JP2017514184A - 画像サイズの制御のための投影システムを備えるフォトリソグラフィ装置 - Google Patents

画像サイズの制御のための投影システムを備えるフォトリソグラフィ装置 Download PDF

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Abstract

本開示は、フォトリソグラフィ装置(100)および投影される基板パターン(W)の相対的画像サイズ(S1/S0)を制御するための方法に関する。投影システム(10)は、基板(6)上に基板パターン(W)としてマスクパターン(M)の画像を投影するように配置され、その投影システム(10)は、相対的画像サイズ(S1/S0)を制御するために中心位置(X0)を包含する範囲(Xmin、Xmax)内で移動可能である調整レンズ(13)を備える。投影システム(10)は、調整レンズ(13)が中心位置(X0)に位置決めされるとき、調整レンズ(13)の視点からの見掛けのマスクパターン(M')が、調整レンズ(13)の焦点距離(F)の2倍である調整レンズ(13)からの距離(2*F)にあるように見えるよう、調整レンズ(13)上にマスクパターン(M)を投影するように配置される。

Description

本開示は、投影システムを備えるフォトリソグラフィ装置、および投影される基板パターンの画像サイズを制御するための方法に関する。
フォトリソグラフィは、基板を部分的にパターン化するための微細加工またはナノ加工において使用されるプロセスである。典型的には、それは、マスクパターンをマスクから基板上の感光性化学物質(「フォトレジスト」)に転写するために光を使用する。例えば、フォトリソグラフィ装置は、光をマスクに提供するために光源および/またはビーム整形器を有する照射システムを備えるまたはそれに結合する。マスクパターンは、投影システムによって基板上に結像される。投影システムは、投影される画像の倍率、位置および/または合焦を制御するために曲面ミラーおよび/またはレンズなどの光学素子を備える。
マイクロリソグラフィ産業において使用されるように、そのような光学素子は典型的には、例えば理論的回折限界に近い、マスク内の構造を解像するための高解像度を達成する。連続する層を基板に適用するとき、画像は典型的には、その解像度の分数である精度に重ね合わされる必要がある。しかしながら、温度または気圧などの環境条件が変わるとき、画像のスケールおよび/または合焦は影響を受けることがある。これは、層が、異なる機械によって適用されるとき、さらに複雑になることがある。それに応じて、投影される基板パターンの相対的画像サイズを正確に制御することが望まれる。
典型的な投影システムでは、画像サイズの制御は、倍率を調整するために光軸に沿ってレンズを移動させることによって達成することができる。しかしながら、これは一般にまた、画像平面の位置に影響を及ぼすこともあり、それ故に投影される基板パターンのぶれにつながる。画像平面のシフトは、第2の調整レンズまたは基板それ自体の位置さえ同時に移動させることによって補償されることもある。しかしながら、これは、一般に同等でなく、連係するのが困難であり、例えば非線形である、2つの調整を必要とする。
米国特許第6,816,236号は、6つのレンズ群を含み、そのうちの4つが、2つ一組で絞り(stop)に関して対称的に位置決めされる、投影光学システムを開示する。物体側から順に、第2および第5のレンズ群が、絞りに関して対称的に位置決めされてもよいが、しかしまた投影光学システムの倍率を調整するために絞りに関して非対称的に調整可能でもある。物体側から順に、第1および第6のレンズ群は、投影光学システムを物体側および画像側の両方でそれぞれ実質的にテレセントリックにする機能を果たす。投影および露光装置は、画像倍率を自動的に検出し、その検出結果に基づいて、特定倍率を維持するように第2および第5のレンズ群の位置を一体として(as a unit)調整する。
残念ながら、従来技術の解決法は、2つ一組で絞りに関して対照的に位置決めされるレンズ群に限定される。さらに、従来技術は、多重レンズ群を用いて倍率を制御することに頼るので、結像は、前記群の相対的位置決めによって影響を受けることがある。例えば、第2のレンズ群は、そのシステム内での温度変動の結果として第5のレンズ群に関してかつ/またはその間の第3もしくは第4のレンズ群に関してシフトすることがある。また第2および第5のレンズ群が、同一に製造されないときは、画像は、悪化することがある。
米国特許第6,816,236号
したがって、投影される基板パターンの相対的画像サイズを制御するためのより汎用的でかつ堅固な投影システムを備えるフォトリソグラフィ装置への要望がある。
本開示の第1の態様は、フォトリソグラフィ装置を提供する。本装置は、マスクを位置決めするように配置されるマスクステージを備える。マスクは、マスクパターンに従って照射ビームをパターン化するためのマスクパターンを備える。本装置はさらに、基板上に基板パターンを受け取るために、基板を位置決めするように配置される基板ステージを備える。本装置はさらに、基板上に基板パターンとしてマスクパターンの画像を投影するように配置される投影システムを備える。投影システムは、調整レンズの相対位置によって投影される基板パターンの相対的画像サイズを制御するために中心位置を包含する範囲内で移動可能な調整レンズを備える。投影システムは、調整レンズが中心位置に位置決めされるとき、調整レンズの視点からの見掛けのマスクパターンが、調整レンズの焦点距離の2倍である調整レンズからの距離にあるように見えるよう、調整レンズ上にマスクパターンを投影するように配置される。
調整レンズの視点からのマスクパターンが、レンズの焦点距離の2倍である距離に現れるとき、レンズは、画像平面の位置への影響を最小限にして投影される画像の相対的サイズを調整するように移動されてもよいことが分かる。それに応じて、投影される基板パターンの画像サイズは、画像焦点のシフトを補償する必要なしに簡単な方式で制御されてもよい。投影システムは、さらなる条件に限定されないので、より汎用的にすることができる。投影システムは、画像サイズを制御するために複数の相互に関係する光学素子に頼らないので、より堅固にすることができる。
