JP2017512808A - 置換されているピラゾリル−ニコチン(チオ)アミド誘導体及び殺菌剤としてのそれらの使用 - Google Patents

置換されているピラゾリル−ニコチン(チオ)アミド誘導体及び殺菌剤としてのそれらの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2017512808A
JP2017512808A JP2016559989A JP2016559989A JP2017512808A JP 2017512808 A JP2017512808 A JP 2017512808A JP 2016559989 A JP2016559989 A JP 2016559989A JP 2016559989 A JP2016559989 A JP 2016559989A JP 2017512808 A JP2017512808 A JP 2017512808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl
chloro
butyl
fluoroethyl
methylbutyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016559989A
Other languages
English (en)
Inventor
デュボ,クリストフ
モンターニュ,シリル
ヴアツヒエンドルフ−ノイマン,ウルリーケ
ヴィンター,フィリップ
ブリュネ,ステファン
フォルス,ジャン−ピエール
コクロン,ピエール−イブ
グロイル,ニコ・ヨルグ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bayer CropScience AG
Original Assignee
Bayer CropScience AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bayer CropScience AG filed Critical Bayer CropScience AG
Publication of JP2017512808A publication Critical patent/JP2017512808A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N43/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
    • A01N43/48Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with two nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
    • A01N43/561,2-Diazoles; Hydrogenated 1,2-diazoles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D401/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom
    • C07D401/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings
    • C07D401/12Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing two hetero rings linked by a chain containing hetero atoms as chain links

Abstract

本発明は、新規置換されているピラゾリル−ニコチン(チオ)アミド誘導体、それら化合物を調製する方法、それら化合物を含んでいる組成物、並びに、生物学的に活性な化合物としての、特に、作物保護及び材料物質の保護において有害な微生物を防除するための、それらの使用に関する。

