JP2017519220A - 糞便中の寄生虫卵の定量法 - Google Patents

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Abstract

環境試料、特に糞便試料中の寄生蠕虫卵の存在の有無を決定するための方法及びキットを提供する。この方法は、虫卵捕捉法と、N−アセチル−D−グルコサミン特異的リガンドの虫卵を検出するための使用を取り込む。

Description

優先権の主張
本出願は、米国仮特許出願第62/059,262号(2014年10月3日出願)と米国仮特許出願第61/977,754号(2014年4月10日出願)の利益を請求する。
技術分野
本発明は、動物の寄生虫負荷の診断に、そしてより特別には、糞便中の寄生虫卵の数を定量するための方法に関する。
どんなに楽観的なシナリオ下であっても、世界人口は、21世紀を通して着実に増加し続けて(UN, 2004)、食肉生産への需要だけでも1999年〜2050年で2倍になると予測されている(Steinfeld et al., 2006)。この需要を満たすことに対する1つの重大な障壁は、体内寄生蠕虫類による動物感染症であり、これは、すべての家畜において、全世界で本質的に偏在している。
寄生蠕虫類は、条虫類(cestodes)、線虫類(nematodes)、吸虫類(trematodes)、及び単生類(monogeneans)という分類群が含まれる蠕虫様動物の多系統群である。多くの寄生蠕虫類は、消化器系を介して、最初は寄生虫又はその卵で汚染された物資の摂取を介して拡散する。その生活環の間に、そのような寄生虫は、身体の他の部分へ移動し得るが、消化管へ戻ってより多くの卵を産むと、やがてそれらが糞中に排泄されて、新たな感染症の供給源を提供する。
蠕虫感染は、ヒトを含む動物において重大な病態を引き起こして、農業用家畜の場合には、体重増加、乳生産、及び繁殖の低下からの生産性低下による実質的な経済損失を引き起こす。重篤な感染症は、死をもたらす可能性があるが、体内寄生虫を担う反芻動物は、準臨床的なレベルであっても、いくつかの様態(貧血、生殖適応度及び乳汁分泌の減少、及び食物利用能の低下が含まれる)を介した有意な生産性損失を明示して、低成長と体調不良をもたらす(Piedrafita et al., 2010; Perry and Randolph, 1999; Hoglund et al., 2001; Reinhardt et al., 2006)。米国では、家畜生産性の年間損失額は、毎年30億ドルと推定されてきた(Bagley et al., 2014)。獣医学的ケア、駆虫薬、及び厳しく管理された駆虫畜産戦略がさほど利用可能でないか又はさほど広く実践されていなくて、食糧不足がより起こりやすくてより重篤である発展途上国では、この損失は、実質的により大きいと予測される。蠕虫感染は、家禽(Permin et al., 1999)とブタ(Nansen and Roepstorff, 1999)が含まれる農業上重要な非反芻動物において、そしてウマ(Duncan, 1985)のような他の経済的に重要な草食動物においても課題となっている。ウマの場合、寄生虫感染はまた、その動物の身体能力の低下を生じる。しかしながら、体内寄生虫の侵襲は、農業用家畜に限定されないで、ネコやイヌのような伴侶・慰安動物の課題でもある。ネコやイヌにおける侵襲は、人獣共通感染症と呼ばれる現象をもたらして、鉤虫や回虫の被感染者(大抵は、幼若児童)をもたらす可能性がある(31)。
寄生蠕虫感染症は、ヒトでも拡がっている。例えば、回旋糸状虫(Onchocerca volvulus)は、ヒトにおいてオンコセルカ症(河川盲目症としても知られている)を引き起こす。全世界で約1700〜2500万人が O. volvulus に感染していて、ほぼ百万人にある度合いの視力喪失があると報告されている。ブルギア糸状虫(Brugia filariids)は、ヒトと他の動物に感染し得て、フィラリア症(リンパ管フィラリア症が含まれる)、象皮症、及び熱帯性好酸球増加症が含まれる諸疾患を引き起こす。住血吸虫症は、住血吸虫種の住血吸虫(blood flukes)によって引き起こされる、ヒトの血管系寄生虫病である。住血吸虫症は、全世界で10億人以上が感染している多くの蠕虫疾患の1つである。これらの疾患には、回虫症、鞭虫症、蟯虫症、フィラリア症、旋毛虫症、オンコセルカ症、肝蛭症、及び嚢虫症が含まれる。住血吸虫症は、寄生虫による病気及び苦痛の主因として、マラリア症に次いで第2位を占める。
上記の問題に複合して、家畜生産において世界的に増大している問題は、よく使用されている駆虫薬に対する耐性(駆虫薬耐性)である(Kaplan, 2004)。多剤耐性は、ヒツジとヤギの手術においてよくある現象であって(da Cruz et al., 2010)、駆虫が完全に失敗したいくつかの症例が報告されている(Cezar et al., 2010; Howell et al., 2008)。同様に、現在市場で入手可能なすべての駆虫薬剤群への耐性があるウマの寄生虫についてすでに報告されていて、圧倒的多数のウマ手術は、少なくとも1つの薬剤群に対する耐性に直面している(Peregrine et al., 2014)。ごく最近、よく使用されている数群の駆虫製品に対して耐性を増しているウシの寄生虫が見つかってきた(Gasbarre et al., 2009; Waghorn et al., 2006; Jackson et al., 2006)。
さらに、この耐性は、新しい駆虫薬品が開発されて上市されるより有意に速い速度で進化しているようである:北米では、大型動物における使用のための新しい駆虫薬群が1980年代の初め以降上市されていない。これらの理由により、世界的な獣医学組織は、寄生虫感染と薬剤耐性の存在について動物診療の喫緊の側面としてモニタリングすることを推進している(Wood et al., 1995)。
獣医学の領域では、顕現された臨床症状によって蠕虫感染が診断されるときがある。獣医寄生虫学の実践における中心的なツールは、糞便卵計数法(FEC)であるが、これは、ほぼ1世紀の間ほとんど変わらず(4,11)、そして一般的には、虫卵それ自体より高密度である糖及び/又は塩の媒体に虫卵を浮かせてから、顕微鏡検査と手動計数を続けることに依拠する。現在、2種のFEC法が使用されている。
第1の、そしておそらくは最も普遍的に使用されている虫卵計数法は、元は1939年にゴードン(Gordon)とフィトロック(Whitlock)がヒツジの糞便で開発した、マクマスター(McMaster)スライド計数法である。この方法では、糞便材料を寄生虫卵それ自体より高密度の糖及び/又は塩(SS)溶液に懸濁させて、この目的のために特別に製作された顕微鏡スライド中に置く(マクマスタースライド計数法)。虫卵が表面へ浮かぶ(それによって、より濃厚な糞便破片からそれらを分離して、可視化を容易にする)ので、熟練者が顕微鏡を40〜100倍の倍率で使用して、手動で計数する。
よく使用される第2の虫卵計数手順は、ウィスコンシン(Wisconsin)法とその派生法である。これらの方法では、通常は遠心力場の影響下であるが、重力によっても、浮遊媒体の表面メニスカス上に配置したカバーガラスの上へ虫卵を直接浮遊させる。糞便懸濁液を管の中へ入れてメニスカスを形成させることによりその多くをサンプリングすることによって、感度を高めることができる。このメニスカス上にカバーガラスを載せてから、スィングアウトローラー中での遠心分離へ処す(Rossanigo and Gruner, 1991; Egwang and Slocombe, 1981)。次いで、そのカバーガラスへ付着している虫卵をこれまでのように顕微鏡で計数することができる。
マクマスター型のアッセイは、ウィスコンシン型の検査法より、実施するのがより容易であるが、関与する希釈倍率が高くてサンプリング量が少ないので、より変動性が高くて感度が低いアッセイになってしまう。逆に、ウィスコンシン検査法では、遠心力場によって生じる浮遊物が増加すること、さらにまた大量の試料が許容されることの故により多くの虫卵が回収されるが、技術的には、やや面倒なことが多くて、遠心分離機へのアクセスを必要とし、このことは、多くの獣医学診療とその現場において現実的ではない。
残念ながら、これらの技術のいずれも時間がかかるだけでなく、特殊な研究機器(即ち、遠心分離機が付いたか又は付いていない顕微鏡)の使用が必要とされ、これは、現場の獣医学者、ましてや動物所有者が、めったに利用するものではない。さらに、大多数の動物所有者は、そのような試料を信頼可能なほどに検査するのに必要な訓練を受けていない(例えば、専門家でなければ、虫卵を花粉粒のような他の糞便粒子と容易に混同してしまうだろう)。一般に、試料が採取されると、分析のために獣医学者のオフィスへ、又は第3者の分析ラボラトリーへ送られて、追加費用、及び/又は診断時間の遅れを生じる。あるいは、所有者は、数多くの商用サービスにより、糞便試料をラボラトリーへ直接発送することができるが、結果には概して48時間待つ必要がある。このことは、本検査法の時間浪費性と各試料を処理して視察する熟練した人材の必要性、及び費用に対する影響の混在に相俟って、自分の家畜について寄生虫の存在と耐性の発現を定型的に検査する動物所有者をさらに少なくしている。
時間と機器の課題に加えて、現行の虫卵計数法は、いくつかの技術的な欠点に悩んでいる。例えば、現行の虫卵計数法の有効性は、虫卵計数の変動性によって限界がある。ウマの虫卵計数は、繰り返しの計数間で±50%変動すると評価されてきた(一部は、主観的な分析者間変動性により、そして一部は、試料採取量が少ないことによる統計学的な理由のために)。従って、真の課題は、糞便卵数低減における真の変化と偶発変動性の間の線引きをすることなのである(Vidyashankar et al., 2012)。分析者の訓練の向上、反復計数を実施すること、又は検出限界がより低い方法を使用することによって変動性を抑えることは可能であるが、これらの解決策のいずれも、追加の訓練又は処理時間のいずれかでコストがかかるものである。もうひとつの欠点は、虫卵損失率である。試料中の何パーセントかの虫卵は、糞便破片の中に捕捉されたままであって、浮遊工程へは供されない。その技量と実施者に依存して、虫卵損失率は、30%〜60%で変動することがわかった(Vidyashankar et al., 2012)。重要にも、検出限界、即ち所与の技術によって検出可能な最低の虫卵数は、既知の方法に対する技術上の限界をもたらす。それは、典型的には、1gにつき1〜50個の虫卵(EPG)の範囲内にある。マクマスター技術(図1参照)は、通常、25〜50EPGの検出限界を有して、それでは低い卵数レベルを検出すること(このことは、耐性検査にとって特に重要である)がきわめて困難である(Vidyashankar et al., 2012)。
結果的に、この業界では、駆虫薬での予防的処置が定番になってきた。残念ながら、そして抗生物質の過剰処方に類似して、すべての生物種、特に小型反芻動物全体で、薬剤耐性線虫の出現頻度が全世界的にますます懸念されている(Kaplan, 2004; Wolstenholme et al., 2004; Sutherland and Leathwick, 2011; Jackson and Coop, 2000; Roepstorff et al., 1987; Coles et al., 2003; Cernanska et al., 2006; Kornele et al., 2014)。今や、獣医組織も規制当局も、この急速に進展する問題を公式に認めていて、(1)このような耐性の進展についてモニターすることに役立つ、そして(2)処方品と一般医薬品の両方の駆虫薬の現行の無差別な使用を抑制することによって耐性を減らすことを試みるためのガイドラインを発行した(Wood et al., 1995; EMEA, 2006; FDA, 2014)。
残念ながら、糞便の卵数低減(FECR)を観測することによって耐性の発現についてモニタリングすることには、上記に記載した欠点がある、虫卵浮遊法の使用を伴う(8)。従って、上記の方法が広く使用される可能性は低い。この想定を強調するように、ケンタッキー州のサラブレッド農場についての最新調査が示したことによれば、ほとんどの回答者が薬剤耐性寄生虫の現象に気づいていて懸念しているのに、その70%以上が依然として駆虫薬を予防的に使用していた(Robert et al., 2014)。加えて、USDAからの研究は、体内寄生虫が自らの作業に対して有意な経済的影響を及ぼしていることに50〜70%の酪農家が同意している(USDA, 2011b)のに、この問題のために何らかの室内試験を利用しているのは0.7%にすぎないことを示した(USDA, 2010)。要約すると、糞便の虫卵計数法の不便さは、寄生虫感染の治療及び管理へのより標的指向されたアプローチの広範な採用への重大な障壁を代表するようである。
欧州の規制当局が薬剤耐性株の出現の脅威を認めて、薬剤利用を制限することへ動いてきたのに対し、米国では、上記薬剤の多くが現在も依然として一般店頭薬として公然と利用されている。結果として、糞便の卵数低減検査(FECR)の使用を推奨してきたのは、獣医の専門学会である。FECRは、駆虫薬での処理の前と後の両方で、寄生虫負荷の代用マーカーとして虫卵数を使用して寄生虫負荷について体系的に評価することに依拠する。処理後の虫卵数の低下が予測を下回れば、耐性の発現を検出することができて、集団全体での耐性株の増殖を軽減するように適正に管理された対応が促進される。結果的に、糞便の虫卵計数は、ますます重要になってきたが、この臨床的に有用な診断ツールを改善することにおいて、驚くほどにほとんど進歩が無かったのである。
ほとんど1世紀の経過と、他の分野における洗練された現代的な分析手法の開発にもかかわらず、虫卵計数の実践法は、ほとんど変化しないままであって、技術革新の多くは、浮遊媒体の変更、又はより大きな糞便試料から虫卵を採取するための方法に限られた。例えば、浮遊チャンバの容積は、感度を向上させるために拡大されてきた(14,15,18)か又は、代わりの浮遊溶液が開発されてきた(14,17)。
糞便中の虫卵を検出するか又は定量するために、ポリメラーゼ連鎖反応(Demeler et al., 2013; Learmount et al., 2009)とフローサイトメトリー(Colditz et al., 2002)のような方法を使用する、より洗練された努力を開発すべく努力してきた研究者もいる。しかしながら、そのような洗練された技術は、それらを実行するのに必要とされる専門技術及び機器とともに、研究目的以外のものへのツールとしては、なおいっそう非実用的なものである。
検出の助けとなる虫卵表面プローブを発見することに向けていくらかの努力がなされてきたが、これらの努力は、様々なレクチンについてスクリーニングして、これらのレクチンが結合し得る虫卵の生物種を決定することに限定されてきた。一度決定されたならば、これらのタンパク質を、特定の種又は属の存在の(定量でなく)検出のための種特異的なマーカーとして使用することができる(Palmer and McCombe, 1996; Hillrichs et al., 2012; Colditz et al., 2002)。しかしながら、臨床上の意思決定と駆虫薬耐性のモニタリングには、総虫卵数が依然として標準となるので、すべての寄生蠕虫卵に一般的であるマーカーを同定することが依然として重要である。そのような普遍的で実験的に追跡可能なマーカーが同定されれば、糞便の総虫卵負荷を計数するための迅速な定量法を開発して、それにより浮遊法とそれに関連した欠点に取って代わるためにそれを利用する可能性が大きく開かれるだろう。
残念ながら、臨床的に意義深い虫卵表面の分子組成を解明するための研究はほとんど行われてこなかったし、なされてきたことが少ないが故に、具体的な情報がほとんど得られていない(Wharton, 1983; Quiles et al., 2006)。
寄生性原虫感染症も、ヒトのマラリア症及びニューモシチス・カリニ肺炎と鳥類、魚類、及び哺乳動物の様々なコクシジウム症に及ぶ、医学的及び獣医学的に重要な多種多様な疾患の原因である。これらの疾患の多くは、宿主の生命を脅かして、畜産業において多大な経済損失を引き起こす。コクシジウム症は、限定されないが、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ブタ、ニワトリ、七面鳥、ネコ、及びイヌが含まれる、動物の腸管に罹患する、寄生原虫疾患である。対象の寄生虫には、限定されないが、イソスポーラ種(Isospora sp.)(イヌとネコ); アイメリア・マキシマ(Eimeria maxima)、アイメリア・アセルブリナ(E. acervulina)、アイメリア・ブルネッティ(E. brunetti)、アイメリア・ネカトリックス(E. necatrix)、及びアイメリア・テネラ(E. tenella)(ニワトリ);アイメリア・メレアグリジス(E. meleagridis)、アイメリア・ガロパボニス(E. gallopavonis)、アイメリア・アデノイデス(E. adenoeides)、及びアイメリア・ディスパーサ(E. dispersa)(七面鳥);アイメリア・ボビス(E. bovis)(ウシ);アイメリア・オヴィナ(E. ovina)(ヒツジ);アイメリア・ポルチ(E. porci)(ブタ);及びアイメリア・スチエダイ(E. stiedai)(ウサギ)が含まれる。コクシジウム症は、多くの家畜動物種において最も経済的に重要な疾患の1つである。この疾患は、下痢、不始末、食欲及び体重の喪失、及び様々なレベルの死亡率を特徴とする。家畜動物において経済損失が引き起こされるのは、一部は栄養分の腸壁からの吸収不全による体重増加の減少の故である。そして、蠕虫感染症と同じように、原虫オーシストを検出するための最高技術水準は、時間のかかる方法に依拠している。
多くの寄生虫がその生活環の一部を胃腸管において過ごして糞中に排泄される一方で、多くの他の寄生虫は、宿主動物の膀胱や腎臓に感染する。泌尿器毛細線虫(Pearsonema plica)と腎虫(Dioctophyme renale)は、イヌの膀胱と腎臓に感染することが知られている、2種のそのような寄生虫である。いずれの属の虫卵も、尿試料中に見出すことができる。住血吸虫種は、尿管又は腸に感染し得て、その卵は、動物の尿又は大便に見出され得る。
以上のように、より現代的な方法が開発されてきたが、これらの検査法はまだ広く採用されてなくて、体内寄生虫の侵襲(即ち、蠕虫及び原虫の寄生性の侵襲)についてモニターするのに最も広く利用可能で定型的に使用されているのは、依然として手動の虫卵計数法なのである。従って、当該技術分野の獣医学者によっても、動物所有者自身によっても実施することができる、糞便中の寄生虫卵の数を定量するための簡便で、正確で、費用効果のある方法へのニーズが存在する。
