JP2017514880A - チアクマイシン化合物の治療レジメン - Google Patents

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Abstract

i.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日1回投与をさらに10日間、およびii.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間、からなる群から選択される投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物、並びに、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。さらに、クロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)に罹患しており、かつチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物での経口治療を受けている患者において、上記に記載した群から選択される投薬レジメンによりチアクマイシン化合物を経口投与することによって、前記患者の腸ビフィドバクテリウム個体数を、前記治療の開始後15日目〜45日目の間に、チアクマイシン化合物を投与する前の腸ビフィドバクテリウム個体数の50〜90%に回復させるための方法を提供する。

Description

本発明は、患者のクロストリジウムディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢/疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形、または薬学的に許容されるその溶媒和物に関する。
チアクマイシン化合物は、アクチノプラネス科(特に、ダクチロスポランギウムオーランティクム(Dactylosporangium aurantiacum)属、ハムデネシス(hamdenensis)亜種)に属する様々な微生物を適切な栄養培地中、適切な温度で培養し、様々な微生物に対して抗生物質活性を有する化合物を単離することによって得ることができる、抗生物質活性を有する天然に存在する化合物である(チアクマイシンA〜F;米国特許第4,918,174号)。特にチアクマイシンBおよびCは、当時用いられた治療用抗生物質に抵抗性である株を含めた、in vitroで数々のグラム陽性細菌に対する抗生物質活性を有することが判明した。米国特許第5,583,115号は、上記に言及したチアクマイシン化合物A〜Fの誘導体であるジアルキルチアクマイシン化合物が、様々な細菌の病原体に対して、特にクロストリジウム種に対してin vitro活性を有することが見出されたことを開示している。米国特許第5,767,096号は、やはりチアクマイシン化合物A〜Fの誘導体であるブロモチアクマイシン化合物が、いくつかの細菌の病原体に対して、特にクロストリジウム種に対してin vitro活性を有することが見出されたことを開示している。
化学的な視点から、チアクマイシンは、以下の通り、18員大環状環を共有し、大環状環は、置換されていてもよい糖分子1個または2個に対してグリコシド結合している(米国特許第4,918,174号およびWO2004/014295):
Figure 2017514880
WO2004/014295は、ダクチロスポランギウムオーランティクム ハムデネシスの液中好気性発酵により得られる、実質的に純粋なR−チアクマイシンを記載している。WO2006/085838は、R−チアクマイシン、特にR−チアクマイシンBを含む医薬組成物を開示している。R−チアクマイシンBは、C19にR−ヒドロキシ基を含み、クロストリジウム種に対してin vitroで試験した場合、光学的に純粋なS−異性体のチアクマイシンBおよび他のチアクマイシン関連化合物よりも驚くほど低いMIC値を示す。
公開番号第102030791号および第102219815号をそれぞれ有する中国特許出願ならびにS. Niu et al. (2011) in ChemBioChem 12: page 1740-1748は、全てが内側のラムノース部分の2’−O−メチル基を欠く新たなチアクマイシン類似体11個を記載している。これら類似体のうち2つに改善された抗菌性があることが示されている。
R−チアクマイシンBは、フィダキソマイシン(3-[[[6-deoxy-4-O-(3,5-dichloro-2-ethyl-4,6-dihydroxybenzoyl)-2-O-methyl-β-D-mannopyranosyl]oxy]methyl]-12(R)-[[6-deoxy-5-C-methyl-4-O-(2-methyl-l-oxopropyl)-β-D-lyxo-hexopyranosyl]oxy]-ll(S)-ethyl- 8(S)-hydroxy-18(S)-(1(R)-hydroxyethyl)-9,13,15-trimethyloxacyclooctadeca-3,5,9,13,15-pentaene-2-one 又はoxacyclooctadeca-3,5,9,13,15-pentaen-2-one, 3-[[[6-deoxy-4-O-(3,5-dichloro-2-ethyl-4,6-dihydroxybenzoyl)-2-O-methyl-β-D-mannopyranosyl]oxy]methyl]-12-[[6-deoxy-5-C-methyl-4-O-(2-methyl-l-oxopropyl)-β-D-lyxo-hexopyranosyl]oxy]-11-ethyl-8-hydroxy-18-[(lR)-1-hydroxyethyl]-9,13,15-trimethyl-,(3E,5E,8S,9E,11S,12R,13E,15E,18S))の名称でも知られている。これは、抗菌スペクトルが狭い化合物であり、クロストリジウムディフィシル、ならびにブドウ球菌(staphylococci)および腸球菌(enterococci)の殆どの株に対する活性があるが、グラム陰性菌および真菌に対する活性はほぼない。これはダクチロスポランギウムオーランティクムの発酵によって得られ、以下の式(II)に対応する:
Figure 2017514880
in vitroのBCS試験によると、フィダキソマイシンはBCS(生物薬剤分類システム)クラスIVの化合物(難溶解性、低透過性)である。フィダキソマイシンを経口投与すると、腸管から吸収されにくく、したがってこれに伴う全身性の副作用の出現率は低い。
フィダキソマイシン200mgを含む錠剤は、欧州において(登録商標Dificlirとして)、および米国において(登録商標Dificinとして)市販されている。
未公開である国際特許出願PCT/EP2014/000091は、安定化された懸濁製剤を調製するための消泡剤として用いられる、キサンタンガム、カラゲナン、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、水分散性セルロース(微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム)、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される賦形剤との混合物におけるチアクマイシン化合物を含む組成物を開示している。
フィダキソマイシンは、クロストリジウムディフィシル関連下痢または疾患(CDAD)としても知られる、クロストリジウムディフィシル感染症(CDI)の治療、および再発の防止に適応がある。CDIは、世界中の医療施設に対する大きな負担である(Wiegand P.N., Nathwani D., Wilcox M.H. et al. in J. Hosp Infect of 10 April 2012; Ghantoji S.S., Sail, K. Lairson D.R. (2010) in J. Hosp. Infect. 74: 309-318)。これらの感染症は通常、抗菌剤使用後の腸内細菌叢の組成および機能における変化によって引き起こされ、抗生物質起因性下痢(AAD)と呼ばれる。
