JP2017524929A - 2つの計時器用部品の間の相互作用 - Google Patents

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Abstract

第1の部品(1)及び第2の部品(2)を有する計時器用機構(1000)である。第1の部品(1)及び第2の部品(2)は、境界領域(3)における軌道上の相対運動をするように互いに連係するように構成しており、第1の部品(1)の第1のパス(100)は、磁気的又は静電的なアクチュエーション部品(110)を有し、これは、第2の部品(2)に属する第2のパス(210)に設けられる相補的な磁気的又は静電的なアクチュエーション部品(210)に非接触の応力を与えるように構成している。第1のパス(100)に対しての第2のパス(200)の単調な相対的運動の全体にわたって、第1の部品(1)と第2の部品(2)の間の相互作用エネルギーは、変化する勾配を有し、変種の1つにおいて、この勾配には、非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置がある。【選択図】 図2

Description

本発明は、少なくとも第1の部品及び第2の部品を有する計時器用機構に関し、前記第1の部品及び前記第2の部品は、境界領域における軌道上の相対運動をするように互いに連係するように構成しており、前記第1の部品の第1のトラックは、第1のアクチュエーション手段を有し、これは、前記第2の部品に属する第2のトラックに設けられる相補的な第2のアクチュエーション手段に非接触の応力を与えるように構成している。
本発明は、さらに、このような機構を少なくとも1つ有する計時器に関する。
本発明は、計時器用機構の分野に関する。
機械的な測時技術は、歯車、ジャンパーばね、エスケープ部品のような部品どうしの間で運動や力を伝達するために、主として、摩擦接触を利用する。このような摩擦接触の主な短所は、摩擦に起因して、そして、運動の伝達と応力の伝達の間の関係に起因して、エネルギー損失が発生することである。例えば、2つの部品がそれぞれの軸のまわりをピボット運動し、この2つの部品どうしが接している場合、第2の部品の角速度が第1の部品の角速度よりも大きければ、第2の部品のトルクは第1の部品のトルクよりも小さい。この法則は、平均だけではなく、常に成立する。これは、エネルギー保存の原則から導かれるものである。
本発明は、計時器用機構の部品の間のエネルギー伝達を最適化することを提案するものである。このエネルギー伝達は、具体的には、非接触の形態での運動の伝達又は応力の伝達に関する。
したがって、本発明は、さらに、請求項1に記載の計時器用機構に関する。
本発明は、さらに、請求項3に記載の計時器用機構に関する。
本発明は、さらに、このような機構を少なくとも1つ有する腕時計に関する。
添付図面を参照しながら下記の詳細な説明を読むことで本発明の他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
互いに対して運動可能であり非接触で応力を与える手段を有する2つの部品を有する本発明に係る機構のエネルギー変化を、当該2つの部品の一方の他方に対しての1つの自由度の相対的変化の関数として表している図であり、所与の値においてエネルギーの勾配における不連続性がある。 図1の機構において、他方の部品に対して運動可能な部品が受ける反作用応力の変化を、同じ自由度における相対的変化の関数として表している図であり、図1のエネルギー勾配の不連続な値に対応する・応力の急な変化を示している。 図1及び2と同様な形態で、トルクが与えられない第2の部品の位置合わせの場合を示している図である。結果的に、しきい値の両側のエネルギー勾配どうしは異なる符号である。 図1及び2と同様な形態で、トルクが与えられない第2の部品の位置合わせの場合を示している図である。結果的に、しきい値の両側のエネルギー勾配どうしは異なる符号である。 図1及び2と同様な形態で、異なる勾配範囲の間のいくつかの傾斜の切れ目への一般化を示している図である。 図1及び2と同様な形態で、異なる勾配範囲の間のいくつかの傾斜の切れ目への一般化を示している図である。 U字状の輪郭を有する第1の部品における磁石と、及び第2の部品の一端において段付き区画を有する強磁性領域とを有する本発明に係る計時器用機構の概略的な部分断面図を示している図であり、第1及び第2の部品は、エネルギー勾配の不連続性しきい値に対応する位置にて示されている。 図8〜23は、平面的な構成で、本発明の実装の変種についての概略的な部分平面図を示している。図8は、任意の輪郭及び一定の厚みを有する第1の部品と、及び端どうしが連結した2つの質量体からなる第2の部品とを示しており、第2の部品は、第1の部品の縁部が当該2つの質量体の間の境界に位置するようなエネルギー勾配の不連続性しきい値に対応する位置にある。 図8と同様な構成を示しており、2つの質量体は、同じ幅を有するが異なる高さを有する。 カムからカムへの伝達を用いるタイプの本発明に係る機構を示している。第1の部品及び第2の部品は、特定の周部輪郭を有する。ここでは、第1の部品が、第1のレベルにて延在し、第2の部品が、第1のレベル及び第2のレベルにあり、第1のレベル及び第2のレベルは、重なり合っており、エネルギー勾配の不連続性しきい値に対応する位置において一方が他方を越えるように延在しており、第1の部品の縁部は、第2の部品の2つのレベルの一方の縁部と接するように位置している。 重なり合っており互いを越えるような箇所があるように延在している第1のレベル及び第2のレベルがある第1の拡張部品と、アームの端における実質的に点状の第2の部品との組み合わせを示しており、実質的に点状の第2の部品は、第1の部品の2つのレベルの一方の縁部に接するように位置している。 図11に対応する図であり、エネルギー相互作用の2つの傾斜を示しており、縦軸は、第1の部品の高さであり、横軸は、半径方向の座標である。 図11のものに近い変種を示しており、第1の部品は同じであるが、第2の部品は、曲がった輪郭を有する要素を担持している。 図13の機構についての図12と同様な図である。 図15〜19は、特に、機構の部品の運動とは独立な応力の伝達に関する。図15は、図1と同様に、戻すことができる累積エネルギーを表しており、これは、エネルギー勾配における不連続性に対応する遷移値に近い傾斜の切れ目におけるエネルギーレベルに対応している。 図2と同様に、縦軸に、2つの異なるエネルギー勾配領域の応力レベルの間の縦軸上の差に対応する有用な応力範囲を示しており、横軸に、蓄積領域及びこの遷移値に近い狭い位置合わせ領域を有する有用な機械的な運動の領域を示している。 応力レベルが正であるような図16とは反対の構成を示している。 図8の機構に基づいた変換を示しており、第1の部品1は、異なる厚みの2つの領域を有し、この間に遷移領域がある。 図8の第1の部品と図12の実質的に点状の第2の部品との組み合わせを示しており、このとき、傾斜のうちの1つはゼロであり、2つの部品の間の相互作用は、ここで、引力のうちの1つであり、一方、別の図の実施形態においては、この相互作用は、斥力のうちの1つである。 第1の部品及び第2の部品が両方とも歯車に匹敵するようなギヤを示しており、第1の部品は、突起を有し、これは、第2の部品におけるスポークにマウントされている一連の抽象的に表現されている歯と連係し、この抽象的に表現されている歯のそれぞれは、図8のものと同様な2つの質量体を有し、これは、上で説明した図8のものと同様な形態で、第1の部品の縁部と連係する。 日付機構のディスク又は星形体と連係するジャンパーばねの詳細を示している。第1の部品は、突起を有し、これは、図10におけるように2つのレベルがある第2の部品によって形成されるパレット石と連係する。 固定された第2の部品の間でピボット運動がガイドされるような環状の第1の部品を示しており、第2の部品はそれぞれ、周部ランナーとしてはたらき、図8のものと同様な2つの質量体を有し、図8の第2の部品と同様な形態で第1の部品の縁部と連係している。 図22のガイド機能とジャンパーばね機能とを組み合わせている図であり、図11の実施形態におけるように、第1の部品は、この目的のために、異なるレベルの交番構成の区画を有している。 非接触に相互作用する第1の部品及び第2の部品を有する本発明に係る機構を有する計時器を示しているブロック図である。 第1の平面XOZにおける図1による第1のエネルギー図及び第2の平面YOZにおける第2のエネルギー図の空間における理論的で単純化した組み合わせを示しており、第1の平面XOZと第2の平面YOZは一緒に、境界がエネルギーのジャンプに対応するような2つの表面を定めている。 打撃用ハンマーの巻き及びはね返りからの保護への本発明の適用についての概略平面図を示している。 アームが担持するピボット軸のまわりをピボット運動する変化する半径方向の断面を有する平型カムと、カム周部の両側にあるT字形のアクチュエーターとの間の連係を示している斜視図を示しており、このT字の縦棒部は、カム周部に重なり合っており、横棒部は、カムの縁部における止めとしてはたらいている。 点線と一点鎖線で、カムに対するT字の異なる2つの相対的位置を示しているこのアセンブリーの平面図である。 相対的な浸入Xの関数としてエネルギーレベル変化を示している図である。 ねじれた2つの表面がねじれた境界曲面で交差しており、カムが円筒状タイプのフィーラスピンドルと連係しているように示されている半径方向と高さ方向の両方で変化する三次元カムについての斜視図を示している。 ねじれた2つの表面がねじれた境界曲面で交差しており、カムが円筒状タイプのフィーラスピンドルと連係しているように示されている半径方向と高さ方向の両方で変化する三次元カムについての側面図を示している。
本発明は、計時器用機構の部品の間のエネルギー伝達を最適化することを提案するものである。このエネルギー伝達は、具体的には、非接触の形態での運動の伝達又は応力の伝達に関する。
用語「応力」は、以下の説明において、トルク、力、そして、少なくとも1つのトルク及び少なくとも1つの力を組み合わせた力トルソルをも同様に意味している。
本発明は、三次元空間において適用可能である。図を簡易にするために、例として二次元のものも用いているが、本発明は、単に同じ平面内に限られず、任意の自由度に適用可能であることを理解できるであろう。したがって、具体的には、ピボット回転、回転、平行移動の運動及びこれらが組み合わさった運動に適用可能である。例えば、平行移動の運動と組み合わさった車セットのピボット回転の運動に適用可能であり、これは、例えば、巻きステムのために用いることができる。
用語「車セット」は、以下の説明において、単に時計製造業において通常理解されるような回転又はピボット回転を行う部品だけではなく、いずれのタイプの運動をも行うことができる部品を意味する。
