JP2017516579A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、放射線治療機器、及び放射線治療機器の品質管理方法に係り、さらに詳細には、EPID(electronic portal imaging device)のような映像獲得部を利用した放射線治療機器の品質管理方法において、EPIDの位置変化によって発生する誤差を算出し、それを補正する放射線治療機器、及び放射線治療機器の品質管理方法に関する。
放射線治療は、エックス線、ガンマ線のような高エネルギー波動、または電子線、陽性子線のような高エネルギー粒子を利用して、ターゲット組織に損傷を加えたり破壊したりすることにより、悪性組織の成長を遅延させたり阻止したりし、さらには消滅させる方法である。放射線治療は、癌だけではなく、良性腫瘍、内科的疾病、一部皮膚疾患の治療に利用されたりする。最近では、頭蓋骨を切開する神経外科的手術方式を代替し、切開手術なしに、一回で多量の放射線を照射して治療する放射線手術方法も開発されている。
最近では、癌患者の約60%以上が放射線治療を受けるほど一般化されている。放射線治療は、それ自体で腫瘍治療に利用されるだけではなく、腫瘍が大きく、浸襲されて手術が困難であるか、あるいは手術で除去することができない局所を治療する他の外科的手術と共に使用され、腫瘍の大きさを小さくし、外科的手術を容易にしたり、手術後に残った悪性細胞を破壊したりする用途に利用される。
外部から放射線を照射する体外放射線治療機器は、高エネルギー粒子や放射線を生成する方式により、低エネルギーエックス線治療機器、放射性同位元素治療装置、線形アクセレータ、粒子アクセレータなどに分類される。
低エネルギーエックス線治療機器は、エックス線発生装置を利用して、皮膚疾患や深部治療に利用されたが、現在ではほとんど使用されていない。
放射性同位元素治療装置は、コバルト60(Co−60)のような放射性同位元素から発生するガンマ線を利用する。低エネルギーエックス線治療機器より若干強いエネルギーのガンマ線を利用するが、だんだんと使用が減っている。
線形加速器は、放射線治療の標準のように利用される装備であり、エックス線及び電子線の出力が可能であり、多様なエネルギーを伝達することができ、高い線量率、ビーム形状の調節(beam-forming)が可能である。
粒子加速器は、サイクロトロン加速器で加速した中性子や陽性子の粒子をビーム管を介して移送し、ノズルから所望する部位に放出する構造を有するが、線形加速器より深いブラッグピーク(Bragg’s peak)を有することができ、正常組織には線量を最小化し、深部の腫瘍にのみエネルギーを集中させることができる。
一般的に、かような医療用放射線装置は、意図的に患者の位置を変えるほど、または患者が無意識的に身を動かすほど診断の正確度や治療効果が落ち、病変周辺の正常組織に吸収される放射線線量が高くなり、時間及びコストが増大する。それにより、医療用放射線装置は、放射線放出ヘッドと検出部とが単に固定された位置で対向する方式で開発されていて、放射線放出ヘッドと検出部とがだんだんと患者の周囲を動くことができる形態に発展した。
最近の医療用放射線装置は、アームを有したガントリに放射線放出ヘッドを装着する形態、またはリング状のガントリを有する方式にそれぞれ発展しており、放射線放出ヘッドと放射線検出器とが生体組織を挟んで対向し、放射線ソースと放射線検出器とが生体組織を中心に回転しなければならないので、リングガントリ(ring gantry)構造またはC−アームガントリ(C−arm gantry)構造が主に使用される。
前述の背景技術は、発明者が、本発明の導出のために保有していたり、本発明の導出過程で習得したりした技術情報であり、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術とすることはできない。
本発明の実施形態は、EPIDのような映像獲得部を利用した放射線治療機器の品質管理方法において、EPIDの位置変化によって発生する誤差を算出し、それを補正する放射線治療機器、及び放射線治療機器の品質管理方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、本体部と、前記本体部の一側に結合し、前記本体部に対して、少なくとも一方向に回転自在に形成されるガントリと、前記ガントリの一側に形成されて放射線を照射する放射線の照射ヘッドと、前記放射線の照射ヘッドと対向するように形成され、前記放射線の照射ヘッドから照射される放射線を検出し、それを電気的信号に変換して映像を獲得する映像獲得部と、前記放射線の照射ヘッドの一側に形成されて複数個のマーカーが形成された基準映像獲得用フレームと、を含む放射線治療機器を開示する。
本実施形態において、前記基準映像獲得用フレームは、内部に開口部が形成されたウィンドウ(window)形態に形成され、枠領域に複数個のマーカー(marker)が形成されてもよい。
本実施形態において、前記放射線の照射ヘッドの一側には、フレーム装着ガイドが形成され、前記フレーム装着ガイドに、前記基準映像獲得用フレームが固定結合されてもよい。
