JP2017525854A - 高炉ガス流れの分布の検出方法 - Google Patents

高炉ガス流れの分布の検出方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ガス流れと固体炉床間の熱交換や、原料層構造の高炉半径方向での分布の高炉半径方向の通気性に及ぼす影響、さらにガラス流れの分布に影響を与える形態を考慮し、また、十字状測温プローブ及び他の主な高炉操業パラメータに基づいて、高炉半径方向における原料層構造及びガス流れの分布を算出する高炉流れの分布の検出方法に関する。この検出方法により、高炉の操業者は、現在の径方向でのガス流れの温度分布の変化に基づいて、炉口部の径方向における原料層構造及びガス流れの分布の変化方向を迅速且つ精度よく測定することができるので、原料配分メカニズムの調整のための方向性が検討され、これで、高炉の安定な操業を確保しつつ耐用寿命を長持ちさせ、燃料比を低減させることが可能となり、かつ高価な検出機器を別途使用する必要はない。

Description

本出願は、2014年09月03日に中国特許庁へ提出した、出願番号が201410446536.6、発明の名称が「高炉ガス流れの分布の検出方法」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本明細書中に援用される。
本出願は、高炉ガス流れの分布数値のシミュレーションの技術分野に関し、特に高炉ガス流れの分布の検出方法に関する。
高炉とは、横断面が円形である製鉄縦型炉をいい、典型的には、鋼板を炉体ハウジングとし、防火性レンガを内壁に積み上げて構成される。高炉本体は、上部から下部にかけて、炉口部、炉芯部、炉腰部、炉腹部、炉床部という5つの部分に分けられている。高炉による製鉄技術は、経済性に優れ、処理プロセスが簡便であり、生産量が大きく、労働生産性が高く、エネルギー消費量が低いなどの利点を有するため、この方法により製造された鉄鋼は世界鉄鋼生産総量の大部分を占めている。
高炉による製造時に、炉頂部から鉄鉱石、コークス、除滓用フラックス(石灰石)を装入し、炉体下部に周方向に設けられた羽口から加熱された空気を吹き入れる。高温下に、コークス(微粉炭や重油や天然ガスなどの補助的燃料を吹き入れる高炉もある)の炭素を空気に吹き込まれた酸素と燃焼させて生じた一酸化炭素、水素ガスは、高炉内部で上昇してゆく過程で鉄鉱石中の酸素を奪って還元して鉄を得る。製造された溶銑は出銑口を通して出銑される。鉄鉱石の中に還元されなかった不純物と石灰石などのフラックスが結合してスラグを生成し、溶銑とともに出銑口から排出され、滓分離器にて分離させる。生成された高炉ガスが炉頂から排気され、粉塵除去された後、熱風炉、加熱炉、コークス炉及びボイラーなどの燃料として利用されている。高炉で製造される主な製品は銑鉄であり、これに加えて、副生成物である高炉スラグと高炉ガスもある。
高炉に影響を及ぼす種々な要因の中で、「製鉄は即ち製ガス」と言われるように、ガス流れの分布は高炉の操業に対して重要であることが認識されるようになってきた。周知のように、ガス流れの分布は、高炉の原料配分メカニズムの調整を行うための最も重要なスタンダードとされ、現在の高炉操業の安定性の良否が反映されるとともに、高炉ガスの利用率の高低が決められている。高炉という高温高圧密閉型容器に対して、如何にガス流れの情報を取得するかは何よりも重要に考えられる。
当分野では、従来より、炉頂搭載型赤外線画像形成により炉口部で燃焼している火炎の大きさを検出することでガス流れの変化を判定し、炉口部における熱電体温度によりエッジ部のガス流れの変化を判定する方法が用いられてきたが、得られる情報量が僅かに少なかった。ある製鉄所では、半径方向におけるガス流れの成分の分布を検討するために、炉口部半径方向高炉ガスサンプリング機器も開発されていたが、オンライン検出ができず、かつ高炉ガスの漏洩問題があった。現在、ほとんどの高炉は炉頂に十字状測温プローブが実装され、ガス流れの温度の半径方向での分布がオンライン検出されているが、得られる情報が限られており、温度分布だけではガス流れの分布を全面的に反映することができない。従来の特許文献の中に、例えばロシアの特許SU1330163には、高炉半径方向のガス流れの分布を検出方法も開示されており、係る方法において、炉体原料に挿入された高炉ガスサンプリング装置によって高炉ガスの成分を測定するとともに、配分原料を投入する前、後にガス流れの半径方向の温度分布を赤外線画像形成法で計測し、その後炉頂での平均ガス流量や温度、時間差と炉内原料比熱に基づいて、数式にてガス流れの半径方向分布を算出する。ところが、上記測定は安価な赤外線計測装置に依存し、かつ炉内の高炉ガスサンプリング装置は、原料の投入に影響しつつ高炉内壁への摩損を加速化するおそれがある。また、上記文献では、原料層厚さ及び熱伝導が半径方向に同じであることを仮定した。ところが、実際の高炉操業中に、半径方向での原料層厚さ及び熱伝導が大いに違うことが報告されている。
従って、如何に精度良くかつ簡便な高炉ガス流れの分布の検出方法を提供するかということは、高炉製鉄分野で解決が望まれている技術的問題となっている。
上述したことに鑑みて、本発明が解決しようとする技術的課題は、高炉半径方向のガス流れの分布の検出方法を提供することにある。本発明に係る検出方法により、高炉の操業者は、主な操業パラメータが変化したときに、ガス流れの分布及び原料層の構造分布の変化を迅速に捕捉でき、原料配分メカニズムの調整が速やかかつ正確に行えるので、理想的なガス流れの分布を取得して燃料比を低減させ、高炉の操業安定性を維持することが可能となる。
本発明は、高炉炉頂温度測定装置の個数及び位置に応じて、高炉炉口部の横断面に対して領域分割を行い、N個の温度測定装置領域を取得する(ここで、前記Nは1以上の自然数である)ステップ(a)と、
各温度測定装置の温度値及び相応する温度測定装置領域よりも下方の高炉塊状帯のガス熱流と固体熱流のバランス方程式に従って、各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比を取得するステップ(b)と、
前記各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比に基づいて、各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係を作成するステップ(c)と、
各高炉塊状帯の原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差、原料粒度分布及び通気抵抗の方程式に従って、各温度測定装置領域内の原料層厚比を取得し、前記各温度測定装置領域内の原料層厚比、及び前記ステップ(c)にて得られた各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係に基づいて、各温度測定装置領域のガス流れの速度を求めるステップ(d)と、
前記各温度測定装置領域の分布及びガス流れ速度をグラフにて示し、ガス流れの分布の検出結果を取得するステップ(e)と、
を含む、ことを特徴とする高炉ガス流れの分布の検出方法を開示している。
好ましくは、ステップ(d)の後に、
各温度測定装置領域内の原料層厚比に基づいて、原料層厚比の平均値を算出し、各温度測定装置領域でのガス流れ速度に基づいて、温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を求めて、さらに温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を求めるステップ(d#)をさらに含み、
