JP2017524457A - 長骨に髄内釘を固定する位置決め装置 - Google Patents

長骨に髄内釘を固定する位置決め装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、長骨に髄内釘(19)を位置決め及び/又は固定するための位置決め装置(100、100’、100’’)に関し、本位置決め装置は、調節装置(3)及びスリーブガイド(2)を有するガイドボウ(1)を備え、調節装置(3)は、標定装置(5)を有し、標定装置(5)は、ロック装置(21)、又は前記ロック装置(21)に作用する器具(23)を受けるように設計され、スリーブガイド(2)は、スリーブ(7)を有し、スリーブ(7)は、スリーブガイド(2)に対して回転及び/又は摺動され得るようにスリーブガイド(2)に取り付けられ、スリーブ(7)は、その中にガイド装置を受けるための長手方向の貫通開口を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、請求項1による、長骨に髄内釘を固定する位置決め装置に関する。
髄内釘は、長骨の骨折を手当てするための、知られている補助具である。髄内釘は、骨折を機械的に繋ぐために、骨折した骨の髄内の空洞に挿入される。髄内釘は、いわゆる横止め式髄内釘として設計されてもよい。横止め式髄内釘では、横止め式ねじが、骨と横止め式髄内釘との間の連結を、ずれないように固定する働きをする。
現在までのところ、知られている横止め式髄内釘の場合は、横止め式ねじが、髄内釘に対して所定の位置で、髄内釘の個別の開口で骨に配置される。髄内釘を骨に挿入しているときに、長骨に配置された髄内釘に横止め式ねじを正確に位置決めするには、外科医が多くの経験を積んでいることが必要になる。
長骨に髄内釘を固定する位置決め装置を提供することが、本発明の目的である。
本発明による目的は、請求項1の特徴を有する位置決め装置によって達成される。
後述において、横止め式髄内釘、及び髄内釘という用語は、同意語として用いられる。
本発明による位置決め装置は、調節装置を有するガイドボウを備える。調節装置は、少なくとも1つの標定装置を備える。標定装置は、特に解放可能に、横止め式ねじ等の横止め装置、又はねじ回し、ドリル、若しくはスパイクワイヤ(骨片又はインプラントの張力止め用のワイヤ)等の、横止め装置に作用する器具を受けるように設計される。
ガイドボウはスリーブガイドを備え、スリーブガイドはスリーブを備える。スリーブは、スリーブガイドに対して回転可能及び/又は変位可能に配置される。このため、スリーブガイドは、例えば、連続した長手方向の開口、又は骨部(本明細書では、この両方の用語は同意語として用いられる)を有する。
スリーブもまた、連続した長手方向の開口、又は骨部を有し、そこに、又はそこで、ガイド装置が配置され得る、又は配置される。
前述又は後述の実施形態の全てにおいて、「〜することができる、〜してもよい、〜され得る、〜する場合がある(may be)」又は「有することができる、有し得る、有してもよい、有する場合がある(may have)」等の表現の使用は、「好ましくは〜である(preferably is)」又は「好ましくは〜を有する(preferably has)」等の同意語として理解されるべきであり、且つ本発明による実施形態を示すことが意図される。
本明細書で数値を表す語が示されている場合は常に、当業者はこれを数値の下限の表示として理解するものとする。当業者にとって明らかな矛盾に繋がらない限り、当業者は、例えば、「1つの」という表示は常に「少なくとも1つ」を包含すると理解するものとする。この理解もまた、当業者にとってこれが明らかに技術的に可能であれば、数値を表す語は、例えば「1つの」は代替的に「正確に1つの」を意味し得るという解釈として、本発明に等しく包含される。両方が本発明に包含され、且つ本明細書において、使用される全ての数値を表す語に当てはまる。
本発明の好適な展開が、従属するクレーム及び実施形態の各主題である。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイド装置は、そこで変位可能及び/又は回転可能になるように、スリーブに配置されることが好ましい。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイドボウは、スリーブの長手方向軸線に沿ってスリーブに対して変位可能になるように、且つスリーブの長手方向軸線の周囲でスリーブに対して回転可能になるように配置される。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイド装置は、スリーブを髄内釘に解放可能に連結するための連結部を備える。
本発明によるいくつかの例示的実施形態では、髄内釘の固定は、髄内釘を横止め式ねじに連結することとして理解される。髄内釘は、横止め式ねじ又は横止め式装置を挿入することによって骨に固定される。本発明による位置決め装置は、したがって、固定するのに役立つ。本発明による位置決め装置もまた、いくつかの実施形態において、それぞれ固定するのに役立ち、或いはこの目的のために用いられてもよい。
調節装置を有するガイドボウは、標定装置を備え、本発明によるいくつかの実施形態では、標定ボウと呼ばれてもよい。標定ボウは、その少なくとも一部において、弓形になっていることが好ましい。
本発明によるいくつかの実施形態では、横止め装置は、横止め式ねじ、又は横止め式ピンである。しかしながら、本発明は、これに限定されない。
本発明によるいくつかの実施形態では、髄内釘で横止め式ねじを受けるために設けられた受け装置は、横止め式ねじ用の、少なくとも1つの作製済みの貫通開口を有する装置である。この受け装置は、スリーブ状、又は円筒形であってもよい。この受け装置は、いくつかの部品及び/又はいくつかの材料(複合材料)で構成されてもよい。例えば、受け装置の部品としてプラスチックリングが用いられてもよい。プラスチックリングは、横止め式ねじが意図せず抜けるのを有益に防止することができる。
本発明による特定の実施形態では、受け装置は、髄内釘の開口又は孔である。
本発明によるいくつかの実施形態では、標定装置は、横止め装置をセットし、配置し、ガイドし、位置合わせし、穿孔し、且つ/又はねじ込むために作製及び/又は設計される。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイド装置は、中空又は管状の、或いは好ましくは、長手方向の貫通開口を有する、長手方向に延びた装置として理解されるべきである。本発明によるいくつかの実施形態では、ガイド装置は、例えば、髄内釘を標定装置に対して、例えばスリーブに対して引っ張るための、髄内釘用の張力装置又は受け装置と呼ばれてもよい。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイド装置は、管状で内部が中空のロッド、又は中空の管である。ガイド装置は、スリーブで、又はスリーブ内で、髄内釘を手で解放可能に固定するために提供及び作製されてもよい。
特に、ガイド装置は、その1つの軸線方向端部に、例えば、ガイド装置を髄内釘にねじ込むときに、ガイド装置をその長手方向軸線の周囲で手で回転させるための、ハンドル、ノブ、又は類似の構成を有していてもよい。ハンドル又はノブは、例えば、ローレット加工されてもよい。
ガイド装置の反対側の端部は、ねじ、好ましくは外ねじ、又は外ねじ部を保持していてもよい。外ねじは、髄内釘の軸線方向端部で、内ねじ又は内ねじ部に連結されるように適合されてもよい。
本発明による特定の実施形態では、工具を導入するためのガイド装置は、受け装置、及び受け装置内に導入される横止め装置の、圧入ロック用に提供及び作製される。圧入ロックは、例えば、髄内釘に作用するねじ付きピンを、受け装置にねじ止めすることによって達成されてもよい。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイド装置は、髄内釘をスリーブに対して解放可能に連結するように設計される。
本発明による特定の実施形態では、ガイド装置は、スリーブの長手方向軸線と同軸に配置される。
本発明によるいくつかの実施形態では、スリーブは、特に、その外面又は周面に摺動ガイドを備え、それに沿ってガイドボウ又はその一部が、スリーブに沿って、又はスリーブに対して移動されてもよい。
本発明によるいくつかの実施形態では、本明細書で用いられる「摺動ガイド」という用語は、それぞれが摺動と呼ばれるスロット、ウェブ、凹所、又は溝のことを述べており、特に、ガイドボウである1つの装置の中に、又は装置上に、又は装置に沿って、導入又は押圧導入される。
本発明によるいくつかの実施形態では、この摺動によって、スリーブに対するガイドボウの移動は予め決められるか又は画定される。摺動ガイドの移動機能は、スロット、ウェブ、凹所又は溝のコースによって決定及び指定される。
摺動ガイドは、特に、標定装置、及びその中に受けられる横止め装置、特に横止め式ねじを、髄内釘の横止め式ねじ用の作製済みの貫通開口へと、制御又は位置合わせするのに役立つことが好ましい。