本発明は、摩擦に起因するエネルギー損失なしで伝達される応力とは独立に運動するような部品どうしの間の応力の伝達を可能にすることを目的とする。短く書くと、本発明は、運動の伝達、特に、速度の伝達と、応力又はトルクの伝達との間の伝統的な接続を分離することに関する。
このために、本発明は、応力の遠隔伝達を利用する。
具体的には、磁場及び/又は静電場を用いることによって、少なくとも2つの部品の間の斥力及び/又は引力を発生させることができ、これによって、これらの部品のうちの2つの部品の間を、非接触の形態で、運動又は応力を伝達することが可能になり、したがって、摩擦に起因するエネルギー損失をなくすことができる。また、2つの部品の間の磁気的及び/又は静電的な相互作用によって、所与の時点でエネルギーを格納し、一時的なエネルギー貯蔵用のエネルギー貯蔵バッファーを形成して、その後にエネルギーを戻すことができる。本発明は、特に、非常に精密な形態で、このエネルギーの戻しの条件を決めることを提案する。このエネルギーの戻しは、一又は複数の回数行うことができる。このことは、蓄積エネルギーが、単に「第1の部品+第2の部品」によって構成するのではなく、「第1の部品+第2の部品+相互作用」の組によって構成するものであることを意味している。これによって、「相互作用」に一時的にエネルギーを格納することによって、運動の伝達を応力の伝達から分離することができる。2つの部品の間でバッファーばねを用いることと、機械的な類似性があるともいえる。
以下、車セットの「アクティブな部分」は、磁場又は静電場を伝達する領域、あるいは磁場又は静電場に反応することを可能にするような、材料で作られた又は処置を施された領域を意味している。
機械的な測時技術において、2つの部品どうしに磁気的な相互作用をさせることが既に提案されている。しかし、このような磁気的な相互作用の主な短所は、部品に与えられる応力、力又はトルクに運動系が依存するということである。すなわち、伝達される運動は、伝達される力やトルクに依存する。
本発明は、この短所を克服することを目的とする。実際に、これらの2つの部品の間の磁気的又は静電的な相互作用のポテンシャルを注意深く選択することによって、伝達される応力、力又はトルクとは独立な運動を行わせることができる。このポテンシャルを明らかにするために、図1及び2は、2つの別個の軸のまわりを平面内で回転している2つの部品の例に本発明を適用した場合における一般的な原則を示している。ただし、これに限定されない。図1は、第1の部品1の角度が固定されている場合に、第2の部品2が回転しているときの第2の部品2が第1の部品1と形成する相対的角度αの関数として、縦軸に相互作用エネルギーENの変化を示している。応力(この特定の例においてトルクである)の第1の領域Aは、遷移の角度θ0までで終わり、角度αの関数としての相互作用エネルギーENの第1の傾斜での実質的に線形な増加に対応している。そして、応力の第2の領域Bに続いており、これは、角度αの関数としての相互作用エネルギーEの第2の傾斜での実質的に線形な増加に対応している。この第2の傾斜の絶対値は、第1の傾斜の絶対値よりも大きい。図2に、第2の部品2が受ける反作用応力を示している。縦軸は、応力EFであり、横軸は同じく、角度αである。第1の部分は、ここでは実質的に一定なトルクである第1の応力Aに対応しており、続く第2の部分には、実質的に一定な第2の応力Bがあり、1つの応力レベルから別の応力レベルへの変化が遷移角度θ0の近くで発生している。ここではトルクである応力EFは、関心事の自由度に対するエネルギーの導関数の絶対値と同じ絶対値を有する。本例において、自由度は角度的なものであり、当該絶対値は、角度αに対するエネルギーENの導関数の絶対値である。
したがって、|トルクA|<トルクC<|トルクB|であるような正のトルクCが第2の部品2に与えられると、第2の部品2は、遷移角度θoとなるように自身を調整する。いずれにしても、少なくとも特定の範囲のトルクCに対して、この角度θ0がトルクCとは独立であることがわかる。
最も一般的な用語の意味で、本発明は、少なくとも第1の部品1と第2の部品2を有する計時器用機構1000に関する。この少なくとも第1の部品1及び少なくとも第2の部品2は互いに、境界領域3における軌道上の相対運動をするように連係するように構成している。
第1の部品1は、第1のアクチュエーション手段110を有する第1のパス100を有する。第2の部品2は、相補的な第2のアクチュエーション手段210を有する第2のパス200を有する。第1のアクチュエーション手段110は、相補的な第2のアクチュエーション手段210に非接触の応力を与えるように構成していたり、その逆にも構成していたりする。
本発明によると、第1のパス100に対する第2のパス200の単調な相対的運動の全体にわたって、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギーには、非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置があるような変化する勾配がある。
具体的には、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギーは、非ゼロの可変勾配があり、非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置がある。
第1のアクチュエーション手段110及び相補的な第2のアクチュエーション手段210はそれぞれ、能動的及び受動的であるような磁気的及び/又は静電的なアクチュエーション部品であるように選ばれ、あるいはその逆であるように選ばれる。
特に有利な方法では、この勾配が不連続的な位置は、図2における遷移角度θ0に示すように、非接触の応力における急な変化に対応している。
特定の変種において、このような第1の部品1の1つ及びこのような第2の部品2の1つは互いに、所定の境界領域3の繰り返しの軌道上の相対運動をするように連係している。
特定の変種において、相補的な第2のアクチュエーション手段210は、少なくとも1つの浸透領域30を有し、これは、阻止領域40に近いが別個である。浸透領域30及び阻止領域40は、異なる形態で第1のアクチュエーション手段110と連係する。
浸透領域30と阻止領域40の間の境界における傾斜の切れ目は、浸透領域30と阻止領域40のそれぞれに接続しており、勾配が不連続的な位置に対応している。
具体的には、この傾斜の切れ目は、勾配が不連続的であるような位置の障壁領域50に対応している。
この傾斜の切れ目ないしバリア領域50は、単に、図7におけるように、異なる性質の2つの質量体の間の境界の前縁によって構成することができ、あるいは図18又は19の領域14のような漸進的な領域によって構成することができる。この漸進的な領域は、この場合において第1の部品1上にある。なぜなら、第1の部品1と第2の部品2はそれぞれ、明らかに、様々な特徴を有することができるからである。これらの特徴は、単に、特定の場合(これに限定されない)に対してここで示しているこのようにして、第1のアクチュエーション手段110は、さらに、阻止領域40に近いが別個である少なくとも1つの浸透領域30を有することができる。浸透領域30及び阻止領域40は、相補的な第2のアクチュエーション手段210と異なる形態で連係しており、上記のものと同様なバリア領域50によって分離されている。
特定の変種において、第1のアクチュエーション手段110と相補的な第2のアクチュエーション手段210の間の連係によって、第1の部品1と第2の部品2の特定の第1の相対的位置において、これらの速度や位置を同期させることができ、そして、第1の部品1と第2の部品2の特定の他の第2の相対的位置において、2つの部品のうちの一方が、応力(トルク及び/又は力)の作用の下で、他方に対して動くことが可能になる。
特定の変種において、少なくとも限界位置の近くにおいて、第1のアクチュエーション手段110は、浸透領域30に実質的に一定な第1の応力を与える。
特定の変種において、少なくとも限界位置の近くにおいて、第1のアクチュエーション手段110は、阻止領域40に実質的に一定な第2の応力を与える。
特定の変種において、この限界位置の近くにおいて、第1の部品1の特定の曲がった輪郭は、第2の部品2のバリア領域50に面している。
具体的には、機構1000は、このような第1の部品1を1つ及びこのような第2の部品2を1つ有する、これらは、第1の応力領域に対応する第1の部分を有する有用な領域における相対運動を行うように構成している。これらの部品1、2の一方によって他方に与えられる相対的な応力やトルクが、第1のレベルにある。この有用な領域は、第2の応力領域に対応する第2の部分を有する。この第2の応力領域においては、これらの部品1、2の一方によって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、少なくとも所定位置のまわりの場所において、第1のレベルとは異なる第2のレベルにあり、これによって、第1の応力領域と第2の応力領域の間の境界における界面において、第1の部品1と第2の部品2は、特に所定のトルクの、有用な応力の範囲において、互いに対して精密に位置合わせされる。
具体的には、第1の応力領域では、部品1、2の一方によって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、第1のレベルにて実質的に一定であり、第2の応力領域では、部品1、2の一方によって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、第2のレベルにて実質的に一定である。部品1、2のうちの1つによって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、第1のレベルとは異なる第2のレベルにて実質的に一定である。
具体的には、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギー勾配は、この第2の応力領域では、第1の応力領域よりも大きい。
工業化することが容易な変形実施形態において、少なくとも第1の部品1及び少なくとも第2の部品2は、磁場又は静電場の作用を介して互いに相互作用し、第1の応力領域は、第1の部品1と第2の部品2の間の相対運動の間の磁気的又は静電的なエネルギーの蓄積に対応している。
具体的には、エネルギー勾配が不連続的な位置までの第1のパス100に対する第2のパス200の単調な相対運動時において第1の応力領域で蓄積されるエネルギーは、機構1000の設計によって一定であり固定される。この勾配の不連続性の位置を通過するとき、蓄積エネルギーは、同じ自由度にて又は少なくとも1つの他の付加的自由度にて戻る。
