JP2017511280A - 推進ユニット - Google Patents

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Abstract

支持支柱(21)は、船舶の底部で回転可能に支持された上端部(21A)と、ケース(22)とを有している。ケース(22)内の第1の電動モータ(30)は、第1のシャフト(31)を介してスクリュー(50)を駆動する。環状のノズル(60)は、前記スクリュー(50)の羽根(51,52)の外周を囲んでおり、前記ケース(22)に固定して支持され、支持構造体(70)を有している。支持構造体は、前記ケース(22)の外側と、ノズル(60)の内側との間に少なくとも3つの翼(71,72)を有している。水流のためのダクト(65)が、環状のノズル(60)の内部に形成されている。スクリュー(50)は、駆動方向(S1)に船舶を推進する。翼(71,72)が、船舶の前記駆動方向(S1)でスクリュー(50)の後ろに位置されている。翼(71,72)は、前記スクリュー(50)により発生される流れの回転流れ成分を軸推進力に変換するように、最適化されている。【選択図】図1

Description

本願発明は、請求項1の前パラグラフに係わる推進ユニットに関している。
WO特許公開99/14113は、船舶のための推進ユニットと、氷の状況下で船舶を動かすための方法とを開示している。このシステムは、駆動シャフトと、駆動シャフトに装着されたスクリューと、スクリューを囲んでいるノズルとを有している。このノズルは、水入口及び水出口と、氷がノズルの中に入る前に、フレーキをかける及び/又は氷を砕くために、水入口の外へと突出している、駆動シャフトの部分に取着された回転可能なブレード又は羽根とを有している。ブレード又は羽根の最大直径のポイントは、水入口の平面から所定の軸方向の距離の所に位置され、スクリューの直径の0.6乃至0.8倍である。
US特許2,714,866は、船を推進させるための装置を開示している。モータケースが、図4に示されている実施の形態では、垂直な舵シャフトに装着され、かくして、船の内部から舵シャフトによって回動され得る。電動モータが、モータケース内に配置されている。このケースを囲んでいるノズルが、複数の平坦な接続片によりケースに支持されている。前記電動モータにより駆動される推進用のスクリューが、前記ノズル内でケースの前端部に配置されている。前記平坦な接続片は、これらが、スクリューからくる水の螺旋動をとらえるように、少し曲げられている。この結果、得られた速度の水流の螺旋動成分が、軸方向に変換され、せん断のために使用されている。
US特許8,435,089は、船の船体の下側に装着可能なポッドを有する海用のエンジンアッセンブリを開示している。海用の推進アッセンブリは、支持支柱に機械的に接続されている少なくとも1つのポッドと、このポッドの前端部に配置され、少なくとも2つの羽根を有するスクリューと、ポッドに装着された少なくとも3つの流れ指向フインのアレンジメントとを有している。このフインのアレンジメントは、ポッドの長手方向の軸にほぼ垂直なリングを形成しており、このリングは、支持支柱の中心部とスクリューとの間に位置されている領域内に配置されている。スクリューのセットは、更に、少なくとも一部がスクリューと前記リングとを囲んでいるノズルを有している。前記羽根の各々は、スクリューが、スクリューポンプのロータを構成するように、ノズルの内壁と同一平面となるエッジを備えた端部を構成している。前記フインは、船の通常の進行方向でスクリューの前に位置されている。スクリューの後ろにはフィンは、無い。
ノズルは、例えば、石油の掘削に使用される、所謂、自動位置決め(DP)船で使用されている。このノズルは、ノズルの第1の端部から第2の端部への水のための軸流路を備えたダクトを形成している。スクリューにより発生される推進力は、低い速度でノズルにより増幅される。ノズルは、低速度で、総推進力の40%までを発生し、スクリューは、総推進力の60%までを発生する。このような船舶には幾つかの推進ユニットがあり、船舶は、推進ユニットにより、所定の位置での静止が保たれる。かくして、大きい推進力が、荒れた海上で船舶を一定の位置に保持させるためには、低速度で必要とされている。
本願発明の目的は、改善された推進ユニットを提供することである。
本願発明に係わる推進ユニットは、請求項1の特徴部分で記載されていることにより特徴付けられている。
