JP2017522162A - 高分子フォーム組成物、それを用いた高分子フォームの製造方法、及びパッキング用高分子フォーム - Google Patents

高分子フォーム組成物、それを用いた高分子フォームの製造方法、及びパッキング用高分子フォーム Download PDF

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Abstract

本発明は、高分子フォーム組成物、それを用いた高分子フォームの製造方法、及びそれから得られたパッキング用高分子フォームに係り、より具体的には、コラーゲンとヒアルロン酸誘導体及びカルボキシメチルセルロースの3成分をベースに高い水分吸収率を提供し得る高分子フォーム組成物、及びそれを用いた高分子フォームを提供することにより、副鼻洞または鼻腔内創傷面に適用時に発揮されるコラーゲン自体の1次止血効果に加え、体液及び血液の吸収時に膨張による圧迫によって発揮される2次止血効果を奏する二重止血効果を提供するとともに、傷に対する癒着防止効果を提供することができる。【選択図】 図9

Description

本発明は、高分子フォーム組成物、それを用いた高分子フォームの製造方法、及びそれから得られたパッキング用高分子フォームに係り、より具体的には、コラーゲンとヒアルロン酸誘導体及びカルボキシメチルセルロースの3成分をベースに高い水分吸収率を提供することができる高分子フォーム組成物、及びそれを用いた高分子フォームを提供することにより、副鼻洞または鼻腔内創傷面に適用時に発揮されるコラーゲン自体の1次止血効果に加え、体液及び血液の吸収時に膨張による圧迫による2次止血効果を奏する二重止血効果を提供するとともに、傷に対する癒着防止効果を提供することができる高分子フォームの製造方法、及びそれから得られたパッキング用高分子フォームに関する。
副鼻洞または鼻腔内手術後の止血の目的のためにワセリンガーゼや創傷被覆材を使用する。このようなパッキングの場合、出血は制御することができるが、頻繁な鼻腔癒着を誘発してガーゼや創傷被覆材の交換時に患者に深刻な痛みを誘発すると知られている。上記問題点を克服するために、最近では、副鼻洞専用パッキング製品が開発されて販売されている。
鼻腔パッキングの種類において、従来では、ガーゼやワセリンガーゼが用いられてきたが、最近では、非吸収性PVAスポンジ(polyvinyl acetate sponge、Merocel登録商標)、生分解性合成素材としてポリウレタン(polyurethane:co-polyether-ester urethane、Nasopore登録商標)、パッキング及び生分解性天然素材であるヒアルロン酸(hyaluronic acid、Merogel登録商標)ベースの製品が開発されて販売されている。
理想的なパッキング剤の特徴としては、優れた止血効果を有し、過剰な血餅の生成を防ぎ、中鼻甲介のスペースを保持すること、上皮再生を促進し、さらに優れた癒着防止効果を奏することであり、最も重要なことは、患者の不快感を最小限に抑えることである。
特にパッキング剤の最も必須な条件は、止血性能である。手術後の出血が制御されていない場合は、患者が危険にさらされることがあり、流出した血液が血餅を形成して血餅による傷の癒着と組織閉鎖が起こる可能性がある。中鼻甲介のスペースを保持するにあたり、粘膜が再生されるまで物理的にスペースを保持する必要があるが、それができないと、組織の閉鎖が起こり再手術をしなければならない。上皮が再生した後にパッキングを除去するが、このとき、パッキングが組織と癒着していると、上皮の再損傷と出血を誘発し、このため、再生が遅れてしまい痛みを引き起こす恐れがある。
現在までに開発されたパッキング製品の場合、ほとんどが物理的な圧迫による止血製品である。実際止血剤をパッキング剤として使用することもあるが、一般的な止血剤の場合、止血性能には優れているが、傷の癒着を誘発して肉芽腫を形成するという問題がある。非分解性であるPVA製品の場合、除去する必要があり、除去時に痛みと出血を誘発し、残存時には慢性炎症を誘発すると知られている。生分解性合成素材の場合、分解産物の毒性と傷が再生する前にあまりにも早く分解されるという問題がある。これらの欠点を克服するために、天然材料であるヒアルロン酸誘導体を用いた製品が開発されて販売されているが、物性が弱くて圧迫止血が不可能であり、全体的な性能が低いという問題がある。
参考までに、ヒアルロン酸(Hyaluronic acid)は、1934年マイヤー(Meyer)とパルマー(Palmer)によって眼球のガラス体(vitreous humor)から初めて発見されたもので、長い鎖状構造の多糖類であって、自然系に広く存在する生体高分子物質である。ヒアルロン酸は、水に溶けて非常に高い粘性を帯びる液体を成しており、由来先によっては、分子量が103〜10ダルトン(dalton) に至る高い分子量の多糖類である。ヒアルロン酸は、優れた生体適合性及び生分解性、さらに組織癒着を防止する特性で癒着防止剤として主に用いられる。ヒアルロン酸製品は、血液、体液などの水分に容易に溶解するので、ジビニルスルホン、ビスエポキシドまたはホルムアルデヒドで架橋して不溶性を向上させる方法が開発された。
