本発明は、代替圧縮機用の流体切替装置、およびより詳細には、少なくとも2つの独立した入力と、少なくとも1つの単一化された出力と、別個の入力の1つと単一化された出力との間の流体連通を促進することができる選択的に動作可能な少なくとも1つの要素とを備える、吸込みの流体切替装置に関する。
さらに、本発明は、少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタ(吸込フィルタ)に関する。
代替圧縮機用の前記流体切替装置は、独立してまたは音響フィルタと結びつき、少なくとも2つの独立したラインの同等の機能から成る冷却システム、すなわち、少なくとも2つの独立したラインの流体の中で1つの選択を可能にするように、少なくとも2つの独立したラインの吸込みからなる冷却システムで作動することができる代替圧縮機を統合するという主目的を有する。
当業者に知られているように、現時点での技術水準は、圧縮機の大きな形態、および特に、冷却システムで使用されることができる圧縮機の大きな形態を含む。一般に、形態にかかわらず、圧縮機は、圧縮室の内部容積の連続する変化を通して作動流体を圧縮することを目的としている。
代替圧縮機の場合は、圧縮室の容積を変化させることは、圧縮ピストンによって行われ、この圧縮ピストンは、通常、中空円筒体によって画定される前記圧縮室内で軸線方向に二者択一的に移動される。この形態においては、圧縮ピストンの交互運動は、回転モータ、偏心軸およびロッドの統合された組から得られ、またはまさに、リニアモータの滑子によって生じることから得られ得る。
回転圧縮機の場合は、圧縮室の容積を変化させることは、前記圧縮室内で半径方向に偏心的に変位される圧縮軸によって行われ、この圧縮室は、通常、中空円筒体によって画定される。この形態においては、圧縮軸の偏心運動は、回転モータから得られる。
スクロール圧縮機の場合は、圧縮の複数の仮想室が定義され、これらの室の容積変化は、渦巻状部品の間に生じる軌道運動によって行われる。この形態においては、変位可能な渦巻状部品の軌道運動は、回転モータおよびオルダムリングの統合された組から得られる(回転運動を軌道運動に変換する機構)。
圧縮機のこれらの3つの形態は、当業者によって完全に理解されている。そのうえ、これらの3つの形態を持つ圧縮機により統合される冷却システムがまた、当業者に知られている。
これらの3つの圧縮機形態の機能的使用法に関しては、構造上の差異により、この種の形態は異なる方法を通して同様の目的を達成し得るということが理解できる。
この筋書の一実施例は、これらの形態が二元蒸発冷却システムにおいて機能的に実施され得る異なる形態に言及している。
当業者に知られているように、二元蒸発冷却システムは、少なくとも2つの独立した蒸発器によって統合されるシステムを備え、各々は、異なる圧力で作動する。したがって、冷却システムには少なくとも2つのやはり独立した吸込ラインが設けられることが必要であり、この吸込ラインは、圧縮機の形態に応じて1つまたは複数の圧縮部との流体連通を有することができる。
スクロール圧縮機の場合は、かつ、異なる圧力(圧縮部の周縁と中央との間の増大勾配)の複数の圧縮室が渦巻状部品に沿って画定されることを考えると、二元蒸発の冷却システムを実施することは比較的容易である。
文献米国特許第4673340号明細書、米国特許第5722257号明細書、米国特許第6196816号明細書、米国特許第5996364号明細書、米国特許第4696627号明細書、米国特許第6364643号明細書、米国特許出願公開第20060140804号明細書、米国特許第7418833号明細書において説明され、例示されているように、スクロール圧縮機を備える二元蒸発冷却システムが設けられ、その場合、各吸込ラインは、渦巻状部品の特定領域と流体連通している。したがって、高圧吸込ラインは、渦巻状部品の中央領域(高圧)と流体連通していることができるが、低圧吸込ラインは、渦巻状部品の周縁領域(低圧)と流体連通していることができる。
この場合は、吸込ラインのうちの少なくとも1つは気密であることが必要であり、またはあるいは、同じハウジングは2つの気密領域を有し、各々は単一の吸込ラインに均等にされていることが必要である。そのうえ、注目すべきは、スクロール圧縮機を備える二元蒸発冷却システムにおいては、2つの吸込ラインの中の1つの流れを選択することは必要でなく、すなわち、2つの吸込ラインの冷却流体は連続的に吸い込まれ得るということである。
スクロール圧縮機の二元蒸発冷却システムの実施は比較的容易であるが、この圧縮機形態は、主として容量が大きいシステムに適用されることが留意される。そのうえ、また当業者に知られているように、スクロール圧縮機の製造および保守は、代替および回転圧縮機の製造および保守よりも実質的により複雑である。
回転圧縮機の場合は、かつ、2つ以上の圧縮の独立した領域が同じ圧縮室に配置され得ることを考えると、二元蒸発冷却システムを実施することはまた、比較的容易である。
文献米国特許第2976698号明細書、米国特許第2481605号明細書、米国特許第4622828号明細書、および米国特許第2333899号明細書において説明され、例示されているように、回転圧縮機を備える二元蒸発冷却システムが設けられ、その場合、各吸込ラインは、単一の圧縮室の特定領域に流体接続される。明らかに、この種の実施形態は、回転圧縮機の2つの圧縮領域の間に気密の隔離要素の存在を必要とする。したがって、同じ圧縮軸が、同じ圧縮室の圧縮の独立した領域に存在する流体を同時に、かつ異なる圧縮係数で圧縮する。
この場合は、2つの吸込ラインは気密であることが必要であり、結局、代替圧縮機は、スクロール圧縮機および代替圧縮機の場合のように、均等化ハウジングを設けない。そのうえ、注目すべきは、上に述べたように、回転圧縮機を備える二元蒸発冷却システムにおいては、2つの吸込ラインの中の1つの流れを選択することは必要でなく、すなわち、2つの吸込ラインの冷却流体は、連続的に吸い込まれ得るということである。
しかしながら、回転圧縮機の2つの圧縮領域の間の前記気密の隔離要素は、製造、取り付け、および保守の場合であろうとなかろうと、複雑性が高いことが留意される。
あるいは、回転圧縮機の同じ圧縮室の2つの圧縮領域を隔離するのに使用される前記気密の隔離要素は、流体切替弁によって取り替えられ得る。
この種の代替実施形態は、文献米国特許第6428284号明細書において説明され、例示されており、その場合、回転圧縮機は、ただ1つの圧縮領域を画定し、2つの吸込ラインの中の1つの流体吸込流れを選択することが必要である。この場合は、2つの入力および1つの出力から成る切替弁の使用が規定されており、そこでは、前記弁の出力は、圧縮室の直前に配置される。
さらにあるいは、二元蒸発冷却システムは、ツイン回転圧縮機において容易に実施されることができ(その場合、ただセット全体について単一の圧縮軸を持つ、互いに隔離された2つの圧縮室がある)、各吸込ラインは、圧縮室のうちの1つに流体接続される。それにもかかわらず、ツイン代替圧縮機は、あらゆる目的に対して、2つの独立した回転圧縮機として考えられることができ、それは、二元蒸発冷却システムを単一の圧縮機で実施する提案を越える。
代替圧縮機の場合は、かつ、各圧縮部がただ1つの圧縮室を画定することを考えると、二元蒸発冷却システムを実施することは、本質的により複雑になる。
代替圧縮機を用いた二元蒸発冷却システムの一実施例が、文献特開2003−083247号公報に開示されており、そこでは、前記代替圧縮機は、すなわちあらゆる目的について2つの異なる圧縮部と同等である、単一の圧縮ピストンおよび2つの独立したシリンダによって画定される、二重圧縮のユニットを備える。したがって、各吸込ラインは、圧縮シリンダのうちの1つに流体接続される。また、この実施形態は、2つの吸込ラインを画定することに加えて、蒸発器に流体接続される前に単一化される、2つの蒸発ラインを画定する。
この場合は、2つの圧縮シリンダを使用する必要があることに加えて、また、圧縮シリンダの排気出力を単一化する必要がある。また、これらの態様は、二元蒸発冷却システムの製造コストを増大することに加えて、単一の圧縮部が2つの独立したシリンダの作動を担うので、圧縮機をあまり安定させない。
代替圧縮機を用いた二元蒸発冷却システムのもう1つの実施例が、文献米国特許第5531078号明細書に説明されており、そこでは、前記代替圧縮機は、単一の圧縮部によって画定される構成的に従来のものを備える。
この実施例においては、圧縮機と特に協働する冷却システムは、(さらに、凝縮器および膨張要素に対して)互の間に圧力差のある2つの独立した吸込ラインに備えており、これらのラインのうちの一方は、「高圧ライン」であり、他方は、「低圧ライン」である。2つの弁がやはり設けられ、1つのオン/オフ弁およびチェック弁である。
オン/オフ弁は、圧縮機気密ハウジングの外側に、高圧ラインのある部分に配置される。チェック弁は、圧縮機気密ハウジングの内側に、2つの吸込ラインの間に配置される。したがって、オン/オフ弁が開かれると、高圧ラインの流体は、圧縮機ヘッドの方へ流れ、高圧ラインの圧力はチェック弁を低圧ラインの阻止位置に維持するのに十分であるので、このように、チェック弁を通して低圧ラインをやはり阻止する。オン/オフ弁が閉じられると、低圧ラインの流体は、チェック弁の位置を変化させ、低圧ラインを塞ぎ、それは、圧縮機ヘッドと流体連通になる。
この場合は、明らかに、代替圧縮機は一度に2つの吸込ラインのうちの1つのみを作動させ、すなわち、流体の圧縮は、同時に起こるのではなく、むしろ選択的であることが留意される。この例示においては、2つの吸込ラインは気密であることが留意される。せいぜい、前記切替弁は代替圧縮機の気密ハウジング内に配置されることがまた留意される。
たとえ理論的には機能的と言えども、文献米国特許第5531078号明細書において説明される二元蒸発冷却システムは、「ゴーストボリューム」に関して複数のマイナス面を有する。用語「ゴーストボリューム」は、出力弁と圧縮機ヘッドとの間に配置される配管に「残存する」残留ガス量を指す。
オン/オフ弁が切り換えられ、吸込ラインと圧縮機ヘッドとの間の流体連通交換を促進すると、「以前の吸込み」の残留ガスは、「現在の吸込み」の流体が実際に出口弁と圧縮機ヘッドとの間に配置される配管の容積全体を占めるまで圧縮機によって引き続き吸い込まれる、すなわち、圧縮シリンダの内側のオン/オフ弁交換と吸込圧力交換との間に遅れがある。明らかに、「ゴーストボリューム」の苛酷さは、弁出口と圧縮機ヘッドとの間に配置される配管の寸法(直径および長さ)に直接比例する。
この「ゴーストボリューム」、またはまさに、圧縮シリンダの内側のオン/オフ弁交換と吸込圧力交換との間のこの遅れは、冷却システム全体の効率をひどく損なう場合がある。
このマイナス面を改善することを目標として、最適化された解決策が開発されたが、それは、文献国際出願PCT/BR2011/000120号において完全に説明されている。
国際出願PCT/BR2011/000120号で説明される第1の解決策は、単一の圧縮室に2つの吸込入口が設けられる、特に二元蒸発冷却システムで実施するために設計された二重吸込代替圧縮機に関する。よって、切換弁の必要性に取って代わる、選択的にすぐに使用可能な2つの吸込弁がまた設けられ、それによって、「ゴーストボリューム」と関係がある問題全体が解決される。
しかしながら、この第1の解決策は、複雑な機能的適応を必要とし、その場合、圧縮シリンダおよび板弁は、2つの吸込穴(および排気口の1つ)を収容するような大きさにされる必要がある。せいぜい、(代替圧縮機の吸込弁への使用のように)非自動作動の少なくとも1つの吸込弁、好ましくはソレノイドタイプ、を使用することが必要であり、それはまた、板弁に取り付けられるように特に寸法決めされなければならない。機能的とは言え、この第1の解決策は、構成するのに複雑で困難であると考えられ得る。
文献国際出願PCT/BR2011/000120号で説明される第2の解決策は、(「高圧ライン」および「低圧ライン」と考えられ得る)異なる圧力でまた作動する、加えて単一の流体切替装置と、特に2つの独立した吸込ラインから得られる流体切替装置とをさらに備える(ただ1つの吸込入力およびただ1つの排気出力に備える圧縮シリンダを持つ)従来の代替圧縮機に関する。この解決策においては、吸込ラインのうちの少なくとも1つは、気密である必要がある。
手短に言えば、この第2の解決策は、概念的に、文献米国特許第5531078号明細書で説明された解決策に比較されることができ、文献国際出願PCT/BR2011/000120号の第2の解決策の大きな違いは、前記文献米国特許第553078号明細書で説明したように、2つの弁ではなくて2つの吸込ラインの中の1つの選択を担う単一の装置の使用に関係する。結果として、国際出願PCT/BR2011/000120号の実施形態の前記第2の解決策は、吸込流体の選択が単一の装置によって行われるので、より堅牢で実際的で効率の良い実施形態から成る。
しかしながら、文献国際出願PCT/BR2011/000120号で説明した第2の解決策は、留意され得るように、主として概念的であり、すなわち、流体切替装置と関係がある可能な構成手段ではなく、それの機能原理のみが説明されかつ/または例示されている。