本発明は、N−アセチル−D−グルコサミン(GlcNac)結合ドメイン(例、GlcNac結合タンパク質)とその断片の、環境試料(例、糞便試料)中の蠕虫卵の検出への使用に基づく。「検出(する)」は、検出される対象の存在、非存在、又は量を確定することを意味する。検出される量は、皆無であっても、検出レベル未満であってもよい。本発明は、獣医学者と動物所有者の両方が寄生蠕虫感染、及び/又は寄生原虫感染症の存在及びレベルについて診断することを可能にして、それによって治療及び予防の戦略を自らの具体的なニーズに合わせてより適切かつ効率的に設計することを可能にする、簡単な現場検査法を提供する。この検査法は、より管理された研究環境においても使用することができる。本文書は、寄生虫卵計数を、ほぼ1世紀以上の間漫然と使用されてきた顕微鏡から解放することの一般原理について概説して、現代の生化学技術を使用してこの目的を達成する特異的アッセイについて記載する。
本明細書において開示する方法は、現行の虫卵計数法に対するさらなる改善を提供する;即ち、このアプローチは、(1)試料処理量を増加させることを可能にして、主観性を排除することによって、上記の変動源を低減又は消失させること;(2)浮遊工程を省略してもよいこと(これにより、少なくとも部分的には、虫卵損失率の問題が改善され得る);及び(3)糞便試料の濾過による濃縮(これにより、感度が格段に向上する)を可能にする。加えて、本技術であれば、この検査が現場で迅速に実施されることによって、糞便を研究室へ輸送することの時間と不便さのコストとこれまでの処理時間を消失させることが可能であろう。最後に、臨床治療法の決定のための情報を提供するのに最もよく使用されている測定基準が総FEC(寄生虫の種を考慮しない)であるので、本技術は、確立された獣医学診療へ十分に適合しよう(Coles et al., 2006;Nielsen et al., 2010)。
従って、1つの側面では、本発明は、環境試料中の(例、糞便試料、尿試料、水試料、廃水又は汚水試料、又は土壌試料中の)蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための方法を提供する。いくつかの側面では、本発明は、環境試料中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための方法を提供するものであり、該方法は、試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し、該糞便溶液を、孔径が減少する2以上(例、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、又は50)のフィルター(その数と孔径は、糞便が入手される動物の種と、検出される虫卵及び/又はオーシストの種類によって決定される)に通して流す、ことを含んでなる。
いくつかの側面では、本発明は、糞便試料中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための方法を提供するものであり、該方法は、試料緩衝液に懸濁した糞便試料を含んでなる糞便溶液を入手し、該糞便溶液を、孔径が減少する2以上(例、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、又は50)のフィルター(その数と孔径は、糞便が入手される動物の種と、検出される虫卵及び/又はオーシストの種類によって決定される)に通して流す、ことを含んでなる。
本明細書に使用されるように、「1以上」という用語と「少なくとも1つ」という用語は、交換可能的に使用されて、「1以上」又は「少なくとも1つ」と言及される項目の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、等を意味する。「2以上」という用語は、少なくとも2を意味し、より好適には、「2以上」と言及される項目の2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、等を意味する。
故に、1つの側面では、環境試料を含んでなる溶液(例、糞便試料を含んでなる糞便溶液)は、孔径約85μ〜約350μ、約100μ〜約300μ、約125μ〜約250μ、又は約150μ〜約200μの第1濾過膜に通して流されて第1濾液を形成し、この第1濾液を、孔径約1μ〜約10μ、約5μ〜約45μ、約10μ〜約45μ、約15μ〜約45μ、約20μ〜約45μ、約25μ〜約40μ、又は約30μ〜約35μの第2濾過膜に通して流し、第2濾過膜上に捕捉された蠕虫卵を、検出可能な成分へコンジュゲートした、例えば、レクチン、キチナーゼ、キチン結合ドメイン(CBD)のようなN−アセチル−D−グルコサミン結合ドメイン又はその断片又は他のN−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質又はそれらの断片と接触させて、その検出可能な成分(例、検出可能な成分のシグナルの強度)に基づいて、糞便試料中の蠕虫卵の存在の有無を検出する。
「第1」、「第2」、及び「第3」という用語は、本開示では、その相対的な意味でのみ使用される。他に述べなければ、これらの用語は、1以上の態様の記載では、単に便宜上使用されると理解されよう。「第1」、「第2」、及び「第3」という用語は、1つの要素を別の要素から識別するためにのみ使用されるのであって、開示される技術についての権利の範囲は、これらの用語によって制限されてはならない。例えば、第1要素を第2要素と指定してよくて、同様に、第2要素を第1要素と指定してよい。
別の側面では、本発明は、試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液(例、糞便試料を含んでなる糞便溶液)を入手し、該糞便溶液を、孔径約85μ〜約350μ、約100μ〜約300μ、約125μ〜約250μ、又は約150μ〜約200μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し、第1濾液を、孔径約1μ〜約10μ、約5μ〜約45μ、約10μ〜約45μ、約15μ〜約45μ、約20μ〜約45μ、約25μ〜約40μ、又は約30μ〜約35μの第2濾過膜に通して流し、第2濾過膜上に捕捉された試料を、蛍光励起光下で蛍光発光するキチン結合色素を含んでなる第1試薬と接触させ、第2濾過膜上に捕捉された試料を蛍光励起光で照らし、そして該試料の蛍光を検査し、蛍光強度又は蛍光粒子の数に基づいて、該試料中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を決定する、ことを含んでなる、環境試料(例、糞便試料)中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための方法を提供する。
なお別の側面では、本発明は、試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液(例、糞便試料を含んでなる糞便溶液)を入手し、該溶液を、孔径約85μ〜約350μ、約100μ〜約300μ、約125μ〜約250μ、又は約150μ〜約200μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し、第1濾液を、孔径約1μ〜約10μ、約5μ〜約45μ、約10μ〜約45μ、約15μ〜約45μ、約20μ〜約45μ、約25μ〜約40μ、又は約30μ〜約35μの第2濾過膜に通して流し、第2濾過膜上に捕捉された蠕虫卵及び/又は原虫オーシストを、レクチン又はCBD又はN−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質、又はそれらの断片を含んでなる第1試薬と接触させて、第1試薬試料を形成し、第1試薬試料を、そのレクチン又はCBDへ特異的に結合する抗体(ここで該抗体は、検出可能な成分へコンジュゲートしている)を含んでなる第2試薬と接触させ、そして検出可能な成分に基づいて、試料中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を決定する、ことを含んでなる、環境試料(例、糞便試料)中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための方法を提供する。
いくつかの態様では、環境試料は、糞便試料である。糞便溶液を入手する工程は、糞便試料を試料緩衝液に懸濁させて、第1糞便溶液を形成し、第1糞便溶液を、孔径約400μ〜約800μ、約425μ〜約750μ、約450μ〜約700μ、約500μ〜約650μ、又は約550μ〜約600μのバルク濾過膜に通して流して、糞便溶液を提供する、ことを含み得る。1つの態様では、バルク濾過膜の孔径は約400μ〜約450μであり、第1濾過膜の孔径は約85μ〜約120μであり、そして第2濾過膜の孔径は約20μ〜約40μである。第1糞便溶液をバルク濾過膜に通して流すことは、より大きな粒子及び破片を除去することに役立って、第1濾過膜と第2濾過膜を通すより効率的な濾過を可能にする。
いくつかの態様では、本方法は、該溶液を第2濾過膜に通して流した後で、第2濾過膜に捕捉された蠕虫卵及び/又は原虫オーシストを液体試料緩衝液に懸濁させることをさらに含んでなる。
さらなる側面によれば、本明細書において開示する方法は、接触させる工程の前に、該試料(例、環境試料)を酸化剤又は漂白溶液で処理することをさらに含む。従って、いくつかの態様では、接触させる工程に先立って、試料を漂白溶液で処理する。
いくつかの態様では、GlcNac結合ドメインは、レクチン、キチナーゼ、又はキチン結合ドメイン(CBD)から成る群より選択されるGlcNac結合タンパク質、又はそれらの断片である。より特別には、レクチンは、N−アセチル−D−グルコサミンへ結合することが可能などのレクチンであってもよくて、小麦胚芽凝集素(WGA)、大豆凝集素(SBA)、アメリカ針桑レクチン(MPL)、紫蘇芯花レクチン(BPL)、白花洋種朝鮮朝顔レクチン(DSL)、トマト・レクチン(LEL)、ジャガイモ・レクチン(STL)、及び 四角豆レクチン−II(PTL−II)から成る群より選択されるレクチンが含まれる。1つの態様では、レクチンは、小麦胚芽凝集素(WGA)である。
いくつかの態様では、GlcNac結合タンパク質は、磁気又は非磁気ビーズのような固体支持体、又はニトロセルロース又はポリビニリデンジフルオリドのような膜へコンジュゲートしていて、これを濾過と組み合わせて、又は濾過の代わりに使用して、虫卵を捕捉して濃縮することができる。
いくつかの態様では、GlcNac結合タンパク質は、ハプテン、酵素、抗体エピトープ、抗原、フルオロフォア、放射性同位体、ナノ粒子、結合対のメンバー、及び金属キレートから成る群より選択される検出可能な成分へコンジュゲートしている。例えば、検出可能な標識は、結合対の第1メンバーであってよくて、ここで結合対は、ビオチン/ストレプトアビジン、ビオチン/アビジン、ビオチン/ニュートラアビジン、ビオチン/キャプトアビジン、エピトープ/抗体、プロテインA/免疫グロブリン、プロテインG/免疫グロブリン、プロテインL/免疫グロブリン、GST/グルタチオン、Hisタグ/金属(例、ニッケル、コバルト、又は銅)、抗原/抗体、FLAG/M1抗体、マルトース結合タンパク質/マルトース、カルモジュリン結合タンパク質/カルモジュリン、酵素/酵素基質、及び受容体/リガンドの結合対から成る群より選択される。1つの態様では、検出可能な成分は、結合対の第1メンバーである。いくつかの態様では、結合対の第1メンバーがN−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質へコンジュゲートしていて、結合対の第2メンバーは、固体支持体上に固定化されている。
いくつかの態様では、検出可能な成分は、結合対の第1メンバーであり;そして、結合対の第2メンバーは、酵素、抗体エピトープ、抗原、フルオロフォア、放射性同位体、ナノ粒子、第2結合対のメンバー、及び金属キレートへコンジュゲートしている。
なお別の態様では、検出可能な成分は、結合対の第1メンバーであって、ここで結合対の第1メンバーはビオチンであって、結合対の第2メンバーは、ストレプトアビジン、アビジン、ニュートラアビジン、及びキャプトアビジンから成る群より選択されて、結合対の第2メンバーは、酵素へコンジュゲートしている。
いくつかの態様では、検出可能な成分は、緑色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、フルオレセイン、フルオレセイン5−イソチオシアネート(FITC)、シアニン色素(Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7)、Bodipy色素(インビトロジェン)、及び/又はアレクサフルオル色素(インビトロジェン)、ダンシル、ダンシルクロリド(DNS−C1)、5−(ヨードアセトアミド)フルオレセイン(5−IAF、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(アクリロダン)、7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イルクロリド(NBD−Cl)、臭化エチジウム、ルシファー・イエロー、ローダミン色素(5−カルボキシローダミン6G塩酸塩、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン−B−イソチオシアネート(RITC(ローダミン−B−イソチオシアネート)、ローダミン800);テトラメチルローダミン5−(及び6−)イソチオシアネート(TRITC))、テキサスレッドTM、スルホニルクロリド、1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸(ANS)及び6−(p−トルイジニル)ナフタレン−2−スルホン酸(TNS)が含まれるがこれらに限定されないナフタルアミンスルホン酸、アントロイル脂肪酸、DPH、パリナリン酸、TMA−DPH、フルオレニル脂肪酸、フルオレセイン−ホスファチジルエタノールアミン、テキサスレッド−ホスファチジルエタノールアミン、ピレニル−ホスファチジルコリン、フルオレニル−ホスファチジルコリン、メロシアニン540、ナフチルスチリル、3,3’ジプロピルチアジカルボシアニン(ジS−C3−(5))、4−(p−ジペンチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウム(ジ5−ASP)、Cy−3ヨードアセトアミド、Cy−5−N−ヒドロキシスクシンイミド、Cy−7−イソチオシアネート、IR−125、チアゾールオレンジ、Azure B、ナイルブルー、Alフタロシアニン、オキサキシン(Oxaxine)1、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、ヘキスト33342、TOTO、アクリジンオレンジ、エチジウムホモ2量体、N−(エトキシカルボニルメチル)−6−メトキシキノリニウム(MQAE)、Fura−2、カルシウムグリーン、カルボキシSNARF−6、BAPTA、クマリン、フィトフルオース(phytofluors)、及びコロネンから成る群より選択されるフルオロフォアである。
いくつかの態様では、検出可能な成分は、色変化反応を触媒する酵素であって、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ウレアーゼ、及びβ−ラクタマーゼとグルコースオキシダーゼから成る群より選択される酵素が含まれる。
いくつかの態様では、GlcNac結合タンパク質は小麦胚芽凝集素であって、検出可能な成分は、フルオレセインである。
検出可能な標識のシグナル強度は、例えば、ポータブル又はベンチトップ蛍光計(例えば携帯型蛍光計)又はポータブル又はベンチトップ比色計(例、携帯用比色計)が含まれる、当業者に知られた機器及び装置を使用して測定することができる。検出可能な成分のシグナル強度は、目視検査によって定量することができる。いくつかの態様では、検出可能な成分のシグナル強度は、選択された検出可能な成分を可視化するのに適した撮像装置を使用して定量される。いくつかの態様では、撮像装置は、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ポータブルコンピュータ、コンピュータ、又はスキャナーである。
いくつかの態様では、該方法は、糞便試料中の蠕虫卵を計数することをさらに含む。1つの態様では、該方法は、糞便試料中の蠕虫卵を計数することを、顕微鏡を使用して実施することを含む。
いくつかの態様では、該方法は、第2濾過膜上に捕捉された試料を、蛍光励起光下で蛍光発光するキチン結合色素を含んでなる第1試薬と接触させることを含み、ここで蛍光励起光下に蛍光発光するキチン結合色素は、カルコフロールホワイト、ユビテックス(Uvitex)3B(ジスチリルビフェニル蛍光増白剤)、Rylux BA、Rylux BSU(1,4−ベンゼンジスルホン酸−2,2’−[エチレンジイルビス[(3−スルホ−4,1−フェニレン)イミノ[6−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリヘキサナトリウム塩)(Ostacolor、パルドゥビツェ、チェコ共和国)、及びブランコフォア(4,4’−ビス{(4−アニリノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ}スチルベン−2,2’−ジスルホン酸二ナトリウム)から成る群より選択される。
いくつかの側面では、本開示は、環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための方法を提供するものであり、該方法は、試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し;該溶液を、孔径約85μ〜約350μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し;第1濾液を、孔径約5μ〜約45μの第2濾過膜に通して流し;第2濾過膜上に捕捉された蠕虫卵を、検出可能な成分へコンジュゲートしたN−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質又はその断片と接触させ;そして検出可能な成分のシグナル強度に基づいて、環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を検出する、ことを含んでなる。
いくつかの側面では、本開示は、環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を決定するための方法を提供するものであり、該方法は、試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し;該溶液を、孔径約85μ〜約350μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し;第1濾液を、孔径約5μ〜約45μの第2濾過膜に通して流し;第2濾過膜上に捕捉された試料を、蛍光励起光下で蛍光発光するキチン結合色素を含んでなる第1試薬と接触させ;第2濾過膜によって捕捉された試料を蛍光励起光で照らし;及び、該試料の蛍光について評価し、蛍光強度又は蛍光粒子の数に基づいて、環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を決定する、ことを含んでなる。