理論に深く入り込むことなく可能な説明は、次の通りであり得る。一般に、もし物体が、レンズの焦点距離の2倍に等しい距離に置かれるならば、レンズは、レンズの反対側の同じ距離に物体の対応する画像を投影するように設定され、その場合横倍率は、1であり、すなわち画像は、物体と同じサイズであることに留意する。さらに、レンズの縦倍率は、一般にその横倍率の2乗に比例することに留意する。それに応じて、レンズが、1の横倍率で作動するように配置されるとき、レンズに向かうまたはレンズから離れる短い距離だけの物体の変位は、同じ方向への対応する画像位置の同様の変位をもたらす。同様に、もしレンズそれ自体が、光軸に沿って短い距離だけ移動されるならば、画像平面の位置は、一次までで変わらないままであり、一方レンズと物体との間およびレンズと画像との間の距離は、変えられる。横倍率が、それらの後者の2つの距離の比であるとすると、横倍率は、焦点位置のごくわずかな変化で変えられてもよいという結果になる。
マスクが調整レンズの視点から見える距離は、レンズとマスクとの間の実際の距離と異なってもよいことに留意する。例えば、さらなる光学素子が、マスクと調整レンズとの間に配置されるとき、調整レンズの視点からの見掛けの距離は、変えられてもよい。マスクが見える位置は、調整レンズが正レンズであるかまたは負レンズであるかに応じて、レンズの前側(マスクと同じ側)またはレンズの後側とすることができる。負レンズの場合は、焦点距離は、負数によって述べられてもよく、見掛けのマスクパターンまでの距離は、それが、光の起源よりもレンズのもう一方の側に見えるとき(仮想物体)、負の距離によって述べられてもよい。
中心位置にある調整レンズは好ましくは、調整レンズの視点からの見掛けのマスクパターンのサイズと見掛けの基板パターンのサイズとの間に拡大係数1:1を提供するように配置される。しかしながら、投影システムは全体としては、別の拡大係数で作動することができる。例えば、もしズーミング素子が、光が近似的にコリメートされる投影システムの一部に位置するならば、その時その素子によって見られる遠い物体および画像は、それらが等距離に見えるとすると、上記の条件を満たすことができる。一般に、中心位置にある調整レンズに入る光のコリメーションの程度は、調整レンズから出る光のコリメーションの程度に等しいことが好ましい。残りの要素は、レンズ設計者が望む任意の倍率を提供することができる。それに応じて、投影システムは、より汎用的にすることができる。
光学素子がその間にない単一ユニットとして調整レンズを移動させることによって、投影システムは、さらに簡略化され、より堅固にすることができる。例えば、調整レンズは、単一機構によって移動されてもよい。他の(静止した)光学素子は、調整レンズの間に配置されないので、これらは、それらの相対位置および/または角度によって結像に影響を及ぼすことはない。
調整レンズとして単一レンズ素子を使用することによって、投影システムは、さらに簡略化され、より堅固にすることができる。例えば、画像サイズを調整するために多重レンズ素子を動かすことは、必要とされない。さらに、単一レンズ素子は、レンズ素子の集合体よりも堅固にすることができ、レンズ素子の集合体の相対位置は、例えば温度によって影響を受けることもあり、それによって画像サイズおよび/または合焦条件に影響を及ぼす。さらに、一対の厳密に同じレンズ素子を製造することは、必要とされない。さらに、調整レンズの幅、すなわち調整レンズの最初の表面と最後の表面との間の光軸の長さは、より小さくすることができる。より薄い調整レンズは、機械的または透過の問題による影響がより少ないこともある。それに応じて、調整レンズは、10cm未満、好ましくは5cm未満、より好ましくは1cm未満の厚さを有することが、望ましいこともある。レンズはまた、もしそれが、より長い焦点距離を有するならば、より薄くすることもできることに留意する。
大きい焦点距離を有する調整レンズを使用することによって、倍率は、所望の範囲内でより正確に制御することができる。より大きい焦点距離のために、調整レンズは、画像平面の位置への影響を最小限にして倍率を調整するためにかなりの距離にわたって移動させることができると理解されよう。例えば、5メートルより大きく、好ましくは10メートルより大きく、より好ましくは20より大きくまたは40メートルよりも大きい焦点距離を有する調整レンズを提供することが、望ましいこともある。焦点距離が大きいほど、倍率は、より正確に制御することができる。他方では、もし焦点距離が、大きすぎるならば、レンズは、倍率を調整するために過剰な移動を必要とすることもある。それに応じて、典型的には、焦点距離は、1000メートル未満、好ましくは100メートル未満、例えば約50メートルであることが望ましい。
調整レンズの画像側にさらなるレンズを追加することによって、投影システムの画像平面は全体としては、調整レンズ単独での画像平面とは異なる位置にすることができる。例えば、実際の基板パターンは、レンズの視点からの(仮想的)基板パターンの見掛けの距離よりもレンズのより近くに投影されてもよい。調整レンズの視点からの見掛けの画像平面は、調整レンズの焦点距離の約2倍であるが、調整レンズまでのより小さい距離を有する投影システムの画像平面に基板パターンを投影することによって(例えばその場合、その距離は、調整レンズの焦点距離の小数倍(fraction)である)、画像平面位置の維持は、特に比較的弱い調整レンズを使用するとき、相対的画像サイズの正確な調整を提供しながら、さらに改善されてもよい。
調整レンズの視点からの見掛けのマスクパターンの距離を増加させるように投影システムを配置することによって、本装置は、よりコンパクトにすることができる。例えば、焦点距離が、大きいとき、調整レンズから大きい距離にマスクを実際に置くことは、必要とされない。その代わりに、例えばコリメーティング光学系が、調整レンズとマスクパターンとの間に置かれてもよい。増加したコリメーション(すなわちより平行な光路)を有するパターン化光を調整レンズ上に投影することによって、調整レンズの視点からのマスクパターンの見掛けの距離は、増加されてもよい。同様に、画像平面と調整レンズとの間の実際の距離を減少させるように投影システムを配置することによって、本装置は、よりコンパクトにすることができる。例えば、調整レンズから大きい距離に基板を置くことは、必要とされない。調整レンズを投影システム内で中心に配置することによって、同じまたは同様の光学部品が、どちらの側でも使用されてよく、生産コストを低減する可能性がある。
もし調整レンズが、レンズの焦点距離と比較して過度の距離にわたって中心位置から移動されるならば、二次の焦点シフトに遭遇することもあることに留意する。それに応じて、画像焦点を維持しながら倍率を調整する方法は、特に小さい画像サイズ調整に適している。有利には、使用可能な範囲は、マイクロリソグラフィ産業において望まれる相対的画像サイズの典型的な調整に対応する。焦点シフトを制限するために、中心位置から最大距離内にとどまるように調整レンズの移動を制限することが、選択されてもよい。好ましくは、この最大距離は、焦点距離の10分の1(1/10)未満、より好ましくは焦点距離の100分の1(1/100)未満、さらにより好ましくは焦点距離の1000分の1(1/1,000)未満である。調整レンズの相対的移動が、焦点距離と比較してより少ないほど、画像平面は、より少なく変位する。他方では、いくらかの相対的移動が、相対的画像サイズを十分に調整するために必要とされることもある。それに応じて、最大距離は、焦点距離の少なくとも10万分の1(1/100,000)倍、好ましくは焦点距離の1万分の1(1/10,000)より大きく、例えば焦点距離の約3000分の1(1/3,000)倍であることが好ましい。
