JP2017516102A - 化学較正方法、システムおよびデバイス - Google Patents

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Abstract

本出願は、イソフルラン(CAS登録番号:26675−46−7)を化学標準として使用して検出装置、特にイオン移動度分光計を較正する方法に関し、既知の標的化学物質についての検出装置の較正は、負のイソフルランモノマーイオンについて収集された実験データの、負のイソフルランモノマーダイマーイオンについて収集された実験データに対する評価に基づく。【選択図】図1

Description

本開示は、標的化学物質を検出するための検出装置の較正方法に関する。特に本開示は、イオン化装置およびイオン化により形成されたイオンを検出するための検出器を備える検出装置の較正に、イソフルランを化学標準として使用する方法に関する。
一般的にデバイスやシステムの較正ツールとして、化学標準が幅広い用途で利用されている。国際度量衡局によれば、「較正」とは、「特定の条件下、第1のステップにおいて、測定標準により提供された測定不確かさを有する量の値と、関連付けられた測定不確かさを有する(較正された機器または第2の標準の)対応する数値表示との関係を確立し、そして、第2のステップにおいて、この情報を使用して数値表示から測定結果を得るための関係を確立する操作」として定義されている。このように、較正は、圧力や温度などの実験条件の変動がデバイスやシステムにおける測定パラメータへ及ぼす影響を軽減し、実験データの信頼性を向上させる手段として一般的に信頼されている。
測定装置において、実験データの信頼性は基本的な要件であり、用途によっては非常に重要である場合がある。例えば、検出装置は化学兵器の検出手段として軍隊、警察、保安要員に使用されたり、あるいは、所定の生体物質の検出手段として医療専門家により使用されることがある。化学標準により検出装置の動作や利用が改善される可能性はあるものの、特定の検体サンプルについて得られた実験データが適切かつ信頼できるものであることを保証するための手段として信頼できる、有用な化学標準の例は極めて少ない。
Analyst,2010,135,1433-1442
本開示は、イソフルラン(CAS登録番号:26675−46−7)としても知られている1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテルを検出装置の較正のための化学標準として利用することに関する。
本開示の一態様において、サンプルをイオン化するためのイオン化装置およびイオン化により形成されたイオンを検出するための検出器を備える検出装置の較正方法であって、
i)イソフルランを含む較正用サンプルを検出装置内に導入するステップと;
ii)較正用サンプルのイオン化により形成された、負のイソフルランモノマーイオンおよび負のイソフルランダイマーイオンの検出に関する実験データを収集するステップと;
iii)負のイソフルランモノマーイオンについて収集された実験データの、負のイソフルランダイマーイオンについて収集された実験データに対する評価に基づいて、既知の標的化学物質を検出するために検出装置を較正するステップと、を含む方法が提供される。
本開示の他の一態様では、検出装置を較正するためのシステムであって、該検出装置が、サンプルをイオン化するためのイオン化装置およびイオン化により形成されたイオンを検出するための検出器と;イソフルランを含む較正用サンプルと;
i)較正用サンプルのイオン化により形成されたイソフルランモノマーイオンおよびイソフルランダイマーイオンの検出に関する実験データを収集し、かつ
ii)イソフルランモノマーイオンについて収集された実験データの、イソフルランダイマーイオンについて収集された実験データに対する評価に基づいて、既知の標的化学物質を検出するために検出装置を較正するように構成された分析ユニットとを備える、システムが提供される。
本開示の更なる一態様において、サンプルをイオン化するためのイオン化装置およびイオン化により形成されたイオンを検出するための検出器を備える検出装置と;イソフルランを含むかイソフルランから実質的になる較正用サンプルと;検出装置の温度、圧力および/または電場の変化に応答して、検出装置内に較正用サンプルを導入する手段とを備える、デバイスが提供される。
本開示の更なる一態様において、標的化学物質を検出するために検出装置を較正するための、イソフルランを含むかイソフルランから実質的になる較正用サンプルの使用であって、該検出装置が、サンプルをイオン化するためのイオン化装置およびイオン化により形成されたイオンを検出するための検出器を備える、使用が提供される。
本開示の方法を示すフローチャートに相当する図である。 本開示の一実施形態に係る検出装置をイオン移動度分光計の形態で示す図である。 ドープをしていないネガティブモードのイオン移動度分光計においてイオン移動度分光計セルの内部湿度レベルを上昇させながら得られた、イソフルランモノマーイオンピークおよびイソフルランダイマーイオンピーク、ならびに、空気のイオン化により生じた反応イオンピーク(Reactant Ion Peak;RIP)のドリフト時間を示す一連のスペクトルに相当する図である。 イソフルランモノマーイオンおよびイソフルランダイマーイオンの換算イオン移動度(K)への温度の影響を示すグラフである。 イソフルラン較正用サンプルを検出装置内に導入するために使用され得る、単一の蒸気透過通路を使用したオンデマンド型蒸気発生装置(on−demand vapour generator;OVG)の一例を示す模式ブロック図である。 イソフルラン較正用サンプルを検出装置内に導入するために使用され得る、単一の蒸気透過通路を使用したオンデマンド型蒸気発生装置(on−demand vapour generator;OVG)の他の一例を示す模式ブロック図である。 イソフルラン較正用サンプルを検出装置内に導入するために使用され得る、通路出口を有する蒸気透過通路および1つ以上の閉じた蒸気透過通路を使用したオンデマンド型蒸気発生装置(on−demand vapour generator;OVG)の一例を示す模式ブロック図である。 イソフルラン較正用サンプルを検出装置内に導入するために使用され得る、通路出口を有する蒸気透過通路および1つ以上の閉じた蒸気透過通路を使用したオンデマンド型蒸気発生装置(on−demand vapour generator;OVG)の他の一例を示す模式ブロック図である。
以下、本開示の実施形態を、例示のみを目的として図面を参照して説明する。
図1に示す例において、上記方法の第1のパート(101)では、イソフルランを含むかイソフルランから実質的になる較正用サンプルをイオン化する。イソフルラン(化学構造を下記に示す)は、麻酔薬として使用されることで主に知られており、動物用麻酔として頻繁に使用され、通常、光学異性体(R体、S体)のラセミ混合物の形態で存在する。