いくつかの側面では、本開示は、環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を決定するための方法を提供するものであり、該方法は、試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し;該溶液を、孔径約85μ〜約350μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し;第1濾液を、孔径約5μ〜約45μの第2濾過膜に通して流し;第2濾過膜上に捕捉された蠕虫卵を、N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質又はその断片を含んでなる第1試薬と接触させて、第1試薬試料を形成し;第1試薬試料を、N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質へ特異的に結合する抗体(ここで該抗体は、検出可能な成分へコンジュゲートしている)を含んでなる第2試薬と接触させ;そしてこの検出可能な成分の強度に基づいて、該糞便試料中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を決定する、ことを含んでなる。
いくつかの態様では、環境試料は、糞便試料である。従って、該溶液を入手することは、糞便試料を試料緩衝液に懸濁させて、第1糞便溶液を形成し;そして第1糞便溶液を、孔径約400μ〜約800μのバルク濾過膜に通して流し、糞便試料を含んでなる溶液を入手することを含む。
他に定義しなければ、本明細書に使用するすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書では、本発明における使用のための方法と材料について記載するが、当該技術分野で知られた他の好適な方法及び材料も使用し得る。その材料、方法、及び実施例は、例示に他ならず、限定的であることを企図しない。本明細書において言及されるすべての公開公報、特許出願、特許、配列、データベースエントリー、及び他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合、本明細書が、諸定義を含めて、優先されるものとする。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳しい記載と図面より、そして特許請求項より明らかであろう。
本特許又は出願のファイルは、着色された、少なくとも1つの図面を含有する。色図面付きの本特許又は特許出願公報の複写は、要求と必要代金の支払いに応じて、特許局によって提供される。
図1は、虫卵捕捉のために磁気ビーズを使用する、糞便試料中の蠕虫卵の存在の有無を検出するための本発明による方法を示す概略図である。 図2は、多工程濾過プロセスを使用する、糞便試料中の蠕虫卵の存在の有無を検出するための本発明による方法を示す概略図である。 図3A〜3Dは、漂白の前と後の試料を示す写真である(パネルA=未漂白;パネルB=4分間漂白後の試料;パネルC=6分間漂白後の試料;及びパネルD=8分間漂白後の試料). 図4は、FITC標識化小麦胚芽凝集素(WGA)で得られた、キチン特異的な蠕虫卵染色を示す。 図5A〜図5Jは、フルオレセインへコンジュゲートしたCBDでの蠕虫卵の染色を示す(試料は、位相差(A〜E)又は蛍光モード(F〜J)で撮像した。横棒=200μ)。 図6は、フルオレセインへコンジュゲートしたCBDによって染色した、ウシ糞便からの多様な蠕虫卵と原虫オーシストの両方を明示する。横棒=200μ。 図7は、虫卵陽性糞便と虫卵陰性糞便における虫卵の比色検出を明示する。 図8Aと図8Bは、ウマ糞便からのCBD染色卵の撮像を明示する。マクマスター(McMaster)グリッドの合成画像を位相差(A)と蛍光モード(B)の両方において40倍の倍率で作成した。挿入図は、真菌胞子(矢の先端)が含まれる代表的な領域の拡大図を示す。横棒=1.5mm。 図9A〜図9Dは、CBD−フルオレセイン染色卵の画像を示す。8MP iPhone(登録商標) 5s(A、B)又は16MP オリンパスPE2 Penカメラ(C、D)のいずれかで虫卵を撮像した。無処理のまま(A、C)又は背景除去の処理後(B、D)の画像を示す。横棒(A)=1mm、横棒(B)=0.5mm。 図10は、オリンパス消費者グレードカメラとセルフォーンカメラの両方で撮像した自動カウントと従来のマクマスターカウントとの相関性を示す。3種の糞便試料について、各例において4回の独立した検査で評価して、その結果を平均化した。 図11は、一般に、自動検査法が従来のマクマスター法より少ない変動性を明示することを示す。図10からの平均結果を標準偏差(n=4)とともに示す。 図12は、図1又は図2に記載の方法に従って調製される試料についての画像をとらえるための検査装置の上面等角図を示す。 図13は、図12の装置の下面図を示す。 図14は、付属試料チャンバが付いた、図12の装置の下面等角図を示す。 図15は、図14に示す装置と試料チャンバの一部の断面図を示す。
以下の開示は、環境試料中の(例、糞便試料、尿試料、水試料、廃水又は汚水試料、又は土壌試料中の)蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための新規な方法について記載する。概説を容易にするのに、糞便試料中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための例示の方法及びキットを例示目的のために提供するが、これらは、付帯の特許請求項の範囲によって明確化される、本発明の範囲を制限することを企図しない。
キチンは、一部の蠕虫卵及び原虫オーシストの成分であると記載されてきたが、そのような虫卵の普遍的な成分であるとは決して公認されていない。本発明は、キチンが、少なくとも一部は、全部ではないとしてもほとんどの寄生蠕虫卵(例えば、図5を参照のこと)及び/又は原虫オーシストの一般的なマーカーとして役立ち得るので、総寄生虫負荷を定量するための検査法の基礎となり得るという本発明者たちの発見に基づく。キチンは、構造的にはセルロースに類似した直鎖ポリマーであるが、グルコースではなくてN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)のβ1−4連結単位だけから構成される(Rudall and Kenchington, 1973)。それは、セルロースに次いで、天然で最も豊富な生体高分子であり、陸生節足動物と水生節足動物の両方の外骨格の主要成分であって、真菌と(より少ない度合いで)酵母の細胞壁の必須成分である。生体マトリックスの構造成分としてのキチンの普遍的な役割と、ほとんどの蠕虫卵表面の外観の類似性は、それが寄生虫卵に遍在するマーカーであり得ることを示唆する。
キチンの存在は、様々なGlcNAc認識レクチンと様々な低分子−フルオロフォアで半特異的に探る(probe)ことができるだけでなく、より厳密には、そのそれぞれのキチン結合ドメイン(CBD)からなる様々なキチナーゼの短鎖型バージョンでも探ることができる(Hardt and Laine, 2004;Hashimoto et al., 2000;Gao et al., 2002;Arakane et al., 2003;Chu et al., 2001;Kolbe et al., 1998;Zeltins and Schrempf, 1995)。従って、本発明者は、糞便試料由来の蠕虫卵の検出が、(1)GlcNAc結合タンパク質へ酵素レポーターを付けて、適正な基質の添加時にシグナルを産生させることによって比色定量的に;又は(2)GlcNAc結合タンパク質を適正なフルオロフォアとコンジュゲートさせることによって蛍光定量的に達成することが可能ではないかと仮定した。
CBDとレクチンは、キチンとGlcNAc含有糖構造に対するより高い親和性を明示するが、それらはまた、他の炭水化物ポリマー、特にセルロース(これは、草食動物と雑食動物の糞便の主要成分である)へ結合することができる。文献において利用可能なデータは、多様であって、矛盾しているときもあり(26〜30)、そのようなタンパク質が虫卵と残る糞便の大部分を識別することができるかどうかを不明にしている。本発明者は、そのようなタンパク質を実際に使用して、このバックグラウンド物質に優って虫卵を検出して、それらを計数するための方法の基礎とすることが可能であることを発見した。
本発明で提供するのは、環境試料中の寄生蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための方法と関連のハードウェアである。特に、本発明で提供する方法は、濾過プロセスを利用して、環境試料を、孔径約85μ〜約350μ、約100μ〜約300μ、約125μ〜約250μ、又は約150μ〜約200μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し;第1濾液を、孔径約1μ〜約10μ、約5μ〜約45μ、約10μ〜約45μ、約15μ〜約45μ、約20μ〜約45μ、約25μ〜約40μ、又は約30μ〜約35μの第2濾過膜に通して流し;第2濾過膜上に捕捉された蠕虫卵と原虫オーシストを、キチン又はN−アセチル−D−グルコサミンへ結合する試薬と接触させ;そして環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を、キチン又はN−アセチル−D−グルコサミンへ結合する試薬が環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストへ結合した度合いを定量的又は定性的に観測することによって検出する、ことを含んでなる。環境試料は、蠕虫卵又は原虫オーシストを含有することが疑われるどんな試料でもよくて、例えば、糞便試料、水試料、廃水又は汚水試料、又は土壌試料が含まれる。
本開示はまた、試料中の寄生蠕虫卵及び/又は原虫オーシストを計数するための方法と関連のハードウェアを提供する。開示の方法は、1世紀以上の間漫然と使用されてきた、顕微鏡を使用する寄生虫卵の計数法から解放されて、現代の生化学技術を使用するための具体的な方法について記載する。
水又は他の好適な液体(緩衝化溶液が含まれる)中の動物糞便の懸濁液において、2工程法:虫卵捕捉と虫卵検出によって虫卵を検出することができる。第1工程では、糞便破片から虫卵を単離する手段として、それらを固体基質上に捕捉する。この基質は、2次元的又は3次元的であってよくて、それ自体が、例えば、ビーズ又は粒子の形態で液体中に共懸濁してよい。
虫卵捕捉は、虫卵の表面と相互作用し得る、タンパク質、炭水化物、又は活性化された化学基のような分子で該基質をコートすることによって促進される。必要ならば、糞便懸濁液を化学品で前処理して、捕捉を促進し得る、虫卵上の化学基を曝露するか又は活性化することによって、捕捉を促進することができる。このような化学品には、限定されないが、漂白剤、界面活性剤、酸化剤、カオトロピック剤、及び酵素が含まれる。
捕捉は、非限定的な例として、すべての寄生虫卵か又は特定の命名群又は特別な種の寄生虫卵のいずれかにある構造だけを認識する、虫卵成分(例、GlcNac)に対する抗体(又はレクチン)を使用して、特異的であり得る。あるいは、捕捉は、非特異的であり得て、虫卵を微細な糞便破片から分離するが、必ずしも全ての糞便成分から分離するわけではない方法を提供することができる。そのような捕捉は、非限定的な例として、カルボジイミド、アルデヒド、等のような架橋剤の存在下のN−エチル−マレイミドエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、アミンのような化学反応基によって達成することができる。あるいは、そのような捕捉は、寄生虫卵だけでなく糞便の他の成分も認識する、タンパク質又は炭水化物のような高分子によって達成することも可能であろう。
基質上への捕捉は、虫卵へ結合する特異的な化学品に依存する必要はなくて、物理的な方法、例えば、非限定的な例として、100μフィルターに通す濾過によって、大きな糞便粒子から虫卵を分離することができる濾過によっても達成することができる。このとき、虫卵を含有する濾液がより小さなフィルター(例えば、10〜40μ(μm)を通過すると、胞子や真菌(これらは、検出試薬がこれらの細胞へも結合し得る場合、虫卵検出に干渉する可能性がある)が含まれるより小さな粒子が除去される一方で、その虫卵を捕捉することができる。次いで、他所に記載のように、フィルター上に捕捉された虫卵を検出して定量することができる。あるいは、固体基質を使用することなく、糞便から虫卵を捕捉して単離することができる。例えば、低速度の遠心分離によって大きな糞便粒子を除去し得て、その上清より、より速いスピン(それでも、より小さな粒子と酵母又は真菌を沈降させるには遅すぎる)によって虫卵を採取することができる。検出に先立って虫卵を単離するために、分散、電気泳動、クロマトグラフィー、又は密度分離のような他の物理的な方法も使用することができる。
虫卵検出の方法は、捕捉が特異的であったか又は非特異的であったかに依存する。捕捉工程が特異的であったならば、検出法の選択は、混在する糞便成分がすでに除去されたはずなので、さほど厳密ではない(例えば、CBDでコートされた磁気ビーズを使用して虫卵を捕捉してから、キチンとセルロースのような他の糖ポリマーの両方へ結合する蛍光色素、例えば、カルコフロールホワイトを検出に使用する)。捕捉が非特異的又は半特異的であっって、非虫卵成分も捕捉していたならば、検出は、虫卵と混在物を識別するのに十分特異的でなければならない。可能な、非限定的な検出法には、目視検査;フルオロフォア、発色団、酵素、着色微粒子、量子ドット、又はコロイド状金属のような好適なレポーター基へいずれもコンジュゲートした、抗体、キチン結合ドメイン、レクチン又は他のタンパク質のような、虫卵そのものに特異的な分子の付着とその後の光学的検出が含まれる。一般的な細胞成分を検出するための化学的な方法も使用し得て、これらには、当業者に知られたアッセイを使用して、タンパク質、炭水化物、脂質、及び核酸を検出する方法が含まれる。追加的に言えば、虫卵DNA又はRNAの特異的なプローブへのハイブリダイゼーション(又はそのような核酸のPCRによる増幅)も、虫卵からのその放出に続いて使用することができる。物理的な方法は、(必要ならば、虫卵の基質からの放出後の)検出において特異性を提供するためにも使用し得て、そのような方法の非限定的な例には、遠心分離、濾過、浮遊化、又は粒子計数法(例えば、コールターカウンター、セルソーター、又はパーティクルサイザーのような装置を使用する)が含まれる。いくつかの事例では、基質が粒子又はビーズの形態である場合、虫卵の検出は、ビーズ/粒子そのものの検出によって、間接的であり得る。この目的に使用されるビーズ/粒子は、検出を容易にするために、好適な発色団又はフルオロフォアで標識化してもよい。本文書の目的のために、「検出試薬」という句には、検出を達成するのに必要とされるすべての構成成分が含まれると理解される。例えば、酵素へ結合した抗体からなる検出剤はまた、当然ながら、適正な酵素基質、緩衝液、そしてその検出に必要とされる色変化を有効にするのに必要な他の薬剤をさらに含む。
検出は、虫卵が固体基質へ結合したままの状態でも、虫卵の基質からの放出後でも達成することができて、検出試薬の結合は、捕捉の前でも後でも達成することができる。いくつかの事例では、検出され得る成分を曝露するか又は放出させる化学品で虫卵を処理することによって、検出を容易にすることができる。そのような化学品の非限定的な例には、界面活性剤、酸化剤、カオトロピック剤、及び酵素が含まれる。
適正な捕捉試薬と検出試薬の選択によって、試料中のすべての虫卵か、又は系統全体から種レベルに至る様々な分類群の虫卵を検出するように虫卵計数を調整することができる。このことは、捕捉と検出のために単一の試薬を使用することによって、又は捕捉工程と検出工程の一方又は両方で多数の試薬を使用することによって達成され得る。異なる群/種から虫卵を分離して、適正な試薬と組み合わせることによって、寄生虫卵の数多くの群又は種の豊富さを1回の検査で解明することが可能である。
虫卵の捕捉は、例えば、虫卵へ結合することが可能な多価分子の添加によって溶液中の虫卵の凝集を誘導することによっても促進することができる。凝結した虫卵は、糞便懸濁液から基質へ直接結合させても、遠心分離又は浮遊化のような物理的技術による単離に続いて、基質へ結合させてもよい。
捕捉と検出は、炭素−ナノファイバーネットワークへ取り付けた虫卵特異的な抗体へ虫卵が結合するときの電圧変化を検出することによって、又は表面プラズモン共鳴又は屈折のような光学的な方法によって、同時に実行することもできる。
1つの事例では、フルオロフォアで標識化した、抗体又はレクチンのような虫卵特異的な分子の結合がフルオロフォアの異方性又は極性化の変化によって検出される場合は、虫卵の捕捉なしに検出を達成することが可能であろう。
このように、いくつかの側面では、本開示は、環境試料(例、糞便試料)由来のキチン含有性の寄生蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を検出するための新規な方法を提供する。本明細書において開示する方法は、迅速に、かつ現場で実施することができる方法を提供する。より重要には、本明細書において開示する方法は、寄生蠕虫の主要分類群(例、条虫類、線虫類、吸虫類、及び単生類)のそれぞれ由来の蠕虫卵を迅速で費用効率が高いやり方で検出することが可能である。動物に感染する寄生蠕虫類の一般的な属には、例えば、捻転胃虫属(Haemonchus)、毛様線虫属(Trichostrongylus)、オステルタジア属(Ostertagia)、ネマトジルス属(Nematodirus)、クーペリア属(Cooperia)、回虫属(Ascaris)、ブノストムム属(Bunostomum)、腸結節虫属(Oesophagostomum)、チャベルチア属(Chabertia)、鞭虫属(Trichuris)、円虫属(Strongylus)、トリコネマ属(Trichonema)、ディクチオカウルス属(Dictyocaulus)、毛細線虫属(Capillaria)、泌尿器毛細線虫属(Pearsonema)、ヘテラキス属(Heterakis)、トキソカラ属(Toxocara)、アスカルジア属(Ascardia)、蟯虫属(Oxyuris)、鉤虫属(Ancyclostoma)、ウンシナリア属(Uncinaria)、トキサスカリス属(Toxascaris)、パラスカリス属(Parascaris)、鉤虫属(Ancylostoma)、アメリカ鉤虫属(Necator)、施毛虫属(Trichinella)、毛細線虫属(Capillaria)、ジオクトフィーマ属(Dioctophyme)、アイメリア属(Eimeria)、コクシジウム属(Coccidia)、ブルサフェレンクス属(Bursaphelenchus)、オステルタジア属(Ostertagia)、メシストシルス属(Mecistocirrus)、毛様線虫属(Trychostrongylus)、鞭虫属(Trichuris)、ブノストムム属(Bunostoinuin)、腸結節虫属(Oesophagostomurn)、チャベルチア属(Chabertia)、チャベルチア属(Chabertia)、鉤虫属(Ancylostoma)、肺吸虫属(Paragonimus)、ベイリスアスカリス属(Baylisascaris)、アフェレンコイデス属(Aphelenchoides)、メリオドギン属(Meliodogyne)、ヘテロデラ属(Heterodera)、グロボデラ属(Globodera)、ナコッブス属(Nacobbus)、プラチレンクス属(Pratylenchus)、ジチレンクス属(Ditylenchus)、キシフィネマ属(Xiphinema)、ロンジドルス属(Longidorus)、トリコロドルス属(Trichodorus)、ネマトジルス属(Nematodirus)、及び蟯虫属(Enterobius)が含まれる。
