JP2017507989A5 - - Google Patents

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JP2017507989A5 JP2016557945A JP2016557945A JP2017507989A5 JP 2017507989 A5 JP2017507989 A5 JP 2017507989A5 JP 2016557945 A JP2016557945 A JP 2016557945A JP 2016557945 A JP2016557945 A JP 2016557945A JP 2017507989 A5 JP2017507989 A5 JP 2017507989A5
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2,2−ジフルオロエチルアミンをアルキル化することによりN−[(6−クロロピリジノ−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミンを調製する方法
本発明は、無機塩基の存在下で、2,2−ジフルオロエチルアミンと2−クロロ−5−
(クロロメチル)ピリジン(CCMP)からN−[(6−クロロピリジン−3−イル)メ
チル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミンを調製するための、経済学的に及び生態
学的に効率的な新規方法に関し、ここで、前記無機塩基は、アルカリ金属水酸化物及びア
ルカリ土類金属水酸化物からなる群から選択される。
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−
アミンは、農芸化学的活性成分の調製における重要な中間体である(以下のものを参照さ
れたい:WO−A−2007/115644)。N−[(6−クロロピリジン−3−イル
)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミンを調製するためのさまざまな調製方
法が記載されてきた。しかしながら、既存の調製方法は、以下に記載されているような種
々の不利点を有している。
例えば、WO−A−2009/036900には、N−[(6−クロロピリジン−3−
イル)メチル]−2,2−ジフルオロアセトアミドをアミド水素化に付すことによるN−
[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミン
の調製方法が開示されている(スキーム1)。
スキーム1:
Figure 2017507989
この調製方法の不利な点は、極めて入念な安全対策を必要とする複雑で極めて高価な水
素化物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)を使用するということである。
WO 2009/036901には、水素によるN−(6−クロロピリジン−3−イル
)メチレン−2,2−ジフルオロエタンアミンの還元が記載されている(スキーム2)。
スキーム2:
Figure 2017507989
この調製方法の不利な点は、水素を使用することである。それは、ここでも、水素を使
用することは、極めて入念な安全対策を必要とするからである。
WO−A−2011/157650には、有機塩基の存在下における、2,2−ジフル
オロ−1−ハロエタンと第1級アミンからの2,2−ジフルオロエタンアミン誘導体の調
製が記載されている(スキーム3)。
スキーム3:
Figure 2017507989
この調製方法の不利な点は、当該反応を高圧装置内で実施する必要があるということで
ある。
殺虫活性を有する4−アミノブタ−2−エノリド化合物の調製に関連した特許公開WO
−A−2007/115644には、窒素をアルキル化することによる一般式A−CH
−NH−R〔式中、Aは特定のヘテロ環を表し、Rはハロアルキルを表す〕で表され
る化合物の調製が記載されている(スキーム4)。
スキーム4:
Figure 2017507989
E=hal(例えば、塩素、臭素、ヨウ素)、O−トシル、O−メシル。
具体的には、WO−A−2007/115644は、N−[(6−クロロピリジン−3
−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミン(化合物(3))の調製につ
いて記載しており、ここで、これは、トリエチルアミンの存在下で、CCMP(化合物(
2))と2,2−ジフルオロエタン−1−アミン(化合物(1))から合成している(ス
キーム5を参照されたい)。化合物(1)、化合物(2)及びトリエチルアミンは、当モ
