表すもの(representative)である。
最後に、有効値は、その有効値を計算した対象の、信号として試料測定結果に含まれる情報のサブセットに対照される。この工程は、先に取得された各々の被検試料の測定結果に対して行われる。
一実施形態において、前記NMR測定法は追加の工程を含む。これらの追加の工程の1つで、コントロール用の測定結果が取得される。これは、較正結果を取得する際と同一のNMR装置設定を用い、該NMR装置により、第1のコントロール試料のNMR測定を実施することで達成される。これによって、第1のコントロール試料は、少なくとも1種類の成分に関し、決定された既知の濃度を有することになる。この第1のコントロール用結果を取得する工程は、第1の試料の結果を取得する前に実施される。
この実施形態において、NMR測定の方法は、さらに、較正の結果を取得する際と同一のNMR装置の設定を使用したNMR装置により、第2のコントロール試料のNMR測定を実施することで第2のコントロール用結果を取得する追加の工程を含む。これにより、第2のコントロール試料は、上記と同様に、少なくとも1種類の成分に関し決定された既知の濃度を有することになる。最後の被検試料の測定結果を取得した後に、第2のコントロール試料測定結果を取得する工程が実施される。
一実施形態において、第1のコントロール試料測定結果を取得する工程は、較正試料の測定結果と第1の被検試料の測定結果を取得する間に実施される。したがって、NMR測定の方法の1つの実施形態において、測定結果の取得順序は以下のようになりえる。
‐較正試料測定結果
‐コントロール試料測定結果
‐最初(第1)の被検試料の測定結果
‐中間の被検試料測定結果
‐最後の被検試料測定の結果
‐第2のコントロール試料測定の結果
測定結果を得る被検試料の数は制限されない。すべての被検試料測定の結果(最初と最後の試料の結果を含む)の適当な数は2〜1000であり、特に5〜500、特に10〜250、特に20〜150、特に30〜100、特に40〜95、特に50〜93、特に60〜90、特に70〜80である。
一実施形態において、較正試料と、第1のコントロール試料及び、第2のコントロール試料の内の少なくとも1つとは、同一の組成を有する。別の一実施形態において、第1のコントロール試料と第2のコントロール試料は、同一の組成を有する。これにより、較正試料及び/またはコントロール試料の作製に費やされる作業を低減しながら、なおNMR測定プロセス全体の非常に正確な較正及び、このNMR測定法を実施する間におけるNMR装置の安定性の制御を可能にしている。
前記の代替実施形態のいずれも、所望且つ目的にかなった方法で組み合わせることが可能である。加えて、これらの実施形態は、1つの方法についてのみ説明されていたとしても、記載された方法のいずれにも適用することが可能である。
本方法の実施形態により取得された測定結果を例示するものであり、各種情報のサブセットを示す表である。
以下、本発明の詳細な態様を、例示的な実施形態に基づき、図面を参照しながら説明する。
図1は、情報サブセットの表形式のリストを示し、定性値は有効値の形式で各サブセットに当てはめられる。加えて、定量値は、mmol/lの、つまりSI単位の濃度の形式で各サブセットに当てはめられる。
図1の例示的な実施形態において、各情報サブセットはNMRスペクトルにおける特定のラインに対応し、それにより、平均化学シフトをそのサブセットに当てはめることが可能である。したがって、各サブセットは、対応するNMRスペクトルにおけるこの情報サブセットに割り振られることが可能な平均化学シフトにより、特徴が決定される。しかしながら、個々の情報サブセットを区別するために、NMRの測定結果の情報をNMRスペクトルに変換する必要はない。むしろ、これらの情報サブセットは、また、元となるNMR測定結果を表す他の形式で定義することもできる。
図1の例示的な実施形態に準ずる有効値は、0(低い有効性)〜1(高い有効性)の間の値になりえる。閾値は0.75に規定された。0.75を越える範囲にある有効値は、それぞれの情報サブセットを、比較される他の情報サブセットから十分に区別できることを示す。通常、有効値は、第1の情報サブセットが区別されるべき他の情報サブセットに隣接する第1の情報サブセットに対し計算される。
例として、情報サブセットAの有効値は0.90である。これにより、情報サブセットがスペクトルで表された場合において、情報サブセットAが最も隣接する情報サブセットである情報サブセットBから、この情報サブセットAを十分に区別することが可能であることが示される。
有効値が0.75を下回る(図1に示された情報サブセットの例には含まれない)場合、そうした情報サブセットは、最も隣接する情報サブセットから十分に区別することができない。したがって、それぞれの情報サブセットは、特定の成分または特定の濃度と関連させることに適していない。むしろ、それぞれのNMR測定の結果において容易に評価できない、やや不明瞭な、つまり漠然とした情報を示す。
本明細書に記載された方法は、装置に依存しない方法である。試料の成分の定量を、その成分が同定される前に行うことが可能であり、または完全に省くことが可能である。

Claims (14)

  1. NMR測定の結果に信号として含まれる情報を抽出する方法であって、
    a)少なくとも1種の構成成分からなる被検試料について、前記被検試料に関する、複数のサブセットからなる、信号化された情報を含む、第1のNMR測定結果を供する工程と、