したがって、本発明が起こるのはこの筋書に基づいている。
米国特許第4673340号明細書
米国特許第5722257号明細書
米国特許第6196816号明細書
米国特許第5996364号明細書
米国特許第4696627号明細書
米国特許第6364643号明細書
米国特許出願公開第2006/0140804号明細書
米国特許第7418833号明細書
米国特許第2976698号明細書
米国特許第2481605号明細書
米国特許第4622828号明細書
米国特許第2333899号明細書
米国特許第6428284号明細書
特開2003−083247号公報
米国特許第5531078号明細書
国際出願PCT/BR2011/000120号
したがって、本発明の1つの目的は、代替圧縮機用の流体切替装置、およびより詳細には、二元蒸発冷却システムで作動することができる代替圧縮機と関係がある最適化された構成手段を開示することである。よって、本発明のもう1つの目的は、代替圧縮機用の前述の流体切替装置には少なくとも2つの独立した入力と、2つの独立した入力の中の少なくとも1つを選択するための少なくとも1つの機構とが設けられることである。
加えて、本発明の目的のうちの1つはまた、今扱われている代替圧縮機用の流体切替装置が、(フィルタの内側のまたはフィルタに隣接する)代替圧縮機に属する音響フィルタに配置され得ることである。
上記の要約された目的は、今明らかにされる代替圧縮機用の流体切替装置によって完全に達成される。
本発明によれば、本明細書において開示される代替圧縮機用の前記流体切替装置は、代替圧縮機の気密ハウジング内に配置され、少なくとも2つの入力経路、および少なくとも1つの出力経路を備える。
このように、交番圧縮機用の流体切替装置は、少なくとも1つの弁本体、少なくとも1つの変位可能なアクチュエータ、および少なくとも1つの電磁界発生部材を備え、そこでは、可動アクチュエータが弁本体内に配置される。
一般に、前記弁本体は、少なくとも2つの入力経路と、少なくとも1つの出力経路とを備える管状本体を備え、前記変位可能なアクチュエータは、少なくとも1つの連通チャネルと、少なくとも1つの封止領域と、電磁界発生素子と協働する少なくとも1つの相互作用手段とを備える管状本体を備える。
次に、前記電磁界発生素子は、協働的相互作用手段を通して、弁本体の内側の変位可能なアクチュエータの選択的誘導移動を誘発することができ、そこでは、弁本体内の変位可能なアクチュエータの(軸線方向または回転の)選択的誘導移動は、前記弁本体の入力経路と出力経路との間の流体連通または封止を制御することができる。
したがって、本発明によれば、代替圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の変化は、電磁界発生素子によって生成される少なくとも1つのパルスによって引き起こされ、代替圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の維持は、電磁界発生素子の非駆動によって引き起こされる。これは、代替圧縮機用の流体切替装置は双安定であることが好ましいことを意味する。
非限定的に、本明細書において開示された代替圧縮機用の流体切替装置は、吸込みの流体切替装置を備えることができる。
本発明によれば、流体切替装置を備える音響フィルタがまた予測され、前記フィルタは、代替圧縮機の気密ハウジング内に配置され、流体導入の少なくとも2つの別個の経路および流体排出の少なくとも1つの経路を備える。
本発明によれば、流体切替装置を備える前記音響フィルタは、少なくとも1つの第1の導入経路を備える少なくとも1つの気密チャンバと、気密チャンバから気密に隔離された少なくとも1つの第2の導入経路と、少なくとも1つの弁本体、少なくとも1つの変位可能なアクチュエータ、および少なくとも1つの電磁界発生素子から成る、少なくとも1つの流体切替装置とを備える。
今開示される代替圧縮機用の前記流体切替装置は、代替圧縮機の気密ハウジング内に配置され、少なくとも2つの入力および経路少なくとも1つの出力経路を備える。
このように、代替圧縮機用の流体切替装置は、少なくとも1つの弁本体、少なくとも1つの変位可能なアクチュエータ、および少なくとも1つの電磁界発生素子を備え、そこでは、変位可能なアクチュエータが弁本体内に配置される。
一般に、前記弁本体は、少なくとも2つの入力経路と、少なくとも1つの出力経路とを備える管状本体を備え、前記変位可能なアクチュエータは、少なくとも1つの連通チャネルと、少なくとも1つの封止領域と、電磁界発生素子と協働する少なくとも1つの相互作用手段とを備える管状本体を備える。
次に、前記電磁界発生素子は、協働的相互作用手段を通して、弁本体の内側の変位可能なアクチュエータの選択的誘導移動を誘発することができ、そこでは、弁本体内の変位可能なアクチュエータの(軸線方向または回転の)選択的誘導移動は、前記弁本体の入力経路と出力経路との間の流体連通または封止を制御することができる。
本発明は、下に列挙される例示図に基づいて詳細に説明される。
現時点での技術水準に属する二元蒸発冷却システムの第1の実施例を示す図である。
本発明による二元蒸発冷却システムを示す図である。
本発明による流体切替装置の第1の実施形態を分解斜視で示す図である。
本発明による流体切替装置の第1の実施形態に属する変位可能なアクチュエータの構造上の可能性を示す図である。
本発明による流体切替装置の第1の実施形態に属する変位可能なアクチュエータの構造上の可能性を示す図である。
異なる運転状況における図3の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
異なる運転状況における図3の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
異なる運転状況における図3の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
本発明による流体切替装置の第1の実施形態の構造上の可能性を示す図である。
本発明による流体切替装置の第2の実施形態を分解斜視で示す図である。
異なる運転状況における図7の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
異なる運転状況における図7の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
異なる運転状況における図7の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
本発明による少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタの上部を透視画法で示す図である。
本発明による少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタの可能な実施形態を示す図である。
本発明による少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタの可能な実施形態を示す図である。
本発明による少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタの可能な実施形態を示す図である。
本発明の目的は添付の図面を参照して詳細に記述され説明されるが、それは、適応および変更がそれにより請求された本発明の範囲を逸脱することなく行われ得るので、非限定的な、単に例示の性質を有する。
前もって、また先に述べたように、本発明の主目的は、代替圧縮機用の、およびより詳細には、少なくとも2つの独立したラインの中の1つの選択を可能にするために、少なくとも2つの独立したラインの機能的に同等のもの(少なくとも2つの吸込みの独立したライン)から成る冷却システムで作動することができる代替圧縮機用の、流体切替装置に関連している最適化された構造的な方法を開示することである。
したがって、本発明に直接的により関連している現時点でのおよび一般的な技術水準を明らかにするために、かつ本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するために、上述の図を参照する。
図1は、現時点での技術水準に属する二元蒸発冷却システムを概略的に示している。
この種のシステムは、凝縮器CONDによって、チェック弁SVによって、2つの膨張弁VE1およびVE2、ならびに2つの蒸発器EVAP1 EVAP2によって主として圧縮機COMPから構成される。凝縮器CONDは、凝縮ラインLCONDを介して圧縮機COMPに流体接続され、蒸発器EVAP1およびEVAP2は、単一の蒸発ラインLEVAPTを介して圧縮機COMPに流体接続され、この単一の蒸発ラインLEVAPTは、実際に、蒸発器EVAP1およびEVAP2の2つの蒸発ラインLEVAP1と蒸発ラインLVAP2との間の接続部である。これは、圧縮機COMPには、(凝縮ラインLCONDに接続される)単一の排出ダウエルおよび(蒸発器ラインLEVAPTに接続される)単一の吸込ダウエルが設けられるということを意味する。この場合は、注目すべきは、圧縮機COMPは、一時に2つの蒸発ラインLEVAP1およびLEVAP2のうちのただ1つで作動する傾向があり、それらの間の選択は、圧縮機COMPの外側にある、より詳細には、凝縮器CONDの出力の直後のチェック弁VSによって行われるということである。このタイプの実施形態の問題は、本明細書のセクション「背景技術」において説明されていることに加えて、広く知られている。しかしながら、蒸発ラインLEVAPTは、通常、蒸発器EVAP1およびEVAP2の2つの蒸発ラインLEVAP1およびLVAP2から得られる両者の混合物に曝されることが強調される。
図2は、今開示される代替圧縮機用の吸込みの流体切替装置で作動することができる二元蒸発冷却システムを示している。図2に示される冷却システムは、本質的に、圧縮機COMP、凝縮器COND、2つの膨張弁VE1およびVE2、ならびに2つの蒸発器EVAP1およびEVAP2から成り、凝縮器CONDは、凝縮ラインLCONDを介して圧縮機COMPに流体接続され、蒸発器EVAP1およびEVAP2は、2つの蒸発ラインLEVAP1およびLEVAPT2を介して圧縮機COMPに流体接続され、それらは、互に完全に独立しており、すなわち互に接続されていない。
この場合は、注目すべきは、圧縮機COMPは、一時に2つの蒸発ラインLEVAP1およびLEVAP2のうちのただ1つで作動する傾向があり、それらの間の選択は、代替圧縮機(図3に図示せず)用の吸込みの前記流体切替装置によって行われ、それは、以下で詳細に述べるその好ましい実施形態を有するであろうということである。
図3は、本発明による代替圧縮機用の流体切替装置の好ましい実施形態を示している。
この好ましい実施形態によれば、代替圧縮機用の流体切替装置は、基本的に、3つの主な要素、すなわち、弁本体1、変位可能なアクチュエータ2、および電磁界発生素子3から成り、変位可能なアクチュエータ2は、弁本体1内に配置される。
弁本体1は、金属合金で作られる円筒状のシリンダから成ることが好ましい。任意選択的に、この円筒状のシリンダは、やはりポリマーアロイ、または任意の他の硬質合金で作られることもできる。また、弁本体1は、互に軸線方向に間隔を置いて配置され、2つの入力経路11および12を画定する、少なくとも2つの窓(または穴)を含む。これは、複数の入力経路を画定する複数の窓のために任意選択的に設けられるかもしれないことは明白である。
弁本体1は円筒状であるので、それの軸線方向端部のうちの少なくとも1つは、出力経路13をさらに画定する。出力経路13と考えられる端部に向かい合っている軸線方向端部は、封止要素14の助けにより閉じられることが好ましく、それは、弁本体1の形状寸法と同様の形状寸法のプラグを備える。したがって、本発明の好ましい実施形態によるその弁本体1を心に留めておくことは重要であり、この弁本体1は、閉じた軸線方向端部、およびその壁に画定される少なくとも2つの窓を有する簡単な管状本体であり、この2つの窓は軸線方向に間隔を置いて配置される。
上述の弁本体1は少なくとも2つの入力経路11、12および単一の出力経路13を含むことが重要である。
図2の冷却システムの実施例においては、入力経路11および12は、蒸発ラインLEVAP2およびLEVAP1のうちの1つとそれぞれ流体接続することができることが認められる。この流体連通は、溶接、または同等なかつ当業者に広く知られている他の手段などの、いくつかの従来の手段を通して行われ得る。
また、出力経路13は、代替圧縮機(図示せず)の圧縮機構の吸込穴と流体接続することができ、その流体連通はまた、溶接、または同等なかつ当業者によって広く知られている他の手段などの、いくつかの従来の手段を通して行われ得る。
この好ましい実施形態においては、入力経路11および12は、出力経路13に垂直である。いずれにせよ、(弁本体1のみを考慮すれば)入力経路11、12および出力経路13は、まさに互に流体連通をもたらすことを強調することは重要である。
