JP2017500429A - 海産油、動物油または植物油の酸化安定化のための抗酸化組成物 - Google Patents

海産油、動物油または植物油の酸化安定化のための抗酸化組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、海産油、動物油または植物油、特に、多価不飽和脂肪酸の豊富な油の酸化安定化のための抗酸化組成物に関する。上記目的のため、本発明は、(a)実質的にリン脂質からなる混合物と、(b)少なくとも1種の他の抗酸化化合物とを含み、実質的にリン脂質からなる混合物(a)は、該混合物の全重量に対して、−リン脂質の合計含有量が85重量%以上であり、−ホスファチジルコリンの含有量が40重量%以上であり、−糖質および糖脂質の含有量が8重量%以下である、ことを特徴とする、抗酸化組成物を提案する。【選択図】なし

Description

本発明は、海産油、動物油または植物油、特に、多価不飽和脂肪酸の豊富な油の酸化安定化のための抗酸化組成物に関する。
様々な化学反応機構が、食用油が製造中または保存中に酸化する要因となる。この酸化の対象となるのは上記食用油中の脂質である。
酸化現象は複雑なものであるが、特に、不飽和脂肪酸の二重結合に酸素が固着することを伴う。その結果、酸素添加された反応性誘導体、過酸化物およびヒドロ過酸化物が形成され、アルデヒド、アルコールおよびケトン型の分子の出現をもたらす不安定な化合物が形成される。
このように、酸化は、油の官能的および栄養的特性に影響を及ぼすことで、その劣化に関与している。このような変性は、官能的レベルの面では、匂いの変化、味の変化、さらには油自体の変化をもたらす。品質的レベルの面では、劣化した油は、ガン、アレルギーまたは心臓病といった症状の発現に関与する。
酸化現象は、油を含む製品が開封される結果としてこの油に空気が混入すること、あるいは、光および温度によって増幅される。さらに、多価不飽和脂肪酸の量といった固有の要素も酸化を促進する要素の一部となる。油における多価不飽和脂肪酸含有量が高いほど、後者の酸化に対する感受性が高くなる。
例として、海産物由来の油、例えば魚油は、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサペンタエン酸(DHA)等のオメガ−3脂肪酸が豊富である。現在、これらの油は、ヒトの健康に優れた効果をもたらすことでよく知られている。しかし、これらの油は、酸化に対する感受性が極めて高いため、食品における使用は制限されている。
上記の問題を克服するため、抗酸化化合物が特定され、抗酸化組成物が開発されてきている。抗酸化化合物は、水素原子および電子を提供することで脂質酸化の連鎖に作用する。例えば、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)やブチルヒドロキシトルエン(BHT)といった合成抗酸化剤が提案されている。しかし、現在においては、消費者は、健康にとってより良いと考えられる天然由来の製品を期待している。そのため、天然由来の抗酸化化合物の発見に関して集中的に研究がなされている。
天然の抗酸化化合物のソースとしては数多くのものがある。例えば、油類または植物がソースとなり得る。そのような化合物の例として、トコフェロール、アスコルビン酸、カロテノイド、カルノシン酸またはロズマリン酸等のフェノール酸、フラボノイド、およびカテキンが挙げられる。
安定化対象の油におけるこれらの化合物の抗酸化作用は、これらの化合物を組み合わせて添加することで特に効果的になる。例えば、魚油を安定化させるためにトコフェロール、アスコルビン酸およびレシチンの組み合わせを使用するというように、抗酸化化合物のいくつかの組み合わせについて相乗的効果が確認されている。
レシチンは抗酸化剤として頻繁に用いられている。ここで「レシチン」との用語は、リン脂質化合物、トリグリセリド、糖質および糖脂質の混合物を意味する。残念ながら、レシチンは、いったん油に添加されると、均一な混合物を得ることができず、容器の底に堆積する傾向があることが確認されている。そのような状況においては、レシチンは、抗酸化剤の役割を果たすことができない。
本発明の目的の一つは、上述の問題点をもたない抗酸化化合物、特に、堆積物を形成せず、当該化合物が添加された油の脂質酸化を有効に遅らせる抗酸化化合物を提供することにある。
