JP2017510631A - 癌に対しnkg2d経路機能を回復させるためのワクチン組成物および方法 - Google Patents

癌に対しnkg2d経路機能を回復させるためのワクチン組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、MICポリペプチドに対する免疫応答を引き出すことによって、対象者における癌を治療するための組成物および方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年3月14日出願の米国特許出願第61/953,064号の優先権および恩典を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
政府支援
本発明は、米国立衛生研究所によって授与された助成金番号NCI 1R01CA173750-01の下で政府の支援によりなされたものである。政府は本発明において一定の権利を有する。
技術分野
本発明は、ヒト対象者において抗癌免疫応答を誘導するための方法および組成物に関する。
背景
MICAは、ほとんどのヒトNK細胞、γδT細胞、およびCD8+ T細胞上に発現されるC型レクチン様のII型膜貫通受容体NKG2Dのリガンドである。連結時に、NKG2Dは、パーフォリン依存性細胞溶解を惹起するために、また、副刺激(co-stimulation)をもたらすために、アダプタータンパク質DAP10を介してシグナルを伝える。ヒトでは、NKG2Dのリガンドとして、MHCクラスI鎖関連タンパク質A(MICA)、密接に関連するMICB、UL-16結合タンパク質(ULBP)1〜4、およびRAE-1Gが挙げられる。
NKG2Dリガンドは、通常、健康な組織には見られないが、DNA損傷を含むさまざまな形の細胞ストレスは、リガンドの発現をアップレギュレートすることがあり、結果として、メラノーマをはじめとする多数の固形腫瘍および血液系腫瘍におけるその頻繁な検出をもたらす。リガンド陽性の形質転換細胞を介するNKG2D活性化は、外因性の腫瘍免疫に寄与する。というのは、NKG2D欠損マウスが、増強された腫瘍感受性を示すからである。しかし、多くの癌患者において、NKG2D媒介性の腫瘍免疫には効果が見られない。一部には、免疫回避(immune escape)は腫瘍細胞からのNKG2Dリガンドの脱落(shedding)によって達成される可能性があり、こうした脱落は表面NKG2Dの内在化および細胞傷害性リンパ球の機能障害を引き起こす。例えば、Wu et al., "Prevalent Expression of the Immunostimulatory MHC Class I Chain-related Molecule is Counteracted by Shedding in Prostate Cancer," J Clin Invest 114:560-8 (2004)(非特許文献1); Groh et al., "Tumour-derived Soluble MIC Ligands Impair Expression of NKG2D and T-cell Activation," Nature 419: 734-8 (2002)(非特許文献2); Doubrovina et al., "Evasion from NK Cell Immunity by MHC Class I Chain-related Molecules Expressing Colon Adenocarcinoma," J Immunol 171:6891-9 (2003)(非特許文献3)を参照されたい。さらに、腫瘍からのMIC脱落に起因する、腫瘍細胞表面上に発現されたMICの密度の減少は、腫瘍逃避(tumor evasion)のための機構の一つでもある。Marten et al., "Soluble MIC is Elevated in the Serum of Patients with Pancreatic Carcinoma Diminishing Gamma Delta T Cell Cytotoxicity," Int J Cancer 119:2359-65 (2006)(非特許文献4)を参照されたい。可溶性のNKG2Dリガンドはまた、Fasリガンド、IL-10およびTGF-βを介して抗腫瘍細胞毒性に拮抗し得る制御性NKG2D+CD4+Foxp3- T細胞の増殖を刺激することがある。
MICAは、腫瘍細胞から脱落した、すなわち、該細胞の表面から周囲の媒体へ放出された、NKG2Dリガンドであり、一部の癌患者からの血清では、その可溶性形態(sMICA)のレベルが上昇している。MIC(用語「MIC」はMICAとMICBを指す)の脱落は、一部には、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼERp5との相互作用を介して達成され、該イソメラーゼはMIC α3ドメイン内のジスルフィド結合を切断して、それがADAM-10/17およびMMP14によるタンパク質分解を受けやすくする。抗MIC抗体または抗原結合ペプチドフラグメントを投与することによって癌を治療する方法が記載されている。例えば、米国特許第8,182,809号(特許文献1)は、このような方法を記載しており、該方法は、MICポリペプチドのα3細胞外ドメインに位置するアミノ酸配列NGTYQTに特異的に結合する、精製された抗体またはその抗原結合フラグメントを含むポリペプチドを利用しており、結果として、MICポリペプチドとERp5との相互作用が抑制されて、MICの脱落が阻害されるようになる。また、米国特許第7,959,916号(特許文献2)は、抗MIC α3ドメイン抗体を用いて、癌細胞からのMICポリペプチドの脱落を阻害する方法を記載している。さらに、腫瘍由来の可溶性MICポリペプチド、MICAもしくはMICBのいずれか、またはその両方は、癌の診断および予後のためのバイオマーカーとして提案されており、そして抗MICAまたは抗MICB抗体は、癌および自己免疫疾患を治療するための治療薬として提案されている。例えば、米国特許第7,771,718号(特許文献3)は、可溶性MICポリペプチドに結合する抗MIC抗体を用いて、リンパ球におけるNKG2DのMICによる抑制を軽減する方法を記載している。
実際には、癌または他の疾患を治療用抗体で治療する方法は、患者に注入するのに十分な純度のそうした抗体を大量に生産する必要があるため、比較的費用がかかる。大規模抗体生産の複雑性および抗体注入プロトコルの特殊要件を考慮すると、より効率的で、費用効率の高い方法でMICポリペプチドを標的化するための代替方法が必要とされる。本発明は、対象者において抗MIC抗体を引き出すためのワクチンを提供することによって、この問題に対する解決策を提供する。
腫瘍ワクチンは、典型的には、腫瘍抗原と免疫刺激分子(例えば、サイトカインまたはTLRリガンド)から構成され、これらは、腫瘍細胞を認識して溶解する抗原特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するために協力し合う。現時点では、ほとんど全てのワクチンは、共有される腫瘍抗原または全腫瘍細胞調製物のいずれかを含有する(Gilboa, 1999)。共有腫瘍抗原は、多くの個人にまたがる腫瘍において選択的発現を有する免疫原性タンパク質であり、一般的には合成ペプチドまたは組換えタンパク質として患者に送達される(Boon et al., 2006)。対照的に、全腫瘍細胞調製物は、自己照射細胞、細胞溶解物、細胞融合物、熱ショックタンパク質調製物または全mRNAとして患者に送達される(Parmiani et al., 2007)。全腫瘍細胞は患者から単離されるので、該細胞は共有腫瘍抗原だけでなく患者特有の腫瘍抗原を発現する。最後に、腫瘍抗原の第3のクラスが存在するが、このクラスは、該抗原を同定することの技術的困難のため、ワクチン中で使用されることはめったにない(Sensi et al., 2006)。このクラスは、改変されたアミノ酸配列を生じる腫瘍特異的変異を有するタンパク質から成る。このような変異タンパク質は、以下の可能性を有している:(a)免疫系による認識と破壊のために(非腫瘍細胞に対して)腫瘍を特異的にマークする(Lennerz et al., 2005);(b)中枢性の、時には末梢性の、T細胞寛容を回避し、したがって、より効果的な、高結合力のT細胞受容体により認識される(Gotter et al., 2004)。
概要
本発明は、MICポリペプチドに対する免疫応答を引き出すことによって、対象者における癌を治療するための組成物および方法を提供する。本明細書で使用する用語「MIC」は、MICAおよび/またはMICBを指す。一態様において、本発明は、癌を治療するためのワクチン組成物を提供し、該組成物は、免疫原性成分として、SEQ ID NO:1〜23のうち1つまたは複数を含むまたはそれらから成るペプチドの有効量を含み、該有効量は、MICポリペプチドまたは癌に対する免疫応答を引き出すのに有効な量である。別の態様では、該ワクチン組成物は、免疫原性成分として、SEQ ID NO:1〜4もしくは2〜4のうち1つもしくは複数、SEQ ID NO:5〜7のうち1つもしくは複数、SEQ ID NO:8〜10のうち1つもしくは複数、またはSEQ ID NO:5〜13のうち1つもしくは複数を含むまたはそれらから成るペプチドの有効量を含む。別の態様では、該ワクチン組成物は、免疫原性成分として、SEQ ID NO:14〜23のうち1つもしくは複数、SEQ ID NO:15〜23のうち1つもしくは複数、SEQ ID NO:18〜23のうち1つもしくは複数、またはSEQ ID NO:21〜23のうち1つもしくは複数を含むまたはそれらから成るペプチドの有効量を含む。
一態様において、該ワクチン組成物は、MICポリペプチドに対するインビトロ免疫応答を引き出すのに有効である。別の態様では、該ワクチン組成物は、MICポリペプチドに対するインビボ免疫応答を引き出すのに有効である。
一態様において、免疫応答は、可溶性MICポリペプチドとも呼ばれる、細胞に結合されていないMICポリペプチドに対して向けられる。可溶性MICは、単量体または多量体のいずれの形態であってもよい。別の態様では、免疫応答は、MICポリペプチドを発現している癌細胞に対して向けられる。その癌細胞はインビトロまたはインビボであってよい。一態様では、該ワクチン組成物は、MICポリペプチドを発現している癌細胞に対する免疫応答を引き出すのに有効である。その癌細胞はインビトロまたはインビボであってよい。
一態様において、MICポリペプチドは、MICAもしくはMICBポリペプチド、またはMICAおよびMICBのα3ドメインを含む融合タンパク質である。
MICを発現している癌細胞はどれも、本発明の組成物および方法を用いて治療することができる。一態様では、癌は、前立腺癌、多発性骨髄腫、多形性膠芽腫、およびメラノーマからなる群より選択される。一態様では、癌はメラノーマである。
一態様において、前記ペプチドは、SEQ ID NO:8〜13、またはそのいずれか1つに対して90%もしくは95%のアミノ酸配列同一性を有するペプチド、のうち1つもしくは複数を含むかまたはそれらから成る。一態様では、該ペプチドは、SEQ ID NO:15〜23、またはそのいずれか1つに対して90%もしくは95%のアミノ酸配列同一性を有するペプチド、のうち1つもしくは複数を含むかまたはそれらから成る。
一態様において、前記ワクチン組成物は、SEQ ID NO:5〜10、もしくはそのいずれかに対して95%のアミノ酸配列同一性を有するペプチド、のうち2つ以上から;またはSEQ ID NO:8〜13、もしくはそのいずれかに対して90%のアミノ酸配列同一性を有するペプチド、のうち2つ以上から選択される複数のペプチドを含む。一態様では、該ワクチン組成物は、SEQ ID NO:15〜20、もしくはそのいずれかに対して95%のアミノ酸配列同一性を有するペプチド、のうち2つ以上から;またはSEQ ID NO:21〜23、もしくはそのいずれかに対して90%のアミノ酸配列同一性を有するペプチド、のうち2つ以上から選択される複数のペプチドを含む。
