JP2023182594A - チアクマイシン化合物の新規の投薬レジメン - Google Patents

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Abstract

【課題】クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)又はクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)を治療するための、チアクマイシン化合物を提供する。【解決手段】(1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与する工程と、(2)CDI又はCDADの1つ又は複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングする工程と、(3)前記指標の1つ又は複数にポジティブな変化があるか否かを評価する工程と、及び(4)CDI又はCDADの前記指標の1つ又は複数がポジティブに変化している場合、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替える工程と、を含む投薬レジメンによる治療に使用するための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、又はその薬学的に許容される溶媒和物である。【選択図】なし

Description

本発明は、患者のクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体またはその薬学的に許容される溶媒和物の新規の投薬レジメンに、CDIまたはCDADの経口治療のための新規の投薬レジメンの使用に、および治療終了後の患者のCDIまたはCDADの再発の低減に関する。
チアクマイシン化合物は、とりわけフィダキソマイシンは、クロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)としても公知のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の治療および再発防止に適応する。CDIは、世界中の医療施設に対する大きな負担である(Wiegand P.N., Nathwani D., Wilcox M.H.et al.in J.Hosp Infect of 10 April 2012; Ghantoji S.S., Sail, K.Lairson D.R.(2010) in J.Hosp.Infect.74: 309-318)。
この感染症は通常、抗菌剤使用後の腸内フローラの組成および機能の変化によって引き起こされ、抗生物質関連下痢(AAD)と呼ばれる。C.ディフィシル関連疾患(CDAD)としても公知のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)とは、偽膜の有無にかかわらず重症の大腸炎の症例を含めて、この微生物によって産生される毒素によって引き起こされる多岐にわたる下痢疾患をいう。
AADの発現は大きく変動し、院内集団発生、抗菌剤処方のパターン、および個体の感受性を含めて、いくつかの因子によって影響を受ける。抗生物質で治療される入院患者全体の10%~15%がAADを発症すると推定される。最も重要なのは、2倍ほどが無症候性キャリアになることである。リスク因子には、免疫不全状態、高齢、腹部の外科手術、共存症、抗生物質のタイプおよび長期使用、胃酸の低減、ならびに入院の長さが含まれる。例えば、クロストリジウム・ディフィシルに対する感染率は、入院2週後ではおよそ10%であると報告されているが、4週以上後では50%に達する場合もある(McFarland LV.Epidemiology, risk factors and treatments for antibiotic-associated diarrhea.Dig Dis 1998; 16:292-307)。
全ての群の抗生物質がAADを引き起こし得るが、広域の適用範囲を有するもの、特にセファロスポリン、フルオロキノロン、抗菌域拡張性の(extended-coverage)ペニシリン、およびクリンダマイシンが、最も一般的な原因である(Wistrom J, Norrby SR, Myhre E, et al.Frequency of antibiotic-associated diarrhoea in 2462 antibiotic-treated hospitalized patients: a prospective study.J Antimicrob Chemother 2001; 47:43-50)。
治療の選択肢は限られており、高率の再発を伴う。
チアクマイシン化合物は、アクチノプラネス(Actinoplanes)科(特に、ダクチロスポランギウム・アウランチアクム(属Dactylosporangium aurantiacum)、亜種ハムデネンシス(hamdenensis))に属する種々の微生物を適切な栄養培地中、適切な温度で培養し、様々な微生物に対して抗生物質活性を有する化合物を単離することによって入手することができる、抗生物質活性を有する天然に存在する化合物である(チアクマイシンA~F;米国特許第4,918,174号)。
特にチアクマイシンBおよびCは、当時使用されていた治療目的の抗生物質に抵抗性である株を含むいくつかのグラム陽性細菌に対してin vitroで抗生物質活性を有することが判明した。
米国特許第5,583,115号では、上記のチアクマイシン化合物A~Fの誘導体であるジアルキルチアクマイシン化合物が、様々な細菌性病原体に対して、特にクロストリジウム種に対してin vitro活性を有することが見出されたことが開示されている。
米国特許第5,767,096号では、やはりチアクマイシン化合物A~Fの誘導体であるブロモチアクマイシン化合物が開示されているが、これは一部の細菌性病原体に対して、特にクロストリジウム種に対してin vitro活性を有することが見出された。
化学的な観点から、チアクマイシンは、以下の(式I)の通り、1つまたは2つの置換されていてもよい糖分子にグリコシド結合している18員の大環状環を共通に持つ(米国特許第4,918,174号およびWO2004/014295)。
Figure 2023182594000001
WO2004/014295では、ダクチロスポランギウム・アウランチアクム・ハムデネンシスの液中好気性発酵により得られる、実質的に純粋なR-チアクマイシンが記載されている。
WO2006/085838では、R-チアクマイシン、特にR-チアクマイシンB(フィダキソマイシンの名称でも公知である)を含有する医薬組成物が開示されている。R-チアクマイシンBは、C19にR-ヒドロキシ基を含有し、クロストリジウム種に対してin vitroで試験した場合、光学的に純粋なS-異性体のチアクマイシンBよりもおよび他のチアクマイシン関連化合物よりも驚くほど低いMIC値を示す(MICとは最小阻止濃度を意味する)。
in vitro BCS(生物薬剤分類システム)試験によると、フィダキソマイシンはBCSクラスIVの化合物(難溶解性、低透過性)である。経口投与すると、フィダキソマイシンは腸管から吸収されにくく、したがってこれに伴う全身性の副作用の出現率は低い。
フィダキソマイシン200mgを含有する錠剤が欧州で(登録商標Dificlirとして)および米国で(登録商標Dificinとして)市販されている。
フィダキソマイシンは、クロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)としても知られるクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の治療および再発の防止に適応される。
2つのフェーズIII無作為化二重盲検治験において、フィダキソマイシンは、CDIの最初の臨床的治癒に関してバンコマイシンに非劣性を示した。しかしながら、再発の低減および持続的な臨床応答においては優越性を示した(Crook et al.(2012) in Clin.Infect.Dis.55(Suppl 2): S93-103)。
フェーズIII治験において、フィダキソマイシン治療またはバンコマイシン治療が失敗するリスクは、10日未満の各治療日において2倍であった(T.Louie et al.Poster presented at 22nd European Congress of Clinical Microbiology & Infectious Diseases, March 31 - April 3, 2012, London)。フィダキソマイシンは腸管細菌叢に対する影響が比較的低いので、長期の治療期間の過程で細菌の回復がより良好となり、その結果CDI再発のリスクを低減させることができる(T.J.Louie et al.(2012) in Clin.Infect.Dis.55(S2) S132-142 ; Tannock in Microbiology (2010), 156, 3354-3359 (Phase II trials))。
2回目の症状発現の50%超が再発(RCDI=クロストリジウム・ディフィシル感染症の再発)によるという高再発率によって、クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の管理は、結果として、複雑化する。指針では、バンコマイシン漸減により複数回の再発を管理することが推奨されている。このアプローチがうまくいかない患者に利用できる明確な推奨はない。最近の症例の一連の報告(Soriano et al in Exp Rev Antiinf Ther 2013;11:767-776)では、バンコマイシン漸減療法に治療抵抗性である複数回のRCDIを有する患者に、フィダキソマイシン200mgを1日2回の10日間投与(FID-TXという)か、または、CDI治療に続く、追撃(chaser)として10日間のフィダキソマイシン投与(FID-CHという)か、もしくは漸減として200mg/日を7日間投与とそれに続く1日置きに200mgの7~26日間の投与(FID-TPという)のどちらかのCDI治療の繰り返しの、いずれかを与えた。人口統計学的情報、CDI歴、治療結果、および無症状の間隔(SFI)を患者記録から収集した。治療終了までに症状が消失し、追加の抗生物質を必要としなかった場合に治療成功とみなした。RCDI(CDIの再発を意味する)とは、以前の症状発現に対して治療が成功した後のCDI症状の発症と定義した。患者14人が、RCDIに対する18治療単位(コース)のフィダキソマイシンを投与された(平均年齢60歳、過去のCDI症状発現平均4.6回、過去のバンコマイシン漸減コース平均2.3回)。18コース全てが治療成功という結果に終わった(FID-TXが3コース、FID-CHが8コース、およびFID-TPが7コース)。FID-TXの3コースのうち、RCDI症状発現が2例存在した(66%)。抗菌剤の暴露によるRCDIを除外したとき、FID-CHの8コース後に観察されたRCDIは2例(25%)であり、FID-TPの7コース後にはRCDIは観察されなかった。バンコマイシン漸減後、平均SFIは37日であった。FID-TX、FID-CH、およびFID-TP後の平均SFIはそれぞれ、73、240、および150日であった。複数のバンコマイシン漸減に失敗したRCDIを有する患者は、フィダキソマイシン療法後に症状が消失した。3レジメン全てが、バンコマイシン漸減と比べてより長いSFIをもたらした。FID-TP後にRCDIに見舞われた患者はいなかった。FID-CHのSFIが最も長かったが、それでもFID-TPでのフォローアップ時間は、このレジメンの採用がより最近であったことを考慮すると短めであった。これらの結果から、フィダキソマイシンを使用してRCDIを治療する有用性が示唆される(M.M.Soriano et al.Abstract 42591; presentation No.1410; IDWeek, 5 October 2013)。
