JP2017513477A - ゲノムdnaを改変するための方法および組成物 - Google Patents

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Abstract

組成物および方法は内因性ゲノムDNA領域の配列改変に関する。特定の局面は、(a)DNAオリゴと(b)DNA消化剤とを含む組成物をエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程を含む、該細胞における標的ゲノムDNA領域の部位特異的な配列改変のための方法であって、ドナーDNAが(i)該標的ゲノムDNA領域に相同な核酸配列を含む相同領域と(ii)配列改変領域とを含み、かつ該標的ゲノムDNA領域においてゲノムDNA配列が特異的に改変される、方法に関する。

Description

1.発明の分野
本発明は全体として、バイオテクノロジーの分野に関する。より具体的には、本発明は、ゲノムDNAを改変するための新規の方法および組成物に関する。
2.関連技術の説明
標的ゲノム工学は、細胞内のDNAに沿った特定の部位において定方向の様式で内因性DNAを編集または変更することを含む。遺伝子修復および相同性定方向遺伝子改変の非常に大きな可能性にもかかわらず、現在のゲノム工学的アプローチでは、修復または編集の非常に低い効率が提供され、有害なまたは望ましくないDNA配列および結果を導入する可能性を有する。
内因性ゲノム配列の改変は、先進的な治療的適用ならびに先進的な研究方法を提供し得る。現在、インビトロで遺伝子機能の破壊のための最も一般的な方法は、RNA干渉(RNAi)によるものである。しかし、このアプローチは制限を有する。例えば、RNAiは、有意なオフターゲット効果および毒性を示す可能性がある。さらに、RNAiは多くの内因性プロセスの細胞機構中に含まれ、かつ、関心対象の経路に十分に良好に含まれうるRNAiなどの機構を人工的に実行することにより、ミスリーディングまたは誤った結果が導かれ得る。細胞のゲノム配列を改変する効率的で非毒性の機構は、遺伝子ノックダウンのためのより正確な方法であると考えられる。
内因性ゲノム配列を改変する効率的でかつ非毒性の方法はまた、エクスビボでの治療における進歩を提供し得る。なぜなら、患者から細胞を単離し、変異を修正するためにゲノムを改変し、患者自身の細胞を戻して移植し、治療的効果を達成することもできるからである。現在の方法は、これらの結果を達成するには非効率的すぎるかまたは毒性が強すぎる。本分野において、効率的であり非毒性でありかつ安定した部位特異的なゲノムDNA改変を可能にする技術の必要性がある。
組成物および方法は、内因性標的ゲノムDNA配列の配列改変または配列補正に関する。特定の局面は、(a)DNAオリゴと(b)DNA消化剤とを含む組成物をエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程を含む、細胞における標的ゲノムDNA領域の部位特異的な配列改変のための方法であって、DNAオリゴが、(i)標的ゲノムDNA領域に相同なDNA配列を含む相同領域と(ii)配列改変領域とを含み、かつ、標的ゲノムDNA領域においてゲノムDNA配列が特異的に改変される、方法に関する。
さらなる局面は、(a)100個またはそれ未満ヌクレオチドを有するDNAオリゴと(b)RNA上にコードされたDNA消化剤とを含む組成物をエレクトロポレーションにより幹細胞にトランスフェクトする工程を含む、細胞における標的ゲノムDNA領域の部位特異的な配列改変のための方法であって、DNAオリゴが、(i)標的ゲノムDNA領域に相同なDNA配列を含む相同領域と(ii)配列改変領域とを含み、かつ、標的ゲノムDNA領域においてゲノムDNA配列が特異的に改変され、かつ細胞が幹細胞またはそれらの子孫である、方法に関する。一部の態様において、細胞は初代細胞である。本明細書において使用する「初代」という用語は、不死化されておらず、かつ生体組織から直接採取された細胞を指す。これらの細胞は、非常に少ない集団倍加を受け、そのために、連続的な(腫瘍または人工的に不死化された)細胞株と比較してより忠実に、それらの細胞が由来する組織の主な機能構成要素を代表しており、したがって、インビボ状態に対してのより代表的なモデルということになる。
「配列改変」または「DNA補正」という用語は、DNA配列に対する変化であり、内因性ゲノムDNA配列へのまたは内因性ゲノムDNA配列の付加、変化、または欠失を含むことができる。例えば、標的ゲノム配列について、ドナーDNAは、標的ゲノム配列および配列改変領域または配列補正領域に相補的、同一、または相同である配列を含む。配列改変領域は、典型的には、相同末端間に位置付けられる。配列改変は、標的ゲノム配列に相補的ではないかまたは標的ゲノム配列に対して低い程度の相同性を有し、かつ標的ゲノム配列の変化を含む。
「相同性」または「同一性」または「類似性」は、2つのペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性を指す。「相同領域」という用語は、標的ゲノムDNA配列とある程度の相同性を有するドナーDNA上の領域を指す。相同性は、比較の目的のために整列され得る各々の配列中の位置を比較することにより決定することができる。比較される配列中の位置が、同じ塩基またはアミノ酸により占められている場合、分子はその位置において相同である。配列間の相同性の程度は、それらの配列により共有される一致した位置または相同な位置の数の関数である。「無関係」または「非相同」である配列は、本発明の配列のうちの1つと40%未満の同一性を共有するが、好ましくは25%未満の同一性を共有する。
ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドもしくはポリペプチド領域)は、「配列同一性」についてのある特定のパーセンテージ(例えば、少なくともまたは最大でも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、もしくは99%またはこの中から派生する任意の範囲)を有するか、あるいは、別の配列に対する「相同性」は、整列させた場合、塩基(またはアミノ酸)のパーセンテージが、2つの配列を比較した際に同じであることを意味する。このアラインメントおよび相同性パーセントまたは配列同一性パーセントは、当技術分野において公知のソフトウェアプログラム、例えば、Ausubel et al. eds. (2007) Current Protocols in Molecular Biologyに記載されるものを使用して決定することができる。
一部の態様において、オリゴは一本鎖である。一本鎖オリゴによって、DNAに対する細胞の耐性が増加しかつ細胞のDNA誘導毒性が低下することが企図されている。
特定の態様において、ドナーDNAの相同領域は、標的ゲノム配列と100%相同であるかまたは同一である。さらなる態様において、ドナーDNAの相同領域は、85、90、95、または99%相同である。
特定の態様において、ドナーDNAは、標的ゲノムDNA配列と相同である少なくともまたは最大でも10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、75、100、150、および200残基の核酸配列(またはこの中から派生する任意の範囲)を含む。特定の態様において、ドナーDNAは、ゲノムDNA配列と同一である核酸少なくとも約10個または少なくとも約15個または少なくとも約20個の配列を含む。この文脈において、「同一である配列」という用語は、ゲノムDNAの配列に正確に一致する配列を指す。同一である配列は、DNA配列改変の5'末端に存在する領域中およびDNA配列改変の3'末端に存在する領域中に存在し得る。例示的な例として、ドナーDNAが核酸少なくとも10個の相同配列を含む場合、ドナーDNAは、配列改変の各々の側に、例えば核酸5個の相同配列を含み得る。同様に、核酸10個の相同配列を含むドナーDNAは、例えば、配列改変の各々の側に、核酸5個の相補的配列を含み得る。
本明細書において使用する「相補的」という用語は、ヌクレオチド間のワトソン-クリック塩基対形成を指し、具体的には、2つの水素結合によりアデニン残基に連結されたチミンまたはウラシル残基でおよび3つの水素結合により連結されたシトシンおよびグアニン残基で互いに水素結合されたヌクレオチドを指す。一般的に、核酸は、特定された第2のヌクレオチド配列に対してある「相補性パーセント」を有するとして記載される、ヌクレオチド配列を含む。例えば、ヌクレオチド配列は、特定された第2のヌクレオチド配列に対して80%、90%、または100%の相補性を有し得るが、1つの配列の10個のヌクレオチドのうち8個、10個のヌクレオチドうち9個、または10個のヌクレオチドうち10個が、特定された第2のヌクレオチド配列に相補的であることを示す。例えば、ヌクレオチド配列3'-TCGA-5'は、ヌクレオチド配列5'-AGCT-3'に100%相補的である。さらに、ヌクレオチド配列3'-TCGA-は、ヌクレオチド配列5'-TTAGCTGG-3'の領域に100%相補的である。2つの相補的なヌクレオチド配列は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含むことが当業者により認識されるであろう。
「トランスフェクトする」という用語は、生物活性物質、例えば、核酸、タンパク質、酵素、または小分子を細胞中に導入するための方法を指す。核酸は、DNAであり得、プラスミドもしくはオリゴマー、および/またはRNA、あるいはそれらの組み合わせとして送達され得る。
「エレクトロポレーション」という用語は、外部から印加された電場が、細胞に適用されるトランスフェクションの方法を指す。特定の態様において、使用されるエレクトロポレーション方法は、静的エレクトロポレーションである。
特定の態様において、細胞は、フローエレクトロポレーションを使用してエレクトロポレーションされる。フローエレクトロポレーションは、流体チャンバーまたは流体流路が、該流体チャンバーまたは流体流路の側面に沿って配置された電極で構成されており、かつエレクトロポレーションのための適切な電場に流体チャンバーまたは流体流路内に生物学的粒子を供するように構成されている、流体チャンバーでまたは流体流路で構成される装置中へ細胞および負荷分子の懸濁液を移すこと;装置の外にエレクトロポレーションされた細胞懸濁液を移すことを含む。「フローエレクトロポレーション」という用語は、流体チャンバー流路内の細胞のエレクトロポレーションを指す。この方法は、大規模容積の細胞のために特に有効である。静的エレクトロポレーションは、対照的に、流体にかかる移動電気と、対向電極間の距離とに関連付けられる制約のため、一組の制限された容積の細胞のエレクトロポレーションを含む。
特定の局面において、細胞中へ発現構築物をトランスフェクトすることは、フローチャンバー内の電場中に細胞の懸濁液を流すことを含み、電場は、フローチャンバーを少なくとも部分的に規定する、反対の電荷を有することができる(oppositely chargeable)電極に対向することにより、生成され、フローチャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約10℃未満である。他の特定の局面において、細胞をトランスフェクトすることは、エレクトロポレーションする細胞の懸濁液を含むためのチャンバーを備えるフローエレクトロポレーションデバイスを用いることを含み;チャンバーは、反対の電荷を有することができる電極に対向することより、少なくとも部分的に規定され;チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約10℃未満である。
特定の局面において、細胞中へ発現構築物をトランスフェクトすることは、チャンバー中の電場に細胞の懸濁液をエレクトロポレーションまたは曝露することを含み、電場は、チャンバーを少なくとも部分的に規定する、反対の電荷を有することができる電極に対向することにより生成され、チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約10℃未満である。他の特定の局面において、細胞をトランスフェクトすることは、エレクトロポレーションする細胞の懸濁液を含むためのチャンバーを備えるエレクトロポレーションデバイスを用いることを含み;チャンバーは、反対の電荷を有することができる電極に対向することより、少なくとも部分的に規定され;チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約10℃未満である。
特定の局面において、チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約0.1℃から1ワット当たり10℃である。例えば、チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、もしくは10℃またはこの中から派生する任意の熱抵抗であり得る。
対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mmの間隔、またはこの中から派生する任意の距離もしくは範囲の間隔をおいて配置されていてもよい。開示する態様のいずれかにおいて、チャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極面積対電極間距離の比率を有してもよい。例えば、比率は、約1対1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100cmまたはこの中から派生する任意の値もしくは範囲であり得る。特定の局面において、チャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極面積対電極間距離の比率を有し、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに少なくとも1mmの間隔をおいて配置されている。他の局面において、チャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極面積対電極間距離の比率を有し、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに少なくとも3mmの間隔をおいて配置されている。よりさらなる局面において、チャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極面積対電極間距離の比率を有し、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに約3mm〜約2cmの間隔をおいて配置されている。例えば、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに約3、4、5、6、7、8、9、もしくは10mmの間隔またはこの中から派生する任意の距離の間隔をおいて配置されていてもよいか、あるいは、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、もしくは2.0cmの間隔またはこの中から派生する任意の距離の間隔をおいて配置されていてもよい。これらの態様の一部の局面において、エレクトロポレーションされた細胞は、それにより、実質的に熱分解されない。
開示する態様のいずれかにおいて、チャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極面積対電極間距離の比率を有してもよい。例えば、比率は、約1対1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100cm、またはそれらの中から引きせる任意の値もしくは範囲であり得る。特定の局面において、チャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極面積対電極間距離の比率を有し、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに少なくとも1mmの間隔をおいて配置されている。他の局面において、チャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極面積対電極間距離の比率を有し、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに少なくとも3mmの間隔をおいて配置されている。よりさらなる局面において、チャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極面積対電極間距離の比率を有し、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに約3mm〜約2cmの間隔をおいて配置されている。例えば、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに約3、4、5、6、7、8、9、もしくは10mmの間隔またはこの中から派生する任意の距離の間隔をおいて配置されていてもよいか、あるいは、対向し反対の電荷を有することができる電極は、互いに約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、もしくは2.0cmの間隔またはこの中から派生する任意の距離の間隔をおいて配置されていてもよい。これらの態様の一部の局面において、エレクトロポレーションされた細胞は、それにより、実質的に熱分解されない。
開示された態様のいずれにおいても、デバイスは、熱を放散するために冷却エレメントを備え得る。例えば、冷却エレメントは、熱電冷却エレメントを含んでもよい。別の例として、冷却エレメントは、電極と接触して流れる冷却流体を含むことができる。さらに別の例として、冷却エレメントは、電極に動作可能に関連付けられたヒートシンクを含んでもよい。チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約3℃未満であり得る。一部の態様において、チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約0.5℃〜1ワット当たり4℃であるか、または、チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約1℃〜1ワット当たり3℃である。例えば、チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、もしくは4.0℃またはこの中から派生する任意の値であり得る。
エレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程を含む特定の方法において、該方法は、0.5kV/cm超の強度を有する電場に細胞の懸濁液を曝露する工程を含む。例えば、電場は、約3.5kV/cm超の強度を有してもよい。特定の局面において、電場は、約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、もしくは3.5kV/cmよりもまたはこの中から派生する任意の値よりも大きな強度を有する。
一部の態様において、細胞にトランスフェクトすることは、フローエレクトロポレーションデバイスを用いることを含み、該フローエレクトロポレーションデバイスが、フローチャネルを画定している壁であって、該フローチャネルが、エレクトロポレーションゾーンを有し、エレクトロポレーションされる細胞の懸濁液の連続流を受け入れるようにかつ該連続流を一時的に収容するように構成されている、壁;フローチャネルと流体連通しており、それにより入口フローポータルを介してフローチャネル中に懸濁液を導入することができる、入口フローポータル;フローチャネルと流体連通しており、それにより出口フローポータルを介してフローチャネルから懸濁液を取り出すことができる、出口フローポータルを備え、壁が、フローチャネルの第1の壁の実質的な部分を形成する第1の電極と、第1の壁の反対側にあるフローチャネルの第2の壁の実質的な部分を形成する第2の電極とを含むエレクトロポレーションゾーン内でフローチャネルを画定しており、第1の電極および第2の電極が、電気エネルギーの供給源と電気通信している状態で置かれた場合に、それらの電極間に、懸濁液が流れることができる電場を形成するようになっており、かつ、フローチャネルの熱抵抗が1ワット当たり約10℃未満である。
特定のそのような態様において、第1の電極および第2の電極または反対の電荷を有することができる電極は、互いに少なくとも1mmの間隔をおいて配置されている。さらに、チャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極表面対電極間距離の比率を有し得る。特定の態様において、チャンバーは、約1対1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100cmまたはこの中から派生する任意の値または範囲の、緩衝液と接触している合わせた電極表面対電極間距離の比率を有し得る。特定の態様において、本明細書に記載のエレクトロポレーション法によってエレクトロポレーションされた細胞は、それにより実質的に熱分解されない。本明細書に記載の特定の局面において、チャンバーはフローチャンバーである。
一部の局面において、エレクトロポレーションデバイスは、エレクトロポレーションされる細胞の懸濁液を収容するためのチャンバーを備え;チャンバーは、反対の電荷を有することができる電極を対向させることにより少なくとも部分的に画定されており;かつチャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極表面対電極間距離の比率を有し得る。特定の局面において、比率は約1対70cmである。他の特定の局面において、比率は約1対50cmである。例えば、比率は、約1対1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100cmまたはこの中から派生する任意の値であり得る。本明細書に記載の特定の局面において、チャンバーはフローチャンバーである。
一部の態様において、フローエレクトロポレーションデバイスは、エレクトロポレーションされる細胞の懸濁液の連続流を受け入れるようにかつ該連続流を一時的に収容するように構成されたフローチャネルを画定している壁;フローチャネルと流体連通しており、それにより入口フローポータルを介してフローチャネル中に懸濁液を導入することができる、入口フローポータル;フローチャネルと流体連通しており、それにより出口フローポータルを介してフローチャネルから懸濁液を取り出すことができる、出口フローポータルを備え、壁が、フローチャネルの第1の壁の少なくとも一部分を形成する第1の電極と、第1の壁の反対側にあるフローチャネルの第2の壁の少なくとも一部分を形成する第2の電極とを備えるフローチャネルを画定しており、第1の電極および第2の電極が、電気エネルギーの供給源と電気通信している状態で置かれた場合に、それらの電極間に、懸濁液が流れることができる電場を形成するようになっており、かつ、フローチャネルの熱抵抗が1ワット当たり約10℃未満である。特定の局面において、フローチャネルの熱抵抗は、1ワット当たり約0.1℃から1ワット当たり10℃である。例えば、フローチャネルの熱抵抗は、1ワット当たり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、もしくは10℃またはこの中から派生する任意の熱抵抗であり得る。第1および第2の電極は、互いに少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mmの間隔、またはこの中から派生する任意の距離または範囲で間隔をおいて配置されていてもよい。開示された態様のいずれかにおいて、フローチャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極表面対電極間距離の比率を有し得る。例えば、比率は、約1対1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100cmまたはこの中から派生する任意の値または範囲であり得る。特定の局面において、フローチャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極表面対電極間距離の比率を有し、第1および第2の電極は、互いに少なくとも1mmの間隔をおいて配置されている。他の局面では、フローチャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極表面対電極間距離の比率を有し、第1および第2の電極は、互いに少なくとも3mmの間隔をおいて配置されている。さらなる局面では、フローチャンバーは、約1対100cmの、緩衝液と接触している合わせた電極表面対電極間距離の比率を有し、第1および第2の電極は、互いに少なくとも約3mmから約2cmの間隔をおいて配置されている。例えば、第1および第2の電極は、互いに約3、4、5、6、7、8、9、もしくは10mmまたはこの中から派生する任意の距離の間隔をおいて配置されていてもよいか、あるいは、第1および第2の電極は、互いに約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、もしくは2.0cmまたはこの中から派生する任意の距離の間隔をおいて配置されていてもよい。これらの態様の一部の局面において、フローチャネルにおいてエレクトロポレーションされた細胞は、それにより実質的に熱分解されない。
特定の開示される方法およびデバイスにおいて、チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約0.1℃から1ワット当たり約4℃である。一部の局面において、チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約1.5℃から1ワット当たり約2.5℃である。例えば、チャンバーの熱抵抗は、1ワット当たり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、もしくは4.0℃でまたはこの中から派生する任意の抵抗であり得る。
