JP2017503789A - 新規の芳香化学物質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸、2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸及び2,5-ジメチルアジピン酸のジエステル又はそれらの混合物の香料又はフレーバーとしての使用、前記化合物を組成物中に含めることによる、組成物に匂い若しくは風味を付与するか又はそれを改良する方法、前記化合物を含有する香料含有組成物及び/又は香料物質、並びに2,5-ジメチルアジピン酸ジエステルを調製する方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸、2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸及び2,5-ジメチルアジピン酸のジエステル又はそれらの混合物の香料又はフレーバーとしての使用、前記化合物を組成物中に含むことによる、組成物に匂い若しくは風味(flavor)を付与するか又はそれを改良する(modify)方法、前記化合物を含有する香料含有組成物及び/又は香料物質、並びに2,5-ジメチルアジピン酸ジエステルを調製する方法に関する。
香料は、特に、化粧品並びに洗濯用及び清掃用洗剤の分野で大きな関心を集めている。天然由来の香料は、主として高価であり、その利用可能量は制限されている場合が多く、環境条件の変動により、その容量、純度等の変化にも曝される。したがって、天然由来の香料を合成的に得られる物質で少なくとも部分的に置き換えることができることに大きな関心が寄せられている。しばしば、これに関連して、天然物質が化学的に複製されるのではなく、化学合成された化合物がその香気により天然物質の代替物として選択され、そこで代替物及び天然物質は、化学構造類似性を必ずしも有している必要はない。
しかし、化学構造における小さな変化でも、香気及び味等の感覚特性に多大な変化をもたらす可能性があるため、ある種の感覚特性、例えばある種の香気を有する物質を対象とした探索は、非常に困難である。したがって、所望の香気及び/又は味を有する物質がまさに実際に発見されるか否かを知らずに、新しい香料及び着香料を探すことは大抵の場合、困難であり、手間がかかる。
不飽和及び飽和2,5-ジメチルアジピン酸ジエステル並びにそれらの調製物は、現在の技術水準で一般的に知られている。
米国特許第2,244,487号は、原料としてアセトン及びシアン化水素を用いたメタクリル酸メチルの製造工程で得られる高沸点残渣から分離した、(E)-2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸ジメチルについて開示している。(E)-2,5-ジメチル-2-ヘキセンジオエートが、樹脂、可塑剤の調製のために使用でき、合成樹脂又は天然樹脂用の可塑剤、変性剤又はブレンド剤として同様に注目されている、(E)-2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸の他のエステルの調製のための出発原料として使用できることを示唆している。
仏国特許第2524341号は、アクリル酸誘導体とそれ自体との又は1,3-ジエン等の他の二官能性成分の混合物との二量化反応又は共二量化反応での使用のための、アリルカチオン錯体の形態のパラジウム触媒について開示している。他の二量化生成物以外に、特許請求されたパラジウム触媒を用いる、(E)-2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸ジメチルが副産物として形成された、アクリル酸メチルからの2-ヘキセン二酸ジメチルの調製及びメタクリル酸メチルからの2-メチル-5-メチレンヘキサン二酸ジメチルの調製について例示されている。
独国特許第3336691号は、アクリル酸誘導体をニッケル触媒で二量化し、直鎖不飽和ジカルボン酸誘導体を生成する方法、並びにポリマー、ポリマー重縮合及び水和反応でのこれらのジカルボン酸誘導体のモノマー及び/又はコモノマーとしての使用について開示している。
米国特許第4,451,665号は、低級アクリレル酸アルキル又は低級メタクリル酸アルキルをパラジウム(II)触媒の存在下で二量化し、異性、直鎖二量体の混合物を生成する方法について開示している。特に、この反応は、直鎖異性体のヘキセン二酸ジメチルと2,5-ジメチルヘキセン二酸ジメチルとの混合物の調製に用いられた。
欧州特許第0632010号は、窒素含有基剤の存在下でのジメチルカーボネートによるシクロアルカノンからのα,ω-ジカルボン酸ジメチルエステルの調製方法について開示している。α,ω-ジカルボン酸の他のジメチルエステルの調製以外に、2,5-ジメチルシクロペンタノン及びジメチルカルボネートからの2,5-ジメチルアジピン酸ジメチルエステルの調製について例示されている。
Narushi等、日本化学会誌1976年、11巻、1794〜6頁は、メタクリル酸カルシウム(モノマー塩)を熱二量化し、次いで得られた酸性二量化生成物をジアゾメタンで処理することを含む二量化方法の主生成物としてのα-メチレン-δ-メチルアジピン酸(2-メチル-5-メチレンヘキサン二酸)の識別に関する。
Matsuoka等、Org. Lett.2011年、13(14)巻、3722〜5頁は、2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸ジメチルを95:5のE/Z比で生成する、N-複素環式カルベン触媒の存在下でのメタクリル酸メチルの選択的尾-尾二量化方法について開示している。
Biju等、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2011年、50(36)巻、8412〜5頁は、N-複素環式カルベン触媒の存在下での2つの活性オレフィンの結合方法について開示している。彼らの最適化された方法により、97:3のE/Z比でメタクリル酸ジブチルから2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸ジブチルを生成できる。
日本特許第54092636号は、有効成分としてα-メチレン-δ-メチルアジピン酸(2-メチル-5-メチレンヘキサン二酸)のジ(C1〜C10)エステルを含有する芳香性組成物について開示している。2,5-ジメチルヘキセン二酸又は2,5-ジメチルアジピン酸のエステルについては言及されていない。
