JP2017506698A - 建築用コーティング用の親水性連鎖移動剤を用いて誘導されるフッ素化ポリマー添加剤 - Google Patents

建築用コーティング用の親水性連鎖移動剤を用いて誘導されるフッ素化ポリマー添加剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)の水性エマルションを含む塗料に洗浄性を提供するための組成物及び使用法を含み、【化1】式中、式(I)の組成物はランダムコポリマーであり、かかる式(I)の組成物は、親水性連鎖移動剤由来の残部を更に含む。本発明の組成物は、コーティング組成物に耐久性を提供する一方で、水接触角及び油接触角の増加、汚れ付着耐性の向上、及び、コーティングフィルムへの洗浄性の改善といった、表面効果も提供する。これらの理由により、本発明の組成物は、屋外用コーティング及び塗料の添加剤として使用するのが特に好適である。

Description

本発明は、親水性連鎖移動剤残部を有するフルオロポリマーを含む組成物、及びその、表面に耐久性効果をもたらすための、水系ラテックス塗料などの建築用コーティング組成物への添加剤としての使用に関する。
フッ素化ポリマー組成物は、基材に表面効果をもたらすための広範な表面処理材料の調製において使用される。多くのこのような組成物は、所望の特性をもたらすための、ペルフルオロアルキル鎖中に主に8個以上の炭素を含有するフッ素化アクリレートポリマー又はコポリマーである。Hondaら(Macromolecules,2005,38,5699〜5705)は、8個を超える炭素のペルフルオロアルキル鎖では、Rf基と呼ばれるペルフルオロアルキル基の配向が平行配置に維持される一方で、6個以下の炭素を有する鎖では再配向が起こることを教示している。この再配向は、接触角などの表面特性を低下させると言われている。したがって、短いペルフルオロアルキル鎖を含有するポリマーは、これまで商業的に成功していない。
フルオロアルキル(メタ)アクリレートコポリマーは、高度撥水性、撥アルコール性、撥油性といった所望の特性を布地に付与するコーティングをもたらすために、織物処理プロセスにおいて水性エマルション中で使用されている。米国特許第5,344,903号に開示されているこのようなフルオロアルキル(メタ)アクリレートコポリマーの水性エマルションは、所望の撥性を繊維に付与するために、適用後に追加の熱硬化工程を要する。
米国特許第5,344,903号
水系ラテックスコーティングベース、例えば、塗料コーティングとして使用されるものは、油接触角が小さく、洗浄性評価が乏しい傾向がある。室内用塗料及び屋外用塗料の表面に洗浄性を付与するために、フッ素系界面活性剤などの低分子添加剤が使用されている。しかしながら分子量が小さいため、これらの添加剤は、より過酷な条件下の屋外用塗料において、長期性能及び耐久性を提供できない。更に、低分子添加剤により、塗料の表面にブルーミングが生じる場合がある。
本発明は、親水性連鎖移動剤を用いて製造された、6個以下の炭素の短ペルフルオロアルキル基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートコポリマーから構成される組成物を導入することにより、上記問題に取り組むものである。ポリマーの性質により、本発明の組成物は、水系ラテックスコーティングに性能並びに耐久性を提供する。更に、ポリマー中の親水性連鎖移動剤残部は、水性コーティング中の組成物の分散を助ける。これらは、水接触角及び油接触角の増加、汚れ付着耐性の向上、及び、コーティングフィルムへの洗浄性の改善といった、予想外の所望の表面効果を付与する。
本発明は、式(I)の水性エマルションを含む組成物を含み、
Figure 2017506698
式中、
式(I)の組成物はランダムコポリマーであり、
fは、2〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり、任意選択的に1つ又は2つ以上の−CH2−、−CFH−、又はこれらの組合せによって分断されており、
Aは、O、S、又はN(R')であり、R'はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
Qは、直鎖、分枝鎖、又は環状構造のアルキレン、アリーレン、アラルキレン、スルホニル、スルホキシ、スルホンアミド、カルボンアミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、及びこのような連結基の組合せであり、
1は、H又はCH3であり、
2は、H又は1〜約4個の炭素原子のアルキルから独立して選択され、
rは、独立して2〜4であり、
Zは、O又は−NR'−であり、R'はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
3及びR4は、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシエチル、ベンジルであり、又は、R3及びR4は、窒素原子と共にモルホリン、ピロリジン、若しくはピペラジン環を形成し、
Mは、H、HN(R63、Na、Li、Cs、K、Ca、Mg、又はこれらの混合物であり、
6は、H又は1〜12個の炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキルであり、
eは、0〜40であり、
5は、H又は1〜4個の炭素原子のアルキルであり、
7は、2〜4個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖アルキレンであり、
aは、10〜60モル%であり、
bは、0〜90モル%であり、
cは、1〜90モル%であり、及び、
dは、0〜90モル%であり、
a+b+c+dの合計は100%に等しく、並びに、
かかる式(I)の組成物は、式(II)(Y−X−S)g2-gの親水性連鎖移動剤の残部を更に含み、
gは、1又は2であり、
Xは、直鎖又は分枝鎖の1〜約4個の炭素原子のアルキレンであり、任意選択的に、ヒドロキシル、カルボキシル、又はアミンから選択される1つ又は2つ以上の親水性官能基で置換されており、及び、
Yは、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、又はアミンから選択される親水性官能基である。
本発明は、顔料系コーティングを式(I)のポリマー組成物と接触させることを含む、塗料組成物に洗浄性及び汚れ付着耐性を付与する方法を更に含み、
Figure 2017506698
式中、
式(I)の組成物はランダムコポリマーであり、
fは、2〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり、任意選択的に1つ又は2つ以上の−CH2−、−CFH−、又はこれらの組合せによって分断されており、
Aは、O、S、又はN(R')であり、R'はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
Qは、直鎖、分枝鎖、又は環状構造のアルキレン、アリーレン、アラルキレン、スルホニル、スルホキシ、スルホンアミド、カルボンアミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、及びこのような連結基の組合せであり、
1は、H又はCH3であり、
2は、H又は1〜約4個の炭素原子のアルキルから独立して選択され、
rは、独立して2〜4であり、
Zは、O又は−NR'−であり、R'はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
3及びR4は、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシエチル、ベンジルであり、又は、R3及びR4は、窒素原子と共にモルホリン、ピロリジン、若しくはピペラジン環を形成し、
Mは、H、HN(R63、Na、Li、Cs、K、Ca、Mg、又はこれらの混合物であり、
6は、H又は1〜12個の炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキルであり、
eは、0〜40であり、
5は、H又は1〜4個の炭素原子のアルキルであり、
7は、2〜4個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖アルキレンであり、
aは、10〜60モル%であり、
bは、0〜90モル%であり、
cは、1〜90モル%であり、及び、
dは、0〜90モル%であり、
a+b+c+dの合計は100%に等しく、並びに、
かかる式(I)の組成物は、式(II)(Y−X−S)g2-gの親水性連鎖移動剤の残部を更に含み、
gは、1又は2であり、
Xは、直鎖又は分枝鎖の1〜約4個の炭素原子のアルキレンであり、任意選択的に、ヒドロキシル、カルボキシル、又はアミンから選択される1つ又は2つ以上の親水性官能基で置換されており、及び、
Yは、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、又はアミンから選択される親水性官能基である。
本明細書では、商標を大文字で示す。
用語(メタ)アクリル又は(メタ)アクリレートは、それぞれ、メタクリル及び/又はアクリル、並びにメタクリレート及び/又はアクリレートを示し、用語(メタ)アクリルアミドは、メタクリルアミド及び/又はアクリルアミドを示す。
本発明は、式(I)の水性エマルションを含む組成物を含み、
Figure 2017506698
式中、
式(I)の組成物はランダムコポリマーであり、
fは、2〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり、任意選択的に1つ又は2つ以上の−CH2−、−CFH−、又はこれらの組合せによって分断されており、
Aは、O、S、又はN(R')であり、R'はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