一態様において、前記ペプチドはキャリアタンパク質にコンジュゲートされる。一態様では、キャリアタンパク質は、破傷風毒素およびジフテリア毒素から選択される。
一態様において、前記ワクチン組成物は、表面上に少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドを提示するように操作されたウイルスキャプシドタンパク質を含む。一態様では、ウイルスキャプシドタンパク質はB型肝炎キャプシドタンパク質である。
一態様において、前記ワクチン組成物は、少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドを含むポリマー足場の形態である。一態様では、ポリマー足場は多孔質のポリ-ラクチド-コ-グリコリド(PLG)ポリマー足場である。一態様では、ポリマー足場は、GM-CSFタンパク質およびToll様受容体アゴニストの一方または両方をさらに含む。一態様では、ポリマー足場は、前記組成物を用いて癌を治療される対象者の自己腫瘍細胞溶解物をさらに含む。
本発明はまた、本明細書に記載のワクチン組成物を対象者に投与することによって、対象者における癌を治療する方法を提供する。一態様では、本発明のワクチン組成物は、治療レジメンの一環として投与される。一態様では、治療レジメンは、放射線療法、免疫療法、化学療法、または標的療法のうち1つまたは複数をさらに含む。一態様では、前記方法は、プライム-ブースト戦略の一環として、少なくとも2つの、好ましくは3つの別個の本発明のワクチン組成物を投与することを含み、各ワクチン組成物は他とは異なる免疫原を有する。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
MICA* 100参照構造上のエピトープのマッピングを示す。エピトープマッピングは、重複ペプチドアレイを用いて行った。各ペプチドは、各ペプチドにつき10アミノ酸のオフセットを有する20アミノ酸の直鎖状配列であった。 共通のMICAおよびMICB対立遺伝子間のエピトープの保存を示す。 共通のMICAおよびMICB対立遺伝子間のエピトープの保存を示す。 図3Aおよび3Bは、MICA抗体に対するエピトープが適切に配置されたキメラタンパク質の設計を示す。MICA Ab 28および29のエピトープ(青と赤で強調)は、類似のIgドメイン構造を有する無関係のタンパク質、ヒトCMVタンパク質UL18に配置された。MICA α3(A)とキメラタンパク質(B)の構造の比較は、MICA抗体28および29に対するエピトープの保存を実証する。図3Cでは、キメラタンパク質の配列がMICAおよびUL18配列とアライメントされる(C)。ヒトLIRに結合するUL18の残基を変異させた(白で表示)。MICAの残基206および210は多形である(それぞれ、G/SおよびW/R)。 図4Aおよび4Bは、MICAエピトープを表示するためのジスルフィド安定化ミニMICAの設計を示す。ミニMICAタンパク質は、該タンパク質の重要な部分にB細胞応答を集中させるように設計された。MICA Ab29エピトープの立体構造を安定化するためにジスルフィド結合(緑)を導入した。Ab28およびAb29エピトープを接続するβ鎖は、タンパク質の柔軟性を低下させかつ溶解性を向上させるために取り除いた。ミニMICAタンパク質のN末端とC末端は近接しており、これは、B型肝炎コアキャプシドの表面上での提示を可能にすることに留意されたい。青 - Ab28エピトープ、赤 - Ab29エピトープ。図4Cでは、ミニMICAの配列がMICAとアライメントされる。 図5A〜5Dは、ヒト抗MICA抗体の治療活性を示す一連のグラフである。図5Aは、AML Ab2がヒトU937腫瘍細胞を移植したSCIDマウスの生存率を改善したことを示すグラフである(週あたり3×100μgのAb)。経過日数をx軸に示し、生存率をy軸に示す。図5Bは、ELISAで測定して、抗体治療が治療マウスの血清中のsMICA濃度を顕著に低下させたことを示すグラフである。治療期間をx軸に示し、血清中のsMICA濃度をy軸に示す。図5Cおよび5Dは、治療の1週間後、MICA抗体が腫瘍ホモジネート中のsMICAを減少させた (腫瘍量に対して正規化;図5C参照)こと、かつフローサイトメトリーで分析して、腫瘍細胞表面上のMICA発現を増加させた(図5D参照)ことを示す。図5Cにおいて、x軸は実験条件を示し、y軸は腫瘍ホモジネート中のsMICAの濃度を示す。図5Dにおいて、x軸は実験条件を示し、y軸は平均蛍光強度(MFI)を示す。 図6A〜6Fは、ヒト抗体が腫瘍におけるNK細胞の蓄積および機能を高めることを示す一連のグラフである。これらのデータに関しては、U937腫瘍を有するSCIDマウスをMICA mAb(3×100μg)で1週間治療して、NK細胞の機能を評価した。図6A、6Bおよび6Cは、抗体治療が腫瘍浸潤CD45+ NK1.1+ NK細胞によるNKG2D(図6A参照)およびNKp46(図6B参照)の表面レベルを増加させ、かつ腫瘍におけるNK細胞の蓄積を誘導した(図6C参照、1×105個のCD45+細胞に対して正規化)ことを実証する。図6Dおよび6Eは、治療が腫瘍浸潤CD45+ NK.1+ NK細胞によるIFNγ(図6D参照)およびパーフォリン(図6E参照)の発現を増加させたことを実証する。図6Fは、3種すべてのヒトMICA抗体が脾臓細胞による51Cr標識YAC-1細胞のエクスビボ殺傷を高めたことを示す。
詳細な説明
本発明は、MICポリペプチドに対する免疫応答を引き出すことによって対象者における癌を治療するための組成物および方法を提供する。用語「引き出す」、「刺激する」および「誘導する」は交換可能に使用され、対象者におけるデノボ(de novo)免疫応答の発生を意味するか、または既存の免疫応答の強度もしくは持続性の向上を意味する。本発明の組成物は、免疫原性成分(本明細書では「免疫原」ともいう)として、MICA[SEQ ID NO:1]またはMICB[SEQ ID NO:14]の全長α3ドメインを含むまたはそれらから成る少なくとも1つのMICペプチドを含有する。特定の態様では、MICペプチドは、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より選択されるエピトープである。
本発明との関連において、エピトープは、抗原分子に対する免疫応答、好ましくは細胞傷害性T細胞応答または抗体分泌B細胞媒介性応答、を引き出すことが可能な抗原分子の部分、あるいは抗体によって結合され得る抗原分子の部分である。SEQ ID NO:11〜13および21〜23により表される最小エピトープは、米国仮出願第61/792,034号および第61/913,198号ならびに米国出願第14/025,573号に記載されるCM33322 Ab4、CM33322 Ab28、およびCM33322 Ab29のための抗体結合エピトープとして、本発明者らによって同定された。これらの抗体は免疫療法に応答する癌患者から単離されたものである。これらの抗体は、癌細胞からのMICタンパク質の切断を阻害することによって、癌細胞に対するNK細胞およびCD8 T細胞の活性を高める。該抗体はMICタンパク質のα3ドメインに結合し、かつ関連する動物モデルにおいて強力な抗腫瘍活性を有する。これらの免疫学的臨床研究は、MICタンパク質のα3ドメインに対する抗体の誘導が、癌に対する抗腫瘍免疫機能を回復させることを証明する。本発明によれば、これらの抗体によって認識されるエピトープは、MIC α3ドメインに対する抗体産生を刺激する癌ワクチンの免疫原性成分として使用することができる。本発明の重要な要素は、NK細胞およびCD8 T細胞上のNKG2D受容体がMICのα1〜α2ドメインに結合するので、抗体はMIC α3ドメインに対して産生されるが、α1〜α2ドメインに対しては産生されない、ということである。それに応じて、本発明は、ヒトにおいて有効な抗MIC免疫応答に重要であるMICAおよびMICBタンパク質のエピトープ、ならびに癌ワクチンの免疫原性成分としてのそれらの使用に関連する方法および組成物を提供する。
(表1)MICA*001参照配列のアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)内の抗体結合エピトープの位置。エピトープは太字および下線で示される。
Figure 2017510631
(表2)癌免疫療法に応答する患者からの、ヒト抗体により認識されるMICAエピトープ(エピトープは下線で示される)
Figure 2017510631
(表3)短いフランキング配列を有するMICAエピトープ
Figure 2017510631
(表4)最小MICAエピトープ
Figure 2017510631
(表5)MICB参照配列(SEQ ID NO:14)内の、癌免疫療法に応答する患者からのヒト抗体により認識されるMICBエピトープ(エピトープは下線で示される)
Figure 2017510631
(表6)短いフランキング配列を有するMICBエピトープ
Figure 2017510631
(表7)最小MICBエピトープ
Figure 2017510631
本発明は、免疫原性成分として、少なくとも1つのMICペプチドを含む、ヒトへの投与に適するワクチン組成物を提供する。一態様では、少なくとも1つのMICペプチドは、MICAまたはMICBの全長α3ドメインを含むか、該ドメインから成り、該ドメインは参照配列[SEQ ID NO:1]のアミノ酸181-274に対応する。別の態様では、少なくとも1つのペプチドは、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23のうちいずれか1つからなる群より選択されるMICペプチドのペプチドエピトープを含むか、該エピトープから成る。一態様では、少なくとも1つのペプチドは、SEQ ID NO:11〜13またはSEQ ID NO:21〜23からなる群より選択されるペプチドエピトープおよび1個以上のフランキングアミノ酸から成る。これに関連して、用語「フランキングアミノ酸」とは、全長参照配列[MICAに関してはSEQ ID NO:1、MICBに関してはSEQ ID NO:14]においてペプチドエピトープ配列に隣接するアミノ酸を指す。特定の態様では、少なくとも1つのペプチドエピトープは、そのN末端もしくはC末端のいずれか、または両末端に2、4、6、8、または10個のフランキングアミノ酸を含む。一態様では、少なくとも1つのペプチドは、該ペプチドが約25〜30アミノ酸、つまりMICタンパク質に対する抗体応答を効率的に誘導するのに適した長さから成るように、SEQ ID NO:11〜13またはSEQ ID NO:21〜23からなる群より選択されるペプチドエピトープおよび1個以上のフランキングアミノ酸から成る。
一態様において、前記ワクチン組成物は、その免疫原性成分として、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より選択されるMICペプチドの少なくとも2つのペプチドエピトープを含む。一態様では、該ワクチン組成物は、その免疫原性成分として、SEQ ID NO:2〜4またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より選択されるMICペプチドの少なくとも2つのペプチドエピトープを含む。一態様では、該ワクチン組成物は、その免疫原性成分として、SEQ ID NO:5〜10からなる群より選択されるMICペプチドの少なくとも2つのペプチドエピトープを含む。一態様では、該ワクチン組成物は、その免疫原性成分として、SEQ ID NO:11〜13またはSEQ ID NO:21〜23からなる群より選択されるMICペプチドの少なくとも2つのペプチドエピトープを含む。
