JP2017522413A - 低起泡性多酵素洗浄剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、医療機器を洗浄するための洗浄組成物に関連する。本発明の洗浄組成物は、酵素活性保護剤複合体と、酵素系と、1種以上の制御ポリマーと、界面活性剤と、有機溶媒と、キレート剤、湿潤剤、保存剤及び水から選択される添加物と、を含む。特に、本発明の洗浄組成物は低起泡性多酵素洗浄剤で、酵素洗浄と、硬水スケールの抑制と、スケールの生成に起因する錆の抑制とに関し優れた効力を有する。本組成物は、優れた湿潤性能及び洗浄性能により、光沢を更にもたらす。本発明はまた、洗浄組成物を調製するプロセスと、本発明の洗浄組成物を使用して医療機器を洗浄する方法と、にも関連する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年6月24日に出願されたインド特許出願第3067/CHE/2014号の優先権を主張するものであり、この出願の開示内容全体は本明細書において参照により援用される。
本開示は、医療機器を洗浄するための洗浄組成物に関連する。いくつかの実施形態において、本洗浄組成物は、酵素洗浄に関し優れた効力を有する低起泡性多酵素洗浄剤である。いくつかの実施形態において、本組成物は、硬水スケールの沈着と、かかるスケールの生成に起因する錆とを抑制する。いくつかの実施形態において、本組成物は、優れた湿潤及び洗浄性能により、光沢を更にもたらす。
1人の患者に使用した後及び他の患者の処置に先立って医療機器を洗浄することは、通常の業務である。交差感染の可能性を最小限に抑えるため、1人の患者に使用された機器は、他の患者に使用された機器とは別々に洗浄されるのが望ましい。洗浄された機器は十分にすすがれ、更に殺菌又は滅菌処置を受ける。洗浄は、通常は、まずこすり洗いによって血液、組織、落としやすいタンパク質様物質及び他の汚れを除去し、次いで、機器の表面上に残ったタンパク質様物質を更に分解又は落としやすくするように調製された酵素剤に所定の時間浸漬して行われる。この目的のために使用される典型的な洗浄溶液は、界面活性剤及びキャリアの他に、1種以上のタンパク質分解酵素を含む。このように調合された洗浄溶液は、低起泡性を呈すると同時に高pH及び高温で安定であるように注意を払わなくてはならない。更に、酵素及び界面活性剤を含む洗浄調合物は、概ね濃縮物からなる。濃縮物は、通常、使用に先立ち、使用濃度に希釈される。ここでもまた、かかる希釈によって、調合物の安定性及び洗浄効力が変化しないよう留意しなくてはならない。
世界中のほとんどの病院において、医療機器又は手術器具の洗浄が、手作業から自動洗浄へと移行しつつある。典型的には、自動洗浄は、洗浄器/消毒器又は超音波洗浄器において、それぞれ90℃又は40℃〜70℃で行われる。指針により、病院では高品質の逆浸透水の使用が求められる場合もあるが、洗浄用設備が大容量であることが原因となり、現状では、多くの病院において非常に高硬度の硬水が使用される傾向がある。これによって、洗浄器の内壁上にスケールが付着することとなる。その結果、高温で作動するこれらの機器からスケールを取り除く必要性は増加し続けており、世界中の病院において現実の問題になっていると思われる。更に、スケールの除去作業は、典型的には数ヶ月に一回程度、保守管理の一環として行われるだけで、その際には、機器の運転が停止され、手術器具の洗浄は行うことができない。そのため、典型的には、医療機器に硬水のスケールが強力に付着することになり、腐食が生じ、やがて光沢が低下する。
多種多様な洗浄組成物が、当該技術分野において既知である。例えば、医療機器の洗浄方法及び組成物が国際公開第0176647号に開示されており、この組成物は、酵素、第四級アンモニウム化合物の殺生物剤、及び活性保護剤を含有する。酵素を含有する洗浄組成物は、更に、英国特許第2360041号、国際公開第200318734号及び国際公開第200809053号に開示されている。これらの文献に開示された組成物は、概して、酵素系、界面活性剤又はヒドロトロープ、及び水性キャリアを含む。
しかしながら、当該技術分野において既知の酵素洗浄剤は、硬水スケール及び腐食を効果的に抑制することができない。これは、硬水スケールの阻害物質及び腐食の抑制物質が本来的に高酸性であり、酵素を急速に失活させてしまうことによる。更に、界面活性剤又はポリマーは活性保護剤又は酵素のいずれかと迅速に反応する傾向があり、系全体を不安定化させる。