特定の開示される方法およびデバイスにおいて、フローエレクトロポレーションデバイスは、粒子を含む懸濁液の連続流を受け入れるようにかつ該連続流を一時的に収容するように構成されたフローチャネルを画定している壁;フローチャネルと流体連通しており、それにより入口フローポータルを介してフローチャネル中に懸濁液を導入することができる、入口フローポータル;フローチャネルと流体連通しており、それにより出口フローポータルを介してフローチャネルから懸濁液を取り出すことができる、出口フローポータルを備え、壁が、フローチャネルの第1の壁を形成する第1の電極プレートと、第1の壁の反対側にあるフローチャネルの第2の壁を形成する第2の電極プレートとを備えるフローチャネルを画定しており;電極の領域が懸濁液と接触しており、かつ、フローチャネルの熱抵抗が1ワット当たり約4℃未満になるように電極間距離が選定され;対になった電極が、電気的エネルギーの供給源と電気通信している状態で置かれており、それにより電場が電極間に形成され;それにより、フローチャネルを介して流れる粒子の懸濁液が、電極間に形成される電場に供されることができる。特定の局面において、フローチャネルを画定している電極プレートは、ガスケットをさらに含み、ガスケットが、非導電性材料から形成され、かつ、間隔をおいた関係で電極プレートを維持するように第1の電極プレートと第2の電極プレートの間に配置されており、ガスケットは、その中でフローチャネルの対向する側壁を形成する内部チャネルを画定している。ガスケットは、例えば、第1および第2の電極プレートの各々とシールを形成し得る。一部の態様において、デバイスは、複数のフローチャネルを備え、ガスケットは、複数のチャネルの各々の対向する側壁を形成する複数のチャネルを含む。一部の局面において、入口フローポータルおよび出口フローポータルの一方が穴を含み、穴が、一方の電極プレートに形成され、かつフローチャネルと流体連通している。入口フローポータルおよび出口フローポータルの他方は、穴を含み得て、穴が、一方の電極プレートに形成され、かつフローチャネルと流体連通している。特定の局面において、入口フローポータルおよび出口フローポータルは穴を含み、穴が、他方の電極プレートに形成され、かつフローチャネルと流体連通している。開示される態様のいずれかにおいて、デバイスは、熱を放散させるためのフローチャネルに動作可能に結合された冷却エレメントをさらに備え得る。例えば、冷却エレメントは、熱電冷却エレメントを含み得る。別の例として、冷却エレメントは、電極と接触して流れる冷却液を含み得る。さらに別の例として、冷却エレメントは、電極に動作可能に結合されたヒートシンクを備え得る。フローチャネルの熱抵抗は、1ワット当たり約3℃未満であり得る。一部の態様において、フローチャネルの熱抵抗は、1ワット当たり約0.5℃〜1ワット当たり4°Cであるか、またはフローチャネルの熱抵抗は、1ワット当たり約1℃〜1ワット当たり3℃である。例えば、フローチャネルの熱抵抗は、1ワット当たり約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、もしくは4.0℃またはこの中から派生する任意の値であり得る。
特定の開示される方法およびデバイスにおいて、第1の電極は、細長い導電性構造を備え得るが、第2の電極は管状の導電性構造を備え;電極は、管状の第2の電極が、第1の電極に対して間隔のあいた関係で第1の電極を取り囲むように、同心円状に配列されており;フローチャネルは、第1の電極と第2の電極の間に画定された環状空間内に配置されている。電極は、フローチャネルを画定している壁の少なくとも一部分を形成し得る。一部の態様において、第1および第2の電極を維持するための同心円環状スペーサーが、間隔をおいた同心円状の関係にある。特定の局面において、デバイスは、第2の同様のデバイスと直列または並列に配列されている。
フローエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程を含む特定の方法において、フローチャネルは、1ワット当たり約10℃未満の熱抵抗を有する。フローエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程を含む一部の方法において、方法は、エレクトロポレーションされる細胞の懸濁液を、フローチャネルを通じて流す工程、および、フローチャネルを通じて流している間、懸濁液を電場に曝露する工程を含み、電場は0.5kV/cm超の強度を有する。例えば、電場は、約3.5kV/cm超の強度を有し得る。特定の局面において、電場は、約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、もしくは3.5kV/cm超の強度またはこの中から派生する任意の値の強度を有する。
フローエレクトロポレーションデバイスについて開示する態様において、フローエレクトロポレーションについて記載されているパラメータおよびパラメータの範囲が、本明細書において記載する方法で使用される静的エレクトロポレーションデバイスにも適用可能であることが特に企図されている。特定の態様において、フローエレクトロポレーションが使用され、静的エレクトロポレーションまたは非フローエレクトロポレーションが除外される。さらなる具体的な態様において、静的エレクトロポレーションが使用され、フローエレクトロポレーションは除外される。
開示する方法のいずれも、単一細胞コロニーを得るために、トランスフェクトされた細胞の限界希釈法を用いる工程を含み得る。本明細書において使用する場合、「限界希釈」という用語は、各々の培養物中の単一細胞を獲得する目的で、細胞培養物を有意に希釈するプロセスを指す。そのような単離された単一細胞が再生する場合、結果として得られた培養物は、元々の細胞のクローンだけを含む。例えば、マルチウェルプレートは、単一の細胞培養物またはコロニーを得るために使用され得る。例えば、限界希釈を患者細胞由来iPS研究のため(例えば、鎌状赤血球患者の修復のため)に用いてもよい。限界希釈アプローチを用いるiPS細胞は、修正ヘモグロビン発現細胞に改変され、単離され、かつ患者への投与のために増殖されることができる。
開示する方法のいずれにおいても、特定のゲノムDNA配列改変を有するクローン細胞を産生するために、単離および選択されたクローン細胞を増殖させることを含む工程を用いてもよい。
単離されたクローン細胞の増殖を含む開示する方法において、増殖は、大規模製造のためであり得る。例えば、細胞は1L超の容積で増殖されてもよいか、または、細胞は3L超の容積で増殖されてもよい。特定の局面において、細胞は、1.0、1.5、2.0、2.5、もしくは3.0L超の容積またはこの中から派生する任意の値の容積で増殖される。
開示する方法のいずれにおいても、トランスフェクトされかつ選択またはスクリーニングされた細胞を凍結させることを含む、さらなる工程を使用してもよい。以前に凍結させた、トランスフェクトされかつ選択/スクリーニングされた細胞を増殖させる、いっそうさらなる工程も使用してもよい。
開示する方法において、培養する細胞の種類に基づき当業者により容易に選択されるように、細胞培養物は、当業者に公知の任意の追加成分を含んでいてもよい。例えば、細胞は、酪酸ナトリウム中または同等の塩中で培養してもよい。
開示する方法において、ゲノムDNA配列改変を有するクローン細胞を産生するために、単離されかつ選択またはスクリーニングされたクローン細胞を増殖させることを含む、さらなる工程を使用してもよい。
さらなる局面は、(a)DNAオリゴと(b)消化剤とを含む組成物をエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程であって、ドナーDNAが、(i)標的ゲノムDNA領域に相同な核酸配列を含む相同領域と、(ii)配列改変領域とを含む、工程;および、標的ゲノムDNA領域におけるゲノムDNA配列改変について、トランスフェクトされた細胞をスクリーニングする工程;クローン細胞を得るために、限界希釈によりスクリーニングしたトランスフェクトされた細胞を単離する工程;ゲノムDNA配列改変を含む安定な細胞株を産生するために、単離したトランスフェクトされた細胞を増殖させる工程を含む、ゲノムDNA配列改変または標的ゲノムDNA配列補正を含む安定な細胞株を産生するための方法に関する。
本開示はまた、本明細書において記載する方法により産生された細胞株またはエレクトロポレーションされた細胞を提供する。
さらなる局面は、本明細書において記載する方法により産生された細胞株またはエレクトロポレーションされた細胞の有効量を投与する工程により、疾患または状態を有するかまたは疾患または状態を有することが疑われる対象を処置する方法に関する。
本明細書において記載する態様を除外してもよいことが具体的に企図されている。範囲が記載されている場合、特定の範囲を除外してもよいことがさらに企図されている。
ここで本明細書において使用する場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つまたは複数を意味し得る。本明細書中で特許請求の範囲において使用する場合、単語「含む」と併せて使用される場合、単語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つまたは2つ以上を意味し得る。
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、明らかに代替だけを指すように示さない場合、または代替が相互に排他的ではない場合、「および/または」を意味するように使用されるが、開示は、代替および「および/または」を指す定義を支持する。本明細書において使用する場合、「別の」は、少なくとも第2またはそれ以上を意味し得る。
本願を通して、「約」という用語は、値がデバイスの誤差の固有の変動を含むことを示すよう使用され、方法は、値、または試験対象間に存在する変動を決定するために用いられる。
本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになると考えられる。しかし、本詳細な説明から本発明の精神および範囲内での種々の変更および改変が当業者には明らかになるため、詳細な説明および特定の実施例が、本発明の好ましい態様を示しているが、例示としてのみ提供されることを理解すべきである。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の局面をさらに実証するために含まれる。本発明は、本明細書に提示される特定の態様の詳細な説明と一緒にこれらの図面の1つまたは複数を参照することにより良く理解され得る。
Maxcyte STXの静的およびフローエレクトロポレーショントランスフェクション技術を用いた安定な細胞株の開発プロセス。図は、安定な細胞生成のワークフローを示す。エレクトロポレーション後、選択無しで細胞をある期間培養して、エレクトロポレーション法からの回復を可能にしてもよい(図中に示していない)。エレクトロポレーション後、選択物質の存在下で細胞を培養することにより選択する(選択段階)。選択段階の後、選択物質の存在下で細胞を低密度で培養して、限界希釈クローニングを可能にする(維持/クローン選択段階)。クローン集団の生成後、クローンを、外因性ポリペプチドの発現についてスクリーニングして、増殖させる(クローンのスクリーニングおよび増殖の段階)。スクリーニング後、所望の活性を有するクローンを、産生の目的のために大規模で成長させ(大規模スケールアップ段階)、凍結保存などの長期保存に供する。 DNAトランスフェクションは、細胞に対する分化細胞毒性を有する。図2に、DNAおよびmRNAをトランスフェクトされた末梢血液リンパ球(PBL)およびK562細胞の生存率(図2A)、DNAおよびmRNAをトランスフェクトされたPBLおよびK562細胞のGFP発現(図2B)、ならびにDNAおよびmRNAをトランスフェクトされたPBLおよびK562細胞の細胞数(図2C)を示す。データは、DNAトランスフェクションによって、K562への細胞毒性は生じないが、休止PBLにおいて強い細胞毒性を誘導することを実証する。 K562およびPBLのAAVS1部位でのmRNA-CRISPRトランスフェクション誘導性ゲノムDNA編集。図3に図示するのは、休止PBL細胞とK562細胞のCel-1アッセイ法による遺伝子編集の比較である。細胞は、mRNA-CRISPR(それぞれcas9およびgRNA)を用いてエレクトロポレーションされなかった(-EP)か、またはエレクトロポレーションされた(+EP)。この電気泳動ゲル中の試料を、以下のとおりにロードした:レーン1:マーカー;レーン2:PBLの-EP;レーン3:PBLの+EP;レーン4:K562の-EP;レーン5:K562の+EP。修正されたAAVS-1部位の切断生成物は、298および170塩基対であり、親バンドは468塩基対である。編集率は、(消化バンドの密度)/(消化バンドの密度+親バンドの密度)として算出した。休止のエレクトロポレーションされた休止PBLおよびK562細胞は、それぞれ46%および49%の編集率を示した。 K562のAAVS1部位でのmRNA-CRISPRトランスフェクション誘導性ゲノムDNA編集。図4に図示するのは、mRNA-CRISPR(Cas9およびガイドRNA)を用いた細胞のエレクトロポレーションによる、遺伝子編集の一貫性を示す重複実験結果の電気泳動ゲルであり、Cel-1アッセイ法により、それぞれ59%および52%のDNA編集が誘導された。修正されたAAVS-1部位の切断生成物は、298および170塩基対であり、親バンドは468塩基対である。編集率は、(消化バンドの密度)/(消化バンドの密度+親バンドの密度)として算出した。 PBL細胞および増殖したT細胞のAAVS1部位でのmRNA-CRISPRトランスフェクション誘導性ゲノムDNAの編集。図5に図示するのは、休止PBL細胞と増殖したT細胞の比較である。細胞は、トランスフェクトされなかった(-EP)か、GFP-mRNAをトランスフェクトされたか、またはmRNA-CRISPR(Cas9+gRNA、c+g)をトランスフェクトされた。試料は、PBLのマーカー、-EP、GFP、およびc+g、ならびに増殖したT細胞の-EPおよびc+gの順序でロードした。修正されたAAVS-1部位での切断生成物は、298および170塩基対であり、親バンドは468塩基対である。編集率は、(消化バンドの密度)/(消化バンドの密度+親バンドの密度)として算出した。PBLおよび増殖したT細胞は、Cas9を用いてエレクトロポレーションされ、ガイドRNAはそれぞれ32%および45%の編集を示した。 K562のAAVS1部位におけるmRNA-CRISPRトランスフェクション誘導性Hind III配列組込みに依存する一本鎖DNAオリゴサイズ。細胞は、トランスフェクトされなかった(-EP)か、mRNA-CRISPR単独(c+g)をトランスフェクトされたか、または、示すとおりの異なるサイズのmRNA-CRISPR+一本鎖DNAオリゴをトランスフェクトされた。試料は、マーカー、c+g、c+g+26mer、c+g+50mer、c+g+70mer、およびc+g+100merの順序でロードした。6個のヌクレオチドを認識するHindIIIが、HindIII消化サイトを作製するAAVS1部位中にあった。組み込まれたオリゴドナー配列を伴うAAVS-1部位の切断生成物は、298および170塩基対であり、親バンドは468塩基対である。組込み率は、(消化バンドの密度)/(消化バンドの密度+親バンドの密度)として算出した。核酸50、70、および100個のドナーオリゴは、それぞれ43%、35%、および34%の組込みを示し、一方で、核酸20個は0%組込みを示した。 mRNA-CRISPRオリゴトランスフェクションによって、増殖したT細胞のAAVS1部位におけるHind III配列の組込みが誘導された。細胞は、mRNA-CRISPR単独またはmRNA-CRISPR+50mer一本鎖オリゴ(c+g+o)のいずれかをトランスフェクトされた。PCRアンプリコンは、HidIIIを用いて消化された(+H3)か、または消化されなかった(-H3)。試料を、以下のとおりにロードした:(1)マーカー;(2)c+g-H3;(3)c+g+H3;(4)c+g+o-H3;(5)c+g+o+H3。ドナーオリゴによって、HindIII消化部位を作製したAAVS1部位中に6個のヌクレオチドを組込んだ。組込んだオリゴドナー配列を伴うAAVS-1部位の切断生成物は、298および170塩基対であり、親バンドは468塩基対である。組込み率は、(消化バンドの密度)/(消化バンドの密度+親バンドの密度)として算出した。ドナーオリゴをトランスフェクトされた増殖したT細胞は、15〜30%の組込みを示した。 MaxCyteシステムによるmRNAのトランスフェクションは、ヒトの増殖したT細胞に対して低細胞毒性を有する。図7と同じ増殖したt細胞についての生存率および細胞増殖(図8A)、トランスフェクション後の増殖したT細胞の増殖(図8B)、ならびにトランスフェクション後の増殖したT細胞のGFP発現(図8C)。データは、一本鎖オリゴDNAを伴うmRNAとしてのヌクレアーゼが、6個のヌクレオチドの組込みを媒介するだけでなく(図7)、増殖したT細胞に対して低い細胞毒性を示したことを実証する。 造血幹細胞(HSC)の表現型およびGFP発現。エレクトロポレーションは、解凍後2日目に行った。データは、mRNAを用いたトランスフェクションが、CD34+HSCに対してDNAを用いるよりも有効であることを示す。 HSCのDNA-GFPトランスフェクションは、HSCでのmRNA-GFPトランスフェクションよりもずっと高い細胞毒性を有する。HSC細胞は、解凍後2日目にエレクトロポレーションされた。図10に、mRNA/DNAをトランスフェクトされたCD34+ヒトHSCの生存率(図10A)、および増殖(図10B)を示す。 HSCのDNA-GFPトランスフェクションは、HSCでのmRNA-GFPトランスフェクションよりもずっと高い細胞毒性を有する。HSC細胞は、解凍後2日目にエレクトロポレーションされた。図10に、mRNA/DNAをトランスフェクトされたCD34+ヒトHSCのGFP発現(図10C)、および平均GFP蛍光強度(MFI)(図10D)を示す。 mRNA-Cas9/gRNA+サイズの異なる一本鎖ドナーDNAオリゴを用いたHSCのトランスフェクションは、低い細胞毒性を有する。HSC細胞は、解凍後2日目にエレクトロポレーションされた。図11に、mRNA-Cas9/gRNAによりおよび示した核酸長の異なるサイズのDNA一本鎖オリゴによりトランスフェクトされたHSCの生存率(図11A)、標準化された生存率(図11B)、および増殖(図11C)を示す。 CD34+造血幹細胞のAAVS1部位におけるmRNA-CRISPRトランスフェクション誘導性のゲノムDNA編集。細胞は、トランスフェクトされていない(-EP)か、mRNA-GFPをトランスフェクトされた(GFP)か、または、4個の反復配列を伴うmRNA-CRISPRをトランスフェクトされた(C+G 1、2、3、4)。電気泳動ゲルの試料を、以下のとおりにロードした:(1)マーカー;(2)-EP;(3)GFP;(4)C+G-1;(5)C+G-2;(6)C+G-3;(7)C+G-4。編集したAAVS-1部位の切断生成物は、298および170塩基対であり、親バンドは468塩基対である。編集率は、(消化バンドの密度)/(消化バンドの密度+親バンドの密度)として算出した。Cas9およびガイドRNAをコードするmRNAをトランスフェクトされたHSCは、4つの異なる実験において43%、60%、54%、および52%の編集を示した。 トランスフェクション後2日目のCD34+造血幹細胞のAAVS1部位におけるmRNA-CRISPRオリゴトランスフェクション誘導性Hind III配列組込み。細胞は、トランスフェクトされなかった(-EP)か、GFP-mRNA(GFP)をトランスフェクトされたか、mRNA-CRISPR(C+G)単独をトランスフェクトされたか、またはmRNA-CRISPR+異なるサイズのオリゴ(26mer、50mer、70mer、および、100merのオリゴ濃度を示した100mer)をトランスフェクトされた。電気泳動ゲルの試料を、以下のとおりにロードした:(1)マーカー;(2)-EP-H3;(3)-EP+H3;(4)GFP-H3;(5)GFP+H3;(6)C+G-H3;(7)C+G+H3;(8)26mer-H3;(9)26mer+H3;(10)50mer-H3;および(11)50mer+H3。図13B中の試料を、以下のとおりに電気泳動ゲルにロードする:(1)マーカー;(2)70mer-H3;(3)70mer+H3;(4)100mer-30μg/mL-H3;(5)100mer-30μg/mL+H3;(6)100mer-100μg/mL-H3;(7)100mer-100μg/mL+H3;(8)100mer-200μg/mL-H3;(9)100mer-200μg/mL+H3。組み込まれたAAVS-1部位の切断生成物は、298および170塩基対であり、親バンドは468塩基対である。組込み率は、(消化バンドの密度)/(消化バンドの密度+親バンドの密度)として算出した。25mer核酸DNAオリゴをトランスフェクトされたHSCは0%の組込みを示し、一方で、50merおよび70mer核酸オリゴをトランスフェクトされたHSCはそれぞれ9%および23%の組込みを示した。30μg/mLのヌクレオチド100個のオリゴをトランスフェクトされたHSCは、この時点で0%の組込みを示したが(トランスフェクション後4日目に13%、データ示さず)、一方で、100μg/mLおよび200μg/mLの同じオリゴをトランスフェクトされたHSCはそれぞれ28%および43%の組込みを示した。 ガイドRNAは組込み特異性を与える。gRNAターゲティングAAVS1部位を伴うオリゴは、鎌状赤血球症(SCD)遺伝子座中ではなく、AAVS1中に組込まれる。細胞は、エレクトロポレーション(-EP)されなかったか、またはmRNA-CRISPR+ドナーオリゴ(c+g+o)を用いてエレクトロポレーションされたかのいずれかであった。-/+Hは、HindIIIエンドヌクレアーゼの非存在(−)または存在(+)を示す。電気泳動ゲルの試料を、以下のとおりにロードした:(1)マーカー;(2)-EP+H;(3)c+g+o-H;(4)c+g+o+H;(5)-EP+H;(6)c+g+o-H;(7)c+g+o+H。レーン2〜4は、AAVS1遺伝子座由来のゲノムDNAを表し、レーン5〜7は、SCD遺伝子座由来のゲノムDNAを表す。組み込まれたAAVS1部位の切断生成物は、298および170塩基対であり、親バンドは468塩基対である。組込み率は、(消化バンドの密度)/(消化バンドの密度+親バンドの密度)として算出した。DNAオリゴおよびAAVS1遺伝子座特異的なガイドRNAをトランスフェクトされたK562細胞は、AAVS1部位中に特異的に組み込まれたが、SCD遺伝子座には組み込まれなかった。AAVS1遺伝子座での組込み率は20%であった。 AAVS1(図15A)およびSCD遺伝子座(図15B)を標的にする2つのガイドRNAを使用した部位特異的な組込み。図15Bに示すとおり、ドナーDNAの部位特異的な組込みは、SCD遺伝子座で達成された。これらの結果は、実施例2においてさらに記載されている。 配列改変領域(大文字および網掛け無し)および相同領域(小文字および網掛け有り)を有する例示的なドナーDNAオリゴ。図16Aは、標的ゲノムDNAへの付加として終止コドンが挿入されている例を示す(SEQ ID NO: 40および41)。図16Bは、単一塩基が標的ゲノムDNA中で変化している例を示す(SEQ ID NO: 42および43)。 トランスフェクション後1日目のHSCへのeGFPをコードするmRNAの効率的なトランスフェクション。対照細胞(トランスフェクション無し、左の2枚の顕微鏡写真)およびトランスフェクトされた細胞を提示する(右の2枚の顕微鏡写真)。細胞は、対照細胞およびトランスフェクトされた細胞の両方について生存可能である。eGFPの100%近い発現(下段、右)は、mRNAトランスフェクションを用いた効率的なトランスフェクション効率を実証する。 HSCにおけるAAVS1部位でのエレクトロポレーション媒介の効率的な遺伝子編集。HSCは、mRNA製剤中のcas9(c)およびgRNA(g)をトランスフェクトされた。Cel-1アッセイ法を、遺伝子編集の分析のために実施した。レーン1はマーカーである。レーン2は対照HSC(-EP)である。レーン3は、GFP-mRNAをトランスフェクトされたHSCである。レーン4〜7はCas9/gRNAを用いたHSCのコドラート(quadrate)トランスフェクションである。 gp91phox中で最も一般的な変異(「ホットスポット」)は、エクソン7における位置676のCからT変異である。修正後にCGD中のアミノ部位226における終止コドンからArgへ、T変異をCに戻して修正するためにCRISPRおよびドナーDNA一本鎖オリゴを用いることで、それはgp91発現を回復させ得る。CGD患者由来のEBV形質転換B細胞を使用することにより、同時トランスフェクションは、トランスフェクション後5日目にpg91に対するFITCコンジュゲート抗体を用いてアッセイした場合、1%基礎ノイズレベル(左下)から10%上方制御されたレベル(右下)までgp91発現を実際に回復させた。トランスフェクションは、細胞を解凍した後2日目に行なった。
例示的な態様の説明
本明細書において記載する方法では、DNA配列を改変/補正するために、DNAオリゴおよびDNA消化剤を使用する。本明細書において記載する方法は、DNA配列改変の低毒性および取り込みの高い効率を提供することが企図されている。
核酸
B.オリゴ
態様は、DNAオリゴおよびDNA消化剤を含む組成物を用いて細胞をエレクトロポレーションすることによる、標的ゲノムDNA配列の配列改変に関する。一部の態様において、DNAオリゴは一本鎖である。
「内因性ゲノムDNA」という用語は、細胞の染色体DNAを指す。「標的ゲノムDNA配列」という用語は、DNA配列改変が向けられている内因性ゲノムDNA部位を指す。DNA配列改変は、1つの特定の部位または複数の特定の部位での標的ゲノムDNA配列の1塩基または複数塩基を変化させる改変であり得る。変化は、ゲノムDNA配列の少なくとも、最大でも、またはちょうど1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40塩基対、またはこの中から派生する任意の範囲を、異なる少なくとも、最大でも、またはちょうど1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40塩基対、またはこの中から派生する任意の範囲に変化させることを含み得る。欠失は、少なくとも、最大でも、またはちょうど1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500塩基対の欠失またはこの中から派生する任意の範囲の欠失であり得る。付加は、少なくとも、最大でも、またはちょうど1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、もしくはそれ以上の塩基対の付加またはこの中から派生する任意の範囲の付加であり得る。配列改変により複数の様式で標的ゲノムDNAが変化する場合、配列の改変または補正は、変化および欠失、変化および追加などとして分類されてもよい。一態様において、配列改変は、終止コドンである。さらなる態様において、DNA配列改変は、1つまたは複数の終止コドンである。さらなる態様において、DNA配列改変は、1、2、3、4、5、または10個の停止コドンである。配列改変が終止コドンである場合、遺伝子編集の効率および/または信頼性が増加され得る。
「オリゴ」または「オリゴヌクレオチド」という用語は、例えばデオキシリボ核酸(DNA)などのポリヌクレオチド、および適宜、リボ核酸(RNA)を指す。この用語はまた、等価物、誘導体、変異体、およびヌクレオチド類似体から作製されたRNAまたはDNAのいずれかの類似体、ならびに、記載する態様に適用可能な場合、一本鎖(センスまたはアンチセンス)および二本鎖ポリヌクレオチドである。デオキシリボヌクレオチドは、デオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシン、およびデオキシチミジンを含む。明確にするために、本明細書において、DNAまたはRNAであることができる核酸のヌクレオチドに言及する場合、「アデノシン」という用語は、「シチジン」、「グアノシン」、および「チミジン」が使用される。核酸がRNAである場合、ウラシル塩基を有するヌクレオチドはウリジンであることが理解される。