本発明の方法は、環境検査の分野だけでなく、ヒト及び/又は獣医学での用途にも使用し得る。
1つの側面では、本発明の方法は、哺乳動物の被験者(例、動物又はヒトの被験者)より糞便試料(例、大便試料)を含んでなる生体試料を入手することを提供する。例えば、糞便試料は、ウマ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、シカ、イヌ、ネコ、トリ、又はヒトから入手される哺乳動物の糞便試料であり得る。「入手すること」は、糞便試料を採取すること、購入すること、又は他のやり方で獲得することを意味する。
いくつかの側面では、本明細書に開示する新規な方法は、蠕虫卵又は原虫オーシストを含有することが疑われる試料をGlcNAc結合ドメイン又はその断片と接触させることを含む。本明細書に使用される「N−アセチル−D−グルコサミン(GlcNac)結合ドメイン」という用語は、N−アセチル−D−グルコサミンに特異的な結合親和性を有する、天然又は遺伝子組換えされたN−アセチル−D−グルコサミン(GlcNac)結合タンパク質、無機分子、及び有機分子が含まれるあらゆる分子に言及して、そのあらゆる断片、誘導体、又は相同体が含まれる。
本明細書に使用される「N−アセチル−D−グルコサミン(GlcNac)結合ドメイン」という用語は、N−アセチル−D−グルコサミンに特異的な結合親和性を有する、天然又は遺伝子組換えされたタンパク質、ペプチド、又は抗体が含まれるあらゆる分子に言及して、そのあらゆる断片、誘導体、又は相同体が含まれる。例示のGlcNac結合タンパク質には、例えば、レクチン、キチナーゼ、キチン結合タンパク質、又はキチン結合ドメイン(CBD)が含まれる。
いくつかの側面では、本明細書に開示する新規な方法は、蠕虫卵又は原虫オーシストを含有することが疑われる試料をキチン結合タンパク質又はその断片と接触させることを含む。本明細書に使用される「キチン結合タンパク質」という用語は、キチンに特異的な結合親和性を有する、天然又は遺伝子組換えされたタンパク質、ペプチド、又は抗体が含まれるあらゆる分子に言及する。キチン結合タンパク質には、例えば、N−アセチル−D−グルコサミン(GlcNac)結合タンパク質、キチナーゼ、及びタンパク質キチン結合ドメイン(CBD)が含まれる。
本明細書に使用される「レクチン」という用語は、糖類(即ち、炭水化物)と特異的に相互作用する、天然又は遺伝子組換えされたタンパク質が含まれる、あらゆる分子に言及する。本明細書の例は、天然植物レクチンに言及するが、本明細書の「レクチン」という用語は、所望の炭水化物結合特異性を有する、限定されないが、植物、動物、昆虫、及び微生物が含まれる、あらゆる種由来のレクチンに言及する。植物レクチンの例には、限定されないが、ConA、大豆凝集素、及びレンチルレクチンのような、マメ科(Leguminosae)レクチンファミリーが含まれる。他の植物レクチンの例は、イネ科(Gramineae)及びナス科(Solanaceae)のレクチンである。動物レクチンの例には、限定されないが、主要群のS型レクチン、C型レクチン、P型レクチン、及びI型レクチンのあらゆる既知レクチンが含まれる。
いくつかの態様では、レクチンは、小麦胚芽凝集素(WGA)、大豆凝集素(SBA)、アメリカ針桑レクチン(MPL)、紫蘇芯花レクチン(BPL)、白花洋種朝鮮朝顔レクチン(DSL)、トマト・レクチン(LEL)、ジャガイモ・レクチン(STL)、及び 四角豆レクチン−II(PTL−II)から成る群より選択されるから成る群より選択される。
本明細書に使用される「キチン結合ドメイン」又は「CBD」という用語は、キチンと特異的に相互作用する、天然又は遺伝子組換えされたタンパク質が含まれる、あらゆる分子に言及する。CBDは、当業者に知られていて、キチナーゼから、又は節足動物由来の表皮タンパク質から誘導し得るし、New England Biolabs によって供給されるIMPACTTMキットを含めて、多数の供給元から市販品を入手可能である。
「キチナーゼ」という用語は、一般に、基質のキチンに特異的な酵素について記載する。多くの異なる種類のキチナーゼが天然に存在する。例えば、キチナーゼは、セラチア属(Serratia)、ビブリオ属(Vibrio)、及びストレプトマイセス属(Streptomyces)のような微生物に見出される。
本開示は、1以上の検出可能な成分へコンジュゲートした、N−アセチル−D−グルコサミン結合ドメイン(N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質が含まれる)を提供する。本明細書に使用されるように、「標識」及び「検出可能な成分」という用語は、交換可能であって、結合タンパク質へ付く(例えば、コンジュゲートする)ことによってその結合タンパク質をある機器又は方法によって検出可能にし得る成分に言及する。
本開示の発明の実施における使用に適した検出可能な成分の非限定的な例には、例えば、ハプテン、酵素、発色団、抗体エピトープ、抗原、フルオロフォア、放射性同位体、ナノ粒子、結合対のメンバー、発光化合物、及び金属キレートが含まれる。
本明細書に使用されるように、「蛍光標識」及び「フルオロフォア」という用語は、交換可能的に使用されて、ある波長(励起波長)の照射によって照らされるときに、異なる波長(発光波長)で電磁気エネルギーを放出するあらゆる物質に言及して、試料中の関心対象の分析物と特異的に相互作用するか又は反応して、1以上の光信号をもたらすことが可能である、化学分子又は生化学分子又はそれらの断片が含まれると企図される。
本発明で提供する方法における使用のための代表的なフルオロフォアには、例えば、緑色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、フルオレセイン、フルオレセイン5−イソチオシアネート(FITC)、シアニン色素(Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7)、Bodipy色素(インビトロジェン)及び/又はアレクサフルオル色素(インビトロジェン)、ダンシル、ダンシルクロリド(DNS−C1)、5−(ヨードアセトアミド)フルオレセイン(5−IAF、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(アクリロダン)、7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イルクロリド(NBD−Cl)、臭化エチジウム、ルシファー・イエロー、ローダミン色素(5−カルボキシローダミン6G塩酸塩、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン−B−イソチオシアネート(RITC(ローダミン−B−イソチオシアネート)、ローダミン800);テトラメチルローダミン5−(及び6−)イソチオシアネート(TRITC))、テキサスレッドTM、スルホニルクロリド、1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸(ANS)及び6−(p−トルイジニル)ナフタレン−2−スルホン酸(TNS)が含まれるがこれらに限定されないナフタルアミンスルホン酸、アントロイル脂肪酸、DPH、パリナリン酸、TMA−DPH、フルオレニル脂肪酸、フルオレセイン−ホスファチジルエタノールアミン、テキサスレッド−ホスファチジルエタノールアミン、ピレニル−ホスファチジルコリン、フルオレニル−ホスファチジルコリン、メロシアニン540、ナフチルスチリル、3,3’ジプロピルチアジカルボシアニン(ジS−C3−(5))、4−(p−ジペンチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウム(ジ5−ASP)、Cy−3ヨードアセトアミド、Cy−5−N−ヒドロキシスクシンイミド、Cy−7−イソチオシアネート、IR−125、チアゾールオレンジ、Azure B、ナイルブルー、Alフタロシアニン、オキサキシン(Oxaxine)1、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、ヘキスト33342、TOTO、アクリジンオレンジ、エチジウムホモ2量体、N−(エトキシカルボニルメチル)−6−メトキシキノリニウム(MQAE)、Fura−2、カルシウムグリーン、カルボキシSNARF−6、BAPTA、クマリン、フィトフルオース(phytofluors)、コロネン、及び金属−リガンド錯体が含まれる。
本発明で提供する方法における使用のためのハプテンには、例えば、ジゴキシゲニン、グルタチオン、及びビオチンが含まれる。
本発明で提供する方法における使用のための酵素には、例えば、アルカリホスファターゼ(AP)、β−ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、大豆ペルオキシダーゼ(SBP)、ウレアーゼ、β−ラクタマーゼ、及びグルコースオキシダーゼが含まれる。
いくつかの態様では、GlcNac結合タンパク質は、抗体である。US5004699には、抗キチン(例、抗GlcNac)抗体が開示されて、これらの抗体は、真菌と酵母の検出に使用することができる(US5004699)。
検出可能な成分は、結合対の特異的なメンバー(第1メンバー又は第2メンバー)であり得る。本発明で提供する方法における使用のための結合対には、例えば、ビオチン/ストレプトアビジン、ビオチン/アビジン、ビオチン/ニュートラアビジン、ビオチン/キャプトアビジン、エピトープ/抗体、プロテインA/免疫グロブリン、プロテインG/免疫グロブリン、プロテインL/免疫グロブリン、GST/グルタチオン、Hisタグ/金属(例、ニッケル、コバルト、又は銅)、抗原/抗体、FLAG/M1抗体、マルトース結合タンパク質/マルトース、カルモジュリン結合タンパク質/カルモジュリン、酵素/酵素基質、及び受容体/リガンドの結合対が含まれる。いくつかの態様では、GlcNac結合タンパク質は、結合対の第1メンバー(例、ビオチン、アビジン、ニュートラアビジン、キャプトアビジン、抗体、抗原、プロテインA、プロテインG、プロテインL、GST、Hisタグ、FLAG、MBP、カルモジュリン結合タンパク質、酵素、受容体、又はリガンド)へコンジュゲートしている。
1つの態様では、GlcNac結合タンパク質は小麦胚芽凝集素であって、検出可能な成分はフルオレセインである。別の態様では、GlcNAc結合タンパク質は、キチン結合ドメインを含有するタンパク質であって、検出可能な成分はフルオレセインである。
いくつかの側面では、本発明で提供する方法は、US6,440,388に開示される色素のような、キチンへ直接結合して、蛍光励起光へ曝露されるときに蛍光発光する色素を利用する。キチンへ結合するか又はコンジュゲートして、紫外線又は可視光において蛍光発光する色素の非限定的な例には、カルコフロールホワイト、ユビテックス(Uvitex)3B(ジスチリルビフェニル蛍光増白剤)、Rylux BA、Rylux BSU(1,4−ベンゼンジスルホン酸−2,2’−[エチレンジイルビス[(3−スルホ−4,1−フェニレン)イミノ[6−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリヘキサナトリウム塩)(Ostacolor、パルドゥビツェ、チェコ共和国)、及びブランコフォア(4,4’−ビス{(4−アニリノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ}スチルベン−2,2’−ジスルホン酸二ナトリウム)が含まれる。
いくつかの態様では、結合対の第1メンバーがGlcNac結合タンパク質へコンジュゲートしていて、結合対の第2メンバーは、固体支持体に固定化されている。他の態様では、結合対の第1メンバーがGlcNac結合タンパク質へコンジュゲートしていて、結合対の第2メンバーは、酵素、抗体エピトープ、抗原、フルオロフォア、放射性同位体、ナノ粒子、第2結合対のメンバー、及び金属キレートへコンジュゲートしている。例えば、結合対の第1メンバーは、ビオチンであり得て、結合対の第2メンバーは、ストレプトアビジン、アビジン、ニュートラアビジン又はキャプトアビジン、及び酵素(例、アルカリホスファターゼ(AP)、β−ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、ウレアーゼ、大豆ペルオキシダーゼ(SBP)、β−ラクタマーゼ、又はグルコースオキシダーゼ)へコンジュゲートしている結合対の第2メンバーであり得る。
いくつかの事例では、キチン(例、GlcNac)は、蠕虫卵に見出される多糖莢膜又は他の種類の高分子コーティングによって一部又は完全に封鎖されている場合がある。しかしながら、キチンは、きわめて頑丈であるので、キチン検出の前に、プロテアーゼ、又はグルカナーゼ又はマンナーゼのような多糖を使用する酵素消化を使用して、封鎖層に浸透させるか又はそれを除去することができる。あるいは、漂白溶液(1%NaOCl,0.5M NaOH、又はUS2007/0099234に記載されるような、個々の化学品の濃度がより高いか又はより低い類似の組成物)中の漂白処理のような極端な処理を使用して、そのマスキング層を除去することができる。このように、いくつかの態様では、本発明で提供する方法は、蠕虫卵をGlcNac結合タンパク質と接触させる前に、漂白溶液又は他の外殻曝露溶液で試料を処理する工程をさらに含む。
本発明で提供する方法に従って、水又は他の好適な液体(緩衝化溶液が含まれる)中の動物糞便の懸濁液において、2工程法:虫卵捕捉と虫卵検出によって寄生虫卵を検出することができる。
いくつかの側面では、本明細書に記載される方法は、濾過によって虫卵を捕捉することを含み、該方法は、試料緩衝液に懸濁した糞便試料を含んでなる糞便溶液を提供し、この糞便溶液を第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し、そして第1濾液を第2濾過膜に通して流して、第2濾過膜に蠕虫卵を捕捉することを含んでなる。
1つの側面では、該方法は、試料緩衝液に懸濁した糞便試料を含んでなる糞便溶液を入手し、糞便溶液を第1濾過膜に通して第1濾液を形成し、そして第1濾液を第2濾過膜に通して流すことを含み、ここで、蠕虫卵は、第2濾過膜に捕捉される。該方法は、第2濾過膜に捕捉された蠕虫卵を、検出可能な成分へコンジュゲートしたGlcNac結合タンパク質と接触させ、検出可能な成分のシグナル強度に基づいて、糞便試料中の蠕虫卵の存在の有無を検出することをさらに含む。
1つの側面では、本発明で提供する方法は、糞便溶液を第1濾過膜(例、フィルター)に通して流すことを含む。糞便溶液を第1濾過膜に通して流すことにより、虫卵の糞便粒子からの分離が可能になる。従って、第1濾過膜は、虫卵がフィルター(例えば、少なくとも孔径80μである)を自由に通過することを可能するとともに糞便粒子を捕捉する孔径を含む。
従って、本発明で提供する方法は、第1濾過装置の使用を含む。第1濾過装置の孔径は、一般に、その孔径が、蠕虫卵と原虫オーシストが自由に通過することを可能にするほど大きい一方で、糞便溶液由来の微粒子(例、約450μ未満、約425μ未満、又は約400μ未満)を捕捉するのに十分小さいように選択される。いくつかの態様では、第1濾過装置の第1濾過膜は、約85μ〜約350μ、約100μ〜約300μ、約125μ〜約250μ、約150μ〜約200μ、又は約85μ、約90μ、約95μ、約100μ、約120μ、約125μ、約150μ、約175μ、約200μ、約250μ、約300μ、約350μ、又は大きくても約400μの孔径を含む。
1つの側面では、本発明で提供する方法は、糞便溶液を第2濾過膜(例、フィルター)に通して流すことを含む。従って、第2濾過膜は、流体がフィルターを自由に通過することを可能にするとともに虫卵又はオーシスト(例、孔径80μ以下である)を捕捉することを可能にする孔径を含む。
従って、本発明で提供する方法は、第2濾過装置の使用を含む。第2濾過装置の孔径は、一般に、その孔径が、流体と微粒子が自由に通過することを可能にするほど大きい一方で、糞便溶液由来の蠕虫卵を捕捉するサイズである(即ち、捕捉するのに十分小さい)ように選択される。寄生蠕虫卵の特徴的なサイズ及び直径は、約20μ〜80μである。従って、糞便溶液由来の蠕虫卵を捕捉するために、第2濾過装置の第2濾過膜は、5μ〜約45μ、10μ〜約45μ、15μ〜約45μ、約20μ〜約45μ、約25μ〜約40μ、約30μ〜約35μ、又は約5μ、約10μ、約15μ約20μ、約25μ、約30μ、約35μ、約40μ、又は約45μの孔径を含む。多くの原虫オーシストは、蠕虫卵より小さいので、より小さな孔径(例えば、約0.1μ〜約10μ、又は約5μ〜約20μ)のフィルターも使用し得る。
糞便試料中の余分な糞便破片の最少化は、一貫性のある糞便虫卵カウントに有益であるので、典型的には、糞便試料をGlcNac結合タンパク質との接触に適したものとする前に、大きな粒子及び破片を糞便試料から濾過して除く必要がある。従って、本明細書において開示する方法は、より大きな粒子及び破片を除去するためのバルク濾過装置の使用を含んでもよい。バルク濾過装置の孔径は、一般に、その孔径が、蠕虫卵と原虫オーシストが自由に通過することを可能にするほど大きい一方で、糞便材料由来の大粒子(例、400μ以上の粒子)及び破片を捕捉するのに十分小さいように選択される。例えば、バルク濾過装置の濾過膜は、約400μ〜約800μ、約425μ〜約750μ、約450μ〜約700μ、約500μ〜約650、又は約550μ〜約600μの孔径を含む。いくつかの態様では、バルク濾過装置は、糞便試料を採取するために使用される容器(例、採取容器)へ直接連結してよい。いくつかの態様では、バルク濾過膜の孔径は、約400μ〜約450μであり、第1濾過膜の孔径は、約85μ〜約120μであり、そして第2濾過膜の孔径は、約20μ〜約30μである。