Qは、直鎖、分枝鎖、又は環状構造のアルキレン、アリーレン、アラルキレン、スルホニル、スルホキシ、スルホンアミド、カルボンアミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、及びこのような連結基の組合せであり、
1は、H又はCH3であり、
2は、H又は1〜約4個の炭素原子のアルキルから独立して選択され、
rは、独立して2〜4であり、
Zは、O又は−NR'−であり、R'はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
3及びR4は、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシエチル、ベンジルであり、又は、R3及びR4は、窒素原子と共にモルホリン、ピロリジン、若しくはピペラジン環を形成し、
Mは、H、HN(R63、Na、Li、Cs、K、Ca、Mg、又はこれらの混合物であり、
6は、H又は1〜12個の炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキルであり、
eは、0〜40であり、
5は、H又は1〜4個の炭素原子のアルキルであり、
7は、2〜4個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖アルキレンであり、
aは、10〜60モル%であり、
bは、0〜90モル%であり、
cは、1〜90モル%であり、及び、
dは、0〜90モル%であり、
a+b+c+dの合計は100%に等しく、並びに、
かかる式(I)の組成物は、式(II)(Y−X−S)g2-gの親水性連鎖移動剤の残部を更に含み、
gは、1又は2であり、
Xは、直鎖又は分枝鎖の1〜約4個の炭素原子のアルキレンであり、任意選択的に、ヒドロキシル、カルボキシル、又はアミンから選択される1つ又は2つ以上の親水性官能基で置換されており、及び、
Yは、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、又はアミンから選択される親水性官能基である。
式(I)の(メタ)アクリレートコポリマーは、4つの群それぞれのモノマー由来の2つ又はそれ以上の繰り返し単位を含む。式(I)の単位Aを形成するモノマーは、ペルフルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレートなどのフッ素化モノマーであり、式(I)の単位Bを形成するモノマーは、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドなどのアミン含有モノマーであり、式(I)の単位Cを形成するモノマーは、(メタ)アクリル酸などの酸性モノマーであり、式(I)の単位Dを形成するモノマーは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート又はアルコキシル化(メタ)アクリレートなどの親水性モノマーである。式(I)の繰り返し単位は、上記割合内で、任意のランダム配列で出現してよい。
単位Cは、ポリマー組成物中に、少なくとも0.1モル%、好ましくは1〜約60モル%の範囲内、最も好ましくは約20モル%〜約60モル%の範囲内で存在する。一実施形態では、単位Bはポリマー組成物中に存在する。この実施形態では、bは、少なくとも0.1モル%、好ましくは1〜約60モル%の範囲内、最も好ましくは約20モル%〜約60モル%の範囲内である。別の実施形態では、単位Dはポリマー組成物中に存在する。この実施形態では、dは、少なくとも0.1モル%、好ましくは0.1〜約60モル%の範囲内、最も好ましくは0.1〜約15モル%の範囲内である。式(I)のポリマー組成物は、4つの単位A、B、C、及びDの全てが存在するように選択することもできる。この実施形態では、aは、好ましくは約25〜約55モル%、最も好ましくは約30〜約50モル%であり、bは、好ましくは10〜約50モル%、最も好ましくは約20〜約40モル%であり、cは、好ましくは10〜約60モル%、最も好ましくは約20〜約40モル%であり、dは、好ましくは0.1〜約30モル%、最も好ましくは0.1〜約15モル%である。
式(I)の水性エマルションを形成するランダムコポリマーの分子量は、洗浄性及び耐久性を提供するのに十分に高く、ただし、ポリマー分子がコーティング媒体を通って移行できるように十分に低くなければならない。好ましくは、数平均分子量Mnは、約1500〜約30,000ダルトン、より好ましくは約5000〜約20,000ダルトン、最も好ましくは約8000〜約15,000ダルトンである。重量平均分子量Mwは、好ましくは約5000〜約50,000ダルトン、より好ましくは約8000〜約30,000ダルトン、最も好ましくは約10,000〜約20,000ダルトンである。多分散指数(PDI)は、好ましくは約1.0〜約6.0、好ましくは約1.1〜約2.0、最も好ましくは約1.2〜約1.6である。
式(I)の単位Aを形成するのに有用なフッ素化(メタ)アクリレートモノマーは、対応するアルコールから合成される。これらのフッ素化(メタ)アクリレート化合物は、対応するアルコールの(メタ)アクリル酸によるエステル化、又は、メチル(メタ)アクリレートによるエステル交換のいずれかによって調製される。このような調製は、当該技術分野において周知である。
好ましくは、式(I)の単位A中のRfは、2〜6個の炭素原子を主に含むペルフルオロアルキル基であり、任意選択的に、1つ又は2つ以上の−CH2−又は−CFH−基で分断されている。より具体的には、式(I)中のRfは、4〜約6個の炭素原子の直鎖ペルフルオロアルキル基である。式(I)の単位Aを形成するモノマーの1つの好ましい実施形態は、以下の式を有するペルフルオロアルキルエチル(メタ)アクリレートであり、
F(CF2CF2m24OC(O)−C(R)=CH2
式中、mは、1〜約3又はこれらの混合であり、好ましくは主に2〜約3又はこれらの混合であり、Rは、H又はメチルである。
単位A中の好適な連結基Qの例として、直鎖、分枝鎖、又は環状構造のアルキレン、アリーレン、アラルキレン、スルホニル、スルホキシ、スルホンアミド、カルボンアミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、及びこのような連結基の組合せ、例えばスルホンアミドアルキレンが挙げられる。好ましくは、Qは、1〜約15個の炭素原子の直鎖アルキレン、又は、−CONR'(Cn2n)−であり、(Cn2n)基は直鎖又は分枝鎖であり、好ましくは直鎖である。部分A及びQ内において、R'中のアルキルは直鎖又は分枝鎖である。フッ素化モノマーの混合物も使用できる。
好ましくは、単位B中のZは−O−であり、単位B中のrは2又は3である。R3及びR4は、好ましくは1、2、又は3個の炭素原子のアルキルである。式(I)の単位Bを形成するための好ましいモノマーの例は、ジエチルアミノエチルアクリレート、及び/又はジメチルアミノエチルメタクリレートである。
好ましくは、式(I)の単位Cの形成に用いられるモノマーは、アクリル酸又はメタクリル酸であり、Mは、NH4若しくはNa、又はこれらの混合物である。単位Cの繰り返し単位は、コポリマーを、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アンモニア、アルキルアミン、又はアルカノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない、塩基で中和することによって形成してよい。
単位Dの形成に使用するのに好ましいモノマーとして、1つ又は2つ以上のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキルオキシ(メタ)アクリレート、又はポリ(アルキレングリコール)(メタ)アクリレートが挙げられる。好適なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(hydroxyalkyl(meth)acrylWhere ates)は、2〜4個の炭素原子のアルキル鎖長を有し、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、及び3−ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。好ましくは、R5は、H又は1〜2個の炭素原子のアルキル基であり、rは2である。単位Dが、1つ又は2つ以上のアルコキシル化(メタ)アクリレート又はポリ(アルキレングリコール)(メタ)アクリレートから形成される場合、好適なモノマーは、1分子当たり1〜40個のオキシアルキレン単位、好ましくは1分子当たり5〜21個のオキシアルキレン単位、最も好ましくは1分子当たり6〜12個のオキシアルキレン単位を含有してよく、好ましくは、エチルトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、プロポキシ化(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール)(メタ)アクリレート、又はポリ(プロピレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
本発明は、式(II)(Y−X−S)g2-g(II)の親水性連鎖移動剤を、10〜60モル%のフッ素化モノマーと、0〜90モル%のアミン含有モノマーと、1〜90モル%の酸性モノマーと、0〜90モル%の親水性モノマーと、を含み、モノマーの合計が100%に等しい、エチレン性不飽和モノマーと接触させることを含む、式(I)のポリマー組成物を形成する方法が更に記載される。