「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、かつ、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態であるそれらのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドまたは類似体のいずれかを指す。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有することができ、公知または未知の任意の機能を実施し得る。ポリヌクレオチドの非限定的な例は、以下のとおりである:遺伝子または遺伝子断片(例えば、プローブ、プライマー、ESTまたはSAGEタグ)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、dsRNA、siRNA、miRNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマー。ポリヌクレオチドは、修飾ヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログを含むことができる。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、ポリヌクレオチドの組み立て前または後に付与することができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分により中断することができる。ポリヌクレオチドはさらに、標識成分を用いたコンジュゲーションによるなど重合の後で修飾することができる。この用語はまた、二本鎖および一本鎖分子の両方を指す。特に指定されないかまたは必要でない場合、ポリヌクレオチドである本発明の任意の態様は、二本鎖形態と、二本鎖形態を構成することが公知であるかまたは予測される2つの相補的な一本鎖形態の各々との両方を包含する。
本明細書において記載するDNAオリゴは、標的ゲノムDNA配列に相補的である配列および標的ゲノムDNA配列の配列改変を含む。
本明細書において使用する「相補的」という用語は、ヌクレオチド間のワトソン-クリック塩基対形成を指し、具体的には、2つの水素結合によりアデニン残基に連結されたチミン残基またはウラシル残基、ならびに、3つの水素結合により連結されたシトシン残基およびグアニン残基と相互に結合されたヌクレオチドの水素を指す。一般的には、核酸は、特定された第2のヌクレオチド配列に対してある「相補性パーセント」を有するとして記載される、ヌクレオチド配列を含む。例えば、ヌクレオチド配列は、特定された第2のヌクレオチド配列に対して80%、90%、または100%の相補性を有していてもよく、1つの配列の10個のヌクレオチドのうち8個、10個のヌクレオチドのうち9個、または10個のヌクレオチドのうち10個が、特定された第2のヌクレオチド配列に相補的であることを示している。例えば、ヌクレオチド配列3'-TCGA-5'は、ヌクレオチド配列5'-AGCT-3'に対して100%相補的である。さらに、ヌクレオチド配列3'-TCGA-は、ヌクレオチド配列5'-TTAGCTGG-3'の領域に対して100%相補的である。2つの相補的なヌクレオチド配列が、センス鎖およびアンチセンス鎖を含むことが当業者により認識されるであろう。
特定の態様において、オリゴは、標的ゲノムDNA配列に相補的である核酸少なくとも約10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、または50個の配列を含む。特定の態様において、オリゴは、ゲノムDNA配列に相補的である核酸少なくとも約20個の配列を含む。この文脈において、「相補的である配列」という用語は、ゲノムDNAの配列に正確に一致する配列を指す。相補的配列は、DNA配列改変の5'末端に存在する領域中およびDNA配列改変の3'末端に存在する領域中に存在し得る。例示的な例として、オリゴが核酸少なくとも20個の相補配列を含む場合、オリゴは、例えば、配列改変の各々の側に、核酸10個の相補的配列を含み得る。同様に、核酸10個の相補的配列を含むオリゴは、例えば、配列改変の各々の側に、核酸5個の相補的配列を含み得る。
DNAオリゴは、約10、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、もしくは600個の核酸長から約100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500個の核酸長、またはこの中から派生する任意の範囲であり得る。特定の態様においては、オリゴは、20個超の核酸、または21、22、23、24、25、30、もしくは40個超の核酸である。特定の態様において、オリゴは、約30〜300個の核酸、約25〜約200個の核酸、約25〜約150個の核酸、約25〜約100個の核酸、または約40〜約100個の核酸である。
エレクトロポレーション法の最中のオリゴの濃度は、エレクトロポレーションチャンバー中および/または試料容器中のオリゴの最終濃度であり得る。オリゴ濃度は、約10、20、30、50、75、100、150、200、250、300μg/mLから約350、400、500、1000、1500、2000、3000、4000、もしくは5000μg/mLまたはこの中から派生する任意の範囲であり得る。特定の態様において、オリゴの濃度は、少なくとも30μg/mLである。さらなる態様において、オリゴの濃度は、少なくとも、最大でも、もしくはちょうど10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、もしくは200μg/mLまたはこの中から派生する任意の範囲である。
C.DNA消化剤
本発明は、DNAオリゴおよびDNA消化剤をエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトすることにより、標的ゲノムDNA配列を改変するための方法を提供する。「DNA消化剤」という用語は、核酸のヌクレオチドサブユニット間の結合(すなわち、ホスホジエステル結合)を切断することが可能な作用物質を指す。特定の態様において、DNA消化剤は、RNA上にコードされている。RNA上にDNA消化剤を提供することによって、トランスフェクション後の細胞の生存率の向上および配列改変の効率の増加のうちの一方または両方を行い得ることが企図されている。他の態様において、DNA消化剤は、タンパク質、酵素、または酵素活性を有する小分子模倣体である。
一態様において、DNA消化剤はトランスポザーゼである。例えば、脊椎動物の染色体中に、正確に定義されたDNA配列を導入するために設計された合成DNAトランスポゾン(例えば、「スリーピングビューティー(Sleeping Beauty)」トランスポゾンシステム)を使用することができる。スリーピングビューティートランスポゾンシステムは、スリーピングビューティー(SB)トランスポザーゼと、脊椎動物のゲノム中へのDNAの特定の配列を挿入するように設計されたトランスポゾンとで構成されている。DNAトランスポゾンは、単純なカットアンドペースト様式で、1つのDNA部位から別のDNA部位に転位する。転位は、定義されたDNAセグメントが、1つのDNA分子から切り出されかつ同じまたは異なるDNA分子またはゲノム中の別の部位に移動される、正確なプロセスである。
全ての他のTc1/マリナー型トランスポザーゼがそうであるとおり、SBトランスポザーゼは、レシピエントDNA配列中のTAジヌクレオチド塩基対中にトランスポゾンを挿入する。挿入部位は、同じDNA分子中または別のDNA分子(または染色体)中の他の場所であり得る。ヒトを含む哺乳類のゲノムにおいて、約2億個のTA部位がある。TAの挿入部位は、トランスポゾン組込みのプロセスにおいて複製される。このTA配列の重複は、転位の顕著な特徴であり、一部の実験における機構を確認するために使用される。トランスポザーゼは、トランスポゾン内にコードされることができるか、または、トランスポザーゼは、別の供給源によって供給されることができ、その場合では、トランスポゾンは非自律性エレメントになる。非自律性トランスポゾンは、遺伝子ツールとして最も有用である。なぜなら、挿入後、それらは、独立して切除し、かつ再挿入し続けることができないためである。ヒトゲノムおよび他の哺乳動物のゲノムにおいて同定されたDNAトランスポゾンの全ては、非自律的である。なぜなら、それらは、トランスポザーゼ遺伝子を含んでいるとしても、遺伝子が、非機能的であり、トランスポゾンを動員することができるトランスポザーゼを生成することができないためである。
さらなる態様において、DNA消化剤はインテグラーゼである。例えば、phiC31インテグラーゼは、バクテリオファージphiC31のゲノム内にコードされた配列特異的リコンビナーゼである。phiC31インテグラーゼは、一方がファージにおいて見出されかつ他方が細菌宿主において見出された付着部位(att)と呼ばれる34塩基対の2つの配列間の組換えを媒介する。このセリンインテグラーゼは、哺乳動物細胞を含む多くの異なる細胞型において効率的に機能することが示されている。phiC31インテグラーゼの存在において、attB含有ドナープラスミドは、天然attP部位に対する配列類似性を有する部位(偽attP部位と呼ばれる)での組換えを介して標的ゲノム中に一方向で組み込まれる。phiC31インテグラーゼは、任意のサイズのプラスミドを単一コピーとして組み込むことができ、かつ補因子を必要としない。組み込まれた導入遺伝子は、安定的に発現され、かつ遺伝性である。
特定の態様において、DNA消化剤はヌクレアーゼである。ヌクレアーゼは、核酸を加水分解する酵素である。ヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼとして分類してもよい。エンドヌクレアーゼは、DNAまたはRNA分子の内部において核酸間の結合の加水分解を触媒する酵素群のうちののいずれかである。エキソヌクレアーゼは、DNA鎖またはRNA鎖の末端から単一のヌクレオチドの加水分解を触媒する酵素群のいずれかである。ヌクレアーゼはまた、それらがDNAまたはRNAを特異的に消化するか否かに基づいて分類してもよい。DNAの加水分解を特異的に触媒するヌクレアーゼは、デオキシリボヌクレアーゼまたはDNアーゼと呼んでもよいのに対し、RNAの加水分解を特異的に触媒するヌクレアーゼは、リボヌクレアーゼまたはRNアーゼと呼んでもよい。一部のヌクレアーゼは、一本鎖または二本鎖のいずれかの核酸配列に特異的である。一部の酵素は、エキソヌクレアーゼ特性およびエンドヌクレアーゼ特性の両方を有する。また、一部の酵素は、DNA配列およびRNA配列の両方を消化することができる。「ヌクレアーゼ」という用語は、核酸配列を加水分解する任意の酵素を一般的に指すように本明細書中で使用される。
最適な反応条件は、異なるヌクレアーゼ間で変動する。考慮すべき因子は、温度、pH、酵素補因子、塩組成、イオン強度、および安定剤を含む。商業的に入手可能なヌクレアーゼの供給業者(例えば、Promega Corp.;New England Biolabs, Inc.)は、各々の酵素についての最適条件に関する情報を提供する。また、大半のヌクレアーゼは、インキュベーションの温度で測定された場合、pH7.2〜pH8.5の間で使用される。また、大半のヌクレアーゼは、37℃で最大活性を示すが;しかし、一部の酵素は、最適な活性のために、より高いまたはより低い温度を必要とする(例えば、Taq I、65℃;Sma I、25℃)。高いDNA濃度は酵素活性を低下させることができ、かつ、薄すぎるDNA濃度は酵素のKmを下回りまた酵素活性に影響を及ぼすことができるため、DNA濃度もまた因子であることができる。
ヌクレアーゼの非制限的な例は、DNアーゼI、ベンゾナーゼ、エキソヌクレアーゼI、エキソヌクレアーゼIII、マングビーンヌクレアーゼ、ヌクレアーゼBAL31、RNアーゼI、S1ヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、RecJ、およびT7エキソヌクレアーゼを含む。DNアーゼIは、DNAを非特異的に切断し、5'リン酸化末端および3'ヒドロキシル化末端を有するジヌクレオチド生成物、トリヌクレオチド生成物、およびオリゴヌクレオチド生成物を放出するエンドヌクレアーゼである。DNアーゼIは、一本鎖および二本鎖DNA、クロマチン、およびRNA:DNAハイブリッドに作用する。エキソヌクレアーゼIは、3'から5'方向での一本鎖DNAからのヌクレオチドの除去を触媒する。エキソヌクレアーゼIIIは、二重鎖DNAの3'ヒドロキシル末端からのモノヌクレオチドの段階的除去を触媒する。エキソヌクレアーゼIIIはまた、二重鎖DNA中のニックにおいて作用し、一本鎖ギャップを産生する。一本鎖DNAは、エキソヌクレアーゼIIIに耐性である。マングビーンヌクレアーゼは、DNAの末端から一本鎖伸長を分解する。マングビーンヌクレアーゼはまた、RNAエンドヌクレアーゼである。ヌクレアーゼBAL31は、二重鎖DNAの3'および5'末端の両方を分解する。ヌクレアーゼBAL31はまた、ニック、ギャップ、ならびに二本鎖DNAおよびRNAの一本鎖領域で切断する、高度に特異的な一本鎖エンドヌクレアーゼである。RNアーゼIは、全てのRNAジヌクレオチドで切断する一本鎖特異的RNAエンドヌクレアーゼである。S1ヌクレアーゼは、一本鎖DNAおよびRNAをヌクレオチド鎖分解により分解し、5'ホスホリル末端生成物をもたらす。二本鎖核酸(DNA:DNA、DNA:RNA、またはRNA:RNA)は、酵素の極めて高い濃度を用いる場合を除き、S1ヌクレアーゼ分解に耐性である。ラムダエキソヌクレアーゼは、二重鎖DNAからの5'モノヌクレオチドの除去を触媒する。その好ましい基質は、5'リン酸化二本鎖DNAであるが、ラムダエキソヌクレアーゼも、大きく低下した速度で一本鎖および非リン酸化基質を分解する。ラムダエキソヌクレアーゼは、ニックまたはギャップでDNA消化を開始することができない、RecJは、5'から3'方向でのDNAからのデオキシヌクレオチド一リン酸の除去を触媒する一本鎖DNA特異的エキソヌクレアーゼである。T7エキソヌクレアーゼは、二重鎖DNAからの5'モノヌクレオチドの除去を触媒する。T7エキソヌクレアーゼは、5'末端からのまたは二本鎖DNAのギャップおよびニックでのヌクレオチド除去を触媒する。
制限エンドヌクレアーゼは、本発明の方法に関連して使用し得るヌクレアーゼの別の例である。制限エンドヌクレアーゼの非限定的な例およびそれらの認識配列を、表1において提供する。
(表1)制限エンドヌクレアーゼのための認識配列
Figure 2017513477
Figure 2017513477
Figure 2017513477
RはAまたはGであり、KはGまたはTであり、SはGまたはCであり、YはCまたはTであり、MはAまたはCであり、WはAまたはTであり、BはAではなく(C、G、またはTであり)、HはGではなく(A、C、またはTであり)、DはCではなく(A、G、またはTであり)、VはTではなく(A、C、またはGであり)、かつNは任意のヌクレオチドである。
当業者は、標的ゲノム配列とDNAオリゴとの特徴に依存し、適切なヌクレアーゼを選択することができる。一態様において、ヌクレアーゼは、部位特異的なヌクレアーゼである。関連する態様において、ヌクレアーゼは、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、または少なくとも25塩基対の認識配列を有する。8、10、12、14、16、18、20、または25塩基対超の認識配列を有するヌクレアーゼをコードするRNAをトランスフェクトすることは、細胞に対する毒性が低いことが企図されている。さらに、RNAとしてヌクレアーゼを提供することはまた、細胞に対する毒性を低下させ得る。
一態様において、部位特異的なヌクレアーゼをコードするRNAは、Casヌクレアーゼをコードする。関連する態様において、CasヌクレアーゼはCas9である。さらなる態様において、ヌクレアーゼはcas9であり、かつ組成物はガイドRNAをさらに含む。本明細書において記載する方法および組成物と共に使用することができる配列特異的なヌクレアーゼ系の別の例は、Cas9/CRISPR系(Wiedenheft, B. et al. Nature 482, 331-338 (2012);Jinek, M. et al. Science 337, 816-821 (2012);Mali, P. et al. Science 339, 823-826 (2013);Cong, L. et al. Science 339, 819-823 (2013))を含む。Cas9/CRISPR(Clustered Regularly interspaced Short Palindromic Repeats)系では、標的DNAのRNAガイドDNA結合および配列特異的切断が用いられる。ガイドRNA/Cas9の組み合わせは、ヌクレアーゼに部位特異性を付与する。ガイドRNA(gRNA)は、ゲノムPAM(プロトスペーサー隣接モチーフ)部位(NNG)および定常RNA足場領域の上流の標的ゲノムDNA配列に相補的である約20個のヌクレオチドを含む。Cas(CRISPR関連)9タンパク質は、gRNAおよび標的DNAに結合し、それに対してgRNAが結合し、PAM部位の上流の定義された場所において二本鎖切断を導入する。Cas9は、HNHおよびRuvCエンドヌクレアーゼに相同な2つの独立したヌクレアーゼドメインを保有し、2つのドメインのいずれかを変異させることにより、Cas9タンパク質は、一本鎖切断を導入するニッカーゼに変換されることができる(Cong, L. et al. Science 339, 819-823 (2013)。具体的には、本発明の方法および組成物はCas9の一本鎖または二本鎖誘発バージョンと共に、ならびに、他の細菌Cas9様システムなどの他のRNA誘導DNAヌクレアーゼと共に使用することができることが企図されている。本明細書において記載する方法および組成物の配列特異的ヌクレアーゼは、遺伝子操作すること、キメラであること、または生物から単離することができる。配列特異的ヌクレアーゼは、mRNAなどの、配列特異的ヌクレアーゼをコードするRNAの形態で細胞に導入することができる。
一態様において、部位特異的なヌクレアーゼをコードするRNAは、ジンクフィンガーヌクレアーゼをコードする。ジンクフィンガーヌクレアーゼは一般的に、DNA結合ドメイン(すなわち、ジンクフィンガー)および切断ドメイン(すなわち、ヌクレアーゼ)を含む。ジンクフィンガー結合ドメインは、選択した任意の核酸配列を認識し、それに結合するように遺伝子操作してもよい。例えば、Beerli et al. (2002) Nat. Biotechnol. 20:135-141;Pabo et al. (2001) Ann. Rev. Biochem. 70:313-340;Isalan et al. (2001) Nat. Biotechnol. 19:656-660;Segal et al. (2001) Curr. Opin. Biotechnol. 12:632-637;Choo et al. (2000) Curr. Opin. Struct. Biol. 10:41 1 -416;Zhang et al. (2000) J. Biol. Chem. 275(43):33850-33860;Doyon et al. (2008) Nat. Biotechnol. 26:702-708;およびSantiago et al. (2008) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105:5809-5814を参照のこと。遺伝子操作されたジンクフィンガー結合ドメインは、天然のジンクフィンガータンパク質と比較して、新規な結合特異性を有し得る。遺伝子操作方法は、合理的な設計、および種々の型の選択を含むが、これらに限定されない。合理的設計は、例えば、各々のダブレット、トリプレット、またはクアドラプレットヌクレオチド配列が、特定のトリプレットまたはクアドルプレット配列に結合するジンクフィンガーの1つまたは複数のアミノ酸配列に関連付けられる、ダブレット、トリプレット、および/またはクアドラプレットヌクレオチド配列と個々のジンクフィンガーアミノ酸配列とを含むデータベースを使用することを含む。例えば、米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号を参照のこと。それらの開示は、それらの全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。1つの例として、米国特許第6,453,242号において記載するアルゴリズムを使用し、予め選択された配列を標的にするためのジンクフィンガー結合ドメインを設計してもよい。
代替の方法(例えば、非縮退認識コード表を使用する合理的設計)も、特定の配列を標的にするためのジンクフィンガー結合ドメインを設計するために使用してもよい(Sera et al. (2002) Biochemistry 41 :7074-7081)。DNA配列における潜在的な標的部位を同定し、ジンクフィンガー結合ドメインを設計するための公的に入手可能なウェブベースのツールを、http://www.zincfingertools.orgおよびhttp://bindr.gdcb.iastate.edu/ZiFiT/でそれぞれ見出すことができる(Mandell et al. (2006) Nuc. Acid Res. 34:W516-W523;Sander et al. (2007) Nuc. Acid Res. 35:W599-W605)。
ジンクフィンガー結合ドメインは、約3個のヌクレオチド長から約21個のヌクレオチド長、好ましくは約9個のヌクレオチド長から約18個のヌクレオチド長の範囲のDNA配列を認識するようにまたは該DNA配列に結合するように設計され得る。一般的に、ジンクフィンガー結合ドメインは、少なくとも3つのジンクフィンガー認識領域(すなわち、ジンクフィンガー)を含む。一態様において、ジンクフィンガー結合ドメインは、4つのジンクフィンガー認識領域を含み得る。別の態様において、ジンクフィンガー結合ドメインは、5つのジンクフィンガー認識領域を含み得る。さらに別の態様において、ジンクフィンガー結合ドメインは、6つのジンクフィンガー認識領域を含み得る。ジンクフィンガー結合ドメインは、任意の適切な標的DNA配列に結合するように設計され得る。例えば、米国特許第6,607,882号、同第6,534,261号、および同第6,453,242号を参照のこと。それらの開示は、それらの全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。
ジンクフィンガー認識領域を選択する例示的な方法は、ファージディスプレイおよびツーハイブリッドシステムを含み得、米国特許第5,789,538号;同第5,925,523号;同第6,007,988号;同第6,013,453号;同第6,410,248号;同第6,140,466号;同第6,200,759号;および同第6,242,568号;ならびにWO 98/37186;WO 98/53057;WO 00/27878;WO 01/88197およびGB 2,338,237に開示されおり、その全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。さらに、ジンクフィンガー結合ドメインについての結合特異性の増強が、例えば、WO 02/077227に記載されている。
ジンクフィンガー結合ドメイン、ならびに融合タンパク質(および、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド)の設計および構築のための方法が当業者に公知であり、米国特許出願公開第20050064474号および同第20060188987号に詳細に記載されており、各々が、その全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。ジンクフィンガー認識領域および/またはマルチフィンガージンクフィンガータンパク質は、例えば、5個またはそれ以上の長さのアミノ酸のリンカーを含む、適切なリンカー配列を使用して一緒に連結されてもよい。6個またはそれ以上の長さのアミノ酸のリンカー配列の非限定的な例について、米国特許第6,479,626号;同第6,903,185号;および同第7,153,949号を参照のこと。それらの開示は、それらの全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。本明細書において記載するジンクフィンガー結合ドメインは、タンパク質の個々のジンクフィンガー間に適切なリンカーの組み合わせを含んでもよい。
一部の態様において、ジンクフィンガーヌクレアーゼはさらに、核局在化シグナルまたは配列(NLS)を含んでもよい。NLSは、染色体中の標的配列に二本鎖切断を導入するために、核中へのジンクフィンガーヌクレアーゼタンパク質の標的化を促進するアミノ酸配列である。核局在化シグナルは、当技術分野において公知である。例えば、Makkerh et al. (1996) Current Biology 6:1025-1027を参照のこと。
ジンクフィンガーヌクレアーゼはまた、切断ドメインを含む。ジンクフィンガーヌクレアーゼの切断ドメイン部分は、任意のエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼから得てもよい。切断ドメインが由来し得るエンドヌクレアーゼの非限定的な例は、制限エンドヌクレアーゼおよびホーミングエンドヌクレアーゼを含むが、これらに限定されない。例えば、2002-2003 Catalog, New England Biolabs, Beverly, Mass.;およびBelfort et al. (1997) Nucleic Acids Res. 25:3379-3388またはwww.neb.com.を参照のこと。DNAを切断する追加の酵素が公知である(例えば、S1ヌクレアーゼ;マングビーンヌクレアーゼ;膵臓DNアーゼI;ミクロコッカスヌクレアーゼ;酵母HOエンドヌクレアーゼ)。また、Linn et al. (eds.) Nucleases, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1993を参照のこと。これらの酵素(またはその機能的断片)の1つまたは複数を、切断ドメインの供給源として使用してもよい。
切断ドメインはまた、上に記載するとおり、切断活性のために二量体化を必要とする酵素またはその一部に由来し得る。2つのジンクフィンガーヌクレアーゼは、各々のヌクレアーゼが、活性酵素の二量体の単量体を含むため、切断のために必要とされ得る。あるいは、単一のジンクフィンガーヌクレアーゼは、活性酵素の二量体を作製するために、両方のモノマーを含んでもよい。本明細書において使用する場合、「活性酵素の二量体」は、核酸分子を切断することが可能な二量体酵素である。2つの切断単量体は、同じエンドヌクレアーゼ(またはその機能的断片)に由来してもよいか、または、各々のモノマーは、異なるエンドヌクレアーゼ(またはその機能的断片)に由来してもよい。