このように、較正用サンプルを検出装置内に導入し、検出装置のイオン化装置でイオン化する。イソフルランは、イオン化されると、負のモノマーイオンおよび負のダイマーイオンを形成し得る。ここで、イソフルランの負のモノマーイオンおよび負のダイマーイオンは、それぞれ、[(CFCH(Cl)OCFH)―X]および[(CFCH(Cl)OCFH)―X]付加物(式中、XはO、BrまたはClである)に対応する。これらの付加物におけるXの性質は検出装置を支配する化学反応に依存し、これは、検出装置動作中のドーパントの有無などにより調整され得る。
本発明者らは、上記モノマーイオンおよびダイマーイオンは、一般的に検出装置に関連付けられる所定の実験条件に対する影響が互いに異なるという性質を有することを見出した。これらの2種類のイオンの検出に関する実験データ間の関係が、識別することができ、かつ、特定の標的化学物質の検出に使用することができる。
図1に示すプロセス例において、イオン化により形成されたイオンの検出に好適な検出装置の検出器により、負のイソフルランモノマーイオンおよび負のイソフルランダイマーイオンを検出する(102)。いくつかの実施形態では、検出装置は、イオンがイオン化装置から検出器に向かって移動することが可能な、イオン化装置と検出器との間のドリフトチャンバと;イオン化装置からドリフトチャンバへのイオンの移動を制御するためのゲートと;イオンをイオン化装置から検出器に向けて輸送するために負の均一な電場勾配をドリフトチャンバ内に提供するように構成された複数の電極とを備える。検出器は分析ユニットに連結され得る。いくつかの実施形態では、分析ユニットはコンピュータシステムを備える。コンピュータシステムはコンピュータ・プログラム製品を含み得る。これらは非一過性のコンピュータ可読媒体に記録されてよく、また、プロセッサをプログラミングして本願明細書に記載のプロセスのいずれか1つ以上を実施するために操作可能であり得る。
図1に示すプロセスは、較正用サンプルのイオン化により形成された、負のイソフルランモノマーイオンおよび負のイソフルランダイマーイオンの検出に関するデータを収集するステップ(103)を含む。検出装置がイオン化装置および検出器の間のドリフトチャンバと、ゲートと、複数の電極とを備える実施形態では、本開示の方法の一部分として得られる実験データは、較正用サンプルのイオン化により形成された負のイソフルランモノマーイオンおよび負のイソフルランダイマーイオンについてのドリフトチャンバ内でのドリフト時間を含み得る。つまり、ドリフト時間は、イオン化後検出までのドリフトチャンバ内での上記モノマーイオンおよびダイマーイオンの飛行時間に相当する。検出器が分析ユニットに連結される場合、分析ユニットは、較正用サンプルのイオン化により形成されたイソフルランのモノマーイオンおよびダイマーイオンの検出に関する実験データを収集するように構成され得る。
図1に示すプロセスは、負のイソフルランモノマーイオンについて収集された実験データの、負のイソフルランダイマーイオンについて収集された実験データに対する評価に基づいて、既知の標的化学物質を検出するために検出装置を較正するステップ(104)を含む。いくつかの実施形態では、本プロセスのこのパートは、負のイソフルランモノマーイオンのドリフト時間を負のイソフルランダイマーイオンのドリフト時間に対して評価するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、イソフルランダイマーイオンのドリフト時間に対するイソフルランモノマーイオンのドリフト時間の比を用いて、検出装置における、イソフルランモノマーイオン周囲への中性分子のクラスター化レベルを求める。
よって、較正は、特定の既知の標的化学物質を検出するために検出器のドリフト時間検出パラメータを修正するステップを含み得る。これは、例えば、検出装置におけるイソフルランモノマーイオン周囲への中性分子の求められたクラスター化レベルを、様々なクラスター化レベルについて事前に求めた標的化学物質のドリフト時間と比較することに基づき得る。検出装置が較正されたら、検出パラメータが修正された検出装置によって検体サンプルが分析され得る。分析ユニットを本開示の方法を実施するための手段として実装する場合、分析ユニットは、イソフルランモノマーイオンについて収集された実験データの、イソフルランダイマーイオンについて収集された実験データに対する評価に基づいて、既知の標的化学物質を検出するために検出装置を較正するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、本開示に従って較正する検出装置はイオン移動度分光計であり、特に、ネガティブモードのイオン移動度分光計である。イオン移動度分光法(Ion Mobility Spectrometry;IMS)は、気相イオンを電場中のバッファーガスとの相互作用によりサイズ電荷比に応じて分離することができる分析手法である。IMSは、イオン化した化学物質がイオン化装置と検出器とを隔てるドリフトチャンバ内を横切るのに要した時間に基づいて化学物質を同定することができる。IMS検出の出力は、縦軸にピーク高さ、横軸にイオンの飛行時間(ドリフト時間)を取ったスペクトルとして視覚的に図示することが可能である。
イオン移動度分光計は、感度および携帯性が高く、また、操作が容易でありレスポンス時間が早いことから、多くの用途に利用されており、特に、化学兵器、爆発物、違法ドラッグの検出に利用されている。そのため、軍隊、警察、保安要員にとって非常に有益なデバイスとなっている。また、イオン移動度分光計は、医療用診断装置の一部としてなど、生体物質の検出に使用されており、大気分子汚染の継続的なモニタリングにも使用されている。
図2は、ゲート206によりドリフトチャンバ204から分離されたイオン化チャンバ202を備えるイオン移動度分光計200を示す図である。ゲート206は、イオン化チャンバ202からドリフトチャンバ204内へのイオンの移動を制御することができる。図2において、イオン化チャンバ202内で材料をイオン化するためのイオン化源210が配置されている。図2に示す例において、ドリフトチャンバ204は、イオンがドリフトチャンバ204を横切って検出器218に到達できるように、イオン化チャンバ202と検出器218との間に位置している。ドリフトチャンバ204は、ドリフトチャンバ204内に電場を印加してイオン化チャンバ202から検出器218に向かってドリフトチャンバ204に沿ってイオンを移動させるための一連の電極220を備え得る。イオン移動度分光計200は、イオンが検出器218に向かって移動する経路とは一般的に逆の方向にバッファーガス流を供給するように構成され得る。例えば、このドリフトガスは検出器218近傍からゲート206に向かって流れ得る。
検出器218は、イオンがゲート206から検出器218にドリフトチャンバ204を沿って移動する時間に基づいて検出イオンをキャラクタライズするために使用され得る。検出器218の例は、イオンが検出器218に到達したことを示すシグナルを提供するように構成されたものである。例えば、検出器は、イオンが衝突して中和されると電流を発生させるファラデープレートを備え得る。