米国特許第2,244,487号 仏国特許第2524341号 独国特許第3336691号 米国特許第4,451,665号 欧州特許第0632010号 日本特許第54092636号
Narushi等、日本化学会誌1976年、11巻、1794〜6頁 Matsuoka等、Org. Lett.2011年、13(14)巻、3722〜5頁 Biju等、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2011年、50(36)巻、8412〜5頁
本発明の目的は、新規の香料又はフレーバーとして使用でき、容易に得られる出発原料から大規模合成できる物質を発見することであった。特に、好ましい香気を有する、香気の強い物質が求められる。特に、フルーティー及びハーバルノートを有する物質が望ましい。新規の香料又はフレーバーは、毒物学的問題とは無縁であるべきである。
一般式I.a、I.b若しくはII
Figure 2017503789
(式中、R1は、同一又は異なり、C1〜C6アルキル及びC5〜C6シクロアルキルからなる群から選択される)
の化合物又はそれらの混合物が、香料として又はフレーバーとして有利に使用できることが驚くべきことに発見された。
したがって、本発明は、上に及び以下に定義される式I.a、I.b若しくはIIの化合物、又はそれらの混合物の香料として又はフレーバーとしての使用に関する。
本発明は更に、洗濯洗剤、繊維用洗剤、化粧品調製物、香料付き衛生物品、食品、食品サプリメント、香料用ディスペンサー、香水、医薬調製物及び作物保護組成物から選択され、担体を更に含む組成物中に含まれる、化合物I.a、I.b若しくはII又はそれらの混合物の香料として又はフレーバーとしての使用に関する。
本発明は更に、組成物に匂い若しくは風味を付与するか又はそれを改良する方法であって、組成物の匂い若しくは風味を付与するか又はそれを改良する量で、式I.a、I.b若しくはIIの化合物又はそれらの混合物を組成物中に含めることを含む、方法に関する。
本発明は更に、一般式I.a、I.b及びIIの化合物並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物と担体材料とを含有する、香料含有組成物及び/又は香料物質に関する。
本発明は更に、一般式IIの化合物及びその混合物を生成する方法に関する。
本発明に従って用いられる化合物I.a、I.b及びIIは、以下の利点を示す:
- 一般式I.a、I.b及びIIの化合物は、有利な感覚特性、特に好ましい香気を有する。したがって、それらは、香料として若しくはフレーバーとして、又は香料含有組成物及び/若しくは香料物質の成分として有利に使用できる。
- それらの物理的特性により、一般式I.a、I.b及びIIの化合物は、特に香水等の香料含有調製物中の他の香料及び他の慣用の成分に対してとりわけ良好で実質的に万能の溶媒の特性を有する。
- 一般式I.a、I.b及びIIの化合物は、容易に得られる出発原料、即ちメタクリル酸のC1〜C6アルキルエステル又はC5〜C6シクロアルキルエステルを用いることにより、合成的に生成できる。
- 一般式I.a、I.b及びIIの化合物を生成する方法は、簡単で効率的である。したがって、化合物I.a、I.b及びIIは、大規模な工業規模で問題なく得ることができる。
- 本発明に従って用いられる一般式I.a、I.b及びIIの化合物は、各々実質的に非毒性のアジピン酸エステル及び/又は2-若しくは3-ヘキセン二酸エステルのジメチル誘導体を表すため毒性が低いと思われる。
本発明の目的のために、「C1〜C6アルキル」という表現は、直鎖又は分岐のC1〜C6アルキル基を含む。これらの中には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1-エチル-2-メチルプロピル等がある。
本発明の目的のために、「C5〜C6シクロアルキル」という表現は、5〜6個、特に6個の炭素原子を有する環状炭化水素を含む。これらの中には、シクロペンチル及びシクロヘキシルがある。
R1部が、非分岐又は分岐のC1〜C4アルキルから互いに独立に選択される、一般式I.a、I.b又はIIの化合物が好ましい。
R1部が、同一であり、非分岐又は分岐のC1〜C4アルキルから選択される、一般式I.a、I.b又はIIの化合物が更に好ましい。
R1部が、同一であり、メチルから選択される、一般式I.a、I.b又はIIの化合物が特に好ましい。
一般式I.aの好ましい化合物の例としては、2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸ジメチル、2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸ジエチル、2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸ジブチル、特に2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸ジメチルが挙げられる。
一般式I.bの好ましい化合物の例としては、2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸ジメチル、2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸ジエチル、2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸ジブチル、特に2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸ジメチルが挙げられる。
一般式IIの好ましい化合物の例としては、2,5-ジメチルヘキサン二酸ジメチル、2,5-ジメチルジメチルヘキサン二酸ジエチル、2,5-ジメチルジメチルヘキサン二酸ジブチル、特に2,5-ジメチルジメチルヘキサン二酸ジメチルが挙げられる。
一般式I.a及びI.bのエステルは、各々式I.a-E及びI.b-Eの純粋なE異性体、若しくは各々式I.a-Z及びI.b-Zの純粋なZ異性体、又はE/Z異性体の混合物のいずれかの形態で存在し得る。
Figure 2017503789