2つの切断モノマーは活性酵素の二量体を形成するために使用される場合、2つのジンクフィンガーヌクレアーゼの認識部位は、それぞれの認識部位への2つのジンクフィンガーヌクレアーゼの結合により、切断モノマーが二量体化などにより活性酵素の二量体を形成することが可能になる互い対して空間的な方向に切断モノマーが置かれるように、配置されることが好ましい。その結果、認識部位の近位縁は、約5〜約18個のヌクレオチドにより分離され得る。例えば、近位縁は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個のヌクレオチドにより分離され得る。しかし、任意の整数(例えば、約2〜約50個のヌクレオチド対またはそれ以上)のヌクレオチドまたはヌクレオチド対が、2つの認識部位間に介在してもよいことが理解されるであろう。例えば本明細書において詳細に記載されるものなどの、亜鉛フィンガーヌクレアーゼの認識部位の近位縁は、6個のヌクレオチドにより分離され得る。一般的には、切断の部位は認識部位間に位置する。
制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)は多くの種に存在し、DNAへの配列特異的結合(認識部位での)、および結合の部位でのまたは結合の部位の近くでのDNA切断が可能である。特定の制限酵素(例えばIIS型)が、認識部位から除去された部位でDNAを切断し、分離可能な結合ドメインおよび切断ドメインを有する。例えば、IIS型酵素Foklは、一方の鎖上のその認識部位から9ヌクレオチドにおいておよび他方の鎖上のその認識部位から13ヌクレオチドにおいて、DNAの二本鎖切断を触媒する。例えば、米国特許第5,356,802号;同第5,436,150号および同第5,487,994号;ならびにLi et al.(1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:4275-4279;Li et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:2764-2768;Kim et al.(1994a) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91 :883-887;Kim et al. (1994b) J. Biol. Chem. 269:31,978-31,982を参照のこと。このよう、ジンクフィンガーヌクレアーゼは、少なくとも1つのIIS型制限酵素由来の切断ドメインおよび1つまたは複数のジンクフィンガー結合ドメインを含んでもよく、それらは、遺伝子操作されてもまたはされなくてもよい。例示的なIIS型制限酵素が、例えば、国際公開WO 07/014,275に記載されており、その開示は、その全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。追加の制限酵素も、分離可能な結合ドメインおよび切断ドメインを含み、これらも、本開示により企図されている。例えば、Roberts et al.(2003) Nucleic Acids Res. 31:418-420を参照のこと。
別の態様において、標的酵素は、メガヌクレアーゼであり得る。メガヌクレアーゼは、大きな認識部位を特徴とするエンドデオキシリボヌクレアーゼあり、すなわち、認識部位は一般的に、約12塩基対〜約40塩基対の範囲である。この要件の結果として、認識部位は一般的に、任意の所与のゲノム中で1回だけ見出される。天然のメガヌクレアーゼは、15〜40塩基対の切断部位を認識し、通常では4つのファミリーに分類される:LAGLIDADGファミリー、GIY-YIGファミリー、His-Cystボックスファミリー、およびHNHファミリー。当業者に周知の技術を使用し、それらの認識配列を改変することにより、メガヌクレアーゼは、特定の染色体配列を標的にすることができる。
さらなる態様において、標的エンドヌクレアーゼは、転写活性化因子様エフェクター(TALE)ヌクレアーゼであり得る。TALEは、新たなDNA標的に結合するように容易に遺伝子操作することができる植物病原体キサントモナス(Xanthomonas)由来の転写因子である。TALEまたはその切断型は、TALEヌクレアーゼまたはTALENと呼ばれる標的エンドヌクレアーゼを作製するために、Foklなどのエンドヌクレアーゼの触媒ドメインに連結してもよい。
さらに別の態様において、標的エンドヌクレアーゼは、部位特異的なヌクレアーゼであり得る。特に、部位特異的なヌクレアーゼは、その認識配列がゲノム中で稀にしか見出されない「レアカッター」エンドヌクレアーゼであり得る。好ましくは、部位特異的なヌクレアーゼの認識配列は、ゲノム中で1回だけ見出される。
さらに別の態様において、標的エンドヌクレアーゼは、人工的な標的DNA二本鎖切断誘導剤(また、人工的な制限DNAカッターと呼ばれる)であり得る。例えば、人工的な標的DNA二本鎖切断誘導剤は、DNAおよび標的切断部位に相補的である少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを切断する金属/キレート剤複合体を含んでもよい。したがって、人工的な標的DNA二本鎖切断誘導剤は、いずれのタンパク質も含まない。金属/キレート剤複合体の金属は、セリウム、カドミウム、コバルト、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、および亜鉛などであり得る。金属/キレート剤複合体のキレート剤は、EDTA、EGTA、BAPTAなどであり得る。好ましい態様においては、金属/キレート剤複合体は、Ce(IV)/EGTAであり得る。別の好ましい態様において、人工的な標的DNA二本鎖切断誘導剤は、Ce(IV)/EGTAの複合体および偽相補的(psudo-complementary)ペプチド核酸(PNA)の2つの鎖を含み得る(Katada et al., Current Gene Therapy, 201 1 , 1 1 (1): 38-45)。
さらなる態様において、ヌクレアーゼは、ホーミングヌクレアーゼであり得る。ホーミングエンドヌクレアーゼは、1-5'cel、l-Ceul、l-Pspl、Vl-Sce、l-SceTV、I-Csml、l-Panl、l-Scell、l-Ppol、l-Scelll、l-Crel、l-Tevl、1-Tev、およびI-7evIIIを含む。それらの認識配列は公知である。また、米国特許第5,420,032号;米国特許第6,833,252号;Belfort e a/. (1997) Nucleic Acids Res. 25:3379-3388;Ou on et al. (1989) Gene 82: 115-118;Perler et al. (1994) Nucleic Acids Res. 22, 1 125- 1 127;Jasin (1996) Trends Genet. 12:224-228;Gimble et al. (1996) J. Mol. Biol. 263: 163- 180;Argast et al. (1998) J Mol. Biol. 280:345-353、およびNew England Biolabsカタログを参照のこと。
特定の態様において、ヌクレアーゼは、遺伝子操作された(非天然)ホーミングエンドヌクレアーゼ(メガヌクレアーゼ)を含む。l-Scel、l-Ceul、VI-Pspl、Vl-Sce、l-ScelN、l-Csml、l-Panl、l-Scell、l-Ppol、l-Scelll、l-Crel、l-Tevl、l-Tevll、およびI-7evIIIなどのホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼの認識配列が公知である。また、米国特許第5,420,032号;米国特許第6,833,252号;Belfort et al.(1997) Nucleic Acids Res. 25:3379-3388;Dujon ef a/. (1989) Gene 82: 115-118;Perler et al. (1994) Nucleic Acids Res. 22, 1125-1127;Jasin (1996) Trends Genet. 12:224-228;Gimble et al. (1996) J. Mol. Biol. 263:163-180;Argast et al. (1998) J. Mol. Biol. 280:345-353およびNew England Biolabsカタログを参照のこと。また、ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼのDNA結合特異性は、非天然標的部位に結合するように遺伝子操作することができる。例えば、Chevalier et al.(2002) Molec. Cell 10:895-905;Epinat et al.(2003) Nucleic Acids Res. 31:2952-2962;Ashworth et al.(2006) Nature 441:656-659;Paques et al. (2007) Current Gene Therapy 7:49-66;米国特許公開第20070117128号を参照のこと。ホーミングエンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼのDNA結合ドメインは、ヌクレアーゼの関連において、全体として変化させてもよく(すなわち、ヌクレアーゼが、同族切断ドメインを含むようにする)、または異種切断ドメインに融合してもよい。
一態様において、DNA消化剤は、オメガ、ジンクフィンガー、TALE、およびCRISPR/Cas9からなる群の部位特異的なヌクレアーゼであるか、またはそれらからなる群より選択される。
D.マーカー
本発明の特定の態様において、ゲノムDNA配列改変を含む細胞、または本発明の組成物をトランスフェクトされた細胞は、組成物中にマーカーを含めることにより、インビトロまたはインビボで同定され得る。そのようなマーカーは、細胞に同定可能な変化を付与し、組成物をトランスフェクトされた細胞の簡単な同定を可能にする。一般的に、選択可能マーカーは、選択を可能にする特性を付与するものである。陽性選択可能マーカーは、その中でのマーカーの存在によって、その選択が可能になるものであり、一方で、陰性選択可能マーカーは、その中でのその存在によって、その選択が妨げられるものである。陽性選択可能マーカーの例は、薬物耐性マーカーまたは抗生物質耐性遺伝子/マーカーである。
通常、薬物選択可能マーカーの包含は、形質転換体のクローニングおよび識別を助け、例えば、ネオマイシン、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、DHFR、GPT、ゼオシン、G418、フレオマイシン、ブラストサイジン、およびヒスチジノールに対する耐性を付与する遺伝子は、有用な選択可能マーカーである。条件の実施に基づいて形質転換体の同定を可能にする表現型を付与するマーカーに加えて、その基礎が比率色分析である、GPFなどのスクリーニング可能なマーカーを含むマーカーの他の型も企図されている。あるいは、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(tk)またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などのスクリーニング可能な酵素を用いてもよい。当業者にはまた、恐らくはFACS分析と併せて、免疫学的マーカーを使用する方法を公知であるであろう。選択可能マーカーおよびスクリーニング可能なマーカーのさらなる例が、当業者に周知である。特定の態様において、マーカーは、蛍光マーカー、酵素マーカー、発光マーカー、光活性化マーカー、光変換(photoconvertible)マーカー、または比率色マーカーである。蛍光マーカーは、例えば、YFP、RFPなどのようなGFPおよびその変異体ならびにDsRed、mPlum、mCherry、YPet、エメラルド、CyPet、T-サファイア、およびビーナスなどの他の蛍光タンパク質を含む。光活性化マーカーは、例えば、KFP、PA-mRFP、およびドロンパを含む。光変換マーカーは、例えば、mEosFP、KikGR、およびPS-CFP2を含む。発光タンパク質は、例えば、ネプチューン、FP595、およびフィラリジン(phialidin)を含む。スクリーニングマーカーの非限定的な例は含む。
本発明において使用されるマーカーは、RNA上またはDNA上にコードされ得る。特定の態様において、マーカーは、RNA上にコードされている。
特定の局面において、エレクトロポレーション後、エレクトロポレーションされた組成物を内在化した細胞は、陰性選択により選択される。他の局面において、エレクトロポレーション後、エレクトロポレーションされた構築物を内在化した細胞は、陽性選択により選択される。一部の局面において、選択は、耐性遺伝子を発現しなかったかまたはエレクトロポレーションの最中に選択耐性遺伝子を取り込まなかった細胞の生存性を危うくする選択物質の濃度に細胞を曝露することを含む。一部の局面において、選択は、選択物質の条件付き致死濃度に細胞を曝露することを含む。特定の局面において、選択物質または化合物は、抗生物質である。他の局面において、選択物質は、G418(ジェネティシンおよびG418サルフェートとしても公知である)、ピューロマイシン、ゼオシン、ハイグロマイシン、フレオマイシン、またはブラストサイジン(単独または併用のいずれか)である。特定の局面において、選択物質の濃度は、0.1μg/L〜0.5μg/L、0.5μg/L〜1μg/L、1μg/L〜2μg/L、2μg/L〜5μg/L、5μg/L〜10μg/L、10μg/L〜100μg/L、100μg/L〜500μg/L、0.1mg/L〜0.5mg/L、0.5mg/L〜1mg/L、1mg/L〜2mg/L、2mg/L〜5mg/L、5mg/L〜10mg/L、10mg/L〜100mg/L、100mg/L〜500mg/L、0.1g/L〜0.5g/L、0.5g/L〜1g/L、1g/L〜2g/L、2g/L〜5g/L、5g/L〜10g/L、10g/L〜100g/L、もしくは100g/L〜500g/Lの範囲またはこの中から派生する任意の範囲中である。特定の局面において、選択物質の濃度は(y)g/Lであり、「y」は、非限定的に、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこの中から派生する任意の範囲を含む任意の値であることができる。一部の態様において、選択物質は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、もしくは10g/Lまたはこの中から派生する任意の範囲の条件付き致死濃度で培地中に存在する。
特定の態様において、核酸セグメントの全長がかなり変動し得るように、核酸セグメントを、コード配列自体の長さとは無関係に、他の核酸配列、例えば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、追加の制限酵素部位、多重クローニング部位、他のコードセグメントなどと組み合わせてもよい。
E.ベクター
ポリペプチドは、組成物中の核酸分子によりコードされ得る。特定の態様において、核酸分子は、核酸ベクターの形態であることができる。「ベクター」という用語を使用して、異種核酸配列を、それが複製され、発現されることができる細胞中への導入のために挿入することができる担体核酸分子を指す。核酸配列は、「異種」であることができ、それは、ベクターが導入される細胞または組み込まれた核酸に対して外来である状況にあることを意味し、それは、細胞または核酸中の配列に相同であるが、それが通常は見出されない宿主細胞または核酸内の位置にある、配列を含む。ベクターは、DNA、RNA、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ、動物ウイルス、および植物ウイルス)、および人工染色体(例えばYAC)を含む。当業者は、十分に、標準的な組換え技術を介してベクターを構築するために十分に備えていると考えられる(例えば、Sambrook et al., 2001; Ausubel et al., 1996、両方とも参照により本明細書に組み入れられる)。ベクターは、抗体を産生するために宿主細胞中で使用され得る。
「発現ベクター」という用語は、転写されること、または、宿主細胞のゲノム中に安定して組込まれ、その後、転写されることが可能である遺伝子産物の少なくとも一部分をコードする核酸配列を含むベクターを指す。一部の場合において、RNA分子は、次に、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドに翻訳される。発現ベクターは、種々の「制御配列」を含むことができ、特定の宿主生物において動作可能に連結されたコード配列の転写および、恐らくは、翻訳に必要な核酸配列を指す。転写および翻訳を支配する制御配列に加えて、ベクターおよび発現ベクターは、他の機能をも果たし、ならびに本明細書において記載する核酸配列を含み得る。マーカーを発現する発現ベクターが本発明において有用であり得ることが企図されている。他の態様において、マーカーはmRNA上にコードされておりかつ発現ベクター中にはコードされていない。
「プロモーター」は制御配列である。プロモーターは、典型的には、転写の開始および速度が制御される核酸配列の領域である。それは、調節タンパク質および分子が、例えばRNAポリメラーゼおよび他の転写因子として結合し得る遺伝的エレメントを含み得る。「動作可能に位置づけられる」、「動作可能に連結される」、「制御下」、および「転写制御下」という用語は、核酸配列の転写開始および発現を制御するためにその核酸配列に対して、正しい機能的位置および/または向きにあることを意味する。プロモーターは、「エンハンサー」と共に使用され得るかまたは使用され得ないが、それは、核酸配列の転写活性化に含まれるシス作用性調節配列を指す。
ペプチドまたはタンパク質をコードするポリヌクレオチドの発現を制御するために使用される特定のプロモーターは、それが、標的細胞、好ましくは細菌細胞においてポリヌクレオチドを発現することが可能である限り、重要でないと考えられる。ヒト細胞が標的化される場合、ヒト細胞において発現可能なプロモーターに隣接し、その制御下にポリヌクレオチドのコード領域を位置づけることが好ましい。一般的に言うと、そのようなプロモーターは、細菌、ヒト、またはウイルスのプロモーターのいずれかを含み得る。
特定の開始シグナルもまた、コード配列の効率的な翻訳のために必要とされ得る。これらのシグナルは、ATG開始コドンまたは隣接配列を含む。ATG開始コドンを含む外因性の翻訳制御シグナルが提供される必要があり得る。当業者は容易にこれを決定し、必要なシグナルを提供することができると考えられる。
ベクターは、ベクターを消化するための標準的な組換え技術と組み合わせていずれも使用することができる複数の制限酵素部位を含む核酸領域である多重クローニング部位(MCS)を含むことができる(参照により本明細書に組み入れられる、Carbonelli et al., 1999、Levenson et al., 1998, and Cocea, 1997を参照のこと。)。
大半の転写された真核生物RNA分子が、RNAスプライシングを受けて、一次転写物からイントロンを除去する。真核生物ゲノム配列を含むベクターは、タンパク質発現のための転写物の適切なプロセシングを確実にするために、ドナーおよび/またはアクセプタースプライシング部位を必要とし得る(参照により本明細書に組み入れられる、Chandler et al., 1997を参照のこと。)。
ベクターまたは構築物は、一般的に、少なくとも1つの終結シグナルを含む。「終結シグナル」または「ターミネーター」は、RNAポリメラーゼによるRNA転写物の特異的終結に含まれるDNA配列で構成されている。このように、特定の態様において、RNA転写物の産生を終わらせる終結シグナルが検討される。ターミネーターは、望ましいメッセージレベルを達成するために、インビボで必要であり得る。真核生物系において、ターミネーター領域はまた、ポリアデニル化部位を曝露するように、新たな転写物の部位特異的な切断を可能にする特定のDNA配列を含み得る。これは、転写物の3'末端にひと続きの約200のA残基(ポリA)を加えるために、特殊化された内因性ポリメラーゼにシグナル伝達する。このポリAテールで修飾されたRNA分子は、より安定であると考えられ、より効率的に翻訳される。このように、真核細胞を含む他の態様において、そのターミネーターは、RNAの切断のためのシグナルを含むことが好ましく、ターミネータシグナルが、メッセージのポリアデニル化を促すことがより好ましい。
発現、特に真核生物発現において、典型的には、転写物の適切なポリアデニル化をもたらすためのポリアデニル化シグナルを含む。
宿主細胞中でベクターを増殖させるために、ベクターには、複製を開始する特定の核酸配列である、複製部位の1つまたは複数の起点(しばしば「ori」と呼ばれる)が含まれ得る。あるいは、宿主細胞が酵母である場合、自己複製配列(ARS)を用いることができる。
一部のベクターは、それが原核細胞および真核細胞の両方において複製および/または発現されることを可能にする制御配列を用いてもよい。当業者は、上記の宿主細胞の全てをインキュベートし、それらを維持し、ベクターの複製を可能にするための条件をさらに理解すると考えられる。また、ベクターの大規模産生、ならびにベクターおよびその同族ポリペプチド、タンパク質、またはペプチドによりコードされた核酸の産生を可能にする技術および条件が理解されておりかつ公知である。
特定の態様において、エレクトロポレーションにより細胞中にトランスフェクトされた組成物は、非ウイルス性である(すなわち、いずれのウイルス成分も含まない)。非ウイルス方法は、毒性を低下させること、および/または方法の安全性を向上させることが企図されている。RNAとして提供する小さなDNAオリゴおよびDNA消化剤の使用の組み合わせは、ゲノムDNA配列改変の減少した細胞毒性および増加した効率という利点を提供することが企図されている。
F.核酸の修飾
本開示の文脈において、「非修飾オリゴヌクレオチド」という用語は、一般的にリボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)のオリゴマーまたはポリマーを指す。一部の態様において、核酸分子は、未修飾オリゴヌクレオチドである。この用語は、天然の核酸塩基、糖、および共有結合ヌクレオシド間連結で構成される、オリゴヌクレオチドを含む。「オリゴヌクレオチドアナログ」という用語は、オリゴヌクレオチドと類似の様式で機能する1つまたは複数の非天然部分を有するオリゴヌクレオチドを指す。そのような非天然のオリゴヌクレオチドは、望ましい特性、例えば、増強された細胞取り込み、他のオリゴヌクレオチドまたは核酸標的についての増強された親和性、およびヌクレアーゼの存在における増加した安定性のために、天然の形態を上回って選択されることが多い。「オリゴヌクレオチド」という用語を、未修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド類似体を指すように使用することができる。
核酸分子の具体例は、修飾、すなわち非天然ヌクレオシド間連結を含む、核酸分子を含む。そのような非天然ヌクレオシド間連結は、望ましい特性、例えば、増強された細胞取り込み、他のオリゴヌクレオチドまたは核酸標的についての増強された親和性、およびヌクレアーゼの存在における増加した安定性のために、天然の形態を上回って選択されることが多い。特定の態様において、修飾はメチル基を含む。
核酸分子は、1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間連結を有することができる。本明細書において定義するとおり、修飾ヌクレオシド間連結を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子、および、リン原子を有さないヌクレオシド間連結を保持するヌクレオシド間連結を含む。本明細書の目的のために、および、当技術分野において時折参照されるとおり、そのヌクレオシド間骨格中にリン原子を有さない修飾オリゴヌクレオチドも、オリゴヌクレオシドであると考えることができる。
核酸分子への修飾は、1つまたは両方の末端ヌクレオチドが修飾された修飾を含むことができる。
1つの適切なリン含有修飾ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結である。多数の他の修飾オリゴヌクレオチド骨格(ヌクレオシド間連結)が、当技術分野において公知であり、本態様の文脈において有用であり得る。
リン含有ヌクレオシド間連結の調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許同第3,687,808号;同第4,469,863号;同第4,476,301号;同第5,023,243号;同第5,177,196号;同第5,188,897号;同第5,264,423号;同第5,276,019号;同第5,278,302号;同第5,286,717号;同第5,321,131号;同第5,399,676号;同第5,405,939号;同第5,453,496号;同第5,455,233号;同第5,466,677号;同第5,476,925号;同第5,519,126号;同第5,536,821号;同第5,541,306号;同第5,550,111号;同第5,563,253号;同第5,571,799号;同第5,587,361号;同第5,194,599号;同第5,565,555号;同第5,527,899号;同第5,721,218号;同第5,672,697号;同第5,625,050号;同第5,489,677号、および同第5,602,240号を含むが、これらに限定されない。それらの各々が、参照により本明細書中に組み入れられる。
リン原子を中に含まない修飾オリゴヌクレオシド骨格(ヌクレオシド間連結)は、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間連結、混合ヘテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間連結、あるいは、1つまたは複数の短鎖ヘテロ原子または複素環ヌクレオシド間連結により形成されたヌクレオシド間連結を有する。これらは、アミド骨格を有するもの;ならびに、混合N、O、S、およびCH2成分部分を有するものを含む他のものを含む。
上記のリン非含有オリゴヌクレオチドの調製を教示する、代表的な米国特許は、米国特許第5,034,506号;同第5,166,315号;同第5,185,444号;同第5,214,134号;同第5,216,141号;同第5,235,033号;同第5,264,562号;同第5,264,564号;同第5,405,938号;同第5,434,257号;同第5,466,677号;同第5,470,967号;同第5,489,677号;同第5,541,307号;同第5,561,225号;同第5,596,086号;同第5,602,240号;同第5,610,289号;同第5,602,240号;同第5,608,046号;同第5,610,289号;同第5,618,704号;同第5,623,070号;同第5,663,312号;同第5,633,360号;同第5,677,437号;同第5,792,608号;同第5,646,269号、および同第5,677,439号を含むが、これらに限定されない。それらの各々が、参照により本明細書中に組み入れられる。