成人および高齢者(65歳以上)に現在推奨される治療レジメンは、1日2回(q12h:12時間置き)200mgを10日間投与である。
いくつかの投薬レジメンが、in vitro腸モデルにおいてそれらの活性について既に試験され、例えば、有効なCDIモデルを使用して、長期パルス(モデルA:200mg1日2回20日間投与)コースに対する、短期パルス(モデルB:200mg1日2回5日間投与、5日間休止、および200mg1日2回5日間投与)コースのフィダキソマイシンの有効性について調査がなされた。このモデルに関し結果が入手可能である(C.H.Chilton et al.(2013) in J.Antimicrobial Chemotherapy Advance Access Sept 2013 and C.H.Chilton et al., abstract 23rd European Congress of Clinical microbiology & Infectious Disease, April 27-30, 2013, Berlin)。
種々のフィダキソマイシン投与レジメンが、CDIまたはCDADをシミュレートするin vitroヒト腸モデルにおいて試験された。しかし、本発明により求められている通りに患者に投与された場合、それらの投与レジメンが効果的であるか否かは不明である(C.H.Chilton et al (2014) in J.Antimicrobial Chemotherapy, 70:2598-2607 and C.H.Chilton (14 May 2014), poster presentation P0797)。
加えて、2つの他のモデル間の比較、すなわちフィダキソマイシン200mgを1日2回で5日間投与と、それに続く5日休止、次いで再びフィダキソマイシン200mgを1日1回でさらに10日間とするモデルAと、フィダキソマイシン200mgを1日2回で5日間投与、それに続くフィダキソマイシン200mg1回投与を1日置きに与えるモデルBとの比較が行われた(バルセロナでのECCMID会議における2014年5月11日のポスターセッションで発表されたポスターP0797)。
上に引用した投薬レジメンのいずれもCDIまたはCDADの高再発の問題を解決しなかった。本発明では、再発とは、治療終了(EOT)の30日以内で24時間の間に>3の下痢便の再出現、便中のクロストリジウム・ディフィシル毒素Aもしくは毒素B、または両者の存在、およびCDIに対する再治療が必要であることと定義する。
クロストリジウム・ディフィシル感染症を診断するのに単独でまたは組合せてポジティブ性を試験する場合に、利用可能なCDIまたはCDADの種々の指標が存在する。適切な指標は例えば便の硬さ、下痢の頻度、クロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)または毒素B(TcdB毒素)の存在、クロストリジウム・ディフィシル毒素A遺伝子(tcdA)またはB遺伝子(tcdB)の存在、およびクロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH=グルタミン酸脱水素酵素)の存在である。
当業者にとって許容されるモデルは、Scandinavian Journal of Gastroenterology, 1997, Vol.32, No.9, pages 920-924においてS.J.Lewisらにより公開されたブリストル便形状スケールである。この刊行物の表1において、ブリストル便形状スケールの7つのタイプが定義されており、タイプ7は水様便であり、タイプ1は分離した硬い塊である。
Figure 2023182594000002
患者に正しい投薬レジメンを適用して治療目的を達成することは極めて重要である。投与経路、調剤組成物、単位用量、投与頻度、投与量および治療期間に重点が置かれる必要がある。しかし、患者各々に対する可能な最良の治療を確保し、治療終了後の前記患者のCDIまたはCDADの再発を最低レベルまで低減させるため、CDIもしくはCDADのある特定の指標またはある特定の腸管細菌叢指標の低減の変化に応じて適応可能な柔軟な投薬レジメンを提供する必要性が依然としてある。
詳細な検討を実施した後、本発明者らは、(1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数にポジティブな変化があった場合、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる、患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物の1つ以上を提供するに至った。さらに、本発明はCDIまたはCDADに罹患している患者の再発を低減させるためのチアクマイシン化合物の使用、ならびに再発を低減させる方法を提供する。
本発明は、(1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる、患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物に関する。
本発明によるチアクマイシン化合物は、18員大環状グリコシド構造を有し、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第4,918,174号、第5,583,115号、第5,767,096号、ならびに中国特許出願第201010526416.9号および第201110104051.5号に開示されている化合物である。
好ましいチアクマイシン化合物は、チアクマイシンA、チアクマイシンB、およびこれらのアナログ(ジアルキルチアクマイシンおよびブロモチアクマイシン)、チアクマイシンC、チアクマイシンD、チアクマイシンE、チアクマイシンF、ならびにリピアルマイシンからなる群から選択される。全てのチアクマイシン化合物は共通して、水に不溶性またはほとんど不溶性であるが、より好ましくは、有効成分がリピアルマイシンもしくはチアクマイシンB、またはその立体異性体もしくはその多形体である。チアクマイシン化合物としてさらにより好ましいのは、R-チアクマイシンB(フィダキソマイシン、OPT-80、またはPAR-101としても公知である)である。
R-チアクマイシンBはフィダキソマイシン(3-[[[6-deoxy-4-O-(3,5-dichloro-2-ethyl-4,6-dihydroxybenzoyl)-2-O-methyl-β-D-mannopyranosyl]oxy]methyl]-12(R)-[[6-deoxy-5-C-methyl-4-O-(2-methyl-l-oxopropyl)-β-D-lyxo-hexopyranosyl]oxy]-ll(S)-ethyl- 8(S)-hydroxy-18(S)-(1(R)-hydroxyethyl)-9,13,15-trimethyloxacyclooctadeca-3,5,9,13,15-pentaene-2-one 又は
oxacyclooctadeca-3,5,9,13,15-pentaen-2-one, 3-[[[6-deoxy-4-O-(3,5-dichloro-2-ethyl-4,6-dihydroxybenzoyl)-2-O-methyl-β-D-mannopyranosyl]oxy]methyl]-12-[[6-deoxy-5-C-methyl-4-O-(2-methyl-l-oxopropyl)-β-D-lyxo-hexopyranosyl]oxy]-11-ethyl-8-hydroxy-18-[(lR)-1-hydroxyethyl]-9,13,15-trimethyl-,(3E,5E,8S,9E,11S,12R,13E,15E,18S))との名称でも知られている。これは、抗菌スペクトルが狭い化合物であり、クロストリジウム・ディフィシル、ならびにブドウ球菌および腸球菌の殆どの株に対する活性があるが、グラム陰性菌および真菌に対する活性は無視し得る。これはダクチロスポランギウムオーランティクムの発酵によって得られ、以下の式(II)
に対応する。
したがって、本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合は、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる、患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物であって、ここに、チアクマイシン化合物はフィダキソマイシン(R-チアクマイシンB)である、チアクマイシン化合物に関する。
「その立体異性体」という表現は、空間におけるそれらの原子の配置が異なる、同一の構成の異性体を指す。立体異性体の例には鏡像異性体およびジアステレオマーがある。「鏡像異性体」という用語は、互いの鏡像であり重ね合わせられない1対の分子種の1つを指す。「ジアステレオマー」という用語は、鏡像ではない立体異性体を指す。「ラセミ体」または「ラセミ混合物」という用語は、等モル量の2つの鏡像異性体種で構成される組成物を指し、この組成物には光学活性がない。「R」および「S」という記号は、キラル炭素原子の周りの置換基の立体配置を表す。異性体記述子「R」および「S」は、本明細書で使用される場合、コア分子に対する原子の立体配置を示すために使用され、文献(IUPAC Recommendations 1996, Pure & Applied Chemistry 68: 2193-2222)において定義される通りに使用されるものとする。「その多形体」という表現は、結晶格子内の分子の異なる配列の結果として様々な物理的特性を有する任意の代替結晶形態を記載するものである。より具体的には、例えば国際公開第2008/091554号に開示される多形体が含まれる。「その薬学的に許容される溶媒和物」という表現は、患者に(直接的または間接的に)投与されチアクマイシン化合物を与える薬学的に許容される任意の溶媒和物を示すものである。好ましくは、溶媒和物は、水和物、メタノール、エタノール、プロパノールもしくはイソプロパノールなどのアルコールとの溶媒和物、酢酸エチルなどのエステルとの溶媒和物、メチルエーテル、エチルエーテルもしくはTHF(テトラヒドロフラン)などのエーテルとの溶媒和物またはDMF(ジメチルホルムアミド)との溶媒和物であり、そのうち、水和物、またはエタノールなどのアルコールとの溶媒和物がより好ましい。溶媒和物を構成するための溶媒は、薬学的に許容される溶媒が好ましい。
CDIはクロストリジウム・ディフィシル感染症を意味し、CDADはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患もしくは下痢を意味する。双方の表現は同一の意味を有し、相互変換が可能である。本発明においてCDIに言及がなされる場合、これはまたCDADを含み、逆も同様である。