また、コラーゲンは、低抗原性、止血効果、優れた組織再生効果を持つ生体材料であり、医療用として汎用されている。現在商品化されている製品には、止血剤、創傷被覆材、骨移植材、美容整形移植材及び縫合糸などがある。コラーゲンは、血小板の凝集と活性を促進させるマトリックスタンパク質であり、血液が流出されたとき、血小板が急速に付着、分散及び活性化されて血小板の凝集を促進させ、血液凝固因子102の活性を促進させると知られている。
さらに、セルロースを構成しているグルコースのヒドロキシ基をカルボキシメチル基で置換したカルボキシメチルセルロースも医療分野において癒着防止剤、創傷被覆材、止血剤などの用途に多く使用されている。カルボキシメチルセルロースも親水性で水分に溶解して形状を維持できないという問題がある。カルボキシメチルセルロースの不溶性を高めるために、ポリアクリル酸重合体と混合して架橋する(PCT/US/1995/006860)方法も提案されている。
故に、これらの欠点を克服するために、天然材料を用いながらも物性を補強し、特に圧迫止血を提供することができるパッキング剤の研究が継続的に求められている。
PCT/US1995/006860
上記問題点を克服するために、本発明者らは鋭意研究を続けていたところ、コラーゲンとヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースの3成分をベースにした高分子フォームであって、適切な割合の混合及び架橋処理を行い、優れた圧縮強度と弾性度並びにコラーゲンによる1次止血効果に加えて、体液や血液吸収時に膨張による圧迫のような2次止血効果を付与し、癒着防止特性をも確保することを確認し、本発明を完成するに至った。
つまり、本発明の目的は、コラーゲンとヒアルロン酸誘導体及びカルボキシメチルセルロースの3成分をベースに高い水分吸収率を提供し得る高分子フォーム組成物、及びそれを用いた高分子フォームを提供することにより、副鼻洞または鼻腔内創傷面に適用時に発揮されるコラーゲン自体の1次止血効果に加え、体液及び血液の吸収時に膨張による圧迫によって発揮される2次止血効果を奏する二重止血効果を提供するとともに、傷に対する癒着防止効果を提供することができる高分子フォームの製造方法、及びそれから得られたパッキング用高分子フォームを提供することである。
本発明によれば、コラーゲン、ヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースを有効成分として含み、前記有効成分の架橋用化合物を含む組成物であって、含水率が90〜99%の範囲内であることを特徴とする高分子フォーム組成物を提供する。
また、本発明によれば、前記高分子フォーム組成物を出発物質として多段階凍結乾燥した後、高温熱架橋及び加圧工程を経て高分子フォームを製造することを特徴とする高分子フォームの製造方法を提供する。
さらに、本発明によれば、前記方法によって得られた高分子フォームであって、生理食塩水に対する吸収度が10g/g以上であり、レオメーター(rheometer)を用いて測定するとき、0.5Hzの振動数で、圧縮強度が0.1N以上であり、弾性度が1000pa以上であり、非圧迫止血特性を有するパッキング用高分子フォームを提供する。
また、前記高分子フォーム組成物を出発物質として自然乾燥または熱乾燥によって高分子フォームを製造することを特徴とする高分子フォームの製造方法を提供する。
本発明によって製造された高分子フォームは、水分に対する高い吸収度、圧縮強度、及び膨張率を有し、鼻腔及び耳又はその他の挿入型創傷被覆材として用いられた場合、体液及び血液を吸収し、コラーゲンによる止血及び圧迫による止血の2重止血効果を持ち、傷にくっつかない癒着防止効果を提供することができる。
本発明の製造方法により製造されたフォームの写真であり、左側は乾燥した状態のパッキング用高分子フォームの写真であり、右側は水分を吸収した後の膨張状態のパッキング用高分子フォームの写真である。 本発明の製造方法により製造されたパッキング用高分子フォームの電子走査顕微鏡による写真(左上下×100、右側上下×200)である。 本発明の実施例1、2により製造されたパッキング用高分子フォーム、比較例1、2、3、4、5及び追加実験例1、2のパックキグ用高分子フォームのそれぞれの水分吸収後の状態を対比した写真である。 実施例1と比較例3により製造されたサンプルのコラゲナーゼ分解試験の結果を示すグラフである。 実施例1により製造されたサンプルのコラゲナーゼ分解試験後の分解傾向を示す写真である。 実施例1により製造されたサンプルと比較群の全血凝固試験の結果を対比したグラフである。 実施例1により製造されたサンプルと比較群の肝切除時の止血試験結果を対比したグラフである。 