ル量で使用されている。所望の生成物は、収率53%で得られる。
スキーム5:
Figure 2017507989
式A−CH−NH−R〔式中、Aは特定のヘテロ環を表し、Rはハロアルキルを
表す〕で表される化合物を調製するためのWO−A−2007/115644に記載され
ている調製方法は、当該反応中に窒素のポリアルキル化が起こり得るので不利である。こ
れは、収率損失をもたらすが、この収率損失は、具体的に記載されている実施例の収率に
おいても明らかである。その収率は、わずかに53%である。これらのポリアルキル化は
、大過剰量のアミンを使用することによってのみ、低減させることが可能である。しかし
ながら、当該高価なアミンを蒸留によって回収することは、一般に困難であり、そして、
損失を引き起こす。
WO−A−2014/001245には、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒュ
ーニッヒ塩基)の存在下でN−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−
ジフルオロエタン−1−アミンを調製する方法が記載されている。しかしながら、WO−
A−2014/001245は、当該反応を無機塩基(例えば、NaOH)の存在下で実
施することについては開示しいていない。
ヒューニッヒ塩基は、WO−A−2014/001245による調製方法においては当
モル量で使用されている、工業的な大規模で得るのが困難な非常に高価な塩基である。反
応後、当該塩基はアミン塩酸塩の形態で水相中に存在している。その遊離塩基を回収する
ためには、上記水相を無機塩基と混合させ、相を分離させ、そして、その有機相を蒸留に
よる後処理に付すことが必要である。貴重なヒューニッヒ塩基を蒸留によって回収するこ
とは、一般に、困難であり、損失をもたらす。さらに、上記水相も当該ヒューニッヒ塩基
を含んでいる。さらに詳細に言えば、上記水相は、当該ヒューニッヒ塩基を遊離ヒューニ
ッヒ塩基として典型的には約1重量%の濃度で含んでいる。これは、さらなる損失につな
がる。当該遊離ヒューニッヒ塩基は、さらに、廃水を汚染し、従って、その廃水を付加的
な後処理に付すことが必要である。
国際特許出願公開第2007/115644号 国際特許出願公開第2009/036900号 国際特許出願公開第2009/036901号 国際特許出願公開第2011/157650号 国際特許出願公開第2014/001245号
しかしながら、N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオ
ロエタン−1−アミンは農芸化学的活性成分の合成における構成成分として重要であるの
で、経済的に工業的な大規模で使用することが可能な調製方法を見いだすことが必要であ
る。N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1
−アミンを高収率及び高純度で得て、それによって、好ましくは目標化合物をさらなる(
潜在的に複雑な)精製に付す必要のないことも望ましい。
既存の調製方法の不利な点を回避しながら、さらに、極めて単純で経済的であり且つ環
境に優しく実施され、従って、工業的な大規模で使用することが可能な、N−[(6−ク
ロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミンを調製する
方法が見いだされた。特に、本発明による新規調製方法は、ヒューニッヒ塩基の使用を回
避している。
かくして、本発明は、式(III)
Figure 2017507989
で表されるN−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタ
ン−1−アミンを調製する方法に関し、ここで、該調製方法においては、式(I)
Figure 2017507989
で表される2,2−ジフルオロエチルアミンを、無機塩基の存在下で、式(II)
Figure 2017507989
で表される2−クロロ−5−(クロロメチル)ピリジンと反応させ、その際、該無機塩基
は、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選択される。
本発明による反応は、スキーム6に示されている。
スキーム6:
Figure 2017507989
本発明による調製方法によって、式(III)で表される所望のN−[(6−クロロピ
リジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミンが極めて良好な収
率で且つ高い純度で得られる。