電極220は、イオンを検出器218に導くために配置されうる。電極220は、例えば、イオンを検出器218に集めるためにドリフトチャンバ204の周囲に配置され得るリングを備え得る。図2の例では複数の電極220が設けられているが、ある例では、検出器218と共に電極を2つだけ使用したり、あるいは電極を1つ使用して電場を印加し、イオンが検出器218に導かれ得る。また、他の電極構成とすることも可能である。例としては、限定されないが、他の幾何学的形状を有する電極や、連続コーティングなどの電気抵抗性および/または導電性(例えば、抵抗性導電体)コーティングが挙げられる。
IMSは、負の電場勾配または正の電場勾配を印加するかにより、同時にではないが、ネガティブモードまたはポジティブモードで動作され得る。歴史的には、イオン移動度分光計において正のイオンを形成する検体の検出(よってポジティブモードでの検出)は主に麻薬の検出に関連する一方、爆発物の検出はネガティブモードで行われることが多い。
ドリフトチャンバ204における電場影響下でのバッファーガス中のイオンの移動速度は、通常、イオンの物性のほか、電場強度、バッファーガスの性質、温度、および、圧力の影響を受ける。IMSにおける特定のイオンの定性的な尺度はイオン移動度定数(K)であり、下記式(1)に従い、イオン速度および電場強度から導出される。
(1)
式中、vはイオン速度(cm s−1)、Eはドリフト領域中の電場(V cm−1)、Lはドリフト領域の長さ(cm)、Vはドリフト領域全域の全電圧降下(V)、tはイオンが距離Lを移動するのに要した時間(「ドリフト時間」)(秒)である。一般的に、イオン移動度定数は修正されて換算移動度定数(K)で表される。これは、測定移動度定数を下記式(2)従って標準圧力および標準温度で補正したものに相当する。
(2)
式中、Pはドリフト領域内の圧力(Torr)、Tはバッファーガス温度(ケルビン)である。換算移動度を求めるための式(2)の問題点は、温度変化によるイオンの衝突断面の変化の影響(図4に示す(後述))を考慮していないことである。そのため、非特許文献1で報告されているように、実験的に得られたイオン移動度を較正する手段として化学標準がIMSで使用されるようになった。周囲温度から最大250℃まで換算移動度が殆ど変化を示さない、2,4−ルチジンやジメチルメチルフォスフォネートのプロトン結合ダイマーなど、数多くのIMS用化学標準が従来から提案されている。
化学標準を使用することにより、実験的に求めた移動度値から換算移動度を下記式(3)に従って算出することができる。かかる関係は、IMSにおいて、電場強度、温度および圧力に対する測定不確かさの補正に従来から使用されている。
(3)
近年、換算移動度値は、温度および圧力の影響だけでなく、水、空気、二酸化炭素および揮発性有機化合物などの中性分子がドリフトチャンバ内を横切るイオンの周囲にクラスター化することによる影響も受けることが認められている。これはバッファーガスの汚染に起因し得ることがある。イオン周囲のクラスター化は、ドラフトチャンバ内のイオンの移動度に影響を及ぼす。この現象は、例えば、化学標準として使用されてきた2,4−ルチジンやジメチルメチルフォスフォネートのプロトン結合ダイマーの移動度に影響を及ぼすことが示されている。
したがって、高湿度化に伴うドリフトチャンバ内の水分レベルの上昇などによる中性分子のクラスター化の影響が僅かである化学標準に対する関心が高まっている。そのため、イオン移動度分光計の較正に新たなアプローチも取られており、これは、非特許文献1に提案されているように、「機器標準」の他に「移動度標準」を使用するものである。移動度標準はクラスター化に感受性がある化学標準に対応し、一方、クラスター化の影響を受けないため、その移動度値がバッファーガス汚染などの影響を受けないままの標準は、機器標準とみなされる。ジ−t−ブチルピリジン(DTBP)がIMS用の機器標準の一例として同定されている。移動度がバッファーガス温度および水分レベルと無関係だからである。
図2に示すようなイオン移動度分光計の移動度標準および機器標準を用いた較正では、まず、下記式(4)(前述の式(2)を変形したもの)を使用して、機器定数(Ci)が求められ得る。機器定数の値は、ドリフト領域の長さ、圧力、温度および/または電場勾配を変更した後に求めることが提案されている。
(4)
機器定数(Ci)を求めた後、移動度定数を使用して、イオン移動度分光計内でクラスター化が発生したかどうかが判断され得る。移動度標準の実験的に求めたドリフト時間とその換算移動度定数との積が求めた機器定数(Ci)と等しい場合、クラスター化が発生していないことを示している。この場合、下記式(5)を使用して未知検体の換算移動度値が求められ得る。
(5)
あるいは、イオン移動度分光計内の汚染などによりクラスター化が発生している場合、特定の温度および特定のクラスター化レベルにおける、特定の検体に固有の補正係数を求め、クラスター化のイオン移動度への影響を考慮し得る。イオン移動度は、主に、クラスター化がイオンのドリフトチャンバ内の移動を妨害する効果の影響を受ける。このような補正係数を使用して、イオン移動度分光計の特定の動作条件下で特定の標的化学物質を検出するためにイオン移動度分光計が較正され得る。
イオン移動度分光計のクラスター化レベルを求め、かつ、特定の標的化学物質の検出を目的とした較正のために、イソフルランが単独で機器標準および移動度標準の双方として効果的に使用され得ることが本発明者らにより見出された。ネガティブモードのイオン移動度分光計において、イソフルランが前述のモノマーイオンおよびダイマーイオン([(CFCH(Cl)OCFH)―X]および[(CFCH(Cl)OCFH)―X])にそれぞれ対応する2つの明確なピークを形成することが見出された。ダイマーピークは、イオン移動度分光計における中性分子のクラスター化の影響を僅かに受けるのみであり、そのため、機器標準の一形態に相当することが見出された。一方、モノマーピークの移動度はイオン移動度分光計における中性分子のクラスター化に感受性があり、そのため、移動度標準の一形態に相当することが見出された。このことは本願の図面に示されている。
図3は、イオン移動度分光計のドリフトチャンバの内部湿度(すなわち、HO含有量)が上昇すると(一番上のスクリーンショット=30ppm HO、一番下のスクリーンショット=215ppm HO)、イソフルランモノマーイオン周囲のクラスター化の程度が上昇し、これに対応してドリフト時間が長くなることを示している。これに対して、ダイマーイオンはクラスター化の影響を受けないため、湿度の上昇にもかかわらずドリフト時間が一定である。
図4は、ドープをしていないネガティブモードのイオン移動度分光計で測定したイソフルランモノマーイオンおよびイソフルランダイマーイオンの換算移動度(K)を示すグラフである。イソフルランダイマーイオンは試験温度範囲にわたって安定しており、換算イオン移動度に大きな変化がないことが明らかである。これに対して、温度が上昇するにつれてイソフルランモノマーイオンのKは顕著に増加している。これは、温度の上昇に伴う水和水の喪失(すなわち、モノマー周囲にクラスター化する水の度合いの減少)によるものである。図4は、温度変化が如何にモノマーイオン換算移動度に多大な影響を与え得るかを示している。