摺動ガイドは、(スリーブの長手方向軸線の方向への)複合的な変位移動、及び/又は(スリーブの周方向の)回転移動を生成することができる。
さらに、摺動ガイドは、変位経路の初期位置及び/又は最終位置を指定することができる。
摺動ガイドは、螺旋溝であってもよい。
本発明によるいくつかの実施形態では、この摺動部は、スリーブの浸食、ミリング又は穿孔等の切削整形処理、或いはレーザー処理によって、スリーブに作製される。
本発明による特定の実施形態では、スリーブは、(レーザー焼結等の)付加的な(造形的な)製造方法によって、摺動部と共に製造される。
本発明によるいくつかの実施形態では、摺動部は、(溶接等の)付着方法によって製造される。
本発明によるいくつかの実施形態では、スリーブは、スリーブ上に、又はスリーブ内に設けられた、少なくとも1つのスナップイン位置を有する。
スナップイン位置は、スリーブの、又はスリーブに関連する少なくとも1つの所定の位置に、ガイドボウを解放可能に固定又はロックする働きをすることができる。
スナップイン位置は、摺動ガイドに一体化されないことが好ましく、摺動ガイドの側面に面するスリーブの片側に、例えば、少なくとも部分的に摺動ガイドから離して配置される。
スナップイン位置は、例えば、180度回転させたスリーブの反対側の側面に、スリーブの周方向に配置されてもよい。
スナップイン位置は、スリーブの側方の領域にある凹所であってもよい。これは、スリーブの壁にある貫通開口であってもよい。
例えば、ガイドボウは、ガイドボウに一体化されるか又は挿入されたピンによって、(スリーブの周方向から見て)スリーブの片側で、摺動ガイドに沿ってガイドされてもよい。スリーブの反対側で、ガイドボウは、スナップイン構成を有してもよく、これは、スナップイン位置に係合又は相互作用するように、好ましくはそこでスナップインするように設計される。
スナップイン位置は、摺動部内の形状であってもよい。これは、スリーブの壁の貫通穴又は貫通開口であってもよい。
スナップイン位置は、ガイドボウが、締め付け、スナップイン、又は形態嵌合によって、スリーブにロックされ得るように設計されてもよい。
ガイドボウは、例えば、ボルト又はスナップインピンによって、スナップイン位置の1つにロックされてもよい。したがって、スリーブに対するガイドボウの向きは、解放可能に固定される。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイドボウは、スリーブの少なくとも1つのスナップイン位置上に、又はスナップイン位置に、ガイドボウを解放可能にスナップインするための、少なくとも1つのスナップインピン又はボルトを含む。スナップイン位置におけるスナップインピンの配置又は位置決めは、スナップイン構成と呼ばれてもよい。スナップインピンがスナップインされない場合は、非スナップイン構成とも呼ばれる。スナップインピンは、2つの前述の位置と、スナップイン構成と、非スナップイン構成との間で、繰り返し移動されるように配置されてもよい。
本発明による特定の実施形態では、スナップインピンは、手でスナップイン、又は位置決めされるように、且つ/或いは再度手で解放、又は切り離されるように配置される。このような手による作動のために、変速機、駆動装置、摺動部又は摺動装置等が設けられてもよい。手による作動は、ばねで支持又は補助されてもよい。あるいは、スナップイン、及び/又は解放若しくは切り離しは、手で作動させることなく、例えば、ばねで支持されたボール、又は類似の構成によって行われてもよい。
本発明によるいくつかの実施形態では、スナップイン位置は、スリーブの周方向に位置合わせされた縦溝を有し、縦溝は、任意の方向に延びる、スリーブの側方の領域にある縦溝、凹所、又は貫通開口であってもよい。
縦溝は、スナップインピンをスナップイン位置にスナップインした後に、形状によって画定された制限内で、スリーブの周方向に、且つこれに対して、スナップインピン又はボルトが変位できるようにしてもよい。スナップイン後の、スナップインピンの可能な変位は、スナップイン位置におけるスナップインピンの遊びと呼ばれてもよい。遊びは、縦溝の形状、特に、その長さによって、予め決められてもよい。例えば、このような遊びは、横止め式ねじが、髄内釘の横止め装置用の貫通開口(例えば、長穴又は孔)内で、所定(1つの側面又は複数の側面)の制限内で、位置合わせ、変位、又は位置決めされることを可能にし得る。
本発明によるいくつかの実施形態では、縦溝は、横止め装置又は横止め式ねじを、所定の寸法又は外周の遊びを伴って移動、又は回転/枢動させるように設計され、これは例えば、髄内釘の貫通開口の中心に対して、例えば、スリーブの周方向に、+/−10°である。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイドボウは、スナップインピンを用いて、好ましくは手でロックするためのロック装置、特に、固定ねじを備え、ガイドボウは、スリーブに対して、ガイドボウの選択された所定のスナップイン位置にある。
ロックした後は、ガイドボウは、スリーブに対してそれ以上移動され得ない。
本発明によるいくつかの実施形態では、スリーブは印を有し、これによって、ガイドボウのスリーブに対する現在の位置が、制御又はモニタされ得る。
スリーブ上又はスリーブ内のスナップイン位置又は摺動構成は、ガイドボウが摺動ガイド内で移動するときに隠れてしまう場合があり、その結果、本発明による位置決め装置の使用者には、スナップイン位置同士の間、又は摺動部内にあるガイドボウの現在の位置、又は瞬時位置が見えない。しかしながら、例えば、いくつかのスナップイン位置のうちのどこに、ガイドボウのスナップインピンが現在置かれている、又は位置しているかが分かれば、使用者にとって有用であろう。これについては、本発明による位置決め装置によって、髄内釘における横止め式ねじの更なる位置決めを、有益に容易且つ簡単にすることができる。したがって、スリーブは、使用者のための配向補助を有することができ、スリーブの表面の使用者の可視領域に、摺動部又は摺動ガイドを再現又は反映する。本発明によるこのような実施形態では、摺動部は、例えば、鏡像で刻むことによって、この可視領域でスリーブ上に刻印又は可視化される。
本発明による特定の実施形態では、スリーブを髄内釘に解放可能に連結するためのガイド装置は、スリーブ内に配置され、且つ好ましくはスリーブの長手方向軸線と同軸又は平行に配置される。
本発明による、髄内釘を固定する位置決め装置を使用できるようにするために、位置決め装置を髄内釘に、固定されるように連結することが意図される。この目的のために設けられたこの連結構成は、第1及び第2の構成部品を含む。
第1の構成部品は、スリーブ及び髄内釘との対向配置の、ねじれ防止用のウェブ溝連結であってもよい。例えば、スリーブは、軸線方向端部に、少なくとも1つの、ただし好ましくは2つ、3つ、又はそれ以上の(例えば軸線方向の)ウェブ、突起、ピン、又は段差を有し、これは、髄内釘の軸線方向端部で、対応する数の(例えば軸線方向の)溝、スロット、又は凹所に係合する。あるいは、髄内釘が段差等を有してもよく、且つスリーブが溝等を有してもよい。これらを組み合わせることが可能である。
スリーブと髄内釘とが、ねじれを防止されるように、且つ好ましくは所定の方法で互いに配置された後は、スリーブ及び髄内釘は、解放可能に連結されてもよい。この第2の構成部品は、ガイド装置によって実現され得る。このため、ガイド装置は、スリーブ内に、且つスリーブの長手方向軸線と同軸に配置されてもよい。ガイド装置は、スリーブを通って挿入されて、ガイド装置の軸線方向端部に配置された外ねじ又は外ねじ部によって、髄内釘の内ねじ又は内ねじ部と螺合されてもよい。ガイド装置は、このようにして髄内釘をスリーブに対して解放可能な程度に支え、したがって、好ましくはガイドボウに対して所定の配向で、スリーブをガイドボウ内に保持する。
前述の2つの部品によって、例えば、髄内釘を(複数の)横止め式ねじで固定した後に、髄内釘がガイド装置にねじ込まれている間、又はねじが緩められている間に、有益には、髄内釘がねじの回転する方向に回転若しくは旋回、又はねじれを生じないことが達成され得る。例えば、数度の範囲等のごくわずかであっても、旋回又は回転を回避することは、長骨の後の安定のために有益且つ重要であろう。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイド装置は、管状又は中空であり、したがって、工具を導入する、又は導くように設計される。この工具は、例えば、髄内釘の内部で、ロック装置又は遮断装置を作動させる、又はねじ止めする(締める、及び緩める)のに使用されてもよい。ロック装置又は遮断装置は、横止め式ねじ用の調節可能な受け装置を固定する、又は締め付ける締付ねじとして設計されてもよい。
例えば、ねじ止めする、又は締め付けるための工具は、髄内釘に内ねじピンを備えてもよい。この工具は、アレンキーであってもよい。この工具は、例えば、約5Nm又は9Nm、或いは5〜9Nmの範囲等のトルクを印加するように構成されてもよい。