本実施形態において、前記映像獲得部は、電子ポータル映像装置(EPID:electronic portal imaging device)でもある。
本実施形態において、前記映像獲得部は、複数個の前記マーカーが含まれた基準映像と、1以上の分析対象映像と、を獲得し、前記基準映像から算出されたビーム中心点を基準に、前記分析対象映像を分析することができる。
本実施形態において、前記映像獲得部は、前記基準映像から算出されたビーム中心点と、前記映像獲得部の中心点と、を比較し、前記映像獲得部の位置誤差を算出し、前記算出された位置誤差を反映させ、前記分析対象映像を分析することができる。
本実施形態において、前記ガントリ、前記放射線の照射ヘッドまたは前記映像獲得部を、少なくともいずれか一方向に移動させることができるように形成される位置誤差補正部をさらに含んでもよい。
本発明の他の実施形態は、放射線の照射ヘッドの一側に、複数個のマーカーが形成された基準映像獲得用フレームが配置される段階と、前記放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、前記複数個のマーカーが含まれた基準映像が獲得される段階と、前記基準映像からビーム中心点が算出される段階と、前記放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、1以上の分析対象映像が獲得される段階と、前記基準映像から算出されたビーム中心点を基準に、前記分析対象映像が分析される段階と、を含む放射線治療機器の品質管理方法を開示する。
本実施形態において、前記基準映像から算出されたビーム中心点を基準に、前記分析対象映像が分析される段階は、前記基準映像から算出されたビーム中心点と、前記映像獲得部の中心点と、を比較し、前記映像獲得部の位置誤差が算出される段階と、前記算出された位置誤差を反映させ、前記分析対象映像を分析する段階と、を含んでもよい。
本実施形態において、前記算出された位置誤差を反映させ、前記分析対象映像を分析する段階は、前記分析対象映像の中心点が、前記基準映像から算出されたビーム中心点(BC)を基準に、いかほど離隔されているかということに基づいて分析することができる。
本実施形態において、前記放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、前記複数個のマーカーが含まれた基準映像が獲得される段階は、前記複数個のマーカーがいずれも基準映像に含まれるように前記放射線が照射されてもよい。
本実施形態において、前記基準映像及び前記分析対象映像は電子ポータル映像装置(EPIDによって獲得されてもよい。
本実施形態において、前記ガントリ、前記放射線の照射ヘッドまたは前記映像獲得部を、少なくともいずれか一方向に移動して位置誤差を補正する段階をさらに含んでもよい。
前述のところ以外の他の側面、特徴、利点が、以下の図面、特許請求の範囲、及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
本発明の一実施形態による放射線治療機器、及び放射線治療機器の品質管理方法によって、EPIDの位置変化によって発生する誤差を算出し、それを補正するという効果を得ることができる。
また、EPIDを利用して、正確/精密な品質管理が可能であり、デジタル映像を利用するので、正確度向上が可能になるという効果を得ることができる。
さらには、EPIDを利用することにより、従来の放射線用フィルムを使用しなくともよく、フィルム使用によるコスト節減という効果を得ることができる。
また、かようにEPIDを利用することにより、自動化された品質管理が可能であり、また品質管理に必要となる時間、コスト、人力を節減するという効果を得ることができる。
本発明は、多様な変換を加え、さまざまな実施形態を有することができるが、特定実施形態を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態によっても具現される。以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用されている。また、単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。また、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。また、図面では、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張や縮小がなされている。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示されており、本発明は、必ずしも図示されたところに限定されるものではない。
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それについての重複説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態による放射線治療機器100を示す図面であり、図2は、図1の放射線治療機器100を概略的に示した概念図である。