機器定数(Ci)は、実験で求めたイソフルランダイマーイオンのドリフト時間に基づいて、イオン移動度分光計が動作する特定の条件について求めることができる。そして、この機器定数が実験で求めたイソフルランモノマーイオンのドリフト時間とその換算移動度定数との積に等しいか否かを判断することにより、ドリフトチャンバ内でイオン周囲に中性分子のクラスター化が発生しているかどうかを判断することができる。値が等しくない場合、値の差の大きさを使用して、イオン移動度分光計における検体イオン周囲の中性分子のクラスター化レベルを定量することができる。このように、事実上、イソフルランモノマーイオン移動度とイソフルランダイマーイオン移動度の比を使用して、モノマー周囲のクラスター化の程度を求めることができる。
このクラスター化作用を利用して、ある温度範囲にわたって様々なクラスター化レベルについて事前にドリフト時間を求めておいた、クラスター化の影響を受けやすい標的化学物質のプロダクトイオンピーク(Product Ion Peak(s);PIPs)についての推定ドリフト時間を求めることができる。上記事前の値は、例えば、温度および湿度の多くの特定の組み合わせにおいてプロダクトイオンピークのドリフト時間について得たデータから導かれ得る。このような事前の値は、当業者により容易に実験的に得られうることが理解されよう。あるいは、経験データを使用して、標的化学物質のプロダクトイオンピークのドリフト時間に対するクラスター化の影響をモデル化し、かつ、特定の検出器動作条件下における標的化学物質のプロダクトイオンピークの推定ドリフト時間を生成し得るソフトウェアパッケージを代わりにモデリングしてもよい。このようなソフトウェアは当業者に知られている様々な供給元から市販されており、その精度は実験的に容易に検証することができる。
特定の組み合わせの実験条件下における標的化学物質のプロダクトイオンピークの推定ドリフト時間を求めることにより、これらの推定ドリフト時間におけるプロダクトイオンピークを検出するために検出器の検出パラメータを調整することができる。例えば、標的化学物質のプロダクトイオンピークの推定ドリフト時間に関して適切であるドリフト時間範囲にわたってプロダクトイオンピークが現れるように、ウィンドウ位置(イオンのピークが現れる可能性があるドリフト時間範囲に相当)を調整することができる。このように、イオン移動度分光計は特定の標的化学物質を検出するために較正され得る。
このように、較正は2段階のプロセスである。すなわち、第1に、ダイマーイオンの換算移動度(K)を使用して検出器内のKスペースを較正する。第2に、モノマーイオンのKを使用してセル内部で発生しているクラスター化の程度を求め、これに従って検出ウィンドウを移動させる。本開示の方法は、圧力、温度および/または電場勾配の如何なる変化にも応答して、これらのパラメータを検出装置の動作中継続的にモニタリングしつつ、実施され得る。
本開示は、非加熱型イオン移動度分光計および加熱型イオン移動度分光計の較正に好適である。しかしながら、本開示は周囲温度で動作する非加熱型イオン移動度分光計の較正に特に好適である。イオン移動度分光計の用途を考慮すると、多くの場合、周囲温度は非常に広範囲(例えば、0℃よりも十分低い温度から40℃を超える温度)であり得る。この温度範囲は、上述したとおり、標的化学物質のプロダクトイオンピークのピークポジショニング(ドリフト時間)に顕著な影響を及ぼし得る。加熱型イオン移動度分光計のように温度を固定することにより、温度変化によるピークポジショニングの変化は実質的に低減される。しかしながら、非加熱型イオン移動度分光計では、図4中イソフルランモノマーイオンについて示すように、周囲温度の変化によりピークポジショニングが顕著にシフトし得る。
本開示の方法は、広範囲の周囲温度(例えば、−10℃〜40℃を含む、−31℃〜50℃の範囲)にわたって標的化学物質を検出するためにウィンドウポジショニングなどの検出パラメータの調整を可能とする。さらに、イソフルランは揮発性であり、そのため、広範な温度範囲で動作するイオン移動度分光計での使用に好適である点で特に有利である。
本願明細書に記載の検出装置は、ドリフトチャンバ内のドリフトガスを乾燥させるために分子ふるいなどの乾燥剤を含み得る。また、当業者に理解されるように、スクラバーを使用して揮発性有機物質による汚染を抑えてもよい。これらの成分は、ドラフトチャンバ内の汚染および/またはドラフトチャンバ内のイオン周囲への中性分子のクラスター化のレベルを低減し得る。
検出装置のイオン化源は、イオン化を目的とした任意の好適なものから選択され得ることが理解されよう。例えば、63Ni箔などの放射性源、エレクトロスプレーイオン化源、コロナスプレーイオン化源、コロナ放電イオン化源、マトリックス支援レーザー脱離イオン化源、または、光イオン化源が使用され得る。本開示のいくつかの実施形態では、ドーピング剤(ドーパント)を使用して、イオン化と、例えば、前述の負のイソフルランイオン付加物の形成とが促進され得る。好適なドーパントとしては、ヘキサクロロエタン(HCE;CAS登録番号:67−72−1)、および、ペンタクロロエタン(PCE;CAS登録番号:76−01−1)が挙げられる。
本開示の検出装置の検出器は、単に、ファラデーカップとして機能するプレートとされ得る。しかしながら、該プレートに換えてあるいはこれに加えて、質量分析計などの他の検出器が本開示に従って使用され得ることが理解されよう。
検出装置には、検出装置の温度、圧力および/または電場の変化に応答して検出装置内に較正用サンプルを導入するように構成された手段も設けられ得る。検出装置は、検出装置にドーパント化学物質を供給するために蒸気発生装置を備え得る。蒸気発生装置はまた、検出器、フィルタまたは他の装置の試験または較正に使用するための試験化学物質を供給するために使用することもできる。一部の用途では、蒸気発生装置を素早くオン/オフできること、および、検出装置がオフのときに漏出が防止できることが重要である。例えば、イオン移動度分光計では、蒸気発生装置を素早くオン/オフすることによって、様々なドーパント量またはドーパント物質など、様々なドーパント条件間を素早く切り替えることができる。このような素早い切り替えは、IMS検出装置の電源がオフの時に未ドープ領域への漏出を確実になくすことにより、IMS検出装置の様々な領域を様々にドープすることも可能とし得る。
イオン移動度分光計の目的サンプルにおけるイオン同定能を向上させるために、高周波(RF)や電場を使用して一部のイオンを改変(例えば、断片化)し、イオンの正体の推測に使用できる追加の情報を得ることが提案されている。これにより、イオン測定の自由度が更に上がるため、イオン間の相違の識別力が向上し得る。汚染物質の存在下または厳しい動作条件下で測定を行う場合、あるいは、サンプルが形状、質量などが類似する複数の異なる化学種のイオンを含む場合、イオン移動度分光計のイオンの検出・同定能が損なわれることがある。そのため、イオンの改変はこのような問題に対処するための1つの手段である。