本発明によるいくつかの実施形態では、調節装置は、髄内釘に位置合わせされる標定装置と共に、ガイドボウに沿って、制限的又は無制限的に変位可能である。ガイドボウに沿った変位方向は、x方向と定義されている。標定装置は、特に横止め式ねじである横止め装置、又は横止め装置に作用する器具を受けるように設計される。したがって、本発明による位置決め装置を用いて、横止め装置は、後で横止め式ねじを髄内釘に固定するために、x方向にガイドボウに沿って、スリーブ上で重ね合わせるように動いて、且つ摺動ガイドに対応する髄内釘に対する、ガイドボウの位置に対応して、スリーブに位置合わせ及び位置決めされてもよい。
本発明によるいくつかの実施形態では、ガイドボウは、少なくとも部分的に円形のボウとして、又は円形のボウの形状で設計される。調節装置は、これにより、少なくとも部分的に、円形のボウに沿って変位可能になる。
本発明による特定の実施形態では、標定装置は、髄内釘に面し、且つ調節装置に到達する、1つ以上の開口を有する。この(複数の)開口は、特に、髄内釘の受け装置に配置された、横止め装置、又は横止め装置に作用する器具を受けるように設計される。
本発明による特定の実施形態では、ガイドボウは、ガイドボウに沿った調節装置の変位経路を制限するための停止部を有する。停止部は、本発明による位置決め装置の操作性を有益に向上させることができ、例えば、調節装置が、髄内釘の所望の、選択した、又は標的とした貫通開口に、より速く又は容易に位置合わせされ得る。また、停止部は、解剖学的見地からより適正な横止め装置の位置決めに関して設けられてもよい。
本発明によるいくつかの実施形態では、標定装置は、ガイドボウの長手方向(x方向)、且つガイドボウの長手方向に垂直(y方向)に、スリーブの周方向に変位可能に配置される。x方向及びy方向の両方に変位可能なことにより、ロック装置に連結され得る器具が、円形部内で、標定装置に移動及び位置決めされ得る。この円形部の円形の表面は、x方向及びy方向に延伸されてもよい。標定装置は、この円形の表面に垂直に配置されてもよい。円の中心は、特に、髄内釘の横止め式ねじ用の受け装置に位置し、ここでは特に、横止め式ねじの受け装置と、髄内釘の長手方向軸線(又はスリーブの長手方向軸線)との交点に位置する。髄内釘及び位置決め装置は、互いに対応して整合することができる。円形の表面における器具の移動、及びその位置決めは、ジョイスティックの移動及び動作と比較されてもよい。
本発明によるいくつかの実施形態では、標定装置は、調節装置内で、及びそれに対して、又はガイドボウに対して、変位可能になるように配置される。
本発明によるいくつかの実施形態では、調節装置は、標定装置を調節装置又はガイドボウに対して移動させるための、ここでは調節位置と呼ばれる少なくとも第1の位置で、移動可能になるように配置される。ここでは固定位置と呼ばれる少なくとも第2の位置では、標定装置を固定するための調節装置は、調節装置に対して、又はガイドボウに対して移動可能ではないが、これは特に、摩擦連結によってもたらされ得る。
調節装置に対する、又はガイドボウに対する標定装置の固定は、解放可能であることが好ましい。
第1の位置は、特に、髄内釘の所望の受け装置に、横止め式ねじを位置決め及び位置合わせするために設けられる。位置合わせが完了すると、続いて横止め式ねじが、受け装置に、又は受け装置を介して長骨に固定されるべきであり、標定装置は、調節装置に対して固定される(第2の位置)。この位置では、標定装置は、ガイドボウに対してこれ以上変位又は移動されることはあり得ない。その後、横止め式ねじに連結され、且つ標定装置に配置される器具によって、横止め式ねじは、有益に、簡単且つ確実に髄内釘内及び管状骨内の所望の位置に固定され得る。
調節装置に対する、標定装置の位置決め及び/又は固定は、異なる方法で行われてもよい。様々な実施形態が、特に、3殻モデル又は3殻構成に基づいている。径方向の外殻は、ガイドボウの一部であってもよい。径方向の外殻は、調整装置又はその一部であってもよい。内殻と外殻との間の中殻には、特に、標定装置が一体化される。中殻は、外殻と内殻との間で移動可能、及び/又は位置決め可能である。標定装置の位置決め及び位置合わせが完了した後の中殻の固定は、異なる方法で行われてもよい。この固定の例示的な例が、以降に記載される。
中殻を固定する第1のコンセプトは、本明細書では、ばねピンのコンセプトと呼ばれる。例えば、外殻に一体化された1つ以上のばねピンが、そのばね力で中殻を直接的又は間接的に押圧する。このような押圧力によって、中殻は、内殻に又は内殻に対して押圧され、且つ摩擦力によって、接触して固定される。この接触圧力は、ばねピンの数、及び/又はばねの強度に基づいて変化してもよく、その結果、位置決め及び位置合わせが完了したときに、一方では標定装置が移動可能なままとなり、他方では、横止め式ねじの確実なロックが可能なほどに摩擦力が十分に高い。
第2のコンセプトは、本明細書ではフラップのコンセプトと呼ばれる。外殻は、片側にヒンジで連結される。外殻を内殻に固定又は締め付ける装置は、(殻の上部において)ヒンジで連結された外殻とは反対側の位置に配置される。例えば、外殻は、蝶ねじ、偏心器、スナップフック等によって、中殻及び内殻に、又は中殻及び内殻に対して、固定されかつ締め付けられてもよい。この装置が、例えば、手で蝶ねじを締めることによって外殻を内殻に固定するときに、標定装置が配置される中殻は、締め付けられ且つ不動になる。他方において、この装置が解放された場合は、中殻は移動されてもよく、したがって、標定装置が位置決め及び位置合わせされてもよい。
第3のコンセプトは、本明細書では、ばねのコンセプトと呼ばれる。中殻は、互いの上に径方向に配置された、2つの殻を有する。互いの上に配置されたこの2つの殻は、これら2つの殻同士の間に配置されたばねによって、径方向に押し離される。さらに、2つの殻のうちの少なくとも1つは、突起等の表面構造を有してもよく、これは反対側で、外殻の径方向内側にある別の表面構造に係合することができる。外殻の内側の表面構造は、例えば、突起が係合又はスナップインする孔であってもよい。
第4のコンセプトは、ねじのコンセプトと呼ばれる。中殻は、2つの別々に作られた殻を有し、互いの上に径方向に配置され、ねじによって互いに連結される。2つの殻のうちの1つが、第2の殻に対して回転することにより、これらの殻は、回転方向に応じて、共に旋回するか、或いは旋回して離されるかのいずれか、すなわち、これらの間隔が減少するか、或いは増加するかのいずれかとなる。これら2つの殻が旋回して離れる場合は、内殻及び外殻は、回転されて固定される。
第5のコンセプトは、外殻を中殻に対して締め付けるため、又は張力を緩めるために、てこ作用を用いる。基本状態では、外殻は、中殻を回転状態で押圧し、中殻は、この基本状態では、固定されているか又は不動である。外殻が、てこ作用によって、径方向外向きに押圧されるか、又は外側に曲げられると、中殻が緩む。標定装置は、外殻が基本状態に戻り、且つ中殻が固定されるまで、位置合わせ及び位置決めされてもよい。てこ作用は、特に、手動で印加される。
本発明によるいくつか又は全ての実施形態は、上述及び/又は後述の利点の1つ、いくつか、又は全てを有し得る。
本発明による位置決め装置によって、有益には、長骨に配置された髄内釘に横止め式ねじを位置決めしているとき、及び/又はねじ込んでいるときに、操作中に軽微なずれを修正することが可能になる。
横止め式ねじ用の孔の位置及び角度、並びに横止め式ねじの位置は、本発明による位置決め装置によって、手術中であっても、個々の解剖学的状況、及び傷の状況に有益に適合させ得る。
さらに、本発明による位置決め装置によって、髄内釘を貫通する、又は髄内釘に到達する横止め式ねじの角度は、例えば、骨片を再配置するため、又は骨片を解剖学的見地から正しく適合させるために、手術中であっても変更され得る。
本発明による位置決め装置のスナップイン構成によって、スナップイン構成は、ガイドボウのスナップイン構成のボルトと、スリーブとの間の形態嵌合によって、スリーブの長手方向軸線に沿って、所定の位置に有益にロックされ得る。さらに、この形態嵌合連結又は確動連結は、ガイドボウとスリーブとの間で、所定の回転、又は制限された回転を設ける、或いは可能にするために、長穴によって、スリーブの周方向に実装又は実行されてもよい。これにより、外科医が、ある一定の限度内において、髄内釘に対して横止め装置を手術中に位置合わせすることが可能になる。
ガイドボウのスリーブに対する位置制御用の印によって、外科医は、スリーブの長手方向軸線に沿って、スナップイン位置、及び/又は長手方向の穴を追跡又はモニタするのを有益に補助され得る。印によって、スナップイン位置、及び/又は長穴、或いは縦溝が、有益に可視化され得る。髄内釘に対するガイドボウの配向、又は止めねじを髄内釘にねじ込むための貫通開口の配向(スリーブに対するガイドボウの回転方向、及び角度の表示)が、したがって、有益に容易にされ得る。