上記に鑑みると、表面のタンパク質様物質、デンプン及び脂肪等の高分子を小分子に効果的に分解することができ、同時に、硬水スケールの付着及び腐食を抑制することができる、医療器具洗浄用の液体組成物を考案することが強く求められているのは明らかである。いくつかの実施形態において、かかる組成物は低起泡性を呈し、器具の光沢を維持するであろう。
(目的)
したがって、一実施形態において、本開示は、酵素洗浄に関し優れた効力を有する、医療機器洗浄用の洗浄組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、本洗浄組成物は、放置すれば錆の発生につながる、硬水スケール及び強力な付着を抑制する。
いくつかの実施形態において、本洗浄組成物は本来的に低起泡性であり、優れた湿潤性能及び洗浄性能を有する。
いくつかの実施形態において、本洗浄組成物は機器の高い光沢を維持する。
本開示のいくつかの実施形態の態様を、添付の図面に図示する。
図1A〜1Dは、本開示の例示的な組成物による、ステンレススチールプレートに対する硬水スケール洗浄性能を、市販の既知製品と比較して示す。
本開示は洗浄組成物に関し、本組成物は、少なくとも1種の酵素活性保護剤複合体と、酵素系と、カルボン酸基、ピロリドン基、及びこれらの組合せからなる群から選択される複数の金属イオン錯化基を含む1種以上の制御ポリマーと、少なくとも1種の界面活性剤がイオン性界面活性剤であり、かつ少なくとも1種の界面活性剤が両性界面活性剤である、少なくとも2種の界面活性剤と、有機溶媒と、水と、を含む。いくつかの実施形態において、本組成物は、キレート剤、湿潤剤、及び保存剤等の1種以上の添加物を含んでもよい。
本開示はまた洗浄組成物の調製プロセスにも関し、このプロセスは、(a)少なくとも1種の酵素活性保護剤複合体と、有機溶媒と、少なくとも1種の界面活性剤と、を含む安定なミセル複合体を形成することと、(b)制御ポリマーのpHを少なくとも10まで、いくつかの実施形態においては少なくとも12まで上昇させることにより、pHが調整された制御ポリマーを形成することと、(c)pHが調整された制御ポリマーを前述の安定なミセル複合体に加えることにより、中間調合物を形成することと、(d)得られた中間調合物のpHを中性媒体に調整することと、(e)酵素系を加え、安定な洗浄組成物を形成することと、を含む。
本開示は、医療機器の洗浄方法に更に関し、本方法は、本開示の様々な実施形態に記載の洗浄組成物によって医療機器を処理する工程を含む。
本開示の目的及び予期される利点の多くは、下記の詳細な説明を参照することによって一層よく理解されるようになり、容易に理解されるであろう。本開示の組成物は、医療機器の洗浄用に特に有用である。
特に定義のない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本願で使用される専門用語は、本発明の特定の実施形態を説明する目的のためのみのものであり、いかなる方式であれ、本発明の範囲の限定を意図したものではない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「a」、「an」及び「the」は、内容から明らかな別段の指示がない限り、指示対象が複数である場合を含むことに留意すべきである。したがって、例えば、「溶媒(solvent)」とは、かかる溶媒が2つ以上である場合を含み得る。
用語「好ましい(preferred)」及び「好ましくは(preferably)」は、ある状況下で、特定の利益を供与し得る本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一又は他の状況下では、他の実施形態もまた好ましい場合があり得る。更に、1つ以上の好ましい実施形態についての詳細な説明は、それ以外の実施形態が有用でないことを意味するのではなく、かつそれ以外の実施形態を本発明の範囲から除外することを意図するものでもない。
本願で使用される用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「含む(involving)」等は、オープンエンド、すなわち、含むが限定されないこと、を意味する。
本開示の組成物は、少なくとも1種の酵素活性保護剤複合体と、酵素系と、1種以上の制御ポリマーと、界面活性剤と、有機溶媒と、水と、任意に、キレート剤、湿潤剤、及び保存剤から選択される添加物と、を含む。