前記ステップにて算出された原料層厚比の平均値を原料層厚比の理論的な平均値と比較して、誤差σ1を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を炉頂ガス流れの理論的な総体積と比較し、誤差σ2を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を炉頂ガス流れの理論的な総熱量と比較し、誤差σ3を取得し、
前記σ1、σ2及びσ3のうちの1つまたは複数の数値が5%以上であれば、原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差と原料粒度分布を補正し、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満になるまで、前記ステップ(d)を繰り返し、
一方、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満であれば、前記ステップ(e)を行う。
好ましくは、前記原料は、鉱石とコークスであり、
前記原料層厚比の理論的な平均値の計算式は、X=[Lo/(Lo+Lc)]であり、
ここで、式中、Loは鉱石層の厚さであり、Lcはコークス層の厚さである。
好ましくは、前記各温度測定装置領域内の原料層厚比をxとし、前記原料層厚比の平均値をXとしたときに、前記原料層厚比の平均値の計算式は、
ここで、Siは各温度測定装置領域の面積であり、Aは高炉炉口部の横断面の総面積である。
好ましくは、前記原料は、鉱石とコークスであり、
前記温度測定領域内の原料層厚比をxiとし、前記温度測定装置領域内のガス流れ速度をuiとしたときに、前記温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係は、
ここで、Cはガス比熱であり、Cは固体比熱であり、Gはガス流量であり、Gは固体流量であり、ρは炉頂のガス密度であり、vは固体炉床の下降速度であり、ρは鉱石の密度であり、ρCはコークスの密度である。
好ましくは、前記各高炉塊状帯の通気抵抗の方程式は、
ここで、k は粘性抵抗係数であり、k は慣性抵抗係数であり、ΔP/Lは1単位当たりの長さにおける圧力差であり、εは炉床の空隙率であり、Dpは粒子の平均粒子径であり、μはガス粘度であり、uはガス流れ速度であり、ρはガス密度であり、
前記コークスの粘性抵抗係数とコークスの慣性抵抗係数は、それぞれ、
であり、
前記鉱石の粘性抵抗係数及び鉱石の慣性抵抗係数は、それぞれ、
である。
好ましくは、前記各高炉塊状帯の原料層の1単位当たりの長さにおける圧力差が等しく、
前記各高炉塊状帯の原料層の1単位当たりの長さにおける圧力差は、この高炉塊状帯内のコークスの1単位当たりの長さにおける圧力差と、鉱石の1単位当たりの長さにおける圧力差との和である。
好ましくは、前記温度測定装置は十字状温度測定プローブである。
本発明は、高炉炉頂温度測定装置の個数及び位置に応じて、高炉炉口部の横断面に対して領域分割を行い、N個の温度測定装置領域を取得する(ここで、前記Nは1以上の自然数である)分割手段と、
各温度測定装置の温度値及び相応する温度測定装置領域よりも下方の高炉塊状帯のガス熱流と固体熱流のバランス方程式に従って、各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比を取得する第1の取得手段と、
前記各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比に基づいて、各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係を作成する作成手段と、
各高炉塊状帯の原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差、原料粒度分布及び通気抵抗の方程式に従って、各温度測定装置領域内の原料層厚比を取得し、前記各温度測定装置領域内の原料層厚比、及び前記ステップ(c)にて得られた各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係に基づいて、各温度測定装置領域のガス流れ速度を取得する第2の取得手段と、
前記各温度測定装置領域の分布及びガス流れ速度をグラフにて示し、ガス流れの分布の検出結果を取得する結果手段と、
を備える、ことを特徴とする高炉ガス流れの分布の検出システムを開示している。
好ましくは、各温度測定装置領域内の原料層厚比に基づいて、原料層厚比の平均値を算出し、各温度測定装置領域でのガス流れ速度に基づいて、温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を求めて、さらに温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を求める検証手段をさらに備え、
前記ステップにて算出された原料層厚比の平均値を原料層厚比の理論的な平均値と比較して、誤差σ1を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を炉頂ガス流れの理論的な総体積と比較し、誤差σ2を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を炉頂ガス流れの理論的な総熱量と比較し、誤差σ3を取得し、
前記σ1、σ2及びσ3のうちの1つまたは複数の数値が5%以上であれば、原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差と原料粒度分布を補正し、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満であれば、前記ステップ(d)を繰り返し、
一方、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満であれば、前記ステップ(e)を行う。
本発明は、高炉炉頂温度測定装置の個数及び位置に応じて、高炉炉口部の横断面に対して領域分割を行い、N個の温度測定装置領域を取得する(ここで、前記Nは1以上の自然数である)ステップ(a)と、各温度測定装置の温度値及び相応する温度測定装置領域よりも下方の高炉塊状帯のガス熱流と固体熱流のバランス方程式に従って、各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比を取得するステップ(b)と、前記各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比に基づいて、各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係を作成するステップ(c)と、各高炉塊状帯の原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差、原料粒度分布及び通気抵抗の方程式に従って、各温度測定装置領域内の原料層厚比を取得し、前記各温度測定装置領域内の原料層厚比、及び前記ステップ(c)にて得られた各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係に基づいて、各温度測定装置領域のガス流れの速度を求めるステップ(d)と、前記各温度測定装置領域の分布及びガス流れ速度をグラフにて示し、ガス流れの分布の検出結果を取得するステップ(e)と、を含む、ことを特徴とする高炉ガス流れの分布の検出方法を開示している。