しばしば、一般式I.a及びI.bのエステルは、E/Z異性体の混合物として存在する。更に、化合物I.bのE/Z異性体(I.b-E及びI.b-Z)は、それらの対応するD/L体及びメソ体のジアステレオ異性体の混合物として典型的には存在する。しばしば、D/L体及びメソ体は、10:1〜1:10の範囲の相対量で存在する。
一般式I.a及び/又はI.bの化合物は、式I.a-E及び/又はI.b-EのE異性体として主に存在することが好ましい。より具体的には、本発明に従って用いられる化合物I.a及び/又はI.bのE異性体は、I.a及び/又はI.bのE異性体及びZ異性体の総量に対して、少なくとも60重量%、特に少なくとも80重量%、より特に少なくとも90重量%までの量で存在する。
一般式I.a、I.b及びIIのエステルは、単一化合物として、又は前記エステルを2つ以上含有する混合物として使用できる。
好ましい実施形態において、式I.aの化合物、又はそれと式I.b及び/若しくはIIの化合物との混合物を使用する場合、式I.aの化合物は、化合物I.a、I.b及びIIの総量の少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%を構成する。
別の好ましい実施形態において、式IIの化合物、又はそれと式I.a及び/若しくはI.bの化合物の混合物を使用する場合、式IIの化合物は、化合物I.a、I.b及びIIの総量の少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%を構成する。
また更に好ましい実施形態において、式I.bの化合物、又はそれと式I.a及び/若しくはIIの化合物との混合物を使用する場合、式I.bの化合物は、化合物I.a、I.b及びIIの総量の少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%を構成する。
上に言及した好ましい実施形態は、互いに任意に組み合わせてもよい。
したがって、本発明の特定の実施形態は、R1部が、同一であり、非分岐又は分岐のC1〜C4アルキルから選択される、一般式I.a、I.b及びIIの化合物の混合物であって、化合物I.a及び/又はI.bのE異性体が、I.a及び/又はI.bのE異性体及びZ異性体の総量に対して少なくとも60重量%まで存在し、式I.aの化合物又はその混合物が、化合物I.a、I.b及びIIの総量の少なくとも80重量%を構成する、一般式I.a、I.b及びIIの化合物の混合物に関する。
同様に、本発明の更に特定の実施形態は、R1部が、同一であり、非分岐又は分岐のC1〜C4アルキルから選択される、一般式I.a、I.b及びIIの化合物の混合物であって、式IIの化合物又はその混合物が、化合物I.a、I.b及びIIの総量の少なくとも80重量%を構成する、一般式I.a、I.b及びIIの化合物の混合物に関する。
既に言及したように、一般式I.a、I.b及びIIの化合物が、有利な感覚特性、特に好ましい香気を有することが発見された。より具体的には、本発明に従って用いられる化合物I.a、I.b及びIIは、主としてスイートな、フルーティーな、ハーバルな又は動物的な特徴の強い香気を一般的に示す。これらの化合物、特に一般式I.aの化合物は、当技術分野で昔から公知であったが、香料又はフレーバーとしてのそれらの使用については報告されていなかったため、これは驚くべきことである。
強い香気の印象は、非常に低い気層濃度でも正確に知覚できる、芳香化学物質の特性を意味するとして理解されるべきである。強さは、閾値決定により確認できる。閾値とは、もはやそれを定義する必要はないが、代表のテストパネルが香気印象をまだ知覚できる、当該気層中の物質の濃度である。恐らく最も香気の強いものの1つ、即ち非常に低い閾値を有するものとして公知の物質類は、チオールであり、その閾値は、ppb/cbmの範囲である。新しい芳香化学物質の探索の目的は、できるだけ低い閾値を有する物質を発見して、できるだけ低い使用濃度を可能にすることである。この目標に近づけば近づくほど、「強い」香気の物質又は芳香化学物質について更に論じられる。
「好ましい香気」又は「有利な感覚特性」とは、芳香化学物質により伝わる香気印象の良好性及び正確性を示す快楽の表現である。
「良好性」及び「正確性」とは、当業者である調香師が熟知している用語である。「良好性」とは、自然発生的にもたらされ、肯定的に知覚される、好ましい感覚印象を一般的に指す。しかし、「良好な」は、「スイート」と同義である必要はない。「良好な」は、ムスク又はサンダルウッドの香気を示す場合もある。「正確性」は、自然発生的にもたらされる感覚印象を一般的に指し、それは同じテストパネルに対して、何か具体的なものを再現性よく同様に思い起こさせる。
例えば、物質は、「リンゴ」を自然発生的に連想させる香気を有し得る。その場合には、該香気は正に「リンゴ」の香気である。このリンゴの香気が、例えば、甘い十分に熟したリンゴを連想させるため、非常に好ましい場合、該香気は、「良好な」と称されるであろう。しかし、典型的に酸っぱいリンゴの香気も正確であり得る。物質を嗅いだときに、両方の反応、例えば、良好なリンゴの香気と正確なリンゴの香気が生じる場合、この物質は、特に有利な感覚特性を有している。
本発明は更に、少なくとも1種の芳香化合物、即ち少なくとも1種の香料及び/又は着香料を典型的には含む組成物における、上に定義した一般式I.a、I.b及びIIの化合物又はそれらの混合物の使用に関する。このような組成物としては、例えば、洗濯洗剤、繊維用洗剤、化粧品調製物、他の香料付き衛生物品、例えば、おむつ、生理用ナプキン、汗わきパッド、ペーパータオル、おしぼり、トイレットペーパー、ポケットティッシュ等、食品、食品サプリメント、例えば、チューイングガム又はビタミン製品、香料用ディスペンサー、例えば、室内空気清浄剤、香水、医薬調製物、及び作物保護製品が挙げられる。
典型的には、これらの組成物は、少なくとも1つのエステルI.a、I.b及びII又はそれらの混合物を、場合により1種以上の他の芳香化合物と共に、芳香化合物を事前に含まないか、又は一般式I.a、I.b及びIIの化合物と異なる1種以上の他の芳香化合物を事前に含む、既存の調製物に組み込むことにより配合される。このような組成物は一般的に、感覚特性を有していないか、又は顕著な感覚特性を有していない、化合物、化合物の混合物、又は他の添加剤であってよい担体を更に含む。担体は、顕著な感覚特性を有する化合物若しくは添加剤、又は化合物I.a、I.b及びIIとは異なる1種以上の他の芳香化合物、並びに任意で、感覚特性を有していないか、若しくは顕著な感覚特性を有していない1種以上の化合物を含む化合物の混合物であってもよい。