本願で使用される用語「酵素活性保護剤複合体」は、ホウ素化合物と、ポリヒドロキシ化合物又はシランポリエーテル化合物等のアジュバントと、を含む、複合体を指す。酵素は、保管中、又は組成物中の他の酵素若しくは構成成分の存在下で不安定となることが知られている。したがって、酵素を保護するため、又は酵素が他の構成成分と相互作用するのを防止するため、酵素安定化系が通常開発される。本開示のいくつかの実施形態において、酵素活性保護剤複合体は、(a)標的表面におけるより良好な広がりと、(b)向上したフィルム形成特性と、及び(c)希釈に際して可逆性のある(reversible on dilution)、最適化された複合体形成と、において有効である。調合物中に存在する酵素活性保護剤複合体の量は、認識可能な態様で上述の特性が達成できるように選択される。典型的には、酵素活性保護剤複合体は、組成物の約2重量%〜約8重量%の量で存在する。
好ましい実施形態において、酵素活性保護剤複合体は、ホウ素化合物と、式:
Figure 2017522413
(式中、m及びnは独立して選択される8〜30の範囲の整数であり、かつR1及びR2は直鎖又は分枝鎖アルキル基である)を有するアルキルエーテル末端化シランポリエーテルと、を含む。いくつかの実施形態において、m及びnは少なくとも12である。いくつかの実施形態において、m及びnは24以下であり、例えば、20以下である。いくつかの実施形態において、m及びnは少なくとも16であり、かつ20以下であり、例えば、いくつかの実施形態において、m及びnは18であり、すなわち、シランポリエーテルは、ビス−(PEG−18アルキルエーテル)ジメチルシランである。いくつかの実施形態において、R1及びR2は1〜6個の炭素原子、例えば、1〜4個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、R1及びR2はメチル基である。いくつかの実施形態において、シランポリエーテルは、ビス−(PEG−18メチルエーテル)ジメチルシランである。
酵素活性保護剤複合体中のホウ素化合物は、ホウ砂、ホウ酸及びこれらの組合せからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、シランポリエーテルは、ホウ砂(ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、及び四ホウ酸二ナトリウムとも称される)に結合され、複合体を形成し得る。
いくつかの実施形態において、ホウ素化合物のシランポリエーテルに対するモル比は、90:10〜30:70である。いくつかの実施形態において、ホウ素化合物のシランポリエーテルに対するモル比は、70:30〜40:60である。
他の好ましい実施形態において、酵素活性保護剤複合体は、ホウ素化合物及びポリヒドロキシ含有化合物を含む。本開示で使用される典型的なポリヒドロキシ化合物としては、糖類、糖アルコール類、糖酸類、グリセロール、ウロン酸、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。特に、グリセロールとのホウ砂又はホウ酸の複合体が、多成分組成物において酵素を安定化するために使用され得る。
本発明の組成物中のポリヒドロキシ化合物の量は、酵素を安定化するのに好適な可逆性複合体を形成する量である。典型的には、ホウ素化合物のポリヒドロキシ化合物に対するモル比は、80:20〜30:70である。いくつかの実施形態において、ホウ素化合物のポリヒドロキシ化合物に対するモル比は、60:40〜40:60である。
本願で使用される用語「酵素系」は、1つの酵素又は互いに組合される複数の酵素を指す。本開示において、洗浄組成物は、アミラーゼ類、セルラーゼ類、リパーゼ類、プロテアーゼ類、及びこれらの組合せから選択される1種以上の酵素を含む。洗浄組成物に存在する酵素は、生物学的汚染物質を含有する機器の洗浄において重要な役割を果たす。酵素は、複雑な生体高分子を単純な分子に分解する能力を有する。例えば、プロテアーゼ類はタンパク質の分解に、アミラーゼ類はデンプンの分解に、かつリパーゼ類は脂質分子の分解に有用である。本組成物中に存在する酵素の量は、最終的な希釈物において所望される活性酵素濃度に応じて異なる。いくつかの実施形態において、酵素系は、全組成物の約0.5重量%〜約15重量%の量で存在する。
硬水スケールの形成を抑制するために、無機酸を使用することが当該技術分野において既知であるが、これらの酸は低pHにおいてのみ好適である。また、洗浄組成物中に酵素が存在する場合、これらの無機酸が、酵素の分解、沈殿等の悪影響を示すことも判明している。
これに対し、本発明者らは、ある種の有機ポリマー、すなわち、「制御ポリマー」が、硬水スケールの付着を抑制するために使用され得ることを見出した。「制御ポリマー」は、硬水スケールの形成を制御又は抑制する目的で使用される、1種以上のポリマーを指す。硬水スケールの抑制が達成される機序は、スケール形成の原因となる、硬水中に存在するマグネシウム及びカルシウム等の重金属を、制御ポリマーがキレート化することによるものと考えられる。