図1及び図2を参照すれば、本発明の一実施形態による放射線治療機器100は、本体部110、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130、映像獲得部140、ベッド部150及び基準映像獲得用フレーム160を含む。それらについてさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
放射線治療は、腫瘍に高線量放射線を集中照射して癌を治療する治療法である。成功を期す放射線治療のためには、周辺正常臓器の障害を最小化しながら、腫瘍に放射線を集中させる治療技術、精密な放射線治療機器、及び多様な映像確認装置が必ず必要である。
最近、高精密放射線治療機器の普及が拡散しながら、高難度治療技術を利用した高線量の照射が普遍化されている。かような高線量の照射を介して腫瘍除去効率は向上したが、誤照射による潜在的放射線事故の危険も共に増大している。従って、最近、かような事故予防のために、治療機器の厳格な品質管理(quality assurance)を法で規定している。
一方、電子ポータル映像装置(EPID:electronic portal imaging device)は、正確な治療を目的に、主に患者の治療姿勢確認のために使用されているが、最近、放射線治療機器の品質管理のための手段として使用するための試みが増加している。品質管理において、EPIDの使用は、既存方法と比較し、便利であって効率性の高いという長所があるが、EPIDの位置再現性が測定時ごとに異なるだけではなく、放射線治療機器のガントリ回転時、重力によるEPIDの位置変動が発生し、EPID映像を利用して、品質管理を行って映像を分析するのに多くの困難と制限とが存在した。それにより、EPIDを利用した品質管理遂行のためには、多様なガントリ角度で撮影した映像を補正することにより、EPID位置の誤差を除去し、位置誤差の正確度を改善するシステムが要求される。
本発明の一実施形態による放射線治療機器100は、ガントリ120の一側に、基準映像獲得用フレーム160を具備し、基準映像を獲得した後、それを利用して、分析用映像を分析することにより、EPIDのような映像獲得部140の位置変化によって発生する測定誤差を算出し、それを補正することを特徴とする。以下では、それについて、さらに詳細に説明する。
再び、図1及び図2を参照すれば、本体部110は、放射線治療機器100の基底部を
形成し、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130及び映像獲得部140の回転基準に
なる。
形成し、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130及び映像獲得部140の回転基準に
なる。
ガントリ120は、本体部110の一側に結合し、本体部110に対して、少なくとも一方向に回転自在に形成される。このとき、ガントリ120の放射線の照射ヘッド130と対向するように形成される映像獲得部140が、ガントリ120と共に回転する。すなわち、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130及び映像獲得部140が、図1の矢印A方向(または、その反対方向)に回転自在に形成されるのである。
ガントリ120の一側には、放射線を照射する放射線の照射ヘッド130が形成される。ここで、放射線の照射ヘッド130は、エックス線、ガンマ線、高エネルギー電子、高エネルギー陽性子、またはその他高エネルギー微粒子を放出することができる。
また、放射線の照射ヘッド130は、エックス線発生装置、放射線同位元素ソースまたは線形加速器のうちいずれか一つを含んでもよい。または、放射線の照射ヘッド130は、放射線治療機器100の外部に設けられた粒子加速器で加速させて生成した高エネルギー微粒子ビームを伝達されて放出することができる。または、放射線の照射ヘッド130は、多葉コリメータ(MLC:multi-leaf collimator)によって具現されてもよい。多葉コリメータを利用すれば、放射線の照射ヘッド130は、内部にビーム成形が可能であるので、さらに効率的な放射線エネルギー伝達が可能になる。
一方、放射線の照射ヘッド130から放射線が照射される方向に、フレーム装着ガイド131が突設され、かようなフレーム装着ガイド131に、基準映像獲得用フレーム160が結合されてもよい。
映像獲得部140は、一種のイメージセンサであり、放射線を検出し、それを電気的信号に変換して映像を獲得する装置である。かような映像獲得部140の一実施形態として電子ポータル映像装置(EPID)が使用されてもよい。詳細には、EPID技術は、高エネルギーの放射線を利用した放射線治療時、患者の患部位置確認のために、患者を透過した放射線を検出し、電気的信号に変換して映像を獲得する技術である。かような映像獲得部140は、後述する基準映像及び分析対象映像を獲得することができる。
ベッド部150は、患者が横になることができるように形成され、照射ヘッド130から照射される放射線に対してx軸方向、y軸方向、z軸方向に移動するように構成されてもよい。