弁本体1の入力経路11および12は、軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に位置合わせされた穴を備えることが好ましく、また、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11および12は、軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に位置合わせされ、図3に示されるように等距離に配置される穴を備えることが好ましい。
また、変位可能なアクチュエータ2は、金属合金で作られる円筒状のシリンダから成ることが好ましい。任意選択的に、この円筒状のシリンダは、やはりポリマーアロイ、または任意の他の硬質合金で作られることもできる。窓または他の穴なしで、変位可能なアクチュエータ2は、それの2つの軸線方向開口のみを有し、それによって、一種の連通チャネル21を画定する。すなわち、変位可能なアクチュエータ2の前記連通チャネル21は、前記変位可能なアクチュエータ2の外周内に画定される長手方向チャネルから成る。
加えて、前記変位可能なアクチュエータ2はまた、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23を含む。協働的相互作用の前記手段23は、好ましくは壁に、またはまさに前記変位可能なアクチュエータ2の端部に収容される固定磁界の磁石であることが好ましい。任意選択的に、2つの磁石が使用されることができ、各々は、単一の反対の固定磁界によって与えられる。
図4Aにおいては、協働的相互作用の手段23は、変位可能なアクチュエータ2の中間部分に配置される磁石を備える。図4Bにおいては、協働的相互作用の手段23は、変位可能なアクチュエータ2の遠位部分に、それぞれ1つずつ配置される2つの磁石を備える。
一般概念は、変位可能なアクチュエータ2が電磁界発生手段3の駆動に基づいて誘発可能な電磁的構成要素を含むということである。したがって、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23(好ましくは固定磁界の磁石)は、それ自身の第2の管状本体2に配置されることが好ましい。
任意選択的に、かつ図6に示されるように、また、変位可能なアクチュエータ2の協働的相互作用の手段23は、第2の管状本体2に、電磁界発生素子3の磁気変化を比例して変換し伝達することができる少なくとも1つの接続要素26を備えるという可能性がある。
この場合は、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23は、変位可能なアクチュエータ2に対して遠隔配置されるが、しかし接続要素26によって変位可能なアクチュエータ2に協働的に接続されると言われ得る。
この任意選択の可能性は、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23(電磁界発生素子3の駆動に起因して誘発可能な1つまたは複数の磁石)がそれ自身の変位可能なアクチュエータ2の中に強制的に配置されず、遠隔にあってもよいことを明確にするためにのみ述べられる。
電磁界発生素子3は、ソレノイド、および/または電磁石、すなわち、電気的に活性化された場合に鉄系金属構成要素に吸引および/または反発力を発生させることができる任意の電磁構成要素を備えることが好ましい。
現在の好ましい実施形態によれば、電磁界発生素子3は、弁本体1の周りに、特にその中央部分に配置される。
前記電磁界発生素子3は、協働的相互作用の手段23を通して、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の選択的誘導移動を誘発することができ、すなわち、前記電磁界発生素子3は、変位可能なアクチュエータ2に配置される電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23に吸引および/または反発力を発生させるという主目的を有する。
好ましくは、また、変位可能なアクチュエータ2は、選択的かつ誘導的な方法で、前記弁本体1内で軸線方向(または直線)移動をもたらすことができるように弁本体1内に配置されることが留意される。この選択的かつ誘導的な軸線方向変位は、明らかに、電磁界発生素子3の作動によって強いられる。第2の変位可能なアクチュエータ2は第1の弁本体1の内側に配置されるので、入力経路11および12のうちの1つを塞ぐように、変位可能なアクチュエータ2の一部を弁本体1の該入力経路11および12のうちの1つに配置する(かつ配置され続ける)ことができる。
図5A、図5B、および図5Cに示されるように、弁本体1の入力経路11および12を閉鎖する変位可能なアクチュエータ部分2は、封止領域22と呼ばれる。
より詳細には、その外径が弁本体1の内径と同じである変位可能なアクチュエータ部分2は、封止領域22と規定される。現在の好ましい実施形態の場合は、封止領域22は、弁本体1の入力経路11および12に対して封止の役割を果たす変位可能なアクチュエータ2の外面から成る。
したがって、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11および12と出力経路13との間の流体連通は、前記入口経路11および12、変位可能なアクチュエータ2の連通チャネル21、ならびに前記出力経路13の間の位置合わせにより生じる。他方では、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11および12と出力経路13との間の封止は、前記入力経路11および12と変位可能なアクチュエータ2の封止領域22との間の位置合わせにより生じる。
したがって、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の選択的誘導軸線方向移動は、前記弁本体1の入力経路11および12と出力経路13との間の流体連通または封止を制御することができると述べられ得る。すなわち、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の位置の変化は、代替圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態を変更し、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の位置の維持は、代替圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態を維持する。
封止に関しては、これは2つの管状円筒体(弁本体1および変位可能なアクチュエータ2)から成るので、封止領域22は、作用する場合には、入力経路11および12のうちの1つと出力経路13との間の半径方向封止を画定し、その直径隙間は、好ましくは5マイクロメートルと30マイクロメートルとの間の値であることを強調することが必要である。
このタイプの封止は、その効率が封止された入口経路に作用する流体圧力にかかわらず同じであるという事実によって極めて興味深く、すなわち、このタイプの封止は半径方向の封止から成るので、封止された経路の高圧は変位可能なアクチュエータ2の何らかの意図されない移動を引き起こすことはできず、結局、変位可能なアクチュエータ2の移動経路は軸線方向であるが、封止された入力経路の起こり得る高圧は、半径方向の、および変位可能なアクチュエータ2の移動方向に垂直な応力のみを生じることになる。
加えて、入口圧力が変位可能なアクチュエータ2の変位方向に垂直であるこのタイプの封止により、代替圧縮機用の流体切替装置は双安定動作をもたらすことができるようになっており、すなわち、代替圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の変化は、電磁界発生素子3によって生成される少なくとも1つのパルスによって引き起こされるが、代替圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の維持は、電磁界発生素子3の非作動によって引き起こされない。
換言すれば、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の軸線方向移動は、電磁界発生素子3によって生成されるただ1つの誘発パルスを必要とし、変位可能なアクチュエータ2が静止状態を維持するように活性化される前記電磁界発生素子3を維持するよう要求されず、結局、(1つの入力経路を塞ぎ、他の入力経路を出力経路と流体連通させるために)いったん配置されると、この位置を変化させることができる力はないことになる(結局、作用する「反対の」力のみが塞がれる入口経路の力/圧力であるが、しかしこの力/圧力は、変位可能なアクチュエータ2の移動方向に作用せず、それの位置を変化させることができない)ことが留意される。この特徴は重要であり、結局、電磁界発生素子3の作動に関してエネルギー浪費はない。
したがって、また図5Bに示されるように、代替圧縮機用の前記流体切替装置が図2の2つの蒸発ラインEVAP1およびEVAP2に流体接続されることを考えると、これらの2つの蒸発ラインのうちの1つを選択することができる。
たとえば、圧縮機が蒸発ラインEVAP2の冷却剤流体のみを吸い込む必要があることを考えると、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23を(吸引または反発によって)移動させるように電磁界発生素子3を作動させるだけでよく、それにより、変位可能なアクチュエータ2の封止領域22が蒸発ラインEVAP1に流体接続される弁本体1の入力経路を塞ぐように、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の結果として生じる変位が引き起こされる。蒸発ラインEVAP1に流体接続される弁本体の入口11は変位可能なアクチュエータ2の封止領域22によって閉塞されかつ/または塞がれるので、閉鎖されない入力経路を通り抜ける蒸発ラインEVAP2の冷却剤流体のみが、弁本体1の出力経路に移動する。圧縮機が蒸発ラインEVAP1の冷却剤流体のみを吸い込む必要がある逆の状況が、図3Dに示されており、この状況においては、同じ機能的論理が生じ、すなわち、変位可能なアクチュエータ2は、そうするように、対象の入力経路を塞ぐために移動され、図5Cに示される状況の作動とは反対に電磁界発生素子3を作動させるだけでよく、すなわち、図5Bの変位可能なアクチュエータ2の位置が「正のパルス」に起因する場合は、図5Vの変位可能なアクチュエータ2の位置は、「負のパルス」に起因することになる。
図7は、本発明による代替圧縮機用の流体切替装置の他の実施形態を示している。
この他の実施形態によれば、代替圧縮機用の流体切替装置は、根本的に、3つの主な要素、すなわち、弁本体1、変位可能なアクチュエータ2、および電磁界発生素子3から成り、変位可能なアクチュエータ2は、弁本体1内に配置される。
弁本体1は、金属合金で作られる円筒状のシリンダから成ることが好ましい。任意選択的に、この円筒状のシリンダは、やはりポリマーアロイ、または任意の他の硬質合金で作られることもできる。また、弁本体1は、互に軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に位置合わせされない、2つの入力経路11および12を画定する、少なくとも2つの窓(または穴)を含む。弁本体1は円筒状であるので、それの軸線方向端部のうちの少なくとも1つが、出力経路13をさらに画定する。出力経路13と考えられる端部に向かい合っている軸線方向端部は、封止要素14の助けにより閉じられることが好ましく、この封止要素14は、弁本体1の形状寸法と同様の形状寸法を持つプラグから成る。したがって、本発明の好ましい実施形態による弁本体1は、閉じた軸線方向端部、およびその壁に画定される少なくとも2つの窓を持つ簡単な管状本体であり、この2つの窓は軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に(または角度について)位置合わせされないことを心に留めておくことは重要である。上述の弁本体1は少なくとも2つの入力経路11、12および単一の出力経路13を含むことが重要である。この他の実施形態においては、入力経路11および12は、出力経路13に垂直である。それにもかかわらず、(弁本体1のみを考慮すれば)入力経路11および12と出力経路13とは、まさに互に流体連通をもたらすことに留意することは重要である。
図2の冷却システムの実施例においては、入力経路11および12は、蒸発ラインLEVAP2およびLEVAP1のうちの1つとそれぞれ流体接続することができることが認められる。この流体連通は、溶接、または同等なかつ当業者に広く知られている他の手段などの、異なる従来の手段を通して行われ得る。また、出力経路13は、代替圧縮機(図示せず)の圧縮機構の吸込穴と流体接続することができ、その流体連通はまた、溶接、または同等なかつ当業者によって広く知られている他の手段などの、異なる従来の手段を用いて行われ得る。