本開示の態様において、較正用サンプルはオンデマンド型蒸気発生装置により検出装置内に導入され得る。オンデマンド型蒸気発生装置は、インピーダを介して蒸気を出口に供給し検出装置に排出するために流路により連結された、較正用サンプルを含む蒸気源を備える。インピーダは、蒸気源から出口への蒸気の拡散を妨げるために配置された第1の蒸気透過通路を備え得る。第1の蒸気透過通路は、吸収などにより蒸気を取り込むように構成された材料を含み得る。吸収は、表面への蒸気の吸着;化学吸収;化学的作用または分子作用による蒸気の取り込み;および、多孔質材料内への蒸気の少なくとも一時的な補足、のうちの少なくとも1つを含む。蒸気透過通路は、蒸気が、蒸気源から出口へ、拡散バリアを介して圧力差(例えば、単なる濃度差ではなく、ポンプ流、つまり強制流)により送り出されることが可能となるように構成される。
蒸気発生装置はまた、第1の蒸気透過通路により出口に連結された、シンクとして機能するための少なくとも1つの更なる蒸気透過通路を備え得る。シンクは、蒸気の拡散を出口から逸らすために蒸気を取り込むように構成された材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の蒸気透過通路およびシンクは、出口と蒸気源との間の圧力差に応答して、蒸気流を第1の蒸気透過通路を介して出口まで送り出すことに対する抵抗が蒸気流をシンク内に送り出すことに対する抵抗よりも小さくなるように配置される。いくつかの実施形態では、流路は、蒸気源を第1の蒸気透過通路に連結するブランチと、シンクを備える包囲されたブランチとを備える。いくつかの実施形態では、シンクは少なくとも1つの第2の蒸気透過通路を備え、蒸気発生装置は蒸気チャンバを備え、また、インピーダは吸収アセンブリを備える。
1つ以上の実施態様において、蒸気発生装置は、蒸気を生成するように構成された蒸気チャンバと、拡散バリアなどを介して蒸気チャンバから蒸気流が流入するように構成された蒸気吸収アセンブリとを備える。蒸気吸収アセンブリは、通路出口を有する第1の蒸気透過通路を備える。蒸気吸収アセンブリは、1つ以上の閉じた第2の蒸気透過通路を更に備え得る。蒸気吸収アセンブリに蒸気チャンバから蒸気流(例えば、圧送流)が流入する場合、蒸気流は、蒸気が当該蒸気流から少なくとも実質的に吸収されることなく、第1の蒸気透過通路を通って通路出口に流れる。しかしながら、蒸気チャンバから蒸気流が流入しない場合、蒸気チャンバから蒸気吸収アセンブリ内に入る蒸気は第1の蒸気透過通路内に流入し、その後、少なくとも1つの第2の蒸気透過通路内に流入して、少なくとも実質的に吸収される。
図5〜図8は、本開示の例示の実施態様に係るオンデマンド型蒸気装置500を示す図である。図示されるように、蒸気発生装置500は、入口502と、検出装置504の入口に接続された蒸気出口503とを備える。蒸気発生装置500は、検出装置504に対して容易に制御可能な蒸気の供給を提供するように構成される。実施態様において、蒸気発生装置500は様々な種類の検出装置に蒸気流を供給し得る。例えば、一実施態様において、検出装置504はIMS検出装置を備え得る。実施態様において、蒸気発生装置500および検出装置504は、検出システム(例えば、IMS検出システム)50の一部分であり得る。このような検出システム50では、蒸気発生装置500および検出装置は共通のハウジング内に収納することができる。
蒸気発生装置500は、ファン、送風機、圧縮ガス源などのガス(例えば、空気)気流発生装置506を備える。気流発生装置506は、所望するとおりにガス(空気)流をその出口507に供給するためにオンまたはオフされるように構成されている。気流発生装置506は、ガス(例えば、大気空気)を出口507に供給する前に当該ガスから汚染物質および水蒸気を除去するために様々なフィルタなどのデバイスを備え得る。
気流発生装置506の出口507は、蒸気チャンバ509の一端で入口508と流体連通(例えば、連結)している。蒸気チャンバ509は様々な構成としてよく、任意の種類の蒸気源または透過源、例えば拡散源を備え得る。例えば、図示する実施態様において、蒸気チャンバ509は、吸収材511であるウィッキングを内部に含むハウジング510を備える。吸収材511は、イソフルランなどの液体状態の化合物で飽和されており、それにより、ハウジング510内の吸収材511上方の内部512の空間は当該液体の飽和蒸気圧下かつ周囲温度において、当該液体の蒸気で少なくとも実質的に満たされる。蒸気チャンバ509は、入口508とは反対側の端部に出口513を備え、蒸気およびガスからなる蒸気流は出口513を通って蒸気チャンバ509から流出することができる。
蒸気チャンバの出口513は、拡散バリアなどを介して、蒸気吸収アセンブリ515の入口514に流体連通(例えば、連結)している。蒸気吸収アセンブリ515は、蒸気チャンバ509により生成された蒸気を吸収するように構成された蒸気吸収材516を備える。出口(蒸気出口503)を有する蒸気透過通路(主流路)517が蒸気吸収材516内部を延在し、検出装置504に連結されている。図示した実施態様において、蒸気吸収アセンブリ515は蒸気透過通路517を1つ備えるが、図示する蒸気透過通路517と平行する更なる蒸気透過通路517が設けられ得ることも想定されている。さらに、ガスの気流がオフの場合(例えば、気流発生装置506の電源がオフの場合)に蒸気チャンバ509から蒸気が大量に気流発生装置506に流れ込まないように、第2の蒸気吸収アセンブリを蒸気チャンバ509の入り口508と気流発生装置506との間に設けることができる。空気バルブをこの第2の蒸気吸収アセンブリと蒸気チャンバ509との間に接続することができる。このバルブはガス(空気)気流が必要となるまで閉じたままに維持され得る。
オンデマンド型蒸気発生装置500は、1つ以上の拡散バリア505を更に備え得る。実施態様において、これらの拡散バリアは、蒸気発生装置500がオフの状態(例えば、蒸気発生装置500により蒸気流が供給されていない場合)に蒸気発生装置500から蒸気が拡散(よって喪失)する速度を制限する、断面積が小さい流路を備え得る。
蒸気発生装置500がオフの場合(例えば、「オフ」状態、すなわち、蒸気流が供給されていない場合)、気流発生装置506もオフのままとなり、そのため、蒸気チャンバ509および蒸気透過通路517内にガス(空気)気流はない。蒸気透過通路517は、蒸気チャンバ509の内部512に対して開口しており、そのため、蒸気の一部は蒸気透過通路517内に流入し得る。この流入が起こると、蒸気は蒸気吸収材内に拡散・吸収される。蒸気吸収材516の穴、長さ、多孔率、および、性質は、ゼロ気流条件(例えば、気流が全くないか実質的にない条件)において、蒸気透過通路517の出口503端部からの蒸気の漏出量が、蒸気発生装置500の用途に照らして僅かとなるように選ばれる。例えば、蒸気発生装置500をIMS検出装置の較正物質源として使用する場合、オフ状態における較正物質の蒸気流は、IMS検出装置で較正物質イオンのピークが観察されない程度に調整される。