「患者」という表現は、CDIまたはCDADに罹患している任意のヒトを意味する。
クロストリジウム・ディフィシル感染症の病勢は、種々の指標によりモニタリングすることができる。適切な指標は例えば、便の硬さ、下痢の頻度、クロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)または毒素B(TcdB毒素)の存在、クロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)と毒素B(TcdB毒素)との同時存在、クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)またはクロストリジウム・ディフィシル毒素A遺伝子(tcdA)の存在、クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)とクロストリジウム・ディフィシル毒素A遺伝子(tcdA)との同時存在、およびクロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH=グルタミン酸脱水素酵素)の存在、ならびに場合によっては炎症性バイオマーカー、例えば糞便ラクトフェリン(例えばHycultbiotech製の酵素免疫測定法(EIA)により検出)、カルプロテクチン(例えばHycultbiotech製またはBIOHIT Healthcare製の酵素免疫測定(EIA)により検出)、C反応性タンパク質(CRP)(例えばNovex製の酵素免疫測定(EIA)により検出)、糞便IL-8 mRNA(qRT-PCRにより検出:Feghaly et al., 2013:57, Clinical Infection Diseases)、糞便CXCL-5 mRNA(qRT-PCRにより検出:Feghaly et al., 2013:57, Clinical Infection Diseases)である。種々の指標を単独でまたは他の指標の1つと組み合わせて、患者の病状を判定するために使用することができる。
本発明においてCDIまたはCDADをモニタリングするための好ましい指標は、(a)下痢の頻度、(b)便の硬さ、(c)クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)および/またはクロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)、(d)クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)、及び(e)クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)からなる群から選択される。これらの指標はCDIまたはCDADをモニタリングするために、それぞれ、単独でまたは選択された指標の1つまたは複数と組み合わせて使用することができる。
本発明において「ポジティブに変化し」または「ポジティブな変化」という句は、最初の治療コースがCDIまたはCDADの治療に対して効果的であるか否かを確認するために、治療の開始時と最初の治療コース中とでCDIまたはCDADの特定の指標が比較されている、という事実を意味する。効果的な治療により、指標の改善値(すなわち指標がポジティブに変化するか、または指標のポジティブな変化)がもたらされ、これは、指標の値が最初の治療コースで低下したことを意味し、その結果、患者を間欠的治療コースへ切り替えることが可能となる。ポジティブな変化の意味については、以下、好ましい指標のそれぞれに対して説明する。
本発明における「好ましく変化した」という句は、腸管細菌叢が回復したか否かおよび間欠的治療が中止可能か否かを確認するために、治療開始時と間欠的治療コース中とで腸管細菌叢の特定の指標が比較されている、という事実を意味する。本発明における「好ましく変化した」とは、CDIに対するコロニー形成抵抗性を支持する微生物の個体数が増加し(例えばバクテロイデス門およびフィルミクテス門)、CDIに対するコロニー形成抵抗性に不利に作用する微生物(例えばプロテオバクテリア門)の個体数が低減することを意味する。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与することよる間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる、患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物であって、ここに、CDIまたはCDADの指標は、(a)下痢の頻度、(b)便の硬さ(c)クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)および/またはクロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)、(d)クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)、及び(e)クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)からなる群から選択される。
本発明の別の実施形態は、本発明の投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、CDIまたはCDADの指標が下痢の頻度であるものである。
下痢の頻度または形を成さない排便(Unformed Bowel Movement:UBM)は、CDIまたはCDADの症状改善をモニタリングするのに適切な指標である。例えば、下痢の頻度が、連続する2日間1日当たりUMB4回未満に低減することは、指標のポジティブな変化である。本発明の好ましい1実施形態は、下痢の頻度が、連続する2日間1日当たりUMB3回未満に低減することである。UMBまたは下痢の頻度は患者のメモまたは排便日誌をとおして観察することにより検出される。
本発明の別の実施形態は、本発明の投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、CDIまたはCDADの指標が、便の硬さであるものである。当業者にとって許容されるモデルは、Scandinavian Journal of Gastroenterology, 1997, Vol.32, No.9, pages 920-924においてS.J.Lewisらにより公開されたブリストル便形状スケールである。この刊行物の表1において、ブリストル便形状スケールの7タイプが定義されており、この場合、タイプ7は水様便であり、タイプ1は分離した硬い塊である。本発明では、指標のポジティブな変化とは、ブリストル便形状スケールに準拠して便の硬さがタイプ7またはタイプ6から、タイプ4への、または4を下回るタイプへの変化である。本発明の好ましい1実施形態は、便の硬さはブリストル便形状スケールのタイプ7またはタイプ6から、タイプ4への改善を示す場合である。
本発明の別の実施形態は、本発明の投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、CDIまたはCDADの指標がクロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB)であるものである。感染中、クロストリジウム・ディフィシルは2つの重要な毒性決定因子、毒素A(TcdA)および毒素B(TcdB)を産生する。それ故、毒素Bおよび毒素A(TcdA)はCDIの重要な指標である。本発明の投薬レジメンによる最初の治療コースがCDIまたはCDADの治療に効果的であるとき、TcdB毒素および/またはTcdA毒素は、定性試験において陰性であるか、または定量アッセイを使用する場合はTcdB毒素および/またはTcdA毒素のレベルが検出下限(LLOD)未満であると確認される。本発明の使用のためのチアクマイシン化合物の好ましい1実施形態は、クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)が存在しないことである。TcdAおよび/またはTcdBの存在は、酵素結合免疫検定法(ELISA)または酵素免疫測定法(EIA)によって決定することができる。ELISAとEIAとは交換可能な表現である。CDIの非存在を決定するのに適切なEIAアッセイは、Clostridium difficile TOX A/B II test(TechLab製)またはClostridium difficile TOX-B test(TechLab製)である。
本発明の別の実施形態は、本発明の投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、CDIまたはCDADの指標がクロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)またはクロストリジウム・ディフィシル毒素A遺伝子(tcdA)であるものである。本発明の投薬レジメンによる最初の治療コースがCDIまたはCDADの治療に効果的であるとき、核酸増幅検査で試験した場合にtcdBおよび/またはtcdAは存在しないか、または定量アッセイが使用される場合にtcdBのおよび/またはtcdAのレベルは検出下限(LLOD)未満であることで確認される。本発明の使用のためのチアクマイシン化合物の好ましい1実施形態は、tcdBが存在しないことである。tcdAおよび/またはtcdBの非存在を決定するのに適切なアッセイは、Cepheid製のXpert C.Difficileアッセイである。
本発明の別の実施形態は、本発明の投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、CDIまたはCDADの指標がクロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH=グルタミン酸脱水素)であるものである。本発明の投薬レジメンによる最初の治療コースがCDIまたはCDADの治療に効果的であるとき、GDH毒素は、定性試験において存在しないか、または定量アッセイを使用する場合はGDHのレベルが検出下限(LLOD)未満であることで確認される。本発明の使用のためのチアクマイシン化合物の好ましい1実施形態は、GDHが存在しないことである。GDHの非存在を決定するのに適切なアッセイは、例えばTechLab製のClostridium difficile CHEK 60と称するEIAである。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、フィダキソマイシン200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、下痢の頻度が、連続する2日間1日当たり4回未満の形を成さない排便(UBM)への低減である。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、フィダキソマイシン200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、便の硬さが、ブリストル便形状スケールに準拠してタイプ7またはタイプ6から、タイプ4への改善を示すものである。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、フィダキソマイシン200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB)およびクロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA)が存在しないものである。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、フィダキソマイシン200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB)が存在しないものである。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数が陽性変化している場合、フィダキソマイシン200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)が存在しないものである。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、フィダキソマイシン200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)が存在しないものである。
