JP2017503992A - 周縁シールを有する熱交換器 - Google Patents

周縁シールを有する熱交換器 Download PDF

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Abstract

本発明は、ベース(2)、シール(3)およびカバー(4)を備えた熱交換器(1)に関する。ベース(2)は、それぞれが溝底部(7,7’)を含む2つの収容溝(5,5’)を有している。中間部(10)が、2つの通路(8)の間の平面上に形成されている。中間部(10)と溝底部(7,7’)との間を傾斜部(11)が延びている。本発明の本質的事項は、シール(3)が、収容溝(5,5’)内を延びていて、2つの傾斜部(11)とその間にある中間部(10)とにまたがるシールウェブ(12)を有し、各傾斜部(11)が、収容溝(5,5’)への移行部分においては半径(R1)をもって、中間部(10)への移行部分においては半径(R2)をもって丸まり、傾斜部(11)は、中間部(10)に対して20°<α<65°だけ傾斜しているか、または収容溝(5,5’)の溝底部(7,7’)を基準として高低差(h)の10〜80%の領域に位置する変曲点(W)を含むS字形状を有している、ことである。これにより、柔軟な設置が可能となる。【選択図】図5

Description

本発明は、請求項1の前提部に係る、プレートとシールとカバーとを備えた熱交換器に関する。
熱交換器のプレート(チューブプレート)へのカバーの接続は、冷媒の流出およびしたがって熱交換器またはそれにより冷却されるアセンブリの故障を防止するために、当該2つの要素の間の確実なシールを必要とする。当該タイプの熱交換器の当該タイプのプレートは、チューブプレートとして、往々にして、例えば引き延ばされたフラットチューブが通る対応するリムホールを有している。当該カバーは、例えば、冷媒ボックスの形態であって、よって冷媒を収容していてもよい。通常、カバーとプレートとの間の確実なシール作用は、プレートの対応する収容溝に挿入されたシールによって実現される。ここで、収容溝は、実際に、プレートのリムホールに対して垂直にプレートの端部に設けられ、かつプレートの打ち抜きおよび/または変形の間に一緒に形成される2つの平行な収容溝から構成されている。シールは、2つの収容溝の間をそれらに対して垂直に、特に通常、同様にプレートの端部において特にそのために形成された溝内において延びている。
そのような周縁収容溝または溝をチューブプレートのリムホールの間に形成するために、特にチューブプレートに異なる長さを設定しようとする場合、1つのプレートサイズに1つの打ち抜き工具が必要となるか、あるいは比較的扱いにくい一群の工具が必要となる。
特許文献1は、プレートとカバーとの正確なシールのために、プレートの端部領域には周縁溝を設けていない熱交換器を開示しており、当該溝内には周縁シールリングの形態のシールが配置され、当該シール上にはカバーが配置されまたは押し付けられる。むしろ、既知の熱交換器では、メートル単位で販売される材料として製造され得、かつ生産されるべき熱交換器に対応する長さに切断されるプレートが使用され得る。この目的のために、周縁シール要素または周縁シールが、2つの対向する収容溝内に配置され、かつ加えて、当該収容溝の端部において、2つのリムホールの間のプレート表面に取り付けられている。
特許文献2は、別の熱交換器について開示している。
欧州特許出願公開第2498040号明細書 仏国特許第2822532号明細書
本発明は、一般的なタイプの熱交換器のために、特に簡易化された生産を可能とする代替的な実施形態を特定するという問題に関する。
当該問題は、独立請求項1の主題による本発明にしたがって解決される。従属請求項は有利な実施形態に関する。