具体的には、第1の応力領域及び第2の応力領域において、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギー勾配は、第1の部品1と第2の部品2の間の磁気的又は静電的な相互作用に寄与する物理的パラメーターの連続的な変化によって発生する。
具体的には、勾配の不連続的な位置は、非接触の応力の変化に対応しており、これは、第1の部品1と第2の部品2の一方の他方による駆動の開始時の位置又は終了時の位置である。
図3及び4は、図1及び2と同様な形態で、トルクが与えられていない第2の部品2の位置合わせの場合について示している。この場合、図3のエネルギー図は、第1の応力領域A及び第2の応力領域Bを示しており、これらは、遷移角度θ0によって限界が定められており、異なる正負の符号を有する2つの傾斜を有する。図4は、同様に異なる符号を有する応力レベルを示しており、これは、常に、遷移角度θ0に対応する角度位置に第2の部品2を戻す傾向がある。
図5及び6は、傾斜のいくつかの切れ目への一般化を示しており、これによって、応力の範囲の関数である部品の位置合わせを行う。この応力は、ここではトルクである。図5は、傾斜が異なる一連の応力領域A、B、Cを示しており、これは、中間的角度θAB及びθBCが限界となっている。図6は、第2の部品2上の応力が、|トルクA|<部品2のトルク<|トルクB|であれば、第2の部品2がθABに位置しており、|トルクA|<部品2のトルク<|トルクB|であれば、部品2がθBCに位置していることを示している。もちろんこの考えから、任意の数の応力範囲にまで外挿法によって推定することができる。
図7は、第1の部品1及び第2の部品2を有する計時器用機構1000の例示的実施形態を示しており、この第1の部品1及び第2の部品2には、磁気的要素が用いられている。この第1の部品1と第2の部品2は互いに、境界領域3の軌道上の相対運動をするように連係しており、第1の部品1の第1のパス100は、ここでは磁石タイプである第1のアクチュエーション手段110を有しており、これは、相補的な第2のアクチュエーション手段210に非接触の応力を与えるように構成しており、この相補的な第2のアクチュエーション手段210は、ここでは強磁性領域によって形成されており、第2の部品2に属する第2のパス200に設けられる。本発明によると、前記第1のパス100に対しての第2のパス200の単調な相対運動の全体にわたって、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギーには、非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置がある非ゼロの可変勾配がある。第2のパス200は、ここでステップされ、結果的に、第1の部品1に対する第2の部品2の挿入又は除去の相対的運動の間に、磁気的な相互作用が可変となる。
図7の異なる変形実施形態を以下のように想到することができる。具体的には、
− 第1の部品1が磁石として用いられ、第2の部品2が軟鉄で作られる。
− 又は第1の部品1が磁石として用いられ、第2の部品2も磁石として用いられる。
− 又は第1の部品1が軟鉄で作られ、第2の部品2が磁石として用いられる。
図7の構成を依然として参照すると、第1の部品1又は第2の部品2(場合による)の回転軸に垂直な平面内における磁気的要素の幾何学的構成を変えたり、この回転軸と平行な方向の磁気的要素の厚みを変えたりすることができる。エアギャップが小さい場合に、第一次近似によって、相互作用ポテンシャルを評価することができる。この評価は、第1の部品1と第2の部品2の間における交差表面と、交差及び境界の領域3における第1の部品1の高さ、交差及び境界の領域3における第2の部品2の高さとの積に比例したエネルギーによって行うことができる。
図8〜23は、本発明の変種の実装における単純な例(これに制限されない)の非常に概略的な平面図である。これらにおいて、位置合わせ境界の両側における異なるエネルギー勾配を有する2つの領域を達成することは比較的容易である。
具体的には、図8〜14は、伝達される応力、特に、伝達されるトルクとは独立な運動の伝達に関する。
図8において、第1の部品1は、平面内において延在しており、第1の部品1は、この平面におけるxy座標にしたがっていずれの輪郭をも有することができ、第1の部品1の厚みは一定であり、第2の部品2は、2つの質量体25及び26からなり、これらは、ここにおいて平行六面体の柱によって構成しており(これに制限されない)、これらの厚みは同じであるが、第1の部品1の境界領域3の部分における接線方向である方向Tにおいては幅が異なり、端と端が合わさるように構成している。応力、特にトルク、が第2の部品2に与えられる場合、図8に示すように、第2の部品2はそれでも、交差及び境界領域3における第1の部品1の縁部11が、2つの質量体25及び26の間の境界に位置するように位置している。
図9は、2つの質量体25及び26の幅は同じであるが高さは異なるような同様な構成を示している。図7においても同様であることができる。
前のいくつかの変種を一般化すると、カムからカムへの伝達を行うように構成している。これにおいて、第1の部品1と第2の部品2は、いずれの周部輪郭をも有することができ、歯車列の輪郭を含む異なる形態で形成することができる。図10は、このような場合を示しており、これにおいて、第1の部品1が単一のレベルに延在しており、第2の部品2が、重なり合っており位置によっては互いを越えるように延在している第1のレベル27及び第2のレベル28を有する。具体的には、この変種は、単に、第2の部品2の周部における厚みの差によって実現することができる。
図11に示す別の変種においては、拡張された部品と実質的に点状の部品とを組み合わせる。これにおいて、第2の部品2は、アーム24の端部に実質的に点状のスタイラス29を有する。ここで、重なり合っており位置によっては互いを越えるように延在している第1の17レベル及び第2の18レベルを有しているのは、第1の部品1である。具体的には、この変種は、単に、第1の部品1の周部における厚みの相違によって達成することができる。これにおいて、図12に示すように、第1の部品1に対して異なる高さの勾配Hに作用することによって、エネルギー相互作用の傾斜が2つ発生する。ここで、縦軸は、第1の部品1の高さHであり、横軸は、半径方向の座標Rである。
図13は、図11に近い変種を示しており、ここでは第2の部品2である一方の部品が、曲がった輪郭の要素23を担持している。この輪郭23は、必ずしも平坦ではなく、輪郭に沿った図11の点状の部品の集積に対応している。この第2の部品2の曲がった輪郭の要素23は、第1の部品1のすぐ近くにおいて接線方向に延在することができるが、半径方向の長さは非常に小さく、前記要素23が線でつながっていると考えることができる。図14は、上の図12と同様である。
具体的には、図15〜19は、機構100の部品の運動とは独立な応力の伝達に関する。
傾斜の切れ目において位置が良好に定められているだけではなく、磁気的/静電的な相互作用エネルギーも明確に定められている。これは、上記の異なる変種に適用可能である。ただし、これらに制限されない。
図18に示すような図8の機構に基づく変態によって、第1の部品1が、第2の部品2の運動とは独立に、第2の部品2とエネルギーを交換することが可能になる。この例において(これに制限されない)、第1の部品1は、厚みが異なる2つの領域12及び13を有し、これらの間に遷移領域14を有することができる。第1の部品1が動いており、特に、ピボット回転しており、第2の部品2のアクティブな部分が図18の例においては領域12から領域13へと動いているときに、第1の部品1によって第2の部品2に、応力、特に、トルクが与えられる。領域12及び13の厚みを変えることによって、この交換される応力を変えることができる。これによって運動を変えずにである。
図9〜13の例もすべて、同様な形態で、応力、特に、トルクの可変伝達に一般化することができる。これらは、傾斜のうちの1つがゼロであるような場合にも一般化することができる。図19には、2つの部品の間の相互作用が引力の1つであり、他の図示した実施形態において、相互作用が、好ましくは、斥力の1つであるような例を示している。
図15は、図1と同様に、戻すことができ、遷移角度θ0に近い傾斜の切れ目におけるエネルギーレベルに対応している累積エネルギーEAを表している。
図16は、図2と同様に、有用な応力DU(特に、有用なトルク)の範囲を表している。これは、領域A及びBの応力レベルの間の縦軸上の差に対応しており、横軸は、機械的な運動ZUの有用な領域を表しており、これは、具体的には、磁気的及び/又は静電気的な蓄積の領域である蓄積領域ZAと、具体的には、磁気的及び/又は静電気的な位置合わせの領域である遷移角度θ0の近くの狭い位置合わせ領域ZPとを含んでいる。図17は、応力レベルが正であるような反対の構成を示している。
図20〜23は、測時技術の用途におけるいくつかの具体的な例を示している。ただし、これに制限されない。
図20は、第1の部品1と第2の部品2が両方とも歯車に匹敵するようなギヤを示している。第1の部品1は、この例(これに制限されない)において、突起19を有している。これは、第2の部品2のスポーク24にマウントされている一連の抽象的に表現されている歯22と連係しており、これらの抽象的に表現されている歯22のそれぞれは、図8や図9のものと同様な2つの質量体25及び26を有しており、これらの質量体25及び26と第1の部品1の縁部11との連係は、図8及び9を参照しながら上で記載したものと同様である。図21は、日付星形車などと連係するジャンパーばねの詳細を示している。これにおいて、パレット石の相互作用は、図10と同様に、2つのレベル27及び28を有する第2の部品2によって形成されており、これは、第1の部品1の歯状の突起19を有する。
図22は、例えば、固定された第2の部品2の間で回転しているときの、第1の部品1のガイドを示している。第2の部品2はそれぞれ、周部ランナーとしてはたらき、図8や図9のものと同様な2つの質量体25及び26を有しており、これらの質量体25及び26と第1の部品1の縁部11との連係は、図8及び9を参照しながら上で説明したものと同様である。機械的な接触がなく、したがって、摩擦に起因する損失がないので、遊びがないガイドを実現することができる。図23においては、図22のガイド機能とジャンパーばね機能を組み合わせている。このために、図11の実施形態におけるように、第1の部品1は、異なるレベルの交番構成の区画17及び18を有する。
多数ある可能性のある腕時計製造におけるすべての応用例を示すわけではないが、例として(これに制限されない)、以下を示すことができる。