オリゴマー化合物はまた、オリゴヌクレオチド模倣体を含むことができる。「模倣体」という用語は、それがオリゴヌクレオチドに適用される場合、フラノース環だけまたはフラノース環およびヌクレオチド間連結の両方が新規の基で置換されているオリゴマー化合物を含むことが意図され、例えばモルホリノ環だけでのフラノース環の置換はまた、当技術分野において糖サロゲートであるとも言われる。複素環塩基部分または修飾複素環塩基部分は、適切な標的核酸とのハイブリダイゼーションのために維持される。
オリゴヌクレオチド模倣体は、オリゴマー化合物、例えばペプチド核酸(PNA)およびシクロヘキセニル核酸を含むことができる(CeNAとしても公知。Wang et al., J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 8595-8602を参照のこと)。オリゴヌクレオチド模倣体の調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第5,539,082号;同第5,714,331号;および同第5,719,262号を含むが、これらに限定されない。それらの各々は、参照により本明細書中に組み入れられる。オリゴヌクレオチド模倣体の別のクラスは、ホスホノモノエステル核酸としても呼ばれ、骨格中にリン基を組み入れる。オリゴヌクレオチド模倣体のこのクラスは、核酸の検出のためのプローブとして、および、分子生物学において使用するための補助剤として、遺伝子発現を阻害する領域(アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、センスオリゴヌクレオチド、および三重鎖形成オリゴヌクレオチド)において有用な物理的および生物学的および薬理学的な特性を有することが報告されている。フラノシル環がシクロブチル部分により置換されている別のオリゴヌクレオチド模倣体が報告されている。
核酸分子はまた、1つまたは複数の修飾または置換された糖部分を含むことができる。塩基部分は、適切な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持される。糖修飾は、オリゴマー化合物に、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性、または一部の他の有益な生物学的特性を付与することができる。
代表的な修飾糖は、炭素環式糖または非環式糖、それらの2'、3'、または4'位の1つまたは複数に置換基を有する糖、糖の1つまたは複数の水素原子の代わりに置換基を有する糖、および糖中に任意の2つの他の原子間の連結を有する糖を含む。多数の糖修飾が、当技術分野において公知であり、2'位で修飾された糖および糖の任意の2つの原子間の架橋を有する(糖が二環式であるような)糖が、本態様において特に有用である。この態様において有用な糖修飾の例は、以下より選択される糖置換基を含む化合物を含むが、これらに限定されない:OH;F;O-、S-、またはN-アルキル;または、アルキル、アルケニル、およびアルキニルが置換もしくは非置換のC1〜C10アルキルもしくはC2〜C10アルケニルおよびアルキニルであり得る、O-アルキル-O-アルキル。特に適切なのは、以下である:2-メトキシエトキシ(2'-O-メトキシエチル、2'-MOE、もしくは2'-OCH2CH2OCH3としても公知である)、2'-O-メチル(2'-O--CH3)、2'-フルオロ(2'-F)、または、4'炭素原子を2'炭素原子に連結する架橋基を有し例示的な架橋基が--CH2--O--、--(CH2)2--O--、もしくは--CH2--N(R3)--Oを含みR3がHもしくはC1-C12アルキルである二環式糖修飾ヌクレオシド。
増加したヌクレアーゼ耐性および非常に高い結合親和性をヌクレオチドに付与する1つの修飾は、2'-MOE側鎖である(Baker et al., J. Biol. Chem., 1997, 272, 11944-12000)。2'-MOE置換の現下の利点の1つは、結合親和性における向上であり、その結合親和性は、O-メチル、O-プロピル、およびO-アミノプロピルなどの多くの同様の2'修飾よりも大きい。2'-MOE置換を有するオリゴヌクレオチドはまた、インビボでの使用のための有望な特色を有する、遺伝子発現のアンチセンス阻害物質であることが示されている(Martin, P., Helv. Chim. Acta, 1995, 78, 486-504;Altmann et al., Chimia, 1996, 50, 168-176;Altmann et al., Biochem. Soc. Trans., 1996, 24, 630-637;およびAltmann et al., Nucleosides Nucleotides, 1997, 16, 917-926)。
2'-糖置換基は、アラビノ(上)位またはリボ(下)位であり得る。1つの2'-アラビノ修飾は2'-Fである。オリゴマー化合物上の他の位置、特に3'末端ヌクレオシド上のまたは2'-5'連結オリゴヌクレオチド中の糖の3'位置、および5'末端ヌクレオチドの5'位置でも同様に修飾することができる。オリゴマー化合物はまた、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチル部分などの糖模倣体を有してもよい。そのような修飾糖構造の調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第4,981,957号;同第5,118,800号;同第5,319,080号;同第5,359,044号;同第5,393,878号;同第5,446,137号;同第5,466,786号;同第5,514,785号;同第5,519,134号;同第5,567,811号;同第5,576,427号;同第5,591,722号;同第5,597,909号;同第5,610,300号;同第5,627,053号;同第5,639,873号;同第5,646,265号;同第5,658,873号;同第5,670,633号;同第5,792,747号;および同第5,700,920号を含むが、これらに限定されない。それらの各々が、その全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。
代表的な糖置換基は、「キャップされた2'-オキシエトキシオリゴヌクレオチド(Capped 2'-Oxyethoxy Oligonucleotides)」と題する米国特許第6,172,209号に開示されており、その全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。
代表的な環状糖置換基は、「立体構造的に再編成されている、RNAを標的にするオリゴマー化合物(RNA Targeted 2'-Oligomeric compounds that are Conformationally Preorganized)」と題する米国特許第6,271,358号に開示されており、その全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。
代表的なグアニジノ置換基は、「機能付加されたオリゴマー(Functionalized Oligomers)」と題する米国特許第6,593,466号に開示されており、その全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。
代表的なアセトアミド置換基は、米国特許第6,147,200号に開示されており、その全体において、参照により本明細書中に組み入れられる。
核酸分子はまた、天然または合成の非修飾核酸塩基と構造的に区別可能であり、さらに機能的に交換可能である、1つまたは複数の核酸塩基(しばしば、当技術分野において単純に「塩基」と言われる)修飾または置換を含むことができる。そのような核酸塩基修飾は、ヌクレアーゼ安定性、結合親和性、または一部の他の有益な生物学的特性をオリゴマー化合物に付与することができる。本明細書において使用する場合、「非修飾」または「天然」核酸塩基は、プリン塩基のアデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)、およびウラシル(U)を含む。本明細書において複素環塩基部分とも言われる修飾核酸塩基は、他の合成および天然核酸塩基、それらの多くの例、例えば、とりわけ、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、7-デアザグアニン、および7-デアザアデニンを含む。
複素環塩基部分は、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、および2-ピリドンで置換されたものを含むことができる。一部の核酸塩基は、米国特許第3,687,808号において開示されるもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering, pages 858-859, Kroschwitz, J. I., ed. John Wiley & Sons, 1990において開示されるもの、Englisch et al., Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613において開示されるもの、およびSanghvi, Y. S., Chapter 15, Antisense Research and Applications, pages 289-302, Crooke, S. T. and Lebleu, B., ed., CRC Press, 1993において開示されるものを含む。これらの核酸塩基のいくつかは、オリゴマー化合物の結合親和性を増大させるために特に有用である。これらは、2アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、ならびに5-プロピニルシトシンを含む、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、ならびにN-2、N-6およびO-6置換プリンを含む。
核酸分子の追加の修飾は、米国特許出願公開第2009/0221685号に開示されており、それは、参照により本明細書中に組み入れられる。また、本明細書に開示するのは、核酸分子への追加の適切なコンジュゲートである。
II.細胞培養
A.宿主細胞
本明細書において使用するとおり、「細胞」、「細胞株」、および「細胞培養物」という用語は、互換的に使用してもよい。これらの用語の全てが、新たに単離した細胞、およびエクスビボで培養、活性化、または増殖された細胞の両方を含む。これらの用語の全てが、それらの子孫も含み、それらは、任意のおよび全てのその後の世代である。全ての子孫が、計画的なまたは偶発性の変異のため、同一でなくてもよいことが理解される。異種核酸配列を発現するという文脈において、「宿主細胞」は、原核細胞または真核細胞を指し、それは、ベクターを複製することまたはベクターによりコードされた異種遺伝子を発現することが可能である任意の形質転換生物を含む。宿主細胞は、ベクターまたはウイルスのためのレシピエントとして使用することができかつ使用されてきた。宿主細胞は、「トランスフェクト」または「形質転換」されてもよく、「トランスフェクト」または「形質転換」は、組換えタンパク質をコードする配列などの外因性核酸が、1つのプロセスによって宿主細胞中に移入または導入される、該プロセスを指す。形質転換細胞は、初代対象細胞およびその子孫を含む。
特定の態様において、エレクトロポレーションは、任意の原核細胞または真核細胞で行うことができる。一部の局面において、エレクトロポレーションは、ヒト細胞のエレクトロポレーションを含む。他の局面において、エレクトロポレーションは、動物細胞のエレクトロポレーションを含む。特定の局面において、エレクトロポレーションは、細胞株またはハイブリッド細胞型のエレクトロポレーションを含む。一部の局面において、エレクトロポレーションされた1つの細胞または複数の細胞は、癌細胞、腫瘍細胞、または不死化細胞である。一部の例において、腫瘍細胞、癌細胞、不死化細胞、または細胞株が誘導され、他の例において、腫瘍細胞、癌細胞、不死化細胞、または細胞株は、それらのそれぞれの状態または条件に自然に入る。特定の局面において、エレクトロポレーションされた細胞または細胞株は、A549、B細胞、B16、BHK-21、C2C12、C6、CaCo-2、CAP/、CAP-T、CHO、CHO2、CHO-DG44、CHO-K1、COS-1、Cos-7、CV-1、樹状細胞、DLD-1、胚性幹(ES)細胞またはその派生体、H1299、HEK、293、293T、293FT、HepG2、造血幹細胞、HOS、Huh-7、人工多能性幹(iPS)細胞またはその派生体、Jurkat、K562、L5278Y、LNCaP、MCF7、MDA-MB-231、MDCK、間葉細胞、Min-6、単球細胞、Neuro2a、NIH3T3、NIH3T3L1、K562、NK細胞、NS0、Panc-1、PC12、PC-3、末梢血細胞、形質細胞、初代線維芽細胞、RBL、Renca、RLE、SF21、SF9、SH-SY5Y、SK-MES-1、SK-N-SH、SL3、SW403、多能性(STAP)細胞もしくは派生体SW403の刺激誘発性取得、T細胞、THP-1、腫瘍細胞、U2OS、U937、末梢血リンパ球、増殖したT細胞、造血幹細胞、またはVero細胞であることができる。一部の態様において、細胞は、末梢血リンパ球、増殖したT細胞、幹細胞、造血幹細胞、または初代細胞である。一部の態様において、細胞は、造血幹細胞である。一部の態様において、細胞は、末梢血リンパ球である。
一部の局面において、細胞は、患者から単離された細胞である。一部の態様において、細胞は直前に単離される。一部の態様において、細胞は、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1日未満かもしくはちょうど20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1日の期間、または、24、22、20、18、16、14、12、10、8、6、4、2、1時間未満かもしくはちょうど24、22、20、18、16、14、12、10、8、6、4、2、1時間の期間、あるいはこれらの中から派生する任意の範囲の期間においてトランスフェクトされる。一部の態様において、単離された細胞は、けっして凍結されていない。一部の態様において、単離された細胞は、インビトロではけっして継代されていない。一部の態様において、単離された細胞は、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1回未満かもしくはちょうど10、9、8、7、6、5、4、3、2、1回にわたり、またはこの中から派生する範囲にわたり継代されている。「継代」という用語は、既存のものから多数の細胞を生成するために、細胞を分割するプロセスを指すことを意図する。継代は、細胞を分割し、少数を各々の新しい容器中に移すことを含む。接着培養のために、細胞を最初に剥離し一般にはトリプシンEDTAの混合物を用いて行う必要がある。少数の剥離細胞は、次に、新たな培養を播種するために使用することができるが、残りは廃棄される。また、培養細胞の量を、全ての細胞を新鮮なフラスコに分配することにより、簡単に拡大することができる。
特定の態様において、細胞は、トランスフェクトすることが困難であることが当技術分野において公知のものである。そのような細胞は、当技術分野において公知であり、例えば、初代細胞、昆虫細胞、SF9細胞、Jurkat細胞、CHO細胞、幹細胞、ゆっくり分裂する細胞、および非分裂細胞を含む。一部の態様において、細胞は卵細胞または精子細胞などの生殖細胞である。一部の態様において、細胞は受精胚である。一部の態様において、細胞はヒト受精胚である。
一部の態様において、細胞は、細胞のクローン集団の増殖を可能にするために、限界希釈法に供されてもよい。限界希釈クローニングの方法は、当業者に周知である。そのような方法は、例えばハイブリドーマのために記載されているが、任意の細胞に適用することができる。そのような方法は、(Cloning hybridoma cells by limiting dilution, Journal of tissue culture methods, 1985, Volume 9, Issue 3, pp 175-177, by Joan C. Rener, Bruce L. Brown, and Roland M. Nardone)に記載されており、それは、参照により本明細書中に組み入れられる。
一部の態様において、細胞は、エレクトロポレーション前またはエレクトロポレーション後に培養される。他の態様において、細胞は、エレクトロポレーション後の選択段階の最中に培養される。さらに他の態様において、細胞は、維持およびクローン選択ならびに初期増殖段階の最中に培養される。さらに他の態様において、細胞は、スクリーニング段階の最中に培養される。他の態様において、細胞は、大規模産生段階の最中に培養される。浮遊細胞および付着細胞を培養する方法は、当業者に周知である。一部の態様において、細胞は、商業的に入手可能な細胞培養容器および細胞培養培地を使用して浮遊培養される。一部の態様において使用し得る商業的に入手可能な培養容器の例は、ADME/TOXプレート、セルチャンバースライドおよびカバースリップ、細胞計数機器、細胞培養表面、Corning HYPERFlask細胞培養容器、コーティング済み培養容器、Nalgene Cryoware、培養チャンバー、培養ディッシュ、ガラス培養フラスコ、プラスチック培養フラスコ、3D培養フォーマット、培養マルチウェルプレート、培養プレートインサート、ガラス培養チューブ、プラスチック培養チューブ、スタッカブル細胞培養容器、低酸素培養チャンバー、ペトリディッシュおよびフラスコキャリア、Quickfit培養容器、ローラーボトルを用いるスケールアップ細胞培養、スピナーフラスコ、3D細胞培養、または細胞培養バッグを含む。
他の態様において、培地は、当業者に周知の成分を使用して製剤化され得る。細胞を培養する製剤および方法が、以下の文献において詳細に記載されている:Short Protocols in Cell Biology J. Bonifacino, et al., ed., John Wiley & Sons, 2003, 826 pp;Live Cell Imaging: A Laboratory Manual D. Spector & R. Goldman, ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2004, 450 pp.;Stem Cells Handbook S. Sell, ed., Humana Press, 2003, 528 pp.;Animal Cell Culture: Essential Methods, John M. Davis, John Wiley & Sons, Mar 16, 2011;Basic Cell Culture Protocols, Cheryl D. Helgason, Cindy Miller, Humana Press, 2005;Human Cell Culture Protocols, Series: Methods in Molecular Biology, Vol. 806, Mitry, Ragai R.;Hughes, Robin D. (Eds.), 3rd ed. 2012, XIV, 435 p. 89, Humana Press;Cancer Cell Culture: Method and Protocols, Cheryl D. Helgason, Cindy Miller, Humana Press, 2005;Human Cell Culture Protocols, Series: Methods in Molecular Biology, Vol. 806, Mitry, Ragai R.;Hughes, Robin D. (Eds.), 3rd ed. 2012, XIV, 435 p. 89, Humana Press;Cancer Cell Culture: Method and Protocols, Simon P. Langdon, Springer, 2004;Molecular Cell Biology. 4th edition., Lodish H, Berk A, Zipursky SL, et al., New York: W. H. Freeman;2000., Section 6.2Growth of Animal Cells in Culture。これらの全てが、参照により本明細書中に組み入れられる。
一部の態様において、スクリーニング段階および増殖段階の最中におよび/または大規模段階(流加培養(fed-bathch)および比較とも言われる)の最中に、選択またはスクリーニングから生じる、増殖したエレクトロポレーションされた細胞は、改変ゲノムDNA配列を含み得る。
III.治療的適用および創薬適用
特定の態様において、本明細書において記載する方法により産生される細胞および細胞株は、ひとたびゲノムDNAを改変されると治療的効果を提供するものである。初代細胞は、本明細書において記載する方法により単離、改変され得、処置される対象中への再導入のためにエクスビボで使用され得る。適切な初代細胞は、非限定的なCD4+T細胞またはCD8+T細胞などの、末梢血単核細胞(PBMC)、末梢血リンパ球(PBL)、および他の血液細胞のサブセットを含む。他の適切な初代細胞は、骨髄またはリンパ系前駆細胞などの前駆細胞を含む。適切な細胞はまた、例として胚性幹細胞、誘導多能性幹細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、間葉系幹細胞、筋肉幹細胞、および皮膚幹細胞などの幹細胞を含む。例えば、iPSCは、関連付けられる公知の遺伝子変異に苦しむ患者からエクスビボで誘導することができ、この変異は、本明細書において記載する方法を使用して、野生型対立遺伝子に改変することができる。改変iPSCは次に、ドーパミン作動性ニューロンに分化させて、患者に再移植されることができる。別のエクスビボ治療的適用において、造血幹細胞は、公知の遺伝子変異に苦しむ患者から単離することができ、それを、次に、遺伝子変異を改変するために変更することができる。HSCは次に、治療的効果のために患者に戻して投与されることができるか、または患者への投与前に、より成熟した造血細胞に培養物中で分化させることができる。
一部の態様において、改変ゲノムDNA配列は、疾患関連遺伝子を含む。疾患関連遺伝子は、当技術分野において公知である。疾患関連遺伝子が、genecards.org/cgi-bin/listdiseasecards.pl?type=full&no_limit=1で、ワールドワイドウェブ上に開示されたものであることが企図されている。遺伝子の完全なリスト、ならびにそれらの関連疾患は、その全体が、参照により本明細書中に組み入れられる。
一部の態様において、本方法は、造血幹細胞(血球始原細胞としても知られている)または骨髄前駆細胞中のゲノムDNAを改変する工程を含む。
一部の態様において、本方法は、造血幹細胞(血球始原細胞としても知られている)または骨髄前駆細胞中でHBB遺伝子のゲノムDNA配列を改変する工程を含む。特定の態様において、配列を改変し、ゲノム配列における疾患関連変異を修正する。例えば、鎌状赤血球貧血を有する対象のゲノム配列を改変し、E6V変異を修正してもよい。したがって、本明細書において記載する方法は、グルタミン酸の代わりに、6位にバリンを有するβグロビンタンパク質を産生するゲノムの変異を持つ対象由来の細胞のゲノム配列を修正するために使用してもよい。したがって、一態様において、配列改変は、HBB遺伝子の6番目のコドンをグルタミン酸コドンに改変する、ゲノムDNAの修正である。
HBB遺伝子についてのタンパク質コード配列は、SEQ ID NO: 19
Figure 2017513477
で例示されている。下線を引いたグルタミン酸は、タンパク質の6番目のアミノ酸を表す。DNAレベルで、ゲノムDNAは、GAGからGTG変異を含み、それによって、E6V変異タンパク質がもたらされる。
一部の態様において、本方法は、細胞においてgp91phox遺伝子を改変する工程を含む。一部の態様において、細胞は、患者由来の自己細胞である。一部の態様において、細胞は造血幹細胞である。一部の態様において、本方法は、慢性肉芽腫症(CGD)を処置するためである。
gp91phox遺伝子についてのタンパク質コード配列は、SEQ ID NO: 20
Figure 2017513477
により例示される。
一部の態様において、本方法は、gp91phox遺伝子のヌクレオチド配列をエクソン7において位置676のCをTに修正する。gp91phoxのアミノ酸部位226でのヌクレオチド「T」を「C」に修正することによって、その部位が、停止コドンから正しいArgに回復される。したがって、一態様において、配列改変は、gp91phox遺伝子の226番目のコドンをArgコドンに改変するゲノムDNAの修正である。
特定の局面において、本明細書において記載する方法は、エクスビボでの治療のための改善された方法に関する。細胞集団は、対象から単離してもよく、細胞のゲノムDNAは、欠陥を修正するようなやり方で改変してもよい。細胞の集団は次に、治療的使用のために、対象に移植してもよい。特定の例において、単離された細胞の集団は、例えば従来のトランスフェクションおよび/もしくはエレクトロポレーション方法などの特定のインビトロ操作に感受性である細胞のサブセットを含み得るか、または、細胞のサブセットは、従来のトランスフェクションおよび/もしくはエレクトロポレーション方法もしくはゲノムDNA操作に耐性であり得る。本明細書において記載する方法を用いてゲノムDNAを改変することによって、そのような集団における配列改変のより大きな効率をもたらすことが企図されている。
配列改変の効率はまた、本明細書において編集率とも呼ばれることができる。これは、細胞の総数で除した編集細胞の数により算出することができる。本明細書において提供する実施例において、編集率を、(消化バンドの密度)/(消化バンドの密度+親バンドの密度)として算出した。
本開示の一局面は、細胞を対象から単離する工程;(a)DNAオリゴと(b)DNA消化剤とを含む組成物をエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程を含む、対象から単離された細胞中の標的ゲノムDNA領域の部位特異的な配列改変または配列補正のための方法であって、ドナーDNAが、(i)標的ゲノムDNA領域に相同な核酸配列を含む相同領域と(ii)配列改変領域とを含み;かつ、標的ゲノムDNA領域においてゲノムDNA配列が特異的に改変される、方法に関する。一態様において、単離された細胞は、2つまたはそれ以上の異なる細胞型を含む。
この文脈において使用される場合、「異なる細胞型」という用語は、異なる細胞系統に由来する細胞、または、同じ系統に由来するが、多能性もしくは分化の異なる段階にある細胞を意味し得る。一態様において、2つまたはそれ以上の異なる細胞型は、多能性または分化の異なる段階における2つまたはそれ以上の細胞型を含む。さらなる態様において、細胞は、同じ系統由来であるが、多能性または分化の異なる段階にある。