コントローラを提供することによって、調整レンズの相対位置は、投影される基板パターンの相対的画像サイズを調整するために正確にかつ/または自動的に制御することができる。例えば、コントローラは、測定される温度変化に応答して調整レンズの相対位置を制御することができる。別法としてまたは加えて、画像センサを提供することによって、投影される基板パターンの画像サイズは、自動的に検出されてもよい。コントローラは、所望の画像サイズを得るまたは維持するために検出される画像サイズの関数として調整レンズの位置を調整することができる。
本開示の第2の態様は、フォトリソグラフィ装置における投影される基板パターンの相対的画像サイズを制御するための方法を提供する。本方法は、マスクパターンの画像として基板パターンを投影するために投影システムを使用するステップを含む。投影システムは、投影される基板パターンの相対的画像サイズを調整するための調整レンズを備える。本方法はさらに、中心位置の周りで調整レンズの相対位置を制御し、それによって投影される基板パターンの相対的画像サイズを制御するステップを含む。投影システムは、調整レンズが中心位置に位置決めされるとき、調整レンズの視点からの見掛けのマスクパターンが、調整レンズの焦点距離の2倍である調整レンズからの距離にあるように見えるよう、調整レンズ上にマスクパターンを投影するように配置される。
この方法は有利には、上で述べられたのと同様の理由からより汎用的でかつ堅固な投影システムを提供するために適用されてもよいと理解されよう。
本開示の装置、システムおよび方法のこれらの特徴、態様および利点ならびに他の特徴、態様および利点は、下記の説明、添付の請求項、および付随する図面からより良く理解されることになるであろう。
フォトリソグラフィ装置の実施形態の概略図を示す図である。 例えば図1Aの装置において使用するための投影システムの実施形態の概略図を示す図である。 投影システムの別の実施形態の概略図を示す図である。 図2Aの実施形態の調整レンズを移動させる効果を例示する図である。 投影システムの別の実施形態の概略図を示す図である。 図3Aの実施形態の調整レンズを移動させる効果を例示する図である。 投影システムの別の実施形態の概略図を示す図である。 図4Aの実施形態の調整レンズを移動させる効果を例示する図である。 負の調整レンズを備える投影システムの実施形態の概略図を示す図である。
特に規定されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、説明および図面の文脈において読まれるように、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般に使用される辞書に規定されるそれらなどの用語は、関連技術分野の文脈においてそれらの意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、本明細書で明確にそのように規定されない限り、理想的なまたは過度に形式的な意味に解釈されないことになると理解されよう。場合によっては、よく知られたデバイスおよび方法の詳細な説明は、本システムおよび方法の説明を分かりにくくしないように省略されることもある。特定の実施形態を述べるために使用される術語は、本発明の限定となることを意図されない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、特に文脈が明確に示さない限り、複数形を同様に含むことを意図される。用語「and/or」は、関連して列挙される事項の1つまたは複数の任意のかつすべての組み合わせを含む。用語「comprises」および/または「comprising」は、述べられる特徴の存在を明記するが、しかし1つまたは複数の他の特徴の存在または追加を除外しないと理解されよう。さらに、方法の特定のステップが、別のステップの後と呼ばれるとき、特に明記されない限り、それは、前記他のステップのすぐ後に続くことができ、または1つもしくは複数の中間ステップが、特定のステップを実行する前に実行されてもよいと理解されよう。同様に、構造物または構成要素間の接続が、述べられるとき、この接続は、特に明記されない限り、直接にまたは中間の構造物もしくは構成要素を通じて確立されてもよいと理解されよう。本明細書で言及される、すべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照により全体として組み込まれる。不一致がある場合は、本明細書が、定義を含み、制御することになる。
本発明は、本発明の実施形態が図示される付随する図面を参照して以下でより完全に述べられる。しかしながら、本発明は、多くの異なる形に具体化されてもよく、本明細書で説明される実施形態に限定されると解釈すべきでない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えることになるように提供される。例示的実施形態の説明は、書面による説明全体の一部と考えるべき、付随する図面に関連して読まれることを意図される。図面では、システム、構成要素、層、および領域の絶対的および相対的サイズが、明確にするために誇張されることもある。実施形態は、本発明のおそらくは理想的実施形態および中間構造の概略的かつ/または横断面的説明図を参照して述べられることもある。説明および図面では、類似の番号は、全体にわたって類似の要素を指す。相対的用語ならびにその派生語は、その時に述べられるまたは議論中の図面に示されるような向きを指すと解釈すべきである。これらの相対的用語は、説明の便宜のためであり、特に述べられない限り、システムが、特定の向きに構成されるまたは操作されることを必要としない。
図1Aは、フォトリソグラフィ装置100の実施形態の概略図を示す。
装置100は、照射ビームR1を提供するように配置される照射システムを備えるまたはそれに結合する。例えば、光源1からの放射R0は、照射ビームR1を提供するために光学素子2によって案内される。好ましくは、照射ビームR1は、例えばマスク4を照射するために均一なかつ/またはコリメートされた光ビームを備える。光源1および/または光学素子2は、装置内に備えられてもよくまたはそれから分離してもよい。