クロストリジウムディフィシル感染症は、消化器系に罹患し得る細菌感染症の一タイプである。最も一般的には抗生物質で治療したヒトが罹患する。C.ディフィシル感染症の症状は、軽度から重度まで幅があり、下痢、38℃を超える高体温(発熱)、および有痛性の腹部痙攣が含まれる。C.ディフィシル感染症は、ガスの蓄積からの重度の腸の膨潤(中毒性巨大結腸)など、命を脅かす合併症もまねき得る。C.ディフィシル関連疾患(CDAD)としても知られるクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)とは、偽膜のある又は無い重症の大腸炎の症例を含め、この菌の生成する毒素によって引き起こされる広域の下痢疾病を意味する。AADの発生率は大きく変動し、院内発生、抗生物質処方のパターン、および個体の感受性を含む数々の因子によって影響を受ける。抗生物質で治療される入院患者全体の10%から15%がAADを発症すると推定される。最も重要なのは、2倍ほどが無症候性キャリアになることである。リスク因子には、免疫不全状態、高齢、腹部の外科手術、共存症、抗生物質のタイプおよび長期使用、胃酸の減少、ならびに入院の長さが含まれる。例えば、C.ディフィシルに対する感染率は、入院2週間後ではおよそ10%であるが、4週間後以降に50%に到達し得ると報告されている(McFarland LV. Epidemiology, risk factors and treatments for antibiotic-associated diarrhea. Dig Dis 1998; 16:292-307)。全ての群の抗生物質がAADを引き起こし得るが、広域スペクトルを網羅するもの、特に、セファロスポリン、フルオロキノロン、広域(extended−coverage)ペニシリン、およびクリンダマイシンが最もよくある原因である(Wistrom J, Norrby SR, Myhre E, et al. Frequency of antibiotic-associated diarrhoea in 2462 antibiotic-treated hospitalized patients: a prospective study. J Antimicrob Chemother 2001; 47:43-50)。
治療の選択肢は限られており、患者の腸内微生物叢の回復に対する影響や高率の再発を伴う。
したがって、改善された治療オプションおよび投薬レジメンが依然として必要とされている。フィダキソマイシンは、抗菌スペクトルが狭いことに加えて、C.ディフィシルに対する投与後の抗菌効果も長い。患者に対する明らかなメリットに加えて、再発の防止は、C.ディフィシル感染症のさらなる症状発現に係る治療費用を取り除き、そしてヒトからヒトへの伝染率を低下させるはずである。成人および高齢者(65歳以上)に現在推奨される治療レジメンは、10日間1日2回(q12時間)200mg投与である。
これはCDIに対する効果的な治療であり、バンコマイシンに比べて低下した再発率を有する。しかし、この治療/投薬レジメンは、微生物叢の回復に最適化したものではなく、バンコマイシンおよびメトロニダゾールに対する既存の手法に基づいて選択したものであった。バンコマイシンおよびメトロニダゾールは両方とも微生物叢を乱し、したがって治療終了後まで回復は始まらない。
2つのフェーズIII無作為二重盲目臨床試験において、フィダキソマイシンは、CDIの初期の臨床的治療においてバンコマイシンに非劣性を示し、一方、再発の低減および臨床応答の維持において優れていることが実証された(Crook et al.(2012) in Clin. Infect. Dis. 55(Suppl 2): S93-103)。
フェーズIII臨床試験では、フィダキソマイシンまたはバンコマイシン治療が失敗する危険性は、10日未満の各治療日において倍増した(T. Louie et al. Poster presented at 22nd European Congress of Clinical Microbiology & Infectious Diseases, March 31 - April 3, 2012, London)。フィダキソマイシンは腸内微生物叢に対する影響が比較的低いため、長期の処置期間の間に細菌がより良好に回復できるようになり得、そのためCDI再発の危険性は低下する(T.J. Louie et al. (2012) in Clin. Infect. Dis. 55(S2) S132-142 ; Tannock in Microbiology (2010), 156, 3354-3359 (Phase II trials))。
このように、C.ディフィシル感染症(CDI)のマネージメントは、再発(RCDI)による2回目の症状発現が50%を超えるという高再発率によって複雑化する。指針では、バンコマイシン漸減療法により複数の再発をマネージメントすることが推奨された。この方法がうまくいかない患者に、利用できる明確な推奨はない。最近の症例の一連の報告(Soriano et al in Exp Rev Antiinf Ther 2013;11:767-776)では、バンコマイシン漸減療法に抵抗性である複数回のRCDI患者に、フィダキソマイシン200mgを1日2回(BID)10日間投与(FID−TX)又はCDI治療を繰り返した後に追加(chaser)としてフィダキソマイシン10日間投与(FID−CH)、もしくは1日200mgを7日間投与後7-26日は200mgを1日置きに投与(QOD)する漸減療法(FID−TP)のいずれかを行った。人口統計学的情報、CDI歴、治療結果、および症状のない間隔(SFI)を患者の記録から収集した。治療終了までに症状治まり、さらなる抗生物質を必要としなかった場合に治療成功とみなした。RCDIは、以前の症状発現に対して治療が成功した後の、CDI症状の発症と規定した。患者14人に、RCDIに対して18コースのフィダキソマイシン投与を実施した(平均年齢60歳、以前のCDI症状発現平均4.6回、以前のバンコマイシン漸減療法平均2.3回)。18コース全てが治療成功という結果に終わった(FID−TXが3コース、FID−CHが8コース、およびFID−TPが7コース)。FID−TXの3コースのうち、RCDI症状発現が2例存在した(66%)。抗生物質の暴露によってRCDIを排除したとき、FID−CHの8コース後に観察されたRCDIは2例(25%)であり、FID−TPの7コース後にはRCDIは見られなかった。バンコマイシン漸減療法後、平均SFIは37日であった。FID−TX、FID−CH、およびFID−TP後の平均SFIはそれぞれ、73、240、および150日であった。複数のバンコマイシン漸減療法に失敗したRCDIを有する患者は、フィダキソマイシン治療後に症状が解決した。3レジメン全てが、バンコマイシン漸減に比べてより長いSFIをもたらした。FID−TP後にRCDIを経験した患者はいなかった。FID−CHのSFIが最も長かった、けれどもFID−TPでのフォローアップ時間がこのレジメンの実施が最近であったため短かった。これらの結果により、フィダキソマイシンを用いてRCDIを治療する有用性が示唆される(M.M. Soriano et al. Abstract 42591; presentation No. 1410; IDWeek, 5 October 2013)。
成人患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の治療のための、フィダキソマイシンの使用であって、以下の群から選択される投薬レジメンが、C.H.Chiltonによって、2013年9月のICAAC会議の間に言及された(参照例;C.H. Chilton et al. (2013) in J. Antimicrobial Chemotherapy Advance Access Sept 2013 and C.H. Chilton et al., abstract 23rd European Congress of Clinical microbiology & Infectious Disease, April 27-30, 2013, Berlin)。
a.フィダキソマイシン200mg1日2回(BID)を20日間投与(参照例:モデルA)
b.フィダキソマイシン200mg1日2回(BID)を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日2回(BID)をさらに5日間(ダブルパルス)(参照例:モデルB)
しかし、有効性、腸内微生物叢の回復、または腸内微生物叢に対する低影響、再発の低下、および患者への低化学物質負担とを併せ持ち、良好な対費用効果を有する、チアクマイシン化合物に対する、特にフィダキソマイシンに対する改変された投薬レジメンを見出すことが依然として必要とされている。
詳細な検討を行った結果、本発明者らは、
i.チアクマイシン化合物200mgの1日2回(BID)投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mgの1日1回投与をさらに10日間、および