Description

本発明は、新規置換されているピラゾリル−ニコチン(チオ)アミド誘導体、それら化合物を調製する方法、それら化合物を含んでいる組成物、並びに、生物学的に活性な化合物としての、特に、作物保護及び材料物質(materials)の保護において有害な微生物を防除するための、それらの使用に関する。
現代の作物保護剤に求められる生態学的及び経済学的な要求、例えば、活性スペクトル、毒性、選択性、施用量、残留物の形成及び望ましい製造方法などに関する要求は、継続的に増大しており、また、さらに、例えば抵抗性に関する問題も存在し得るので、少なくとも一部の領域において既知作物保護組成物よりも有利な点を有している新規作物保護組成物(特に、殺菌剤)を開発することは、絶えず求められている。
JP2012056944、JP2010202649、JP201205694及びEP1329160には、殺菌特性を有するピラゾリル−カルボキサミド類が開示されている。
「Journal of Pharmaceutical Sciences Vol. 78, No.6, 1989, p.437」には、特定の末梢ベンゾジアゼピン結合部位に結合しているピラゾリル−ニコチンアミド誘導体が開示されている。
日本国特許出願公表第2012056944号 日本国特許出願公開第2010202649号 日本国特許出願公表第201205694号 欧州特許出願公開第1329160号
Journal of Pharmaceutical Sciences Vol. 78, No.6, 1989, p.437
驚くべきことに、本発明の置換されているピラゾリル−ニコチン(チオ)アミド誘導体が、上記目的の少なくとも幾つかの面を達成し、そして、作物保護組成物として、特に、殺菌剤として、使用するのに適しているということが分かった。
本発明は、一般式(I)
Figure 2017512808
〔式中、
Zは、ハロゲン、CN、NH、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルキルオキシ、C−C−ハロアルキルオキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニルから選択され;
は、H、ハロゲン、CN、NH、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルキルオキシ、C−C−ハロアルキルオキシ、トリ(C−C)アルキルシリル、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニルから選択され;
は、H、ハロゲン、CN、NH、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルキルオキシ、C−C−ハロアルキルオキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニルから選択され;
Yは、ハロゲン、CN、NH、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、フェニル又はチオフェン(ここで、これらは、1以上のR基で置換されていてもよい)から選択され;
Qは、フェニル又はチオフェン(ここで、これらは、1以上のR基で置換されていてもよい)であるか、1〜9個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭素鎖(ここで、1〜3の隣接していない−CH−基は、互いに独立して、O、NR、S、SO、SO、COから選択される基で置き換えられていてもよく、及び、1〜5個の水素原子は、互いに独立して、C−C−シクロアルキル、ハロゲンで置き換えられていてもよく、又は、1〜5個の水素原子は、互いに独立して、フェニル又はチオフェン(ここで、これらは、1以上のR基で置換されていてもよい)で置き換えられていてもよい)であり;
は、水素、ハロゲン、ニトロ、NH、シアノ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル;C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−シクロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C)アルキルシリル、C−C−アルキニルオキシ、アリールオキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノを表し;又は、
2つのビシナル置換基Rは、それらが結合している連続する炭素原子と一緒に、5員又は6員の飽和又は不飽和の炭素環又はヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、3個以下のヘテロ原子を含んでいる)を形成し;
Tは、O又はSであり;
は、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル及びC−C−シクロアルキルを表す;
但し、
Qは、メチルは表さず;及び、
Y及びXは、ZがC−C−ハロアルキルを表す場合にのみ、同時にメチルを表す;
及び、
但し、
式(I)は、2−クロロ−N−[1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミド又は2−クロロ−N−[3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミドを表さない〕
で表される化合物、並びに、その塩、溶媒和物、N−オキシド、塩及びN−オキシドの溶媒和物に関する。
本発明の目的のためのは、好ましくは、本発明による化合物の農芸化学的に活性な塩である。
農芸化学的に活性な塩としては、無機酸及び有機酸の酸付加塩や、慣習的な塩基の塩などがある。無機酸の例は、ハロゲン化水素酸(例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素)、硫酸、リン酸及び硝酸、並びに、酸性塩(例えば、重硫酸ナトリウム及び重硫酸カリウム)である。有用な有機酸としては、例えば、ギ酸、炭酸及びアルカン酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸及びプロピオン酸)、並びに、さらに、グリコール酸、チオシアン酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、シュウ酸、6〜20個の炭素原子を有する飽和又は一不飽和又は二不飽和の脂肪酸、アルキル硫酸モノエステル、アルキルスルホン酸(1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルを有しているスルホン酸)、アリールスルホン酸又はアリールジスルホン酸(1又は2のスルホン酸基を有している、フェニル及びナフチルなどの芳香族ラジカル)、アルキルホスホン酸(1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルを有しているホスホン酸)、アリールホスホン酸又はアリールジホスホン酸(1又は2のホスホン酸ラジカルを有している、フェニル及びナフチルなどの芳香族ラジカル)などを挙げることができ、ここで、前記アルキルラジカル及びアリールラジカルは、さらなる置換基も有することができる(例えば、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸など)。
本発明の化合物又はそれらの塩の溶媒和物は、該化合物と溶媒の化学量論的な組成物である。
残基のそれぞれの組合せ又は好ましい組合せにおいて具体的に示されている残基の定義は、さらにまた、その残基に関して示されている特定の組合せに関係なく、必要に応じて、別の組合せの残基の定義よって置き換えられる。上記で記載した好ましい範囲の2つ以上の組合せは、特に好ましい。
置換されていてもよい基は、1置換又は多置換されることが可能であり、多置換の場合における当該置換基は、同一であっても又は異なっていてもよい。
自然法則に反し、従って、当業者が自身の専門知識に基づいて除外するであろう組合せは含まれない。例えば、隣接する3個以上の酸素原子を有する環構造は除外される。
有用な金属イオンは、特に、第2主族の元素(特に、カルシウム及びマグネシウム)のイオン、第3及び第4主族の元素(特に、アルミニウム、スズ及び鉛)のイオン、並びに、さらに、第1〜第8遷移族の元素(特に、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛など)のイオンである。特に好ましいのは、第4周期の元素の金属イオンである。ここで、該金属は、可能なさまざまな原子価で存在することができる。
本発明の化合物は、不斉中心の種類又は束縛回転によって、異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)の形態で存在し得る。当該不斉中心が(R)立体配置、(S)立体配置又は(R,S)立体配置にある、任意の異性体が存在し得る。
本発明の化合物のなかに2つ以上の不斉中心が存在する場合、例示されている構造の数種類のジアステレオマー及びエナンチオマーが多くの場合に可能であること、及び、純粋なジアステレオマー及び純粋なエナンチオマーが好ましい実施形態を代表するということも、理解されるであろう。純粋な立体異性体、純粋なジアステレオマー、純粋なエナンチオマー及びそれらの混合物は、本発明の範囲内にあるということが意図されている。
本発明の化合物はいずれも、その化合物内の二重結合の数に応じて、1種類以上の幾何異性体形態でも存在し得る。二重結合又は環の周囲の置換基の種類による幾何異性体は、シス(=Z−)形態又はトランス(=E−)形態で存在し得る。かくして、本発明は、等しく、全ての幾何異性体及びその全ての比率における可能な全ての混合物に関する。当業者は、自体公知の一般的な方法により、幾何異性体を分離させることができる。
別途示されていない限り、以下の定義は、本明細書及び特許請求の範囲をとおして使用される置換基及び残基に適用される。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素のラジカルを表す。好ましいのは、フッ素又は塩素のラジカルである。
アルキルは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素ラジカルを表す。非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−3−メチルプロピル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−プロピルペンチル及び2−プロピルペンチルなどを挙げることができ、特に、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルエチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、3−メチルペンチル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−エチル−3−メチルブチル、1−メチルヘプチル、1,2−ジメチルヘキシル、1,3−ジメチルオクチル、4−メチルオクチル、1,2,2,3−テトラメチルブチル、1,3,3−トリメチルブチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,3−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルヘキシル、5−メチル−3−ヘキシル、2−メチル−4−ヘプチル及び1−メチル−2−シクロプロピルエチルなどを挙げることができる。好ましいのは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素ラジカルを表す(C−C)−アルキルである。
ハロアルキルは、一般に、1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカルにおいて、1個から最大で全ての水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、前記アルキルラジカルを表す。非限定的な例としては、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロ−1−メチルブチル、2−クロロ−1−メチルブチル、1−クロロブチル、3,3−ジクロロ−1−メチルブチル、3−クロロ−1−メチルブチル、1−メチル−3−トリフルオロメチルブチル、3−メチル−1−トリフルオロメチルブチルなどを挙げることができる。
シクロアルキルは、3〜8個(好ましくは、3〜6個)の炭素原子を有する単環式飽和炭化水素ラジカルを表す。非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルなどを挙げることができる。
炭素環式環は、3〜8個(好ましくは、3〜6個)の炭素原子を有する飽和又は部分的不飽和の単環式炭化水素ラジカルを表す。非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロヘキサジエニルなどを挙げることができる。
ハロシクロアルキル及びハロ炭素環式環は、一般に、3〜8個(好ましくは、3〜6個)の炭素原子を有する単環式飽和炭化水素ラジカルにおいて、1個から最大で7個までの水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、前記単環式飽和炭化水素ラジカルを表す。非限定的な例としては、クロロシクロプロピル、ジクロロシクロプロピル、ジブロモシクロプロピル、フルオロシクロプロピル、クロロシクロペンチル及びクロロシクロヘキシルなどを挙げることができる。
アルケニルは、2〜8個(好ましくは、2〜6個)の炭素原子を有し、及び、いずれかの位置に1つ又は2つの二重結合を有している、直鎖又は分枝鎖の不飽和炭化水素ラジカルを表す。非限定的な例としては、エテニル、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル、1−メチルエテニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル、1−メチルプロパ−1−エニル、2−メチルプロパ−1−エニル、1−メチルプロパ−2−エニル、2−メチルプロパ−2−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−2−エニル、ペンタ−3−エニル、ペンタ−4−エニル、1−メチルブタ−1−エニル、2−メチルブタ−1−エニル、3−メチルブタ−1−エニル、1−メチルブタ−2−エニル、2−メチルブタ−2−エニル、3−メチルブタ−2−エニル、1−メチルブタ−3−エニル、2−メチルブタ−3−エニル、3−メチルブタ−3−エニル、1,1−ジメチルプロパ−2−エニル、1,2−ジメチルプロパ−1−エニル、1,2−ジメチルプロパ−2−エニル、1−エチルプロパ−1−エニル、1−エチルプロパ−2−エニル、ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニル、ヘキサ−5−エニル、1−メチルペンタ−1−エニル、2−メチルペンタ−1−エニル、3−メチルペンタ−1−エニル、4−メチルペンタ−1−エニル、1−メチルペンタ−2−エニル、2−メチルペンタ−2−エニル、3−メチルペンタ−2−エニル、4−メチルペンタ−2−エニル、1−メチルペンタ−3−エニル、2−メチルペンタ−3−エニル、3−メチルペンタ−3−エニル、4−メチルペンタ−3−エニル、1−メチルペンタ−4−エニル、2−メチルエンタ−4−エニル、3−メチルペンタ−4−エニル、4−メチルペンタ−4−エニル、1,1−ジメチルブタ−2−エニル、1,1,−ジメチルブタ−3−エニル、1,2−ジメチルブタ−1−エニル、1,2−ジメチルブタ−2−エニル、1,2−ジメチルブタ−3−エニル、1,3−ジメチルブタ−1−エニル、1,3−ジメチルブタ−2−エニル、1,3−ジメチルブタ−3−エニル、2,2−ジメチルブタ−3−エニル、2,3−ジメチルブタ−1−エニル、2,3−ジメチルブタ−2−エニル、2,3−ジメチルブタ−3−エニル、3,3−ジメチルブタ−1−エニル、3,3−ジメチルブタ−2−エニル、1−エチルブタ−1−エニル、1−エチルブタ−2−エニル、1−エチルブタ−3−エニル、2−エチルブタ−1−エニル、2−エチルブタ−2−エニル、2−エチルブタ−3−エニル、1,1,2−トリメチルプロパ−2−エニル、1−エチル−1−メチルプロパ−2−エニル、1−エチル−2−メチルプロパ−1−エニル及び1−エチル−2−メチルプロパ−2−エニルなどを挙げることができる。
シクロアルケニルは、5〜10個の炭素原子及び1〜3の二重結合を有している単環式又は二環式の部分的不飽和炭化水素ラジカルを表す。非限定的な例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、インダニル及びテトラヒドロナフタレニルなどを挙げることができる。
アルキニルは、2〜8個(好ましくは、2〜6個)の炭素原子を有し、及び、いずれかの位置に1つの三重結合を有している、直鎖又は分枝鎖のヒドロカルビル基を表す。非限定的な例としては、エチニル、プロパ−1−イニル、プロパ−2−イニル、ブタ−1−イニル、ブタ−2−イニル、ブタ−3−イニル、1−メチルプロパ−2−イニル、ペンタ−1−イニル、ペンタ−2−イニル、ペンタ−3−イニル、ペンタ−4−イニル、1−メチルブタ−2−イニル、1−メチルブタ−3−イニル、2−メチルブタ−3−イニル、3−メチルブタ−1−イニル、1,1−ジメチルプロパ−2−イニル、1−エチルプロパ−2−イニル、ヘキサ−1−イニル、ヘキサ−2−イニル、ヘキサ−3−イニル、ヘキサ−4−イニル、ヘキサ−5−イニル、1−メチルペンタ−2−イニル、1−メチルペンタ−3−イニル、1−メチルペンタ−4−イニル、2−メチルペンタ−3−イニル、2−メチルペンタ−4−イニル、3−メチルペンタ−1−イニル、3−メチルペンタ−4−イニル、4−メチルペンタ−1−イニル、4−メチルペンタ−2−イニル、1,1−ジメチルブタ−2−イニル、1,1−ジメチルブタ−3−イニル、1,2−ジメチルブタ−3−イニル、2,2−ジメチルブタ−3−イニル、3,3−ジメチルブタ−1−イニル、1−エチルブタ−2−イニル、1−エチルブタ−3−イニル、2−エチルブタ−3−イニル及び1−エチル−1−メチルプロパ−2−イニルなどを挙げることができる。
ハロアルケニルは、一般に、2〜8個の炭素原子を有するアルケニルラジカルにおいて、1個から最大で全ての水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、前記アルケニルラジカルを表す。非限定的な例としては、3−ブロモ−2−プロペニル、2−ブロモ−2−プロペニル、3−クロロ−2−プロペニル及び2−クロロ−2−プロペニルなどを挙げることができる。
ハロアルキニルは、一般に、2〜8個の炭素原子を有するアルキニルラジカルにおいて、1個から最大で全ての水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、前記アルキニルラジカルを表す。非限定的な例としては、2−ヨードプロピニル及び2−ブロモプロピニルなどを挙げることができる。
アルコキシは、1〜4個の原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和アルコキシラジカルを表す。非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、1−メチルプロポキシ、2−メチルプロポキシ、1,1−ジメチルエトキシなどを挙げることができる。
ハロアルコキシは、1〜4個の原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和アルコキシラジカルにおいて、1個から最大で全ての水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、前記アルコキシラジカルを表す。非限定的な例としては、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1−クロロエトキシ、1−ブロモエトキシ、1−フルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−クロロ−2−フルオロエトキシ、2−クロロ−2,2−ジフルオロエトキシ、2,2−ジクロロ−2−フルオロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ及び1,1,1−トリフルオロプロパ−2−オキシなどを挙げることができる。
モノアルキルアミノは、その窒素原子に結合している1〜4個の炭素原子を有する1つのアルキル残基を有しているアミノラジカルを表す。非限定的な例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノなどを挙げることができる。
ジアルキルアミノは、その窒素原子にそれぞれが結合している1〜4個の炭素原子を有する2つの独立して選択されたアルキル残基を有しているアミノラジカルを表す。非限定的な例としては、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジイソプロピルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノなどを挙げることができる。
アルキルチオは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和アルキル残基を有しているチオールラジカルを表す。非限定的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソ−プロピルチオ、1−メチルエチルチオ、n−ブチルチオ及びtert−ブチルチオなどを挙げることができる。
アルキルスルホニルは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和アルキル残基を有しているスルホンラジカルを表す。非限定的な例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、1−メチルエチルスルホニル、ブチルスルホニル、1−メチルプロピルスルホニル、2−メチルプロピルスルホニル、1,1−ジメチルエチルスルホニル、ペンチルスルホニル、1−メチルブチルスルホニル、2−メチルブチルスルホニル、3−メチルブチルスルホニル、2,2−ジメチルプロピルスルホニル、1−エチルプロピルスルホニル、ヘキシルスルホニル、1,1−ジメチルプロピルスルホニル、1,2−ジメチルプロピルスルホニル、1−メチルペンチルスルホニル、2−メチルペンチルスルホニル、3−メチルペンチルスルホニル、4−メチルペンチルスルホニル、1,1−ジメチルブチルスルホニル、1,2−ジメチルブチルスルホニル、1,3−ジメチルブチルスルホニル、2,2−ジメチル−ブチルスルホニル、2,3−ジメチルブチルスルホニル、3,3−ジメチルブチルスルホニル、1−エチルブチルスルホニル、2−エチルブチルスルホニル、1,1,2−トリメチルプロピルスルホニル、1,2,2−トリメチルプロピルスルホニル、1−エチル−1−メチルプロピルスルホニル及び1−エチル−2−メチルプロピルスルホニルなどを挙げることができる。
ヘテロ環及びヘテロ環式環は、総数で3〜7個、例えば、2〜6個の炭素原子と1から最大で3までのヘテロ原子及び/又はヘテロ基(ここで、該ヘテロ原子及び/又はヘテロ基は、独立して、N、O、S、SO、SO及びジ−(C−C)−アルキルシリルからなる群から選択される)を有している飽和又は部分的不飽和の単環式ヘテロ環式ラジカル(ここで、該環系は、環炭素原子を介して結合し得るか、又は、可能な場合には、環窒素原子を介して結合し得る)を表す。非限定的な例としては、オキシラニル、アジリジニル、オキセタン−2−イル、オキセタン−3−イル、アゼチジン−2−イル、アゼチジン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、チオラン−2−イル、チオラン−3−イル、スルホラン−2−イル、スルホラン−3−イル、イソオキサゾリジン−3−イル、イソオキサゾリジン−4−イル、イソオキサゾリジン−5−イル、イソチアゾリジン−3−イル、イソチアゾリジン−4−イル、イソチアゾリジン−5−イル、ピラゾリジン−3−イル、ピラゾリジン−4−イル、ピラゾリジン−5−イル、オキサゾリジン−2−イル、オキサゾリジン−4−イル、オキサゾリジン−5−イル、チアゾリジン−2−イル、チアゾリジン−4−イル、チアゾリジン−5−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、1,2,4−オキサジアゾリジン−3−イル、1,2,4−オキサジアゾリジン−5−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−3−イル、1,2,4−チアジアゾリジン−5−イル、1,2,4−トリアゾリジン−3−イル、1,3,4−オキサジアゾリジン−2−イル、1,3,4−チアジアゾリジン−2−イル、1,3,4−トリアゾリジン−2−イル、2,3−ジヒドロフラ−2−イル、2,3−ジヒドロフラ−3−イル、2,4−ジヒドロフラ−2−イル、2,4−ジヒドロフラ−3−イル、2,3−ジヒドロチエン−2−イル、2,3−ジヒドロチエン−3−イル、2,4−ジヒドロチエン−2−イル、2,4−ジヒドロチエン−3−イル、2−ピロリン−2−イル、2−ピロリン−3−イル、3−ピロリン−2−イル、3−ピロリン−3−イル、2−イソオキサゾリン−3−イル、3−イソオキサゾリン−3−イル、4−イソオキサゾリン−3−イル、2−イソオキサゾリン−4−イル、3−イソオキサゾリン−4−イル、4−イソオキサゾリン−4−イル、2−イソオキサゾリン−5−イル、3−イソオキサゾリン−5−イル、4−イソオキサゾリン−5−イル、2−イソチアゾリン−3−イル、3−イソチアゾリン−3−イル、4−イソチアゾリン−3−イル、2−イソチアゾリン−4−イル、3−イソチアゾリン−4−イル、4−イソチアゾリン−4−イル、2−イソチアゾリン−5−イル、3−イソチアゾリン−5−イル、4−イソチアゾリン−5−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−1−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−2−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−3−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロピラゾール−5−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−1−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−3−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−4−イル、3,4−ジヒドロピラゾール−5−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−1−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−3−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−4−イル、4,5−ジヒドロピラゾール−5−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−2−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−3−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−4−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−5−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−2−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−3−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−4−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−5−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−2−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−3−イル、3,4−ジヒドロオキサゾール−4−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、1,3−ジオキサン−5−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−2−イル、テトラヒドロチオピラン−3−イル、テトラヒドロチオピラン−4−イル、ヘキサヒドロピリダジン−3−イル、ヘキサヒドロピリダジン−4−イル、ヘキサヒドロピリミジン−2−イル、ヘキサヒドロピリミジン−4−イル、ヘキサヒドロピリミジン−5−イル、ピペラジン−2−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、チオモルホリン−2−イル、チオモルホリン−3−イル、1,1−ジオキシドチオモルホリン−2−イル、1,1−ジオキシドチオモルホリン−3−イル、1,3,5−ヘキサヒドロトリアジン−2−イル及び1,2,4−ヘキサヒドロトリアジン−3−イルなどを挙げることができる。
ヘテロアリール及びヘテロアリール環は、一般に、総数で5個又は6個の環原子、例えば、1〜5個の炭素原子と最大で4個までのヘテロ原子(ここで、該ヘテロ原子は、独立して、N、O及びSからなる群から選択される)を有している単環式芳香族ヘテロ環式ラジカル(ここで、該環系は、環炭素原子を介して結合し得るか、又は、可能な場合には、環窒素原子を介して結合し得る)を表す。非限定的な例としては、フリル、ピロリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニルなどを挙げることができる。好ましいのは、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル及びピリミジニルである。
オキソは、二重に結合している酸素原子を表す。
チオオキソは、二重に結合している硫黄原子を表す。
好ましいのは、一般式(I)〔式中、
Zは、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−3−メチルプロピル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロ−1−メチルブチル、2−クロロ−1−メチルブチル、1−クロロブチル、3,3−ジクロロ−1−メチルブチル、3−クロロ−1−メチルブチル、1−メチル−3−トリフルオロメチルブチル、3−メチル−1−トリフルオロメチルブチルから選択され;
は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−3−メチルプロピル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロ−1−メチルブチル、2−クロロ−1−メチルブチル、1−クロロブチル、3,3−ジクロロ−1−メチルブチル、3−クロロ−1−メチルブチル、1−メチル−3−トリフルオロメチルブチル、3−メチル−1−トリフルオロメチルブチル、CN、NO、メチルオキシ、エチルオキシ、メチルスルファニル、エチルスルファニル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシから選択され;
は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−3−メチルプロピル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロ−1−メチルブチル、2−クロロ−1−メチルブチル、1−クロロブチル、3,3−ジクロロ−1−メチルブチル、3−クロロ−1−メチルブチル、1−メチル−3−トリフルオロメチルブチル、3−メチル−1−トリフルオロメチルブチル、CN、NOから選択され;
Yは、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、フェニル(ここで、該フェニルは、1以上のR基で置換されていてもよい)から選択され;
Qは、フェニル又はチオフェン(ここで、これらは、1以上のR基で置換されていてもよい);C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、(C−C−シクロアルキル)−C−C−アルキル、(C−C−シクロアルキル)−C−C−アルキルオキシ、(C−C−アルキル)−C−C−アルキルオキシ、C−C−アルキルフェニル(ここで、該アルキルフェニルは、1以上のR基で置換されていてもよい)から選択され;