装置100は、マスク4を位置決めするように配置されるマスクステージ3を備える。位置決めは、静的または動的であってもよい。マスク4は、マスクパターンMに従って照射ビームR1をパターン化するためのマスクパターンMを備える。マスクは、例えば透過または反射モード(図示されず)で作動してもよい。マスクは、所望の回路パターンの画像を決定するために、レチクルまたは個々に制御可能な要素のアレイなどの、照射ビームR1をパターン化するための任意の手段(すなわちマスク)を備えてもよい。それに応じて、マスクパターンMは、例えば入射光をパターン化するために可変透明度および/または反射率を有する要素のアレイによって形成されてもよい。マスクステージ3およびマスク4は、別個のまたは統合された要素にすることができる。
装置100は、基板6を位置決めするように配置される基板ステージ5を備える。位置決めは、静的または動的であってもよい。基板6は、基板6上に基板パターンWを受け取るために位置決めされる。「基板」は、所望の回路パターンがその上に形成されるべき任意の物品、例えば典型的にはウェハまたはフィルムを備えてもよい。基板ステージ5は、所望の場所、例えばローラーに基板6を提供するためのプラットフォームまたは他の手段であってもよい。一実施形態では、基板ステージ5は、基板6を保持するためのクランプ(図示されず)を備える。
装置100は、基板6上に基板パターンWとしてマスクパターンMの画像を投影するように配置される投影システム10を備える。投影システム10は、ある範囲(XminからXmax)内で移動可能な調整レンズ13を備える。その範囲は、投影される基板パターンWの相対的画像サイズSを制御するために中心位置X0を包含する。必ずではないが、好ましくは、中心位置X0は、範囲の最小値Xminと範囲の最大値Xmaxとの間のほぼ中間である。このようにして、調整の最大範囲は、投影される画像の合焦位置への影響を最小限にして画像サイズを変えるために提供される。本明細書で使用されるように、位置Xは、特に述べられない限り、中心位置X0に関して光軸(「OA」)に沿って測定される距離に対応してもよい。例えば、画像サイズSは、光軸OAに沿って中心位置X0に対する調整レンズ13の位置Xによって制御される。
一実施形態では、調整レンズ13は、中心位置X0から最大距離Xmaxにわたって移動可能であるように配置される。一実施形態では、投影システム10は、調整レンズ13をトラックに沿って移動させるために投影システム10の光軸OAに沿ってトラック(図示されず)を備える。トラックは例えば、調整レンズ13の移動をその間に制限するために一端または両端にストッパを備えてもよい。例えば、最大距離Xmaxは、調整レンズ13の焦点距離F(ここでは図示されない)の小数倍として表されてもよい。一実施形態では、最大距離は、焦点距離の100分の1未満であり、すなわち|Xmax-X0|<0.01*Fである。焦点距離Fと比較して調整レンズ13の比較的小さい移動のために、画像平面のシフトへの影響は、制限されてもよい。
一実施形態では、調整レンズ13は、例えば10メートルより大きい焦点距離を有する、比較的弱いレンズである。負レンズの場合は、(負の)焦点距離の絶対値が、集光力(focal power)の評価において考慮されてもよい。
一実施形態では、本装置は、画像倍率を自動的に検出し、検出結果に基づいて、特定倍率を維持するように調整レンズ13の位置を調整する。それは、例えば構成要素内の製造誤差によって引き起こされる画像倍率の偏差の補正、ならびに温度変化に起因する基板および/または光学部品の膨張または収縮に従って画像倍率の調整を可能にすることができる。
一実施形態では、本装置は、調整レンズ13の相対位置Xを調整するように配置されるコントローラ20を備える。投影される基板パターンWの相対的画像サイズSは、相対位置Xの調整によって制御されてもよい。本開示は、単に単一の弱い要素をそのセルの軸に沿って移動させることだけによって画像スケールを調整するための方法を提供する。この構想を考慮して設計されるレンズは、主光線が十分正確に軸に平行である(テレセントリック条件)ように光を向けることができるので、画像は、倍率の感知できるほどの変化もなく再合焦することができる(再合焦が必要とされるならば)。そして前に適用されたパターンのそれとの画像スケールの所望の整合は、より短時間にかつより安価に成し遂げられてもよい。機械的レンズ設計は、再合焦が必要とされることなく、任意の所望の倍率変化を呼び出す(dial up)ために、ユーザによって回されてもよいノブを提供することができる。
一実施形態では、本装置は、投影される基板パターンWの画像サイズSを検出するように配置される画像センサ7を備える。コントローラ20は、所望の画像サイズを得るために、検出される画像サイズSの関数として調整レンズ13の位置Xを調整するように配置される。
図示される実施形態では、光R0が、光源1から放出され、その光は、ビーム整形器2によって集められ、照射ビームR1をもたらす。照射ビームR1は、マスク4に衝突し、パターン化ビームR2をもたらす。パターン化ビームR2は、投影システム10を横断し、画像ビームR5をもたらす。投影システム10を横断している間に、ビームR2は、光学素子11によって整形され、調整レンズ13に衝突するビームR3をもたらす。調整レンズ13を横断した後、結果として生じるビームR4は、投影システム10の第2の光学素子12を横断する。結果として生じる画像ビームR5が、基板6の表面に衝突するとき、基板パターンWが、その上に形成される。
本開示の一態様によると、フォトリソグラフィ装置100において投影される画像、例えば基板パターンWの相対的画像サイズSを制御するための方法が、提供される。本方法は、物体の画像W、例えば基板パターンMを投影するために投影システム10を使用するステップを含む。投影システム10は、投影される画像Wの相対的画像サイズS1/S0を調整するための調整レンズ13を備える。本方法はさらに、中心位置X0の周りで調整レンズ13の相対位置Xを制御し、それによって投影される画像Wの相対的画像サイズS1/S0を制御するステップを含む。投影システム10は、調整レンズ13が中心位置X0に位置決めされるとき、調整レンズ13の視点からの見掛けの物体M'が、調整レンズ13の焦点距離Fの2倍である調整レンズ13からの距離にあると見える、すなわちP=2*Fであるように、調整レンズ13上に物体Mを投影するように配置される。