ii.チアクマイシン化合物200mgの1日2回(BID)投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mgの投与を20日間、
からなる群から選択される投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患の経口治療における使用のための、1種以上のチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物、ならびに、1種以上のチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物を含む医薬組成物を提供するに至った。
さらに、本発明者らは、患者の腸ビフィズス菌個体数(log10cfu/mL)を回復させるための方法であって、患者はクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)に罹患しており、かつチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物での経口治療を受けており、その際に
i.チアクマイシン化合物200mgの1日2回(BID)投与を5日間、引き続き5日間休薬、次いで200mgの1日1回投与をさらに10日間、および
ii.チアクマイシン化合物200mgの1日2回(BID)投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mgの投与を20日間、
からなる群から選択される投薬レジメンによりチアクマイシン化合物を経口投与することによって、投与開始から15-45日目の間に腸ビフィズス菌個体数(log10cfu/mL)をチアクマイシン化合物投与前の50〜90%の値に回復させる方法を提供した。
Macfarlane et al.によって記載されている(Microbial Ecology (1998), 35: 180-187)、例1で用いた3段階化合物連続培養系を示す図である。 参照例(AおよびB)ならびに例1(CおよびD;治療レジメンiおよびii)に関する治療レジメンを示す図である。 参照例(AおよびB)に関する実験デザインを示す図である。 参照例Aに関する、時間(日)に対する、全菌数(ダイアモンド/ひし形)、芽胞数(四角)、および細胞毒力価(三角)を示すグラフである。 参照例Aに関する、時間(日)に対する、全嫌気性菌レベルを示すグラフである。 参照例Aに関する、時間(日)に対する、バクテロイデス菌レベルを示すグラフである。 参照例Aに関する、時間(日)に対する、ビフィドバクテリウムレベルを示すグラフである。 参照例Aに関する、時間(日)に対する、乳酸桿菌レベルを示すグラフである。 参照例Aに関する、時間(日)に対する、腸球菌レベル(三角)を示すグラフである。 参照例Aに関する、時間(日)に対する、ラクトース発酵菌レベル(丸)を示すグラフである。 参照例Aに関する、時間(日)に対する、全クロストリジウム菌レベル(バツ印)を示すグラフである。 参照例Aに関する、時間(日)に対する、通性嫌気性菌レベル(ダイアモンド/ひし形)を示すグラフである。 参照例Bに関する、時間(日)に対する、全菌数(ダイアモンド/ひし形)、芽胞数(四角)、および細胞毒力価(三角)を示すグラフである。 参照例Bに関する、時間(日)に対する、全嫌気性菌レベルを示すグラフである。 参照例Bに関する、時間(日)に対する、バクテロイデス菌レベルを示すグラフである。 参照例Bに関する、時間(日)に対する、ビフィドバクテリウムレベルを示すグラフである。 参照例Bに関する、時間(日)に対する、乳酸桿菌レベルを示すグラフである。 参照例Bに関する、時間(日)に対する、腸球菌レベル(三角)を示すグラフである。 参照例Bに関する、時間(日)に対する、ラクトース発酵菌レベル(丸)を示すグラフである。 参照例Bに関する、時間(日)に対する、全クロストリジウム菌レベル(バツ印)を示すグラフである。 参照例Bに関する、時間(日)に対する、通性嫌気性菌レベル(ダイアモンド/ひし形)を示すグラフである。 (フィダキソマイシン200mgBID投与7日間後)にin vitro腸モデル(IVGM)において得られた抗菌剤濃度の日にちに対する値を示すグラフである。 (フィダキソマイシン200mgBID投与20日間後)のIVGMにおいて得られた抗菌剤濃度の日にちに対する値を示すグラフである。 (フィダキソマイシン200mg 2×5日間パルス後)IVGMにおいて得られた抗菌剤濃度の日にちに対する値を示すグラフである。 例1(CおよびD;治療レジメンiおよびii)に関する実験デザインを示す図である。 例1(CおよびD;治療レジメンiおよびii)に関する実験デザインの代替図を示す図である。 例Cに関する、時間(日)に対する、全菌数(ダイアモンド/ひし形)、芽胞数(四角)、および細胞毒力価(三角)を示すグラフである。 例Cに関する、時間(日)に対する、全嫌気性菌レベルを示すグラフである。 例Cに関する、時間(日)に対する、バクテロイデス菌レベルを示すグラフである。 例Cに関する、時間(日)に対する、ビフィドバクテリウムレベルを示すグラフである。 例Cに関する、時間(日)に対する、乳酸桿菌レベルを示すグラフである。 例Cに関する、時間(日)に対する、腸球菌レベル(三角)を示すグラフである。 例Cに関する、時間(日)に対する、ラクトース発酵菌レベル(丸)を示すグラフである。 例Cに関する、時間(日)に対する、全クロストリジウム菌レベル(バツ印)を示すグラフである。 例Cに関する、時間(日)に対する、通性嫌気性菌レベル(ダイアモンド/ひし形)を示すグラフである。 例Dに関する、時間(日)に対する、全菌数(ダイアモンド/ひし形)、芽胞数(四角)、および細胞毒力価(三角)を示すグラフである。 例Dに関する、時間(日)に対する、全嫌気性菌レベルを示すグラフである。 例Dに関する、時間(日)に対する、バクテロイデス菌レベルを示すグラフである。 例Dに関する、時間(日)に対する、ビフィドバクテリウムレベルを示すグラフである。 例Dに関する、時間(日)に対する、乳酸桿菌レベルを示すグラフである。 例Dに関する、時間(日)に対する、腸球菌レベル(三角)を示すグラフである。 例Dに関する、時間(日)に対する、ラクトース発酵菌レベル(丸)を示すグラフである。 例Dに関する、時間(日)に対する、全クロストリジウム菌レベル(バツ印)を示すグラフである。 例Dに関する、時間(日)に対する、通性嫌気性菌レベル(ダイアモンド/ひし形)を示すグラフである。 例Cに関する、日にちに対する、IVGMにおいて得られた抗菌剤濃度を示すグラフである。 例Dに関する、日にちに対する、IVGMにおいて得られた抗菌剤濃度を示すグラフである。 モデルC(投薬レジメンi)の容器3における、平均C.ディフィシルPCRリボタイプ027の全生菌数(ダイアモンド/ひし形)および芽胞数(log10cfu/mL)(四角)および細胞毒力価(相対的単位、RU)(三角)を示す図である。水平な点線は検出限界を示す。A〜Hの文字は、図8Bに示す治療における様々な段階を示す。 モデルC(投薬レジメンi)の容器3における抗菌剤濃度(mg/L)を示す図である。 モデルD(投薬レジメンii)の容器3における、平均C.ディフィシルPCRリボタイプ027の全生菌数(ダイアモンド/ひし形)および芽胞数(log10cfu/mL)(四角)および細胞毒力価(相対的単位、RU)(三角)を示す図である。水平な点線は検出限界を示す。A〜Gの文字は、図8Bに示す治療における様々な段階を意味する。 モデルD(投薬レジメンii)の容器3における抗菌剤濃度(mg/L)を示す図である。
本発明は、
i.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mgの1日1回投与をさらに10日間、および
ii.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間、
からなる群から選択される投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物に関する。
第1の実施形態において、本発明は、チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mgの1日1回投与をさらに10日間行うことからなる投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物に関する。