当該技術分野において理解され得るように、ある量の流体(例、溶液)を濾過膜に通して流すには、自然流下、加圧、又はポンプの利用といった、多くのやり方がある。
本発明の方法は、好適なレポーター(例、検出可能な成分)でキチンを標識することによって、キチン含有性の寄生蠕虫卵及び原虫オーシストの可視化を可能にする。好適なレポーター(例、検出可能な成分)によるキチン結合に続いて、虫卵の定量は、(1)カラーチャートへの比較によって、廉価な単波長比色計又は蛍光計を使用することによって、又は、カメラ、携帯電話、タブレット、又は他のデジタル撮像装置を使用する写真撮影に続いてその色をデジタル的に定量することによって、又は(2)蛍光性のキチン結合誘導体の場合は、自動画像解析と一体化した適正なレンズの付いた携帯電話又は他のカメラのいずれかで、適正な照明下に試料を撮像することによって可視的に達成され得る。
検出可能な成分は、検出可能な光学反応をもたらす光の波長で照らされて、その光学反応を検出するための手段で観測され得る。紫外線又は可視光の波長によるように照らされると、蛍光性の化合物(GlcNac結合タンパク質又は特異的な結合対メンバーへ結合している化合物が含まれる)は、蛍光発光だけでなく強い可視吸収を表示する。本発明の蛍光性化合物を照らすのに有用である選択される機器には、限定されないが、有利にも、蛍光性の化合物を照らすのに有用な機器が含まれ、それには、ポータブルランプ(例、携帯用紫外線ランプ)が含まれる。これらの照明源は、ポータブルレーザースキャナー、蛍光マイクロプレートリーダー、蛍光ゲルイメージャー、標準又は小型蛍光計、標準又は小型比色計、又はクロマトグラフィー検出器の中へ統合されてもよい。検出に先立って、励起波長の一部又は全部が通過することを防ぐ一方で、蛍光発光波長の一部又は全部が通過することを可能にする光学フィルターを通す通過によって、過剰の励起光を抑制又は除去する。この蛍光発光は、目視検査によるか、又は以下の撮像装置のいずれかの使用によって検出してもよい:デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ポータブルコンピュータ、コンピュータ、及びスキャナー。
本発明はまた、糞便試料中の蠕虫卵及び原虫オーシストの存在の有無を検出するためのキットを提供する。本発明のキットは、多様な形態をとることができる。典型的には、該キットには、試料中の蠕虫卵を検出するのに適した試薬が含まれよう。該キットは、1以上の対照試料を含有してもよい。
本発明のキットは、その中にある量の糞便試料を入れて、好適な緩衝溶液によって希釈することができる、採取容器を含んでもよい。次いで、この容器は、密封して、糞便試料と緩衝液を振り混ぜるか又はホモジェナイズして、均質に混合された糞便溶液を形成する。この緩衝溶液は、普通の水道水であっても、適正な緩衝化又は浮遊化媒体であってもよい。採取容器は、糞便採取用の使い捨て容器であっても、再使用可能な容器であってもよい。
この採取容器は、例えば、目盛のある通常の蓋付きチューブの形態であってよく、その目盛は、そのチューブの内側に入れられる生の大便標本の量と、加えられる希釈液の量を指し示す。
いくつかの態様では、採取容器は、バルク濾過装置へ付属している。
該キットはまた、大便採取用の使い捨て容器、等のような、糞便試料を採取するための構造体、並びに、例えば所定量の糞便材料を摘むための小匙の形状をした、掬い器具を含み得る。この掬い器具(スコップ)は、この容器の蓋の必須部分であってよい。
いくつかの態様では、本発明のキットは、本明細書に記載のように、第1濾過装置を含み、第2濾過装置を含んでもよくて、バルク濾過装置を含んでもよい。
本発明のキットは、GlcNAc結合タンパク質を含有する試薬(例、試薬溶液)を含む。GlcNac結合タンパク質は、本明細書に記載のように、レクチン又はCBDであり得る。GlcNac結合タンパク質は、検出可能な成分へコンジュゲートしてもよい。1つの態様では、試薬は、キチンへ直接結合するか又はコンジュゲートして、光への曝露時に蛍光を発することが可能な色素と、そのキチン結合色素より蛍光を励起させることが可能な波長を発する光源を含有する。
該キットには、蛍光計、比色計、分光光度計、又は他の撮像装置のような、検出可能な成分を検出するためのポータブルシステムを含めることができる。該キットには、試料と、検出可能な成分を検出するためのポータブルシステムを保持するために設計されたクレイドルも含まれ得る。いくつかの態様では、該キットは、撮像装置を保持するか又は含有するクレイドルを含む。
該キットのある側面(例えば、検出装置、又は濾過システムの再使用可能な部分)は、該キットの他の側面(例えば、単回使用フィルターモジュールの検出試薬)へ別々に調整することができる。
本発明のキットは、ヒト及び/又は獣医学での用途に使用し得る。
上記に概説した一般原理を使用して、糞便懸濁液中の寄生虫卵の存在と豊富さを検出するための多数のシステムを設計することができる。例示の目的のために、これらの原理を使用して産生され得る、いくつかの虫卵計数アッセイの非限定的な例を以下にいくつか続ける。これらの例は、本発明を実施することができる多くの異なる様態のいくつかを例示する目的のためにのみ提供されるので、本発明全体について記載するものとみなしてはならない。
寄生虫卵の成功裡の検出及び定量には、糞便試料のバルクから虫卵を分離する(そして、理想的には濃縮する)ための方法と、それに続いて前記虫卵を検出するための方法がともに求められることに注目されたい。この分離法が他の糞便成分のあり得る同時単離ももたらして、その検出法がそれらを識別しなければ、このアッセイは、特異的なものでないだろう。例えば、Zhang and McReynolds(23)は、診断目的用の生体試料中のキチンの検出のために、様々なキチナーゼ酵素由来のキチン結合ドメイン(CBD)の使用を開示する。しかしながら、多くの生物、例えば、酵母、他の真菌、線虫(とその虫卵)は、いずれもキチンを含有するので、その検出だけでは、これらの生物のいずれかを確定的に診断しているとはみなし得ない。同様に、Winters(24)は、酵母と真菌の存在について診断するための方法として、生体試料中のキチンを検出するための抗キチン抗体の使用を開示する。しかしながら、Winters は、蠕虫又はその卵におけるキチンの検出の可能性を予期していないので、開示されたアッセイは、酵母と真菌、そして蠕虫とその卵のいずれにも、これらの群の1つの存在の可能性を消去し得ないとしても、特異的であるとみなし得ない。動物(そして特に、草食動物)の糞便の場合、酵母と真菌細胞(及び胞子)の両方と昆虫の残骸の存在があり得るので、キチン単独の存在は、寄生虫卵の存在の明確な診断とみなし得ないし、寄生虫卵の定量も、他のキチン含有生物の潜在的に多様なバックグラウンドの存在下では、信頼し得るものとみなし得ない。
様々なレクチンを使用して、異なる種の寄生虫とその卵を識別することができると示唆されたこともある。しかしながら、ほとんどのレクチンは、多様な生物群に存在し得る糖構造を認識するので、半特異的であることがよく知られている。従って、レクチン結合性では、反応性の種と非反応性の種を識別し得るものの、一般的な原則としては、他のあり得る混在生物がいずれも結合陰性であると示されていなければ、レクチン結合性単独で寄生虫侵襲の確定診断を提供することはできない。
いくつかの態様では、糞便試料を水又は好適な緩衝液(限定されないが、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)のような)に懸濁させて、寄生虫卵へ結合することが可能な試薬(例、GlcNac結合タンパク質)でコートしたビーズと接触させる。この試薬は、そのような虫卵だけに、又は関心対象の分類群の虫卵に特異的であっても、虫卵と糞便の他の成分の両方に特異的であってもよい。特異的な試薬には、例えば、関心対象の特別な生物に対して産生されたか又は生物の多数の分類群を認識するモノクローナル抗体、又は多数の分類群又は単一の生物に対して産生されたポリクローナル抗体、又は多数のモノクローナル抗体及び/又はポリクローナル抗体の混合物が含まれる。非特異的な試薬には、CBD又はレクチンのようなタンパク質、又はそれらの混合物が単独で、又は抗体との組合せにおいて含まれる。CBDの場合、7より高い上昇pHにおいて、及び/又は高い塩濃度(例えば、限定されないが0.5M NaCl)でCBDを適用することによって、結合を高めることができる。本文書の目的のために、CBDは、あらゆる生物種由来の単一のキチン結合ドメインだけでなく、化学的コンジュゲーションによるか又は非CBD配列の介在が有るか又は無い、遺伝子縮合した2以上のCBDのタンデムリピートの発現によって産生される多重CBDにも言及すると理解される。また、CBDは、自然界に見出される天然配列である必要はなく、キチンへ結合することが可能な人工ペプチド配列であっても、天然配列と比較して同じか又は異なる結合親和性があるCBDの突然変異体であってもよいと理解される。
別の態様では、緩衝液は、虫卵上の所望される標的結合部位を曝露するのに役立つ試薬を含有してもよくて、限定されないが、界面活性剤(Tween−20、ドデシル硫酸ナトリウム、及びTriton X−100のような)、酸化剤(次亜塩素酸ナトリウム、N−クロロトシルアミド、又は過酸化水素のような)、カオトロープ(尿素又は塩酸グアニジウムのような)、酵素(プロテアーゼ、グリコシダーゼ、又はリパーゼのような)、又は漂白剤が含まれる。
結合すると同時に、虫卵(そしておそらくは他の糞便成分)が負荷されたビーズを、例えば、濾過(ビーズとその負荷物を保持するには十分だが、他の糞便破片は保持しない孔径のフィルターを使用する)によって、又は遠心分離によって、糞便の残りから物理的に分離する。あるいは、該ビーズには、鉄を埋め込むことができて、そのような常磁性又は磁性ビーズ(これらは、市販品より容易に入手可能である)は、磁場の適用によって、糞便懸濁液の残りより分離することができる。
ビーズ単離と同時に、ビーズを少量(例えば、100μl)の緩衝液に懸濁させて、顕微鏡を使用して光学的に検査する。この方法では、目視検査の不便さが除去されないが、これは、多数の虫卵の糞便からの単離と計数を可能にする。現行の方法では、数gの糞便試料の1/25〜1/200だけを試料採取するので、低い感度と高い変動性をもたらす。本方法は、そのようなサブサンプリングをなくすことによって、上記の問題のいずれも消失させる。
図1に図示される、1つの側面では、実施例1に記載のように、磁気ビーズを使用して虫卵を単離する。1つの態様では、ビーズへ付着する捕捉試薬は、CBDであって、これはビーズの表面上のニッケル原子へ結合する、そのN末端又はC末端にある6つのヒスチジン残基の配列によって磁気ビーズへ可逆的に付く。別の態様では、CBDは、マルトースでコートされたビーズへCBDを可逆的に付着させるのに使用される、マルトース結合タンパク質(MBP)のような担体へ融合する。これらの態様では、非限定的な例としてのヒスチジン、イミダゾール、又はマルトースのいずれかの添加によって、CBDをビーズから切り離すことができる。
虫卵の単離と糞便破片の除去と同時に、適正な溶出剤(例えば、ヒスチジン(又はイミダゾール)又はマルトースの溶液)の添加によって、結合した材料をビーズから遊離させる。次いで、ビーズをその磁石へ再付着させて、遊離した虫卵と糞便物質を含有する溶液を、フィルターを通して吸引する。この工程の目的は、やはりCBDへ結合し得る、真菌細胞と酵母細胞を虫卵から分離することである。フィルターの孔径は、より小さな(5〜40μm)酵母細胞と真菌細胞を通過させる一方で、より大きな虫卵細胞(50〜100μm)を保持するように選択して、それによって、そのようなシステムにおいてCBD単独では提供されない特異性が提供される。この溶液の吸引の直後には、虫卵(CBDが付いた)とビーズ(磁石によってチューブの内側へ付着している)だけが検査チャンバに保持される。
上記溶液の吸引により溶出分子(例、ヒスチジン(又はイミダゾール)又はマルトース)が除去されるので、新鮮な緩衝液の添加と磁石の除去によって、付着したCBDを介して虫卵がビーズへ再結合することが可能になる。ビーズは、その鉄含量により褐色しているので、それら自体を使用して、虫卵へ結合していないビーズの除去後に存在する虫卵の数を定量することができる。ビーズ自体は、虫卵(市販のビーズは、0.2μ〜5μのサイズに及ぶ)よりずっと小さいので、同じフィルターを通す第2の通過によって、未結合ビーズを除去する(但し、異なるチューブと新鮮なフィルターも使用し得る)。
次いで、保持された虫卵結合ビーズを新鮮な緩衝液に再懸濁させて、この懸濁液を検出チャンバへ注ぐことによって定量する。このチャンバの基部は、虫卵−ビーズ複合体を小さな表面領域へ引きつける小さな磁石を含有する。この検出チャンバの目的は、虫卵/ビーズ複合体を濃縮して、ビーズの色を強めて、標準化されたカラーチャートと比較した色強度の目視定量を可能にして、試料中に存在するビーズ(そして、故に虫卵)の数を定量することである。あるいは、その領域は、色強度のより正確な読取り値を入手するために、光センサーによって撮像することができる。
ビーズ(そして、故に虫卵)の数は、分光光度計又は単波長比色計のいずれかを使用して虫卵/ビーズ懸濁液の濁度を測定して、光学的に定量される。
いくつかの態様では、虫卵は、ビーズからの初回遊離と同時に、光を分散させるその能力を測定することによって定量される。酵母と真菌は、存在するならば、検出に適した光の波長の選択によるか又は粒子サイザーを使用することによって、それらのより小さなサイズに基づいて、虫卵より差別化することができる。
他の態様では、捕捉試薬は、CBDである必要はなくて、非限定的な例によれば、抗体(モノ又はポリクローナル)又は1つのレクチン(又はレクチンの混合物)であってもよい。
別の態様では、捕捉試薬は、寄生虫卵に対してのみ、又は臨床的に興味深い虫卵のサブセットに対してのみ特異的であり、それならば、1回だけの吸引工程(溶出試薬を伴わない)を使用して未結合ビーズを除去してから、上記に記載のような虫卵/ビーズ複合体の定量を容易にすることができよう。
なお別の態様では、捕捉試薬が酵母及び/又は真菌へも結合するならば、そしてビーズへ結合した酵母及び/又は真菌細胞がフィルター(その孔径は、虫卵/ビーズの凝集物/複合体を保持するには十分小さい)によって保持されるほど大きな凝集物又は複合体を形成しなければ、又は酵母及び/又は真菌の負荷が本アッセイにおいて臨床的に意味のあるバックグラウンド値をもたらさなければ、1回だけの吸引工程(溶出試薬を伴わない)を使用して未結合のビーズと酵母/真菌(存在するならば)を除去してから、上記に記載のような虫卵/ビーズ複合体の定量を容易にすることができよう。
別の態様では、非限定的な例によれば、プロテインアッセイ、炭水化物アッセイを利用する発色反応によって、又は抗体、レクチン、又はCBDのような他の認識分子の虫卵への付着によって、結合した虫卵の検出を達成する。後者の場合、その分子は、発色団、フルオロフォア、着色マイクロビーズ、量子ドット、コロイド状金属、又は発色酵素(例、HRP又はAP)のようなレポーター基へコンジュゲートしている。
別の態様では、そして虫卵特異的な捕捉の場合は、検出が虫卵捕捉後すぐに起こり得て、他所において詳述したような方法を使用するビーズの洗浄は、濾過工程を必要としない。
別の態様では、虫卵特異的な捕捉の場合は、虫卵の検出を、ビーズからの遊離を伴っても伴わずとも、コールターカウンター、セルソーター、又はパーティクルサイザーのような粒子計数装置を使用して行うことができる。
本発明のなお別の態様では、虫卵/ビーズ複合体は、試薬で処理して、化学検出用の成分を遊離させる。そのような試薬には、限定されないが、プロテアーゼ、グリコシダーゼ(キチナーゼが含まれる)、界面活性剤、カオトロープ、及び酸化剤が含まれる。
本明細書において開示する方法は、高価な専用機器や訓練の必要性がない(磁石、ビーズ、単波長比色計は、いずれも廉価で製造することができて、作動させるのに特殊な訓練を必要としない)ので、現場の獣医学者によるか又は動物所有者自身による、糞便虫卵負荷の定量を可能にする。
1つの側面では、本明細書において開示する方法は、2次元ストリップの素材(但し、実際の形状は、必要に応じて変化し得る)のような固体面へ結合した捕捉試薬(抗体、レクチン、又はCBDのような)の使用を含む。このストリップは、限定されないが、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリスチレンのような)又は他のポリマー(セルロース、ホスホセルロース、又はポリビニリデンジフルオリドのような)が含まれる、どの適合可能な素材からもなり得る。捕捉試薬は、当業者に入手可能で、表面化学の性質に依存する、多くの反応性化学品の1つによって、その表面へ結合される。タンパク質をそのような表面へ結合させることが可能な、あり得る非限定的な分子には、スベリン酸ジスクシンイミジル、アジピミド酸ジメチル、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、又はN−ヒドロキシスクシンイミドが含まれる。捕捉試薬は、表面の全体へ塗布される必要はなくて、スポット又はストリップのような特別な領域へ局在化されてもよい。
別の態様では、捕捉試薬は、上記に記載したやり方で、その表面へ可逆的に付着される。
次いで、この表面を糞便懸濁液と接触させて、虫卵を結合させてから洗浄して、糞便混在物を除去する。次いで、このストリップを、検出試薬を含有する溶液と接触させる。検出試薬はまた、虫卵へ結合することが可能な任意数の分子(抗体、レクチン、又はCBDが含まれる)であり得て、好適なレポーターへコンジュゲートしている。レポーターは、その表面上で可視シグナルを産生することが可能である必要があって、発色団、フルオロフォア、酵素、コロイド状金属、量子ドット、又は着色微粒子が含まれる。酵素の場合、その表面を洗浄してから好適な基質と接触させるが、その産物は、可視化のために、溶けないで表面上に沈積される必要がある。そのような系の2つの非限定的な例は、酵素:西洋ワサビペルオキシダーゼと基質:4−クロロ−1−ナフトール又は3,3’−ジアミノベンチジン、又は酵素:アルカリホスファターゼと基質:5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート及びニトロブルーテトラゾリウムである。
基質上に捕捉された虫卵の数に比例する、色の沈着と同時に、校正済みカラーチャートへの目視比較によるか、又は比色計又は密度計のような装置を使用することによって、虫卵の数を定量する。
本発明の別の態様では、その可溶性の着色産物が溶液中へ遊離されて、光学的に検出され得る色変化をもたらす基質を用いた、固定化された虫卵の酵素的検出が生じる。