従来の技術と比べて、本発明が提供する測定方法は、ガス流れと固体炉床間の熱交換や、原料層構造の高炉半径方向での分布の高炉半径方向の通気性に及ぼす影響、さらにガラス流れの分布に影響を与える形態を考慮し、また、十字状測温プローブ及び他の主な高炉操業パラメータに基づいて、高炉半径方向における原料層構造及びガス流れの分布を算出する。本発明に係る検出方法により、高炉の操業者は、現在の径方向でのガス流れの温度分布の変化に基づいて、炉口部の径方向における原料層構造及びガス流れの分布の変化方向を迅速且つ精度よく測定することができるので、原料配分メカニズムの調整のための方向性が検討され、これで、高炉の安定な操業を確保しつつ耐用寿命を長持ちさせ、燃料比を低減させることが可能となり、かつ高価な検出機器を別途使用する必要はない。また、本発明に係る検出方法により、異なる操業時間帯での高炉炉口部の半径方向の各々の部位の熱流比の分布、鉱石層厚比の分布及びガス流れ速度の分布を計算するとともに、毎回に原料配分マトリックスが変更される前後の各パラメータの変化を比較する。実験の結果から、毎回に原料配分マトリックスが変更される方向は、本発明で計算された鉱石層厚比の分布の変化方向と一致し、これに伴ったガス流れの分布と温度分布の変更も予測通りであることが報告されている。
本発明の十字状測温プローブの設置及び半径方向での温度測定領域の構成図である。 本発明の高炉内部領域の分割及び高炉塊状帯のガス−固体熱量バランスの模式図である。 本発明の原料位置、固体・ガスの流れ並びに炉内でオンライン検出する位置を示す図面である。 本発明の実施例1における温度測定装置領域から分割された各領域の面積を示す図面である。 本発明の実施例1における高炉原料の半径方向の下降速度の分布を示す図面である。 本発明の宏発社製2500高炉の2013年度2014年度初における操業情況を示す図面である。 本発明のCase1からCase2への移行における各パラメータの変化を示す図面である。 本発明のCase2からCase3への移行における各パラメータの変化を示す図面である。 本発明のCase3からCase4への移行における各パラメータの変化を示す図面である。 本発明のCase4からCase5への移行における各パラメータの変化を示す図面である。
本発明をより一層理解すべく、以下、実施例を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。しかし、これらの記述は本発明の特徴及び利点を詳しく説明するものに過ぎず、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
本発明は、
高炉炉頂温度測定装置の個数及び位置に応じて、高炉炉口部の横断面に対して領域分割を行い、N個の温度測定装置領域を取得する(ここで、前記Nは1以上の自然数である)ステップ(a)と、
各温度測定装置の温度値及び相応する温度測定装置領域よりも下方の高炉塊状帯のガス熱流と固体熱流のバランス方程式に従って、各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比を取得するステップ(b)と、
前記各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比に基づいて、各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係を作成するステップ(c)と、
各高炉塊状帯の原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差、原料粒度分布及び通気抵抗の方程式に従って、各温度測定装置領域内の原料層厚比を取得し、前記各温度測定装置領域内の原料層厚比、及び前記ステップ(c)にて得られた各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係に基づいて、各温度測定装置領域のガス流れの速度を求めるステップ(d)と、
前記各温度測定装置領域の分布及びガス流れ速度をグラフにて示し、ガス流れの分布の検出結果を取得するステップ(e)と、
を含む、ことを特徴とする高炉ガス流れの分布の検出方法を開示している。
本発明で使われている符号や概念の定義については特に制限されないが、当業者が認識できる当分野における常用符号及び概念であればよい。
本発明で引用されている熱力学算式については特に制限されないが、当業者が認識できる熱力学算式であればよい。
本発明では、まず、高炉炉頂温度測定装置の個数及び位置に応じて、高炉炉口部の横断面に対して領域分割を行い、N個の温度測定装置領域を取得する。前記Nは1以上の自然数である。
本発明で前記温度測定装置付き高炉については特に制限されないが、当業者が認識できる製鉄用高炉であればよく、本発明では宏発社製の2500m高炉を使用することが好ましい。本発明で前記温度測定装置について特に制限されないが、当業者が認識できる高炉温度測定用装置であればよく、本発明では十字状測温プローブを使用することが好ましい。本発明で十字状測温プローブの個数については特に制限されないが、当業者が認識できる通常の十字状測温プローブの個数であればよく、本発明では2〜4個を使用することが好ましい。本発明で十字状測温プローブの測温点の個数については特に制限されないが、当業者が認識できる通常の十字状測温プローブの測温点の個数であればよく、本発明では5〜8を使用することが好ましく、6〜7を使用することがより好ましい。本発明で十字測温プローブの位置については特に制限されないが、当業者が認識できる高炉に実装された十字状測温プローブの位置であればよく、本発明では高炉の炉口の四辺壁に対応して実装することが好ましく、東側面と西側面に実装することがより好ましく、南側面と北側面に実装することが更に好ましく、東側、南側、西側及び北側の面に実装することが最も好ましい。本発明で前記温度測定装置の全体実装位置については特に制限されないが、当業者が認識できる全体実装位置であればよく、本発明では、具体的に、高炉炉口の東南西北の4方向に十字状測温プローブを1つずつ配設し、その中の1つで6つの測温点を測定し、別の3つのそれぞれで5つずつの測温点を測定するように実装することが好ましい。本発明で前記測温点の設置方法については特に制限されないが、当業者が認識できる十字状測温プローブの測温点の設置方法であればよく、本発明における測温点の具体的な設置方法は、以下の手順に従い実行されることが好ましい。即ち、測温プローブを下方に15°斜めにして実装し、測温点を高炉炉口部の半径方向に沿って中心からエッジにかけて等距離で配置する。ここで、2つずつの十字状測温プローブの間隔は、好ましくは500〜1000mmであり、更に好ましくは600〜900mmであり、最も好ましくは800mmである。本発明で前記半径方向の向きについては特に制限されないが、当業者が認識できる半径方向の向きであればよく、本発明における半径方向の向きは、高炉炉口の中心から炉体内壁に向いている射線の方向であり、前記半径方向の向きは水平面と平行に配置されてもよいし、平行に配置されていなくてもよい。
本発明で前記温度測定領域の具体的な個数、即ちNの値については特に制限されないが、当業者は高炉のサイズ及び実際の稼動状況に応じて自ら設定し得る。本発明では、4〜8個とすることが好ましく、5〜7個とすることがより好ましく、6個とすることが最も好ましい。本発明で前記領域の分割方法については特に制限されないが、当業者が認識できる十字状測温プローブの温度測定領域の分割方法であればよく、本発明の具体的な分割方法は、以下の手順に従い実行されることが好ましい。即ち、まず、2つの測温点の中心をとって、高炉炉口の横断面の中心を円心として、高炉中心から測温点の中心までの距離を半径として円を描き、そして、炉口の横断面を半径方向に沿って6つの領域に分割し、それぞれの領域の面積をS、S、S、S、S、Sとする。それぞれの温度測定領域内に、4つの測温プローブに対応する測温点に対して4つの方向に平均値、即ち各温度測定装置領域の温度値を求め、最後に炉頂高炉ガスの炉口の半径方向における温度分布を得る。