第2の実施形態において、本発明は、チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間行う投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物に関する。
第3の実施形態において、本発明は、チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mgの1日1回投与をさらに10日間行うことからなる投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物に関し、ここにCDIは抵抗性CDIまたは再発性CDIである。
第4の実施形態において、本発明は、チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間行う投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物に関し、ここにCDIは抵抗性CDIまたは再発性CDIである。
「その立体異性体」の表現は、空間におけるそれらの原子の配置が異なる、同一の構成の異性体を意味する。立体異性体の例にはエナンチオマーおよびジアステレオマーがある。「エナンチオマー」の語は、相互に鏡像であり、重ねることができない1対の分子種のうちの1つを意味する。「ジアステレオマー」の語は、鏡像ではない立体異性体を意味する。「ラセミ体」または「ラセミ混合物」の語は、等モル量の2つのエナンチオマー種から構成される組成物を意味し、組成物には光学活性がない。「R」および「S」の記号は、キラル炭素原子周囲の置換基の立体配置を表す。「R」および「S」の異性体の記述子は、コア分子に対する原子の立体配置を示すのに、本明細書において記載して用いられ、文献において規定される通りに用いるものとされる(IUPAC Recommendations 1996, Pure & Applied Chemistry 68: 2193-2222)。
「その多形」の表現は、結晶格子における異なる分子の配列の仕方の結果として異なる物理的性質を有する、あらゆる代替的な結晶形を記載するものである。より詳しくは、WO2008/091554に開示されているものなどの多形が含まれる。
「薬学的に許容されるその溶媒和物」の表現は、患者に(直接的にまたは間接的に)チアクマイシン化合物を提供し得る、あらゆる薬学的に許容される溶媒和物を示すものである。好ましい溶媒和物としては、水和物、メタノール、エタノール、プロパノール、もしくはイソプロパノールなどのアルコールとの溶媒和物、酢酸エチルなどのエステルとの溶媒和物、メチルエーテル、エチルエーテル、もしくはTHF(テトラヒドロフラン)などのエーテルとの溶媒和物、またはDMF(ジメチルホルムアミド)との溶媒和物であり、これらの中で水和物、またはエタノールなどのアルコールとの溶媒和物がより好ましい。溶媒和物を構成するための溶媒が薬学的に許容される溶媒であることが好ましい。
本発明によるチアクマイシン化合物は、18員大環状グリコシド構造を有し、参照によって本明細書に援用される、米国特許第4,918,174号;第5,583,115号;第5,767,096号;ならびに中国特許出願第201010526416.9号および第201110104051.5号に開示されている化合物である。有効成分が、チアクマイシンA、チアクマイシンB、およびこれらの類似体(ジアルキルチアクマイシンおよびブロモチアクマイシン)、チアクマイシンC、チアクマイシンD、チアクマイシンE、チアクマイシンF、ならびにリピアルマイシンからなる群から選択されることが好ましい。全てのチアクマイシン化合物は共通して、水に不溶性またはほとんど不溶性であるが、有効成分がリピアルマイシンもしくはチアクマイシンB、またはこれらの立体異性体もしくはこれらの多形であるのがより好ましい。有効成分としてR−チアクマイシンB(フィダキソマイシン、OPT−80、またはPAR−101としても知られる)を用いるのが最も好ましい。
さらなる一実施形態において、本発明は、チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日1回投与をさらに10日間行う投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物に関し、ここにチアクマイシン化合物はフィダキソマイシンである。
なおさらなる一実施形態において、本発明は、チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与をさらに20日間行う投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物に関し、ここにチアクマイシン化合物はフィダキソマイシンである。
なおさらなる一実施形態において、本発明は、チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日1回投与をさらに10日間行う投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物に関し、ここにCDIは、抵抗性CDIまたは再発性CDRであり、チアクマイシン化合物はフィダキソマイシンである。
なおさらなる一実施形態において、本発明は、チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間行う投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のためのチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物に関し、ここにCDIは、抵抗性CDIまたは再発性CDRであり、チアクマイシン化合物はフィダキソマイシンである。
さらなる一実施形態は、
i.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日1回投与をさらに10日間、および
ii.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間
からなる群から選択される投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物を含む医薬組成物に関する。
さらに別の一実施形態は、
i.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日1回投与をさらに10日間、および
ii.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間
からなる群から選択される投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物を含む医薬組成物に関し、ここにチアクマイシン化合物はフィダキソマイシンである。
また、さらに別の一実施形態は、
i.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日1回投与をさらに10日間、および
ii.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間
からなる群から選択される投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物を含む医薬組成物に関し、ここにチアクマイシン化合物はフィダキソマイシンであり、フィルムコーティング錠として投与される。
本明細書による投薬レジメンにおいて使用しようとする組成物は、水性懸濁液、水性懸濁液用乾燥粉末、水性懸濁液用乾燥顆粒であってもよく、またはフィルムコーティングされていてもよい、錠剤、カプセル、分散錠であってもよい。経口投与に好ましい組成物は、錠剤、特にフィルムコーティング錠である。さらに好ましい一組成物は水性懸濁液である。水性懸濁液はそのままで投与することができ、または十分量の水を水性懸濁液用乾燥粉末、水性懸濁液用乾燥顆粒、または分散錠に加えることにより調製することができる。
錠剤の語は急速崩壊性錠剤(fast−disintegrating tablet)も含み、その中に分散錠および発砲錠がある。
最も一般的に用いられる錠剤調製方法には、直接圧縮法、乾式造粒法、および湿式造粒法がある。直接圧縮法は、有効成分(複数可)、および賦形剤(複数可)を含む混合物を打錠機上で圧縮することを伴う(L. Lachman et al., in: The Theory and Practice of Industrial Pharmacy, 3rd ed., 1986)。均一な含量の有効成分(複数可)を有する錠剤を生成するために、圧縮しようとする混合物は、良好な流動性および圧縮性の両方を有していなければならない。良好な流動性は、滑沢剤、抗接着剤(anti−adhesive agent)、および流動促進剤などの好適な賦形剤を混合物に加えることによって常に実現できるわけではない。よって、混合物を造粒した後に圧縮することが頻繁にある。