は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル;C−C−ハロアルキル;C−C−シクロアルキル;C−C−アルコキシ;C−C−ハロアルコキシ;C−C−シクロアルキルオキシ;C−C−アルキルスルファニル;C−C−ハロアルキルスルファニル;C−C−シクロアルキルスルファニル;C−C−アルキルスルホニル;C−C−ハロアルキルスルホニル;C−C−シクロアルキルスルホニル;C−C−アルキニルオキシを表し;
Tは、O又はSであり;
但し、
Y及びXは、ZがC−C−ハロアルキルを表す場合にのみ、同時にメチルを表す;
及び、
但し、
式(I)は、2−クロロ−N−[1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミド又は2−クロロ−N−[3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミドを表さない〕
で表される化合物、並びに、その塩、溶媒和物、N−オキシド、塩及びN−オキシドの溶媒和物である。
さらに好ましいのは、一般式(I)〔式中、
Zは、フッ素、塩素、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチルから選択され;
は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、CN、NO、メチルオキシ、エチルオキシから選択され;
は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、CNから選択され;
Yは、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、フェニル(ここで、該フェニルは、1以上のR基で置換されていてもよい)から選択され;
Qは、1以上のR基で置換されていてもよいフェニルから選択され;
は、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル;C−C−ハロアルキル;C−C−アルコキシ;C−C−ハロアルコキシから選択され;
Tは、Oである;
但し、
Y及びXは、ZがC−C−ハロアルキルを表す場合にのみ、同時にメチルを表す;
及び、
但し、
式(I)は、2−クロロ−N−[1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミド又は2−クロロ−N−[3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミドを表さない〕
で表される化合物、並びに、その塩、溶媒和物、N−オキシド、塩及びN−オキシドの溶媒和物である。
さらにまた、さらに好ましいのは、一般式(I)〔式中、
Zは、フッ素、塩素、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチルから選択され;
は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、CN、NO、メチルオキシ、エチルオキシから選択され;
は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、CNから選択され;
Yは、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、フェニル(ここで、該フェニルは、1以上のR基で置換されていてもよい)から選択され;
Qは、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−3−メチルプロピル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、1−エチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−プロピルペンチル及び2−プロピルペンチルから選択され、特に、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルエチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、3−メチルペンチル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−エチル−3−メチルブチル、1−メチルヘプチル、1,2−ジメチルヘキシル、1,3−ジメチルオクチル、4−メチルオクチル、1,2,2,3−テトラメチルブチル、1,3,3−トリメチルブチル、1,2,3−トリメチルブチル、1,3−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルヘキシル、5−メチル−3−ヘキシル、2−メチル−4−ヘプチルから選択され;又は、
Qは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルから選択され;
Tは、Oである;
但し、
Y及びXは、ZがC−C−ハロアルキルを表す場合にのみ、同時にメチルを表す;
及び、
但し、
式(I)は、2−クロロ−N−[1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミド又は2−クロロ−N−[3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミドを表さない〕
で表される化合物、並びに、その塩、溶媒和物、N−オキシド、塩及びN−オキシドの溶媒和物である。
特に好ましいのは、一般式(I)〔式中、
Zは、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチル、エチル、臭素から選択され;
は、H、F、Cl、メチルであり;
は、Hであり;
Yは、塩素、臭素、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、エチル、イソプロピル、メチル、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニルから選択され;
Qは、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−ジフルオロメチルフェニル、3−ジフルオロメチルフェニル、4−ジフルオロメチルフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニルから選択され;
Tは、Oである〕
で表される化合物、並びに、その塩、溶媒和物、N−オキシド、塩及びN−オキシドの溶媒和物である。
さらにまた、好ましいのは、一般式(IV)
Figure 2017512808
〔式中、R、Y及びXは、上記で記載した好ましい定義を有する〕
で表される化合物である。
調製方法及び中間体についての説明
式(I−a)で表されるカルボキサミド、即ち、式(I)〔式中、Tは酸素を表す〕で表されるカルボキサミドは、式(II)で表されるハロゲン化カルボニル又は酸を、場合によりカップリング剤の存在下、場合により酸結合剤の存在下、及び、場合により希釈剤の存在下で、式(III)で表されるアミンと反応させれば得られる[調製方法(a)]:
Figure 2017512808
式(II)は、本発明による調製方法(a)を実施するための出発物質として必要とされるハロゲン化カルボニル又は酸の一般的な定義を与えている。
この式(II)において、Z及びXは、一般的に及び好ましくは、式(I)で表される化合物についての記載に関連して、これらのラジカルに対して既に記載されている意味を有する。Mは、ハロゲン、ヒドロキシル又は活性化ヒドロキシル基を表す。Mは、好ましくは、フッ素、塩素又はヒドロキシルを表し、特に好ましくは、塩素又はヒドロキシルを表す。
活性化ヒドロキシル基は、当該ヒドロキシルが隣接するカルボニルと一緒にエステルを形成することを意味し、ここで、該エステルは、自発的にアミノ基と反応する。一般的な活性化エステルとしては、p−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、スクシンイミドエステル又はリン無水物(phosphorous anhydrides)などがある。
式(III)は、本発明による調製方法(a)を実施するための出発物質として必要とされるアミンの一般的な定義を与えている。
この式(III)において、Q、Y及びXは、概して、好ましくは、特に好ましくは、極めて特に好ましくは、式(I)で表される化合物についての記載に関連してこれらのラジカルに対して既に記載されている意味を有する。
式(II)で表されるハロゲン化カルボニル又は酸は、「Chem. Commun., 2008, 4207−4209」に記載されている方法と同様の方法を用いて調製することができる。
式(III)で表されるアミンは、JP2010202648に記載されている方法と同様の方法を用いて調製することができる。
式(I−b)で表されるチオカルボキサミド、即ち、式(I)〔式中、Tは硫黄を表す〕で表されるカルボキサミドは、式(I−a)で表されるカルボキサミドを、場合により希釈剤の存在下、及び、場合により触媒量又は化学量論的量又はそれより多い量の塩基の存在下で、チオン化剤(thionating agent)と反応させれば得られる[調製方法(b)]:
Figure 2017512808
本発明による調製方法(a)及び調製方法(b)を実施するのに適している希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。そのようなものとしては、好ましくは、以下のものを挙げることができる: 脂肪族、脂環式又は芳香族の炭化水素類、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素類、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ケトン類、例えば、アセトン、ブタノン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、n−ブチロニトリル、i−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;それらと水の混合物、又は、純粋な水。
Mがハロゲンを表す場合、本発明による調製方法(a)は、適切な場合には、適切な酸受容体の存在下で実施する。適切な酸受容体は、慣習的な全ての無機塩基又は有機塩基である。そのようなものとしては、好ましくは、以下のものを挙げることができる: アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコレート、酢酸塩、炭酸塩又は重炭酸塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム又は炭酸アンモニウム、並びに、さらに、第3級アミン類、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−ベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)。
Mがヒドロキシルを表す場合、本発明による調製方法(a)は、適切な場合には、適切なカップリング剤の存在下で実施する。適切なカップリング剤は、慣習的な全てのカルボニル活性化剤である。そのようなものとしては、好ましくは、以下のものを挙げることができる: N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチル−カルボジイミド−塩酸塩、N,N’−ジ−sec−ブチルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−3−エチルカルボジイミドメチオジド、2−ブロモ−3−エチル−4−メチルチアゾリウムテトラフルオロボレート、N,N−ビス[2−オキソ−3−オキサゾリジニル]ホスホロジアミド酸クロリド、クロロトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)ウロニウムテトラフルオロボレート、N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)クロロウロニウムテトラフルオロボレート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,N−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール。これらの試薬は、単独で使用することが可能であるが、組合せて使用することも可能である。
式(I−a)で表される化合物を調製するために本発明による調製方法(a)を実施する場合、式(II)で表されるハロゲン化カルボニル又は酸の1モル当たり、一般に、0.2〜5mol、好ましくは、0.5〜2molの、式(III)で表されるアミンを使用する。後処理は、慣習的な方法で実施する。
式(I−b)で表される化合物を調製するために本発明による調製方法(b)を実施する場合、式(I−a)で表される出発アミド誘導体は、調製方法(a)に従って調製することができる。
本発明による調製方法(b)を実施するのに適したチオン化剤は、硫黄(S)、メルカプト酸(sulfhydric acid)(HS)、硫化ナトリウム(NaS)、水硫化ナトリウム(NaHS)、三硫化ホウ素(B)、ビス(ジエチルアルミニウム)スルフィド((AlEtS)、硫化アンモニウム((NHS)、五硫化リン(phosphorous pentasulfide)(P)、ローソン試薬(2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,2,3,4−ジチアジホスフェタン 2,4−ジスルフィド)又はポリマー担持チオン化試薬(例えば、「J. Chem. Soc., Perkin 1 2001, 358」に記載されているポリマー担持チオン化試薬)であり得る。
上記調製方法(a)及び調製方法(b)は、一般に大気圧下で実施する。しかしながら、高圧下又は減圧下(一般に、0.1バール〜100バール)で実施することも可能である。
本発明による調製方法(a)及び調製方法(b)を実施する場合、その反応温度は、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、該調製方法は、0℃〜150℃の温度で、好ましくは、20℃〜110℃の温度で実施する。
式(I)で表される化合物は、強力な殺微生物活性(microbicidal activity)を有しており、作物保護及び材料物質(materials)の保護において、望ましくない微生物(例えば、菌類及び細菌類)を防除するために使用することができる。
本発明による式(I)で表される化合物は、極めて良好な殺菌特性を有しており、作物保護において、例えば、ネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)などを防除するために、使用することができる。
本発明は、さらに、望ましくないな微生物を防除する方法にも関し、ここで、該方法は、式(I)で表される化合物を当該微生物及び/又はそれらの生息環境に施用することを特徴とする。
本発明に従って、全ての植物及び植物の部分を処理することができる。ここで、植物というのは、望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(自然発生した作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味するものと理解される。作物植物は、慣習的な育種法と最適化法によって、又は、生物工学的方法と遺伝子工学的方法によって、又は、それら方法を組み合わせたものによって得ることが可能な植物であることができる。そのような作物植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、植物育種家の権利によって保護され得るか又は保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、枝条、葉、花及び根などの、植物の地上及び地下の全ての部分及び全ての器官を意味するものと理解され、その例としては、葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子、並びに、さらに、根、塊茎及び根茎などを挙げることができる。植物の部分には、さらに、収穫物、並びに、栄養繁殖器官及び生殖繁殖器官(vegetative and generative propagation material)、例えば、挿木(cutting)、塊茎、根茎、接ぎ穂(slip)及び種子なども包含される。
組成物/製剤
本発明は、さらに、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の本発明による式(I)で表される化合物を含んでいる、有害な微生物(特に、望ましくない菌類及び細菌類)を防除するための作物保護組成物にも関する。そのような作物保護組成物は、好ましくは、農業上適切な補助剤、溶媒、担体、界面活性剤又は増量剤を含んでいる殺菌剤組成物である。
本発明による殺菌剤組成物は、植物病原性菌類を治療的又は保護的に防除するために使用することができる。従って、本発明は、本発明による活性成分又は組成物を使用して植物病原性菌類を防除するための治療的方法及び保護的方法にも関し、ここで、該活性成分又は組成物は、種子、植物若しくは植物の部分、果実又は植物がそこで生育している土壌に施用される。
作物保護において植物病原性菌類を防除するための本発明による組成物は、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の本発明による活性成分を含んでいる。「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量(effective but non−phytotoxic amount)」は、植物の菌類病を満足のいくように防除するか又は植物の菌類病を根絶するのに充分でありながら、同時に、植物毒性の重大などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。一般に、そのような施用量は、比較的広い範囲内で変動し得る。それは、いくつかの要因に依存し、例えば、防除対象の菌類、植物、気候条件及び本発明組成物の成分などに依存する。
本発明に関連して、「有害な微生物の防除」は、処理されていない植物と比較して、殺菌効力として測定された有害な微生物による感染が低減されていること、好ましくは、処理されていない植物(100%)と比較して25〜50%低減されていること、さらに好ましくは、処理されていない植物(100%)と比較して40〜79%低減されていること、さらに一層好ましくは、有害な微生物による感染が完全に(70〜100%)抑制されていることを意味する。該防除は、治療的なもの、即ち、既に感染している植物を処理するためのものであり得るか、又は、未だ感染していない植物を保護するための、保護的なものであり得る。
「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量(effective but non−phytotoxic amount)」は、植物の菌類病を満足のいくように防除するか又は植物の菌類病を完全に根絶するのに充分でありながら、同時に、植物毒性の重大などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。一般に、そのような施用量は、比較的広い範囲内で変動し得る。それは、いくつかの要因に依存し、例えば、防除対象の菌類、植物、気候条件及び本発明組成物の成分などに依存する。
適切な有機溶媒には、製剤目的のために一般的に使用される極性及び非極性の全ての有機溶媒が包含される。好ましくは、該溶媒は、以下のものから選択される:ケトン類、例えば、メチル−イソブチル−ケトン及びシクロヘキサノン、アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド及びアルカンカルボン酸アミド類、例えば、N,N−ジメチルデカンアミド及びN,N−ジメチルオクタンアミド、さらに、環状溶媒、例えば、N−メチル−ピロリドン、N−オクチル−ピロリドン、N−ドデシル−ピロリドン、N−オクチル−カプロラクタム、N−ドデシル−カプロラクタム及びブチロラクトン、さらに、強極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、及び、芳香族炭化水素類、例えば、キシロール、SolvessoTM、鉱油、例えば、ホワイトスピリット、石油、アルキルベンゼン類及びスピンドル油、さらに、エステル類、例えば、プロピレングリコール−モノメチルエーテルアセテート、アジピン酸ジブチルエステル、酢酸ヘキシルエステル、酢酸ヘプチルエステル、クエン酸トリ−n−ブチルエステル及びフタル酸ジ−n−ブチルエステル、さらに、アルコール類、例えば、ベンジルアルコール及び1−メトキシ−2−プロパノール。
本発明によれば、担体は、特に植物又は植物の部分又は種子への施用に関して、適用性を良好にするために、当該活性成分と混合させるか又は合する天然又は合成の有機物質又は無機物質である。このような担体(ここで、該担体は、固体又は液体であり得る)は、一般に、不活性であり、そして、農業において使用するのに適しているべきである。
有用な固体又は液体の担体としては、以下のものなどがある:例えば、アンモニウム塩、並びに、天然岩粉、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、並びに、合成岩粉、例えば、微粉化シリカ、アルミナ及び天然又は合成のシリケート、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール、特に、ブタノール、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体。そのような担体の混合物も同様に使用し得る。
適切な固体増量剤及び担体としては、以下のものなどがある:無機粒子、例えば、0.005〜20μm(好ましくは、0.02〜10μm)の平均粒径を有する炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩及び酸化物、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、尿素、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、所謂、微粒子シリカ、シリカゲル、天然又は合成のシリケート、及び、アルモシリケート、並びに、植物生成物、例えば、穀粉、木粉/おがくず、及び、セルロース粉末。
粒剤に有用な固体担体としては、以下のものなどがある:例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、苦灰岩、並びに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒、並びに、さらに、有機材料、例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒。
有用な液化ガス増量剤又は担体は、標準温度及び標準圧力下では気体である液体、例えば、エーロゾル噴射剤、例えば、ハロ炭化水素類、さらに、ブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素などである。
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、並びに、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然ポリマー及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。さらなる添加剤は、鉱油及び植物油であり得る。
使用する増量剤が水である場合、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。有用な液体溶媒は、本質的に、以下のものである:芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物及び塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又はジクロロメタン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、鉱油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル及びエステル、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、及び、さらに、水。
本発明の組成物には、付加的に、さらなる成分、例えば、界面活性剤なども、含有させることができる。有用な界面活性剤は、イオン特性若しくは非イオン特性を有する乳化剤及び/若しくは泡形成剤、分散剤又は湿潤剤であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物である。適切な界面活性剤(アジュバント、乳化剤、分散剤、保護コロイド、湿潤剤及び粘着剤)には、一般的な全てのイオン性物質及び非イオン性物質、例えば、以下のものが包含される:エトキシ化ノニルフェノール類、直鎖アルコール又は分枝鎖アルコールのポリアルキレングリコールエーテル類、アルキルフェノールとエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシドとの反応生成物、脂肪酸アミンとエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシドとの反応生成物、さらに、脂肪族エステル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アルキルエーテルスルフェート類、アルキルエーテルホスフェート類、アリールスルフェート類、エトキシ化アリールアルキルフェノール類、例えば、トリスチリル−フェノール−エトキシレート類、さらに、エトキシ化及びプロポイキシ化アリールアルキルフェノール類、同様に、硫酸化若しくはリン酸化アリールアルキルフェノール−エトキシレート類並びに硫酸化若しくはリン酸化アリールアルキルフェノール−エトキシ及びプロポキシレート類。さらなる例は、以下のものである:天然及び合成の水溶性ポリマー、例えば、リグノスルホネート類、ゼラチン、アラビアゴム、リン脂質、澱粉、疎水性化工澱粉及びセルロース誘導体、特に、セルロースエステル及びセルロースエーテル、さらに、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及び(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルのコポリマー、さらに、アルカリ金属水酸化物で中和されたメタクリル酸とメタクリル酸エステルのコポリマー、及び、場合により置換されていてもよいナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドの縮合物。該活性成分のうちの1種類及び/又は該不活性担体のうちの1種類が水不溶性であり且つ施用が水で行われる場合は、界面活性剤を存在させることが必要である。界面活性剤の割合は、本発明による組成物の5重量%〜40重量%である。
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
該製剤中に存在させることができる消泡剤としては、例えば、シリコーンエマルション類、長鎖アルコール類、脂肪酸とそれらの塩、及び、さらに、フルオロ有機物質、並びに、それらの混合物などを挙げることができる。
増粘剤の例は、多糖類、例えば、キサンタンガム又はVeegum、シリケート類、例えば、アタパルジャイト、ベントナイト、及び、微粒子シリカなどである。
適切な場合には、付加的な別の成分、例えば、保護コロイド、結合剤、粘着剤、増粘剤、揺変性物質、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤、錯化剤なども存在させることができる。一般的に、該活性成分は、製剤目的で通常使用される固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
本発明の活性成分又は組成物は、そのままで使用することが可能であるか、又は、それらの特定の物理的及び/若しくは化学的特性に応じて、以下のようなそれらの製剤の形態若しくはその製剤から調製される使用形態で使用することが可能である:例えば、エーロゾル、カプセル懸濁液剤、冷煙霧濃厚剤(cold−fogging concentrate)、温煙霧濃厚剤(warm−fogging concentrate)、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、即時使用可能な溶液剤(ready−to−use solution)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、ガス剤(加圧下)、ガス生成剤(gas generating product)、泡剤(foam)、ペースト剤、農薬粉衣種子、懸濁製剤(suspension concentrate)、サスポエマルション製剤、可溶性濃厚剤(soluble concentrate)、懸濁液剤(suspension)、水和剤、可溶性粉剤(soluble powder)、粉剤及び粒剤、水溶性及び水分散性の顆粒剤及び錠剤、種子処理用の水溶性粉剤及び水分散性粉剤、水和剤、活性成分が含浸されている天然生成物及び合成物質、並びに、さらに、ポリマー物質中にマイクロカプセル化されているもの及び種子用のコーティング物質中にマイクロカプセル化されているもの、並びに、さらに、ULV冷煙霧製剤(ULV cold−fogging formulation)及びULV温煙霧製剤(ULV warm−fogging formulation)。
本発明の組成物には、既に使用し得る状態にあって適切な装置を用いて植物又は種子に対して施用可能な製剤のみではなく、使用前に水で希釈することが必要な商業的な濃厚物も包含される。慣習的な施用は、例えば、水で希釈し、その後、得られた散布液を噴霧すること、油で希釈した後、施用すること、希釈せずに直接施用すること、種子処理又は顆粒剤の土壌施用などである。
本発明による組成物及び製剤は、一般に、0.05〜99重量%、0.01〜98%重量%、好ましくは、0.1〜95重量%、さらに好ましくは、0.5〜90重量%の活性成分を含有し、最も好ましくは、10〜70重量%の活性成分を含有する。特別な施用の場合、例えば、材木及びそれから形成された木材製品を保護するための特別な施用の場合、本発明による組成物及び製剤は、一般に、0.0001〜95重量%、好ましくは、0.001〜60重量%の活性成分を含有する。
市販製剤から調製された施用形態の中の該活性成分の含有量は、広い範囲内でさまざまであり得る。該施用形態中の活性成分の濃度は、一般に、0.000001〜95重量%であり、好ましくは、0.0001〜2重量%である。
上記製剤は、自体公知の方法で、例えば、当該活性成分を少なくとも1種類の慣習的な増量剤、溶媒又は希釈剤、アジュバント、乳化剤、分散剤及び/又は結合剤又は固着剤、湿潤剤、撥水剤、適切な場合には、乾燥剤及び紫外線安定剤、並びに、適切な場合には、染料及び顔料、消泡剤、防腐剤、無機増粘剤及び有機増粘剤、粘着剤、ジベレリン類、並びに、さらに、さらなる加工助剤、及び、さらに、水と混合させることによって、調製することができる。調製しようとする製剤の型に応じて、例えば、湿式粉砕、乾式粉砕及び造粒などの、さらなる加工段階が必要である。
本発明の活性成分は、それだけで存在し得るか、又は、その(商業用)製剤中に、及び、そのような製剤から調製された使用形態中に、殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤、除草剤、肥料、薬害軽減剤及び/又は情報化学物質などの別の(既知)活性成分との混合物として、存在し得る。
上記活性成分若しくは組成物を用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、噴霧、潅漑、気化、散粉、煙霧、ばらまき、泡状化、塗布、拡散(spreading−on)、潅水(潅注(drenching))、点滴潅漑などによって、直接的に行うか、又は、該活性成分若しくは組成物を植物及び植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵空間に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合には、さらに、乾式種子処理、湿式種子処理、スラリー処理、被覆化(incrustation)、1以上の塗膜(coat)によるコーティングなどによっても行う。さらに、該活性成分を微量散布法(ultra−low volume method)によって使用することも可能であり、又は、該活性成分調製物若しくは活性成分自体を土壌中に注入することも可能である。
植物/作物保護
本発明の活性成分又は組成物は、強力な殺微生物活性(microbicidal activity)を有しており、作物保護と材料物質(materials)の保護において、望ましくない微生物(例えば、菌類及び細菌類)を防除するために使用することができる。
本発明は、さらに、望ましくないな微生物を防除する方法にも関し、ここで、該方法は、本発明の活性成分を当該植物病原性菌類、植物病原性細菌類及び/又はそれらの生息環境に施用することを特徴とする。