上述した十字状測温プローブ及び半径方向における温度測定領域の分割に関する好適な技術案について、図1を参照することができる。図1は、本発明の十字状測温プローブの設置及び半径方向での温度測定領域の配置図である。
本発明は、上記方法により温度測定領域を分割した後、各温度測定装置の温度値及び相応する温度測定装置領域よりも下方の高炉塊状帯のガス熱流と固体熱流のバランス方程式に従って、各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比を取得する。
本発明では、高炉塊状帯の部位で熱バランスがとれており、即ち固体とガスの温度が極めて近く、固体とガス間に熱伝達がなく、この領域は熱バランス領域とされる。このとき、化学反応及び炉壁の熱交換による熱損失を考慮せず、ガス熱流量と固体熱流量のバランス方程式を作成する。ここで、ガス熱流量と固体熱流量のバランス方程式は、好ましくは、C(dT/dZ)=C(dt/dZ)である。ここで、Cはガスの比熱(単位:kJ/m3・℃)であり、Cは固体の比熱(単位:kJ/kg・℃)であり、Gはガスの流量(単位:Nm3/h)であり、Gは固体の流量(単位:kg/h)であり、dT/dZはガスの1単位当たりの高さにおける温度変化(℃/m)であり、dt/dZは固体の1単位当たりの高さにおける温度変化(℃/m)である。
本発明では、十字状測温プローブ上の各測温点はいずれも前記ガス熱流量と固体熱流量のバランス方程式、即ちガス−固体熱バランス方程式を満足する。前記各十字状測温プローブの各温度値をバランス方程式に代入すると、十字状測温プローブの半径方向における各測温点の固体-ガス熱流比C/Cを求めることができ、つまり前記高炉塊状帯より上方の相応する温度測定領域の固体-ガス熱流比を算出することができる。前記固体-ガス熱流比の数式は、C/C,i=1…N;である。ここで、前記相応する温度測定装置領域とは、温度測定装置領域が高炉の高さ方向に沿って高炉塊状帯と一々に対応し、かつ相応する高炉塊状帯の上方に位置していることをいう。前記温度測定装置領域のうちのいずれか1つの温度測定装置領域を第i個目の領域としたとき、1≦i≦Nの関係を満たす。ここで、前記iは、1以上の自然数である。
本発明で前記高炉塊状帯については特に制限されないが、当業者が認識できる高炉塊状帯であればよい。本発明で高炉内部領域の後続分割については特に制限されないが、当業者が認識できる分割方法であればよい。本発明における高炉は、好ましくは、塊状帯、溶融帯、滴下帯、旋回エリアとスラグという5部分に分割されている。高炉内部での固体及びガスの温度分布について、具体的に図2を参照することができる。図2は、本発明の高炉内部領域の分割及び高炉塊状帯のガス−固体熱量バランスの模式図である。
本発明では、前記ステップにて算出された各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比に基づいて、各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係を作成する。前記原料は、鉱石とコークスであるのが好ましい。前記温度測定領域内の原料層厚比をxとし、前記温度測定装置領域内のガス流れ速度をuiとしたときに、前記温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係は、好ましくは、
である。
ここで、Cはガス比熱であり、Cは固体比熱であり、Gはガス流量であり、Gは固体流量であり、ρは炉頂のガス密度(単位:kg/m)であり、vは固体炉床の下降速度(単位:m/s)であり、ρは鉱石の密度(単位:kg/m)であり、ρCはコークスの密度(単位:kg/m)である。
本発明では、前記各温度測定装置領域内の固体熱流量の方程式は下記式である。
前記ガス熱流量の方程式は(C=(CρuS)である。
ここで、Sは温度測定装置領域内の固体炉床とガス流れが通過する断面積であり、Sは各温度測定装置領域の面積である。
において、Lは鉱石層厚さ(単位:m)であり、Lはコークス層厚さ(単位:m)である。
本発明では、前記高炉内の原料の位置、固液気の3相の流れ方向及び工程プロセスについては特に限定されないが、当業者が認識できる高炉の稼動状況であればよく、具体的に図3を参照することができる。図3は、本発明の原料位置、固体・ガスの流れ並びに炉内でオンライン検出する位置を示す図面である。
本発明では、さらに、各高炉塊状帯の原料層の1単位当たりの長さにおける圧力差(ΔP/L)、原料粒度分布及び通気抵抗の方程式に従って、各温度測定装置領域内の原料層厚比を取得し、そして、前記ステップにて得られた各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係と関連付けさせることにより、各温度測定装置領域のガス流れ速度を取得する。
本発明では、後続の計算の便宜上、前記高炉塊状帯の原料層の1単位当たりの長さにおける圧力差(ΔP/L)を予め具体的な値と設定しておくことが好ましい。本発明で前記ΔP/Lの設定方法については特に制限されないが、当業者が認識できる方法であればよく、本発明では、高炉の実際操業時の全圧力差と、羽口から原料軸線までの距離とに応じて設定することが好ましい。また、前記高炉塊状帯の原料粒度分布(dp)、即ち高炉半径方向におけるコークスと鉱石の粒度分布を予め具体的な値と設定しておくことが好ましい。本発明で前記原料粒度分布の設定方法については特に制限されないが、当業者が認識できる方法であればよく、本発明では、前記原料粒度分布が炉口半径と関連付けられることで得られ、具体的にdp=f(r)(0≦r≦1)とすることが好ましい(式中、rは無次元の炉口半径である)。その初期値が半径方向に亘って均一に分布し、即ちdp=Dとするように設定されている。本発明で前記高炉原料粒度分布の具体的な関連付け方法については特に限定されないが、当業者が認識できる粒度分布又は分布曲線の測定方法であればよい。本発明で前記粒子の平均粒子径(D)の算出方法については特に制限されないが、当業者が認識できる平均粒子径の算出方法であればよく、本発明では算術平均法を用いることが好ましい。
好ましくは、前記各高炉塊状帯の原料層の1単位当たりの長さにおける圧力差が等しい数値とされ、即ち、
である。
好ましくは、前記各高炉塊状帯の原料層の1単位当たりの長さにおける圧力差は、この高炉塊状帯内のコークスの1単位当たりの長さにおける圧力差と、鉱石の1単位当たりの長さにおける圧力差との和とされ、即ち、
である。
本発明における、前記各高炉塊状帯の通気抵抗の方程式は、好ましくは、下記式である。
式中、k は粘性抵抗係数であり、k は慣性抵抗係数であり、ΔP/Lは1単位当たりの長さにおける圧力差(単位:kPa/m)であり、εは炉床の空隙率であり、Dは粒子の平均粒子径(単位:m)であり、μはガス粘度(単位:Pa・s)であり、uはガス流れ速度(単位:m/s)であり、ρはガス密度である(単位:kg/m)である。
本発明で前記粘性抵抗係数及び慣性抵抗係数については特に制限されないが、当業者が認識できる算出方法であればよく、本発明では、好ましくは、Yamada氏が川崎製鉄技報(1974,16−36)に発表した“Distribution of Burden Materials and Gas permeability in a Large Volume Blast Furnace)に開示された算出方法により算出される。