本発明による組成物で用いられる化合物I.a、I.b及びIIは、配合補助剤の慣用量で通常施用される。より具体的には、化合物I.a、I.b及びIIの施用量は、0.001〜50重量%の範囲、好ましくは0.01〜20重量%の範囲、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
一般式I.a、I.b及びIIのエステル又はそれらの混合物は、洗濯洗剤及び繊維用洗剤、化粧品調製物及び他の香料付き衛生物品での使用を見出すことが好ましい。化粧品調製物、例えば香水でのエステルI.a、I.b及びIIの使用が特に優先される。
本発明は更に、組成物に匂い若しくは風味を付与するか又はそれを改良する方法であって、組成物の匂い若しくは風味を付与するか又はそれを改良する量で、上に定義した式I.a、I.b若しくはIIの化合物又はそれらの混合物を組成物中に含めることを含む、方法に関する。改良に必要とされる化合物I.a、I.b又はIIの総量は各々の感覚特性及び組成物の性質に依存し、したがって広範囲で変化し得る。典型的には、組成物に含まれる化合物I.a、I.b及びIIの総量は、0.001〜50重量%の範囲、好ましくは0.01〜20重量%の範囲である。
一般式I.a、I.b及びIIの強い若しくは正確に匂いを発する物質又はそれらの混合物は、好ましくは香料として用いられる。適切な用途分野は、不快な香気を遮断するためにせよ、目標とする方法である種の香気若しくはある種の香調を発するためにせよ、ある種の香気が所望される用途全てである。
したがって、本発明は更に、一般式I.a、I.b及びIIの化合物並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物と担体材料とを含有する、香料含有組成物及び/又は香料物質に関する。
本発明による香料含有組成物及び/又は香料物質中の少なくとも1つのエステルI.a、I.b及びIIの総濃度は特に制限されていない。それは、その使用目的に応じて広範に変更できる。一般的に、香料の慣用量が用いられる。香料含有組成物及び/又は香料物質中のエステルI.a、I.b及びIIの総量は、典型的には0.001〜20重量%の範囲、好ましくは0.01〜10重量%の範囲である。
担体材料は、上に定義した特性を有する化合物、化合物の混合物又は他の添加剤であってよい。適当な担体材料としては一般的に、液体又は油性担体材料、並びにワックス様又は固体担体材料が挙げられる。
適当な液体又は油性担体材料は、例えば水、アルコール、例えば、エタノール、20℃未満の溶融温度を有するジオール及びポリオール、例えば、エチレングリコール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、環状シロキサン(ケイ素溶液)、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン又はデカメチルシクロペンタシロキサン、植物油、例えば、分留ヤシ油、20℃未満の溶融温度を有する脂肪アルコールエステル、例えば、ミリスチン酸イソプロピルから選択される。
適当なワックス様又は固体担体材料は、例えば、20℃超の溶融温度を有する脂肪アルコール、例えば、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール又はセチルアルコール、20℃超の溶融温度を有する脂肪アルコールのポリオール及びエステル、合成石油由来のワックス、例えば、パラフィンワックス、非水溶性多孔性鉱物、例えば、シリカ、タルク等のシリケート、微孔性アルミナシリケート鉱物(ゼロライト)、ベントナイト等の粘土鉱物、又はトリポリリン酸ナトリウム等のリン酸塩、紙、ボール紙、木、レーヨンステープルファイバー又は繊維フリースの不織布から選択される。
適当な担体材料は、例えば、水溶性ポリマー、例えば、ポリアクリル酸エステル若しくは4級ポリビニルピロリドン、又は水アルコール可溶性ポリマー、例えば、特定の熱可塑性ポリエステル及びポリアミドからも選択される。ポリマー担体材料は、ゲル、ペースト又は水不溶性固体粒子、例えば、マイクロカプセル若しくは脆いコーティングの形態等、様々な形態で存在し得る。
使用目的に応じて、担体材料は、他の添加剤又は補助剤、例えば、界面活性剤又は界面活性剤の混合物、増粘剤、例えば、分子量400〜200000Daのポリエチレングリコール、潤滑剤、結合剤又は凝固剤、例えば、ケイ酸ナトリウム、分散剤、洗浄剤用ビルダー塩、充填剤塩、顔料、染料、光学増白剤、再付着防止剤等を更に含むことができる。
本発明による組成物及び/又は香料物質の典型的な用途としては、洗濯用及び清掃用洗剤の分野、ヒト又は動物の体用、キッチン等の室内、湿度の高い室内、自動車又は重量物運搬車用、本物又は人工プラント用、衣類用、靴及び靴の中敷き用、家具品目用、カーペット用、空気加湿器及び空気清浄器用、香水等の化粧品用の香料の調製が挙げられる。
本発明は、成分Aとして、本発明による使用のための式I.a、I.b及びIIのエステルの少なくとも1つ、より特に、好ましいと考えられている式I.a、I.b及びIIのエステルの少なくとも1つを含み、成分Bとして、香気物質又は芳香物質として公知の少なくとも1種の更なる化合物、例えば、以下の化合物B1〜B11の1種以上を含む、香気物質の組合せも含む:
B1:メチルジヒドロジャスモネート(例えば、ヘディオン)
B2:4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン[例えば、Galaxolide(商標)]
B3:2-メチル-3-(4-tertブチルフェニル)プロパナール[Lysmeral(商標)]
B4:2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール(シクラメンアルデヒド)
B5:2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール(ジヒドロミルセノール)
B6:3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)
B7:3,7-ジメチル-トランス2,6-オクタジエン-1-オール(ゲラニオール)