CDIまたはCDADからの回復をモニタリングするのに適切な指標はまた、腸内細菌科と関連した尿中代謝物の減少および/または尿中の偏性嫌気性菌と関連した尿中代謝物(例えば馬尿酸、4-クレゾール硫酸)の増加といった尿中代謝性バイオマーカーとすることができる。
「最初の治療コース」という句は、疾患の最初の治療に使用される投薬レジメン(または投薬レジメンの部分)をいう。本発明の好ましい1実施形態では、最初の治療コースは3~10日間、さらにより好ましくは5日間続く。
本発明の別の実施形態は、本発明の投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、さらに間欠的治療コース前に1~10日間の休止期間を含むものである。
本発明の別の実施形態は、本発明の投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、さらに間欠的治療コース前に4~6日間の休止期間を含むものである。
本発明の別の実施形態は、本発明の投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、さらに間欠的治療コース前に5日の休止期間を含むものである。
本発明の別の実施形態は、本発明の投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、間欠的治療コースが4~40日間、好ましくは10~30日間、さらにより好ましくは20日間継続するものである。
健常個体の腸管細菌叢組成は、食物、年齢および地理などの環境に応じて変化するが、フィルミクテス門(クロストリジア群XIVaおよびIV、ラクノスピラ科(Lachnospiraceae)、ルミノコッカス科(Ruminococcaceae)を含む主要なグラム陽性嫌気性菌、ならびに腸球菌および乳酸菌などの少数派の通性嫌気性菌が含まれる)およびバクテロイデス門(主要なグラム陰性嫌気性菌、例えばバクテロイデス属(Bacteroides)およびプレボテラ属(Prevotella)が含まれる)、ならびにより小さな群、例えば放線菌門(ビフィドバクテリアファミリーが含まれる)および腸内細菌科などのプロテオバクテリア門、といったある特定の微生物が健常個体に通常に見いだされる。
上記の腸管フローラ微生物は、腸管微生物叢の回復の指標とみなすことができ、かつCDIに対するコロニー形成抵抗性が適切なレベルにあることを保証する。腸管細菌叢の回復を達成するために、バクテリオイデス門およびフィルミクテス門の個体数が増加し、プロテオバクテリア門の個体数が低減する必要がある。嫌気性菌の間の、例えば、バクテリオイデス門およびフィルミクテス門と腸内細菌科などのプロテオバクテリア門との間の適切なバランスを達成することが重要である。
本発明のまた別の実施形態は、請求項に記載の投薬レジメンにおける間欠的治療コースにおいて、腸管細菌叢の回復に関して知られる特定の指標が好ましく変化したとき、間欠的治療コースは中止されるものである。
したがって、本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップと、(5)腸管細菌叢の1つまたは複数の指標をモニタリングするステップと、(6)腸管細菌叢の指標の1つまたは複数が好ましく変化した場合、間欠的治療コースを中止するステップとを含む投薬レジメンによる、患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物に関する。
腸管細菌叢に適切な指標は腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の菌数である。腸内細菌科はプロテオバクテリアファミリーに属する。本発明の好ましい1実施形態は、腸内細菌科の菌数が最初の治療コース前のレベルと比較して少なくとも90%に低減するものである。腸内細菌科は、無害な多数の共生微生物とともに多くのより身近な病原体、例えば、サルモネラ属、大腸菌、ペスト菌、クレブシエラ属(Klebsiella)および赤痢菌属が含まれる、グラム陰性細菌の大きなファミリーである。このファミリーの他の病原菌には、プロテウス属、エンテロバクター属、セラチア属、およびシトロバクター属が含まれる。腸内細菌科の菌数が最初の治療前の腸内細菌科の菌数と比較して少なくとも90%に低減することは、正常に機能する腸管への回復を意味し、治療をやめるときを示す。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、フィダキソマイシン200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップと、(5)腸管細菌叢の1つまたは複数の指標をモニタリングするステップと、(6)腸管細菌叢の指標の1つまたは複数が好ましく変化した場合、間欠的治療コースを中止するステップと、を含む投薬レジメンによる患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、腸管細菌叢の腸内細菌科の総菌数が最初の治療コース前のレベルと比較して90%低減するものである。
本発明の好ましい1実施形態は、請求項に記載の投薬レジメンにおける間欠的治療コースにおいて、バクテリオイデス門およびフィルミクテス門のレベルがベースラインの80%であるときに当該間欠的治療コースが中止されるものである。本発明の別の好ましい実施形態は、請求項に記載の投薬レジメンにおける間欠的治療コースにおいて、嫌気性菌(バクテリオイデス門およびフィルミクテス門)とプロトバクテリア門(protobacteria)とのバランスが達成されたときに当該間欠的治療コースが中止されるものである。
フィダキソマイシンは、抗菌スペクトルが狭く、クロストリジウム・ディフィシルに対する投与後の抗菌効果も長い。患者に対する明らかな利益に加えて、再発の防止によって、クロストリジウム・ディフィシル感染症のさらなる症状発現を治療する費用が排除され、そしてヒトからヒトへの伝染率が低減するはずである。
これはCDIに対する効果的治療であるとともに、バンコマイシンと比べて再発率の低減を伴う。しかし、これらの既存の投与レジメンは、細菌叢の回復に最適化されてはおらず、バンコマイシンおよびメトロニダゾールに対する既存の実践に基づいて選択されたものである。しかし、バンコマイシンおよびメトロニダゾールは両方とも細菌叢を攪乱し、したがって治療が解かれるまでは回復は始まることができない。
新規な投薬レジメンのCDI再発に対する効果は本発明の重要な要因である。また、治療抵抗性CDIに対する新規な投薬レジメンの効果も重要である。
先に公表されたフェーズ3試験における、経口的に投与されたバンコマイシンと比較した経口的に投与されたフィダキソマイシンに関する、CDI患者における10日後の臨床的治癒の非劣性、および副次的評価項目である、治療中止後30日以内の再発率および持続的治癒率に対して示された優位性は、高い臨床的重要性を有すると考えられる。
しかし、フェーズIII試験において、バンコマイシンの26%から、フィダキソマイシンの14.1%(mITT解析=部分修正治療意図の原理による集団解析(Modified Intention to Treat Population analysis))へと有意に再発が低減したにもかかわらず、CDIの再発は、依然としてこの疾患領域においていまだ満たされていない主要な医療ニーズであり、その結果、より広い社会的経費および医療制度の経費に加えて患者にとって深刻な罹病率および死亡率をもたらす。
本発明の新規の投薬レジメンにより、治療が終了して30日後で再発は10%未満に、好ましくは治療が終了して30日後で5%未満に、さらにより好ましくは治療が終了して30日後で3%未満に低減する。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる患者のCDIまたはCDADの経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物において、患者のCDIまたはCDADの再発は、治療が終了して30日後で10%未満である。好ましい1実施形態では、患者の再発は、治療が終了して30日後で5%未満であり、さらにより好ましい1実施形態では、再発は、治療が終了して30日後で3%未満である。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)CDIまたはCDADの1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる、治療終了の30日後におけるCDIまたはCDADの再発を10%未満に低減するものである、CDIまたはCDADに罹患している患者の経口治療のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物の使用に関する。
本発明の別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回患者に投与するステップと、(2)CDIまたはCDADの1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、1日おきにフィダキソマイシン200mgを患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む投薬レジメンによる、治療終了の30日後におけるCDIまたはCDADの再発を10%未満に低減するものである、CDIまたはCDADに罹患している患者の経口治療のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物の使用に関する。