殺菌剤は、作物保護において、植物病原性菌類を防除するために使用することができる。それらは、土壌伝染性病原体を包含する広範囲の植物病原性菌類〔ここで、該植物病原性菌類は、特に、ネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Peronosporomycetes)(同義語:Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)(同義語:Fungi imperfecti)のクラスのメンバーである〕に対する顕著な効力によって特徴付けられる。一部の殺菌剤は、浸透移行的な活性を示し、そして、植物保護において、茎葉処理殺菌剤、種子粉衣殺菌剤又は土壌殺菌剤として使用することができる。さらに、それらは、菌類、特に、材木又は植物の根を侵襲する菌類を駆除する(combating)のに適している。
殺細菌剤(bactericide)は、作物保護において、、シュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトミセス科(Streptomycetaceae)を防除するために、使用することができる。
本発明に従って治療することが可能な菌類病の病原体の非限定的な例としては、以下のものを挙げることができる:
・ 例えば以下のような、うどんこ病病原体に起因する病害: ブルメリア属各種(Blumeria species)、例えば、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis); ポドスファエラ属各種(Podosphaera species)、例えば、ポドスファエラ・レウコトリカ(Podosphaera leucotricha); スファエロテカ属各種(Sphaerotheca species)、例えば、スファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea); ウンシヌラ属各種(Uncinula species)、例えば、ウンシヌラ・ネカトル(Uncinula necator);
・ 例えば以下のような、さび病病原体に起因する病害: ギムノスポランギウム属各種(Gymnosporangium species)、例えば、ギムノスポランギウム・サビナエ(Gymnosporangium sabinae); ヘミレイア属各種(Hemileia species)、例えば、ヘミレイア・バスタトリクス(Hemileia vastatrix); ファコプソラ属各種(Phakopsora species)、例えば、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコプソラ・メイボミアエ(Phakopsora meibomiae); プッシニア属各種(Puccinia species)、例えば、プッシニア・レコンジテ(Puccinia recondite)、プッシニア・トリチシナ(P. triticina)、プッシニア・グラミニス(P. graminis)又はプッシニア・ストリイホルミス(P. striiformis); ウロミセス属各種(Uromyces species)、例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus);
・ 例えば以下のような、卵菌類(Oomycetes)の群の病原体に起因する病害: アルブゴ属各種(Albugo species)、例えば、アルブゴ・カンジダ(Albugo candida); ブレミア属各種(Bremia species)、例えば、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae); ペロノスポラ属各種(Peronospora species)、例えば、ペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae); フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans); プラスモパラ属各種(Plasmopara species)、例えば、プラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola); プセウドペロノスポラ属各種(Pseudoperonospora species)、例えば、プセウドペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はプセウドペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis); ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum);
・ 例えば以下のものに起因する、斑点病(leaf blotch disease)及び萎凋病(leaf wilt disease): アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani); セルコスポラ属各種(Cercospora species)、例えば、セルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola); クラジオスポリウム属各種(Cladiosporium species)、例えば、クラジオスポリウム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum); コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(分生子形態:Drechslera, 同義語:Helminthosporium)、コクリオボルス・ミヤベアヌス(Cochliobolus miyabeanus); コレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えば、コレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium); シクロコニウム属各種(Cycloconium species)、例えば、シクロコニウム・オレアギヌム(Cycloconium oleaginum); ジアポルテ属各種(Diaporthe species)、例えば、ジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri); エルシノエ属各種(Elsinoe species)、例えば、エルシノエ・ファウセッチイ(Elsinoe fawcettii); グロエオスポリウム属各種(Gloeosporium species)、例えば、グロエオスポリウム・ラエチコロル(Gloeosporium laeticolor); グロメレラ属各種(Glomerella species)、例えば、グロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata); グイグナルジア属各種(Guignardia species)、例えば、グイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli); レプトスファエリア属各種(Leptosphaeria species)、例えば、レプトスファエリア・マクランス(Leptosphaeria maculans)、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum); マグナポルテ属各種(Magnaporthe species)、例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea); ミクロドキウム属各種(Microdochium species)、例えば、ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale); ミコスファエレラ属各種(Mycosphaerella species)、例えば、ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola)、ミコスファエレラ・アラキジコラ(M. arachidicola)及びミコスファエレラ・フィジエンシス(M. fijiensis); ファエオスファエリア属各種(Phaeosphaeria species)、例えば、ファエオスファエリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum); ピレノホラ属各種(Pyrenophora species)、例えば、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)、ピレノホラ・トリチシ・レペンチス(Pyrenophora tritici repentis); ラムラリア属各種(Ramularia species)、例えば、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni)、ラムラリア・アレオラ(Ramularia areola); リンコスポリウム属各種(Rhynchosporium species)、例えば、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis); セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・アピイ(Septoria apii)、セプトリア・リコペルシイ(Septoria lycopersii); チフラ属各種(Typhula species)、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata); ベンツリア属各種(Venturia species)、例えば、ベンツリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis);
・ 例えば以下のものに起因する、根及び茎の病害: コルチシウム属各種(Corticium species)、例えば、コルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum); フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum); ガエウマンノミセス属各種(Gaeumannomyces species)、例えば、ガエウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis); リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani); サロクラジウム(Sarocladium)病、これは、例えば、サロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)に起因する; スクレロチウム(Sclerotium)病、これは、例えば、スクレロチウム・オリザエ(Sclerotium oryzae)に起因する; タペシア属各種(Tapesia species)、例えば、タペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis); チエラビオプシス属各種(Thielaviopsis species)、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola);
・ 例えば以下のものに起因する、穂の病害(ear and panicle disease)(トウモロコシの穂軸を包含する): アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア属種(Alternaria spp.); アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus); クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えば、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides); クラビセプス属各種(Claviceps species)、例えば、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea); フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum); ジベレラ属各種(Gibberella species)、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae); モノグラフェラ属各種(Monographella species)、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis); セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum);
・ 例えば以下のものなどの、黒穂病菌類(smut fungi)に起因する病害: スファセロテカ属各種(Sphacelotheca species)、例えば、スファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana); チレチア属各種(Tilletia species)、例えば、チレチア・カリエス(Tilletia caries)、チレチア・コントロベルサ(T. controversa); ウロシスチス属各種(Urocystis species)、例えば、ウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta); ウスチラゴ属各種(Ustilago species)、例えば、ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)、ウスチラゴ・ヌダ・トリチシ(U. nuda tritici);
・ 例えば以下のものに起因する、果実の腐敗(fruit rot): アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus); ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea); ペニシリウム属各種(Penicillium species)、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)及びペニシリウム・プルプロゲヌム(P. purpurogenum); スクレロチニア属各種(Sclerotinia species)、例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum); ベルチシリウム属各種(Verticilium species)、例えば、ベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum);
・ 例えば以下のものに起因する、種子及び土壌が媒介する腐朽性、黴性、萎凋性、腐敗性及び苗立ち枯れ性の病害(seed and soilborne decay, mould, wilt, rot and damping−off disease): アルテルナリア属各種(Alternaria species)、例えば、アルテルナリア・ブラシシコラ(Alternaria brassicicola)に起因する; アファノミセス属各種(Aphanomyces species)、例えば、アファノミセス・エウテイケス(Aphanomyces euteiches)に起因する; アスコキタ属各種(Ascochyta species)、例えば、アスコキタ・レンチス(Ascochyta lentis)に起因する; アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)に起因する; クラドスポリウム属各種(Cladosporium species)、例えば、クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)に起因する; コクリオボルス属各種(Cochliobolus species)、例えば、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)に起因する;(分生子形態:Drechslera、Bipolaris 異名:Helminthosporium); コレトトリクム属各種(Colletotrichum species)、例えば、コレトトリクム・ココデス(Colletotrichum coccodes)に起因する; フサリウム属各種(Fusarium species)、例えば、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)に起因する; ジベレラ属各種(Gibberella species)、例えば、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)に起因する; マクロホミナ属各種(Macrophomina species)、例えば、マクロホミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)に起因する; モノグラフェラ属各種(Monographella species)、例えば、モノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)に起因する; ペニシリウム属各種(Penicillium species)、例えば、ペニシリウム・エキスパンスム(Penicillium expansum)に起因する; ホマ属各種(Phoma species)、例えば、ホマ・リンガム(Phoma lingam)に起因する; ホモプシス属各種(Phomopsis species)、例えば、ホモプシス・ソジャエ(Phomopsis sojae)に起因する; フィトフトラ属各種(Phytophthora species)、例えば、フィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)に起因する; ピレノホラ属各種(Pyrenophora species)、例えば、ピレノホラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)に起因する; ピリクラリア属各種(Pyricularia species)、例えば、ピリクラリア・オリザエ(Pyricularia oryzae)に起因する; ピシウム属各種(Pythium species)、例えば、ピシウム・ウルチムム(Pythium ultimum)に起因する; リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)に起因する; リゾプス属各種(Rhizopus species)、例えば、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)に起因する; スクレロチウム属各種(Sclerotium species)、例えば、スクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)に起因する; セプトリア属各種(Septoria species)、例えば、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)に起因する; チフラ属各種(Typhula species)、例えば、チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)に起因する; ベルチシリウム属各種(Verticillium species)、例えば、ベルチシリウム・ダーリアエ(Verticillium dahliae)に起因する;
・ 例えば以下のものに起因する、癌性病害(cancer)、こぶ(gall)及び天狗巣病(witches’ broom): 例えば、ネクトリア属各種(Nectria species)、例えば、ネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena);
・ 例えば以下のものに起因する、萎凋病(wilt disease): モニリニア属各種(Monilinia species): 例えば、モニリニア・ラキサ(Monilinia laxa);
・ 例えば以下のものに起因する、葉水泡性病害又は縮葉病(leaf blister or leaf curl disease): 例えば、エキソバシジウム属各種(Exobasidium species)、例えば、エキソバシジウム・ベキサンス(Exobasidium vexans); タフリナ属各種(Taphrina species)、例えば、タフリナ・デホルマンス(Taphrina deformans);
・ 例えば以下のものに起因する、木本植物の衰退性病害(decline disease of wooden plant): エスカ(Esca)病、これは、例えば、ファエオモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora)、ファエオアクレモニウム・アレオフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)及びフォミチポリア・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea)に起因する;ユーティパダイバック病(Eutypa dyeback)、これは、例えば、ユーティパ・ラタ(Eutypa lata)に起因する; ガノデルマ(Ganoderma)病、これは、例えば、ガノデルマ・ボニネンセ(Ganoderma boninense)に起因する;リジドポルス(Rigidoporus)病、これは、例えば、リジドポルス・リグノスス(Rigidoporus lignosus)に起因する;
・ 例えば以下のものに起因する、花及び種子の病害: ボトリチス属各種(Botrytis species)、例えば、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea);
・ 例えば以下のものに起因する、植物塊茎の病害: リゾクトニア属各種(Rhizoctonia species)、例えば、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani); ヘルミントスポリウム属各種(Helminthosporium species)、例えば、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani);
・ 例えば以下のものに起因する、根瘤病(club root): プラスモジオホラ属各種(Plasmodiophora species)、例えば、プラスモジオホラ・ブラシカエ(Plamodiophora brassicae);
・ 例えば以下のものなどの、細菌性病原体に起因する病害: キサントモナス属各種(Xanthomonas species)、例えば、キサントモナス・カムペストリス pv.オリザエ(Xanthomonas campestris pv. oryzae); シュードモナス属各種(Pseudomonas species)、例えば、シュードモナス・シリンガエ pv.ラクリマンス(Pseudomonas syringae pv. lachrymans); エルウィニア属各種(Erwinia species)、例えば、エルウィニア・アミロボラ(Erwinia amylovora)。
ダイズの以下の病害を、好ましくは、防除することができる:
・ 例えば以下のものに起因する、葉、茎、鞘及び種子の菌類病:
アルテルナリア斑点病(alternaria leaf spot)(Alternaria spec. atrans tenuissima)、炭疽病(Colletotrichum gloeosporoides dematium var. truncatum)、褐紋病(brown spot)(Septoria glycines)、紫斑病(cercospora leaf spot and blight)(Cercospora kikuchii)、コアネホラ葉枯病(choanephora leaf blight)(Choanephora infundibulifera trispora(Syn.))、ダクツリオホラ斑点病(dactuliophora leaf spot)(Dactuliophora glycines)、べと病(Peronospora manshurica)、ドレクスレラ胴枯病(drechslera blight)(Drechslera glycini)、斑点病(frogeye leaf spot)(Cercospora sojina)、そばかす病(leptosphaerulina leaf spot)(Leptosphaerulina trifolii)、灰星病(phyllostica leaf spot)(Phyllosticta sojaecola)、黒点病(pod and stem blight)(Phomopsis sojae)、うどんこ病(Microsphaera diffusa)、ピレノカエタ斑点病(pyrenochaeta leaf spot)(Pyrenochaeta glycines)、葉腐病(rhizoctonia aerial, foliage, and web blight)(Rhizoctonia solani)、さび病(Phakopsora pachyrhizi, Phakopsora meibomiae)、黒とう病(Sphaceloma glycines)、ステムフィリウム葉枯病(stemphylium leaf blight)(Stemphylium botryosum)、褐色輪紋病(Corynespora cassiicola);
・ 例えば以下のものに起因する、根及び茎基部の菌類病:
黒根腐病(Calonectria crotalariae)、炭腐病(Macrophomina phaseolina)、赤かび病(fusarium blight or wilt, root rot, and pod and collar rot)(Fusarium oxysporum、Fusarium orthoceras、Fusarium semitectum、Fusarium equiseti)、ミコレプトジスクス根腐病(mycoleptodiscus root rot)(Mycoleptodiscus terrestris)、根腐病(neocosmospora)(Neocosmospora vasinfecta)、黒点病(Diaporthe phaseolorum)、茎腐爛病(stem canker)(Diaporthe phaseolorum var. caulivora)、茎疫病(phytophthora rot)(Phytophthora megasperma)、落葉病(brown stem rot)(Phialophora gregata)、根茎腐敗病(pythium rot)(Pythium aphanidermatum、Pythium irregulare、Pythium debaryanum、Pythium myriotylum、Pythium ultimum)、リゾクトニア根腐病(rhizoctonia root rot, stem decay, and damping−off)(Rhizoctonia solani)、菌核病(sclerotinia stem decay)(Sclerotinia sclerotiorum)、スクレロチニアサウザンブライト病(sclerotinia southern blight)(Sclerotinia rolfsii)、チエラビオプシス根腐病(thielaviopsis root rot)(Thielaviopsis basicola)。
本発明の殺菌剤組成物は、植物病原性菌類を治療的又は保護的/予防的に防除するために使用することができる。従って、本発明は、本発明の活性成分又は組成物を使用して植物病原性菌類を防除するための治療的方法及び保護的方法にも関し、ここで、該活性成分又は組成物は、種子、植物若しくは植物の部分、果実又は植物がそこで成育している土壌に施用される。
植物病害を防除するのに必要とされる濃度の該活性成分に対して植物は充分な耐性を示すという事実により、植物の地上部の処理、繁殖器官(propagation stock)及び種子の処理、並びに、土壌の処理が可能である。
本発明に従って、全ての植物及び植物の部分を処理することができる。植物は、望ましい及び望ましくない野生植物、栽培品種(cultivar)及び植物変種(plant variety)(植物変種又は植物育種家の権利によって保護されても又は保護されなくても)のような全ての植物及び植物個体群を意味する。栽培品種及び植物変種は、慣習的な繁殖方法及び育種方法(これらは、1種類以上の生物工学的方法によって、例えば、倍加半数体、プロトプラスト融合、ランダム突然変異誘発及び定方向突然変異誘発、分子標識若しくは遺伝標識又は生物工学法及び遺伝子工学法などを使用して、補助することができるか又は補うことができる)によって得られる植物であることができる。植物の部分は、植物の地上及び地下の全ての部分及び全ての器官、例えば、枝条、葉、花及び根などを意味し、ここで、例えば、葉、針状葉、茎、枝、花、子実体、果実及び種子、並びに、根、球茎及び根茎などを挙げることができる。作物並びに栄養繁殖器官及び生殖繁殖器官(vegetative and generative propagating material)、例えば、挿木(cutting)、球茎、根茎、匍匐茎及び種子なども、植物の部分に属する。
本発明の活性成分は、植物が良好な耐性を示し、温血動物に対する毒性が望ましい程度であり、及び、環境によって充分に許容される場合、植物及び植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、収穫物の質を向上させるのに適している。それらは、好ましくは、作物保護組成物として使用することができる。それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、並びに、全ての発育段階又は一部の発育段階に対して有効である。
本発明に従って処理することが可能な植物としては、以下の主要な作物植物を挙げることができる:トウモロコシ、ダイズ、アルファルファ、ワタ、ヒマワリ、アブラナ属油料種子(Brassica oil seeds)、例えば、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(例えば、カノラ、ナタネ)、カブ(Brassica rapa)、カラシナ(B.juncea)(例えば、(フィールド)マスタード)及びアビシニアガラシ(Brassica carinata)、ヤシ科各種(Arecaceae sp.)(例えば、ギネアアブラヤシ、ココナツ)、イネ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、エンバク、ライムギ、オオムギ、アワ及びソルガム、ライコムギ、アマ、ナッツ、ブドウ及びブドウの木、並びに、種々の植物学的分類群に属するさまざまな果実及び野菜、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果、例えば、アンズ、サクラ、アーモンド、プラム及びモモ、並びに、液果(berry fruits)、例えば、イチゴ、キイチゴ、アカフサスグリ、クロフサスグリ及びグーズベリー)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)(例えば、オリーブの木)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)(例えば、アボガド、シナモン、樟脳)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランテーション)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)(例えば、チャ)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ、マンダリン及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト、ジャガイモ、カラシ、トウガラシ、ナス、タバコ)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Compositiae sp.)(例えば、レタス、チョウセンアザミ及びチコリー(これは、ルートチコリー(root chicory)、エンダイブ又はキクニガナを包含する))、セリ科各種(Umbelliferae sp.)(例えば、ニンジン、パセリ、セロリ及びセルリアック)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ(これは、ガーキンを包含する)、カボチャ、スイカ、ヒョウタン及びメロン)、ネギ科各種(Alliaceae sp.)(例えば、リーキ及びタマネギ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、タイサイ、コールラビ、ラディッシュ、セイヨウワサビ、コショウソウ及びハクサイ)、マメ科各種(Leguminosae sp.)(例えば、ラッカセイ、エンドウ、ヒラマメ及びインゲンマメ(例えば、インゲンマメ(common bean)及びソラマメ))、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、フダンソウ、飼料用ビート、ホウレンソウ、ビートルート)、アマ科各種(Linaceae sp.)(例えば、アサ)、アサ科各種(Cannabeacea sp.)(例えば、タイマ)、アオイ科(Malvaceae)(例えば、オクラ、ココア)、ケシ科各種(Papaveraceae)(例えば、ケシ)、クサスギカズラ科(Asparagaceae)(例えば、アスパラガス);庭園及び森林における有用な植物及び観賞植物、例えば、芝生(turf)、芝生(lawn)、牧草及びステビア(Stevia rebaudiana);及び、いずれの場合にも、これら植物の遺伝子組み換えが行われたタイプのもの。