B8:2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン[Iso E Super(商標)]
B9:α-ヘキシルシンナムアルデヒド
B10:3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール(シトロネロール)
B11:α-又はβ-又はδ-ダマスコン。
香気物質の適当な配合は、例えばJP11-071312 A、[0090]〜[0092]項に開示されている配合である。JP11-035969 A、[0039]〜[0043]項の配合も同様に適している。
本発明は更に、
i.少なくとも1種のN-複素環式カルベン触媒の存在下で、一般式III
Figure 2017503789
(式中、R1'は、R1に対して与えられた意味の1つを有する)
のメタクリル酸エステルを二量化し、R1がR1'の意味を有する一般式I.a若しくはI.bの化合物又はそれらの混合物を生成するステップと
ii.接触水素化(catalytic hydrogenation)して、R1がR1'の意味を有する、一般式(II)の化合物を生成するステップと
を含む、上に定義した式IIの化合物又はその混合物を調製する方法を提供する。
R1部及びR1'部の適当で好ましい実施形態に関して、上に提供された開示内容が優先される。
二量化反応(ステップi)は、当技術分野で主に知られている。適当な反応条件は、例えばMatsuoka等、Org. Lett. 2011年、13(14)巻、3722〜5頁及びBiju等、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2011年、50(36)巻、8412〜5頁で説明されている。
モノマー化合物IIIの二量化を触媒するために使用できる適当なN-複素環式カルベン触媒、及びその生成方法は、例えばEP0587044 A2及びEnders等、Angew. Chem. Int. Ed. 1995年、34(9)巻、1021〜1023頁で説明されている。
好ましくは、N-複素環式カルベン触媒は、一般式V
Figure 2017503789
(式中、R2及びR3は、C1〜C6アルキル、アリール及びヘテロアリールからなる群から独立に選択され、そこでアリール及びヘテロアリールは、置換されていないか、又はC1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される1、2、3若しくは4個の基により置換されており、
R4は、C1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、-NR5R6、ハロゲン、アリールオキシ、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、そこでアリールオキシ、アリール及びヘテロアリールは、置換されていないか、又はC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される1、2、3若しくは4個の基により置換されており、
R5は、水素、C1〜C12アルキル及びアリールからなる群から選択され、
R6は、C1〜C12アルキル及びアリールからなる群から選択される)
の化合物から選択される。
より好ましくは、本発明による方法の二量化のステップで用いられるN-複素環式カルベン触媒は、R2、R3及びR4が、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される1、2又は3個の基により場合により置換されていてもよいフェニルから独立に選択される、一般式Vの化合物から選択される。
置換基R2、R3及びR4がフェニルである、一般式VのN-複素環式カルベン触媒が特に好ましい。
典型的には、N-複素環式カルベン触媒は、一般式(IV)
Figure 2017503789
(式中、R2、R3及びR4は上に定義した通りである)
のメトキシトリアゾリン前駆体を任意の希釈剤の不在下で減圧下で加熱することにより、該前駆体(IV)からin-situ生成される。
前駆体IVからのカルベン触媒Vのin-situ生成で印加される圧力は、好ましくは0.01〜10mbarの範囲、特に0.1〜5mbarの範囲である。
前駆体IVからのカルベン触媒Vのin-situ生成に用いられる温度は、20〜200℃、好ましくは40〜160℃、特に50〜110℃の範囲である。
一般的に、N-複素環式カルベン触媒(V)は、式IIIのメタクリル酸エステルに対して0.1〜10mol%、好ましくは0.5〜5mol%の量で用いられる。
二量化反応は、20〜200℃、好ましくは40〜160℃、特に50〜110℃の温度範囲で通常行われる。
二量化反応は、周囲圧力で又は減圧若しくは加圧で一般的に行われ得る。二量化反応は周囲圧力又は減圧で行われるのが好ましい。
二量化反応は、任意の追加の溶媒の不在下又は有機溶媒の存在下で行われ得る。
二量化反応が溶媒の存在下で行われる場合、使用する有機溶媒は反応条件下で不活性であることが好ましい。これらの中には、例として、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、並びに芳香族及び置換芳香族の炭化水素及びエーテルがある。溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジブチルエーテル、THF、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン及びそれらの混合物から選択されるものが好ましい。
二量化反応が、不活性有機溶媒の存在下で行われる場合、反応混合物中の溶媒の量は、化合物IIIの量に対して好ましくは10重量%未満である。
二量化反応は、不活性ガスの不在下又は存在下で行われ得る。不活性ガスという表現は、優勢な反応条件下で、反応に参加する出発原料、試薬若しくは溶媒と、又は得られた生成物との任意の反応に参加しないガスを一般的に意味する。二量化反応は、任意の不活性ガスを加えずに行われることが好ましい。
二量化反応の終了後、任意の未変換出発原料(化合物III)は、例えば、蒸留により、反応混合物から好ましくは除去される。この目的のために必要な蒸留塔は一般的に、二量化反応器に直接連結されており、前記塔は、そこに直接結合しているのが好ましい。所望される場合、回収した出発原料(化合物III)を次の反応で使用してもよい。