造粒は、それによって顆粒と呼ばれる球様または規則的な形状の凝集物が、粉末混合物から成形されるプロセスである。これは乾式造粒法および湿式造粒法により実現することができる。造粒は、粘着の劣る粉末の混合物を凝集物に変換するのにも用いられ、この凝集物を圧縮すると接着性の良好な錠剤がもたらされる。
急速崩壊性錠剤の場合、有効成分(複数可)の味をマスキングするために、かつ/または光および/もしくは水分による可能な有害な効果から有効成分を保護するために、またベンダムスチンの場合は、口中の粘膜を有効化合物により発揮される有害な効果から保護するために、有効成分(複数可)にコーティングを提供すると有利であり、有効成分は1種以上の賦形剤との混合物でもよい。この目的で、粒状体(granulate)を、以下にさらに概略する通り調製および加工することが好ましい。
「粒状体」の表現は、ときに顆粒と呼ばれる、粒子の凝集物を意味する。粒状体は一般的に、コンパクションおよび/もしくは圧縮技術(乾式造粒)により、または液体を用いた湿式造粒技術により調製され、この液体には湿式造粒法の結合剤が溶解していてもよい(Remington's Pharmaceutical Sciences 18th ed. 1990, page 1641)。湿式造粒法には押し出し技術も含まれる。したがって、顆粒剤の語は、ペレット、球状体、および押出し物も含み、この中では顆粒剤の例としてペレットを用いることが好ましい。
ペレットは、直径およそ1.0〜1.6mmの、ある密度を有する小球として記載することができ、この粒子は、粉末混合物への押出しおよび球形化の製薬プロセスを適用することにより調製される。
有効成分(複数可)は、1種以上の賦形剤との混合物であってもよく、有効成分の味をマスキングするために、かつ/または光および/もしくは水分による可能な有害な効果から有効成分を保護するために、かつ/または有効化合物により発揮される有害な効果から口中の粘膜を保護するために、コーティングを提供すると有利であり得る。
本発明による投薬レジメンに従って用いようとする剤形を、乾式造粒技術によって調製することが好ましい。適切な技術は、例えば、Remington's Pharmaceutical Science 18th. ed. 1990, page 1644に記載されている。これらは、乾式造粒法、ローラー圧縮法、および直接圧縮法を含む。錠剤をこれらの技術により調製する場合、直接圧縮法を用いるのがさらにより有利である。
本発明による治療レジメンに従って用いようとする剤形に、コーティングを提供することが好ましい。コーティングには様々な目的があり:組成物において用いる有効成分(複数可)の味をマスキングするのに役立ち得る一方で、同時に有効成分を光および/または水分による可能な有害な効果、例えば、酸化、分解などから保護する。さらに、コーティング層は、対象を、有効成分による口腔粘膜の損傷から防ぎ得る。
コーティング層は、当技術分野においてよく知られている技術、例えば、噴霧コーティング(spray−coating)およびマイクロカプセル化によって剤形に適用することができる。錠剤の場合、コーティング層はフィルムコーティング、糖コーティング、または圧縮コーティングの形態であることができる。フィルムコーティングのプロセスを用いることが好ましい(Remington's Pharmaceutical Sciences 18th ed. 1990, page 1666)。有効成分が急速崩壊性錠剤に対するコーティングの適用を必要とする場合、個々の顆粒にコーティングを適切に提供した後、錠剤に圧縮することができる。
これが充填剤または希釈剤も含むことが好ましい。このような適切な化合物の例には以下がある:
− ショ糖、フルクトース、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、アスパルテーム、エリスリトール、イソマルト、トレハロース、マルトース、マンノース、ソルボース、キシロース、デキストラン、デキストリン、プルラン、マンニトール、およびラクトースからなる群から選択することができる糖;
− 微結晶性セルロースまたは極微小(microfine)セルロース;
− デンプン、可溶性デンプン、またはデンプン誘導体、例えば、ヒドロキシエチルデンプン;
− 炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸ナトリウム、カルメロースカリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、合成ケイ酸アルミニウムなど。
最も好ましいのは、微結晶性セルロースおよびD−マンニトール、エリスリトール、イソマルト、およびトレハロースからなる群から選択される糖である。しかし、様々な貯蔵条件下で、フィダキソマイシンおよびキサンタンガムを含む組成物の安定性に鑑みて、微結晶性セルロースを用いることが好ましい。それに加えて、糖含有組成物を摂取してはいけないある群の患者にとって、微結晶性セルロースの使用は有利である。
微結晶性セルロースの量は、できるだけ低くなければならないが、そう重要ではない。糖を用いる場合も同じである。
フィダキソマイシンは、in vitroおよびin vivo両方の状況において、速やかに、かつ均一に分散することが重要であるため、粒状体は、1種以上の崩壊剤をさらに含むことができる。適切な崩壊剤は、コーンスターチ、バレイショデンプン、部分アルファ化デンプンであるが、いわゆるスーパー崩壊剤も用いることができ;スーパー崩壊剤の例としてクロスカルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、およびアンバーライトIRP88がある。好ましい崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、これはPrimojel(登録商標)の商標で市販されている。この崩壊剤は、希釈剤として微結晶性セルロースまたは糖のいずれかを含む組成物において有効であることが示されている。さらに、崩壊剤は粒状体組成物を容易に製造するのに役立つことが示されている。部分アルファ化デンプンなどの第2の崩壊剤を用いてもよい。
本発明による治療レジメンに従って用いようとする組成物は水性懸濁液であることができ、好ましくは、緩衝化剤、保存剤、香味剤、甘味剤、および増粘剤などの賦形剤と混合された水性懸濁液であり得る。組成物が、チアクマイシン化合物の味をマスキングするための香味剤および甘味剤を含むのが最も好ましい。
緩衝化剤の例としては、塩酸、希塩酸、硫酸、アジピン酸およびその塩、クエン酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、アスコルビン酸およびその塩、氷酢酸およびその塩、酢酸およびその塩、酒石酸およびその塩、フマル酸およびその塩、マレイン酸およびその塩、乳酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、リン酸およびその塩、グリシン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウムなど、ならびにこれらの組合せである。
保存剤の例としては、安息香酸およびその塩、エデト酸およびその塩、サリチル酸およびその塩、ジブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸およびその塩、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラヒドロキシ安息香酸、およびその塩、メチルパラベン、プロピルパラベンなど、ならびにこれらの保存剤の組合せである。
香味剤の例としては、オレンジエッセンス、オレンジ油、カラメル、カンファー、シナモン油、スペアミント油、ストロベリーエッセンス、チョコレートエッセンス、チェリーフレーバー、ビターオレンジの油、パイン/パイナップル油、ハッカ油、バニラフレーバー、ビターエッセンス、フルーツフレーバー、ペパーミントエッセンス、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、メントール、レモンパウダー、レモン油、ローズ油など、およびこれらの組合せである。