本発明は、そのプレート(チューブプレート)がメートル単位で販売される材料として生産可能でありかつしたがって異なるサイズの熱交換器に対して比較的柔軟な態様で使用され得る熱交換器を提供するという一般的概念に基づいている。ここで、本発明に係る熱交換器は、プレートと、シールと、カバーとを備え、通常はチューブプレートと呼ばれるプレートは、平行に離間してプレートの長手方向に延び、プレートの2つの互いに対向する側部に配置され、かつカバーの側方突出部を収容するように設計された2つの収容溝を有している。収容溝の各々は溝ベースをさらに有している。プレートは、互いに平行に離間しかつ収容溝から離間するように平面上に配置され、収容溝の間において収容溝に対して垂直に延びる少なくとも3つのリムホール、すなわちフラットチューブのための開口を有している。2つのそのようなリムホールの間には、平面において、収容溝の溝ベースから高低差hをもって平行に離間するように配置された中間部が形成されている。ここで、各中間部と溝ベースとの間には、リムホールの長手方向と平行に、それぞれに1つの傾斜部が延びており、当該傾斜部は互いに平行に離間している。シール自体は、周縁シールコードの形態である。本発明によると、シールは、収容溝内を延びていて、それぞれに2つの傾斜部および介在する中間部にまたがる1つのシールウェブを有し、傾斜部は、中間部の平面に対して、すなわち一般的に水平面に対して20°<α<65°の角度だけ傾斜しているか、または、収容溝の溝ベースを基準として高低差hの10〜80%の領域に位置する変曲点Wを含むS字形状を有している。さらに、両方の変形例において、傾斜部は、特にシールの鋭い屈曲の結果として生じるシールにおける引張応力または圧縮応力のピークを最小限に抑えるために、収容溝への移行部分または中間部への移行部分のそれぞれにおいて対応する半径R1,R2をもって丸まっている。ここで、傾斜部は、収容溝への移行部分において半径R1をもって丸まり、一方、当該傾斜部は、中間部への移行部分において半径R2をもって丸まっている。
プレートの本発明に係る設計によると、シールが、取り付けられた状態において、過度に大きな接触圧または変形がなくプレートとカバーとの間に固定されることが実現され得る。本発明に係る熱交換器によると、したがって、第一にプレートの形態における無端金属シートが使用され得、また第二に、取り付けられたシールの接触圧または変形が限界値を上回らずかつ下回らない。角度αの20〜65°の間における選択を通じて、シール作用およびシールへの負荷がまた影響を受け得る。α<20°の角度は、第一にその後のリムホールの変形プロセスに対して不都合をもたらすだろうし、第二に収容溝に沿ったシールの横方向案内に関して不都合をもたらすだろう。α>65°の角度の場合には、いくつかの状況においてシールに作用する押圧力が低くなりすぎ、それにより、いくつかの状況において、シール作用が確保され得ないだろう。また、S字形状の変形例では、プレートに対するシールの改善された当接、およびよって改善されたシール機能が実現され得る。上述した範囲よりも下または上では、特に、その後のリムホールの変形プロセスに対して不利な影響を有するか、またはプレートの幅およびよって必要とされる構造的スペースに対して悪影響を有する半径R1,R2が現れるだろう。変曲点Wが高低差hの10%よりも低い領域に位置する場合、このことは、プレート幅およびよって構造的スペースに不利な影響を有するか、またはシールへの応力ピークに関して不利な影響を有するS字状の傾斜部の外形をもたらす。変曲点Wが高低差hの80%よりも高い領域に位置する場合、このことは、その後の変形プロセスに対して不利な影響を有するS字状の傾斜部の外形をもたらす。
好適には、非圧縮状態における収容溝内のシールコードまたはシールの断面の半径R3に対する半径R1または半径R2の比率は、0.3<R1/R3<1.0または0.3<R2/R3<1.0である。傾斜部の曲率半径とシールの半径との間の比率のこの範囲の特定は、シール作用を最適化する。特に、比率が低すぎると、収容溝と傾斜部との間の移行部分での接触圧が低くなりすぎるために漏れが生じ、比率が高すぎると、傾斜部に沿った押圧力が低くなりすぎ、より幅広のプレートによる構造的スペースの不都合が生じる。
好適には、リムホールの収容溝に対向する長手方向端部は、1mm<a<15mm、特に2mm<a<6mmであって、傾斜部の中間部への移行部分よりも収容溝に近い。試験および計算によって求められたこの範囲とすることにより、各リムホールの半径領域において受け入れられる最大機械的応力を低減すること、およびよって全体としてのプレートの応力負荷を低減することが可能となる。