このことは、使用する式(I)で表される2,2−ジフルオロエチルアミンが無機塩基
としてのアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物(例えば、NaOH又はK
OH)(これらは、一般に、強塩基である)の存在下において安定であるということを当
業者は想定できなかったので、驚くべきことである。それどころか、該無機塩基が式(I
)で表される2,2−ジフルオロエチルアミンのフッ素化されている炭素原子を脱プロト
ン化して脱離反応を引き起こすであろうということ、及び、その後、該2,2−ジフルオ
ロエチルアミン誘導体は重合体化、環化又は同様の別の反応を受けるであろうということ
が、予期された。
本発明による調製方法では、所望の化合物が、反応生成物の大規模な後処理を概して不
要とする純度で得られる。該調製方法は、当該無機塩基と一緒に用いられるアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の塩化物(例えば、無機塩基としてNaOHが用いられる場合は、
NaCl)を副生物として生成する。このことは、WO−A−2014/001245及
びWO−A−2007/115644に記載されている調製方法と比較して極めて有利で
ある。
本発明の調製方法によって、さらに、経済的な無機塩基の使用の実現が可能となり、W
O−A−2007/115644及びWO−A−2014/001245に記載されてい
る調製方法[ここでは、第3級窒素塩基として、それぞれ、トリエチルアミン(WO−A
−2007/115644)及びヒューニッヒ塩基(WO−A−2014/001245
)が使用されている]を用いて達成される収率と同等の収率又はそれを上回る収率でさえ
可能となる。これは、特に、無機塩基としてNaOHを使用する場合である。
本発明による調製方法は、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からな
る群から選択される無機塩基(即ち、正確に1種類又はそれより多い種類(例えば、2種
類又は3種類)の無機塩基)の存在下で達成される。好ましい無機塩基は、アルカリ金属
水酸化物、特に、NaOH及びKOHである。同様に、好ましい無機塩基は、Ca(OH
及びMg(OH)である。
該無機塩基は、本発明による調製方法において、好ましくは、それだけで使用するか、
又は、水溶液として使用する。かくして、当該反応混合物は、好ましくは、二相性である
。驚くべきことに、該無機塩基は、当該反応系が二相性であるにもかかわらず、有効であ
る。
本発明による調製方法において上記無機塩基を使用することは、特に、消費されなかっ
た2,2−ジフルオロエチルアミン(I)の全てを容易に留去して当該調製方法に反応体
として再度戻すことができるという有利点を有している。かくして、該調製方法は、費用
及び資源に関して特に経済的な方法で実施することができる。
NaOHを使用することによって、他の無機塩基を用いて達成される収率よりも高い収
率を達成することが可能となる。このことは、実施例からも明らかである。かくして、本
発明による調製方法においては、NaOHを使用するのが特に好ましい。
2,2−ジフルオロエチルアミンとCCMPの反応は発熱性であり、従って、調製方法
の安全性の理由で、該反応は、好ましくは、比較的穏やかな反応温度下で実施する。
驚くべきことに、さらに相間移動触媒(PTC)の存在下において、該反応を比較的穏
やかな条件下で実施することができるということが分かった。従って、該調製方法のこの
代替え的な変法も、本発明の対象の一部分を形成する。
本発明による調製方法においては、無機塩基(OH基準)と使用される式(II)で
表されるCCMPのモル比は、好ましくは、10:1〜0.1:1の範囲内にある。それ
は、さらに好ましくは、5:1〜0.5:1の範囲内にあり、最も好ましくは、2:1〜
1:1の範囲内にある。さらに多い量の無機塩基を使用することは原理上は可能であるが
、一般的に、非経済的である。該無機塩基は、触媒量で使用することも可能である。
本発明による調製方法においては、式(I)で表される2,2−ジフルオロエチルアミ
ンは、好ましくは、過剰に使用する。一般式(II)で表されるCCMPと使用される2
,2−ジフルオロエチルアミンのモル比は、好ましくは、1:1.5〜1:20の範囲内
にあり、さらに好ましくは、1:2〜1:10の範囲内にあり、最も好ましくは、1:2
.5〜1:5の範囲内にある。
当該反応体は液体であるので、本発明による調製方法は、付加的な反応溶媒無しで実施
することができる。当該反応を溶媒の存在下においても実施可能であるということは理解