本発明のフルオロポリマーは、フッ素化及び非フッ素化(メタ)アクリレートモノマーの重合によって調製される。重合プロセスは、有機溶媒中の上で定義したフッ素化及び非フッ素化(メタ)アクリレートモノマーを、不活性雰囲気中で、フリーラジカル反応開始剤、親水性連鎖移動剤、及び任意選択的に他のモノマーの存在下で接触させることを含む。例えば、モノマーを、撹拌装置を取り付けた好適な反応槽中で混合してよい。加熱源及び冷却源を必要に応じて備える。典型的なプロセスでは、反応槽中で、フッ素化及び非フッ素化モノマーを溶媒及び連鎖移動剤と混合し、反応混合物を得て、この反応混合物を適当な温度、例えば80℃に加熱する。あるいは、モノマーを1種類ずつ、又は混合物で、反応槽中に存在する溶液に、選択された供給速度で供給してよい。この実施形態では、反応槽中に存在する溶液は、溶媒、溶媒及び連鎖移動剤、又は、溶媒、連鎖移動剤、及び1つ若しくは2つ以上のモノマーを含有してよい。別の実施形態では、連鎖移動剤を単独で、又は1つ若しくは2つ以上のモノマーとの混合物で、反応槽中に存在する溶液に、選択された供給速度で供給してよい。この実施形態では、反応槽中に存在する溶液は、溶媒、溶媒及び1つ若しくは2つ以上のモノマー、又は、溶媒、1つ若しくは2つ以上のモノマー、及び反応開始剤を含有してよい。それぞれの実施形態では、反応開始剤は存在する溶液中に含まれていてよく、又は、反応槽に後ほど供給してもよい。
有機過酸又はアゾ化合物が使用される場合、例えば、有機溶媒の選択、及びフリーラジカル反応開始剤の選択に依存して、20〜90℃の範囲の温度が好適であり得る。酸化還元(レドックス)反応開始剤が使用される場合、0〜50℃の温度が好適である。フリーラジカル反応開始剤は、典型的には、反応混合物が適当な反応又は活性化温度に達した後に加えられる。
好適なフリーラジカル反応開始剤として、有機過酸及びアゾ化合物が挙げられる。特に有用な有機過酸の例は、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド、及びラウリルペルオキシドである。特に有用なアゾ化合物の例として、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパンジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス(イソブチルアミジン)ジヒドロクロリド、及びアゾジイソブチロニトリル(azodiisobutylronitrile)が挙げられる。アゾ反応開始剤は、E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE)から「VAZO」の名称で市販されている。
好適なレドックス反応開始剤として、ペルオキシ二硫酸カリウム又はアンモニウム;過酸化水素とFe2+、Cr2+、V2+、Ti3+、Co2+、Cu+などの過酸化物の組合せ;HSO3 -、SO3 2-、S23 2-、又はS25 2-とAg+、Cu2+、Fe3+、ClO3-、又はH22の組合せ;有機アルコールとCe4+、V5+、Cr6+、又はMn3+の組合せ;及び、ペルオキシ二リン酸化合物とAg+、V5+、又はCo2+の組合せが挙げられる。このような系は、低温又は迅速な活性化が所望される場合に使用され得る。
フリーラジカル反応開始剤は、通常は、反応モノマーが溶媒中に溶解された後、及び/又は反応混合物が所望の温度になった後に、ある時間にわたって添加される。ラジカル反応開始剤は有効量で添加される。ラジカル反応開始剤の「有効量」とは、モノマー間の反応を開始し、好ましくはポリマー生成物の収率を最大限にするのに十分な時間にわたって反応を維持するのに、十分な量を意味する。反応開始剤の有効量は、使用される実際の組成物及び反応条件によって異なるだろう。ある条件における反応開始剤の有効量は、当業者によって実験的に容易に求められる。
本発明の組成物は、重合調節剤としても知られる親水性連鎖移動剤の残部を更に含む。用語「残部」は、本明細書では、ポリマー分子に共有結合する連鎖移動剤構造の一部と定義される。ポリマー反応混合物全体に、連鎖移動剤残部を含まないポリマー分子を一部含んでもよい。
連鎖移動剤は、フルオロポリマーの分子量を制限又は制御する量で、典型的には、使用される連鎖移動剤及びモノマーの総量に基づき、約1〜25モル%、好ましくは約2〜20モル%、より好ましくは約3〜15モル%、最も好ましくは5〜10モル%の量で、使用されてよい。好適な親水性連鎖移動剤は、以下の式を有し、
(II)(Y−X−S)g2-g
式中、gは、1又は2であり、Xは、直鎖又は分枝鎖の1〜約4個の炭素原子のアルキレンであり、任意選択的に、ヒドロキシル、カルボキシル、又はアミンから選択される1つ又は2つ以上の親水性官能基で置換されており、Yは、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、又はアミンから選択される親水性官能基である。g=2のとき、連鎖移動剤は、式Y−X−S−S−X−Yのジスルフィド化合物である。好ましい連鎖移動剤として、チオグリセロール、メルカプトエタノール、チオグリコール酸、ジチオエリスリトール、2−メルカプトプロピオン酸、及び3−メルカプトプロピオン酸、又はこれらの混合物が挙げられる。
好適な溶媒は、130℃未満の沸点を有するアルカン、アルコール、及びケトンである。フルオロポリマーの調製に有用である好適な有機溶媒として、メチルイソブチルケトン、ブチルアセトン、テトラヒドロフラン、アセトン、イソプロパノール、エチルアセトン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、シクロヘキサン、ヘキサン、ジオキサン、ヘキサフルオロイソプロパノール、及びこれらの2つ又はそれ以上の混合物が挙げられる。シクロヘキサン、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、又はこれらの混合物が好ましい。イソプロパノール及びメチルイソブチルケトンは、いずれの溶媒も100℃未満で沸騰する水との共沸混合物を形成し、最終水性分散液からの除去を容易にするため、これらのブレンドが特に好ましい。有機溶媒と、水を含む、他の種類の共溶媒とのブレンドも使用できる。好ましいのは、約20%〜約80%のメチルイソブチルケトンを含む、イソプロパノール/メチルイソブチルケトンブレンドである。
本発明の方法で使用される上記コポリマーは、好ましくは水性分散液の形態である。1H NMRでモニタリングできるように、重合が完了した後、塩基性水溶液を用いて酸性ポリマー溶液を中和し、水性分散液を形成できる。必要な塩基の量は、全ての酸官能基の塩形成が完了することを想定して、算出される。任意選択的に、0〜5モル%超の塩基を加え、確実に全ての酸を塩に変換する。エマルションの最終pHは、約6〜約9、好ましくは6〜8である。中和に好適な塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アンモニア、アルキルアミン、又はアルカノールアミンである。アンモニア溶液が好ましい。中和後、蒸留によって有機溶媒を除去し、完全な水性系を形成する。
上記のように調製されたフルオロポリマー組成物は、コーティング組成物中で直接使用してよく、又は、追加溶媒(「適用溶媒」)を加え、所望の固体含量を達成してよい。適用溶媒は、典型的には、アルコール及びケトンからなる群から選択される溶媒である。
フルオロポリマー組成物は、コーティング添加剤として有用であり、この場合フルオロポリマー組成物は、基材に適用されるコーティングベースに添加されてよい。したがって、本発明は、顔料系コーティングを式(I)のポリマー組成物と接触させることを含む、塗料組成物に洗浄性を付与する方法を提供し、
式中、
式(I)の組成物はランダムコポリマーであり、
fは、2〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり、任意選択的に1つ又は2つ以上の−CH2−、−CFH−、又はこれらの組合せによって分断されており、
Aは、O、S、又はN(R')であり、R'はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
Qは、直鎖、分枝鎖、又は環状構造のアルキレン、アリーレン、アラルキレン、スルホニル、スルホキシ、スルホンアミド、カルボンアミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、及びこのような連結基の組合せであり、
1は、H又はCH3であり、
2は、H又は1〜約4個の炭素原子のアルキルから独立して選択され、
rは、独立して2〜4であり、
Zは、O又は−NR'−であり、R'はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
3及びR4は、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシエチル、ベンジルであり、又は、R3及びR4は、窒素原子と共にモルホリン、ピロリジン、若しくはピペラジン環を形成し、
Mは、H、HN(R63、Na、Li、Cs、K、Ca、Mg、又はこれらの混合物であり、
6は、H又は1〜12個の炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキルであり、
eは、0〜40であり、
5は、H又は1〜4個の炭素原子のアルキルであり、
aは、10〜60モル%であり、
bは、0〜90モル%であり、
cは、1〜90モル%であり、及び、
dは、0〜90モル%であり、
a+b+c+dの合計は100%に等しく、並びに、
かかる式(I)の組成物は、式(II)(Y−X−S)g2-gの親水性連鎖移動剤の残部を更に含み、
gは、1又は2であり、
Xは、直鎖又は分枝鎖の1〜約4個の炭素原子のアルキレンであり、任意選択的に、ヒドロキシル、カルボキシル、又はアミンから選択される1つ又は2つ以上の親水性官能基で置換されており、及び、
Yは、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、又はアミンから選択される親水性官能基である。
