JP2017516979A5 - 処理システム、ワークピースプロセスを較正する方法、ワークピース製造プロセスを確認する方法およびワークピースを昇温状態で処理する方法 - Google Patents

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他の実施態様によると、昇温状態でワークピースを処理する方法が開示される。当該方法は、所望温度範囲にわたってほぼ一定の放射率を有する被覆を、前記ワークピースの上面の第1部分に施すステップと、前記ワークピースを加熱プラテン上に配置するステップと、前記ワークピースの温度を監視するように、赤外線カメラの焦点を前記第1部分に合わせるステップと、前記第1部分と異なる前記ワークピースの第2部分を処理するステップと、前記ワークピースを前記昇温状態に維持するように、前記ワークピースを処理しながら、前記ワークピースの前記監視された温度に基づいて前記加熱プラテンの温度を調整するステップと、を有し、前記昇温状態は、100℃を超える。
図5は、加熱プラテン上に配置された較正ワークピース400の熱画像を示す。ここで、部分410は、較正ワークピース400の他の箇所と明らかに温度が異なっているように見える。当該部分410は、2つの直交する直径の形状のパターンを有してもよい。他の実施形態において、当該部分410は、単一の直径であってもよい。当該部分410には、前もって、赤外線スペクトルにおいてほぼ一定の放射率を有する被覆が施されている。本発明において、「ほぼ一定の放射率」は、所望の温度範囲にわたって、材料の放射率の変化が20%未満であることを意味する。他の実施形態において、所望の温度範囲にわたる物質の放射率変化は、10%未満であってもよい。さらに、目標最終温度が既知である状況においては、「ほぼ一定の放射率」は、目標最終温度の50℃以内といった狭い温度範囲にわたる物質の放射率 変化が10%未満、あるいは、いくつかの実施形態では5%未満、であることを意味してもよい。赤外線カメラは、典型的に、目標最終温度に近い温度での良好な概算である固定放射率値を使用する。いくつかの実施形態において、赤外線カメラが使用する固定放射率は、目標最終温度での放射率に等しい。このように、赤外線カメラ測定値は、目標最終温度付近の温度で正確になる。このやり方で、部分410の温度測定は正確になることが分かるが、較正ワークピース400の残りの部分は不確定であり得る。言い換えると、ワークピースの温度が400℃から500℃の間であることを示唆する図3の熱画像は、不正確である。むしろ、被覆部分410のみが、ワークピース400の実際の温度を表す。
図6は、同じ較正ワークピース400が、長時間加熱プラテン上に置かれた後の状態を示す。部分410は、この時、加熱プラテンに非常に近い温度を反映する。これは、ワークピース400の実際の温度を反映するものである。較正ワークピース400の残りの部分は、未だ実際の温度よりもわずかに高温であるように見える。
通常動作時に較正ワークピースを導入することで、赤外線カメラを用いて熱プロフィールを生成することができる。このようにして、製造プロセスの動作の検証が可能になる。例えば、時間と共に、プラテンとワークピースとの間の熱的結合が変化するかもしれない。当該変化の原因として、プラテンとワークピースとの間のクランプ力の変動、ワークピースの背面側に向かう背面側ガスの流量の変化、または他の原因が考えられる。当該熱的結合の変化は、注入時のワークピースの到達温度に影響を及ぼすことで、結果として得られる製品に影響するかもしれない。通常動作時に較正ワークピースを導入することで、動作への影響を最小限にして、熱的結合を検証することができる。当該較正ワークピースを、通常のワークピースと同じように導入してもよく、実際に処理チャンバで処理してもしなくてもよい。むしろ、その目的は、処理チャンバの動作に影響を及ぼすことなく実際のワークピース温度を測定可能にすることで、プロセスの定期的確認を実現することである。言い換えると、較正ワークピースを導入し実際のワークピース温度を判定するために特別な手順を行う必要はない。