一態様において、前記ワクチン組成物は、その免疫原性成分として、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より選択されるMICペプチドのうち1つまたは複数のペプチドエピトープを含み、その場合に、該ペプチドエピトープは直鎖状配列の形態である。一態様では、該ペプチドエピトープは構造的に制約されたループの形態である。一態様では、該ペプチドは、その天然の二次構造を保持し、例えば、1つ以上のループの形態である。一態様では、該ループは、ジスルフィド結合または化学的リンカーのいずれかを用いて作成される。好ましくは、該ループは、ヒトタンパク質上のMICエピトープの三次元立体構造を模倣するように構成される。
別の態様において、前記ワクチン組成物は、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23のペプチドのうち1つまたは複数をコードする核酸を含む。該核酸は、発現ベクター、例えばプラスミドまたはウイルスベクター、の形態であってもよいし、該核酸がナノ粒子にパッケージングされてもよい。一態様では、該核酸は注入により対象者に送達される。一態様では、該核酸は精製DNAとして、またはナノ粒子の形態で注入される。一態様では、該核酸を発現するように改変された改変免疫細胞が注入される。一態様では、該免疫細胞は、該核酸を含むベクターを用いたインビトロでのトランスフェクションまたは感染により改変される。
一態様において、前記ワクチン組成物は、その免疫原性成分として、複数のペプチドを含み、該複数のペプチドは、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より選択される2つ以上のペプチドを含むかまたはそれらから成る。一態様では、該複数のペプチドは、SEQ ID NO:2〜4またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より選択される少なくとも2つのペプチドを含むかまたはそれらから成る。一態様では、該複数のペプチドは、SEQ ID NO:5〜10からなる群より選択される少なくとも2つを含むかまたはそれらから成る。一態様では、該複数のペプチドは、SEQ ID NO:11〜13またはSEQ ID NO:21〜23からなる群より選択される少なくとも2つを含むかまたはそれらから成る。
一態様において、前記少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドは、MHC-IIエピトープを含む第2のペプチドにコンジュゲートされる。好ましくは、第2のペプチドのアミノ酸配列は、25アミノ酸以下、または15アミノ酸以下から成る。特定の態様では、第2のペプチドは9〜12アミノ酸、10〜18アミノ酸、または8〜18アミノ酸から成る。好ましくは、第2のペプチドはT細胞エピトープまたはB細胞エピトープを含む。一態様では、T細胞エピトープは、抗体産生形質細胞へのB細胞の分化を促進するのに有効なTヘルパー細胞エピトープまたは細胞傷害性T細胞エピトープである。一態様では、該エピトープは、異なるMHC対立遺伝子の重複エピトープまたは多くのMHCアロタイプにより提示されるエピトープである。別の態様では、該エピトープは、異なるMHC対立遺伝子により提示されるペプチドである。
本発明のワクチン組成物を形成するまたは該ワクチン組成物に組み込まれるペプチドは、化学合成された場合には、混在する化学的前駆体から精製されるか、あるいはそれらが由来する細胞もしくは組織源からの細胞性物質を実質的に含まないことが好ましい。特定の態様では、該ペプチドは、混在する化学的前駆体、タンパク質、脂質または核酸が60%、好ましくは、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%除かれている。好ましい態様では、該ペプチドは汚染ウイルスを実質的に含まない。好ましくは、対象者に投与するための各組成物は、汚染ウイルスが少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%除かれている。
一態様において、本発明のワクチン組成物の少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドは、SEQ ID NO:2〜13、SEQ ID NO:5〜10、SEQ ID NO:11〜13、SEQ ID NO:15〜20、およびSEQ ID NO:21〜23のうちいずれか1つからなる群より選択されるペプチドと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%同一である1つまたは複数のペプチドを含むまたはそれらから成る。
一態様において、前記少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドは、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23のうちいずれか1つからなる群より選択されるペプチドと少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%類似する1つまたは複数のペプチドを含むかまたはそれらから成る。これに関連して、用語「類似する」とは、参照配列に対する問い合わせ配列の保存的および非保存的アミノ酸変化の数に従って定義されるアミノ酸配列類似性を指す。保存的および非保存的アミノ酸変化は当技術分野で公知である。例えば、W. R. Taylor, The Classification of Amino Acid Conservation, J. Theor. Biol. 1986 119:205-218およびD. Bordo and P. Argos, Suggestions for "Safe" Residue Substitutions in Site-Directed Mutagensis, 1991 J. Mol. Biol. 217:721-729を参照されたい。一般的に、保存的アミノ酸変化は、あるアミノ酸を、特にアミノ酸側鎖に関して、実質的に類似した化学的特性を有する別のアミノ酸で置換することを指す。非保存的変化は、あるアミノ酸を、実質的に異なる化学的特性を有する別のアミノ酸で置換することを指す。一般に、保存的置換は、ポリペプチドの全体構造または生物学的機能に影響を与える可能性が低いと当技術分野で認識されているものであり、一方、非保存的変化は、構造および機能に影響を与える可能性が高いと認識されている。
保存的アミノ酸変化の非限定的な例には、次のグループ内のアミノ酸の置換が含まれる:脂肪族、芳香族、極性、非極性、酸性、塩基性、リン酸化可能な疎水性、親水性、わずかに非極性、わずかに極性、高い非極性、および高い極性。非保存的アミノ酸変化の非限定的な例には、前記グループ間のアミノ酸の置換が含まれる。
一態様において、保存的アミノ酸変化は、残基対のための置換行列(substitution matrix)が正の値を有する置換である。アミノ酸置換行列の例は当技術分野で知られており、例えば、BLOSUM50行列またはPAM250行列などがある(W. A. Pearson, Rapid and Sensitive Sequence Comparison with FASTP and FASTA, Meth. Enzymology, 1990 183:63-98, R. Doolittle編, Academic Press, San Diegoを参照されたい)。スコア行列のさらなる例およびそれらの間の比較については、M. S. Johnson and J. P. Overington, 1993, A Structural Basis for Sequence Comparisons: An Evaluation of Scoring Methodologies, J. Mol. Biol. 233:716-738を参照されたい。
好ましい態様において、保存的アミノ酸変化は、あるアミノ酸を、同じ化学的グループ内の別のアミノ酸で置換することであり、その場合、該グループは中性の極性アミノ酸(Ser, Thr, Pro, Ala, Gly, Asn, Gln)、負に荷電した極性アミノ酸(Asp, Glu)、正に荷電した極性アミノ酸(His, Arg, Lys)、環構造を欠く非極性アミノ酸(Met, Ile, Leu, Val)、環構造を有する非極性アミノ酸(Phe, Tyr, Trp)、およびシステインから選択される。
一態様において、本発明のワクチン組成物は、その免疫原性成分として、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より独立して選択される2つ以上のMICペプチドエピトープから成り、該エピトープ同士が連結されている、キメラタンパク質を含む。一態様では、2つ以上のMICペプチドエピトープは同じエピトープである。別の態様では、2つ以上のMICペプチドエピトープは、異なっている、少なくとも2つのMICペプチドエピトープを含む。一態様では、該ワクチン組成物は、その免疫原性成分として、B型肝炎コアキャプシドのようなウイルスキャプシドの表面上に提示されたキメラタンパク質を含む。
一態様において、本発明のワクチン組成物は、その免疫原性成分として、MICAと比較して類似した全体的免疫グロブリンフォールドを有する免疫グロブリン(Ig)ドメインに配置された、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より選択される2つ以上のMICペプチドエピトープから成るキメラタンパク質を含む。一態様では、Igドメインは、以下の1つから選択されるIgドメインである:UL18(ヒトCMV)、IFN-α/β結合タンパク質C12R(ポックスウイルスのデコイ受容体、PDB ID:3OQ3)のC末端Igドメイン、T4様バクテリオファージからの外側キャプシドタンパク質(Hoc、PDB ID: 3SHS)のN末端Igドメイン、およびヒトCMVタンパク質US2(PDB ID: 1IM3)。
一態様において、本発明のワクチン組成物は、別々に投与するのに適した2つの別個の成分を含み、第1の成分は、MICA[SEQ ID NO:1]またはMICBの全長α3ドメインを含むまたはそれらから成る第1のMICペプチドから成る免疫原を含み;第2の成分は、SEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より選択される1つまたは複数のMICペプチドエピトープから成る免疫原を含む。一態様では、該ワクチン組成物は、MICA[SEQ ID NO:1]の全長α3ドメインを含むまたはそれらから成る第1のMICペプチドから成る免疫原を含む第1の成分;および、それぞれがSEQ ID NO:2〜13またはSEQ ID NO:15〜23からなる群より選択される1つまたは複数のMICペプチドエピトープから成る免疫原を含む、1つまたは複数の追加の成分を含む。好ましくは、第1の成分は、第2または追加の成分の前に、当技術分野で公知の方法に従ってプライム-ブースト様式で投与される。
上記態様のいずれかと一致する一態様において、本発明のワクチン組成物は、SEQ ID NO:1〜23のMICエピトープをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチド配列を含むことができる。さらなる態様において、1つまたは複数のMICエピトープをコードするDNAは、該DNAを含むナノ粒子の形態である。
ペプチド変異体
ある場合には、本明細書に開示されるペプチドのアミノ酸配列は、ペプチド変異体(例えば、本明細書に開示されるペプチドに対して一定の配列相同性を有するペプチド)を作成するように修飾して、変化させることができるが、ただし、例えば、そのペプチド変異体の抗原結合特性が未修飾ペプチドに対して維持されるか、または改善される場合に限られる(任意の修飾ペプチドの抗原結合特性は、本明細書に記載のインビトロおよび/またはインビボアッセイ、ならびに/あるいは当技術分野で公知の技術を用いて評価することができる)。