本発明によって、位置決め装置は、固定されるべき髄内釘に、解放可能に、確実且つ簡単に連結され得る。したがって、位置決め装置は、固定された髄内釘から、切り離され、且つ取り外され得る。この点において、第1の構成部品であるウェブ溝連結は、スリーブ及び髄内釘との、ねじれ防止の相互配置をもたらすことができる。ガイド装置と髄内釘との間のねじ連結をねじ止めしているとき、又は緩めているときに、髄内釘が回転又は旋回しないことを有益に保証することができる。これは、位置決め装置を髄内釘に連結するとき、或いは位置決め装置を髄内釘から解放する、又は切り離すときに、トルクの印加を介して、髄内釘が骨内で危険な位置にならないようにするのに役立つ。
本発明は、添付の図面に関して例示的に説明され、同一の参照符号は、同一又は類似の部品を示す。以降の記述は、概略的に簡略化されたそれぞれの図面に当てはまる。
本発明による位置決め装置の第1の例示的な実施形態の斜視図を示す。 髄内釘、横止め式ねじ、及び横止め式ねじを挿入するための器具を有する、本発明による図1の位置決め装置を示す。 スリーブ、及びスリーブ内の摺動ガイド並びにスナップイン構成を有する、本発明による位置決め装置の一部を示す。 本発明による図3の位置決め装置の一部を示す。 複数のスナップイン位置、及び位置制御用の印を有する、本発明による図3の位置決め装置の一部を示す。 ガイドボウを有する、本発明による図5の位置決め装置の構成部品を示す。 髄内釘に連結されたスリーブを有する、ガイド装置を示す。 髄内釘を有するがスリーブのない、図7のガイド装置を示す。 図7のガイド装置を示す。 標定装置が、ばねピンのコンセプトによって調節装置とガイドボウとの間に配置された、本発明による位置決め装置の別の実施形態を示す。 図10の位置決め装置の標定装置を有する、調節装置の詳細図を示す。 調節装置の外殻を除去した、図11の詳細図を示す。 本発明による位置決め装置の別の実施形態を示す。 図13の実施形態のスナップイン構成を詳細に示す。 渦巻ばねを有する、別のスナップイン構成を示す。 板ばねを有する、別のスナップイン構成を示す。 上方から斜めにスリーブに挿入するスナップインピンを有する、別のスナップイン構成を示す。 側方からスリーブに挿入するスナップインピンを有する、別のスナップイン構成を示す。 位置決め装置の2分された標定装置を示す。 標定装置をガイドボウに固定するためのスナップイン装置を有する、調節装置を示す。 器具用の穴配置を有する、標定装置を示す。 図10の位置決め装置を別の表示で示す。 図22の位置決め装置の断面図を示す。 フラップのコンセプトで調節装置をガイドボウに固定する、図22の位置決め装置の断面図を示す。 ばねのコンセプトによって調節装置とガイドボウとの間に移動可能に配置された、標定装置を示す。 ねじのコンセプトによって調節装置とガイドボウとの間に移動可能に配置された、標定装置を示す。 本発明による位置決め装置の別の実施形態を示す。 摺動ガイドのない、別のスリーブの図を示す。 摺動ガイドのない、別のスリーブの図を示す。 摺動ガイドのない、別のスリーブの図を示す。 別の回転式締め具を示す。
図1は、上方から斜めに見下ろした、位置決め装置100の第1の例示的な実施形態の斜視図を示す。位置決め装置100は、スリーブガイド2を有するガイドボウ1、調節装置3及び標定装置5、スリーブ7、及びガイド装置9を備える。
ガイドボウ1は、スリーブガイド2でスリーブ7を受け、且つスリーブ7の長手方向軸線11の周囲で、スリーブ7に対して摺動又は移動されてもよく、且つ/又はスリーブ7の周方向13に、長手方向軸線11の周囲で回転されてもよい。スリーブ7は、ガイドボウ1の摺動又は回転のために、摺動ガイド29(又は所定の経路)を備えることが好ましい(図5を参照)。摺動ガイド29に沿って、任意選択の位置があり(図5を参照)、ガイドボウ1は、この位置で、スナップイン構成15を用いてスナップインされ得ることが好ましい。
図1の例にあるように、スナップイン構成15が設けられる場合は、本発明によるいくつかの実施形態において、完全にスナップインした後に、ガイドボウ1をスリーブ7に、若しくはスリーブ7で、ロックねじ17を用いて、又は他の固定手段によって、手で固定することが可能であり、或いは、ガイドボウ1が更に回転したり、且つ/又はスリーブ7に対して長手方向に移動又は摺動したりすることが防止され得る。固定された後に、ガイドボウ1は、横止め式ねじで髄内釘を固定するために、最終位置に位置決めされる(図2を参照)。
このような固定がもたらされる場合、これは例えば、ロックねじ17とスリーブ7との間の摩擦連結、又は形態嵌合連結若しくは確動連結を介して行われる。
任意選択で設けられる調節装置3は、ガイドボウ1に沿って、x方向に移動可能である。移動を介して調節装置3の最終位置が達成された後に、調節装置3は、この実施形態では例示的に、同時にロックねじでもある標定装置5を用いて、又は別の固定装置を用いて、ガイドボウ1に安定又は固定されてもよく、並びに/或いは摩擦連結によって締め付けられてもよい。このために、標定装置5は、手で固定され得るように、図1に示す三角形等の、容易に把持される形態を有することが好ましい。
ガイド装置9は、その上端に、(図1には示されていない)開口を有する(図1を参照)。ガイド装置9は、その下端に別の開口も有し、その結果、ガイド装置9は、(これもまた図1には示されていない)髄内釘19をロック又は横止めするための工具55(図1には図示されていない、図13を参照)を受けるための、又は他の物を受けるための、連続した空洞を提供又は形成する。ガイド装置9の長手方向軸線は、ガイド装置9が受けられるスリーブ7と平行に延びていることが好ましく、又はスリーブ7の長手方向軸線11と同一になる。
また、横止め式ねじを位置決め装置100に位置決めするために、位置決め補助部27が設けられてもよい。
図2は、髄内釘19、横止め式ねじ21、及び横止め式ねじ21を挿入するための器具23を有する、本発明による図1の位置決め装置100を示す。器具23は、標定装置5を通ってガイドされ、且つこの例では、ガイドボウ1の少なくとも1つの部分も通っている。
横止め式ねじ21を髄内釘19の中に挿入又はねじ込む前に、ガイドボウ1は、図1で既に説明したように、長手方向軸線11に沿って移動されてもよく、且つ/又は長手方向軸線11の周囲で、スリーブ7の周方向に回転されてもよい。さらに、調節装置3は、ガイドボウ1に沿ってx方向に移動されてもよい。この位置決め(移動及び回転)は、髄内釘19の標的とされる開口又は貫通開口25への位置合わせが達成されるまで継続され、且つ横止め式ねじ21は、髄内釘19に、且つ髄内釘19を囲む長骨(図2には示されていない)に固定され得る。本発明による位置決め装置100は、有益には、髄内釘19を長骨の中に挿入した後に、横止め式ねじ21を(且つ適切な場合は、別の横止め式ねじ21を)この位置に留まらせることを可能にし、これによって、使用者から見て、1つ以上の横止め式ねじ21の最適な位置決めが達成されるまで、標定装置5によって、別の貫通開口25を狙う、若しくはこれに向ける、又はこれに導く。
また、その後に別の横止め式ねじ21’が、位置決め補助部27を通って、又はこれを用いて、髄内釘19にねじ込まれてもよい。これらの位置決め補助部27は、ガイドボウ1の長手方向軸線に沿って位置決めする余地を与えないので、横止め式ねじ21の、固定された、予め決められた、場合によっては、(長手方向軸線11に対して)垂直又は角度付けされた、髄内釘19の中への位置決めをもたらすことはない。これらの位置決め補助部27は、いわゆる不動の、又は固定された標定孔、より正確には遠位の横止め式ねじ21’と呼ばれてもよい。
図3は、スリーブ7、及びスリーブ7内又はスリーブ7上にある摺動ガイド29、並びにスナップイン構成15を有する、位置決め装置100の内部を示す。位置決め装置100の使用中に図3の複数の部品を覆うカバーは、ガイドボウ1の一部であるが、明確にするために、図3では示されずに図4に示されている。
ガイドステップ31(又はピン)は、図3では簡単に単一の部品として示されているが、ガイドボウ1と一体化され、且つスリーブ7の一部であり、スリーブ7の摺動ガイド29におけるその係合を介して、ガイドボウ1又はスリーブガイド2と、スリーブ7との間の形態嵌合連結、又は確動連結を可能にする。ガイドボウ1は、ガイドステップ31によって、摺動ガイド29の中に導入される、又はこれに沿って導入される。
あるいは、ガイドステップ31は、スリーブ7と一体化されるか、又はこれに連結されてもよい。この場合は、摺動ガイド29は、スリーブガイド2と一体化される(図4を参照)。
摺動ガイド29は、その上部(図3の例を参照すると、すなわちスリーブ7の上端とガイドステップ31との間)において直線状である。この直線状の摺動部によって、本発明による位置決め装置100の組み立て中に、ガイドボウ1がスリーブ7の中に導入される(又はスリーブ7がガイドボウ1の中に導入される)。
あるいは、ガイドボウ1は、別の方法でスリーブ7に連結されるか又は取り付けられてもよい。例えば、(摺動ガイド29の上方の)上部領域におけるスリーブ7の外径は、図3に示す外径よりも、スリーブ7の直線状の溝の深さの2倍分小さくてもよく、その結果、ガイドステップ31は、スリーブ7の上端で、全周にわたって摺動することができる。