一実施の形態では、船舶の船体から下方に延びている支持支柱と、前記支持支柱の下端部に装着され、スクリューが一端部に配設されているケースと、前記スクリューの羽根の外周を囲んでおり、前記ケースに固定して支持され、支持構造体を有する環状のノズルとを有し、前記支持構造体は、前記ケースの外側と、ノズルの内側との間に少なくとも3つの翼を有し、前記ノズルは、入口開口部と出口開口部とを有し、水流のためのダクトが、環状のノズルの内部に、前記入口開口部と出口開口部との間で形成されている推進ユニットが、提供される。前記スクリューは、船舶を駆動方向に進め、水が、ノズルの前記入口開口部から自由にスクリューの羽根に入り、そして、ノズルの前記支持構造体は、ノズル内に充分に位置されており、そして、船舶の前記駆動方向のスクリューの後ろで、支持構造体は、前記スクリューと前記支持支柱との間に位置されている。
一実施の形態では、推進ユニットは、
船舶の船体から下方に延びており、上端部が船体の底部分の所に回転可能に支持されている支持支柱と、
前記支持支柱の下端部に装着されたケースと、
前記ケース内に位置された第1の電動モータと、
前記ケースの第1の端部に取着されたハブと、
前記第1の電動モータに取着された第1の端部と、前記ハブに取着された第2の端部とを備えている第1のシャフトと、
前記ハブに取着された少なくとも3つの羽根を備えているスクリューと、
前記スクリューの夫々の羽根の外周を囲んでおり、前記ケースに固定して支持され、支持構造体を有する環状のノズルとを有し、前記支持構造体は、前記ケースの外側と、ノズルの内側との間で径方向に延びている少なくとも3つの翼を有し、前記ノズルは、入口開口部と出口開口部とを有し、水流のためのダクトが、環状のノズルの内部に、前記入口開口部と出口開口部との間で形成されている。
一実施の形態で、推進ユニットは、前記スクリューが、船舶を駆動方向に進め、そして、
ノズルの前記支持構造体が、船舶の前記駆動方向でスクリューの後ろに位置され、支持構造体の翼が、スクリューにより発生される流れの回転流れ成分を軸推進力に変換するように、最適化されている。
ノズルの支持構造体は、船舶の駆動方向でスクリューの後ろに位置されている。このことは、スクリューの後ろの螺旋形の流れが、支持構造体を通るということを意味している。羽根のフォーマットと、位置と、角度と、数とは、スクリューによる流れの回転成分ができる限り軸推進力に変換する観点で、適切にされ得る。
以下に、本願発明が、添付図面を参照して、好ましい実施の形態により詳述される。
図1は、本願発明に係わる推進ユニットの水平断面を示している。 図2は、本願発明に係わる推進ユニットの水平断面を示している。 図3は、推進ユニットの一部の不等角投影図を示している。 図4Aは、ノズルの実施の形態を示している。 図4Bは、ロータの実施の形態を示している。 図4Cは、ステータの実施の形態を示している。 図5は、ポッドユニットとノズルとの例示的なディメンションを示している。 図6は、ノズルのディメンションと推進効率との関係を示している。 図7は、ノズルのディメンションと推進効率との他の関係を示している。
本願発明が、幾つかの実施の形態を参照して以下に説明される。実施の形態は、船/船舶の推進ユニットに関している。
一実施の形態で、推進ユニットは、電動モータがスクリューに直接に接続されている水面下のポッドユニットに配設されている電動アジマススラスター(electric azimuth thruster)である。電動モータのための電気は、搭載されたガス又はジーゼルエンジンのような原動機により発生され得る。
他の実施の形態では、推進ユニットは、機械的なアジマススラスターである。この実施の形態で、モータは、船の中に配置され、ギア機構により推進ユニットに接続されている。モータは、ジーゼルモータ、電動モータ、又はこれらの組合せであり得る。シャフトアレンジメントは、L又はZ形式であり得る。
更なる他の実施の形態では、推進ユニットは、回転に対しては固定、即ち、回転不可能である。このような実施の形態において、船の向きを制御するために更なる舵が設けられている。モータは、水面下のボッドに、又は、船、即ち船内に配置された電動モータを有しているか、搭載された機械的なスラスターであり得る。
以下に、本願発明が、推進ユニットが水面下のポッドユニットに配置された電動モータを有している実施の形態を参照して説明される。しかし、ノズルに関連して記載された概念とスクリュー及び羽根のような関連された部品とは、どこでどのようにして推進力が発生されるのかとは、関連していないことは理解され得る。
図1は、本願発明の一実施の形態に係わる推進ユニットを示している。推進ユニット20は、中空の支持支柱21と、第1の電動モータ30と、第1のシャフト31と、ハブ40と、スクリュー50と、スクリュー50を囲んでいる環状のノズル60とを有している。前記スクリュー50は、船舶を第1の方向S1の方向、即ち、船舶の駆動方向に向かって前進させる。船舶が、反対の方向に駆動されることが望まれた場合には、方位角推進ユニットが、180°回転され得、かくして、推進ユニットは、依然として前進モードで動作する。このために、スクリューは、主回転方向で動作するようにデザインされ、そして最適化されている。