ペプチド変異体は、一般的に、アミノ酸レベルで観察され、かつ考察されるが、実際の修飾は、典型的には、核酸レベルで導入されるか、実施される。例えば、本発明のペプチドに対して80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のアミノ酸配列同一性を有する変異体は、該ペプチドまたはその部分/断片をコードする核酸を、当技術分野で公知の技術(クローニング技術)を用いて修飾することによって、作成することができる。
アミノ酸配列の修飾は、典型的には、3つのクラス:置換、挿入、または欠失修飾のうち1つ以上に分類される。挿入には、単一もしくは複数のアミノ酸残基の配列内挿入だけでなく、アミノおよび/またはカルボキシル末端融合も含まれる。挿入は、通常、アミノまたはカルボキシル末端融合のそれよりも小さい挿入であり、例えば、1〜4残基ほどである。欠失は、タンパク質配列からの1個または複数個のアミノ酸残基の除去により特徴づけられる。典型的には、約2〜6残基以下がタンパク質分子内のいずれか1つの部位で欠失される。アミノ酸の置換は、一般的には単一残基の置換であるが、いくつかの異なる位置で一度に起こり得る;挿入は、通常約1〜10アミノ酸残基ほどである;そして欠失は、約1〜30残基の範囲である。欠失または挿入は、隣接する対で行うことができ、すなわち、2残基の欠失または2残基の挿入である。置換、欠失、挿入またはこれらの任意の組み合わせは、最終構築物に到達するために組み合わせることができる。突然変異は、リーディングフレームの外に配列を配置してはならず、好ましくは、二次mRNA構造を生成し得る相補的領域を作成しないようにする。置換修飾は、少なくとも1個の残基が除去されて、異なる残基がその場所に挿入される修飾である。ある場合には、置換は保存的アミノ酸置換であり得る。いくつかの例では、本明細書におけるペプチドは、本発明のペプチドに対して1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を含むことができる。例えば、変異体は、表1に示したペプチドに対して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、20〜30、30〜40、または40〜50の保存的アミノ酸置換を含み得る。あるいは、変異体は、表1に示したペプチドに対して50以下、40以下、30以下、20以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、または2以下の保存的アミノ酸置換を含み得る。このような置換は、一般に、以下の表2に従って行われ、保存的置換と呼ばれている。タンパク質修飾に対する許容範囲を予測するための方法は、当技術分野で公知である(例えば、Guo et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 101(25):9205-9210 (2004)を参照されたい)。
(表2)保存的アミノ酸置換
Figure 2017510631
ある場合には、置換は保存的ではない。例えば、表1に示したペプチドのアミノ酸は、該ペプチドの何らかの性質または性状を変更し得るアミノ酸で置換することができる。いくつかの例では、非保存的アミノ酸置換は、例えば、ペプチドの構造を変えるために、ペプチドの結合特性を変えるために(例えば、抗原へのペプチドの結合親和性を増加もしくは低下させるために、および/または抗原へのペプチドの結合特異性を変更して、増加もしくは低下させるために)、行うことができる。
ある場合には、ペプチドおよび/またはペプチド変異体は、表1に示したペプチドの断片を含むことができるか、または該断片であり得る。このような断片は、例えば、該断片が全長ペプチドの結合特性の少なくとも一部(例えば、全長ペプチドの結合特性の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または100%)を保持する限り、例えば、表1に示したCDR、FR、および/またはAAよりも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、50〜100、101〜150、少ないアミノ酸を含むことができる。トランケーション(切断)は、アミノ末端、カルボキシ末端、および/または本明細書中のペプチド内で行うことができる。
ある場合には、例えば、未修飾ペプチドに対してペプチド変異体の結合特性を変更(例えば、増加もしくは低下)する、保存する、または維持するために、ペプチド変異体の相互作用面は未修飾ペプチドと同じ(例えば、実質的に同じ)であり得る。ペプチドの相互作用面を同定するための方法は、当技術分野で公知である(Gong et al., BMC: Bioinformatics, 6:1471-2105 (2007); Andrade and Wei et al., Pure and Appl. Chem., 64(11):1777-1781 (1992); Choi et al., Proteins: Structure, Function, and Bioinformatics, 77(1):14-25 (2009); Park et al., BMC: and Bioinformatics, 10:1471-2105 (2009))。
当業者は、2つのポリペプチド(例えば、未修飾ペプチドとペプチド変異体)の同一性をどのように決定するかをよく理解している。例えば、同一性は、その同一性が最高レベルとなるように2つの配列をアライメントさせた後で計算することができる。同一性を計算するための別の方法は、公開されたアルゴリズムによって行うことができる。比較のための最適な配列アライメントは、Smith and Waterman, Adv. Appl. Math, 2:482 (1981)の局所同一性アルゴリズムによって、Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970)の同一性アライメントアルゴリズムによって、Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)の類似検索法によって、これらのアルゴリズム(GAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA;Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI)のコンピュータによる実施によって、または視覚的精査によって行うことができる。
同じタイプの同一性は、核酸に関して、例えば、Zuker, Science 244:48-52 (1989); Jaeger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:7706-10 (1989); Jaeger et al., Methods Enzymol. 183:281-306 (1989)に開示されたアルゴリズムによって得ることができ、これらの参考文献は、少なくとも核酸アライメントに関する資料について、参照により本明細書に組み入れられる。当然のことながら、これらの方法のどれも一般的に使用することができ、特定の場合に、これらの種々の方法の結果は異なるかもしれないが、当業者であれば、これらの方法の少なくとも1つを用いて同一性が認められた場合、その配列は所定の同一性を有し、本明細書に開示されているといえることが理解されよう。
ある場合には、以下の方法のセクションでより詳しく説明するように、本明細書に開示される治療用組成物は、本明細書に開示される方法を用いて取得された免疫細胞(例えば、記憶B細胞を含むB細胞)から単離および/または精製された遺伝物質(例えば、DNAおよび/またはmRNA)を用いて生産することができる。このような遺伝物質が得られたら、それを使用して本明細書に開示される治療用組成物を生産する方法は、当技術分野で知られており、かつ/または以下で概説される。
ある場合には、ペプチドは検出可能な標識を含むことができる。本明細書で使用する「標識」とは、標識が付けられるペプチドの検出を可能にする部分に組み込まれた少なくとも1つの元素、同位体、または官能基を有する該部分を指す。標識は直接(すなわち、結合を介して)取り付けることができ、またはリンカー(例えば、環式または非環式、分枝または非分枝、置換または非置換アルキレン;環式または非環式、分枝または非分枝、置換または非置換アルケニレン;環式または非環式、分枝または非分枝、置換または非置換アルキニレン;環式または非環式、分枝または非分枝、置換または非置換ヘテロアルキレン;環式または非環式、分枝または非分枝、置換または非置換ヘテロアルケニレン;環式または非環式、分枝または非分枝、置換または非置換ヘテロアルキニレン;置換または非置換アリーレン;置換または非置換ヘテロアリーレン;置換または非置換アシレン;あるいはリンカーを形成し得るこれらの任意の組み合わせ)によって取り付けることができる。標識は、検出対象の本発明のポリペプチドの生物学的活性または特性を妨げない任意の位置でペプチドに取り付けることができる。
標識は以下を含むことができる:放射性同位体または重同位体であり得る、同位体部分を含む標識、例えば、限定するものではないが、2H、3H、13C、14C、15N、31P、32P、35S、67Ga、99mTc (Tc-99m)、111In、123I、125I、169Yb、および186Re;酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼなど)に結合させることができる抗体または抗原であり得る、免疫または免疫反応性部分を含む標識;着色されているか、発光性であるか、燐光を発するか、または蛍光部分を含む標識(例えば、蛍光標識FITCなど);1つまたは複数の光親和性部分を有する標識;1つまたは複数の既知の結合パートナーをもつリガンド部分を有する標識(例えば、ビオチン-ストレプトアビジン、FK506-FKBPなど)。
ある場合には、標識は、生物系における分子間相互作用を直接解明するための1つまたは複数の光親和性部分を含むことができる。さまざまな公知のフォトフォア(photophore)を使用することができ、そのほとんどは、ジアゾ化合物、アジド、またはジアジリンのニトレンまたはカルベンへの光変換に依存する(例えば、Bayley, H., Photogenerated Reagents in Biochemistry and Molecular Biology (1983), Elsevier, Amsterdamを参照されたい;その全内容は参照により本明細書に組み入れられる)。本発明の特定の態様では、使用される光親和性標識は、1つまたは複数のハロゲン部分で置換された、o-、m-およびp-アジドベンゾイル類であり、例えば、4-アジド-2,3,5,6-テトラフルオロ安息香酸を含むが、これに限定されない。
標識はまた、イメージング剤であってもよいし、イメージング剤として機能しうるものでもよい。代表的なイメージング剤としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:ポジトロン断層撮影(PET)、コンピュータ支援断層撮影(CAT)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影、X線、蛍光透視法、および磁気共鳴イメージング(MRI)で使用されるもの;制吐剤;ならびにコントラスト剤。代表的な診断剤としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:蛍光部分、発光部分、磁気部分;ガドリニウムキレート(例えば、DTPA、DTPA-BMA、DOTAおよびHP-DO3Aとのガドリニウムキレート)、鉄キレート、マグネシウムキレート、マンガンキレート、銅キレート、クロムキレート、CATおよびX線イメージングに有用なヨウ素系材料、ならびに放射性核種。適切な放射性核種としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:123I、125I、130I、131I、133I、135I、47Sc、72As、72Se、90Y、88Y、97Ru、100Pd、101mRh、119Sb、128Ba、197Hg、211At、212Bi、212Pb、109Pd、111In、67Ga、68Ga、67Cu、75Br、77Br、99mTc、14C、13N、150、32P、33P、および18F。