実施例1により製造されたサンプルと比較群の肝門脈の止血試験結果を対比したグラフである。 実施例1により製造されたサンプルと比較群の創傷治癒結果を目視で対比した写真である。 実施例1により製造されたサンプルと比較群の創傷治癒結果を組織染色で対比した写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高分子フォーム組成物は、コラーゲン、ヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースを有効成分として含み、前記有効成分の架橋用化合物を含む組成物であって、含水率が90〜99%の範囲内であることを特徴とする。
本発明で使用される用語「パッキング用高分子フォーム」とは、別途定義されない限り、外科手術のための切開後に、前記手術切開部の組織に挿入し、切開部を縫合するのに適用される高分子フォームのことを言う。
前記組織とは、例えば、皮膚組織及び耳の内部組織などの弾性を必要とする組織、耳、目及び鼻などの圧縮強度と弾性を共に必要とするスペースがある組織をすべて含むことを言う。
前記コラーゲンは、牛、豚などの哺乳動物(ヒトを除く)から抽出されるものであるか、医療用として使われるものであり、コラーゲン、アテルにコラーゲン及び皮膚、心筋膜、骨、軟骨、小腸粘膜下組織、羊膜及び軟組織由来の脱細胞処理組織及びゼラチンのうちから選ばれた1種以上であり得る。
前記ヒアルロン酸は、重量平均分子量(Mw)が1,000,000〜8,000,000g/mol、または1,000,000〜3,000,000g/molであり得る。
前記カルボキシメチルセルロースは、重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000g/mol、または5,000〜50,000g/molであり得る。
前記高分子組成物は、必要に応じてカルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、キチン、キトサン、デキストラン、グリコーゲン、澱粉、ペクチン、ヘパリン、ヘパリン硫酸塩、コンドロイチン硫酸塩のようなグリコサミノグリカンのうちから選ばれた1種以上のカルボキシ多糖類をさらに含むことができ、例えば、高分子フォーム組成物を構成する成分の総量100重量部に対し、5〜100重量部の範囲内でさらに含むことができる。
前記有効成分は、例えば、コラーゲンとヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースの総量100wt%のうち、コラーゲン20〜99wt%、ヒアルロン酸0.5〜30wt%及びカルボキシメチルセルロース0.5〜50wt%を含むことができ、この範囲内で、前記フォームの膨潤度、圧縮強度及び弾性度などの物性と分解期間を必要に応じて調整しながら提供できる効果がある。
具体的な例を挙げると、前記有効成分は、コラーゲンとヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースの総量100wt%のうち、コラーゲン20〜80wt%、ヒアルロン酸1〜25wt%及びカルボキシメチルセルロース20〜40wt%を含むことができる。
別の例を挙げると、前記有効成分は、コラーゲンとヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースの総量100wt%のうち、コラーゲン30〜80wt%、ヒアルロン酸の2.5〜25wt%及びカルボキシメチルセルロース25〜35wt%を含むことができる。
前記有効成分は、含水率(混合後の水分含有量)は、例えば、90〜99%、または95〜98%であり、この範囲内で前記フォームの膨潤度、圧縮強度及び弾性度などの物性と分解期間を必要に応じて調整しながら提供できる効果がある。
前記ヒアルロン酸は、例えば、分子量(Mw)が10,000〜3,000,000g/molであるもので、組成物の種類の分子量に応じて様々な濃度で製造することができる。
前記コラーゲンは、牛、豚などの哺乳動物(ヒトを除く)から抽出されるものであるか、医療用として使われるものであり、例えば、抽出された組織を脱細胞処理したものであり得る。
例えば、前記組織は、皮膚、心筋膜、骨、軟骨、小腸粘膜下組織、羊膜及び軟組織のうちから選ばれたものであり得る。
前記脱細胞処理のために脱細胞処理剤を使用することができる。
前記脱細胞処理剤は、例えば、アルカリ及び極性溶媒をベースにして、抽出された組織のうち免疫及び異物反応誘発物質を1次的に除去する役割を果たすことができる。
前記アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及びアンモニアのうちから選ばれた1種以上を0.01M〜1M濃度範囲内で用いることができる。
具体的な例を挙げると、前記アルカリとしては、水酸化ナトリウム0.4M〜0.6M水溶液を用いることができる。