蒸気発生装置500の電源をオンにして、気流発生装置506の電源をオンにし蒸気チャンバ509の入口508に流入するガス(空気)流を発生させることにより、出口503に蒸気流を発生させる。このガス(空気)流は、蒸気チャンバ509内で生成された蒸気を集め、これを、出口513を介して蒸気吸収アセンブリ515の蒸気透過通路517内に押し出す。蒸気透過通路517内の気流速度は、集められた蒸気がほとんど蒸気吸収材516に吸収されないように当該通路内での蒸気の滞留時間が十分短くなるように選択される。よって、気流発生装置がオフの時と比べて、より多くの蒸気が蒸気透過通路517内を通過して蒸気透過通路517の出口503端部に流れ、検出装置504に送達される。蒸気流は連続流またはパルス流とすることができる。
蒸気発生装置500は蒸気流が不要である場合は蒸気流を非常に迅速に止めることができるように構成されるため、大幅は蒸気の漏出はない。これにより、IMS検出システムでは、IMSシステムをオフにして電源を入れていない場合のドーパント蒸気のIMS検出装置内への侵入が効果的に防止される。また、これにより、装置がオフの場合にドーパントが非ドープ領域に漏出するリスクを低減しつつ、IMS検出装置の選択した領域をドープすることが可能となる。従来のシステムでは、IMS検出装置の電源を入れている場合は装置内のガス気流によって未ドープ領域にドーパントが無い状態を維持することができるが、電源が入っていない場合は、ガス気流が止まり、ドーパントの僅かな漏出でも装置の全領域を汚染してしまっていた。そのため、IMS検出装置の電源を連続して入れている場合を除き、装置の様々な領域を様々にドープすることは困難であった。
図5〜図8中、気流発生装置506は、蒸気チャンバ509の入り口502と流体連通(例えば、接続)されて空気を蒸気チャンバ509内に押し出す状態で示されている。しかしながら、他の実施態様において、気流発生装置506は、蒸気チャンバ509の下流側に接続され、空気を蒸気チャンバ509に引き込むように配置され得る。例えば、気流発生装置506は、蒸気チャンバ509の出口513と蒸気吸収アセンブリ515の入口514(蒸気透過通過517の入口514端部)との間に接続され得る。あるいは、気流発生装置506は、蒸気吸収アセンブリ515の下流側(蒸気透過通路517の出口503端部)に接続され得る。
図7および図8に示す実施態様において、蒸気吸収アセンブリ515は、「行き止まり(dead end)」の蒸気透過通路を形成するように閉じられた(例えば、遮断された)1つ以上の更なる蒸気透過通路(領域)を備えた状態で示されている(図中、4つの行き止まりの蒸気透過通路717A〜D(まとめて717)が示されている)。このように、図示するように、行き止まりの蒸気透過通路717は蒸気吸収材516内を単に部分的に延在するだけでよく、出口を有さない。
蒸気吸収アセンブリ515に蒸気チャンバ509からの蒸気流が流入すると(例えば、気流発生装置506がオンにされると)、蒸気流は、蒸気が当該蒸気流から少なくとも実質的に蒸気吸収材516に吸収されることなく、主流路として機能する第1の蒸気透過通路517を通って通路出口503に流れる。しかしながら、蒸気チャンバから蒸気流が流入しない場合(例えば、気流発生装置506がオフであり、蒸気流がほぼないか全くない場合)、蒸気チャンバ509から蒸気吸収アセンブリ515内に入る蒸気は第1の蒸気透過通路517および/または行き止まりの蒸気透過通路717内に流入し、少なくとも実質的に蒸気吸収材516に吸収される。
蒸気発生装置500がオフの状態の場合(例えば、蒸気流が供給されていない場合)、蒸気チャンバ509から拡散する蒸気は上記と同様に蒸気吸収アセンブリ515内に入るが、この場合は蒸気透過通路517(主流路)および行き止まりの蒸気透過通路517の両方を通過する。その結果、蒸気を吸収するために設けられたエリア(よって、吸収の程度)が大幅に増加する。しかしながら、蒸気発生装置500がオンの状態の場合(例えば、蒸気流が供給されている場合)、行き止まりの蒸気透過通路717は実質的にガス交換のない無駄な部分となり、蒸気流からの蒸気の吸収に寄与しない。したがって、行き止まりの蒸気透過通路717を有する蒸気発生装置500から出る蒸気の濃度は、行き止まりの蒸気透過通路717を有さず蒸気透過通路517のみを備える実施態様から大きく変化しない。
実施態様において、行き止まりの蒸気透過通路717を追加することにより、オンデマンド型蒸気発生装置500が動作可能な温度範囲の幅を広くすることができる。温度が上昇するにつれて、透過源および拡散源の活性が上昇し、拡散速度が上昇し、そして、多くの場合、吸収材(例えば、活性炭)の化学物質補足力が低下する。その結果、より高濃度の蒸気が、より高速で、蒸気発生装置500の蒸気吸収アセンブリ515に送達される。この増加は吸収力/速度の低下により一層悪化し、蒸気吸収アセンブリ515の蒸気処理力がより低くなる。そのため、オフ状態での漏出が増加し得る。したがって、図5および図6に示す蒸気吸収アセンブリ515(行き止まりの蒸気透過通路717がないもの)の蒸気透過通路517が、オン状態において十分な濃度の蒸気を極低温で蒸気発生装置500から排出させるのに好適な長さに設計されている場合、蒸気透過通路517は、極高温で全ての蒸気を吸収するのに十分な長さでなくてもよい。図7および図8に示すように行き止まりの蒸気透過通路717を蒸気吸収アセンブリ515に追加することにより、蒸気発生装置500から排出されるオン状態における蒸気の濃度を低下させずに、オフ状態の蒸気吸収が増加する。したがって、行き止まりの蒸気透過通路717を蒸気吸収アセンブリ515に追加することにより、極低温における蒸気発生装置500の十分な蒸気供給力を制限せずに、より広範な温度範囲で蒸気の漏出を低減することができる。さらに、行き止まりの蒸気透過通路717を追加することにより、蒸気発生装置500のオフ状態における蒸気漏出制限能を損なわずに、蒸気発生装置500から出る蒸気の濃度を更に高めることができる。
実施態様において、図5および図6に示すように行き止まりの蒸気透過通路717を蒸気吸収アセンブリ515に追加することにより、蒸気発生装置500のオフ状態における漏出制限能を制限することなく、主流路の短縮化(例えば、蒸気透過通路517の短縮化)を容易にし、オン状態において蒸気発生装置500により高濃度の蒸気を発生させることができ得る。さらに、検出システム50を一定の温度範囲内で動作させるような状況では、行き止まりの蒸気透過通路717を蒸気吸収アセンブリ515に追加することにより、高温(源の活性および拡散速度が低温よりも高い場合)におけるオフ状態の蒸気発生装置500からの漏出を許容レベルに制限しつつ、主流路を短くすることにより、オン状態で、蒸気発生装置500が十分な濃度の蒸気を低温(源の活性が高温よりも低い場合)で排出する能力を高めることができる。