図8は、通常動作時の較正ワークピースの使用を表すフローチャートである。まず、動作800に示すように、ワークピースを、ロードロックに配置する。その後、動作810に示すように、ワークピースを、処理チャンバ内のロボット機構により取り出し、プラテン上に配置する。イオン注入等のワークピースの高温処理を促進するために、プラテンを昇温状態に加熱してもよい。その後、動作820に示すように、ワークピースを処理する。処理完了後、ロボット機構により、ワークピースをプラテンから取り出す。一連の動作800〜820を複数回繰り返してもよい。ある時点で、動作830に示すように、較正ワークピース400を、ロードロックに配置する。動作840に示すように、通常のワークピースと同じように、当該較正ワークピース400を、ロボット機構によりロードロックから取り出し、プラテン上に配置する。較正ワークピースは、所望の温度範囲にわたってほぼ一定の放射率を有する被覆を有する。本実施形態において、所望の温度範囲は、プラテンの昇温状態を中心とする100℃の範囲であってもよい。較正ワークピース400をプラテンに配置した後、動作850に示すように、その温度を監視および測定することができる。上記の通り、こうすることで、プラテンとワークピースとの間の熱的結合がまだ許容限界内であることを確認することができる。許容できない温度であれば、動作860に示すように、補正動作を始動してもよい。当該動作には、プラテン100の温度の変更、プラテンの洗浄、またはその他の動作が含まれ得る。温度を確認すると、 較正ワークピース400をプラテン100から取り出す。その後、一連の動作800〜820に従って、さらに他のワークピースを通常通り処理してもよい。
他の実施形態において、図9に示すように、被覆されたワークピースのごく一部を有するワークピースを、処理チャンバ内で処理する。言い換えると、これらの較正されたワークピースは、較正ワークピースおよび通常処理ワークピースの両方の役割を果たす。これらの較正されたワークピースを、赤外線カメラからの温度フィードバック下で処理してもよい。本実施形態において、動作900に示すように、製品に用いられないワークピースのごく一部に、被覆を施してもよい。これにより、処理動作を、上記の開ループ較正の代わりに、閉ループで行うことができる。例えば、較正されたワークピースを処理しながら当該ワークピースの温度を監視することができ、リアルタイムでプラテンの温度を調整することによって直ちに補正することができる。当該技術は、ワークピース処理時により厳しい温度制御が望ましいケースに適用可能である。こうして、表面の一部に被覆を施した後、動作910に示すように、較正されたワークピースをプラテンに移動する。そして、動作920に示すように、他のワークピースに通常行われるのと同じように、較正されたワークピースを処理することができる。較正されたワークピースを処理しながら、動作930に示すように、赤外線カメラの焦点を被覆部分に合わせて、較正されたワークピースの温度を継続的に監視してもよい。そして、動作940に示すように、被覆部分の監視温度を用いて、ワークピース300の温度を制御する。これにより、別の方法で可能な温度制御よりも厳密な温度制御が可能になる。較正されたワークピースを処理した後、動作950に示すように、当該ワークピースをプラテンから取り出す。その後、他の較正されたワークピースを、図9に示すシーケンスを用いて処理することができる。

Claims (15)

  1. プラテンと、
    前記プラテン上に配置される較正ワークピースと、
    赤外線スペクトルにおける波長範囲を用いて前記較正ワークピースの温度を判定する赤外線カメラと、
    前記較正ワークピースの上面の一部分に配置され、前記波長範囲での温度範囲にわたって放射率の変化が20%未満である被覆と、
    を備える、処理システム。
  2. 前記温度範囲は、0℃から600℃の間である、請求項1に記載の処理システム。
  3. 前記被覆は、前記上面の直径に沿って施される、請求項1に記載の処理システム。
  4. 前記被覆は、前記上面全体に施される、請求項1に記載の処理システム。
  5. ワークピースプロセスを較正する方法であって、
    プロセスチャンバにおける加熱プラテンを、100℃を超える昇温状態に維持するステップと、
    前記プロセスチャンバに、所望温度範囲にわたって放射率の変化が20%未満である被覆を上面の一部分に備える較正ワークピースを導入するステップと、
    前記較正ワークピースを、前記加熱プラテン上に配置するステップと、