本発明に係る解決策の別の有利な実施形態では、傾斜部の少なくとも1つがリムホールの長手方向と平行に延びかつ内部をシールが延びる溝として形成され、シールの圧縮状態での、収容溝におけるシールによる溝充填の程度に対する少なくとも1つの傾斜部の当該溝におけるシールによる溝充填の程度の比率は、1.0〜1.4である。ここで、溝充填の程度は、圧縮されたシールの断面積と空き部分の断面積との間の比率として定義される。通常、シールの設計においては、第一にシール作用を確保するために、また第二にシールの生じ得る膨張のための予備容積を提供するために、70〜85%の溝充填の程度が予め設定される。上述した比率により、シールが最適な態様で案内されかつ固定され、同時に、傾斜部領域においてより強い圧縮が実現され得、それによってシール機能が改善される。特に、最適なシール作用を確保するために、収容溝に沿った領域よりも傾斜部の領域において圧縮がより強くなされるべきである。
好適には、傾斜部が幅b1を有しかつ中間部が幅b2を有しており、b2に対するb1の比率が0.3〜1.0である。中間部の溝および収容溝におけるシールの最適な圧縮を実現するために、溝充填の程度は双方の箇所において70〜100%であるべきである。しかしながら、シールの押圧力は収容溝におけるものと傾斜部に対するものとで異なるので、70〜100%の所望の溝充填の程度を構造的設計によって実現する必要がある。純粋に論理的に、このことは、特に移行部分領域における、傾斜部に沿ったシールの直径の変更によって、あるいは移行部分領域における傾斜部に沿った空き部分の断面積の変更によって実現され得る。傾斜部または中間部の幅の変更によって、所望の溝充填の程度が構造に関して特にシンプルな態様で実現され得る。シールの断面積が、収容溝に沿った圧縮されていないシールの断面積の40%を超えている場合、特に50〜70%である場合が特に有利である。
本発明に係る解決策の別の有利な実施形態では、シールは、シールへの引張応力を低減するための少なくとも1つの予圧ウェブを有しており、少なくとも1つの予圧ウェブは、シールウェブと平行に配置されている。この場合において、シールのシールウェブは、当該シールウェブと平行に延びる予圧ウェブの外側において、2つの傾斜部および介在する中間部にわたって延びている。予圧ウェブは、概して、シールの構成部分であってもよく、かつ当該シールが収容溝に沿って予圧下にあることを確保し、それによりリムホールの間の移行部分の領域におけるシールへの引張応力が低減され得る。これにより、収容溝に沿っておよびリムホールの間においての双方におけるシールの所望の位置を確保することができる。
好適には、カバーは、ボックスの形態であって、当該ボックスは、2つの互いに対向する側部において当該ボックスの外側領域の長手方向側部に沿って延びる側方突出部を有し、側方突出部は、収容溝内を延びていて、シールを超えて長手方向に突出する突出部を有している。
有利には、カバーは、ボックス脚部を有するボックスの形態であって、ボックス脚部の外側領域の長手方向側部に、当該ボックスのプレートに対する位置決めのための膨出部が設けられている。
ボックスのプレートに対する位置決めのための膨出部は、側方突出部の外側領域に設けられていてもよい。側方突出部は、例えばボックス脚部である。短辺の領域でのリムホールの間におけるシールの位置によって、シールの圧縮のために、プレートとカバーまたはボックスとの間の接続が、少なくともシールが収容溝から外れて傾斜部をまたいで中間部に入るように曲がる箇所まで収容溝に沿って延びていることが有利である。ここで、側方突出部が、収容溝に沿って、H字形状デザインの突出部を有していることが特に有利である。この場合において、H字形状は、側方突出部の両側における2つの突出部と、リムホールの間の側方突出部のウェブとの組み合わせによって実現される。ここで、側方突出部の突出部は、収容溝と面一に終端していてもよいし、あるいは収容溝を超えていてもよい。