本明細書において記載する方法は、特定の細胞集団に対して陰性選択的ではないことが企図されている。したがって、特定の態様において、2つまたはそれ以上の異なる細胞型間の配列改変の効率は、1%未満異なる。さらなる態様において、2つまたはそれ以上の細胞型間での配列改変の効率は、2、1.5、1、0.5、0.1、0.05、または0.01%未満異なる。他の態様において、細胞生存率は、2つまたはそれ以上の細胞型間で5%未満異なる。さらなる態様において、細胞生存率は、2つの細胞集団間で10、7、3、2、1、0.5、または0.1%未満異なる。
特定の態様において、単離された細胞は、対象の骨髄から単離された細胞である。さらなる態様において、単離された細胞は幹細胞を含む。幹細胞は、身体から単離可能な任意の幹細胞であり得る。非限定的な例は、造血幹細胞、間葉系幹細胞、および神経幹細胞を含む。特定の態様において、細胞は造血幹細胞である。さらなる態様において、単離された細胞は細胞表面マーカーCD34+を含む。
加えて、本明細書において使用する方法により産生される細胞および細胞株は、薬物開発および/または逆遺伝学的研究のために有用であり得る。そのような細胞および動物は、特定の変異にまたはその配列改変に関連付けられる表現型を明らかにし得、かつ、当該の変異または変異タンパク質のいずれかと特異的に相互作用する薬物、または、罹患動物における疾患の処置のために有用である薬物をスクリーニングするために使用され得る。これらの細胞株はまた、特定の変異の効果を研究するためのツールを提供することができる。なぜなら、細胞株およびそれに対応する「改変」細胞株は、「遺伝的に同一である」対照に相当し、このように、疾患特異的変異の修復、薬物のスクリーニングおよび発見、ならびに疾患機構研究のための強力なツールを提供するからである。この技術によって、RNAiおよびshRNAなどのような現在の遺伝子ノックダウン技術に取って代わる科学的に優れた代替手段を提供することができることがさらに企図されている。一例において、DNA配列改変は、発生機構もしくは疾患機構を研究するために、または治療的適用のために関心対象の遺伝子中に導入される終止コドンである。
IV.エレクトロポレーション
特定の態様は、宿主細胞中への1つまたは複数の核酸分子の侵入を促進するための、エレクトロポレーションの使用を含む。
本明細書において使用する場合、「エレクトロポレーション」または「エレクトロローディング」は、細胞中への核酸分子の進入を促進するための、細胞への電流または電場の適用を指す。当業者は、エレクトロポレーションの任意の方法および技術が、本発明により検討されることを理解すると考えられる。
本発明の特定の態様において、米国特許第5,612,207号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる)、米国特許第5,720,921号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる)、米国特許第6,074,605号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる);米国特許第6,090,617号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる);米国特許第6,485,961号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる);米国特許第7,029,916号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる)、米国特許第7,141,425号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる)、米国特許第7,186,559号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる)、米国特許第7,771,984号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる)、および米国特許出願公開第2011/0065171号(参照により本明細書に具体的に組み入れられる)に記載されているとおりに、エレクトロローディングを行ってもよい。
本発明の状況において使用され得るエレクトロローディングのための他の方法およびデバイスもまた、例えば、PCT出願番号WO 03/018751およびWO 2004/031353;米国特許出願第10/781,440号、同第10/080,272号、および同第10/675,592号;ならびに米国特許第 6,773,669号、同第6,090,617号、同第6,617,154号において記載されており、それらの全てが、参照により組み入れられる。
本発明の特定の態様において、2002年8月21日に出願された米国特許出願第10/225,446号に記載されているとおりに、エレクトロポレーションを行ってもよく、その開示全体が、参照により本明細書に具体的に組み入れられる。
本発明のさらなる態様において、フローエレクトロポレーションが、MaxCyte STX(登録商標)、MaxCyte VLX(登録商標)、またはMaxCyte GT(登録商標)フローエレクトロポレーション機器を使用して実施される。具体的な態様において、静的エレクトロポレーションまたはフロ−エレクトロポレーションは、本開示全体を通して記載されるパラメータを用いて使用される。
エレクトロポレーション、好ましくは、フローエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする特許請求される方法は、40%超、50%超、および60%、70%、80%、もしくは90%(またはこの中から派生する任意の範囲)超のトランスフェクション効率を達成することが可能である。トランスフェクション効率は、遺伝子産物を発現する細胞のパーセンテージまたは遺伝子により発現される産物の分泌レベルのいずれかにより測定することができる。細胞は、エレクトロポレーションプロセスの最中および後に高い生存率を維持する。生存率は、常に50%またはそれ以上である。エレクトロポレーションした細胞の生存率は、開始のエレクトロポレーションされていない集団または対照構築物をトランスフェクトしたエレクトロポレーションされた集団の生存率の、最大でも、または少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、もしくは95%(またはこの中から派生する任意の範囲)であり得る。
一部の態様において、本方法では、粒子の懸濁液の電気刺激のためのフローエレクトロポレーション装置が使用され、該装置は、1つまたは複数の入口フローポータルと、1つまたは複数の出口フローポータルと、1つまたは複数のフローチャネルとを有し、フローチャネルが、2つまたはそれ以上の壁から構成されており、フローチャネルが、入口フローポータルからの懸濁液中の粒子の連続流を受け入れかつ該連続流を一時的に収容するようにさらに構成されている、フローエレクトロポレーションセルアセンブリー;および、各電極が、フローチャネルの壁の少なくとも1つを形成するように、フローチャネルに対して配置されている対になった電極を備え、電極が、電気エネルギーの供給源と電気通信している状態に電極を置くことをさらに含み、それにより、チャンネルを介して流れる粒子の懸濁液が、電極間に形成される電場に供され得る。
一部の態様において、本方法では、試料サイズの限界を克服するために、フローエレクトロポレーションが使用される。この方法を用いて、細胞懸濁液は、好ましくは使い捨てであるフローセル内に収容されている並列バー電極を通過させられる。
さらなる態様において、本明細書に記載のフローエレクトロポレーション法または静的エレクトロポレーション法を用いて試料の熱分解を克服する。セルの異なる構成を、本方法において使用することができることを理解すべきである。このエレクトロポレーションの最中に、セルは、所定の特徴を有する電気パルスに供される。例えば、試料細胞を調製するための具体的な設定は、以下のとおりである:電圧、750V;パルス幅、650μ秒;パルス間の時間、100μ秒;バーストにおける2つの二相性パルス;バースト間の時間、12秒;流速、0.05mL/秒;目的の分子または分子を、次に、濃度および/または電気勾配に従って細胞中に拡散することができる。本発明は、場合により、細胞をある範囲の電場強度に供することが可能である。
本フローエレクトロポレーション方法の別の利点は、細胞の大集団をトランスフェクトすることができる速さである。例えば、リンパ球の集団は、5時間未満、好ましくは4時間未満、最も好ましくは3時間未満で、最も好ましくは2時間未満で試料をエレクトロポレーションすることによるエレクトロポレーションによりトランスフェクトされることができる。エレクトロポレーションの時間は、試料が、フローエレクトロポレーションプロセスにより処理される時間である。特定の態様において、1E10細胞は、フローエレクトロポレーションを使用して、30分またはそれ未満にトランスフェクトされる。さらなる態様において、2E11細胞は、フローエレクトロポレーションを使用して、30分間、または60分間またはそれ未満でトランスフェクトされ得る。
フローエレクトロポレーションのために、必要な流体および試料を有する容器中の溶液および細胞懸濁液にフローセルを付着させることによりプロセスを開始する。ポンプおよびピンチバルブの作動を制御するエレクトロポレーションシステムに、必要な命令を提供することにより、プライミング溶液(生理食塩水)および細胞懸濁液が導入される。細胞が電極間の流路を通過する際、選定された電圧、持続時間、および周波数の電気パルスが適用される。産物および廃液は、指定された容器に回収される。
使用者は、本発明のフローエレクトロポレーションシステムに所望の電圧および他のパラメータを入力する。上記の通り、様々な設定が、場合により使用可能である。コンピュータが、タワーにおいて電子機器と通信し、所望の電圧までコンデンサバンクを充電する。適切なスイッチは次に、電圧が流路に送達されて電場を生成する前に、電圧を操作する(スイッチが、交互のパルスまたはバーストを提供して、電場への長期曝露によりもたらされる摩耗電極を最小限にする)。電圧は、オペレータにより本発明のフローエレクトロポレーションシステムに設定された持続時間および周波数のパラメータに従って送達される。本発明のフローエレクトロポレーションシステムをここで詳細に記載する。
フローエレクトロポレーションプロセスは、例えば、容器中の溶液および細胞懸濁液と流体連通している(例えばチューブを介して)エレクトロポレーションチャンバーを置くことにより開始することができ、無菌または滅菌環境で行われることができる。細胞懸濁液および/または他の試薬が、1つまたは複数の、ポンプ、真空、バルブ、エレクトロポレーションチャンバー内の空気の圧力または容積を変化させる他の機械的デバイス、およびそれらの組み合わせを使用して、エレクトロポレーションチャンバーに導入してもよく、それによって、細胞懸濁液および/または他の試薬を、所望の時間に、所望の速度でエレクトロポレーションチャンバーに流入させることができる。細胞懸濁液および/または他の試薬の一部は、エレクトロポレーションチャンバー内に位置づけられる場合、所望の電圧、継続時間、および/または間隔の電気パルスを、細胞懸濁液および/または他の試薬に適用する。エレクトロポレーション後、処理された細胞懸濁液および/または他の試薬を、1つまたは複数の、ポンプ、真空、バルブ、エレクトロポレーションチャンバー内の排除量、圧力、もしくは容積を変化させる他の電気的デバイス、機械的デバイス、空気圧デバイス、もしくはマイクロ流体デバイス、およびそれらの組み合わせを使用して、エレクトロポレーションチャンバーから除去することができる。特定の態様において、重力または手動移行を使用して、エレクトロポレーションチャンバーの中または外に試料または処理試料を移すことができる。所望の場合、新たな細胞懸濁液および/または他の試薬を、エレクトロポレーションチャンバー中に導入することができる。エレクトロポレーションされた試料を、まだエレクトロポレーションされていない試料から別々に回収することができる。先行する一連の事象は、例えば、エレクトロポレーションチャンバーの中または外への流れに影響しかつ該流れを制御する電子回路(例えば、電気パルスを提供する)、ポンプ、真空、バルブ、それらの組み合わせ、および他の構成要素に結合されたコンピュータにより、時間的に調整することができる。一例として、エレクトロポレーションプロセスを、モニター上のグラフィックユーザーインタフェースおよび/またはキーボードを介してオペレータによることを含むコンピュータにより、実施することができる。適切なバルブの例は、ピンチバルブ、バタフライバルブ、および/またはボールバルブを含む。適切なポンプの例は、遠心または容積式ポンプを含む。
一例として、フローエレクトロポレーションデバイスは、スペーサーにより分離された少なくとも2つの電極を備えることができ、スペーサーおよび少なくとも2つの電極が、チャンバーを画定している。一部の態様において、エレクトロポレーションチャンバーは、スペーサーを横断する少なくとも3つのポートをさらに備えることができ、第1のポートはチャンバー中への試料の流れのためのものであり、第2のポートは、チャンバーの外への処理された試料の流れのためのものであり、第3のポートは、チャンバーの中または外への非試料流体の流れのためのものである。一部の態様において、試料がチャンバー中に流入する際、非試料流体がチャンバーの外に流れ、処理試料がチャンバーの外に流れる際、非試料流体がチャンバー中に流れる。別の例として、フローエレクトロポレーションデバイスは、少なくとも2つの並列電極を含む上部および底部を有するエレクトロポレーションチャンバーを備えることができ、チャンバーは、2つの電極間に形成され、エレクトロポレーションチャンバーの底部において2つのチャンバーポートおよびエレクトロポレーションチャンバーの上部において2つのチャンバーポートを有する。そのようなデバイスは、チャンバーの底部における第1のチャンバーポートを介してエレクトロポレーションチャンバーと流体連通している少なくとも1つの試料容器をさらに備えることができ、エレクトロポレーションチャンバーは、チャンバーの上部における第2のチャンバーポートを介して試料容器と流体連通しており、第1の流体経路を形成することができる。さらに、少なくとも1つの産物容器が、チャンバーの底部における第3のチャンバーポートを介したエレクトロポレーションチャンバーと流体連通していることができ、エレクトロポレーションチャンバーは、チャンバーの底部における第4のチャンバーポートを介した産物容器と流体連通しており、第2の流体経路を形成することができる。一部の態様において、単一のポートエレクトロポレーションチャンバーが使用され得る。他の態様において、電極、スペーサー、ポート、および容器の種々の他の適切な組み合わせを使用することができる。エレクトロポレーションチャンバーは、約1〜10mLの内部容積を含むことができる。しかし、他の態様において、エレクトロポレーションチャンバーは、より少ない内部容積(例えば、0.75mL、0.5mL、0.25mL、もしくはそれ未満)またはより大きな内部容積(例えば、15mL、20mL、25mL、もしくはそれを上回る)を含むことができる。一部の態様において、エレクトロポレーションチャンバーおよび関連する構成要素は、PVCバッグ、PVCチューブ、コネクタ、シリコーンポンプチューブなどの使い捨てであることができる(例えば、医療グレードクラスVI材料)。
任意の数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上)の容器が、エレクトロポレーションチャンバーと流体連通していることができる。容器は、折り畳み可能な、拡張可能な、または決まった容積の容器であり得る。例えば、第1の容器(例えば、試料供給源または試料容器)は、細胞懸濁液を含むことができ、エレクトロポレーションの最中に、細胞懸濁液中の細胞内に入る物質を含んでもまたは含まなくてもよい。物質が含まれない場合、この物質を含む第2の容器は、エレクトロポレーションチャンバー中へのまたはエレクトロポレーションチャンバーへの進入前にインラインで物質を混合することができるように含められることができる。追加の構成において、別の容器を取り付けてもよく、それは、廃棄される流体を保持することができる。1つまたは複数の追加の容器を、処理された試料または産物容器として使用することができる。処理された試料または産物容器は、エレクトロポレーションプロセスから産生された細胞または他の産物を保持する。さらに、1つまたは複数の追加の容器は、個別の容積または単位容積に試料を分離するために使用することができる種々の非試料流体または気体を含むことができる。非試料流体またはガス容器は、第3および/または第4のポートを介してエレクトロポレーションチャンバーと流体連通していることができる。非試料流体またはガス容器は、処理された試料容器中または試料容器中に組み込まれてもよく(例えば、非試料流体容器が、処理された試料容器または試料容器の一部を含むことができる);従って、非試料流体または気体は、試料の処理の最中に、処理された試料容器から別の容器(それは、試料容器を含んでもよい)に移すことができる。非試料流体またはガス容器は、非試料流体または気体の圧縮がエレクトロポレーションに影響を与えない限り、チャンバー中に組み込まれてもよい。本発明のさらなる局面は、試料容器に連結され、チャンバーに試薬または他の試料を供給し得る他の容器を含んでもよい。
さらなる態様において、エレクトロポレーションデバイスは、静的エレクトロポレーションであり、細胞の流れを含まないが、代わりに、単一チャンバーにおいて細胞の懸濁液を含む。そのようなデバイスを用いた場合、フローエレクトロポレーションのための記載するパラメータを使用して、熱分解を制限し、細胞の生存率を向上させ、配列改変の取り込みの効率を向上させ、トランスフェクション効率などを向上させ得る。そのようなパラメータは、例えば、本願を通して記載するフローエレクトロポレーションパラメータ、チャンバーの熱抵抗、電極の間隔、緩衝液と接触している合わせた電極面積と電極間距離の比率、および電場を含む。
本明細書において記載する態様は、除外されてもよいことが具体的に企図されている。さらに、範囲が記載されている場合、特定の範囲が除外されてもよいことが企図されている。
特定の局面において、エレクトロポレーションの最中の細胞の密度は、制御される変数である。エレクトロポレーションの最中の細胞の細胞密度は、細胞の型、所望のエレクトロポレーション効率、または結果として得られるエレクトロポレーションされた細胞の所望の生存率に非限定的に従って変動するかまたは変動され得る。特定の局面において、細胞密度は、エレクトロポレーションの間中一定である。他の局面において、細胞密度は、エレクトロポレーションプロセスの最中に変動される。特定の局面において、エレクトロポレーション前の細胞密度は、1×104個の細胞/mLから(y)×104の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、または10であることができる。他の局面において、エレクトロポレーション前の細胞密度は、1×105個の細胞/mLから(y)×105の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10(またはこの中から派生する任意の範囲)である。さらに他の局面において、エレクトロポレーション前の細胞密度は、1×10e6個の細胞/mLから(y)×106の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、または10であることができる。特定の局面において、エレクトロポレーション前の細胞密度は、1×107個の細胞/mLから(y)×107の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10またはこの中から派生する任意の範囲であることができる。さらに他の局面において、エレクトロポレーション前の細胞密度は、1×107個の細胞/mLから1×108個の細胞/mL、1×108個の細胞/mLから1×109個の細胞/mL、1×109個の細胞/mLから1×1010個の細胞/mL、1×1010個の細胞/mLから1×1011個の細胞/mL、または1×1011個の細胞/mLから1×1012個の細胞/mLの範囲中にあり得る。特定の局面において、エレクトロポレーション前の細胞密度は(y)×106であり得るが、yは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100のいずれかまたはこの中から派生する任意の範囲であることができる。特定の局面において、エレクトロポレーション前の細胞密度は(y)×1010であり得るが、yは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、もしくは1000のいずれか(またはこの中から派生する任意の範囲)であることができる。
特定の局面において、エレクトロポレーションの最中の細胞の密度は、制御される変数である。エレクトロポレーションの最中の細胞の細胞密度は、細胞の型、所望のエレクトロポレーション効率、または結果として得られるエレクトロポレーションされた細胞の所望の生存率に非限定的に従って変動するかまたは変動され得る。特定の局面において、細胞密度は、エレクトロポレーションの間中一定である。他の局面において、細胞密度は、エレクトロポレーションプロセスの最中に変動される。特定の局面において、エレクトロポレーションの最中の細胞密度は、1×104個の細胞/mLから(y)×104の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10(またはこの中から派生する任意の範囲)であることができる。他の局面において、エレクトロポレーションの最中の細胞密度は、1×105個の細胞/mLから(y)×105の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10(またはこの中から派生する任意の範囲)である。さらに他の局面において、エレクトロポレーションの最中の細胞密度は、1×106個の細胞/mLから(y)×106の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10(またはこの中から派生する任意の範囲)であることができる。特定の局面において、エレクトロポレーションの最中の細胞密度は、1×107個の細胞/mLから(y)×107の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10(またはこの中から派生する任意の範囲)であることができる。さらに他の局面において、エレクトロポレーションの最中の細胞密度は、1×107個の細胞/mLから1×108個の細胞/mL、1×108個の細胞/mLから1×109個の細胞/mL、1×109個の細胞/mLから1×1010個の細胞/mL、1×1010個の細胞/mLから1×1011個の細胞/mL、または1×1011個の細胞/mLから1×1012個の細胞/mLの範囲中にあり得る。特定の局面において、エレクトロポレーションの最中の細胞密度は(y)×106であり得るが、yは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100(またはこの中から派生する任意の範囲)のいずれかであり得る。特定の局面において、エレクトロポレーションの最中の細胞密度は(y)×1010であり得るが、yは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、もしくは1000(またはこの中から派生する任意の範囲)のいずれかであることができる。
特定の局面において、エレクトロポレーション後の細胞密度は、1×104個の細胞/mLから(y)×104の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10(またはこの中から派生する任意の範囲)であることができる。他の局面において、エレクトロポレーション後の細胞密度は、1×105個の細胞/mLから(y)×105の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10(またはこの中から派生する任意の範囲)である。さらに他の局面において、エレクトロポレーション後の細胞密度は、1×106個の細胞/mLから(y)×106の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10(またはこの中から派生する任意の範囲)であることができる。特定の局面において、エレクトロポレーション後の細胞密度は、1×107個の細胞/mLから(y)×107の範囲中にあり得るが、yは2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10(またはこの中から派生する任意の範囲)であることができる。さらに他の局面において、エレクトロポレーション後の細胞密度は、1×107個の細胞/mLから1×108個の細胞/mL、1×108個の細胞/mLから1×109個の細胞/mL、1×109個の細胞/mLから1×1010個の細胞/mL、1×1010個の細胞/mLから1×1011個の細胞/mL、または1×1011個の細胞/mLから1×1012個の細胞/mLの範囲(またはこの中から派生する任意の範囲)中にあり得る。特定の局面において、エレクトロポレーション後の細胞密度は(y)×10e6であり得るが、yは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100(またはこの中から派生する任意の範囲)のいずれかであることができる。特定の局面において、エレクトロポレーション後の細胞密度は(y)×1010であり得るが、yは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、もしくは1000(またはこの中から派生する任意の範囲)のいずれかであることができる。
特定の態様において、エレクトロポレーションは、任意の原核細胞または真核細胞で行うことができる。一部の局面において、エレクトロポレーションは、ヒト細胞のエレクトロポレーションを含む。他の局面において、エレクトロポレーションは、動物細胞のエレクトロポレーションを含む。特定の局面において、エレクトロポレーションは、細胞株またはハイブリッド細胞型のエレクトロポレーションを含む。一部の局面において、エレクトロポレーションされる細胞は、癌細胞、腫瘍細胞、または不死化細胞である。一部の例において、腫瘍、癌、不死化細胞、または細胞株は、誘導され、他の例において、腫瘍、癌、不死化細胞、または細胞株は、それぞれの状態または条件に自然に入る。特定の局面において、エレクトロポレーションされる細胞または細胞株は、A549、B細胞、B16、BHK-21、C2C12、C6、CaCo-2、CAP/、CAP-T、CHO、CHO2、CHO-DG44、CHO-K1、CHO-DUXB11 COS-1、Cos-7、CV-1、樹状細胞、DLD-1、胚性幹(ES)細胞もしくは誘導体、H1299、HEK 293、293T、293FT、Hep G2、造血幹細胞、HOS、Huh-7、誘導性多能性幹(iPS)細胞もしくはその誘導体、Jurkat、K562、L5278Y、LNCaP、MCF7、MDA-MB-231、MDCK、間葉細胞、Min-6、単球細胞、Neuro2a、NIH 3T3、NIH3T3L1、NK 細胞、NS0、Panc-1、PC12、PC-3、末梢血細胞、形質細胞、初代線維芽細胞、RBL、Renca、RLE、SF21、SF9、SH-SY5Y、SK-MES-1、SK-N-SH、SL3、SW403、刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP)細胞もしくは誘導体、SW403、T細胞、THP-1、腫瘍細胞、U2OS、U937、またはVero細胞であることができる。