例えば、緊急の状態のような幾つかの状態で、推進ユニットの向きは、維持され得るけれども、スクリューの回転方向は、船舶にブレーキをかけるために逆転され得る及び/又は船舶を後方に駆動する。このようなモードで、スクリューは、スクリューの前へと水を押すことにより動作する。しかし、このような動作は一時的であり、スクリューは、このような動作に対して効果的ではない。
前記支持支柱21は、船舶の船体10から下方に延びている。支柱21の上端部21Aは、船舶の船体10の中に延びており、船舶の船体10の底部の所で回転可能に支持されている。支持支柱21は、更に、船舶の駆動方向S1に向かって面している前側エッジ21Cを有している。ケース22が、支柱21の下端部21Bに取着されている。このケース22は、第1の端部22Aと反対側の第2の端部22Bとを有するゴンドラの形状である。ゴンドラは、少なくとも実質的にドロップの形状を有し得る。この結果、第1の端部22A、即ち、前端部は、ポッドの後端部である第2の端部22Bよりも鈍くても良い。かくして、ケース/ポッドは、水の抵抗を最小にするために、鈍いヘッド22Aを前にして推進/駆動するように配設されている。ケース22の第1の端部22Aは、船舶が前へと駆動されていときには、船舶の駆動方向S1に向けられている。
前記ハブ40は、ケース22の第1の端部22Aに接続されており、そして、スクリュー50は、ハブ40に取着されている。第1のシャフト31の第1の端部31Aは、ケース22内に位置された第1の電動モータ30に接続されており、又、第1のシャフト31の第2の端部31Bは、ハブ40に接続されている。ハブ40、かくして又スクリュー50は、第1の電動モータ30により駆動される第1のシャフト31により回転する。第1のシャフト31は、シャフト軸X−Xを中心として回転する。
前記スクリュー50は、少なくとも3つの放射状に延びている羽根51,52を、効果的には3乃至7つの羽根51,52を有している。水は、スクリュー50の前に配置される如何なる分配部材が無くて、スクリュー50の羽根51,52に直接に入る。かくして、例えば、駆動方向で前進させているスクリューの前には、羽根(vanes)が無く、水が、スクリューの羽根に自由に入ることが可能になっている。スクリュー50の羽根51,52は、一般的な海用のスクリューのディメンションの決定プロセスに従ってディメンションが設定されている。スクリュー50の羽根51,52の幾何学的な形状は、ノズル60の支持構造体70や支持支柱21のような下流側の部品を考慮して、3次元的に水が自由に入るように最適化され得る。
前記環状のノズル60は、スクリュー50の羽根51,52の外縁を囲んでいる。シャフト線X−Xは、又、環状のノズル60のための軸方向の中心線を形成している。効果的な実施の形態において、ノズル60の長手方向でのスクリューの中心は、ノズル60の入口開口部61からのスクリュー50の直径の0.30乃至0.45倍の範囲内である。
環状のノズル60は、入口開口部61と出口開口部62とを有しており、かくして、中央のダクト65が、ノズル60の入口開口部61と出口開口部62との間に形成されている。中央のダクト65は、環状のノズル60の中を流れる水のための軸方向の流路を形成している。ノズル60の形状は、最小の自己誘導抗力と最大の推進力とのためにデザインされている。ケース22に関連したノズル60の長さと厚さと位置とは、最適にされる必要がある。ある効果的な実施の形態では、ノズル60の長さは、スクリュー50の直径の0.45乃至0.65倍の範囲である。更なる効果的な実施の形態では、ノズルの長さは、スクリューの直径の0.45乃至0.55倍である。ケース22の前端部22Aの角度は、ノズル60の形体に対して大きな影響力を有している。これは、図4A乃至7を参照して後で詳述される。
環状のノズル60は、支持構造体70によりケース22に固定するように取着されている。この支持構造体は、ケース22の外面とノズル60の内面との間で延びている放射方向延出翼71,72を有している。ケース22の所で環状のノズル60を支持している少なくとも3つの翼71,72は、効果的には、2ないし7つの翼71,72がある。
スクリューの羽根の数と前記翼の数とは、非静止力を避けるために互いに異ならせ得る。幾つかの実施の形態では、相違は1つである。即ち、ステータは、ロータが有している羽根よりも1つ多い翼を有している。一実施の形態では、スクリューは、4つの羽根を有し得、ステータは、5つの翼を有し得る。