本発明に係る解決策の別の有利な実施形態では、熱交換器が、プレートのリムホールに挿通され、カバーによってプレートを閉じるための側部品突出部sを有する側部品を備え、側部品と当該側部品に隣接する外側のフラットチューブとの間の平均間隔は、値qを有し、比率s/qは0.3〜0.7である。そのような実施形態により、最小限の構造的スペースを同時に伴うシールウェブの領域、すなわち中間部の領域における最適なシール作用が確保され得る。純粋に理論的に、比率s/qは、また、特に、熱的に高い負荷のかかる熱交換器であって、外側のチューブの部分的または完全なブロックが望まれる場合に、0.7よりも大きい値であってもよい。この場合、カバーの形状は、当該カバーの外壁が、外側のチューブを通るあるいは外側のチューブのいくつかを通る流れを完全に防止するかまたは少なくとも低減するように設計されるべきである。同様に、カバーの形状は、また、1つ以上の案内要素が1つ以上の最も外側のチューブ(フラットチューブ)への流れを制限するかまたは完全に防止するように選択されてもよい。
別の有利な実施形態では、リムホールの全てが、同じ外形および同じ面積を有している。このことは、無端金属シートからのプレートの容易な生産を可能とする。
さらに、プレートの側方端部に配置された少なくとも2つのリムホールが、他のリムホールの互いに等しい面積とは0.8〜1.3倍だけ異なる面積を有していることが有利であり得る。これにより、異なる壁厚を有する側部品が使用され得、それにより構成要素の強度が増大され得る。
本発明の別の重要な特徴および利点は、従属請求項から、図面から、および図面に基づいた図の関連する説明から明らかになるだろう。
上述したあるいは後述する特徴が、それぞれに特定された組み合わせにおいてのみでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組み合わせにおいてあるいは単独で使用され得ることは言うまでもない。
図1は、従来技術に係る、カバー、プレートおよびシールを有する熱交換器の断面図である。 図2は、本発明に係るプレートの平面図である。 図3は、図2のプレートの、収容溝、傾斜部および中間部の領域における、A−A断面における断面図である。 図4は、傾斜部の角度αに対応するシールの押圧力FDを示すグラフである。 図5は、図3と同様の図であるが、S字形状の傾斜部の場合である。 図6は、シールの半径R3に対する、収容溝または中間部への傾斜部の移行部分における半径R1またはR2に応じて予想される漏れLを示すグラフである。 図7は、リムホールの長手方向端部と傾斜部の中間部への移行部分との間の間隔aを示すための、本発明に係るプレートの平面図である。 図8は、間隔aに対するチューブ応力σの関係を示すグラフである。 図9は、傾斜部の幅b1および中間部の幅b2を示すための、本発明に係るプレートの平面図である。 図10aは、本発明に係るプレートに適合するシールの、シールウェブおよび予圧ウェブを含む当該シールの外形を示すための平面図である。 図10bは、本発明に係るプレートに適合するシールの、シールウェブおよび予圧ウェブを含む当該シールの外形を示すための断面図である。 図11は、側壁の突出部sと個々のフラットチューブの互いの間隔および外側のフラットチューブの側壁への間隔とを示すための、本発明に係る熱交換器の断面図である。 図12は、比率s/qの関数としての、曲げられた突出部sによって実現されるフランジ接続の強度を示すグラフである。 図13は、カバーのプレートへの固定のための側方突出部を有する、本発明に係る熱交換器の断面図である。
以下、本発明の好ましい代表的な実施形態について図示すると共に詳細に説明する。同じ参照符号は、同一のもしくは類似のまたは機能的に同一の構成要素を示すために用いる。
図1および図11に示すように、熱交換器1は、プレート2、シール3およびカバー4を備えている。ここで、図1は従来技術に係る熱交換器1を示しており、一方、図11は本発明に係る熱交換器1を示している。プレート2を考慮すると、当該プレートが、互いに平行に離間し、プレート2の長手方向に延び、プレート2の2つの互いに対向する側部に設けられ、かつカバー4の側方突出部6、すなわちボックス脚部15を収容するように設計された2つの平行収容溝5,5’を有していることがわかる。ここで、収容溝5,5’の各々は溝ベース7,7’を有している。さらに、プレート2は少なくとも3つのリムホール8を有しており、当該リムホール8は、互いに平行に離間しかつ収容溝5,5’から離間するように平面上に配置されていて、当該収容溝5,5’の間でそれらに垂直に延びている(特に図2、図7,図9および図11を参照)。フラットチューブ9はリムホール8を通ってシール状態で案内されており、2つの外側のリムホールにはそれぞれに1つの側部品19が挿通されている。平面上において、2つのリムホール8の間には、収容溝5,5’の溝ベース7,7’から平行に高低差hだけ離間するように配置された中間部10が形成されている(図3および図5を参照)。さらに、各中間部10と溝ベース7,7’との間には、リムホール8の長手方向と平行に、それぞれに1つの傾斜部11が延びており、中間部10に隣接する傾斜部11は互いに平行に離間している。シール3は、周縁シールコードの形態である。