植物成長調節
場合によっては、本発明の化合物は、特定の濃度又は特定の施用量において、除草剤、薬害軽減剤、成長調節剤若しくは植物の特性を改善する作用剤としても使用し得るか、又は、殺微生物剤(microbicide)として、例えば、殺菌剤、抗真菌剤(antimycotic)、殺細菌剤若しくは殺ウイルス剤(これは、ウイロイドに対する組成物も包含する)としても使用し得るか、又は、MLO(マイコプラズマ様生物)及びRLO(リケッチア様生物)に対する組成物としても使用し得る。適切な場合には、それらは、別の活性成分を合成するための中間体又は前駆物質としても使用することができる。
本発明の活性成分は、植物の代謝に干渉し、従って、成長調節剤として使用することも可能である。
植物成長調節剤は、植物に対してさまざまな効果を及ぼし得る。該物質の効果は、本質的に、植物の成育段階に関連した施用の時期、及び、さらに、植物又はそれらの環境に対して施用される活性成分の量、及び、施用のタイプに依存する。何れの場合にも、成長調節剤は、作物植物に対して特定の望ましい効果を有しているべきである。
植物の成長を調節する化合物は、例えば、植物の栄養成長を阻害するために使用することができる。成長に対するそのような阻害は、例えば芝生の場合、観賞用庭園、公園及びスポーツ施設において、路傍において、空港において、又は、果実作物において、芝生を刈り込む頻度を低減することが可能であるので、経済的に興味深い。さらにまた、路傍において、及び、パイプライン若しくは高架線の周辺において、又は、極めて一般的には、植物の力強い成長が望まれていない区域において、草本植物及び木本植物の成長を抑制することも重要である。
禾穀類の縦成長を阻害するために成長調節剤を使用することも重要である。これにより、収穫前に植物が倒伏するリスクが低減されるか又は完全に排除される。さらに、禾穀類の場合における成長調節剤は、稈を強化することが可能であり、倒伏に対しても対抗する。稈を短くし且つ強化するために成長調節剤を使用することによって、禾穀類作物が倒伏するリスクを伴うことなく、収量を増大させるためにそれまでよりも多い量の肥料を施用することが可能となる。
多くの種類の作物植物において、栄養成長を抑制することによってより密集した植え付けが可能となり、従って、土壌の表面に基づいて、より高い収穫量を達成することが可能である。このようにして得られる矮小な植物の別の有利点は、作物の栽培及び収穫がより容易であるということである。
植物の栄養成長を阻害することにより、栄養素及び同化産物が植物の茎葉や根などの栄養部分(vegetative part)に対してよりも花及び果実の形成に対して多く利用されるので、収量も増大し得る。
しばしば、成長調節剤は、栄養成長を促進するためにも使用され得る。このことは、植物の茎葉部を収穫する場合、極めて有益である。しかしながら、栄養成長を促進することにより、より多くの同化産物が形成され、その結果、より多くの又はより大きな果実が形成されるので、生殖成長も促進され得る。
場合によっては、収量の増大は、栄養成長における検出可能な変化を伴うことなく、植物の代謝を操作することによって達成され得る。さらに、成長調節剤を使用して植物の組成を変えることが可能であり、植物の組成が変えられると、結果として、収穫された生成物の質が改善され得る。例えば、テンサイ、サトウキビ、パイナップルの糖度を高めることが可能であり、柑橘類果実の糖度を高めることが可能であり、又は、ダイズ若しくは穀類のタンパク質含有量を高めることが可能である。さらに、例えば、成長調節剤を用いて、収穫前又は収穫後に、望ましい成分(例えば、テンサイ又はサトウキビにおける糖分)の劣化を抑制することも可能である。さらに、植物の第2の成分の産生又は排除に対して積極的に影響を及ぼすことも可能である。1つの例は、ゴムの木におけるラテックスの流れに対する刺激である。
成長調節剤の影響下において、単為結果果実が形成され得る。さらに、花の性別に影響を及ぼすことも可能であり得る。不稔花粉を産生することも可能であり、これは、育種において、及び、交雑種子の産生において、極めて重要である。
成長調節剤を使用することにより、植物の分枝を制御することができる。一方では、頂芽優性を乱すことにより、側枝の発育を促進することが可能であり、これは、成長の抑制との組合せにおいても、特に観賞植物の栽培において、極めて望ましいであろう。しかしながら、他方では、側枝の成長を抑制することも可能である。この効果は、例えば、タバコの栽培において、又は、トマトの栽培において、特に興味深い。
成長調節剤の影響下において、望ましい時点において植物の落葉が達成されるように、植物の葉の量を制御することが可能である。そのような落葉は、ワタの機械収穫において重要な役割を果たすが、同様に、別の作物(例えば、ブドウ栽培)における収穫を容易なものとするためにも興味深い。植物の落葉は、植物を移植する前にその植物の蒸散作用を低下させるためにも実施することができる。
成長調節剤は、さらに、果実の裂開を調節するために使用することも可能である。一方では、果実の時期尚早の裂開を防止することが可能である。他方では、果実の裂開を促進することも可能であるか、又は、交互(alternation)を排除するために、望ましい集団(「間引き」)を達成するために花の成育不良(flower abortion)を促進することさえ可能である。交互(alternation)は、内生的な理由で毎年毎年収穫量が大きく変動する、一部の果実種の特徴を意味するものと理解される。最後に、機械収穫を可能とするか、又は、手作業による収穫を容易なものとするために、収穫時に成長調節剤を使用して果実を切り離すのに必要とされる力を低減させることができる。
成長調節剤は、さらに、収穫前又は収穫後に、収穫物の熟成を早めるために又は遅くするために使用することも可能である。このことは、市場の要求に対して最適に適合させることを可能とするので、特に有利である。さらに、成長調節剤は、場合によっては、果実の色合いを改善し得る。さらに、成長調節剤は、特定の期間内に成熟を集中させるために使用することも可能である。これによって、例えば、タバコ、トマト又はコーヒーなどの場合において、機械的な又は手作業による単一操作での完全な収穫のための必要条件が確立される。
成長調節剤を使用することによって、さらに、植物の種子又は芽の休眠に影響を及ぼすことも可能であり、その結果、植物(例えば、苗畑におけるパイナップル又は観賞植物など)は、例えば、通常であればそのようなことはない時点において、発芽するか、萌芽するか、又は、開花する。霜のリスクがある地域においては、晩霜に起因する損傷を回避するために、成長調節剤を用いて芽生え又は種子の発芽を遅延させることは望ましいであろう。
最後に、成長調節剤は、霜、渇水又は土壌の高塩分に対する植物の抵抗性を誘発し得る。これによって、通常であれば植物の栽培には適さない地域において植物を栽培することが可能となる。
抵抗性誘発/植物の健康及び別の効果
本発明による活性化合物は、さらにまた、植物において強力な強化効果(strengthening effect)も示し得る。従って、該活性化合物は、望ましくない微生物による攻撃に対して植物の防御を動員させるために使用することができる。
本発明に関連して、植物を強化する(抵抗性を誘発する)物質は、処理された植物が、その後で望ましくない微生物を接種されたときに、それらの微生物に対して高度な抵抗性を発揮するように、植物の防御システムを刺激することができる物質を意味するものと理解される。
本発明による活性化合物は、作物の収穫量を増大させるのにも適している。さらに、それらは、低減された毒性を示し、及び、植物が良好な耐性を示す。
さらに、本発明に関連して、植物の生理学的効果には、以下のものが包含される。
温度耐性、渇水耐性及び渇水ストレス後の回復、水の利用効率(これは、低減された水の消費に関連する)、浸水耐性、オゾンストレス及び紫外線に対する耐性、化学物質(例えば、重金属、塩類、農薬(薬害軽減剤)など)に対する耐性を包含する、非生物的ストレス耐性。
増強された菌類抵抗性、並びに、線虫類、ウイルス類及び細菌類に対する増強された抵抗性を包含する、生物的ストレス耐性。本発明に関連して、生物的ストレス耐性は、好ましくは、増強された菌類抵抗性及び線虫類に対する増強された抵抗性を包含する。
植物の健康/植物の質及び種子の活力、低減された立毛不良(stand failure)、改善された外観、増強された再生、改善された緑化効果及び改善された光合成効率を包含する、植物の強化された活力。
植物ホルモン及び/又は機能性酵素に対する効果。
より早い発芽、より良好な出芽、より発達した根系及び/又は根の改善された成長、増強された分げつ能、より生産的な分げつ、より早い開花、増大された草高及び/又はバイオマス、茎の短小化、苗条の成長における改善、穀粒/穂の数、1平方メートル当たりの穂の数、匍匐茎の数及び/又は花の数、増大された収穫高指数、より大きな葉、より少ない枯れた根出葉、改善された葉序、より早い成熟/より早い果実の完熟(fruit finish)、均一な成熟(riping)、登熟(grain filling)のより長い持続期間、より良好な果実の完熟(fruit finish)、果実/野菜のより大きなサイズ、萌芽抵抗性及び低減された倒伏を包含する、成長調節剤(プロモーター)に対する効果。
1ヘクタール当たりの総バイオマス、1ヘクタール当たりの収穫量、穀粒/果実の重量、種子のサイズ及び/又はヘクトリットル重量及び増大された生産物の品質に関する、増大された収穫量;これは、以下のものを包含する:
サイズ分布に関する改善された加工性(穀粒、果実など)、均一な成熟(riping)、穀粒水分、より良好な製粉、より良好なアルコール発酵、より良好な醸造、増大されたジュース収穫量、収穫性(harvestability)、消化性、沈降価、落下数(falling number)、莢安定性、貯蔵安定性、繊維の改善された長さ/強度/一様性、サイレージで飼育された動物のミルク及び/又は肉の品質における増強、料理及びフライに対する適応;
さらに、以下のものも包含する:
果実/穀粒の改善された品質、サイズ分布(穀粒、果実など)、増大された貯蔵寿命(storage/shelf−life)、堅さ/柔らかさ、風味(芳香、テクスチャーなど)、等級(サイズ、形状、液果の数など)、1果房あたりの液果/果実の数、クリスプ性、鮮度、ワックスによる被覆、生理障害の頻度、色などに関する、市場性;
さらに、以下のものも包含する:
増大された所望成分、例えば、タンパク質含有量、脂肪酸、オイル含有量、オイルの質、アミノ酸組成、糖質含有量、酸含有量(pH)、糖質/酸比(Brix)、ポリフェノール、デンプン含有量、栄養価、グルテン含有量/指数、エネルギー含量、風味など;
及び、さらに、以下のものも包含する:
低減された望ましくない成分、例えば、より少ないマイコトキシン、より少ないアフラトキシン、ゲオスミンレベル、フェノール性香気、ラッカーゼ(lacchase)、ポリフェノールオキシダーゼ及びペルオキシダーゼ、硝酸塩(nitrate)含有量など。
栄養素の使用効率、特に、窒素(N)−使用効率、リン(P)−使用効率、水の使用効率、改善された蒸散、呼吸及び/又はCO同化速度、より良好な根粒形成、改善されたCa−代謝などを包含する、持続可能な農業。
遅延された老化、これは、植物生理学における改善〔これは、例えば、より長い登熟相(これは、より多い収穫量をもたらす)、植物の葉が緑色を呈しているより長い持続期間において、明瞭に示される〕を包含し、及び、従って、色(緑化)、含水量、乾燥度などを包含する。従って、本発明に関連して、該活性化合物組合せの本発明による特定の施用によって緑色の葉の領域の持続期間を延長させる〔これは、植物の成熟(老化)を遅延させる〕ことが可能であるということが分かった。農業従事者にとっての主な有利点は、より長い登熟相であり、これは、より多い収穫量をもたらす。収穫時期におけるより大きなフレキシビリティーに基づいた、農業従事者に対する有利点も存在している。
ここで、「沈降価(sedimentation value)」は、タンパク質の品質に関する尺度であり、Zeleny(Zeleny価)に従って、標準的な時間間隔の間に乳酸溶液中に懸濁された小麦粉の沈降の程度を表す。これは、製パン性の尺度として受け入れられている。乳酸溶液中の小麦粉のグルテンフラクションの膨潤は、小麦粉懸濁液の沈降速度に影響する。より高いグルテン含有量及びより良好なグルテン品質は、いずれも、沈降を遅くし、より高いZeleny試験価をもたらす。小麦粉の沈降価は、小麦のタンパク質組成に依存し、主に、タンパク質含有量、小麦の堅さ及び鍋と炉床のパン塊(hearth loaves)の体積に相関している。SDS沈降体積と比較したZeleny沈降体積と膨化体積(loaf volume)の間のより強い相関は、該体積とZeleny価の両方に影響するタンパク質含有量に起因するであろう(Czech J. Food Sci. Vol. 21, No. 3:91−96, 2000)。
さらに、本明細書中において記載されている「落下数(falling number)」は、禾穀類(特に、小麦)の製パン性に関する尺度である。落下数試験は、芽の損傷が生じ得たことを示す。それは、小麦穀粒のデンプン部分における物理的特性に対する変化が既に起こっていることを意味する。ここで、落下数機器は、小麦粉と水のペーストの落下プランジャーに対する抵抗性を測定することによって、粘性を分析する。これが起こる時間(秒)は、落下数として知られている。落下数の結果は、小麦又は小麦粉のサンプルにおける酵素の指標として記録され、そして、結果は、時間(秒)で表される。高い落下数(例えば、約300秒)は、最小限の酵素活性を示しており、そして、無傷品質の小麦又は小麦粉を示している。低い落下数(例えば、250秒未満)は、実質的な酵素活性を示しており、そして、芽が損傷を受けている小麦又は小麦粉を示している。
用語「より発達した根系」/「根の改善された成長」は、より長い根系、根のより深い成長、根のより速い成長、根のより重い乾物重/生体重、根のより大きな体積、根のより大きな表面積、根のより大きな直径、根のより高い安定性、根のより多い枝分かれ、より多い根毛の数及び/又はより多い根端を示しており、そして、根の構成(architecture)を適切な方法と画像解析プログラム(例えば、WinRhizo)を用いて分析することによって、測定することができる。
用語「作物の水の利用効率」は、技術的には、消費された単位水当たりの農業収穫物の質量を示しており、経済的には、消費された単位水当たりの生産された生産物の値を示していて、例えば、1ha当たりの収穫量、植物のバイオマス、千粒重(thousand−kernel mass)及び1平方メートル当たりの穂の数などに関して、測定することができる。
用語「窒素の利用効率」は、技術的には、消費された単位窒素当たりの農業収穫物の質量を示しており、経済的には、消費された単位窒素当たりの生産された生産物の値を示していて、摂取と利用率(utilization efficiency)を反映している。
緑化の改善/改善された色、及び、改善された光合成効率、並びに、老化の遅延は、よく知られている技術〔例えば、HandyPeaシステム(Hansatech)〕を用いて、測定することができる。Fv/Fmは、光化学系II(PSII)の最大量子効率を示すために広く使用されているパラメーターである。このパラメーターは、典型的に約0.85の最大Fv/Fm値を達成する健康なサンプルでの、植物光合成能の選択的な指標として広く認められている。これより低い値は、PSII内におけるエネルギーの光化学的クエンチングに関する能力を低減させたある種の生物的又は非生物的なストレス因子にサンプルが晒された場合に観察されるであろう。Fv/Fmは、可変蛍光(Fv)を最大蛍光(Fm)で除した比として与えられる。該性能指数は、本質的に、サンプルの活力の指標である。(例えば、以下のものを参照されたい:Advanced Techniques in Soil Microbiology, 2007, 11, 319−341; Applied Soil Ecology, 2000, 15, 169−182.)。
緑化の改善/改善された色、及び、改善された光合成効率、並びに、老化の遅延は、純光合成速度(Pn)の測定、クロロフィル含有量の測定(例えば、Ziegler及びEhleの顔料抽出方法によるクロロフィル含有量の測定)、光化学的効率(Fv/Fm比)の測定、苗条成長の測定及び最終的な根及び/又は草冠のバイオマスの測定、分げつ密度の測定、並びに、根の枯死率の測定によっても、評価することができる。
本発明に関連して、好ましいのは、以下のものを包含する群から選択される植物生理学的効果の改善である:根の増強された成長/より発達した根系、改善された緑化、改善された水の利用効率(これは、低減された水の消費に相関する)、改善された栄養分の利用効率(これは、特に、改善された窒素(N)−利用効率を包含する)、遅延された老化及び増大された収穫量。
収穫量の増大の範囲内において、好ましいのは、特に禾穀類(好ましくは、小麦)の群から選択される植物における、沈降価及び落下数における改善並びにタンパク質含有量及び糖質含有量の改善である。
好ましくは、本発明の殺菌剤組成物の新規使用は、(a)病原性菌類及び/又は線虫類の予防的及び/又は治療的な防除(抵抗性管理の有無)と(b)根の増強された成長、改善された緑化、改善された水の利用効率、遅延された老化及び増大された収穫量のうちの少なくとも1種類の組合せられた使用に関する。群(b)の中から、根系、水の利用効率及びN−利用効率の増大が特に好ましい。
種子処理
本発明は、さらに、式(I)で表される少なくとも1種類の化合物で処理された種子にも関する。
本発明は、最後に、本発明による式(I)で表される少なくとも1種類の化合物で処理された種子を使用することによる、望ましくない微生物から種子を保護する方法を提供する。
本発明は、さらに、種子を処理する方法も包含する。
本発明は、さらに、前の段落において記述されている方法のうちの1つによって処理された種子にも関する。本発明による種子は、有害な微生物から種子を保護するための方法において使用される。これらの方法においては、本発明による少なくとの1種類の活性成分で処理された種子を使用する。
本発明の活性成分又は組成物は、種子を処理するのにも適している。有害な生物に起因する作物植物に対する被害の大部分は、貯蔵中に、又は、播種後、並びに、さらに、植物が発芽している最中及び発芽の後に、種子が感染することによって引き起こされる。この相は特に危険である。それは、生長している植物の根及び苗条は特に感受性が高く、ささいな損傷であってもその植物が死に至り得るからである。従って、適切な組成物を用いて種子及び発芽中の植物を保護することに、大きな関心が持たれている。
植物の種子を処理することによる植物病原性菌類の防除は、長い間知られており、継続的に改良が加えられている。しかしながら、種子の処理には、必ずしも満足のいくように解決することができるわけではない一連の問題に伴っている。例えば、播種後又は植物の出芽後に作物保護組成物を追加で施用(deployment)することを不要とするか又は少なくとも著しく低減させるような、種子及び発芽中の植物を保護する方法を開発することは望ましい。さらに、使用する活性成分によって植物自体に損傷を与えることなく、植物病原性菌類による攻撃から種子及び発芽中の植物が最適に保護され得るように、使用する活性成分の量を最適化することも望ましい。特に、種子を処理する方法では、最少量の作物保護組成物を使用して種子及び発芽中の植物の最適な保護を達成するために、トランスジェニック植物の内因性の殺菌特性も考慮に入れるべきである。
従って、本発明は、植物病原性菌類による攻撃から種子及び発芽中の植物を保護する方法にも関し、ここで、該方法は、当該種子を本発明の組成物で処理することによる。本発明は、さらに、種子及び発芽中の植物を植物病原性菌類から保護するために種子を処理するための本発明の組成物の使用にも関する。本発明は、さらに、植物病原性菌類から保護されるように、本発明の組成物で処理された種子にも関する。
出芽後の植物に損傷を与える植物病原性菌類の防除は、主として、土壌及び植物の地上部を作物保護組成物で処理することによって行われる。作物保護組成物は、環境並びにヒト及び動物の健康に対して影響を及ぼし得ることに関して懸念があるので、使用する活性成分の量を低減する努力が成されている。
本発明の有利な点の1つは、本発明の活性成分及び組成物が有している際立った浸透移行特性によって、その活性成分及び組成物で種子を処理することにより、植物病原性菌類から、その種子自体が保護されるのみではなく、出芽後に生じる植物も保護されるということである。このようにして、播種時又は播種後間もなくの作物の即時的な処理を省くことができる。
さらにまた、本発明の活性成分又は組成物が、特に、トランスジェニック種子(トランスジェニック種子の場合、その種子から成長した植物は、有害生物に対して作用するタンパク質を発現することができる)と一緒に使用することが可能であるということも、有利な点として見なされる。そのような種子を本発明の活性成分又は組成物で処理することで、単にタンパク質(例えば、殺虫性タンパク質)が発現することによって、特定の有害生物は防除可能である。驚くべきことに、この場合、さらなる相乗効果が観察されることがあり得る。そのような相乗効果は、有害生物による攻撃に対する保護の有効性をさらに改善する。
本発明による組成物は、農業において、温室内で、森林で又は園芸及びブドウ栽培において使用される全ての植物品種の種子を保護するのに適している。特に、これは、禾穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、ソルガム/アワ、及び、エンバク)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、インゲンマメ、コーヒー、ビート(例えば、テンサイ、及び、飼料用ビート)、ラッカセイ、ナタネ、ケシ、オリーブ、ココナッツ、カカオ、サトウキビ、タバコ、野菜(例えば、トマト、キュウリ、タマネギ、及び、レタス)、芝生及び観賞植物の種子である(下記も参照されたい)。禾穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、ライコムギ、及び、エンバク)、トウモロコシ及びイネの種子を処理することは、特に重要である。
以下でも記載されているように、本発明の活性成分又は組成物によるトランスジェニック種子の処理は、特に重要である。このことは、少なくとも1種類の異種遺伝子を含んでいる植物の種子に関連する。適切な異種遺伝子に関する定義及び説明は、以下に記載されている。
本発明に関連して、本発明による組成物は、種子に対して、単独で施用するか、又は、適切な製剤中に含ませて施用する。好ましくは、種子は、処理の過程で損傷が起こらないように、充分に安定な状態で処理する。一般に、種子は、収穫と播種の間の任意の時点で処理することができる。慣習的には、植物から分離されていて、穂軸、殻、葉柄、外皮、被毛又は果肉を伴っていない種子を使用する。例えば、収穫され、不純物が取り除かれ、含水量が15重量%未満となるまで乾燥された種子を使用することができる。あるいは、乾燥後に例えば水で処理され、その後再度乾燥された種子を使用することもできる。
種子を処理する場合、種子の発芽が損なわれないように、又は、種子から生じた植物が損傷を受けないように、種子に施用する本発明組成物の量及び/又はさらなる添加剤の量を選択することに関して一般に注意しなくてはならない。このことは、とりわけ、特定の施用量で薬害作用を示し得る活性成分の場合には、留意しなくてはならない。
本発明の組成物は、直接的に施用することが、即ち、別の成分を含ませることなく、また、希釈することなく、施用することが可能である。一般に、該組成物は、適切な製剤の形態で種子に施用するのが好ましい。種子を処理するための適切な製剤及び方法は、当業者には知られており、例えば、以下の文献に記載されている:US 4,272,417、US 4,245,432、US 4,808,430、US 5,876,739、US 2003/0176428A1、WO 2002/080675、WO 2002/028186。
本発明に従って使用することが可能な活性成分は、慣習的な種子粉衣製剤、例えば、溶液剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末剤、泡剤、スラリー剤又は種子用の別のコーティング組成物や、及び、さらに、ULV製剤などに変換することができる。
これらの製剤は、既知方法で、活性成分を、慣習的な添加剤、例えば、慣習的な増量剤、及び、さらに、溶媒又は希釈剤、着色剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、防腐剤、第2の増粘剤、粘着剤、ジベレリン類などと混合させ、及び、さらに、水と混合させることによって、調製する。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な着色剤は、そのような目的に関して慣習的な全ての着色剤がである。水中であまり溶解しない顔料と水中で溶解する染料のいずれも使用することができる。その例としては、「Rhodamin B」、「C.I.Pigment Red 112」及び「C.I.Solvent Red 1」の名称で知られている着色剤などを挙げることができる。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な湿潤剤は、農薬活性成分の製剤に関して慣習的に使用される、湿潤を促進する全ての物質である。好ましくは、アルキルナフタレンスルホネート類、例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホネート又はジイソブチルナフタレンスルホネートなどを使用する。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる有用な分散剤及び/又は乳化剤は、農薬活性成分の製剤に関して慣習的に使用される非イオン性、アニオン性及びカチオン性の全ての分散剤である。好ましくは、非イオン性若しくはアニオン性の分散剤又は非イオン性若しくはアニオン性の分散剤の混合物を使用することができる。適している非イオン性分散剤としては、特に、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー類、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類及びトリスチリルフェノールポリグリコールエーテル類、並びに、それらのリン酸化誘導体又は硫酸化誘導体などを挙げることができる。適しているアニオン性分散剤は、特に、リグノスルホネート類、ポリアクリル酸塩類及びアリールスルホネート/ホルムアルデヒド縮合物である。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる消泡剤は、農薬活性成分の製剤中に関して慣習的に使用される全ての泡抑制物質である。好ましくは、シリコーン消泡剤及びステアリン酸マグネシウムを使用することができる。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる防腐剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質がである。例として、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールなどを挙げることができる。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる第2の増粘剤は、農薬組成物中で当該目的のために使用することが可能な全ての物質である。好ましい例としては、セルロース誘導体、アクリル酸誘導体、キサンタン、変性クレー及び微粉砕シリカなどを挙げることができる。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができる粘着剤は、種子粉衣製品中で使用可能な全ての慣習的な結合剤である。好ましい例としては、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びチロースなどを挙げることができる。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤中に存在させることができるジベレリンは、好ましくは、ジベレリンA1、ジベレリンA3(=ジベレリン酸)、ジベレリンA4及びジベレリンA7であり得る。特に好ましくは、ジベレリン酸を使用する。ジベレリン類は知られている(cf. R.Wegler “Chemie der Pflanzenschutz−und Schadlingsbekampfungsmittel”[Chemistry of the Crop Protection Compositions and Pesticides], vol. 2、Springer Verlag, 1970, p. 401−412)。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤は、広い範囲の異なった種子(これは、トランスジェニック植物の種子を包含する)を処理するために、直接的に使用することができるか、又は、予め水で希釈したあとで使用することができる。この場合、発現により形成された物質との相互作用において、付加的な相乗効果が生じることもあり得る。
本発明に従って使用することが可能な種子粉衣製剤又は水を添加することによってその種子粉衣製剤から調製された調製物で種子を処理するために、種子粉衣に関して慣習的に使用可能な全ての混合装置が有用である。具体的には、種子粉衣における手順は、種子を混合機の中に入れること、所望される特定量の種子粉衣製剤を、そのままで添加するか又は予め水で希釈したあとで添加すること、及び、該製剤が当該種子の表面に均質に分配されるまで全てを混合させることである。適切な場合には、続いて乾燥工程を行う。
マイコトキシン
さらに、本発明の処理によって、収穫物並びにその収穫作物から作られる食料及び飼料におけるマイコトキシンの含有量を低減させることが可能である。マイコトキシンとしては、限定するものではないが、特に、以下のものを挙げることができる:デオキシニバレノール(DON)、ニバレノール、15−Ac−DON、3−Ac−DON、T2−トキシン、HT2−トキシン、フモニシン類、ゼアラレノン、モニリホルミン、フザリン、ジアセトキシシルペノール(DAS)、ベアウベリシン(beauvericin)、エンニアチン、フサロプロリフェリン(fusaroproliferin)、フサレノール(fusarenol)、オクラトキシン類、パツリン、エルゴットアルカロイド類及びアフラトキシン類〔これらは、例えば、以下の菌類によって産生され得る:とりわけ、フサリウム属各種(Fusarium spec.)、例えば、フサリウム・アクミナツム(F. acuminatum)、フサリウム・アシアチクム(F. asiaticum)、フサリウム・アベナセウム(F. avenaceum)、フサリウム・クロオクウェレンセ(F. crookwellense)、フサリウム・クルモルム(F. culmorum)、フサリウム・グラミネアルム(F. graminearum)(ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae))、フサリウム・エクイセチ(F. equiseti)、フサリウム・フジコロイ(F. fujikoroi)、フサリウム・ムサルム(F. musarum)、フサリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)、フサリウム・プロリフェラツム(F. proliferatum)、フサリウム・ポアエ(F. poae)、フサリウム・プセウドグラミネアルム(F. pseudograminearum)、フサリウム・サムブシヌム(F. sambucinum)、フサリウム・シルピ(F. scirpi)、フサリウム・セミテクツム(F. semitectum)、フサリウム・ソラニ(F. solani)、フサリウム・スポロトリコイデス(F. sporotrichoides)、フサリウム・ラングセチアエ(F. langsethiae)、フサリウム・スブグルチナンス(F. subglutinans)、フサリウム・トリシンクツム(F. tricinctum)、フサリウム・ベルチシリオイデス(F. verticillioides)など、及び、さらに、アスペルギルス属各種(Aspergillus spec.)、例えば、アスペルギルス・フラブス(A. flavus)、アスペルギルス・パラシチクス(A. parasiticus)、アスペルギルス・ノミウス(A. nomius)、アスペルギルス・オクラセウス(A. ochraceus)、アスペルギルス・クラバツス(A. clavatus)、アスペルギルス・テレウス(A. terreus)、アスペルギルス・ベルシコロル(A. versicolor)、ペニシリウム属各種(Penicillium spec.)、例えば、ペニシリウム・ベルコスム(P. verrucosum)、ペニシリウム・ビリジカツム(P. viridicatum)、ペニシリウム・シトリヌム(P. citrinum)、ペニシリウム・エキスパンスム(P. expansum)、ペニシリウム・クラビホルメ(P. claviforme)、ペニシリウム・ロクエホルチ(P. roqueforti)、クラビセプス属各種(Claviceps spec.)、例えば、クラビセプス・プルプレア(C. purpurea)、クラビセプス・フシホルミス(C. fusiformis)、クラビセプス・パスパリ(C. paspali)、クラビセプス・アフリカナ(C. africana)、スタキボトリス属各種(Stachybotrys spec.)など〕。