摺動ガイド29は、その下部が螺旋溝として指定されてもよい。この下部領域では、摺動ガイド29は、直線状ではないか、又はほぼ直線状ではなく、巻かれ、ねじられ、ループされる等している。
ガイドボウ1は、したがって使用中は、摺動ガイド29によって、予め画定された経路に導入されるか、又は少なくとも制限される。ガイドボウ1は、したがって、スリーブ7に対して、摺動ガイド29によって示される経路に沿ってのみ移動され、又はそこから制限されてもよく、且つ/或いは所定の位置でのみ摺動及び/又は旋回及び/又は回転し得る。
ガイドステップ31を摺動ガイド29の中へと導入することもまた、形態嵌合連結、又は確動ばね溝連結と呼ばれてもよい。
図3の例では、摺動ガイド29に沿った湾曲点又は屈曲点で、且つその一部として、複数の延長部33が設けられている。その長手方向軸線は、ほぼ又は専ら、それぞれスリーブ7の周方向13に延びることが好ましい。このような延長部33は、いわゆるスナップイン位置35を、周方向13の反対側にあるスリーブ7の側面に標識又は符号化し、後述するボルト又はスナップインピン39が、その中にスナップイン又は係合され得る。スナップイン位置35は、周方向13に縦穴として設計されてもよい。スナップイン位置35、及びその機能については、図5でより詳細に説明される。スナップイン構成15の構造及び機能についても、図5でより詳細に説明される。
図4は、ガイドボウ1の上部に挿入される、本発明による図3の位置決め装置の一部を示す。この図では、ガイドステップ31は、ガイドボウ1と一体化して配置されている。スリーブ7は、スリーブ用のガイドボウ1の受け部、スリーブガイド2の中で受けられる。摺動ガイド29は、スリーブガイド2によって隠されており、最下部にある溝状の延長部33のみが認識できる、又は見られる。
さらに、図4は、ロックねじ17(図1を参照)を受けるための、円錐状の段差を有する内ねじ28を示す。
図5は、本発明による図3の位置決め装置100の一部を別の図で示す。複数のスナップイン位置35、並びに位置制御用の印37が見られる。図5の表示は、図3及び図4の表示に対して、周方向13に180度回転されている。
溝状の延長部33、摺動ガイド29(図3を参照)、及び印を有するスナップイン位置35は、位置制御37(「1」、「2」、及び「4」、位置「3」は隠されていて見えない)に対応する。例えば、印「1」は、最上のスナップイン位置に対応し、これは、図5ではボルト39でスナップインされる。この構成は、図3及び図4の構成に対応し、そこでは、ガイドステップ31は、摺動ガイド29の最上の溝状の延長部33に示されている。
スナップイン構成15、そしてガイドボウ1をロックすることにより、スナップイン構成15が一体化され、スリーブ7に対するロックによって固定されるか、又はスリーブ7に対する更なる移動又は回転が制限され、これは、スリーブ7の所定の位置、及び予め画定された位置における、ボルト39とスナップイン位置35との間の形態嵌合連結、又は確動連結によって生じる。ボルト39をスナップイン位置35にスナップインする前に、ボルト39は、特に、ばねによって達成される、予荷重によってスリーブ7に作用してもよい。ボルト39は、次に、スリーブ7に沿って(擦られるように)導入される。
スナップイン位置35は、長穴として設計されるが、その他任意の形状を有してもよい。長穴形状のスナップイン位置35において、ガイドボウ1は、長穴内でスリーブ7の周方向13に移動することができる。スリーブ7におけるガイドボウ1の、いわゆる遊びは、横止め式ねじ21を髄内釘19に位置決め及びねじ止めするのを容易にすることができる(図2を参照)。
位置制御用の印37(「1」、「2」、及び「4」)は、位置決め装置100の使用者のための、ガイドボウ1の回転方向、及び/又は角度の情報に対する視覚的補助であり、したがって配向の補助である。使用者は、これらの印37を利用して、スナップイン位置35の状態を容易に決定又は見極めることができる。
ボルト39のスナップイン位置35のうちの1つに対するロックは、スナップイン構成によって生じる。ボルト39がスナップイン位置35に挿入されているスナップイン状態では、図5にあるような二重板ばね41等の張力装置が、(ボルト39の延長部に対応して)ボルト構成43を押して、スナップイン位置35の中に位置決め又は横止めする。ボルト39のスナップイン位置35からの望ましくない滑脱が、これによって有益に防止され得る。スナップイン位置35からの切り離しは、特に手動で、レバー45を押し下げることによって(又は別の適当な装置を作動させることによって)もたらされ、例えばギヤ連結47によって、ボルト構成43、そしてボルト39を引き抜く、又は切り離す。切り離した後に、ガイドボウ1は、摺動ガイドの経路に沿ってスリーブ7に対して再び移動されてもよく、例えば、別のスナップイン位置35に配置されてもよい。
図6は、本発明による位置決め装置100の構成部品を示し、これは図5に見られるように、少なくともガイドボウ1の一部によって隠されており、図4で既に説明したように、スナップイン構成15を隠している。
この例では、ガイドボウ1は、4つのスナップイン位置35を全て隠しており、その結果、使用者は、ボルト39がどのスナップイン位置35にスナップインされるかを最初は認識できない。このため、位置制御用の印37が、必要に応じてスリーブ7の上面に設けられる。図5に比べて、印37が、「1」すなわち上方の印37を示している、又は指しているので、ボルト39は、上方のスナップイン位置35にあることが、図6から分かる。
図7は、長穴を有し、且つ髄内釘19に連結されている、スリーブ7に挿入されたガイド装置9を示す。
スリーブ7は、例として、2本のバー49(図7では前部バー49のみが見えている)によって髄内釘19に連結され、バー49は、髄内釘19の溝の中に、形態嵌合連結、又は確動連結で挿入される。この連結は、ばね溝連結と呼ばれてもよい。スリーブ7を髄内釘19に固定するために、任意選択のねじ51(外ねじ)が、ガイド用装置9の下端に、存在する場合は髄内釘19の内ねじにねじ込まれる。髄内釘19は、回転も摺動もできない方法で、このようにスリーブ7に固定(適合)される。髄内釘19に対するスリーブ7の位置は、したがって、長手方向及び周方向の両方で固定されることが好ましい。
図8は、スリーブ7がなく髄内釘19のみを有する、図7のガイド装置9を示す。
図9は、図7のガイド装置9を、ガイド装置9の下端に外ねじ51を有する単一の部品として示す。
図10は、本発明による位置決め装置100の別の実施形態を示す。
調節装置3は、円形の開口を有する、球状面の一部として設計される。調節装置3の形態又は形状は、同様に、球状面の代わりに、単に必要に応じて湾曲した、又は直線状の、異なるように設計された上面を有してもよい。
調節装置3は、ガイドボウ1に固定される(この固定についてのより詳細な説明は、図22及び図23に記載される)。
調節装置3の中心又は中央領域にある例示的な円形の開口は、標定装置5、及び(横止め式ねじ21を挿入する役目を果たす)器具23を導入するために設けられる。器具23の長手方向軸線は、球状面に垂直である。器具23の長手方向軸線の延長部は、髄内釘19の孔又は貫通開口の中心を通って延びる。
器具23は、標定装置5の中に導入される。標定装置5は、必要に応じて、器具23の中央ガイドの周囲で、環状に同心円配置された溝、ノッチ、又は突起を有する殻様に形成される。殻様に形成された標定装置5は、中殻と呼ばれてもよく、径方向から見て、調整装置3に対応する外殻と、ガイドボウ1の殻様の面に対応する内殻との間に配置される。
標定装置5、すなわち中殻は、内側と外側との間で移動又は摺動されてもよい。この移動において、ばねによって径方向に支持された任意選択のピン53が、標定装置5の環状の溝又はノッチに係合する。器具23、そして横止め式ねじ21の画定された且つ正確な位置決めが、こうして可能になる。溝同士の間の距離は、標定装置5の特定且つ所定のたわみに対応し、角度又は度数で示されてもよい。この実施形態では、2つの環状の溝同士の間のたわみは、角度又は1度(1°)の度数に対応する。ピン53がばねによって支持され、このピンが溝の中に係合するこの原理又はコンセプトは、ばねピンのコンセプトと呼ばれてもよい。
標定装置5の径方向外面で、ばねによって径方向に支持されたピン53の配置が図2に示されており、ここでは、調節装置3(外殻)は、より明確にするために取り外されている。
図10の配置により、器具23(及び横止め式ねじ21)が、中央にある中心の初期位置(この初期位置は、図10、図11及び図12に示されており、ゼロ度位置(0°)と呼ばれる)と比較して、所望又は所定の度数(又は度数範囲)から、例えば、10度(10°)偏向させることが可能になる。
(ピン53と、標定装置5の環状の溝との間の)任意選択の形態嵌合連結、又は確動連結と、(中殻と外殻との間の)摩擦連結との組み合わせによって、横止め式ねじ21をねじ込む、又は固定するための器具23の位置の固定が可能になる。
標定装置5は、必要に応じて、標定装置5の下に配置された構造の円形部分に載せてもよい。このようにして、標定装置5は、好ましくは目標点から一定の距離で導入されることが保証され得る。