− カムによって運動の変換を達成する。第1の部品1は、カムの輪郭を有し、第2の部品2は、レバーの輪郭を有し、このレバーにばねが配置される。カムを回転させることによって、ばねが巻かれたり緩められたりする。応用例は、瞬時日付機構用のリリースばねである。
− ハートピースによって初期化機能を達成する。第1の部品1は、クロノグラフハート状の輪郭を有しており、第2の部品2は、ハートピースを押してカウンターをゼロに戻すハンマーの輪郭を有する。
− ジャンパーばねによって把持機能を達成する。第1の部品1は、例えば、歯付きの日付ディスクの輪郭と同様な輪郭を有し、第2の部品2は、ディスクにおいて離散的な位置に位置するジャンパーばねの輪郭を有する。第2の部品2は、戻しばねを用いて軸のまわりを回転するように、又は動かないようにマウントすることができ、位置合わせを確実にするのは、磁気的及び/又は静電的なポテンシャルである。
− 図26に象徴される打撃機構を達成する。これは、第1の部品1と第2の部品2を有し、これらの一方が巻きばね、他方が反対のばねによって置き換えられる。
本発明は、特に、同時のいくつかの自由度に作用することによって、多くの構成が可能になる。
図27は、平型カム80とアクチュエーター85の間の連係を示している。カム80の半径方向の断面は、最大断面81と最小断面82の間で変わり、このカム80は、ここで、実質的に三葉状の要素の形態で表される。カム80の半径方向の突起部分は、最大の断面を有する領域である。このカム80は、アーム84によって担持されているピボット軸83のまわりをピボット回転する。アクチュエーター85は、二重のアクチュエーターであり、カム80の周部の両側においてT字形の輪郭を有する。そのT字の縦棒部86、88は、カム周部に重なり合うように構成しており、T字の横棒部87、89は、カム80の外縁部90に対する止めとしてはたらくように構成している。
自由度が1の場合は、傾斜しないであろう。
別の自由度においては、アクチュエーター85との連係領域においてカム80の幅を変えるのは容易である。
図28は、点線と一点鎖線で、カムに対するT字の異なる2つの相対的位置を示している。
− 縦棒部86の遠位端がカム80の外縁部90に達している第1の位置においては、図29におけるエネルギーレベルは、ゼロである。
− 縦棒部86の遠位端がカム80の内側縁部91に達している第2の位置においては、図29におけるエネルギーレベルは、横棒部87がカムの外縁部90にある止め位置に到達するまで、準位E1にて一定である。
カムの変化する半径方向の断面によって、ランプ(ramp)の長さが決まる。
カムの輪郭の半径方向のピーク及び谷によって、バリア止めの作用点を変えることが可能になる。
ピークと谷の断面及び位置の組み合わせによって、アクチュエーター85とカム80の間の場に対して、必要に応じて、アクチュエーター85のエネルギーE1の変化を変えることが可能になる。
斥力を用いる特定の単純化された実施形態において、カム80が磁気的にチャージされている。
この実施形態において、エアギャップは常に同一であり、適正な動作を確実にすることには注目すべきである。
短く書くと、この図27の機構は、勾配のうちの1つがゼロである場合に対応しており、これは、図29に示すように、大きさが変化するエネルギーレベルがある。アクチュエーターによって形成される第1の部品は、ここでは平行移動である第1の自由度の運動をし、カム80によって形成される第2の部品は、回転運動をする第2の自由度で運動し、ランプの大きさ、したがって、エネルギーレベルの高さ、を決めるのはアクチュエーターに面するカムの有用な幅である。第1の部品又は第2の部品の第2の自由度が変わる場合に、不連続的な位置のエネルギーレベルが変わる。
この機構は、2つの自由度で運動し、磁気的な実施形態と静電的な実施形態の両方において、実現が容易であり小型であり、カレンダー解放カムのような様々な用途に非常に適している。この構成においては、相当に大きい速度のジャンパーばね、ミニッツリピーター制御機構又はクロノグラフハートからの大きなトルクの伝達に伴う常に困難な制約を克服することができる。これには、一定の摩擦を克服するために一定のトルク伝達が必要であり、大きな瞬間的なトルクがゼロ回帰時に与えられるときに、速度の伝達を調節する必要があり、カム80に対する縦棒部86の浸入ランプは,この機能を行うのに十分である。
図30及び31は、三次元カム70が半径方向及び高さ方向の両方で変化するような変種を示している。これにおいて、ねじれた2つの表面が、ねじれた境界曲面75で交差し、カムは、円筒状タイプのフィーラスピンドル76と連係するように示している。これらの図は、境界曲面15の第1の側において平坦部71や窪み部72の表面を有する三葉状の形を示しており、表面の全領域において、境界曲面75の両側に位置している対応する表面73、74よりも小さいような基準面77に対する傾斜を有している。図面に示した単純化された実施形態において、曲面75と同じ側に位置する表面の傾斜は、常に同じであり、幅のみが変わる(図31におけるE1〜E2)。したがって、エネルギーレベルは、カム周部に対する接点の位置に応じて変わる。当然、より複雑な実施形態において、平面77に対する曲面75の傾斜及び高さの両方を変えることができる。
本発明は、さらに、このような機構1000を少なくとも1つ有する計時器2000であって、特に、腕時計であるものに関する。なお、このような機構1000を、ムーブメント、打撃機構などのような付加的な機構、付加的なモジュール又は他の要素に組み入れることができる。唯一の制限は、具体的には、サブアセンブリーのうちのいくつかが自分の動作用の磁場及び/又は静電場を利用する場合に、実装される磁場及び/又は静電場に対する計時器の他の部品又はサブアセンブリーを保護するためだけである。
本発明は、少なくとも第1の部品及び第2の部品を有する計時器用機構に関し、前記第1の部品及び前記第2の部品は、境界領域における軌道上の相対運動をするように互いに連係するように構成しており、前記第1の部品の第1のトラックは、第1のアクチュエーション手段を有し、これは、前記第2の部品に属する第2のトラックに設けられる相補的な第2のアクチュエーション手段に非接触の応力を与えるように構成している。
本発明は、さらに、このような機構を少なくとも1つ有する計時器に関する。
本発明は、計時器用機構の分野に関する。
機械的な測時技術は、歯車、ジャンパーばね、エスケープ部品のような部品どうしの間で運動や力を伝達するために、主として、摩擦接触を利用する。このような摩擦接触の主な短所は、摩擦に起因して、そして、運動の伝達と応力の伝達の間の関係に起因して、エネルギー損失が発生することである。例えば、2つの部品がそれぞれの軸のまわりをピボット運動し、この2つの部品どうしが接している場合、第2の部品の角速度が第1の部品の角速度よりも大きければ、第2の部品のトルクは第1の部品のトルクよりも小さい。この法則は、平均だけではなく、すべての時間にわたって成立する。これは、エネルギー保存の原則から導かれるものである。
本発明は、計時器用機構の部品の間のエネルギー伝達を最適化することを提案するものである。このエネルギー伝達は、具体的には、非接触の形態での運動の伝達又は応力の伝達に関する。
したがって、本発明は、さらに、請求項1に記載の計時器用機構に関する。
本発明は、さらに、このような機構を少なくとも1つ有する腕時計に関する。
添付図面を参照しながら下記の詳細な説明を読むことで本発明の他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
互いに対して運動可能であり非接触で応力を与える手段を有する2つの部品を有する本発明に係る機構のエネルギー変化を、当該2つの部品の一方の他方に対しての1つの自由度の相対的変化の関数として表している図であり、所与の値においてエネルギー勾配における不連続性がある。 図1の機構において、他方の部品に対して運動可能な部品が受ける反作用応力の変化を、同じ自由度における相対的変化の関数として表している図であり、図1のエネルギー勾配の不連続な値に対応する・応力の急な変化を示している。 図1及び2と同様な形態で、トルクが与えられない第2の部品の位置合わせの場合を示している図である。結果的に、しきい値の両側のエネルギー勾配どうしは異なる符号である。 図1及び2と同様な形態で、トルクが与えられない第2の部品の位置合わせの場合を示している図である。結果的に、しきい値の両側のエネルギー勾配どうしは異なる符号である。 図1及び2と同様な形態で、異なる勾配範囲の間のいくつかの傾斜の切れ目への一般化を示している図である。 図1及び2と同様な形態で、異なる勾配範囲の間のいくつかの傾斜の切れ目への一般化を示している図である。 U字状の輪郭を有する第1の部品における磁石と、及び第2の部品の一端において段付き区画を有する強磁性領域とを有する本発明に係る計時器用機構の概略的な部分断面図を示している図であり、第1及び第2の部品は、エネルギー勾配の不連続性しきい値に対応する位置にて示されている。 図8〜23は、平面的な構成で、本発明の実装の変種についての概略的な部分平面図を示している。図8は、任意の輪郭及び一定の厚みを有する第1の部品と、及び端どうしが連結した2つの質量体からなる第2の部品とを示しており、第2の部品は、第1の部品の縁部が当該2つの質量体の間の境界に位置するようなエネルギー勾配の不連続性しきい値に対応する位置にある。 図8と同様な構成を示しており、2つの質量体は、同じ幅を有するが異なる高さを有する。 カムからカムへの伝達を用いるタイプの本発明に係る機構を示している。第1の部品及び第2の部品は、特定の周部輪郭を有する。ここでは、第1の部品が、第1のレベルにて延在し、第2の部品が、第1のレベル及び第2のレベルにあり、第1のレベル及び第2のレベルは、重なり合っており、エネルギー勾配の不連続性しきい値に対応する位置において一方が他方を越えるように延在しており、第1の部品の縁部は、第2の部品の2つのレベルの一方の縁部と接するように位置している。 重なり合っており互いを越えるような箇所があるように延在している第1のレベル及び第2のレベルがある第1の拡張部品と、アームの端における実質的に点状の第2の部品との組み合わせを示しており、実質的に点状の第2の部品は、第1の部品の2つのレベルの一方の縁部に接するように位置している。 図11に対応する図であり、エネルギー相互作用の2つの傾斜を示しており、縦軸は、第1の部品の高さであり、横軸は、半径方向の座標である。 図11のものに近い変種を示しており、第1の部品は同じであるが、第2の部品は、曲がった輪郭を有する要素を担持している。 図13の機構についての図12と同様な図である。 