図5〜図8に示す、オンデマンド型蒸気発生装置500の蒸気透過通路517(主流路)および/または行き止まりの蒸気透過通路717を含む、蒸気吸収アセンブリ515の寸法、レイアウトおよび構成は、様々な要因により変更され得る。このような要因としては、限定されないが、蒸気源(蒸気チャンバ509)の活性、供給蒸気の要求濃度、オン状態の蒸気発生装置500に使用される気流、オフ状態の許容放出レベル、および、蒸気発生装置500の動作条件(例えば、温度)などが含まれる。よって、本願明細書で提示する寸法、レイアウトまたは構成は全て例示を目的としたものであり、本開示を限定することは必ずしも意図されない。
図5および図7に示す実施態様では、蒸気吸収アセンブリ515の蒸気透過通路517および/または行き止まりの蒸気透過通路717は、カーボン(例えば、活性炭)などの吸収材、あるいは、ゼオライトであり得る分子ふるい材料などの焼結材のブロック516内に機械加工により形成された穴を含む。他の実施態様では、蒸気透過通路517および行き止まりの蒸気透過通路717は、後に取り除かれるコア構造体の周囲にブロック516を成型することにより形成され得る。吸収材は蒸気(例えば、アセトン蒸気など)吸収性に構成される。例えば、吸収材はそれ自身がカーボン(例えば、活性炭)などの吸収材により形成されてもよいし、それ自身は非吸収性材料であって、好適な物質に含漬して吸水性とされたものでもよい。これにより、蒸気(例えば、アセトン蒸気など)は、一般的に、蒸気透過通路517の長さ方向に沿って、かつ、行き止まりの蒸気透過通路517内部で蒸気吸収剤516により吸収され得る。
図6および図8に示す実施態様では、蒸気透過通路517および/または行き止まりの蒸気透過通路717は、蒸気非透過性の材料から形成された外側ハウジング621に少なくとも実質的に包囲された、蒸気透過性の外側壁(すなわち、膜)620を備える管619を備える。例えば、図示するように、蒸気透過通路517を形成する管619は、ハウジング621の中心を沿って軸方向に延在し得る。一方、行き止まりの蒸気透過通路717を形成する管619は中心部の管の周囲に配設される。図示するように、蒸気透過通路517を形成する管619は、入口514に連結する第1の端部と、蒸気出口503に連結する第2の端部とを有する。同様に、行き止まりの蒸気透過通路717を形成する管は入口514に連結する第1の端部を有する。しかしながら、これらの管の第2の端部は遮断されハウジング621外部へ延在しない。管619の穴、長さ、壁厚および材質は、ゼロ気流条件下において、管619の出口503端部からの蒸気の漏出量が蒸気発生装置500の用途に照らして僅かとなるように選ばれる。
一例において、図6に示す蒸気透過通路517を形成する管619は、長さが約100ミリ(100mm)であり、外径は約1ミリ(1mm)、内径は1ミリの約半分(0.5mm)である。しかしながら、他のサイズの管619も想定される。管619の外面とハウジング621の内面との間の部分は、蒸気チャンバ509で生成した蒸気を容易に吸収する材料516で少なくとも実質的に充填されている。実施態様において、材料516は、アセトン蒸気などの蒸気の吸収に効果的な活性炭顆粒を含み得る。このように、管619は全面が吸収性炭顆粒により囲まれ得る。実施態様において、管619はシリコーンゴムなどの弾性プラスチックから形成され得る。
実施態様において、オンデマンド型蒸気発生装置500は、蒸気流を使用するまで蒸気チャンバ509から吸収性通路までの蒸気流を遮断するために接続された、空気バルブを更に備え得る。空気バルブは、蒸気が蒸気吸収材516に連続して吸着することを防止し、蒸気チャンバ509および蒸気吸収材516の吸収性材料両方の寿命を長くするという利点を有する。このように、蒸気透過性通路517および/または行き止まりの蒸気透過通路717は、バルブシールを透過する蒸気をトラップすることができ、拡散速度を低下させる。その結果、蒸気吸収アセンブリ515のサイズ(例えば、蒸気透過通路517および行き止まりの蒸気透過通路717の長さ、表面積など)は小さくされ得る。
図5〜図8において、蒸気吸収材516は蒸気透過通路517および/または行き止まりの蒸気透過通路717の周囲に延在した状態で示されているが、実施態様において、オフ状態の蒸気発生装置500から蒸気が実質的に漏出しないように、蒸気発生装置500の全体が少なくとも実質的に蒸気吸収材に包囲され得る。
本明細書に開示するオンデマンド型蒸気発生装置500は効率的に蒸気をトラップする。蒸気発生装置500は、IMS検出システムなどの検出システム50に定期的に内部イソフルラン較正物質を提供する。
さらなる態様において、本開示はまた、上述の検出装置を較正して標的化学物質を検出するための、イソフルランを含むかイソフルランから実質的になる較正用サンプルの使用に関する。
上述の本開示の実施形態を他の任意の互換性のある実施形態と組み合わせて、本開示の更なる実施形態としてもよい。

Claims (32)

  1. サンプルをイオン化するためのイオン化装置と;
    イオン化により形成されたイオンを検出するための検出器とを備える検出装置の較正方法であって、
    i)イソフルランを含む較正用サンプルを前記検出装置内に導入するステップと;
    ii)前記較正用サンプルのイオン化により形成された、負のイソフルランモノマーイオンおよび負のイソフルランダイマーイオンの検出に関する実験データを収集するステップと;
    iii)前記負のイソフルランモノマーイオンについて収集された実験データの、前記負のイソフルランダイマーイオンについて収集された実験データに対する評価に基づいて、既知の標的化学物質を検出するために前記検出装置を較正するステップと、を含む方法。
  2. 前記検出装置の較正が前記検出器の検出パラメータの1つ以上を修正するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記検出装置の較正後、前記検出装置を使用して検体サンプルを分析するステップを更に含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記検出装置が、
    イオンが前記イオン化装置から前記検出器に向かって移動することが可能な、前記イオン化装置と前記検出器との間のドリフトチャンバと;
    前記イオン化装置から前記ドリフトチャンバへのイオンの移動を制御するためのゲートと;
    イオンを前記イオン化装置から前記検出器に向けて輸送するために負の均一な電場勾配を前記ドリフトチャンバ内に提供するように構成された1つまたは複数の電極と、を備え、
    前記ii)のパートの実験データが、前記校正用サンプルのイオン化により形成された、負のイソフルランモノマーイオンおよび負のイソフルランダイマーイオンについての前記ドリフトチャンバ内でのドリフト時間を含み、前記iii)のパートが、前記負のイソフルランモノマーイオンのドリフト時間を前記負のイソフルランダイマーイオンのドリフト時間に対して評価するステップを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 較正が前記検出器のドリフト時間検出パラメータを修正するステップを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記iii)のパートが、前記イソフルランモノマーイオン周囲への中性分子のクラスター化レベルを求めるステップを含む、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記クラスター化レベルが、前記イソフルランダイマーイオンのドリフト時間に対する前記イソフルランモノマーイオンのドリフト時間の比を用いて求められる、請求項6に記載の方法。