蛍光および発光部分には、限定するものではないが、種々の異なる有機または無機の小分子が含まれ、こうした小分子は一般に「色素」、「標識」、または「インジケータ」と呼ばれている。例としては、フルオレセイン、ローダミン、アクリジン色素、Alexa色素、シアニン色素などが挙げられるが、これらに限定されない。蛍光および発光部分は、さまざまな天然に存在するタンパク質およびそれらの誘導体、例えば遺伝子操作された変異体、を含むことができる。例えば、蛍光タンパク質には、緑色蛍光タンパク質(GFP)、増強GFP、赤色、青色、黄色、シアン、およびサファイア蛍光タンパク質、リーフコーラル蛍光タンパク質などが含まれる。発光タンパク質には、ルシフェラーゼ、エクオリンおよびこれらの誘導体が含まれる。当技術分野では、多数の蛍光または発光色素およびタンパク質が知られている(例えば、米国特許公開第2004/0067503号; Valeur, B., "Molecular Fluorescence: Principles and Applications," John Wiley and Sons, 2002; およびHandbook of Fluorescent Probes and Research Products, Molecular Probes, 第9版, 2002を参照されたい)。
本発明のワクチン組成物中で使用するためのペプチドは、合成的に作成することができる。特定の態様では、1つまたは複数のペプチド結合は、例えば、該ペプチドの生理学的安定性を高めるために、以下の結合により置換される:レトロ-インベルソ(retro-inverso)結合(C(O)-NH);還元アミド結合(NH-CH2);チオメチレン結合(S-CH2またはCH2-S);オキソメチレン結合(O-CH2またはCH2-O);エチレン結合(CH2-CH2);チオアミド結合(C(S)-NH);トランス-オレフィン結合(CH=CH);フルオロ置換トランス-オレフィン結合(CF=CH);ケトメチレン結合(C(O)-CHRまたはCHR-C(O)、ここでRはHまたはCH3である);およびフルオロ-ケトメチレン結合(C(O)-CFRまたはCFR-C(O)、ここでRはHまたはFまたはCH3である)。
特定の態様において、前記ペプチドは、アセチル化、アミド化、ビオチン化、シンナモイル化、ファルネシル化、フルオレセイン化(fluoresceination)、ホルミル化、ミリストイル化、パルミトイル化、リン酸化(Ser、TyrまたはThr)、ステアロイル化、スクシニル化およびスルフリル化の1つまたは複数により修飾される。
一態様において、前記少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドは、キャリアタンパク質にコンジュゲートされる。一態様では、キャリアタンパク質は、破傷風毒素およびジフテリア毒素から選択される。別の態様では、該ペプチドは、例えばUS 2009/0175821に記載されるように、ペプチダーゼ活性から保護することによってインビボ半減期を延長するように修飾される。一態様では、該ペプチドまたは修飾ペプチドは、ポリエチレングリコール(PEG)、アルキル基(例えば、C1〜C20直鎖または分枝鎖アルキル基)、脂肪酸ラジカル、およびこれらの組み合わせにさらにコンジュゲートされる。
一態様において、前記複数のペプチドは、例えば、短いジスルフィド結合型ループとして、天然の二次構造を保持する。別の態様では、ループの形態の二次構造は、ジスルフィド結合を使用して作成されるか、または化学的リンカーもしくは架橋剤に該ペプチドをさらすことによって作成される。
一態様において、前記ワクチン組成物は、表面上に少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドを提示するように操作されたウイルスキャプシドタンパク質を含む。一態様では、ウイルスキャプシドタンパク質は、例えば、Proc Natl Acad Sci USA. 1999 Mar 2;96(5):1915-20に記載されるような、B型肝炎キャプシドタンパク質である。
一態様において、前記少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドは、ミセルまたはナノ粒子構造内に含まれる。ミセルの使用は、例えば、J. Am. Chem. Soc, 1998, 120(39), pp 9979-9987に記載されるように、ペプチドの二次構造を保持するために有利であり得る。
足場の態様
一態様において、前記ワクチン組成物は、タンパク質足場を含むか、該足場の形態であり、前記少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドは該足場内に含まれる。特に好ましい足場は、多孔質のポリ-ラクチド-コ-グリコリド(PLG)ポリマー足場である。一態様では、該足場は、GM-CSFタンパク質およびToll様受容体アゴニストの一方または両方をさらに含む。一態様では、Toll様受容体アゴニストは、非メチル化CpGオリゴヌクレオチド(TLR9アゴニスト)を含むかまたはそれらから成る。該足場はまた、自己腫瘍細胞溶解物を含むことができ、ここで自己とは、治療される対象者に関しての自己(すなわち、対象者自身の腫瘍細胞の溶解物)である。一態様では、該足場は、US 2013/0202707、WO 2011/063336、およびUS 2012/0100182に記載されるWDVAX足場である。該足場はまた、2009年1月11日にオンライン公開されたNature Materials; DOI: 10.1038/NMAT2357、およびScience Translation Medicine, Sci Transl Med 1, 8ra19 (2009); DOI: 10.1126/scitranslmed.3000359に記載されている。
添加剤およびアジュバント
本発明のワクチン組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤またはアジュバントをさらに含むことができる。一態様では、該ワクチン組成物はアジュバントを含まない。一態様では、1つまたは複数のアジュバントは、油性アジュバント、CpG DNAアジュバント、無機塩アジュバント、無機塩ゲルアジュバント、粒子状アジュバント、マイクロ粒子状アジュバント、粘膜アジュバント、およびサイトカインからなる群より選択される。
アジュバントは、多くの送達システムを含むことができ、例えば、無機塩、界面活性剤、合成微粒子、水中油型エマルジョン、免疫刺激複合体、リポソーム、ビロソーム(virosome)、およびウイルス様粒子を含む。アジュバントはさらに、免疫応答の1つまたは複数の増強剤を含み、例えば、微生物誘導体(例えば、細菌産物、コレラ毒素および大腸菌由来の熱不安定性毒素、脂質、リポタンパク質、核酸、ペプチドグリガン、炭水化物、ペプチド)、細胞、サイトカイン(例えば、樹状細胞、IL-12およびGM-CSF)、ホルモン、および小分子を含む。意図されるアジュバントとしては、限定するものではないが、油性アジュバント(例えば、フロイントアジュバント)、CpGオリゴヌクレオチド(Klinman 2003 Expert Rev. Vaccines 2:305-15参照)、アルミニウム塩アジュバント、カルシウム塩アジュバント、エマルジョン、および界面活性剤ベースの配合物(例えば、MF59、ASO2、モンタナイド(montanide)、ISA-51、ISA-720、およびQA21)が挙げられる。ワクチンアジュバントの改善の概説については、Pashine et al. 2005, Nature Med. 11(4):S63-S68を参照されたい。
一態様において、アジュバントは1つまたは複数のToll様受容体(TLR)アゴニストを含むまたはそれらから成る。一態様では、TLRアゴニストは、以下からなる群より選択される病原体関連アゴニストである:トリアシル化リポペプチド(グラム陽性菌)、ペプチドグリカン(グラム陽性菌)、細菌リポタンパク質、リポテイコ酸、LPS(ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)およびレプトスピラ・インタロガンス(Leptospira interrogans))、GPIアンカータンパク質(トリパノソーマ・クルーズ(Trypanosoma cruzi))、ナイセリア菌のポーリン類、ヘマグルチニン(MV)、ホスホリポマンナン(カンジダ属)、LAM(マイコバクテリア)、ssRNAウイルス(WNV)、dsRNAウイルス(RSV、MCMV)、LPS(グラム陰性菌)、Fタンパク質(RSV)、マンナン(カンジダ属)、グリコイノシトールリン脂質(トリパノソーマ属)、エンベロープタンパク質(RSVおよびMMTV)、フラジェリン(鞭毛細菌)、フェノール可溶性モジュリン(表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis))、ジアシル化リポペプチド(マイコプラズマ属)、LTA(ストレプトコッカス属)、ザイモサン(サッカロミセス属)、ウイルスssRNA(インフルエンザ、VSV、HIV、HCV)、RNAウイルス由来のssRNA、dsDNAウイルス(HSV、MCMV)、ヘモゾイン(hemozoin)(マラリア原虫属(Plasmodium))、および非メチル化CpG DNA(細菌およびウイルス)。
一態様において、TLRアゴニストは以下からなる群より選択される合成リガンドである:Pam3Cys、CFA、MALP2、Pam2Cys、FSL-1、Hib-OMPC、Poly I:C;ポリA:U、AGP、MPL A、RC-529、MDF2β、CFA、フラジェリン、MALP-2、Pam2Cys、FSL-1、グアノシン類似体、イミダゾキノリン(例えば、イミキモド(Imiquimod)、Aldara(登録商標)R848、esiquimod(登録商標))、ロキソリビン(loxoribine)、イミダゾキノリン、ロキソリビン、ssPolyU、3M-012、およびCpG-オリゴヌクレオチド。
製剤
本発明のワクチン組成物は、1種または複数の生理学的に許容される担体または賦形剤を用いて製剤化することができる。例えば、組成物が液体として製剤化される場合、それは滅菌生理食塩水、デキストロース溶液、もしくは緩衝液、または他の薬学的に許容される無菌液を含むことができる。一態様では、該製剤は、皮内または皮下投与用である。一態様では、該製剤は、(口もしくは鼻からの)吸入または吹送用である。一態様では、該製剤は、経口、口腔、非経口、膣、または直腸投与用である。本明細書で使用する用語「非経口」には、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術が含まれる。
好ましくは、ワクチン組成物は、貯蔵および輸送中のペプチド成分の化学的安定性を高めるように製剤化される。例えば、一態様では、製剤化はペプチドのオリゴマー化を予防するか、または減少させる。別の例では、製剤化はペプチドのアミノ酸残基の酸化を予防するか、または減少させる。製剤は凍結乾燥されてもよいし、液体製剤であってもよい。
一態様において、前記組成物は注射用に製剤化される。好ましい態様では、該組成物は、混在する細胞性物質、化学物質、ウイルスまたは毒素を実質的に含まない無菌の凍結乾燥製剤である。特定の態様では、注射用製剤は、無菌の単回投与容器で提供される。製剤は、添加された防腐剤を含んでもよいし、含まなくてもよい。液体製剤は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液または乳濁液のような形態をとることができ、そして懸濁化剤、安定化剤および/または分散化剤などの処方剤を含むことができる。