また、この他の実施形態によれば、変位可能なアクチュエータ2はまた、金属合金で作られる円筒状のシリンダから成る。任意選択的に、この円筒状のシリンダは、やはりポリマーアロイ、または任意の他の硬質合金で作られることもできる。
変位可能なアクチュエータには窓または他の穴がない好ましい実施形態とは反対に、この他の実施形態の変位可能なアクチュエータ2は、軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に位置合わせされる2つのリップ24を備え、また、その軸線方向自由端のうちの1つのみを備え、反対側の軸線方向端部は、封止要素25の助けにより閉鎖される。しかしながら、この他の実施形態の変位可能なアクチュエータ2(ならびに好ましい実施形態の変位可能なアクチュエータ)はまた、一種の連通チャネル21を画定し、それは、前記変位可能なアクチュエータ2の外周内に画定される長手方向チャネルから成る。
さらに、前記変位可能なアクチュエータ2はまた、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23を含む。協働的相互作用の前記手段23は、好ましくは壁に、またはまさに前記変位可能なアクチュエータ2の端部に収容される固定磁界の磁石であることが好ましい。任意選択的に、2つの磁石が使用されることができ、それぞれには相反する固定磁界が設けられる。
一般概念は、変位可能なアクチュエータ2が電磁界発生要素3の作動に基づいて誘発可能な電磁的構成要素を含むということである。したがって、電磁界発生部材3との協働的相互作用の手段23(好ましくは固定磁界の磁石)は、それ自身の第2の管状本体2に配置されることが好ましい。
任意選択的に、変位可能なアクチュエータ2の協働的相互作用の手段23は、第2の本体チューブ2に、電磁界発生部材3の磁気変化を比例して変換し伝達することができる少なくとも1つの機械的伸筋を備えるという可能性がある。この任意選択の図示されない実施形態においては、これは、第2の管状本体2に関して遠く離れて配置される電磁界発生素子3の作動に基づいて誘発可能な磁石のために設けられ、この磁石と第2の管状本体2との間の物理的接続は、伸筋棒によって行われ得る。この任意選択の可能性は、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23(電磁界発生素子3の作動に基づいて誘発可能な1つまたは複数の磁石)がそれ自身の変位可能なアクチュエータ2の中に強制的に配置されず、遠隔にあってもよいことを明確にするためにのみ述べられる。
電磁界発生素子3は、ソレノイド 3、および/または電磁石、すなわち、電気的に活性化された場合に、鉄系金属構成要素に吸引および/または反発力を発生させることができる任意の電磁構成要素から成ることが好ましい。現在の他の実施形態によれば、電磁界発生素子3は、弁本体1の周りに、特にその中央部分に配置される。
前記電磁界発生素子3は、協働的相互作用の手段23を通して、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の選択的誘導移動を誘発することができ、すなわち、前記電磁界発生素子3は、変位可能なアクチュエータ2に配置される電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23によって吸引および/または反発力を発生させるという主目的を有する。
よって、また、変位可能なアクチュエータ2は、選択的かつ誘導的な方法で、前記弁本体1の内側で回転運動をもたらすことができるように弁本体1内に配置されることが留意される。この選択的誘導回転運動は、明らかに、電磁界発生素子3の作動によって強いられる。第2の変位可能なアクチュエータ2は第1の弁本体1の内側に配置されるので、入力経路11および12のうちの1つを塞ぐように、変位可能なアクチュエータ2の一部を弁本体1の2つの該入力経路11および12のうちの1つに配置する(かつ配置され続ける)ことができる。
図8A、図8B、および図8Cに示されるように、弁本体1の入力経路11および12を閉鎖する変位可能なアクチュエータ2の一部は、封止領域22と呼ばれる。より詳細には、外径が弁本体1の内径と同じ変位可能なアクチュエータ2の一部は、封止領域22と規定される。この好ましい実施形態の場合は、封止領域22は、弁本体1の入力経路11および12に対して封止の役割を果たす変位可能なアクチュエータ2の外面から成る。
したがって、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11および12と出力経路13との間の流体連通は、前記入力経路11および12、変位可能なアクチュエータ2のリップ24のうちの1つ、変位可能なアクチュエータ2の連通チャネル21、ならびに前記出力経路13の間の位置合わせにより生じる。
他方では、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11および12と出力経路13との間の封止は、前記入力経路11および12と変位可能なアクチュエータ2の封止領域22との間の位置合わせにより生じる。
したがって、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の選択的誘導回転運動は、前記弁本体1の入力経路11および12と出力経路13との間の流体連通または封止を制御することができると述べられ得る。すなわち、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の位置の変化は、代替圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態を変化させ、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の位置の維持は、代替圧縮機の前記流体切替装置の機能状態を維持する。
封止に関しては、これは2つの管状円筒体(弁本体1および変位可能なアクチュエータ2)から成るので、封止領域22は、作用する場合には、弁本体1の入力経路11および12のうちの1つと出力経路13との間の半径方向封止を画定することを強調することが必要である。このタイプの封止は、その効率が封止された入力経路に作用する流体圧力にかかわらず同じであるという事実によって極めて興味深く、すなわち、このタイプの封止は半径方向の封止から成り、封止された入力経路の高圧は変位可能なアクチュエータ2の何らかの意図されない移動を引き起こすことはできず、結局、変位可能なアクチュエータ2の移動経路は回転であるが、封止された入力経路に起こり得る高圧は、変位可能なアクチュエータ2の移動方向と対立しない半径方向作用力のみを生じることになる。
加えて、入力圧力が変位可能なアクチュエータ2の変位方向と異なるこのタイプの封止により、代替圧縮機の流体切替装置は双安定動作をもたらすことができるようになっており、すなわち、代替圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の変化は、電磁界発生素子3によって生成される少なくとも1つのパルスによって引き起こされるが、代替圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の維持は、電磁界発生素子3の非作動によって引き起こされる。
換言すれば、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の回転運動は、電磁界発生素子3によって生成されるただ1つの励起パルスを必要とし、変位可能なアクチュエータ2が静止状態を維持するように活性化される前記電磁界発生素子3を維持するよう要求されず、結局、(1つの入力経路を塞ぎ、他の入力経路を出力経路と流体連通させるために)いったん配置されると、この位置を変化させことができる力はないことになる(結局、作用する「反対の」力のみが塞がれる入力経路の力/圧力であるが、しかしこの力/圧力は、変位可能なアクチュエータ2の移動方向に作用せず、それの配置を変化させることができない)ことが留意される。この特徴は重要であり、結局、電磁界発生素子3の作動に関してエネルギー浪費はない。
したがって、図8Bに示されるように、かつ、代替圧縮機用の前記流体切替装置が図2の2つの蒸発ラインEVAP1およびEVAP2に流体接続されることを考えると、これらの2つの蒸発ラインのうちの1つを選択することができる。たとえば、圧縮機が蒸発ラインEVAP2の冷却剤流体のみを吸い込む必要があることを考えると、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23を(吸引または反発によって)移動させるように電磁界発生部材3を作動させるだけでよく、それにより、変位可能なアクチュエータ2の下部リップ24が蒸発ラインEVAP2の入力経路に位置合わせされ、変位可能なアクチュエータ2の封止領域22が蒸発ラインEVAP1に流体接続される弁本体1の入力経路を塞ぐように、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の結果として生じる回転が引き起こされる。圧縮機が蒸発ラインEVAP1の冷却剤流体のみを吸い込む必要がある逆の状況が、図8Cに示されており、この状況においては、同じ機能的論理が生じ、すなわち、変位可能なアクチュエータ2は、それに応じて作用するように、変位可能なアクチュエータ2の上部リップ24が蒸発ラインEVAP1の入力経路に位置合わせされ、変位可能なアクチュエータ2の封止領域22が蒸発ラインEVAP2に流体接続される弁本体1の入力経路を塞ぐように回転され、図8Bに示される状況の作動とは反対に電磁界発生素子3を作動させるだけでよく、すなわち、図8Bの変位可能なアクチュエータ2の位置が「正のパルス」に起因する場合は、図8Cの変位可能なアクチュエータ2の位置は、「負のパルス」に起因することになる。
本発明の主目的によれば、好ましいまたは他の実施形態にかかわらず、代替圧縮機用の流体切替装置は代替圧縮機用の吸込流体切替装置を備え得ることを強調する価値がある。
本発明によれば、また、代替圧縮機用の流体切替装置の好ましい実施形態または他の実施形態を収容するように特に設計される、吸込みの音響フィルタが考えられる。言わば、代替圧縮機の音響フィルタとの代替圧縮機用の流体切替装置の統合が、図9、図10A、図10B、および図10Cに最もよく示されている。
したがって、(代替圧縮機の気密ハウジング内に配置される)流体切替装置を備える音響フィルタは、流体導入の少なくとも2つの別個の経路と流体排出の少なくとも1つの流体排出経路とを備える。より詳細には、前記音響フィルタは、第1の導入経路51を備える気密チャンバ5と、気密チャンバ5から気密に隔離された第2の導入経路61と、上述のおよび番号表示4で参照される、代替圧縮機用の流体切替装置とを備える。
一般に、音響フィルタの気密チャンバ5は、弁本体1の入力経路11に流体接続され、吸込音響フィルタの第2の導入経路61は、弁本体1の入力経路12に流体接続され、音響フィルタの排出経路7は、弁本体1の出力経路13に流体接続される。
特に、第2の導入経路61は、第2のチャンバ6と関連することができ、それは、代替圧縮機の気密ハウジングに対して気密であるかまたは均等にされ得ることがさらに留意される。
一般に、本明細書において述べられる音響フィルタ(もちろん、代替圧縮機用の流体切替装置の存在を含めて)は、2つの流体入力およびただ1つの流体出力を有することによってこれらとは異なる、既に存在する音響フィルタに基づく音響フィルタと考えられ得る。
したがって、かつ、上述のように、前記音響フィルタは、異なる冷却ラインから冷却剤流体の不適当な混合物を発生しないように少なくとも1つの隔離室を含むことが必要である。
特に図10Bに関連して、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23とそれ自身の電磁界発生素子3は共に、流体切替装置4から物理的に切断され、音響フィルタ内に配置され得るということが理解できる。図10Cに関しては、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23とそれ自身の電磁界発生素子3は共に、流体切替装置4から物理的に切断され、音響フィルタの外に、すべてを含めて配置され得るということが理解できる。
本発明の目的について好ましいおよび他の実施形態の実施例を説明してきたが、本発明の範囲は他の可能な変形を含むことができ、この変形は、専ら特許請求の範囲の用語によって限定され、本明細書において可能な均等手段を含むことを理解されたい。
本発明は、往復動圧縮機用の流体切替装置、およびより詳細には、少なくとも2つの独立した入力と、少なくとも1つの単一化された出力と、別個の入力の1つと単一化された出力との間の流体連通を促進することができる選択的に動作可能な少なくとも1つの要素とを備える、吸込みの流体切替装置に関する。