上記の目的のため、本発明は、酸化にさらされる油を安定化させるための抗酸化組成物に関し、本発明に係る該組成物は、(a)実質的にリン脂質からなる混合物と、(b)少なくとも1種の他の抗酸化化合物とを含み、上記実質的にリン脂質からなる混合物(a)は、該混合物の全重量に対して、
−リン脂質の合計含有量が85重量%以上であり、
−ホスファチジルコリンの含有量が40重量%以上であり、
−糖質および糖脂質の含有量が8重量%以下である、
ことを特徴とする。
本発明の好適な一実施形態によれば、上記混合物(a)以外の抗酸化化合物(b)は、カルノシン酸である。
実際、本発明との関連で、かつ、以下の実施例によって示されるように、ホスファチジルコリンが豊富な、本発明に係るリン脂質の混合物(a)は、カルノシン酸と組み合わせることで相乗的な抗酸化効果をもたらすことが分かった。
実質的にリン脂質からなる上記混合物(a)は、糖質および糖脂質の含有量が8%以下であるという利点を持つ。同様に、上記混合物(a)は、ホスファチジルコリン含有量が40%以上である限り、リン脂質として、ホスファチジルコリン以外のリン脂質を含んでよい。
そこで、本出願人の会社は、実質的にリン脂質からなる混合物中のホスファチジルコリン含有量が、添加対象の油に堆積物を形成しない化合物を得る上で決定的な要素であったことを確認した。さらに、糖質および糖脂質の量を一定の閾値より低く維持することも、油中の堆積物および相分離の抑制に寄与する。
本発明の趣旨において、(実質的にリン脂質からなる)混合物(a)と併用される他の抗酸化化合物(b)それ自体は、リン脂質ではない。
好ましくは、実質的にリン脂質からなる混合物は、
−リン脂質の合計含有量が90%以上であり、
−ホスファチジルコリンの含有量が50%以上、好ましくは60%以上であり、
−糖質および糖脂質の含有量が5%以下である。
ここで、上記各含有量は、混合物の全重量に対する重量として表したものである。
上記組成物は、したがって、実質的にリン脂質からなる上記混合物(a)に加えて、少なくとも1種の抗酸化化合物(b)を含み、その抗酸化化合物(b)は、カルノシン酸またはロズマリン酸等のフェノール酸、カルノソールまたはロスマノール等のフェノール、トコフェロール化合物またはトコフェロール誘導体、アスコルビン酸またはパルミチン酸アスコルビル等のアスコルビン酸誘導体、緑茶等の植物から抽出されたポリフェノール、またはその他の任意の公知の天然由来の抗酸化化合物から選択される。
本発明の関連で使用されるトコフェロールまたはビタミンEは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロールまたはδ−トコフェロール、もしくはこれら異性体の任意の混合物であってよい。トコフェロール試料は広く市販されている。トコフェロール誘導体としては、酢酸トコフェロールのようなエステル類を挙げることができる。
パルミチン酸アルコルビルは、アスコルビン酸とパルミチン酸との間で形成されるエステルである。パルミチン酸アスコルビル試料またはアスコルビン酸試料は広く市販されている。
本発明の関連で使用されるポリフェノールは、遊離またはエステル化ポリフェノールであり、好ましくは緑茶から抽出される。これらは、好ましくは、70〜80重量%のカテキンを含有する緑茶抽出物の形態で添加されるポリフェノールである。
好ましくは、本実施形態によれば、抗酸化組成物は、4〜90重量%の上記リン脂質の混合物(a)と、0.25〜25重量%、好ましくは、0.25〜10重量%のカルノシン酸とからなる。
別の実施形態によれば、上記組成物は、上記リン脂質の混合物(a)に加えて、他の抗酸化化合物(b)として、カルノシン酸と、トコフェロール化合物またはトコフェロール誘導体とを含む。
好ましくは、この実施形態によれば、上記抗酸化組成物は、4〜90重量%の上記リン脂質の混合物と、0.25〜25重量%のカルノシン酸と、2〜60重量%のトコフェロールまたは誘導体とからなる。
さらに別の実施形態によれば、上記組成物は、上記リン脂質の混合物に加えて、他の抗酸化化合物として、カルノシン酸と、トコフェロール化合物と、パルミチン酸アスコルビルとを含む。
好ましくは、この実施形態によれば、上記抗酸化組成物は、4〜90重量%の上記リン脂質の混合物と、0.25〜25重量%のカルノシン酸と、2〜60重量%のトコフェロールと、0.2〜12重量%のパルミチン酸アスコルビルとで構成される。