前記コークスの粘性抵抗係数とコークスの慣性抵抗係数は、それぞれ、
である。
前記鉱石の粘性抵抗係数及び鉱石の慣性抵抗係数は、それぞれ、
である。
本発明では、前記方程式を組み合わせて、ΔP/L、コークスと鉱石の粒度分布dp=f(r)(0≦r≦1)が設定されている場合に、前記ステップでの計算によって、最後に、各温度測定装置領域の原料層厚比x,x,…xと、ガス流れ速度の分布u,u,…uとを得る。
本発明では、計算データの確実性を確保し、計算データの正確性を向上させるためには、前記計算するデータを検証することが好ましい。本発明で前記検証方法については特に制限されないが、当業者が認識できる前記高炉データの検証方法であればよく、本発明では、好ましくは、以下の手順ごとに実行される。
まず、各温度測定装置領域内の原料層厚比に基づいて、原料層厚比の平均値を算出し、各温度測定装置領域でのガス流れ速度に基づいて、温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を求めて、さらに温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を求める。
そして、前記ステップにて算出された原料層厚比の平均値を原料層厚比の理論的な平均値と比較して、誤差σ1を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を炉頂ガス流れの理論的な総体積と比較し、誤差σ2を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を炉頂ガス流れの理論的な総熱量と比較し、誤差σ3を取得する。
さらに、誤差の解析を行い、前記σ1、σ2及びσ3のうちの1つまたは複数の数値が5%以上であれば、原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差と原料粒度分布を補正し、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満になるまで、前記ステップ(d)を繰り返す。一方、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満であれば、前記ステップ(e)を行う。
本発明で検出データの種類については特に制限されないが、当業者が認識できる高炉の通常状態における検出データの種類であればよく、本発明では、コークスのバッチデータ、ガス消耗量、炉頂で検出された各ガスの成分、温度及び圧力などを用いることが好ましい。本発明で検出データの由来については特に制限されないが、当業者が認識できる高炉の通常状態における検出データの由来であればよい。
本発明では、まず、前記ステップで計算された各温度測定装置領域内の原料層厚比から、原料層厚比の平均値を算出する。前記各温度測定装置領域のガス流れ速度から、温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を求めて、さらに温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を求める。上記原料層厚比の平均値、ガス流れの総体積及びガス流れの総熱量は、いずれも、実際に検出したデータをもとに、本発明の前記算出法に従い算出されたデータである。
前記各温度測定装置領域内の原料層厚比は好ましくはxとされ、前記原料層厚比の平均値は好ましくはXとされ、前記原料層厚比の平均値の計算式は、好ましくは、
である。
式中、Siは各温度測定装置領域の面積であり、Aは高炉炉口部の横断面の総面積である。
前記ガス流れの総体積及びガス流れの総熱量について、好ましくは、計算されたガス流れ速度の分布uに基づいて炉頂高炉ガス体積vi及び高炉ガス熱量Qの分布を算出し、そして、各測温点の体積を加算してガス流れの総体積及び総熱量を求める。
=V+V+…V,Q=Q+Q+…Q
本発明では、さらに、与えられたコークスのバッチデータと鉱石のバッチデータから、炉頂の鉱石とコークス層厚比の理論的な平均値、即ち原料層厚比の理論的な平均値を算出する。そして、高炉ガス中のN保存則に従い、炉頂乾燥高炉ガスの体積Vを算出する。炉頂におけるCO+H=HO+COという反応動力学のバランスに従い、炉頂水蒸気の体積VH2Oを算出し、さらに炉頂におけるガス総体積V及び総熱量Q、即ち炉頂ガス流れの理論的な総体積及び炉頂ガス流れの理論的な総熱量を求める。前記原料は、鉱石とコークスであり、前記原料層厚比の理論的な平均値の計算式は、X=[Lo/(Lo+Lc)]である。ここで、Loは鉱石層の厚さであり、Lcはコークス層の厚さである。本発明で前記炉頂ガス流れの理論的な総体積及び炉頂ガス流れの理論的な総熱量の算出方法については特に制限されないが、当業者が認識できる前記反応動力学のバランスによる算出方法であればよい。
本発明では、前記方法で算出されたX、V及びQと、前記数式にて求められた理論値X、V及びQとを比較し、誤差σ1、σ2及びσ3を得る。本発明で前記誤差の算出方法については特に制限されないが、当業者が認識できる誤差の算出方法であればよい。本発明で前記誤差の検証方式については特に制限されないが、当業者が認識できる補正方式又は補正スタンダードであればよく、本発明では、好ましくは、以下の手順ごとに実行される。即ち、前記誤差値σ1、σ2及びσ3のうちのいずれか1つの数値が誤差極限値以上であれば、原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差(ΔP/L)と原料粒度分布(dp=f(r)(0≦r≦1))を補正し、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも誤差極限値未満になるまで、上記各温度測定装置領域のガス流れ速度の算出ステップを繰り返す。一方、前記誤差値σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも誤差極限値未満であれば、検証ステップを停止する。前記誤差極限値は、好ましくは3%〜7%であり、より好ましくは4%〜6%であり、最も好ましくは5%である。
本発明において、前記検証ステップの実行後に、前記誤差値がいずれも極限誤差値未満になった後、前記各温度測定装置領域の分布及びガス流れ速度をグラフにて示し、ガス流れの分布の検出結果を取得する。
本発明は、高炉半径方向の原料層構造及びガス流れの分布の検出方法を開示する。本発明が開示する検出方法は、高炉の主な操業パラメータ、例えば送風条件、コークスと鉄鉱石のバッチ重量、圧力差、炉頂高炉ガスの成分、温度などに基づいて、十字状測温プローブの測温点ごとに、炉口部を若干の円環状の温度測定装置領域に分割すると共に、これらの温度測定装置領域に対してガス−固体熱量バランスとガス流れの原料層での圧力損失の計算を行い、原料の原料層構造及びガス流れ(速度、体積及び熱量を含む)の炉口半径方向に沿った分布を取得すると共に、固体の質量バランス、ガスの質量バランス及び熱量バランスで検証及び補正を行う。これにより、操業員は高炉稼働状況が変化し、例えば送風条件や十字状測温プローブの半径方向の分布方式が変化したときに、間接的手法により原料層構造及びガス流れの半径方向の分布の変化傾向を把握すると共に、高炉の原料配分メカニズムを調整することができ、結果として、適当なガス流れの分布を取得し、高炉の安定な稼働を確保しつつ耐用寿命を延ばし、燃料比の低減を図ることが可能となる。