前記極性溶媒としては、例えば、炭素数1〜4のアルコールのうちから選ばれた1種以上を10〜100%の濃度の範囲内で用いることができる。
具体的な例を挙げると、前記極性溶媒としては、エタノール50重量%〜80重量%水溶液を用いることができる。
前記アルカリと極性溶媒は、0.1〜1Mの濃度で1:9〜9:1の配合比の範囲で用いることができる。
また、必要に応じて、前記脱細胞処理前に炭素数1〜4のアルコールのうちから選ばれた1種以上の極性溶媒で前処理を行うことができる。
前記前処理及び脱細胞処理を含む全体工程は、例えば、以下のように実行することができる。
つまり、生体組織から真皮層を物理的に分離し(第1ステップ)、分離した真皮層を極性溶媒を用いて前処理し(第2ステップ)、前記前処理水を上述した脱細胞処理剤を用いて処理し(第3ステップ)、得られた脱細胞処理物を洗浄した後、酸を用いて所要のpHに調整する(第4ステップ)ことができる。
具体的には、前記第1ステップにおいて、表皮層から真皮層を厚さ100μm〜2mmまで分離し、前記第2ステップにおいて、炭素数1〜4のアルコールのうちから選ばれた1種以上を、濃度10〜100%の極性溶媒を用いて1〜72時間処理し、前記第3ステップにおいて、脱細胞処理剤としては、エタノール50〜80%と水酸化ナトリウム0.4M〜0.6Mとを配合したものを用い、前記第4ステップにおいて、酸としては、塩酸、硫酸、過酢酸、酢酸などのうちから選ばれた1種以上を用い、pH2〜10に調整することができる。
ここで、前記第2乃至第4ステップは、0〜37℃の温度下で物理的に攪拌して行うことができる。
その後、前記架橋用化合物は、例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びポリエチレンオキサイドのうちから選ばれた1種以上を含み、前記架橋用化合物の含有量が、高分子フォーム組成物を構成するコラーゲンとヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースの総量100重量部に対して0.01〜10重量部、または0.05〜1重量部であり得、この範囲内で、前記フォームの膨潤度、圧縮強度及び弾性度などの物性と分解期間を必要に応じて調整しながら提供できる効果がある。
本発明の高分子フォームの製造方法は、例えば、前記高分子フォーム組成物を出発物質として多段階凍結乾燥した後、高温熱架橋及び加圧工程を経て高分子フォームを製造することを特徴とする。
前記多段階凍結乾燥は、例えば、0℃以下、または0℃〜−40℃下で急速凍結乾燥する1段階乾燥と、−40〜20℃下で凍結乾燥機で10mmHg以下の圧力で緩速凍結乾燥する2段階乾燥とを行うものであり、このような多段階凍結乾燥により、前記フォームの膨潤度、圧縮強度及び弾性度などの物性と分解期間を必要に応じて調整しながら提供できる効果がある。
前記高温熱架橋は、例えば、架橋化合物を投入して80〜200℃、または100〜180℃下で約1時間程度急速熱架橋を行うものであり、このような方法により、前記フォームの膨潤度、圧縮強度及び弾性度などの物性と分解期間を必要に応じて調整しながら提供できる効果がある。
前記加圧工程は、例えば、プレスなどを用いて1,000〜5,000Psiの圧力下で行われるものであり、この範囲内で前記フォームの膨潤度、圧縮強度及び弾性度などの物性と分解期間を必要に応じて調整しながら提供できる効果がある。
本発明では、前記方法により高分子フォームを得ることができ、前記高分子フォームは、生理食塩水に対する吸収度が10g/g以上であり、レオメーター(rheometer)による測定時に0.5Hzでの圧縮強度が0.1N以上であり、 弾性度が1000pa以上であり、非圧迫止血特性を有するパッキング用高分子フォームであり得る。
本発明で使用される用語「非圧迫止血特性」とは、別途定義されない限り、圧迫しないときにも止血特性を提供することをいう。
また、水分に対する安定性を有し、さらに滲出液を適切に吸収することができ、厚さ膨張率が200%以上で分解される特性を有する。
また、本発明によるスポンジタイプの高分子フォームは、高い吸収力で傷からの滲出液及び血液などをすばやく吸収することができ、非圧迫による止血効果、弾性及び圧縮強度による圧迫止血効果、傷の治癒及び癒着防止に役立つことができる。さらに、前記スポンジタイプの高分子フォームは、鼻腔または耳の内部に挿入可能であり、弾性及び圧縮強度を維持させて当該部位から離脱しないので、患部で発生する癒着を防止することができる。また、一定時間の間に物理的な障壁(barrier)を形成し、一定時間が経過すると、分解されて生体に吸収されるかまたは人為的に除去することができる。
また、前記パッキングは、上述したように、例えば、皮膚組織と耳の内部組織のような弾性を必要とする組織、耳、目及び鼻などの圧縮強度と弾性を共に必要とする、スペースがある組織をパッキングすることであり、具体的な例としては、副鼻洞または鼻腔に対するパッキングが挙げられる。。