されるであろう。
本発明による反応は、広い温度範囲にわたって(例えば、1℃〜100℃の範囲内で)
実施することができる。該反応は、好ましくは、30℃〜60℃の温度範囲で実施する。
該反応は、好ましくは、大気圧(即ち、絶対圧力950〜1050mbar)下で実施
する。しかしながら、該調製方法は、原理上、高圧化又は減圧下でも実施することができ
る。
その反応時間は、短く、そして、好ましくは、0.5〜5時間の範囲内である。さらに
長い反応時間も可能であるが、一般に、経済的に実用的ではない。
当該反応混合物を後処理するために、使用した余分な2,2−ジフルオロエチルアミン
(DFEA)を、好ましくは、蒸留によって回収し、そして、再利用することができる。
DFEAを蒸留した後、該反応混合物を、場合により、そして、好ましくは、不活性溶
媒(例えば、トルエン、キシレン、ブチロニトリル又はn−ブタノール)及び水と混合さ
せ、次いで、DFEAを分離することができる。
当該溶液のpHを、場合により、好ましくは5.5−6の範囲内の値に、調節した後、
N−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−ア
ミンを分離する。次いで、式(III)で表されるその2,2−ジフルオロエチルアミン
誘導体を、大気圧下又は減圧下で、好ましくは蒸留によって、単離することができる。
該無機塩基は、好ましくは、何も加えずにそのままで使用するか、又は、水溶液として
使用する。従って、好ましい1実施形態において、本発明による調製方法は、水の存在下
において、及び、さらに、相間移動触媒(PTC)の存在下において、実施する。
相間移動触媒(PTC)は、原則として、当業者には知られている。正確に1種類の相
間移動触媒を使用するのが好ましい。しかしながら、2種類又はそれより多い種類の異な
る相間移動触媒を使用することも可能である。特に有用で、使用するのが好ましい相間移
動触媒は、有機アンモニウム塩又有機ホスホニウム塩であり、特に、テトラアルキルアン
モニウム塩、ベンジルトリアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルホスホニウム塩、ベ
ンジルトリアルキルホスホニウム塩及びそれらの混合物である。
これらの中で、好ましいのは、有機アンモニウム塩、特に、テトラアルキルアンモニウ
ム塩、ベンジルトリアルキルアンモニウム塩である。このタイプの塩としては、例えば、
テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、
テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩、トリ−n−ブチルメチルアンモニウムクロ
リド、トリ−n−ブチルメチルアンモニウムブロミド、トリ−n−ブチルメチルアンモニ
ウム硫酸水素塩、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモ
ニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウム硫酸水素塩、トリオクチルメチルアン
モニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムブロミド及びトリオクチルメチルア
ンモニウム硫酸水素塩などを挙げることができる。
特に好ましくは、市販されているテトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド又はテトラ
−n−ブチルアンモニウムブロミド、及び、市販されているトリオクチルメチルアンモニ
ウムクロリドを使用する。
上記相間移動触媒は触媒量で使用され、そして、当業者は、該相間移動触媒を選択する
ことができ、日常的な実験によってその有用な濃度を決定することができる。
それにもかかわらず、使用する相間移動触媒の量が、式(II)で表されるCCMPに
基づいて、0.01〜30mol%の範囲内にあれば有利である。その量は、式(II)
で表されるCCMPに基づいて、好ましくは、0.05〜5mol%の範囲内にあり、さ
らに好ましくは、0.1〜3mol%の範囲内にある。
相間移動触媒を使用することによって、当該反応を比較的穏やかな反応条件下で実施す
ることが可能となる。これは、調製方法の安全性要件であり得、そして、二次的な成分の
形成が低減されるという有利な点を有している。その反応混合物は、より容易に後処理す
ることが可能であり、そして、それによって、所望される目標生成物のさらに高い収率を
もたらし得る。