本発明の別の実施形態は、本発明の治療終了の30日後におけるCDIまたはCDADの再発を10%未満に低減する、CDIまたはCDADに罹患している患者の経口治療のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物の使用において、ここに、CDIまたはCDADの指標が、(a)下痢の頻度、(b)便の硬さ(c)クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)および/またはクロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)、(d)クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)、及び(e)クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)からなる群から選択されるものである。
別の実施形態は、(1)最初の治療コースにおいて1日2回チアクマイシン化合物200mgを患者に投与するステップと、(2)クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)またはクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングするステップと、(3)指標の1つまたは複数に関しポジティブな変化があるか否かを評価するステップと、(4)CDIまたはCDADの指標の1つまたは複数がポジティブに変化している場合、1日おきにチアクマイシン化合物200mgを患者に投与する間欠的治療コースに切り替えるステップとを含む、患者のCDIまたはCDADを治療する方法に関する。
本発明の別の実施形態は、本発明の患者のCDIまたはCDADを治療する方法において、チアクマイシン化合物がフィダキソマイシン(R-チアクマイシンB)である、方法である。
本発明の別の実施形態は、本発明の患者のCDIまたはCDADを治療する方法において、CDIまたはCDADの指標が、(a)下痢の頻度、(b)便の硬さ(c)クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)および/またはクロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)、(d)クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)、及び(e)クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)からなる群から選択される、方法である。
本発明の患者のCDIまたはCDADを治療する方法の別の実施形態は、CDIまたはCDADの前記指標が下痢の頻度である、方法である。
本発明の患者のCDIまたはCDADを治療する方法の別の実施形態は、前記下痢の頻度が、連続する2日間1日当たり4回未満の形を成さない排便(UBM)に低減することである、方法である。
本発明の本発明の患者のCDIまたはCDADを治療する方法の別の実施形態は、CDIまたはCDADの前記指標が便の硬さである、方法である。
本発明の患者のCDIまたはCDADを治療する方法の別の実施形態は、前記便の硬さが、ブリストル便形状スケールに準拠してタイプ7またはタイプ6から、タイプ4への改善を示すことである、方法である。
本発明の患者のCDIまたはCDADを治療する方法の別の実施形態は、CDIまたはCDADの前記指標がクロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB)である、方法である。
本発明の患者のCDIまたはCDADを治療する方法の別の実施形態は、前記クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB)が存在しない、方法である。
本発明による投薬レジメンにおいて使用できる組成物は医薬組成物とすることができる。本発明の別の実施形態は、CDIまたはCDADに罹患している患者の経口治療における使用のための、チアクマイシン、その立体異性体、その多形体、またはその薬学的に許容される溶媒和物を含む医薬組成物であり、したがって、最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回経口的に投与し、患者における最初の治療コースの効能およびCDIまたはCDADの1つまたは複数の指標の変化をモニタリングすることによって評価され、そして、指標の1つまたは複数がポジティブに変化したら、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースを含む。
本発明による投薬レジメンにおいて使用できる組成物は、水性懸濁液、水性懸濁液用乾燥粉末、水性懸濁液用乾燥粒状物であってもよく、または分散錠、カプセル、任意にフィルムコーティングされた錠剤であってもよい。経口投与にとって好ましい組成物は、錠剤、特にフィルムコーティング錠である。
錠剤という用語はまた、急速崩壊性錠剤も含み、その中に分散錠および発泡錠がある。
最も一般的に使用される錠剤調製方法には、直接圧縮法、乾式造粒法、および湿式造粒法がある。直接圧縮法は、有効成分、および賦形剤を含有する混合物を打錠機上で圧縮することを伴う(L.Lachman et al., in: The Theory and Practice of Industrial Pharmacy, 3rd ed., 1986)。均一な含量の有効成分を有する錠剤を製造するために、圧縮しようとする混合物は良好な流動性および圧縮性の両方を有していなければならない。良好な流動性は、滑沢剤、付着防止剤および流動促進剤などの、好適な賦形剤を混合物に加えることによって常に実現できるわけではない。よって、高い頻度で混合物を造粒した後に圧縮する。
造粒とは、粉末混合物から顆粒と呼ばれる球様または規則的な形状の凝集体を成形するプロセスである。これは乾式造粒法および湿式造粒法により行うことができる。造粒は、凝集力の劣る粉末の混合物を凝集体に変換するのにも使用され、この凝集体を圧縮すると凝集性の良好な錠剤が生成する。
急速崩壊性錠剤の場合、有効成分の味をマスキングするためにおよび/または光および/もしくは水分によるあり得る悪影響から有効成分を保護するために、ならびにベンダムスチンの場合は、活性化合物により及ぼされる悪影響から口中の粘膜を保護するために、そのような成分に、1種または複数の賦形剤との混合物中でもよいが、コーティングが施されていると有利である。この目的で、粒状物を以下にさらに概略する通り調製および加工することが好ましい。
「粒状物」という表現は粒子の凝集体を意味し、顆粒と呼ばれる場合もある。粒状物は一般的に、圧密技法および/もしくは圧縮技法(乾式造粒)により、または液体を使用する湿式造粒技法により調製されるが、この液体には湿式造粒法の結合剤が溶解していてもよい(Remington's Pharmaceutical Sciences 18th ed.1990, page 1641)。湿式造粒技法には押し出し技法も含まれる。したがって、粒状物という用語は、ペレット、球状体、および押出し物も含み、この中では粒状物の例としてペレットを使用することが好ましい。
ペレットは、直径およそ1.0~1.6mmの、ある特定の密度を有する小粒子として記載することができ、この粒子は、押出しおよび球形化の製薬プロセスを粉末混合物に対して適用することにより調製される。
有効成分は、有効成分の味をマスキングするために、および/または光および/もしくは水分による可能な悪影響から有効成分を保護するために、および/または活性化合物により及ぼされる悪影響から口中の粘膜を保護するために、任意に1種または複数の賦形剤と混合されている状態で、コーティングが施されていることが有利であり得る。
本発明による治療レジメンに従って使用できる剤形は、乾式造粒技法によって調製することが好ましい。適切な技術は、例えば、Remington's Pharmaceutical Science 18th.ed.1990, page 1644に記載されている。これらは、乾式造粒法、ローラー圧縮法、および直接圧縮法を含む。錠剤をこれらの技法により調製する場合、直接圧縮法を使用するのがさらにより有利である。
本発明による治療レジメンに従って使用できる剤形に、コーティングが施されているのが好ましい。コーティングには様々な目的があり:これは、組成物において使用する有効成分の味をマスキングするのに役立ち得る一方で、同時に光および/または水分によるあり得る悪影響、例えば、酸化、分解等から有効成分を保護する。さらに、コーティング層は、有効成分による口腔粘膜の損傷からn患者を防ぐことができる。
コーティング層は、当技術分野において周知の技法、例えば、噴霧コーティングおよびマイクロカプセル化によって剤形に適用することができる。錠剤の場合、コーティング層はフィルムコーティング、糖コーティング、または圧縮コーティングの形態であることができる。フィルムコーティングのプロセスを使用することが好ましい(Remington's Pharmaceutical Sciences 18th ed.1990, page 1666)。急速崩壊性錠剤に対するコーティングの適用が有効成分に必要とされる場合、個々の顆粒にコーティングを適切に施した後、錠剤に圧縮することができる。
これはまた、充填剤または希釈剤も含有することが好ましい。そのような適切な化合物の例としては:
- ショ糖、フルクトース、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、アスパルテーム、エリスリトール、イソマルト、トレハロース、マルトース、マンノース、ソルボース、キシロース、デキストラン、デキストリン、プルラン、マンニトール、およびラクトースからなる群から選択することができる糖;
- 微結晶性セルロースまたはミクロファインセルロース;
- デンプン、可溶性デンプンまたはデンプン誘導体、例えば、ヒドロキシエチルデンプン;
- 炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸ナトリウム、カルメロースカリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、合成ケイ酸アルミニウム等
である。
最も好ましいのは、微結晶性セルロースおよびD-マンニトール、エリスリトール、イソマルトおよびトレハロースからなる群から選択される糖である。しかし、様々な貯蔵条件下での、フィダキソマイシンおよびキサンタンガムを含有する組成物の安定性に鑑みて、微結晶性セルロースを使用することが好ましい。それに加えて、糖含有組成物を摂取してはいけないある特定の群の患者にとって、微結晶性セルロースの使用は有利である。
微結晶性セルロースの量はできるだけ低くなければならないが、そう重要ではない。糖を使用する場合も同じである。
フィダキソマイシンは、in vitroおよびin vivo両方の状況において、速やかにかつ均一に分散することが重要であるため、粒状物は1種または複数の崩壊剤をさらに含有することができる。適切な崩壊剤は、コーンスターチ、バレイショデンプン、部分アルファ化デンプンであるが、いわゆるスーパー崩壊剤も使用することができ、スーパー崩壊剤の例としてクロスカルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびアンバーライトIRP88がある。好ましい崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、これはPrimojel(登録商標)の商標で市販されている。この崩壊剤は、希釈剤として微結晶性セルロースまたは糖のいずれかを含有する組成物において効果的であることを示している。さらに、これは、粒状物組成物の製造を容易にするのに貢献することを示している。第2の崩壊剤を、例えば部分アルファ化デンプンを使用することができる。