いくつかの実施形態において、制御ポリマーは、カルボン酸キレート基を含む。いくつかの実施形態において、カルボン酸基は、マレイン酸、アクリル酸、又はこれらの組合せに基づく。いくつかの実施形態において、キレート基は、ピロリドン基、例えば、ビニルピロリドン由来のピロリドン基を含む。いくつかの実施形態において、制御ポリマーは、好ましくは、全組成物の約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する。
本開示の組成物における制御ポリマーの使用は、無機酸依存の組成物よりも広いpH範囲において作用するという利点を有す。
界面活性剤が洗浄を助けることにより、増強された洗浄効力がもたらされることが知られている。しかしながら、界面活性剤は起泡特性を有する傾向があるため、その性質及び量に関しては、十分な注意が払われなくてはならない。過度の起泡は、水噴射及び自動洗浄器における洗浄液の循環系に望ましくない閉塞の原因となるため、特に医療分野における洗浄組成物においては望ましくない。更に、過剰な泡は、洗浄効力の低下につながり得る。
イオン性(アニオン性及びカチオン性)界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤を含む、多種多様な界面活性剤が利用可能である。驚くべきことに、本発明者らは、単一の界面活性剤の使用では許容できる結果に至らないことを見出した。したがって、本開示の洗浄組成物は、少なくとも2種の界面活性剤を含む。特に、組成物は、少なくとも1種のイオン性界面活性剤及び少なくとも1種の両性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のイオン性界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。界面活性剤の量は、生物学的汚染物質の除去に関して十分な洗浄力をもたらすよう、注意深く選択される。典型的には、洗浄組成物中の界面活性剤の総量は、全組成物の約5重量%〜約27重量%である。
本開示の組成物は、有機キャリア又は共溶媒を含む。好適な共溶媒は水溶性かつ組成物の他の成分と適合性がある。かかる共溶媒は、組成物の安定性及び溶解度を高めるために使用される。いくつかの実施形態において、有機溶媒はグリコールであり、例えば、いくつかの実施形態において、有機溶媒はエチレングリコールである。いくつかの実施形態において、有機溶媒は、グリコールエーテル、例えば、アルキルグリコールエーテルである。例えば、いくつかの実施形態において、有機溶媒は、エチレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル及びこれらの組合せである。
本開示の洗浄組成物はまた水を含む。使用される水は、好ましくは、蒸留水又は脱イオン水である。水は「十分な量」(QS)で組成物に加えられる。本開示の組成物は、水を使用して、機能し得る希釈範囲に希釈され得る、組成物の「濃縮された」形態であってもよい。本開示において、濃縮された組成物のpHは、組成物1部当たり300部の水による希釈で、少なくとも1上昇する。
本願において用語「添加物」は、通常は少量で添加されるものの、製品に対して著しい効果をもたらす成分を指す。概ね、添加物が、調合物中の個々の構成成分の割合を著しく変えることはない。本発明における添加物としては、キレート剤、湿潤剤、及び保存剤等の成分が挙げられるが、これらに限定されない。使用されるキレート剤、湿潤剤及び保存剤は、当業者には既知のものである。しかしながら、組成物中に存在するこれらの成分の量は、全体として所望の効力を有する洗浄組成物を得るため、特に選択される。
本開示の他の一実施形態は、洗浄組成物の調製プロセスに関する。このプロセスは、(a)少なくとも1種の酵素活性保護剤複合体と、有機溶媒と、少なくとも1種の界面活性剤と、を含む、安定なミセル複合体を形成することと、(b)制御ポリマーのpHを少なくとも10まで、いくつかの実施形態においては少なくとも12まで上昇させることにより、pHが調整された制御ポリマーを形成することと、(c)pHが調整された制御ポリマーを前述の安定なミセル複合体に加えることにより、中間調合物を形成することと、(d)得られた中間調合物のpHを中性媒体に調整することと、(e)酵素系を加え、安定な洗浄組成物を形成することと、を含む。本願において用語「中性媒体」は、約6.5〜約7.5、最も好ましくは6.9〜7.3のpH範囲を指す。用語「アルカリ媒体」は約10〜14のpH範囲を指す。