さらに、本発明は、少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタ(吸込フィルタ)に関する。
往復動圧縮機用の前記流体切替装置は、少なくとも2つの独立したラインの同等の機能から成る冷却システム、すなわち、少なくとも2つの独立したラインの流体の中で1つの選択を可能にするように、少なくとも2つの独立したラインの吸込みからなる冷却システムで作動することができる往復動圧縮機を統合するという主目的を有する。
当業者に知られているように、現時点での技術水準は、圧縮機の大きな形態、および特に、冷却システムで使用されることができる圧縮機の大きな形態を含む。一般に、形態にかかわらず、圧縮機は、圧縮室の内部容積の連続する変化を通して作動流体を圧縮することを目的としている。
往復動圧縮機の場合は、圧縮室の容積を変化させることは、圧縮ピストンによって行われ、この圧縮ピストンは、通常、中空円筒体によって画定される前記圧縮室内で軸線方向に往復移動される。この形態においては、圧縮ピストンの往復移動は、回転モータ、偏心軸およびロッドの統合された組から得られ、またはまさに、リニアモータの滑子によって生じることから得られ得る。
回転圧縮機の場合は、圧縮室の容積を変化させることは、前記圧縮室内で半径方向に偏心的に変位される圧縮軸によって行われ、この圧縮室は、通常、中空円筒体によって画定される。この形態においては、圧縮軸の偏心運動は、回転モータから得られる。
スクロール圧縮機の場合は、圧縮の複数の仮想室が定義され、これらの室の容積変化は、渦巻状部品の間に生じる軌道運動によって行われる。この形態においては、変位可能な渦巻状部品の軌道運動は、回転モータおよびオルダムリングの統合された組から得られる(回転運動を軌道運動に変換する機構)。
圧縮機のこれらの3つの形態は、当業者によって完全に理解されている。そのうえ、これらの3つの形態を持つ圧縮機により統合される冷却システムがまた、当業者に知られている。
これらの3つの圧縮機形態の機能的使用法に関しては、構造上の差異により、この種の形態は異なる方法を通して同様の目的を達成し得るということが理解できる。
この筋書の一実施例は、これらの形態が二元蒸発冷却システムにおいて機能的に実施され得る異なる形態に言及している。
当業者に知られているように、二元蒸発冷却システムは、少なくとも2つの独立した蒸発器によって統合されるシステムを備え、各々は、異なる圧力で作動する。したがって、冷却システムには少なくとも2つのやはり独立した吸込ラインが設けられることが必要であり、この吸込ラインは、圧縮機の形態に応じて1つまたは複数の圧縮部との流体連通を有することができる。
スクロール圧縮機の場合は、かつ、異なる圧力(圧縮部の周縁と中央との間の増大勾配)の複数の圧縮室が渦巻状部品に沿って画定されることを考えると、二元蒸発の冷却システムを実施することは比較的容易である。
文献米国特許第4673340号明細書、米国特許第5722257号明細書、米国特許第6196816号明細書、米国特許第5996364号明細書、米国特許第4696627号明細書、米国特許第6364643号明細書、米国特許出願公開第20060140804号明細書、米国特許第7418833号明細書において説明され、例示されているように、スクロール圧縮機を備える二元蒸発冷却システムが設けられ、その場合、各吸込ラインは、渦巻状部品の特定領域と流体連通している。したがって、高圧吸込ラインは、渦巻状部品の中央領域(高圧)と流体連通していることができるが、低圧吸込ラインは、渦巻状部品の周縁領域(低圧)と流体連通していることができる。
この場合は、吸込ラインのうちの少なくとも1つは気密であることが必要であり、またはあるいは、同じハウジングは2つの気密領域を有し、各々は単一の吸込ラインに均等にされていることが必要である。そのうえ、注目すべきは、スクロール圧縮機を備える二元蒸発冷却システムにおいては、2つの吸込ラインの中の1つの流れを選択することは必要でなく、すなわち、2つの吸込ラインの冷却流体は連続的に吸い込まれ得るということである。
スクロール圧縮機の二元蒸発冷却システムの実施は比較的容易であるが、この圧縮機形態は、主として容量が大きいシステムに適用されることが留意される。そのうえ、また当業者に知られているように、スクロール圧縮機の製造および保守は、往復動および回転圧縮機の製造および保守よりも実質的により複雑である。
回転圧縮機の場合は、かつ、2つ以上の圧縮の独立した領域が同じ圧縮室に配置され得ることを考えると、二元蒸発冷却システムを実施することはまた、比較的容易である。
文献米国特許第2976698号明細書、米国特許第2481605号明細書、米国特許第4622828号明細書、および米国特許第2333899号明細書において説明され、例示されているように、回転圧縮機を備える二元蒸発冷却システムが設けられ、その場合、各吸込ラインは、単一の圧縮室の特定領域に流体接続される。明らかに、この種の実施形態は、回転圧縮機の2つの圧縮領域の間に気密の隔離要素の存在を必要とする。したがって、同じ圧縮軸が、同じ圧縮室の圧縮の独立した領域に存在する流体を同時に、かつ異なる圧縮係数で圧縮する。
この場合は、2つの吸込ラインは気密であることが必要であり、結局、往復動圧縮機は、スクロール圧縮機および往復動圧縮機の場合のように、均等化ハウジングを設けない。そのうえ、注目すべきは、上に述べたように、回転圧縮機を備える二元蒸発冷却システムにおいては、2つの吸込ラインの中の1つの流れを選択することは必要でなく、すなわち、2つの吸込ラインの冷却流体は、連続的に吸い込まれ得るということである。
しかしながら、回転圧縮機の2つの圧縮領域の間の前記気密の隔離要素は、製造、取り付け、および保守の場合であろうとなかろうと、複雑性が高いことが留意される。
あるいは、回転圧縮機の同じ圧縮室の2つの圧縮領域を隔離するのに使用される前記気密の隔離要素は、流体切替弁によって取り替えられ得る。
この種の代替実施形態は、文献米国特許第6428284号明細書において説明され、例示されており、その場合、回転圧縮機は、ただ1つの圧縮領域を画定し、2つの吸込ラインの中の1つの流体吸込流れを選択することが必要である。この場合は、2つの入力および1つの出力から成る切替弁の使用が規定されており、そこでは、前記弁の出力は、圧縮室の直前に配置される。
さらにあるいは、二元蒸発冷却システムは、ツイン回転圧縮機において容易に実施されることができ(その場合、ただセット全体について単一の圧縮軸を持つ、互いに隔離された2つの圧縮室がある)、各吸込ラインは、圧縮室のうちの1つに流体接続される。それにもかかわらず、ツイン往復動圧縮機は、あらゆる目的に対して、2つの独立した回転圧縮機として考えられることができ、それは、二元蒸発冷却システムを単一の圧縮機で実施する提案を越える。
往復動圧縮機の場合は、かつ、各圧縮部がただ1つの圧縮室を画定することを考えると、二元蒸発冷却システムを実施することは、本質的により複雑になる。
往復動圧縮機を用いた二元蒸発冷却システムの一実施例が、文献特開2003−083247号公報に開示されており、そこでは、前記往復動圧縮機は、すなわちあらゆる目的について2つの異なる圧縮部と同等である、単一の圧縮ピストンおよび2つの独立したシリンダによって画定される、二重圧縮のユニットを備える。したがって、各吸込ラインは、圧縮シリンダのうちの1つに流体接続される。また、この実施形態は、2つの吸込ラインを画定することに加えて、蒸発器に流体接続される前に単一化される、2つの蒸発ラインを画定する。
この場合は、2つの圧縮シリンダを使用する必要があることに加えて、また、圧縮シリンダの排気出力を単一化する必要がある。また、これらの態様は、二元蒸発冷却システムの製造コストを増大することに加えて、単一の圧縮部が2つの独立したシリンダの作動を担うので、圧縮機をあまり安定させない。
往復動圧縮機を用いた二元蒸発冷却システムのもう1つの実施例が、文献米国特許第5531078号明細書に説明されており、そこでは、前記往復動圧縮機は、単一の圧縮部によって画定される構成的に従来のものを備える。
この実施例においては、圧縮機と特に協働する冷却システムは、(さらに、凝縮器および膨張要素に対して)互の間に圧力差のある2つの独立した吸込ラインに備えており、これらのラインのうちの一方は、「高圧ライン」であり、他方は、「低圧ライン」である。2つの弁がやはり設けられ、1つのオン/オフ弁およびチェック弁である。
オン/オフ弁は、圧縮機気密ハウジングの外側に、高圧ラインのある部分に配置される。チェック弁は、圧縮機気密ハウジングの内側に、2つの吸込ラインの間に配置される。したがって、オン/オフ弁が開かれると、高圧ラインの流体は、圧縮機ヘッドの方へ流れ、高圧ラインの圧力はチェック弁を低圧ラインの阻止位置に維持するのに十分であるので、このように、チェック弁を通して低圧ラインをやはり阻止する。オン/オフ弁が閉じられると、低圧ラインの流体は、チェック弁の位置を変化させ、低圧ラインを塞ぎ、それは、圧縮機ヘッドと流体連通になる。
この場合は、明らかに、往復動圧縮機は一度に2つの吸込ラインのうちの1つのみを作動させ、すなわち、流体の圧縮は、同時に起こるのではなく、むしろ選択的であることが留意される。この例示においては、2つの吸込ラインは気密であることが留意される。せいぜい、前記切替弁は往復動圧縮機の気密ハウジング内に配置されることがまた留意される。
たとえ理論的には機能的と言えども、文献米国特許第5531078号明細書において説明される二元蒸発冷却システムは、「ゴーストボリューム」に関して複数のマイナス面を有する。用語「ゴーストボリューム」は、出力弁と圧縮機ヘッドとの間に配置される配管に「残存する」残留ガス量を指す。
オン/オフ弁が切り換えられ、吸込ラインと圧縮機ヘッドとの間の流体連通交換を促進すると、「以前の吸込み」の残留ガスは、「現在の吸込み」の流体が実際に出口弁と圧縮機ヘッドとの間に配置される配管の容積全体を占めるまで圧縮機によって引き続き吸い込まれる、すなわち、圧縮シリンダの内側のオン/オフ弁交換と吸込圧力交換との間に遅れがある。明らかに、「ゴーストボリューム」の苛酷さは、弁出口と圧縮機ヘッドとの間に配置される配管の寸法(直径および長さ)に直接比例する。
この「ゴーストボリューム」、またはまさに、圧縮シリンダの内側のオン/オフ弁交換と吸込圧力交換との間のこの遅れは、冷却システム全体の効率をひどく損なう場合がある。
このマイナス面を改善することを目標として、最適化された解決策が開発されたが、それは、文献国際出願PCT/BR2011/000120号(米国特許出願公開第2013160482号明細書に相当する)において完全に説明されている。
国際出願PCT/BR2011/000120号(米国特許出願公開第2013160482号明細書に相当する)で説明される第1の解決策は、単一の圧縮室に2つの吸込入口が設けられる、特に二元蒸発冷却システムで実施するために設計された二重吸込往復動圧縮機に関する。よって、切換弁の必要性に取って代わる、選択的にすぐに使用可能な2つの吸込弁がまた設けられ、それによって、「ゴーストボリューム」と関係がある問題全体が解決される。
しかしながら、この第1の解決策は、複雑な機能的適応を必要とし、その場合、圧縮シリンダおよび板弁は、2つの吸込穴(および排気口の1つ)を収容するような大きさにされる必要がある。せいぜい、(往復動圧縮機の吸込弁への使用のように)非自動作動の少なくとも1つの吸込弁、好ましくはソレノイドタイプ、を使用することが必要であり、それはまた、板弁に取り付けられるように特に寸法決めされなければならない。機能的とは言え、この第1の解決策は、構成するのに複雑で困難であると考えられ得る。
文献国際出願PCT/BR2011/000120号(米国特許出願公開第2013160482号明細書に相当する)で説明される第2の解決策は、(「高圧ライン」および「低圧ライン」と考えられ得る)異なる圧力でまた作動する、加えて単一の流体切替装置と、特に2つの独立した吸込ラインから得られる流体切替装置とをさらに備える(ただ1つの吸込入力およびただ1つの排気出力に備える圧縮シリンダを持つ)従来の往復動圧縮機に関する。この解決策においては、吸込ラインのうちの少なくとも1つは、気密である必要がある。
手短に言えば、この第2の解決策は、概念的に、文献米国特許第5531078号明細書で説明された解決策に比較されることができ、文献国際出願PCT/BR2011/000120号(米国特許出願公開第2013160482号明細書に相当する)の第2の解決策の大きな違いは、前記文献米国特許第5531078号明細書で説明したように、2つの弁ではなくて2つの吸込ラインの中の1つの選択を担う単一の装置の使用に関係する。結果として、国際出願PCT/BR2011/000120号の実施形態の前記第2の解決策は、吸込流体の選択が単一の装置によって行われるので、より堅牢で実際的で効率の良い実施形態から成る。