前記翼71,72は、船舶の駆動方向S1で、スクリュー50の後ろ配置されている。回転しているスクリュー50は、水を、第1の方向S1、即ち、船舶の駆動方向、に対して反対の第2の方向S2で、中央のダクト65の第1の端部61から中央のダクト65の第2の端部62へと中央のダクト65を通って流す。スクリュー50により発生される推進力は、ノズル60により増幅される。かくして、スクリュー50は、船舶を第1の方向S1に進める。
支持構造体70の翼71,72は、これら翼71,72が、船舶の駆動方向S1でスクリュー50の後ろに配置されているので、スクリュー50の羽根51,52からスパイラル形状の水流を受ける。翼71,72は、スクリュー50の羽根51,52により発生された回転エネルギーを回復する。翼71,72は、スパイラル形状の水流のうちの回転流れ成分を軸方向に向ける。この結果、スクリュー50により発生された推進力が増すであろう。
翼71,72の断面形状は、自己誘導抗力を最小にするようにデザインされている。各翼71,72は、受ける3次元の水流を、即ち、スクリュー50から来る水流を考慮して、デザインされている。翼71,72の下流側に配置されている支持支柱21への衝撃は、又、翼71,72をデザインするときに、考慮されている。
支持構造体70の翼71,72は、スクリュー50により発生される流れのうちの回転流れ成分を軸方向の推進力に変換する。支持構造体70の直前のスクリュー50により発生された流れの場を計算することにより最適にされる。この計算は、コンピュータによる流体力学(CFD)によるか、又は、より単純なパネル方法(panel method)によりなされ得る。流れの場が知られているときには、入って来る流れに関連している翼71,72径方向での最適な角度分布が、翼71,72が発生させる特別な推進力と翼71,72が発生させる自己誘導抗力との間の比が最大となるように、決定される。各翼71,72の厚さと長さの間の比は、翼71,72の強度により決定される。翼71,72は、スクリュー50により発生される推進力と流体力学的負荷とを保持し、供給する。
実施の形態では、スクリューは、かくして、スクリューに直接/自由に入って来る水に回転トルクを生じさせる。駆動方向でのスクリューの後ろで、回転している水流は、スクリューとは反対のトルクを水流に生じさせる翼に入る。かくして、水の軸流は、翼により戻される。この結果、翼は、水が翼及びノズルを出るときには、翼に入って来た回転水流を軸推進力に戻すように、スクリューにより発生された回転トルクを反対のトルクにより補う。かくして、翼は、スクリューにより与えられるトルクと比較されるときに、逆トルク(counter-torque)を水流に与える、と言われ得る。この逆トルクは、結果として、直接の水流がノズルにより与えられるように、スクリューの回転の影響と少なくとも実質的に等しくなる。翼がノズル内で、ノズルの入口開口部と出口開口部との間に配置されていることは、効果がある。このようにして、水の軸流は、ノズルにより得られる推進力を最大にするために、可能な限り迅速に戻される。
前記スクリュー50と支持構造体70とは、ノズル60内に、即ち、ノズル60入口端部61及び出口端部62内に充分にある。即ち、前記スクリューの羽根と、前記翼とは、ノズルにより規定されているチューブ内に配置されている。
前記支持支柱21の上端部21Aは、船舶の船体内のギアホイール26に取着されている。第2の電動モータ110が、回転ホイール26の歯に接続されているピニオン112に、第2のシャフト111を介して、接続されている。かくして、第2の電動モータ110は、ギアホイール26を回転させて、推進ユニット20を回転させる。かくして、推進ユニット20は、船舶の船体10の所で回転可能に支持されており、船舶の船体10に対して垂直中心軸Y−Yを中心として360度回転され得る。図は、ギアホイール26に接続された1つのみの第2の電動モータ110を示しているけれども、ギアホイール26を駆動する2つ又はこれよりも多い第2の電動モータ110があることは、一般的である。
前記電動モータ30に必要な電力は、船舶の船体10内で発生される。第1の電動モータ30への電力は、船舶の船体10の内部の発電機から推進ユニット20へと延びているケーブルにより供給される。スリップリング装置100が、電力を静止している船体10から回転可能な推進ユニット20へと電力を伝送するために、ギアホイール26と接続状態で必要とされている。
前記第1のシャフト31の中心軸Xは、図に示されている実施の形態では水平方向に向けられている。しかし、第1のシャフト31の中心軸Xは、水平方向に対して傾斜されていても良い。このときには、ケース22は、水平方向に対して傾斜され得る。これは、幾つかの状況のもとで水力学的な効果を奏することがある。