本発明では、上述した多段階凍結乾燥の代わりに、前記高分子フォーム組成物を出発物質として自然乾燥または熱乾燥を行うことで高分子フォームを製造することもできる。
このような方法により得られる高分子フォームは、フィルムタイプまたはブロックタイプであり得る。
このように得られたフィルムタイプまたはブロックタイプの高分子フォームは、副鼻洞手術や鼻腔手術及び中耳炎手術後の止血及び傷の保護のためのドレッシング剤に適用されることができる。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明を限定するものではない。また、本発明の範疇及び技術的な思想の範囲内で様々な変更及び修正が可能であるということは当業者にとって自明であり、このような変更及び修正が添付された特許請求の範囲に属するということはいうまでもない。
[実施例1]
出発物質として、コラーゲン(豚皮から抽出したもの)45wt%、ヒアルロン酸(Shiseido SodiumHyaluronate、Mw1,300,000g/mol、Shiseido)10wt%及びカルボキシメチルセルロース45wt%(CMC、Mw10,000g/mol、CP KELCO)を混合した。
この時、架橋用化合物として、ポリアクリル酸を、前記コラーゲン、ヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースの総量100重量部に対して0.1重量部で含ませた。
前記条件下で混合した原料の乾燥固形分が4%(すなわち、前記3成分の有効成分の含水率が96%)になるように精製水を入れた後、ホモミキサーで混合した。製造された水溶液を0〜−40℃で急速凍結した後、凍結乾燥機(FVTFD 50R、イルシンバイオベース(ilShinBioBase co., Lrd)、Korea)を用いて−40〜20℃の温度下で10mmHg以下の圧力で二日間緩速凍結乾燥を行った。
凍結乾燥されたスポンジタイプのフォームを、高温のオーブンを用いて120℃で1時間熱架橋した後、プレスにより2,000psiで加圧させてパッキング用高分子フォームを製造した。
実施例1の方法により製造されたパッキン用高分子フォームを図1に示した。ちなみに図1における左側は、乾燥した状態のパッキング用高分子フォームの写真であり、右側は、水分を吸収した後の膨張状態のパッキング用高分子フォームの写真である。
また、実施例1による高分子フォームの表面と断面を電子走査顕微鏡(各倍率×100 、×200)でとった写真を、それぞれ図2にまとめた。図2に示すように、オープン構造の多孔形状を確認することができる。
[実施例2]
実施例1においてコラーゲン50wt%、ヒアルロン酸25wt%、及びカルボキシメチルセルロース25wt%を混合したことを除いては、前記実施例1と同じ工程を繰り返してパッキング用高分子フォームを製造した。
[比較例1]
実施例1において架橋用化合物としてのポリアクリル酸を投入しなく、また、凍結乾燥されたスポンジタイプのフォームに対する熱架橋工程を省略したままプレスにより2,000psiで加圧したことを除いては、前記実施例1と同じ工程を繰り返してパッキング用高分子フォームを製造した。
[比較例2]
実施例1においてコラーゲン0wt%、ヒアルロン酸75wt%、及びカルボキシメチルセルロース25wt%を混合したことを除いては、前記実施例1と同じ工程を繰り返してパッキング用高分子フォームを製造した。
[比較例3]
前記実施例1において混合した原料の乾燥固形分が2%(すなわち、前記3成分の有効成分含水率が98%)になるように調整したことを除いては、前記実施例1と同じ工程を繰り返ししてパッキング用高分子フォームを製造した。
[比較例4]
実施例1において凍結乾燥工程を除いては(凍結乾燥工程を行わずに熱架橋したこと)、前記実施例1と同じ工程を繰り返してパッキング用高分子フォームを製造した。
[比較例5]
実施例1において凍結乾燥されたスポンジタイプのフォームに対して、120℃で1時間熱架橋を行わずにプレスにより2,000psiで加圧したことを除いては、前記実施例1と同じ工程を繰り返してパッキング用高分子フォームを製造した。
[追加実験例1]
実施例1において出発物質としてのコラーゲンとして、次のように豚の皮膚を脱細胞処理したものを使用したことを除いては、前記実施例1と同じ工程を繰り返してパッキング用高分子フォームを製造した。
すなわち、豚の生体組織、表皮層から真皮層を厚さ100μm〜2mmまで物理的に分離し、分離した真皮層を、炭素数1〜4のアルコールのうち選ばれた1種以上、濃度10〜100%の極性溶媒を用いて1〜72時間常温で前処理した。
前記前処理物を、エタノール50〜80%と水酸化ナトリウム0.4M〜0.6Mを配合した脱細胞処理剤を用いて常温で処理し、得られた脱細胞処理物は、洗浄した後、塩酸、硫酸、過酢酸、酢酸などのうちから選ばれた1種以上を用いて常温でpH2〜10に調整した。