しかしながら、文献国際出願PCT/BR2011/000120号(米国特許出願公開第2013160482号明細書に相当する)で説明した第2の解決策は、留意され得るように、主として概念的であり、すなわち、流体切替装置と関係がある可能な構成手段ではなく、それの機能原理のみが説明されかつ/または例示されている。
この意味で、往復動圧縮機を参照しないにもかかわらず、本発明の1つに全く類似する流体切替装置の構成実施形態を既に開示している文献独国特許出願公開第3909551号明細書を引用することができる。他方では、流体切替装置の他のあまり関連性のない実施形態を説明している文献米国特許出願公開第2003136928号明細書、および米国特許出願公開第201306242号明細書を引用することができる。
したがって、かつ、独国特許出願公開第3909551号明細書を考慮しても、現時点での技術水準は、上で引用した問題すべてを解決することができ、やはりより簡潔な解決策を含む解決策、すなわち、できるだけ小さな装置の複数の吸込ラインの選択を可能にする建設的な解決策を欠いているように思える。
したがって、本発明が起こるのはこの筋書に基づいている。
米国特許第4673340号明細書
米国特許第5722257号明細書
米国特許第6196816号明細書
米国特許第5996364号明細書
米国特許第4696627号明細書
米国特許第6364643号明細書
米国特許出願公開第2006/0140804号明細書
米国特許第7418833号明細書
米国特許第2976698号明細書
米国特許第2481605号明細書
米国特許第4622828号明細書
米国特許第2333899号明細書
米国特許第6428284号明細書
特開2003−083247号公報
米国特許第5531078号明細書
国際出願PCT/BR2011/000120号
米国特許出願公開第2013/160482号明細書
独国特許出願公開第3909551号明細書
米国特許出願公開第2003/136928号明細書
米国特許出願公開第2013/06242号明細書
したがって、本発明の1つの目的は、往復動圧縮機用の流体切替装置、およびより詳細には、二元蒸発冷却システムで作動することができる往復動圧縮機と関係がある最適化された構成手段を開示することである。よって、本発明のもう1つの目的は、往復動圧縮機用の前述の流体切替装置には少なくとも2つの独立した入力と、2つの独立した入力の中の少なくとも1つを選択するための少なくとも1つの機構とが設けられることである。
加えて、本発明の目的のうちの1つはまた、今扱われている往復動圧縮機用の流体切替装置が、コンパクトな配置またはコンパクトな往復動圧縮機を提供するために、往復動圧縮機に属する音響フィルタに配置され得ることである。
上記の要約された目的は、今明らかにされる往復動圧縮機用の流体切替装置によって完全に達成される。
本発明によれば、本明細書において開示される往復動圧縮機用の前記流体切替装置は、往復動圧縮機の気密ハウジング内に配置され、少なくとも2つの入力経路、および少なくとも1つの出力経路を備える。
このように、交番圧縮機用の流体切替装置は、少なくとも1つの弁本体、少なくとも1つの変位可能なアクチュエータ、および少なくとも1つの電磁界発生部材を備え、そこでは、可動アクチュエータが弁本体内に配置される。
一般に、前記弁本体は、少なくとも2つの入力経路と、少なくとも1つの出力経路とを備える管状本体を備え、前記変位可能なアクチュエータは、少なくとも1つの連通チャネルと、少なくとも1つの封止領域と、電磁界発生素子と協働する少なくとも1つの相互作用手段とを備える管状本体を備える。
次に、前記電磁界発生素子は、協働的相互作用手段を通して、弁本体の内側の変位可能なアクチュエータの選択的誘導移動を誘発することができ、そこでは、弁本体内の変位可能なアクチュエータの(軸線方向または回転の)選択的誘導移動は、前記弁本体の入力経路と出力経路との間の流体連通または封止を制御することができる。
したがって、本発明によれば、往復動圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の変化は、電磁界発生素子によって生成される少なくとも1つのパルスによって引き起こされ、往復動圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の維持は、電磁界発生素子の非駆動によって引き起こされる。これは、往復動圧縮機用の流体切替装置は双安定であることが好ましいことを意味する。
非限定的に、本明細書において開示された往復動圧縮機用の流体切替装置は、吸込みの流体切替装置を備えることができる。
本発明によれば、流体切替装置を備える音響フィルタがまた予測され、前記フィルタは、往復動圧縮機の気密ハウジング内に配置され、流体導入の少なくとも2つの別個の経路および流体排出の少なくとも1つの経路を備える。
本発明によれば、流体切替装置を備える前記音響フィルタは、少なくとも1つの第1の導入経路を備える少なくとも1つの気密チャンバと、気密チャンバから気密に隔離された少なくとも1つの第2の導入経路と、少なくとも1つの弁本体、少なくとも1つの変位可能なアクチュエータ、および少なくとも1つの電磁界発生素子から成る、少なくとも1つの流体切替装置とを備える。
今開示される往復動圧縮機用の前記流体切替装置は、往復動圧縮機の気密ハウジング内に配置され、少なくとも2つの入力経路および少なくとも1つの出力経路を備える。
このように、往復動圧縮機用の流体切替装置は、少なくとも1つの弁本体、少なくとも1つの変位可能なアクチュエータ、および少なくとも1つの電磁界発生素子を備え、そこでは、変位可能なアクチュエータが弁本体内に配置される。
一般に、前記弁本体は、少なくとも2つの入力経路と、少なくとも1つの出力経路とを備える管状本体を備え、前記変位可能なアクチュエータは、少なくとも1つの連通チャネルと、少なくとも1つの封止領域と、電磁界発生素子と協働する少なくとも1つの相互作用手段とを備える管状本体を備える。
次に、前記電磁界発生素子は、協働的相互作用手段を通して、弁本体の内側の変位可能なアクチュエータの選択的誘導移動を誘発することができ、そこでは、弁本体内の変位可能なアクチュエータの(軸線方向または回転の)選択的誘導移動は、前記弁本体の入力経路と出力経路との間の流体連通または封止を制御することができる。
本発明は、下に列挙される例示図に基づいて詳細に説明される。
現時点での技術水準に属する二元蒸発冷却システムの第1の実施例を示す図である。
本発明による二元蒸発冷却システムを示す図である。
本発明による流体切替装置の第1の実施形態を分解斜視で示す図である。
本発明による流体切替装置の第1の実施形態に属する変位可能なアクチュエータの構造上の可能性を示す図である。
本発明による流体切替装置の第1の実施形態に属する変位可能なアクチュエータの構造上の可能性を示す図である。
異なる運転状況における図3の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
異なる運転状況における図3の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
異なる運転状況における図3の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
本発明による流体切替装置の第1の実施形態の構造上の可能性を示す図である。
本発明による流体切替装置の第2の実施形態を分解斜視で示す図である。
異なる運転状況における図7の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
異なる運転状況における図7の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
異なる運転状況における図7の流体切替装置を概略断面図で示す図である。
本発明による少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタの上部を斜視画法で示す図である。
本発明による少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタの可能な実施形態を示す図である。
本発明による少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタの可能な実施形態を示す図である。
本発明による少なくとも1つの流体切替装置を備える音響フィルタの可能な実施形態を示す図である。
本発明の目的は添付の図面を参照して詳細に記述され説明されるが、それは、適応および変更がそれにより請求された本発明の範囲を逸脱することなく行われ得るので、非限定的な、単に例示の性質を有する。
前もって、また先に述べたように、本発明の主目的は、往復動圧縮機用の、およびより詳細には、少なくとも2つの独立したラインの中の1つの選択を可能にするために、少なくとも2つの独立したラインの機能的に同等のもの(少なくとも2つの吸込みの独立したライン)から成る冷却システムで作動することができる往復動圧縮機用の、流体切替装置に関連している最適化された構造的な方法を開示することである。
したがって、本発明に直接的により関連している現時点でのおよび一般的な技術水準を明らかにするために、かつ本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するために、上述の図を参照する。
図1は、現時点での技術水準に属する二元蒸発冷却システムを概略的に示している。
この種のシステムは、凝縮器CONDによって、チェック弁SVによって、2つの膨張弁VE1およびVE2、ならびに2つの蒸発器EVAP1 EVAP2によって主として圧縮機COMPから構成される。凝縮器CONDは、凝縮ラインLCONDを介して圧縮機COMPに流体接続され、蒸発器EVAP1およびEVAP2は、単一の蒸発ラインLEVAPTを介して圧縮機COMPに流体接続され、この単一の蒸発ラインLEVAPTは、実際に、蒸発器EVAP1およびEVAP2の2つの蒸発ラインLEVAP1と蒸発ラインLVAP2との間の接続部である。これは、圧縮機COMPには、(凝縮ラインLCONDに接続される)単一の排出ダウエルおよび(蒸発器ラインLEVAPTに接続される)単一の吸込ダウエルが設けられるということを意味する。この場合は、注目すべきは、圧縮機COMPは、一時に2つの蒸発ラインLEVAP1およびLEVAP2のうちのただ1つで作動する傾向があり、それらの間の選択は、圧縮機COMPの外側にある、より詳細には、凝縮器CONDの出力の直後のチェック弁VSによって行われるということである。このタイプの実施形態の問題は、本明細書のセクション「背景技術」において説明されていることに加えて、広く知られている。しかしながら、蒸発ラインLEVAPTは、通常、蒸発器EVAP1およびEVAP2の2つの蒸発ラインLEVAP1およびLVAP2から得られる両者の混合物に曝されることが強調される。
図2は、今開示される往復動圧縮機用の吸込みの流体切替装置で作動することができる二元蒸発冷却システムを示している。図2に示される冷却システムは、本質的に、圧縮機COMP、凝縮器COND、2つの膨張弁VE1およびVE2、ならびに2つの蒸発器EVAP1およびEVAP2から成り、凝縮器CONDは、凝縮ラインLCONDを介して圧縮機COMPに流体接続され、蒸発器EVAP1およびEVAP2は、2つの蒸発ラインLEVAP1およびLEVAPT2を介して圧縮機COMPに流体接続され、それらは、互に完全に独立しており、すなわち互に接続されていない。
この場合は、注目すべきは、圧縮機COMPは、一時に2つの蒸発ラインLEVAP1およびLEVAP2のうちのただ1つで作動する傾向があり、それらの間の選択は、往復動圧縮機(図3に図示せず)用の吸込みの前記流体切替装置によって行われ、それは、以下で詳細に述べるその好ましい実施形態を有するであろうということである。
図3は、本発明による往復動圧縮機用の流体切替装置の好ましい実施形態を示している。
この好ましい実施形態によれば、往復動圧縮機用の流体切替装置は、基本的に、3つの主な要素、すなわち、弁本体1、変位可能なアクチュエータ2、および電磁界発生素子3から成り、変位可能なアクチュエータ2は、弁本体1内に配置される。
弁本体1は、金属合金で作られる円筒状のシリンダから成ることが好ましい。任意選択的に、この円筒状のシリンダは、やはりポリマーアロイ、または任意の他の硬質合金で作られることもできる。また、弁本体1は、互に軸線方向に間隔を置いて配置され、2つの入力経路11および12を画定する、少なくとも2つの窓(または穴)を含む。これは、複数の入力経路を画定する複数の窓のために任意選択的に設けられるかもしれないことは明白である。
弁本体1は円筒状であるので、それの軸線方向端部のうちの少なくとも1つは、出力経路13をさらに画定する。出力経路13と考えられる端部に向かい合っている軸線方向端部は、封止要素14の助けにより閉じられることが好ましく、それは、弁本体1の形状寸法と同様の形状寸法のプラグを備える。したがって、本発明の好ましい実施形態によるその弁本体1を心に留めておくことは重要であり、この弁本体1は、閉じた軸線方向端部、およびその壁に画定される少なくとも2つの窓を有する簡単な管状本体であり、この2つの窓は軸線方向に間隔を置いて配置される。