    b)既知の濃度の、少なくとも1種の構成成分からなる較正試料について、前記較正試料に関する信号化された情報を含む、第2のNMR測定結果を供する工程と、
    c)前記較正試料についての前記信号化された情報と、前記較正試料の少なくとも1種の成分の濃度との、相互依存関係を表す換算係数を計算する工程と、
    d)前記第1の測定結果における前記信号化された情報に、前記換算係数を適用する工程と、
    e)前記第1の測定結果中の信号化された情報における、少なくとも一つの部分情報信号について、第1の部分信号を、第2の部分信号と区別する際の適合性の指標となる有効値を計算する工程と、
    f)その有効値を計算した部分信号について、該有効値を当てはめる工程と、を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記試料の部分情報リストを作成する工程をさらに含み、該リストには、前記有効値の形で、前記部分情報の各々に関する定性値と、前記試料の少なくとも一種の構成成分の濃度の指標となる各部分情報信号の定量値とが含まれることを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、前記定量値がSI単位の濃度値であることを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法において、各部分情報信号が、前記第1の測定結果における成分固有の信号に対応して、所定の閾値を超える有効値を有することを特徴とする方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法において、前記試料の前記少なくとも1種の成分は、前記第1の測定結果の取得時には、未同定の成分であることを特徴とする方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法において、前記試料の前記少なくとも1種の成分を同定し、該同定された成分を、前記試料の少なくとも1つのサブセットに当てはめる工程をさらに有することを特徴とする方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法において、前記試料の前記少なくとも1種の成分が、前記第1の測定結果取得時には濃度が未知の成分であることを特徴とする方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法において、前記第1の結果が測定された自由誘導減衰、または観測されたNMR信号のリストであることを特徴とする方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法において、
    前記第1の測定結果は前記試料のNMRスペクトルであり、
    前記有効値を計算する工程は、
    試験用評価基準を定義し、該試験用評価基準を前記試料のNMRスペクトルの少なくとも一つのNMRラインに適用し、前記NMRスペクトルの前記少なくとも一つのNMRラインがどれだけ正確に、試験用評価基準に適合するかを判定することにより行われる、
    ことを特徴とする方法。
  10. 請求項9に記載の方法において、前記試験用評価基準がライン幅、ライン形状、隣接ラインからの距離からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の方法において、前記第1の測定結果及び前記第2の測定結果が同一の前記NMR装置で得られたものであることを特徴とする方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の、NMR測定の結果に信号として含まれる情報を抽出する方法を含む、NMR測定方法であって、
    少なくとも一つの成分について濃度が決定されて既知である較正試料について、所定の設定条件のNMR装置を使用してNMR測定を行い、較正用の測定結果を得る工程と、
    前記較正用測定結果を得た際と同じ設定条件で、前記NMR装置を使用し、被検試料のNMR測定を行って、被検試料測定結果を得る工程と、
    複数の被検試料について、前記方法工程を繰り返す工程とを有し、
    請求項1に記載の方法工程c)を一度実施し、測定されるNMRスペクトルの各々について、請求項1に記載の方法工程d)からf)を実施し、前記試料測定の結果が第1の測定結果として用いられ、前記較正試料測定結果が第2の測定結果として使用されることを特徴とする、方法。
  13. 請求項12に記載のNMR測定法であって、
    最初の被検試料の測定結果を得る前に、少なくとも一種の成分の濃度が決定されて既知である第1のコントロール試料について、前記較正試料の測定結果を取得する際と同じ設定条件で前記NMR装置を使用してNMR測定を行い、第1のコントロール試料測定結果を得る工程を実施し、
    最後の被検試料の測定結果を得た後に、少なくとも一種の成分の濃度が決定されて既知である第2のコントロール試料について、前記較正試料の測定結果を取得する際と同じ設定条件で前記NMR装置を使用してNMR測定を行い、第2のコントロール試料測定結果を得る工工程を実施する、
    ことを特徴とする方法。
  14. 請求項12または13に記載の方法において、前記第1のコントロール試料と前記第2のコントロール試料のうち少なくとも1つは、前記較正試料と同一の組成を有することを特徴とするNMR測定方法。
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