本発明の関連で使用されるカルノシン酸は、例えば、カルノシン酸4〜80%、好ましくは70%に滴定されたローズマリー(Rosmarinus officinalis)抽出物の形態で存在すると有利である。
本発明に係る組成物は、例えば、選択された抗酸化化合物を必要に応じて脂溶性とすることができる溶剤または界面活性剤等の任意の成分をさらに含み得る。これは、特に、カテキン等の緑茶から抽出された遊離ポリフェノールを使用する場合に必要となり得る。
本発明はまた、酸化に関して安定化させることを意図した油であって、上述の抗酸化組成物を含む油に関する。
酸化に関して安定化させることを意図した油は、多価不飽和脂肪酸が豊富な油、特にオメガ−3脂肪酸またはオメガ−6脂肪酸が豊富な油である。
安定化させる油は、食用油、製薬用油、または化粧用油であってよい。また、植物由来の油、魚油や微細藻類油等の海産物由来の油、または動物由来の油であってよい。
本発明に係る抗酸化組成物は、50〜20,000ppmの質量濃度で油に添加される。この濃度は、安定化させる油における脂肪酸の化学的性質に従って選択される。
同様に、抗酸化組成物がローズマリー抽出物の形態のカルノシン酸を含む場合、添加される抗酸化組成物の量は、ローズマリー抽出物のカルノシン酸滴定に依存する。
一実施形態によれば、油は、40〜500ppmのカルノシン酸と、900〜10,000ppmの上述の実質的にリン脂質からなる混合物とを含む。
一実施形態によれば、油は、40〜500ppmのカルノシン酸と、900〜10,000ppmの上述の実質的にリン脂質からなる混合物と、500〜5000ppmのトコフェロール化合物とを含む。
さらに別の実施形態によれば、油は、40〜500ppmのカルノシン酸と、900〜10,000ppmの上述の実質的にリン脂質からなる混合物と、500〜5000ppmのトコフェロール化合物と、200〜2000ppmのパルミチン酸アスコルビルとを含む。
以下の実施例によって本発明をさらに説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
抗酸化剤混合物の濃度を高め、これらの混合物により安定化させた魚油について行ったランシマット試験による酸化安定性の測定
エイコサペンタエン酸(EPA)18%、ドコサヘキサエン酸(DHA)12%を含む魚油(油の名称:1812TG)、DHA25%を含むマグロ油(油の名称:Thon Fless 25 DGA TG)、およびDHA60%を含むマグロ油(油の名称:60 DHA TG)に対し、以下の抗酸化化合物を添加した。
−カルノシン酸(Silver Ice:フランス、ポラリス社)およびトコフェロール(Oxynat 70IP、トコフェロール70%、ポラリス社)
−カルノシン酸およびリン脂質の混合物
−カルノシン酸およびリン脂質の混合物+パルミチン酸アスコルビル
−トコフェロールおよびパルミチン酸アスコルビル
−カルノシン酸およびリン脂質の混合物+トコフェロール
−カルノシン酸および大豆レシチン+トコフェロール+パルミチン酸アスコルビル
−カルノシン酸+トコフェロール+パルミチン酸アスコルビル
−トコフェロール
*本発明に係る実質的にリン脂質からなる混合物であって、合計90%のリン脂質、50%のホスファチジルコリン、ならびに5%未満の糖質および糖脂質を含む(以下の表1における混合物(a))。
油を30℃に加熱後、ここに抗酸化剤を添加し、中性ガス(窒素またはアルゴン)の下で混合する。
ランシマット試験
ランシマット試験(ISO6886)は、様々な脂肪(油、または脂肪を含む製品)の酸化に対する耐性を測定することでこれら脂肪の安定性を比較することを可能にする。規格値Ti(ランシマット試験における誘導時間であって、単位:時間で表される)は、脂肪が酸化ストレスに耐えた時間に相当する。この試験の原理は、集中的に空気をバブリングさせた中、脂肪を98℃で熱分解させることにより加速的に経時変化させることからなる。この強制的酸化の分解生成物である有機酸は、空気流によって移送され、蒸留水を充填した測定セルに収集される。電気伝導度測定法によって誘導時間が求められ、これがTiに相当する(Les technologies de laboratoire, n° 2 January 2007)(装置:Rancimat 679 Metrohm)。
魚油について調べた抗酸化剤混合物に関するランシマット試験の結果を表1に示す。各抗酸化化合物の質量は、ppm(油の全重量に対する重量)で表している。