本発明によると、シール3は、収容溝5,5’内を延びていて、それぞれに2つの傾斜部11および介在する中間部10にまたがる1つのシールウェブ12(図10を参照)を有している。本発明によると、傾斜部11は中間部10に対して、および一般に水平面に対して20〜65°の角度αだけ傾いているか(図3を参照)、あるいはS字形状を有している(図5を参照)。変曲点Wは、収容溝5,5’の溝ベース7,7’を基準として高低差hの10〜80%の領域に位置している。ここで、図3では、半径R2を示すためにプレート2が切り取られているが、当該領域に開口を有していないことは明らかである。傾斜部11の各々は、この場合において、収容溝5,5’への移行部分において半径R1をもって丸まっていて、中間部10への移行部分において半径R2をもって丸まっている。半径R1と半径R2とは明らかに大きさが異なっており、より大きい半径がシール3に作用する応力ピークを低減するのを助ける。角度αが20°よりも小さい場合、第一に次のリムホール8の変形プロセスにおいて、および第二に収容溝5,5’に沿ったシール3の横方向案内において、不都合が低減され得る。角度αが65°よりも大きい場合、図4に示すように、カバー4によってシール3に作用する押圧力Fが小さくなりすぎるだろう。試験によって確立された20°<α<65°の角度範囲では、最適な押圧力Fが実現され得、それによって所望のシール作用が確保され得る。上述した高低差hの10〜80%の変曲点Wの高さ範囲は、プレート2に対するシール3の当接に特に適した半径R1および半径R2をもたらすだろう。上述した範囲よりも小さくても大きくても、プレート2の幅に対して、およびよって構造的スペースの必要性に対して不利な影響を有する半径R1および半径R2が得られるだろう。さらに、本発明に係るプレート2が無端金属シートとして生産され得ることが特に有利であり、それにより広範囲にわたるサイズの熱交換器1を非常に柔軟な態様で生産することが可能である。
本発明に係る解決策の有利な改良では、非圧縮状態における収容溝5,5’内のシール3の断面の直径Dに対する高低差hの比率は0.7<h/D<2.5であり、好ましくは1.0<h/D<2.0である。当該範囲においてDに対するhの比率を選択すると、結果として得られるプレート形状によって強度的な利点が実現され得る。
圧縮状態における収容溝5,5’内のシール3の断面の半径R3に対する半径R1または半径R2の比率が0.3<R1/R3<3.0または0.3<R2/R3<3.0である場合、同様に有利である。それよりも低い比率は、いくつかの状況下で、収容溝5,5’と傾斜部11との間の移行部分領域における低すぎる接触圧のための漏れにつながる。比率が高すぎる場合、このことは傾斜部11に沿った低すぎる押圧力をもたらすか、および/または、より幅広のプレート2が必要となるため構造的スペースの不都合をもたらす。ここで、図6では、漏れ(漏出L)が上述した半径比率の関数として示されており、半径比率R1/R3またはR2/R3が0.3〜3.0である場合に、漏出、すなわち漏れが最も少ないことが明らかに見て取れる。
さらに、フラットチューブ9における機械的応力σを出来るだけ小さく保てるように、リムホール8の収容溝5,5’に対向する長手方向端部は1mm<a<15mm、特に2mm<a<6mmであり、傾斜部11の中間部10への移行部分よりも収容溝5,5’に近い。間隔aの意味はこの場合には図7において示されており、間隔aへのチューブ応力σの依存性は図8のグラフに示されている。ここで、値aが2〜6mmである場合にチューブ応力σが最小化され得ることが明らかに見て取れる。