  8. 求めた前記クラスター化レベル使用して、求めた前記クラスター化レベルを様々なクラスター化レベルについて事前に求めた標的化学物質のドリフト時間と比較して、前記標的化学物質を検出するために前記検出装置を較正する、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記検出装置内にドーパントを導入するステップを更に含む、請求項4〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記ドーパントがヘキサクロロエタン(HCE)および/またはペンタクロロエタン(PCE)を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記検出装置が、前記ドリフトチャンバ内のドリフトガスを乾燥させるための乾燥剤を備える、請求項4〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記乾燥剤が分子ふるいを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記較正用サンプルが前記検出装置内に蒸気の形態で導入される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記較正用サンプルが前記検出装置内に蒸気発生装置により導入され、
    前記蒸気発生装置が、インピーダを介して蒸気を出口に供給し前記検出装置に排出するために流路により連結された、前記較正用サンプルを含む蒸気源を備え、
    前記インピーダが、
    i)前記蒸気源から前記出口への蒸気の拡散を妨げ、かつ、蒸気が前記蒸気源から前記出口へ送り出されるように配置された第1の蒸気透過通路と;
    ii)前記第1の蒸気透過通路により前記出口から分離されたシンクであって、蒸気を取り込むように構成された材料を含み、かつ、蒸気の拡散を前記出口から逸らすために配置されたシンクと、を備える、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1の蒸気透過通および前記シンクが、前記出口と前記蒸気源との間の圧力差に応答して、蒸気流を前記第1の蒸気透過通路を介して前記出口まで送り出すことに対する抵抗が蒸気流を前記シンク内に送り出すことに対する抵抗よりも小さくなるように配置される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記流路が、前記蒸気源を前記第1の蒸気透過通路に連結するブランチと、前記シンクを備える包囲されたブランチとを備える、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記第1の蒸気透過通路が、蒸気を取り込むように構成された材料を含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記蒸気の取り込みが吸収を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記吸収が、表面への蒸気の吸着;化学吸収;化学的作用または分子作用による蒸気の取り込み;および、多孔質材料内への蒸気の少なくとも一時的な補足、のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記シンクが少なくとも1つの第2の蒸気透過通路を備え、前記蒸気発生装置が蒸気チャンバを備え、前記インピーダが吸収アセンブリを備える、請求項14〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 較正が、前記検出装置の温度、圧力および/または電場勾配の変化に応答して行われる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記検出装置の圧力、温度および/または電場の変化が継続的にモニタリングされる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記較正用サンプルがイソフルランから実質的になる、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記検出装置がイオン移動度分光計である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 請求項1〜24に記載の検出装置と;
    イソフルランを含む較正用サンプルと;
    分析ユニットとを備え、
    前記分析ユニットが、
    i)前記較正用サンプルのイオン化により形成されたイソフルランモノマーイオンおよびイソフルランダイマーイオンの検出に関する実験データを収集し、かつ、
    ii)前記イソフルランモノマーイオンについて収集された実験データの、前記イソフルランダイマーイオンについて収集された実験データに対する評価に基づいて、既知の標的化学物質を検出するために前記検出装置を較正するように構成されている、検出装置を較正するためのシステム。
  26. 前記分析ユニットが、請求項2および4〜8のいずれか一項に記載の検出装置を較正するように構成されている、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記検出装置と共に使用するように構成された請求項14〜19のいずれか一項に記載の蒸気発生装置を更に備える、請求項25または26に記載のシステム。
  28. 前記分析ユニットがコンピュータシステムを備える、請求項25〜27のいずれか一項に記載のシステム。
  29. 前記較正用サンプルがイソフルランから実質的になる、請求項25〜28のいずれか一項に記載のシステム。
  30. 請求項1〜24のいずれか一項に記載の検出装置と;
    イソフルランを含むかイソフルランから実質的になる較正用サンプルと;
    前記検出装置の温度、圧力および/または電場の変化に応答して、前記検出装置内に前記較正用サンプルを導入する手段とを備える、デバイス。
  31. 前記検出装置内に前記較正用サンプルを導入する手段が、請求項14〜19のいずれか一項に記載の蒸気発生装置を備える、請求項30に記載のデバイス。
  32. 標的化学物質を検出するために請求項1〜24のいずれか一項に記載の検出装置を較正するための、イソフルランを含むかイソフルランから実質的になる較正用サンプルの使用。
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