図11は、調節装置3(外殻)、標定装置5(中殻)、ガイドボウ1(内殻)、スリーブ7、髄内釘19、及び横止め式ねじ21を挿入するための器具23を有する、図10の詳細図を示す。さらに、別の横止め式ねじ21’を横止めする、又はねじ込むための、移動しない器具23’(標定装置3は、ガイドボウ1に対して移動しない)が示されている。
図12は、標定装置5(中殻)におけるピン53の位置を示すために、調節装置3(外殻)を取り除いた、図11の図を示す。
図13は、本発明による位置決め装置100’’の別の実施形態を示す。
ガイドボウ1は、この実施形態では2分されている。スリーブガイド2を備える、2分されたガイドボウ1の第1の部分(図13では左側部分)は、例示的に直線状であり、且つスリーブ7の長手方向軸線11にほぼ垂直に延びている。ガイド装置9は、スリーブ7の中に導入され、ガイド装置9は、例えば、六角形のターナー等の工具55が、例えば髄内釘19をロックするために、長手方向軸線11に沿って導入される。あるいは、工具55ではない他の物が、ガイド装置9によってガイドされてもよい。
第1の部分は、ガイドボウ1の第2の部分(図13では右側部分)に連結される。第2の部分は、標定装置5を備える。2つの部分の連結は、例えばコネクタ57によって達成されてもよい。図13ではガイドボウ1で隠されており、且つ図4で別のスナップイン構成15’として詳細に説明されるスナップインピン39(又はスナップイン構成のボルト)が、コネクタ57の中に導入される。スナップインピン39は、少なくとも1つのレバー59、若しくは異なるように設計された構成によって、作動又は移動されることが好ましい。レバー59の機能については、図14でより詳細に説明される。
ガイドボウ1の第2の部分は、調節装置3、並びに標定装置5を備え、これは、図13に分解図で、すなわち組み立てられていない状態で示されている。組み立てられた状態では、調節装置3は、図14に示されているように、上端(図13の表示を参照)でコネクタ57等に連結される。
調節装置3は、例えばその下端で、連結ねじ65によって、ガイドボウ1の第2の部分に連結又は固定される。
標定装置5は、いわゆる回転式締め具67によって、調節装置3とガイドボウ1の第2の部分との間に固定される。
標定装置5の機能に関しては、図10の説明を参照されたい。
図14は、図13の実施形態の別のスナップイン構成15’を詳細に示す。
スナップイン構成15’は、スナップインピン39の、スナップイン位置35への磁気的に支持された固定に基づく。磁気的な結合は、磁石又は磁性材料によって、或いはここでは2つの磁石61、63によって実現され、これらはスナップインピン39の外側端部に配置されてもよく、互いに向かい合って異なる極性を有する。第1の磁石61は、例えばコネクタ57及び/又はガイドボウ1に連結されてもよい。第2の磁石63は、スナップインピン39の外側端部に連結されてもよい。レバー59によって、2つの磁石は押し離されてもよく、こうしてスナップインピン39を切り離す、又は引き抜く。このために、レバー59は、矢印60の方向に内向きに押圧され、その結果、スナップインピン39及び磁石63は、角度付けされた、又は傾けられたレバー59により外向きに押される。
図15は、スナップインピン39、ハンドピース71、渦巻ばね69、及びねじ99を有する、別のスナップイン構成15’を示す。組み立てるために、部品A及びBは、まずガイドボウ1に、矢印の方向に導入される。次に、部品D及びE(スナップインピン39、ハンドピース71、渦巻ばね69)が、ガイドボウ1に矢印の方向に導入される。その後、ねじ99(部品E)が、ガイドボウ1にねじ込まれて、ガイドボウ1にスナップインピン39、ハンドピース71、及び渦巻ばね69を固定する。この組み立て工程中に、ハンドピース71は、角度範囲内で、中空のガイドボウ1を通って押圧される。次に、ハンドピース71は、角度範囲内で、ガイドボウ1から突出する。このスナップインされた状態において、渦巻ばね69は、圧縮され、且つ予め応力を与えられる。スリーブ7のスナップイン位置35からスナップインピン39を切り離すために、スナップインピン39は、ガイドボウ1においてハンドピース71を手で押圧することによって外向きに引っ張られ、スナップインピン39は、スナップイン位置35から引き抜かれ、且つ渦巻ばね69が更に圧縮される。ガイドボウ1を新たに位置決めした後に、スナップインピン39は、ハンドピース71を内側に戻すことによって、且つ渦巻ばね69を最初の状態に戻るまで緩めることによって、スリーブ7のスナップイン位置35のうちの1つに戻ってスナップインされ得る。
図16は、板ばね73及びレバー75を有する、別のスナップイン構成15’を示す。図15に示すように、板ばね73は、レバー75を押し下げることによって、且つ/又は張力によって引っ張られる。板ばね73が引っ張られるのと同時に、スナップインピン39が、ハンドピース71によってスナップイン位置35から引き抜かれ、且つそこから切り離される。ガイドボウ1を新たに位置決めした後に、スナップインピン39が、スリーブ7の別のスナップイン位置35に再度運ばれ、且つそこでロックされてもよい。
図17は、スリーブ7のスナップイン位置35に上部から斜めに挿入される、スナップインピン39(スナップインピン39は、プラグ−インボルトと呼ばれてもよい)を有する、別のスナップイン構成15’を示す。
図18は、スリーブ7のスナップイン位置35に横方向に挿入するスナップインピン39を有する、別のスナップイン構成15を示す。スナップインピン39は、ハンドピース71、及び任意選択のねじ77を作動又は回転させることによって、スナップインされた後で固定されてもよい。
図19は、図13の実施形態の、2分された標定装置5を示す。標定装置5の2つの部分は、例えば、ねじ79によって互いに螺合されてもよい。2分された標定装置5の、図15における左側部分の外ねじは、標定装置5の、図15における右側部分の内ねじにねじ込まれる。
2分された標定装置5によって、様々な利点が得られる。例えば、異なる材料の組み合わせ(例えば図2に見られる、横止め装置、若しくは横止め式ねじを挿入するための器具23、23’を導入する、コネクタの剛性が高まる)、又は標定装置5の剛性の増強がもたらされる。
図20は、調節装置3をガイドボウ1に固定するためのスナップイン装置81を有する、調節装置3の側面図を示す。矢印の方向は、ガイドボウ1上、又はガイドボウ1に、調節装置3を閉じる、ロックする、又はスナップインする方向を示す。スナップイン装置81は、特に、スナップイン工程中に、弾性的に変形又は屈曲され、その結果、スナップイン装置81は、スナップインされた後に、ガイドボウ1に掛止される。スナップイン装置81は、切り離すために、弾性的に、又は上に曲げて開かれてもよい。
切り離された状態において、標定装置5は、例えば、置換又は適合されてもよい。
図21は、器具23(図22を参照)用の穴配置83を有する、別の標定装置5を示す。例えば、図11又は図12における標定装置5の実施形態では、標定装置5は、穴を1つのみ有し、標定装置5は、ガイドボウ1と調節装置3との間で、複数の方向に三次元で移動可能であるが、これと比較して、図21の標定装置5は、1つの軸線(円筒形の標定装置5の中央軸線)の周囲でのみ回転可能である。この移動の制限は、例えば、各穴で器具23の角度を制限して、位置決め装置100によって横止め式ねじ21を配置する角度を制限するのに有益な場合がある。
標定装置5は、ロックねじ85によって固定されてもよい。
図22は、ガイドボウ1、調節装置3、スリーブ7、髄内釘19、標定装置5、並びに横止め式ねじ21を挿入するための器具23を有する、図10の位置決め装置100’の別の図を示す。図10に示す環状に配置された溝は、図22の簡略化された図には示されていない。
調整装置3は、(例えば)4つの(任意選択の)点状の固定部によって、ガイドボウ1に連結される。
図23は、図22の位置決め装置100’を断面図で示す。
図24は、フラップのコンセプトで調節装置3をガイドボウ1に固定する、図22の位置決め装置100’を断面図で示す。この例示的な実施形態では、フラップのコンセプトでは、調節装置3の片側に、2箇所のみ(又は必要に応じて1つのみ)の点状の固定部87を有する。固定部87は、例えば、接合部として設計されてもよい。反対側では、調節装置3が、蝶ねじ89(又は偏心器、スナップフック等)によってガイドボウ1に連結される。この連結によって、調節装置3は、ガイドボウ1の中に押圧され、又は押し込まれ、その結果、標定装置5は、調節装置3とガイドボウ1との間で締め付けられる、又は固定される。
このフラップのコンセプトによって、例示的に、有益には、標定装置5を置換することが可能になる。
図25は、ばねのコンセプトによって調節装置3とガイドボウ1との間に移動可能に配置された、標定装置5を示す。この実施形態では、標定装置5は、2つの部分又は殻を有し、その間に渦巻ばね91が配置される。渦巻ばね91によって、上部(図25を参照)が押し上げられる。結果として、上側に配置された突起93は、調節装置3の下側の孔(若しくは溝)95に収められる、又はスナップ嵌めされる。例えば、10個の突起93及び孔95が、上側又は下側に、それぞれ配置されてもよい。