活性指数=安定化された油の誘導時間(Ti)/安定化されなかった油の誘導時間(Ti)
混合物(a):本発明に係る実質的にリン脂質からなる混合物
EPA18%およびDHA12%を含む油(1812TG)について、以下の混合物を比較すると下記の点も分かる。
−抗酸化化合物がない場合、誘導時間Tiは4.7時間である。
−カルノシン酸を添加すると、誘導時間Tiは12.7時間である。
このことはカルノシン酸の抗酸化効果を示している。
−カルノシン酸+40(重量)%超のホスファチジルコリンを含む本発明に係るリン脂質の混合物では、Tiは36.2時間である。
カルノシン酸と、本発明に係るホスファチジルコリンを多く含むリン脂質の混合物との間には、酸化に対する耐性に関して相乗的効果があることが確かである。
−カルノシン酸+トコフェロールでは、Tiは18.7時間である。
−カルノシン酸+トコフェロール+本発明に係るリン脂質の混合物(a)では、Tiは51.3時間であり、したがって、これは、同じ組み合わせであるが本発明に係るリン脂質の混合物を含まない場合のTi値よりもはるかに高い数値である。このことは、リン脂質の混合物の相乗的効果を示している。
−トコフェロール+本発明に係るリン脂質の混合物(a)では、Tiは23.4時間である。
−トコフェロール+本発明に係るリン脂質の混合物(a)+カルノシン酸では、Tiは51.3時間である。
カルノシン酸と、トコフェロールと、本発明に係るホスファチジルコリンを多く含むリン脂質の混合物との間には、酸化に対する耐性に関して相乗的効果があることが確かである。
−カルノシン酸+トコフェロール+パルミチン酸アスコルビルでは、Tiは24.4時間である。
−カルノシン酸+トコフェロール+パルミチン酸アスコルビル+本発明に係るリン脂質の混合物(a)では、Tiは91.4時間である。
混合物(a)の添加後、Tiが4倍近くになっていることから、これらの成分の間において本発明に係る混合物(a)を添加することにより発生する相乗的効果があることが直ちに分かる。
−カルノシン酸+トコフェロール+パルミチン酸アスコルビル+大豆レシチンでは、Tiは38.5時間である。
カルノシン酸、トコフェロールおよびパルミチン酸アスコルビルからなる混合物にホスファチジルコリン源として大豆レシチンを添加することで、Tiは24.4から38.5に増加する。しかし、本発明に係る混合物はこれよりはるかに良好な結果(91.4)をもたらす。
最終的に、40(重量)%超のホスファチジルコリンを含むリン脂質の混合物(a)を含む油において、容器の底部に堆積物が認められることはなく、相分離が認められることもない。一方、大豆レシチンに基づく混合物を含む油では堆積物および相分離が観察される。このことは、本発明に係るリン脂質の混合物が、大豆レシチンによって得られるものに比べて極めて優れた抗酸化効果を得ることを可能にするだけでなく、油の安定性についても注目に値することを示している。
DHA25%を含む油(Thon Fless 25 DHA TG)について
いずれの抗酸化化合物も含まない場合、誘導時間は6.6時間である。カルノシン酸とトコフェロールとの混合物を油に添加すると、Tiは8.2時間に増大する。カルノシン酸と、トコフェロールと、40(重量)%超のホスファチジルコリンを含むリン脂質の混合物とからなる混合物が油に含まれていると、Tiはさらに46.2時間まで増大する。ホスファチジルコリンを多く含むリン脂質の混合物の存在によって発生する相乗的効果が確かにある。DHA60%を含む魚油についても同様に観察される。
最終的に、40(重量)%超のホスファチジルコリンを含むリン脂質の混合物(a)を含む油において、容器の底部に堆積物が認められることはなく、相分離が認められることもない。
酸化にさらされる、安定化を必要とする油に混合可能な組成物は、後日使用することを目的として調製し、保存することができる。例えば、そのような組成物は以下のように調製することが可能である。
−カルノシン酸:0.25〜10(重量)%
−40(重量)%超のホスファチジルコリンを含むリン脂質の混合物:4〜90(重量)%

Claims (16)

  1. 酸化にさらされる油を安定化させるための抗酸化組成物であって、(a)実質的にリン脂質からなる混合物と、(b)少なくとも1種の他の抗酸化化合物とを含み、
    前記抗酸化化合物はカルノシン酸を含み、