酵素活性保護剤複合体は、既知の方法によって調製される。例えば、好ましい活性保護剤複合体は、ホウ素化合物及びアジュバント(ポリヒドロキシ化合物又はシランポリエーテル化合物)の両方を好適な温度で水に溶解し、室温で撹拌し、pHを6.8〜7.0に調整するという方法で調製される。いくつかの実施形態において、まずは室温より高い温度で溶液が透明になるまでホウ素化合物を溶解し、続いて室温で撹拌しながらアジュバント(ポリヒドロキシ化合物又はシランポリエーテル化合物)を加え、最後にpHを所望の範囲に調整する。
本開示のプロセスにおいて、酵素活性保護剤複合体に界面活性剤を添加することにより、適切なミセル複合体の形成が可能となると考えられる。このミセルは、制御ポリマーとホウ砂複合体との間の障壁をなし、これによって制御ポリマーとホウ砂複合体との不要な相互作用を防止する。
本開示の更なる実施形態は、医療機器の洗浄方法に関し、この方法は、本開示の洗浄組成物で該機器を処理する工程を含む。
本開示の例示的な洗浄組成物に使用される具体的な成分の由来を表1に掲載する。
Figure 2017522413
上記のプロセスによって得られた本開示の例示的な洗浄組成物について、各種の試験を行った。
(1)安定性、外観及びpH。形成された洗浄組成物の安定性及び外観を視覚的に確認する。特記しない限り、下記に示した実施例において、次の文字を使用して調合物の特性を示す:S=安定、NS=安定でない、C=透明、NC=透明でない。
組成物のpHは、標準緩衝液で標準化されたpHメータを使用して測定する。
(2)起泡傾向。洗浄組成物の起泡傾向は、遠心機を使用し、3000rpmかつ1:100希釈で確認した。
(3)スケールの除去。硬水スケールは、MgCl、CaCl及びNaHCOを使用して調製した。試験において、まずMgCl及びCaClを水に溶解し、溶液Aを得た。NaHCOを淡水に溶解し、溶液Bとした。ビーカーに試験溶液1mL、溶液A 12mL、及び溶液B 16mLを加え、水を使用して最終的に100mLの容量とする。続いて溶液を所望の表面上で蒸発させ、硬水スケールを得る。例示的な組成物で洗浄した後、硬水スケールの除去を評価し、「良」でスケールが除去されたこと、「否」でスケールの除去が不十分であったことを示した。
(4)酵素活性。酵素活性試験は、Novo Nordiskの酵素分析標準法であって、参考文献番号B 863b−GB、米国特許第6,939,836(B2)号としても知られる方法に従って実施した。
(5)血液の除去。洗浄性能は、1:100希釈物について、45℃にてBROWNE STF Load Check Strips上で確認した。ストリップから血液スポットを完全に除去するのに要した時間を計測した。
本発明を下記の実施例によって例証するが、これらに限定されるものと解釈すべきではない。本明細書における「%」は、特記しない限り、重量%を指す。
(実施例)
比較例セットA:酵素活性保護剤複合体の調製。
ホウ砂及びグリセロールを使用して、ホウ砂−ポリヒドロキシ活性保護剤を調製した。ホウ砂及びグリセロールを、45℃30分間で、続いて室温で更に15分間撹拌して水に溶解した。塩酸を使用してpHを約6.8〜7.0に調整した。酵素を最後に加えて15分間撹拌し、透明な保管安定調合物を調製した。ホウ砂−ポリヒドロキシ活性保護剤及びこれと組み合わせた酵素の組成を表2Aに要約し、参考例1として識別する。
ホウ砂−シランポリエーテル活性保護剤は下記のように調製した。ホウ砂をまず45℃15分間で水に溶解した。透明の溶液を得た後、温度を35℃まで上昇させ、ビス−PEG−18メチルエーテルジメチルシランを加え、30分間撹拌した。塩酸を使用してpHを約6.8〜7.0に調整し、酵素を加えた後、15分間撹拌し、透明な保管安定調合物を調製した。ホウ砂−シランポリエーテル活性保護剤及びこれと組み合わせた酵素の組成を表2Aに要約し、参考例2として識別する。
表2Bは、これら2つの異なる酵素活性保護剤を使用して調製された組成物について得られた結果を示す。これらの酵素活性保護剤はいずれも効果的に複数の酵素を結合でき、かつ希釈時に酵素を適切に放出できる。
Figure 2017522413
Figure 2017522413
比較例−セットB:参考例1に単一の界面活性剤を添加することによる効果。
ホウ砂−グリセロール複合体で安定化された酵素を含有する組成物に、単一の界面活性剤又はヒドロトロープを添加することによる効果を調べた。それぞれの組成物は、参考例1の酵素含有組成物をもとにした。水の量を調整し、総量を100重量%とした。結果を表3に示す。これらの組成物(比較例3〜12)では、いずれも硬水スケールの付着は除去されなかった。