本発明による治療レジメンに従って使用できる組成物は水性懸濁液とすることができ、好ましくは、緩衝化剤、保存剤、香味剤、甘味剤、および増粘剤などの、賦形剤との混合物中で、水性懸濁液とすることができる。組成物は、チアクマイシン化合物の味をマスキングするための香味剤および甘味剤を含有するのが最も好ましい。
緩衝化剤の例としては、塩酸、希塩酸、硫酸、アジピン酸およびその塩、クエン酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、アスコルビン酸およびその塩、氷酢酸およびその塩、酢酸およびその塩、酒石酸およびその塩、フマル酸およびその塩、マレイン酸およびその塩、乳酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、リン酸およびその塩、グリシン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム等、ならびに上記薬剤の組合せである。
保存剤の例としては、安息香酸およびその塩、エデト酸およびその塩、サリチル酸およびその塩、ジブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸およびその塩、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラヒドロキシ安息香酸、およびその塩、メチルパラベン、プロピルパラベン等、ならびに上記保存剤の組合せである。
香味剤の例としては、オレンジエッセンス、オレンジ油、カラメル、カンファー、シナモン油、スペアミント油、ストロベリーエッセンス、チョコレートエッセンス、チェリーフレーバー、ビターオレンジの油、パイン/パイナップル油、ハッカ油、バニラフレーバー、ビターエッセンス、フルーツフレーバー、ペパーミントエッセンス、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、メントール、レモンパウダー、レモン油、ローズ油等、および上記香味剤の組合せである。
甘味剤の例としては、スクラロース、アスパルテーム、フルクトース、キシリトール、グリチルリチン酸およびその塩、サッカリンおよびその塩、ステビア、ショ糖、ソルビトール、グルコース、水素化マルトースデンプンシロップ、マルチトール、マルトース等、ならびに上記甘味剤の組合せである。
増粘剤の例としては、セルロース、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース;ゴム、例えば、キサンタンガム、グアーガム、ゲランガム、デキストラン、カラゲナン;ポリビニルピロリドン;特別に処理した微結晶性セルロース、例えば、水分散性セルロース(微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム);ならびに上記増粘剤の組合せである。
あるいは、顆粒外賦形剤との混合物中で本発明による治療レジメンにしたがって使用できる粒状物を、分散錠の調製に使用することができる。
本発明のチアクマイシン化合物を、他の有効成分と組み合わせて使用してもよい。例えば、2種以上のチアクマイシン化合物をCDIまたはCDADの経口治療向けに組み合わせてもよい。ポリクローナルおよびモノクローナル抗体はCDIまたはCDADの治療において有効な効果を示した。ポリクローナル抗体は例えば、患者の治療を促進する。最近の治験では、抗生物質療法と組み合わせたモノクローナル抗体により患者のCDI再発を低減できることが、実証された(Simon et al, Polyclonal antibody Therapies for Clostridium difficile Infection, Antibodies 2014, 3, 272-288)。したがって、有用な組合せとは、モノクローナルまたはポリクローナル抗体と組み合わせたフィダキソマイシンとすることができる。とりわけ、フィダキソマイシンと組み合せるのに有用なモノクローナル抗体は、TcdAおよびTcdB媒介のTNF-αならびにIL-1β発現を低減し得るものである。
以下の実施例は本発明をさらに説明するものである。当業者であれば、これらの実施例は説明の目的にすぎず、本発明を限定するものとみなしてはならないことが明らかであろう。
(例1)
高齢者集団でのクロストリジウム・ディフィシル感染症の持続的臨床治癒において、バンコマイシン療法の効能をフィダキソマイシン療法の間欠的投薬レジメンと比較する、フェーズIIIb/IV無作為化、対照、非盲検、並行群試験(延長フィダキソマイシン(FDX)試験、また試験番号2819-MA-1002を有するEXTENDと称する)を実施した。
本試験の目的は、治療が終了して30日後にCDIの持続的臨床治癒においてフィダキソマイシン間欠的投薬レジメン療法が標準バンコマイシン療法よりも優れているか否かを評価すること、および40日目、55日目および90日目のCDI再発を比較することである。
Figure 2023182594000004

Figure 2023182594000005
用量の根拠
フィダキソマイシン(FDX)は、大腸細菌叢へのより少ない付随的ダメージを主に介して再発を低減させると考えられる。FDXに対する承認された投与レジメン(200mgをq12hrで10日間)は細菌叢の回復に対して最適化はされておらず、バンコマイシンおよびメトロニダゾールに対する既存の実践に基づいて選択された。したがって、投与予定のフィダキソマイシン(Dificlir(商標))の試験投与は、Dificlir(商標)に対する現在承認の製品概要(SmPC)に即せず、CDIを治療する上でこの製品の属性を最大化するために選択された。患者は200mgの1日2回(b.i.d)投与を、1日目から5日目まで5日間受ける。6日目から25日目まで、患者は200mgの1日1回投与を隔日で受ける(第1回の隔日投与は7日目に受ける)。投与をこのように延長すると、保護すべき細菌叢が回復するためにより長い期間が与えられ、そしてクロストリジウム・ディフィシル細胞が抑制される期間が延長され、かつ発芽するあらゆる休眠胞子が殺滅されることになる。投与の延長はまた、フェーズ3試験において記録された早期の再発期間-治療終了後の最初の15日間に再発のほとんどが発現した-を標的としている。この期間をカバーすることにより、この改訂された投与レジメンで再発を<10%に、好ましくは<5%に、さらにより好ましくは<3%に低減させることが可能である。腸管細菌叢に対する影響は制限され、本試験の根拠が支持された。
本試験で投与予定のバンコマイシン(Vancocin(商標))の投与はVancocinに対する製品概要に即している。患者は、125mgの1日4回(q.i.d)投与を1日目から10日目までの10日間受ける。
(例2)
例1に記載のフェーズIIIb/IVの結果
高齢者集団のクロストリジウム・ディフィシル感染症の持続的臨床治癒において、標準バンコマイシン(VAN)療法の効果をフィダキソマイシン療法の延長された投薬レジメンの効果と比較する、フェーズIIIb/IV無作為化、対照、非盲検、並行群試験(延長フィダキソマイシン(FDX)試験、また試験番号2819-MA-1002を有するEXTENDと称する)を実施した。投薬レジメンは例1の表1に記載の通りとした。
Figure 2023182594000006
人口統計学的特性およびベースライン特性の分布は、2つの治療群の間で類似している。合わせた群において、過去のCDI再発が0、1および2回である患者の割合は、それぞれ、78.7%、14.9%および6.4%である。無作為化前の直近24時間における形を成さない排便の平均回数はおよそ6.5(±4.10 SD)である。
Figure 2023182594000007
持続的臨床治癒とは、治癒検査で治験責任医師によって判断される臨床反応として定義され、治癒検査から評価時期までにCDIの再発が無いことである。
[1]両者レート間の差(延長フィダキソマイシン-標準バンコマイシン)および当該差の関連95%信頼区間。
[2]無作為化因子(CDI重症度[重症または非重症]、がんの有無、年齢[≧75歳または<75歳]および過去の再発数[0、1、2])に対して調整したコクラン-マンテル-ヘンツェル検定(一般連関)からのp-値。
[3]共通オッズ比(OR)の推定値および95%信頼区間。
Figure 2023182594000008
CDI再発は、治癒検査での臨床的応答を有する患者に対して、バンコマイシン群について10日目にまたはフィダキソマイシンについて25日目に記録された頻度より大きい程度に、治癒検査後に下痢が再開することと定義され、毒素A/BについてCDI試験陽性によって確認され、かつCDI治療をさらに必要とする。
[1]両者の割合の間の差(延長フィダキソマイシン-標準バンコマイシン)および当該差の関連95%信頼区間。
[2]無作為化因子(CDI重症度[重症または非重症]、がんの有無、年齢[≧75歳または<75歳]および過去の再発数[0、1、2])に対して調整したコクラン-マンテル-ヘンツェル検定(一般連関)からのP値。
[3]共通オッズ比(OR)の推定値および95%信頼区間。
延長FDX群において、86.7%の患者が、標準VAN群における62.9%と比較して、EOT後30日目に持続的臨床治癒を達成した(23.8%の差)。55日目に、CDI再発率は、VAN群における16.1%(15/94)と比較して延長FDX群において3.5%であった(-12.6%の差)。
Figure 2023182594000009

Figure 2023182594000010
(例3)
ヒト糞便試料中のクロストリジウム・ディフィシル毒素の検出
ヒト糞便試料中のクロストリジウム・ディフィシル(C.diff)毒素AおよびBの検出をELISAにより実施した。分析する試料は治験2819-MA-1002(EXTEND)に由来した。治療が終了して30日後(40日目または55日目)での≧60歳である患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の持続的臨床治癒において、延長フィダキソマイシン療法が標準バンコマイシン療法よりも優れているか否かについて調査することを、EXTENDの目的とした。
試料についてはドライアイスでパックしてLGC(Analytical lab in Fordham, Cambridgeshire、英国)に送付し、受け取ると冷凍庫に保存した(名目上-80℃)。患者各々に対して、0日目(スクリーニング)におよび疾患再発または予定外来院の場合にも便試料を採取した。細菌叢(Microbiome)サブ試験に参加した患者については、便試料は、0日目(スクリーニング)、5日目、12日目、27日目、40日目、55日目におよび疾患再発または予定外来院の場合にも便試料を採取した。試験中、計596糞便試料を収集した。
材料
ヒト糞便試料中のC.ディフィシル毒素AおよびBはTECHLAB C.difficile Tox A/B II ELISAキット(製品番号T5015)を使用して検出した。
全てのデータ収集、処理(統計)および保存については一般データ整理ソフトウエアパッケージ、PHERAstar FSリーダーコントロールソフトウエアおよびMARSデータ分析ソフトウエア2.10(BMG Labtech、3.10版)、Watson(商標)v7.2およびMicrosoft(登録商標)Excel(2010年版)を使用して行った。