もちろん、フォトリソグラフィ装置に関して本明細書で述べられる実施形態は、投影される画像の相対的画像サイズSを制御するための方法の対応する実施形態において適用されてもよい。例えば、一実施形態は、所望の画像サイズを得るかつ/または維持するために検出される画像サイズSの関数として調整レンズ13の位置Xを自動的に調整するステップを含む。一実施形態は、画像サイズを調整するために単一のレンズだけを移動させるステップを含む。一実施形態では、調整レンズ13は、光学素子がその間にない単一ユニットとして移動される。
本明細書で開示される方法は、所望の画像サイズ調整が、比較的小さいが、一方画像平面位置を維持することが重要である可能性があるので、フォトリソグラフィ装置におけるウェハパターンの結像に特に適していると理解されよう。それに応じて、一実施形態では、物体は、マスクパターンであり、その画像が、基板パターンとして基板上に投影される。
図1Bは、装置100において使用するための投影システム10の実施形態の概略図を示す。
図示される実施形態では、レンズ13は、非常に弱く、約48メートルの焦点距離を有し、それは、約16mmの総距離(XminからXmaxまで)にわたって軸に沿って移動し(ズームし)、それによって約0.010mmの画像スケールの変化を達成し、それは、本応用に望まれるスケール変化の予想範囲内である。
一実施形態では、調整レンズ13は、単一レンズ素子を備える。単一レンズ素子は、2つの光学界面を有し、その間にレンズ材料のモノリシック容積がある。レンズ素子は、異なる層、例えば反射防止層を備えてもよい。一実施形態では、調整レンズ13は、薄いレンズである。好ましくは、レンズは、10cm未満の、好ましくはより小さい厚さ(例えば前記光学界面の間の光軸に沿った距離)を有する。代替のまたは追加の実施形態では、1つまたは複数のレンズ素子(図示されず)は、光学素子がその間にない単一ユニットとして移動可能である。例えば、2つ以上のレンズが、単一の移動可能なレンズとして効率的に働くように一緒に保持されてもよい。
一実施形態では、調整レンズ13は、投影システム10の中心に配置される。一実施形態では、投影システム10は、中心に置かれた調整レンズ13の周りに光学素子11、12の対称的配置を備える。別法として、例えばマスクパターンMと基板パターンWとの間で他の拡大係数を有する、他の配置もまた、可能である。
一実施形態では、投影システム10は、マスクパターンMからのパターン化光R2のコリメーションの程度を増加させるためにマスクステージと調整レンズ13との間に配置されるコリメーティングシステム11を備え、それによって増加したコリメーションを有するパターン化光R3を調整レンズ13上に投影する。コリメーションの程度を増加させることによって、ビームR3からの光線は、より平行にされることに留意する。これは、調整レンズ13の視点からのマスクパターンMの見掛けの距離を増加させると理解されよう。それに応じて、一実施形態では、投影システム10は、マスクパターンまでの実際の距離よりも調整レンズ13からさらに離れている距離に見える、調整レンズ13の視点からの見掛けのマスクパターンを提供するように配置される。
見掛けの距離は、例えばビームR3からの光線をそれらが互いに交わる(本図の十分外側で)まで遡ることによって確立されてもよい。調整レンズ13の視点からの光線の見掛けの起源を遡るために、コリメーティングシステム11は、除外される。マスクパターンまでの見掛けの距離はそれ故に、マスクパターンMと調整レンズ13との間にどんな光学系もない場合に、特にコリメーティングシステム11がない場合に、マスクパターンM(異なるサイズを有する)が、調整レンズ13に衝突するビームR3の同じ光線または位相面を達成するために置かれる必要があることになるところの距離と考えられてもよい。
一実施形態では、投影システム10は、調整レンズ13と基板6上の投影される基板パターンWとの間の距離を減少させるために調整レンズ13と基板ステージ5との間に配置される合焦システム12を備える。言い換えれば、投影システム10の画像平面Qは、調整レンズ13単独での画像平面よりも調整レンズ13により近い(図示されず)。
一実施形態では、投影システム10は、中心位置X0にある調整レンズ13に入る光R3のコリメーションの程度が、調整レンズ13から出る光R4のコリメーションの程度に等しいように、調整レンズ13に対して配置される。言い換えれば、調整レンズ13のどちら側の光線も、ほぼ等しいコリメーションの程度を有する。例えば、正の調整レンズ13については、調整レンズ13に入るビームR3の光線は、わずかに発散的とすることができ、調整レンズ13から出るビームR4の光線は、わずかに収束的とすることができ、その場合発散的光線は、光軸に関して収束的光線と同じ角度を有する。負の調整レンズ13については、収束的および発散的光線は、逆の順序とすることができる。
有利には、投影システム10および/または調整レンズ13は、特定の方法で調整レンズ13上にマスクパターンMを投影するように配置される。特に、投影システム10および/または調整レンズ13は、調整レンズ13が、調整可能なレンズの移動範囲内で中心位置X0に位置決めされるとき、調整レンズ13の視点からのマスクパターンMが、調整レンズ13の焦点距離の2倍である調整レンズ13からの距離にあるように見えるよう配置される。この原理は、図2〜図6に関して以下でさらに説明されることになる。
図2Aは、調整レンズ13が中心位置X0に位置決めされる、投影システム10の実施形態の概略図を示す。
本明細書で使用されるように、参照符号Fは、調整レンズ13の焦点面の位置を示す。それに対応して、その参照符号はまた、調整レンズ13とその焦点面との間の距離である調整レンズ13の焦点距離Fを示すこともある。典型的には、焦点距離Fは、光軸OAに沿って例えば調整レンズ13の中心から測定される。光学システムの焦点距離は、どの程度強くそのシステムが光を収束するかまたは発散するかの尺度、例えば最初にコリメートされた光線が、焦点に至るまでの距離である。焦点面の位置Fは、調整レンズ13を中心位置X0に対して位置Xまで移動させることによって移動することができ、一方焦点距離Fの大きさは、調整レンズ13の一定の特性のままである。
本明細書で使用されるように、参照符号PおよびQは、投影システム10の物体平面および画像平面の位置をそれぞれ示す。それに対応して、これらの参照符号はまた、投影システム10に関して物体距離および画像距離を示すこともある。マスクパターンMおよびウェハパターンWは、白い垂直矢印によって例示される。マスクパターンMは、投影システム10の物体平面P内に置かれ、投影システム10の画像平面Q内にマスクパターンMの画像をもたらし、その画像は、基板パターンWである。