典型的には、二量化生成物は、蒸留により又はクロマトグラフ法を用いることにより更に精製される。好ましくは、生成物I.a.及びI.bは蒸留により精製される。
本発明の方法(ステップi.)の二量化反応により、エステル化合物I.a.及びI.bが高い収率及び選択性で得られる。特に、2-メチル-5-メチレンヘキサン二酸エステルは、二量化生成物の純度及び組成を分析するために用いられるガスクロマトグラフ法の検出限界内では検出できない。使用するガスクロマトグラフ分析システムの検出限界は、約10重量ppmであると推定される。
本発明の方法のステップiiに相当する、不飽和二量化生成物I.a及びI.bの触媒水素化は、当業者に周知の二重結合を水素化するための方法及び触媒を用いて行われる。
二重結合を水素化するのに適当な触媒は、例えば、支持材料に典型的には付着している、元素周期表の第8遷移族の少なくとも1種の金属、例えば、白金、ロジウム、パラジウム、コバルト、ニッケル若しくはルテニウム、好ましくはルテニウムを単独で、又は元素周期表の第1若しくは第7遷移族からの少なくとも1種の金属、例えば、銅若しくはルテニウムと一緒に含む、触媒である。適当な支持材料としては、例として二酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、硫酸化二酸化ジルコニウム、炭化タングステン(WC)、二酸化チタン(TiO2)、硫酸化カーボン、活性炭、珪藻土、粘土、酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、アルミノシリケート、例えば、ゼオライト、リン酸化酸化アルミニウム(phosphated aluminum oxide)、二酸化ケイ素又はそれらの組合せが挙げられる。また、他の適当な触媒としては、ラネー触媒、好ましくはラネーニッケルが挙げられる。
水素化は、水素化可能な基を有する有機化合物を水素化するための、公知の水素化方法と同様に行われ得る。この目的のために、液相又は気相の形態、好ましくは液相の形態の有機化合物を、水素の存在下で触媒と接触させる。例として、液相を流動触媒床に通してもよく(流動床法)、又は固定触媒床に通してもよい(固定床法)。
本発明の方法において、水素化は、固定床反応器で行われるのが好ましい。
水素化は、連続又はバッチ式のいずれかで行われるように設計されてもよく、ここでは、連続様式の方法が優先される。バッチ式水素化では、撹拌反応器等、この目的のために従来用いられる反応装置が使用できる。本発明の水素化は、固定床反応器で上昇モード又は下降モードで連続して行われることが好ましい。ここで水素は、水素化される出発原料溶液と並流又は向流で触媒を通過させることができる。
流動触媒床での水素化及び固定触媒床での水素化を行うのに適当な装置は、例えば、Ullmanns Enzyklopadie der Technischen Chemie [Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry]、第4版、13巻、135ff頁及びP.N. Rylander、“Hydrogenation and Dehydrogenation" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、CD-ROM版から当技術分野で公知である。
水素化は、高い水素圧下で一般的に行われる。2〜400bar、特に5〜300barの範囲の水素圧力が優先される。
水素化は、水素化条件下で不活性である有機溶媒の存在下で行われることが好ましい。適当な溶媒としては、二量化反応で先に定義したものが挙げられる。具体的には、エーテル、例えばTHF、或いはジアルキレングリコール又はそれらのモノエーテル若しくはジエーテル、例えばグリムが用いられる。
水素化は、20〜300℃、特に好ましくは40〜200℃の範囲の温度で行われる。
水素化で用いられる水素の量は一般的に、飽和エステルI.a及びI.bの二重結合の完全な水素化に理論上必要とされる、水素の化学量論量の1〜15倍である。
本発明の方法のステップiiの一つの好ましい実施形態において、水素化は、0.1〜10重量%の量で施されるラネー触媒、特にラネーニッケルを用いて、不活性溶媒の存在下で、10〜150barの水素圧下で、50〜150℃の温度にて行われる。
本発明による方法は、式I.a、I.b及びIIの化合物並びにそれらの混合物に、式R1-OH(式中、R1は上に定義された通りであるが、二量化で用いられる式IIIのメタクリル酸エステルのR1'基とは異なる)のアルコールによるエステル交換を行うことを更に含む。
当業者に公知の従来の方法が、エステル交換反応で使用できる。
本発明による方法で用いられるエステル交換は、適当なエステル交換触媒の存在下で典型的には行われる。適当なエステル交換触媒は、エステル交換反応で通常用いられる従来の触媒であり、これらはエステル化反応でも主として用いられる。これらの中には、例として、鉱酸、例えば、硫酸及びリン酸;有機スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸;スズ(IV)触媒、例えばジカルボン酸ジアルキルスズ、例えばジ酢酸ジブチルスズ、トリアルキルスズアルコキシド、モノアルキルスズ化合物、例えば二酸化モノブチルスズ、スズ塩、例えば酢酸スズ又は酸化スズの群からの特定の金属触媒、チタン触媒、チタン酸モノマー及びポリマー、並びにチタンキレート、例えばオルトチタン酸テトラエチル、オルトチタン酸テトラプロピル、オルトチタン酸テトラブチル、チタン酸トリエタノールアミンの群からの特定の金属触媒;ジルコニウム触媒、例えばジルコン酸塩及びジルコニウムキレート、例えばジルコン酸テトラプロピル、ジルコン酸テトラブチル、ジルコン酸トリエタノールアミンの群からの特定の金属触媒;またリチウム触媒、例えばリチウム塩、リチウムアルコキシド;並びにアセチルアセトン酸アルミニウム(III)、アセチルアセトン酸クロム(III)、アセチルアセトン酸鉄(III)、アセチルアセトン酸コバルト(III)、アセチルアセトン酸ニッケル(II)及びアセチルアセトン酸亜鉛(II)がある。
使用するエステル交換触媒の量は、0.001〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。反応混合物を反応混合物の沸点まで加熱するのが好ましく、したがって反応温度は、反応物に応じて20℃〜200℃である。