上述の弁本体1は少なくとも2つの入力経路11、12および単一の出力経路13を含むことが重要である。
図2の冷却システムの実施例においては、入力経路11および12は、蒸発ラインLEVAP2およびLEVAP1のうちの1つとそれぞれ流体接続することができることが認められる。この流体連通は、溶接、または同等なかつ当業者に広く知られている他の手段などの、いくつかの従来の手段を通して行われ得る。
また、出力経路13は、往復動圧縮機(図示せず)の圧縮機構の吸込穴と流体接続することができ、その流体連通はまた、溶接、または同等なかつ当業者によって広く知られている他の手段などの、いくつかの従来の手段を通して行われ得る。
この好ましい実施形態においては、入力経路11および12は、出力経路13に垂直である。いずれにせよ、(弁本体1のみを考慮すれば)入力経路11、12および出力経路13は、まさに互に流体連通をもたらすことを強調することは重要である。
弁本体1の入力経路11、12は、軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に位置合わせされた穴を備えることが好ましく、また、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11、12は、軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に位置合わせされ、図3に示されるように等距離に配置される穴を備えることが好ましい。
また、変位可能なアクチュエータ2は、金属合金で作られる円筒状のシリンダから成ることが好ましい。任意選択的に、この円筒状のシリンダは、やはりポリマーアロイ、または任意の他の硬質合金で作られることもできる。窓または他の穴なしで、変位可能なアクチュエータ2は、それの2つの軸線方向開口のみを有し、それによって、一種の連通チャネル21を画定する。すなわち、変位可能なアクチュエータ2の前記連通チャネル21は、前記変位可能なアクチュエータ2の外周内に画定される長手方向チャネルから成る。
加えて、前記変位可能なアクチュエータ2はまた、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23を含む。協働的相互作用の前記手段23は、好ましくは壁に、またはまさに前記変位可能なアクチュエータ2の端部に収容される固定磁界の磁石であることが好ましい。任意選択的に、2つの磁石が使用されることができ、各々は、単一の反対の固定磁界によって与えられる。
図4Aにおいては、協働的相互作用の手段23は、変位可能なアクチュエータ2の中間部分に配置される磁石を備える。図4Bにおいては、協働的相互作用の手段23は、変位可能なアクチュエータ2の遠位部分に、それぞれ1つずつ配置される2つの磁石を備える。
一般概念は、変位可能なアクチュエータ2が電磁界発生手段3の駆動に基づいて誘発可能な電磁的構成要素を含むということである。したがって、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23(好ましくは固定磁界の磁石)は、それ自身の第2の管状本体2に配置されることが好ましい。
任意選択的に、かつ図6に示されるように、また、変位可能なアクチュエータ2の協働的相互作用の手段23は、第2の管状本体2に、電磁界発生素子3の磁気変化を比例して変換し伝達することができる少なくとも1つの接続要素26を備えるという可能性がある。
この場合は、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23は、変位可能なアクチュエータ2に対して遠隔配置されるが、しかし接続要素26によって変位可能なアクチュエータ2に協働的に接続されると言われ得る。
この任意選択の可能性は、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23(電磁界発生素子3の駆動に起因して誘発可能な1つまたは複数の磁石)がそれ自身の変位可能なアクチュエータ2の中に強制的に配置されず、遠隔にあってもよいことを明確にするためにのみ述べられる。
電磁界発生素子3は、ソレノイド、および/または電磁石、すなわち、電気的に活性化された場合に鉄系金属構成要素に吸引および/または反発力を発生させることができる任意の電磁構成要素を備えることが好ましい。
現在の好ましい実施形態によれば、電磁界発生素子3は、弁本体1の周りに、特にその中央部分に配置される。
前記電磁界発生素子3は、協働的相互作用の手段23を通して、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の選択的誘導移動を誘発することができ、すなわち、前記電磁界発生素子3は、変位可能なアクチュエータ2に配置される電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23に吸引および/または反発力を発生させるという主目的を有する。
好ましくは、また、変位可能なアクチュエータ2は、選択的かつ誘導的な方法で、前記弁本体1内で軸線方向(または直線)移動をもたらすことができるように弁本体1内に配置されることが留意される。この選択的かつ誘導的な軸線方向変位は、明らかに、電磁界発生素子3の作動によって強いられる。第2の変位可能なアクチュエータ2は第1の弁本体1の内側に配置されるので、入力経路11および12のうちの1つを塞ぐように、変位可能なアクチュエータ2の一部を弁本体1の該入力経路11および12のうちの1つに配置する(かつ配置され続ける)ことができる。
図5A、図5B、および図5Cに示されるように、弁本体1の入力経路11および12を閉鎖する変位可能なアクチュエータ部分2は、封止領域22と呼ばれる。
より詳細には、その外径が弁本体1の内径と同じである変位可能なアクチュエータ部分2は、封止領域22と規定される。現在の好ましい実施形態の場合は、封止領域22は、弁本体1の入力経路11および12に対して封止の役割を果たす変位可能なアクチュエータ2の外面から成る。
したがって、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11および12と出力経路13との間の流体連通は、前記入力経路11および12、変位可能なアクチュエータ2の連通チャネル21、ならびに前記出力経路13の間の位置合わせにより生じる。他方では、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11および12と出力経路13との間の封止は、前記入力経路11および12と変位可能なアクチュエータ2の封止領域22との間の位置合わせにより生じる。
したがって、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の選択的誘導軸線方向移動は、前記弁本体1の入力経路11および12と出力経路13との間の流体連通または封止を制御することができると述べられ得る。すなわち、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の位置の変化は、往復動圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態を変更し、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の位置の維持は、往復動圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態を維持する。
封止に関しては、これは2つの管状円筒体(弁本体1および変位可能なアクチュエータ2)から成るので、封止領域22は、作用する場合には、入力経路11および12のうちの1つと出力経路13との間の半径方向封止を画定し、その直径隙間は、好ましくは5マイクロメートルと30マイクロメートルとの間の値であることを強調することが必要である。
このタイプの封止は、その効率が封止された入力経路に作用する流体圧力にかかわらず同じであるという事実によって極めて興味深く、すなわち、このタイプの封止は半径方向の封止から成るので、封止された経路の高圧は変位可能なアクチュエータ2の何らかの意図されない移動を引き起こすことはできず、結局、変位可能なアクチュエータ2の移動経路は軸線方向であるが、封止された入力経路の起こり得る高圧は、半径方向のおよび変位可能なアクチュエータ2の移動方向に垂直な、応力のみを生じることになる。
加えて、入口圧力が変位可能なアクチュエータ2の変位方向に垂直であるこのタイプの封止により、往復動圧縮機用の流体切替装置は双安定動作をもたらすことができるようになっており、すなわち、往復動圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の変化は、電磁界発生素子3によって生成される少なくとも1つのパルスによって引き起こされるが、往復動圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の維持は、電磁界発生素子3の非作動によって引き起こされない。
換言すれば、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の軸線方向運動は、電磁界発生素子3によって生成されるただ1つの誘発パルスを必要とし、変位可能なアクチュエータ2が静止状態を維持するように活性化される前記電磁界発生素子3を維持するよう要求されず、結局、(1つの入力経路を塞ぎ、他の入力経路を出力経路と流体連通させるために)いったん配置されると、この位置を変化させことができる力はないことになる(結局、作用する「反対の」力のみが塞がれる入口経路の力/圧力であるが、しかしこの力/圧力は、変位可能なアクチュエータ2の移動方向に作用せず、それの配置を変化させることができない)ことが留意される。この特徴は重要であり、結局、電磁界発生素子3の作動に関してエネルギー浪費はない。
したがって、また図5Bに示されるように、往復動圧縮機用の前記流体切替装置が図2の2つの蒸発ラインEVAP1およびEVAP2に流体接続されることを考えると、これらの2つの蒸発ラインのうちの1つを選択することができる。
たとえば、圧縮機が蒸発ラインEVAP2の冷却剤流体のみを吸い込む必要があることを考えると、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23を(吸引または反発によって)移動させるように電磁界発生素子3を作動させるだけでよく、それにより、変位可能なアクチュエータ2の封止領域22が蒸発ラインEVAP1に流体接続される弁本体1の入力経路を塞ぐように、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の結果として生じる変位が引き起こされる。蒸発ラインEVAP1に流体接続される弁本体の入口11は変位可能なアクチュエータ2の封止領域22によって閉塞されかつ/または塞がれるので、閉鎖されない入力経路を通り抜ける蒸発ラインEVAP2の冷却剤流体のみが、弁本体1の出力経路に移動する。圧縮機が蒸発ラインEVAP1の冷却剤流体のみを吸い込む必要がある逆の状況が、図3Dに示されており、この状況においては、同じ機能的論理が生じ、すなわち、変位可能なアクチュエータ2は、そうするように、対象の入力経路を塞ぐために移動され、図5Cに示される状況の作動とは反対に電磁界発生素子3を作動させるだけでよく、すなわち、図5Bの変位可能なアクチュエータ2の位置が「正のパルス」に起因する場合は、図5Vの変位可能なアクチュエータ2の位置は、「負のパルス」に起因することになる。
図7は、本発明による往復動圧縮機用の流体切替装置の他の実施形態を示している。
この他の実施形態によれば、往復動圧縮機用の流体切替装置は、根本的に、3つの主な要素、すなわち、弁本体1、変位可能なアクチュエータ2、および電磁界発生素子3から成り、変位可能なアクチュエータ2は、弁本体1内に配置される。
弁本体1は、金属合金で作られる円筒状のシリンダから成ることが好ましい。任意選択的に、この円筒状のシリンダは、やはりポリマーアロイ、または任意の他の硬質合金で作られることもできる。また、弁本体1は、互に軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に位置合わせされない、2つの入力経路11および12を画定する、少なくとも2つの窓(または穴)を含む。弁本体1は円筒状であるので、それの軸線方向端部のうちの少なくとも1つが、出力経路13をさらに画定する。出力経路13と考えられる端部に向かい合っている軸線方向端部は、封止要素14の助けにより閉じられることが好ましく、この封止要素14は、弁本体1の形状寸法と同様の形状寸法を持つプラグから成る。したがって、本発明の好ましい実施形態による弁本体1は、閉じた軸線方向端部、およびその壁に画定される少なくとも2つの窓を持つ簡単な管状本体であり、この2つの窓は軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に(または角度について)位置合わせされないことを心に留めておくことは重要である。上述の弁本体1は少なくとも2つの入力経路11、12および単一の出力経路13を含むことが重要である。この他の実施形態においては、入力経路11および12は、出力経路13に垂直である。それにもかかわらず、(弁本体1のみを考慮すれば)入力経路11および12と出力経路13とは、まさに互に流体連通をもたらすことに留意することは重要である。