本発明の別の態様では、そして捕捉試薬が表面へ可逆的に結合している事例では、虫卵/捕捉試薬は、結合と洗浄の後で遊離されてから、溶液中で検出される。
他の態様におけるように、虫卵は、捕捉又は検出のいずれかに必要な部位を曝露させるか又は検出分子を遊離させるために、上記にすでに開示された試薬によってどの段階で処理されてもよい。
いくつかの側面では、本明細書において開示する方法は、例えば、市販の家庭用妊娠検査薬において使用されているものに類似した、側方流動形式へ適用される。試料チャンバを含有する器具の一端を溶液中へ入れるか、又は溶液の試料を器具中のチャンバの中へ浸漬する。このチャンバは、限定されないが、着色微粒子、量子ドット、又はコロイド状金属のような検出剤へコンジュゲートした、抗体、レクチン、又はCBDのような検出剤を含有する。
チャンバへのエントリーと同時に、試料(すでに検出試薬へ結合した虫卵が含まれる)は、紙又は他の焼結ポリマーのような固体基質のストリップへ毛細管作用によって上方へ浸透する。このストリップの一部は、上記に記載したものに類似した捕捉試薬でコートされて、虫卵と関連した着色検出試薬の固定化を可能にする。
捕捉試薬でコートされたストリップの区域上での、虫卵/試薬複合体の付着による色の発現により、糞便中に存在する虫卵の数が診断される。その数は、校正済みカラーチャートに対する比較によって可視的に、又はその色を電荷結合素子又は類似の装置で撮像した後で適切なシグナル処理をすることによって電子的に定量することができる。
虫卵の捕捉を最大にするために、理想的には、捕捉試薬が虫卵にきわめて特異的である一方で、検出試薬は、さほど差別的でなくてもよいが、その逆もまた真であり得る。他所で記載した他の態様にあるように、捕捉試薬と検出試薬にとって重要な判定基準は、その両方への結合が寄生虫卵又は寄生虫卵のサブセット以外のすべての糞便成分について相互に排除的であるということである。
他の態様にあるように、虫卵は、糞便懸濁液において、捕捉又は検出のいずれかに必要な部位を曝露させるか又は分子を遊離させるために、上記にすでに開示された試薬によって処理してもよい。
いくつかの態様では、該ストリップは、異なる種の分類群に対してそれぞれ特異的である捕捉剤でコートされた2以上の領域を含有する。この場合、異なる種類の寄生虫卵の量に対応する、数多くの着色領域が発現する。
別の態様では、試料チャンバは、異なる種又は分類群に由来する虫卵をそれぞれ認識する多数の検出剤を含有する。次いで、標識された虫卵が単一領域において捕捉されて、その領域を撮像してから、検出された最終の色に対するそれぞれの着色試薬(そして故に、虫卵の種類/数)の相対貢献度を計算によって再構成することによって、各種の虫卵量を定量する。
検出試薬は、その装置の適用、又はその装置への適用に先立って糞便懸濁液と直接混合することができるので、装置の試料チャンバには保存されない。
他の態様にあるように、虫卵は、捕捉又は検出のいずれかに必要な部位を曝露させるか又は検出分子を遊離させるために、上記にすでに開示された試薬によってどの段階で処理されてもよい。
いくつかの側面では、該方法は、上記に記載の方法を使用して透明な表面にそれ自体が固定化された好適な捕捉試薬で虫卵を捕捉することを含む。この透明な表面は、限定されないが、チューブ、キュベット、ディッシュ、又は1以上のウェルを含有するプレートが含まれる、どの容器の形態もとることができる。
洗浄して糞便破片を除去すると同時に、上記に記載した単数又は複数のやり方で標識される検出試薬を加える。結合した検出試薬の色(又は、検出試薬の酵素活性によって発現する色)は、目視によって校正済みカラーチャートへ比較されて測定されるか、又は比色計、マイクロプレートリーダー、分光光度計、又は蛍光計のような装置を使用することによって測定される。
本発明の別の側面では、検出試薬が無くて、虫卵の結合は、虫卵結合時のクリア表面の屈折率の変化を測定することによって、又は表面プラズモン共鳴又は屈折率測定のような他の光学的方法によって定量される。
他の態様にあるように、虫卵は、捕捉又は検出のいずれかに必要な部位を曝露させるか又は分子を遊離させるために、上記にすでに開示された試薬によってどの段階で処理されてもよい。
この態様と、例示の目的のために図2に図示した実施例では、虫卵を捕捉して、物理的な方法、即ち濾過を使用して、酵母と真菌から分離させる。虫卵を好適な容器中でホモジェナイズしてから、虫卵の通過を容易にする孔径(例えば約85μ〜約350μ)の第1濾過膜を通過させる。この孔径はまた、より大きな糞便破片を除去するように選択し得るので、試料を澄明にすることにより、本方法における後続の工程でフィルターを詰まらせる可能性を低減することに役立つ。
次いで、濾液を第2容器の中へ入れて、その孔径が蠕虫卵を保持するのに十分小さい(例、約20μ〜約45μ)が、酵母細胞と真菌細胞が含まれる、より小さな粒子の通過と除去を可能にする第2濾過膜に通過させる。
本発明の別の態様では、試料を多重フィルター又は連続的に孔径が低減するフィルターに通過させてより大きな粒子を徐々に除去して、その間に、虫卵を保持する最終フィルターに到達する前に虫卵を保持する。
フィルターによる虫卵の捕捉と同時に、虫卵結合/検出試薬を加えて、虫卵へ結合させる。この結合試薬は、限定されないが、GlcNac結合タンパク質(例、抗体、レクチン、又はCBD)を含み得る。検出試薬は、限定されないが、酵素、発色団、フルオロフォア、着色したミクロスフェア又はナノスフェア、量子ドット、又はコロイド状金属を含み得る。結合試薬は、捕捉試薬へ直接的に化学結合して(例えば、当該技術分野でよく知られたタンパク質の架橋連結化学を使用する、西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素への虫卵特異的な抗体又はCBDの化学的カップリング)単一の分子実体を形成しても、非共有結合性の(例えば、静電性又は疎水性の)相互作用によって会合させてもよい。本発明の1つの態様では、結合試薬にはHis6タグが含まれて、検出試薬は、ニッケル、銅、又はコバルトのような付着金属を含有して、その相互作用を促進する。結合試薬と検出試薬が共有結合しなければ、それらを虫卵試料へ加える前に予め混合してそれらの相互作用を促進しても、別々に加えて、それらの相互作用が虫卵の存在時に起こることを可能にしてもよい。
酵素検出剤の場合、その酵素は、単一の分子実体を形成する、結合試薬と酵素の両方の遺伝子融合物として産生してもよい。1つの非限定的な例は、虫卵へ結合し得て、それを検出するために使用し得るCBD−AP融合タンパク質を産生する、アルカリホスファターゼ遺伝子とCBDの融合物であろう。そのような事例では、試薬の結合親和性と検出感度を調節するために、多数の結合ドメイン(同じドメインのリピート又は多数の異なるドメインが含まれる)と多数の酵素ドメイン(同じドメインのリピート又は多数の異なるドメインが含まれる)をコードする構築体を作製することができる。
検出試薬とのインキュベーションの直後に、試料を再び濾過して、虫卵を保持する一方で、未結合試薬を除去して、未結合試薬の完全な除去を確実にするために洗浄してもよい。
次いで、虫卵の数は、その場で定量しても、虫卵/試薬混合物を容器から取り出した後で定量してもよい。光学的に直接定量することができる、発色団、フルオロフォア、及び他の検出剤の場合、非限定的な例によれば、酸、アルカリ、カオトロピック剤、界面活性剤、又は塩を検出前に使用して、それらを初めにビーズから溶出させてよい。そのような遊離に続いて、該試薬は、検出前の濾過によって虫卵から分離させてもよい。
酵素検出システムの場合、存在する虫卵の数を示す着色した反応産物は、可溶性でも不溶性でもよい。可溶性の産物の場合、それらの光強度はまた、容器中にてその場で、又は容器から取り出した後で、又は濾過して虫卵と残存する糞便粒子を除去した後で定量することができる。不溶性の産物は、懸濁液の濁度を測定することによって同様に検出しても、その孔径がその産物を保持するのに十分小さい膜を通して追加的に濾過してから、そのフィルターの表面を光学的に検出してもよい。
本発明について、以下の実施例においてさらに記載するが、これらは、特許請求項において記載される本発明の範囲を制限するものではない。
上記に概説した一般原理を使用して、糞便懸濁液又は環境試料中の寄生虫卵及び原虫オーシストの存在及び豊富さを検出するための多数のシステムを設計することができる。例示の目的のために、上記の原理を使用して産出され得る数種の虫卵計数アッセイのいくつかの非限定的な例を以下に続ける。これらの実施例は、本発明が実施され得る多くの異なる様態のいくつかを例示する目的のためにのみ提供するのであって、発明全体について記述するものとみなしてはならない。
実施例1
本実施例では、孔径90μ及びと27μのPluriselect フィルター(Pluriselect Pluri Strainer(登録商標)Cell Strainer)がa)望まれない糞便破片を濾過して除去すること、及びb)円虫の卵を捕捉して、可能であれば濃縮することに適しているかどうかを検討した。
はじめに、マクマスター(McMaster)法を使用して、ウマの糞便試料について糞便虫卵カウントを評価した。5gの糞便を45mlの浮遊化媒体(37.5%ブドウ糖/25%塩化ナトリウム)に懸濁させた。この懸濁液を埋込み篩い(ほぼ0.5mmのメッシュサイズ)付きの Fill Flotac 容器において混合した。2つの計数チャンバを満たした(同等の1.0mlの懸濁液について検査した)。これにより、1gに付き10個の虫卵(EPG)の増倍率を生じる。
次いで、10mlの浮遊化媒体懸濁液を、孔径90μの第1フィルターに通して濾過した。マクマスターの1つの計数チャンバ(0.5ml)を濾液で満たして、虫卵の存在を試験した。これは、ほぼ20EPGの増倍率を表す。
次いで、このフロースルー試料を、孔径27μの第2フィルターに通過させた。再び、マクマスターチャンバにおいて0.5mlを試験した(ほぼ20EPGの増倍率)。27μフィルター上で採取した材料を1mlの浮遊化媒体に再懸濁させて、1つのマクマスターチャンバ(0.5ml)の中へロードして、計数した。増倍率は、この濾液を正確に0.5ml中で再懸濁したならば、約2EPGとなろう。
実施例2
5gの糞便を45mlの浮遊化媒体に懸濁させて、糞便溶液を形成した。この懸濁液を埋込み篩い(ほぼ0.5mmのメッシュサイズ)付きの Fill Flotac 容器において混合した。10mlの糞便溶液を、孔径90μの第1フィルター(Pluriselect PluriStrainer(登録商標)Cell Strainer)に通して濾過した。次いで、このフロースルー試料を、27μフィルター上での捕捉のために、孔径27μの第2フィルター(Pluriselect PluriStrainer(登録商標)Cell Strainer)に通過させた。この材料を、27μフィルターの表面で漂白させて(1%次亜塩素酸塩溶液)から回収した。非漂白試料と4、6、及び8分間漂白した試料について画像をとらえた。図3A〜図3Dは、漂白の前と後の試料を示す写真である(パネルA=非漂白;パネルB=4分間の漂白後の試料;パネルC=6分間の漂白後の試料;及びパネルD=8分間の漂白後の試料)。第1パネル(パネルA)において、通常の非漂白卵は、暗色の楕円体のように見える。後のパネル(パネルB〜パネルD)において、漂白された虫卵は、半透明に見える。他の劇的で予想外の効果は、おそらくはセルロース酸化による、糞便破片の劇的な減少であって、これは、光学測定をさらに容易にする。
実施例3
5gの糞便を45mlの浮遊化媒体に懸濁させて、糞便溶液を形成した。この懸濁液を埋込み篩い(ほぼ0.5mmのメッシュサイズ)付きの Fill Flotac 容器において混合した。10mlの糞便溶液を孔径90μの第1フィルター(Pluriselect PluriStrainer(登録商標)Cell Strainer)に通して濾過した。次いで、このフロースルー試料を、27μフィルター上での捕捉のために、孔径27μの第2フィルター(Pluriselect PluriStrainer(登録商標)Cell Strainer)に通過させた。この材料を、27μフィルターの表面で5分間漂白(1%次亜塩素酸塩溶液)させた。次いで、漂白した虫卵を、ブロッキング剤(Carboblock,Vector labs)を含有するリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中に異なる希釈度で小麦胚芽凝集素−FITC(5mg/ml,Vector labs)を含有する試薬溶液と接触させた(図4)。WGAインキュベーション時間は、15分であった。虫卵懸濁液をカバーガラスの下に入れて、蛍光顕微鏡によって検査した。
実施例4
6つのヒスチジン残基をpTXB1プラスミド(New England Biolabs)中でクローニングすることによって、CBDを産生した。これによって、N末端のHisタグとそれに続くインテイン・エンドペプチダーゼ、そして次いでC末端にあるバチルス・シルクランス(Bacillus ciruclans)のCBDからなる融合タンパク質を産生した。このタンパク質を大腸菌(E. coli)において細胞質内で発現させて、ニッケルキレートカラムで精製した。次いで、NHS−フルオレセイン(Pierce)を製造業者の説明書に従って使用して(PBSをコンジュゲーション緩衝液として室温で60分間使用する)、CBDを標識化した。脱塩した後で、これは、1つのCBDにつき1.5〜2のフルオレセイン分子がある、6.7mg/mlのCBD溶液を産生した。糞便試料を濾過によって処理し、漂白して、蛍光性CBDの100倍希釈液で染色してから、位相差(図5A〜図5E)又は蛍光モード(図5F〜図5J)を使用して、顕微鏡で撮像した。成馬由来の円虫(A、F)、仔馬由来の回虫(B、G)、ヤギ由来のトリコストロンギルス(trichostronglyes)(C、H)、ウシ由来のトリコストロンギルス及び鞭虫(Trichuris)の卵(D、I)、並びにネコ由来のトキソカラ属(Toxocara)の虫卵(E、J)を含有する試料を示す。これは、バチルス・シルクランス(B. ciruclans)由来のCBDが多種多様な種にわたるいくつかの重要な寄生虫群の虫卵へ結合することを例証する。図6は、図5(D及びI)に示したウシ試料由来の様々な円虫、鞭虫の虫卵とコクシジウム属(Coccidia)オーシストのモンタージュを示す。そのような異なる属由来の虫卵が染色されたという事実は、多数の寄生蠕虫卵及び原虫オーシストの一般的なマーカーとしてキチンが役立つことを例証する。さらに、糞便に由来する大量の過剰な糞便破片の存在にもかかわらずこれらの虫卵及びオーシストが明瞭に染色されるという事実は、その既報のセルロースとの交差反応にもかかわらず、CBDがこれらの糞便成分を識別することが明らかに可能であることを例証する。
実施例5
ウマの糞便スラリーを90μフィルター(Pluriselect Pluri Strainer(登録商標)Cell Strainer)に通過させてから、27μフィルター(Pluriselect Pluri Strainer(登録商標)Cell Strainer)上へ捕捉して、1%次亜塩素酸塩で2分間漂白した。PBSで洗浄した後で、フィルター上の虫卵を Carboblock/PBS中5mg/mlのWGA−ビオチンコンジュゲート(Vector Labs)の1000倍希釈液と15分間接触させた。この虫卵をPBSで再び洗浄してから、Carboblock/PBS中5mg/mlのストレプトアビジンアルカリホスファターゼコンジュゲート(Vector Labs)の500倍希釈液と15分間接触させた。PBSでの最終洗浄の後で、その虫卵を100mM重炭酸ナトリウム(pH10)中5mM p−ニトロフェノールホスファターゼの溶液と接触させた。室温で7分後、試料を分光光度計で撮影して測定した。
ここで、本発明者は、虫卵陽性のウマ糞便(800虫卵/g)と虫卵陰性糞便を識別した(図7)。WGA−APの量は、検査したいずれの濃度でも飽和しているように見えて、その濃度を下げることによって信号対雑音比をさらに改善し得ることが示唆された。
実施例6
図8Aと図8Bは、落射蛍光顕微鏡にて40倍で撮影した、ウマ糞便由来の浮遊したCBD染色虫卵のマクマスターグリッドの20枚の画像の合成写真を示す。虫卵は、実施例4に記載のようにCBDで処理して染色した。この試料の検査は、濾過によって除去されなかった少数の真菌胞子の存在を示す(図7B、挿入矢印)。この蛍光画像の単純なデジタル処理によりバックグラウンドを除去した(レベル及び閾値のフィルタリング)後で、本発明者は、オープンソースのフリーウェアソフトウェアであるImage J(米国立衛生研究所より利用可能)の粒子分析機能を使用することによって、虫卵の数を定量することができた。このソフトウェアは、大きさと形状の両方によって粒子を解析することをユーザーに可能にして、それによって虫卵と胞子(より小さくてより丸い)を識別するための計算法を提供する。眼による計数が104個の虫卵と19個の胞子という虫卵カウントをもたらしたのに対し、Image Jソフトウェアは、107個の虫卵と16個の胞子を検出した。消費者グレードのカメラ又は携帯電話によって作成される画像をシミュレートすると、その画像は、4800×4800ピクセルから1350×1350ピクセルへ縮小した(8メガピクセルセンサーのより短い寸法をマクマスターチャンバ全体(画像中のグリッドだけでなく)で満たすことに等しい)。この場合、Image Jソフトウェアは、103個の虫卵と20個の胞子を計数した。故に、上記のデータは、原理的には、糞便試料内の虫卵を正確に計数するのに、このキチンベースの標識化をこの種の撮像法へ結びつけることが可能であることを示唆する。
さらに本発明者は、このような画像が消費者グレードカメラ(マクロレンズを取り付けたオリンパスE−PM2)でも、マクロレンズ(Olliclip7x)を取り付けた携帯電話(アップルiPhone 5s)でもとらえることが可能であることを示した(図9A〜図9D)。これらの画像は、照明用の青色LEDと発光フィルターとしての廉価な橙色のPerspexプレートを使用する単純電気泳動ゲル蛍光撮像システム(PrepOne Sapphire, EmbiTec)でとらえたものである。これらのデータは、蛍光染色された虫卵を可視化するための廉価な撮像システムの構築が可能であることを例証する。
実施例7
本発明者は、上記の撮像システムを使用して、自動化された虫卵カウントが、標準マクマスター法によって入手されるカウントへ直接的に相関していることを例証した。3つのウマ糞便試料をマクマスター法によるか又は実施例6に記載の方法(n=4)によって定量して、オリンパスE−PM2とiPhone 5sの両方で撮像した。自動カウントに対してマクマスターカウントをプロットすると、両方のカメラが等しく良好に機能すること(図10)、そして自動カウントが従来の虫卵計数に比例することを示した。さらに、この自動化アッセイへ入力された虫卵の50%が処理の間に失われた(傾き:約0.5)という事実にもかかわらず、10倍以上もの糞便が分析されたという事実は、自動化アッセイがそれでもマクマスターカウントより5倍感度が高いことを意味する。さらに、ほとんどの事例では、自動化法の変動性は、標準偏差によって評価されるように、マクマスター法に優っていた(図11)。