エステル交換は、周囲圧力で又は減圧若しくは加圧で行われ得る。エステル交換は、0.001〜200bar、特に0.01〜5barで行われるのが好ましい。エステル交換中に排出される比較的低沸点のアルコールは、エステル交換反応の平衡を移動させるために、蒸留により好ましくは連続的に除去される。この目的のために必要な蒸留塔は一般的に、エステル交換反応器に直接連結されており、前記塔は、そこに直接結合しているのが好ましい。複数のエステル交換反応器を順番に使用する場合、前記反応器各々が、蒸留塔を有していてもよく、又は蒸発したアルコール混合物が、好ましくは、1本以上の集水管を経由してエステル交換反応器カスケードの最終タンクから蒸留塔に導入されてもよい。前記蒸留で再生される比較的高沸点のアルコールは、エステル交換に戻されるのが好ましい。
両性触媒を使用する場合、これは一般的に、加水分解により首尾よく除去され、次いで形成された金属酸化物が、例えば、濾過により除去される。いったん反応が行われたら、触媒は水で洗浄することにより加水分解され、沈殿した金属酸化物は、濾過により除去されるのが好ましい。所望される場合、濾過液に、生成物の分離及び/又は精製のための更なる処理を行ってもよい。生成物は、蒸留により分離されることが好ましい。
エステル交換は、追加の有機溶媒の不在下又は存在下で行われ得る。エステル交換は不活性有機溶媒の存在下で行われることが好ましい。適当な有機溶媒としては、二量化反応について上で言及したものが挙げられる。これらの中には、具体的にはトルエン及びTHFがある。
エステル交換は、50〜200℃の温度範囲で好ましくは行われる。
エステル交換は、不活性ガスの不在下又は存在下で行われ得る。エステル交換は任意の不活性ガスを加えずに行われることが好ましい。
以下の実施例は本発明の更なる説明を提供する。これらの数値及び実施例は、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
[実施例]
I)ガスクロマトグラフ分析
GCシステム及び分離法
GCシステム:Agilent7890A
GC塔:HP-5[60m(長さ)、0.32mm(ID)、1.0μm(膜厚)]
温度プログラム:5℃/分で100℃〜225℃、225℃で10分、5℃/分で225℃〜280℃まで
II)製造例
[実施例II.1]
メタクリル酸メチルの二量化による2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸及び2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸のジメチルエステルの合成
II.1.1 N-複素環式カルベン触媒の生成
3-メトキシ-2,4,5-トリフェニル-3H-1,2,4-トリアゾール6.53g(0.02mol)を、加熱ジャケット、機械的撹拌棒、及び冷却トラップが組み込まれた真空ラインを備えた、ガラス反応器に入れた。固体を80℃にて真空下(約1mbar)で20時間加熱した。得られたカルベン触媒を、処理又は精製せずに二量化反応で直接使用した。
II.1.2 二量化反応
実施例II.1.1に従って調製したカルベン触媒0.02molに、メタクリル酸メチル100g(1.0mol、Aldrich Chemicalsから入手)を加えた。次いで、得られた溶液を80℃で4時間加熱した。未変換メタクリル酸メチルを、減圧下で蒸留除去し、残りの生成物を精留(沸点:85℃、<1mbar)して、以下の組成の2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸及び2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸のメチルエステル(=生成物I)48g(収率48%)を得た。
Figure 2017503789
メチルエステル組成物(生成物I)の純度は99.7%であった。
二量化生成物の純度及び組成を、ガスクロマトグラフィー並びに1H-及び13C-NMRを用いて決定した。
[実施例II.2]
2,5-ジメチルアジピン酸ジメチルの合成
実施例II.1のメチルエステル組成物(生成物I)100g(0.5mol)を水素化反応器に入れ、ラネーニッケル5重量%を加えた。混合物を100℃にて30barの水素圧下で2時間加熱した。この後、反応混合物を濾過し、純度99.7%の2,5-ジメチルアジピン酸ジメチル100g(収率99%)を生成した。生成物(=生成物2)の純度を、ガスクロマトグラフィー並びに1H-及び13C-NMRを用いて決定した。
[実施例II.3]
実施例II.1の二量化生成物(生成物I)のエステル交換による2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸及び2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸のジエチルエステルの合成
2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸及び2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸のジエチルエステルを、当業者に周知の標準的なエステル交換手順により、実施例II.1の二量化生成物(生成物I)及びエタノールから調製した。エステル交換反応の終了後、未精製のエステル交換生成物を分別蒸留(沸点:93℃、<1mbar)により精製し、そこで生成物Iのジエチルエステルが、純度97.1%で透明な無色の液体の形態で得られた。最終生成物の同一性及び純度は、GC-MSにより決定した。
[実施例II.4]
実施例II.1の二量化生成物(生成物I)のエステル交換による2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸及び2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸のジブチルエステルの合成
2,5-ジメチル-2-ヘキセン二酸及び2,5-ジメチル-3-ヘキセン二酸のジブチルエステルを、当業者に周知の標準的なエステル交換手順により、実施例II.1の二量化生成物(生成物I)及びn-ブタノールから調製した。エステル交換反応の終了後、未精製のエステル交換生成物を分別蒸留(沸点:136℃、<1mbar)により精製し、そこで生成物Iのジブチルエステルが、純度99.8%で透明な無色の液体の形態で得られた。最終生成物の同一性及び純度は、GC-MSにより決定した。