甘味剤の例としては、スクラロース、アスパルテーム、フルクトース、キシリトール、グリチルリチン酸およびその塩、サッカリンおよびその塩、ステビア、ショ糖、ソルビトール、グルコース、水素化マルトースデンプンシロップ、マルチトール、マルトースなど、ならびにこれらの組合せである。
増粘剤の例としては、セルロース、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース;ゴム、例えば、キサンタンガム、グアーガム、ゲランガム、デキストラン、カラゲナン;ポリビニルピロリドン;特別に処理した微結晶性セルロース、例えば、水分散性セルロース(微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム);ならびにこれらの組合せである。
あるいは、本発明による治療レジメンにより使用される顆粒を、顆粒外(extragranular)賦形剤と混合して分散錠の調製に使用することができる。
本発明による投薬レジメンiおよびiiの両方が、C.ディフィシル菌数値を検出レベル以下にまで速やかに低下させた。芽胞は引き続き散発的に検出されたが、栄養増殖または毒素生成の再発の徴候は観察されなかった。CDIの解消は、以前に調査した投薬レジメンに匹敵した。腸内微生物叢の個体数、例えば、全嫌気性菌、バクテロイデス、全クロストリジウム、乳酸桿菌、ラクトース発酵菌、および通性嫌気性菌に対するフィダキソマイシンの影響は穏やかであり、ビフィドバクテリウムおよび腸球菌のみ個体数が低下した。ビフィドバクテリウムは検出レベル以下まで低下したが、導入前の菌数まで、即ち、チアクマイシン化合物による治療前と殆んど同じくらいの高い濃度まで、回復した。従来のモデルにおけるビフィドバクテリウムレベルに対するフィダキソマイシンの効果が変動したが、これは、おそらくボランティアの糞便試料におけるビフィドバクテリウム種の組成の変動のためであろう。MICレベルを超えたフィダキソマイシンの残存がみとめられた(2〜5mg/L)が、いくつかの従来のフィダキソマイシン投薬レジメンで見られた(20mg/L)よりも低値であった。抗菌剤の残存がCDIの芽胞の再燃をより長く防ぎ、一方で腸内微生物叢を回復させ、ゆえにコロニー化抵抗性を回復させる。
よって、別の一実施形態は、
患者の腸ビフィドバクテリウム個体数(log10cfu/mL)を回復させるための方法であって、クロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)に罹患しており、かつチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物での経口治療を受けている患者において、
i.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日1回投与をさらに10日間、および
ii.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間
からなる群から選択される投薬レジメンにより、チアクマイシン化合物を経口投与することによって、前記治療の開始後15−45日目の間にチアクマイシン化合物を投与する前の腸ビフィドバクテリウム個体数(log10cfu/mL)の50〜90%に回復させるための方法である。
さらに別の一実施形態は、
患者の腸ビフィドバクテリウム個体数(log10cfu/mL)を回復させるための方法であって、クロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)に罹患しており、かつチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物での経口治療を受けている患者において、
i.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日1回投与をさらに10日間、および
ii.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間
からなる群から選択される投薬レジメンによりチアクマイシン化合物を経口投与することによって、前記治療の開始後15−45日目の間にチアクマイシン化合物を投与する前の腸ビフィドバクテリウム個体数(log10cfu/mL)の50〜90%に回復させるための方法であり、ここにチアクマイシン化合物はフィダキソマイシンである方法である。
さらなる一実施形態は、
患者の腸ビフィドバクテリウム個体数(log10cfu/mL)を回復させるための方法であって、クロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)に罹患しており、かつチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物での経口治療を受けている患者において、
i.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mg1日1回投与をさらに10日間、および
ii.チアクマイシン化合物200mgBID投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mg投与を20日間
からなる群から選択される投薬レジメンによりチアクマイシン化合物を経口投与することによって、前記治療の開始後15−45日目の間にチアクマイシン化合物を投与する前の腸ビフィドバクテリウム個体数(log10cfu/mL)の50〜90%に回復させるための方法であり、ここにチアクマイシン化合物はフィダキソマイシンであり、患者にフィルムコーティング錠の形態で患者に投与する方法である。
さらなる一実施形態は、
クロストリジウムディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)に罹患しており、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物の200mgBID投与を5日間受けており、その結果として、当該投与5日目におけるチアクマイシン化合物の濃度が2〜7%のチアクマイシン化合物の濃度である患者において、
i.5日休薬、次いでチアクマイシン化合物200mg1日1回をさらに10日間、および
ii.1日おきに1回のチアクマイシン化合物200mgの投与を20日間
からなる群から選択されるフォローアップ投薬レジメンにより患者にチアクマイシン化合物を経口投与することによって、患者を少なくとも前記フォローアップ投薬レジメン終了後20日間良好な状態に維持するための方法である。
以下の実施例は本発明をさらに説明するものである。当業者には、これらの実施例は説明の目的にすぎず、本発明を限定するものとみなしてはならないことが明らかであろう。
参照例
in vitro腸モデルにおけるクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)の治療のためのフィダキソマイシンの延長された継続投薬レジメンの比較
有効なCDIモデルを用いて、長期間(モデルA:200mgBID20日間)対短期パルス(モデルB:200mgBID5日間、5日間休薬、および200mgBID5日間)コースのフィダキソマイシンの有効性を調査した。このモデルに対する結果は入手できる(C.H. Chilton et al. (2013) in J. Antimicrobial Chemotherapy Advance Access Sept 2013およびC.H. Chilton et al, abstract 23rd European Congress of Clinical microbiology & Infectious Disease, April 27-30, 2013, Berlin)。腸モデルの詳細は例1に記載される(それを参照されたい)。
3段階ケモスタット(chemostat)腸モデル2個に、保存した糞便を植菌した(n=5)。C.ディフィシル(CD)リボタイプ027(NAP1/BI)芽胞107cfuを加え、次いでクリンダマイシン(CL、33.9mg/L 1日4回(qid)、7日間)を注入してCDI、すなわち発芽および毒素生成を誘発した。次いで、モデルを、フィダキソマイシン(200mg/L 1日2回(bd))で20または5日間処理してin vivoの腸レベルを実現した。そのうちの短期間処理の方のモデルに、5日後追加のフィダキソマイシン5日間投与(パルス)を与えた。CD全生菌数(TVC)、芽胞数(SP)、毒素力価(CYT)、および腸内細菌を、全体を通して測定した。データを、また、フィダキソマイシン(FDX)7日間投与(モデル7)に対する結果とも比較した。
結果