推進ユニット20の回転軸Y−Yとシャフト線X−Xとの間の角度αは、90度が効果があるけれども、90度よりも小さくても、90度よりも大きくても良い。
図2は、本願発明に係わる推進ユニットの水平断面図を示している。この図は、支持支柱21とケース22とを示している。支持支柱21は、船舶の船体の所で推進ユニット20を支持している。支持支柱21の水平断面は、支持支柱21の前側エッジ21Cが、入って来る水流の方向に角度α2だけ傾けられていることを、示している。支持支柱21の前側エッジ21Cは、この前側エッジ21Cに入って来る水流に向かって傾けることにより、全体のユニットの推進力を増すように、最適化され、又、形状が設定され得る。かくして、支持支柱21は、支持構造体70の後ろの3次元の流れから、残っている回転エネルギーを回復し得る。支持支柱21の前側エッジ21Cの角度α2は、0乃至10度の範囲で変更する。効果のある実施の形態では、この傾斜の角度は、3乃至7度の範囲である。好ましくは、この傾斜は、アプローチしているロータの羽根の方向である。即ち、ロータが時計方向に回転する場合には、傾斜は、支柱の後方から見て、右に向いている。支持支柱21の前側エッジ21Cの傾斜角度α2は
径方向で変えられ得る。ノズル60の支持構造体70の後での水流の角度は、角度α2を決定するために、コンピュータによる流体力学(CFD)によるか、又は、より単純なパネル方法により算出され得る。
スクリュー50の羽根51,52は、第1の軸領域X1内に配置され、又、支持構造体70の翼71,72は、第2の軸領域X2内に配置されている。第2の軸領域X2は、船舶の進行の通常の方向S1で第1の軸領域X1の後ろの軸距離X3の所に配置されている。
前記スクリュー50は、スクリュー50の羽根51,52の夫々の径方向の外端を通る円で測られる直径D1を有している。
図3は、推進ユニットの一部の不等角投影図を示している。この図は、ケース22と、ケース22を囲んでいるノズル60とを示している。更に、この図は、1つの翼71を示している。各翼71、72の切断(section)角度α3は、径方向から0乃至15°で変わる。1つの好ましい実施の形態では、この角度は、3乃至10度である。切断角度α3は、軸方向X−Xと、翼71,72の面の径方向との間の角度である。換言すれば、この角度は、どのくらい翼が、推進ユニットの回転軸を規定している長軸X−Xに対して、傾いているかを規定している。
図4Aは、ノズルの一実施の形態の3次元表示である。ノズルは、幾何学的には、開口端を有する円筒又は切頭円錐筒の形状であり得る。ノズルの形状は、ノズルに囲まれているポッドの形状に依存し得る。好ましくは、ボッドとノズルとの間のオープン領域は、ノズルの基部側よりもノズルの前側の方が大きい。ノズルの前側とは、ノズル内に配設されるスクリューに近いノズルの端部を称している。他の実施の形態では、ノズルの両端の直径は、ほぼ等しい。
図4Bは、ロータ/スクリューの実施の形態の3次元表示を示している。スクリューは、羽根が固定されている実質的に円筒形の中央部のロータディスクを有していることが、見られ得る。ロータディスクに固定されている羽根のベースエンドは、スクリューの回転軸から少し傾かれ得る。羽根の形状は、羽根のトップの所で、リアーエンドが、羽根のフロントエンドよりも羽根のベースから径方向に更に離れるようにねじられた形状を有している。
図4Cは、ステータの実施の形態の3次元の表示を示している。ステータの翼は、又、ロータの回転軸に対して傾けられ得る。ステータの翼の傾きは、ロータの羽根の傾きとは逆方向であり得る。例えば、図4Bのロータの羽根は、ロータの後から見て右に傾けられているけれども、図4Cのステータの翼は、翼のフロントエンドが、翼のリアーエンドよりも左により傾けられているように見えるように、左に傾かれ得る。翼の傾きは、ロータの回転軸と比較されたときに、15度までであり得る。好ましくは、翼の傾きは、ポッドを長手方向で通る長軸から3乃至10度である。
ロータの羽根とステータの翼との傾きは、逆方向なので、水に対して実質的に反対の回転の影響を与える。即ち、翼は、ロータの羽根とは水に反対の回転力を実質的に生じさせるように、配設されている。この結果、ロータの回転の影響は、ステータをでる推進力は、少なくとも実質的に軸方向となるようにステータにより補われる。
図5は、所定のディメンション間の種々のディメンションと関連性とを示す推進ユニットの部分の実施の形態を示している。図5では、以下の省略語が使用されている。