図2の冷却システムの実施例においては、入力経路11および12は、蒸発ラインLEVAP2およびLEVAP1のうちの1つとそれぞれ流体接続することができることが認められる。この流体連通は、溶接、または同等なかつ当業者に広く知られている他の手段などの、異なる従来の手段を通して行われ得る。また、出力経路13は、往復動圧縮機(図示せず)の圧縮機構の吸込穴と流体接続することができ、その流体連通はまた、溶接、または同等なかつ当業者によって広く知られている他の手段などの、異なる従来の手段を用いて行われ得る。
また、この他の実施形態によれば、変位可能なアクチュエータ2はまた、金属合金で作られる円筒状のシリンダから成る。任意選択的に、この円筒状のシリンダは、やはりポリマーアロイ、または任意の他の硬質合金で作られることもできる。
変位可能なアクチュエータには窓または他の穴がない好ましい実施形態とは反対に、この他の実施形態の変位可能なアクチュエータ2は、軸線方向に間隔を置いて配置され、半径方向に位置合わせされる2つのリップ24を備え、また、その軸線方向自由端のうちの1つのみを備え、反対側の軸線方向端部は、封止要素25の助けにより閉鎖される。しかしながら、この他の実施形態の変位可能なアクチュエータ2(ならびに好ましい実施形態の変位可能なアクチュエータ)はまた、一種の連通チャネル21を画定し、それは、前記変位可能なアクチュエータ2の外周内に画定される長手方向チャネルから成る。
さらに、前記変位可能なアクチュエータ2はまた、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23を含む。協働的相互作用の前記手段23は、好ましくは壁に、またはまさに前記変位可能なアクチュエータ2の端部に収容される固定磁界の磁石であることが好ましい。任意選択的に、2つの磁石が使用されることができ、それぞれには相反する固定磁界が設けられる。
一般概念は、変位可能なアクチュエータ2が電磁界発生要素3の作動に基づいて誘発可能な電磁的構成要素を含むということである。したがって、電磁界発生部材3との協働的相互作用の手段23(好ましくは固定磁界の磁石)は、それ自身の第2の管状本体2に配置されることが好ましい。
任意選択的に、変位可能なアクチュエータ2の協働的相互作用の手段23は、第2の本体チューブ2に、電磁界発生部材3の磁気変化を比例して変換し伝達することができる少なくとも1つの機械的伸筋を備えるという可能性がある。この任意選択の図示されない実施形態においては、これは、第2の管状本体2に関して遠く離れて配置される電磁界発生素子3の作動に基づいて誘発可能な磁石のために設けられ、この磁石と第2の管状本体2との間の物理的接続は、伸筋棒によって行われ得る。この任意選択の可能性は、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23(電磁界発生素子3の作動に基づいて誘発可能な1つまたは複数の磁石)がそれ自身の変位可能なアクチュエータ2の中に強制的に配置されず、遠隔にあってもよいことを明確にするためにのみ述べられる。
電磁界発生素子3は、ソレノイド 3、および/または電磁石、すなわち、電気的に活性化された場合に、鉄系金属構成要素に吸引および/または反発力を発生させることができる任意の電磁構成要素から成ることが好ましい。現在の他の実施形態によれば、電磁界発生素子3は、弁本体1の周りに、特にその中央部分に配置される。
前記電磁界発生素子3は、協働的相互作用の手段23を通して、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の選択的誘導移動を誘発することができ、すなわち、前記電磁界発生素子3は、変位可能なアクチュエータ2に配置される電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23によって吸引および/または反発力を発生させるという主目的を有する。
よって、また、変位可能なアクチュエータ2は、選択的かつ誘導的な方法で、前記弁本体1の内側で回転運動をもたらすことができるように弁本体1内に配置されることが留意される。この選択的誘導回転運動は、明らかに、電磁界発生素子3の作動によって強いられる。第2の変位可能なアクチュエータ2は第1の弁本体1の内側に配置されるので、入力経路11および12のうちの1つを塞ぐように、変位可能なアクチュエータ2の一部を弁本体1の2つの該入力経路11および12のうちの1つに配置する(かつ配置され続ける)ことができる。
図8A、図8B、および図8Cに示されるように、弁本体1の入力経路11および12を閉鎖する変位可能なアクチュエータ2の一部は、封止領域22と呼ばれる。より詳細には、外径が弁本体1の内径と同じ変位可能なアクチュエータ2の一部は、封止領域22と規定される。この好ましい実施形態の場合は、封止領域22は、弁本体1の入力経路11および12に対して封止の役割を果たす変位可能なアクチュエータ2の外面から成る。
したがって、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11および12と出力経路13との間の流体連通は、前記入力経路11および12、変位可能なアクチュエータ2のリップ24のうちの1つ、変位可能なアクチュエータ2の連通チャネル21、ならびに前記出力経路13の間の位置合わせにより生じる。
他方では、弁本体1の少なくとも1つの入力経路11および12と出力経路13との間の封止は、前記入力経路11および12と変位可能なアクチュエータ2の封止領域22との間の位置合わせにより生じる。
したがって、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の選択的誘導回転運動は、前記弁本体1の入力経路11および12と出力経路13との間の流体連通または封止を制御することができると述べられ得る。すなわち、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の位置の変化は、往復動圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態を変化させ、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の位置の維持は、往復動圧縮機の前記流体切替装置の機能状態を維持する。
封止に関しては、これは2つの管状円筒体(弁本体1および変位可能なアクチュエータ2)から成るので、封止領域22は、作用する場合には、弁本体1の入力経路11および12のうちの1つと出力経路13との間の半径方向封止を画定することを強調することが必要である。このタイプの封止は、その効率が封止された入力経路に作用する流体圧力にかわらず同じであるという事実によって極めて興味深く、すなわち、このタイプの封止は半径方向の封止から成り、封止された入力経路の高圧は変位可能なアクチュエータ2の何らかの意図されない移動を引き起こすことはできず、結局、変位可能なアクチュエータ2の移動経路は回転であるが、封止された入力経路に起こり得る高圧は、変位可能なアクチュエータ2の移動方向と対立しない半径方向作用力のみを生じることになる。
加えて、入力圧力が変位可能なアクチュエータ2の変位方向と異なるこのタイプの封止により、往復動圧縮機の流体切替装置は双安定動作をもたらすことができるようになっており、すなわち、往復動圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の変化は、電磁界発生素子3によって生成される少なくとも1つのパルスによって引き起こされるが、往復動圧縮機用の前記流体切替装置の機能状態の維持は、電磁界発生素子3の非作動によって引き起こされる。
換言すれば、弁本体1内の変位可能なアクチュエータ2の回転運動は、電磁界発生素子3によって生成されるただ1つの励起パルスを必要とし、変位可能なアクチュエータ2が静止状態を維持するように活性化される前記電磁界発生素子3を維持するよう要求されず、結局、(1つの入力経路を塞ぎ、他の入力経路を出力経路と流体連通させるために)いったん配置されると、この位置を変化させことができる力はないことになる(結局、作用する「反対の」力のみが塞がれる入力経路の力/圧力であるが、しかしこの力/圧力は、変位可能なアクチュエータ2の移動方向に作用せず、それの配置を変化させることができない)ことが留意される。この特徴は重要であり、結局、電磁界発生素子3の作動に関してエネルギー浪費はない。
したがって、図8Bに示されるように、かつ、往復動圧縮機用の前記流体切替装置が図2の2つの蒸発ラインEVAP1およびEVAP2に流体接続されることを考えると、これらの2つの蒸発ラインのうちの1つを選択することができる。たとえば、圧縮機が蒸発ラインEVAP2の冷却剤流体のみを吸い込む必要があることを考えると、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23を(吸引または反発によって)移動させるように電磁界発生部材3を作動させるだけでよく、それにより、変位可能なアクチュエータ2の下部リップ24が蒸発ラインEVAP2の入力経路に位置合わせされ、変位可能なアクチュエータ2の封止領域22が蒸発ラインEVAP1に流体接続される弁本体1の入力経路を塞ぐように、弁本体1の内側の変位可能なアクチュエータ2の結果として生じる回転が引き起こされる。圧縮機が蒸発ラインEVAP1の冷却剤流体のみを吸い込む必要がある逆の状況が、図8Cに示されており、この状況においては、同じ機能的論理が生じ、すなわち、変位可能なアクチュエータ2は、それに応じて作用するように、変位可能なアクチュエータ2の上部リップ24が蒸発ラインEVAP1の入力経路に位置合わせされ、変位可能なアクチュエータ2の封止領域22が蒸発ラインEVAP2に流体接続される弁本体1の入力経路を塞ぐように回転され、図8Bに示される状況の作動とは反対に電磁界発生素子3を作動させるだけでよく、すなわち、図8Bの変位可能なアクチュエータ2の位置が「正のパルス」に起因する場合は、図8Cの変位可能なアクチュエータ2の位置は、「負のパルス」に起因することになる。
本発明の主目的によれば、好ましいまたは他の実施形態にかわらず、往復動圧縮機用の流体切替装置は往復動圧縮機用の吸込流体切替装置を備え得ることを強調する価値がある。
本発明によれば、また、往復動圧縮機用の流体切替装置の好ましい実施形態または他の実施形態を収容するように特に設計される、吸込みの音響フィルタが考えられる。言わば、往復動圧縮機の音響フィルタとの往復動圧縮機用の流体切替装置の統合が、図9、図10A、図10B、および図10Cに最もよく示されている。
したがって、(往復動圧縮機の気密ハウジング内に配置される)流体切替装置を備える音響フィルタは、流体導入の少なくとも2つの別個の経路と流体排出の少なくとも1つの流体排出経路とを備える。より詳細には、前記音響フィルタは、第1の導入経路51を備える気密チャンバ5と、気密チャンバ5から気密に隔離された第2の導入経路61と、上述のおよび番号表示4で参照される、往復動圧縮機用の流体切替装置とを備える。
一般に、音響フィルタの気密チャンバ5は、弁本体1の入力経路11に流体接続され、吸込音響フィルタの第2の導入経路61は、弁本体1の入力経路12に流体接続され、音響フィルタの排出経路7は、弁本体1の出力経路13に流体接続される。
特に、第2の導入経路61は、第2のチャンバ6と関連することができ、それは、往復動圧縮機の気密ハウジングに対して気密であるかまたは均等にされ得ることがさらに留意される。
一般に、本明細書において述べられる音響フィルタ(もちろん、往復動圧縮機用の流体切替装置の存在を含めて)は、2つの流体入力およびただ1つの流体出力を有することによってこれらとは異なる、既に存在する音響フィルタに基づく音響フィルタと考えられ得る。
したがって、かつ、上述のように、前記音響フィルタは、異なる冷却ラインから冷却剤流体の不適当な混合物を発生しないように少なくとも1つの隔離室を含むことが必要である。
特に図10Bに関連して、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23と、それ自身の電磁界発生素子3は共に、流体切替装置4から物理的に切断され、音響フィルタ内に配置され得るということが理解できる。図10Cに関しては、電磁界発生素子3との協働的相互作用の手段23と、それ自身の電磁界発生素子3は共に、流体切替装置4から物理的に切断され、音響フィルタの外に、すべてを含めて配置され得るということが理解できる。