図15〜19は、特に、機構の部品の運動とは独立な応力の伝達に関する。図15は、図1と同様に、戻すことができる累積エネルギーを表しており、これは、エネルギー勾配における不連続性に対応する遷移値に近い傾斜の切れ目におけるエネルギーレベルに対応している。 図2と同様に、縦軸に、2つの異なるエネルギー勾配領域の応力レベルの間の縦軸上の差に対応する有用な応力範囲を示しており、横軸に、蓄積領域及びこの遷移値に近い狭い位置合わせ領域を有する有用な機械的な運動の領域を示している。 応力レベルが正であるような図16とは反対の構成を示している。 図8の機構に基づいた変換を示しており、第1の部品1は、異なる厚みの2つの領域を有し、この間に遷移領域がある。 図8の第1の部品と図12の実質的に点状の第2の部品との組み合わせを示しており、このとき、傾斜のうちの1つはゼロであり、2つの部品の間の相互作用は、ここで、引力のうちの1つであり、一方、別の図の実施形態においては、この相互作用は、斥力のうちの1つである。 第1の部品及び第2の部品が両方とも歯車に匹敵するようなギヤを示しており、第1の部品は、突起を有し、これは、第2の部品におけるスポークにマウントされている一連の抽象的に表現されている歯と連係し、この抽象的に表現されている歯のそれぞれは、図8のものと同様な2つの質量体を有し、これは、上で説明した図8のものと同様な形態で、第1の部品の縁部と連係する。 日付機構のディスク又は星形体と連係するジャンパーばねの詳細を示している。第1の部品は、突起を有し、これは、図10におけるように2つのレベルがある第2の部品によって形成されるパレット石と連係する。 固定された第2の部品の間でピボット運動がガイドされるような環状の第1の部品を示しており、第2の部品はそれぞれ、周部ランナーとしてはたらき、図8のものと同様な2つの質量体を有し、図8の第2の部品と同様な形態で第1の部品の縁部と連係している。 図22のガイド機能とジャンパーばね機能とを組み合わせている図であり、図11の実施形態におけるように、第1の部品は、この目的のために、異なるレベルの交番構成の区画を有している。 非接触に相互作用する第1の部品及び第2の部品を有する本発明に係る機構を有する計時器を示しているブロック図である。 第1の平面XOZにおける図1による第1のエネルギー図及び第2の平面YOZにおける第2のエネルギー図の空間における理論的で単純化した組み合わせを示しており、第1の平面XOZと第2の平面YOZは一緒に、境界がエネルギーのジャンプに対応するような2つの表面を定めている。 打撃用ハンマーの巻き及びはね返りからの保護への本発明の適用についての概略平面図を示している。 アームが担持するピボット軸のまわりをピボット運動する変化する半径方向の断面を有する平型カムと、カム周部の両側にあるT字形のアクチュエーターとの間の連係を示している斜視図を示しており、このT字の縦棒部は、カム周部に重なり合っており、横棒部は、カムの縁部における止めとしてはたらいている。 点線と一点鎖線で、カムに対するT字の異なる2つの相対的位置を示しているこのアセンブリーの平面図である。 相対的な浸入Xの関数としてエネルギーレベル変化を示している図である。 ねじれた2つの表面がねじれた境界曲面で交差しており、カムが円筒状タイプのフィーラスピンドルと連係しているように示されている半径方向と高さ方向の両方で変化する三次元カムについての斜視図を示している。 ねじれた2つの表面がねじれた境界曲面で交差しており、カムが円筒状タイプのフィーラスピンドルと連係しているように示されている半径方向と高さ方向の両方で変化する三次元カムについての側面図を示している。
本発明は、計時器用機構の部品の間のエネルギー伝達を最適化することを提案するものである。このエネルギー伝達は、具体的には、非接触の形態での運動の伝達又は応力の伝達に関する。
用語「応力」は、以下の説明において、トルク、力、そして、少なくとも1つのトルク及び少なくとも1つの力を組み合わせた力トルソルをも同様に意味している。
本発明は、三次元空間において適用可能である。図を簡易にするために、例として二次元のものも用いているが、本発明は、単に同じ平面内に限られず、任意の自由度に適用可能であることを理解できるであろう。したがって、具体的には、ピボット回転、回転、平行移動の運動及びこれらが組み合わさった運動に適用可能である。例えば、平行移動の運動と組み合わさった車セットのピボット回転の運動に適用可能であり、これは、例えば、巻きステムのために用いることができる。
用語「車セット」は、以下の説明において、単に時計製造業において通常理解されるような回転又はピボット回転を行う部品だけではなく、いずれのタイプの運動をも行うことができる部品を意味する。
本発明は、摩擦に起因するエネルギー損失なしで伝達される応力とは独立に運動するような部品どうしの間の応力の伝達を可能にすることを目的とする。短く書くと、本発明は、運動の伝達、特に、速度の伝達と、応力又はトルクの伝達との間の伝統的な接続を分離することに関する。
このために、本発明は、応力の遠隔伝達を利用する。
具体的には、磁場及び/又は静電場を用いることによって、少なくとも2つの部品の間の斥力及び/又は引力を発生させることができ、これによって、これらの部品のうちの2つの部品の間を、非接触の形態で、運動又は応力を伝達することが可能になり、したがって、摩擦に起因するエネルギー損失をなくすことができる。また、2つの部品の間の磁気的及び/又は静電的な相互作用によって、所与の時点でエネルギーを格納し、一時的なエネルギー貯蔵用のエネルギー貯蔵バッファーを形成して、その後にエネルギーを戻すことができる。本発明は、特に、非常に精密な形態で、このエネルギーの戻しの条件を決めることを提案する。このエネルギーの戻しは、一又は複数の回数行うことができる。このことは、蓄積エネルギーが、単に「第1の部品+第2の部品」によって構成するのではなく、「第1の部品+第2の部品+相互作用」の組によって構成するものであることを意味している。これによって、「相互作用」に一時的にエネルギーを格納することによって、運動の伝達を応力の伝達から分離することができる。2つの部品の間でバッファーばねを用いることと、機械的な類似性があるともいえる。
以下、車セットの「アクティブな部分」は、磁場又は静電場を伝達する領域、あるいは磁場又は静電場に反応することを可能にするような、材料で作られた又は処置を施された領域を意味している。
機械的な測時技術において、2つの部品どうしに磁気的な相互作用をさせることが既に提案されている。しかし、このような磁気的な相互作用の主な短所は、部品に与えられる応力、力又はトルクに運動系が依存するということである。すなわち、伝達される運動は、伝達される力やトルクに依存する。
本発明は、この短所を克服することを目的とする。実際に、これらの2つの部品の間の磁気的又は静電的な相互作用のポテンシャルを注意深く選択することによって、伝達される応力、力又はトルクとは独立な運動を行わせることができる。このポテンシャルを明らかにするために、図1及び2は、2つの別個の軸のまわりを平面内で回転している2つの部品の例に本発明を適用した場合における一般的な原則を示している。ただし、これに限定されない。図1は、第1の部品1の角度が固定されている場合に、第2の部品2が回転しているときの第2の部品2が第1の部品1と形成する相対的角度αの関数として、縦軸に相互作用エネルギーENの変化を示している。応力(この特定の例においてトルクである)の第1の領域Aは、遷移の角度θ0までで終わり、角度αの関数としての相互作用エネルギーENの第1の傾斜での実質的に線形な増加に対応している。そして、応力の第2の領域Bに続いており、これは、角度αの関数としての相互作用エネルギーEの第2の傾斜での実質的に線形な増加に対応している。この第2の傾斜の絶対値は、第1の傾斜の絶対値よりも大きい。図2に、第2の部品2が受ける反作用応力を示している。縦軸は、応力EFであり、横軸は同じく、角度αである。第1の部分は、ここでは実質的に一定なトルクである第1の応力Aに対応しており、続く第2の部分には、実質的に一定な第2の応力Bがあり、1つの応力レベルから別の応力レベルへの変化が遷移角度θ0の近くで発生している。ここではトルクである応力EFは、関心事の自由度に対するエネルギーの導関数の絶対値と同じ絶対値を有する。本例において、自由度は角度的なものであり、当該絶対値は、角度αに対するエネルギーENの導関数の絶対値である。
したがって、|トルクA|<トルクC<|トルクB|であるような正のトルクCが第2の部品2に与えられると、第2の部品2は、遷移角度θ0となるように自身を調整する。いずれにしても、少なくとも特定の範囲のトルクCに対して、この角度θ0がトルクCとは独立であることがわかる。
最も一般的な用語の意味で、本発明は、少なくとも第1の部品1と第2の部品2を有する計時器用機構1000に関する。この少なくとも第1の部品1及び少なくとも第2の部品2は互いに、境界領域3における軌道上の相対運動をするように連係するように構成している。
第1の部品1は、第1のアクチュエーション手段110を有する第1のパス100を有する。第2の部品2は、相補的な第2のアクチュエーション手段210を有する第2のパス200を有する。第1のアクチュエーション手段110は、相補的な第2のアクチュエーション手段210に非接触の応力を与えるように構成していたり、その逆にも構成していたりする。
本発明によると、第1のパス100に対する第2のパス200の単調な相対的運動の全体にわたって、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギーには、非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置があるような変化する勾配がある。
具体的には、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギーは、非ゼロの可変勾配があり、非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置がある。
第1のアクチュエーション手段110及び相補的な第2のアクチュエーション手段210はそれぞれ、能動的及び受動的であるような磁気的及び/又は静電的なアクチュエーション部品であるように選ばれ、あるいはその逆であるように選ばれる。
特に有利な方法では、この勾配が不連続的な位置は、図2における遷移角度θ0に示すように、非接触の応力における急な変化に対応している。
特定の変種において、このような第1の部品1の1つ及びこのような第2の部品2の1つは互いに、所定の境界領域3の繰り返しの軌道上の相対運動をするように連係している。