    前記実質的にリン脂質からなる混合物(a)は、該混合物の全重量に対して、
    −リン脂質の合計含有量が85重量%以上であり、
    −ホスファチジルコリンの含有量が40重量%以上であり、
    −糖質および糖脂質の含有量が8重量%以下である、
    ことを特徴とする、抗酸化組成物。
  2. 前記リン脂質の混合物は、該混合物の全重量に対して、
    −リン脂質の合計含有量が90重量%以上であり、
    −ホスファチジルコリンの含有量が50重量%以上であり、
    −糖質および糖脂質の含有量が5重量%以下である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 1以上の前記抗酸化化合物(b)は、ロズマリン酸等のフェノール酸、カルノソール等のフェノール、トコフェロール化合物またはトコフェロール誘導体、アスコルビン酸またはパルミチン酸アスコルビル等のアスコルビン酸誘導体、緑茶等の植物から抽出されたポリフェノール、またはその他の任意の公知の天然由来の抗酸化化合物から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
  4. (a)4〜90重量%の前記実質的にリン脂質からなる混合物と、(b)0.25〜25重量%、好ましくは0.25〜10重量%のカルノシン酸とを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 他の抗酸化化合物(b)として、カルノシン酸とトコフェロール化合物またはトコフェロール誘導体との混合物を含むことを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  6. 4〜90重量%の前記リン脂質の混合物と、0.25〜25重量%のカルノシン酸と、2〜60重量%のトコフェロールとを含むことを特徴とする、請求項5に記載の組成物。
  7. 他の抗酸化化合物(b)として、カルノシン酸と、トコフェロール化合物と、パルミチン酸アスコルビルとの混合物を含むことを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
  8. 4〜90重量%の前記リン脂質の混合物と、0.25〜25重量%のカルノシン酸と、2〜60重量%のトコフェロールと、0.2〜12重量%のパルミチン酸アスコルビルとを含むことを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記カルノシン酸は、ローズマリー抽出物の形態で存在することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記実質的にリン脂質からなる混合物(a)は、該混合物の全重量に対して、
    −リン脂質の合計含有量が90重量%以上であり、
    −ホスファチジルコリンの含有量が50重量%以上であり、
    −糖質および糖脂質の含有量が5重量%以下である、
    ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗酸化組成物を含むことを特徴とする油。
  12. 植物油または海産物由来の油であることを特徴とする、請求項11に記載の油。
  13. 50〜20,000ppmの前記抗酸化組成物を含むことを特徴とする、請求項11または12に記載の油。
  14. 40〜500ppmのカルノシン酸と、900〜10,000ppmの前記リン脂質の混合物とを含むことを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の油。
  15. 40〜500ppmのカルノシン酸と、900〜10,000ppmの前記リン脂質の混合物と、500〜5000ppmのトコフェロール化合物とを含むことを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の油。
  16. 40〜500ppmのカルノシン酸と、900〜10,000ppmの前記リン脂質の混合物と、500〜5000ppmのトコフェロール化合物と、200〜2000ppmのパルミチン酸アスコルビルとを含むことを特徴とする、請求項11または12に記載の油。

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