傾斜部11の少なくとも1つが、さらに、リムホール8の長手方向と平行に延びかつ内部をシール3が延びる溝13として形成されていてもよく、シール3の圧縮状態での、収容溝5,5’におけるシール3による溝充填の程度に対する溝13におけるシール3による溝充填の程度の比率は1.0〜1.4であるべきである。この範囲に比率が含まれる場合、シール3は、一方で、最適に案内されかつ固定され、次に、収容溝5,5’および/または中間部10に対する、傾斜部領域11および/または傾斜部11の移行部分領域におけるより強い圧縮によって最適なシール機能が実現され得る。
図9を考慮すると、傾斜部11が幅b1を有しかつ中間部10が幅b2を有していることが見て取れ、幅b1の幅b2に対する比率は0.3〜1.0であるべきである。さらに、傾斜部11の領域におけるシール3の断面積は、収容溝5,5’の領域におけるシール3の断面積の40%以上であるべきであり、好ましくは50〜70%である。これにより、シンプルな構造的手段によって最適な度合いの溝充填が実現され得る。
図10aおよび図10bを考慮すると、シール3が、シールウェブ12自体に加えて、シールウェブ12と平行に延びかつシール3への引張応力を低減するように作用する少なくとも1つの別の予圧ウェブ14を有していることが見て取れる。これにより、収容溝5,5’に沿っておよびリムホール8の間の両方において、シール作用のために必要とされる所望の最適位置が確保されることが可能となる。
図13を考慮すると、同図には、カバー4が、2つの互いに対向する側部における長手方向側部に沿って延びる側方突出部6またはボックス脚部15を有していることが示されており、示されている状態では、2つの側部のうち一方のみが図示されており、側方突出部6は、収容溝5,5’内を延びていて、各収容溝5,5’を超えて長手方向に突出する突出部16を有している。突出部16は、シール3が曲がる領域を超えて突出するように意図されている。ここで、当該シールは、また、収容溝5,5’を超えて突出していてもよいし、あるいは収容溝5,5’と面一に終端していてもよい。短辺の領域でのリムホール8の間におけるシール3の位置によって、シール3のシール圧縮のために、プレート2とカバー4との間の接続が収容溝5,5’に沿って、少なくともシール3がリムホール8の間に位置している箇所まで延びていることが有利であり、ボックス脚部15が収容溝5,5’に沿ってシール3を超えて突出していることが特に有利であり、当該ボックス脚部は各収容溝5,5’と面一に終端していてもよいし、あるいは上述した突出部16を有している。この場合にも、突出部16はシール3が曲がる領域を超えて突出しているべきである。このことは、H字状の側方突出部デザインにつながる。図13はカバー4のプレート2へのそのような接続を示しており、シール3の輪郭と、ボックス脚部15の同様に図示された突出部16を通ってリムホール8の間のシール3の輪郭を超えて延びる外側閉鎖部17の位置とが示されている。これにより、特により強い押圧作用によって改善されたシール機能が可能となる。
また、ボックス脚部15に、カバー4のプレート2に対する位置決めのための膨出部20が設けられていてもよい。当該タイプの膨出部20は、長手方向におけるプレート2に対するカバー4の最適な位置決めに役立ち、またさらに、長手方向における公差連鎖の公差を半減させることができる。
収容溝5,5’は、さらに、カバー4のプレート2への接続のために、特にカバー4のボックス脚部15の一部の裏側に係合するように少なくとも一部が曲げられる壁部18を有していてもよい。収容溝5,5’の壁部18は、幾何学的形状に関して繰り返し、プレート2のリムホール8に対して対称的に配置され、かつカバー4のボックス脚部15周りに曲げられ得るか曲げられる、複数の領域および/または胸壁を有していてもよい(図1を参照)。さらに、熱交換器1は、プレート2のカバー4への接続のための側部品突出部sを含む側部品19を有しており、側部品19とそれに隣接する外側のフラットチューブ9との間の平均間隔は値qを有しており、比率s/qは0.3〜0.7であるべきである(図11および図12を参照)。ここで、図11では、側部品突出部sとの組み合わせが示されており、比率s/qはこの例では0.7である。比率s/qが0.3である場合、側方突出部6またはボックス脚部15に対するより小さな接触面が実現される。側部品突出部sは、したがって、一方では、プレート2とカバー4との間のシール接続のために必要とされる押圧力が得られるように、しかしカバー4が最も外側のフラットチューブ9内の流れを妨げないように選択されるべきである。ここで、図12は、比率s/qの関数としての閉鎖およびまた間接的にシール作用の強さを示している。