本発明は、分割手段と、第1の取得手段と、作成手段と、第2の取得手段と結果手段とを備え、好ましくは検証手段をさらに備える高炉ガス流れの分布の検出システムをさらに提供している。前記手段は本発明が開示する高炉ガス流れの分布の検出方法の相応するステップに対応している。本発明に係る検出方法は前記技術的効果を具備するので、本発明が開示する高炉ガス流れの分布の検出システムも同じ技術的効果を奏する。
本発明が開示する検出方法により、異なる操業時間帯での高炉炉口部の半径方向の各々の部位の熱流比の分布、鉱石層厚比の分布及びガス流れ速度の分布を計算するとともに、毎回に原料配分マトリックスが変更される前後の各パラメータの変化を比較する。実験の結果から、毎回に原料配分マトリックスが変更される方向は、本発明で計算された鉱石層厚比の分布の変化方向と一致し、これに伴ったガス流れの分布と温度分布の変更も予測通りであることが報告されている。
本発明をより一層説明するために、以下で実施例を参照しながら本発明が開示する高炉ガス流れの分布の検出方法について詳しく説明する。但し、本発明の保護範囲は以下の実施例により制限されるものではない。
まず、沙鋼宏発社製の2500m高炉内部で、高炉炉頂の十字状測温プローブの測温点の個数及び方位、測温点の間の距離を設定するとともに、高炉炉口の東南西北の4方向に十字状測温プローブを1つずつ配設し、その中の1つで6つの測温点を測定し、別の3つのそれぞれで5つずつの測温点を測定するようにした。2つの測温点の中心をとって、高炉炉口の横断面の中心を円心として、高炉中心から測温点の中心までの距離を半径として円を描き、そして、炉口の横断面を半径方向に沿って6つの領域に分割し、それぞれの領域の面積をS、S、S、S、S、Sとする。S〜Sという各温度測定装置領域の面積分布は、図4を参照することができる。図4は、本発明の実施例1における温度測定装置領域から分割された各領域の面積を示している。十字状測温プローブを下方に15°斜めにして実装し、測温点を中心からエッジにかけて等距離で配置し、2つずつの十字状測温プローブの間隔を800mmとする。4つの測温プローブに対応する測温点を4方向に平均値を求めると、炉頂高炉ガスの炉口半径方向での温度分布図が示されている。前記設置方式について、図1〜3を参照する。
その後、表1に示すように、高炉内でオンライン検出し、検出数値を得る。表1は、高炉のオンライン検出時の操業パラメータである。
熱平衡領域の温度を1000℃としている。本発明のモデルは、高炉炉頂から熱平衡領域までの熱量平衡をカバーしている。塊状帯の化学反応、ガスと炉壁の熱交換、及び、固体と炉壁の熱交換による熱損失を考慮しない。ガスと固体間の熱量バランスにより、ガスの熱量がちょうど固体まで伝達され、そうすると、C(dT/dZ)=C(dt/dZ)となる。各々の半径方向での温度測定装置領域はいずれも熱量バランス、即ち、
を満足する。
ここで、Ts(top)=25℃、Tg,i(top)は、各温度測定装置領域のオンライン検出時の温度値である。以上の数式から、各々の半径方向での温度測定装置領域内の固体‐ガス熱流比C/Cを算出する。表2に示すように、表2は、本発明の実施例1で計算された各パラメータの数値分布である。
固体-ガス熱流比に基づいて、各温度測定装置領域内の原料層厚比xと、ガス流れ速度uiとの間の関数関係を作成する。
ここで、ρは鉱石の密度であり、2210kg/mとし、ρCはコークスの密度であり、500kg/mとし、Lは鉱石層厚さmであり、Lはコークス層厚さmであり、C=1245J/kg・℃である。
ICHIDA氏が「ISIJ international,Vol.36(1996),No.5,pp. 493−502」に発表した「Radial distribution of Burden Descent Velocity near Burden Surface in Blast Furnace」により、高炉炉口部の半径方向での高炉原料の下降速度は均一ではなく、その半径方向での下降速度の分布は、v=0.2259r+0.8529(0≦r≦1)である。ここで、rは無次元の炉口半径であり、図5を参照して、図5は、本発明の実施例1における高炉原料の半径方向での下降速度の分布図である。半径方向でのガス流れの温度が異なるので、これに応じて、ガス流れの密度も異なる。ガス流れの密度は、
に従い算出できる。式中、ρ,P,Tはそれぞれ標準状態でのガス密度、圧力及び温度であり、P及びTはそれぞれ稼動状態での圧力及び温度であり、オンライン機器で計測される。半径方向でのガス流れの温度が異なり、これに応じて、半径方向での各測温点のガス比熱が異なる。『高炉製鉄製造技術案内』に指摘されているように、各温度におけるガス比熱は、
であり、なお、係数a、b、cは表3に示す通りである。従って、各温度測定装置領域の平均比熱は、
である。半径方向での各測温点のガス成分が同じであり、比熱が温度のみによって変化することを仮定したら、炉頂の半径方向での各測温点のガス比熱は、
となる。ここで、aは各ガス成分の質量%である。表3に示すように、表3は、本発明の実施例1における各ガス成分の質量%である。
最後に、十字状測温プローブの半径方向での各測温点の鉱石層厚比xと、ガス流れ速度uiの分布を算出する。
前記原料層厚比xと、ガス流れ速度uiとの間の関数関係により、下記式(1)となる。
高炉塊状帯において、通気抵抗方程式、下記式(2)を適用する。
下記式(3)に示すように、各測温点の1単位当たりの長さにおける圧力損失は、1単位当たりのコークスと鉱石の圧力損失の和である。
かつ、下記式(4)に示すように、各測温点での1単位当たりの長さにおける圧力損失は塊状体において等しい。
ここで、コークスの空隙率が0.5であり、鉱石の空隙率が0.43である。Dは粒子の平均粒子径(単位:m)であり、コークスの平均粒子径は0.045mであり、鉱石の平均粒子径は0.0173mである。
半径方向でのガス流れの温度が異なり、これに応じて半径方向での各測温点のガス粘度も異なる。μはガス粘度(単位:Pa・s)であり、Sutherland式
に従い算出される。ここで、Tは現在のガス温度である。
は粘性抵抗係数であり、k は慣性抵抗係数である。
コークスに対して、
となる。
鉱石に対して、
となる。
方程式(1)、(2)、(3)、(4)を組み合わせると、下記式(5)が得られる。
+b+cu+d=0 式(5)
上記式中、a、b、c、dはx,ε,Dp,i,k ,i,k ,iの表現式である。上記記述から、下記式を導き出すことができる。
実際の高炉の全圧力差及び軸線高さに応じて、ΔP/Lの初期値を0.77Kpa/mとする。コークスと鉱石の炉口半径方向での粒度が均一に分布していることを仮設したら、与えられる条件下での方程式(5)を解くことができる。即ち、鉱石層厚比分布x,x,…x、ガス流れ速度の分布:u,u,…u。表2に示すように、表2は、本発明の実施例1で算出された各パラメータの数値分布である。
検証ステップ
(1)炉頂の原料層厚比の炉論的な平均値、炉頂ガス流れの理論的な総体積V及び炉頂ガス流れの総熱量Qの算出
表1から与えられる固体消耗、ガス消耗、炉頂で検出されたガス成分、及び炉頂温度に基づいて、1チャージ当たりのコークス量を12.2tとし、1チャージ当たりの鉱石量を71tとし、計算により、平均原料層構造X=[L/(L+L)]=0.569を得る。羽口領域での送風状況は、風量が4547Nm/minであり、富酸素量が17964Nm/hであり、石炭吹込み量が42.05t/hである。炉頂オンラインガス解析器により検出されたガス成分は、CO:20.34%、CO:18.93%、H:2.82%、N:56.4%、ガス圧力Ptop=207kPa、ガス温度Ttop=121.27℃。そうすると、羽口から吹き込まれたNの体積は下記式で表される。