[追加実験例2]
前記実施例1において凍結乾燥されたスポンジタイプのフォームに対して、120℃で1時間熱架橋を行うのに代えて、24時間60℃のオーブンで乾燥し、その後、プレスにより2,000psiで加圧したことを除いては、前記実施例1と同じ工程を繰り返してパッキング用高分子フォームを製造した。
前記実施例1〜2、及び比較例1〜5、追加実験例1〜2について、それぞれ次のような試験を行い、その結果を対比した。
[試験例1:吸収度分析]
得られた高分子フォームの吸収率を次のように測定し、その結果を下記表1及び図2にまとめて示した。
吸収率は、各検体の乾燥重量を秤量した後、100mlフラスコに入れ、その後、生理食塩水50mlを加えて5分間放置する。5分後、検体を取り出して重量を秤量する。吸収度は、下記式で計算した。
[式1]
検体の吸収度=(吸収された検体の重量−乾燥された検体の重量)/乾燥された検体の重量
前記表1及び図2に示すように、吸収度の分析結果、実施例1では、平均23g/g以上の吸収度が確認され、実施例2では、平均7g/g内外の吸収度が確認された。
一方、非架橋サンプルである比較例1では、6.31g/gの吸収度は確認されたが、吸収した後に形状を維持することができなかった。混合比率が不適切な比較例2では、実施例2と同様乃至類似の吸収度を示したが、図3に示すように水分を吸収した後に形状を維持することができなかった。
また、比較例3は、実施例1において固形分の含有量だけを2%に減らしたものであり、前記比較例3では、吸収度は40g/gであって不良ではないが、その後の実験例に示すように、他の物性測定値が不良であり、比較例4、比較例5、追加実験例2では、低吸収度を示し、追加実験例1では、18g/gの優れた吸収度を示すが、形状を維持することができなかった。
[試験例2:圧縮強度、弾性率の分析]
実施例1〜2、及び比較例1〜5、追加実験例1〜2の高分子フォーム、及び他社の製品である商品名Nasopore(生分解ポリウレタンベース)とMerocel(生分解ヒアルロン酸ベース)に対する圧縮強度と弾性率を次のように測定した結果を、下記表2及び図3に示した。
具体的には、圧縮強度と弾性率は、レオメーター(HAAKE MARS2、Thermo Scientific Inc.)を用いて測定した。試料を大きさ2×2cmに切断して準備し、生理食塩水に5分間膨潤させた後、試片台上に置き、検体をスピンドルによって5mmに加圧し、その後、0.5Hzの振動数で測定した。検体を5mmに加圧した後、0.5Hzの振動数で分析する理由は、材料が鼻腔及び耳などに挿入された環境と類似しているからである。
前記表2に示すように、弾性度及び圧縮強度の試験結果、実施例1では、弾性度710pa、圧縮強度1.3Nを示し、実施例2では、弾性度50pa、圧縮強度0.25Nを示した。
一方、比較例1では、弾性度40pa、圧縮強度0.17Nを示し、この結果から物理的強度が非常に弱いということがわかり、比較例2では、水分吸収後に形状がなくなってしまい測定が不可能であった。
また、比較例3では、弾性度396pa、圧縮強度0.37Nを示し、比較例4では、弾性度556pa、圧縮強度0.33Nを示し、比較例5では、弾性度421pa、圧縮強度0.20を示し、追加実験例1では、弾性度512pa、圧縮強度0.12Nを示し、追加実験例2では、弾性度262pa、圧縮強度0.23Nを示して実施例1に比べて低い値が確認された。
加えて、市販の生分解性ポリウレタン製品であるNasoporeの場合、弾性度336pa、圧縮強度0.77Nを示し、市販の生分解性ヒアルロン酸製品Merocelの場合、弾性度2577pa、圧縮強度0.77Nを示し、この結果から、実施例1の検体がNasoporeよりも優れた弾性度及び圧縮強度を有することが確認された。
[試験例3:膨張率の分析]
実施例1〜2及び比較例1〜5、追加実験例1〜2、他社市販のポリウレタン製品Nasoporeに対する厚さ膨張率を、次のように測定し、下記表3にまとめて示した。
具体的には、乾燥状態における厚さを測定し、生理食塩水中にも十分に水和できるように10分間浸漬した後に取り出して、厚さを3回測定して平均厚さを算出した。
前記表3に示すように、実施例1では、乾燥状態の平均厚さ1.83から水分吸収後の平均厚さ13.98に約7.6倍増加し、実施例2では、乾燥状態の平均厚さ5.17から水分吸収後の平均厚さ13.1に約2.5倍増加した。
一方、比較例1では、乾燥状態の平均厚さ2.6から水分吸収後の平均厚さ6.57に約2.5倍増加し、比較例2では、乾燥状態の平均厚さ2.7を示したが、水分吸収後には溶けてしまって形状を維持することができなかった。
また、比較例3では、平均厚さが5から15.8に増加し、比較例4では、6.25から11に増加し、比較例5では、17から16に減少した。追加実験例1では、10から6に減少し、追加実験例2では、15から10に減少した。厚さが減少したグループは、圧縮が不可能であり、水分吸収後に溶けてしまって形状を維持できない場合や、膨張できない場合に該当する。特に比較例3の場合、乾燥状態の厚さは実施例1における乾燥状態の厚さよりも大きいが、最終的に水分吸収後の厚さは類似していることが確認された。