基準映像獲得用フレーム160は、内部に開口部が形成された一種のウィンドウ形態に形成され、そのエッジ部分には、複数個のマーカー(marker)161が形成される。基準映像獲得用フレーム160は、放射線の照射ヘッド130のフレーム装着ガイド131に嵌め込まれた状態で、放射線の照射ヘッド130と固定結合される。
一方、図面には図示されていないが、本発明の一実施形態による放射線治療機器100は、位置誤差補正部(図示せず)をさらに具備することができる。位置誤差補正部(図示せず)は、所定のモータ、アクチュエータなどを含んでもよく、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130、映像獲得部140のうち少なくとも一つに設けられ、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130または映像獲得部140のx軸、y軸またはz軸に対して移動自在に形成される。かような位置誤補正部(図示せず)を具備し、位置誤差を補正することにより、放射線治療機器の品質管理を行うことができるのである。
図4Aないし図4Dは、図1の放射線治療機器を利用して品質管理を行う過程を図示した図面である。
図4Aに図示されているように、放射線の照射ヘッド130の一側に、複数個のマーカー161が形成された基準映像獲得用フレーム160が配置された状態で、放射線の照射ヘッド130から放射線Rが照射され、前記複数個のマーカーが含まれた基準映像が獲得される。
このとき、放射線の照射ヘッド130から照射される放射線Rは、十分に広い領域に照射され、基準映像獲得用フレーム160の枠部に形成された複数個のマーカー161がいずれも基準映像内に含まれるようにする。
そして、かように獲得した基準映像から、ビーム中心点BC(beam center)を算出する。かようなビーム中心点BCは、例えば、基準映像に撮影された4つのマーカーの対角線の交差点からも算出され、または4つのマーカーが形成する長方形の横縦での中心点から算出することもでき、それ以外にも、多様な方法により、基準映像からビーム中心点BCを算出することができる。
一方、この状態で、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130及び映像獲得部140が本体部110を中心に一定角度回転し、このとき、映像獲得部140の自重などの要因によって、映像獲得部140の位置が変わりもする。すなわち、図3に図示されているように、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130及び映像獲得部140が、本体部110を中心に、矢印B方向に回転する場合、映像獲得部140の自重によって、その位置が変わりもする。従って、図4Bに図示されているように、映像獲得部140自体の中心点ECと、基準映像から算出したビーム中心点BCとの間に、誤差Dが発生することもある。
かように、映像獲得部140の位置が一定程度変更された状態で、放射線の照射ヘッド130から、さまざまな角度で放射線が照射され、図4Cに図示されているような1以上の分析対象映像が獲得される。ここで、該分析対象映像は、放射線の照射ヘッド130が45゜回転するたびに獲得した映像でもあり、その場合、総8個の分析対象映像が獲得される。
そのとき、映像獲得部140の位置が一定程度変更された状態であるために、映像獲得部140自体の中心点ECを基準に品質管理を行う場合、必然的に位置誤差が発生し、従って、精密な品質管理が行われないという問題点が存在する。従って、図4Dに図示されているように、本発明の一実施形態においては、映像獲得部140自体の中心点ECではない、基準映像から算出されたビーム中心点BCを基準に分析対象映像を分析し、品質管理を行うことにより、さらに正確であって信頼性高い品質管理を行うのである。
品質管理の一例として、前述の8個の分析対象映像でのビーム照射領域の中心点を算出し、かように算出された分析対象映像の中心点が、基準映像から算出されたビーム中心点BCを基準に、いかほど離隔されているかということを検査することができる。すなわち、分析対象映像の中心点が、基準映像から算出されたビーム中心点BCから所定距離(例えば、1mm)以内離隔されていれば、品質管理をパスしたものと判断し、前記所定距離より遠く離隔されている場合、品質管理をパスしていないと判断し、放射線治療機器100に対する所定の調整手続きを遂行することができる。かように、映像獲得部140自体の中心点ECではない、基準映像から算出されたビーム中心点BCを基準に、分析対象映像を分析して品質管理を行うことにより、さらに正確であって信頼性高い品質管理を行うのである。
さらに、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130、映像獲得部140のうち少なくとも一つに設けられた位置誤差補正部(図示せず)を利用して、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130または映像獲得部140を、x軸、y軸またはz軸に対して移動することにより、位置誤差を補正し、放射線治療機器の品質管理を行うこともできる。