相間移動触媒を使用することによって、当該調製方法を比較的穏やかな反応条件下で実
施することが可能となり、従って、当該調製方法が経済的にさらに有利なものとなる。
好ましい別の実施形態では、該調製方法は、相間移動触媒の非存在下で実施する。当該
調製方法を、その反応系が二相性であるにもかかわらず、相間移動触媒の非存在下におい
ても実施することができるということは驚くべきことである。
[実施例]
実施例:
下記実施例を参照して、本発明についてさらに詳細に記述するが、本発明はそれら実施
例に限定されるものではない。
A.実験手順
例7(実験7、本発明)
Figure 2017507989
3684.7g(45.0mol)の2,2−ジフルオロエチルアミン(DFEA、G
Cによる含有量:99%)及び1931.1gのNaOH(15.45mol;32%)
を55℃に加熱する。その混合物に、約55℃で、496gのCCMP溶融物(CCMP
、3mol、GCによる含有量:98%)を0.5時間かけて滴下して加える。その反応
混合物を、最初に、55℃でさらに2時間撹拌する。次いで、さらなる1983.9gの
CCMP(CCMP、12mol、98%)を2時間かけて滴下して加える。その懸濁液
を約55℃でさらに2時間撹拌する。余分なDFEAを、減圧下、約55℃、325〜1
20mbarで留去し、1968gのブタノール及び1750gの水を添加し、その有機
相を分離する。これによって、n−ブタノール中のN−[(6−クロロピリジン−3−イ
ル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミンの溶液(GCによる純度55.7
重量%)5420.8gが得られる。外部標準を使用するGCによって測定されたN−[
(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミンの
、使用したCCMPに基づく化学収率は、97.40%である。
例6(実験6、TBABを使用する本発明)
Figure 2017507989
121.60g(1.50mol)の2,2−ジフルオロエチルアミン(DFEA、G
Cによる含有量:98%)、1.21gのテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(T
BAB、3.75mmol)及び64.37gのNaOH(0.52mol;32%)を
40℃に加熱する。その混合物に、16.29gのCCMP(0.1mol、GCによる
含有量:99.5%、蒸留して得られたCCMP)を約40℃で0.5時間かけて滴下し
て加える。その反応混合物を、最初に、40℃でさらに2時間撹拌する。次いで、さらな
る65.16gのCCMP(0.4mol、GCによる含有量:99.5%、蒸留して得
られたCCMP)を2時間かけて滴下して加える。その懸濁液を約40℃でさらに2時間
撹拌する。余分なDFEAを、減圧下、約40℃で留去し、89.8gのブチロニトリル
及び75gの水を添加し、その有機相を分離する。これによって、ブチロニトリル中のN
−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミ
ンの溶液(GCによる純度44.9%)212gが得られる。外部標準を使用するGCに
よって測定されたN−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオ
ロエタン−1−アミンの、使用したCCMPに基づく化学収率は、92.12%である。
例6のみ、40℃の比較的穏やかな条件下で実施し、その反応は、反応が終了する前
に終わらせた。従って、達成された収率は、無機塩基として同様にNaOHが使用されて
いる例7−例14における収率よりも低い。
例1−例5、例8−例15及び例17
TBAB及び対応する塩基を使用して又は使用せずに実施された他の全ての例(例1−
例5、例8−例15及び例17)は、例7と同様にして実施し、そして、TBABを用い
た実験においては、DFEA、塩基及びTBABで構成される最初の反応混合物を55℃
まで加熱した。
例16(WO−A−2007/115644による)[塩基としてトリエチルアミンを
使用]
Figure 2017507989
74.4g(0.90mol)の2,2−ジフルオロエチルアミン(含有量:98%)
及び48.5g(0.48mol)のトリエチルアミン(含有量:99%)を55℃に加
熱する。その混合物に、その温度で、49.5g(0.30mol)のCCMP(含有量
:98%)を2.5時間かけて滴下して加える。その黄色の溶液をその温度でさらに2時
間撹拌し、次いで、2,2−ジフルオロエチルアミンとトリエチルアミンの混合物74.