本発明の組成物は、コーティングベースに添加されるとき、油染み洗浄性評価ΔCが少なくとも2.0、好ましくは少なくとも3.0、かつ、汚れ付着耐性ΔLが最大で4.5、好ましくは4.0である、乾燥したコーティングをもたらす。本明細書で用いられるとき、用語「コーティングベース」は、基材表面上に耐久性のあるフィルムをもたらす目的で、基剤に適用される組成物、典型的には、水系ラテックス塗料である。典型的には、これらは、アクリル、エポキシ、ビニル、ポリウレタン及びその他のものなどの樹脂を含有する。このような塗料は、様々な大手ブランド名で市場から容易に入手できる。これらのコーティングベースとして、室内用塗料、屋外用塗料、ステイン、及び類似のコーティング類が挙げられる。したがって、本発明は、コーティングベースと、式(I)のポリマー組成物と、を含む、コーティングに関する。このようなコーティングは、顔料系又は非顔料系であってよい。
コーティングベースへの添加剤として用いられるとき、本明細書に記載させるフルオロポリマー組成物は、十分に接触させることによって、例えば、フルオロポリマー組成物をコーティングベースと混合することによって、コーティングベースに効率的に導入される。フルオロポリマー及びコーティングベースの接触は、例えば都合がよいことに、室温で実施できる。機械式振盪器を使用する、又は熱を与えるなどによる、より綿密な接触又は混合法も利用できる。このような方法は、通常は必要ではなく、通常は最終コーティング組成物を実質的に向上させない。
コーティングベースへの添加剤として用いられるとき、本発明の組成物は通常、湿式塗料の重量に対するフルオロポリマーの乾燥重量ベースで、約0.001重量%〜約1重量%で添加される。フルオロポリマーの、好ましくは約0.01重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約0.25重量%が塗料に添加される。
本発明のコーティング組成物は、広範な基材に対して、保護及び/又は化粧コーティングをもたらすために有用である。このような基材として、主に建築資材及び硬質表面が挙げられる。基材は、好ましくは、木、金属、壁板、石、コンクリート、繊維板、及び紙からなる群から選択される。他の材料も基剤として使用してよい。
本発明のコーティングを用いて、コーティングベースと、式(I)のポリマー組成物と、を含む、コーティング組成物と基材を接触させ、基材上のコーティング組成物を乾燥又は硬化することによって、基材を処理してよい。コーティング組成物を基材と接触させる任意の方法が使用できる。刷毛、噴霧、ローラー、ドクターブレード、ワイプ、浸漬、発泡体、液体注入、液浸、又はキャスティングなどのこのような方法は、当業者に周知である。
本発明の組成物は、水系ラテックスコーティングに性能並びに耐久性を提供する。これらは、水接触角及び油接触角の増加、汚れ付着耐性の向上、及び、コーティングフィルムへの洗浄性の改善といった、予想外の所望の表面効果を付与する。これらの理由により、本発明の組成物は、屋外用コーティング及び塗料の添加剤として使用するのが特に好適である。
材料及び方法
全ての溶媒及び試薬は、特に指示がない限り、Sigma−Aldrichから購入し、供給された状態で直接使用した。1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート及び1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルアクリレートは、DuPont Chemicals & Fluoroproductsから入手した。分子量分析は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)システム[Alliance 2695(商標)、Waters Corporation(Milford,MA)](示差屈折率検出器、多角度光散乱光度計、及び示差毛管粘度計ViscoStar(商標)を装備)を用いて実施した。
試験方法
塗料中のポリマー添加剤の添加及び試験パネルへの適用
本発明のフルオロアクリルコポリマーの水性分散液を、選択した市販の室内用及び屋外用ラテックス塗料(添加前はフルオロ添加剤を含まない)に、350ppmのフッ素濃度で加えた。サンプルを、オーバーヘッドコウレスブレードスターラーを用いて、600rpmで10分間混合した。続いて、混合液をガラス瓶に移し、封をして、ロールミル上に一晩置き、フルオロポリマーを均一に混合させた。次に、サンプルを、5mLのバードアプリケータを用いて、BYK−Gardnerのドローダウン装置によって、黒色のLeneta Mylar(登録商標)カード(14cm×26cm(5.5"×10"))又はアルミニウムQパネル(10cm×30cm(4"×12"))上に均一にドローダウンした。続いて、塗膜を室温で7日間乾燥させた。
試験方法1.接触角測定による撥油性の評価
油接触角測定を用いて、フルオロ添加剤の塗膜の表面への移行について試験した。乾燥塗膜でコーティングされた1インチのLenetaパネルのストリップにおいて、油接触角試験をゴニオメーターで行った。自動分注システム、250μLのシリンジ、及び照明付き試料ステージアセンブリを備えた、DROPimageの標準的ソフトウェアを利用する、Rame−Hart Standard Automated Goniometer Model 200を使用した。ゴニオメーターのカメラをインターフェイスを介してコンピュータにつなぎ、コンピュータスクリーン上で液滴を表示させた。横軸線及び交差線の両方を、ソフトウェアを使用して、コンピュータスクリーン上で独立して調整できた。
接触角測定に先立ち、サンプルをサンプルステージに置き、縦型スケールを、サンプルの水平面に一致する接眼部の横線(軸)に揃うように調節した。サンプル界面において、試験液滴の界面領域の一方が見えるように、接眼部に対してステージの水平位置を配置した。
サンプル上の試験液の接触角を測定するため、30μLのピペットチップ、及び較正した量の試験液を移動させるための自動分注システムを用いて、おおよそ1滴の試験液をサンプル上に分注した。油接触角測定には、ヘキサデカンを適宜使用した。ステージを調節してサンプルの水平合わせを行った後、Model 200の場合はソフトウェアによって横線及び交差線を調整し、液滴の外観モデルに基づいて、コンピュータが接触角を算出した。初期接触角は、試験液をサンプル表面に分注した直後に測定した角度である。30度を超える初期接触角は、有効な撥油性を示す。
試験方法2.屋外用塗料に対する汚れ付着耐性(DPR)試験
DPR試験を用いて、塗布パネルの汚れ蓄積を防止する能力を評価した。シリカゲル(38.7%)、酸化アルミニウム粉末(38.7%)、黒酸化鉄粉末(19.35%)及びランプブラック粉末(3.22%)からなる人工乾燥汚れをこの試験に使用した。埃成分を混合し、完全に混合するためにローラー上に48時間置き、デシケータ(decicator)内で保管した。
屋外用塗料サンプルを、3.8cm×5cm(1.5"×2")の寸法に切断したアルミニウムQパネルにドローダウンし、これらのサンプルを4枚複製して、10cm×15cm(4"×6")の金属パネルにテープで留めた。各Qパネルの初期白色度(L* initial)を、Hunter Lab測色計を用いて測定した。次に、10cm×15cm(4"×6")の金属パネルを、木製ブロックに切り込みを入れた45度の角度のスロットに挿入した。金属製の網を備える埃アプリケータにより、パネルが完全に埃で覆われる前、パネルに埃をまいた。続いて、浅型トレイ内で、木製ブロックに取り付けたパネルを軽く5回たたいて、過剰の埃を除去した。次に、埃を付けたパネルを有する10cm×15cm(4"×6")のパネルを、次に、Vortex−Genie 2に60秒間固定し、残り全ての埃を除去した。続いて、パネルを取り外し、10回たたいて残る全ての埃を取り除いた。各3.8cm×5cm(1.5"×2")のサンプルの白色度(L* dusted)を、同じ測色計を用いて再測定し、埃付け前後の白色度の差を記録した。この値を平均した。DPRは、ΔL*=(L* initial−L* dusted)のときのΔL*について評価した。ΔL*値が低いほど、汚れ付着耐性が良好であることを示す。
試験方法3.室内用塗料に対するLeneta油染み洗浄性
ASTMD3450の変法を用いて、塗布パネルの油染み洗浄性を測定した。適用方法に記載されるように、室内用艶なし塗料に加えられた試験材料を、黒色のLenetaカードに適用した。乾燥したサンプルを、試験用に10cm×8cm(4"×3")の寸法に切断した。フィルムの半分に、薄く均一に塗布したLeneta染み付け媒体(Vaseline(登録商標)中Lenetaカーボンブラックの5重量%分散体)の層を置き、1時間放置した。過剰の染みを静かにかき落とし、目に見える染みが拭き取られなくなるまで、清潔なペーパータオルで拭き取った。次に、パネルを、洗浄ブロックを8層の寒冷紗で覆ったGardcoの摩耗試験機に移した。寒冷紗を10mLの1%中性洗剤水溶液で湿らせ、洗浄ブロックを染み付けしたパネルの上面で動かして、耐水洗性を実施した。5サイクル後、パネルを脱イオン水ですすぎ、12時間乾燥させた。未洗浄の染み付き塗料及び洗浄後の染み付き塗料の白色度を、Hunter lab測色計を用いて測定し、L値を得た。洗浄性を、洗浄性=(Lwashed paint−Lunwashed stained paint)×10/(Lunstained paint−Lunwashed stained paint)の等式によって計算した。同様に、フッ素化添加剤を含まない対照サンプルの洗浄性評価を同時に評価した。サンプルと対照の洗浄性評価間の差を求め、洗浄性スコアΔCで表した。ΔCが大きいほど良好な性能であり、対照と比べて、比較的少ない量の染みが処理済みサンプル上に残っていることを示唆している。ΔCがマイナスの値は、サンプルが対照より悪化していることを示す。
(実施例1)