図26は、ねじのコンセプトによって調節装置3とガイドボウ1との間に移動可能に配置された、別の標定装置5を示す。ねじ97によって、標定装置5の上殻が、調節装置3の下側に押圧されてもよく、且つ標定装置5の下殻の下側は、ガイドボウ1の上側に対して押圧され、且つ固定されてもよい。
図27は、本発明による位置決め装置100’’’の別の実施形態を示す。
(図27の)第1の部分1aは、特に解放可能に、スリーブガイド2に連結される。あるいは、この連結は、はんだ接続、溶接、又は接着接続等の、解放不能な材料接着接続であってもよい。材料接着、一体化接続は、例えば、鋳造及び/又は機械加工で作られた材料製の、一体部品であってもよい。第1の部分1aは、例えば、レーザー焼結法、又は高速試作法によって、造形的な製造方法で製造されてもよい。
ガイドボウ1の第2の部分1bは、1つの部品、又は複数の部品として製造されてもよい。
第1の部分1a、及び第2の部分1bは、形態嵌合及び/又は部材接続によって、境界面101で、互いに連結されてもよい。例えば、第2の部分1bは、第1の部分1aの中空の端部の中に入る段差によって形態嵌合されるか、又は確実に押し込まれてもよい。この形態嵌合連結は、その後、1つ又はいくつかのボルト103によって固定されてもよい(ボルト103は、ダウエルピンであってもよい)。形態嵌合及び/又は部材接続は、接着によって更に固定されてもよい。接着は、長時間の使用、及び多くの機械的応力を受けた後であっても、遊びのない連結を確実にするのに有益な場合がある。遊びのない連結は、本発明による位置決め装置100’’’によって、髄内釘を正確に位置決めして治療を成功させるために、重要な場合がある。
スナップインピン39、ハンドピース71、渦巻ばね69、及びねじ99のガイドボウ1への取り付けは、図13で説明されている通りに行われる。また、図27の実施形態では、小さいピン105(ピン105は、ピンと呼ばれてもよい)が、スナップインピン39に固定又は連結される。渦巻ばね69及びピン105は、渦巻ばね69が、スナップインピン39のピン105を通って移動又は押圧されることが可能になるように、通常は、最初に機械的弾性的に変形されるように設計される(図27では、渦巻ばね69は、ピン105によって、ハンドピース71の方向に左に移動される)。このようにして、渦巻ばね69は、新たに弾性変形されることなく、スナップインピン39から個別に切り離すことはできない。これには、渦巻ばね69を取り外すことなく、この構成の殺菌が実施され得るという利点がある。
回転式締め具67は、取り付けられた状態で、標定装置5、及び調節装置3をガイドボウ1に連結且つ固定する。回転式締め具67は、図31でより詳細に説明される。
標定装置5は、少なくとも1つの面に、(図27では右側に)同心リング109を含む。これらの純粋に視覚的なリングは、使用者が標定装置5の現在の位置を制御又は配向するのに役立ち、回転式締め具67と調節装置3との間で移動することができる。
さらに、標定装置5は、中心のスリーブ形状の突起の円周に、長手方向スリット111を有する。長手方向スリット111は、横止め式ねじ(図11を参照)を挿入するための器具23を挿入するときに、環状突起を弾性的に変形させる働きをする。変形されていない状態では、突起の内径は、器具23の直径よりもわずかに小さい。突起は、器具23の挿入中は、弾性変形され、且つ拡張され、その後、突起と器具との間の摩擦抵抗に対して加えられた作用、又は力によって、能動的に移動又は回転されてもよい。摩擦抵抗により、器具は、能動的にのみ移動でき、抜ける又は切り離されることはない。この種の締め付けは、器具23が、手で永続的に固定且つ保持され得ないが、なお所定の位置に残存する必要があるときに有益である。
ガイドボウ1の第2の部分1bは、横止め式ねじを挿入するための、別の器具23’(図11を参照)用の孔として、位置決め補助部27を備える。この位置決め補助部27は、一端(図27では左側)に、(隠れている)長手方向スリット113も備え、これは、長手方向スリット111と同一の機能を有する。したがって、位置決め補助部27の孔に押し込まれる器具23’は、一方では移動可能であるが、他方では、抜ける又は切り離されるのを防止するために、摩擦抵抗によって締め付けられる。
さらに、第2の部分1bは、連結ピン、特にダウエルピン用の孔115を有する。ダウエルピンによって、第2の部分1bは、例えば、別の横止め式ねじを髄内釘に挿入するための、位置決め補助部用の別の孔を設けるために、特に、(図27には示されていない)延長部に連結されてもよい。
図27に示す部品は、1つ又は異なる材料で作製されてもよい。好ましくは、第2の部分1bの部品、調節装置3、標定装置5、及び回転式締め具67は、プラスチックで作製され、残りの部品は、1つ又は異なる金属材料で作製される。例として、プラスチック部品は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、強化されたPEEK繊維、異なる濃度の繊維で強化されたPEEK繊維、ポリオキシメチレン(POM)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ポリアリルスルホン、特に、ポリフェニルスルホン(PPSU)のうちの1つ、又は様々なプラスチックから作られるか、又はこれらを含んでもよい。例として、金属で作られた部品が、このような材料で作られるか、又はこれらを含んでもよい。ステンレス鋼は、硬化及び/又はブラストされてもよい。
図28は、1つの部品図で、図27のスリーブ7を示す。スリーブ7の長手方向軸線11は、髄内釘19の長手方向軸線に対応し、髄内釘19は、ガイド装置9(図13を参照)によって、左端(図28を参照)に適合及び固定されてもよい。例えば、髄内釘19の貫通深さを制御するために、ミリメートル単位の印がスリーブに付けられている。
図3〜図7のスリーブ7の実施形態と比較して、スリーブ7は、摺動ガイド29を備えていない。
図29は、長手方向軸線11の周囲で90度回転させた表示で、図28のスリーブ7を示す。
図30は、スリーブ7を、図29に示す切断面に対応する、半断面図A−Aで示す。
ガイドボウ1は、例えば、図10及び図15で上述した位置決め装置100の構成に従って、スナップインピン39によって、スリーブ7に対して位置決めされる。
この位置決めは、ここでは例示的に、スナップインピン39が、スリーブ7の異なる複数の孔107に位置決めされ得ることを介して達成され、且つこの位置決めによって、横止め式ねじ21は、器具23、及び標定装置5を用いて、髄内釘19に、そして周囲の長骨に固定される。
本発明による位置決め装置100の使用者は、したがって、複数の所定の孔107から、横止め式ねじ21を位置決め及び固定したい孔を選択して、髄内釘19及び長骨にそれぞれ固定することができる。この選択において、スナップインピン39は、迅速且つ正確に固定できるように、例えば、場合によっては、所定の孔107同士の間でのみ移動されるべきである。この目的を達成するために、スナップインピン39の移動可能性は、例えば、刻み目が付けられた領域119によって制限される。図28において矢印121で示す、その長手方向軸線に沿ったスナップインピン39の移動方向は、例えば、止め具によって必要に応じて制限され、その結果、スナップインピン39は、好ましくは、スリーブ7の外径を超えて抜かれることはない。領域119内での移動可能性は、図28ではギャップ123で明示されている。
位置決め装置100が取り付けられた状態では、孔107は、必要に応じてガイドボウ1のスリーブガイド2によって隠されている。使用者をスナップインピン39の実際の位置に向かわせるために、隠されていない領域で、番号付け等をした印125が、スリーブ7に刻印されるか、又は付けられることが好ましい。この印は、それぞれ関連する孔107に対応する。
図28〜図30の実施形態の領域119は、単に例示的なものである。例えば、領域119は、スナップインピン39を導入する可能性を制限するため、そして孔107へのより迅速且つ正確な位置決めを可能にするため、又は選択するために、より狭く且つ小さくてもよい。
孔107は、スナップインピン39を孔107に挿入するのを容易にするために、必要に応じて面取り部が設けられる。複数の孔107は、遊びのない位置決めを可能にするために、間隔が空けられることが好ましい。
図31は、別の回転式締め具67を示す。この実施形態では、回転式締め具67は、特に、手で締め付け及び解放するための、非対称な噛み合い輪郭、又は外周輪郭若しくは外部輪郭を有する。