Figure 2017522413
比較例セットC:参考例2に単一の界面活性剤を添加することによる効果。
ホウ砂−シリコーンポリエーテル複合体(参考例2)で安定化された酵素を含有する組成物に単一の界面活性剤又はヒドロトロープを添加することによる効果を調べた。それぞれの組成物は、参考例2の酵素含有組成物をもとにした。水の量を調整し、総量を100重量%とした。結果を表4に示す。これらの組成物(比較例13〜22)は、いずれも硬水スケールの付着の除去を示さなかったことが明らかである。
Figure 2017522413
比較例セットD:参考例1及び2に界面活性剤/ヒドロトロープの組合せを添加することによる効果。表5は、参考例1及び2の組成物に界面活性剤又はヒドロトロープの組合せを添加することによる効果を示す。起泡の挙動を各組成物について確認したところ、ヒドロトロープ又は非起泡性界面活性剤を使用したときに好適であると判明した。総合的には、Surf−NI−1(2〜7%)、Surf−Amp−1(1〜12%)及びこれらの組合せが、許容できる安定性を示し、個々においても混合系においても、より低い起泡性を示した。しかしながら、これらの組成物では、硬水スケールの付着は除去されなかった。
Figure 2017522413
比較例セットE:酸性のpHで制御ポリマーを添加することによる効果。
表6(比較例番号31〜47)は、制御ポリマーとして、CP−1(Maxinol PM 200)、CP−2(Maxinol 5420)及びCP−3(Plasdone 29)を0.5〜2%の範囲の濃度で使用した調合物を説明する。制御ポリマーは、参考例1及び参考例2に酸性のpH(1.9〜3.2)で添加した。水を加え、総量を100重量%とした。酸性のpHにおいて、ポリマーは強いキレート挙動を示し、系から急速に沈殿した。組成物の安定性を高めるため、様々な濃度の界面活性剤を試験したが、これらのアプローチでは、良好な安定性は見られなかった。
Figure 2017522413
比較例セットF:中性のpHで制御ポリマーを添加することによる効果。
表7A〜7D(比較例48〜101)は、まずNaOHを使用して制御ポリマーを約pH7に中和し、続いてこれらの制御ポリマーを参考例1及び2に組み込んだ調合物について説明する。水を加え、総量を100重量%とした。しかしながら、全ての調合物は約pH7で強いキレート挙動を示し、系から急速に沈殿した。更に、組成物の安定性を高めるため、様々な濃度の界面活性剤及び有機溶媒を試験した。これらはいずれも、性能及び安定性に関して好適ではないことが判明した。
Figure 2017522413
Figure 2017522413
Figure 2017522413
Figure 2017522413
比較例−G:塩基性のpHで制御ポリマーを添加することによる効果。
表8A〜8D(例102〜137)は、まずNaOHを使用して制御ポリマーを約pH12〜12.5に調整し、続いてこれらの制御ポリマーを組み込んだ、調合物について説明する。このアプローチは安定な調合物を示す。例102〜106は45℃での経時変化後に暗色となったが、なおも透明なままであったため、硬水スケールの付着抑制についての評価試験を実施した。例103〜105及び107は、硬水スケールの付着抑制について許容できる結果を示した。総合的に、PM 200(pH12〜12.5)及びplasdone K29(pH7)が良好な安定性と、スケールの付着挙動の抑制とを示した。Maxinol 5420(pH12〜12.5)は、45℃における20日の経時変化後に沈殿した。例109〜137は、起泡性は示さずに許容できる安定性を示し、かつ、硬水スケールの付着に対して抑制を示した。総合的に、例番号129、130及び134が、血液除去試験について最良であることが判明したため、界面活性剤及び有機溶媒の更なる最適化を検討した。
Figure 2017522413
Figure 2017522413
Figure 2017522413
比較例−H:制御ポリマーと各種界面活性剤及び有機溶剤との効果。
表9(例番号138〜148)は、最適な性能を得るため、制御ポリマー(すなわちPM 200(pH12〜12.5)及びPlasdone K 29(pH7))の組合せを各種の界面活性剤及び有機溶媒の組合せと併せて試験した調合物について説明する。例番号138、139、142〜148は、酵素洗浄、硬水スケール及び錆の発生の抑制、くすんだ光沢、より低い起泡性及び多酵素保護について優れた結果を示した。例138〜148は、良好な保管安定性を示すと共に、許容できる他の物理的パラメータを有する。総合的には、例番号146〜148が全ての所望の特性を呈し、最も有望な組成物である。