アッセイリードアウトは、450nmで読み取り、620nmでレファレンスし、吸光単位(AU)で表した分光光度2波長光学濃度(OD)である。全ての試料は2回繰り返しで測定した。毒素の有(+)または無(-)については平均ODと一緒に報告した。
試験試料の各バッチの判定は、下の表5に概略された受入基準を満たしたQC試料からのデータに依存し、ここに、すべての陽性のQCは>0.080 ODのカットオフ値を超えており、陰性QCは≦0.080 ODの範囲内である。全てのバッチは2回繰り返しで測定されるための2つの別々のセットのQC試料を含む。精度については、<20%であることが求められる変動係数(CV)を使用してそれぞれのセットのODの反復値の間で算出した。
Figure 2023182594000011
Figure 2023182594000012
(例4)
クロストリジウム・ディフィシル陽性ヒト糞便試料の分子特性
治験2819-MA-1002(EXTEND)の裏付けでクロストリジウム・ディフィシル陽性便試料の分子特性に関する指定中央検査施設として、LGCを指定した。治療が終了して30日後(40日目または55日目)での≧60歳である患者のCDIの持続的臨床治癒において、延長フィダキソマイシン療法が標準バンコマイシン療法よりも優れているか否かを評価することを、2819-MA-1002の目的とした。
患者各々に対して、スクリーニング(0日)でおよび疾患再発または予定外来院の場合にも便試料を採取した。細菌叢サブ試験に参加した患者については、0日目(スクリーニング)、5日目、12日目、27日目、40日目、55日目におよび疾患再発または予定外来院の場合に便試料を採取した。毒素A遺伝子および毒素B遺伝子の両方を標的として毒素産生C.ディフィシルの存在についてBioFire FilmArray Instrumentで試料を分析し、bioMerieux(Basingstoke、英国)から入手されるFilmArray Gastrointestinal (GI) Panels [RFIT-ASY-0104]およびRFIT-ASY-0116を使用して下痢を引き起こす可能性のあるいくつかの他の病原体を分析した。
22種の標的の存在について試料を試験した。これらの標的は一般的な消化管病原体であり、ウイルス、細菌および寄生虫が含まれる。解凍した試料を分子生物学グレードの水でホモジナイズし、1試料ずつBioFire FilmArray Instrumentで分析した。
以下の標的を試験した:カンピロバクター(C.ジェジュニ(C.jejuni)/C.コリ(C.coli)/C.アップサリエンシス(C.upsaliensis))、クロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)毒素A/B、プレジオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、サルモネラ属、ビブリオ属(V.パラヘモリティカス(V.parahaemolyticus)/V.バルニフィカス(V.vulnificus)/V.コレラ(V.cholera))、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、腸管凝集性大腸菌(EAEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)、腸管毒性大腸菌(ETEC)lt/st、志賀様毒素産生大腸菌(STEC)stx1/stx2、大腸菌O157、シゲラ属(Shigella)/腸管組織侵襲性大腸菌(EIEC)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)、サイクロスポーラ・カエタネンシス(Cyclospora cayetanensis)、赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)(G.intestinalisおよびG.duodenalisとしても公知である)、アデノウイルスF40/41、アストロウイルス、ノロウイルスGI/GII、ロタウイルスA、サポウイルス(遺伝子群I、II、IV)、および試験2819-MA-1002からのヒト糞便試料は中央検査機関BARC(Industriepark Zwijnaarde 3B B-9052 Gent、ベルギー)から受け取った。試料についてはドライアイスでパックしてLGCに送付し、受け取ると冷凍庫に保存した(名目上-80℃)。
(例5)
標準バンコマイシン療法と比較した種々のフィダキソマイシン治療レジメンの比較
Figure 2023182594000013
(例6)
クロストリジウム・ディフィシル毒素AおよびBに対して陽性と試験され(当技術分野で公知の適切なアッセイを使用)かつ1日当たり>5UBMを有する患者を、最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回で治療する。UMBの回数を日毎にモニタリングして、UMBの回数が1日当たり≦3UMBにポジティブに変化するか否か確認する。最初の治療コースの2日目にUMBは1日当たり2UMBに、3日目に1日当たり1UMBに低減する。UMBは1日当たり4回未満であり、さらには連続する2日間1日当たり3回未満であることから、5日目からクロストリジウム・ディフィシル毒素AおよびBが陰性であると試験されるまで、フィダキソマイシン200mgを隔日で患者に投与する間欠的治療コースに投薬レジメンを切り替える。治療を開始して12日後にクロストリジウム・ディフィシル毒素AおよびBの存在は陰性と試験される(当技術分野で公知の適切なアッセイを使用)。
(例7)
クロストリジウム・ディフィシル毒素AおよびBに対して陽性と試験され(当技術分野で公知の適切なアッセイを使用)かつ1日当たり>5UBMを有する患者を、最初の治療コースにおいてフィダキソマイシン200mgを1日2回で治療する。UMBの回数を日毎にモニタリングして、UMBの回数が1日当たり≦3UMBにポジティブに変化するか否か確認する。最初の治療コースの9および10日目に、UMBは1日当たり3UMBに低減する。UMBは連続する2日間1日当たり4UMB未満であることから、12日目からクロストリジウム・ディフィシル毒素AおよびBが陰性であると試験されるまで、フィダキソマイシン200mgを隔日で患者に投与する間欠的治療コースに投薬レジメンを切り替える。治療を開始して27日後にクロストリジウム・ディフィシル毒素AおよびBの存在は陰性と試験される(当技術分野で公知の適切なアッセイを使用)。
(例8)
延長フィダキソマイシン治療レジメンに対する個々の患者のデータ
Figure 2023182594000014
本発明による、フィダキソマイシン組成物での治療レジメンは多くの利点を示す。
治療期間を10日から20日または25日に延長することで、患者の大腸細菌叢を回復させる追加の時間が可能となり、これにより、追加の薬物療法を使用せずに後のCDI再燃/再発に対するコロニー形成抵抗性がもたらされる。
したがって、20日の1日2回のレジメンに勝る本発明による投与レジメンの明らかな恩恵は、これによって既存の用量(200mgをBIDで10日間)と比べて、再発がさらに低減することにつながると期待される腸内細菌叢の回復が可能となるとともに、C.ディフィシルの細胞、芽胞、および毒素の低減に関して同等の効能が提供されるということであり、しかしながら、フィダキソマイシン錠(DIFICLIR(商標))の標準10日分パックを2パック使用しなければならないのではなく、1パックの使用でこの効能が提供されるということである。
in vitro試験の結果に基づいて提唱される治験が上首尾であれば、次いで、可能な場合には、推奨される投与レジメンは200mg1日2回10日間のレジメンから本発明による投与レジメンに変更となることが明白である。患者、医師、および社会に対して期待される利益とは、再発を5%未満に低減させることによって、フィダキソマイシンにとって有利に対費用効果の議論がかなり変革されることになるということであろう。
in vitro試験の結果に基づいて提唱される治験が上首尾であれば、次いで、可能な場合には、推奨される投与レジメンは200mg1日2回10日間のレジメンから本発明による投与レジメンに変更となることが明白である。患者、医師、および社会に対して期待される利益とは、再発を5%未満に低減させることによって、フィダキソマイシンにとって有利に対費用効果の議論がかなり変革されることになるということであろう。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)又はクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、又はその薬学的に許容される溶媒和物であって、ここに、前記投薬レジメンは、
(1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与する工程と、
(2)CDI又はCDADの1つ又は複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングする工程と、
(3)前記指標の1つ又は複数にポジティブな変化があるか否かを評価する工程と、及び(4)CDI又はCDADの前記指標の1つ又は複数がポジティブに変化している場合、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替える工程と、
を含む。
〔2〕前記チアクマイシン化合物が、フィダキソマイシン(R-チアクマイシンB)である、前記〔1〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔3〕前記CDI又はCDADの1つ又は複数の指標が、(a)下痢の頻度、(b)便の硬さ、(c)クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)及び/又はクロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)、(d)クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)、及び(e)クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)からなる群から選択される、前記〔1〕又は〔2〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔4〕CDI又はCDADの前記指標が、下痢の頻度である、前記〔3〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔5〕前記下痢の頻度が、連続する2日間1日当たり4回未満の形を成さない排便(UBM)への低減である、前記〔4〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔6〕前記下痢の頻度が、連続する2日間1日当たり3回未満の形を成さない排便(UBM)への低減である、前記〔5〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔7〕CDI又はCDADの前記指標が、