プレート2のリムホール8の全てが、チューブ9および側部品19のための同じ外形および同じ面積を有していてもよく、それにより製造プロセスが簡略化される。外側のリムホール8が、側部品19の壁厚に応じて、他のリムホール8よりも小さいかあるいは大きい面積を有していることもまた可能である。
さらに、特に2つの外側のリムホール8の間の移行部分領域の形状は、他の移行部分領域の形状と異なっていてもよい。例えば、傾斜部11は外側の3つのリムホール8の間にのみ形成されていてもよい。移行部分領域の形状は、繰り返しパターンを作り出すように異なっていてもよい。
本発明に係る熱交換器1によると、および特に本発明に係るプレート2によると、当該タイプのプレート2を、無端金属シートとして生産し、よって異なる寸法の熱交換器1において非常に柔軟な態様で使用することが可能となる。同時に、最適なシール作用が実現され得る。

Claims (14)

  1. プレート(2)と、シール(3)と、カバー(4)とを備えた熱交換器(1)であって、
    上記プレート(2)は、平行に離間して該プレート(2)の長手方向に延び、該プレート(2)の2つの互いに対向する側部に配置され、かつ上記カバー(4)の側方突出部(6)を収容するように設計された2つの収容溝(5,5’)を有し、
    上記収容溝(5,5’)の各々は、溝ベース(7,7’)を有し、
    上記プレート(2)は、互いに平行に離間しかつ上記収容溝(5,5’)から離間するように平面上に配置され、該収容溝(5,5’)の間において該収容溝(5,5’)に対して垂直に延びる少なくとも3つのリムホール(8)を有し、
    上記平面において、2つの上記リムホール(8)の間に、上記収容溝(5,5’)の上記溝ベース(7,7’)から高低差hをもって平行に離間するように配置された中間部(10)が形成され、
    各上記中間部(10)と上記溝ベース(7,7’)との間には、上記リムホール(8)の長手方向と平行に、それぞれに1つの傾斜部(11)が延び、該傾斜部(11)は、互いに平行に離間し、
    上記シール(3)は、周縁シールコードを有しており、
    上記シール(3)は、上記収容溝(5,5’)内を延びていて、それぞれに2つの上記傾斜部(11)および介在する上記中間部(10)にまたがる1つのシールウェブ(12)を有し、
    各上記傾斜部(11)は、上記収容溝(5,5’)への移行部分においては半径R1をもって、上記中間部(10)への移行部分においては半径R2をもって丸まり、
    上記傾斜部(11)は、上記中間部(10)に対して20°<α<65°だけ傾斜しているか、または、上記収容溝(5,5’)の上記溝ベース(7,7’)を基準として上記高低差hの10〜80%の領域に位置する変曲点を含むS字形状を有している
    ことを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1において、
    非圧縮状態における上記収容溝(5,5’)内の上記シール(3)の断面の直径Dに対する上記高低差hの比率は、0.7<h/D<2.5であって、好ましくは1.0<h/D<2.0である
    ことを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項1または2において、
    圧縮状態における上記収容溝(5,5’)内の上記シール(3)の断面の半径R3に対する上記半径R1または上記半径R2の比率は、0.3<R1/R3<3.0または0.3<R2/R3<3.0である
    ことを特徴とする熱交換器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    上記リムホール(8)の上記収容溝(5,5’)に対向する長手方向端部は、1mm<a<15mm、特に2mm<a<6mmであって、上記傾斜部(11)の上記中間部(10)への移行部分よりも上記収容溝(5,5’)に近い