参考までに、他社製品である市販ポリウレタンNasoporeは、乾燥状態の厚さと水分吸収後の厚さとにおいて、厚さ変化がほとんど見られなかった。
[試験例4:分解特性分析]
実施例1及び比較例3により製造されたサンプルの分解特性を確認するために、人体の環境を模倣したコラゲナーゼ分解試験を行い、分解期間を分析した。タイプ1型のコラゲナーゼ1μ/mlのPBS溶液を準備し、サンプルを入れた後、37℃、50rpm撹拌機で14日間攪拌した。3、7、10、及び14日後にサンプルを取り出し、試験例2の方法でレオメーターを用いて圧縮強度を測定した。nの数は4〜5であり、圧縮強度値は、分解試験前のサンプル(0日)を基準として100%の単位に換算して結果を導出した。試験の結果を説明すると、実施例1では、経時に伴って徐々に物性値が減少することが確認され、14日目に完全分解されることが確認された。比較例3では、実施例1よりも高速で分解されることが確認され、10日後には完全に分解されることが確認された。図6は、実施例1のサンプルの分解写真であり、14日後にはサクションで簡単に除去することができるゲルの形に変化した。
[試験例5:止血性能分析]
実施例1により製造されたサンプルの止血有効性を確認するために、ラットの肝切除モデル及び肝門脈モデルを用いて全血(Whole blood)凝固実験を行い、評価した。実験群には、実施例1のサンプルを用い、対照群には、認可済みの止血製品サージセル・フィブリラー(Surgicel fibrillar、ジョンソン・アンド・ジョンソン、Ethicon、米国)を用いた。
5−1.全血凝固試験
全血(Whole blood)凝固試験では、ガラス管のチューブに製品を10mmサイズに入れた後、ラットの血液を1ml採取して注入する。陰性対照群として血液のみを適用したグループと実験群において、それぞれ血液が固まる時間を測定した。動物の全血を用いた止血時間の試験を行い、実施例1のサンプルの止血有効性を評価した。試験の結果を図4に示す。同図に示すように、陰性対照群(コントロール群; Control group)では、2分で血液が完全に凝固され、陽性対照群(Surgicel、J&J)では、50秒帯で血液が完全に凝固され、実験群では、45初帯で血液が凝固されることが確認された。陰性対照群に比べて、陽性対照群及び実験群でより高速な止血時間を確認することができた。
5−2.肝切除モデル
動物試験は、ISO 10993−2、「動物福祉要求條件(Animalwelfare requirements)」に基づいて実施した。手術前にラットを吸入麻酔(イソフルラン2%)器を用いて麻酔させて毛を脱毛し、ポビドンで消毒した後、無菌手術台で手術を行った。肝臓切除モデルでは、麻酔された動物の腹部中央を切開した後、肝臓中葉(Middlelobe of liver)がよく見えるようにした後、生検パンチ(Biopypunch)を用いて直径8mmに切除した。肝臓切除後に製品で出血部位を覆い一定の力(50 gのおもり)を加えて5分間止血させた。5分後に流出された血液量を秤量した。試験の結果を図5に示す。同図に示すように、肝切除モデルを用いた止血性能確認試験において、止血しなかったコントロール群(Control Group)では、平均3.53 gの出血量を示し、対照群(Surgicel、J&J)では、1.57 gの出血量を示し、実施例1のサンプルでは、1.83 gの出血量を示した。 2つのグループの両方が、コントロール群と統計的に有意な差を示すことが確認され、対照群と実験群においては統計的に有意な差が見られなかった。
5−3.肝門脈損傷モデル
肝門脈損傷モデルでは、麻酔された動物の腹部中央を切開した後、肝門脈がよく見えるようにした後、21Gの針(needle)で血管を穿刺する(punch)。製品で出血部位を覆い5分間止血した後、流出した血液を秤量する。試験の結果を図8に示す。同図に示すように、肝門脈損傷モデルを用いた止血能力確認試験において、止血しなかったコントロール群(Control Group)では、平均2.72 gの出血量を示し、対照群(Surgicel、J&J)では、0.89 gの出血量 を示し、実験群である実施例1では、0.39 gの出血量を示した。2つのグループの両方が、コントロール群と統計的に有意な差を示すことが確認され、対照群と実験群においては統計的に有意な差が見られなかった。
[試験例6:創傷治癒能分析]