図31の任意選択の非対称の噛み合い輪郭は、鋸歯輪郭と呼ばれてもよい。回転式締め具67は、例えば、(図31の表示に関連して)回転方向129の時計回りの方向に締められ、且つ反時計回りに解放される。時計回りの方向にある側面は、解放用の側面よりもずっと平らである。ここでは、小さなトルクのみが印加され得る。トルクが過剰に増やされると、使用者が手で締め付けている間に、接触している手又は指が、ナブ131を超えて滑る。このようにして、有益には、回転式締め具を締めるために過剰に大きなトルクが印加されないことが達成され得る。非常に大きなトルクは、プラスチックで作られることが好ましい、この部品の損傷や破壊を引き起こす場合がある。好ましくは、本実施形態では、解放するために回転式締め具にトルクを印加するほうが、締めるためにトルクを印加するよりも簡単である。したがって使用者は、自分自身が手で締めた回転式締め具を、やはり確実に手で解放することができる。
あるいは、回転式締め具67を完全に手で作動させる代わりに、工具が使用されてもよい。
半径133及び135によって、側面の異なる傾きが定義される。例として、半径133は約6mmであってもよく、且つ半径135は約49mmであってもよい。
100、100’、100’’、100’’’ 位置決め装置
x ガイドボウに沿った調節装置の移動方向である、x方向
y ガイドボウに沿った、調節装置の移動方向に垂直な方向であって、スリーブの周方向である、y方向
1 ガイドボウ
1a ガイドボウの第1の領域又は部分
1b ガイドボウの第2の領域又は部分
2 スリーブガイド
3 調節装置
5 標定装置
7 スリーブ
9 ガイド装置
11 スリーブの長手方向軸線
13 スリーブの周方向
15、15’ スナップイン構成
17 ロックねじ又は保持ねじ
19 髄内釘
21、21’ ロック装置、ロックねじ
23、23’ ロック装置又は横止め式ねじを挿入するための器具
25 貫通開口
27 位置決め補助部
28 内ねじ
29 摺動ガイド
31 ガイドステップ又はランディング
33 スリーブの周方向における摺動ガイドの溝形延長部
35 スナップイン位置(スリーブの長穴)
37 位置制御用の印
39 スナップインピン(スナップイン構成のボルト)
41 板ばね
43 ボルト構成
45 レバー
47 ギヤ連結
49 スリーブのバー
51 ねじ
53 ばねによって径方向に支持された、又は弾性的に支持されたピン
55 工具
57 コネクタ
59 レバー
60 レバーの移動方向(矢印方向)
61 磁石
63 磁石
65 連結ねじ
67 回転式締め具
69 スナップインピン用の渦巻ばね
71 ハンドピース
73 板ばね
75 レバー
77 スナップインピンのねじ
79 2分された標定装置のねじ、又は2分された標定装置用のねじ
81 スナップイン装置
83 穴配置
85 ロックねじ又は保持ねじ
87 点形状又は点状の固定部
89 蝶ねじ
91 標定装置の渦巻ばね
93 標定装置の上面の突起
95 調節装置の底面の孔又は穴
97 標定装置のねじ
99 ねじ
101 ガイドボウの第1の部分と第2の部分との間の境界面
103 ボルト(ダウエルピン)
105 ピン
107 スリーブの孔
109 標定装置の同心リング
111 標定装置のスリーブ状の突起の長手方向スリット
113 位置決め補助部の長手方向スリット
115 ダウエルピンの孔
117 ミリメートル単位の印
119 スナップインピンによる移動範囲
121 スナップインピンの移動方向
123 スナップインピンを動かすためのギャップ幅
125 印
127 面取り部
129 回転式締め具の回転方向
131 ナブ
133 回転式締め具の第1の半径
135 回転式締め具の第2の半径

Claims (17)

  1. 長骨に髄内釘を位置決め及び/又は固定するための位置決め装置であって、
    ガイドボウ(1)であって、
    調節装置(3)であって、前記調節装置(3)は、少なくとも1つの標定装置(5)を有し、前記標定装置(5)は、ロック装置(21)、又は前記ロック装置(21)に作用する器具(23)を少なくとも部分的に受けるように設計される、調節装置(3)と、
    スリーブ(7)を有するスリーブガイド(2)であって、前記スリーブ(7)は、前記スリーブガイド(2)に対して回転及び/又は摺動できるように前記スリーブガイド(2)に取り付けられ、前記スリーブ(7)は、ガイド装置(9)を受けるための長手方向の貫通開口を有する、スリーブガイド(2)とを、
    有するか、又はこれらに連結される、ガイドボウ(1)を備える、
    位置決め装置。
  2. 前記スリーブ(7)に挿入されるガイド装置(9)を更に備える、請求項1に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  3. 前記スリーブ(7)及び/又は前記ガイド装置(9)が、解放可能に髄内釘(19)に連結されるための連結部を更に備える、請求項1又は2のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  4. 前記スリーブ(7)が、ある部分、特に、前記ガイドボウ(1)の、又は前記スリーブガイド(2)のガイドステップ(31)を前記スリーブ(7)に沿ってガイドし、又はその逆に導入する摺動ガイド(29)を更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  5. 前記ガイドボウ(1)が、少なくとも2つの位置間で移動可能なスナップインピン(39)を備え、前記スリーブ(7)が、前記スナップインピン(39)を挿入又はスナップインするための少なくとも1つのスナップイン位置(35)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  6. 前記スナップイン位置(35)が、前記スリーブ(7)の周方向(13)に配置される縦溝(33)を有し、前記縦溝(33)が、前記スナップインピン(39)が前記スナップイン位置(35)にあるときに、前記スナップインピン(39)を前記スリーブ(7)の前記周方向(13)に動かすことを可能にする、請求項4又は5のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  7. 前記スリーブ(7)が、前記スリーブ(7)に対する前記ガイドボウ(1)の位置を制御又はモニタするための印(37)を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  8. 前記ガイド装置(9)が、外ねじ(51)を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  9. 工具(55)を導入するための前記ガイド装置(9)が、中空の内部を有し、長手方向の開口を有し、且つ/又は管状である、請求項8に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  10. 前記調節装置(3)が、前記標定装置(5)と共に前記ガイドボウ(1)の長手方向(x方向)に移動可能になるように配置され、前記標定装置(5)が、前記位置決め装置(100、100’、100’’)の使用中に前記髄内釘(19)に位置合わせされる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  11. 前記ガイドボウ(1)が、少なくとも部分的に、円形のボウとして設計され、前記調節装置(3)が、少なくとも部分的に前記円形のボウに沿って移動可能になるように配置される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  12. 前記標定装置(5)が、前記髄内釘(19)に面し、前記調節装置(3)を通って到達する、又はこれを通過する開口(25)を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  13. 前記ガイドボウ(1)が、前記円形のボウに沿って、前記調節装置(3)の変位経路を制限するための停止部を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  14. 前記標定装置(5)が、前記ガイドボウ(1)の長手方向(x方向)に、且つ前記ガイドボウ(1)の前記長手方向(x方向)に垂直な方向(y方向)に、変位可能又は移動可能な、請求項1〜13のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  15. 前記標定装置(5)が、前記調節装置(3)に配置され、これに対して変位可能な、請求項1〜14のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  16. 前記標定装置(5)が、前記標定装置(5)を前記調節装置(3)に対して動かすために、少なくとも第1の位置で移動可能に配置され、且つ前記標定装置(5)を前記調節装置(3)に対して解放可能に固定するために、少なくとも第2の位置で移動不能に配置される、請求項15に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
  17. 髄内釘(19)に解放可能に連結される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の位置決め装置(100、100’、100’’)。
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