いくつかの側面では、本発明で提供する方法は、ポータブル検査装置をデジタルカメラ又はスマートフォンと組み合わせて使用して実施することができる。検査装置(100)の非限定的な例を図12〜図15に示す。検査装置(100)には、カメラホルダー(122)付きの上面(120)が含まれるスタンド(110)が含まれる。スタンド(110)は、光源(132)付きの検査回路基板(134)、発光フィルター(140)を組み込んだレンズマウントが含まれるカメラチャンバ(130)、及び試料を保持するための検出チャンバ付きの検査クレイドル(150)を支持する。検査装置(100)の諸要素は、上記に記載のように、カメラホルダー(122)に置かれるカメラが、カメラチャンバ(130)を介して検査クレイドル(150)に置かれて画像取得のために光源(132)によって照らされる試料へ光学的にアクセスすることが可能になるように配置される。
図12に示すように、検査装置(100)の様々な要素は、スタンド(110)へ付着可能である。スタンド(110)は、概して平らな上面と4本の支持脚(112)を有する。支持脚(112)は、その上面をテーブル、ベンチ、又は他の作業面より上昇させる。支持脚(112)は、スタンド(110)の重量を減らして、上面(120)の真下に位置する検査装置(100)の諸部分(例えば、図14と図15に示すような検査クレイドル(150))をユーザーが操作することを可能にする切り抜き部分(114)によって分離している。
上面(120)は、上面(120)の概ね中央に位置する大きな矩形の陥入部分(indentation)又は隠れ穴(blind hole)である、カメラホルダー(122)を有する。カメラホルダー(122)は、デジタルカメラ又はカメラ機能付きスマートフォンのようなポータブルカメラを保持して検査装置(100)と一列に整列するように設計する。カメラホルダー(122)は、上面(120)を通して、そして上面(120)の真下の検査クレイドル(150)からの放射線をスマートフォンのカメラが検出することを可能にする、光アクセスポート(124)を有する(図14と図15に示すように)。ユーザーは、上面(120)の片端に位置するグリップアクセス(126)を使用して、カメラホルダー(122)にスマートフォンを入れる。
図13に言及すると、検査装置(100)の底面図は、カメラチャンバ(130)がスタンド(110)に固定されていることを示す。図13の底面図では、カメラチャンバ(130)は、レンズマウント(140)、光源(132)、及び検査回路(134)の一部を囲むように見える。スタンド(110)の底面へ付くのは、回路カバー(128)である。図15で最もよくわかるように、回路カバー(128)は、スタンド(110)の底面に隣接して位置する、検査回路基板(134)を覆う。回路カバー(128)は、検査回路基板(134)を適所に固定して、上部のスマートフォンと検査回路基板(134)下の検査クレイドル(150)と光学的に整列している。回路カバーは、このカバーに並置されるねじボスを介してスタンド(110)の底面上へ取り付けられる(示さず)。
光源(132)は、検査回路基板(134)の中か又は上に位置する。上記に記載のように、光源(132)は、青色LEDであり得る。このLED(132)は、そのLEDがカメラチャンバ(130)と下の検査クレイドル(150)中の試料を照らすように、検査回路基板(134)の底面上に配置される。図12では、4個のLED(132)が示されるが、それより多いか又は少ないLEDを使用し得る。例えば、1、2、又は3個のLEDを配置してレンズマウントと組込み型発光フィルター(140)を囲んでも、5個以上のLEDを使用してもよい。
図14に示すように、検査クレイドル(150)は、底面へ付いて、検査クレイドル(150)は、新しい試料を含有する検査クレイドル(150)が検査装置(100)上の位置へ迅速かつ容易にねじ込むことができるように、ねじ山を付ける。また、カメラチャンバ(130)と検査クレイドル(150)は、スナップ嵌め、クイックリリース機序、磁気カップリング、又はカメラチャンバ(130)を検査クレイドル(150)と結合することが可能である、当該技術分野で知られた他の好適な手段を介して機械的に連結することができると考慮される。検査クレイドル(150)には、上記に記載のように、試料中の虫卵を分離して付着させるための1以上のフィルターが含まれ得る。試料中に存在する虫卵は、検査クレイドル(150)内のフィルターの1つへ結合し得て、光源(134)とカメラチャンバ(130)へ光学的にアクセス可能であり得る。
完全に組み立てられた検査装置(100)を図15に示す。示されないが、カメラホルダー(122)中に定位されるデジタルカメラは、上面(120)の光アクセスポート(124)へ付いたレンズとレンズマウント(140)を介して検査装置(100)を通過する非妨害の光アクセスを有することになる。検査回路基板(134)の底面上の光源(132)(図15には示さず)は、検査クレイドル(150)下の試料台を照らして、上記に記載のようなデータの獲得を可能にする。
いくつかの実施例では、スタンド(110)は、好ましくは、軽量素材(例、成型又は押出プラスチック)又はアルミニウムのような軽金属から作製される。図12〜図14に示される実施例には、4本の支持脚(112)と4つの切り抜き部分(114)が含まれるが、より多いか又はより少ない支持脚と切り抜き部分も可能である。例えば、スタンド(110)には、上面(120)の各側にある1つの切り抜き部分によって分離される、2つの広い支持脚が上面(120)の両端に含まれてよい。あるいは、スタンド(110)には、支持脚が含まれないことも可能であって、その代わりに、上面(120)の周辺を囲む、単一の固く膨らんだ支持体であり得て、切り抜き部分を含有しないことも可能である。他の実施例も可能である。
カメラチャンバ(130)は、ねじ山を付けて、検査クレイドル(150)への容易な取り付けを可能にする。いくつかの実施例では、カメラチャンバ(130)上へねじ込まれて、試料と検査クレイドル(150)が適所にない場合に、組込み型発光フィルター(140)付きのレンズ及びレンズマウントと検査回路基板(134)を保護するチャンバカバーを提供することができる。
いくつかの実施例では、検査回路基板(134)は、光源(132)用の電源(例、単数又は複数のバッテリー)を支持することも可能である。
他の態様
本発明についてその詳細な説明とともに記載してきたが、上述の記載は、本発明を例解することを企図するのであって、付帯の特許請求項の範囲によって明確化される、本発明の範囲を制限することを企図しない。他の側面、利点、及び変更態様も、以下の特許請求項の範囲内にある。
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Claims (70)

  1. 環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を検出する方法であって:
    試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し;
    該溶液を、孔径約85μ〜約350μ、約100μ〜約300μ、約125μ〜約250μ、又は約150μ〜約200μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し;
    第1濾液を、孔径約5μ〜約45μ、約20μ〜約40μ、又は約30μ〜約35μの第2濾過膜に通して流し;
    第2濾過膜に捕捉された蠕虫卵及び/又は原虫オーシストを、検出可能な成分にコンジュゲートしたN−アセチル−D−グルコサミン結合ドメインと接触させ;そして
    検出可能な成分に基づいて、糞便試料中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を検出する、
    ことを含んでなる、前記方法。
  2. 環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を決定する方法であって:
    試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し;
    該溶液を、孔径約85μ〜約350μ、約100μ〜約300μ、約125μ〜約250μ、又は約150μ〜約200μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し;
    第1濾液を、孔径約5μ〜約45μ、約20μ〜約40μ、又は約30μ〜約35μの第2濾過膜に通して流し;
    第2濾過膜に捕捉された試料を、蛍光励起光下で蛍光発光するキチン結合色素を含んでなる第1試薬と接触させ;
    第2濾過膜に捕捉された試料を蛍光励起光で照らし;そして
    該試料の蛍光について評価し、蛍光強度又は蛍光粒子の数に基づいて、糞便試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を決定する、
    ことを含んでなる、前記方法。
  3. 環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を決定する方法であって:
    試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し;
    該溶液を、孔径約85μ〜約350μ、約100μ〜約300μ、約125μ〜約250μ、又は約150μ〜約200μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し;
    第1濾液を、孔径約5μ〜約45μ、約20μ〜約40μ、又は約30μ〜約35μの第2濾過膜に通して流し;
    第2濾過膜に捕捉された蠕虫卵及び/又は原虫オーシストを、N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質を含んでなる第1試薬と接触させて、第1試薬試料を形成し;
    第1試薬試料を、N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質に特異的に結合する抗体を含んでなる第2試薬と接触させ、ここで、該抗体は、検出可能な成分にコンジュゲートしており;そして
    検出可能な成分に基づいて、糞便試料中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を決定する、
    ことを含んでなる、前記方法。
  4. 該溶液を第2濾過膜に通して流した後、第2濾過膜上に捕捉された蠕虫卵及び/又は原虫オーシストを液体試料緩衝液に懸濁させることをさらに含んでなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  5. N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質が、レクチン、キチナーゼ、及びキチン結合ドメイン(CBD)から成る群より選択される、請求項1又は3〜5のいずれか1項に記載の方法。
  6. レクチンが、小麦胚芽凝集素(WGA)、大豆凝集素(SBA)、アメリカ針桑レクチン(MPL)、紫蘇芯花レクチン(BPL)、白花洋種朝鮮朝顔レクチン(DSL)、トマト・レクチン(LEL)、ジャガイモ・レクチン(STL)、及び四角豆レクチン−II(PTL−II)から成る群より選択される、請求項6に記載の方法。
  7. 検出可能な成分が、ハプテン、酵素、抗体エピトープ、抗原、フルオロフォア、放射性同位体、ナノ粒子、結合対のメンバー、及び金属キレートから成る群より選択される、請求項1又は3〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 結合対が、ビオチン/ストレプトアビジン、ビオチン/アビジン、ビオチン/ニュートラアビジン、ビオチン/キャプトアビジン、エピトープ/抗体、プロテインA/免疫グロブリン、プロテインG/免疫グロブリン、プロテインL/免疫グロブリン、GST/グルタチオン、Hisタグ/金属、抗原/抗体、FLAG/M1抗体、マルトース結合タンパク質/マルトース、カルモジュリン結合タンパク質/カルモジュリン、酵素/酵素基質、及び受容体/リガンドの結合対から成る群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 検出可能な成分が結合対の第1メンバーである、請求項1又は3〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 結合対の第1メンバーはN−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質にコンジュゲートしており、結合対の第2メンバーは固体支持体上に固定化されている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. フルオロフォアが、緑色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、フルオレセイン、フルオレセイン5−イソチオシアネート(FITC)、シアニン色素(Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7)、Bodipy色素(インビトロジェン)及び/又はアレクサフルオル色素(インビトロジェン)、ダンシル、ダンシルクロリド(DNS−C1)、5−(ヨードアセトアミド)フルオレセイン(5−IAF、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(アクリロダン)、7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イルクロリド(NBD−Cl)、臭化エチジウム、ルシファー・イエロー、ローダミン色素(5−カルボキシローダミン6G塩酸塩、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン−B−イソチオシアネート(RITC(ローダミン−B−イソチオシアネート)、ローダミン800);テトラメチルローダミン5−(及び6−)イソチオシアネート(TRITC))、テキサスレッドTM、スルホニルクロリド、1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸(ANS)及び6−(p−トルイジニル)ナフタレン−2−スルホン酸(TNS)が含まれるがこれらに限定されないナフタルアミンスルホン酸、アントロイル脂肪酸、DPH、パリナリン酸、TMA−DPH、フルオレニル脂肪酸、フルオレセイン−ホスファチジルエタノールアミン、テキサスレッド−ホスファチジルエタノールアミン、ピレニル−ホスファチジルコリン、フルオレニル−ホスファチジルコリン、メロシアニン540、ナフチルスチリル、3,3’−ジプロピルチアジカルボシアニン(ジS−C3−(5))、4−(p−ジペンチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウム(ジ5−ASP)、Cy−3ヨードアセトアミド、Cy−5−N−ヒドロキシスクシンイミド、Cy−7−イソチオシアネート、IR−125、チアゾールオレンジ、Azure B、ナイルブルー、Alフタロシアニン、オキサキシン(Oxaxine)1、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、ヘキスト33342、TOTO、アクリジンオレンジ、エチジウムホモ2量体、N−(エトキシカルボニルメチル)−6−メトキシキノリニウム(MQAE)、Fura−2、カルシウムグリーン、カルボキシSNARF−6、BAPTA、クマリン、フィトフルオース(phytofluors)、コロネン、及び金属−リガンド錯体から成る群より選択される、請求項7に記載の方法。
  12. 検出可能な成分のシグナル強度が、ポータブル又はベンチトップ蛍光計(例えば携帯型蛍光計)を使用して定量される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 検出可能な成分のシグナル強度が、ポータブル又はベンチトップ比色計を使用して定量される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 検出可能な成分のシグナル強度が、目視検査によって定量される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  15. 検出可能な成分のシグナル強度が、撮像装置を使用して定量される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  16. 撮像装置が、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ポータブルコンピュータ、コンピュータ、及びスキャナーである、請求項15に記載の方法。
  17. N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質が小麦胚芽凝集素であり、検出可能な成分がフルオレセインイソチオシアネート(FITC)である、請求項1、3〜7、又は11〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 検出可能な成分が結合対の第1メンバーであり;結合対の第2メンバーは、酵素、抗体エピトープ、抗原、フルオロフォア、放射性同位体、ナノ粒子、第2結合対のメンバー、及び金属キレートにコンジュゲートしている、請求項1又は3〜9のいずれか1項に記載の方法。
  19. 結合対の第1メンバーがビオチンであり、結合対の第2メンバーは、ストレプトアビジン、アビジン、ニュートラアビジン、及びキャプトアビジンから成る群より選択され、酵素にコンジュゲートしている、請求項18に記載の方法。
  20. 酵素が、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ウレアーゼ、β−ラクタマーゼ、及びグルコースオキシダーゼから成る群より選択される、請求項7又は17に記載の方法。
  21. レクチンが小麦胚芽凝集素である、請求項4〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 接触させる工程に先立って、試料を漂白溶液で処理する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  23. 環境試料が、糞便試料、尿試料、水試料、廃水又は汚水試料、又は土壌試料である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 環境試料が糞便試料である、請求項23に記載の方法。