かような本発明の実施形態による放射線治療機器によって、EPIDの位置変化によって発生する誤差を算出し、それを補正するという効果を得ることができる。また、EPIDを利用して、正確/精密な品質管理が可能であり、デジタル映像を利用するので、正確度向上が可能になるという効果を得ることができる。さらには、EPIDを利用することにより、従来の放射線用フィルムを使用せずとも、フィルム使用によるコストを節減するという効果を得ることができる。また、かようにEPIDを利用することにより、自動化された品質管理が可能であり、また品質管理に必要となる時間、コスト、人力を節減するという効果を得ることができる。
以下では、本発明の一実施形態による放射線治療機器の品質管理方法について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による放射線治療機器の品質管理方法を示すフローチャートである。図5を参照すれば、放射線の照射ヘッドの一側に、複数個のマーカーが形成された基準映像獲得用フレームが配置される段階(S110段階)、前記放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、前記複数個のマーカーが含まれた基準映像が獲得される段階(S120段階)、前記基準映像からビーム中心点が算出される段階(S130段階)、前記放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、1以上の分析対象映像が獲得される段階(S140段階)、前記基準映像から算出されたビーム中心点と、前記EPIDの中心点とを比較し、前記映像獲得部の位置誤差が算出される段階(S150段階)、前記算出された位置誤差を反映させ、前記分析対象映像を分析する段階(S160段階)を含む。
まず、放射線の照射ヘッドの一側に、複数個のマーカーが形成された基準映像獲得用フレームを配置する(S110段階)。詳細には、基準映像獲得用フレーム160は、内部に開口部が形成された一種のウィンドウ形態に形成され、そのエッジ部分には、複数個のマーカー161が形成される。基準映像獲得用フレーム160は、放射線の照射ヘッド130のフレーム装着ガイド131に嵌め込まれた状態で、放射線の照射ヘッド130と固定結合される。
次に、放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、前記複数個のマーカーが含まれた基準映像が獲得される(S120段階)。すなわち、放射線の照射ヘッド130の一側に、複数個のマーカー161が形成された基準映像獲得用フレーム160が配置された状態で、放射線の照射ヘッド130から放射線Rが照射され、前記複数個のマーカーが含まれた基準映像が獲得される。そのとき、放射線の照射ヘッド130から照射される放射線Rは、十分に広い領域に照射され、基準映像獲得用フレーム160の枠部に形成された複数個のマーカー161がいずれも基準映像内に含まれるようになる。
次に、基準映像から、ビーム中心点が算出される(S130段階)。かようなビーム中心点BCは、例えば、基準映像に撮影された4つのマーカーの対角線の交差点からも算出され、または4つのマーカーが形成する長方形の横縦での中心点からも算出され、それ以外にも、多様な方法で、基準映像からビーム中心点BCを算出することができる。
次に、前記放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、1以上の分析対象映像が獲得される(S140段階)。例えば、分析対象映像は、放射線の照射ヘッド130が45゜回転するたびに獲得した映像でもあり、その場合、総8個の分析対象映像が獲得される。
次に、前記基準映像から算出されたビーム中心点、と前記EPIDの中心点とを比較し、前記映像獲得部の位置誤差を算出し(S150段階)、前記算出された位置誤差を反映させ、前記分析対象映像を分析する(S160段階)。
例えば、前述の8個の分析対象映像でのビームの照射領域の中心点を算出し、かように算出された分析対象映像の中心点が、基準映像から算出されたビーム中心点BCを基準に、いかほど離隔されているかということを検査することができる。すなわち、分析対象映像の中心点が、基準映像から算出されたビーム中心点BCから所定距離(例えば、1mm)以内離隔されているのであるならば、品質管理をパスしたものであると判断し、前記所定距離より遠く離隔されている場合、品質管理をパスしていないと判断し、放射線治療機器100に対する所定の調整手続きを遂行する。かように、映像獲得部140自体の中心点ECではない、基準映像から算出されたビーム中心点BCを基準に、分析対象映像を分析して品質管理を行うことにより、さらに正確であって信頼性高い品質管理を行うのである。
さらに、図面には図示されていないが、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130、映像獲得部140のうち少なくとも1つの位置誤差を補正する段階をさらに含んでもよい。すなわち、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130、映像獲得部140のうち少なくとも一つに設けられた位置誤差補正部(図示せず)を利用して、ガントリ120、放射線の照射ヘッド130または映像獲得部140を、x軸、y軸またはz軸に対して移動することにより、位置誤差を補正し、放射線治療機器の品質管理を行うこともできる。