    赤外線カメラの焦点を前記一部分に合わせて、経時的に前記較正ワークピースの温度を監視するステップと、
    前記較正ワークピースが所定温度に到達するための時間を記録するステップと、
    を有する、方法。
  6. さらに、前記記録後にワークピースを処理するステップを有し、
    前記処理するステップは、
    前記ワークピースを前記加熱プラテン上に配置するステップ と、
    所定時間待機するステップと、
    前記待機後に前記ワークピースを処理するステップと、
    を有し、
    前記所定時間は、前記較正ワークピースが前記所定温度に到達するための前記記録された時間に基づいて決定される、
    請求項5に記載の方法。
  7. 前記被覆は、前記較正ワークピースの前記上面全体に施され、
    さらに、前記赤外線カメラの焦点を前記上面の複数箇所に合わせて、前記較正ワークピースの温度均一性を判定するステップを有する、
    請求項5に記載の方法。
  8. 前記一部分は、前記上面の直径を含み、
    さらに、前記赤外線カメラの焦点を前記直径の複数箇所に合わせて、前記較正ワークピースの温度均一性を推定するステップを有する、
    請求項5に記載の方法。
  9. ワークピース製造プロセスを確認する方法であって、
    第1ワークピースをプロセスチャンバに導入するステップと、
    前記第1ワークピースを、前記プロセスチャンバにおける加熱プラテンであって、100℃を超える昇温状態の加熱プラテン上に配置するステップと、
    前記加熱プラテン上で、前記第1ワークピースを処理するステップと、
    前記第1ワークピースの導入と同じように、較正ワークピースを前記プロセスチャンバに導入するステップとを有し、前記較正ワークピースは所望温度範囲にわたって放射率の変化が20%未満である被覆を上面の一部分に備え、
    前記被覆を有する前記一部分に焦点を合わせた赤外線カメラを用いて、前記較正ワークピースの温度を測定するステップと、
    前記温度が許容範囲内であることを検証するステップと、
    を有する、方法。
  10. さらに、
    前記温度が前記許容範囲内であることを検証した後、第2ワークピースを前記プロセスチャンバに導入するステップと、
    前記第2ワークピースを、前記プロセスチャンバにおける前記加熱プラテン上に配置するステップと、
    前記加熱プラテン上で、前記第2ワークピースを処理するステップと、
    を有する、請求項9に記載の方法。
  11. さらに、前記温度が前記許容範囲内でない場合に、補正動作を行うステップを有する、
    請求項9に記載の方法。
  12. 前記導入するステップは、
    ワークピースをロードロックに配置するステップと、
    前記プロセスチャンバ内に配置されたロボット機構を用いて、前記ワークピースを前記ロードロックから取り出すステップと、
    を有する、
    請求項9に記載の方法。
  13. 前記被覆は、前記較正ワークピースの前記上面全体に施され、
    さらに、前記赤外線カメラの焦点を前記上面の複数箇所に合わせて、前記較正ワークピースの温度均一性を判定するステップを有する、
    請求項9に記載の方法。
  14. 前記一部分は、前記上面の直径を含み、
    さらに、前記赤外線カメラの焦点を前記直径の複数箇所に合わせて、前記較正ワークピースの温度均一性を推定するステップを有する、
    請求項9に記載の方法。
  15. ワークピースを昇温状態で処理する方法であって、
    所望温度範囲にわたって放射率の変化が20%未満である被覆を、前記ワークピースの上面の第1部分に施すステップと、
    前記ワークピースを加熱プラテン上に配置するステップと、
    前記ワークピースの温度を監視するように、赤外線カメラの焦点を前記第1部分に合わせるステップと、
    前記第1部分と異なる前記ワークピースの第2部分を処理するステップと、
    前記ワークピースを前記昇温状態に維持するように、前記ワークピースを処理しながら、前記ワークピースの前記監視された温度に基づいて前記加熱プラテンの温度を調整するステップと、
    を有し、
    前記昇温状態は、100℃を超える、
    方法。
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