還流冷却器、セプタム、及び熱電対を備えた三つ口丸底フラスコに、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(6.80g、15.73ミリモル)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(2.19g、11.82ミリモル)、メタクリル酸(1.02g、11.85ミリモル)、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、メチルエーテル(平均Mn 950、0.20g、0.21ミリモル)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、(3.75g、37.44ミリモル)、イソプロパノール(IPA)(11.25g)、及び1−チオグリセロール、(0.40g、3.70ミリモル)を投入した。フラスコに、N2ガスを1時間室温で注入したままにした。油浴を用いて、フラスコの内部温度が80℃に達するまで加熱し、MIBK(1g)中のVAZO−67(0.20g、1.04ミリモル)溶液をシリンジで一度に加えた。内部温度を再び80℃に上昇させ、その後、反応液を更に16時間撹拌したままにした。反応混合液を室温まで冷却させ、1H NMR分析により>97%のモノマーの変換を確認した。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=11.2kDa、Mw=13.8kDa、PDI=1.24と分析された。
MIBK/IPA中ポリマー溶液の一部3.0gに、水(4.8g)に続いて、混合液のpHが7〜8に達するまで28重量%アンモニア水溶液を加えた。混合液を60℃で4時間加熱し、真空下で有機溶媒を蒸留し、水中透明ポリマーの14重量%分散液を得た。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
比較実施例1A
この比較実施例は、連鎖移動剤を使用しない、実施例1に記載のポリマー組成物の合成について記載する。
実施例1に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート、(6.80g、15.73ミリモル)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(2.19g、11.82ミリモル)、メタクリル酸、(1.02g、11.85ミリモル)、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、メチルエーテル(平均Mn 950、0.20g、0.21ミリモル)、MIBK(3.75g)中、IPA(11.25g)、及びVAZO−67(0.20g、1.04ミリモル)の重合により黄色の溶液を得た。NMRによるモノマー変換率は>98%であった。分子量分析により、Mn=30,390Da、Mw=56,870Da、及びPDI 1.87と推測された。
ポリマー溶液の一部3.0gを、混合液のpHが7〜8に達するまで28重量%アンモニア水溶液と共に加熱することによって、水(4.8g)に分散させた。真空下で有機溶媒を除去すると、水中に分散された透明ポリマーの11重量%分散液が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例2)
実施例1に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート、(6.80g、15.73ミリモル)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(2.19g、11.82ミリモル)、メタクリル酸、(1.02g、11.85ミリモル)、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート(平均Mn 550、0.20g、0.36ミリモル)のMIBK(3.75g)、IPA(11.25g)及び1−チオグリセロール(0.40g、3.70ミリモル)溶液中、VAZO−67(0.20g、1.04ミリモル)反応開始剤を用いる重合により、黄色のポリマー溶液を得た。1H NMRによるモノマー変換率は>96%であった。分子量分析により、Mn=12.9kDa、Mw=17.4kDa、及びPDI 1.35と推測された。
ポリマー溶液の一部3.0gを、混合液のpHが7〜8に達するまで28重量%アンモニア水溶液と共に加熱することによって、水(4.8g)に分散させた。真空下で有機溶媒を除去すると、水中に分散された透明ポリマーの11重量%分散液が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例3)
実施例1に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート、(6.80g、15.73ミリモル)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(2.19g、11.82ミリモル)、メタクリル酸(1.02g、11.85ミリモル)、(ヒドロキシエチル)メタクリレート(0.20g、1.54ミリモル)の、MIBK(3.75g)、IPA(11.25g)、1−チオグリセロール(0.40g、3.70ミリモル)、及びVAZO−67(0.20g、1.04ミリモル)溶液によって、黄色の溶液を得た。1H NMRによるモノマー変換率は>94%であった。分子量分析により、Mn=12.6kDa、Mw=17.4kDa、及びPDI 1.39と推測された。
ポリマー溶液の一部3.0gを、混合液のpHが7〜8に達するまで28重量%アンモニア水溶液と共に加熱することによって、水(4.8g)に分散させた。真空下で有機溶媒を除去すると、水中に分散された透明ポリマーの14重量%分散液が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例4)
還流冷却器、セプタム、及び熱電対を備えた三つ口丸底フラスコに、21.8mLのMIBK/IPA(1:3w/w)溶液中1−チオグリセロール(0.839g、7.76ミリモル)溶液を投入した。この溶液を80℃に加熱し、その後、40mLのMIBK/IPA中、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.53g、33.64ミリモル)、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(平均Mn 300、6.31g、21.02ミリモル)、メタクリル酸(2.53g、29.44ミリモル)、塩化ナトリウム(0.018g、0.31ミリモル)のモノマー混合物、及び9mLのMIBK/IPA中VAZO−67(0.428g、2.23ミリモル)を同時に、シリンジポンプによって6時間かけて追加した。反応混合液を、窒素下で18時間、80℃において撹拌させた。得られた溶液を水酸化ナトリウム溶液(メタクリル酸の1当量)で中和し、その後、有機溶媒を真空下で除去して、33.9重量%の水性ポリマー溶液を得た。分子量分析により、Mn=9.1kDa、Mw=13.0kDa、及びPDI 1.43と推測された。
計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのフッ素)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例5)
実施例4に記載される手順を用い、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.53g、33.64ミリモル)、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(平均Mn 470、9.88g、21.02ミリモル)、メタクリル酸、(2.53g、29.44ミリモル)、塩化ナトリウム(0.018g、0.31ミリモル)、1−チオグリセロール(0.839g、7.76ミリモル)及び、MIBK/IPA中VAZO−67(0.428g、2.23ミリモル)を用いる重合により、淡黄色のポリマー溶液を得た。水酸化ナトリウム水溶液(メタクリル酸の1当量)を用いる中和、続く溶媒の蒸発により、33.5重量%の水性ポリマー溶液が得られた。分子量分析により、Mn=11.1kDa、Mw=18.1kDa、及びPDI 1.63と推測された。
計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのフッ素)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例6)
実施例4に記載される手順を用い、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.53g、33.64ミリモル)、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート(平均Mn 526、11.06g、21.02ミリモル)、メタクリル酸(2.53g、29.44ミリモル)、塩化ナトリウム(0.018g、0.31ミリモル)、1−チオグリセロール(0.839g、7.76ミリモル)、及びMIBK/IPA中VAZO−67(0.428g、2.23ミリモル)を用いる重合により、淡黄色のポリマー溶液を得た。水酸化ナトリウム水溶液(メタクリル酸の1当量)を用いる中和、続く溶媒の蒸発により、37.1重量%の水性ポリマー溶液が得られた。分子量分析により、Mn=8.4kDa、Mw=45.6kDa、及びPDI 5.44と推測された。
計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのフッ素)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例7)
1−チオグリセロール(1.62g、15ミリモル)及びMIBK/IPA混合物(7mL、1:2.2w/w)を、250mLの三つ口丸底フラスコに、窒素下で撹拌しながら投入した。この溶液を80℃に加熱し、続いて、MIBK/IPA混合液(3mL、1:2.2w/w)中モノマー混合物(2−(ペルフルオロヘキシル)エチル)メタクリレート(式1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート、17.3g、40ミリモル)及びメタクリル酸(4.3g、50ミリモル)、並びに、MIBK/IPA混合液(19mL、1:2.2w/w)中VAZO−67(0.43g、2.24ミリモル)を、6時間かけて別々に投入した。反応混合液を、窒素下で18時間、80℃において撹拌させた。反応混合物を水酸化ナトリウム溶液(メタクリル酸の1当量)で中和した。有機溶媒を除去すると、ポリマーの12.8重量%水溶液が得られた。分子量分析により、Mn=3.1kDa、Mw=6.2kDa、及びPDI 2.0と推測された。