Figure 2017522413
実施例−I:本開示の組成物と他の市販品との性能の比較
表10は、実施例146のステンレススチールプレート上の硬水スケールの洗浄性能と、既知の市販の試料(J & JのCIDEZYME xtra、Dr.WeigertのNEODISHER、アルカリ洗浄剤及びRMEC 70500)との比較を説明する。実施例146は硬水スケール抑制及び錆の発生、光沢に関し優れた結果をもたらすことが判明した。
Figure 2017522413
本明細書に記載の洗浄組成物に関し、本発明の本質的な特徴、構想及び趣旨から実質的に逸脱することなく、多くの他の変形及び改変がなされ得ることは、前述の説明より明らかであろう。したがって、本明細書に記載の本発明の形態は例示目的のみのものであり、添付の「特許請求の範囲」に記載の本発明の範囲の限定を意図したものでないことを、明確に理解すべきである。

Claims (38)

  1. 洗浄組成物であって、
    a.ホウ素化合物を含む酵素活性保護剤複合体と、
    b.酵素系と、
    c.カルボン酸基、ピロリドン基、及びこれらの組合せからなる群から選択される複数の金属イオン錯化基を含む制御ポリマーと、
    d.少なくとも1種の界面活性剤がイオン性界面活性剤であり、かつ少なくとも1種の界面活性剤が両性界面活性剤である、少なくとも2種の界面活性剤と、
    e.有機溶媒と、
    f.水と、
    を含む、洗浄組成物。
  2. 前記酵素活性保護剤複合体が、前記組成物の約2〜約8重量%の量で存在する、請求項1に記載の洗浄組成物。
  3. 前記酵素活性保護剤複合体が、ホウ素化合物と、式:
    Figure 2017522413
    (式中、m及びnは独立して選択される8〜30の範囲の整数であり、かつR1及びR2は1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基である)を有するアルキルエーテル末端化シランポリエーテルと、を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
  4. R1及びR2がメチル基である、請求項3に記載の洗浄組成物。
  5. m及びnが少なくとも12であり、かつ24以下である、請求項3又は4に記載の洗浄組成物。
  6. m及びnが18である、請求項5に記載の洗浄組成物。
  7. 前記酵素活性保護剤複合体が、ホウ素化合物及びポリヒドロキシ含有化合物を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
  8. 前記ポリヒドロキシ化合物が、糖類、糖アルコール類、糖酸類、グリセロール、及びウロン酸、並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項7に記載の洗浄組成物。
  9. 前記ホウ素化合物が、ホウ砂、ホウ酸及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項7又は8に記載の洗浄組成物。
  10. 前記ホウ素化合物の前記シランポリエーテルに対するモル比が、90:10〜30:70である、請求項3に記載の組成物。
  11. 前記ホウ素化合物の前記シランポリエーテルに対するモル比が、70:30〜40:60である、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記ホウ素化合物の前記ポリヒドロキシ化合物に対するモル比が、80:20〜30:70である、請求項7に記載の組成物。
  13. 前記ホウ素化合物の前記ポリヒドロキシ化合物に対するモル比が、60:40〜40:60である、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記酵素系が、全組成物の約0.5重量%〜約15重量%の量で存在する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  15. 前記酵素系が、アミラーゼ類、セルラーゼ類、リパーゼ類、プロテアーゼ類、及びこれらの組合せから選択される酵素を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  16. 前記制御ポリマーが、全組成物の約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  17. 前記制御ポリマーが、ビニルピロリドンに基づくピロリドン基を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  18. 前記有機溶媒が水溶性有機溶媒である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