材料物質の保護
本発明の活性成分又は組成物は、材料物質の保護において、有害な微生物(例えば、菌類)及び昆虫類による攻撃及び破壊に対して工業材料を保護するするために用いることもできる。
さらに、本発明の化合物は、単独で、又は、別の活性成分と組み合わせて、汚れ止め組成物として用いることもできる。
本発明に関連して、工業材料とは、工業において使用するために準備された無生物材料を意味するものと理解される。例えば、本発明の活性成分で微生物による変性又は破壊から保護することが意図されている工業材料は、接着剤、膠、紙、壁紙及び厚紙/板紙、織物、カーペット、皮革、木材、繊維及び薄織物、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑油、並びに、微生物によって感染又は破壊され得る別の材料などであり得る。微生物の増殖により損なわれ得る建造物及び製造プラントの部品、例えば、冷却水循環路、冷却装置及び暖房装置、並びに、換気装置及び空調設備なども、保護すべき材料の範囲内のものとして挙げることができる。本発明の範囲内における工業材料としては、好ましくは、接着剤、サイズ、紙及び厚紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑油及び熱媒液などを挙げることができ、さらに好ましくは、木材を挙げることができる。
本発明の活性成分又は組成物は、腐朽、腐敗、変色、脱色又は黴発生などの、悪影響を防止することができる。
木材を処理する場合、本発明による化合物/組成物は、材木の表面又は内部で増殖するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木(timber)」は、全ての種類の木材、そのような木材を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材及び合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明の1種類以上の化合物又は本発明の組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な塗布、噴霧、浸漬、注入、又は、別の適切な任意の方法が包含される。
さらにまた、本発明の化合物は、海水又は淡海水と接触するもの(特に、船体、障壁(screen)、網、建造物、係船設備及び信号システム)を付着物に対して保護するために使用することもできる。
望ましくない菌類を防除するための本発明の方法は、貯蔵品を保護するために使用することもできる。貯蔵品は、長期間の保護が望まれる、植物若しくは動物起源の天然物質又は自然起源のそれら天然物質の加工製品を意味するものと理解される。植物起源の貯蔵品、例えば、植物若しくは植物の分部、例えば、茎、葉、塊茎、種子、果実、穀粒などは、新たに収穫された状態で保護することができるか、又は、(予備)乾燥、加湿、粉砕、摩砕、加圧成形又は焙焼によって加工された後で保護することができる。貯蔵品には、さらに、未加工の木材(例えば、建築用木材、電柱及び柵)又は完成品の形態にある木材(例えば、家具)の両方とも包含される。動物起源の貯蔵品は、例えば、皮革、革製品、毛皮及び獣毛などである。本発明による活性成分は、腐朽、腐敗、変色、脱色又は黴発生などの、不利な効果を防止することができる。
工業材料を劣化又は変性させることができる微生物としては、例えば、細菌類、菌類、酵母類、藻類及び粘菌類(slime organisms)などを挙げることができる。本発明の活性成分は、好ましくは、菌類、特に、カビ類、材木を変色させる菌類及び材木を破壊する菌類(子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)、不完全菌類(Deuteromycetes)及び接合菌類(Zygomycetes))、並びに、粘菌類(slime organisms)及び藻類に対して作用する。以下の属の微生物を例として挙げることができる: アルテルナリア(Alternaria)、例えば、アルテルナリア・テヌイス(Alternaria tenuis); アスペルギルス(Aspergillus)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger); カエトミウム(Chaetomium)、例えば、カエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum); コニオホラ(Coniophora)、例えば、コニオホラ・プエタナ(Coniophora puetana); レンチヌス(Lentinus)、例えば、レンチヌス・チグリヌス(Lentinus tigrinus); ペニシリウム(Penicillium)、例えば、ペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum); ポリポルス(Polyporus)、例えば、ポリポルス・ベルシコロル(Polyporus versicolor); アウレオバシジウム(Aureobasidium)、例えば、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans); スクレロホマ(Sclerophoma)、例えば、スクレロホマ・ピチオフィラ(Sclerophoma pityophila); トリコデルマ(Trichoderma)、例えば、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride);オフィオストマ属種(Ophiostoma spp.)、セラトシスチス属種(Ceratocystis spp.)、フミコラ属種(Humicola spp.)、ペトリエラ属種(Petriella spp.)、トリクルス属種(Trichurus spp.)、コリオルス属種(Coriolus spp.)、グロエオフィルム属種(Gloeophyllum spp.)、プレウロツス属種(Pleurotus spp.)、ポリア属種(Poria spp.)、セルプラ属種(Serpula spp.)及びチロミセス属種(Tyromyces spp.)、クラドスポリウム属種(Cladosporium spp.)、パエシロミセス属種(Paecilomyces spp.)、ムコル属種(Mucor spp.)、エシェリキア(Escherichia)、例えば、エシェリキア・コリ(Escherichia coli); シュードモナス(Pseudomonas)、例えば、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa); スタフィロコッカス(Staphylococcus)、例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、カンジダ属種(Candida spp.)及びサッカロミセス属種(Saccharomyces spp.)、例えば、サッカロミセス・セレビサエ(Saccharomyces cerevisae)。
抗真菌活性
さらに、本発明の活性成分は、極めて優れた抗真菌活性も有している。それらは、極めて広い抗真菌活性スペクトルを有しており、特に、皮膚糸状菌、並びに、酵母菌、カビ及び二相性真菌類に対して〔例えば、カンジダ属各種(Candida species)、例えば、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)、カンジダ・グラブラタ(C.glabrata)に対して〕、並びに、エピデルモフィトン・フロコスム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス属各種(Aspergillus species)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(A.niger)及びアスペルギルス・フミガツス(A.fumigatus)、トリコフィトン属各種(Trichophyton species)、例えば、トリコフィトン・メンタグロフィテス(T.mentagrophytes)、ミクロスポロン属各種(Microsporon species)、例えば、ミクロスポロン・カニス(M.canis)及びミクロスポロン・アウドウイニイ(M.audouinii)などに対して、極めて広い抗真菌活性スペクトルを有している。これら菌類のリストは、包含される真菌スペクトルを決して限定するものではなく、単に例示な性質のものである。
従って、本発明の活性成分は、医薬用途と非医薬用途の両方で使用することができる。
GMO
上記で既に述べたように、本発明に従って、全ての植物及びそれらの部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生の植物種及び植物品種、又は、交雑若しくはプロトプラスト融合のような慣習的な生物学的育種法により得られた植物種及び植物品種、並びに、それらの部分を処理する。好ましいさらなる実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた遺伝子工学的方法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)及びそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」又は「植物の部分(parts of plants)」又は「植物の部分(plant parts)」については、既に上記で説明した。さらに好ましくは、市販されているか又は使用されている植物品種の植物を、本発明に従って処理する。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術によって得られた、新しい特性(「形質」)を有する植物を意味するものと理解される。これらは、品種、変種、生物型又は遺伝子型であることができる。
本発明による処理方法は、遺伝子組換え生物(GMO)(例えば、植物又は種子)の処理において使用することができる。遺伝子組換え植物(又は、トランスジェニック植物)は、異種遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。表現「異種遺伝子」は、本質的に、供給されたか又は当該植物の外部で構築された遺伝子であって、核のゲノム、葉緑体のゲノム又はミトコンドリアのゲノムの中に導入されたときに、興味深いタンパク質若しくはポリペプチドを発現することにより、又は、その植物内に存在している別の1つ若しくは複数の遺伝子をダウンレギュレート若しくはサイレンシングすることにより、当該形質転換された植物に新しい又は改善された作物学的特性又は別の特性を付与する遺伝子を意味する〔例えば、アンチセンス技術、コサプレッション技術、RNA干渉(RNAi)技術又はミクロRNA(miRNA)技術などを使用する〕。ゲノム内に位置している異種遺伝子は、導入遺伝子とも称される。植物ゲノム内におけるその特異的な位置によって定義される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入イベントと称される。
本発明に従って処理するのが好ましい植物及び植物品種は、特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を有している全ての植物(育種によって得られたものであろうと、及び/又は、生物工学的方法によって得られたものであろうと)を包含する。
本発明に従って処理するのが同様に好ましい植物及び植物品種は、1以上の生物的ストレスに対して抵抗性を示す。即ち、そのような植物は、害虫及び有害微生物に対して、例えば、線虫類、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類、ウイルス類及び/又はウイロイド類などに対して、良好な防御を示す。
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、1以上の非生物的ストレスに対して抵抗性を示す植物である。非生物的なストレス状態としては、例えば、渇水、低温に晒されること、熱に晒されること、浸透ストレス、湛水、土壌中の塩分濃度の上昇、より多くの鉱物に晒されること、オゾンに晒されること、強い光に晒されること、利用可能な窒素養分が限られていること、利用可能なリン養分が限られていること、日陰回避などを挙げることができる。
本発明に従って同様に処理し得る植物及び植物品種は、増大した収量特性を特徴とする植物である。そのような植物における増大した収量は、例えば、改善された植物の生理機能、生長及び発育、例えば、水の利用効率、水の保持効率、改善された窒素の利用性、強化された炭素同化作用、改善された光合成、上昇した発芽効率及び促進された成熟などの結果であり得る。収量は、さらに、改善された植物の構成(architecture)によっても影響され得る(ストレス条件下及び非ストレス条件下)。そのような改善された植物の構成としては、限定するものではないが、早咲き、ハイブリッド種子産生のための開花制御、実生の活力、植物の寸法、節間の数及び距離、根の成長、種子の寸法、果実の寸法、莢の寸法、莢又は穂の数、1つの莢又は穂当たりの種子の数、種子の体積、強化された種子充填、低減された種子分散、低減された莢の裂開及び耐倒伏性などがある。収量についてのさらなる形質としては、種子の組成、例えば、炭水化物の含有量及び組成(例えば、ワタ)、又は、デンプン、タンパク質含有量、油の含有量及び組成、栄養価、抗栄養化合物の低減、改善された加工性並びに向上した貯蔵安定性などがある。
本発明に従って処理し得る植物は、雑種強勢(これは、結果として、一般に、増加した収量、向上した活力、向上した健康状態並びに生物的及び非生物的ストレスに対する向上した抵抗性をもたらす)の特性を既に呈しているハイブリッド植物である。
本発明に従って処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、除草剤耐性植物、即ち、1種類以上の所与の除草剤に対して耐性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、当該除草剤耐性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、昆虫抵抗性トランスジェニック植物、即ち、特定の標的昆虫による攻撃に対して抵抗性にされた植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、非生物的ストレスに対して耐性を示す。そのような植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのようなストレス抵抗性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られたもの)は、収穫された生産物の改変された量、品質及び/若しくは貯蔵安定性、並びに/又は、収穫された生産物の特定の成分の改変された特性を示す。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変された繊維特性を有する植物(例えば、ワタ植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変されたオイルプロフィール特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変されたオイルプロフィール特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、改変された種子脱粒特性を有する植物(例えば、ナタネ植物又は関連するアブラナ属植物)である。そのよう植物は、遺伝的形質転換によって得ることができるか、又は、そのような改変された種子脱粒特性を付与する突然変異を含んでいる植物を選抜することによって得ることができる。そのような植物としては、種子の脱粒が遅延されているか又は低減されている植物(例えば、ナタネ植物)などがある。
本発明に従って同様に処理し得る植物又は植物品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得ることができるもの)は、翻訳後タンパク質修飾パターンが改変されている植物(例えば、タバコ植物)である。
施用量及び施用時期
本発明の活性成分を殺菌剤として使用する場合、その施用量は、施用の種類に応じて、比較的広い範囲内で変えることができる。本発明の活性成分の施用量は、以下のとおりである:
・ 植物の部分、例えば、葉を処理する場合: 0.1〜10000g/ha、好ましくは、10〜1000g/ha、さらに好ましくは、10〜800g/ha、さらに一層好ましくは、50〜300g/ha(潅水又は滴下によって施用する場合、特に、ロックウール又はパーライトなどの不活性底土を用いる場合には、上記施用量はさらに低減させることができる);
・ 種子を処理する場合: 種子100kg当たり2〜200g、好ましくは、種子100kg当たり3〜150g、さらに好ましくは、種子100kg当たり2.5〜25g、さらに一層好ましくは、種子100kg当たり2.5〜12.5g;
・ 土壌を処理する場合: 0.1〜10000g/ha、好ましくは、1〜5000g/ha。
上記施用量は、単に例としてのものであり、本発明の目的に関して限定するものではない。
本発明の活性成分又は式(I)で表される化合物を含んでいる組成物は、かくして、処理後ある一定の期間、上記病原体による攻撃から植物を保護するために用いることができる。保護がもたらされる期間は、植物が該活性成分で処理されてから、一般に、1〜28日間、好ましくは、1〜14日間、さらに好ましくは、1〜10日間、最も好ましくは、1〜7日間に及び、又は、種子処理後、最大で200日間に及ぶ。
上記で挙げられている植物は、一般式(I)で表される化合物及び本発明の組成物を用いて、本発明に従って特に有利に処理することができる。該活性成分又は組成物に関して上記で示されている好ましい範囲は、これら植物の処理にも当てはまる。特に重要なのは、本明細書中において具体的に挙げられている化合物又は組成物を用いた植物の処理である。
調製実施例
上記実施例と同様にして、及び、本発明による化合物を調製する方法についての一般的な記載に従って、下記表1中の式(I)で表される化合物を得ることができる。
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
LogP値の測定は、「EEC directive 79/831 Annex V.A8」に従い、下記方法を用いて、逆相カラムでのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)によって実施した:
[a] LogP値は、水中の0.1%ギ酸及びアセトニトリルを溶離液として用いて(10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配)、酸性範囲内において、LC−UVを測定することによって求める。
[b] LogP値は、0.001モル酢酸アンモニウム水溶液及びアセトニトリルを溶離液として用いて(10%アセトニトリルから95%アセトニトリルまでの直線勾配)、中性範囲内において、LC−UVを測定することによって求める。
較正は、LogP値が知られている直鎖アルカン−2−オン(3個〜16個の炭素原子を有している)を用いて実施した(LogP値は、連続するアルカノンの間の線形補間によって、保持時間を用いて測定する)。ラムダマックス値は、200nm〜400nmの紫外線スペクトル及びクロマトグラフシグナルのピーク値を用いて決定した。
NMRピークリスト
選択された実施例の1H−NMRデータは、1H−NMRピークリストの形態で記載されている。各シグナルピークに対して、δ値(ppm)及びシグナル強度(丸括弧内)が記載されている。δ値−シグナル強度の対の間には、区切り符号としてセミコロンが存在している。
従って、1つの例のピークリストは、以下の形態をとる:
δ(強度);δ(強度);...;δ(強度);...;δ(強度)。
先鋭なシグナルの強度は、NMRスペクトルの印刷された例におけるシグナルの高さ(cm)と相関し、シグナル強度の真の関係を示している。幅が広いシグナルからは、数種類のピーク又は該シグナルの中央及び当該スペクトルの中の最も強いシグナルと比較したそれらの相対的強度が示され得る。
1Hスペクトルの化学シフトを較正するために、特にスペクトルがDMSO中で測定される場合には、テトラメチルシランを使用するか及び/又は用いられる溶媒の化学シフトを使用する。従って、NMRピークリストでは、テトラメチルシランのピークは存在し得るが、必ずしも存在するわけではない。
1H−NMRピークリストは、古典的な1H−NMRのプリントと類似しており、従って、通常、NMRの古典的な解釈で記載される全てのピークを含んでいる。
さらに、それらは、古典的な1H−NMRのプリントのように、溶媒のシグナル、目標化合物の立体異性体(これも、本発明の対象である)のシグナル及び/又は不純物のピークのシグナルも示し得る。
溶媒及び/又は水のデルタ−範囲内における化合物シグナルを示すために、溶媒の通常のピーク(例えば、DMSO−D中のDMSOのピーク)及び水のピークは、本発明者らの1H−NMRピークリストの中に示されており、そして、通常、平均して高い強度を有している。
目標化合物の立体異性体のピーク及び/又は不純物のピークは、通常、平均して、目標化合物(例えば、純度>90%)のピークよりも低い強度を有している。
そのような立体異性体及び/又は不純物は、特定の調製方法に対して特有であり得る。従って、それらのピークは、本発明者らの調製方法の再現性を「副産物の指紋(side−products−fingerprints)」によって認識するのに役立ち得る。
目標化合物のピークを既知方法(MestreC、ACD−シミュレーション、さらに、経験的に評価された期待値の使用)で計算する専門家は、必用に応じて、場合により付加的な強度フィルターを使用して、目標化合物のピークを分離することができる。この分離は、1H−NMRの古典的な解釈での関連するピークのピッキングに類似しているであろう。
ピークリストによるNMRデータの記載のさらなる詳細については、刊行物「Citation of 」の中に見いだすことができる。
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
Figure 2017512808
実験セクション
調製方法(a)
Figure 2017512808
6−クロロ−2−(ジフルオロメチル)−N−[1−フェニル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]ニコチンアミド(実施例1)
密閉可能なマイクロ波管の中で、2−(ジフルオロメチル)−6−クロロニコチン酸(109mg、0.52mmol、1.2eq)と1−フェニル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−アミン(100mg、0.44mmol、1eq.)を10mLのTHFに溶解させた溶液に、プロパンホスホン酸無水物(AcOEt中50%、0.79mL、1.32mmol、3eq)を添加する。その管を密閉し、反応物を10分間マイクロ波で150℃に加熱する。得られた溶液を水性飽和KCOでクエンチし、AcOEtで抽出し、水性飽和NHClで洗浄し、アルミナで濾過する。溶媒を蒸発させて、純粋な物質(55%)が得られる。
調製方法(b)
Figure 2017512808
2−(ジフルオロメチル)−N−{5−(ジフルオロメチル)−1−[3−(ジフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}ピリジン−3−カルボチオアミド(実施例34)
密閉可能なマイクロ波管の中で、2−(ジフルオロメチル)−N−{5−(ジフルオロメチル)−1−[3−(ジフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}ニコチンアミド(100mg、0.241mmol、1eq)を5mLのトルエンに溶解させた溶液に、ローソン試薬(97mg、0.241mmol、1eq)を添加する。その管を密閉し、反応物を30分間マイクロ波で130℃に加熱する。得られた溶液を1N NaOH水溶液でクエンチし、Chem Elut Cartridgeで濾過し、トルエンで洗浄する。溶媒を蒸発させ、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、純粋な物質(60%)が得られる。
B. 生物学的実施例
実施例: プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)(コムギの赤さび病)に対するインビボ予防試験
溶媒: 5体積%のジメチルスルホキシド
10体積%のアセトン
乳化剤: 活性成分1mgあたり、1μLのTween(登録商標)80
ジメチルスルホキシド/アセトン/Tween(登録商標)80の混合物の中で活性成分を可溶化及び均質化し、次いで、水で希釈して所望の活濃度とする。
コムギの幼植物を、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照植物は、アセトン/ジメチルスルホキシド/Tween(登録商標)80の水溶液のみで処理する。
24時間経過した後、プッシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)の胞子の水性懸濁液を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その汚染されたコムギ植物を、20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70〜80%で10日間インキュベートする。
当該試験について、上記接種の11日後に評価する。0%は、対照植物の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度500ppmで、80%〜89%の効力を示した: 7。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度500ppmで、90%〜100%の効力を示した: 2;12;20。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度100ppmで、70%〜79%の効力を示した: 70;91;131;136;144;155;216。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度100ppmで、80%〜89%の効力を示した: 3;28;29;31;32;34;58;72;98;129;130;132;134;135;137;147;148;152;158;162;163;165;168;176;184;185;186;189;191;193;194;195;196;197;198;199;200;201;202;203;215;217;218;219;220;221;225;235;236;237;253。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度100ppmで、90%〜100%の効力を示した: 5;9;10;13;14;21;22;23;24;26;27;30;33;46;47;48;49;50;53;54;55;56;57;60;61;62;63;64;73;74;77;78;79;80;81;82;83;84;85;86;87;88;89;90;92;93;94;95;96;97;128;146;149;150;153;182;183;187;188;190;192;222;226;229;230;231;232;233;234;242;243;244;245;246;247;248;249;251;252。
実施例: ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)(インゲンマメのさび病)に対するインビボ予防試験
溶媒: 5体積%のジメチルスルホキシド
10体積%のアセトン
乳化剤: 活性成分1mgあたり、1μLのTween(登録商標)80
ジメチルスルホキシド/アセトン/Tween(登録商標)80の混合物の中で活性成分を可溶化及び均質化し、次いで、水で希釈して所望の活濃度とする。
インゲンマメの幼植物を、上記で記載したように調製した活性成分を噴霧することにより処理する。対照植物は、アセトン/ジメチルスルホキシド/Tween(登録商標)80の水溶液のみで処理する。
24時間経過した後、ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)の胞子の水性懸濁液を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その汚染されたインゲンマメ植物を、20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70〜80%で10日間インキュベートする。
当該試験について、上記接種の11日後に評価する。0%は、対照植物の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度500ppmで、90%〜100%の効力を示した: 2;7;12;20。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度100ppmで、70%〜79%の効力を示した: 29;34;99;129;131;147;152;182;195。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度100ppmで、80%〜89%の効力を示した: 13;22;23;32;47;79;100;110;112;113;114;118;121;148;196;199;203;231;234;236;248。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度100ppmで、90%〜100%の効力を示した: 3;5;9;10;14;21;24;28;30;33;46;48;49;50;53;54;55;56;57;58;60;61;62;63;64;73;74;77;78;80;81;82;83;84;85;86;87;88;89;92;93;94;95;96;105;107;117;128;130;132;134;135;137;146;149;150;153;183;187;188;189;190;191;192;193;194;197;200;202;217;221;222;229;230;233;235;237;242;243;244;246;247;251;252;253。
実施例: ファコプソラ(Phakopsora)試験(ダイズ)に対するインビボ予防試験
溶媒: 24.5重量部のアセトン
24.5重量部のジメチルアセトアミド
乳化剤: 1重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で希釈して、所望の濃度とする。
予防活性について試験するために、幼植物に、活性化合物の該調製物を記載されている施用量で噴霧する。その噴霧による被膜が乾燥した後、該植物に、ダイズさび病の病原であるファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)の胞子の水性懸濁液を用いて接種し、その植物を、約24℃で相対大気湿度95%のインキュベーション室の中に光無しで24時間置く。
その植物を、約24℃、相対大気湿度約80%で、昼/夜の間隔12時間のインキュベーション室の中に置く。
当該試験について、上記接種の7日後に評価する。0%は、処理されていない対照の効力に相当する効力を意味し、100%の効力は、病害が観察されないことを意味する。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度10ppmで、70%〜79%の効力を示した: 73;85;94;128。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度10ppmで、80%〜89%の効力を示した: 46;64;77;84;95。
この試験において、本発明による以下の化合物は、活性成分の濃度10ppmで、90%〜100%の効力を示した: 5;9;10;50;60;61;62;63;74;87;88;89;93;134;150;183;190。