αは、ポッド22の主延出方向でのノズルの前面の直径である。Dβは、ノズルの基部の、即ち、ポッドの主延出方向でのノズルの後部の直径である。dαは、ノズルの前面の平面でのポッドの直径を示している。又、dβは、ノズルの基部の平面でのポッドの直径を示している。Dinは、ロータの羽根が固定されているロータディスクの平面でのノズルの内径である。DRhは、ロータのハブの直径を示している。
更に、以下の限定がなされている。
α=Sα/Sin、 ここで、Sαは、ノズルの前部でのセクション領域であり、Sinは、ロータディスクの所でのノズルのセクション領域である、
β=Sβ/Sin、 ここで、Sβは、ノズルの基部のセクション領域である、
α=π/4(Dα 2−dα 2)、
β=π/4(Dβ 2−dβ 2)、
in=π/4(Din 2−din 2)、
α=(Dα 2−dα 2)/(Din 2−din 2)、
α=(Dβ 2−dβ 2)/(Din 2−din 2)。
図6は、αと、スクリューにより発生された推進力との間の関係を示している。推進力は、αがほぼ1.25のときに最大であることが見られ得る。ここで、αは、ノズルの前ヘッドでの開口水流領域とロータディスクでの開口水領域との間の分配を示している。適した範囲は、1.15乃至1.35に、より好ましくは、1.20乃至1.30より規定され得る。推進力は、ここでは、どのような大きい力が、スクリューで覆われた領域に影響されるかを示している。
図7は、ロータディスクでの開口領域により分けられているノズルの基部での開口領域を示しているβとスクリューにより生じた効率との間の関係を示している。効率の少しの改善が、βが1.10のもとで、特に1.00と1.10との間の時になされていることが、見られる。
本願発明と、その実施の形態とは、上述された例に限定されるものでは無く、請求項の範囲内で変えられ得る。
本願発明と、その実施の形態とは、上述された例に限定されるものでは無く、請求項の範囲内で変えられ得る。
以下に、出願当初の請求項1乃至18の記載を付記として記載する。
付記
船舶の船体(10)から下方に延びている支持支柱(21)と、
前記支持支柱(21)の下端部(21B)に装着され、スクリュー(50) が一端部に配設
されるケース(22)と、
前記スクリュー(50)の複数の羽根(51,52)の外周を囲んでおり、前記ケース(22)に固定して支持され、支持構造体(70)を有する環状のノズル(60)とを具備し、前記支持構造体は、前記ケース(22)の外側と、ノズル(60)の内側との間に少なくとも3つの翼(71,72)を有し、前記ノズル(60)は、入口開口部(61)と出口開口部(62)とを有し、水流のためのダクト(65)が、環状のノズル(60)の内部に、前記入口開口部(64)と出口開口部(62)との間で形成されている推進ユニット(20)において、
前記スクリュー(50)は、船舶を駆動方向(S1)に進め、
水が、ノズル(60)の前記入口開口部(61)から自由にスクリューの羽根(51,52)に入り、そして、
ノズル(60)の前記支持構造体(70)は、ノズル(60)内に充分に位置されており、そして、船舶の前記駆動方向(S1)でスクリュー(50)の後ろに位置され、又、支持構造体(70)は、前記スクリュー(50)と前記支持支柱(21)との間に位置されていることを特徴とする推進ユニット(20)。
付記2
前記支持支柱(21)の上端部(21A)は、船体(10)の底部分の所に回転可能に支持されていることを特徴とする付記1に記載の推進ユニット。
付記3
この推進ユニットは、前記ケース(22)内に配置されている第1の電動モータ(30)を具備していることを特徴とする付記1又は2に記載の推進ユニット。
付記4
この推進ユニットは、前記ケース(22)の第1の端部(22A)に取着されたハブ(40)を有し、そして、前記スクリュー(50)は、このハブ(40)に取着されていることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記5
この推進ユニットは、前記第1の電動モータ(30)に取着された第1の端部(31A)と前記ハブ(40)に取着された第2の端部(31B)とを備えた第1シャフト(31)を具備していることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記6
前記支持構造体(70)の翼(71,72)は、前記スクリュー(50)により発生される流れの回転流れ成分を軸推進力に変換するように構成されていることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記7
前記支持構造体(70)の翼(71,72)は、翼の後の流れが、少なくとも実質的な軸推進力に戻されるように、スクリューにより生じた回転の影響を補うように構成されていることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記8