ここで、BVは冷風風量(単位:Nm/min)であり、Ncoalは、微粉炭のキャリアガスNの流量(単位:Nm/h)であり、PCIは石炭吹込み量(単位:t/h)であり、NPCIは微粉炭中のNの含量である。
の平衡から炉頂乾燥高炉ガスの総体積を算出でき、即ちV=VN2/(N%)=6047.4Nm/min。炉頂水蒸気の450℃での反応はCO+HO=CO+Hであり、反応の平衡定数は、K=pH2・pCO2/pCO・pH2O=4.5となる。計算により、炉頂水蒸気VH2O=63.5Nm/minが得られる。そうすると、炉頂高炉ガスの総体積は、V=V+VH2O=6110.9Nm/minとなる。
炉頂ガスの総熱量は、Q=C・V・(Ttop−25)=828714KJ/minである。
(2)表2に示す上記方法で算出された温度測定装置領域内の原料層厚比から、原料層厚比の平均値Xを算出する。表2における前記各温度測定装置領域のガス流れ速度から、温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積Vを算出し、さらに、温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量Qを算出する。前記V及びQは、表2に示す通りである。表2は、本発明の実施例1で算出された各パラメータの数値分布である。
原料層厚比の平均値が
となる。A:炉口横断面の総面積が54.1mである。算出されたガス速度uから、各測温点から通過するガスの体積が、V=u・S(i=1…6)となる。各測温点の体積を加算すれば、ガス流れの総体積が得られ、つまり、V=V+V+…Vとなる。同じように、各測温点のQ=C・V・[T(top)−25](i=1…6)を加算すれば、ガスの総熱量が得られ、つまり、Q=Q+Q+…Qとなる。
(3)検証データ
理論的な原料層構造Xは、鉱石とコークスの計算チャージから得られ、炉頂ガス流れの理論的な総体積Vと炉頂ガス流れの総熱量Qは前記N平衡から算出される。X、V、QとX、VとQをそれぞれに比較し、誤差σ=[X−X]/X,σ=(V−V)/V,σ=(Q−Q)/Q (0<σ,σ,σ<5%)となるように設定する。σ1,σ2及びσ3はこの範囲を超えた場合に、ΔP/Lを補正するとともに、誤差が選定範囲内に収まるように、原料層厚比x,x,…xとガス流れ速度u,u,…uを新たに算出し、最後に、ΔP/Lが1.545 kpa/mとなるまで、計算を停止し、各パラメータの高炉炉口の半径方向での最終的な分布を得る。表3に示すように、表3は、本発明の実施例1で算出されたパラメータと、理論的に算出されたパラメータとの比較解析である。
実施例2
原料層構造とガス流れ速度分布の実際高炉操業での検証
沙鋼宏発社製の1#高炉は、2013年12月01日から2014年1月20日までの期間に、高炉の燃料品質が悪化し、スラグ比が320kg/t-HMまで上昇し、M40が84から81まで低下したことが発見された。原料条件が悪化したものの、図6に示すように、操業員は原料配分マトリックスを調整することにより高炉の圧力差を低減させつつ高炉ガスの利用率を向上させている。主な操業パラメータはCase1からCase5へと変化が生じ、具体的なパラメータは下記表4に示すとおりである。
この5つの操業区間に基づいて、この5つの時間帯での高炉炉口半径方向における各温度測定領域の熱流比分布、原料層厚比及びガス流れ速度の分布をそれぞれに算出するとともに、毎回に原料配分マトリックスが変更される前後の各パラメータの変化を比較する。その結果、毎回に原料配分マトリックスが変更される方向は、鉱石層厚比の分布の変化方向と一致し、これに伴ったガス流れの分布と温度分布の変更も予測通りであることが報告されている。
具体的な解析:図7を参照して、図7は、本発明のCase1からCase2への移行における各パラメータの変化を示している。図7に示すように、Case1からCase2に移行すると、操業員は原料配分マトリックスを
に切り替え、式中、C 、Cは、原料配分マトリックス中のコークスの操作項目であり、aはポジションであり、bはターン数である。ポジション10が炉壁に近く、ポジション1が高炉中心にあり、鉱石エッジがポジション9であって、1ターンから2ターンに変わる。これによって、エッジ部位の鉱石層厚比が増え、エッジ部位のガス流れ速度が低下し、計算された鉱石層厚比x分布変化及びガス流れ速度uの分布の変化方向と一致していることが推測される。
図8を参照して、図8は、本発明のCase2からCase3への移行における各パラメータの変化を示している。図8に示すように、Case2からCase3に移行すると、M40が著しく低下し、スラグ比が速やかに上昇するから、操業員は原料配分マトリックスを
に切り替え、2ターンのコークスをポジション3から除去する。これによって、対応する中間部位のコークスが増え、鉱石層厚比が低下し、計算された鉱石層厚比分布xの変化と一致していることが推測される。
図9を参照して、図9は、本発明のCase3からCase4への移行における各パラメータの変化を示している。図9に示すように、Case3からCase4に移行すると、操業員は原料配分マトリックスを
に切り替え、鉱石のポジション10とポジション4に2ターンずつ設ける。これによって、中心部位と中心部位の鉱石層厚比が増え、中間部位の鉱石層厚比が低下し、計算された結果とほぼ一致していることが推測される。
図10を参照して、図10は、本発明のCase3からのCase4への移行における各パラメータの変化を示している。図10に示すように、Case4からCase5に移行すると、操業員は原料配分マトリックスを
に切り替え、コークスの中間ポジジョン「6」、「7」及び「8」は2ターンから3ターンに変わり、対応する中間部位の鉱石層厚比が低下し、計算結果と一致していることも推測される。また、鉱石のポジション10が2ターンから3ターンに変わり、対応するエッジ部位の鉱石層厚比が上昇し、計算結果と一致していることも推測される。
以上の解析から、本発明が開示する高炉半径方向の鉱石層厚比とガス流れ分布の検出方法の正確性が報告され、実際の高炉操業中でこの方法を利用する価値が実証されている。
以上で、本発明が開示する高炉ガス流れの分布の検出方法について詳しく説明している。本文では、具体的な実施例を用いて本発明の原理及び実施形態について述べていたが、以上の実施例への説明は、本発明の方法及び基本的な構想を効果的に理解するものに過ぎない。本発明の趣旨から逸脱することなく、本発明に対して種々の変更や修飾を実施できることは、当業者には明白であろう。これらの変更や修飾も、本出願の範囲内に含まれるべきであることは意図されるべきである。

Claims (10)

  1. 高炉炉頂温度測定装置の個数及び位置に応じて、高炉炉口部の横断面に対して領域分割を行い、N個の温度測定装置領域を取得する(ここで、前記Nは1以上の自然数である)ステップ(a)と、
    各温度測定装置の温度値及び相応する温度測定装置領域よりも下方の高炉塊状帯のガス熱流と固体熱流のバランス方程式に従って、各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比を取得するステップ(b)と、
    前記各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比に基づいて、各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係を作成するステップ(c)と、