  25. 糞便溶液を入手することが、
    糞便試料を試料緩衝液に懸濁させて、第1糞便溶液を形成し;そして
    第1糞便溶液を、孔径約400μ〜約800μ、約425μ〜約750μ、約450μ〜約700μ、約500μ〜約650μ、又は約550μ〜約600μのバルク濾過膜に通して流して、糞便溶液を提供する、
    ことを含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 糞便試料が哺乳動物の糞便試料である、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 哺乳動物の糞便試料が、ウマ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、シカ、イヌ、ネコ、トリ、及びヒトの糞便試料から成る群より選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストを計数することをさらに含んでなる、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストを計数することが、顕微鏡を使用して実施される、請求項28に記載の方法。
  30. 蛍光励起光下で蛍光発光するキチン結合色素が、カルコフロールホワイト、ユビテックス3B(ジスチリルビフェニル蛍光増白剤)、Rylux BA、Rylux BSU(1,4−ベンゼンジスルホン酸−2,2’−[エチレンジイルビス[(3−スルホ−4,1−フェニレン)イミノ[6−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリヘキサナトリウム塩)(Ostacolor、パルドゥビツェ、チェコ共和国)、及びブランコフォア(4,4’−ビス{(4−アニリノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ}スチルベン−2,2’−ジスルホン酸二ナトリウム)から成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
  31. バルク濾過膜の孔径が約400μ〜約450μであり、第1濾過膜の孔径が約85μ〜約120μであり、そして第2濾過膜の孔径が約20μ〜約40μである、請求項25に記載の方法。
  32. 孔径約20μ〜約45μ、約25μ〜約40μ、又は約30μ〜約35μのフィルター膜;及び
    検出可能な成分にコンジュゲートしたN−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質又はその断片を含んでなる試薬溶液、
    を含んでなるキット。
  33. 孔径約85μ〜約350μ、約100μ〜約300μ、約125μ〜約250μ、又は約150μ〜約200μのフィルター膜をさらに含んでなる、請求項32に記載のキット。
  34. N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質が、レクチン、キチナーゼ、及びCBDから成る群より選択される、請求項32に記載のキット。
  35. 孔径約400μ〜約800μ、約425μ〜約750μ、約450μ〜約700μ、約500μ〜約650μ、又は約550μ〜約600μのバルク濾過膜の孔径を有するフィルター膜を含んでなるバルクフィルター装置をさらに含んでなる、請求項32に記載のキット。
  36. 撮像装置を保持するか又は含有するクレイドル(a cradle)をさらに含んでなる、請求項32に記載のキット。
  37. 検出可能な成分を検出するためのポータブル又はベンチトップシステムをさらに含んでなる、請求項32に記載のキット。
  38. 検出可能な成分を検出するためのポータブルシステムが、ポータブル又はベンチトップ蛍光計及びポータブル又はベンチトップ比色計から成る群より選択される、請求項37に記載のキット。
  39. N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質に結合する抗体をさらに含んでなる、請求項32に記載のキット。
  40. 試薬検出システムをさらに含んでなる、請求項32に記載のキット。
  41. 環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を検出する方法であって:
    試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し;
    該溶液を、孔径約85μ〜約350μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液をもたらし;
    第1濾液を、孔径約5μ〜約45μの第2濾過膜に通して流し;
    第2濾過膜に捕捉された蠕虫卵を、検出可能な成分へコンジュゲートしたN−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質又はその断片と接触させ;そして
    検出可能な成分のシグナル強度に基づいて、環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を検出する、
    ことを含んでなる、前記方法。
  42. N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質が、レクチン、キチナーゼ、及びキチン結合ドメイン(CBD)、又はそれらの断片から成る群より選択される、請求項41に記載の方法。
  43. レクチンが、小麦胚芽凝集素(WGA)、大豆レ凝集素(SBA)、アメリカ針桑レクチン(MPL)、紫蘇芯花レクチン(BPL)、白花洋種朝鮮朝顔レクチン(DSL)、トマト・レクチン(LEL)、ジャガイモ・レクチン(STL)、及び 四角豆レクチン−II(PTL−II)から成る群より選択される、請求項42に記載の方法。
  44. 検出可能な成分が、ハプテン、酵素、抗体エピトープ、抗原、フルオロフォア、放射性同位体、ナノ粒子、結合対のメンバー、及び金属キレートから成る群より選択される、請求項41に記載の方法。
  45. フルオロフォアが、緑色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、フルオレセイン、フルオレセイン5−イソチオシアネート(FITC)、シアニン色素(Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7)、Bodipy色素(インビトロジェン)及び/又はアレクサフルオル色素(インビトロジェン)、ダンシル、ダンシルクロリド(DNS−C1)、5−(ヨードアセトアミド)フルオレセイン(5−IAF、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(アクリロダン)、7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イルクロリド(NBD−Cl)、臭化エチジウム、ルシファー・イエロー、ローダミン色素(5−カルボキシローダミン6G塩酸塩、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン−B−イソチオシアネート(RITC(ローダミン−B−イソチオシアネート)、ローダミン800);テトラメチルローダミン5−(及び6−)イソチオシアネート(TRITC))、テキサスレッドTM、スルホニルクロリド、1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸(ANS)及び6−(p−トルイジニル)ナフタレン−2−スルホン酸(TNS)が含まれるがこれらに限定されないナフタルアミンスルホン酸、アントロイル脂肪酸、DPH、パリナリン酸、TMA−DPH、フルオレニル脂肪酸、フルオレセイン−ホスファチジルエタノールアミン、テキサスレッド−ホスファチジルエタノールアミン、ピレニル−ホスファチジルコリン、フルオレニル−ホスファチジルコリン、メロシアニン540、ナフチルスチリル、3,3’−ジプロピルチアジカルボシアニン(ジS−C3−(5))、4−(p−ジペンチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウム(ジ5−ASP)、Cy−3ヨードアセトアミド、Cy−5−N−ヒドロキシスクシンイミド、Cy−7−イソチオシアネート、IR−125、チアゾールオレンジ、Azure B、ナイルブルー、Alフタロシアニン、オキサキシン(Oxaxine)1、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、ヘキスト33342、TOTO、アクリジンオレンジ、エチジウムホモ2量体、N−(エトキシカルボニルメチル)−6−メトキシキノリニウム(MQAE)、Fura−2、カルシウムグリーン、カルボキシSNARF−6、BAPTA、クマリン、フィトフルオース(phytofluors)、コロネン、及び金属−リガンド錯体から成る群より選択される、請求項44に記載の方法。
  46. 検出可能な成分のシグナル強度が、ポータブル又はベンチトップ蛍光計、ポータブル又はベンチトップ比色計、又は撮像装置を使用して定量される、請求項41に記載の方法。
  47. 撮像装置が、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ポータブルコンピュータ、コンピュータ、又はスキャナーである、請求項46に記載の方法。
  48. 接触させる工程に先立って、試料を漂白溶液で処理する、請求項41に記載の方法。
  49. 環境試料が糞便試料である、請求項41に記載の方法。
  50. 該溶液を入手することが、
    糞便試料を試料緩衝液に懸濁させて、第1糞便溶液を形成し;そして
    第1糞便溶液を、孔径約400μ〜約800μのバルク濾過膜に通して流して、糞便試料を含んでなる溶液を入手する、
    ことを含む、請求項49に記載の方法。
  51. 環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を決定する方法であって:
    試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し;
    該溶液を、孔径約85μ〜約350μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し;
    第1濾液を、孔径約5μ〜約45μの第2濾過膜に通して流し;
    第2濾過膜に捕捉された試料を、蛍光励起光下で蛍光発光するキチン結合色素を含んでなる第1試薬と接触させ;
    第2濾過膜に捕捉された試料を蛍光励起光で照らし;そして
    該試料の蛍光について評価し、蛍光強度又は蛍光粒子の数に基づいて、環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を決定する、
    ことを含んでなる、前記方法。
  52. 環境試料が糞便試料である、請求項51に記載の方法。
  53. 該溶液を入手することが、
    糞便試料を試料緩衝液に懸濁させて、第1糞便溶液を形成し;そして
    第1糞便溶液を、孔径約400μ〜約800μのバルク濾過膜に通して流して、糞便試料を含んでなる溶液を入手する、
    ことを含む、請求項52に記載の方法。
  54. 蛍光励起光下で蛍光発光するキチン結合色素が、カルコフロールホワイト、ユビテックス3B(ジスチリルビフェニル蛍光増白剤)、Rylux BA、Rylux BSU(1,4−ベンゼンジスルホン酸−2,2’−[エチレンジイルビス[(3−スルホ−4,1−フェニレン)イミノ[6−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリヘキサナトリウム塩)、及びブランコフォア(4,4’−ビス{(4−アニリノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ}スチルベン−2,2’−ジスルホン酸二ナトリウム)から成る群より選択される、請求項51に記載の方法。
  55. 蛍光強度が、ポータブル又はベンチトップ蛍光計、又は撮像装置を使用して定量される、請求項51に記載の方法。
  56. 接触させる工程に先立って、試料を漂白溶液で処理する、請求項51に記載の方法。
  57. 環境試料中の蠕虫卵又は原虫オーシストの存在の有無を決定する方法であって:
    試料緩衝液に懸濁した環境試料を含んでなる溶液を入手し;
    該溶液を、孔径約85μ〜約350μの第1濾過膜に通して流して、第1濾液を形成し;
    第1濾液を、孔径約5μ〜約45μの第2濾過膜に通して流し;
    第2濾過膜に捕捉された蠕虫卵を、N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質又はその断片を含んでなる第1試薬と接触させて、第1試薬試料を形成し;
    第1試薬試料を、N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質に特異的に結合する抗体を含んでなる第2試薬と接触させ、ここで、該抗体は、検出可能な成分にコンジュゲートしており;そして
    この検出可能な成分の強度に基づいて、該試料中の蠕虫卵及び/又は原虫オーシストの存在の有無を決定する、
    ことを含んでなる、前記方法。
  58. N−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質が、レクチン、キチナーゼ、及びキチン結合ドメイン(CBD)、又はそれらの断片から成る群より選択される、請求項57に記載の方法。
  59. レクチンが、小麦胚芽凝集素(WGA)、大豆凝集素(SBA)、アメリカ針桑レクチン(MPL)、紫蘇芯花レクチン(BPL)、白花洋種朝鮮朝顔レクチン(DSL)、トマト・レクチン(LEL)、ジャガイモ・レクチン(STL)、及び 四角豆レクチン−II(PTL−II)から成る群より選択される、請求項58に記載の方法。
  60. 検出可能な成分が、ハプテン、酵素、抗体エピトープ、抗原、フルオロフォア、放射性同位体、ナノ粒子、結合対のメンバー、及び金属キレートから成る群より選択される、請求項57に記載の方法。
  61. フルオロフォアが、緑色蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、フルオレセイン、フルオレセイン5−イソチオシアネート(FITC)、シアニン色素(Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7)、Bodipy色素(インビトロジェン)及び/又はアレクサフルオル色素(インビトロジェン)、ダンシル、ダンシルクロリド(DNS−C1)、5−(ヨードアセトアミド)フルオレセイン(5−IAF、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(アクリロダン)、7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イルクロリド(NBD−Cl)、臭化エチジウム、ルシファー・イエロー、ローダミン色素(5−カルボキシローダミン6G塩酸塩、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン−B−イソチオシアネート(RITC(ローダミン−B−イソチオシアネート)、ローダミン800);テトラメチルローダミン5−(及び6−)イソチオシアネート(TRITC))、テキサスレッドTM、スルホニルクロリド、1−アニリノナフタレン−8−スルホン酸(ANS)及び6−(p−トルイジニル)ナフタレン−2−スルホン酸(TNS)が含まれるがこれらに限定されないナフタルアミンスルホン酸、アントロイル脂肪酸、DPH、パリナリン酸、TMA−DPH、フルオレニル脂肪酸、フルオレセイン−ホスファチジルエタノールアミン、テキサスレッド−ホスファチジルエタノールアミン、ピレニル−ホスファチジルコリン、フルオレニル−ホスファチジルコリン、メロシアニン540、ナフチルスチリル、3,3’−ジプロピルチアジカルボシアニン(ジS−C3−(5))、4−(p−ジペンチルアミノスチリル)−1−メチルピリジニウム(ジ5−ASP)、Cy−3ヨードアセトアミド、Cy−5−N−ヒドロキシスクシンイミド、Cy−7−イソチオシアネート、IR−125、チアゾールオレンジ、Azure B、ナイルブルー、Alフタロシアニン、オキサキシン(Oxaxine)1、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)、ヘキスト33342、TOTO、アクリジンオレンジ、エチジウムホモ2量体、N−(エトキシカルボニルメチル)−6−メトキシキノリニウム(MQAE)、Fura−2、カルシウムグリーン、カルボキシSNARF−6、BAPTA、クマリン、フィトフルオース(phytofluors)、コロネン、及び金属−リガンド錯体から成る群より選択される、請求項60に記載の方法。
  62. 検出可能な成分のシグナル強度が、ポータブル又はベンチトップ蛍光計、ポータブル又はベンチトップ比色計、又は撮像装置を使用して定量される、請求項57に記載の方法。
  63. 撮像装置が、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ポータブルコンピュータ、コンピュータ、又はスキャナーである、請求項62に記載の方法。
  64. 接触させる工程に先立って、試料を漂白溶液で処理する、請求項57に記載の方法。
  65. 環境試料が糞便試料である、請求項57に記載の方法。
  66. 孔径約5μ〜約45μのフィルター膜;及び
    検出可能な成分にコンジュゲートしたN−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質を含んでなる試薬溶液、
    を含んでなるキットであって、それぞれのN−アセチル−D−グルコサミン結合タンパク質は、検出可能な成分にコンジュゲートした、レクチン、キチナーゼ、又はCBDから成る群より選択される、前記キット。
  67. 孔径約400μ〜約800μのバルク濾過膜の孔径を有するフィルター膜を含んでなるバルクフィルター装置をさらに含んでなる、請求項66に記載のキット。
  68. 撮像装置を保持するか又は含有するクレイドルをさらに含んでなる、請求項66に記載のキット。
  69. 検出可能な成分を検出するためのポータブル又はベンチトップシステムをさらに含んでなる、請求項66に記載のキット。
  70. 孔径約85μ〜約350μのフィルター膜をさらに含んでなる、請求項66に記載のキット。
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