かような本発明の実施形態による放射線治療機器によって、EPIDの位置変化によって発生する誤差を算出し、それを補正するという効果を得ることができる。また、EPIDを利用して、正確/精密な品質管理が可能であり、デジタル映像を利用するので、正確度向上が可能になるという効果を得ることができる。さらには、EPIDを利用することにより、従来の放射線用フィルムを使用しなくともよく、フィルム使用によるコスト節減という効果を得ることができる。また、かようにEPIDを利用することにより、自動化された品質管理が可能であり、また品質管理に必要となる時間、コスト、人力を節減するという効果を得ることができる。
かように、本発明は図面に図示された一実施形態を参照して説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該分野で当業者であるならば、それらから多様な変形、及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
本発明の実施形態は、放射線治療機器、及び放射線治療機器の品質管理方法に利用される。
Claims (9)
- 本体部と、
前記本体部の一側に結合し、前記本体部に対して、少なくとも一方向に回転自在に形成されるガントリと、
前記ガントリの一側に形成されて放射線を照射する放射線の照射ヘッドと、
前記放射線の照射ヘッドと対向するように形成され、前記放射線の照射ヘッドから照射される放射線を検出し、それを電気的信号に変換して映像を獲得する映像獲得部と、
前記放射線の照射ヘッドの一側に形成されて複数個のマーカーが形成された基準映像獲得用フレームと、を含み、
前記映像獲得部は、
複数個の前記マーカーが含まれた基準映像と、1以上の分析対象映像と、を獲得し、
前記基準映像から算出されたビーム中心点と、前記映像獲得部の中心点と、を比較し、前記映像獲得部の位置誤差を算出し、
前記算出された位置誤差を反映させ、前記分析対象映像を分析し、
ここで、前記分析は、前記分析対象映像の中心点が、前記基準映像から算出されたビーム中心点BCを基準に、いかほど離隔されているかということに基づいて分析することを特徴とする放射線治療機器。 - 前記基準映像獲得用フレームは、内部に開口部が形成されたウィンドウ形態に形成され、枠領域に複数個のマーカーが形成されることを特徴とする請求項1に記載の放射線治療機器。
- 前記放射線の照射ヘッドの一側には、フレーム装着ガイドが形成され、前記フレーム装着ガイドに、前記基準映像獲得用フレームが固定結合されることを特徴とする請求項1に記載の放射線治療機器。
- 前記映像獲得部は、電子ポータル映像装置(EPID)であることを特徴とする請求項1に記載の放射線治療機器。
- 前記ガントリ、前記放射線の照射ヘッドまたは前記映像獲得部を、少なくともいずれか一方向に移動させることができるように形成される位置誤差補正部をさらに含む請求項1に記載の放射線治療機器。
- 放射線の照射ヘッドの一側に、複数個のマーカーが形成された基準映像獲得用フレームが配置される段階と、
前記放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、前記複数個のマーカーが含まれた基準映像が獲得される段階と、
前記基準映像からビーム中心点が算出される段階と、
前記放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、1以上の分析対象映像が獲得される段階と、
前記基準映像から算出されたビーム中心点を基準に、前記分析対象映像が分析される段階と、を含み、
前記基準映像から算出されたビーム中心点を基準に、前記分析対象映像が分析される段階は、
前記基準映像から算出されたビーム中心点と、前記映像獲得部の中心点と、を比較し、前記映像獲得部の位置誤差が算出される段階と、
前記算出された位置誤差を反映させ、前記分析対象映像を分析する段階と、を含み、
前記算出された位置誤差を反映させ、前記分析対象映像を分析する段階は、
前記分析対象映像の中心点が、前記基準映像から算出されたビーム中心点BCを基準に、いかほど離隔されているかということに基づいて分析することを特徴とする放射線治療機器の品質管理方法。 - 前記放射線の照射ヘッドから放射線が照射され、前記複数個のマーカーが含まれた基準映像が獲得される段階は、
前記複数個のマーカーがいずれも基準映像に含まれるように前記放射線が照射されることを特徴とする請求項6に記載の放射線治療機器の品質管理方法。 - 前記基準映像及び前記分析対象映像は、電子ポータル映像装置(EPID)によって獲得されることを特徴とする請求項6に記載の放射線治療機器の品質管理方法。
- 前記ガントリ、前記放射線の照射ヘッドまたは前記映像獲得部を、少なくともいずれか一方向に移動して位置誤差を補正する段階をさらに含む請求項6に記載の放射線治療機器の品質管理方法。
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