    各高炉塊状帯の原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差、原料粒度分布及び通気抵抗の方程式に従って、各温度測定装置領域内の原料層厚比を取得し、前記各温度測定装置領域内の原料層厚比、及び前記ステップ(c)にて得られた各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係に基づいて、各温度測定装置領域のガス流れの速度を求めるステップ(d)と、
    前記各温度測定装置領域の分布及びガス流れ速度をグラフにて示し、ガス流れの分布の検出結果を取得するステップ(e)と、
    を含む、ことを特徴とする高炉ガス流れの分布の検出方法。
  2. ステップ(d)の後に、
    各温度測定装置領域内の原料層厚比に基づいて、原料層厚比の平均値を算出し、各温度測定装置領域でのガス流れ速度に基づいて、温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を求めて、さらに温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を求めるステップ(d#)をさらに含み、
    前記ステップにて算出された原料層厚比の平均値を原料層厚比の理論的な平均値と比較して、誤差σ1を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を炉頂ガス流れの理論的な総体積と比較し、誤差σ2を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を炉頂ガス流れの理論的な総熱量と比較し、誤差σ3を取得し、
    前記σ1、σ2及びσ3のうちの1つまたは複数の数値が5%以上であれば、原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差と原料粒度分布を補正し、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満になるまで、前記ステップ(d)を繰り返し、
    一方、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満であれば、前記ステップ(e)を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記原料は、鉱石とコークスであり、
    前記原料層厚比の理論的な平均値の計算式は、X=[Lo/(Lo+Lc)]であり、
    ここで、式中、Loは鉱石層の厚さであり、Lcはコークス層の厚さである
    ことを特徴とする請求項2に記載の検出方法。
  4. 前記各温度測定装置領域内の原料層厚比をxとし、前記原料層厚比の平均値をXとしたときに、前記原料層厚比の平均値の計算式は、
    ここで、Siは各温度測定装置領域の面積であり、Aは高炉炉口部の横断面の総面積であることを特徴とする請求項2に記載の検出方法。
  5. 前記原料は、鉱石とコークスであり、
    前記温度測定領域内の原料層厚比をxiとし、前記温度測定装置領域内のガス流れ速度をuiとしたときに、前記温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係は、
    ここで、Cはガス比熱であり、Cは固体比熱であり、Gはガス流量であり、Gは固体流量であり、ρは炉頂のガス密度であり、vは固体炉床の下降速度であり、ρは鉱石の密度であり、ρCはコークスの密度である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
  6. 前記各高炉塊状帯の通気抵抗の方程式は、
    ここで、k は粘性抵抗係数であり、k は慣性抵抗係数であり、ΔP/Lは1単位当たりの長さにおける圧力差であり、εは炉床の空隙率であり、Dpは粒子の平均粒子径であり、μはガス粘度であり、uはガス流れ速度であり、ρはガス密度であり、
    前記コークスの粘性抵抗係数とコークスの慣性抵抗係数は、それぞれ、
    であり、
    前記鉱石の粘性抵抗係数及び鉱石の慣性抵抗係数は、それぞれ、
    である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
  7. 前記各高炉塊状帯の原料層の1単位当たりの長さにおける圧力差が等しく、
    前記各高炉塊状帯の原料層の1単位当たりの長さにおける圧力差は、この高炉塊状帯内のコークスの1単位当たりの長さにおける圧力差と、鉱石の1単位当たりの長さにおける圧力差との和である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の検出方法。
  8. 前記温度測定装置は十字状温度測定プローブである、請求項1に記載の検出方法。
  9. 高炉炉頂温度測定装置の個数及び位置に応じて、高炉炉口部の横断面に対して領域分割を行い、N個の温度測定装置領域を取得する(ここで、前記Nは1以上の自然数である)分割手段と、
    各温度測定装置の温度値及び相応する温度測定装置領域よりも下方の高炉塊状帯のガス熱流と固体熱流のバランス方程式に従って、各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比を取得する第1の取得手段と、
    前記各温度測定装置領域の固体−ガス熱流比に基づいて、各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係を作成する作成手段と、
    各高炉塊状帯の原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差、原料粒度分布及び通気抵抗の方程式に従って、各温度測定装置領域内の原料層厚比を取得し、前記各温度測定装置領域内の原料層厚比、及び前記ステップ(c)にて得られた各温度測定装置領域内の原料層厚比とガス流れ速度との関数関係に基づいて、各温度測定装置領域のガス流れ速度を取得する第2の取得手段と、
    前記各温度測定装置領域の分布及びガス流れ速度をグラフにて示し、ガス流れの分布の検出結果を取得する結果手段と、
    を備える、ことを特徴とする高炉ガス流れの分布の検出システム。
  10. 各温度測定装置領域内の原料層厚比に基づいて、原料層厚比の平均値を算出し、各温度測定装置領域でのガス流れ速度に基づいて、温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を求めて、さらに温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を求める検証手段をさらに備え、
    前記ステップにて算出された原料層厚比の平均値を原料層厚比の理論的な平均値と比較して、誤差σ1を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総体積を炉頂ガス流れの理論的な総体積と比較し、誤差σ2を取得し、前記ステップにて求められた温度測定装置領域を通過するガス流れの総熱量を炉頂ガス流れの理論的な総熱量と比較し、誤差σ3を取得し、
    前記σ1、σ2及びσ3のうちの1つまたは複数の数値が5%以上であれば、原料層の1単位あたりの長さにおける圧力差と原料粒度分布を補正し、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満であれば、前記ステップ(d)を繰り返し、
    一方、σ1、σ2及びσ3の数値がいずれも5%未満であれば、前記ステップ(e)を行う、ことを特徴とする請求項9に記載の検出システム。
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