本明細書で使用されるように、参照符号P'およびQ'(アポストロフィのある)は、調整レンズ13の物体平面および画像平面の位置をそれぞれ示す。この実施形態では、投影システム10は、調整レンズ13を備えるだけであり、さらなる光学系はない。結果として、投影システム10の物体平面Pは、調整レンズ13の物体平面P'と一致する。同様に、投影システム10の画像平面Qは、調整レンズ13の画像平面Q'と一致する。それに応じて、この実施形態では、調整レンズ13の視点からの見掛けのマスクパターンM'(アポストロフィのある)は、実際のマスクパターンMと同じである。同様に、見掛けの基板パターンW'(アポストロフィのある)は、実際の基板パターンWと同じである。しかしながら、一般に、投影システム10が、さらなる光学系を備えるとき、見掛けのマスクパターンM'および/または見掛けの基板パターンW'の位置は、図2〜図5を参照して例示されるように、必ずしも実際のマスクパターンMおよび基板パターンWとそれぞれ一致する必要はない。
その実施形態では、マスクパターンMは、調整レンズ13の焦点距離Fの2倍に等しい調整レンズ13からの距離に置かれる、すなわちP=2*Fである。レンズ公式(1/F=1/P+1/Q)を使用すると、画像Wは、距離Q=2*Fに、すなわち調整レンズ13から物体平面Pと同じ距離に形成されると推定されてもよい。倍率は、物体距離Pと画像距離Qとの間の比として、すなわちこの場合は1(unity)と計算されてもよい。これはまた、マスクパターンMと基板パターンWとの間に描かれる3つの光線の幾何学的解析から推定されてもよい。第1の(上部の)光線は、光軸OAに平行に調整レンズ13に入り、レンズの画像側の焦点位置Fにおいて光軸OAを横切るように調整レンズ13によって曲げられる。第2の(中間の)光線は、調整レンズ13の中心を真っすぐに通り抜ける。第3の(下部の)光線は、レンズの物体側の焦点位置Fを通り抜け、光軸OAに平行となるように調整レンズ13によって曲げられる。すべての光線は、画像平面Qにおける画像Wを象徴する矢印の先端を形成するように収束する。
図2Bは、調整レンズ13を新しい位置Xに移動させる効果を例示する。新しい状況は、灰色の線によって示される図2Aの元の状況と比較して、黒い線によって示される。
図示されるように、調整レンズ13の移動は、焦点位置Fの対応する移動をもたらす。黒い光線は、新しい状況に従って再び描かれている。物体に関するレンズの相対変位は一般に、対応する画像の位置およびサイズが影響を受ける可能性があることを意味することに留意する。しかしながら、現在の場合は、基板パターンWのサイズは実際には、S0からS1に実質的に変更されているが、他方では、投影される基板パターンWの位置は、元の位置d0から新しい位置d1にわずかに変位されていると理解されよう。この挙動はそれ故に有利には、基板パターンWが投影される画像平面Qの変位d1-d0への影響を最小限にして基板パターンWの相対的サイズS1/S0を調整するために使用されてもよい。
図3Aは、投影システム10の別の実施形態の概略図を示す。
図2の実施形態と比較して、さらなるレンズ12が、調整レンズ13の画像側に追加されている。図示されるように、これは、調整レンズ13の画像平面Q'と比較して投影システム10の画像平面Qの変位をもたらすことができる。同様に、基板パターンWは、点線によって示されるように、調整レンズ13の視点から同じ場所にとどまる見掛けの基板パターンW'と比較して変位される。
追加のレンズ12は、マスクパターンMと比較して基板パターンWのサイズの変更をもたらすことができることに留意しよう。特に、拡大係数は、もはや1でないことに留意する。
図3Bは、調整レンズ13を新しい位置Xに移動させる効果を例示する。前と同様に、新しい状況は、灰色の線によって示される図3Aの元の状況と比較して、黒い線によって示される。
調整レンズ13の視点からの見掛けのまたは仮想的基板パターンW'への変位の効果は、前の図2Bと同じであり、すなわち点線の矢印W'の画像サイズは、画像位置Q'への影響を最小限にして感知できるほどに変更されることに留意する。しかしながら、投影システム10は、調整レンズ13と調整レンズ13の画像平面Q'との間に基板パターンWを投影するように配置される光学系12を備える。言い換えれば、光学系12は、投影される基板パターンWを調整レンズ13のより近くに運ぶ。調整レンズ13のより近くに基板パターンWの座標をマッピングする結果として、基板パターンWの変位は、図2Bの実施形態と比較してより小さくでき、すなわち|d1-d0|<|d1'-d0'|であることに留意する。他方では、投影される基板パターンWの絶対画像サイズは、前よりも小さいこともあるが、相対的画像サイズは、同じままであり、すなわちS1/S0=S1'/S0'である。調整レンズ13と調整レンズ13の画像平面Q'との間に基板パターンWを投影することによって、投影される画像の焦点位置を維持しながら、相対的画像サイズを制御する所望の効果は、改善できると理解されよう。
一実施形態では、投影システム10は、調整レンズ13までの距離が焦点距離Fの小数倍である画像平面Qに基板パターンWを投影するように配置される。好ましくは、前記距離は、焦点距離Fの0.5倍未満であり、より好ましくは、その距離は、焦点距離Fの0.3倍未満、さらにより好ましくは焦点距離Fの0.1倍未満、さらにより好ましくは焦点距離Fの0.05倍未満、さらにより好ましくは焦点距離Fの0.01倍未満である。その距離が、焦点距離と比較してより小さいほど、特に例えば10メートルより大きい焦点距離を有する比較的弱い調整レンズ13を使用するときは、相対的画像サイズの正確な調整を提供しながらの画像平面位置の維持は、より良好になされる。
図4Aは、投影システム10のなお別の実施形態の概略図を示す。
図3の実施形態と比較して、さらなるレンズ11が、調整レンズ13の物体側に追加されている。図示されるように、これは、もはや実際の物体平面PおよびマスクパターンMと一致しない、調整レンズ13の視点からの見掛けの物体平面P'および見掛けのマスクパターンM'(点線によって示される)をもたらすことができる。一般に、マスクパターンMの位置と調整レンズ13との間への光学素子の追加はそれ故に、調整レンズ13の視点からのマスクパターンMの見掛けの位置の変更をもたらすことができる。上で論じられたように、この見掛けの位置または距離は、例えば調整レンズ13に衝突する光線をそれらの起源まで、すなわち調整レンズ13に衝突する位相面が、レンズ11などの他の光学素子がない場合に建設的に干渉することになる場所まで遡ることによって確立されてもよい。
図示される実施形態では、中心位置X0にある調整レンズ13が、調整レンズ13の視点からの見掛けのマスクパターンM'のサイズと見掛けの基板パターンW'のサイズとの間に1の拡大係数(1:1)を提供するように配置されることは、明らかである。実際、これはまた、他の実施形態に、図5のそれにさえ適用されてもよいと理解されよう。