特定の変種において、相補的な第2のアクチュエーション手段210は、少なくとも1つの浸透領域30を有し、これは、阻止領域40に近いが別個である。浸透領域30及び阻止領域40は、異なる形態で第1のアクチュエーション手段110と連係する。
浸透領域30と阻止領域40の間の境界における傾斜の切れ目は、浸透領域30と阻止領域40のそれぞれに接続しており、勾配が不連続的な位置に対応している。
具体的には、この傾斜の切れ目は、勾配が不連続的であるような位置の障壁領域50に対応している。
この傾斜の切れ目ないしバリア領域50は、単に、図7におけるように、異なる性質の2つの質量体の間の境界の前縁によって構成することができ、あるいは図18又は19の領域14のような漸進的な領域によって構成することができる。この漸進的な領域は、この場合において第1の部品1上にある。なぜなら、第1の部品1と第2の部品2はそれぞれ、明らかに、様々な特徴を有することができるからである。これらの特徴は、単に、特定の場合(これに限定されない)に対してここで示しているこのようにして、第1のアクチュエーション手段110は、さらに、阻止領域40に近いが別個である少なくとも1つの浸透領域30を有することができる。浸透領域30及び阻止領域40は、相補的な第2のアクチュエーション手段210と異なる形態で連係しており、上記のものと同様なバリア領域50によって分離されている。
特定の変種において、第1のアクチュエーション手段110と相補的な第2のアクチュエーション手段210の間の連係によって、第1の部品1と第2の部品2の特定の第1の相対的位置において、これらの速度や位置を同期させることができ、そして、第1の部品1と第2の部品2の特定の他の第2の相対的位置において、2つの部品のうちの一方が、応力(トルク及び/又は力)の作用の下で、他方に対して動くことが可能になる。
特定の変種において、少なくとも限界位置の近くにおいて、第1のアクチュエーション手段110は、浸透領域30に実質的に一定な第1の応力を与える。
特定の変種において、少なくとも限界位置の近くにおいて、第1のアクチュエーション手段110は、阻止領域40に実質的に一定な第2の応力を与える。
特定の変種において、この限界位置の近くにおいて、第1の部品1の特定の曲がった輪郭は、第2の部品2のバリア領域50に面している。
具体的には、機構1000は、このような第1の部品1を1つ及びこのような第2の部品2を1つ有する、これらは、第1の応力領域に対応する第1の部分を有する有用な領域における相対運動を行うように構成している。これらの部品1、2の一方によって他方に与えられる相対的な応力やトルクが、第1のレベルにある。この有用な領域は、第2の応力領域に対応する第2の部分を有する。この第2の応力領域においては、これらの部品1、2の一方によって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、少なくとも所定位置のまわりの場所において、第1のレベルとは異なる第2のレベルにあり、これによって、第1の応力領域と第2の応力領域の間の境界における界面において、第1の部品1と第2の部品2は、特に所定のトルクの、有用な応力の範囲において、互いに対して精密に位置合わせされる。
具体的には、第1の応力領域では、部品1、2の一方によって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、第1のレベルにて実質的に一定であり、第2の応力領域では、部品1、2の一方によって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、第2のレベルにて実質的に一定である。部品1、2のうちの1つによって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、第1のレベルとは異なる第2のレベルにて実質的に一定である。
具体的には、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギー勾配は、この第2の応力領域では、第1の応力領域よりも大きい。
工業化することが容易な変形実施形態において、少なくとも第1の部品1及び少なくとも第2の部品2は、磁場又は静電場の作用を介して互いに相互作用し、第1の応力領域は、第1の部品1と第2の部品2の間の相対運動の間の磁気的又は静電的なエネルギーの蓄積に対応している。
具体的には、エネルギー勾配が不連続的な位置までの第1のパス100に対する第2のパス200の単調な相対運動時において第1の応力領域で蓄積されるエネルギーは、機構1000の設計によって一定であり固定される。この勾配の不連続性の位置を通過するとき、蓄積エネルギーは、同じ自由度にて又は少なくとも1つの他の付加的自由度にて戻る。
具体的には、第1の応力領域及び第2の応力領域において、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギー勾配は、第1の部品1と第2の部品2の間の磁気的又は静電的な相互作用に寄与する物理的パラメーターの連続的な変化によって発生する。
具体的には、勾配の不連続的な位置は、非接触の応力の変化に対応しており、これは、第1の部品1と第2の部品2の一方の他方による駆動の開始時の位置又は終了時の位置である。
図3及び4は、図1及び2と同様な形態で、トルクが与えられていない第2の部品2の位置合わせの場合について示している。この場合、図3のエネルギー図は、第1の応力領域A及び第2の応力領域Bを示しており、これらは、遷移角度θ0によって限界が定められており、異なる正負の符号を有する2つの傾斜を有する。図4は、同様に異なる符号を有する応力レベルを示しており、これは、常に、遷移角度θ0に対応する角度位置に第2の部品2を戻す傾向がある。
図5及び6は、傾斜のいくつかの切れ目への一般化を示しており、これによって、応力の範囲の関数である部品の位置合わせを行う。この応力は、ここではトルクである。図5は、傾斜が異なる一連の応力領域A、B、Cを示しており、これは、中間的角度θAB及びθBCが限界となっている。図6は、第2の部品2上の応力が、|トルクA|<部品2のトルク<|トルクB|であれば、第2の部品2がθABに位置しており、|トルクA|<部品2のトルク<|トルクB|であれば、部品2がθBCに位置していることを示している。もちろんこの考えから、任意の数の応力範囲にまで外挿法によって推定することができる。
図7は、第1の部品1及び第2の部品2を有する計時器用機構1000の例示的実施形態を示しており、この第1の部品1及び第2の部品2には、磁気的要素が用いられている。この第1の部品1と第2の部品2は互いに、境界領域3の軌道上の相対運動をするように連係しており、第1の部品1の第1のパス100は、ここでは磁石タイプである第1のアクチュエーション手段110を有しており、これは、相補的な第2のアクチュエーション手段210に非接触の応力を与えるように構成しており、この相補的な第2のアクチュエーション手段210は、ここでは強磁性領域によって形成されており、第2の部品2に属する第2のパス200に設けられる。本発明によると、前記第1のパス100に対しての第2のパス200の単調な相対運動の全体にわたって、第1の部品1と第2の部品2の間の相互作用エネルギーには、非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置がある非ゼロの可変勾配がある。第2のパス200は、ここでステップされ、結果的に、第1の部品1に対する第2の部品2の挿入又は除去の相対的運動の間に、磁気的な相互作用が可変となる。
図7の異なる変形実施形態を以下のように想到することができる。具体的には、
− 第1の部品1が磁石として用いられ、第2の部品2が軟鉄で作られる。
− 又は第1の部品1が磁石として用いられ、第2の部品2も磁石として用いられる。
− 又は第1の部品1が軟鉄で作られ、第2の部品2が磁石として用いられる。
図7の構成を依然として参照すると、第1の部品1又は第2の部品2(場合による)の回転軸に垂直な平面内における磁気的要素の幾何学的構成を変えたり、この回転軸と平行な方向の磁気的要素の厚みを変えたりすることができる。エアギャップが小さい場合に、第一次近似によって、相互作用ポテンシャルを評価することができる。この評価は、第1の部品1と第2の部品2の間における交差表面と、交差及び境界の領域3における第1の部品1の高さ、交差及び境界の領域3における第2の部品2の高さとの積に比例したエネルギーによって行うことができる。
図8〜23は、本発明の変種の実装における単純な例(これに制限されない)の非常に概略的な平面図である。これらにおいて、位置合わせ境界の両側における異なるエネルギー勾配を有する2つの領域を達成することは比較的容易である。
具体的には、図8〜14は、伝達される応力、特に、伝達されるトルクとは独立な運動の伝達に関する。
図8において、第1の部品1は、平面内において延在しており、第1の部品1は、この平面におけるxy座標にしたがっていずれの輪郭をも有することができ、第1の部品1の厚みは一定であり、第2の部品2は、2つの質量体25及び26からなり、これらは、ここにおいて平行六面体の柱によって構成しており(これに制限されない)、これらの厚みは同じであるが、第1の部品1の境界領域3の部分における接線方向である方向Tにおいては幅が異なり、端と端が合わさるように構成している。応力、特にトルク、が第2の部品2に与えられる場合、図8に示すように、第2の部品2はそれでも、交差及び境界領域3における第1の部品1の縁部11が、2つの質量体25及び26の間の境界に位置するように位置している。
図9は、2つの質量体25及び26の幅は同じであるが高さは異なるような同様な構成を示している。図7においても同様であることができる。
前のいくつかの変種を一般化すると、カムからカムへの伝達を行うように構成している。これにおいて、第1の部品1と第2の部品2は、いずれの周部輪郭をも有することができ、歯車列の輪郭を含む異なる形態で形成することができる。図10は、このような場合を示しており、これにおいて、第1の部品1が単一のレベルに延在しており、第2の部品2が、重なり合っており位置によっては互いを越えるように延在している第1のレベル27及び第2のレベル28を有する。具体的には、この変種は、単に、第2の部品2の周部における厚みの差によって実現することができる。
図11に示す別の変種においては、拡張された部品と実質的に点状の部品とを組み合わせる。これにおいて、第2の部品2は、アーム24の端部に実質的に点状のスタイラス29を有する。ここで、重なり合っており位置によっては互いを越えるように延在している第1の17レベル及び第2の18レベルを有しているのは、第1の部品1である。具体的には、この変種は、単に、第1の部品1の周部における厚みの相違によって達成することができる。これにおいて、図12に示すように、第1の部品1に対して異なる高さの勾配Hに作用することによって、エネルギー相互作用の傾斜が2つ発生する。ここで、縦軸は、第1の部品1の高さHであり、横軸は、半径方向の座標Rである。