一態様において、前記製剤はリポソームを含む。
一態様において、本発明のワクチン組成物は、癌の治療のために使用される1つまたは複数の他の治療薬と共に製剤化される。
本発明のワクチン組成物は、薬学的組成物であり、1種または複数種の薬学的に許容される担体、添加剤、またはビヒクルを含むことができる。一態様では、1種または複数種の薬学的に許容される担体、添加剤、またはビヒクルは、以下からなる群より選択される:イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化薬物送達システム(SEDDS)、例えばd-I-トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸エステル、薬学的剤形において使用される界面活性剤、例えばTween類または他の同様のポリマー送達用マトリックス、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩類または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂。シクロデキストリン類、例えば
Figure 2017510631
シクロデキストリンもまた、本明細書に記載した式の化合物の送達を高めるために有利に使用され得る。
本発明のワクチン組成物はまた、製剤化された化合物またはその送達形態の安定性を高めるために、薬学的に許容される酸、塩基または緩衝剤を含むことができる。
一態様において、本発明のワクチン組成物は、吸入および/または経鼻投与用の溶液または粉末の形態である。このような組成物は、適当な分散化剤または湿潤剤(例えば、Tween 80など)および懸濁化剤を用いて、当技術分野で公知の技術により製剤化することができる。無菌の注射用製剤はまた、毒性のない、非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液とすることができる。使用可能な許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、マンニトール、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁化媒体として通常使用されている。このために、合成モノ-またはジグリセリドを含めて、任意の無刺激性固定油が使用され得る。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、注射剤の調製に有用であり、天然の薬学的に許容される油、例えばオリーブ油またはヒマシ油、特にそれらのポリオキシエチル化形態も同様に有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、あるいは乳剤および/または懸濁液剤などの薬学的に許容される剤形の製剤化によく使われるカルボキシメチルセルロースまたは類似の分散化剤を含むことができる。薬学的に許容される固体、液体または他の剤形の製造に一般的に使用される、他の慣用の界面活性剤、例えばTweenもしくはSpanおよび/または他の同様の乳化剤、あるいはバイオアベイラビリティ増強剤もまた、製剤化を目的として使用することができる。
一態様において、本発明のワクチン組成物は、経口的に許容される剤形、例えば、限定するものではないが、カプセル剤、錠剤、乳剤、ならびに水性懸濁液剤、分散液剤および溶液剤の形態である。経口用の錠剤の場合、一般的に使用される担体としては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。典型的には、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も添加される。カプセル形態での経口投与の場合、有用な希釈剤にはラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液剤および/または乳剤が経口的に投与される場合、活性成分は、乳化剤および/または懸濁化剤と組み合わせて、油相中に懸濁または溶解することができる。所望であれば、特定の甘味料および/または香味料および/または着色剤を添加してもよい。
治療および投与の方法
本発明のワクチン組成物は、癌の予防および治療に有用である。したがって、本発明は、癌を発症するリスクのある対象者において癌を予防する方法、ならびにこのような治療を必要とする対象者において癌を治療する方法を提供する。一態様では、癌は、前立腺癌、多発性骨髄腫、多形性膠芽腫、およびメラノーマからなる群より選択される。一態様では、癌はメラノーマである。
一態様において、本発明のワクチン組成物は、MICAの過剰発現と関連した癌を有する対象者に投与される。一態様では、癌は、メラノーマ、肺癌、乳癌、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、および結腸癌、リンパ腫または白血病からなる群より選択される。一態様では、癌はメラノーマである。一態様では、癌は、形質細胞の悪性腫瘍、例えば、多発性骨髄腫(MM)または形質細胞の前癌状態である。いくつかの態様では、対象者は、癌があると診断されているか、癌を発症する素因があると診断されている者である。
本発明のワクチン組成物は、以下に説明するように、別々に、または治療レジメンもしくは併用療法の一部として投与することができる。また、本発明のワクチン組成物は、単独で投与されてもよいし、多重投与で、例えばプライム-ブースト戦略で、投与されてもよい。これに関連して、用語「プライム-ブースト」とは、2つの異なる免疫原を引き続いて使用することを指す。2つの異なる免疫原は、典型的には、10〜30日または10〜60日などの一定の期間後に引き続いて投与される。一態様では、その期間は2〜4週間である。したがって、例えば、一態様では、本発明のワクチン組成物を時間ゼロで投与し、一定の期間後、例えば、10〜30日間、10〜60日間、または2〜4週間後に、本発明の第2のワクチン組成物(異なる免疫原を含む)を投与する。
一態様において、本発明の1つまたは複数の異なるワクチン組成物は、米国特許第8,110,196号に記載されるように、対象者に複数の部位で投与される。好ましくは、各部位は1つまたは複数のリンパ節に排液する(drain)。一態様では、本発明のワクチン組成物は、頭頸部のリンパ節、腋窩リンパ節、気管気管支リンパ節、腹壁側リンパ節、胃のリンパ節、回結腸リンパ節、ならびに鼠径および鼠径下リンパ節からなる群より選択される2つ以上のリンパ節に排液する複数の部位に投与される。別の態様では、該部位は、右腕、左腕、右大腿部、左大腿部、右肩、左肩、右胸、左胸、腹部、右臀部、および左臀部からなる群より選択される。一態様では、該部位は、扁桃腺、咽頭扁桃、虫垂、およびパイエル版からなる群より選択されるリンパ系組織の非被包化クラスター(nonencapsulated cluster)であるか、または該リンパ系組織の非被包化クラスターに排液する。一態様では、本発明のワクチン組成物は、脾臓に排液する部位に投与される。
一態様において、各ワクチン組成物は、皮内、皮下、経皮、筋肉内、経口、直腸、膣、吸入、およびこれらの組み合わせからなる群より独立して選択される経路により投与される。一態様では、少なくとも1つの組成物は、解剖学的に異なるリンパ節、リンパ節クラスター、またはリンパ系組織の非被包化クラスターに直接注入される。
適切であれば、どのような投与経路も本発明の方法により包含され、例えば、皮内、皮下、静脈内、筋肉内、または粘膜経路が含まれる。粘膜の投与経路には、経口、直腸、膣、および鼻腔内投与が含まれるが、これらに限定されない。好ましい態様では、少なくとも1つの組成物は、経皮、皮内、皮下、経口、直腸、膣に、または吸入によって投与される。食品医薬品局(FDA)によって承認された経路はどれも、本発明のワクチン組成物に使用することができる。典型的な投与方法は、FDAのCDER Data Standards Manual、バージョン番号004(fda.give/cder/dsm/DRG/drg00301.htmで入手可能)に記載されている。
好ましくは、投与経路は、組成物を特定の部位に標的化するために選択され、例えば、リンパ節またはリンパ節クラスターへの直接注入により、胃のリンパ節を標的にするための経口投与により、直腸のリンパ節を標的にするための経肛門投与により、肺のリンパ節を標的にするための吸入またはエアロゾルにより、あるいは他のいずれかの適当な投与経路により標的化される。
本発明の方法がワクチン組成物を複数の部位に投与することを含む場合、各組成物は、好ましくは、実質的に同時に、例えば、1〜8時間以内にまたは同じ医師の診察中に、投与される。一態様では、各組成物は1〜2時間以内、1〜3時間以内、1〜4時間以内、または1〜5時間以内に投与される。
ワクチン組成物が足場の形態である場合、対象者にワクチン接種する方法は、該足場組成物を対象者に移植すること、好ましくは皮下移植、を含む。特定の態様では、対象者にワクチン接種する方法は、該足場ワクチン組成物を対象者の生体構造のうち2つ以上の領域に移植または注入することを含むことができる。
一態様では、本発明の方法は、SEQ ID NO:2〜13からなる群より選択される少なくとも1つのMICペプチドで感作された抗原提示細胞を対象者に投与することをさらに含む。好ましい態様では、抗原提示細胞は樹状細胞である。
一態様では、前記方法は、1つまたは複数のアジュバントを対象者に投与することをさらに含む。一態様では、1つまたは複数のアジュバントは、油性アジュバント、CpG DNAアジュバント、無機塩アジュバント、無機塩ゲルアジュバント、粒子状アジュバント、マイクロ粒子状アジュバント、粘膜アジュバント、およびサイトカインからなる群より選択される。このようなアジュバントは、本発明の組成物と共に製剤化されるか、あるいは、該組成物とは別に、例えば、該組成物を対象者に投与する前に、投与するのと同時に、または投与した後に、投与され得る。
本明細書に開示した方法は、広範囲の種、例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル)、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、シカ、ヘラジカ、ヤギ、イヌ、ネコ、イタチ、ウサギ、モルモット、ハムスター、ラット、およびマウスに適用することができる。
本明細書で使用する用語「治療する」または「治療」は、対象者が罹患している疾患または病態を部分的にまたは完全に緩和する、抑制する、改善する、および/または軽減することを指す。ある場合には、治療は、対象者が罹患している疾患または病態の継続的な消失をもたらすことができる。
一般的に、これらの方法は、疾患または病態のリスクがあるか、罹患している対象者を選択することを含む。いくつかの例では、対象者の疾患または病態は、本明細書に開示された薬学的組成物で治療することができる。例えば、ある場合に、前記方法は癌を有する対象者を選択することを含み、例えば、該対象者の癌は、MICAおよび/またはアンジオポエチン-2の一方または両方を標的にすることによって治療することができる。
場合によって、治療方法は、対象者が罹患している疾患もしくは病態の予防または治療のために、必要に応じて単回投与、複数回投与、および反復投与を含むことができる。ある場合には、治療方法は、治療前、治療中、および/または治療後に、対象者における疾患のレベルを評価することを含むことができる。ある場合には、対象者における疾患のレベルの低下が検出されるまで、治療を継続することができる。