図4Bは、調整レンズ13を新しい位置Xに移動させる効果を例示する。前と同様に、新しい状況は、灰色の線によって示される図3Aの元の状況と比較して、黒い線によって示される。
レンズの画像側の状況は、図3Bと同じであることに留意してもよい。それに応じて、調整レンズ13を新しい位置に移動させる効果もまた、同じであり、同じ有利な効果が、達成されてもよい。これは、調整レンズ13の視点からの見掛けのマスクパターンM'が、実際のマスクパターンが位置するところに関係なく、調整レンズ13の焦点距離Fの2倍である調整レンズ13からの距離にあると見えるときはいつでも、本開示の原理が、適用されてもよいことを示す。
一実施形態では、調整レンズ13は、投影される基板パターンWのシフトを基板6の静止表面から調整レンズ13の焦点距離Fの0.001倍未満の距離内に維持しながら、相対的画像サイズS1/S0を少なくとも0.99〜1.01の範囲間に制御するように配置される。
図5は、投影システム10のなお別の実施形態の概略図を示す。その実施形態では、調整レンズ13は、負レンズ、すなわち凹形である。負レンズについては、見掛けのマスクパターンM'は、レンズの画像側に現れることができることに留意してもよい。しかしながら、投影システム10はなお、見掛けのマスクパターンM'までの距離が、調整レンズ13の焦点距離Fの2倍であるように配置されてもよい。負レンズの焦点距離が、負の値によって記述されるという慣習では、同様に、レンズの画像側にある見掛けの(仮想的)物体が、負の距離によって記述されるという慣習が、使用されてもよい。その実施形態は、本開示の原理が、正および負のレンズに適用されてもよいことを示す。
明確さおよび簡潔な記述のために、特徴は、同じまたは別個の実施形態の一部として本明細書で述べられることに留意するが、しかしながら、本発明の範囲は、述べられる特徴のすべてまたはいくつかの組み合わせを有する実施形態を含んでもよいと理解されよう。例えば、例示的実施形態が、投影システムについて示されたが、また代替的方法が、同様の機能および結果を達成するために本開示の恩恵を有する当業者によって想像されてもよい。例えば、1つまたは複数のレンズは、曲面ミラーなどの等価な光学部品と置き換えられてもよい。
論じられ、図示されたような実施形態の様々な要素は、簡略化されたなお堅固な投影システムなどの、ある利点を与える。もちろん、上記の実施形態またはプロセスのいずれか1つは、設計および利点を見いだしかつ適合することのさらなる改善をさえ提供するために、1つまたは複数の実施形態またはプロセスと組み合わされてもよいと理解すべきである。例えば、特定の方法または機能を行うように配置されかつ/または構成されるべきデバイスまたはシステムが開示される実施形態は本質的に、その方法または機能をそれ自体としてかつ/または方法もしくはシステムの他の開示される実施形態と組み合わせて開示する。さらに、方法の実施形態は、可能であれば、方法またはシステムの他の開示される実施形態と組み合わせて、それぞれのハードウェアでのそれらの実施を本質的に開示すると考えられる。さらに、例えば非一時的コンピュータ可読記憶媒体上のプログラム命令として具体化されてもよい方法は、そのような実施形態として本質的に開示されると考えられる。この開示は、小規模光学製造に特別な利点を与え、一般に臨界的画像焦点位置を維持しながら画像サイズの小さい変化が望まれる任意の応用に適用されてもよいと理解される。
最後に、上記の議論は、本システムおよび/または方法の単に説明に役立つことを意図され、添付の請求項を任意の特定の実施形態または実施形態の群に限定すると解釈すべきでない。本明細書および図面はそれに応じて、説明に役立つように見るべきであり、添付の請求項の範囲を限定することを意図されていない。添付の請求項を解釈する際には、単語「comprising」は、所与の請求項に列挙されるそれら以外の要素または行為の存在を排除せず、要素に先行する単語「a」または「an」は、複数のそのような要素の存在を排除せず、請求項での任意の参照符号は、それらの範囲を限定せず、いくつかの「手段」は、同じもしくは異なるアイテムまたは実施される構造もしくは機能によって表されてもよく、開示されるデバイスまたはその部分のいずれかは、特に具体的に述べられない限り、一緒に組み合わされてもよくまたはさらなる部分に分離されてもよい。ある対策が、互いに異なる請求項に列挙されるという単なる事実は、これらの対策の組み合わせが、有利に使用できないということを示さない。特に、請求項のすべての実用的な組み合わせは、本質的に開示されていると考えられる。
1 光源
2 光学素子、ビーム整形器
3 マスクステージ
4 マスク
5 基板ステージ
6 基板
7 画像センサ
10 投影システム
11 光学素子、コリメーティングシステム、レンズ
12 光学素子、合焦システム、レンズ、光学系
13 調整レンズ
20 コントローラ
100 フォトリソグラフィ装置
F 調整レンズの焦点距離
M マスクパターン
M' 見掛けのマスクパターン
OA 光軸
P 投影システムの物体平面
P' 調整レンズの物体平面
Q 投影システムの画像平面
Q' 調整レンズの画像平面
R0 放射
R1 照射ビーム
R2 パターン化ビーム
R3 調整レンズに入るビーム
R4 調整レンズから出るビーム
R5 画像ビーム
S 画像サイズ、相対的画像サイズ
S1/S0 相対的画像サイズ
W 基板パターン、ウェハパターン
W' 見掛けの基板パターン
X 調整レンズの位置
X0 調整レンズの中心位置

Claims (15)

  1. - マスクパターン(M)に従って照射ビーム(R1)をパターン化するための前記マスクパターン(M)を備えるマスク(4)を位置決めするように配置されたマスクステージ(3)と、
    - 基板パターン(W)を基板(6)上に受け取るための前記基板(6)を位置決めするように配置された基板ステージ(5)と、
    - 前記基板パターン(W)として前記マスクパターン(M)の画像を前記基板(6)上に投影するように配置された投影システム(10)と、
    を備えるフォトリソグラフィ装置(100)であって、
    前記投影システム(10)は、
    調整レンズ(13)であって、前記調整レンズ(13)の相対位置(X)によって前記投影される基板パターン(W)の相対的画像サイズ(S1/S0)を制御するために、中心位置(X0)を包含する範囲(Xmin、Xmax)内で移動可能である調整レンズ(13)と、
    前記調整レンズ(13)の前記相対位置(X-X0)を制御することによって前記投影される基板パターン(W)の前記相対的画像サイズ(S1/S0)を調整するように構成されたコントローラ(20)と、