図13は、図11に近い変種を示しており、ここでは第2の部品2である一方の部品が、曲がった輪郭の要素23を担持している。この輪郭23は、必ずしも平坦ではなく、輪郭に沿った図11の点状の部品の集積に対応している。この第2の部品2の曲がった輪郭の要素23は、第1の部品1のすぐ近くにおいて接線方向に延在することができるが、半径方向の長さは非常に小さく、前記要素23が線でつながっていると考えることができる。図14は、上の図12と同様である。
具体的には、図15〜19は、機構100の部品の運動とは独立な応力の伝達に関する。
傾斜の切れ目において位置が良好に定められているだけではなく、磁気的/静電的な相互作用エネルギーも明確に定められている。これは、上記の異なる変種に適用可能である。ただし、これらに制限されない。
図18に示すような図8の機構に基づく変態によって、第1の部品1が、第2の部品2の運動とは独立に、第2の部品2とエネルギーを交換することが可能になる。この例において(これに制限されない)、第1の部品1は、厚みが異なる2つの領域12及び13を有し、これらの間に遷移領域14を有することができる。第1の部品1が動いており、特に、ピボット回転しており、第2の部品2のアクティブな部分が図18の例においては領域12から領域13へと動いているときに、第1の部品1によって第2の部品2に、応力、特に、トルクが与えられる。領域12及び13の厚みを変えることによって、この交換される応力を変えることができる。これによって運動を変えずにである。
図9〜13の例もすべて、同様な形態で、応力、特に、トルクの可変伝達に一般化することができる。これらは、傾斜のうちの1つがゼロであるような場合にも一般化することができる。図19には、2つの部品の間の相互作用が引力の1つであり、他の図示した実施形態において、相互作用が、好ましくは、斥力の1つであるような例を示している。
図15は、図1と同様に、戻すことができ、遷移角度θ0に近い傾斜の切れ目におけるエネルギーレベルに対応している累積エネルギーEAを表している。
図16は、図2と同様に、有用な応力DU(特に、有用なトルク)の範囲を表している。これは、領域A及びBの応力レベルの間の縦軸上の差に対応しており、横軸は、機械的な運動ZUの有用な領域を表しており、これは、具体的には、磁気的及び/又は静電気的な蓄積の領域である蓄積領域ZAと、具体的には、磁気的及び/又は静電気的な位置合わせの領域である遷移角度θ0の近くの狭い位置合わせ領域ZPとを含んでいる。図17は、応力レベルが正であるような反対の構成を示している。
図20〜23は、測時技術の用途におけるいくつかの具体的な例を示している。ただし、これに制限されない。
図20は、第1の部品1と第2の部品2が両方とも歯車に匹敵するようなギヤを示している。第1の部品1は、この例(これに制限されない)において、突起19を有している。これは、第2の部品2のスポーク24にマウントされている一連の抽象的に表現されている歯22と連係しており、これらの抽象的に表現されている歯22のそれぞれは、図8や図9のものと同様な2つの質量体25及び26を有しており、これらの質量体25及び26と第1の部品1の縁部11との連係は、図8及び9を参照しながら上で記載したものと同様である。図21は、日付星形車などと連係するジャンパーばねの詳細を示している。これにおいて、パレット石の相互作用は、図10と同様に、2つのレベル27及び28を有する第2の部品2によって形成されており、これは、第1の部品1の歯状の突起19を有する。
図22は、例えば、固定された第2の部品2の間で回転しているときの、第1の部品1のガイドを示している。第2の部品2はそれぞれ、周部ランナーとしてはたらき、図8や図9のものと同様な2つの質量体25及び26を有しており、これらの質量体25及び26と第1の部品1の縁部11との連係は、図8及び9を参照しながら上で説明したものと同様である。機械的な接触がなく、したがって、摩擦に起因する損失がないので、遊びがないガイドを実現することができる。図23においては、図22のガイド機能とジャンパーばね機能を組み合わせている。このために、図11の実施形態におけるように、第1の部品1は、異なるレベルの交番構成の区画17及び18を有する。
多数ある可能性のある腕時計製造におけるすべての応用例を示すわけではないが、例として(これに制限されない)、以下を示すことができる。
− カムによって運動の変換を達成する。第1の部品1は、カムの輪郭を有し、第2の部品2は、レバーの輪郭を有し、このレバーにばねが配置される。カムを回転させることによって、ばねが巻かれたり緩められたりする。応用例は、瞬時日付機構用のリリースばねである。
− ハートピースによって初期化機能を達成する。第1の部品1は、クロノグラフハート状の輪郭を有しており、第2の部品2は、ハートピースを押してカウンターをゼロに戻すハンマーの輪郭を有する。
− ジャンパーばねによって把持機能を達成する。第1の部品1は、例えば、歯付きの日付ディスクの輪郭と同様な輪郭を有し、第2の部品2は、ディスクにおいて離散的な位置に位置するジャンパーばねの輪郭を有する。第2の部品2は、戻しばねを用いて軸のまわりを回転するように、又は動かないようにマウントすることができ、位置合わせを確実にするのは、磁気的及び/又は静電的なポテンシャルである。
− 図26に象徴される打撃機構を達成する。これは、第1の部品1と第2の部品2を有し、これらの一方が巻きばね、他方が反対のばねによって置き換えられる。
本発明は、特に、同時のいくつかの自由度に作用することによって、多くの構成が可能になる。
図27は、平型カム80とアクチュエーター85の間の連係を示している。カム80の半径方向の断面は、最大断面81と最小断面82の間で変わり、このカム80は、ここで、実質的に三葉状の要素の形態で表される。カム80の半径方向の突起部分は、最大の断面を有する領域である。このカム80は、アーム84によって担持されているピボット軸83のまわりをピボット回転する。アクチュエーター85は、二重のアクチュエーターであり、カム80の周部の両側においてT字形の輪郭を有する。そのT字の縦棒部86、88は、カム周部に重なり合うように構成しており、T字の横棒部87、89は、カム80の外縁部90に対する止めとしてはたらくように構成している。
自由度が1の場合は、傾斜しないであろう。
別の自由度においては、アクチュエーター85との連係領域においてカム80の幅を変えるのは容易である。
図28は、点線と一点鎖線で、カムに対するT字の異なる2つの相対的位置を示している。
− 縦棒部86の遠位端がカム80の外縁部90に達している第1の位置においては、図29におけるエネルギーレベルは、ゼロである。
− 縦棒部86の遠位端がカム80の内側縁部91に達している第2の位置においては、図29におけるエネルギーレベルは、横棒部87がカムの外縁部90にある止め位置に到達するまで、準位E1にて一定である。
カムの変化する半径方向の断面によって、ランプ(ramp)の長さが決まる。
カムの輪郭の半径方向のピーク及び谷によって、バリア止めの作用点を変えることが可能になる。
ピークと谷の断面及び位置の組み合わせによって、アクチュエーター85とカム80の間の場に対して、必要に応じて、アクチュエーター85のエネルギーE1の変化を変えることが可能になる。
斥力を用いる特定の単純化された実施形態において、カム80が磁気的にチャージされている。
この実施形態において、エアギャップは常に同一であり、適正な動作を確実にすることには注目すべきである。
短く書くと、この図27の機構は、勾配のうちの1つがゼロである場合に対応しており、これは、図29に示すように、大きさが変化するエネルギーレベルがある。アクチュエーターによって形成される第1の部品は、ここでは平行移動である第1の自由度の運動をし、カム80によって形成される第2の部品は、回転運動をする第2の自由度で運動し、ランプの大きさ、したがって、エネルギーレベルの高さ、を決めるのはアクチュエーターに面するカムの有用な幅である。第1の部品又は第2の部品の第2の自由度が変わる場合に、不連続的な位置のエネルギーレベルが変わる。
この機構は、2つの自由度で運動し、磁気的な実施形態と静電的な実施形態の両方において、実現が容易であり小型であり、カレンダー解放カムのような様々な用途に非常に適している。この構成においては、相当に大きい速度のジャンパーばね、ミニッツリピーター制御機構又はクロノグラフハートからの大きなトルクの伝達に伴う常に困難な制約を克服することができる。これには、一定の摩擦を克服するために一定のトルク伝達が必要であり、大きな瞬間的なトルクがゼロ回帰時に与えられるときに、速度の伝達を調節する必要があり、カム80に対する縦棒部86の浸入ランプは,この機能を行うのに十分である。
図30及び31は、三次元カム70が半径方向及び高さ方向の両方で変化するような変種を示している。これにおいて、ねじれた2つの表面が、ねじれた境界曲面75で交差し、カムは、円筒状タイプのフィーラスピンドル76と連係するように示している。これらの図は、境界曲面15の第1の側において平坦部71や窪み部72の表面を有する三葉状の形を示しており、表面の全領域において、境界曲面75の両側に位置している対応する表面73、74よりも小さいような基準面77に対する傾斜を有している。図面に示した単純化された実施形態において、曲面75と同じ側に位置する表面の傾斜は、常に同じであり、幅のみが変わる(図31におけるE1〜E2)。したがって、エネルギーレベルは、カム周部に対する接点の位置に応じて変わる。当然、より複雑な実施形態において、平面77に対する曲面75の傾斜及び高さの両方を変えることができる。
本発明は、さらに、このような機構1000を少なくとも1つ有する計時器2000であって、特に、腕時計であるものに関する。なお、このような機構1000を、ムーブメント、打撃機構などのような付加的な機構、付加的なモジュール又は他の要素に組み入れることができる。唯一の制限は、具体的には、サブアセンブリーのうちのいくつかが自分の動作用の磁場及び/又は静電場を利用する場合に、実装される磁場及び/又は静電場に対する計時器の他の部品又はサブアセンブリーを保護するためだけである。

Claims (20)

  1. 少なくとも第1の部品(1)及び第2の部品(2)を有する計時器用機構(1000)であって、
    前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)は、境界領域(3)における軌道上の相対運動をするように互いに連係するように構成しており、