便の硬さである、前記〔3〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔8〕前記便の硬さが、ブリストル便形状スケールに準拠して、タイプ7又はタイプ6からタイプ4への改善である、前記〔7〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔9〕CDI又はCDADの前記指標が、クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)及び/又はクロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)である、前記〔3〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔10〕前記クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)及び/又は前記クロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)が、存在しないことである、前記〔9〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔11〕CDI又はCDADの前記指標が、クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)である、前記〔3〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔12〕前記クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)が、存在しないことである、前記〔11〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔13〕CDI又はCDADの前記指標が、クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)である、前記〔3〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔14〕前記クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)が、存在しないことである、前記〔13〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔15〕前記最初の治療コースが、5日間続く、前記〔1〕~〔14〕のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔16〕前記最初の治療コースが、3~10日間続く、前記〔1〕~〔15〕のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔17〕前記間欠的治療コースが、20日間続く、前記〔1〕~〔16〕のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔18〕前記投薬レジメンが、5)腸管細菌叢の1つ又は複数の指標をモニタリングする工程と、6)腸管細菌叢の前記指標の1つ又は複数が好ましく変化した場合、前記間欠的治療コースを中止する工程とを更に含む、前記〔1〕~〔17〕のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔19〕腸管細菌叢の前記指標が、腸内細菌科の菌数である、前記〔18〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔20〕腸管細菌叢の腸内細菌科の総菌数が、前記最初の治療コース前のレベルと比較して、90%の低減である、前記〔19〕に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔21〕患者におけるCDI又はCDADの再発が、治療終了から30日後において10%未満である、前記〔1〕~〔20〕のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
〔22〕患者におけるCDI又はCDADの再発が、治療終了から30日後において5%未満である、前記〔1〕~〔21〕のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。

Claims (22)

  1. 投薬レジメンによる患者のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)又はクロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)の経口治療における使用のための、チアクマイシン化合物、その立体異性体、その多形体、又はその薬学的に許容される溶媒和物であって、ここに、前記投薬レジメンは、
    (1)最初の治療コースにおいてチアクマイシン化合物200mgを1日2回患者に投与する工程と、
    (2)CDI又はCDADの1つ又は複数の指標の変化をモニタリングすることによって患者における最初の治療コースの効能をモニタリングする工程と、
    (3)前記指標の1つ又は複数にポジティブな変化があるか否かを評価する工程と、及び(4)CDI又はCDADの前記指標の1つ又は複数がポジティブに変化している場合、チアクマイシン化合物200mgを1日おきに患者に投与する間欠的治療コースに切り替える工程と、
    を含む。
  2. 前記チアクマイシン化合物が、フィダキソマイシン(R-チアクマイシンB)である、請求項1に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  3. 前記CDI又はCDADの1つ又は複数の指標が、(a)下痢の頻度、(b)便の硬さ、(c)クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)及び/又はクロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)、(d)クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)、及び(e)クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  4. CDI又はCDADの前記指標が、下痢の頻度である、請求項3に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  5. 前記下痢の頻度が、連続する2日間1日当たり4回未満の形を成さない排便(UBM)への低減である、請求項4に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  6. 前記下痢の頻度が、連続する2日間1日当たり3回未満の形を成さない排便(UBM)への低減である、請求項5に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  7. CDI又はCDADの前記指標が、便の硬さである、請求項3に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  8. 前記便の硬さが、ブリストル便形状スケールに準拠して、タイプ7又はタイプ6からタイプ4への改善である、請求項7に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  9. CDI又はCDADの前記指標が、クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)及び/又はクロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)である、請求項3に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  10. 前記クロストリジウム・ディフィシル毒素B(TcdB毒素)及び/又は前記クロストリジウム・ディフィシル毒素A(TcdA毒素)が、存在しないことである、請求項9に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  11. CDI又はCDADの前記指標が、クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)である、請求項3に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  12. 前記クロストリジウム・ディフィシル毒素B遺伝子(tcdB)が、存在しないことである、請求項11に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  13. CDI又はCDADの前記指標が、クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)である、請求項3に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  14. 前記クロストリジウム・ディフィシル表面抗原(GDH)が、存在しないことである、請求項13に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  15. 前記最初の治療コースが、5日間続く、請求項1~14のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  16. 前記最初の治療コースが、3~10日間続く、請求項1~15のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  17. 前記間欠的治療コースが、20日間続く、請求項1~16のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  18. 前記投薬レジメンが、5)腸管細菌叢の1つ又は複数の指標をモニタリングする工程と、6)腸管細菌叢の前記指標の1つ又は複数が好ましく変化した場合、前記間欠的治療コースを中止する工程とを更に含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  19. 腸管細菌叢の前記指標が、腸内細菌科の菌数である、請求項18に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  20. 腸管細菌叢の腸内細菌科の総菌数が、前記最初の治療コース前のレベルと比較して、90%の低減である、請求項19に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  21. 患者におけるCDI又はCDADの再発が、治療終了から30日後において10%未満である、請求項1~20のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
  22. 患者におけるCDI又はCDADの再発が、治療終了から30日後において5%未満である、請求項1~21のいずれか1項に記載の使用のためのチアクマイシン化合物。
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