    を備え、
    前記投影システム(10)は、前記調整レンズ(13)が前記中心位置(X0)に位置決めされるとき、前記調整レンズ(13)の視点からの見掛けのマスクパターン(M')が、前記調整レンズ(13)の焦点距離(F)の2倍である前記調整レンズ(13)からの距離(2*F)にあるように見えるよう、前記調整レンズ(13)上に前記マスクパターン(M)を投影するように配置されている、フォトリソグラフィ装置(100)。
  2. 前記投影される基板パターン(W)の画像サイズ(S)を検出するように配置される画像センサ(7)を備え、前記コントローラ(20)は、所望の画像サイズを得るために前記検出される画像サイズ(S)の関数として前記調整レンズ(13)の前記相対位置(X)を調整するように構成されている、請求項1に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  3. 前記調整レンズ(13)は、光学素子がその間にない単一ユニットとして移動可能である、請求項1または2のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  4. 前記調整レンズ(13)は、単一レンズ素子を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  5. 前記調整レンズ(13)の前記焦点距離(F)の絶対値(|F|)は、10メートルより大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  6. 前記投影システム(10)は、前記調整レンズ(13)までの距離が前記焦点距離(F)の小数倍である前記投影システム(10)の画像平面(Q)に対し、前記基板パターン(W)を投影するように配置され、前記小数は、0.1未満である、請求項1から5のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  7. 前記投影システム(10)は、前記調整レンズ(13)をトラックに沿って移動させるために前記投影システム(10)の光軸(OA)に沿って前記トラックを備え、前記調整レンズ(13)は、前記中心位置(X0)から最大距離(Xmax)にわたって前記トラック上を移動可能であるように配置され、前記最大距離(Xmax)は、前記焦点距離(F)の100分の1(0.01)未満である、請求項1から6のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  8. 前記投影システム(10)は、前記調整レンズ(13)が前記中心位置(X0)にあるとき、前記調整レンズ(13)に入る光(R3)のコリメーションの程度が、前記調整レンズ(13)から出る光(R4)のコリメーションの程度に等しいように、前記調整レンズ(13)に対して配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  9. 前記投影システム(10)は、前記調整レンズ(13)の前記視点からの前記見掛けのマスクパターン(M')の前記見掛けの距離が増加するように、増加したコリメーションを有するパターン化光(R3)を前記調整レンズ(13)上に投影するように前記マスクパターン(M)からのパターン化光(R2)のコリメーションの程度を増加させるために、前記マスクステージ(3)と前記調整レンズ(13)との間に配置されたコリメーティングシステム(11)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  10. 前記投影システム(10)は、前記マスクパターン(M)までの実際の距離よりもさらに前記調整レンズ(13)から離れている距離(2*F)に現れる前記調整レンズ(13)の視点からの見掛けのマスクパターン(M')を提供するために、前記マスクステージ(3)と前記調整レンズ(13)との間に配置されたコリメーティングシステム(11)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  11. 前記投影システム(10)は、前記調整レンズ(13)と前記基板(6)上の前記投影される基板パターン(W)との間の距離を減少させるように、前記調整レンズ(13)と前記基板ステージ(5)との間に配置された合焦システム(12)を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  12. 前記調整レンズ(13)は、10cm未満の厚さを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  13. 前記調整レンズ(13)は、前記投影される基板パターン(W)のシフトを前記基板(6)の静止表面から前記調整レンズ(13)の焦点距離(F)の0.001倍未満の距離内に維持しながら、前記相対的画像サイズ(S1/S0)を少なくとも0.99〜1.01の範囲間に制御するように配置されている、請求項1から12のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィ装置(100)。
  14. フォトリソグラフィ装置(100)において投影される基板パターン(W)の相対的画像サイズ(S1/S0)を制御するための方法であって、
    - マスクパターン(M)の画像として前記基板パターン(W)を投影するために投影システム(10)を使用するステップであり、前記投影システム(10)は、前記投影される基板パターン(W)の前記相対的画像サイズ(S1/S0)を調整するための調整レンズ(13)を備える、ステップと、
    - 中心位置(X0)の周りで前記調整レンズ(13)の相対位置(X)を制御することによって、前記投影される基板パターン(W)の前記相対的画像サイズ(S1/S0)を調整するステップと、
    を備え、
    - 前記投影システム(10)は、前記調整レンズ(13)が前記中心位置(X0)に位置決めされるとき、前記調整レンズ(13)の視点からの見掛けのマスクパターン(M')が、前記調整レンズ(13)の焦点距離(F)の2倍である前記調整レンズ(13)からの距離(2*F)にあるように見えるよう、前記調整レンズ(13)上に前記マスクパターン(M)を投影するように配置される、方法。
  15. 前記投影される基板パターン(W)の画像サイズ(S)を検出するステップと、所望の画像サイズを得るために前記検出される画像サイズ(S)の関数として前記調整レンズ(13)の前記相対位置(X)を調整するステップとを含む、請求項14に記載の方法。
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