Claims (11)

  1. 式(I)
    Figure 2017512808
    〔式中、ラジカルは、それぞれ、以下のように定義される:
    Zは、ハロゲン、CN、NH、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルキルオキシ、C−C−ハロアルキルオキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニルから選択され;
    は、H、ハロゲン、CN、NH、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルキルオキシ、C−C−ハロアルキルオキシ、トリ(C−C)アルキルシリル、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニルから選択され;
    は、H、ハロゲン、CN、NH、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルキルオキシ、C−C−ハロアルキルオキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニルから選択され;
    Yは、ハロゲン、CN、NH、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、フェニル又はチオフェン(ここで、これらは、1以上のR基で置換されていてもよい)から選択され;
    Qは、フェニル又はチオフェン(ここで、これらは、1以上のR基で置換されていてもよい)であるか、1〜9個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭素鎖(ここで、1〜3の隣接していない−CH−基は、互いに独立して、O、NR、S、SO、SO、COから選択される基で置き換えられていてもよく、及び、1〜5個の水素原子は、互いに独立して、C−C−シクロアルキル、ハロゲンで置き換えられていてもよく、又は、1〜5個の水素原子は、互いに独立して、フェニル又はチオフェン(ここで、これらは、1以上のR基で置換されていてもよい)で置き換えられていてもよい)であり;
    は、水素、ハロゲン、ニトロ、NH、シアノ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル;C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−アルキルスルファニル、C−C−ハロアルキルスルファニル、C−C−シクロアルキルスルファニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、C−C−シクロアルキルスルホニル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C)アルキルシリル、C−C−アルキニルオキシ、アリールオキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノを表し;又は、
    2つのビシナル置換基Rは、それらが結合している連続する炭素原子と一緒に、5員又は6員の飽和又は不飽和の炭素環又はヘテロ環(ここで、該ヘテロ環は、3個以下のヘテロ原子を含んでいる)を形成し;
    Tは、O又はSであり;
    は、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル及びC−C−シクロアルキルを表す;
    但し、
    Qは、メチルは表さず;及び、
    Y及びXは、ZがC−C−ハロアルキルを表す場合にのみ、同時にメチルを表す;
    及び、
    但し、
    式(I)は、2−クロロ−N−[1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミド又は2−クロロ−N−[3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミドを表さない〕
    で表される化合物、並びに、その塩、溶媒和物、N−オキシド、塩及びN−オキシドの溶媒和物。
  2. 前記記号が、それぞれ、以下のように定義される、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、並びに、その塩、溶媒和物、N−オキシド、塩及びN−オキシドの溶媒和物:
    Zは、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−3−メチルプロピル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロ−1−メチルブチル、2−クロロ−1−メチルブチル、1−クロロブチル、3,3−ジクロロ−1−メチルブチル、3−クロロ−1−メチルブチル、1−メチル−3−トリフルオロメチルブチル、3−メチル−1−トリフルオロメチルブチルから選択され;
    は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−3−メチルプロピル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロ−1−メチルブチル、2−クロロ−1−メチルブチル、1−クロロブチル、3,3−ジクロロ−1−メチルブチル、3−クロロ−1−メチルブチル、1−メチル−3−トリフルオロメチルブチル、3−メチル−1−トリフルオロメチルブチル、CN、NO、メチルオキシ、エチルオキシ、メチルスルファニル、エチルスルファニル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシから選択され;
    は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−3−メチルプロピル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3−クロロ−1−メチルブチル、2−クロロ−1−メチルブチル、1−クロロブチル、3,3−ジクロロ−1−メチルブチル、3−クロロ−1−メチルブチル、1−メチル−3−トリフルオロメチルブチル、3−メチル−1−トリフルオロメチルブチル、CN、NOから選択され;
    Yは、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、フェニル(ここで、該フェニルは、1以上のR基で置換されていてもよい)から選択され;
    Qは、フェニル又はチオフェン(ここで、これらは、1以上のR基で置換されていてもよい);C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、(C−C−シクロアルキル)−C−C−アルキル、(C−C−シクロアルキル)−C−C−アルキルオキシ、(C−C−アルキル)−C−C−アルキルオキシ、C−C−アルキルフェニル(ここで、該アルキルフェニルは、1以上のR基で置換されていてもよい)から選択され;
    は、水素、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル;C−C−ハロアルキル;C−C−シクロアルキル;C−C−アルコキシ;C−C−ハロアルコキシ;C−C−シクロアルキルオキシ;C−C−アルキルスルファニル;C−C−ハロアルキルスルファニル;C−C−シクロアルキルスルファニル;C−C−アルキルスルホニル;C−C−ハロアルキルスルホニル;C−C−シクロアルキルスルホニル;C−C−アルキニルオキシを表し;
    Tは、O又はSであり;
    但し、
    Y及びXは、ZがC−C−ハロアルキルを表す場合にのみ、同時にメチルを表す;
    及び、
    但し、
    式(I)は、2−クロロ−N−[1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミド又は2−クロロ−N−[3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミドを表さない。
  3. 前記記号が、それぞれ、以下のように定義される、請求項1又は2のいずれかに記載の式(I)で表される化合物、並びに、その塩、溶媒和物、N−オキシド、塩及びN−オキシドの溶媒和物:
    Zは、フッ素、塩素、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチルから選択され;
    は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、CN、NO、メチルオキシ、エチルオキシから選択され;
    は、H、臭素、ヨウ素、フッ素、塩素、シクロプロピル、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、1−メチルプロピル(イソ−ブチル)、2−メチルプロピル(sec−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、n−ペンチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2−フルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、CNから選択され;
    Yは、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−ハロシクロアルキル、フェニル(ここで、該フェニルは、1以上のR基で置換されていてもよい)から選択され;
    Qは、1以上のR基で置換されていてもよいフェニルから選択され;
    は、水素、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル;C−C−ハロアルキル;C−C−アルコキシ;C−C−ハロアルコキシから選択され;
    Tは、Oである;
    但し、
    Y及びXは、ZがC−C−ハロアルキルを表す場合にのみ、同時にメチルを表す;
    及び、
    但し、
    式(I)は、2−クロロ−N−[1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミド又は2−クロロ−N−[3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル]−3−ピリジンカルボキサミドを表さない。
  4. 前記記号が、それぞれ、以下のように定義される、請求項1から3のいずれかに記載の式(I)で表される化合物、並びに、その塩、溶媒和物、N−オキシド、塩及びN−オキシドの溶媒和物:
    Zは、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチル、エチル、臭素から選択され;
    は、H、F、Cl、メチルであり;
    は、Hであり;
    Yは、塩素、臭素、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、エチル、イソプロピル、メチル、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニルから選択され;
    Qは、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−ジフルオロメチルフェニル、3−ジフルオロメチルフェニル、4−ジフルオロメチルフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニルから選択され;
    Tは、Oである。
  5. 有害な植物病原性菌類を防除する方法であって、請求項1から4のいずれかに記載の式(I)で表される化合物を当該有害な植物病原性菌類及び/又はそれらの生息環境に施用することを特徴とする、前記方法。
  6. 有害な植物病原性菌類を防除するための組成物であって、増量剤及び/又は界面活性剤に加えて請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)で表される少なくとも1種類の化合物を含んでいることを特徴とする、前記組成物。
  7. 有害な植物病原性菌類を防除するための、請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)で表される少なくとも1種類の化合物又は請求項6に記載の組成物の使用。
  8. 請求項6に記載の有害な植物病原性菌類を防除するための組成物を製造する方法であって、請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)で表される化合物を増量剤及び/又は界面活性剤と混合させることを特徴とする、前記方法。
  9. 種子を処理するための、請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)で表される化合物の使用。
  10. トランスジェニック植物を処理するための、請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)で表される化合物の使用。
  11. トランスジェニック種子を処理するための、請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)で表される化合物の使用。
JP2016559989A 2014-04-02 2015-03-31 置換されているピラゾリル−ニコチン(チオ)アミド誘導体及び殺菌剤としてのそれらの使用 Pending JP2017512808A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14163193 2014-04-02
EP14163193.7 2014-04-02
PCT/EP2015/056946 WO2015150352A1 (en) 2014-04-02 2015-03-31 Substituted pyrazolyl-nicotin(thio)amide derivatives and their use as fungicides