CLは、CDの発芽および高レベルの毒素生成(≧3RU)を誘発した。モデルAでは、CDのTVCおよびCYTは、それぞれ5日目および7日目までに検出限界(LOD)まで低下し(図4)、再発の証拠はなかった。モデルBでは、CDのTVCは顕著に低下した(およそ4log10cfu/mL)が、治療5日目に依然として検出可能であった。フィダキソマイシンの2回目のパルス投与の5日目に、TVCおよびSPはLODまで低下した(図4)。
両方の投薬レジメンは、ビフィドバクテリウム以外の腸内微生物叢に対する影響は限定的であったが、ビフィドバクテリウムはおよそ6〜8log10cfu/mLからLOD未満にまで低下し、回復しなかった(図5)。
結論
in vitro腸モデルにおいて、フィダキソマイシン5日間投与は、CDのTVC、SP、およびCYTの低下において、フィダキソマイシン20日間投与(または7日間投与)より効果が低かったが、追加の5日間のフィダキソマイシンのパルス投与により有効性が増大し、全体としては他の投薬レジメン(モデルBおよびモデル7)に匹敵した。
腸内微生物叢に対する影響は、モデルAおよびモデルB(およびモデル7)において同じ様に穏やかであった。フィダキソマイシン5日投与のみではCDI治療に対して準最適であり得るが、モデルA(5日+5日のパルス投薬レジメン)はモデルB(フィダキソマイシン20日間、投薬総期間を15日拡張)と同様に効果的であり得る。
例1
in vitro腸モデルにおけるC.ディフィシル感染症を治療するための延長された投薬レジメンの予備実験
有効な3段階化合物連続培養系(Freeman J, O’Neill FJ, Wilcox MH. The effects of cefotaxime and desacetylcefotaxime upon Clostridium difficile proliferation and toxin production in a triple-stage chemostat model of the human gut. J Antimicrob Chemother 2003; 52: 96-102; Baines SD, Freeman J, Wilcox MH. Effects of piperacillin/tazobactam on Clostridium difficile growth and toxin production in a human gut model. J Antimicrob Chemother 2005; 55: 974-82)における2試験を平行して行った。モデルに、健常人ボランティア(n=5、年齢>60歳)からの糞便スラリーを保存したもの(嫌気性蒸留水中10%)を植菌した。
連続培養系は、3つの容器、容器1(V1)、容器2(V2)、および容器3(V3)からなっており、それぞれの作動体積は0.22、0.32、および0.32Lであった(図1)。近位−遠位結腸を反映するように、温度(37℃)およびpHを自動制御した。3つの容器における培養pHはそれぞれ、5.5、6.2、および6.8であった。各発酵槽をマグネチックスターラーで撹拌し、CO2雰囲気下に維持した。生育用培地はO2を含まないN2が連続的に散布され、蠕動ポンプによりV1に供給された。V1は、一連の堰を介してV2およびV3に逐次的に供給した。当該培養培地は、蒸留水中の以下の成分から構成される(g/リットル):デンプン(BDH Ltd.)、5.0;ペクチン(かんきつ類)、2.0;グアーガム、1.0;ムチン(porcine gastric type III)、4.0;キシラン(オートスペルト)、2.0;アラビノガラクタン(larch wood)、2.0;イヌリン、1.0;カゼイン(BDH Ltd.)、3.0;ペプトン水、5.0;トリプトン、5.0;胆汁酸塩No.3、0.4;酵母エキス、4.5;FeSO4・7H2O、0.005;NaCl、4.5;KCl、4.5;KH2PO4、0.5;MgSO4・7H2O、1.25;CaCl2・6H2O、0.15;NaHCO3、1.5;システイン、0.8;ヘミン、0.05;Tween80、1.0。
この系を、最初は保持時間(R)27.1時間で操作し(実験1)、続いてR=66.7時間に増大した(実験2)。保持時間を、希釈率の逆数として算出した。系の保持時間(system retention)は、各発酵槽における個々のR値の和である。細菌の最小倍加時間は0.693/Dと算出され、式中、Dは各培養容器に対する希釈率(h−1)である。各発酵槽に、健康でメタンを生成していないドナーからの新鮮な10%(w/v)糞便スラリー100mlを植菌した。発酵系を2週間平衡化した後、培地ポンプを流速13.2ml/時間で始動させ(系の保持時間67時間)、各保持時間において少なくとも336時間作動させて定常状態条件を確立させた後、材料を分析用に採取した。定常状態条件を、短鎖脂肪酸(SCFA)の形成をモニタリングすることによって評価した。各定常状態で2試料を48時間間隔で採取した。腸内微生物叢の個体数が安定化した後、モデルに107PCRリボタイプ027 C.ディフィシル芽胞を入れ、クリンダマイシン(33.9mg/L、1日4回(QDS))を注入することによって模擬CDIを誘発した。高レベルの毒素生成が観察された後、フィダキソマイシン治療を開始した。モデルCとしては、フィダキソマイシン200mg/Lを5日間BID注入し、引き続き5日休薬、次いでフィダキソマイシン200mg/Lをさらに10日間1日1回注入した(投薬レジメンi)。モデルDとしては、フィダキソマイシン200mg/Lを5日間BID注入し、引き続き単回のフィダキソマイシン200mg/Lを20日間1日おきに注入した(投薬レジメンii)。治療後21日間、さらなる介入をせずにモデルを放置した。
・測定:
− C.ディフィシルの全生菌数および芽胞数(CFU/ml)
− 毒素濃度(ベロ細胞細胞毒素中和アッセイ)
− 選択培養による微生物叢の組成
− 耐性の出現
− 抗菌剤濃度(バイオアッセイ)
両方の漸減投薬レジメンは速やかに(3日未満で)、C.ディフィシル生菌数(およそ6log10cfu/mL)、芽胞数(およそ4log10cfu/mL)、および毒素力価(3RU)を、検出レベル未満に低下させた。栄養細胞および毒素は、実験の残りの間検出レベル未満のままだった。芽胞は、モデルCでは、3つの容器全てにおいて検出限界で散発的に検出されたが、モデルDでは、容器3から断続的にしか検出されなかった。フィダキソマイシン濃度は、両モデルにおいて最大およそ100mg/Lであった。フィダキソマイシン活性の持続性は、モデルC(2〜5mg/L)(図11Aを参照されたい)よりもモデルD(5mg/L)(図11Bを参照されたい)においてわずかに高く、実験期間の間、両モデルにおいてMIC値(0.25mg/L)を超えるレベルを維持していた。両投薬レジメンの腸内微生物叢に対する影響は同じように限定的であり、腸球菌(2〜5log10cfu/mL)およびビフィドバクテリウム(6〜8log10cfu/mLから検出限界)に減少が見られた。
ビフィドバクテリウム個体数は、両モデルとも、実験の終わりまでにフィダキソマイシン投与前(pre−fidaxomicin)レベル近くにまで回復していた。
・フィダキソマイシン5日間投与は毒素生成を終わらせるのに十分である
・しかし、C.ディフィシル全生菌数および芽胞を低下させる点では、モデルAまたはモデル7より効果が劣る
・しかし、追加的なフィダキソマイシン5日間投与のパルスによりC.ディフィシル生菌数はさらに低下した(モデルAまたはモデル7に匹敵)
・フィダキソマイシンのパルス投薬と延長された投薬では、腸内微生物叢に対する効果は同じ様に穏やかである
・フィダキソマイシン活性の持続は、延長された及びパルスの両投薬レジメンにおいて優れていた
・パルス投薬レジメンによりフィダキソマイシンの持続性は延長し得る
・再発を最小にするのに最適な投薬レジメンを決定するにはさらなる研究が必要とされる
結論:評価した漸減投薬レジメンは両方とも、in vitro腸モデルにおいてCDIのシミュレーションを速やかに解決するのに有効であり、以前に評価した標準の、およびパルスの投薬レジメンに匹敵するものであった。抗生物質の活性の持続、およびC.ディフィシルの芽胞の回復のいくらかの抑制が観察された。漸減投薬レジメンは、長期間、C.ディフィシルの芽胞の発芽を抑制する助けとなり得る一方、常在性の腸内微生物叢を回復させる。
本発明によるフィダキソマイシン組成物での治療レジメンは多くの利点を示す。