計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのフッ素)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例8)
3−メルカプトプロピオン酸(1.8g、17ミリモル)及び水/IPA混合液(7mL、1:4w/w)を、250mLの三つ口丸底フラスコに、窒素下で撹拌しながら投入した。この溶液を80℃に加熱し、続いて、水/IPA(3mL、1:4w/w)中モノマー混合物(1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート、17.3g、40ミリモル)及びメタクリル酸(4.3g、50ミリモル))、並びに、水/IPA(19mL、1:4w/w)中VAZO 68(0.63g、2.24ミリモル)を、6時間かけて別々に投入した。反応混合液を、窒素下で18時間、80℃において撹拌させた。反応混合物を水酸化ナトリウム溶液(メタクリル酸の1当量)で中和した。有機溶媒を除去すると、ポリマーの13.7重量%水溶液が得られた。分子量分析により、Mn=9.5kDa、Mw=13.5kDa、及びPDI 1.43と推測された。
計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのフッ素)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例9)
還流冷却器、セプタム、及び熱電対を備えた250mLの三つ口丸底フラスコに、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート(3.57g、19.3ミリモル)、メタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)、その後MIBK(10.0g、100ミリモル)、IPA(27.5g、458ミリモル)、及び2−メルカプトエタノール(0.840g、10.75ミリモル)を投入した。反応溶液に、ニードルを用いて、1時間室温にて表面下にN2を注入した。油浴を用いて、フラスコの内部温度が80℃に達するまで加熱し、メチルイソブチルケトン(2mL)中のVAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)溶液をシリンジで一度に加えた。内部温度を再び80℃に上昇させ、その後、反応液を更に16〜22時間撹拌したままにした。反応混合液を室温まで冷却させ、1H NMR分析により>95%のモノマーの変換を確認した。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=2.8kDa、Mw=5.8kDa、PDI=2.05と分析された。
反応混合液を80℃に再加熱した。H2O(58.3g)中NaOH(1.21g、31.0ミリモル)の中和溶液を45℃に加熱して、添加漏斗によって20分間かけて滴加し、透明溶液に達した。混合液を80℃で更に1時間加熱し、有機溶媒を回転蒸発によって除去すると、水中、濁黄色の分散液(14.9固体%、pH11)を得た。計算したこのポリマー分散液の量(1.17g、350ppmのF)を、屋外用及び室内用塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
比較実施例9A
実施例9に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート(3.57g、19.3ミリモル)、及びメタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤及び1−ドデンチオール(0.840g、4.15ミリモル)連鎖移動剤を用いるバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=7.0kDa、Mw=12.9kDa、PDI=1.86と分析された。
ポリマーを、H2O(58.3g)中NaOH(1.21g、31.0ミリモル)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、濁黄色の分散液(24.4固体%、pH11)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(0350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例10)
還流冷却器、セプタム、及び熱電対を備えた250mLの三つ口丸底フラスコに、MIBK(9.0g、90.9ミリモル)及びIPA(20.0g、333.3ミリモル)を投入した。反応溶液に、ニードルを用いて、1時間室温にて表面下にN2を注入した。1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート(3.57g、19.3ミリモル)及びメタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)を、100mLの一つ口丸底フラスコに別々に投入し、セプタムで蓋をした。モノマーを含むフラスコに、予め脱気した溶媒を加え、総量を20mLにした。モノマー溶液に、ニードルを用いて、1時間室温にて表面下にN2を注入した。VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)を予め脱気した溶媒に溶解し、総量を20mLにした。1−チオグリセロール(0.840g、7.76ミリモル)を、脱気溶媒の残量を含む反応フラスコに加えた。油浴を用いて、フラスコの内部温度が80℃に達するまで加熱した。モノマー及び反応開始剤を含むシリンジをそれぞれ配置し、デュアルシリンジポンプを用いて6時間かけて内容物を送達した。シリンジ内容物の送達が完了した後、反応槽を更に14時間撹拌させた。反応混合液を室温まで冷却させ、1H NMR分析により>95%のモノマーの変換を確認した。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=13.9kDa、Mw=62.5kDa、PDI=4.6と分析された。
反応混合液を80℃に再加熱した。
2O(58.3gミリモル)中NaOH(1.88g、47.0ミリモル)の中和溶液を45℃に加熱して、添加漏斗によって20分間かけて滴加し、透明溶液に達した。混合液を80℃で更に1時間加熱し、有機溶媒を回転蒸発によって除去すると、水中、濁黄色の分散液(16.0固体%、pH11)を得た。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
比較実施例10A
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート(3.57g、19.3ミリモル)及びメタクリル酸、(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=12.0kDa、Mw=24.2kDa、PDI=2.02と分析された。
ポリマーを、H2O(58.3g)中NaOH(1.88g、47.0ミリモル)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(21.7固体%、pH11)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(0350ppmのF)を、屋外用及び室内用塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
比較実施例10B
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート(3.57g、19.3ミリモル)及びメタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤、及び連鎖移動剤として1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクタンチオール(0.840g、2.21ミリモル)を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=11.2kDa、Mw=20.5kDa、PDI=1.83と分析された。
ポリマーを、H2O(58.3g)中NaOH(1.88g、47.0ミリモル)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(22.7固体%、pH11)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(0350ppmのF)を、屋外用及び室内用塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例11)
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート(3.57g、19.3ミリモル)、及びメタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤、及び、1−チオグリセロール/メルカプトエタノール(0.420g、3.88ミリモル)/(0.420g、5.37ミリモル)混合物である連鎖移動剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=10.6kDa、Mw=18.0kDa、PDI=1.70と分析された。
ポリマーを、H2O(58.3g、3239ミリモル)中NaOH(1.88g、47.0ミリモル)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、濁黄色の分散液(24固体%、pH11)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例12)