0gを留去する。
外部標準を使用するGCによれば、余分な2,2−ジフルオロエチルアミンの回収率は
0.50mol(83%)であり、余分なトリエチルアミンの回収率は0.11mol(
60%)である。
その残渣を217gのトルエン及び55gの水と混合させ、20℃まで冷却し、20%
塩酸を添加してpH6とする。下側の水相を分離し、その有機相から溶媒を蒸留によって
除去する。
外部標準を使用するHPLCによって測定されたN−[(6−クロロピリジン−3−イ
ル)メチル]−2,2−ジフルオロエタン−1−アミンの、使用したCCMPに基づく化
学収率は、62%である。
例17[塩基としてトリエチルアミンを使用](本発明ではない)
Figure 2017507989
86.0g(1.05mol)の2,2−ジフルオロエチルアミン(DFEA、GCに
よる含有量:99%)及び36.85gのトリエチルアミン(0.36mol;99%)
を55℃に加熱する。その混合物に、約55℃で、11.57gのCCMP溶融物(CC
MP、0.07mol、GCによる含有量:のCCMP溶融物(CCMP、3mol、G
Cによる含有量:98%)を0.5時間かけて滴下して加える。その反応混合物を、最初
に、55℃でさらに2時間撹拌する。次いで、さらなる46.29gのCCMP(CCM
P、0.28mol、98%)を2時間かけて滴下して加える。その懸濁液を約55℃で
さらに2時間撹拌する。余分なDFEAを、減圧下、約55℃、325〜120mbar
で留去し、ブタノール及び水を添加し、その有機相を分離する。これによって、n−ブタ
ノール中のN−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタ
ン−1−アミンの溶液(GCによる純度27.94重量%)211gが得られる。外部標
準を使用するGCによって測定されたN−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]
−2,2−ジフルオロエタン−1−アミンの、使用したCCMPに基づく化学収率は、8
1.87%である。
B.結果
(実験1、実験2、実験3、実験5、実験15、実験16及び実験17は、本発明ではな
く、実験4及び実験6−実験14は、本発明である)
Figure 2017507989
結果(実験1−実験17)は、以下のことを示している:
・ 当該反応は、ヒューニッヒ塩基の使用に伴う不利な点(工業的な大規模で得るのが
困難である、後処理及び回収が困難であるなど)の全てを同時に回避することを可能とす
る無機塩基を用いて、良好な収率で実施することができる;
・ 当該反応は、無機塩基を用いて実施して、塩基としてトリエチルアミンを使用して
達成される収率(例16及び例17:これらは、WO−A−2007/115644によ
る)よりも明らかに高い収率を達成することができる;
・ 無機塩基としてアルカリ金属の水酸化物(NaOH、KOH)を使用することによ
って、別の無機塩基(NaCO)を使用して達成される収率よりも明らかに高い収率
を達成することが可能となった; 無機塩基としてNaOH又はKOHを使用して達成さ
れる収率は、84.5%〜98.8%(例4、例6−例14)であったが、無機塩基とし
てNaCOを使用して達成される収率は、わずかに、72.4%〜82.5%の範囲
内であった(例3、例5及び例15);
・ 最も高い収率は、無機塩基としてNaOHを用いて達成された(93.1%−98
.8%);
・ 当該反応は、相間移動触媒(TBAB)の存在下及び非存在下の両方において、首
尾よく実施される。

Claims (6)

  1. 式(III)
    Figure 2017507989

    で表されるN−[(6−クロロピリジン−3−イル)メチル]−2,2−ジフルオロエタ
    ン−1−アミンを調製する方法であって、
    式(I)
    Figure 2017507989

    で表される2,2−ジフルオロエチルアミンを、無機塩基の存在下で、
    式(II)
    Figure 2017507989

    で表される2−クロロ−5−(クロロメチル)ピリジンと反応させ、
    該無機塩基が、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選択
    される、前記調製方法。
  2. 前記無機塩基がNaOHである、請求項1に記載の調製方法。
  3. 前記反応を相間移動触媒の存在下で実施する、請求項1及び2のいずれかに記載の調製
    方法。
  4. 前記相間移動触媒が、有機アンモニウム塩又は有機ホスホニウム塩である、請求項3に
    記載の調製方法。
  5. 前記反応を相間移動触媒の非存在下で実施する、請求項1及び2のいずれかに記載の調
    製方法。
  6. 消費されなかった式(I)で表される2,2−ジフルオロエチルアミンをその反応後に
    留去し、次いで、前記調製方法に反応体として戻す、請求項1〜5のいずれかに記載の調
    製方法。
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