  19. 前記有機溶媒が、エチレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項18に記載の洗浄組成物。
  20. 前記組成物のpHが、前記組成物1部当たり300部の水による希釈で少なくとも1上昇する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 洗浄組成物を調製するプロセスであって、
    a.少なくとも1種の酵素活性保護剤複合体と、有機溶媒と、少なくとも1種の界面活性剤と、を含む、安定なミセル複合体を形成することと、
    b.制御ポリマーのpHを少なくとも10に上昇させることにより、pHが調整された制御ポリマーを形成することと、ここで、前記制御ポリマーは少なくとも一部がカルボン酸基である複数の金属イオン錯化基を含み、
    c.前記pHが調整された制御ポリマーを前記安定なミセル複合体に加えることにより、中間調合物を形成することと、
    d.前記中間調合物をpH6.5〜7.5(端点の値を含む)に調整することと、
    e.酵素系を加え、安定な洗浄組成物を形成することと、
    を含む、プロセス。
  22. 前記酵素活性保護剤複合体が、ホウ素化合物と、式:
    Figure 2017522413
    (式中、m及びnは独立して選択される8〜30の範囲の整数であり、かつR1及びR2は1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基である)を有するアルキルエーテル末端化シランポリエーテルと、を含む、請求項21に記載のプロセス。
  23. R1及びR2がメチル基である、請求項22に記載のプロセス。
  24. m及びnが少なくとも12であり、かつ24以下である、請求項22又は23に記載のプロセス。
  25. m及びnが18である、請求項22〜24のいずれか一項に記載のプロセス。
  26. 前記酵素活性保護剤複合体がホウ素含有化合物及びポリヒドロキシ含有化合物を含む、請求項21に記載のプロセス。
  27. 前記ポリヒドロキシ化合物が、糖類、糖アルコール類、糖酸類、グリセロール、及びウロン酸、並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項21に記載のプロセス。
  28. 前記ホウ素化合物が、ホウ砂、ホウ酸及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項21に記載のプロセス。
  29. 前記ホウ素化合物の前記シランポリエーテルに対するモル比が、90:10〜30:70である、請求項21に記載のプロセス。
  30. 前記ホウ素化合物の前記シランポリエーテルに対するモル比が、70:30〜40:60である、請求項21に記載のプロセス。
  31. 前記ホウ素化合物の前記ポリヒドロキシ化合物に対するモル比が、80:20〜30:70である、請求項21に記載のプロセス。
  32. 前記ホウ素化合物の前記ポリヒドロキシ化合物に対するモル比が、60:40〜40:60である、請求項21に記載のプロセス。
  33. 前記酵素系が、アミラーゼ類、セルラーゼ類、リパーゼ類、プロテアーゼ類、及びこれらの組合せから選択される酵素を含む、請求項21〜32のいずれか一項に記載のプロセス。
  34. 前記洗浄組成物が少なくとも1種のイオン性界面活性剤と、少なくとも1種の両性界面活性剤と、を含む、請求項21に記載のプロセス。
  35. 前記有機溶媒が水溶性有機溶媒である、請求項21に記載のプロセス。
  36. 前記有機溶媒が、エチレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル又はこれらの組合せから選択される、請求項35に記載のプロセス。
  37. 請求項21〜36のいずれか一項に記載のプロセスによって調製される、洗浄組成物。
  38. 請求項1〜20又は37のいずれか一項に記載の洗浄組成物によって医療機器を処理する工程を含む、医療機器の洗浄方法。
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