治療持続期間を10日から20日または25日に延長することで、患者の結腸微生物叢を回復させるさらなる時間がゆるされ、そのためさらなる薬物療法を用いなくても後にCDI再燃/再発が起きないよう、定着に対する抵抗性がもたらされる。したがって、20日以上にわたる1日2回レジメンの本発明による投薬レジメンの明らかな恩恵は、このレジメンが、C.ディフィシルの細胞、芽胞、および毒素の低下に関して同等の有効性を提供しながら腸内微生物叢を回復させ、これにより、既存の用量(200mgBID、10日間(10 day pack))よりも再発率がさらに低下することになると予想され、しかも、このフィダキソマイシン錠(DIFICLIR(商標))10 day packを2パックを使用しなければならないのではなく、標準の1パックの使用でこの有効性が提供されることである。
したがって、投薬の頻度を変えることにより、フィダキソマイシン錠(DIFICLIR(商標))1パックを使用して実現される持続的な臨床的治癒が、およそ14%から5%未満まで、増大し得ることが予想される。しかし、懸濁液などの他のフィダキソマイシン含有組成物にも同じ効果があるであろう。
in vitro試験の結果に基づいて提唱される臨床試験が上首尾であれば、可能な場合には、推奨される投薬レジメンは、200mg1日2回10日間のレジメンから、本発明による投薬レジメンに変化することが明らかであろう。患者、医師、および社会に対して予想される利益は、再発が5%未満に低下することで、フィダキソマイシンを支持する方向で、対費用効果の議論が大幅に変更されることである。

Claims (21)

  1. i.チアクマイシン化合物200mgの1日2回投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mgの1日1回投与をさらに10日間行う、および
    ii.チアクマイシン化合物200mgの1日2回投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mgの投与を20日間行う、
    からなる群から選択される投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物。
  2. チアクマイシン化合物が、チアクマイシンA、チアクマイシンB、およびこれらの類似体(ジアルキルチアクマイシンおよびブロモチアクマイシン)、チアクマイシンC、チアクマイシンD、チアクマイシンE、チアクマイシンF、及びリピアルマイシンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  3. チアクマイシン化合物が、リピアルマイシンもしくはチアクマイシンB、またはこれらの立体異性体であることを特徴とする、請求項1〜2の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  4. チアクマイシン化合物が、チアクマイシンBまたはその多形であることを特徴とする、請求項1〜3の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  5. チアクマイシン化合物が、R−チアクマイシンB(フィダキソマイシン)であることを特徴とする、請求項1〜4の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  6. 錠剤、懸濁液、水性懸濁液用乾燥粉末、水性懸濁液用乾燥顆粒、フィルムコーティング錠、または分散錠として用いられることを特徴とする、請求項1〜5の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  7. フィルムコーティング錠として用いられることを特徴とする、請求項1〜6の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  8. iii.チアクマイシン化合物200mgの1日2回投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mgの1日1回投与をさらに10日間行う、および
    iv.チアクマイシン化合物200mgの1日2回投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mgの投与を20日間行う、
    からなる群から選択される投薬レジメンによる、患者のクロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物を含む医薬組成物。
  9. チアクマイシン化合物が、チアクマイシンA、チアクマイシンB、およびこれらの類似体(ジアルキルチアクマイシンおよびブロモチアクマイシン)、チアクマイシンC、チアクマイシンD、チアクマイシンE、チアクマイシンF、及びリピアルマイシンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の使用のためのチアクマイシン化合物を含む医薬組成物。
  10. チアクマイシン化合物が、リピアルマイシンもしくはチアクマイシンB、またはこれらの立体異性体であることを特徴とする、請求項8〜9の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物を含む医薬組成物。
  11. チアクマイシン化合物が、チアクマイシンBまたはその多形であることを特徴とする、請求項8〜10の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物を含む医薬組成物。
  12. チアクマイシン化合物がR−チアクマイシンB(フィダキソマイシン)であることを特徴とする、請求項8〜11の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物を含む医薬組成物。
  13. 組成物が、錠剤、懸濁液、水性懸濁液用乾燥粉末、水性懸濁液用乾燥顆粒、フィルムコーティング錠、または分散錠であることを特徴とする、請求項8〜12の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物を含む医薬組成物。
  14. 組成物がフィルムコーティング錠であることを特徴とする、請求項8〜13の各々に記載の使用のためのチアクマイシン化合物を含む医薬組成物。
  15. 患者の腸ビフィドバクテリウム個体数(log10cfu/mL)を回復させるための方法であって、クロストリジウムディフィシル感染症(CDI)、またはクロストリジウムディフィシル関連下痢もしくは疾患(CDAD)に罹患しており、かつチアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形または薬学的に許容されるその溶媒和物での経口治療を受けている患者において、
    i.チアクマイシン化合物200mgの1日2回投与を5日間、引き続き5日休薬、次いで200mgの1日1回投与をさらに10日間、および
    ii.チアクマイシン化合物200mgの1日2回投与を5日間、引き続き1日おきに1回の200mgの投与を20日間、
    からなる群より選択される投薬レジメンによりチアクマイシン化合物を患者に経口投与することによって、前記治療開始から15-45日目の間にチアクマイシン化合物投与前の腸ビフィドバクテリウム個体数(log10cfu/mL)の50〜90%の値に回復させる方法。
  16. チアクマイシン化合物が、チアクマイシンA、チアクマイシンB、およびこれらの類似体(ジアルキルチアクマイシンおよびブロモチアクマイシン)、チアクマイシンC、チアクマイシンD、チアクマイシンE、チアクマイシンF、及びリピアルマイシンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の回復させるための方法。
  17. チアクマイシン化合物が、リピアルマイシンもしくはチアクマイシンB、またはこれらの立体異性体であることを特徴とする、請求項15〜16の各々に記載の回復させるための方法。
  18. チアクマイシン化合物が、チアクマイシンBまたはその多形であることを特徴とする、請求項15〜17の各々に記載の回復させるための方法。
  19. チアクマイシン化合物がR−チアクマイシンB(フィダキソマイシン)であることを特徴とする、請求項15〜18の各々に記載の回復させるための方法。
  20. 錠剤、懸濁液、水性懸濁液用乾燥粉末、水性懸濁液用乾燥顆粒、フィルムコーティング錠、または分散錠が用いられることを特徴とする、請求項15〜19の各々に記載の回復させるための方法。
  21. フィルムコーティング錠が用いられることを特徴とする、請求項15〜20の各々に記載の回復させるための方法。
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