特定の態様において、細胞は、トランスフェクトすることが困難であることが当技術分野において公知である細胞である。そのような細胞は、当技術分野において公知であり、例えば、初代細胞、昆虫細胞、SF9細胞、Jurkat細胞、CHO細胞、幹細胞、ゆっくり分裂する細胞、および非分裂細胞を含む。
一部の例において、特定数の細胞を、ある時間においてエレクトロポレーションすることができる。記載したプラットフォームの柔軟性、一貫性、および再現性を考慮すると、最大約(y)×104、(y)×105、(y)×106、(y)×107、(y)×108、(y)×109、(y)×1010、(y)×1011、(y)×1012、(y)×1013、(y)×1014、もしくは(y)×1015個までの、または約(y)×104、(y)×105、(y)×106、(y)×107、(y)×108、(y)×109、(y)×1010、(y)×1011、(y)×1012、(y)×1013、(y)×1014、もしくは(y)×1015個超(またはこの中から派生する任意の範囲)の細胞をエレクトロポレーションすることができ、yは、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100秒(またはこの中から派生する任意の範囲)未満内で1、2、3、4、5、6、7、8、もしくは9(またはこの中から派生する任意の範囲)のいずれかであることができる。他の例において、約(y)×104、(y)×105、(y)×106、(y)×107、(y)×108、(y)×109、(y)×1010、(y)×1011、(y)×1012、(y)×1013、(y)×1014、もしくは(y)×1015個(またはこの中から派生する任意の範囲)までの、またはそれ以上の細胞をエレクトロポレーションすることができ、yは、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、もしくは120分(またはこの中から派生する任意の範囲)未満内で1、2、3、4、5、6、7、8、もしくは9(またはこの中から派生する任意の範囲)のいずれかであることができる。さらに他の局面において、約(y)×104、(y)×105、(y)×106、(y)×107、(y)×108、(y)×109、(y)×1010、(y)×1011、(y)×1012、(y)×1013、(y)×1014、もしくは(y)×1015個(またはこの中から派生する任意の範囲)までの、またはそれ以上の細胞をエレクトロポレーションすることができ、yは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24時間(またはこの中から派生する任意の範囲)未満内で1、2、3、4、5、6、7、8、もしくは9(またはこの中から派生する任意の範囲)のいずれかであることができる。
「(y)×10e」という式は、指数値e乗される10を掛けた、任意の数の値を取ることができる変数「y」を意味すると理解される。例えば、yが2である(y)×104は、2×104を意味すると理解され、2×10,000と等価であり、20,000と等しい。(y)×10e4はまた、(y)*10e4または(y)×104または(y)*104として表されることができる。
細胞または培地の容積は、エレクトロポレーションされた細胞の量、スクリーニングされた細胞の数、スクリーニングされた細胞の型、産生されたタンパク質の型、所望のタンパク質の量、細胞生存率、および所望の細胞濃度に関連する特定の細胞特徴に依存して変動し得る。方法および組成物において使用することができる容積の例は、0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、441、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ml、もしくは0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、441、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、100L(またはこの中から派生する任意の範囲)、およびこれらの中から派生する任意の範囲を含むが、これらに限定されない。そのような容積を保持しうる容器は、本明細書に記載する態様における使用について検討される。そのような容器は、細胞培養皿、ペトリ皿、フラスコ、バイオバッグ、バイオ容器、バイオリアクター、またはバットを含むが、これらに限定されない。10Lまたはそれ以上を上回って保持することが可能な容器などの大規模容積用の容器が特に検討される。特定の態様において、100Lまたはそれ以上の容積が使用される。
本明細書において記載する方法による細胞のエレクトロポレーションは、増加した効率および/または減少した毒性の利益を提供することが具体的に企図されている。そのような測定は、ゲノムDNA配列改変を取り込んだ細胞の量を測定すること、マーカーを発現する細胞の量を測定すること、および/またはエレクトロポレーション後の細胞の生存率を測定することにより作製され得る。
一部の態様において、配列改変の効率は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、または80%超である。配列改変の効率は、配列改変を有する細胞の数を決定し、細胞の総数で除することにより測定することができる。ゲノムDNA配列改変の組込みは、当技術分野において公知の方法、例えば直接ゲノムDNA配列決定、差次的制限消化(配列改変によって、制限酵素部位が付加、除去、または変化される場合)、ゲル電気泳動、キャピラリーアレイ電気泳動、MALDI-TOF MS、動的対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション、分子ビーコン、制限断片長多型、プライマー伸長、温度勾配ゲル電気泳動などにより決定することができる。
他の態様において、エレクトロポレーション後の細胞生存率は、少なくとも20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または95%である。細胞生存率は、当技術分野において公知の方法により測定することができる。例えば、細胞は、細胞計数装置により、エレクトロポレーション前後に計数することができる。他の態様において、アポトーシスを測定する。多量の核酸の導入によって、アポトーシスを誘導し得ると考えられる。本明細書において記載する方法は、当技術分野における他の方法よりも、少ないアポトーシスをもたらすことが企図されている。特定の態様において、エレクトロポレーション後にアポトーシスを示す細胞の量は、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または5%未満である。アポトーシスは、プログラム細胞死の特定のプロセスを指し、当技術分野において公知の方法により測定することができる。例えば、アポトーシスは、アネキシンVアッセイ法、活性化カスパーゼ3/7検出アッセイ法、およびVybrant(登録商標)アポトーシスアッセイ法(Life Technologies)により測定され得る。
さらなる態様において、マーカーをコードする核酸を発現する細胞のパーセンテージは、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%超である。
本開示の特定の態様が、範囲または特定の値を含む場合、本明細書において記載するとおり、範囲および特定の値(すなわち、濃度、核酸の長さ、およびパーセンテージ)が、本発明の態様において除外し得ることが具体的に企図されている。本開示が、要素のリスト(例えば細胞型)を含む場合、本発明の態様は具体的に、リスト中の1つまたは複数の要素を除外し得ることも企図されている。
VI.実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を実証するために含まれる。以下に続く実施例において開示する技術が、本発明の実施において十分に機能するために、本発明者により発見された技術を代表し、このように、その実施のための好ましい様式を構成すると考えることができることは、当業者により理解されるはずである。しかし、当業者は、本開示に照らして、多くの変化が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示する特定の態様において作られ、依然として同様または類似の結果を得ることができることを理解するはずである。
実施例1
細胞培養:凍結保存されたPBMCを解凍し、RPMI-1640+10% FBS+100u/ml rhIL-2+抗生物質中で一晩培養した。組織培養フラスコ中の付着細胞を除去した。K562は、RPMI-1640+10%FBS+2mM L-グルタミン+抗生物質中で培養した。線維芽細胞はDMEM+10%FBS+抗生物質中で存在した。増殖されたT細胞は、活性化キットを用いて、プロトコールに従い、DynalbeadsヒトT-アクティベーターCD3/CD28(Invitrogen、Carlsbad CA)により活性化した。細胞は、活性化後に3〜6日間トランスフェクトされた。
エレクトロポレーション:細胞は、PBL、増殖したT細胞、もしくはK562については直接収集したか、または線維芽細胞についてはトリプシン処理を用いて収集した。MXCT EP緩衝液での洗浄後、細胞は、mRNA(200ug/ml Cas9および100ug/ml gRNA、または100ug/ml GFP)、および/または一本鎖DNAオリゴ(100ug/ml、指定がない限り)と混合し、エレクトロポレーションした。20分間のEPインキュベーション後、細胞は、遺伝子改変アッセイ法のために細胞ペレットを収集する前に2〜5日間にわたり培養した。
ゲノムDNA抽出:ゲノムDNAは、PurelinkゲノムDNAミニキット(Invitrogen、Carlsbad CA)を使用して抽出した。抽出したゲノムDNAは、使用前に-4℃の冷蔵庫に保存した。
遺伝子改変アッセイ法:Cel-1アッセイ法は、SURVEYOR変異検出キット(Trangenomic、Omaha NE)を使用することにより、遺伝子のゲノムDNAの編集をアッセイするために実施した。会社により提供されるキットを用いたプロトコールに従った。6つのヌクレオチドを認識するHindIIIの組込みを、HindIII消化によりアッセイした。試料を、10%TBEゲル(Invitrogen、Carlsbad CA)を用いて分析した。
CRISPR(Cas9およびgRNA):SSAV1セーフハーバー(safe harbor)部位上の特定の
Figure 2017513477
部位を標的にするCas9およびgRNA用の全キットを、St. Luise Genome Engineering CenterのWashington Universityから購入した。gRNA標的部位を含むゲノムDNAセグメントを増幅するためのプライマー
Figure 2017513477
が、キット中に含まれた。約468bpアンプリコンを、さらなるCel-1アッセイ法およびHindIII消化アッセイ法のために使用し、その消化によって、ゲノムDNA改変が生じた場合、約170および298bpの各々の2つのバンドが与えられる。
CRISPR mRNA:mRNAは、St LuiseのWashington Universityから購入したテンプレートプラスミドDNAからmMESSAGE mMACHINE(登録商標)T7 Ultra Kit(Invitrogen、Carlsbad CA)を用いて作製した。
一本鎖オリゴマー:オリゴの配列は以下のとおりである。
Figure 2017513477
実施例2
方法が疾患関連遺伝子に適用可能であることを検証するために、鎌状赤血球病の遺伝子座の遺伝子HBBに制限酵素部位が組み込まれることができたか否かを試験した。K562細胞、慢性骨髄性白血病患者に由来する骨髄由来細胞株は、RPMI-1640+10%FBS+2mM L-グルタミン+抗生物質中で培養した。次に細胞を、実施例1に記載する方法に従って、二本鎖DNA切断用のCas9プラスミド(Addgeneプラスミド#43945)、鎌状赤血球症(SCD)部位
Figure 2017513477
を標的にするガイドRNAプラスミド、およびHindIII制限酵素部位(下線)を組み込むための一本鎖オリゴDNAドナー配列
Figure 2017513477
を用いてエレクトロポレーションした。
gRNAテンプレートは、T7プロモーターとコンジュゲートされたプライマーを用いたPCR増幅により作製した。プライマーは、
Figure 2017513477
であった。Cas9テンプレートは、Cas9プラスミドのエンドヌクレアーゼ直線化(XhoI 1)により得た。mRNAは、mMESSAGE mMACHINE T7 ULTRAキット(Ambion)により作製した。細胞のエレクトロポレーション後、ゲノムDNA抽出および試験を、実施例1に記載するとおりに実施した。
組込み特異性を最初に試験した。予想されるとおり、gRNAターゲティングAAVS1部位を有するオリゴは、標的AAVS1部位中に組み込まれるが、SCD遺伝子座には組み込まれないことが示された(図14)。次に、SCD遺伝子座での部位特異的な組込みが達成されたか否かを試験した。図15AおよびBに示すとおり、AAVS1部位およびSCD遺伝子座に向けられたガイドRNAを用いたトランスフェクションによって、これらの部位での成功裏のゲノム改変がもたらされた。図15Bは、ゲノムDNAを、疾患関連遺伝子座で部位特異的に改変することができることを例示する。
実施例3
本明細書において記載する方法は、遺伝的疾患を治癒させるために、患者の造血幹細胞(HSC)における疾患発症性の変異を修正するために使用してもよい。この実施例では、この疾患を治癒させるための慢性肉芽腫症(CGD)における変異を修正するための方法を記載する。この疾患は、本明細書において記載する遺伝子治療方法の概念証明を実証するだけでなく、またこの疾患のための治療的アプローチを進め、それは、依然として満たされていない課題である。CGDにおける遺伝的変異は周知であるため、疾患を有する細胞のインビトロ機能アッセイ法の技術は成熟しており、CGDの動物モデルが確立され、修正の低いパーセンテージは、有意な臨床的有効性に導くことができる。非ウイルスアプローチが、CRISPR(Cas9およびgRNA対)をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)および、位置676でのエクソン7に位置付けられるgp91phox遺伝子中で最もよく見られる変異(「ホットスポット」)を標的にするDNAオリゴマーを送達するために使用され、「T」(疾患表現型をもたらす)から「C」(つまり、正常細胞中でよく見られる)に変換する。CRISPRの送達は、MaxCyteのcGMPおよび規制準拠クローズシステムフローエレクトロポレーションプラットフォームの使用により促進される。
モデル疾患としてのCGDにおける変異が、臨床関連の有効性において修正されることを示すことができる場合、本明細書に記載するアプローチのこの概念の証拠は実質的に、公知の変異が疾患に関連付けられる他の複数の病気を治癒させるための同じアプローチの拡大のために、潜在的な治癒的治療としての技術プラットフォームを検証する。さらに、MaxCyteフロートランスフェクションシステムはGMP準拠であるため、FDA-マスター-ファイルが、大容量トランスフェクション技術プラットフォームを支持し、現在の臨床治験および商業化により検証されているため、この提唱研究での成功は、CGDだけでなく、また他の多くの遺伝的疾患への臨床研究および商業化に簡単につなげられることができる。
HSCはCGDを治癒させるための最良の選択でありかつこの提唱において使用される。自己HSC中の変異遺伝子を修正する遺伝子治療は、遺伝的疾患を治癒させるために最良の可能性を有する。CGDについて、HSCは、この疾患と戦うための正しい候補であることが臨床的に見出されている。これまで、構成的プロモーターにより駆動される疾患遺伝子/cDNAをコードするウイルスベクターにより形質導入された自己HSCを使用するCGDのための遺伝子治療が、臨床的に試験されてきた。このアプローチによって、ゲノム内の無作為に組み込まれた部位からの遺伝子の組込みおよび発現の実現可能性が実証されており、細胞の1〜5%未満が修正遺伝子を発現する患者にさえ、有意な臨床的利益をもたらしている。しかし、従来の遺伝子治療に関する主な懸念は、ゲノム中への遺伝子組込み位置の制御不能に起因する挿入変異誘発のリスク、および、全てのサブ系統、さらには、通常の健康状態にある場合にその遺伝子を発現しない場合があるそれらの細胞にさえ、cDNA発現をもたらす、幹細胞中でのcDNAの構成的発現のリスクである。
非ウイルスアプローチは利点を有する。しかし、非ウイルストランスフェクション方法による大半の造血細胞における高い細胞毒性およびDNAプラスミドトランスフェクションの低いトランスフェクション効率は、非ウイルストランスフェクション方法がHSCトランスフェクションのために使用されることを妨げた。十年以上の研究を通じて、トランスフェクションのためにエレクトロポレーションを使用した高い細胞毒性および低トランスフェクション効率は、エレクトロポレーション媒介細胞死滅ではなく、DNA取り込み媒介アポトーシス/パイロトーシスに起因することが見出された。遺伝子治療のために非ウイルストランスフェクション方法を適用するためには、導入遺伝子を効率的にトランスフェクトして細胞生存を向上させるための方法を見出さなければならない。
mRNAトランスフェクションは、低細胞毒性で導入遺伝子を発現させるための効率的な方法であることが見出された。mRNAトランスフェクションの一過性発現の特色は、多くの用途、例えばCRISPR、TALEN、またはZFNのヌクレアーゼの強制発現などのために有利である。mRNA製剤中のヌクレアーゼのエレクトロポレーションによるゲノムDNAにおける効率的な特定の遺伝子編集は、このアプローチのさらなる適用を活発にする。mRNA製剤中のヌクレアーゼエレクトロポレーションを用いるIND申請の少数の成功の承認が良い例である。臨床治験のためのmRNAトランスフェクションのこれらの現在の適用のために、DNA材料は、細胞毒性を低下させるために、意図的に回避されている。したがって、適用は、遺伝子インデルによる遺伝子ノックアウトの適用領域における設計に巧妙に盛り込まれている。現在の非ウイルス性トランスフェクションは依然として、ゲノムDNA中への遺伝子またはヌクレオチドの付加において適用することはできない。
本明細書において記載する現在の知見は、プラスミドDNA取り込みが高い細胞毒性を媒介するにもかかわらず、一本鎖DNAオリゴマーのトランスフェクションは、細胞毒性を誘導しないことを示す。この知見によって、非ウイルス性のアプローチを、遺伝子治療においてcDNAの構成的発現の代わりに、代替方法として、単一または少数のヌクレオチド変異の遺伝子修正のために使用されることが可能になり、それは、現在の遺伝子治療法において心配される、特定のサブ系統における変異誘発の懸念および望ましくない発現に有意に対処する。大半の遺伝的疾患は、単一または少数のヌクレオチド変異を含むため、この遺伝子修正アプローチは、遺伝的疾患と戦うために非常に重要で、実用的であり得る。CGD HSCにおける遺伝子修正のためのドナーDNAとしてのmRNA製剤およびDNA一本鎖オリゴマー中でのヌクレアーゼトランスフェクションへの切り替え(一例として、この提案におけるCRSPR)は、CGDについてだけでなく、また他の遺伝的疾患の遺伝子治療について、最小限のリスクおよび高い有望な結果を提供する。
研究デザイン
遺伝的疾患は、我々の社会で満たされていない課題である。CGDまたは鎌状赤血球症などの多くの遺伝的疾患は、抗菌/抗カビ予防法、CGDのためのIFN-rおよび鎌状赤血球症のための輸血を使用するなどの、症状を制御する能力のみを用いて治療されてきた。疾患を治癒する有効な方法の欠如により、CGD患者のために抗生物質/抗菌治療において有意な進歩がなされたが、残念ながらCGDを有する患者は、重篤で致命的でさえある再発性感染症を発症する。幹細胞移植によって、疾患を治癒させることができるが、それは、厳密に適合するドナーが必要であり、ドナーを見つけるのが困難であり、適用可能性が限定される。
変異修正された自己HSCをエクスビボで用いる遺伝子治療では、患者の利益に対する有効性が実証されており、遺伝的疾患を治癒するための希望をもたらす。これまで、このアプローチは、遺伝子送達方法としてウイルスを使用しており、臨床治験用の治療用タンパク質を構成的に発現するためのプロモーターを有する変異サブユニットをコードする全cDNAがほとんどの場合使用された。全ゲノムにおける無作為組込みと、一部がタンパク質を自然に発現しない可能性がある全てのサブ系統のための定常発現とを用いるそのようなアプローチの安全性は、挿入変異誘発に導く可能性がありかつ一部の未知の部分配列であり得る大きな懸念がある。
自己HSCのゲノムの特定変異部位で変異ヌクレオチドを修正するための非ウイルスアプローチは、挿入変異誘発、遺伝子発現サイレンシング、ウイルス感染細胞の枯渇、および、遺伝子発現調節における問題においては、懸念がより少ない。しかし、遺伝子治療における非ウイルスアプローチは、非ウイルスアプローチの効率が生存率およびトランスフェクション効率の両方において低すぎたため、今までのところ評判が悪い。しかし、ヌクレアーゼ(TALENまたはCRISPR)を使用することにより、最近、本出願人らは、エレクトロポレーションが、標的ゲノム部位中への効率的なヌクレオチド組込み、特定の変異ヌクレオチドの効率的な修正、HSCを含む多くの異なる細胞型において変異細胞から機能的タンパク質発現細胞への効率的な表現型逆転を、有意な細胞毒性を伴わずに媒介することができ、それは、効率において、現在報告されているよりもはるかに高く、したがって、遺伝子治療のために非ウイルスアプローチを使用することの期待を再燃させている。加えて、MaxCyteによる、開発されたエレクトロポレーションベースのcGMPに準拠した拡張可能な遺伝子送達技術によって、この知見を、臨床治験および潜在的な商業化に容易に翻訳することができる。
慢性肉芽腫症(CGD)は、食細胞が、特定の病原体を死滅させために使用される反応性酸素化合物(最も重要なのは、スーパーオキシドラジカル)を産生しない、遺伝的疾患群である。CGDは、米国において200,000人中約1人が罹患し、新たに約20例が毎年診断される。CGDの管理は、早期診断、感染症の予防および治療のための患者教育および抗生物質を含む。再発性感染症および炎症の罹患率が、主要な問題であり、感染率は年間0.3前後である。適合ドナーからの造血幹細胞(HSC)移植は、治癒的ではあるが、有意な関連リスク(移植片拒絶、移植片対宿主病、化学療法関連毒性)および適合ドナーの使用可能性を有する。構成的プロモーターにより駆動される疾患遺伝子/cDNAをコードするウイルスベクターにより形質導入された自己幹細胞を使用した遺伝子治療が、臨床的に試験されてきた。このアプローチによって、ゲノム内の無作為に組込まれた部位からの遺伝子の組込みおよび発現の実現可能性が実証され、患者に大きな利益をもたらした。しかし、従来の遺伝子治療に関する主な懸念は、ゲノム中への遺伝子組込みの位置の制御不能に起因する挿入変異のリスクである。
本明細書において記載する組成物および方法は、CGD患者における変異の標的修正のために使用され得る。CGD患者におけるHSCのそれぞれの変異を特異的に標的にするための修正配列を有するメッセンジャーRNAベースの非ウイルスの部位特異的な遺伝子編集ツール(CRISPR/Cas9酵素)を使用してもよい。本明細書において記載する方法を使用し、非ウイルス性の部位特異的なエクスビボ遺伝子改変細胞治療が、CGDのための処置として開発され得る。
CGD変異の部位特異的な修正のためのプロトコールを開発する:最初の標的修正は、患者由来のEBV形質転換B細胞を最初に用いる、位置676でのCからTへのエクソン7におけるgp91phox中最もよく見られる変異(「ホットスポット」)である。この特別なCGDにおいて、アミノ酸部位226でのヌクレオチド「T」を「C」に修正することによって、この部位は、終止コドンから正しいArgになるよう回復され、修正された細胞からの発現は、gp91発現により定量化され、配列決定により確認することができる。
CGD患者のHSCにおける機能的遺伝子修正を確認する:特定のC676T変異を有するCGD患者由来の自己HSCを得ることができる。トランスフェクション法を最適化することができ、変異遺伝子は、本明細書において記載する方法を使用して修正することができる。修正効率は、gp91発現およびインビトロでのスーパーオキシド産生の機能回復の検出、次に、そのような修正された患者のHSCの生着およびマウスから回収されたヒト細胞における機能の回復を評価するための、異種移植モデルにおけるマウス移植研究により決定され得る。
臨床翻訳のために製造プロセスをスケールアップする:適切なCGD患者から自己HSCを得ることができる。変異遺伝子を次に、スケールアップcGMP準拠の製造プロセスにおいて修正することができる。インビトロでの修正効率および機能回復を次に調べることができる。
数十年の研究で、本出願人らなどは、DNAトランスフェクションが、大半の造血細胞に細胞毒性であることを見出し、それは、遺伝子治療において有効に使用される非ウイルス方法を防止するための最も重大な障害となってきた。本出願人らは、エレクトロポレーションではなく、DNAが、一般に直感的に考えられているとおり、細胞毒性についての源であることを特定した。低い細胞毒性および高いトランスフェクション効率を有する、効率的なトランスフェクションのための適切な代替物を見出すことが、長い間にわたる本出願人らの目標であった。本出願人らは、mRNAトランスフェクションを開拓し、mRNAトランスフェクションが、要件を満たしていることを見出した最初のグループの1つである。図17に示すとおり、形態学的に、HSCのフローエレクトロポレーショントランスフェクションは、mRNAによる高いトランスフェクション効率および低い細胞毒性を媒介することができる。
図10A〜Dに示すとおり、様々なmRNA濃度は、プラスミドDNAによるものよりもずっと高いトランスフェクション効率に導き、全てが、DNAプラスミドトランスフェクション有りのものよりも高い細胞生存率をもたらす。GFP-mRNAトランスフェクションは、高い生存率(図10A)、高いトランスフェクション効率(図10CおよびD)、対照細胞と比べて、同じ細胞増殖率(図10B)を与えたが、DNAプラスミドは、高い細胞毒性(図10A)、遅延した細胞増殖(図10B)、およびより低いトランスフェクション効率(図10CおよびD)をもたらした。