実施例1のスポンジタイプの弾性創傷被覆材と対照群のスポンジタイプの弾性創傷被覆材の創傷、火傷及び傷跡の治癒効果及び安全性を評価するために、動物モデル(スプラーグドーリーラット:SpragueDawley Rat)を用いて試験を実施した。白ネズミの背中部位に2cm×2cmの大きさに全層創傷モデルを作製した後、実験群(実施例1)と陽性対照群(Collaheal登録商標)で創傷部位を保護し、2、4、7、10、及び14日目にデジタルカメラで創傷のサイズ及び炎症反応を確認した(図9)。また、14日目に移植物を採取し、組織病理学的評価方法を用いて安全性及び有効性を評価した(図10)。
試験の結果を説明すると、試験期間中に試験動物に特異な症状が発生しなく、さらに死亡動物が発生しなかった。分析の結果、図9及び図10の両方に示すように、実験群と陽性対照群(Collaheal登録商標)の両方とも、創傷部位における新生組織の再生に効果的であり、同等の治癒能力を有することが確認された。さらに両方のグループから特異的な炎症及び免疫反応を確認することができなかった。

Claims (15)

  1. コラーゲン、ヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースを有効成分として含み、
    前記有効成分の架橋用化合物を含むことを特徴とする高分子フォーム組成物。
  2. 前記有効成分は、コラーゲンとヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースの総量100wt%のうち、コラーゲン20〜99wt%、ヒアルロン酸0.5〜30wt%及びカルボキシメチルセルロース0.5〜50wt%を含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子フォーム組成物。
  3. 前記コラーゲンは、哺乳動物(ヒトを除く)から抽出されたもので、脱細胞処理物であることを特徴とする請求項1に記載の高分子フォーム組成物。
  4. 前記ヒアルロン酸は、重量平均分子量(Mw)が1,000,000〜1,900,000g/molであることを特徴とする請求項1に記載の高分子フォーム組成物。
  5. 前記カルボキシメチルセルロースは、重量平均分子量(Mw)が1,000〜80,000g/molであることを特徴とする請求項1に記載の高分子フォーム組成物。
  6. 前記高分子フォーム組成物は、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、キチン、キトサン、デキストラン、グリコーゲン、澱粉、ペクチン、ヘパリン、ヘパリン硫酸塩、コンドロイチン硫酸塩のグリコサミノグリカンのうちから選ばれた1種以上のカルボキシ多糖類をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子フォーム組成物。
  7. 前記架橋用化合物は、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びポリエチレンオキサイドのうちから選ばれた1種以上を含み、前記架橋用化合物の含有量が、前記有効成分の総量100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1に記載の高分子フォーム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に係る高分子フォーム組成物を出発物質として多段階凍結乾燥した後、高温熱架橋及び加圧工程を経て高分子フォームを製造することを特徴とする高分子フォームの製造方法。
  9. 前記多段階凍結乾燥は、0℃以下で急速凍結乾燥する1段階乾燥、及び−40〜20℃下で凍結乾燥機で10mmHg以下の圧力で緩速凍結乾燥する2段階乾燥により行われることを特徴とする請求項8に記載の高分子フォームの製造方法。
  10. 前記高温熱架橋は、架橋化合物を投入し、80〜200℃下で急速熱架橋することを特徴とする請求項8に記載の高分子フォームの製造方法。
  11. 前記加圧工程は、1,000〜5,000Psiの圧力下で行われることを特徴とする請求項8に記載の高分子フォームの製造方法。
  12. コラーゲン、ヒアルロン酸及びカルボキシメチルセルロースを有効成分として含み、
    前記有効成分が架橋用化合物で架橋され、生理食塩水に対する吸収度が10g/g以上であり、レオメーター(rheometer)を用いて測定するとき、0.5Hzの振動数で、圧縮強度が0.1N以上であり、弾性度が1000pa以上であることを特徴とする高分子フォーム。
  13. 前記高分子フォームは、副鼻洞または鼻腔に対するパッキング用であることを特徴とする請求項12に記載の高分子フォーム。
  14. 請求項1〜7のいずれか1項に係る高分子フォーム組成物を出発物質として自然乾燥または熱乾燥によって高分子フォームを製造することを特徴とする高分子フォームの製造方法。
  15. 前記高分子フォームは、フィルムタイプまたはブロックタイプであることを特徴とする請求項14に記載の高分子フォームの製造方法。
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