本明細書で使用する用語「投与する」または「投与」は、本発明のペプチドを、形態に関係なく、移植する、吸収する、摂取する、注入する、または吸入することを指す。ある場合には、本明細書に開示したペプチドの1つまたは複数は、対象者に局所的(例えば、経鼻)におよび/または経口的に投与することができる。例えば、本明細書に記載の方法は、所望の効果または表明した効果を達成するのに有効な量の化合物または化合物の組成物を投与することを含む。特定の患者に対する具体的な投与量および処置のレジメンは、さまざまな要因に依存しており、例えば、利用する特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、疾患、病態または症状の重症度および経過、疾患、病態または症状に対する患者の体質、ならびに治療する医師の判断に依存する。
投与後、対象者は、疾患のレベルを検出し、評価し、または確定するために判断され得る。ある場合には、対象者における疾患のレベルの変化(例えば、低下)が検出されるまで、治療を継続することができる。
患者の状態の改善(例えば、対象者における疾患のレベルの変化(例えば、低下))の際には、本発明の化合物、組成物または組み合わせの維持用量を、必要に応じて、投与することができる。その後、改善された状態が保持されるレベルまで、症状の関数として、投与量もしくは投与頻度、またはその両方を低減させることができる。しかしながら、患者は、疾患症状の再発時に、間欠的治療を長期的に必要とするかもしれない。
ある場合には、本開示は、ヒト対象者からの免疫細胞、例えばB細胞および/または記憶B細胞、を検出するための方法を提供する。こうした方法を使用して、例えば、イベント後に、ヒト対象者における免疫細胞、例えばB細胞および/または記憶B細胞、のレベルをモニターすることができる。典型的なイベントとしては、限定するものではないが、疾患、感染の検出;本明細書に開示した治療用組成物の投与、治療薬の投与または処置のレジメン、ワクチンの投与、免疫応答の誘導などが挙げられる。このような方法は、臨床的におよび/または研究のために使用することができる。
有効量および投与量
一態様において、本発明のワクチン組成物の有効量は、癌患者における癌の重症度を軽減するのに十分な量、またはその1つまたは複数の症状の重症度を軽減もしくは改善するのに十分な量、癌の進行を予防するのに十分な量、癌のさらなる転移を防止するのに十分な量、癌の臨床的退行を引き起こすのに十分な量、あるいは本発明のワクチン組成物と同時に、該組成物の前または後に投与される別の治療法または治療薬の治療効果を増強または改善するのに十分な量である。
癌の症状は当業者によく知られており、限定するものではないが、以下が挙げられる:普通ではないほくろ(mole)の形状、ほくろの外観の変化、例えば非対称、境界、色、および/または直径、新たに色素沈着した皮膚領域、異常なほくろ、爪の下の黒ずんだ領域、乳房のしこり、乳頭の変化、乳房嚢胞、乳房の痛み、死んだ状態、体重減少、虚弱、過度の疲労、摂食困難、食欲不振、慢性の咳、息切れの悪化、喀血、血尿、血便、吐き気、嘔吐、肝転移、肺転移、骨転移、腹部膨満、腫脹、腹腔内の体液、膣出血、便秘、腹部膨張、結腸の穿孔、急性腹膜炎(感染、発熱、痛み)、疼痛、吐血、大量の発汗、発熱、高血圧、貧血、下痢、黄疸、めまい、悪寒、筋肉の痙攣、大腸転移、肺転移、膀胱転移、肝転移、骨転移、腎臓転移、および膵臓転移、嚥下困難など。
一態様において、本発明のワクチン組成物の有効量は、抗体分泌B細胞を産生するのに十分な量、または本発明のワクチン組成物のペプチドの1つまたは複数に対する細胞傷害性T細胞媒介性免疫応答を生み出すのに十分な量である。一態様では、本発明のワクチン組成物の有効量は、抗体分泌B細胞を産生するのに十分な量、または癌細胞に対する細胞傷害性T細胞媒介性免疫応答を生み出すのに十分な量である。免疫応答を引き出す本発明のワクチン組成物の能力は、当業者に利用可能な常法を用いて確認することができる。一態様では、各組成物の有効量は、例えば、混合リンパ球T細胞アッセイで測定して、対象者において細胞傷害性T細胞応答を生み出すのに十分な量である。
一態様において、対象者または対象者の特定の部位に投与されるワクチン組成物の有効量は、該組成物の1つまたは複数のペプチドの1〜1000マイクログラムを送達する量である。一態様では、ペプチドの量は、1〜100マイクログラム、1〜200マイクログラム、1〜300マイクログラム、1〜400マイクログラム、1〜500マイクログラム、1〜600マイクログラム、1〜700マイクログラム、1〜800マイクログラム、または1〜900マイクログラムである。別の態様では、ペプチドの量は、1〜10マイクログラム、1〜20マイクログラム、1〜30マイクログラム、1〜40マイクログラム、1〜50マイクログラム、1〜60マイクログラム、1〜70マイクログラム、1〜80マイクログラム、または1〜90マイクログラムである。好ましくは、対象者に投与されるペプチドの総量は5ミリグラムを超えず、最も好ましくは、該総量は2ミリグラムを超えない。
併用療法
本発明はまた、癌の治療または予防方法を提供し、該方法は、本発明のワクチン組成物を、1つまたは複数の追加の治療薬または治療レジメンと共に、それを必要とする対象者に投与することを含む。一態様では、本発明のワクチン組成物は、手術、化学療法剤、放射線療法、免疫療法、またはこれらの任意の組み合わせを含む治療レジメンの一環として投与される。
一態様において、治療レジメンは、1つまたは複数の免疫刺激剤を含むまたはさらに含む。一態様では、1つまたは複数の免疫刺激剤は、以下からなる群より選択される:抗CTLA-4抗体もしくはペプチド、抗PD-1抗体もしくはペプチド、抗PDL-1抗体もしくはペプチド、抗OX40(CD134、TNFRSF4、ACT35および/またはTXGP1Lの別名でも知られる)抗体もしくはペプチド、抗GITR(TNFRSF18、AITR、および/またはCD357の別名でも知られる)抗体もしくはペプチド、抗LAG-3抗体もしくはペプチド、および/または抗TIM-3抗体もしくはペプチド。
一態様において、1つまたは複数の免疫刺激剤は、WO 2013/049517またはWO 2008/036981に記載される抗MICA抗体から選択される。一態様では、1つまたは複数の免疫刺激剤は、CM33322 Ab4、CM33322 Ab28、およびCM33322 Ab29から選択され、これらは米国仮出願第61/792,034号および第61/913,198号、ならびに米国出願第14/025,573号に記載されている。
一態様において、治療レジメンは、1つまたは複数のサイトカインを含むまたはさらに含む。一態様では、本発明のワクチン組成物は1つまたは複数のサイトカインを含む。一態様では、少なくとも1つのサイトカインは、インターロイキンまたはインターフェロンである。一態様では、少なくとも1つのサイトカインは、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-11、IL-12、IL-13、IL-15、およびIL-18からなる群より選択されるインターロイキンである。別の態様では、少なくとも1つのサイトカインは、IFNα、IFNβ、およびIFNγから選択されるインターフェロンである。
一態様において、本発明のワクチン組成物は、ヒストン脱アセチル化酵素(「HDAC」)阻害剤、プロテアソーム阻害剤、アルキル化剤、およびトポイソメラーゼ阻害剤からなる群より選択される少なくとも1つの化学療法剤を対象者に投与することを含む治療レジメンの一環として投与される。
一態様において、化学療法剤は、以下からなる群より選択されるHDAC阻害剤である:ヒドロキサム酸、ボリノスタット(ゾリンザ)、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)(Merck社)、トリコスタチンA(TSA)、LAQ824 (Novartis社)、パノビノスタット(LBH589)(Novartis社)、ベリノスタット(PXD101)(CuraGen社)、ITF2357 Italfarmaco SpA(Cinisello社)、環状テトラペプチド、デプシペプチド(ロミデプシン、FK228)(Gloucester Pharmaceuticals社)、ベンズアミド、エンチノスタット(SNDX-275/MS-275)(Syndax Pharmaceuticals社)、MGCD0103 (Celgene社)、短鎖脂肪族系酸、バルプロ酸、フェニル酪酸、AN-9、ピバネクス(pivanex)(Titan Pharmaceutical社)、CHR-3996 (Chroma Therapeutics社)、およびCHR-2845 (Chroma Therapeutics社)。
一態様において、化学療法剤は、以下からなる群より選択されるプロテアソーム阻害剤である:ボルテゾミブ(Millennium Pharmaceuticals社)、NPI-0052 (Nereus Pharmaceuticals社)、カルフィルゾミブ(PR-171)(Onyx Pharmaceuticals社)、CEP 18770、およびMLN9708。
一態様において、化学療法剤は、メルファランなどのアルキル化剤である。
一態様において、化学療法剤は、アドリアマイシン(ドキソルビシン)などのトポイソメラーゼ阻害剤である。
一態様において、治療レジメンは、化学療法、放射線療法、サイトカイン、ケモカインおよび他の生物学的シグナル伝達分子、腫瘍特異的ワクチン、細胞癌ワクチン(例えば、GM-CSF形質導入癌細胞)、腫瘍特異的モノクローナル抗体、自己および同種幹細胞による救済(例えば、移植片対腫瘍効果を増強するため)、他の治療用抗体、分子標的治療薬、抗血管新生療法、治療目的での感染性因子(例えば、腫瘍局在化細菌)および遺伝子治療法の1つまたは複数を含むまたはさらに含む。
キット
本発明は、本発明の方法または治療レジメンを実施するための薬学的パックまたはキットを提供する。一態様では、該キットは、凍結乾燥された形態の本発明のワクチン組成物を含む。一態様では、該キットは、タンパク質足場の形態の本発明のワクチン組成物を含む。
別の態様において、該キットは、1つまたは複数の追加の容器内にサイトカインまたはアジュバントをさらに含む。
各容器内の該組成物は、例えば、滅菌生理食塩水、デキストロース溶液、もしくは緩衝液、または他の薬学的に許容される無菌の液体と組み合わせた、薬学的に許容される溶液の形態であり得る。あるいは、該組成物は凍結乾燥または脱水乾燥させてもよい;この場合に、該キットは、任意で、別の容器内に、注射用の溶液を調製するために該組成物を元に戻すための、好ましくは無菌の、薬学的に許容される溶液(例えば、生理食塩水、デキストロース溶液など)をさらに含む。
別の態様において、該キットは、好ましくは無菌形態で包装された、1つまたは複数の再利用可能なまたは使い捨ての投与器具(複数可)(例えば、注射器、針、分注ペン)、および/または包装されたアルコールパッドをさらに含む。臨床医によるまたは患者による該組成物の投与のために、任意で、説明書を含めてもよい。該キットはまた、他の材料、例えば、ブリスターパックのような、金属またはプラスチックフォイルを含むことができる。
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に開示したワクチン組成物(「X」として以下に示される)のうちいずれか1つまたは複数を、以下の方法で使用するための方法を提供する:
本明細書に開示した1つまたは複数の疾患または病態(例えば、癌、以下の例では「Y」と呼ばれる)を治療する際の医薬として使用するための物質X。Yの治療用医薬を製造するための物質Xの使用;およびYの治療に使用するための物質X。
ある場合には、本明細書に開示した治療用組成物は、米国での販売、米国への輸入、および/または米国からの輸出のために製剤化され得る。
別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。方法および材料は、本発明で使用するために本明細書に記載される;当技術分野で公知の他の好適な方法および材料を使用することもできる。材料、方法、および実施例は例示にすぎず、限定することを意図したものではない。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリー、および他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。矛盾する場合には、定義を含めて、本明細書が優先する。