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017512808A true JP2017512808A (ja) 2017-05-25

Family

ID=50391107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016559989A Pending JP2017512808A (ja) 2014-04-02 2015-03-31 置換されているピラゾリル−ニコチン(チオ)アミド誘導体及び殺菌剤としてのそれらの使用

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10039283B2 (ja)
EP (1) EP3126347B1 (ja)
JP (1) JP2017512808A (ja)
CN (1) CN106458977A (ja)
AR (1) AR102315A1 (ja)
BR (1) BR112016022866A2 (ja)
WO (1) WO2015150352A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017511336A (ja) * 2014-04-02 2017-04-20 バイエル・クロップサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 農薬としてのヘテロ環式化合物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114044754A (zh) * 2021-11-23 2022-02-15 贵州大学 一类5-三氟甲基-4-吡唑衍生物的制备方法及其在抑制肿瘤细胞上的应用

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000031066A1 (de) * 1998-11-24 2000-06-02 Bayer Aktiengesellschaft Substituierte n-pyrazolyl-phenoxynicotinsäure-(thio)amide, verwendbar als herbizide
JP2008512358A (ja) * 2004-09-06 2008-04-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 病原菌防除用の(ヘテロ)シクリルカルボキサミド
JP2012056944A (ja) * 2010-08-10 2012-03-22 Sagami Chemical Research Institute ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体、その製造法及びそれを有効成分とする農園芸用殺菌剤
WO2013162716A2 (en) * 2012-04-27 2013-10-31 Dow Agrosciences Llc Pesticidal compositions and processes related thereto
WO2015150300A1 (de) * 2014-04-02 2015-10-08 Bayer Cropscience Ag N-(1-(hetero)aryl-1h-pyrazol-4-yl)-(hetero)arylamid-derivate und ihre verwendung als schädlingsbekämpfungsmittel

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI265925B (en) * 1999-10-11 2006-11-11 Pfizer Pyrazolo[4,3-d]pyrimidin-7-ones useful in inhibiting type 5 cyclic guanosine 3',5'-monophosphate phosphodiesterases(cGMP PDE5), process and intermediates for their preparation, their uses and composition comprising them
AU2001280099A1 (en) * 2000-08-25 2002-04-02 Sankyo Company Limited 4-acylaminopyrazole derivatives
JP5500582B2 (ja) 2009-02-09 2014-05-21 公益財団法人相模中央化学研究所 ピラゾ−ル−4−カルボキサミド誘導体、それらの製造方法及びそれらを有効成分とする殺菌剤
US20130338367A1 (en) * 2011-02-09 2013-12-19 Nissan Chemical Industries, Ltd. Pyrazole derivatives and pesticides

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000031066A1 (de) * 1998-11-24 2000-06-02 Bayer Aktiengesellschaft Substituierte n-pyrazolyl-phenoxynicotinsäure-(thio)amide, verwendbar als herbizide
JP2008512358A (ja) * 2004-09-06 2008-04-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 病原菌防除用の(ヘテロ)シクリルカルボキサミド
JP2012056944A (ja) * 2010-08-10 2012-03-22 Sagami Chemical Research Institute ピラゾール−4−カルボキサミド誘導体、その製造法及びそれを有効成分とする農園芸用殺菌剤
WO2013162716A2 (en) * 2012-04-27 2013-10-31 Dow Agrosciences Llc Pesticidal compositions and processes related thereto
WO2015150300A1 (de) * 2014-04-02 2015-10-08 Bayer Cropscience Ag N-(1-(hetero)aryl-1h-pyrazol-4-yl)-(hetero)arylamid-derivate und ihre verwendung als schädlingsbekämpfungsmittel

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
REGISTRY(STN)[ONLINE], JPN7019000053, 2013, pages CAS 登録番号 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017511336A (ja) * 2014-04-02 2017-04-20 バイエル・クロップサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト 農薬としてのヘテロ環式化合物

Also Published As

Publication number Publication date
US20170142969A1 (en) 2017-05-25
BR112016022866A2 (pt) 2018-07-03
EP3126347B1 (en) 2018-10-17
WO2015150352A1 (en) 2015-10-08
US10039283B2 (en) 2018-08-07
CN106458977A (zh) 2017-02-22
EP3126347A1 (en) 2017-02-08
AR102315A1 (es) 2017-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6175151B2 (ja) 殺菌剤としてのヘテロアリールピペリジンおよび−ピペラジン誘導体
KR101797074B1 (ko) 살진균제로서의 헤테로아릴 피페리딘 및 헤테로아릴 피페라진 유도체
TWI632142B (zh) 作為殺真菌劑之六氫吡啶羧酸衍生物
KR20190115449A (ko) 1-(페녹시-피리디닐)-2-(1,2,4-트리아졸-1-일)-에탄올 유도체를 포함하는 유해 미생물을 방제하기 위한 조성물
JP6118907B2 (ja) 植物病害を防除するための窒素含有ヘテロ環式化合物
KR20180037267A (ko) 트리아졸 유도체, 그의 중간체 및 살진균제로서의 그의 용도
CN112004813B (zh) 用于控制植物病原性真菌的噁二唑化合物
JP2018528212A (ja) 置換されている2−ジフルオロメチル−ニコチン(チオ)カルボキシアニリド誘導体及び殺菌剤としてのそれらの使用
JP2020533303A (ja) 新規な殺菌性複素環化合物
KR20190097105A (ko) 페닐아미딘 및 살진균제로서의 이들의 용도
JP2020520373A (ja) 植物病原性微生物に対して有用なホルムイミドアミジン化合物
CN115052875A (zh) 作为作物保护用杀真菌剂的4-(4-(4,5-二氢异恶唑-3-基)噻唑-2-基)哌啶硫亚胺或亚砜亚胺衍生物及相关化合物
TW201838974A (zh) 具殺菌性質之雜環化合物
JP6408582B2 (ja) 殺菌剤としてのヘテロアリールピペリジン及びヘテロアリールピペラジンのマロン酸エステル誘導体
TW201641493A (zh) 新穎三唑衍生物
US10039283B2 (en) Substituted pyrazolyl-nicotin(thio)amide derivatives and their use as fungicides
CN113195461A (zh) 新型恶二唑类化合物
JP2017512788A (ja) 殺菌剤としてのフェニルピペリジンカルボキサミド誘導体
KR20190053202A (ko) 살진균제로서의 5-치환된 이미다졸릴메틸디옥솔란 유도체
CN114761403A (zh) 用作作物保护杀菌剂的1-(4-(4-(5-苯基-4,5-二氢异噁唑-3-基)噻唑-2-基)哌啶-1-基)-乙烷-1-酮衍生物及相关化合物
EP3620053A1 (en) Fungicidal active compound combinations
TW201841902A (zh) 新穎之三唑硫酮衍生物
JP2019530689A (ja) 殺菌剤としての5−置換イミダゾリルメチルオキシラン誘導体
CN114341131A (zh) 用于控制或预防植物致病性真菌的,包含5-元杂芳环的新型噁二唑化合物
TW201808965A (zh) 新穎之異噻唑并吡啶酮,其製備方法及其作為殺真菌劑之用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190115

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190813