本出願人らはさらに、mRNAがトランスフェクションのために良いだけではなく、一本鎖DNAオリゴマーが細胞毒性を生じさせないことも検証し、それは、非ウイルスアプローチによる遺伝子修正についての可能性を開いている。図11に示すとおり、mRNAおよび一本鎖オリゴマーによる、高いトランスフェクション効率および低い細胞毒性を有するHSCのフローエレクトロポレーショントランスフェクション。MAXCYTフローエレクトロポレーション技術を用いてHSCにトランスフェクトした。対照およびGFP-mRNAのトランスフェクションは、類似の生存率(図11B)、増殖(図11C)をもたらした。CRISPR(cas9(c)およびgRNA(g))および一本鎖オリゴマー(25mer、50mer、70mer、および100mer)のトランスフェクションは、全て、類似の生存率および増殖を与えたが、対照細胞よりも少し低かった。しかし、細胞は、高い生存率および増殖(対照細胞と比べて80%以上)を維持し、HSCにおけるc+g+oligトランスフェクションの高い生存性を実証した。
mRNAトランスフェクションは細胞毒性に関して低いだけでなく、それはまた、トランスフェクション後の効率的な機能を媒介する。図18に示すとおり、フローエレクトロポレーションは、HSCにおけるAAVS1部位での効率的な遺伝子編集を媒介した。50%前後の遺伝子編集を達成した。さらに、トランスフェクションにおけるCRISPRおよび一本鎖DNAオリゴの併用はまた、効率的なヌクレオチド組込み、遺伝子修正のために必要とされる相同組換えのプロセスを媒介することができる。図13Aおよび13Bに示すとおり、フローエレクトロポレーションは、HSCのAAVS1部位中への効率的なヌクレオチド組込みを媒介した。HSCの特定のゲノム部位での効率的なヌクレオチド組込みが達成される。6個のヌクレオチドのHind III認識配列の組込みは、オリゴマーのサイズおよび濃度依存的である。それは、HSCにおいて40%前後という高い組込みに達することができる。
CRISPRおよび一本鎖DNAオリゴマーのトランスフェクションによるヌクレオチド組込みは、ヌクレオチド修正とは異なると直感的に考えてもよく、それは、ヌクレオチド長を増加させない。遺伝子修正はさらに、正しい機能的タンパク質の遺伝子発現の修正とは異なると考えられる。概念実証によりさらに示すために、本出願人らは、CRISPRおよび一本鎖オリゴマーのmRNAトランスフェクションが、遺伝子組込み、遺伝子修正を媒介することができるだけでなく、また、機能的遺伝子発現を有するように表現型逆転を媒介することができることを実証した。図19に示すとおり、フローエレクトロポレーションは、CGD患者のEBV形質転換B細胞におけるgp91発現の効率的な修復を媒介した。同じEBV形質転換B細胞中でのHindIII認識の6個のヌクレオチドの組込みの実際の割合は、gp91発現細胞での割合よりずっと高かった(データ示さず)。これはまた、患者のHSCにおいて、高い効率(5%超;データ示さず)で成功裏に実施された。
以下の方法は、患者においてCGDを修正するために使用し得る:位置676でのCからTへのエクソン7におけるgp91phox中最も多く見られる変異(「ホットスポット」)、は最初に、患者由来のEBV形質転換B細胞を最初に使用することにより標的にすることができる。この特別なCGDにおいて、アミノ酸部位226でのヌクレオチド「T」を「C」に修正することによって、この部位は、終止コドンから正しいArgになるよう回復され、修正された細胞からの発現は、gp91発現により定量化され、配列決定により確認することができる。
4つのgRNA(g1、g2、g3、およびg4)は最初に、有効性について試験および検証することができる。これらのgRNAを、以下の表に列挙する。
Figure 2017513477
遺伝子修正効率に対する50merから200merのオリゴマーサイズ(以下の表に示すとおり、O1〜O4)の効果を試験することができる。より長いオリゴマーのサイズは、サイズが依然としてアポトーシスまたはパイロトーシスを開始するために細胞内DNAセンサーを惹起しない場合、より良好な修正結果をもたらし得ることが予想される。
Figure 2017513477
研究の第1の段階について、オリゴマーを使用して、HindIII認識部位(AAGCTT)を組込むことができ、4つのgRNAの標的化の効率は、Cel-1アッセイ法によるIndel効率およびPCR増幅アンプリコンのHindIII消化アッセイ法によるHindIII認識部位の組込み効率を使用して試験することができる。次にHindIII認識配列が除去されたオリゴマーは、使用されることができ、かつ遺伝子修正の持続性を理解するために、延長した長時間にわたり変異部位でのTからCへの変化を用いてgp91発現の回復を試験するため使用されることができる。
真の修正を確認するために、以下に列挙する3つのアッセイ法を使用し得る:(1)gp91発現の回復を調べるためにアッセイするgp91に対する抗体の使用;(2)gp91陽性細胞の選別、および修正を検証するためのPCRアンプリコンの配列決定;ならびに(3)ホルボールミリスチン酸アセテート(PMA)の刺激を用いた増強化学発光の測定によるO2-産生のインビトロ機能性研究。
本出願人らは既に、産生および試験されたCas9を有しているため、本出願人らは、変異部位に近い部位での効率的な遺伝子編集の取得に関連するいかなる問題も予想していない。cel-1アッセイ法は、遺伝子編集の効率を調べるために使用することができる。Hind III認識部位はまた、オリゴマーの組込み調べるために変異部位中に組込んでもよい。以前に記載された方法およびデータを用いて、非常に有望な結果が、100merサイズオリゴマーを有する2つの試験されたgRNA-2を用いて見出された。gp91遺伝子発現は、3%超のレベルで回復した。異なる構造のオリゴマーを、必要な場合に設計してもよい。これらは、細胞内でのオリゴマーの安定性のために結合修飾を有するオリゴマー、またはさらには二本鎖オリゴマーを含む。さらなる最適化を用いて、5〜10%の修正効率が達成され得ると考えられ、そのレベルはCGD患者についての重要な臨床的利益が分かるように十分高くしてもよい。
CGD患者のHSCにおける機能的遺伝子修正を確認する:特定のC676T変異を有するCGD患者由来の自己HSCを得ることができる。トランスフェクションを最適化することができ、変異遺伝子は、4つのgRNAおよび上記のオリゴマーを使用して修正することができる。gp91発現の検出によるおよびインビトロでのスーパーオキシド産生の機能回復による修正効率を次に試験することができる。
ひとたび約5〜10%のgp91発現の回復を達成すると、SCIDマウスの生着研究を異種移植モデルにおいて行い、そのような修正された患者のHSCの生着を約1〜4月間の生着期間にわたり評価することができる。さらに、マウスから回収したヒト細胞における機能の回復も試験することができる。継続期間が1〜3ヶ月間の1e6-5e6/マウスの静脈内尾静脈注射を用いた、修正HSCの生着の効率を試験することもできる。
遺伝子修正を確認するに、以下の研究を使用することができる:(1)gp91発現の回復をアッセイするgp91に対する抗体の使用;(2)gp91陽性細胞の選別、および修正を検証するためのPCRアンプリコンの配列決定;(3)14〜17日目の分化したミエロイド細胞を用いた、ホルボールミリスチン酸アセテート(PMA)の刺激を用いた増強化学発光の測定によるO2-産生のインビトロ機能性研究;(4)14〜17日目の分化したミエロイド細胞を用いた、PMA刺激後のジヒドロローダミン123(DHR)蛍光プローブを用いる、O2-産生の機能性研究のインビトロFACS分析;(5)半固体アガロース中での分化したミエロイドコロニーのPMA刺激後、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)から低下したホルマザンを形成する際のスーパーオキシドO2-産生のインビトロ機能性研究;ならびに(6)PMA刺激後の(DHR)蛍光プローブを用いる、SCIDマウスにおける移植したHSCから回収された分化したミエロイドのスーパーオキシドO2-産生に関するインビトロ機能性FACS研究。
本出願人らは、HSC培養中のCD34 HSC、トランスフェクション、および遺伝子編集において非常に経験が豊かである。トランスフェクション条件と、解凍およびサイトカインを伴う培養後のトランスフェクションの時点とをさらに最適化し得る。遺伝子編集を調べることができ、オリゴマーを、変異部位でのヌクレオチド組込みの効率を調べるために、Hind III認識ヌクレオチドを組み入れるように改変し得る。オリゴマーのサイズおよび濃度ならびにCRISPR比率および濃度は、効率的な遺伝子編集およびHind III組込みを得るために最適化し得る。Hind III認識部位の組込みは、変異遺伝子修正と相関させることができる。効率的な修正効果を得るために、HSCが完全な増殖段階中にあることを可能にするために、解凍後1〜5日間にわたりHSCを培養することが必要または有利であり得る。本出願人らは既に、修正されたCGD患者のHSC由来の分化した好中球においてgp91発現の回復6%超を認めているため、何の問題も予想されない。
臨床翻訳のためのスケールアップ製造プロセス:適切なCGD患者由来の自己HSCを得ることができる。4e8-4e9 HSCは、各々の個体についての臨床治験のために必要とされることが予想される。スケールアップ法および将来の臨床治験の準備のため細胞取扱を次に検討することができる。スケールアップは、2e6 HSCから1e8 HSCまで、次に1e8から1e9または4e9までを開始してもよい。トランスフェクトされた細胞は、インビトロでアッセイする。次に、変異遺伝子は、スケールアップのcGMP準拠の製造プロセスにおいて修正してもよい。インビトロでの修正効率および機能回復を次に評価することができる。そのような修正された患者のHSCの生着を評価するための異種移植モデルにおけるSCIDマウス移植研究も実施してもよい。
以下の実験を、遺伝子修正を確認するために使用することができる:(1)gp91発現の回復をアッセイするためのgp91に対する抗体の使用;(2)gp91陽性細胞の選別、および修正を検証するためのPCRアンプリコンの配列決定;(3)14〜17日目の分化したミエロイド細胞を用いた、ホルボールミリスチン酸アセテート(PMA)の刺激を用いた増強化学発光の測定によるO2-産生のインビトロ機能性研究;(4)14〜17日目の分化したミエロイド細胞を用いた、PMA刺激後のジヒドロローダミン123(DHR)蛍光プローブを用いる、O2-産生の機能性研究のインビトロFACS分析;(5)半固体アガロース中の分化したミエロイドコロニーのPMA刺激後、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)から低下したホルマザンを形成する際のスーパーオキシドO2-産生のインビトロ機能性研究;ならびに(6)PMA刺激後の(DHR)蛍光プローブを用いる、SCIDマウスにおける移植したHSCから回収された分化したミエロイドのスーパーオキシドO2-産に関するインビトロ機能性FACS研究。
本明細書において記載する方法を使用し、遺伝的疾患のための一例のプラットフォームとして、CGDを処置するための効率的な変異修正を伴う多数の自己HSCを製造するための翻訳プラットフォーム技術を開発することができる。提案された研究からの結果を使用し、製造プロセス、分析方法、および製品特性の開発を含む技術移転パッケージを開発し、NIHのcGMP施設でのINDを可能にする研究への翻訳のための試験要件をリリースして、ヒト臨床治験の実施のためのIND申請書の提出をサポートする。本実施例において記載する方法はまた、CGDを処置するための臨床的に関連する数の遺伝子修正自己HSCを製造するための拡張可能なプロセスを開発するために使用することができる。本プロジェクトでは、高生存率、低毒性、および臨床的に関連するレベルの遺伝子修正を伴う変異修正された自己HSCを産生する。さらに、これらの結果は、他の遺伝的疾患の処置のための開発アプローチの適用をさらに検証し、別々のさらなる調査を正当化し得る。
本明細書に開示および特許請求される方法の全てが、本開示に照らして、過度の実験を伴わずに構成されかつ実行されることができる。本発明の組成物および方法を、好ましい態様に関して説明してきたが、バリエーションを、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載する方法および方法の工程または一連の工程に適用し得ることが当業者には明らかであると考えられる。より具体的には、化学的および生理学的の両方で関連する特定の作用物質を、本明細書に記載する作用物質の代わりに使用することができ、同じかまたは類似の結果が達成され得ることは明らかであると考えられる。当業者に明らかな全てのそのような類似の置換および改変が、添付の特許請求の範囲により規定される、本発明の精神内、範囲内、および概念内にあると見なされる。

Claims (81)

  1. (a)100個またはそれ未満のヌクレオチドを有するDNAオリゴと(b)RNA上にコードされたDNA消化剤とを含む組成物をエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程を含む、該細胞における標的ゲノムDNA領域の部位特異的な配列改変のための方法であって、
    該DNAオリゴが、
    (i)該標的ゲノムDNA領域に相同なDNA配列を含む相同領域と、
    (ii)配列改変領域と
    を含み、
    該標的ゲノムDNA領域においてゲノムDNA配列が特異的に改変され、かつ該細胞が幹細胞またはそれらの子孫である、方法。
  2. 前記DNAオリゴが一本鎖でありかつ前記細胞が初代細胞である、請求項1に記載の方法。
  3. (a)DNAオリゴと(b)DNA消化剤とを含む組成物をエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程を含む、該細胞における標的ゲノムDNA領域の部位特異的な配列改変のための方法であって、
    該DNAオリゴが、
    (i)該標的ゲノムDNA領域に相同なDNA配列を含む相同領域と、
    (ii)配列改変領域と
    を含み、
    該標的ゲノムDNA領域においてゲノムDNA配列が特異的に改変される、方法。
  4. エレクトロポレーションが、フローエレクトロポレーションデバイスを用いるフローエレクトロポレーションである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記DNA消化剤が、TALEN、トランスポザーゼ、インテグラーゼ、またはヌクレアーゼである、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記DNA消化剤が、1つまたは複数のRNA上にコードされている、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記DNA消化剤がヌクレアーゼである、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記組成物がCas9をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ヌクレアーゼが、部位特異的なヌクレアーゼである、請求項7および8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記部位組成物がガイドRNAをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記オリゴが一本鎖である、請求項3〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記DNAオリゴが10個超の核酸である、請求項3〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記DNAオリゴが10〜800個の核酸である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記DNAオリゴが10〜600個の核酸である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記DNAオリゴが10〜200個の核酸である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記DNAオリゴが10〜100個の核酸である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記DNAオリゴが10〜50個の核酸である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記組成物中の前記DNAオリゴの濃度が10μg/mLを上回る、請求項3〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記組成物中の前記DNAオリゴの濃度が約10μg/mL〜約500μg/mLである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記組成物中の前記DNAオリゴの濃度が約35μg/mL〜約300μg/mLである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記組成物中の前記DNAオリゴの濃度が約35μg/mL〜約200μg/mLである、請求項20に記載の方法。
  22. 前記組成物が非ウイルス性である、請求項3〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項3〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記細胞がヒト細胞である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記細胞が線維芽細胞である、請求項23に記載の方法。
  26. 前記哺乳動物細胞が末梢血リンパ球である、請求項23に記載の方法。
  27. 前記哺乳動物細胞が、増殖したT細胞である、請求項23に記載の方法。
  28. 前記哺乳動物細胞が幹細胞である、請求項23に記載の方法。
  29. 前記幹細胞が造血幹細胞である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記細胞が間葉系幹細胞である、請求項28に記載の方法。
  31. 前記哺乳動物細胞が初代細胞である、請求項23に記載の方法。
  32. 前記ゲノムDNA配列が疾患関連遺伝子を含む、請求項3〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記ゲノムDNA配列がHBB遺伝子を含む、請求項3〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記配列改変が前記ゲノムDNAの修正であり、該修正により前記HBB遺伝子の6番目のコドンがグルタミン酸コドンに改変される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記疾患が慢性肉芽腫性疾患である、請求項32に記載の方法。
  36. 前記ゲノムDNA配列がgp91phox遺伝子を含む、請求項32または35に記載の方法。
  37. 前記オリゴが、核酸少なくとも10個の相同配列を含む、請求項3〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記オリゴが、核酸少なくとも20個の相同配列を含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記オリゴが、核酸少なくとも30個の相同配列を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記配列改変の効率が3%超である、請求項3〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記配列改変の効率が5%超である、請求項40に記載の方法。
  42. 前記配列改変の効率が10%超である、請求項41に記載の方法。
  43. エレクトロポレーション後の細胞生存率が少なくとも30%である、請求項3〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記エレクトロポレーション後の細胞生存率が少なくとも40%である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記エレクトロポレーション後の細胞生存率が少なくとも50%である、請求項44に記載の方法。
  46. 前記DNA配列改変が、1つまたは複数の停止コドンである、請求項3〜45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記組成物が、異なる相同配列を有する2つまたはそれ以上のDNAオリゴを含む、請求項3〜46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記組成物が、2つまたはそれ以上のDNA消化剤を含む、請求項47に記載の方法。
  49. 前記組成物が、2つまたはそれ以上の部位特異的なDNA消化剤を含み、該DNA消化剤が、異なるゲノム部位を標的にする、請求項48に記載の方法。
  50. 前記配列改変により前記ゲノム配列の1塩基対または複数の塩基対が変化する、請求項3〜49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記配列改変により前記ゲノム配列の1塩基対または複数の塩基対が付加される、請求項3〜49のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記配列改変により前記ゲノム配列の1塩基対または複数の塩基対が欠失する、請求項3〜49のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記細胞が患者から単離された細胞である、請求項3〜52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記細胞のトランスフェクションの1週間前以降の期間に該細胞が前記患者から単離された、請求項53に記載の方法。
  55. 前記細胞のトランスフェクションの1日前以降の期間に該細胞が前記患者から単離された、請求項53に記載の方法。
  56. 前記単離された細胞が凍結されていない、請求項53〜55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記単離された細胞が、2つまたはそれ以上の異なる細胞型を含む、請求項53〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記2つまたはそれ以上の異なる細胞型が、多能性の異なる段階における2つまたはそれ以上の細胞型を含む、請求項53〜56のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記配列改変の効率が3%超である、請求項53〜58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記配列改変の効率が5%超である、請求項59に記載の方法。
  61. 前記配列改変の効率が10%超である、請求項60に記載の方法。
  62. 前記エレクトロポレーション後の細胞生存率が少なくとも30%である、請求項53〜61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記エレクトロポレーション後の細胞生存率が少なくとも40%である、請求項62に記載の方法。
  64. 前記エレクトロポレーション後の細胞生存率が少なくとも50%である、請求項63に記載の方法。
  65. 前記細胞が対象の骨髄から単離されている、請求項53〜64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記細胞が幹細胞を含む、請求項53〜65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記幹細胞が造血幹細胞を含む、請求項66に記載の方法。
  68. 前記幹細胞が細胞表面マーカーCD34+を含む、請求項67に記載の方法。
  69. 前記DNA配列改変を有するクローン細胞を産生するために、単離および選択されたクローン細胞を増殖させる工程をさらに含む、請求項3〜68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 細胞が大規模製造のために増殖される、請求項69に記載の方法。
  71. 細胞が1L超の容積で増殖される、請求項69または70に記載の方法。
  72. 細胞が3Lまたはそれ以上の容積で増殖される、請求項71に記載の方法。
  73. 前記細胞が無血清培地中で培養される、請求項3〜72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記配列改変について前記細胞をスクリーニングする工程をさらに含む、請求項3〜73のいずれか一項に記載の方法。
  75. トランスフェクトされた細胞を凍結させる工程をさらに含む、請求項3〜74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 以前に凍結させたトランスフェクトされた細胞を増殖させる工程をさらに含む、請求項3〜75のいずれか一項に記載の方法。
  77. (a)DNAオリゴと(b)消化剤とを含む組成物をエレクトロポレーションにより細胞にトランスフェクトする工程であって、
    ドナーDNAが、
    (i)標的ゲノムDNA領域に相同な核酸配列を含む相同領域と、
    (ii)配列改変領域と
    を含む、工程;および
    該標的ゲノムDNA領域におけるゲノムDNA配列改変について、トランスフェクトされた細胞をスクリーニングする工程;
    クローン細胞を得るために、限界希釈によりスクリーニングしたトランスフェクトされた細胞を単離する工程;
    該ゲノムDNA配列改変を含む安定な細胞株を産生するために、単離したトランスフェクトされた細胞を増殖させる工程
    を含む、該標的ゲノムDNA配列の該ゲノムDNA配列改変を含む安定な細胞株を産生するための方法。
  78. 請求項77に記載の方法により産生された細胞株。
  79. 請求項3〜78のいずれか一項に記載の方法を使用して産生された、エレクトロポレーションされた細胞。
  80. 請求項79に記載のエレクトロポレーションされた細胞または請求項78に記載の細胞株の有効量を投与する工程により、疾患もしくは状態を有するかまたは疾患もしくは状態を有することが疑われる対象を処置する方法。
  81. 請求項79に記載のエレクトロポレーションされた細胞または請求項78に記載の細胞株の有効量を投与する工程を含む、臨床研究方法。
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