前記支持構造体(70)の翼(71,72)は、前記ノズルの径方向に延びるように配設されていることを特徴とする付記1乃至7のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記9
前記支持構造体(70)の翼(71,72)の数は、前記スクリュー(50)の羽根(51,52)の数よりも多いことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記10
前記ケース(22)の第1の端部(22A)は、第2の端部(22B)よりも鈍く、ケースは、第1のヘッド(22A)を前にして前記駆動方向(S1)に延びるように構成されていることを特徴とする付記1乃至9のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記11
この推進ユニットは、前記ケース(22)の外のモータから推力を受けるギアアッセンブリを具備していることを特徴とする付記1乃至10のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記12
前記ノズル(60)の長さは、スクリュー(50)の直径の0.45乃至0.65倍の範囲内であることを特徴とする付記1乃至11のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記13
前記ノズル(60)の長手方向での、前記スクリュー(50)の中心は、前記ノズルの入口開口部(61)からのスクリューの直径の0.30乃至0.45倍の範囲内であることを特徴とする付記1乃至12のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記14
前記支持構造体(70)は、3乃至7つの翼(71,72)を有していることを特徴とする付記1乃至13のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記15
前記支持支柱(21)の前側エッジ(21C)は、入って来る水流の方向に、角度(α2)だけ傾けられており、支持支柱(21)の前側エッジ(21C)の前記角度(α2)は、3乃至7度の範囲内であることを特徴とする付記1乃至14のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記16
前記スクリューの回転軸に対する少なくとも1つの翼(71,72)の傾斜角度(α3)は、3乃至6度の間であることを特徴とする付記1乃至15のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記17
前記ノズルの先端部の所での前記ノズルとポッドとの間のセクション領域は、前記ノズルとロータディスクとの間のセクション領域より1.15乃至1.35倍であることを特徴とする付記1乃至16のいずれか1に記載の推進ユニット。
付記18
前記ノズルの後方でのノズルの内面とポッドとの間のセクション領域は、ロータディスクとノズルとの間のセクション領域の1.00乃至1.15倍であることを特徴とする付記1乃至17のいずれか1に記載の推進ユニット

Claims (18)

  1. 船舶の船体(10)から下方に延びている支持支柱(21)と、
    前記支持支柱(21)の下端部(21B)に装着され、スクリュー(50)が一端部に配設
    されるケース(22)と、
    前記スクリュー(50)の複数の羽根(51,52)の外周を囲んでおり、前記ケース(22)に固定して支持され、支持構造体(70)を有する環状のノズル(60)とを具備し、前記支持構造体は、前記ケース(22)の外側と、ノズル(60)の内側との間に少なくとも3つの翼(71,72)を有し、前記ノズル(60)は、入口開口部(61)と出口開口部(62)とを有し、水流のためのダクト(65)が、環状のノズル(60)の内部に、前記入口開口部(64)と出口開口部(62)との間で形成されている推進ユニット(20)において、
    前記スクリュー(50)は、船舶を駆動方向(S1)に進め、
    水が、ノズル(60)の前記入口開口部(61)から自由にスクリューの羽根(51,52)に入り、そして、
    ノズル(60)の前記支持構造体(70)は、ノズル(60)内に充分に位置されており、そして、船舶の前記駆動方向(S1)でスクリュー(50)の後ろに位置され、又、支持構造体(70)は、前記スクリュー(50)と前記支持支柱(21)との間に位置されていることを特徴とする推進ユニット(20)。