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2.51g、19.3ミリモル)及びメタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=5.3kDa、Mw=9.9kDa、PDI=1.85と分析された。
ポリマーを、NH4OH(2.87g、47.0ミリモル)(H2O(58.3g)中)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(21.7固体%、pH7〜8)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
比較実施例12A
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2.51g、19.3ミリモル)及びメタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤及び1−チオグリセロール(0.840g7.76ミリモル)連鎖移動剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=20.9kDa、Mw=29.5kDa、PDI=1.41と分析された。
ポリマーを、NH4OH(2.87g、47.0ミリモル)(H2O(58.3g)中)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(21.9固体%、pH7〜8)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例13)
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(2.78g、19.3ミリモル)及びメタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤及び1−チオグリセロール(0.840g7.76ミリモル)連鎖移動剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=2.4kDa、Mw=11.5kDa、PDI=4.74と分析された。
ポリマーを、NH4OH(2.87g、47.0ミリモル)(H2O(58.3g)中)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(24.1固体%、pH7〜8)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
比較実施例13A
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(2.78g、19.3ミリモル)及びメタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=18.9kDa、Mw=26.2kDa、PDI=1.38と分析された。
ポリマーを、NH4OH(2.87g、47.0ミリモル)(H2O(58.3g)中)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(24.0固体%、pH7〜8)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例14)
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、エチルトリエチレングリコールメタクリレート(ETGMA)(4.75g、19.3ミリモル)及びメタクリル酸、(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤及び1−チオグリセロール(0.840g7.76ミリモル)連鎖移動剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=14.9kDa、Mw=18.0kDa、PDI=1.21と分析された。
ポリマーを、NH4OH(2.87g、47.0ミリモル)(H2O(58.3g)中)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(24.0固体%、pH7〜8)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
比較実施例14A
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(14.58g、33.8ミリモル)、エチルトリエチレングリコールメタクリレート(ETGMA)(4.75g、19.3ミリモル)及びメタクリル酸(2.67g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=22.9kDa、Mw=28.4kDa、PDI=1.24と分析された。
ポリマーを、NH4OH(2.87g、47.0ミリモル)(H2O(58.3g)中)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(25.1固体%、pH7〜8)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例15)
実施例1に記載した類似手順に従う、MIBK(3.75g)、IPA(11.25g)、1−チオグリセロール(0.40g、3.70ミリモル)、及びVAZO−67(0.20g、1.04ミリモル)の溶液中の、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルメタクリレート(6.80g、15.73ミリモル)、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(1.85g、11.82ミリモル)、及びメタクリル酸(1.02g、11.85ミリモル)の重合により、黄色の溶液が得られた。1H NMRによるモノマー変換率は>96%であった。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=11.6/Mw=13.9、PDI=1.2と分析された。
ポリマー溶液の一部3.0gを、混合液のpHが7〜8に達するまで28重量%アンモニア水溶液と共に加熱することによって、水(4.8g)に分散させた。真空下で有機溶媒を除去すると、水中に分散された混濁ポリマーの11重量%分散液が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
(実施例16)
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルアクリレート(14.13g、33.8ミリモル)、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート(3.30g、19.3ミリモル)、及びアクリル酸(2.23g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤及び1−チオグリセロール(0.840g、7.76ミリモル)連鎖移動剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=7.7kDa、Mw=10.5kDa、PDI=1.4と分析された。
ポリマーを、NH4OH(28% NH3)(2.85g、47.0ミリモル)(H2O(58.3g)中)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(20.8固体重量%、pH7〜8)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
比較実施例16A
実施例10に記載した類似手順に従う、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクチルアクリレート(14.13g、33.8ミリモル)、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート(3.30g、19.3ミリモル)、及びアクリル酸(2.23g、31.0ミリモル)の、VAZO−67(0.395g、2.05ミリモル)反応開始剤を用いるセミバッチ重合により、モノマー変換率(1H NMR)が>95%であるポリマー溶液が得られた。ポリマーサンプルは、GPCによって、平均分子量Mn=8.6kDa、Mw=11.7kDa、PDI=1.4と分析された。
ポリマーを、H2O(58.3g)中、NH4OH(28% NH3)(2.85g、47.0ミリモル)を用いて中和した後、真空下で有機溶媒を除去すると、水中、混濁黄色の分散液(22.1固体重量%、pH7〜8)が得られた。計算したこのポリマー分散液の量(350ppmのF)を、屋外用及び室内用試験塗料のサンプルに加え、ドローダウンしたパネルを記載される試験方法に従って評価した。
撥油性
実施例1〜16に記載されるフッ素化ポリマー組成物を含む室内用艶なし塗料及び屋外用艶なし塗料のサンプル、並びに、連鎖移動剤を用いないで、又は、疎水性連鎖移動剤を用いて製造された比較ポリマー組成物を含む塗料サンプルを、試験方法1に記載されるように撥油性について評価した。フッ素化ポリマー添加剤を含む塗料サンプルは、添加剤を含まない対照塗料と比較して、良好な撥油性を示した(表1)。また、実施例1〜16に記載の添加剤は、対応する比較サンプルと比較して良好な撥油性能を示した(1A、9A、10A、10B、12A、13A、14A、及び16A)。
Figure 2017506698
* 3回の測定値の平均、値が高いほど性能が良いことを示す
汚れ付着耐性