    ことを特徴とする熱交換器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    上記傾斜部(11)の少なくとも1つが、上記リムホール(8)の長手方向と平行に延びかつ内部を上記シール(3)が延びる溝(13)として形成され、
    上記シール(3)の圧縮状態での、上記収容溝(5,5’)における上記シール(3)による溝充填の程度に対する少なくとも1つの上記傾斜部(11)の上記溝(13)における上記シール(3)による溝充填の程度の比率は、1.0〜1.4である
    ことを特徴とする熱交換器。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    上記傾斜部(11)が、幅b1を有し、
    上記中間部(10)が、幅b2を有し、
    0.3<b1/b2<1.0である
    ことを特徴とする熱交換器。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、
    上記シール(3)が、該シール(3)への引張応力を低減するための少なくとも1つの予圧ウェブ(14)を有し、
    少なくとも1つの上記予圧ウェブ(14)は、上記シールウェブ(12)と平行に配置されている
    ことを特徴とする熱交換器。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、
    上記カバー(4)が、ボックスの形態であって、該ボックスは、2つの互いに対向する側部において該ボックスの外側領域の長手方向側部に沿って延びる側方突出部(6)を有し、
    上記側方突出部(6)は、上記収容溝(5,5’)内を延びていて、上記シール(3)を超えて長手方向に突出する突出部(16)を有している
    ことを特徴とする熱交換器。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、
    上記カバー(4)が、ボックス脚部(15)を有するボックスの形態であって、
    上記ボックス脚部(15)の外側領域の長手方向側部に、上記ボックスの上記プレート(2)に対する位置決めのための膨出部(20)が設けられている
    ことを特徴とする熱交換器。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項において、
    上記収容溝(5,5’)は、上記カバー(4)の上記側方突出部(6)の少なくとも一部の裏側に係合するように少なくとも一部が曲げられる壁部(18)を有している
    ことを特徴とする熱交換器。
  11. 請求項10において、
    上記収容溝(5,5’)の上記壁部(18)が、幾何学的形状に関して繰り返し、上記プレート(2)の上記リムホール(8)に対して対称的に配置され、かつ上記カバー(4)の上記側方突出部(6)周りに曲げられ得るか曲げられる、複数の領域および/または胸壁を有している
    ことを特徴とする熱交換器。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項において、
    上記熱交換器(1)が、上記プレートの上記リムホールに挿通され、該プレート(2)の上記カバー(4)への接続のための側部品突出部sを有する側部品(19)を備え、
    上記側部品(19)と該側部品(19)に隣接する外側のフラットチューブ(9)との間の平均間隔は、値qを有し、
    0.3<s/q<0.7である
    ことを特徴とする熱交換器。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項において、
    上記リムホール(8)の全てが、同じ外形および同じ面積を有している
    ことを特徴とする熱交換器。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項において、
    上記プレートの側方端部に配置された少なくとも2つの上記リムホール(8)が、他の上記リムホール(8)の互いに等しい面積とは0.8〜1.3倍だけ異なる面積を有している
    ことを特徴とする熱交換器。
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