  2. 前記支持支柱(21)の上端部(21A)は、船体(10)の底部分の所に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の推進ユニット。
  3. この推進ユニットは、前記ケース(22)内に配置されている第1の電動モータ(30)を具備していることを特徴とする請求項1又は2に記載の推進ユニット。
  4. この推進ユニットは、前記ケース(22)の第1の端部(22A)に取着されたハブ(40)を有し、そして、前記スクリュー(50)は、このハブ(40)に取着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  5. この推進ユニットは、前記第1の電動モータ(30)に取着された第1の端部(31A)と前記ハブ(40)に取着された第2の端部(31B)とを備えた第1シャフト(31)を具備していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  6. 前記支持構造体(70)の翼(71,72)は、前記スクリュー(50)により発生される流れの回転流れ成分を軸推進力に変換するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  7. 前記支持構造体(70)の翼(71,72)は、翼の後の流れが、少なくとも実質的な軸推進力に戻されるように、スクリューにより生じた回転の影響を補うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  8. 前記支持構造体(70)の翼(71,72)は、前記ノズルの径方向に延びるように配設されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  9. 前記支持構造体(70)の翼(71,72)の数は、前記スクリュー(50)の羽根(51,52)の数よりも多いことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  10. 前記ケース(22)の第1の端部(22A)は、第2の端部(22B)よりも鈍く、ケースは、第1のヘッド(22A)を前にして前記駆動方向(S1)に延びるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  11. この推進ユニットは、前記ケース(22)の外のモータから推力を受けるギアアッセンブリを具備していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  12. 前記ノズル(60)の長さは、スクリュー(50)の直径の0.45乃至0.65倍の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  13. 前記ノズル(60)の長手方向での、前記スクリュー(50)の中心は、前記ノズルの入口開口部(61)からのスクリューの直径の0.30乃至0.45倍の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  14. 前記支持構造体(70)は、3乃至7つの翼(71,72)を有していることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  15. 前記支持支柱(21)の前側エッジ(21C)は、入って来る水流の方向に、角度(α2)だけ傾けられており、支持支柱(21)の前側エッジ(21C)の前記角度(α2)は、3乃至7度の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  16. 前記スクリューの回転軸に対する少なくとも1つの翼(71,72)の傾斜角度(α3)は、3乃至6度の間であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  17. 前記ノズルの先端部の所での前記ノズルとポッドとの間のセクション領域は、前記ノズルとロータディスクとの間のセクション領域より1.15乃至1.35倍であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の推進ユニット。
  18. 前記ノズルの後方でのノズルの内面とポッドとの間のセクション領域は、ロータディスクとノズルとの間のセクション領域の1.00乃至1.15倍であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の推進ユニット。
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