[実施例II.5]
実施例II.2の生成物(生成物II)のエステル交換による2,5-ジメチルアジピン酸ジエチルエステルの合成
2,5-ジメチルアジピン酸ジエチルエステルを、当業者に周知の標準的なエステル交換手順により、実施例II.2の二量化生成物(生成物II)及びエタノールから調製した。エステル交換反応の終了後、未精製のエステル交換生成物を分別蒸留(沸点:71℃、<1mbar)により精製し、そこで生成物IIのジエチルエステルが、純度98.1%で透明な無色の液体の形態で得られた。最終生成物の同一性及び純度は、GC-MSにより決定した。
[実施例II.6]
実施例II.2の生成物(生成物II)のエステル交換による2,5-ジメチルアジピン酸ジブチルエステルの合成
2,5-ジメチルアジピン酸ジブチルエステルを、当業者に周知の標準的なエステル交換手順により、実施例II.2の二量化生成物(生成物II)及びn-ブタノールから調製した。エステル交換反応の終了後、未精製のエステル交換生成物を分別蒸留(沸点:123℃、<1mbar)により精製し、そこで生成物IIのジブチルエステルが、純度99.8%で透明な無色の液体の形態で得られた。最終生成物の同一性及び純度は、GC-MSにより決定した。
III)匂い紙試験
本発明に従って用いられる化合物I.a、I.b及びIIの香気の質及び強さを評価するために、匂い紙試験を行った。
この目的のために、吸収紙の細片を、実施例II.1〜II.6に従って調製したエステルI.a、I.b及びIIを0.01〜10重量%含有する溶液に浸した。溶媒の蒸発後(約5秒〜10秒)、訓練を受けた調香師が匂いの印象を嗅覚的に評価した。
III.1:本発明に従って用いられた不飽和エステル(生成物Iのエステル)の匂い紙試験の結果
Figure 2017503789
Figure 2017503789
Figure 2017503789
III.2:本発明に従って用いられた飽和エステル(生成物IIのエステル)の匂い紙試験の結果
Figure 2017503789
Figure 2017503789
Figure 2017503789

Claims (14)

  1. 一般式I.a、I.b若しくはII
    Figure 2017503789
    (式中、R1は、同一又は異なり、C1〜C6アルキル及びC5〜C6シクロアルキルからなる群から選択される)
    の化合物又はそれらの混合物の、香料又はフレーバーとしての使用。
  2. 両方のR1がC1〜C4アルキルから選択される、請求項1に記載の使用。
  3. 両方のR1が同一である、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 両方のR1がメチルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 式I.aの化合物、又はそれと式I.b及び/若しくはIIの化合物との混合物を使用する場合、式I.aの化合物が、化合物I.a、I.b及びIIの総量の少なくとも80%を構成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 式I.a及び/又はI.bの化合物が、式I.a-E及び/又はI.b-E
    Figure 2017503789
    (式中、R1は、請求項1から4のいずれか一項に記載の式I.a及び/又はI.bについて定義した通りである)
    のE異性体として主に存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 式IIの化合物、又はそれと式I.a及び/若しくはI.bの化合物との混合物を使用する場合、式IIの化合物が、化合物I.a、I.b及びIIの総量の少なくとも80%を構成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  8. 式I.bの化合物、又はそれと式I.a及び/若しくはIIの化合物との混合物を使用する場合、式I.bの化合物が、化合物I.a、I.b及びIIの総量の少なくとも80%を構成する、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。
  9. 式I.a、I.b若しくはIIの化合物又はそれらの混合物が、担体を更に含む組成物に組み込まれる、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記組成物が、洗濯洗剤、繊維用洗剤、化粧品調製物、香料付き衛生物品、食品、食品サプリメント、香料用ディスペンサー、香水、医薬調製物及び作物保護組成物から選択される、請求項9に記載の使用。
  11. 組成物に匂い若しくは風味を付与するか又はそれを改良する方法であって、組成物の匂い若しくは風味を付与するか又はそれを改良する量で、請求項1から10のいずれか一項に記載の式I.a、I.b若しくはIIの化合物又はそれらの混合物を組成物に組み込むことを含む、上記方法。
  12. 一般式I.a、I.b及びIIの化合物並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物と担体材料とを含有する、香料含有組成物及び/又は香料物質。
  13. 請求項1から4又は7のいずれか一項に記載の式IIの化合物を調製する方法であって、
    i.少なくとも1種のN-複素環式カルベン触媒の存在下で、一般式III
    Figure 2017503789
    (式中、R1'は、R1に対して与えられた意味の1つを有する)
    のメタクリル酸エステルを二量化し、R1がR1'の意味を有する一般式I.a若しくはI.bの化合物又はそれらの混合物を生成するステップと
    ii.接触水素化して、R1がR1'の意味を有する一般式(II)の化合物を生成するステップと
    を含む、上記方法。
  14. 式I.a、I.b及びIIの化合物並びにそれらの混合物に、式R1-OH(式中、R1は上に定義された通りであるが、二量化で用いられる式IIIのメタクリル酸エステルのR1'基とは異なる)のアルコールによるエステル交換を行うことを更に含む、請求項13に記載の方法。
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