実施例1〜16に記載されるフッ素化ポリマー組成物を含む屋外用艶なし塗料のサンプル、及び、連鎖移動剤を用いないで、又は、疎水性連鎖移動剤を用いて製造された比較ポリマー組成物を含む塗料サンプルを、試験方法2に記載されるように汚れ付着耐性(DPR)について評価した。フッ素化ポリマー添加剤を含む塗料サンプルは、添加剤が存在しない対照塗料と比較して、非常に良好な汚れ付着耐性を示した(値が低いほど性能が良いことを示す)(表2)。また、実施例1〜16に記載の添加剤は、対応する比較サンプルと比較して良好なDPR性能を示した(1A、9A、10A、10B、12A、13A、14A、及び16A)。
Figure 2017506698
*値が低いほど性能が良いことを示す
Leneta油染み洗浄性
実施例1〜14に記載されるフッ素化ポリマー組成物を含む室内用艶なし塗料のサンプル、及び、連鎖移動剤を用いないで、又は、疎水性連鎖移動剤を用いて製造された比較ポリマー組成物を含む塗料サンプルを、試験方法3に記載されるようにleneta油染み洗浄性について評価した。洗浄性評価の差によって示されるように、フッ素化ポリマー添加剤を含む塗料サンプルは、添加剤が存在しない対照塗料よりも、極めて良好であった(表3)。実施例1〜14に記載する添加剤は、対応する比較サンプル(1A、9〜14A、及び10B)と比較して、良好な洗浄性の差を示した。
Figure 2017506698
*値が高いほど、洗浄性の差が良好であることを示す

Claims (15)

  1. 式(I)の水性エマルションを含む組成物であって、
    Figure 2017506698
    式中、
    式(I)の組成物がランダムコポリマーを含み、
    fが、2〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり、任意選択的に1つ又は2つ以上の−CH2−、−CFH−、又はこれらの組合せによって分断されており、
    Aが、O、S、又はN(R’)であり、R’はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
    Qが、直鎖、分枝鎖、又は環状構造のアルキレン、アリーレン、アラルキレン、スルホニル、スルホキシ、スルホンアミド、カルボンアミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、及びそのような連結基の組合せであり、
    1が、H又はCH3であり、
    2が、H又は1〜約4個の炭素原子のアルキルから独立して選択され、
    rが、独立して2〜4であり、
    Zが、O又は−NR’−であり、R’はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
    3及びR4が、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシエチル、ベンジルであり、又は、R3及びR4が、窒素原子と共にモルホリン、ピロリジン、若しくはピペラジン環を形成し、
    Mが、H、HN(R63、Na、Li、Cs、K、又はこれらの混合物であり、
    6が、H又は1〜12個の炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキルであり、
    eが、0〜40であり、
    5が、H又は1〜4個の炭素原子のアルキルであり、
    7が、2〜4個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖アルキレンであり、
    aが、10〜60モル%であり、
    bが、0〜90モル%であり、
    cが、1〜90モル%であり、及び、
    dが、0〜90モル%であり、
    a+b+c+dの合計は100%に等しく、並びに、
    前記式(I)の組成物は、式(II)(Y−X−S)g2-gの親水性連鎖移動剤の残部を更に含み、
    gが、1又は2であり、
    Xが、直鎖又は分枝鎖の1〜約4個の炭素原子のアルキレンであり、任意選択的に、ヒドロキシル、カルボキシル、又はアミンから選択される1つ又は2つ以上の親水性官能基で置換されており、及び、
    Yが、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、又はアミンから選択される親水性官能基である、組成物。
  2. 約1500〜約30,000ダルトンの数平均分子量Mnを有する、請求項1に記載の組成物。
  3. cが、約1〜約60モル%の範囲内である、請求項1に記載の組成物。
  4. bが、少なくとも約0.1モル%であるか、又は
    dが、少なくとも約0.1モル%であるかのいずれかである、請求項1に記載の組成物。
  5. チオグリセロール、メルカプトエタノール、チオグリコール酸、ジチオエリスリトール、2−メルカプトプロピオン酸、及び3−メルカプトプロピオン酸、又はこれらの混合物からなる群から選択される、連鎖移動剤の残部を含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記残部が、使用した連鎖移動剤及びモノマーの総量に基づき、約1〜約25モル%の量で連鎖移動剤を使用することにより得られる、請求項1に記載の組成物。
  7. コーティングベースを式(I)のポリマー組成物と接触させることを含む、コーティング組成物に耐洗浄性を付与する方法であって、
    Figure 2017506698
    式中、
    式(I)の組成物がランダムコポリマーであり、
    fが、2〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり、任意選択的に1つ又は2つ以上の−CH2−、−CFH−、又はこれらの組合せによって分断されており、
    Aが、O、S、又はN(R’)であり、R’はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
    Qが、直鎖、分枝鎖、又は環状構造のアルキレン、アリーレン、アラルキレン、スルホニル、スルホキシ、スルホンアミド、カルボンアミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、及びこのような連結基の組合せであり、
    1が、H又はCH3であり、
    2が、H又は1〜約4個の炭素原子のアルキルから独立して選択され、
    rが、独立して2〜4であり、
    Zが、O又は−NR’−であり、R’はH又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、
    3及びR4が、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシエチル、ベンジルであり、又は、R3及びR4が、窒素原子と共にモルホリン、ピロリジン、若しくはピペラジン環を形成し、
    Mが、H、HN(R63、Na、Li、Cs、K、又はこれらの混合物であり、
    6が、H又は1〜12個の炭素原子のアルキル若しくはヒドロキシアルキルであり、
    eが、0〜40であり、
    5が、H又は1〜4個の炭素原子のアルキルであり、
    7が、2〜4個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖アルキレンであり、
    aが、10〜60モル%であり、
    bが、0〜90モル%であり、
    cが、1〜90モル%であり、及び、
    dが、0〜90モル%であり、
    a+b+c+dの合計は100%に等しく、並びに、
    前記式(I)の組成物は、式(II)(Y−X−S)g2-gの親水性連鎖移動剤の残部を更に含み、
    このとき、
    gが、1又は2であり、
    Xが、直鎖又は分枝鎖の1〜約4個の炭素原子のアルキレンであり、任意選択的に、ヒドロキシル、カルボキシル、又はアミンから選択される1つ又は2つ以上の親水性官能基で置換されており、及び、
    Yが、ヒドロキシル、カルボキシル、チオール、又はアミンから選択される親水性官能基である、方法。
  8. 前記ポリマー組成物が、約1500〜約30,000ダルトンの数平均分子量Mnを有する、請求項7に記載の方法。
  9. bが、少なくとも約0.1モル%である、又は
    dが、少なくとも約0.1モル%である、のいずれかである、請求項7に記載の方法。
  10. cが、1〜約60モル%の範囲内である、請求項7に記載の方法。
  11. 前記ポリマー組成物が、塗料コーティングに添加されるとき、少なくとも2.0の油染み洗浄性スコアΔC、及び最大で4.0の汚れ付着耐性をもたらす、請求項7に記載の方法。
  12. 前記ポリマー組成物が、チオグリセロール、メルカプトエタノール、チオグリコール酸、ジチオエリスリトール、2−メルカプトプロピオン酸、及び3−メルカプトプロピオン酸、又はこれらの混合物からなる群から選択される、連鎖移動剤の残部を含む、請求項7に記載の方法。
  13. 前記コーティングベースが、室内用塗料、屋外用塗料、ステイン、または透明コーティングの形態の、アクリルポリマー、エポキシポリマー、ビニルポリマー、及びポリウレタンポリマーからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  14. コーティングベースと、請求項1に記載の組成物と、を含む、コーティング組成物であって、前記コーティングベースが、室内用塗料、屋外用塗料、ステイン、または透明コーティングの形態の、アクリルポリマー、エポキシポリマー、ビニルポリマー、及びポリウレタンポリマーからなる群から選択される、組成物。
  15. 請求項1に記載のポリマー組成物を形成する方法であって、
    式(II)の親水性連鎖移動剤を、
    (Y−X−S)g2-g(II)
    10〜60モル%のフッ素化モノマーと、
    0〜90モル%のアミン含有モノマーと、
    1〜90モル%の酸性モノマーと、
    0〜90モル%の親水性モノマーと、を含む、エチレン性不飽和モノマーと接触させることを含み、
    前記モノマーの合計が100%に等しい、方法。
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