    前記第1の部品(1)の第1のトラック(100)は、第1のアクチュエーション手段(110)を有し、これは、前記第2の部品(2)に属する第2のトラック(210)に設けられる相補的な第2のアクチュエーション手段(210)に非接触の応力を与えるように構成しており、
    前記第1のトラック(100)に対しての前記第2のトラック(200)の単調な相対的運動の全体にわたって、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の相互作用エネルギーは、変化する勾配を有し、この勾配には、前記非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置がある
    ことを特徴とする計時器用機構(1000)。
  2. 前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の相互作用エネルギーは、前記非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置がある変化する非ゼロの勾配を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の計時器用機構(1000)。
  3. 少なくとも第1の部品(1)及び第2の部品(2)を有する計時器用機構(1000)であって、
    前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)は、境界領域(3)における軌道上の相対運動をするように互いに連係するように構成しており、
    前記第1の部品(1)の第1のトラック(100)は、第1のアクチュエーション手段(110)を有し、これは、前記第2の部品(2)に属する第2のパス(210)に設けられる相補的な第2のアクチュエーション手段(210)に非接触の応力を与えるように構成しており、
    前記第1の部品(1、85)は、第1の自由度で運動し、
    前記第2の部品(2、80)は、前記第1の自由度とは別個の第2の自由度で運動し、
    前記第1の自由度である前記第1のパス(100)に対しての前記第2のパス(200)の単調な相対的運動の全体にわたって、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の相互作用エネルギーは、変化する勾配を有し、この勾配には、前記非接触の応力の変化に対応する少なくとも1つの不連続的な位置があり、
    前記不連続的な位置のエネルギーレベルは、前記第1の部品又は前記第2の部品の前記第2の自由度が変化すると変化する
    ことを特徴とする計時器用機構(1000)。
  4. 前記勾配の不連続的な位置は、前記非接触の応力における急な変化に対応している
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の計時器用機構(1000)。
  5. 前記相補的な第2のアクチュエーション手段(210)は、阻止領域(40)とは異なるが近い少なくとも1つの浸透領域(30)を有し、
    前記相補的な第2のアクチュエーション手段(210)と前記阻止領域(40)は、前記第1のアクチュエーション手段(110)と異なるように連係し、
    前記阻止領域(40)の境界において、前記傾斜の切れ目が、前記勾配の前記不連続的な位置に対応している
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の計時器用機構(1000)。
  6. 前記傾斜の切れ目は、前記勾配の前記不連続的な位置に対応するバリア領域(50)である
    ことを特徴とする請求項5に記載の計時器用機構(1000)。
  7. 前記第1のアクチュエーション手段(110)と前記相補的な第2のアクチュエーション手段(210)の間の連係によって、
    前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)の特定の第1の相対的位置において、前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)の速度又は位置を同期させることができ、
    前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)の特定の他の第2の相対的位置において、前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)の一方が、他方に対して、力及び/又はトルクの作用の下で運動することができる
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の計時器用機構(1000)。
  8. 前記第1の部品(1)の1つ及び前記第2の部品(2)の1つは、境界領域(3)における繰り返しの軌道上の相対運動をするように互いに連係するように構成している
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の計時器用機構(1000)。
  9. 少なくとも限界位置の近くにおいて、前記第1のアクチュエーション手段(110)は、前記浸透領域(30)に対して実質的に一定な第1の応力を与える
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の計時器用機構(1000)。
  10. 少なくとも限界位置の近くにおいて、前記第1のアクチュエーション手段(110)は、前記阻止領域(40)に対して実質的に一定な第2の応力を与える
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の計時器用機構(1000)。
  11. 前記限界位置の近くにおいて、前記第1の部品(1)の特定の曲がった輪郭(150)は、前記第2の部品(2)の前記バリア領域(50)に面する
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の計時器用機構(1000)。
  12. 当該機構は、前記第1の部品(1)を1つ及び前記第2の部品(2)を1つ有しており、
    前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)は、第1の応力領域に対応する第1の部分と、及び第2の応力領域に対応する第2の部分とを有する有用な領域における相対運動を行うように構成しており、
    前記第1の応力領域においては、前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)の一方によって他方に与えられる相対的な応力又はトルクが第1のレベルにあり、
    前記第2の応力領域においては、少なくとも所定位置のまわりの位置において、前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)の一方によって他方に与えられる相対的な応力又はトルクが第1のレベルとは異なる第2のレベルにあり、
    これによって、前記第1の応力領域と前記第2の応力領域の間の境界における界面において、前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)は、所定の有用な応力範囲にわたって互いに対して精密に位置している
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の計時器用機構(1000)。
  13. 前記第1の応力領域では、前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)の一方によって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、前記第1のレベルにて実質的に一定であり、
    前記第2の応力領域では、前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)の一方によって他方に与えられる相対的なトルク又は応力は、前記第1のレベルとは異なる前記第2のレベルにて実質的に一定である
    ことを特徴とする請求項12に記載の計時器用機構(1000)。
  14. 前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の相互作用エネルギー勾配は、前記第1の応力領域よりも第2の応力領域における方が大きい
    ことを特徴とする請求項11に記載の計時器用機構(1000)。
  15. 少なくとも1つの前記第1の部品(1)と少なくとも1つの前記第2の部品(2)は、磁場又は静電場の作用を介して互いに相互作用し、
    前記第1の応力領域は、前記少なくとも1つの第1の部品(1)及び前記少なくとも1つの第2の部品(2)の間の相対運動の間の磁気的又は静電的なエネルギーの蓄積に対応している
    ことを特徴とする請求項14に記載の計時器用機構(1000)。
  16. 前記第1のパス(100)に対しての前記第2のパス(200)の単調な相対運動の間に前記第1の応力領域において蓄積されるエネルギーは、前記勾配の不連続的な位置まで、当該機構(1000)の設計によって、一定であり固定される
    ことを特徴とする請求項15に記載の計時器用機構(1000)。
  17. 前記勾配の不連続的な位置を通過すると、蓄積エネルギーは、同じ自由度で、又は少なくとも1つの他の付加的自由度で、戻される
    ことを特徴とする請求項16に記載の計時器用機構(1000)。
  18. 前記第1の応力領域及び前記第2の応力領域において、前記第1の部品(1)と前記第2の部品(2)の間の相互作用エネルギー勾配は、前記少なくとも1つの第1の部品(1)と前記少なくとも1つの第2の部品(2)の間の磁気的又は静電的な相互作用に寄与する物理的パラメーターの連続的な変化によって形成される
    ことを特徴とする請求項16又は17に記載の計時器用機構(1000)。
  19. 前記非接触の応力の変化に対応する前記勾配の不連続的な位置は、前記第1の部品(1)及び前記第2の部品(2)の一方の他方による駆動の開始時の位置又は終了時の位置である
    ことを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の計時器用機構(1000)。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の計時器用機構(1000)を少なくとも1つ有し、腕時計である
    ことを特徴とする計時器(2000)。
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