本発明は以下の実施例においてさらに説明されるが、これらの実施例は特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:MICA抗体のために適切に配置されたエピトープを有するキメラタンパク質の設計
2つの設計は、図3および4に示される。第1の設計(図3)では、ヒトMICA抗体により認識される2つの重要なエピトープが、類似する全体的免疫グロブリンフォールドを有する無関係なタンパク質(ヒトCMVからのUL18)に配置された。このタンパク質は、ヒトMICA α3ドメインによる一次免疫の後の追加免疫との関連で特に有用であろう。
第2の設計(図4)では、2つの重要なエピトープを連結させた最小のタンパク質が作成される。このタンパク質は、N末端とC末端が近接しているため、B型肝炎コアキャプシドのようなウイルスキャプシドの表面上に提示させることができる。
実施例2:ヒトMICA抗体の治療活性
方法
この研究デザインは、所内動物実験委員会(institutional animal care and use committee: IACUC, プロトコルID 08-049)により承認された。6週齢の雄SCID(ICR-Prkdcscid)マウスをTaconic社(Hudson, NY)から入手した。U937細胞をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC, Manassas, VA)から入手した。生存実験のために、2×l06個の細胞をナイーブマウスの腹腔に注入した。腫瘍を10日間増殖させてから、マウスを盲検治療群へとランダム化した。各治療群は10匹のマウスを含んでいたが、これは、研究室の以前の経験を通して生存率の向上を見定めるのに十分である。ランダム化はマウスの生体内画像化に基づいたものであり、治療群は、類似した全体的な平均シグナル強度を有するマウスを含み、同様の全身腫瘍組織量を示す。治療は、生存実験を行わない研究室外のメンバーによって盲検化された。研究者らは、「A群」または「B群」のラベルを貼った注射器で治療を施した。研究は、それぞれの生存実験の終了時に非盲検化した。抗体治療は、100μg/用量で静脈内投与した。動物には週3回で合計3週間投与した。循環sMICAの検出のためにマウスから毎週採血した。全てのマウスを分析に加えた。
短期治療のために、2×l06個のU937細胞を皮下に移植して、10日間で腫瘍を樹立させた。次に、触知可能な腫瘍のあるマウスを完全ヒト抗体(アイソタイプ、AML Ab2、Mel Ab28、またはMel Ab29)で1週間(3×100μg)治療した。初期治療の8日後、マウスを犠牲にして腫瘍と脾臓を摘出し、腫瘍量を記録した。2%FBS、50U/mlのコラゲナーゼタイプIV(Invitrogen社)、および10U/mLのDNAse(Roche社)を含むRPMI培地を含有する消化媒体5mLを入れたペトリ皿で腫瘍を小片に切り分けた。組織を消化媒体中37℃で2時間インキュベートした。その後、gentleMACS Dissociator (Miltenyi Biotech社)を使って腫瘍をさらに解離させた。腫瘍細胞懸濁液の上清を局所sMICA濃度の測定のために保存した。細胞懸濁液を70μmストレーナーに通して濾過し、PBSで3回洗浄した。次いで、単一細胞懸濁液をNK細胞分析のためにZombie Yellow(生死判別色素、BioLegend社)、NKG2D-APC (CX5)、Perforin-PE (eBioOMAK-D)、CD45-PacBlue (30-F11)、NKp46-PerCP/Cy5.5 (29A1.4)、IFNγ-BV711 (XMG1.2)、NK1.1-BV510 (PK136)、CD16-APC/Cy7 (93)、およびCD49b-FITC (DX5)で染色した。全ての抗体は、パーフォリン(Perforin)(eBiosciences社)を除いて、BioLegend社から入手した。細胞の追加の別のアリコートをMICA発現のために抗MICA-PE(クローン6D4、BioLegend社)を用いて染色した。
本発明は、その詳細な説明に関連して説明されているが、前述の説明は、本発明を例示するためのものであり、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を限定することを意図したものではない、ことを理解すべきである。他の態様、利点、および修飾は、添付の特許請求の範囲内に含まれる。
ヒトMICA/B抗体は腫瘍微小環境においてMICA脱落を強力に阻害する
ヒトMICA抗体の治療効果を評価するためのマウスモデルが確立された。マウスはMICAまたはMICBオルソログを有しないが、マウスNKG2D受容体はヒトMICA/Bを認識する。Liu et al., 2013, JCI 123(10):4410-4422を参照されたい。本発明者らは、NK細胞を有するもののT細胞とB細胞が欠損しているSCIDマウスに、AML細胞株であるヒトU937細胞を移植した。このモデルは、ヒトMICA抗体がヒト腫瘍細胞に対するNK細胞媒介性免疫に及ぼす影響を測定することを可能にしたが、このモデルでCD8 T細胞応答を評価することはできない。MICA抗体であるAML Ab2は、マウスFc受容体との適切な相互作用を可能にするために、マウスIgG2a Fcセグメントと共に発現させた。患者の抗体は、マウスIgG2aと機能的に似ているヒトIgG1アイソタイプを有していた。マウスにU937細胞を移植し、10日後に盲検治療群にランダム化した。3週間の治療(3×100μg/週)は、対照群(アイソタイプ)での0%の生存率と比較して、治療群(AML Ab2)では45日目に55%の生存率を示して、実質的な生存率の向上をもたらした。図5Aを参照されたい。機構研究は、対照群ではsMICAレベルが上昇したのに、抗体治療のわずか2週間後にはsMICAが血清中に検出不能となったことを実証した。図5Bを参照されたい。
本発明者らは、次に、3種類の完全ヒトMICA/B抗体を用いて、早期時点での治療の機能的効果を調べた。皮下腫瘍を有するSCIDマウスの治療の1週間後、アイソタイプ対照と比較して、AML Ab2、Mel Ab28、およびMel Ab29治療群のマウスではsMICAレベルが大幅に減少した。図5Cを参照されたい。また、腫瘍のフローサイトメトリー分析は、インビトロ結果を反映して、腫瘍細胞表面上のMICAの著しく増加した発現を明らかにした。図5Dを参照されたい。これらの結果は、ヒトMICA/B抗体が腫瘍微小環境においてMICA脱落を強力に阻害し、それによって、細胞傷害性リンパ球による認識のための腫瘍細胞上のMICAの密度を増加させることを立証した。
ヒトMICA/B抗体は、結果として、腫瘍細胞に対する局所的および全身的NK細胞媒介性免疫を両方とも向上させる
本発明者らは、治療の1週間の時点で腫瘍浸潤NK細胞に関するさらなる機構研究を行った。腫瘍におけるMICA脱落の阻害は、腫瘍浸潤NK細胞上のNKG2D表面発現を増加させた。図6Aを参照されたい。抗体治療はまた、腫瘍浸潤NK細胞の>40倍の増殖およびNKp46受容体の発現の増強をもたらした。図6Bおよび6Cを参照されたい。増殖した腫瘍浸潤NK細胞は、抗腫瘍免疫にとって極めて重要なサイトカインであるIFNγを大量に産生し、かつ細胞傷害性機能のために重要な分子であるパーフォリンのより高いレベルを発現した。図6dおよび6eを参照されたい。MICA/B抗体治療マウスにおけるNK細胞の細胞傷害能を見極めるために、本発明者らは、脾臓NK細胞によるYAC-1細胞のエクスビボでの殺傷を評価した。アイソタイプ治療マウスに比べて、増強された殺傷が全ての抗MICA抗体治療マウスの全体に観察された。図6Fを参照されたい。したがって、ヒトMICA/B抗体は、腫瘍細胞に対する局所的および全身的NK細胞媒介性免疫を両方とも向上させる。

Claims (22)

  1. 癌を治療するためのワクチン組成物であって、
    該組成物が、免疫原性成分として、SEQ ID NO:1〜13のうち1つまたは複数を含むまたはそれらから成るペプチドの有効量を含み、
    該有効量が、MICポリペプチドまたは癌に対する免疫応答を引き出すのに有効な量である、ワクチン組成物。
  2. MICポリペプチドに対するインビトロ免疫応答を引き出すのに有効である、請求項1に記載のワクチン組成物。
  3. MICポリペプチドに対するインビボ免疫応答を引き出すのに有効である、請求項1に記載のワクチン組成物。
  4. MICポリペプチドが細胞に結合されていない、請求項1に記載のワクチン組成物。
  5. MICポリペプチドを発現している癌細胞に対する免疫応答を引き出すのに有効である、請求項1に記載のワクチン組成物。
  6. MICポリペプチドが、MICAまたはMICBポリペプチドである、請求項1に記載のワクチン組成物。
  7. 前記癌が、MICAおよび/またはMICBタンパク質を発現する、請求項1に記載のワクチン組成物。
  8. 前記癌がメラノーマである、請求項1に記載のワクチン組成物。
  9. 前記ペプチドが、SEQ ID NO:2〜13、またはSEQ ID NO:15〜23、またはそのいずれかに対して90%もしくは95%のアミノ酸配列同一性を有するペプチドのうち1つまたは複数を含むまたはそれらから成る、請求項1に記載のワクチン組成物。
  10. SEQ ID NO:5〜10、またはSEQ ID NO:15〜20、またはそのいずれかに対して95%のアミノ酸配列同一性を有するペプチドのうち2つ以上から;あるいはSEQ ID NO:2〜13、またはSEQ ID NO:21〜23、またはそのいずれかに対して90%のアミノ酸配列同一性を有するペプチドのうち2つ以上から選択される複数のペプチドを含む、請求項1に記載のワクチン組成物。
  11. 前記ペプチドが、キャリアタンパク質にコンジュゲートされている、請求項1に記載のワクチン組成物。
  12. 前記キャリアタンパク質が、破傷風毒素およびジフテリア毒素から選択される、請求項11に記載のワクチン組成物。
  13. その表面に少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドを提示するように操作されたウイルスキャプシドタンパク質を含む、請求項1に記載のワクチン組成物。
  14. 前記ウイルスキャプシドタンパク質が、B型肝炎キャプシドタンパク質である、請求項13に記載のワクチン組成物。
  15. 少なくとも1つのペプチドまたは複数のペプチドを含むポリマー足場の形態である、請求項1に記載のワクチン組成物。
  16. 前記ポリマー足場が、多孔質のポリ-ラクチド-コ-グリコリド(PLG)ポリマー足場である、請求項15に記載のワクチン組成物。
  17. 前記ポリマー足場が、サイトカインおよびToll様受容体アゴニストの一方または両方をさらに含む、請求項16に記載のワクチン組成物。
  18. 前記ポリマー足場が、前記組成物により癌を治療される対象者の自己腫瘍細胞溶解物をさらに含む、請求項17に記載のワクチン組成物。
  19. 請求項1に記載のワクチン組成物を対象者に投与する段階を含む、対象者における癌を治療する方法。
  20. 前記ワクチン組成物が治療レジメンの一環として投与される、請求項19に記載の方法。
  21. 治療レジメンが、放射線療法、標的療法、免疫療法、または化学療法のうち1つまたは複数をさらに含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記ワクチン組成物がプライム-ブースト戦略の一環として投与され、該プライム-ブースト戦略が少なくとも1つの、好ましくは2つの、追加の本発明のワクチン組成物を投与する段階をさらに含み、各ワクチン組成物が他とは異なる免疫原を有する、請求項19に記載の方法。
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